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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057577
(43)【公開日】2024-04-24
(54)【発明の名称】細長い医療デバイスの駆動機構
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/30 20160101AFI20240417BHJP
【FI】
A61B34/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023134302
(22)【出願日】2023-08-22
(31)【優先権主張番号】18/045,842
(32)【優先日】2022-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】510292504
【氏名又は名称】コリンダス、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003317
【氏名又は名称】弁理士法人山口・竹本知的財産事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075166
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖
(74)【代理人】
【識別番号】100133167
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100169627
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 美奈
(72)【発明者】
【氏名】コーディ サイーディ
(72)【発明者】
【氏名】アルトゥーロ ブリトー
(72)【発明者】
【氏名】ペーター ファルブ
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ザープス
【テーマコード(参考)】
4C130
【Fターム(参考)】
4C130AA02
4C130AA04
4C130AA07
4C130AA13
4C130AA16
4C130AA19
4C130AA22
4C130AA52
4C130AB07
4C130AD25
4C130BA02
4C130BA05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】細長い医療デバイスの動作及び操作をロボット制御するための駆動機構を提供する。
【解決手段】実施形態に係るEMD駆動システムは、ロボット駆動装置縦軸をもつロボット駆動装置と、ロボット駆動装置縦軸の方向に移動可能なデバイスモジュールと、細長い医療デバイス(EMD)をEMD縦軸の周りに回転させるように構成された被駆動部材にモータシャフトを連結する駆動機構と、を含み、デバイスモジュールは、ロボット駆動装置縦軸とほぼ平行なモータシャフトを有するモータを含む。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
EMD駆動システムであって、
ロボット駆動装置縦軸を有するロボット駆動装置と、
前記ロボット駆動装置縦軸の方向に移動可能なデバイスモジュールと、
該デバイスモジュールは、前記ロボット駆動装置縦軸と実質的に平行であるモータシャフトを有するモータを含んでおり、
EMD縦軸の周りに細長い医療デバイス(EMD)を回転させるように構成された被駆動部材に前記モータシャフトを連結する駆動機構と、を含むEMD駆動システム。
【請求項2】
前記モータは、モータ縦軸の方向の第1の長さが、前記ロボット駆動装置縦軸と平行な縦軸の方向にとった前記デバイスモジュールの第2の縦軸長さよりも短い、請求項1に記載のEMD駆動システム。
【請求項3】
前記駆動機構は、前記モータシャフトのモータ縦軸と交差する軸の周りに回転する駆動ギヤを含み、この駆動ギヤが、前記被駆動部材と取り外し可能に係合する、請求項1に記載のEMD駆動システム。
【請求項4】
前記ロボット駆動装置から延びるステージ部材をさらに含み、
このステージ部材は、前記ロボット駆動装置縦軸の方向に前記デバイスモジュールを移動させ、前記デバイスモジュールが、前記ステージ部材の第1の側からのみ延伸する、請求項1に記載のEMD駆動システム。
【請求項5】
前記駆動機構は、ウォームギヤ及びウォームホイールを含む、請求項1に記載のEMD駆動システム。
【請求項6】
前記駆動機構は、前記モータシャフトに平行な中間軸を含み、前記ウォームホイールが前記中間軸で回転し、前記ウォームギヤが、前記モータの近位端と前記モータの遠位端との間にある、請求項5に記載のEMD駆動システム。
【請求項7】
コレット使用中位置とコレット非使用位置との間で前記デバイスモジュールに取り外し可能に装着されるコレットをさらに含み、
このコレットは、前記コレット使用中位置において、前記コレットにEMDが固定される第1の位置と、前記コレットにEMDが固定されない第2の位置との間で手動調節可能である、請求項3に記載のEMD駆動システム。
【請求項8】
前記駆動機構は、コレット縦軸の周りに前記コレットを回転させ、EMDが前記コレットに固定されているときには該EMDを回転させる、請求項7に記載のEMD駆動システム。
【請求項9】
前記デバイスモジュールは、駆動モジュールと、前記駆動モジュールに取り外し可能に接続されるカセットと、を含み、
前記駆動モジュールは、前記モータ及び前記駆動ギヤを支持するハウジングを含み、
前記カセットは、前記被駆動部材を含み、前記コレット及びEMDを取り外し可能に収容する、請求項8に記載のEMD駆動システム。
【請求項10】
前記コレットは、
前記駆動機構に連結されて作動する第1の部分と、
前記第1の部分に対しユーザの操作で可動に構成されてEMDを前記コレットに固定し又は固定を解除する第2の部分と、を含み、
前記コレットが使用中位置にあるとき、前記第2の部分が前記第1の部分よりも近位側にある、請求項9に記載のEMD駆動システム。
【請求項11】
前記駆動機構は、前記第1の位置と前記第2の位置との間で前記コレットを調節するために前記コレットに加えられる力に応じて反転駆動を防止する、請求項7に記載のEMD駆動システム。
【請求項12】
前記駆動機構は、前記コレットの縦軸の周りに前記コレットを回転させ、EMDが前記コレットに固定されていれば該EMDを回転させる、請求項7に記載のEMD駆動システム。
【請求項13】
前記コレットは、前記被駆動部材と係合して作動するギヤと、前記コレットが前記コレット使用中位置にあるときにユーザによって操作される近位部と、を含む、請求項7に記載のEMD駆動システム。
【請求項14】
ロボット駆動装置と、駆動モジュールと、無菌バリアと、を含んで構成されるEMD駆動システムであって、
前記ロボット駆動装置は、ロボット駆動装置縦軸をもち、ロボット駆動装置使用中位置で患者に最も近くなる下面をもつハウジングを有し、
前記駆動モジュールは、前記ロボット駆動装置縦軸の方向に可動であり、前記ロボット駆動装置縦軸の方向に延伸し且つ前記下面と交差して延伸する駆動面を画定するブラケットにより前記ロボット駆動装置から延びると共に、前記駆動面の第1の側からのみ延び、そして、モータと、前記モータをEMDにつないで作動する前記駆動モジュール内の駆動機構と、を含み、
前記無菌バリアは、前記駆動面の前記第1の側とは反対の前記駆動面の第2の側で前記ロボット駆動装置の前記下面に取り外し可能に取り付けられる、EMD駆動システム。
【請求項15】
前記モータは、前記駆動面と平行な縦軸をもつ駆動シャフトを含む、請求項14に記載のEMD駆動システム。
【請求項16】
前記駆動モジュールに取り外し可能に取り付けられるカセットと、
コレット非使用位置とコレット使用中位置との間で前記カセット内に取り外し可能に収容されるコレットと、をさらに含み、
前記コレットの一部が前記駆動機構に連結されて作動する、請求項15に記載のEMD駆動システム。
【請求項17】
前記駆動機構は、EMDを前記コレットに固定している第1の位置とEMDを前記コレットに固定していない第2の位置との間の使用中位置において前記コレットが手動調節可能であるときに、前記駆動機構の反転駆動を防止するウォームギヤを含む、請求項16に記載のEMD駆動システム。
【請求項18】
ロボット駆動装置縦軸をもつロボット駆動装置と、
前記ロボット駆動装置縦軸の方向に移動可能なデバイスモジュールと、
駆動機構と、を含んで構成されるEMD駆動システムであって、
前記デバイスモジュールは、モータシャフトを有するモータを含み、
前記駆動機構は、細長い医療デバイス(EMD)をEMD縦軸の周りに回転させるように構成された被駆動部材に、前記モータシャフトを連結し、
前記駆動機構は、EMDから前記駆動機構に力が印加されたときに前記駆動機構の反転駆動を阻止するウォームギヤを含む、EMD駆動システム。
【請求項19】
前記モータシャフトのモータ縦軸が前記ロボット駆動装置縦軸と平行である、請求項18に記載のEMD駆動システム。
【請求項20】
前記駆動機構は、前記モータシャフトと平行に延びる中間シャフトを含み、前記ウォームギヤが前記中間シャフトに配置され、
前記被駆動部材は、前記モータ縦軸及び前記中間シャフトの縦軸から離間し且つ交差する軸の周りに回転する、請求項19に記載のEMD駆動システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、ロボット医療処置システムの分野に関し、具体的には、細長い医療デバイスの動作及び操作をロボット制御するための駆動機構に関する。
【背景技術】
【0002】
カテーテルやその他の細長い医療デバイス(EMD)は、例えば、神経介入手術としても知られる神経血管インターベンション(NVI)、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)、及び末梢血管インターベンション(PVI)を含む、様々な血管系の疾患の診断及び治療のための低侵襲医療処置に使用される。これらの処置は、典型的には、血管系を通してガイドワイヤをナビゲートし、このガイドワイヤを利用してカテーテルを進めて治療を行うことを含む。当該カテーテル法は、標準的な経皮的手法を用い、イントロデューサシースを使用して、動脈又は静脈などの適切な血管へのアクセスを得ることから始まる。イントロデューサシースを介して、次に、NVIの場合の内頸動脈、PCIの場合の冠動脈口、又は、PVIの場合の浅大腿動脈など、一次位置まで診断ガイドワイヤを通しシース又はガイドカテーテルを進める。そして、血管系に適したガイドワイヤを、そのシース又はガイドカテーテルを通して、血管系の標的位置までナビゲートする。ねじれた解剖学的構造などの特定の状況では、ガイドワイヤを通し支持カテーテル又はマイクロカテーテルを挿入し、ガイドワイヤのナビゲーションを補助する。医師又は操作者は、例えば、撮像システム(例えば、フルオロスコープ)を使用して造影剤注入によるシネを取得し、ガイドワイヤ又はカテーテルを標的位置、例えば病変、にナビゲートするためのロードマップとして使用する固定フレームを選択する。また、医師がガイドワイヤ又はカテーテルを送り込んでいる間にも造影画像が得られ、これにより、医師は、デバイスが標的位置へ向かう正しい経路に沿って移動していることを確認できる。蛍光透視法を用いて解剖学的構造を観察しながら、医師は、ガイドワイヤ又はカテーテルの近位端を操作して、病変又は標的の解剖学的位置へ向かう適切な血管内に遠位先端を送り、側枝への進入を避ける。
【0003】
例えば、NVI、PCI、及びPVIなどのカテーテル挿入処置を行う際に医師を補助するべく使用されるロボットカテーテル式処置システムが開発されている。NVI処置の例としては、動脈瘤のコイル塞栓術、動静脈奇形の液体塞栓術、及び急性虚血性脳卒中の状況における大血管閉塞の機械的血栓摘出術があげられる。NVI処置で、医師は、ロボットシステムを使用して、神経血管ガイドワイヤ及びマイクロカテーテルの操作を制御することにより標的病変へのアクセスを得て、正常な血流を回復させる治療を施す。標的のアクセスはシース又はガイドカテーテルによって実行されるが、より遠位の領域に対して、又は、マイクロカテーテル及びガイドワイヤの適切な支持を提供するために、中間カテーテルを必要とすることもある。ガイドワイヤの遠位先端は、病変及び治療の種類に応じて、病変の中に又は病変の先までナビゲートされる。動脈瘤を治療する場合には、マイクロカテーテルを病変内に進め、ガイドワイヤを除去し、マイクロカテーテルを通して動脈瘤内にいくつかの塞栓コイルを留置し、動脈瘤内への血流を遮断するために使用する。動静脈奇形を治療する場合には、マイクロカテーテルを介して液体塞栓を奇形内に注入する。血管閉塞を治療するための機械的血栓除去は、吸引及び/又はステント回収器の使用によって達成される。血栓の位置に応じて、吸引は、吸引カテーテルを通して、又は、細い動脈であればマイクロカテーテルを通して、行われる。吸引カテーテルが病変に入ったら、陰圧をかけてカテーテルを通し血栓を除去する。あるいは、血栓は、マイクロカテーテルを通してステント回収器を配置することによって除去することができる。ステント回収器が血栓を絡め取った後、ステント回収器及びマイクロカテーテル(又は中間カテーテル)をガイドカテーテルへ引き込むことによって、血栓が回収される。
【0004】
PCIで、医師は、ロボットシステムを使用して、冠状動脈ガイドワイヤを操作することによって病変へのアクセスを得て、治療を行い、正常な血流を回復させる。アクセスは、ガイドカテーテルを冠動脈入口部に着座させることにより可能とされる。ガイドワイヤの遠位先端は病変の先までナビゲートされ、複雑な解剖学的構造に関しては、マイクロカテーテルを用いてガイドワイヤを適切に支持することができる。血流は、病変にステント又はバルーンを送り込んで展開することによって回復する。ステント留置前に、病変を前拡張するためにバルーンを送り込むか、又は、例えば、レーザー又は回転式アテレクトミーカテーテル及びガイドワイヤを通したバルーンを用いてアテレクトミーを実施することにより、病変に準備を施す必要があることもある。例えば、画像診断及び生理学的測定が、撮像カテーテル又は血流予備量比(FFR)測定を用いることにより、適切な治療法を決定するために実施される。
【0005】
PVIで、医師は、ロボットシステムを用いて治療を行い、NVIと同様の技術で血流を回復させる。ガイドワイヤの遠位先端は病変の先までナビゲートされ、複雑な解剖学的構造に関しては、ガイドワイヤを適切に支持するためにマイクロカテーテルが使用されることもある。例えば、病変にステント又はバルーンを送り込んで展開させることにより血流を回復させる。PCIの場合と同様に、例えば、病変の前処理や画像診断も同じように用いられる。
【0006】
カテーテル又はガイドワイヤの遠位端での支持が、例えば、ねじれたり石灰化したりしている血管系のナビゲーションのために、遠位の解剖学的位置まで到達するために、又は、硬い病変を横切るために、必要とされる場合、OTW(over-the-wire)カテーテル又は同軸システムが用いられる。OTWカテーテルにはガイドワイヤ用のルーメン(管腔/内腔)があり、カテーテルの全長にわたって延伸している。これにより、ガイドワイヤが全長にわたって支持されるので、比較的安定したシステムとなる。しかし、このシステムには、ラピッドエクスチェンジカテーテル(後述)と比較して高い摩擦と長い全長をもつことを含むいくつかの弱点がある。通常、留置ガイドワイヤの位置を維持しながらOTWカテーテルを抜去又は交換するためには、ガイドワイヤの露出長(患者の外側)がOTWカテーテルより長くなければならない。長さ300cmのガイドワイヤがこの目的には一般的に十分とされ、多くは交換長ガイドワイヤと呼ばれる。ガイドワイヤのこの長さのため、OTWカテーテルの抜去又は交換には2名の操作者が必要である。このことは、三軸システムとして当該技術分野で知られている三重同軸カテーテルを使用する(四重同軸カテーテルが使用されることも知られている)場合、さらに困難になる。しかし、その安定性が評価され、NVI及びPVI処置ではOTWシステムが多くの場合使用される。一方、PCI処置では、ラピッドエクスチェンジ(又はモノレール)カテーテルを使用することが多い。ラピッドエクスチェンジカテーテルのガイドワイヤルーメンは、モノレール又はラピッドエクスチェンジ(RX)セクションと呼ばれるカテーテルの遠位部分にのみ延設されている。RXシステムを使用する場合、操作者は、互いに並列のインターベンションデバイスを操作し(デバイスを直列構成で操作するOTW装置とは対照的に)、ガイドワイヤの露出長はカテーテルのRXセクションよりもわずかに長くするだけでよい。迅速交換長ガイドワイヤは、典型的には180~200cmの長さである。ガイドワイヤ及びモノレールが短いことを考えれば、RXカテーテルは、1人の操作者で交換可能である。しかし、より遠位の支持が必要な場合、RXカテーテルは不適当であることが多い。
【発明の概要】
【0007】
EMD駆動システムは、ロボット駆動装置縦軸(前後軸/長手方向軸)を有するロボット駆動装置と、ロボット駆動装置縦軸と実質的に平行であるモータシャフトを有するモータを含んでいてロボット駆動装置縦軸の方向に移動可能なデバイスモジュールと、細長い医療デバイス(EMD)をEMD縦軸の周りに回転させるように構成された被駆動部材にモータシャフトを連結する駆動機構(ドライブトレイン)と、を含む構成とされる。
【0008】
一態様において、モータは、モータ縦軸の方向に第1の長さを有し、この第1の長さは、ロボット駆動装置縦軸と平行な縦軸の方向にとったデバイスモジュールの第2の縦方向長さよりも短い。
【0009】
一態様において、駆動機構は、モータシャフトのモータ縦軸と交差する軸の周りに回転する駆動ギヤを含み、この駆動ギヤは、被駆動部材と取り外し可能に係合する。
【0010】
一態様において、EMD駆動システムは、ロボット駆動装置から延びるステージ部材を含む。このステージ部材は、ロボット駆動装置縦軸の方向にデバイスモジュールを移動させ、デバイスモジュールは、ステージ部材の第1の側からのみ延伸する。
【0011】
一態様において、駆動機構は、ウォームギヤ(ねじ歯車)及びウォームホイール(はすば歯車)を含む。
【0012】
一態様において、駆動機構は、モータシャフトに平行な中間軸を含み、ウォームホイールがその中間軸で回転し、ウォームギヤは、モータの近位端とモータの遠位端との間にある。
【0013】
一態様において、EMD駆動システムは、コレットを含み、このコレットは、コレット使用中位置とコレット非使用位置との間でデバイスモジュールの中に取り外し可能に装着される。コレットは、コレット使用中位置において、コレットにEMDが固定される第1の(固定)位置と、コレットにEMDが固定されない第2の(未固定)位置との間で手動調節可能である。
【0014】
一態様において、駆動機構は、コレット縦軸の周りにコレットを回転させ、EMDがコレットに固定されているときにはEMDを回転させる。
【0015】
一態様において、デバイスモジュールは、駆動モジュールと、駆動モジュールに取り外し可能に接続されるカセットと、を含む。駆動モジュールは、モータ及び駆動ギヤを支持するハウジングを含み、カセットは、被駆動部材を含み、コレット及びEMDを取り外し可能に収容する。
【0016】
一態様において、コレットは、駆動機構に接続されて作動する第1の部分と、第1の部分に対しユーザの操作で可動に構成されてEMDをコレットに固定し又は固定を解除する第2の部分と、を含む。一態様によれば、コレットがカセット内の使用中位置にあるとき、第2の部分は、第1の部分よりも近位側にある。
【0017】
一態様において、駆動機構は、第1の(固定)位置と第2の(非固定)位置との間でコレットを調節するためにコレットに加えられる力に応じて反転駆動を防止する。
【0018】
一態様において、駆動機構は、コレットの縦軸の周りにコレットを回転させ、EMDがコレットに固定されていればEMDを回転させる。
【0019】
一態様において、コレットは、被駆動部材と係合して作動するギヤと、コレットがコレット使用中位置にあるときにユーザによって操作される近位部と、を含む。
【0020】
別の態様に係るEMD駆動システムは、ロボット駆動装置と、駆動モジュールと、無菌バリアと、を含んで構成される。ロボット駆動装置は、ロボット駆動装置縦軸を有し、ロボット駆動装置使用中位置で患者に最も近くなる下面をもつハウジングを有する。駆動モジュールは、ロボット駆動装置縦軸の方向に可動であり、ロボット駆動装置縦軸の方向に延伸し且つ下面と交差して延伸する駆動面を画定するブラケットによりロボット駆動装置から延び、駆動面の第1の側からのみ延び、そして、モータと、モータをEMDにつないで作動する駆動モジュール内の駆動機構と、を含む。無菌バリアは、駆動面の第1の側とは反対の駆動面の第2の側でロボット駆動装置の下面に取り外し可能に取り付けられる。
【0021】
一態様において、駆動モジュールは、駆動面と平行な縦軸をもつ駆動シャフトを有するモータを含む。
【0022】
一態様において、EMD駆動システムは、駆動モジュールに取り外し可能に取り付けられるカセットと、コレット非使用位置とコレット使用中位置との間でカセット内に取り外し可能に収容されるコレットと、を含み、コレットの一部が駆動機構に連結されて作動する。
【0023】
一態様において、駆動機構は、EMDをコレットに固定している第1の(固定)位置とEMDをコレットに固定していない第2の(非固定)位置との間の使用中位置においてコレットが手動調節可能であるときに、駆動機構の反転駆動を防止するウォームギヤを含む。
【0024】
別の態様に係るEMD駆動システムは、ロボット駆動装置縦軸をもつロボット駆動装置と、ロボット駆動装置縦軸の方向に移動可能なデバイスモジュールと、駆動機構と、を含んで構成される。デバイスモジュールは、モータシャフトを有するモータを含む。
【0025】
駆動機構は、EMD(細長い医療デバイス)をEMD縦軸の周りに回転させるように構成された被駆動部材に、モータシャフトを連結する。また、駆動機構は、EMDから駆動機構に力が印加されたときに駆動機構の反転駆動を阻止するウォームギヤを含む。
【0026】
一態様において、モータシャフトのモータ縦軸は、ロボット駆動装置縦軸と平行である。
【0027】
一態様において、駆動機構は、モータシャフトと平行に延びる中間シャフトを含む。ウォームギヤは、その中間シャフトに配置され、被駆動部材は、モータ縦軸及び中間シャフトの縦軸から離間し且つ交差する軸の周りに回転する。ウォームギヤは、中間シャフトに配置される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】カテーテルベース処置システムの一例を示す概略図。
図2】カテーテルベース処置システムの一例を示す概略ブロック図。
図3】カテーテルベース処置システムのカセットアセンブリとロボット駆動装置とデバイスモジュールとの分解図。
図4】ロボット駆動装置及び最も遠位の駆動モジュールの左側面図。
図5】ロボット駆動装置及び最も遠位の駆動モジュールの正面図。
図6】直角駆動機構の斜視図。
図7図6の直角駆動機構の分解図。
図8】ウォームギヤハウジングを取り外した状態の図6の直角駆動機構の斜視図。
図9図6の直角駆動機構の右側面図。
図10】使用中位置にコレットがあるデバイスモジュールの要部平面図。
図11】使用中位置にコレットがあるカセットの正面図。
図11A】閉位置にカバーがある、図11のカセットの正面図。
図12】駆動機構の斜視図。
図13】コレットの要部分解図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、実施例に係るカテーテルベース処置システム10の斜視図である。カテーテルベース処置システム10は、カテーテルベース医療処置、例えば、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)(例えば、STEMIを治療するため)、神経血管インターベンション処置(NVI)(例えば、緊急大血管閉塞(ELVO)を治療するため)、末梢血管インターベンション処置(PVI)(例えば、重症下肢虚血(CLI)のためなど)、を行うために使用される。カテーテルベース医療処置には、患者の疾患の診断を補助するために1つ以上のカテーテルやその他の細長い医療デバイス(EMD)が使用される診断カテーテル処置が含まれることがある。例えば、一例としてカテーテルベース診断処置中に、造影剤をカテーテルを通して1つ以上の動脈に注入し、患者の血管系の画像を取得する。カテーテルベース医療処置には、カテーテルベース治療処置(例えば、血管形成術、ステント留置、末梢血管疾患の治療、血栓除去、動脈静脈奇形治療、動脈瘤の治療など)も含まれる場合があり、この処置においてはカテーテル(又は他のEMD)を用いて疾患が治療される。治療処置は、例えば、血管内超音波(IVUS)、光干渉断層計(OCT)、血流予備量比(FFR)などの補助デバイス54(図2に示す)を含めることによって強化することができる。しかしながら、本分野で通常の知識をもつ者であれば、特定の経皮的インターベンションデバイス又はコンポーネント(部品)(例えば、ガイドワイヤのタイプ、カテーテルのタイプなど)が、実施される処置のタイプに基づいて選択され得ることを当然に理解している。カテーテルベース処置システム10は、処置で使用される特定の経皮的インターベンションデバイスをわずかな調節で収容でき、あらゆるカテーテルベース医療処置を実行することができる。
【0030】
カテーテルベース処置システム10は、数ある要素の中でも特に、ベッドサイドユニット20及び制御ステーション(図示せず)を含む。ベッドサイドユニット20は、患者12に隣接して位置するロボット駆動装置24及び位置決めシステム22を備える。患者12は患者テーブル18に寝かされている。位置決めシステム22は、ロボット駆動装置24を位置決めし、支持するために使用される。位置決めシステム22は、例えば、ロボットアーム、関節式アーム、ホルダ等である。位置決めシステム22は、一端が、例えば、患者テーブル18(図1に示すように)、ベース、又はカートに取り付けられる。位置決めシステム22の他端には、ロボット駆動装置24が取り付けられる。位置決めシステム22は(ロボット駆動装置24と共に)、患者12を患者テーブル18にのせられるように、退避させることができる。患者12を患者テーブル18に寝かせた後、位置決めシステム22を使用して、処置のためにロボット駆動装置24を患者12に対して固定したり位置決めすることができる。処置のために位置決めされたロボット駆動装置の位置は、ここではロボット駆動装置使用中位置と称する。一実施例において、患者テーブル18は、床及び/又は地面に固定されている台座17によって支持され可動とされる。患者テーブル18は、台座17に対して、多自由度、例えばロール、ピッチ、ヨー、で動くことができる。ベッドサイドユニット20は、例えば、制御機器及びディスプレイ46(図2に示す)も含む。例えば、制御機器及びディスプレイは、ロボット駆動装置24のハウジングに配置することができる。
【0031】
通例、ロボット駆動装置24は、適切な経皮的インターベンションデバイス及び付属品48(図2に示す)(例えば、ガイドワイヤ、バルーンカテーテル(これに限定されないが)を含む各種のカテーテル、ステントデリバリシステム、ステント回収器、塞栓形成コイル、液体塞栓、吸引ポンプ、造影剤、薬剤の供給デバイス、止血弁アダプタ、シリンジ、ストップコック、膨張デバイスなど)を備えることができ、これにより操作者(ユーザ)は、制御ステーションにあるコントローラや入力機器などの様々な制御機器を操作してロボットシステムによりカテーテルベース医療処置を行うことができる。ベッドサイドユニット20、具体的にはロボット駆動装置24は、例えば、ここに説明する機能性をベッドサイドユニット20に提供するためにあらゆるコンポーネント及び/又はその組み合わせを含む。ロボット駆動装置24は、レール又は直線部材に取り付けられた複数のデバイスモジュール32a-dを含む。デバイスモジュール32a-dの各々を使用して、カテーテルやガイドワイヤなどのEMDを駆動することができる。例えば、ロボット駆動装置24を使用して、患者12の動脈中にある診断用カテーテルの中へ及びガイドカテーテルの中へガイドワイヤを自動的に送り込むことができる。EMDなどの1つ以上のデバイスは、例えばイントロデューサシースを介して挿入点16において患者12の体内(例えば血管)に入る。各デバイスモジュール32a-dは、駆動モジュールと、駆動モジュールに取り外し可能に取り付けられるカセットと、を含む。各駆動モジュールは、ブラケット又はステージを利用して、ロボット駆動装置縦軸の方向に移動可能である。図1には4つのデバイスモジュールを例示しているが、当然ながらデバイスモジュールの数は1つ以上ということである。
【0032】
ベッドサイドユニット20は、制御ステーション(図示せず)と通信し、制御ステーションのユーザ入力によって生成される信号をベッドサイドユニット20へ無線で、又はハードワイヤを介し、伝送することを可能にして、ベッドサイドユニット20の様々な機能を制御する。後述するように、制御ステーションは、例えば、制御コンピューティングシステム34(図2に示す)を含むか、又は、制御コンピューティングシステム34を介してベッドサイドユニット20に接続される。ベッドサイドユニット20は、例えば、制御ステーション、制御コンピューティングシステム34(図2に示す)、又はその両方に、フィードバック信号(例えば、装填、速度、動作条件、警告信号、エラーコードなど)を提供する。制御コンピューティングシステム34とカテーテルベース処置システム10の種々のコンポーネントとの間の通信は、例えば、無線接続、有線接続、又はコンポーネント間の通信を可能にする他のあらゆる手段である通信リンクを介して提供される。制御ステーション又は他の類似の制御システムは、例えば、ローカルサイト(現場)(例えば、図2に示すローカル制御ステーション38)又はリモートサイト(遠隔地)(例えば、図2に示すリモート制御ステーション及びコンピューティングシステム42)のいずれかに置かれる。カテーテルベース処置システム10は、例えば、ローカルサイトの制御ステーションによって、リモートサイトの制御ステーションによって、又はローカル制御ステーションとリモート制御ステーションの両方によって、同時に操作することができる。ローカルサイトにおいて、操作者(ユーザ)及び制御ステーションは、患者12及びベッドサイドユニット20と同じ部屋又は隣の部屋に位置する。ここで使用する場合、ローカルサイトは、ベッドサイドユニット20及び患者12又は被験体(例えば、動物又は死体)の場所であり、リモートサイトは、ベッドサイドユニット20をリモート制御するために使用される制御ステーション及び操作者の場所である。リモートサイトの制御ステーション(及び制御コンピューティングシステム)とローカルサイトのベッドサイドユニット20及び/又は制御コンピューティングシステムとは、例えば、通信システム及びサービス36(図2に示す)を使用して、一例としてインターネットを介し、通信している。一実施例において、リモートサイトとローカル(患者)サイトとは互いに離れており、例えば、同じ建物内の別々の部屋、同じ市内の別々の建物、別々の市町村、又は、その他の、リモートサイトがローカルサイトのベッドサイドユニット20及び/又は患者12と物理的アクセスをもたない別々の場所にある。
【0033】
制御ステーションは、通常、カテーテルベース処置システム10の様々なコンポーネント又はシステムを操作するためのユーザ入力を受信するように構成された1つ以上の入力モジュール28を含む。ここに示す実施例において、制御ステーションは、操作者がベッドサイドユニット20を制御してカテーテルベース医療処置を行うことができるようにする。例えば、入力モジュール28は、ロボット駆動装置24と相互作用する経皮的インターベンションデバイス(例えば、EMD)を使用してベッドサイドユニット20に様々なタスクを行わせるように構成することができる(例えば、ガイドワイヤの前進、後進又は回転、カテーテルの前進、後進又は回転、カテーテルに配置したバルーンの膨張又は収縮、ステントの位置決め及び/又は展開、ステント回収器の位置決め及び/又は展開、コイルの位置及び/又は展開、造影剤のカテーテルへの注入、液体塞栓のカテーテルへの注入、薬剤又は生理食塩水のカテーテルへの注入、カテーテルでの吸引、又は、カテーテルベース医療処置の一部として実施され得るその他の機能の実行)。ロボット駆動装置24は、経皮的インターベンションデバイスを含んだベッドサイドユニット20のコンポーネントを動作(例えば、軸方向動作及び回転動作)させるための様々な駆動機構を含む。
【0034】
一実施例において、入力モジュール28は、例えば、1つ以上のタッチスクリーン、ジョイスティック、スクロールホイール、及び/又はボタンを含む。入力モジュール28に加えて、制御ステーション26は、フットスイッチや音声命令のためのマイクロフォンなどの追加のユーザ制御機器44(図2に示す)を使用することができる。入力モジュール28は、例えば、各種コンポーネント及び経皮的インターベンションデバイス(例えばガイドワイヤや1つ以上のカテーテル又はマイクロカテーテルなど)を前進、後進、又は回転させるように構成される。ボタンは、例えば、緊急停止ボタン、倍率ボタン、デバイス選択ボタン、及び自動移動ボタンを含む。非常停止ボタンが押されると、ベッドサイドユニット20に対し動力(例えば、電力)が遮断されるか又は切り離される。速度制御モードにあるとき、倍率ボタンは、入力モジュール28の操作に応答して関連するコンポーネントが動く速度を増加又は減少させるように作用する。位置制御モードにあるときは、倍率ボタンは、入力距離と出力指令距離との間のマッピングを変更する。デバイス選択ボタンにより、操作者は、ロボット駆動装置24に装填された経皮的インターベンションデバイスのうちのどれを入力モジュール28によって制御するか、を選択することができる。自動移動ボタンは、カテーテルベース処置システム10が操作者からの直接の命令なしで経皮的インターベンションデバイスに実行することができるアルゴリズム動作を開始するために使用される。一実施例において、入力モジュール28は、タッチスクリーン(ディスプレイの一部である場合とそうでない場合がある)に表示される1つ以上の制御部又はアイコン(図示せず)を含み、これらは、活性化されると、カテーテルベース処置システム10のコンポーネントを作動させる。入力モジュール28はまた、バルーンを膨張又は収縮させ及び/又はステントを展開するように構成されたバルーン又はステント制御器を含むことができる。入力モジュール28の各々は、例えば、1つ以上のボタン、スクロールホイール、ジョイスティック、タッチスクリーンなどを含み、これらは、専用制御される特定の1つ以上のコンポーネントを制御するために使用される。さらに、1つ以上のタッチスクリーンが、入力モジュール28の様々な部分又はカテーテルベース処置システム10の様々なコンポーネントに関係する1つ以上のアイコン(図示せず)を表示することができる。
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【0035】
また、カテーテルベース処置システム10は、撮像システム14を含む。撮像システム14は、例えば、カテーテルベース医療処置と併せて使用することのできる医用撮像システム(例えば、非デジタルX線、デジタルX線、CT、MRI、超音波など)である。一実施例において、撮像システム14は、制御ステーションと通信するデジタルX線撮像デバイスである。一実施例において、撮像システム14は、例えば、患者12に対する様々な角度位置で画像(例えば、矢状面像、尾面像、前後面像など)を得るために、患者12の周囲を撮像システム14が部分的又は完全に回転することを可能にするCアーム(図1に示す)を含む。一実施例において、撮像システム14は、X線源13とイメージインテンシファイアとしても知られる検出器15とを備えたCアームを含む透視システムである。
【0036】
撮像システム14は、例えば、処置中に患者12の適切な領域のX線画像を取得するように構成される。例えば、撮像システム14は、神経血管状態を診断するために頭部の1つ以上のX線画像を取得するように構成される。撮像システム14は、例えば、カテーテルベース医療処置中に1つ以上のX線画像(例えば、リアルタイム画像)を取得するようにも構成され、ガイドワイヤ、ガイドカテーテル、マイクロカテーテル、ステント回収器、コイル、ステント、バルーン等を処置中に適切に位置決めできるように制御ステーション26の操作者を補助する。1つ以上の画像が例えばディスプレイ30に表示される。例えば、画像をディスプレイに表示することで、操作者がガイドカテーテル又はガイドワイヤを適切な位置に正確に移動させることができるようにする。
【0037】
方向を明確にするために、直交座標系をX,Y,Z軸で導入した。正のX軸は、縦軸方向(長手軸方向/軸方向)の遠位向き、すなわち、近位端から遠位端への方向を示し、別の言い方をすれば、近位→遠位方向である。Y軸とZ軸は、X軸に対する横断面内にあり、正のZ軸が上向き、つまり重力の反対方向であり、Y軸は右手の法則によって自動的に決まる。ここで使用するX軸は、ロボット駆動装置24の縦軸の方向に延在する。使用中位置においてロボットハウジングが重力の方向と直交する水平面に対して傾斜していれば、X軸、Y軸及びZ軸は、ロボット駆動装置24によって規定される。図1を参照すると、ロボット駆動装置24は、X-Y平面と平行な上面又は第1の部材24aと、第1の部材24aと平行にして離隔配置されている下面又は第2の部材24bと、第1の部材24aと第2の部材24bとの間でこれらに実質的に交差して延伸している前面(正面)又は第3の部材24cと、を有するハウジングを含んでいる。第3の部材24cは、ロボット駆動装置24が図1に示す使用中位置又は向きにあるとき、ユーザに対面する。第4の部材24dが、第3の部材24cから離間してほぼ平行で且つ第1の部材24a及び第2の部材24bと交差している。ロボット駆動装置ハウジングは他の形状でも使用可能であることはもちろんである。この場合、第1の部材24aが上側部材であり、第2の部材24bが下側(底面)部材であり、前面(正面)又は第3の部材24cが外科処置中の使用中位置でユーザに対面する部分であり、第4の部材24dが外科処置中の使用中位置でユーザに背を向けている部分である。ロボット駆動装置24はさらに、遠位領域24eと近位領域24fを備える。遠位領域24eが、EMDを導入するための患者の挿入点に近く、近位領域24fが、EMDを導入するための患者の挿入点から最も遠くにある。
【0038】
図2は、実施例に係るカテーテルベース処置システム10のブロック図である。カテーテル-処置システム10は、例えば、制御コンピューティングシステム34を含む。制御コンピューティングシステム34は、物理的に、例えば制御ステーションの一部であってもよい。制御コンピューティングシステム34は、通例、ここに説明する種々の機能をカテーテルベース処置システム10に提供するのに適した電子制御ユニットである。例えば、制御コンピューティングシステム34は、埋め込みシステム、専用回路、ここに説明する機能性をプログラムした汎用システムなどである。制御コンピューティングシステム34は、ベッドサイドユニット20、通信システム及びサービス36(例えば、インターネット、ファイアウォール、クラウドサービス、セッションマネージャ、病院ネットワークなど)、ローカル制御ステーション38、追加の通信システム40(例えば、テレプレゼンスシステム)、リモート制御ステーション及びコンピューティングシステム42、及び患者センサ56(例えば、心電図(ECG)デバイス、脳波(EEG)デバイス、血圧モニタ、温度モニタ、心拍モニタ、呼吸モニタなど)と、通信する。制御コンピューティングシステム34は、撮像システム14、患者テーブル18、追加の医療システム50、造影剤注入システム52、及び補助デバイス54(例えば、IVUS、OCT、FFRなど)とも通信する。ベッドサイドユニット20は、ロボット駆動装置24、位置決めシステム22を含み、例えば追加の制御機器及びディスプレイ46も含む。上述のように、追加の制御機器及びディスプレイ46は、ロボット駆動装置24のハウジングに配置することができる。インターベンションデバイス及び付属品48(例えば、ガイドワイヤ、カテーテルなど)は、ベッドサイドユニット20と相互作用する。一実施例において、インターベンションデバイス及び付属品48は、例えば、それぞれの補助デバイス54(IVUSシステム、OCTシステム、及びFFRシステムなど)と相互作用する専用の装置(IVUSカテーテル、OCTカテーテル、FFRワイヤ、造影用診断カテーテルなど)を含む。
【0039】
一実施例において、制御コンピューティングシステム34は、ユーザと入力モジュール28(例えば、ローカル制御ステーション38又はリモート制御ステーション42などの制御ステーションの)の相互作用に基づいて、及び/又は、制御コンピューティングシステム34のアクセス可能な情報に基づいて、制御信号を生成するように構成され、これにより、カテーテルベース処置システム10を使用して医療処置が実行される。ローカル制御ステーション38は、1つ以上のディスプレイ30、1つ以上の入力モジュール28、及び追加のユーザ制御機器44を含む。リモート制御ステーション及びコンピューティングシステム42は、例えば、ローカル制御ステーション38と同様のコンポーネントを含む。リモート制御ステーション42とローカル制御ステーション38とは、必要とされる機能に従って異なるものとし、専用に構成することができる。追加のユーザ制御機器44は、例えば、1つ以上の足入力制御器を含む。足入力制御器は、例えば、X線をオン/オフする、複数の保存画像をスクロールするなど、操作者による撮像システム14の機能選択を可能にするように構成される。一実施例において、足入力制御器は、入力モジュール28に含まれたスクロールホイールにマッピングされるデバイスをユーザが選択できるようにすべく構成される。追加の通信システム40(例えば、音声会議、ビデオ会議、テレプレゼンスなど)は、例えば、操作者が患者、医療スタッフ(例えば、アンギオスイートスタッフ)、及び/又はベッドサイドの近くの機器と相互作用するのを助けるために採用される。
【0040】
カテーテルベース処置システム10は、明示はしていない他のあらゆるシステム及び/又はデバイスを含むように接続する又は構成することができる。例えば、カテーテルベース処置システム10は、画像処理エンジン、データストレージ及びアーカイブシステム、自動バルーン及び/又はステント膨張システム、薬剤注入システム、薬剤追跡及び/又は記録システム、ユーザログ、暗号化システム、カテーテルベース処置システム10のアクセス又は使用を制限するシステムなどを、含むことができる。
【0041】
既述したように、制御コンピューティングシステム34は、ロボット駆動装置24、位置決めシステム22を含み且つ追加の制御機器及びディスプレイ46を含むことがあるベッドサイドユニット20と通信し、例えば、経皮的インターベンションデバイス(例えば、ガイドワイヤ、カテーテルなど)の駆動に使用されるモータ及び駆動メカニズムの作動を制御する制御信号をベッドサイドユニット20に提供する。各種の駆動メカニズムは、例えば、ロボット駆動装置24の一部として提供される。
【0042】
(直線部材とブラケットによる駆動モジュールの直線動作の説明を含む)
【0043】
図3を参照すると、デバイスモジュール32aは、第1の駆動モジュール60及び第1のカセット68を含む。デバイスモジュール32bは、第2の駆動モジュール62及び第2のカセット70を含む。デバイスモジュール32cは、第3の駆動モジュール64及び第3のカセット72を含む。デバイスモジュール32dは、第4の駆動モジュール66及び第4のカセット74を含む。一実施例において、第1のカセット68、第2のカセット70、第3のカセット72、及び第4のカセット74は、マルチユニットカセットアセンブリとして一緒に出荷される。一実施例において、マルチユニットカセットアセンブリ76は、カセットの各々がそれぞれの駆動モジュールに取り外し可能に接続されると共に互いに摺動可能に接続されることを可能にしている。一実施例において、複数のデバイスモジュール32a-dのそれぞれは、ロボット駆動装置24において直線部材に沿って直線移動するように独立して作動させることができる。各デバイスモジュール32a-dは、互いにそしてロボット駆動装置の直線部材に対して独立して動くことができる。駆動メカニズムは、ここではロボット駆動装置縦軸78とも呼ぶロボット駆動装置24の縦軸78の方向に各デバイスモジュールを移動させる。ロボット駆動装置縦軸78は、例えば、デバイスモジュールを移動させるためのねじ駆動装置などの直線部材に沿って延びるか、又は、デバイスモジュールを移動させる直線部材に平行とした別の軸に沿って画定される。図3を参照すると、各カセット68-74は、おおよそXZ平面における上下に向けられている。各カセット68-74は、X軸方向の又は縦軸78と平行な長さが、Y軸に沿った又はY軸に交差する方向の各カセットの幅よりも大きい。‘533公報に、XY内に沿ってほぼ水平な位置に配置されたカセットが開示されている。カセットの上下(垂直)と左右(水平)との間の区別は、PCT国際公開公報WO2021/011554に開示されており、その全内容がここに援用される。
【0044】
一実施例において、駆動メカニズムは、各デバイスモジュールと連結された独立ステージ並進モータと、回転ナットを介した送りねじ、ラックアンドピニオン、ピニオン又はプーリを介したベルト、スプロケットを介したチェーンなどのステージ駆動メカニズムと、を含むか、又は、ステージ並進モータ64a-d自体がリニアモータである。駆動メカニズムは、デバイスモジュールを前進及び後進させる。このような駆動メカニズムの例が、PCT国際公開公報WO2021/011533号に開示されており、その全内容がここに援用される。
【0045】
病原体による患者の汚染を防ぐために、ヘルスケアスタッフは、ベッドサイドユニット20と患者12又は被験者(図1に示す)が収容されている部屋で無菌技術を用いる。ベッドサイドユニット20と患者12を収容する部屋は、例えば、カテーテルラボ又はアンギオスイートである。無菌技術は、滅菌バリア、滅菌器具、適切な患者準備、環境管理、及び接触ガイドラインを使用することからなる。したがって、すべてのEMD及びインターベンション付属品は滅菌され、滅菌バリア又は滅菌器具のいずれかとのみ接触することが許される。一実施例において、滅菌ドレープ(図示せず)が未滅菌ロボット駆動装置24を覆う。各カセット68-74は滅菌され、ドレープ付きロボット駆動装置24と少なくとも1つのEMDとの間の滅菌インターフェースとして機能する。各カセット68-74は、1回限りの使用のために滅菌されるか、又は、カセット68-74又はその部品を複数の処置で使用できるように全体的に又は部分的に繰り返し滅菌されるように、設計することができる。
【0046】
遠位と近位:「遠位」及び「近位」は、2つの異なる部分の相対的位置を定義する。ロボット駆動装置に関して言えば、「遠位」及び「近位」は、目的とした使用中のロボット駆動装置の患者に対する位置によって定義される。相対的位置を定義するために使用される場合、遠位の部分は、目的の使用中位置にあるロボット駆動装置の近位の部分よりも患者に近いロボット駆動装置の部分である。患者内では、アクセスポイントからの経路に沿ってより遠くにある血管系ランドマークは、アクセスポイントに近いランドマークよりも遠位であると見られる。アクセスポイントはEMDが患者に入るポイントである。同様に、近位の部分は、目的の使用中位置にあるロボット駆動装置の遠位の部分よりも患者から遠い部分である。方向を定義するために使用される場合、遠位方向は、ロボット駆動装置が目的の使用中位置にあるときに、何かが移動している又は何かを移動させようとしている経路、又は、近位の部分から遠位の部分及び/又は患者の方へ何かが目指している又は向いている経路を言う。近位方向は遠位方向の反対方向である。一例として図1を参照すると、ロボット駆動装置は、患者に対面した操作者の視点から示されている。この配置において、遠位方向は正のX座標軸の方向であり、近位方向は負のX座標軸の方向である。
【0047】
縦軸(前後軸/長手方向軸):部材(例えば、カテーテルベース処置システムにおけるEMDその他の要素)の「縦軸」は、部材の近位部分から部材の遠位部分への方向に部材の横断面の中心を通過する、部材の長さ方向の線又は軸である。例えば、ガイドワイヤの縦軸は、ガイドワイヤの近位部分からガイドワイヤの遠位部分に向かう方向の中心軸であり、これは、ガイドワイヤが関連する部分において非線形である場合でもあてはまる。
【0048】
軸方向移動(軸方向動作):部材の「軸方向移動」は、部材の縦軸の方向の部材の並進(平行移動)を指す。EMDの遠位端を、その縦軸に沿って遠位方向に、患者の中へ又はさらに奥へ軸方向に移動させる場合、EMDは前進している。EMDの遠位端を、その縦軸に沿って近位方向に、患者から外へ又はさらに外へ軸方向に移動させる場合、EMDは引き抜かれている。
【0049】
回転動作:部材の「回転動作」は、部材の局所的な縦軸の周りの部材の角度方向の変化を指す。EMDの回転動作は、加えられたトルクによる、その縦軸の周りのEMDの時計回り又は反時計回りの回転に相当する。
【0050】
軸方向挿入と横方向挿入:「軸方向挿入」は、第1の部材を第2の部材に、第2の部材の縦軸の方向で挿入することを指す。コレットに軸方向に装填されるEMDは、コレットに軸方向に挿入される。軸方向挿入の一例は、ガイドワイヤの近位端にカテーテルを後方装填することと言える。「横方向挿入」は、第1の部材を第2の部材に、第2の部材の縦軸と交差する平面内の方向で挿入することを指す。これは、径方向装填又は側方装填とも言える。別の言い方をすれば、横方向挿入は、第1の部材を第2の部材に、第2の部材の半径と平行で縦軸と交差する方向で挿入することを指す。
【0051】
上/下、前/後、内向き/外向き:「頂」、「上」、「上側」は、重力の方向とは逆のおおよその方向、「底」、「下」、「下側」は、重力の方向のおおよその方向を指す。「前(前面/正面)」は、ベッドサイドのユーザに対面し、関節アームなどの位置決めシステムとは反対側の、ロボット駆動装置の側面を指す。「後(後面/背面)」は、関節アームなどの位置決めシステムに最も近いロボット駆動装置の側面を指す。「内(内向き)」は、部分の内側を指す。「外(外向き)」は、部分の外側を指す。
【0052】
ステージ:「ステージ」は、デバイスモジュールをロボット駆動装置に連結するために使用される部材、部分、又はデバイスを指す。例えば、ステージは、ロボット駆動装置のレール又は直線部材にデバイスモジュールを連結するために使用される。
【0053】
駆動モジュール:「駆動モジュール」は、大まかに言って、カセットと相互作用する駆動カプラを有する1つ以上のモータを通例として含む、ロボット駆動システムのパーツ(例えば、主要パーツ)を指す。
【0054】
デバイスモジュール:「デバイスモジュール」は、駆動モジュールとカセットの組み合わせを指す。
【0055】
カセット:「カセット」は、大まかに言って、通例として駆動モジュールと少なくとも1つのEMDとの間の(直接的)又はデバイスアダプタを介した(間接的)滅菌インターフェースである、ロボット駆動システムのパーツ(主要ではない、消費可能又は滅菌可能なユニット)を指す。
【0056】
シャフト(遠位)駆動:「シャフト(遠位)駆動」は、EMDをそのシャフトに沿って保持し操作することを指す。一実施例において、オンデバイスアダプタは、通常、ハブ又はYコネクタのすぐ近くに配置され、デバイスが挿入される。オンデバイスアダプタの位置が挿入点(身体又は別のカテーテル又は弁)に近い場合、シャフト駆動には、通常、座屈防止部分は必要ない。(駆動能力を向上させるための座屈防止機能を含むことはある。)
【0057】
コレット:「コレット」は、EMDの一部を(固定を解除できる方式で)固定することができるデバイスを指す。この場合の「固定」は、作動中にコレットとEMDが故意の相対動作をしないことを意味する。一実施例において、コレットは、少なくとも2つの部材を含み、この少なくとも2つの部材は、互いに対し回転動作して、2つの部材のうちの1つにEMDを(固定を解除できる方式で)固定する。一実施例において、コレットは、少なくとも2つの部材を含み、この少なくとも2つの部材は、互いに対し軸方向に(縦軸の方向に)動作して、EMDを2つの部材の少なくとも1つに(固定を解除できる方式で)固定する。一実施例において、コレットは、少なくとも2つの部材を含み、この少なくとも2つの部材は、互いに対し回転動作及び軸方向動作して、EMDを2つの部材の少なくとも1つに(固定を解除できる方式で)固定する。
【0058】
固定:「固定」は、作動中に第2の部材に対して第1の部材の故意の相対動作がないことを指す。
【0059】
ピンチ/アンピンチ:「ピンチ」は、部材が動くときにEMDと部材が一緒に動くようにEMDを部材に固定する(固定を解除できる方式で)ことを指す。「アンピンチ」は、EMDが部材との固定を解除されて該部材に固定されておらず、EMDが部材から独立して動作できるように、部材からEMDを解放することを指す。
【0060】
オンデバイスアダプタ:「オンデバイスアダプタ」は、EMDをアンピンチ可能にピンチして駆動インターフェースを提供することができる滅菌装置を指す。オンデバイスアダプタは、エンドエフェクタ又はEMDキャプチャデバイスとしても知られている。一実施例において、オンデバイスアダプタはコレットであり、ロボット制御されて作動し、EMDをその縦軸の周りに回転させ、EMDをコレットにピンチ及び/又はアンピンチし、及び/又は、EMDをその縦軸の方向に並進させる。一実施例において、オンデバイスアダプタは、EMDのハブに位置するギヤのようなハブ駆動メカニズムである。
【0061】
EMD:「細長い医療デバイス(EMD)」は、限定的な意味ではなく例示すれば、カテーテル(例えば、ガイドカテーテル、マイクロカテーテル、バルーン/ステントカテーテル)、ワイヤベースのデバイス(例えば、ガイドワイヤ、塞栓コイル、ステント回収器など)、及びこれらのいずれかの組み合わせを指す。一実施例において、ワイヤベースEMDは、限定的な意味ではなく例示すれば、ガイドワイヤ、マイクロワイヤ、塞栓コイルの近位プッシャー、ステント回収器、自己拡張ステント、及びフローダイバータを含む。典型的には、ワイヤベースEMDは、その近位終端にハブ又はハンドルをもたない。一実施例において、EMDは、カテーテルの近位端にハブを有するカテーテルと、そのハブからカテーテルの遠位端に向かって延びる可撓性シャフトであり、このシャフトはハブよりも柔らかい。一実施例において、カテーテルは、ハブとシャフトとの間で遷移する中間部分を含み、この中間部分は、ハブよりは柔らかく且つシャフトよりは硬い中間可撓性である。一実施例において、中間部分は、ストレインリリーフである。
【0062】
ハブ(近位)駆動:「ハブ駆動」又は「近位駆動」は、近位の位置(例えば、カテーテルハブのギヤ付きアダプタ)からEMDを保持し操作することを指す。一実施例において、ハブ駆動は、カテーテルを並進させ及び/又は回転させるためにカテーテルのハブに力又はトルクを加えることを指す。ハブ駆動はEMDを座屈させる可能性があり、したがって、ハブ駆動は、多くの場合、座屈防止機能を必要とする。ハブやその他のインターフェース(例えば、ガイドワイヤ)をもたないデバイスの場合、デバイスアダプタをデバイスに追加して、デバイスモジュールに対するインターフェースとして作用させることができる。一実施例において、EMDは、ハンドルからカテーテルの遠位端まで延伸してカテーテルの遠位端をそらせるワイヤなど、カテーテル内の部分を操作するメカニズムを一切含まない。
【0063】
滅菌可能ユニット:「滅菌可能ユニット」は、滅菌可能な(病原微生物の存在しない)装置を指す。これには、限定的な意味ではなく例示すれば、カセット、消耗品ユニット、ドレープ、デバイスアダプタ、及び滅菌可能な駆動モジュール/ユニット(電気機械的コンポーネントを含み得る)が含まれる。滅菌可能ユニットは、例えば、患者、他の滅菌デバイス、又は医療処置の滅菌野に置かれるその他のものと接触する。
【0064】
滅菌インターフェース:「滅菌インターフェース」は、滅菌ユニットと未滅菌ユニットとの間のインターフェース又は境界をいう。例えば、カセットは、ロボット駆動装置と少なくとも1つのEMDとの間の滅菌インターフェースである。
【0065】
消耗品:「消耗品」は、医療処置において1回の使用を標準とした滅菌可能ユニットを指す。滅菌可能ユニットは、別の医療処置に使用するために、再滅菌プロセスを経て再使用可能な消耗品であり得る。
【0066】
ギヤ:「ギヤ(歯車)」は、ベベルギヤ、スパイラルベベルギヤ、スパーギヤ、マイターギヤ、ウォームギヤ、ヘリカルギヤ、ラック及びピンオン、スクリューギヤ、サンギヤなどのインターナルギヤ(内歯歯車)、インボリュートスプラインシャフト及びブッシング、又は、本技術分野で周知の他の各タイプのギヤである。
【0067】
図4を参照すると、第1の駆動モジュール60が駆動モジュールの一例として示されている。例えば、第2の駆動モジュール62、第3の駆動モジュール64、及び第4の駆動モジュール66の1つ又はすべては、第1の駆動モジュールと同じである。第1の駆動モジュール60は、ハウジング80を含んでおり、ハウジング80は、ステージ部材又はブラケット82でロボット駆動装置24に連結されて作動する。Z軸及びX軸によって画定されるブラケット面86は、ブラケット82の側面84に位置している。側面84は、カセット68の被駆動部材90と係合する駆動部材88から離間している。ハウジング80は、ブラケット82の側面84から前方のみに延びている。別の言い方をすれば、ブラケット82の側面84は、ハウジング80に対し(-Y軸の方向に)近接している又は後方にある。駆動部材88は、キャプスタンと呼ばれることが多く、ここでは互換的に使用される。キャプスタン88は、キャプスタン88がカセット68内の被駆動部材90を駆動する部材であるという意味で、駆動部材としての機能を実行するアクチュエータ100の出力ギヤである。「駆動部材」、「キャプスタン」及び「出力ギヤ」は、ここでは互換的に使用される。一実施例において、ハウジング80は、被駆動部材90に最も近いブラケット面86の第1の側面にのみ配置される。ロボット駆動装置24は、ブラケット82が延伸する縦方向開口を備えた下面92を含むハウジングを含んでいる。駆動モジュール60は、ロボット駆動装置ハウジングの下面92よりも下に位置する。滅菌バリア94は、ロボット駆動装置24に取り外し可能に取り付けられ、出力ギヤ88から遠位のブラケット面86の側の下面92を覆う。一実施例において、滅菌バリア94は、第1の下方位置から下面92までZ軸方向に、ブラケット82の間近に上昇させることができる。一実施例において、滅菌バリア94は、滅菌バリア94がロボット駆動装置24の下面92に固定されて作動するときにブラケット面86に近接する第1の縦方向縁96を含む。図4を参照すると、一実施例において、滅菌バリア94は、下面92の一部に固定される第2の縦方向端98を含む。一実施例において、滅菌バリア94は下面92を覆い、第2の縦方向縁98が底部92の方へ延びてロボット駆動装置ハウジングの第4の部材24dに固定される。滅菌バリア94は、例えば、柔軟材料又は剛性材料から形成される。一実施例において、滅菌バリア94は、下面92によって画定される面に対して交差する方向に、下面92と対向する位置に移動する平面部分を含む。図4を参照すると、滅菌バリア94は、Z軸に平行な方向で移動し、下面92は、X軸及びY軸によって画定される平面に平行ということになる。一実施例において、各駆動モジュールは、下面92より下に延伸する。別の言い方をすれば、ロボット駆動装置が使用中位置にあるとき、駆動モジュール内の各モータは、下面92と患者によって画定される面に位置する。
【0068】
図5図6及び図7を参照すると、モータ102において、モータ縦軸114の方向の第1の長さは、ロボット駆動装置縦軸78と平行な縦軸の方向にとったデバイスモジュールハウジング80の第2の縦方向長さよりも短い。図5を参照すると、モータ及びハウジング80の長さは、X軸の方向にとられている。一実施例において、モータエンコーダ106、モータハウジング112、モータシャフト108、モータ駆動シャフトギヤ110、及びギヤハブ144の組み合わせた長さは、駆動モジュール60のハウジング80内に完全にフィットする。一実施例において、モータ102、モータハウジング112、モータ駆動シャフト108、モータ駆動シャフトギヤ110、及びギヤハブ144の組み合わせた長さは、ロボット駆動装置ハウジングの下面92より下に収められた駆動モジュール60の部分の中に位置する。
【0069】
図6図7及び図8を参照すると、アクチュエータアセンブリ100は、モータ102及び駆動機構104を含む。ここに説明するように、駆動機構104は、モータ102を駆動モジュール内のEMDに連結して作動する。一実施例において、駆動機構104は、モータ出力の速度、トルク、及び/又は方向を変化させる。駆動機構104の出力の方向の変更は、モータ出力駆動シャフト108に対し、平行であっても交差方向であってもよいし、そうでなければ同一線上でなくてもよい。モータ102は、制御ステーション26からモータ102を作動させるための命令を受け取るエンコーダ106を含む。一実施例において、モータ102は、モータ駆動シャフト108が位置センサにより測定される正確な位置へ回転するまでモータに電力を加える制御信号をエンコーダ106を介して受信するサーボモータである。モータ102は、モータ駆動シャフト108を含む。モータ102は、モータ駆動シャフト108が中を延伸するモータハウジング112を含む。モータ駆動シャフトギヤ110は、モータハウジング112の近位端に隣接してモータ駆動シャフト108に接続され作動する。一実施例において、モータ駆動シャフトギヤ110はスパーギヤである。一実施例において、モータ102、モータハウジング112、及びモータ駆動シャフト108は、ロボット駆動装置24の縦軸78に平行な縦軸114を有する。駆動機構104は、モータ102のモータ駆動シャフト108に平行な縦軸118を有する第2のシャフト116をさらに含む。第2のシャフト116の近位端は、モータ駆動シャフト108の近位端に近接する。第2のギヤ120が、第2のシャフト116の近位端に固定される。第2のギヤ120は、モータ駆動シャフトギヤ110と相互作用する。一実施例において、モータ駆動シャフトギヤ110及び第2のギヤ120はスパーギヤである。
【0070】
図9を参照すると、第2のシャフト116の縦軸118は縦軸114からオフセットされており、縦軸114と縦軸118との間を結ぶ直線がY軸から約3度となる。ただし、この他の角度オフセットも可能である。一実施例において、この角度オフセットは、1度から10度の間である。角度オフセットは、モータ駆動シャフトギヤ110の外周と駆動モジュール60のハウジング80との間のクリアランスを大きくするためである。
【0071】
ウォームギヤ122は、第2のシャフト116に固定されるか又はその一部であり、ウォームホイール124を駆動する。ウォームホイール124は、縦軸118からオフセットされて縦軸118に交差する軸の周りに、回転する。ウォームホイール124は、Y軸と平行に延伸するウォームホイールシャフト126に固定されている。出力ギヤ88は、ウォームホイールシャフト126に固定される。一実施例において、ウォームホイールシャフト126は、出力ギヤ88に固定されているか又は一体形成されている。一実施例において、出力ギヤ88は、被駆動部材90に受け入れられるキャプスタン又はギヤ付き部材であり、被駆動部材90は、出力ギヤ88の歯を受け入れる及び/又は係合するキャビティを有する。一実施例において、被駆動部材90は、オンデバイスアダプタ142にあるギヤ174と相互作用するギヤ部分128を備える。一実施例において、出力ギヤ88は、カセット68内の被駆動部材90を駆動するギヤである。しかしながら、被駆動部材90は、EMDを取り外し可能に固定するオンデバイスアダプタ142に直接固定することもできる。
【0072】
図7を参照すると、モータブラケット132が、複数の締結具136でモータ102の近位端134に接続される。なお、ここで言う「近位」及び「遠位」は、ロボット駆動装置24の使用中位置にある部分を説明するときの部分の向きを言う。モータブラケット132は、締結具140でウォームギヤハウジング138に固定される。モータ駆動シャフトギヤ110は、モータ駆動シャフト108の近位端に接続される。一実施例において、モータ駆動シャフト108は、キー付きであり、モータ駆動シャフトギヤ110の胴体内に形成された対応するキー付き開口に嵌め込まれる。ウォームギヤハウジング138は、第2のシャフト116を受け入れる第1の開口139と、ウォームホイール124を受け入れる第2の開口141と、を含む。モータ駆動シャフトギヤ110は、モータ駆動シャフト108の近位端を受け入れるギヤハブ144を含む。一実施例において、固定ねじがギヤハブ144をモータ駆動シャフト108の近位端に固定する。第2のシャフト116は、第1のベアリング146及び第2のベアリング148によってウォームギヤハウジング138内で自由回転する。一実施例において、ワッシャ150が第1のベアリング146とウォームギヤ122との間に配置される。一実施例において、ワッシャ150は、ベルビルディスクスプリングである。一実施例において、ワッシャ150は、ウォームシャフトに予荷重力を提供する種類のバネとすることができる。エンドキャップ152が、ウォームギヤハウジング138に複数の締結具151で取り付けられる。第2のシャフト116は、エンドキャップ152と第2のギヤ120のギヤハブ156との間でウォームギヤハウジング138内に回転自在に保持される。ギヤハブ156は、固定ねじで第2シャフト116の近位端に固定されるが、その他にも、限定的な意味ではなく例示すれば、シャフトをギヤハウジングに固定する本技術分野で周知の、例えば摩擦嵌合を含む方法で、固定される。
【0073】
ウォームホイールシャフト126は、第1のベアリング158と第2ベアリング160の支持で回転自在にしてウォームギヤハウジング138に取り付けられる。ベアリングホルダ162が、ウォームギヤハウジング138に対して第2のベアリング160を位置決めする。ベアリングキャップ164が締結具166でウォームホイールシャフト126に固定される。ばね168が、ウォームホイール124を取り付けたキャプスタンシャフト126に予荷重を与えるために使用される。ばね168は、第1のベアリング158及び第2のベアリング160に予荷重を与える。一実施例において、ばね168は、皿ばねワッシャとしても機能する。
【0074】
ウォームギヤ122は、モータ縦軸114からオフセットさせた縦軸118にあるウォームホイールシャフト126に位置決めされる。ウォームギヤ122は、モータハウジング112からオフセットして、モータハウジング112の近端端134と遠位端170との間に位置決めされる。ウォームホイールシャフト126及び出力ギヤ88は、モータ102の縦軸114からオフセットしてあり、モータハウジング112の近位端134と遠位端170との間にある。一実施例において、モータ全体、ウォームギヤ及びウォームホイールは、全体的に駆動モジュールのハウジングに収容される。一実施例において、モータは、縦軸114に沿って駆動モジュール60内に位置決めされ、縦軸114は、駆動ギヤ縦軸172に対しオフセットすると共に交差している。一実施例において、モータ102の縦軸114は、ブラケット面86の中の又はこれに平行な面内に位置する。一実施例において、ハウジング80の下面92は、図示するように、X軸及びY軸によって画定される面であるか、これと共平面であるか、又はこれに平行な面である下部表面を画定する。ブラケット面86は、その下部表面に対し交差する。モータ102の共有縦軸114は、ブラケット面86内か又はこれに平行な面内に位置する。出力ギヤ88は、ブラケット面86と交差するウォームホイールシャフト126の周りで回転する。
【0075】
図10図12を参照すると、オンデバイスアダプタ142は、被駆動ギヤ90によって回転するギヤ174を含む。一実施例において、ギヤ174は、被駆動部材90によって回転するベベルギヤである。一実施例において、ギヤ174は、出力ギヤ88によって直接駆動される被駆動ギヤである。一実施例において、オンデバイスアダプタ142は、第1の部分178及び第2の部分180を有するコレット176を含み、第2の部分180は、オンデバイスアダプタ142及びコレット176を通って縦方向に延びる縦軸184の周りに手動回転させることができる。一実施例において、ガイドワイヤ182又は他のEMDがコレット176に取り外し可能に固定される。言い換えると、コレット176は、EMDがコレットに固定される第1の固定位置と、EMDがコレットに固定されない第2の未固定位置と、を有する。一実施例において、コレット176の第1の部分178は、アクチュエータ100に連結されて作動する。コレット176の第2の部分180は、コレット176の第1の部分178に対して可動である。一実施例において、第1の部分178は、コレット176の縦軸の周りに第1の方向に回転してガイドワイヤ182をコレット176に固定し、アクチュエータアセンブリ100による第1の部分178の回転によってガイドワイヤ182も回転するようにする。また、ロボット駆動装置縦軸78の方向へデバイスモジュール32aが移動すると、ガイドワイヤ182は、縦軸78又はロボット駆動装置24と平行で且つオフセットしているEMD縦軸の方向に、移動することになる。一実施例において、コレット176の第2の部分180は、コレット176の第1の部分178から近位方向に延伸している。一実施例において、コレット176の第2の部分180の近位端は、第2の部分180から近位方向に延伸している。一実施例において、コレット176の第2の部分180の近位端は、コレット176がカセット68内の使用中位置にあるときに、ユーザが自由に握ることができ、ユーザが第2の部分180を握って操作するのを妨げるかもしれないカセットハウジングの構造に邪魔されない。作動中、コレット176は、カセットから外れた非使用位置から使用中位置へ置かれ、この使用中位置で、コレットは、カセットに対して回転し、縦軸184の方向に直線的に移動する。別の言い方をすれば、コレットの使用中位置は、おおよそここに説明するように、ロボット駆動装置がEMDを回転させ並進させる位置である。
【0076】
オンデバイスアダプタ及びコレット176を図10図12に概略的に示す。オンデバイスアダプタ及び各種コレットの設計の例は、PCT国際公開公報WO2021/011533号(‘533公報)に開示されており、その全内容がここに援用される。図13を参照すると、コレット400は、‘533公報に開示され、‘533公報の図6Aに示されているもので、第1の部材402(ナット)が、第2の部材404(コレット胴体)の縦軸406の方向に移動し及び/又はその周りに回転し、第3の部材405(チャック)の中で、ガイドワイヤなどの細長い医療デバイスのシャフトをピンチする。ナット402は、ねじ付き部分407でコレット胴体404と螺合する。ナット402は、コレット胴体404に手動でねじ込まれ、細長い医療デバイスのシャフトをピンチしアンピンチする。コレット400は、コレットとその操作の一例である。一実施例において、コレット176のおおよその操作はコレット400の操作に類似しているが、ここに説明するコレット176の手動回転する第2の部分180は、コレット176がカセット68内の使用中位置にあるときに第1の部分178の近位側に配置される。コレット176がカセット68内の使用中位置にあるとき、第1の部分178に固定されたギヤ174は、第2の部分180の遠位側にある。‘533公報に開示された、本分野で周知の、又は以下の発明に係る、他の種類のコレットも、ここに説明する実施例に併用することができる。一実施例において、カバー188は、開位置と閉の使用中位置との間を回動可能にしてカセット68に取り付けられる。コレット176の第2の部分180は、カバー188が閉の使用中位置にある場合、ユーザが手動操作するべくアクセス可能である。
【0077】
図11Aを参照すると、カセット68の中には十分なクリアランスがあり、これにより、ユーザがコレット176の第2の部分180を掴んで、第2の部分180を縦軸184の周りに回転させることができ、これにより、ガイドワイヤ182を固定したり解放(固定解除)することができる。ユーザが第2の部分180に加えたトルクは、駆動機構104の反転駆動を生じさせ得るトルクを駆動機構104に加えることになる。ウォームギヤが駆動機構104の反転駆動を防止し、ユーザがコレット176に加えたトルクに抗して両方向の回転におけるブレーキとして作用する。駆動機構104の反転駆動は、エンコーダ106から命令されていない駆動機構104内のギヤなどの部分の動作を伴う。駆動機構104内のウォームギヤ122は、駆動機構104内のギヤの反転駆動を防止する。一実施例において、駆動機構104は、EMD182をコレット176に固定する及び固定を解除するときにカセット内のコレット使用中位置にあるコレット176にユーザが加える手動トルクに抗して反転駆動を提供する。一実施例において、デバイスモジュールは、ウォームギヤ122が力の反転駆動を防止するので、EMDをコレットに固定するか又は固定を解除するかいずれかの手動力が加えられたときに駆動機構104の反転駆動を防止するための別個のブレーキ機構を備えていない。一実施例において、EMDをコレットに固定するか又は固定を解除するかいずれかのトルクが手動で印加されるときに駆動機構104の動作をロックするために、別個のブレーキ部材が提供される。一実施例において、クラッチ(図示せず)が駆動機構104とコレット176との間に配置され、ユーザが反転駆動の防止を望むかどうか選択することができるようにする。
【0078】
コレット176は、EMD182のシャフト部分を取り外し可能に固定するデバイスである。ここに詳述するように、コレット176がEMD182のシャフトをピンチすると、コレット176の全体的な縦軸184の周りの回転及び/又は縦軸184の方向の並進が、ピンチしたEMD182のシャフトの部分に同じ回転及び/又は並進をもたらす。一実施例において、コレット176は、EMD182のシャフトの一部が固定される内部通路を画定する胴体を有する単一成形部品である。ここに説明するように、EMD182のシャフトは、コレットの内部通路に配置されてここでピンチされる。EMD182のシャフトは、例えば、コレットの内部通路へ径方向装填されるか、軸方向装填される。径方向装填は、EMDのシャフトがコレット胴体の縦方向側面(すなわち、コレット胴体の近位端から遠位端まで延伸するコレット胴体の側面)を通じてコレット176の中に装填されるので、側方装填や横方向装填とも呼ばれる。径方向装填、側方装填又は横方向装填は、コレットの内部通路につながる近位開口又は遠位開口へシャフトの自由端から最初に挿入することで内部通路にシャフト部分が装填される軸方向装填とは対照的である。一実施例において、コレット176は、互いに相対的に動作する少なくとも2つの部材を含み、この少なくとも2つの部材は、EMDのシャフト部分を2つの部材の少なくとも1つに固定し固定を解除する。一実施例において、一緒に動作する2つの部材は、コレット胴体に対してEMDのシャフトが動くことがなく、コレット胴体からEMDのシャフトに伝達されるトルク及び/又は力を増加させる、という機械的利点を提供する。コレットを使用したEMDのピンチ力は、ピンチを作動させるために必要とされる力よりも大きくすることができる。EMDのシャフトがピンチされると、EMD処置の許容できる動作パラメータの中でコレットとEMDの相対的な動きがあるように固定される。
【0079】
以上、実施例を参照して説明してきたが、当分野で通常の知識をもつ者にとって、定義された主題の精神及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細に変更を加えることができるということは、当然理解されることである。例えば、複数の実施例が、1つ以上の利益を提供する1つ以上の特徴を含むとして説明されていても、説明してある特徴を互いに交換することもできるし、あるいは、説明してある特徴を、説明した実施例において互いに又は他の代替的な実施例において組み合わせることも想定される。説明した開示事項は、可能な限り広範囲であることを明白に意図している。例えば、特に明記しない限り、1つの特定の要素を記載している定義は、その特定の要素の複数も包含する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図11A
図12
図13
【外国語明細書】