(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057552
(43)【公開日】2024-04-24
(54)【発明の名称】自動運転走行試験方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G01M 17/007 20060101AFI20240417BHJP
B60W 40/10 20120101ALI20240417BHJP
B60W 60/00 20200101ALI20240417BHJP
G06T 19/00 20110101ALI20240417BHJP
【FI】
G01M17/007 B
B60W40/10
B60W60/00
G06T19/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022176625
(22)【出願日】2022-11-02
(31)【優先権主張番号】P 2022164371
(32)【優先日】2022-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】591280485
【氏名又は名称】ソフトバンクグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】孫 正義
【テーマコード(参考)】
3D241
5B050
【Fターム(参考)】
3D241BA49
3D241BB40
3D241BC02
3D241CC17
3D241CE02
3D241CE04
3D241CE05
3D241DB27Z
3D241DC18Z
3D241DC30Z
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3D241DC35Z
3D241DC38Z
3D241DC39Z
3D241DC42Z
3D241DC46Z
3D241DC51Z
3D241DC59Z
5B050AA03
5B050BA09
5B050CA07
5B050CA08
5B050DA04
5B050DA05
5B050EA26
5B050FA02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】自動運転走行試験方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】自動運転走行試験方法は、自動運転車両10の挙動を表す挙動情報を取得し、複数の障害物Xが設置されたテストコースRに対応する仮想空間のデータと、前記挙動情報とに基づいて、前記仮想空間のテストコースで前記自動運転車両を走行させる走行試験を実施することを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動運転車両の挙動を表す情報を取得し、
複数の障害物が設置されたテストコースに対応する仮想空間のデータと、前記情報とに基づいて、前記仮想空間のテストコースで前記自動運転車両を走行させる走行試験を実施することを特徴とする自動運転走行試験方法。
【請求項2】
前記走行試験時における前記自動運転車両の挙動を表す情報を格納する請求項1に記載の自動運転走行試験方法。
【請求項3】
前記障害物と前記自動運転車両の挙動を表す情報とを関連付けて格納する請求項2に記載の自動運転走行試験方法。
【請求項4】
自動運転車両の挙動を表す情報を取得し、
複数の障害物が設置されたテストコースに対応する仮想空間のデータと、前記情報とに基づいて、前記仮想空間のテストコースで前記自動運転車両を走行させる走行試験を実施する、
処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動運転走行試験方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自動運転機能を有する車両について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一実施態様によれば、自動運転走行試験方法が提供される。前記自動運転走行試験方法は、自動運転車両の挙動を表す挙動情報を取得し、複数の障害物が設置されたテストコースに対応する仮想空間のデータと、前記挙動情報とに基づいて、前記仮想空間のテストコースで前記自動運転車両を走行させる走行試験を実施することを特徴とする自動運転走行試験方法である。
【0005】
本発明の一実施態様によれば、コンピュータに、前記自動運転走行試験方法を実行させるためのプログラムが提供される。
【0006】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施形態に係るテストコースの一例を概略的に示す。
【
図2】自動運転車両10の機能構成の一例を概略的に示す。
【
図3】情報処理装置によって実行される処理ルーチンの一例を概略的に示す。
【
図4】自動運転用の走行試験テストコースにおいて用いられる制御を説明するための図である。
【
図5】自動運転用の走行試験テストコースにおいて用いられる制御を説明するための図である。
【
図6】自動運転用の走行試験テストコースにおいて用いられる制御を説明するための図である。
【
図7】情報処理装置として機能するコンピュータ1200のハードウェア構の一例を概略的に示す。
【
図8】変形例に係るサーバの一例を概略的に示すブロック図である。
【
図9】変形例に係る自動運転試験方法の一例を概略的に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0009】
自動運転用の走行試験テストコースは、自動運転用に作られておらず、自動運転車の試験走行テストとしては不十分である。
【0010】
そこで、本実施形態では、
図1に示されているように、テストコースR上に様々な障害物Xを設置し、試験走行を行う自動運転車両10はテストコースRを走行する。これにより、自動運転システムが問題なく設計できているかを試験することができ、より精度の高い自動運転車両試験が可能となる。
【0011】
なお、テストコースR上に設置される障害物としては、雨、雪、台風、煙、霧、トラックのタイヤ、ドローン、サッカー、野球、ゴルフ、風船、赤信号、ロボット、二輪車、対向車、眩しい光、暗闇で車のライトが使えず懐中電灯を使用する状況、カラーコーン(登録商標)や標識、救急車、消防車、自転車、年老いたロボット、隘路、犬ロボット、山道、砂浜、泥道、でこぼこ道、木が倒れてくる仕掛け、落とし穴、水たまり、まきびし、又は車両の線路に模した走行がぎりぎり可能なレール(なお、車両の線路が障害物として設定された場合、自動運転車両10はレールの上を走行する。レール一本の幅は、車両のタイヤ幅よりも小さい)が採用され得る。テストコースR上には、これら複数の障害物が配置される。
【0012】
図2は、本実施形態に係る自動運転車両10の一例の概略図である。自動運転車両10は、自動運転車両10に搭載されるセンサ12と、情報処理装置14とを備えている。
【0013】
センサ12は、自動運転車両10周辺の障害物を表す障害物情報を逐次取得する。センサ12としては、最高性能のカメラ、ソリッドステートLiDAR、マルチカラーレーザ同軸変位計、又はその他様々なセンサ群が採用され得る。また他には、センサ12としては、振動計、サーモカメラ、硬度計、レーダー、LiDAR、高画素・望遠・超広角・360度・高性能カメラ、ビジョン認識、微細音、超音波、振動、赤外線、紫外線、電磁波、温度、湿度、スポットAI天気予報、高精度マルチチャネルGPS、低高度衛星情報、又はロングテールインシデントAI data等が挙げられる。ロングテールインシデントAI dataとはレベル5の実装した自動運転車両のTripデータであっても良い。
【0014】
なお、センサ12は、上記の障害物情報のほかに、画像、距離、振動、熱、匂い、色、音、超音波、紫外線、又は赤外線等を検知する。他にセンサ12が検知する情報としては、体重の重心移動、道路の材質の検知、外気温度の検知、外気湿度の検知、坂道の上下横斜め傾き角度の検知、道路の凍り方、水分量の検知、それぞれのタイヤの材質、摩耗状況、空気圧の検知、道路幅、追い越し禁止有無、対向車、前後車両の車種情報、それらの車のクルージング状態、周囲の状況(鳥、動物、サッカーボール、事故車、地震、家事、風、台風、大雨、小雨、吹雪、霧、など)等が挙げられる。
【0015】
センサ12は、これらの検知をナノ秒毎に実施する。
【0016】
情報処理装置14は、機能構成として、情報取得部140と、制御部142と、情報蓄積部144とを備えている。
【0017】
情報取得部140は、センサ12によって検知された障害物Xの情報を取得する。例えば、情報取得部140は、テストコースR上に設置された複数の障害物Xのそれぞれの位置情報を取得してもよい。この場合、障害物Xのそれぞれに通信機器及びGPS装置を搭載させ、GPS装置によって測位された障害物Xの位置情報を通信機器によって情報処理装置14に送信してもよい。障害物Xが移動体であれば、情報処理装置14へ障害物Xの位置情報が送信されることで、障害物Xの位置情報の時系列データを取得できる。
【0018】
制御部142は、情報取得部140が取得した複数の情報とAI(Artificial intelligence)とを用いて、自動運転の走行試験を実施する。
【0019】
例えば、制御部142は、以下の各処理を実行する。
【0020】
(1)テストコース全体を3Dマッピング
(2)テストコースを最速でゴール可能な戦略を立案
(3)それをナノ秒単位で車体が進むべきスピードと左右のステアリング角度を計画
(4)ナノ秒単位で4輪の四つの車輪モータにスピン数と左右のステアリング軸に伝える
(5)障害物とタイヤのスリップ係数などでズレが発生した場合は補正する。
【0021】
例えば、制御部142は、ナノ秒単位で自動運転車両10の左右への回転を制御し、ナノ秒ごとに進むべき方向と最適な速度を計算し、自動運転車両10のステアリングシャフトへ指示する。なお、このような車両制御をパーフェクトステリアングと称する。なお、自動運転車両10がステアバイワイヤ技術を搭載した車両であれば、ステリングシャフトが無いため、タイヤ角度を制御する制御部へ直接的に電気信号が送信される。
【0022】
制御部142は、自動運転の走行試験を実施した際の自動運転車両10の挙動を表す情報を情報蓄積部144へ格納する。これにより、情報蓄積部144には、自動運転車両10がテストコースRを走行した際の情報が格納される。
【0023】
情報処理装置14は、
図3に示されているフローチャートを繰り返し実行する。
【0024】
ステップS100において、情報取得部140は、センサ12によって検知された障害物の情報を取得する。
【0025】
ステップS102において、制御部142は、ステップS100で取得された複数の情報とAIとを用いて、自動運転車両10を制御することにより、自動運転の走行試験を実施する。
【0026】
ステップS104において、制御部142は、自動運転車両10の挙動を表す情報を情報蓄積部144へ格納する。
【0027】
本実施形態によれば、あらゆる障害物を設定した自動運転用のテストコースが設計される。また、本実施形態では、自動運転車両がテストコースを走行する際には、パーフェクトステリアングによるナノ秒単位で左右への回転を制御し、ナノ秒ごとに進むべき方向と最適な速度を計算し、ステアリングシャフトに指示する。このようなテストコースに自動運転車両を走行させることにより、自動運転の性能を検証することが可能となる。また、自動運転車両をテストコースに走行させる際に、パーフェクトステリアングによるナノ秒単位の制御により、より安全性の高い自動運転が実現される。
【0028】
なお、従来のテストコースは人間が運転することが前提でAIによる自動運転用には設計されておらず、AIも現実のコースの走行を前提とされている。この点、自動運転は人間が容易に乗り越えることのできる障害物につまづくこともあり、従来のテストコースは、AIによる自動運転が問題ないことを検証するには不十分である。また、自動運転用のテストコースでは、より細かなAIによる制御が求められる。
【0029】
このような従来技術の課題に対し、本実施形態によれば、あらゆる障害物が配置されたテストコースが設計されることにより、自動運転の性能を精度良く検証することが可能となる。
【0030】
AIによる自動運転車両10の制御方法の一例として、機械学習、より詳しくは深層学習(Deep Learning)を用いて、情報取得部140で取得した複数の情報から自動運転車両10の制御に関連するインデックス化された値を推論することが可能なものであってよい。
【0031】
制御部142は、情報取得部140において多くのセンサ群等で収集したナノ秒毎のデータを、Level6の計算力を用い、下記式(1)に示すような積分法による多変量解析(例えば式(2)参照)を行うことで、正確なインデックス(index)値を求め得る。より詳しくは、Level6の計算力で各種Ultra High Resolutionのデルタ値の積分値を求めながら、エッジレベルで且つリアルタイムで各変数のインデックス化された値を求め、次のナノ秒に発生する結果を最も高い確率論値を取得し得る。
【数1】
【数2】
なお、上記式(2)のDLは深層学習を示し、A,B,C,D,…,Nは、空気抵抗、道路抵抗、道路要素(例えばゴミ)及び滑り係数等を示す。
【0032】
各変数のインデックス化された値は、Deep Learningの回数を増加させることによりさらに精緻化させ得る。例えば、タイヤ、モータの回転、ステアリング角度、道路の材質、天気、ごみ、二次曲線的減速時における影響、スリップ、ステアリング及びスピードコントロールの仕方等の膨大なデータを用いてより正確なインデックス値を算出することができる。
【0033】
制御部142は、特定された複数のインデックス値に基づいて自動運転車両10の自動運転制御を実行するものであってよい。詳しくは、複数のインデックス値から次のナノ秒に発生する結果を最も高い確率論値を取得し、当該確率論値を考慮した車両の運転制御を実施することができる。
【0034】
制御部142を備えた自動運転車両10によれば、Level5の計算力よりも極めて大きなLevel6の計算力を用いて情報の解析や推論を実施できるため、従前とは比較にならないレベルの精緻な解析が可能となる。これにより、安全な自動運転のための車両制御を可能にする。
【0035】
図4~
図6は、上記内容の概要図である。なお、
図4において説明される「Level6」とは自動運転を表すレベルであり、完全自動運転を表すLevel5よりも更に上のレベルに相当する。Level5は完全自動運転を表すものの、それは人が運転するのと同等のレベルであり、それでも未だ事故等が発生する確率はある。Level6とは、Level5よりも上のレベルを表すものであり、Level5よりも事故が発生する確率が低いレベルに相当する。本実施形態では、Level6はナノ秒レベルでの制御によって実現される。
【0036】
図7は、情報処理装置14として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、本実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、本実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、本実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0037】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブは、DVD-ROMドライブ及びDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230及びキーボードのようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0038】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0039】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVDドライブは、プログラム又はデータをDVD-ROM等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0040】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0041】
プログラムは、DVD-ROM又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0042】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0043】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ(DVD-ROM)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0044】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0045】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0046】
本実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0047】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0048】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0049】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0050】
なお、上記実施形態では、実際のテストコースR上で自動運転車両10を走行させたが、これに限定されない。例えば、以下の変形例で説明するように、仮想空間上にテストコースを生成して運転試験を実施してもよい。
【0051】
(変形例)
図8は、変形例に係るサーバ20の一例を概略的に示すブロック図である。この
図8に示されるように、本変形例のサーバ20は、コース形状情報22、障害物情報24、天候情報26及び運転試験プログラム28を備えている。
【0052】
コース形状情報22は、テストコースRの形状及び路面情報などが含まれている。例えば、コース形状情報22は、3次元情報を取得可能なセンサを備えた車両がテストコースRを走行することで取得された情報でもよい。また、路面情報は、テストコースRの材質などから算出される摩擦係数などを含んでもよい。
【0053】
障害物情報24は、テストコースR上に設置された複数の障害物Xの情報である。障害物情報24には、障害物Xの種類、大きさ、位置、挙動などを含む情報が含まれている。
【0054】
天候情報26は、テストコースRの天候の情報である。
【0055】
運転試験プログラム28は、仮想空間上のテストコースに自動運転車両10を走行させるためのプログラムが格納されている。
【0056】
図9は変形例に係る自動運転試験方法の一例を概略的に示すフローチャートである。例えば、情報処理装置14によってサーバ20に格納された運転試験プログラム28が実行されることによって
図9のフローチャートが実行される。
【0057】
ステップS200では、情報処理装置140が仮想空間上にテストコースを生成する。具体的には、コース形状情報22、障害物情報24及び天候情報26に基づいて仮想空間上にテストコースが生成される。生成されるテストコースは、実際のテストコースRに対応するため、テストコースRに自動運転車両10を走行させなくても、仮想空間上のテストコースに自動運転車両10を走行させるシミュレーションを行うことで、自動運転車両10の挙動を確認できる。
【0058】
複数の障害物のそれぞれの位置及び挙動は、設定により変更可能である。また、天候情報26に記憶された情報から任意の天候を設定可能である。天候情報を変更することで、仮想空間上のテストコースにおける路面状態及び視界などが変化する。
【0059】
ステップS202では、情報処理装置140が自動運転車両10の挙動を表す情報を取得する。実際のテストコースRで自動運転車両10の運転試験が実施されている場合、情報蓄積部144に蓄積された情報を取得できる。また、実際のテストコースRで自動運転車両10の運転試験が実施されていない場合であっても、自動運転車両10の設計時に挙動を表す情報を所定のサーバなどに格納することで、挙動を表す情報として取得することができる。
【0060】
ステップS204では、情報処理装置140がステップS200で生成された仮想空間のデータと、ステップS202で取得した情報とに基づいて、仮想空間のテストコースで自動運転車両を走行させるシミュレーションを実行する。これにより、自動運転車両10の走行試験が実施される。
【0061】
ステップS206では、走行試験時の自動運転車両10の挙動を表す情報を所定の蓄積部に蓄積する。例えば、これらの情報を情報蓄積部144に蓄積してもよい。情報蓄積部144に蓄積する情報は、走行試験毎に別の情報として蓄積してもよい。また、テストコースの情報と挙動を表す情報とを関連付けて蓄積してもよい。
【0062】
本変形例では、仮想空間のテストコースで走行試験を行うことで、自動運転車両10の開発拠点とテストコースRとの物理的な距離が離れている場合であっても、自動運転車両10をテストコースRまで運搬することなく運転試験を行うことができる。
【0063】
また、実際の自動運転車両10を用いて走行試験を行わないため、自動運転車両10を走行させるための燃料又は電力を必要としない。さらに、自動運転車両10を組み上げる前の状態であっても、挙動を表す情報を設定することで運転試験を行うことができ、開発工期を短縮できる。
【0064】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0065】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【0066】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0067】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0068】
10 自動運転車両、12 センサ、14 情報処理装置、1200 コンピュータ、1210 ホストコントローラ、1212 CPU、1214 RAM、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1230 ROM、1240 入出力チップ