(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057580
(43)【公開日】2024-04-24
(54)【発明の名称】電気自動車のバッテリ並列充電方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/02 20160101AFI20240417BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240417BHJP
【FI】
H02J7/02 J
H02J7/00 P
H02J7/00 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023144843
(22)【出願日】2023-09-06
(31)【優先権主張番号】111138701
(32)【優先日】2022-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】597127029
【氏名又は名称】光陽工業股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】▲どん▼ 信良
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA04
5G503BB01
5G503CA11
5G503CC02
5G503FA02
5G503FA06
5G503FA17
5G503GA01
5G503GD03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】充電中にバッテリモジュールの温度が低下し、バッテリモジュールの寿命が延長される電気自動車のバッテリ並列充電方法を提供する。
【解決手段】複数のバッテリモジュール及び制御ユニットを含む電気自動車により使用されるシステムであって、制御ユニットは、電気自動車が充電器に接続されるとウェイクアップし、複数のバッテリモジュールから電圧値を受信し、複数のバッテリモジュール間の電圧差がプリセット電圧値よりも大きいか否かを判断し、電圧差がプリセット電圧値よりも大きい場合、複数のバッテリモジュールのうち電圧値がより低いバッテリモジュールを充電するように制御し、電圧差がプリセット電圧値よりも小さい場合複数のバッテリモジュールを一緒に充電するように制御する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気自動車のバッテリ並列充電方法であって、
前記電気自動車は、複数のバッテリモジュール及び制御ユニットを含み、前記バッテリモジュールは、バッテリコアモジュール、充電スイッチ、及び放電スイッチを含み、前記複数のバッテリモジュールは並列に接続され、前記制御ユニットは、前記複数のバッテリモジュールに電気的に接続され、前記電気自動車が充電器に接続されると、前記制御ユニットは、前記充電器から送信されたトリガウェイクアップ信号を受信して、前記バッテリ並列充電方法を実行し、
前記バッテリ並列充電方法は、
前記制御ユニットが、前記複数のバッテリモジュールのそれぞれの電圧値を受信するステップと、
前記制御ユニットが、前記複数のバッテリモジュール間の電圧差がプリセット電圧値よりも大きいか否かを決定するステップと、
前記電圧差が前記プリセット電圧値よりも大きい場合、前記制御ユニットが、電圧値がより低い前記複数のバッテリモジュールを充電するように制御するステップと、
前記電圧差が前記プリセット電圧値よりも小さい場合、前記制御ユニットが、前記複数のバッテリモジュールを一緒に充電するように制御するステップと、
を含む、ことを特徴とする電気自動車のバッテリ並列充電方法。
【請求項2】
電気自動車のバッテリ並列充電方法であって、
前記電気自動車は、第1バッテリモジュール、第2バッテリモジュール、及び制御ユニットを含み、前記第1バッテリモジュールは、第1バッテリコアモジュール、第1充電スイッチ、及び第1放電スイッチを含み、前記第2バッテリモジュールは、第2バッテリコアモジュール、第2充電スイッチ、及び第2放電スイッチを含み、前記第1バッテリモジュールと前記第2バッテリモジュールは並列に接続され、前記制御ユニットは、前記第1バッテリモジュール及び前記第2バッテリモジュールに電気的に接続され、前記電気自動車が充電器に接続されると、前記制御ユニットは、前記充電器から送信されたトリガウェイクアップ信号を受信して、前記バッテリ並列充電方法を実行し、
前記バッテリ並列充電方法は、
前記制御ユニットが、前記第1バッテリモジュールの第1電圧値及び前記第2バッテリモジュールの第2電圧値を受信するステップと、
前記制御ユニットが、前記第1電圧値と前記第2電圧値との間の電圧差を計算するステップと、
前記制御ユニットが、前記電圧差がプリセット電圧値よりも大きいか否かを判断するステップと、
前記電圧差が前記プリセット電圧値よりも大きい場合、前記制御ユニットが、前記第1バッテリモジュール及び前記第2バッテリモジュールのうち電圧値が低い一方を充電するように制御するステップと、
前記電圧差が前記プリセット電圧値よりも小さい場合、前記制御ユニットが、前記第1バッテリモジュール及び前記第2バッテリモジュールを一緒に充電するように制御するステップと、
を含む、ことを特徴とする電気自動車のバッテリ並列充電方法。
【請求項3】
前記制御ユニットは受信モジュールを含み、前記充電器はウェイクアップモジュールを含み、前記充電器は、前記ウェイクアップモジュールを介して前記トリガウェイクアップ信号を前記受信モジュールに送信し、前記トリガウェイクアップ信号は電力信号である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電気自動車のバッテリ並列充電方法。
【請求項4】
前記受信モジュールはウェイクアップ回路であり、前記ウェイクアップ回路は、前記トリガウェイクアップ信号に従って前記制御ユニットをウェイクアップさせる、ことを特徴とする請求項3に記載の電気自動車のバッテリ並列充電方法。
【請求項5】
前記第1バッテリモジュールは第1バッテリ管理システムを含み、前記第2バッテリモジュールは第2バッテリ管理システムを含み、前記制御ユニットは通信制御ユニットを含み、前記通信制御ユニットを介して、前記制御ユニットは、前記第1バッテリ管理システム及び前記第2バッテリ管理システムとそれぞれ通信して、前記第1電圧値及び前記第2電圧値を受信する、ことを特徴とする請求項2に記載の電気自動車のバッテリ並列充電方法。
【請求項6】
前記充電器は通信充電ユニットをさらに含み、前記通信充電ユニットは前記通信制御ユニットと通信する、ことを特徴とする請求項5に記載の電気自動車のバッテリ並列充電方法。
【請求項7】
前記第1バッテリモジュール及び前記第2バッテリモジュールが一緒に充電されると、前記制御ユニットは、前記充電器に前記通信充電ユニットを介して出力される合計充電電流を増加させる、ことを特徴とする請求項6に記載の電気自動車のバッテリ並列充電方法。
【請求項8】
前記電圧差が前記プリセット電圧値よりも大きい場合、前記制御ユニットは、電圧値のより低い前記第1バッテリモジュール及び前記第2バッテリモジュールの充電スイッチ及び放電スイッチをオンにし、電圧値のより高い前記第1バッテリモジュール及び前記第2バッテリモジュールの充電スイッチをオンにする、ことを特徴とする請求項2に記載の電気自動車のバッテリ並列充電方法。
【請求項9】
前記電圧差が前記プリセット電圧値よりも小さい場合、前記制御ユニットは、前記第2充電スイッチ及び前記第2放電スイッチをオンにし、前記第1充電スイッチ及び前記第1放電スイッチをオンにして一緒に充電する、ことを特徴とする請求項2に記載の電気自動車のバッテリ並列充電方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車のバッテリに関し、特に、電気自動車のバッテリ並列充電方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、充電式バッテリは、二輪電気自動車用電源として一般的に使用されている。単バッテリのバッテリ容量を向上させるために、二輪電気自動車用の多バッテリ給電システムが開発され、通常、複数のバッテリが直列に接続されてバッテリパックを形成することで、電動バイクの最大航続距離を伸ばす。二輪電気自動車内のバッテリパックは、専用充電ケーブルを介して全体として直接充電することも、二輪電気自動車から取り出して各バッテリを個別に充電することもできる。ユーザが充電ケーブルを使用してバッテリパックを充電するとき、バッテリパックの直列接続されたバッテリの個々の電圧が不均衡な場合、一部のバッテリは、他のバッテリがまだ充電されている間に充電を完了する可能性がある。
【0003】
バッテリ直列充電技術の欠点に関して、中華民国特許出願第109106621号は、ラウンドオフ構造を有する多セルバッテリパックの充電バランス装置システム及び方法を開示し、コントローラーを介して完全に充電されたバッテリのスイッチング回路のシリアルスイッチを切断し、次にスイッチング回路のバイパススイッチをオンにして、完全に充電されたバッテリを充電回路から除外し、残りのバッテリを安定且つ継続的に充電することができる。上述した技術は、以下のような問題を有する可能性がある。
1.スイッチング回路におけるシリアルスイッチが突然切断されると、全体の充電電圧が急激に低下し、充電が不安定になる。
2.スイッチング回路におけるシリアルスイッチ及びバイパススイッチに誤動作が発生する場合、短絡によりスイッチング回路におけるバッテリが損傷するリスクがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在、電気自動車は、直列接続されたバッテリを使用している。完全に充電されたバッテリを充電回路から除外するために、完全に充電されたバッテリのスイッチング回路におけるシリアルスイッチを切断する必要があり、それは、充電回路の充電電圧の急激な低下を引き起こし、充電プロセスの安定性に影響を与える傾向がある。さらに、スイッチング回路におけるシリアルスイッチに誤動作が発生すると、短絡によりスイッチング回路におけるバッテリが損傷するリスクがある。上記の問題を解決するために、本発明は、電気自動車のバッテリ並列充電方法を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、電気自動車のバッテリ並列充電方法を開示する。本発明の一実施形態によれば、電気自動車は、複数のバッテリモジュールと制御ユニットを含み、バッテリモジュールは、バッテリコアモジュール、充電スイッチ、及び放電スイッチを含み、複数のバッテリモジュールは並列に接続され、制御ユニットは、複数のバッテリモジュールに電気的に接続され、前記電気自動車が充電器に接続されると、前記制御ユニットは、前記充電器から送信されたトリガウェイクアップ信号を受信して、前記バッテリ並列充電方法を実行し、このバッテリ並列充電方法は、
前記制御ユニットが、前記複数のバッテリモジュールのそれぞれの電圧値を受信するステップと、
前記制御ユニットが、前記複数のバッテリモジュール間の電圧差がプリセット電圧値よりも大きいか否かを決定するステップと、
前記電圧差が前記プリセット電圧値よりも大きい場合、前記制御ユニットが、電圧値がより低い前記複数のバッテリモジュールを充電するように制御するステップと、
前記電圧差が前記プリセット電圧値よりも小さい場合、前記制御ユニットが、前記複数のバッテリモジュールを一緒に充電するように制御するステップと、を含む。
【0006】
本発明の別の実施形態によれば、前記電気自動車は、第1バッテリモジュール、第2バッテリモジュール、及び制御ユニットを含み、前記第1バッテリモジュールは、第1バッテリコアモジュール、第1充電スイッチ、及び第1放電スイッチを含み、前記第2バッテリモジュールは、第2バッテリコアモジュール、第2充電スイッチ、及び第2放電スイッチを含み、前記第1バッテリモジュールと前記第2バッテリモジュールは並列に接続され、前記制御ユニットは、前記第1バッテリモジュール及び前記第2バッテリモジュールに電気的に接続され、前記電気自動車が充電器に接続されると、前記制御ユニットは、前記充電器から送信されたトリガウェイクアップ信号を受信して、前記バッテリ並列充電方法を実行し、このバッテリ並列充電方法は、
前記制御ユニットが、前記第1バッテリモジュールの第1電圧値及び前記第2バッテリモジュールの第2電圧値を受信するステップと、
前記制御ユニットが、前記第1電圧値と前記第2電圧値との間の電圧差を計算するステップと、
前記制御ユニットが、前記電圧差がプリセット電圧値よりも大きいか否かを判断するステップと、
前記電圧差が前記プリセット電圧値よりも大きい場合、前記制御ユニットが、前記第1バッテリモジュール及び前記第2バッテリモジュールのうち電圧値が低い一方を充電するように制御するステップと、
前記電圧差が前記プリセット電圧値よりも小さい場合、前記制御ユニットが、前記第1バッテリモジュール及び前記第2バッテリモジュールを一緒に充電するように制御するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明の電気自動車のバッテリ並列充電方法は、バッテリモジュール間の電圧差を決定し、充電プロセス中に、バッテリモジュールを充電回路から取り外さない。その結果、充電器は、安定した出力電圧を出力することができる。各バッテリモジュールは、バッテリモジュールを充電する際に互いに電流を注入することを防止するために、両方とも一方向に伝導する充電スイッチと放電スイッチを含む。さらに、前記充電は平行して行われるため、バッテリモジュールの充放電レート(Cレート)はそれぞれ充電器によって供給され、それによって、充電中にバッテリモジュールの温度が低下し、バッテリモジュールの寿命が延長される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1実施形態を実施するためのバッテリ並列充電システムの回路ブロック図である。
【
図2】本発明の電気自動車のバッテリ並列充電方法の第1実施形態のフローチャートである。
【
図3】本発明の第1実施形態における充電中の第2バッテリモジュールの回路ブロック図である。
【
図4】本発明の第1実施形態における第1バッテリモジュール及び第2バッテリモジュールの同時充電の回路ブロック図である。
【
図5】本発明の第2実施形態を実施するためのバッテリ並列充電システムの回路ブロック図である。
【
図6】本発明の電気自動車のバッテリ並列充電方法の第2実施形態のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下では、本発明の実施形態における技術的解決策を、本発明の実施形態の図面を参照しながら明確かつ十分に説明する。明らかに、説明された実施形態は、本発明の一部の実施形態に過ぎず、すべての実施形態ではない。本発明の実施形態に基づいて、当業者が創造的な努力をせずに得た他のすべての実施形態は、本発明の保護範囲に含まれるものとする。
【0010】
本発明は、
図1に描かれているバッテリ並列充電システムに従って実施できる電気自動車のバッテリ並列充電方法を開示する。バッテリ並列充電システムは、電気自動車内に構成されている。本発明のバッテリ並列充電システムの第1実施形態では、第1バッテリモジュール10、第2バッテリモジュール20、及び制御ユニット30が含まれている。第1バッテリモジュール10と第2バッテリモジュール20は並列に接続され、充電ケーブルを介して充電器50によって供給される電力を受け取って充電する。制御ユニット30は、通信制御ユニット31と受信モジュール32を有する。通信制御ユニット31は、通信のために第1バッテリモジュール10及び第2バッテリモジュール20に接続される。受信モジュール32は、ウェイクアップ回路でありえるが、これに限定されず、通信のために充電器50に接続される。制御ユニット30が受信モジュール32を介して充電器50から送信された信号を受信することによってウェイクアップすると、制御ユニット30は、通信制御ユニット31を介して第1バッテリモジュール10及び第2バッテリモジュール20によって送信されたバッテリ情報を受信したり、第1バッテリモジュール10及び第2バッテリモジュール20を制御するためにコマンドを出力したりすることができる。
【0011】
第1バッテリモジュール10は、第1バッテリコアモジュール11と第1バッテリ管理システム(略してBMS)12を含む。第1バッテリコアモジュール11は、単バッテリコア又は多バッテリコアで構成することができる。第1バッテリ管理システム12は、第1バッテリコアモジュール11の充放電動作管理を実行し、第1バッテリコアモジュール11の電力情報及び温度情報を監視する第1バッテリコアモジュール11の情報管理コアとして回路基板上に実装することができる。
【0012】
第1バッテリ管理システム12は、充電器50、第1バッテリコアモジュール11、及び制御ユニット30に接続され、第1通信インターフェース13、第1充電スイッチ14、及び第1放電スイッチ15を含む。第1通信インターフェース13は、通信制御ユニット31に接続され、制御ユニット30から制御コマンドを受信するか、又は第1バッテリモジュール10のバッテリ情報を制御ユニット30に送信する。具体的には、第1バッテリ管理システム12及び制御ユニット30は、通信制御ユニット31を介して第1通信インターフェース13と通信し、ここで、第1通信インターフェース13及び通信制御ユニット31は、コントローラエリアネットワーク(CAN又はCANバス)のプロトコル、又は他の有線/無線通信インターフェースをサポートしていてもよい。
【0013】
第1充電スイッチ14及び第1放電スイッチ15は、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)又は絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)などの単一方向スイッチである。例えば、第1充電スイッチ14と第1放電スイッチ15は、それぞれMOSFETとして以下のように説明される。MOSFETのソースとドレインとの間に寄生ダイオードが配置される。充電器50、第1充電スイッチ14、及び第1放電スイッチ15は、第1バッテリコアモジュール11に直列に接続され、第1充電スイッチ14及び第1放電スイッチ15は、逆に接続され、それぞれの寄生ダイオードのカソードが接続されるようにする。第1充電スイッチ14及び第1放電スイッチ15は、制御ユニット30の制御に従ってオン又はオフすることができ、充電器50は、第1充電スイッチ14及び第1放電スイッチ15の状態を変更することによって、第1バッテリコアモジュール11を充電することができる。
【0014】
第2バッテリモジュール20はまた、第2バッテリコアモジュール21及び第2バッテリ管理システム22を含む。第2バッテリ管理システム22は、第2通信インターフェース23、第2充電スイッチ24、及び第2放電スイッチ25を有する。第2通信インターフェース23は、制御ユニット30の通信制御ユニット31とも通信する。第2バッテリモジュール20の回路構成は第1バッテリモジュール10の回路構成と同じであるため、第2バッテリモジュール20の回路構成は、本明細書では繰り返さない。
【0015】
本発明の電気自動車のバッテリ並列充電方法の第1実施形態は、上述したバッテリ並列充電システムを充電器50に接続することによって実施することができる。具体的には、充電器50は、通信充電ユニット51とウェイクアップモジュール52を有する。バッテリ並列充電システムが充電器50に接続されると、通信充電ユニット51は、通信制御ユニット31と接続して通信し、ウェイクアップモジュール52は、受信モジュール32と接続して通信する。充電器50がウェイクアップモジュール52を介してトリガウェイクアップ信号T1を受信モジュール32に送信するようにし、受信モジュール32がトリガウェイクアップ信号T1を受信することにより、制御ユニット30はトリガーされてウェイクアップし、バッテリ並列充電方法を実行する。ここで、トリガウェイクアップ信号T1は、電力信号であり得る。
図2を参照されたい。バッテリ並列充電方法は、以下のステップを含む。
【0016】
S10: 制御ユニット30は、第1バッテリモジュール10の第1電圧値及び第2バッテリモジュール20の第2電圧値を受信する。制御ユニット30は、通信制御ユニット31を介して第1バッテリモジュール10及び第2バッテリモジュール20をトリガーしてウェイクアップさせ、第1バッテリモジュール10が第1通信インターフェース13を介して第1電圧値を通信制御ユニット31に送信し、第2バッテリモジュール20が第2通信インターフェース23を介して第2電圧値を通信制御ユニット31に送信するようにする。
【0017】
S11: 制御ユニット30は、第1電圧値及び第2電圧値に基づいて電圧差を計算する。
【0018】
S12: 電圧差がプリセット電圧値よりも大きいか否かを判断する。
【0019】
S13: 電圧差がプリセット電圧値よりも大きい場合、電圧値がより低い第1バッテリモジュール10又は第2バッテリモジュール20を充電するように制御する。例えば、
図3に示すように、第2バッテリモジュール20は、より低い電圧値を有し、制御ユニット30は、通信制御ユニット31を介して第1バッテリ管理システム12及び第2バッテリ管理システム22を制御して、第1充電スイッチ14、第2充電スイッチ24、及び第2放電スイッチ25をオンにし、充電器50が、より大きな第2充電電流I2を出力して第2バッテリモジュール20を先に充電し、第1充電スイッチ14のみがオンされるため、第1バッテリモジュール10には小さな第1充電電流I1しか入力されないようにする。第1充電電流I1は、第1放電スイッチ15の寄生ダイオードを介して第1バッテリモジュール10に入力される。ここで、充電器50によって出力される合計充電電流は、第1充電電流I1と第2充電電流I2の和である。
【0020】
第2バッテリモジュール20が徐々に充電されるため、第2バッテリモジュール20の電圧値は徐々に上昇するので、第2充電電流I2は徐々に減少し、第1バッテリモジュール10に入力される第1充電電流I1は徐々に増加する。第1充電電流I1が、寄生ダイオードが耐えることができる最大電流値を超えそうになったとき、第1バッテリモジュール10と第2バッテリモジュール20との間の電圧差は、プリセット電圧値よりも小さくなろうとしていることを意味する。なお、上記の充電プロセス中、第1放電スイッチ15がオフ状態に保持されるため、電圧のより高い第1バッテリモジュール10の電流は、電圧のより低い第2バッテリモジュール20に流れ込むことを防止することができ、それにより、第2バッテリモジュール20が損傷するのを防止する。
【0021】
S14: 電圧差がプリセット電圧値よりも小さい場合、第1バッテリモジュール10及び第2バッテリモジュール20は制御されて一緒に充電される。
図4に示すように、制御ユニット30は、通信制御ユニット31を介して第1バッテリ管理システム12と第2バッテリ管理システム22を制御して、第1充電スイッチ14、第1放電スイッチ15、第2充電スイッチ24、及び第2放電スイッチ25がオンになり、第1バッテリモジュール10及び第2バッテリモジュール20がそれぞれ、一緒に充電される第1充電電流I1及び第2充電電流I2を受け取るようにする。ここで、第1充電電流I1と第2充電電流I2はそれぞれ、第1バッテリモジュール10と第2バッテリモジュール20の電圧値の変化に対して変化する。第1バッテリモジュール10と第2バッテリモジュール20の電圧値が等しい場合、第1充電電流I1は第2充電電流I2と等しい。本発明の一実施形態では、第1バッテリモジュール10と第2バッテリモジュール20が一緒に充電されると、制御ユニット30は、通信制御ユニット31を介して通信充電ユニット51と通信して、充電器50に合計充電電流出力を増加させる。
【0022】
本発明の電気自動車のバッテリ並列充電方法の第2実施形態は、バッテリ並列充電システムの第1実施形態の回路構成に基づいており、さらに、それぞれが充電スイッチと放電スイッチを有する複数のバッテリモジュールを含むバッテリ並列充電システムの第2実施形態によって実施することができる。以下では、3つの前記バッテリモジュールを有するバッテリ並列充電システムは、説明のために例として取り上げられる。
【0023】
図5に示すように、第3バッテリモジュール40はまた、第3バッテリコアモジュール41及び第3バッテリ管理システム42を含み、第3バッテリ管理システム42は、第3通信インターフェース43、第3充電スイッチ44、及び第3放電スイッチ45を有し、ここで、第3通信インターフェース43は、制御ユニット30の通信制御ユニット31にも接続されて通信される。第3バッテリモジュール40の回路構成は第1バッテリモジュール10の回路構成と同じであるため、第3バッテリモジュール40の回路構成は、本明細書では繰り返さない。バッテリ並列充電システムの第2実施形態が充電器50に接続されると、制御ユニット30はトリガーしてウェイクアップし、バッテリ並列充電方法の第2実施形態を実行する。
図6を参照されたい。方法は、以下のステップを含む。
【0024】
S20: 制御ユニット30は、第1バッテリモジュール10、第2バッテリモジュール20、及び第3バッテリモジュール40の電圧値を受信する。電圧値を受信するために制御ユニット30によって使用される方法は、第1実施形態のステップS10の方法と同じため、この方法の詳細はここでは繰り返さない。
【0025】
S21: 制御ユニット30は、複数のバッテリモジュール間の電圧差がプリセット電圧値よりも大きいか否かを判断する。具体的には、制御ユニット30は、第1バッテリモジュール10、第2バッテリモジュール20、及び第3バッテリモジュール40のうち、電圧値が最小のバッテリモジュールは、基準バッテリモジュールとして使用される。例えば、第3バッテリモジュール40は、基準バッテリパックである。制御ユニット30は、基準バッテリモジュールと他のバッテリモジュールとの間の電圧差をそれぞれ計算し、電圧差がプリセット電圧値よりも大きい否かを判断する。ここで、基準バッテリモジュールと第1バッテリモジュール10との間の電圧差は第1電圧差であり、基準バッテリモジュールと第2バッテリモジュール20との間の電圧差は第2電圧差である。プリセット電圧値は、第1実施形態のものと同じであり、プリセット電圧値は、各寄生ダイオードが持続可能な最大電流値に関係している。
【0026】
S22: 電圧差がプリセット電圧値よりも大きい場合、前述のように、制御ユニット30は、複数のバッテリモジュールのうち電圧値がより低いバッテリモジュールを充電するように制御し、第1電圧差と第2電圧差がそれぞれプリセット電圧値よりも大きい場合、制御ユニット30は、基準バッテリモジュールを充電するように制御する。前述の充電方法は、第1実施形態のものと同じであるため、この方法の詳細はここでは繰り返さない。
【0027】
S23: 前記電圧差が前記プリセット電圧値よりも小さい場合、前記制御ユニットは、前記複数のバッテリモジュールを一緒に充電するように制御する。上記の例と協働して、例えば、第1電圧差及び第2電圧差の少なくとも一方は、プリセット電圧値よりも小さく、制御ユニット30は、電圧差がプリセット電圧値よりも小さいバッテリモジュールを基準バッテリモジュールと一緒に充電するように制御する。例えば、第2電圧差はプリセット電圧値よりも小さく、制御ユニット30は、通信制御ユニット31を介して第2バッテリ管理システム22及び第3バッテリ管理システム42を制御し、第2バッテリモジュール20と第3バッテリモジュール40を一緒に充電するようにする。
【0028】
本発明の電気自動車のバッテリ並列充電方法は、専用の充電ケーブルを介して充電器で電気自動車を充電することを目的としている。複数のバッテリモジュールのうち電圧値が最小の基準バッテリモジュールを決定する。各バッテリモジュールと基準バッテリモジュールとの間の電圧差をそれぞれ計算する。電圧差のそれぞれがプリセット電圧値よりも大きい場合、他のバッテリモジュールからの電流が基準バッテリモジュールに流れ込むことを防止するように、充電スイッチ、基準バッテリモジュールの放電スイッチ、及び他のバッテリモジュールの充電スイッチを制御することによって、基準バッテリモジュールのみを充電する。少なくとも1つの電圧差がプリセット電圧値よりも小さい場合、基準バッテリモジュールの充電スイッチ、放電スイッチをオンにするように制御して、少なくとも1つの電圧差に対応するバッテリモジュールを充電することにより、基準バッテリモジュールで少なくとも1つの電圧差に対応するバッテリモジュールを一緒に充電する。その結果、電圧差のあるバッテリモジュールを一緒に充電することができ、従って、すべてのバッテリモジュールの電圧を均一にすることができる。
【0029】
上記は、本発明の好ましい実施形態である。当業者であれば、本発明の原理から逸脱することなく、本発明の特定の改善や修正を行うことができ、それにもかかわらず、それらは本発明の保護範囲内にあるとみなされることに留意されたい。
【0030】
本発明の多くの特徴及び利点が、本発明の構造及び機能の詳細とともに前述の説明に記載されているが、この開示は例示的なものに過ぎない。添付の特許請求の範囲が表現する用語の広い一般的な意味によって示される最大限の範囲で、本発明の原理内で、特に部品の形状、サイズ、及び配置に関して詳細な変更を行うことができる。