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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057568
(43)【公開日】2024-04-24
(54)【発明の名称】イメージセンサ
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/146 20060101AFI20240417BHJP
   G02B 5/20 20060101ALI20240417BHJP
   G02B 5/30 20060101ALI20240417BHJP
【FI】
H01L27/146 D
H01L27/146 E
G02B5/20 101
G02B5/30
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023082195
(22)【出願日】2023-05-18
(31)【優先権主張番号】17/964,240
(32)【優先日】2022-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】507296388
【氏名又は名称】采▲ぎょく▼科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】VisEra Technologies Company Limited
【住所又は居所原語表記】No.12,Dusing Rd.1, Hsinchu Science Park,Hsin-Chu City,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】王俊元
(72)【発明者】
【氏名】張育淇
(72)【発明者】
【氏名】王柏翔
【テーマコード(参考)】
2H148
2H149
4M118
【Fターム(参考)】
2H148BD22
2H148BG11
2H148BH01
2H149BA23
2H149BB28
2H149FC08
2H149FC10
2H149FD03
2H149FD46
4M118AA10
4M118AB01
4M118BA06
4M118CA02
4M118CA14
4M118CB20
4M118FA27
4M118FA28
4M118GB02
4M118GB11
4M118GC07
4M118GC20
4M118GD04
(57)【要約】
【課題】 イメージセンサの偏光スプリッタを提供する。
【解決手段】 センサユニットのグループ、前記センサユニットのグループ内に配置されたカラーフィルタ層、および誘電体構造、および前記カラーフィルタ層に対応して配置された複数の偏光スプリッタを含み、前記複数の偏光スプリッタのそれぞれは、上から見て第1の方向に延在する第1のメタ要素、および上から見て前記第1の方向に垂直な第2の方向に延在する第2のメタ要素を有するイメージセンサ。
【選択図】 図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサユニットのグループ、
前記センサユニットのグループ内に配置されたカラーフィルタ層、および
誘電体構造、および前記カラーフィルタ層に対応して配置された複数の偏光スプリッタを含み、
前記複数の偏光スプリッタのそれぞれは、上から見て第1の方向に延在する第1のメタ要素、および上から見て前記第1の方向に垂直な第2の方向に延在する第2のメタ要素を有するイメージセンサ。
【請求項2】
前記複数の偏光スプリッタの少なくとも3つは構造グループを構成し、前記構造グループは周期的に繰り返し配置される請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項3】
前記複数の偏光スプリッタの少なくとも3つは、構造グループを構成し、前記構造グループ内の前記複数の偏光スプリッタ間のスプリッタピッチは、150nm~600nmの間であり、前記サイクル間のグループピッチは、150nm~600nmである請求項2に記載のイメージセンサ。
【請求項4】
前記複数の偏光スプリッタのそれぞれは、上から見て十字形、長方形、または楕円形を有し、前記複数の偏光スプリッタは、シフトされた構成の複数の層を含む請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項5】
前記複数の偏光スプリッタのそれぞれの第1のメタ要素または第2のメタ要素の臨界寸法(CD)は、上から見て50nm~300nmの間であり、前記複数の偏光スプリッタのそれぞれの第1のメタ要素または第2のメタ要素の長さは、上から見て50nm~400nmの間である請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項6】
前記複数の偏光スプリッタのそれぞれの回転の大きさは、上から見て0°~90°の間であり、前記複数の偏光スプリッタのそれぞれの高さは、0.1μm~1.5μmの間である請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項7】
前記複数の偏光スプリッタの屈折率は、1.7~3.5の間であり、前記誘電体構造の屈折率は1~1.8の間であり、前記複数の偏光スプリッタは、前記誘電体構造の上面上または前記誘電体構造内に配置される請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項8】
前記センサユニットのグループは、上から見て長方形または六角形である請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項9】
基板内に埋め込まれた複数の感知部、
前記複数の感知部のそれぞれを分離するディープトレンチアイソレーション(DTI)構造、
前記センサユニットのグループの前記カラーフィルタ層を横方向に囲むパーティショングリッド構造、
前記パーティショングリッド構造内に埋め込まれた遮光構造、および
前記誘電体構造の上方または下方に配置されたマイクロレンズをさらに含む請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項10】
前記イメージセンサは、有機フォトダイオード(OPD)であり、
前記カラーフィルタ層の下方に配置された有機光導電膜(OPF)、
基板と有機光導電膜の間に垂直に配置された電子輸送層(ETL)、および
前記カラーフィルタ層と前記有機光導電膜の間に垂直に配置された正孔輸送層(HTL)を含む請求項1に記載のイメージセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージセンサに関するものであり、特に、イメージセンサの偏光スプリッタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
相補型金属酸化膜半導体(CMOS)イメージセンサ(CISとしても知られている)などのイメージセンサは、デジタル静止画カメラ、デジタルビデオカメラなどの様々な撮像装置で広く用いられている。イメージセンサの光感知部は、周囲の色の変化を検出することができ、信号電荷は、光感知部で受光される光量に応じて生成されることができる。また、光感知部で生成された信号電荷が伝送されて増幅されることにより、画像信号が得られる。
【0003】
従来、複数の偏光スプリッタは、特定の偏光の入射光波が透過され、他の偏光の入射光波は、偏光スプリッタによって反射または吸収されるように設計されることができる。イメージセンサが複数の偏光スプリッタを組み込んでいるとき、イメージセンサは光エネルギーの一部のみ受け取ることができる(他の部分は偏光スプリッタによってブロックされるため)。これにより、光エネルギーの損失が発生し、イメージセンサの性能が損なわれる。従って、これらおよび関連する問題は、イメージセンサの設計と製造を通じて対処する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
イメージセンサの偏光スプリッタを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態では、イメージセンサは、センサユニットのグループ、およびセンサユニットのグループ内に配置されたカラーフィルタ層を含む。イメージセンサは、誘電体構造、およびカラーフィルタ層に対応して配置された複数の偏光スプリッタをさらに含む。複数の偏光スプリッタのそれぞれは、上から見て第1の方向に延在する第1のメタ要素、および上から見て第2の方向に延在する第2のメタ要素を有する。第2の方向は、第1の方向に垂直である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明は、添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明から、より完全に理解することができる。業界の標準的な慣行に従って、さまざまな特徴が縮尺どおりに描かれていない。実際、さまざまな特徴の寸法は、説明を明確にするために、任意に拡大または縮小されている。
図1A図1Aは、本開示のいくつかの実施形態による、イメージセンサの断面図である。
図1B図1Bは、本開示のいくつかの実施形態による、イメージセンサの上面図である。
図2A図2Aは、本開示のいくつかの実施形態による、様々な設計を有するイメージセンサの断面図である。
図2B図2Bは、本開示のいくつかの実施形態による、様々な設計を有するイメージセンサの断面図である。
図2C図2Cは、本開示のいくつかの実施形態による、様々な設計を有するイメージセンサの断面図である。
図3図3は、本開示の他の実施形態による、イメージセンサの上面図である。
図4A図4Aは、本開示のいくつかの実施形態による、様々な設計を有するイメージセンサの上面図である。
図4B図4Bは、本開示のいくつかの実施形態による、様々な設計を有するイメージセンサの上面図である。
図5A図5Aは、本開示のいくつかの実施形態による、様々な設計を有するイメージセンサの上面図である。
図5B図5Bは、本開示のいくつかの実施形態による、様々な設計を有するイメージセンサの上面図である。
図5C図5Cは、本開示のいくつかの実施形態による、様々な設計を有するイメージセンサの上面図である。
図5D図5Dは、本開示のいくつかの実施形態による、様々な設計を有するイメージセンサの上面図である。
図5E図5Eは、本開示のいくつかの実施形態による、様々な設計を有するイメージセンサの上面図である。
図5F図5Fは、本開示のいくつかの実施形態による、様々な設計を有するイメージセンサの上面図である。
図5G図5Gは、本開示のいくつかの実施形態による、様々な設計を有するイメージセンサの上面図である。
図6図6は、本開示のさらに他の実施形態による、イメージセンサの上面図である。
図7図7は、本開示のさらに他の実施形態による、イメージセンサの断面図である。
図8A図8Aは、本開示のいくつかの実施形態による、様々な設計を有するイメージセンサの上面図である。
図8B図8Bは、本開示のいくつかの実施形態による、様々な設計を有するイメージセンサの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
次の開示では、異なる特徴を実施するために、多くの異なる実施の形態または実施例を提供する。本開示を簡潔に説明するために、複数の要素および複数の配列の特定の実施形態が以下に述べられる。これらはもちろん単に例示するためであり、それに限定するという意図はない。例えば、下記の開示において、第1の特徴が第2の特徴の上に形成されるということは、第1と第2の特徴が直接接触して形成される複数の実施形態を含むことができ、且つ第1と第2の特徴が直接接触しないように、付加的な特徴が第1と第2の特徴間に形成される複数の実施形態を含むこともできる。
【0008】
追加のステップが、例示された方法の前、間、または後に実施されてもよく、例示された方法のその他の実施形態では、いくつかのステップが置き換えられるか、または省略されてもよい。
【0009】
さらに、(以下の詳細な説明において)、「下の方」、「下方」、「下部」、「上」、「上方」、「上部」およびこれらに類する語のような、空間的に相対的な用語は、図において1つの要素または特徴と、別の要素と特徴との関係を記述するための説明を簡潔にするために用いられる。空間的に相対的な用語は、図に記載された方向に加えて、使用または操作する装置の異なる方向を包含することを意図している。装置は、他に方向づけされてもよく(90度回転、または他の方向に)、ここで用いられる空間的に相対的な記述は、同様にそれに応じて解釈され得る。
【0010】
本開示では、「約」、「およそ」、および「実質的に」という用語は、一般的に、所定値の+/-20%を意味し、より一般的に、所定値の+/-10%を意味し、より一般的に、所定値の+/-5%を意味し、より一般的に、所定値の+/-3%を意味し、より一般的に、所定値の+/-2%を意味し、より一般的に、所定値の+/-1%を意味し、さらにより一般的に、所定値の+/-0.5%を意味する。本開示の所定値は、近似値である。即ち、「約」、「およそ」、および「実質的に」という用語の具体的な説明がないとき、所定値は、「約」、「およそ」、および「実質的に」の意味を含む。
【0011】
特に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術的及び科学的用語を含む)は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈における意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されていない限り、理想化されたまたは過度に形式的な意味で解釈されない。
【0012】
本開示は、以下の実施形態において同じ構成要素の符号または文字を繰り返し用いる可能性がある。繰り返し用いる目的は、簡易化した、明確な説明を提供するためのもので、説明される様々な実施形態および/または構成の関係を限定するものではない。
【0013】
画素サイズの継続的な縮小化に応じて、各画素の受光量、および画素間の受光量の均一性が重要な関心事となっている。イメージセンサのうち、より小さい画素の受光量を均一に向上させる1つの方法が、センサユニットの1つのグループを統合する方法である。本開示のいくつかの実施形態によれば、光がこのグループ内の各センサユニットによって均一に受光されたとき、イメージセンサは統一色の画像を表示することができる。しかしながら、各センサユニットが受光した光が不均一な場合、イメージセンサに色のばらつきが生じる。センサユニットのグループは、装置全体の画像フォーカスを検出し、追跡することができる間に、受信した信号によって色を決定することもできる。従来、全てのグループのセンサユニット(位相差オートフォーカス画素のグループなど)の上方には、単一のマイクロレンズが配置される。言い換えると、グループ内の全てのセンサユニットは、単一のマイクロレンズを共有し、残りのセンサユニットのそれぞれはその上部に配置された1つのマイクロレンズを有する。センサユニットのグループの上の単一のマイクロレンズは、光を一緒に集光させて追跡と検出を可能にすることができる。例えば、光が傾斜した角度で入射したとき、グループ内のセンサユニットのうちの1つは、もう1つのセンサユニットよりもより高い強度の光を受光することができ、それによりセンサユニット間の信号読み取りに基づき、入射光の方向が正確に決定されることができる。
【0014】
本開示は、イメージセンサが異なる偏光の入射光波を識別する能力を有するように、複数の偏光スプリッタをセンサユニットのグループに組み込む。自然界では、光は同等の強さの水平電場と垂直電場を有することができる。偏光により、電場の特定の所望の方向(例えば、水平または垂直)を有する光波が抽出されて、処理または分析することができる。従来の偏光スプリッタ(または偏光子)は、所定の偏光の光波を透過させることができ、不要な偏光の光波を反射または吸収することができる。例えば、遠くにある入射光波がブリュースター角よりも大きい反射角を有するとき、光波は水平偏光のみを有することができる。必要な偏光子を通過すると、光波の反射が全く見えなくなる可能性がある。従来の偏光スプリッタが、所望の偏光された光波をフィルタリングすることができても、ブロックされている他の偏光された光波は依然として光エネルギーの損失の一部を表している。例えば、従来の偏光スプリッタは、光エネルギーを熱に変換し、放熱することができる。センサユニットのグループ内に埋め込まれた感知部が十分な光エネルギーを得ることができない場合、イメージセンサの量子効率(QE)が大きく損なわれる可能性がある。量子効率が十分でないときはいつでも、装置は低輝度の環境(ナイトビジョン装置など)または移動車両内のカメラ(リアルタイムビデオなど)に用いることが困難になる可能性がある。
【0015】
発明者らは、偏光スプリッタのそれぞれが革新的なメタ特徴(meta feature)を有するように構成することによって、全ての偏光の入射光波が受信用に送信されることができることを発見した。さらに、メタ特徴は、異なる偏光された光波の透過方向を制御し、異なる偏光の光波がセンサユニットのグループ内の異なる感知部に向けられるようにさせることができる。メタ機能は、異なる位置に対応して波面の位相を変化させる(または波面を曲げる)ことを目的としており、後続して、元の入射光波に対して新しい伝播方向に対応する新しい波面を構築する(光波の伝搬方向は、対応する波面に垂直であると定義される)。これらの新しい光波は、所望のターゲットに向かって伝播するように設計されている。例えば、メタ特徴は、光波を光波のそれぞれの偏光に対応する異なる伝播方向に分割する異なる位相遅延(または異なる位相速度)を提供することができる。偏光スプリッタに沿った異なる位相速度においては、傾いた曲がった波面が生成され、光波が非法線方向で入射点(point of entry)まで伝播し、自己集束できるようにすることができる。このような特性は、適切な操作により、例えば、水平偏光した光波と垂直偏光した光波が、水平偏光(平面図からのx軸方向)の感知部と垂直偏光(平面図からのy軸方向)の感知部に向かってそれぞれ伝播するようにさせることができる。その結果、光エネルギーの損失が最小化されることができ、量子効率が最適化されることができる。十分な量子効率により、表示された画像は後処理によってより高い解像度を有する元の輝度に復元され、偏光データ分析もより包括的に行なわれることができる。
【0016】
図1Aは、本開示のいくつかの実施形態による、イメージセンサ10の断面図である。いくつかの実施形態では、イメージセンサは、実際には数百万個のセンサユニットを含むことができる。簡潔にするために、図1Aは実際のイメージセンサの一部のみを示している。図1Aに示されたイメージセンサ10は、互いに隣接して配置された2つのグループのセンサユニット100Aおよびセンサユニット100Bを含む。センサユニット100Aおよびセンサユニット100Bのグループのうちの1つの上面図(図1Bに示された)から、センサユニット100Aおよびセンサユニット100Bのグループのそれぞれは、2×2に配置された4つのセンサユニットまたは1×2に配置された2つのセンサユニットを含むことができるが、本開示はこれに限定されない。例えば、センサユニット100Aのグループおよびセンサユニット100Bのグループは、m×n個の光電変換素子に対応することができ、mおよびnは同一または異なってもよい正の整数であるが、本開示はこれに限定されない。例示の目的で、センサユニット100Aのグループおよびセンサユニット100Bのグループは両方とも、1つの左センサユニットおよび1つの右センサユニットを含む。特に、センサユニット100Aのグループは、左センサユニット100A-Lおよび右センサユニット100A-Rを含み、センサユニット100Bのグループは、左センサユニット100B-Lおよび右センサユニット100B-Rを含む。
【0017】
図1Aに示されるように、1つのマイクロレンズ122がセンサユニット100Aのグループおよびセンサユニット100Bのグループのそれぞれに対応して配置されることができる。誘電体構造130および複数の偏光スプリッタ140は、複数のマイクロレンズ122上に順次に配置されることができる。複数の偏光スプリッタ140のメタ特徴は、図1Bを参照してより詳細に説明される。ディープトレンチアイソレーション(DTI)構造106が左センサユニット100A-L、右センサユニット100A-R、左センサユニット100B-L、および右センサユニット100B-Rのそれぞれを囲むように配置されることができる。換言すれば、ディープトレンチアイソレーション構造106は、左センサユニット100A-L、右センサユニット100A-R、左センサユニット100B-L、および右センサユニット100B-Rのそれぞれのサイズを定義する境界として機能することができる。
【0018】
図1Aに示すように、センサユニット100Aのグループおよびセンサユニット100Bのグループのそれぞれは、複数の感知部104、カラーフィルタ層110、およびマイクロレンズ122を含む。複数の感知部104およびディープトレンチアイソレーション構造106は、基板102に埋め込まれることができる。いくつかの実施形態では、基板102は、イメージセンサ10の全てのセンサユニットによって共有される単一の構造であることができる。さらに、反射防止層108が基板102上に配置されることができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、基板102は、例えば、ウェハまたはチップであり得るが、本開示は、それに限定されない。いくつかの実施形態では、基板102は、半導体基板、例えばシリコン基板であってもよい。さらに、いくつかの実施形態では、半導体基板は、ゲルマニウムを含む元素半導体、窒化ガリウム(GaN)、炭化ケイ素(SiC)、ヒ化ガリウム(GaAs)、リン化ガリウム(GaP)、リン化インジウム(InP)、ヒ素化インジウム(InAs)、および/またはアンチモン化インジウム(InSb)を含む化合物半導体、シリコンゲルマニウム(SiGe)合金、リン化ガリウム砒素(GaAsP)合金、リン化アルミニウムインジウム(AlInAs)合金、リン化アルミニウムガリウム(AlGaAs)合金、リン化ガリウムインジウム(GaInAs)合金、リン化ガリウムインジウム(GaInP)合金、および/またはリン化ガリウムインジウム砒素(GaInAsP)合金、或いはそれらの組み合わせを含む合金半導体であってもよい。いくつかの実施形態では、基板102は、シリコン基板または有機光電変換層などの光電変換基板であってもよい(図7を参照してより詳細に説明される)。
【0020】
もう1つの実施形態では、基板102は、半導体オンインシュレータ(SOI)基板であってもよい。半導体オンインシュレータ基板は、ベースプレート、ベースプレート上に配置された埋め込み酸化物層、および埋め込み酸化物層上に配置された半導体層を含み得る。さらに、基板102は、N型またはP型の導電型であってもよい。
【0021】
いくつかの実施形態では、基板102は、例えば、イオン注入および/または拡散プロセスによって形成された様々なP型ドープ領域および/またはN型ドープ領域(図示せず)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、トランジスタ、フォトダイオードなどが、ディープトレンチアイソレーション構造106によって画定された活性領域に形成されてもよい。
【0022】
いくつかの実施形態では、ディープトレンチアイソレーション構造106は、活性領域を画定し、基板102内または基板102上の活性領域要素を電気的に分離することができるが、本開示はそれに限定されない。もう1つの実施形態では、追加の分離構造が代替として適用されてもよい。シャロートレンチアイソレーション(STI)構造とシリコン局所酸化(LOCOS)構造は、他の分離構造の例である。いくつかの実施形態では、ディープトレンチアイソレーション構造106の形成は、例えば、絶縁層を基板102上に形成することを含むことができる。フォトリソグラフィのパターニングおよびエッチングにより、トレンチが基板102内に延在して形成されることができる。フォトリソグラフィプロセスは、レジストコーティング、ソフトベーキング、露光、露光後ベーキング、現像など、またはそれらの組み合わせを含むことができる。エッチングプロセスは、ドライエッチング、ウェットエッチングなど、またはそれらの組み合わせを含むことができる。
【0023】
次に、豊富な窒素含有材料(シリコン酸窒化物(SiON)など)のライナーがトレンチに沿ってコンフォーマルに成長されることができる。その後、絶縁材料(二酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(SiN)、または酸窒化ケイ素など)が、任意の適切な堆積プロセス、例えば、化学蒸着(CVD)、高密度プラズマ化学蒸着(HDP-CVD)、プラズマ化学気相成長(PECVD)、流動性化学蒸着(FCVD)、準大気圧化学蒸着(sub-atmospheric chemical vapor deposition; SACVD)など、またはそれらの組み合わせでトレンチ内に充填されることができる。次いでアニーリングプロセスがトレンチ内の絶縁材料に実行され、次いで基板102上に化学機械研磨(CMP)などの平坦化プロセスが実行されて余剰の絶縁材料を除去し、トレンチ内の絶縁材料が基板102の上面と同じ高さになるようにする。
【0024】
引き続き図1Aに示すように、反射防止層108が基板102上に配置されている。いくつかの実施形態では、反射防止層108は、複数の感知部104に伝送される光の反射を減少させるように構成される。いくつかの実施形態では、反射防止層108は、感知部104のアレイに対応して(または平行に)水平に配置される。いくつかの実施形態では、反射防止層108の材料は、SiO(ここでは、xおよびyは、0~1の範囲にある)を含むことができる。反射防止層108は、任意の適切な堆積プロセスによって形成されることができる。
【0025】
上述のように、センサユニット100Aのグループおよびセンサユニット100Bのグループは、反射防止層108上に配置されたカラーフィルタ層110をそれぞれ含むことができる。いくつかの実施形態では、カラーフィルタ層110の高さは、約0.3μm~2.0μmの間であることができる。特定の実施形態では、カラーフィルタ層110の高さは、約0.7μmであることができる。いくつかの実施形態では、カラーフィルタ層110は、赤色、緑色、青色、シアン色、マゼンタ色、黄色、白色、透明(無色)、または赤外線であり得る複数のユニットを含んでもよい。カラーフィルタ層110の各ユニットは、イメージセンサ10のそれぞれの感知部104に対応することができ、ユニットの色は、センサユニット100Aのグループおよびセンサユニット100Bのグループのそれぞれの要求によって決まる。フォトダイオードなどの個々の感知部104は、受信した光信号を、センサユニット100Aのグループおよびセンサユニット100Bのグループの電気信号にそれぞれ変換することができる。いくつかの実施形態では、同じグループ内のセンサユニットは、同じ色のユニットを有してもよい。いくつかの実施形態では、センサユニット100Aのグループおよびセンサユニット100Bのグループは、パーティショングリッド(partition grid)構造112によって互いに分離されており、これについては後で詳細に説明する。本開示のいくつかの実施形態によれば、カラーフィルタ層110は、反射防止層108上およびパーティショングリッド構造112によって画定された空間内に堆積される。カラーフィルタ層110は、異なるステップでコーティング、露光、および現像プロセスによって順次に形成されることができる。あるいは、カラーフィルタ層110は、インクジェット印刷によって形成されてもよい。
【0026】
図1Aに示すように、パーティショングリッド構造112は、カラーフィルタ層110の1つまたは複数のユニットの間に配置されている。例えば、パーティショングリッド構造112の中心線(図示せず)は、センサユニット100Aのグループおよびセンサユニット100Bのグループの境界を画定することができる。本開示のいくつかの実施形態によれば、パーティショングリッド構造112は、カラーフィルタ層110の各ユニットよりも低い屈折率を有することができる。屈折率は、光の速度を変化させる物質の特性であり、真空中の光の速度を物質内の光の速度で割って得られた値である。光が2つの異なる材料間をある角度で進むとき、その屈折率が光の透過(屈折)の角度を決める。本開示のいくつかの実施形態によれば、パーティショングリッド構造112の屈折率は、約1.00~1.99の間である。入射光波がカラーフィルタ層110に入射したとき、パーティショングリッド構造112は、特定のユニット内の光を分離して、光トラッピング機能として機能することができる。
【0027】
パーティショングリッド構造112の材料は、透明な誘電体材料を含んでもよい。まず、パーティション材料層が反射防止層108上にコーティングされる。次に、ハードマスク層(図示せず)がパーティション材料層上にコーティングされる。いくつかの実施形態では、ハードマスク層の材料はフォトレジストである。フォトリソグラフィプロセスがハードマスク層に実行されてパターン化する。次に、エッチングプロセスがパターン化されたハードマスク層を用いて、パーティション材料層に実行される。エッチングプロセスは、ドライエッチングであってもよい。エッチングプロセスの後、パーティション材料層の一部が反射防止層108上で除去され、複数の開口部がその中に形成される。上述のように、開口部は、その後、カラーフィルタ層110で充填される。
【0028】
図1Aに引き続き示すように、遮光構造114は、センサユニット100Aのグループとセンサユニット100Bのグループとの間の反射防止層108上に配置されている。いくつかの実施形態では、遮光構造114は、パーティショングリッド構造112内に埋め込まれている。いくつかの実施形態では、パーティショングリッド構造112は、イメージセンサ10の設計要件に応じて、遮光構造114よりも高くてもよい。いくつかの実施形態では、遮光構造114は、センサユニット100Aのグループおよびセンサユニット100Bのグループの境界にまたがっている。即ち、遮光構造114は、任意の2つの隣接するセンサユニットによって共有されるように配置されている(例えば、右センサユニット100A-Rおよび左センサユニット100B-L)。遮光構造114の配置は、カラーフィルタ層110に対応したユニットの下にある感知部104のうちの1つが、受信信号の精度に影響を及ぼす可能性がある異なる色の隣接するユニットからさらなる光を受光するのを防ぐことができる。本開示のいくつかの実施形態では、遮光構造114の高さは、約0.005μm~0.4μmの間であることができる。いくつかの実施形態では、遮光構造114の材料は、不透明な金属(タングステン(W)、アルミニウム(Al)など)、不透明な金属窒化物(窒化チタン(TiN)など)、不透明な金属酸化物(酸化チタン(TiO)など)、他の適切な材料、またはそれらの組み合わせを含むことができるが、本開示はそれらに限定されない。遮光構造114は、反射防止層108上に金属層を堆積し、次いでフォトリソグラフィおよびエッチングプロセスを用いて金属層をパターン化することができるが、本開示はそれに限定されない。
【0029】
図1Aに示すように、マイクロレンズ材料層120は、カラーフィルタ層110およびパーティショングリッド構造112上に配置されることができる。マイクロレンズ材料層120の屈折率は、約1.2~2.2の間である。いくつかの実施形態では、マイクロレンズ材料層120の材料は、透明な材料であり得る。例えば、材料は、ガラス、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリウレタン、他の任意の適用可能な材料、またはそれらの組み合わせを含み得るが、本開示はそれらに限定されない。本開示のいくつかの実施形態によれば、複数のマイクロレンズ122は、マイクロレンズ材料層120上に配置されることができる。いくつかの実施形態では、複数のマイクロレンズ122は、センサユニット100Aのグループおよびセンサユニット100Bのグループのそれぞれに対応するようにマイクロレンズ材料層120の上部をパターン化することによって形成され得る。複数のマイクロレンズ122は、マイクロレンズ材料層120から形成されるため、複数のマイクロレンズ122およびマイクロレンズ材料層120は、同じ材料を共有する。
【0030】
図1Aに引き続き示すように、誘電体構造130は、複数のマイクロレンズ122上に配置されることができる。いくつかの実施形態では、誘電体構造130は、マイクロレンズ材料層120および複数のマイクロレンズ122を覆うことができる。本開示のいくつかの実施形態によれば、誘電体構造130は、異なる偏光の光波がそのそれぞれのターゲット、例えば光波L1およびL2(後に詳細に説明される)に到達するのに必要な伝播経路を提供することができる。誘電体構造130の屈折率は、約1.0~1.8の間である。誘電体構造130の屈折率は、マイクロレンズ122(およびマイクロレンズ材料層120)の屈折率より低くてもよい。さらに、誘電体構造130の屈折率は、後続して形成される偏光スプリッタ140の屈折率より著しく低い。光波をより効果的に異なる位相遅延に分離するためには、偏光スプリッタ140の屈折率と周囲の環境の屈折率との間に最大差を作り出すことが必要とされ、より大きな位相差が生じる可能性があることを理解されたい。
【0031】
いくつかの実施形態では、誘電体構造130は、例えば、酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素、炭化ケイ素、炭窒化ケイ素(SiCN)、酸窒化ケイ素、酸窒化ケイ素(SiO1-x-y、ここでのxおよびyは0~1の範囲である)、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)、ドープされていないケイ酸塩ガラス、またはドープされた酸化ケイ素 (例えば、ホウ素ドープリンケイ酸塩ガラス(BPSG)、溶融シリカ(FSG)、リンケイ酸ガラス(PSG)、ホウ素ドープケイ酸ガラス(BSG)など)、低誘電率材料、有機透明材料など、またはそれらの組み合わせを含む透明材料であり得るが、本開示はそれらに限定されない。誘電体構造130の形成は、例えば、スピンオンコーティングプロセス、化学蒸着(CVD)、物理蒸着(PVD)、原子層堆積(ALD)、他の適切な方法、またはそれらの組み合わせを含むことができる堆積プロセスを含んでもよい。その後、化学機械研磨などの平坦化プロセスが実行され、平坦化された上面を形成してもよい。
【0032】
図1Aに示すように、複数の偏光スプリッタ140は、誘電体構造130の平坦化された上面に位置し得る。前述のように、従来の偏光スプリッタ(または偏光子)は、特定の偏光の入射光波のみを透過させ、他の偏光の入射光波を反射または吸収することができる。複数の偏光スプリッタ140は、異なる偏光の光波を透過するようにさせるメタ特徴に組み込まれることができる。換言すれば、光エネルギーの損失が最小化されることができ、量子効率が最適化されることができる。いくつかの実施形態では、量子効率は光電変換効率であり、入射光波がいかに効率よく電気信号に変換されることができるかを測定する。
【0033】
複数の偏光スプリッタ140の屈折率は、約1.7~3.5の間である。複数の偏光スプリッタ140は、1の屈折率を有する周囲空気によって囲まれ得ることに留意されたい。屈折率間の最大の差が実現されて、著しく大きな位相差を生成することができるため、光波が異なる屈折波面を有する異なる位相遅延に分離されることができる。複数の偏光スプリッタ140の高さは、約0.1μm~1.5μmの間である。偏光スプリッタ140の材料は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン樹脂、ポリエーテルスルホン(PES)樹脂、ポリチオフェン(PT)樹脂、フェノールノボラック(PN)など、またはそれらの組み合わせの透明樹脂を含むことができる。複数の偏光スプリッタ140は、上述の任意の適切な堆積プロセスおよびパターニングプロセスによって形成されることができる。
【0034】
本開示の特定の実施形態では、左センサユニット100A-Lおよび左センサユニット100B-Lは、垂直偏光用に設計されることができ、右センサユニット100A-Rおよび右センサユニット100B-Rは水平偏光用に設計されることができる。図1Aに示されるように(図1Bを参照してより詳細に説明されることもある)、左センサユニット100A-Lおよび左センサユニット100B-Lの真上の複数の偏光スプリッタ140の部分は、主に垂直偏光スプリッタで占められており、右センサユニット100A-Rおよび右センサユニット100B-Rの真上の複数の偏光スプリッタ140の部分は、主に水平偏光スプリッタで占められている。複数の偏光スプリッタ140のそれぞれのメタ特徴は、1つのタイプの偏光のみを有して、もう1つのタイプを完全に排除しているというのではなく、垂直偏光と水平偏光の両方を含むことができることに留意されたい。
【0035】
図1Aに引き続き示すように、光波L1および光波L2は、それぞれ垂直偏光および水平偏光である。光波L1および光波L2はそれぞれ、垂直偏光および水平偏光の両方を含むセンサユニット(センサユニット100Aのグループまたはセンサユニット100Bのグループ内)に対応する同じ領域から送信され得る。光波L1および光波L2が複数の偏光スプリッタ140を透過して伝送されるため、光波L1および光波L2は異なる位相遅延を得ることができる。異なる位相遅延により、傾いた曲がった波面が生成されることができ、光波L1が非法線方向で入射点まで伝播することができ、光波L2の伝播経路は、光波L1の非法線方向に対して別の方向に徐々にシフトされることができる。
【0036】
図1Aに示されるように、光波L1は、左センサユニット100A-Lおよび左センサユニット100B-Lの感知部104に向かって伝播することができ、光波L2は、光波L1の経路に対してミラー経路を通過して、右センサユニット100A-Rおよび右センサユニット100B-Rの感知部104に向かって伝播することができる。複数の偏光スプリッタ140のメタ特徴を実施した結果、垂直偏光の光波L1および水平偏光の光波L2は両方とも、垂直偏光の感知部104および水平偏光の感知部104によってそれぞれ適切に受光され得る。従って、メタ特徴は、より感度が高くなり、透過率が約70%~80%に達することができる。いくつかの実施形態では、透過率は、センサユニット100Aのグループに入射する総入射エネルギー(垂直偏光の入射光波)に対する左センサユニット100A-Lが受光した光エネルギーの比率、またはセンサユニット100Aのグループに入射する総入射エネルギー(水平偏光の入射光波)に対する右センサユニット100A-Rが受光した光エネルギーの比率であることができる。
【0037】
図1Bは、本開示のいくつかの実施形態による、イメージセンサ10の断面図である。図1Aは、図1Bの線A-A’から得られた断面図であることに留意されたい。前述のように、センサユニット100Aのグループまたはセンサユニット100Bのグループのそれぞれは、クワッドフォトダイオード(QPD)など、2×2に配置された4つのセンサユニットを含み得る。もう1つの実施形態では、センサユニット100Aのグループまたはセンサユニット100Bのグループのそれぞれは、デュアルフォトダイオード(DPD)など、1×2に配置された2つのセンサユニットを含み得る。説明のために、基板102、感知部104、ディープトレンチアイソレーション構造106、反射防止層108、カラーフィルタ層110、パーティショングリッド構造112、遮光構造114、マイクロレンズ材料層120、および複数のマイクロレンズ122は省略される。誘電体構造130および複数の偏光スプリッタ140の特徴は、図1Aに示されたものと同様であり、繰り返しを避けるために、ここでは詳細を再度説明しない。簡潔にするために、図1Bは、センサユニット100Aのグループ(またはセンサユニット100Bのグループ)の上面図のみを示している。前述のように、複数の偏光スプリッタ140は、センサユニット100Aのグループ(またはセンサユニット100Bのグループ)にわたって誘電体構造130上に位置し得る。
【0038】
図1Bに示すように、複数の偏光スプリッタ140のそれぞれは、上面図から第1の方向に延在する第1のメタ要素と、上面図から第1の方向に垂直な第2の方向に延在する第2のメタ要素とを有するユニットであってもよい。以下、第1の方向および第2の方向をそれぞれy軸方向およびx軸方向と呼ぶ。明確にするために、複数の偏光スプリッタ140は、行1~8(y軸方向)および列a~h(x軸方向)で示されることができる。各行の列aから列hまでの偏光スプリッタ140は構造グループを構成し、構造グループは行1から行8まで周期的に繰り返し配置され得ることに留意されたい。換言すれば、各構造グループは、x軸方向に伸びてもよく、y軸方向に周期的に繰り返し配置されてもよい。構造グループは単一のセンサユニットに対応するのではなく、構造グループはグループ内の全てのセンサユニットにわたって対応することを理解されたい。他の実施形態では、各構造グループはy軸方向にも延在し、センサユニットのグループの構成がそれに応じて調整されれば、x軸方向に周期的に繰り返し配置されてもよい。本開示のいくつかの実施形態によれば、各構造グループは、少なくとも3つの偏光スプリッタ140によって構成されるべきである。
【0039】
図1Bに示されるように、各構造グループ内の複数の偏光スプリッタ140のそれぞれは、十字形または長方形であり得る。偏光スプリッタ140が十字形に見えても長方形に見えても、それらは全て十字形と見なすことができることを理解されたい。例えば、列aの偏光スプリッタ140は、y軸方向(第1の方向)にのみ延在する第1のメタ要素のみを有するように見えることがある。これは単純に、x軸方向(第2の方向)に延在する第2のメタ要素が、第1のメタ要素の臨界寸法(CD)を超えて延在しないためである。同様に、列hの偏光スプリッタ140は、x軸方向(第2の方向)にのみ延在する第2のメタ要素のみを有するように見えることがある。これも、y軸方向(第1の方向)に延在する第1のメタ要素が、第2のメタ要素の臨界寸法を超えて延在しないためである。従って、本実施形態の複数の偏光スプリッタ140は全て、新規のメタ特徴を有する十字形と見なすことができる。
【0040】
図1Bに引き続き示すように、列a~列dの偏光スプリッタ140は、垂直偏光のセンサユニット(左センサユニット100A-Lおよび左センサユニット100B-Lなど)に対応して配置されることができ、列e~列hの偏光スプリッタ140は、水平偏光のセンサユニット(右センサユニット100A-Rおよび右センサユニット100B-Rなど)に対応して配置されることができる。しかしながら、列a~列hの偏光スプリッタ140は、垂直偏光と水平偏光を同時にサポートすることができる。複数の偏光スプリッタ140のそれぞれの第1のメタ要素または第2のメタ要素の臨界寸法は、上から見て約50nm~300nmの間である。複数の偏光スプリッタ140のそれぞれの第1のメタ要素または第2のメタ要素の長さ(または延在寸法)は、上から見て約50nm~400nmの間である。各構造グループ内の偏光スプリッタ140はx軸方向に異なる延在寸法を有するため、各構造グループ内のスプリッタピッチ(またはx軸ピッチ)は異なり得る。各構造グループ内の複数の偏光スプリッタ140間のスプリッタピッチは、約200nm~600nmの間である。同様に、各構造グループの偏光スプリッタ140はy軸方向に異なる延在寸法を有するため、構造グループのサイクル間のグループピッチ(またはy軸ピッチ)も異なる位置で変化し得る。構造グループのサイクル間のグループピッチは、約200nm~600nmである。いくつかの実施形態では、スプリッタピッチとグループピッチは同じであっても異なっていてもよい。スプリッタピッチとグループピッチは、可視光範囲用に設計されることができる。
【0041】
図2A図2Cは、本開示のいくつかの実施形態による、様々な設計を有するイメージセンサ20A、20B、および20Cの断面図である。前述のように、非常に大きな位相差を生成するには、屈折率間に大きな差を作ることが不可欠であるため、光波は、異なる曲がった波面を有する異なる位相遅延に分離されることがある。複数のマイクロレンズ122、誘電体構造130、および複数の偏光スプリッタ140の構成は、用途または設計要件に応じて変化し得る。説明のために、光波L1および光波L2は省略されている。基板102、感知部104、ディープトレンチアイソレーション構造106、反射防止層108、カラーフィルタ層110、パーティショングリッド構造112、遮光構造114、マイクロレンズ材料層120、複数のマイクロレンズ122、誘電体構造130、および複数の偏光スプリッタ140の特徴は、図1Aに示されたものと同様であり、繰り返しを避けるために、ここでは詳細を再度説明しない。
【0042】
図2Aに示すように、イメージセンサ20Aの断面図が示されている。図1Aと比較して、イメージセンサ20Aの複数の偏光スプリッタ140は、誘電体構造130内に埋め込まれることができる。周囲空気によって囲まれる代わりに、複数の偏光スプリッタ140は、誘電体構造130によって囲まれてもよい。誘電体構造130と偏光スプリッタ140の屈折率の間には依然として大きな差があり、十分な大きな位相差を生成する。本開示のいくつかの実施形態によれば、メタ特徴を有する複数の偏光スプリッタ140は、異なる偏光の光波を透過させることができるが、異なる偏光の光波は分離され、異なるセンサユニットに向けられることができる。換言すれば、光エネルギーの損失が最小化されることができ、量子効率が向上されることができる。
【0043】
図2Bに示すように、イメージセンサ20Bの断面図が示されている。図2Aと比較して、イメージセンサ20Bの複数の偏光スプリッタ140は、3層以上の層のシフトされた構成を含むことができる。シフトされた構成では、スプリッタピッチ (またはx軸ピッチ)および/またはグループピッチ(またはy軸ピッチ)は、図1Aのものと同じままであってもよく、設計要件に応じて変更されてもよい。誘電体構造130と偏光スプリッタ140の屈折率の間には依然として大きな差があり、十分な大きな位相差を生成する。本開示のいくつかの実施形態によれば、メタ特徴を有する複数の偏光スプリッタ140は、異なる偏光の光波を透過させることができるが、異なる偏光の光波は分離され、異なるセンサユニットに向けられることができる。換言すれば、光エネルギーの損失が最小化されることができ、量子効率が向上されることができる。
【0044】
図2Cに示すように、イメージセンサ20Cの断面図が示されている。図2Aと比較して、イメージセンサ20Cのマイクロレンズ材料層120および複数のマイクロレンズ122は、誘電体構造130の平坦化された上面上に配置されることができる。複数のマイクロレンズ122および誘電体構造130の構成を変更することで、設計要件に応じて感知性能に影響を与える可能性がある。他の実施形態では、マイクロレンズ材料層120および複数のマイクロレンズ122を省略されてもよい。誘電体構造130と偏光スプリッタ140の屈折率の間には依然として大きな差があり、十分な大きな位相差を生成する。本開示のいくつかの実施形態によれば、メタ特徴を有する複数の偏光スプリッタ140は、異なる偏光の光波を透過させることができるが、異なる偏光の光波は分離され、異なるセンサユニットに向けられることができる。換言すれば、光エネルギーの損失が最小化されることができ、量子効率が向上されることができる。
【0045】
図3は、本開示の他の実施形態による、イメージセンサ30の上面図である。センサユニットの異なるグループ内のカラーフィルタ層110が異なるカラーユニットを有するように設計されるとき、複数の偏光スプリッタ140の構成も変化し得る。説明のために、基板102、感知部104、ディープトレンチアイソレーション構造106、反射防止層108、カラーフィルタ層110、パーティショングリッド構造112、遮光構造114、マイクロレンズ材料層120、複数のマイクロレンズ122は省略されている。誘電体構造130および複数の偏光スプリッタ140の特徴は、図1Bに示されたものと同様であり、繰り返しを避けるために、ここでは詳細を再度説明しない。
【0046】
図3に示すように、センサユニット100Cのグループ、センサユニット100Dのグループ、センサユニット100Eのグループ、およびセンサユニット100Fのグループが示されている。本開示のいくつかの実施形態によれば、センサユニット100Cのグループ、センサユニット100Dのグループ、センサユニット100Eのグループ、およびセンサユニット100FのグループFは、緑色カラーユニット、赤色カラーユニット、青色カラーユニット、および緑色カラーユニットをそれぞれ含むことができる。センサユニット100Cのグループとセンサユニット100Fのグループは同じ色であるため、複数の偏光スプリッタ140の構成は実質的に同一である。他の実施形態では、いくつかの重要な要素(複数のマイクロレンズ122および/または誘電体構造130など)の寸法および特性が微調整され、複数の偏光スプリッタ140が異なる色のセンサユニット100C~100Fのグループ間で同じ構成を有することができるようにさせることができる。例えば、光の速度は、それぞれの波長を有するカラーユニットの屈折率で割った真空中の光の速度と等しいことができるため、位相差の調整も、偏光した光波の伝播経路が異なるカラーユニットに応じて変化を生じ得る。
【0047】
図4Aおよび図4Bは、本開示のいくつかの実施形態による、様々な設計を有するイメージセンサ40の上面図である。y軸方向(第1の方向)とx軸方向(第2の方向)の他に、複数の偏光スプリッタ140のそれぞれも、対角方向に回転されることができ、偏光は、適切なアルゴリズムによって分析されることができる。例えば、0°(y軸)または90°(x軸)の向きの代わりに、複数の偏光スプリッタ140は±45°の向きを有することができる。説明のために、基板102、感知部104、ディープトレンチアイソレーション構造106、反射防止層108、カラーフィルタ層110、パーティショングリッド構造112、遮光構造114、マイクロレンズ材料層120、複数のマイクロレンズ122は省略されている。誘電体構造130および複数の偏光スプリッタ140の特徴は、図1Bに示されたものと同様であり、繰り返しを避けるために、ここでは詳細を再度説明しない。
【0048】
図4Aに示すように、イメージセンサ40の上面図が示されている。図1Bと比較して、イメージセンサ40の複数の偏光スプリッタ140のそれぞれは、+45°方向に向けることができる。上述のように、y軸方向(第1の方向)およびx軸方向(第2の方向)は、0°方向および90°方向でそれぞれ示されることができる。イメージセンサ40の複数の偏光スプリッタ140が対角方向に向けられても、第1のメタ要素と第2のメタ要素の延在方向は依然として互いに垂直である。構造グループの特徴とそのサイクルは不変であるべきである。本開示のいくつかの実施形態によれば、メタ特徴を有する複数の偏光スプリッタ140は、異なる偏光の光波を透過させることができるが、異なる偏光の光波は分離され、異なるセンサユニットに向けられることができる。換言すれば、光エネルギーの損失が最小化されることができ、量子効率が向上されることができる。
【0049】
図4Bに示すように、イメージセンサ40の上面図が示されている。図1Bと比較して、イメージセンサ40の複数の偏光スプリッタ140のそれぞれは、-45°方向に向けることができる。本開示のいくつかの実施形態によれば、複数の偏光スプリッタ140のそれぞれの回転の大きさ(rotation magnitude)(正または負の方向に関係なく)は、上から見て約0°~90°の間である。イメージセンサ40の複数の偏光スプリッタ140が対角方向に向けられても、第1のメタ要素と第2のメタ要素の延在方向は依然として互いに垂直である。本開示のいくつかの実施形態によれば、メタ特徴を有する複数の偏光スプリッタ140は、異なる偏光の光波を透過させることができるが、異なる偏光の光波は分離され、異なるセンサユニットに向けられることができる。換言すれば、光エネルギーの損失が最小化されることができ、量子効率が向上されることができる。
【0050】
図5A図5Gは、本開示のいくつかの実施形態による、様々な設計を有するイメージセンサ50の上面図である。複数の偏光スプリッタ140のそれぞれの方向、例えば、y軸方向(0°方向)、x軸方向(90°方向)、および対角方向(±45°方向)は 、センサユニットの複数のグループの間で様々な組み合わせに統合されることができる。この配置は、特定の機能を実現するように、または適切なアルゴリズムによって偏光の入射角を分析するように設計されることができる。説明のために、基板102、感知部104、ディープトレンチアイソレーション構造106、反射防止層108、カラーフィルタ層110、パーティショングリッド構造112、遮光構造114、マイクロレンズ材料層120、複数のマイクロレンズ122は省略されている。誘電体構造130および複数の偏光スプリッタ140の特徴は、図1Bに示されたものと同様であり、繰り返しを避けるために、ここでは詳細を再度説明しない。
【0051】
図5Aに示すように、イメージセンサ50の上面図が示されている。図1Bと比較して、複数の偏光スプリッタ140は、4つのグループのセンサユニットの間に繰り返し配置される。各センサユニットのグループ(実線で定義されている)では、左センサユニットおよび右センサユニット(破線で区切られている)の複数の偏光スプリッタ140の構成は、y軸方向(0°方向)の偏光とx軸方向(90°方向)の偏光を同時にサポートすることができる。第1のメタ要素と第2のメタ要素の延在方向は互いに垂直である。本開示のいくつかの実施形態によれば、メタ特徴を有する複数の偏光スプリッタ140は、異なる偏光の光波を透過させることができるが、異なる偏光の光波は分離され、異なるセンサユニットに向けられることができる。換言すれば、光エネルギーの損失が最小化されることができ、量子効率が向上されることができる。
【0052】
図5Bに示すように、イメージセンサ50の上面図が示されている。図5Aと比較して、右上のセンサユニットのグループと右下のセンサユニットのグループでは、左センサユニットと右センサユニットの複数の偏光スプリッタ140の構成は交換される。その結果、x軸方向(90°方向)の偏光の光波が分離され、センサユニットの4つのグループの中心に向けられることができ、クロストークが改善されることができる。いくつかの実施形態では、クロストークは、光波の所望の偏光に干渉する異なる偏光の信号の読み取り、または偏光比の減少をもたらす異なる偏光の光波の混合である。第1のメタ要素と第2のメタ要素の延在方向は互いに垂直である。本開示のいくつかの実施形態によれば、メタ特徴を有する複数の偏光スプリッタ140は、異なる偏光の光線を透過させることができるが、異なる偏光の光波は分離され、異なるセンサユニットに向けられることができる。換言すれば、光エネルギーの損失が最小化されることができ、量子効率が向上されることができる。
【0053】
図5Cに示すように、イメージセンサ50の上面図が示されている。図5Aと比較して、右上のセンサユニットのグループでは、左センサユニットおよび右センサユニット(破線で区切られている)の複数の偏光スプリッタ140の構成は、-45°方向の偏光および+45°方向の偏光を同時にサポートすることができる。さらに、左下のセンサユニットのグループでは、左センサユニットおよび右センサユニットの複数の偏光スプリッタ140の構成は、+45°方向の偏光および-45°方向の偏光を同時にサポートすることができる。第1のメタ要素と第2のメタ要素の延在方向は互いに垂直である。本開示のいくつかの実施形態によれば、メタ特徴を有する複数の偏光スプリッタ140は、異なる偏光の光波を透過させることができるが、異なる偏光の光波は分離され、異なるセンサユニットに向けられることができる。換言すれば、光エネルギーの損失が最小化されることができ、量子効率が向上されることができる。
【0054】
図5Dに示すように、イメージセンサ50の上面図が示されている。図5Aと比較して、右上のセンサユニットのグループでは、左センサユニットおよび右センサユニット(破線で区切られている)の複数の偏光スプリッタ140の構成は、-45°方向の偏光および+45°方向の偏光を同時にサポートすることができる。さらに、右下のセンサユニットのグループでは、左センサユニットおよび右センサユニット(破線で区切られている)の複数の偏光スプリッタ140の構成は、+45°方向の偏光および-45°方向の偏光を同時にサポートすることができる。第1のメタ要素と第2のメタ要素の延在方向は互いに垂直である。本開示のいくつかの実施形態によれば、メタ特徴を有する複数の偏光スプリッタ140は、異なる偏光の光波を透過させることができるが、異なる偏光の光波は分離され、異なるセンサユニットに向けられることができる。換言すれば、光エネルギーの損失が最小化されることができ、量子効率が向上されることができる。
【0055】
図5Eに示すように、イメージセンサ50の上面図が示されている。図5Aと比較して、左下のセンサユニットのグループでは、左センサユニットおよび右センサユニット(破線で区切られている)の複数の偏光スプリッタ140の構成は、-45°方向の偏光および+45°方向の偏光を同時にサポートすることができる。さらに、右下のセンサユニットのグループでは、左センサユニットおよび右センサユニット(破線で区切られている)の複数の偏光スプリッタ140の構成は、+45°方向の偏光および-45°方向の偏光を同時にサポートすることができる。第1のメタ要素と第2のメタ要素の延在方向は互いに垂直である。本開示のいくつかの実施形態によれば、メタ特徴を有する複数の偏光スプリッタ140は、異なる偏光の光波を透過させることができるが、異なる偏光の光波は分離され、異なるセンサユニットに向けられることができる。換言すれば、光エネルギーの損失が最小化されることができ、量子効率が向上されることができる。
【0056】
図5Fに示すように、イメージセンサ50の上面図が示されている。図5Aと比較して、右上のセンサユニットのグループでは、左センサユニットおよび右センサユニット(破線で区切られている)の複数の偏光スプリッタ140の構成は交換される。左下のセンサユニットのグループでは、左センサユニットおよび右センサユニット(破線で区切られている)の複数の偏光スプリッタ140の構成は、-45°方向の偏光および+45°方向の偏光を同時にサポートすることができる。さらに、右下のセンサユニットのグループでは、左センサユニットおよび右センサユニット(破線で区切られている)の複数の偏光スプリッタ140の構成は、+45°方向の偏光および-45°方向の偏光を同時にサポートすることができる。第1のメタ要素と第2のメタ要素の延在方向は互いに垂直である。本開示のいくつかの実施形態によれば、メタ特徴を有する複数の偏光スプリッタ140は、異なる偏光の光波を透過させることができるが、異なる偏光の光波は分離され、異なるセンサユニットに向けられることができる。換言すれば、光エネルギーの損失が最小化されることができ、量子効率が向上されることができる。
【0057】
図5Gに示すように、イメージセンサ50の上面図が示されている。図5Fと比較して、左下のセンサユニットのグループおよび右下のセンサユニットのグループでは、左センサユニットおよび右センサユニット(破線で区切られている)の複数の偏光スプリッタ140の構成は交換される。第1のメタ要素と第2のメタ要素の延在方向は互いに垂直である。本開示のいくつかの実施形態によれば、メタ特徴を有する複数の偏光スプリッタ140は、異なる偏光の光波を透過させることができるが、異なる偏光の光波は分離され、異なるセンサユニットに向けられることができる。換言すれば、光エネルギーの損失が最小化されることができ、量子効率が向上されることができる。
【0058】
図6は、本開示のさらに他の実施形態によるイメージセンサ60の上面図である。長方形であることに加えて、センサユニットのグループは、上から見て六角形であってもよい。説明のために、基板102、感知部104、ディープトレンチアイソレーション構造106、反射防止層108、カラーフィルタ層110、パーティショングリッド構造112、遮光構造114、マイクロレンズ材料層120、複数のマイクロレンズ122は省略されている。誘電体構造130および複数の偏光スプリッタ140の特徴は、図1Bに示されたものと同様であり、繰り返しを避けるために、ここでは詳細を再度説明しない。
【0059】
図6に示すように、イメージセンサ60の上面図が示されている。図1Bと比較して、六角形のセンサユニットのグループ内の指向された偏光スプリッタ140は、光エネルギーの損失をより効果的に最小化することができる。しかしながら、各センサユニットのグループ内の複数の偏光スプリッタ140の配置は不完全である可能性がある(例えば、端部に近いいくつかの偏光スプリッタ140は、六角形の性質により除去される必要がある可能性がある)。配光が損なわれる可能性があるが、より大きな寸法のセンサユニットでは、性能が著しく影響を受けない可能性がある。中央の3つのセンサユニットのグループでは、左センサユニットと右センサユニット(破線で区切られている)の複数の偏光スプリッタ140の構成は、y軸方向(0°方向)の偏光とx軸方向(90°方向)の偏光を同時にサポートすることができる。左上のセンサユニットのグループおよび左下のセンサユニットのグループでは、左センサユニットおよび右センサユニット(破線で区切られている)の複数の偏光スプリッタ140の構成は、-60°方向の偏光および+30°方向の偏光を同時にサポートすることができる。さらに、右上のセンサユニットのグループおよび右下のセンサユニットのグループでは、左センサユニットおよび右センサユニット(破線で区切られている)の複数の偏光スプリッタ140の構成は、-30°方向の偏光および+60°方向の偏光を同時にサポートすることができる。各センサユニットで受信された光波の偏光は、六角形のセンサユニットのグループの構造の方向ではなく、複数の偏光スプリッタ140の方向によって決定されることを理解されたい。しかしながら、各センサユニットのグループの六角形構造は、2つの回転された偏光をサポートする。
【0060】
図7は、本開示のさらに他の実施形態による、イメージセンサ70の断面図である。本実施形態では、イメージセンサ70は、複数の偏光スプリッタ140が組み込まれた有機フォトダイオード(OPD)であることができる。有機フォトダイオードは、近赤外線(NIR)に対して高い感度を有し、一般に、量子効率が比較的低い傾向がある。偏光スプリッタ140の革新的なメタ特徴を導入することにより、量子効率の改善が明確に観察されるであろう。基板102、ディープトレンチアイソレーション構造106、カラーフィルタ層110、パーティショングリッド構造112、遮光構造114、マイクロレンズ材料層120、複数のマイクロレンズ122、誘電体構造130、複数の偏光スプリッタ140、光波L1、および光波L2の特徴は、図1Aに示されたものと同様であり、繰り返しを避けるために、ここでは詳細を再度説明しない。
【0061】
図7に示すように、有機光導電膜(OPF)107はカラーフィルタ層110の下方に配置されることができる。有機光導電膜107の機能は、光子を電子に変換することである。いくつかの実施形態では、有機光導電膜107は、ディープトレンチアイソレーション構造106によって区画化されてもよい。ディープトレンチアイソレーション構造106の材料および形成は、図1Aに示されたものと同様であってよく、繰り返しを避けるために、ここでは詳細を再度説明しない。有機光導電膜107の厚さは、約0.05μm~0.70μmの間であり得る。有機光導電膜107の材料は、小分子(フルオレンジチオフェン(FDT)、銅フタロシアニン(CuPc)、鉛フタロシアニン(PbPc)、クロロアルミニウムフタロシアニン(AlClPc)など)、フラーレン(C70、C60など)など、またはそれらの組み合わせを含むことができる。有機光導電膜107は、上述の任意の適切な堆積プロセスによって形成されることができる。
【0062】
引き続き図7に示すように、電子輸送層(ETL)105Aおよび正孔輸送層(HTL)105Bは、有機光導電膜107の下方および上方にそれぞれ形成され得る。いくつかの実施形態では、電子輸送層105Aは、基板102と有機光導電膜107との間に垂直に配置されてもよく、正孔輸送層105Bは、カラーフィルタ層110と有機光導電膜107との間に垂直に配置されてもよい。電子輸送層105Aおよび正孔輸送層105Bは、それぞれアノード接続およびカソード接続のためのバッファ層とみなすことができる。電子輸送層105Aまたは正孔輸送層105Bの厚さは、約10nm~100nmの間であり得る。電子輸送層105Aおよび正孔輸送層105Bの材料は、ポリマー(ポリビス(チエニル)チエノジアチアゾールチオフェン(PDDTT)、ポリ[2,3-ビス(4-(2-エチルヘキシルオキシ)フェニル)-5,7-ジ(チオフェン-2-イル)チエノ[3,4-b]ピラジン](PDTTP)、ポリ{2,2’-[(2,5-ビス(2-ヘキシルデシル)-3,6-ジオキソ-2,3,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-1,4-ジイル)ジチオフェン]-5,5’-ジイル-alt-チオフェン-2,5-ジイル}(PDPP3T)、チエニル-ジケトピロロピロール-チエノ-チオフェン(PDPPTTT)、ポリ{4,8-ビス[5-(2-エチルヘキシル)チオフェン-2-イル]ベンゾ[1,2-b:4,5-b’]-ジチオフェン-2,6-ジイル-alt-3-フルオロ-2-[(2-エチルヘキシル)カルボニル]-チエノ[3,4-b]チオフェン-4,6-ジイル}(PTB7-Th)など)、任意の適切な有機材料など、またはそれらの組み合わせを含むことができる。電子輸送層105Aおよび正孔輸送層105Bは、上述の任意の適切な堆積プロセスによって形成され得る。
【0063】
図7に示すように、下部電極103および上部電極109は、電子輸送層105Aの下方および正孔輸送層105Bの上方にそれぞれ配置されることができる。下部電極103および上部電極109は、カソード接点およびアノード接点としてそれぞれ機能することができる。下部電極103の厚さは、基板102の設計によって決まる。上部電極109の厚さは、約50nm~300nmの間であり得る。下部電極103の材料は、アモルファスシリコン、ポリシリコン、ポリSiGe、金属窒化物(例えば、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、窒化タングステン(WN)、窒化チタンアルミニウム(TiAlN)など)、金属ケイ化物(例えば、ニッケルケイ化物(NiSi)、コバルトケイ化物(CoSi)、タンタルシリコン窒化物(TaSiN)など)、金属炭化物(例えば、タンタルカーバイド(TaC)、タンタル炭窒化物(TaCN)など)、金属酸化物、または金属を含み得る。金属は、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、銅(Cu)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)など、それらの組み合わせ、またはそれらの多層を含むことができる。上部電極109の材料は、インジウムスズ酸化物(ITO)、スズ酸化物(SnO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、インジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)、インジウムスズ亜鉛酸化物(ITZO)、アンチモンスズ酸化物(ATO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、二酸化チタン(TiO)など、またはそれらの組み合わせなど透明導電材料を含むことができる。下部電極103および上部電極109は、物理蒸着、原子層堆積、めっき、スパッタリングなど、またはそれらの組み合わせによって形成されることができる。
【0064】
引き続き図7に示すように、複数の回路部101が下部電極103に電気的に接続され得る。いくつかの実施形態では、複数の回路部101および下部電極103は両方とも、基板102内に埋め込まれている。複数の回路部101の機能は、回路システムに接続し、電荷蓄積領域を形成することである。複数の回路部101は、上述の任意の適切な絶縁材料および導電材料を含むことができる。例えば、複数の回路部101は、絶縁層と導電層とが交互に配置された積層構造であってもよい。
【0065】
図7に示すように、パッシベーション層111が上部電極109上に配置されることができる。パッシベーション層111は、有機光導電膜107と上方のカラーフィルタ層110との間の分離を提供することができる。パッシベーション層111の厚さは、約50nm~1000nmの間であり得る。パッシベーション層111の材料および形成は、誘電体構造130の材料および形成と同様であってもよく、繰り返しを避けるために、ここでは詳細を再度説明しない。
【0066】
図8Aおよび図8Bは、本開示のいくつかの実施形態による、様々な設計を有するイメージセンサ80Aおよび80Bの上面図である。複数の偏光スプリッタ140のそれぞれは、長方形または楕円形に見えることがある。説明のために、基板102、感知部104、ディープトレンチアイソレーション構造106、反射防止層108、カラーフィルタ層110、パーティショングリッド構造112、遮光構造114、マイクロレンズ材料層120、複数のマイクロレンズ122は省略されている。誘電体構造130および複数の偏光スプリッタ140の特徴は、図1Bに示されたものと同様であり、繰り返しを避けるために、ここでは詳細を再度説明しない。
【0067】
図8Aに示すように、イメージセンサ80Aの上面図が示されている。図1Bと比較して、イメージセンサ80Aの複数の偏光スプリッタ140は全て長方形に見えることがある。前述のように、各行の列aから列hまでの偏光スプリッタ140は、構造グループを構成し、構造グループは、行1から行8まで周期的に繰り返し配置され得る。図8Aに示された複数の偏光スプリッタ140が十字形に見えなくても、複数の偏光スプリッタ140のそれぞれは、y軸方向およびx軸方向にそれぞれ延在する第1のメタ要素および第2のメタ要素を依然として含むことができる。第1のメタ要素と第2のメタ要素の両方がそれぞれy軸方向とx軸方向に最小の延在を有するとき、正方形の偏光スプリッタ140(例えば、列dと列hの偏光スプリッタ140)が表示され得る。本開示のいくつかの実施形態によれば、メタ特徴を有する複数の偏光スプリッタ140は、異なる偏光の光波を透過させることができるが、異なる偏光の光波は分離され、異なるセンサユニットに向けられることができる。換言すれば、光エネルギーの損失が最小化されることができ、量子効率が向上されることができる。
【0068】
図8Bに示すように、イメージセンサ80Bの上面図が示されている。図8Aと比較して、イメージセンサ80Bの複数の偏光スプリッタ140は全て楕円形に見えることがある。十字形の構成でなくても、複数の偏光スプリッタ140のそれぞれは、y軸方向とx軸方向にそれぞれ延在する第1のメタ要素と第2のメタ要素を依然として含むことができる。第1のメタ要素と第2のメタ要素の両方が、それぞれy軸方向とx軸方向に最小の延在を有するとき、円形の偏光スプリッタ140(例えば、列dと列hの偏光スプリッタ140)が表示され得る。本開示のいくつかの実施形態によれば、メタ特徴を有する複数の偏光スプリッタ140は、異なる偏光の光波を透過させることができるが、異なる偏光の光波は分離され、異なるセンサユニットに向けられることができる。換言すれば、光エネルギーの損失が最小化されることができ、量子効率が向上されることができる。
【0069】
革新的なメタ特徴を有する複数の偏光スプリッタを標準のイメージセンサ内に組み込むことにより、異なる偏光の入射光波が透過され、受信されることができる。革新的なメタ特徴は、異なる偏光された光波の透過方向を制御し、異なる偏光の光波がセンサユニットのグループ内の異なる感知部に向けられるようにさせることができる。偏光スプリッタは、不要な偏光の光波を反射または吸収しないため、光エネルギーの損失が最小化されることができ、量子効率が向上されることができる。
【0070】
前述の内容は、当業者が本開示の態様をよりよく理解できるように、いくつかの実施形態の特徴を概説している。当業者は、同じ目的を実行するため、および/または本明細書に導入される実施形態の同じ利点を達成するための他のプロセスおよび構造を設計または修正するための基礎として本開示を容易に使用できることを理解できる。当業者はまた、そのような同等の構造が本開示の精神および範囲から逸脱せず、且つそれらは、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書で様々な変更、置換、および代替を行うことができることを理解するべきである。従って、保護の範囲は特許請求の範囲を通じて決定される必要がある。さらに、本開示のいくつかの実施形態が上記に開示されているが、それらは、本開示の範囲を限定することを意図していない。
【0071】
本明細書全体にわたる特徴、利点、または同様の用語への言及は、本開示で実現され得る全ての特徴および利点が、本開示の任意の単一の実施形態で実現されるべきまたは実現され得ることを意味するのではない。むしろ、特徴および利点に言及する用語は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、利点、または特性が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味すると理解される。従って、本明細書全体にわたる特徴および利点、ならびに類似の用語の議論は、必ずしもそうではないが、同じ実施形態を指すことがある。
【0072】
さらに、1つまたは複数の実施形態では、本開示の説明された特徴、利点、および特性は、任意の適切な方法で組み合わせてもよい。当業者は、本明細書の説明に基づいて、特定の実施形態の1つまたは複数の特定の特徴または利点なしに本開示を実施できることを認識するであろう。他の例では、本開示の全ての実施形態に存在しない可能性がある、追加の特徴および利点が特定の実施形態において認識され得る。
【符号の説明】
【0073】
1、2、3、4、5、6、7、8 行
10、20A、20B、20C、30、40、50、60、70、80A、80B イメージセンサ
100A、100B、100C、100D、100E、100F センサユニットのグループ
100A-L、100B-L 左センサユニット
100A-R、100B-R 右センサユニット
101 回路部
102 基板
103 下部電極
104 感知部
105A 電子輸送層
105B 正孔輸送層
106 ディープトレンチアイソレーション構造
107 有機光導電膜
108 反射防止層
109 上部電極
110 カラーフィルタ層
111 パッシベーション層
112 パーティショングリッド構造
114 遮光構造
120 マイクロレンズ材料層
122 マイクロレンズ
130 誘電体構造
140 偏光スプリッタ
A-A’ 線
a、b、c、d、e、f、g、h 列
L1 光波
L2 光波
X軸
Y軸
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図6
図7
図8A
図8B