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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057506
(43)【公開日】2024-04-24
(54)【発明の名称】玩具
(51)【国際特許分類】
   A63H 3/04 20060101AFI20240417BHJP
【FI】
A63H3/04 A
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022164300
(22)【出願日】2022-10-12
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)ウェブサイトの掲載日及びウェブサイトの掲載アドレス (ア)・掲載日:令和4年4月1日 ・掲載アドレス:https://www.bandai.co.jp/catalog/item.php?jan_cd=4549660726890000 バンダイ公式サイト (イ)・掲載日:令和4年4月1日 ・掲載アドレス:https://gashapon.jp/dangomushi/special/tokkuribachi/ ガシャポン公式サイト (ウ)・掲載日:令和4年8月1日 ・掲載アドレス:https://twitter.com/gashapon_bandai ガシャポン公式twitterアカウント (2) 公開日(発売日)及び発売場所 ・公開日(発売日):令和4年4月17日 ・発売場所:日本全国に設置されているガシャポン筐体
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】誉田 恒之
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150BC01
2C150CA02
2C150DC07
2C150DD14
2C150EH09
2C150EH16
2C150FD08
(57)【要約】
【課題】興趣性の高い玩具を提供する。
【解決手段】第1形態1F(カプセル形態)、及び第2形態2F(展示形態)をとり得る玩具1は、球型形状を成し、外表面10sに凹凸が形成されている主体部10を含み、主体部10は、外表面10sにおいて、対象物30を展示可能に構成されている。対象物30を収容可能なカプセル形態でもある主体部10が、その外表面10sにおいて、対象物30を展示可能に構成されているので、部品を無駄なく利用できる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1形態、及び第2形態をとり得る玩具であって、
球型形状を成し、外表面に凹凸が形成されている主体部を含み、
前記主体部は、前記外表面において、対象物を展示可能に構成されている、
玩具。
【請求項2】
請求項1に記載の玩具であって、
前記主体部は、前記外表面において、前記対象物を係止可能に構成されている、
玩具。
【請求項3】
請求項2に記載の玩具であって、
前記主体部は、前記外表面に係止した前記対象物により当該外表面の少なくとも一部が覆われる、
玩具。
【請求項4】
請求項3に記載の玩具であって、
前記主体部は、前記第2形態において、載置面に対して傾斜状態での載置が可能である、
玩具。
【請求項5】
請求項1に記載の玩具であって、
前記主体部に連結可能な副体部をさらに備え、
前記副体部は、非球型形状を成し、前記第1形態において、前記主体部内に収容可能に構成されている、
玩具。
【請求項6】
請求項5に記載の玩具であって、
前記主体部に連結された状態の前記副体部は、前記対象物を係止可能に構成されている、
玩具。
【請求項7】
請求項5に記載の玩具であって、
前記主体部は、その厚み方向に貫通する貫通孔が形成され、
前記副体部は、前記貫通孔に係合して前記外表面側に連結可能である、
玩具。
【請求項8】
請求項7に記載の玩具であって、
前記主体部は、前記第2形態において、前記貫通孔の軸線方向が載置面に対して傾斜状態で載置可能に構成されている、
玩具。
【請求項9】
請求項7に記載の玩具であって、
前記主体部に形成されている前記貫通孔は、前記対象物を通過不可能に構成され、前記対象物の一部を挿入可能に構成されている、
玩具。
【請求項10】
請求項5に記載の玩具であって、
前記副体部は、円筒形状を成し、その一方端部にフランジが形成されている、
玩具。
【請求項11】
請求項10に記載の玩具であって、
前記副体部は、前記フランジが設けられた側とは反対側の他方端部において、前記主体部と連結可能に構成されている、
玩具。
【請求項12】
請求項10に記載の玩具であって、
前記副体部の前記フランジには、前記主体部に形成されている前記凹凸とは異なる凹凸が形成されている、
玩具。
【請求項13】
請求項1に記載の玩具であって、
前記主体部は、前記外表面とは反対側の内表面に、内面凹凸が形成されている、
玩具。
【請求項14】
請求項1に記載の玩具であって、
前記主体部は、第1外殻部、及び前記第1外殻部に連結可能な第2外殻部から構成され、
前記第1外殻部、及び前記第2外殻部は、前記第1形態及び前記第2形態のそれぞれにおいて、連結状態を成している、
玩具。
【請求項15】
請求項14に記載の玩具であって、
前記第1外殻部は、その湾曲面の頂部に貫通孔が形成されている、
玩具。
【請求項16】
請求項1に記載の玩具であって、
前記主体部を載置面から離間した状態で保持可能な保持部をさらに備え、
前記保持部は、前記主体部を傾斜状態で保持可能に構成されている、
玩具。
【請求項17】

請求項16に記載の玩具であって、
前記保持部は、さらに前記対象物を保持可能に構成され、
前記主体部は、前記保持部が前記主体部、及び前記対象物を保持している状態において、前記対象物を係止可能に構成されている、
玩具。
【請求項18】
請求項16に記載の玩具であって、
前記保持部は、台座部と支持部とを含み、
前記台座部は、前記支持部の一方端部に連結され、
前記対象物は、前記支持部の他方端部に連結され、
前記主体部は、前記支持部における前記一方端部と前記他方端部との間に設けられた支持連結部に連結されている、
玩具。
【請求項19】
請求項18に記載の玩具であって、
前記支持連結部は、2つ設けられ、
前記2つの支持連結部は、一方の前記支持連結部が他方の前記支持連結部よりも前記主体部の分割線に対して離れた位置に設けられている、
玩具。
【請求項20】
請求項1に記載の玩具であって、
前記主体部に連結可能な副体部を備え、
前記副体部が連結されている状態の前記主体部は、虫の巣を模している、
玩具。
【請求項21】
請求項20に記載の玩具であって、
前記主体部は、虫を模している前記対象物の脚部が前記外表面に形成されている前記凹凸に係止可能に構成されている、
玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カプセル内部に人形などを収納して自動販売機で販売されるカプセル玩具がある。例えば特許文献1においては、カプセル構成部材で構成されるカプセル内部には、玩具を組立てるための部品が収納されている。カプセル構成部材の切り口には、切欠が所定数設けられており、この切欠に部品の一部又は全てを嵌入させて玩具を形成し得るようになっている。また、カプセルの離脱防止策として、カプセル構成部材の内壁には、カプセル構成部材の切り口を狭持するためのリブが所定数設けられている構成、が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平07-148358号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1においては、カプセル自体を玩具の部品とし利用する構造が記載されている。しかしながら、カプセルを玩具の一部として使用する際のカプセルの使用形態としては、販売時との球形状であるため、玩具の形状がカプセルの球形状に左右される。このため、本来のキャラクターのイメージを維持することが難しくなり、キャラクターによっては、カプセル形状によってその形状が大きく変わってしまい、その興趣性を維持できない課題を有していた。
【0005】
本発明は、興趣性の高い玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の玩具は、第1形態、及び第2形態をとり得る玩具であって、
球型形状を成し、外表面に凹凸が形成されている主体部を含み、主体部は、外表面において、対象物を展示可能に構成されている、ものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、興趣性の高い玩具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一態様における玩具の第1形態を示す斜視図である。
図2】玩具の第2形態における一態様を示す斜視図である。
図3図1に示す玩具の主体部の内部を示す斜視図である。
図4】主体部及び副体部の組み立てを示す斜視図である。
図5】対象物の一態様の平面図である。
図6】主体部の組立状態の外観図であって、(a)は、組み立て状態の斜視図であり、(b)は、組立状態の主体部を載置面上に置いたときの側面図である。
図7】第2形態の一態様において使用する支持部の斜視図である。
図8図7に示す保持部と主体部との取り付け方を示す側面図である。
図9】保持部と主体部との取り付け状態を示す側面図である。
図10】保持部と主体部が取り付けられた状態において対象物を取り付けを示す斜視図である。
図11】保持部を使用した第2形態を示す斜視図である。
図12】主体部を使用しない展示形態の一例を示す斜視図である。
図13】主体部を使用しない展示形態の他の例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一態様である玩具1について、図を参照して説明する。
図1は、玩具1の第1形態1Fにおける斜視図であり、図2は、玩具1の第2形態2Fの斜視図である。
玩具1は、図1に示すようなカプセル形態の第1形態1Fと、図2に示すような展示形態の第2形態2Fと、をとり得るものである。第1形態1Fにおいては、外殻部を構成する主体部10が球型形状を成しており、その外表面10sには外面凹凸10aが形成されている。また、主体部10は、必要に応じてその外側がラッピングフィルム80によって包まれている。また、第1形態1Fの玩具1においては、主体部10内には内部空間が形成されており、内部空間には、第2形態2Fにおいて使用する副体部20、更には、対象物30を構成するパーツPが収容袋Paなどに入れられた状態で収容されている。
【0010】
主体部10は、射出成型等によって樹脂にて成形されており、ある一定の硬さを有している。したがって、図1に示す第1形態1Fにおいては、それ自体が転がり易い転動可能な構成であって、物品供給装置から転動して外部に供給・販売形態をとることができる。物品供給装置は、ラッピングフィルム80にて覆われている状態の玩具1をランダムな配置で複数収容可能な収容部と、収容部から一つずつ玩具1を無作為に選択して供給可能な供給部と、供給部をロックするロック部と、代価の支払いを条件としてロック部のロックを解除し供給部を回転すべく操作可能な操作部と、収容部から供給口へと玩具1を転動可能に通過させる通路部とを備えている。
【0011】
また、第2形態2Fにおいては、図2に示すように、例えば特定の昆虫(蜂)を模した対象物30が主体部10の上に載置された状態となっている。このように、主体部10は、その外表面10sにおいて、対象物30を展示可能に構成されている。これは、主体部10の外表面10sに形成された外面凹凸10aが形成されていることに加え、対象物30が後述する特定の昆虫、本態様においては、例えば、「ミカドとっくり蜂」であり、その脚部34,35,36が外面凹凸10aに引っ掛かるように設けられる。
【0012】
この対象物30である「ミカドとっくり蜂」は、その習性として、図2に示すような「とっくり型」をした巣を、土を利用して作り、この巣の中に卵を産み落とし、また、幼虫の餌となるものを入れて置く習性がある。したがって、卵を産み付けるときなどは、巣の一部を覆うように体を曲げて当該巣の外表面10sにとまり、身体の一部を巣である主体部10の穴20hに入れる動作を行う。したがって、図2に示すように、対象物30は、主体部10の外表面10sを覆うようにして載置して展示することで、「ミカドとっくり蜂」らしさを強調した展示形態とすることができる。
【0013】
図3は、図1に示す玩具の主体部10の内部を示す斜視図である。
主体部10は、半球状の第1外殻部11と同じく半球状の第2外殻部12との組合せにて構成される。例えば、図3に示すように、両外殻部11,12は、第1外殻部11の開口縁部11eと、第2外殻部12の開口縁部12eと、を嵌合することで球形の内部空間が形成されるように連結可能に構成される。なお、主体部10は、第1外殻部11、及び第2外殻部12が連結された状態として、第1形態1F及び第2形態2Fのそれぞれにおいて利用される。すなわち、前掲のように、第1形態1Fでは収容容器として利用され、第2形態2Fでは蜂の巣として利用される。
【0014】
主体部10の第1外殻部11は、その湾曲面の頂部に貫通孔11hが形成されている。この貫通孔11hには、副体部20が連結(図4参照)される。第2外殻部12には、後述する保持部40(図7参照)を使った展示形態のときに利用する窪み状の一対の被係止部12a,12bが外表面10sに形成されている。したがって、第2外殻部12の内面10isには、被係止部12a,12bを構成するための内面側に突出した突部が形成されている。
【0015】
また、第1外殻部11、及び第2外殻部12の内面10isには、内面凹凸10bが設けられており、巣のリアルな形状が再現されている。なお、この内面凹凸10bは、外表面10sの外面凹凸10aと略反対の凹凸構造となっており、両外殻部11,12は、その厚みが略一定のものとして形成さている。
【0016】
図4は、主体部10及び副体部20の組み立てを示す斜視図である。
図4に示すように、第1形態1Fにおいて内部空間に収容されていた副体部20は、非球型形状で円筒形状を成している。この副体部20は、蜂の巣の入り口を構成する穴20hが設けられている。また、副体部20の外観形状としては、その一方端部には他端部よりも大径に開くような形状のフランジ20fが形成されている。また、フランジ20fが設けられた側とは反対側(他方端部)には、主体部10(第1外殻部11)の貫通孔10hと連結可能な構成となっている。連結端部20bは、例えば、先端部分が小径となった段差構造を有しており、この小径の部分が貫通孔10hに挿入されて固定される。このようにして、副体部20は、主体部10の外表面10s側に突出するように連結され、穴20hが主の内部に連通する。
【0017】
また、副体部20には、その内外面には、凹凸20aが設けられている。この凹凸20aは、主体部10に形成されている外面凹凸10aとは異なる、例えば凹凸サイズが小さい凹凸として形成されている。
【0018】
図5は、対象物30の一態様の平面図である。
図5に示すように、対象物30は「ミカドとっくり蜂」を示している。この蜂は、頭部31、胸部32、腹部第1節33a、腹部第2節33b、前脚(脚部)34、中脚(脚部)35、後脚(脚部)36、及び触角37を有し、この体形に合わせたパーツにて構成されている。また、各パーツは、ボールジョイント構造のパーツ連結部30jを有した構造となっている。したがって、各パーツは、分解した状態で提供されるが、パーツ連結部30jの部分を押し込むようにして容易に連結され組み立てられる。また、各パーツは、パーツ連結部30jのボールジョイント構造によって自在に動くことができ、後述するような各種のポージングを可能にしている。
【0019】
また、対象物30の形状をリアルに表現するために、例えば、頭部31の複眼38及び翅39には、光透過性素材として例えばMABS樹脂が使用されている。また、翅39には、翅脈39aが設けられており、翅39をリアルに再現されている。また、頭部31、触角37、腹部33a,33b、各脚部、パーツ連結部30jなどは、硬さや、耐摩耗性、成型性などを考慮して、PP樹脂、PVC樹脂、POM樹脂等を適宜用いられている。
【0020】
図6は、主体部10の組立状態の外観図であって、(a)は、組み立て状態の斜視図であり、(b)は、組立状態の主体部10を載置面上に置いたときの側面図である。
主体部10に副体部20が取り付けられた蜂の巣の形状は、図6に示すように、副体部20が徳利の注ぎ口のようにな徳利形状となっている。この主体部10は、その外表面10sに設けられてた外面凹凸10aによって、例えば、図6(b)に示すように、載置面60に対して外面凹凸部10aの凸部を利用して載置することができる。そして、例えば、主体部10は、第2形態2Fにおいて、蜂の巣の入り口を構成する副体部20が斜め上側となる状態、すなわち、貫通孔11h(穴20h)の軸線CL方向が載置面60に対して傾斜角θで傾いた状態で載置することができる。
【0021】
なお、主体部10の傾き角度については、外面凹凸10aが多数形成されているので、適宜角度に調整することができる。このように主体部10が傾斜し副体部20が上向きに位置する第2形態2F(図2参照)となっていることで、対象物30は、主体部10の外面凹凸10aに係止されるだけでなく、副体部20に引っ掛かるよう係止することができる。
【0022】
図7は、第2形態の一態様において使用する保持部40の斜視図である。
展示形態(第2形態2F)は、図2に示す形態とは異なる、例えば、図7に示す保持部40を利用した第2形態2F(図11参照)がある。この保持部40は、後述するように、主体部10と対象物30とを同時に支持することができる。
【0023】
保持部40は、図7に示すように、大きく分けて、略円盤型の台座部41と、この台座部41の上面側から立上がるように設けられた支持部42と、を備えている。支持部42は、弓形状に湾曲した弓形部43の一方端部には、台座部41に取り付けられる棒状の下側部材44が設けられ、反対側の他方端部には、棒状の上側部材45が設けられている。下側部材44は、台座部41の円筒穴の台座連結部41jに挿入され連結されており、水平方向に回転可能となっている。また、弓形部43と下側部材44との連結部分は、例えば、下側部材44側の軸部が弓形部43側の軸孔に連結された下ジョイント部44jが設けられている。下ジョイント部44jは、弓形部43を垂直方向に揺動可能である。また、上側部材45と弓形部43との連結部分は、下ジョイント部44jと同じ構造の上ジョイント部45jにて連結されており、上側部材45が垂直方向に揺動可能に連結されている。また、上側部材45には、その先端45eに爪部45aが当該上側部材の軸線に対して回動可能に設けられる。この爪部45aは、後述するように、対象物30を保持する(図10参照)ことができる。
【0024】
また、下ジョイント部44jと上ジョイント部45jは、その外面が円筒状に構成されている。すなわち、下ジョイント部44j、上ジョイント部45jは、その外面が弓形部43の端部において内方側に突出した上下一対の支持連結部43a,43bを構成している。この下側の支持連結部43aと上側の支持連結部43bとによって、後述するように、主体部10を保持することができる。
【0025】
図8は、図7に示す保持部40と主体部10との取り付け方を示す側面図である。図9は、保持部40と主体部10との取り付け状態を示す側面図である。
図8に示すように、主体部10側の第2外殻部12の外表面10sには、下側の支持連結部43a、及び上側の支持連結部43bに対応する窪み状の一対の被係止部(下被係止部12a、上被係止部12b)が設けられている。そして、例えば、図8に示すように、主体部10の下被係止部12a、及び上被係止部12bを、上下両側の支持連結部43a,43bに嵌るように押し込む。これによって、例えば、弓形部43は、下側の支持連結部43aと上側の支持連結部43bとの間隔が少し開くようにして、主体部10を、図9に示すように、載置面60から離間した状態で保持する。
【0026】
ここで、上被係止部12bと下被係止部12aとは、その形成された位置が、両外殻部11,12の分割線50に対して異なる(L1>L2)ように設けられている。この構成により、保持部40に保持された主体部10は、図9に示すように、副体部20が上向きになるように傾斜した状態で保持されている。
【0027】
図10は、保持部40に主体部10が取り付けられた状態において対象物30を取り付けを示す斜視図である。図11は、保持部40を使用した第2形態2Fを示す斜視図である。
保持部40は、図10に示すように、主体部10を保持した状態で更に対象物30を保持することができる。このとき、上側部材45の爪部45aは上側を向いた状態となっている。この爪部45a(左右一対の突起状の爪部45a)に対して、上方側から対象物30の括れ部分(胸部32と腹部第1節33aとの連結部分)を差し込むようにして保持する。また、各脚部34,35,36は、主体部10の外表面10s(外面凹凸10a)に係合させる。
【0028】
また、図11に示すように、腹部第2節33bを下げるようにして、外表面10s上、或いは上側部材45、弓形部43に接するようにする。このようにすることで、対象物30であるミカドとっくり蜂は、主体部10上に安定した状態で保持される。なお、副体部20の穴20hには、例えば、図11に示すように、蜂の前脚34を入れた状態としても良い。また、前後の向きを変えた状態で、お尻の針30r(図12参照)を穴20h内に入れるようなポーズでも良い。
【0029】
図12は、主体部10を使用しない展示形態の一例を示す斜視図である。
図12の示す状態は、ミカドとっくり蜂が攻撃モードの状態を示した展示状態である。この場合、例えば、腹部第1節33a、及び腹部第2節33bを前方に曲げると共に針30rを出した状態とする。また、翅39については、少しV字形状となるように先端側を上に向けた状態とする。なお、この場合、爪部45aは下向きにし、下方側から対象物30の括れ部分(胸部32と腹部第1節33aとの連結部分)を差し込むようにして保持する。
【0030】
図13は、主体部10を使用しない展示形態の他の例を示す斜視図である。
図13の示す状態は、ミカドとっくり蜂が飛行モードの状態を示した展示状態である。この場合、腹部第1節33a、及び腹部第2節33bは後方に延ばし、針30rは引っ込めた状態とする。また、翅39については、図12の場合とは異なり、略水平な状態となるようにする。なお、この場合、爪部45aは図10に示す場合と同様に上向きにして対象物30を保持する。
【0031】
以上述べたように、本態様の玩具1は、主体部10は、販売形態の第1形態1Fと、展示形態の第2形態2Fとが略同じ形態にて使用でき、特に、主体部10が連結可能な第1外殻部11、及び第2外殻部12から構成されていることで、部品を収容するカプセルとして使い勝手が良く、展示形態においても連結した状態で部品を無駄なく利用できる。
【0032】
また、本態様の玩具1では、主体部10は、その外表面10sに外面凹凸10aが設けられていることで、対象物30の係止することができ、対象物30によって主体部10の一部が覆われるので、主体部10と対象物30とが関連付けされた展示形態を演出することができる。
【0033】
本態様の玩具1では、主体部10は、外面凹凸10aを利用した展示状態として傾斜状態で載置面60におくことができるので、主体部10を斜め状態での演出ができる。主体部10に連結された副体部20により確実に対象物30を係止することができる。
【0034】
本態様の玩具1においては、主体部10は、貫通孔11h(穴20h)の軸線CLに対して斜めに載置可能であるので、展示状態において貫通孔11hに連結された副体部20の傾斜を強調した展示ができると共に、副体部20への対象物30の係合がし易い状態となる。
【0035】
本態様の玩具1においては、貫通孔11hは、対象物30が通過できない構成であるので、第1形態1F(カプセル)において主体部10内に収容された対象物30の確実に収容できる。また、貫通孔11hは、対象物30の一部を挿入可能であることで、第2形態2Fにおいて、対象物30の一部を貫通孔11h(穴20h)に挿入するような、ミカドとっくり蜂の習性のポーズを強調した展示ができる。また、対象物30の一部を貫通孔11h(穴20h)に挿入することで、当該対象物30の係止をより確実に行うことができる。また、副体部20がフランジ20fを備えていることで、当該フランジ20fの部分を係止部分として利用することができ、対象物30の係止・保持形態の多様化を図ることができる。
【0036】
本態様の玩具1では、副体部20の外面凹凸10aは、主体部10のものとは異なる形状となっているので、展示状態において、副体部20とを強調した演出ができる。
【0037】
本態様の玩具1では、主体部10の内面に内面凹凸10bが設けられていることで、ミカドとっくり蜂の巣をリアルに演出することができる。また、内面凹凸は10bは、外表面10s側とは反対の凹凸とすることで、主体部10の肉厚の平均化を図ることができ、射出成型における成型精度の向上を図ることができる。
【0038】
本態様の玩具1においては、主体部10を載置面60から離間した状態で保持可能な保持部40を使用することにより、展示状態を高い状態で載置した演出をすることができる。
【0039】
本態様の玩具1においては、保持部40の支持部42が上下一対の支持連結部43a,43bにて主体部10を挟持する構成であるので、主体部10を確実に保持することができ、同時に、上端側の上側部材45によって蜂(対象物30)が巣(主体部10)に載っている状態で、対象物30を確実に保持することができる。
また、下側の支持連結部43aと上側の支持連結部43bは、主体部10の分割線50に対して異なる位置(L1>L2)にて係合するように構成されているので、主体部10の保持向きを傾斜させる演出ができる。
【0040】
以上、本発明の態様について説明したが、本発明はその技術思想の範囲で適宜変更することができる。例えば、上記態様においては、ミカドとっくり蜂を対象物30とした構成であるが、この構成に限るものではなく、対象物30として他の昆虫や他生物であっても良い。
【0041】
以上説明したように、本明細書には以下の事項が開示されている。
【0042】
(1)
第1形態、及び第2形態をとり得る玩具であって、
球型形状を成し、外表面に凹凸が形成されている主体部を含み、
上記主体部は、上記外表面において、対象物を展示可能に構成されている、
玩具。
【0043】
(2)
(1)に記載の玩具であって、
上記主体部は、上記外表面において、上記対象物を係止可能に構成されている、
玩具。
【0044】
(3)
(2)に記載の玩具であって、
上記主体部は、上記外表面に係止した上記対象物によりその外表面の少なくとも一部が覆われる、
玩具。
【0045】
(4)
(1)から(3)の何れかに記載の玩具であって、
上記主体部は、上記第2形態において、載置面に対して傾斜状態での載置が可能である、
玩具。
【0046】
(5)
(1)から(4)の何れかに記載の玩具であって、
上記主体部に連結可能な副体部をさらに備え、
上記副体部は、非球型形状を成し、上記第1形態において、上記主体部内に収容可能に構成されている、
玩具。
【0047】
(6)
(5)に記載の玩具であって、
上記主体部に連結された状態の上記副体部は、上記対象物を係止可能に構成されている、
玩具。
【0048】
(7)
(5)又は(6)に記載の玩具であって、
上記主体部は、その厚み方向に貫通する貫通孔が形成され、
上記副体部は、上記貫通孔に係合して上記外表面側に連結可能である、
玩具。
【0049】
(8)
(7)に記載の玩具であって、
上記主体部は、上記第2形態において、上記貫通孔の軸線方向が載置面に対して傾斜状態で載置可能に構成されている、
玩具。
【0050】
(9)
(7)又は(8)に記載の玩具であって、
上記主体部に形成されている上記貫通孔は、上記対象物を通過不可能に構成され、上記対象物の一部を挿入可能に構成されている、
玩具。
【0051】
(10)
(5)から(9)の何れかに記載の玩具であって、
上記副体部は、円筒形状を成し、その一方端部にフランジが形成されている、
玩具。
【0052】
(11)
(10)に記載の玩具であって、
上記副体部は、上記フランジが設けられた側とは反対側の他方端部において、上記主体部と連結可能に構成されている、
玩具。
【0053】
(12)
(10)又は(11)に記載の玩具であって、
上記副体部の上記フランジには、上記主体部に形成されている上記凹凸とは異なる凹凸が形成されている、
玩具。
【0054】
(13)
(1)から(12)の何れかに記載の玩具であって、
上記主体部は、上記外表面とは反対側の内表面に、内面凹凸が形成されている、
玩具。
【0055】
(14)
(1)から(13)の何れかに記載の玩具であって、
上記主体部は、第1外殻部、及び上記第1外殻部に連結可能な第2外殻部から構成され、
上記第1外殻部、及び上記第2外殻部は、上記第1形態及び上記第2形態のそれぞれにおいて、連結状態を成している、
玩具。
【0056】
(15)
(14)に記載の玩具であって、
上記第1外殻部は、その湾曲面の頂部に貫通孔が形成されている、
玩具。
【0057】
(16)
(1)から(15)の何れかに記載の玩具であって、
上記主体部を載置面から離間した状態で保持可能な保持部をさらに備え、
上記保持部は、上記主体部を傾斜状態で保持可能に構成されている、
玩具。
【0058】
(17)
(16)に記載の玩具であって、
上記保持部は、さらに上記対象物を保持可能に構成され、
上記主体部は、上記保持部が上記主体部、及び上記対象物を保持している状態において、上記対象物を係止可能に構成されている、
玩具。
【0059】
(18)
(16)又は(17)に記載の玩具であって、
上記保持部は、台座部と支持部とを含み、
上記台座部は、上記支持部の一方端部に連結され、
上記対象物は、上記支持部の他方端部に連結され、
上記主体部は、上記支持部における上記一方端部と上記他方端部との間に設けられた支持連結部に連結される、
玩具。
【0060】
(19)
(18)に記載の玩具であって、
上記支持連結部は、2つ設けられ、
上記2つの支持連結部は、一方の上記支持連結部が他方の上記支持連結部よりも上記主体部の分割線に対して離れた位置に設けられている、
玩具。
【0061】
(20)
(1)から(19)の何れかに記載の玩具であって、
上記主体部に連結可能な副体部を備え、
上記副体部が連結されている状態の上記主体部は、昆虫の巣を模している、
玩具。
【0062】
(21)
(20)に記載の玩具であって、
上記主体部は、昆虫を模している上記対象物の脚部が上記外表面に形成されている上記凹凸に係止可能に構成されている、
玩具。
【符号の説明】
【0063】
1 玩具
1F 第1形態
2F 第2形態
10 主体部
10s 外表面
10a 外面凹凸(主体部の凹凸)
10b 内面凹凸
11 第1外殻部
11h 貫通孔
12 第2外殻部
20 副体部
20a 副体部の凹凸
20f フランジ
21 第1副部品
30 対象物
40 保持部
41 台座部
42 支持部
43a 下側の支持連結部(一方端部の支持連結部)
43b 上側の支持連結部(他方端部の支持連結部)
50 分割線
60 載置面
CL 軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13