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▶ シァメン ホンファ エレクトリック パワー コントロールズ カンパニー リミテッドの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057601
(43)【公開日】2024-04-24
(54)【発明の名称】リレー
(51)【国際特許分類】
   H01H 50/54 20060101AFI20240417BHJP
   H01H 50/38 20060101ALI20240417BHJP
【FI】
H01H50/54 D
H01H50/38 A
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023176137
(22)【出願日】2023-10-11
(31)【優先権主張番号】202211249321.6
(32)【優先日】2022-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202211249156.4
(32)【優先日】2022-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】518215954
【氏名又は名称】シァメン ホンファ エレクトリック パワー コントロールズ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Xiamen Hongfa Electric Power Controls Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.93 Yinong Road, Haicang District, Xiamen, Fujian 361027,China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ウェングアン ダイ
(72)【発明者】
【氏名】ソンシェン チェン
(72)【発明者】
【氏名】モン ワン
(72)【発明者】
【氏名】ダポン フ
(72)【発明者】
【氏名】フォンジュ シエ
(57)【要約】
【課題】関連技術の問題を解決するためのリレーを提供する。
【解決手段】
本発明は、接触容器と、一対の固定接点引出端と、接続部材と、第1の導磁体と、プッシュロッドアセンブリとを含むリレーを提供し、接触容器は、接触チャンバと、一対の第1の貫通孔及び第2の貫通孔を有し、第1の貫通孔と第2の貫通孔とは、いずれも接触チャンバに連通し、一対の固定接点引出端は、一対の第1の貫通孔に一対一に穿設され、接触容器に接続され、接続部材は、第2の貫通孔に穿設され、第1の端及び第2の端を含み、第1の端は、接触容器に接続され、第1の導磁体は、接触チャンバ内に設けられ、接続部材の第2の端に接続され、プッシュロッドアセンブリは、可動接触子を有する可動部材を含み、可動部材は、可動接触子を一対の固定接点引出端と接触させ又は離間させるように、接触チャンバ内に移動可能に設けられ、第1の導磁体は、可動接触子が固定接点引出端に向かう側に設けられている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接触容器と、一対の固定接点引出端と、接続部材と、第1の導磁体と、プッシュロッドアセンブリとを含むリレーであって、
前記接触容器は、接触チャンバと、一対の第1の貫通孔及び第2の貫通孔を有し、前記第1の貫通孔と前記第2の貫通孔とは、いずれも前記接触チャンバに連通し、
前記一対の固定接点引出端は、一対の前記第1の貫通孔に一対一に穿設され、前記接触容器に接続され、
前記接続部材は、前記第2の貫通孔に穿設され、第1の端及び第2の端を含み、前記第1の端は、前記接触容器に接続され、
前記第1の導磁体は、前記接触チャンバ内に設けられ、前記接続部材の第2の端に接続され、
前記プッシュロッドアセンブリは、可動接触子を有する可動部材を含み、前記可動部材は、前記可動接触子を一対の前記固定接点引出端と接触させ又は離間させるように、前記接触チャンバ内に移動可能に設けられ、前記第1の導磁体は、前記可動接触子が前記固定接点引出端に向かう側に設けられている
ことを特徴とするリレー。
【請求項2】
前記第2の貫通孔は、前記一対の第1の貫通孔の間に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載のリレー。
【請求項3】
前記接触容器は、ヨーク板と、絶縁カバーとを含み、
ヨーク板は、前記接触チャンバに連通する第3の貫通孔を有し、前記プッシュロッドアセンブリは、前記第3の貫通孔に移動可能に穿設され、
絶縁カバーは、前記ヨーク板に接続され、
前記第1の貫通孔と前記第2の貫通孔とは、前記絶縁カバーに開設され、前記接続部材の第1の端は、前記絶縁カバーの外面に接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載のリレー。
【請求項4】
前記絶縁カバーは、頂壁及び側壁を含み、前記側壁の一端は、前記頂壁の外周に接続され、前記側壁の他端は、前記ヨーク板に接続され、前記第1の貫通孔と第2の貫通孔とは、前記頂壁に開設されている
ことを特徴とする請求項3に記載のリレー。
【請求項5】
前記絶縁カバーは、セラミックスカバー及びフランジ部材を含み、前記セラミックスカバーは、頂壁及び側壁を含み、前記側壁は、前記フランジ部材を介して前記ヨーク板に接続され、
前記頂壁の外面において、前記第1の貫通孔に位置する周縁に第1の金属化層が設けられており、前記第2の貫通孔に位置する周縁に第2の金属化層が設けられており、
前記固定接点引出端は、前記第1の金属化層を介して前記頂壁に溶接され、前記接続部材の第1の端は、前記第2の金属化層を介して前記頂壁に溶接されている
ことを特徴とする請求項3に記載のリレー。
【請求項6】
前記頂壁と前記側壁とは、一体構造であり、又は、前記頂壁と前記側壁とは、別体構造である
ことを特徴とする請求項4又は5に記載のリレー。
【請求項7】
前記第1の導磁体は、前記頂壁の内面と間隔を空けて設けられている
ことを特徴とする請求項4又は5に記載のリレー。
【請求項8】
前記接続部材の第2の端は、前記第1の導磁体にリベット又は溶接又は接着されている
ことを特徴とする請求項1に記載のリレー。
【請求項9】
前記第1の導磁体は、積層された複数の導磁片を含み、複数の前記導磁片は、前記接続部材の第2の端に接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載のリレー。
【請求項10】
前記プッシュロッドアセンブリは、さらに、ベースと、弾性部材と、リミット構造とを含み、
前記弾性部材の一端は、前記ベースに当接し、他端は、前記可動部材に当接し、前記弾性部材は、前記可動接触子が前記固定接点引出端に移動する傾向を有するように弾性力を供給し、
前記リミット構造は、前記ベースと前記可動部材に接続され、前記可動部材が前記ベースに対する移動範囲をリミットするために使用され、前記リミット構造は、嵌合するリミット孔とリミット部とを含み、前記リミット孔は、前記可動接触子の移動方向に対向して設けられた第1の端と第2の端とを含み、前記リミット部は、前記リミット孔内に穿設され、前記第1の端と前記第2の端との間を移動可能であり、
前記可動接触子が前記固定接点引出端から離間される場合、前記リミット部が前記リミット孔の前記第1の端に位置している
ことを特徴とする請求項1に記載のリレー。
【請求項11】
前記第2の端の孔径は、前記第1の端の孔径よりも大きい
ことを特徴とする請求項10に記載のリレー。
【請求項12】
前記リミット部は、第1の弧状面を有し、前記第1の弧状面は、前記リミット部が前記リミット孔の前記第1の端に位置する時に、リミット孔に嵌合して可動接触子の長さ方向へのリミットを実現する
ことを特徴とする請求項10に記載のリレー。
【請求項13】
前記可動部材は、さらに、前記可動接触子に固定接続された固定部材を含み、前記固定部材と前記ベースのうちの一方に前記リミット部が設けられており、前記固定部材と前記ベースのうちの他方に前記リミット孔が設けられている
ことを特徴とする請求項10に記載のリレー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は、リレー技術分野に関し、具体的に、高圧直流リレーに関する。
【背景技術】
【0002】
リレーは、電子制御素子であり、制御システム(入力回路とも呼ばれる)と被制御システム(出力回路とも呼ばれる)を有し、通常は自動制御回路に応用される。リレーは、実際には小さな電流で大きな電流を制御する「自動スイッチ」である。そのため、回路では自動調整、安全保護、変換回路などの役割を果たしている。
【0003】
高圧直流リレーはリレーの一種であり、短絡負荷が大きい場合、高圧直流リレーの接触子は短絡電流によって電動反発力が発生して接触子が弾け、接触子が瞬間的に弾けて強いアークによってリレーが焼損され、爆発されることがある。
【0004】
関連技術では、リレーは通常、接触子が弾けるのを防止するために耐短絡構造を設置する。具体的には、リレーの接触容器内部に導磁体を設置し、短絡電流により電動反発力が発生する時、導磁体が磁化されて電磁吸引力が発生し、それによって可動接触子が瞬間的に弾け、リレー焼損、爆発が発生するのを防止する。
【0005】
しかし、関連技術では、導磁体とリレーの接触容器の接続構造が不合理に設計されており、導磁体と接触容器の間に接続が強固ではなく、組み立てが容易ではないという問題がある。
【発明の概要】
【0006】
本発明の実施例は、関連技術に存在する導磁体と接触容器との間の接続が強固ではなく、組み立てが容易ではないという問題を解決するためのリレーを提供する。
本発明の実施例におけるリレーは、接触容器、一対の固定接点引出端、接続部材、第1の導磁体及びプッシュロッドアセンブリを含み、接触容器は、接触チャンバと、一対の第1の貫通孔及び第2の貫通孔を有し、前記第1の貫通孔と前記第2の貫通孔とは、いずれも前記接触チャンバに連通し、一対の固定接点引出端は、一対の前記第1の貫通孔に一対一に穿設され、前記接触容器に接続され、接続部材は、前記第2の貫通孔に穿設され、第1の端と第2の端を含み、前記第1の端は、前記接触容器に接続され、第1の導磁体は、前記接触チャンバ内に設けられ、前記接続部材の第2の端に接続され、プッシュロッドアセンブリは、可動接触子を有する可動部材を含み、前記可動部材は、前記可動接触子を一対の前記固定接点引出端と接触させ又は離間させるように、前記接触チャンバ内に移動可能に設けられ、前記第1の導磁体は、前記可動接触子が前記固定接点引出端に向かう側に設けられている。
【0007】
本発明のいくつかの実施例により、前記第2の貫通孔は、前記一対の第1の貫通孔の間に設けられている。
【0008】
本発明のいくつかの実施例により、前記接触容器は、ヨーク板と、絶縁カバーとを含み、
ヨーク板は、前記接触チャンバに連通する第3の貫通孔を有し、前記プッシュロッドアセンブリは、前記第3の貫通孔に移動可能に穿設され、
絶縁カバーは、前記ヨーク板に接続され、
前記第1の貫通孔と前記第2の貫通孔とは、前記絶縁カバーに開設され、前記接続部材の第1の端は、前記絶縁カバーの外面に接続されている。
【0009】
本発明のいくつかの実施例により、前記絶縁カバーは、頂壁及び側壁を含み、前記側壁の一端は、前記頂壁の外周に接続され、前記側壁の他端は、前記ヨーク板に接続され、前記第1の貫通孔と第2の貫通孔とは、前記頂壁に開設されている。
【0010】
本発明のいくつかの実施例により、前記絶縁カバーは、セラミックスカバー及びフランジ部材を含み、前記セラミックスカバーは、頂壁及び側壁を含み、前記側壁は、前記フランジ部材を介して前記ヨーク板に接続され、
前記頂壁の外面において、前記第1の貫通孔に位置する周縁に第1の金属化層が設けられており、前記第2の貫通孔に位置する周縁に第2の金属化層が設けられており、
前記固定接点引出端は、前記第1の金属化層を介して前記頂壁に溶接され、前記接続部材の第1の端は、前記第2の金属化層を介して前記頂壁に溶接されている。
【0011】
本発明のいくつかの実施例により、前記頂壁と前記側壁とは、一体構造であり、又は、前記頂壁と前記側壁とは、別体構造であり、溶接によって接続されている。
【0012】
本発明のいくつかの実施例により、前記第1の導磁体は、前記頂壁の内面と間隔を空けて設けられている。
【0013】
本発明のいくつかの実施例により、前記接続部材の第2の端は、前記第1の導磁体にリベット又は溶接又は接着されている。
【0014】
本発明のいくつかの実施例により、前記第1の導磁体は、積層された複数の導磁片を含み、複数の前記導磁片は、前記接続部材の第2の端に接続されている。
【0015】
本発明のいくつかの実施例により、前記プッシュロッドアセンブリは、さらに、ベースと、弾性部材と、リミット構造とを含み、
前記弾性部材の一端は、前記ベースに当接し、他端は、前記可動部材に当接し、前記弾性部材は、前記可動接触子が前記固定接点引出端に移動する傾向を有するように弾性力を供給し、
リミット構造は、前記ベースと前記可動部材に接続され、前記可動部材が前記ベースに対する移動範囲をリミットするために使用され、前記リミット構造は、嵌合するリミット孔とリミット部とを含み、前記リミット孔は、前記可動接触子の移動方向に対向して設けられた第1の端と第2の端とを含み、前記リミット部は、前記リミット孔の前記第1の端と前記第2の端との間に移動可能に穿設され、
前記可動接触子が前記固定接点引出端から離間される場合、前記リミット部が前記リミット孔の前記第1の端に位置している。
【0016】
本発明のいくつかの実施例により、前記第2の端の孔径は、前記第1の端の孔径よりも大きい。
【0017】
本発明のいくつかの実施例により、前記リミット部は、第1の弧状面を有し、前記第1の弧状面は、前記リミット部が前記リミット孔の前記第1の端に位置する時に、前記リミット孔とのリミット(limit:制限)を実現する。
【0018】
本発明のいくつかの実施例により、前記可動部材は、さらに、前記可動接触子に固定接続された固定部材を含み、前記固定部材と前記ベースのうちの一方に前記リミット部が設けられており、前記固定部材と前記ベースのうちの他方に前記リミット孔が設けられている。
【0019】
上記発明のうちの1つの実施例は、少なくとも以下の利点又は有益な効果を有する。
【0020】
本発明の実施例に係るリレーでは、第1の導磁体がプッシュロッドアセンブリに連動せず接触容器に接続され、それにより、第1の導磁体に対する可動接触子の磁気吸引力が接続部材を介して接触容器に作用し、接触容器の位置が相対的に固定されているため、プッシュロッドアセンブリの保持力の不足により可動接触子と固定接点引出端が弾け、リレーの焼損、爆発を引き起こすことを回避することができる。一方、接続部材を設けることにより、第1の導磁体が接続部材を介して接触容器に接続される。第1の導磁体は接続部材を通じて接触容器を接続し、接触容器に直接接続するのではなく、接続過程を遮ることなく可視化することができ、操作が便利であり、接続の信頼性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1の実施例におけるリレーの斜視模式図であり、ここで、コイル及び磁気回路を省略した。
図2図1の平面模式図である。
図3図2のA-Aの断面図である。
図4図1の分解模式図である。
図5】本発明の第1の実施例におけるプッシュロッドアセンブリの側面模式図である。
図6図5の分解模式図である。
図7図5のX箇所の部分拡大図である。
図8図5のB-Bの断面図である。
図9】本発明の第2の実施例におけるプッシュロッドアセンブリの分解模式図である。
図10】本発明の第3の実施例におけるプッシュロッドアセンブリの分解模式図である。
図11】本発明の第4の実施例におけるプッシュロッドアセンブリの分解模式図である。
図12】本発明の第5の実施例におけるプッシュロッドアセンブリの分解模式図である。
図13】本発明の第2の実施例におけるリレーの分解模式図である。
図14】本発明の第1の実施例におけるリレーの分解模式図である。
図15図1において絶縁カバーを省略した斜視模式図である。
図16図2のC-Cの断面図である。
【符号の説明】
【0022】
10、接触容器、101、接触チャンバ、102、第1の貫通孔、103、第2の貫通孔、11a、絶縁カバー、11、セラミックスカバー、111、頂壁、112、側壁、113、第1の金属化層、114、第2の金属化層、12、フランジ部材、13、ヨーク板、131、第3の貫通孔、20、固定接点引出端、30、接続部材、31、接続部材の第1の端、32、接続部材の第2の端、40、第1の導磁体、41、導磁片、411、開孔、50、プッシュロッドアセンブリ、51、プッシュロッド、52、ベース、521、基部、522、第1のリミット部材、523、第2のリミット部材、524、第2の弧状面、53、可動部材、54、可動接触子、55、第2の導磁体、551、底部、552、第1の側部、553、第2の側部、56、弾性部材、57、リミット構造、571、リミット部、571a、第1の弧状面、572、リミット孔、573、リミット孔の第1の端、574、リミット孔の第2の端、575、第1の平面、576、第2の平面、577、第1の斜面、578、第2の斜面、579、リベット、58、固定部材、1100、ハウジング、1110、第1のケース、1120、第2のケース、1130、露出孔、1200、電磁石ユニット、1210、コイルボビン、1220、コイル、1230、固定鉄心、1231、穿孔、1240、可動鉄心、1250、リセット部材、1300、消弧ユニット、1310、消弧磁石、1320、ヨーククランプ、1400、シールユニット、1410、金属カバー、D1、移動方向、D2、長手方向、D3、幅方向。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、図面を参照して、例示的な実施例についてより詳細に説明する。しかしながら、例示的な実施例は様々な形態で実施することができ、本明細書で説明する実施例に限定されると理解されるべきではない。逆に、これらの実施例は、本発明が包括的かつ完全であり、例示的な実施例の構想を当業者に全面的に伝達するように提供される。図中の同一の符号は同一又は類似の構造を表すので、詳細な説明は省略する。
【0024】
図14図16に示すように、図14は、本発明の第1の実施例におけるリレーの分解模式図である。リレーは、ハウジング1100、電磁石ユニット1200、消弧ユニット1300及びシールユニット1400を含む。シールユニット1400は、ハウジング1100内に設けられ、シールユニット1400の固定接点引出端の頂部は、ハウジング1100の露出孔1130を介してハウジング1100の外面に露出する。電磁石ユニット1200と消弧ユニット1300とは、ハウジング1100内に設けられている。
【0025】
一例として、ハウジング1100は、第1のケース1110と第2のケース1120とを含み、第1のケース1110と第2のケース1120とは、係合して接続され、電磁石ユニット1200、消弧ユニット1300及びシールユニット1400を収容するためのチャンバを形成する。
【0026】
消弧ユニット1300は、シールユニット1400の固定接点引出端と可動接触子との間に発生するアークを消弧するために用いられる。
【0027】
一例として、消弧ユニット1300は2つの消弧磁石1310を含む。消弧磁石1310は永久磁石であってもよく、各消弧磁石1310は略直方体状であってもよい。2つの消弧磁石1310は、絶縁カバーの両側にそれぞれ設けられ、可動接触子の長手方向D2に沿って対向して設けられている。
【0028】
対向して設けられた2つの消弧磁石1310を設けることにより、固定接点引出端と可動接触子の周囲に磁場を形成することができる。そのため、固定接点引出端と可動接触子との間に発生するアークは、磁場の作用によって、互いに離れた方向に引き伸ばされ、消弧を実現する。
【0029】
消弧ユニット1300は、2つの消弧磁石1310の位置に対応して配置された2つのヨーククランプ1320をさらに含む。そして、2つのヨーククランプ1320は、シールユニット1400と2つの消弧磁石1310とを囲んでいる。ヨーククランプ1320による消弧磁石1310の周りの設計により、消弧磁石1310による磁場が外部に拡散し、消弧効果に影響を与えることを回避することができる。ヨーククランプ1320は軟磁性材料で作られている。軟磁性材料としては、鉄、コバルト、ニッケル、及びその合金などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
図1図4図15及び図16に示すように、図1は、本発明の第1の実施例におけるリレーの斜視模式図であり、ここで、コイル及び磁気回路を省略した。図2は、図1の平面模式図を示す。図3は、図2におけるA-Aの断面図を示す。図4は、図1の分解模式図を示す。図15は、図1における絶縁カバーを省略した斜視模式図を示す。図16は、図2のC-Cの断面図を示す。
【0031】
本発明の実施例に係るシールユニット1400は、接触容器10と、一対の固定接点引出端20と、接続部材30と、第1の導磁体40と、プッシュロッドアセンブリ50とを含む。接触容器10は、接触チャンバ101と、一対の第1の貫通孔102と、1つの第2の貫通孔103とを有し、第1の貫通孔102と第2の貫通孔103は、いずれも接触チャンバ101に連通している。一対の固定接点引出端20は、接触容器10に接続され、一対の第1の貫通孔102に一対一に穿設されている。接続部材30は、第2の貫通孔103に穿設され、第1の端31と第2の端部32とを含み、第1の端31は、接触容器10の容器壁に接続されている。第1の導磁体40は、接触チャンバ101内に設けられ、接続部材30の第2の端部32に接続されている。プッシュロッドアセンブリ50は、可動接触子54を有する可動部材53を含み、可動部材53は、可動接触子54を一対の固定接点引出端20(固定接点)と接触させ又は離間させるように接触チャンバ101内に移動可能に設けられ、第1の導磁体40は、可動接触子54が固定接点引出端20に向かう側に設けられている。
【0032】
なお、本発明の実施例のリレーは、第1の導磁体40が可動接触子54の上方(上側)に設けられ、可動接触子54の両端が一対の固定接点引出端20に接触すると、電流が可動接触子54を通過するので、可動接触子54の長手方向D2の外周に可動接触子54を囲む導磁回路が形成される。第1の導磁体40の存在により、導磁回路の磁界の多くは第1の導磁体40に集まり、第1の導磁体40を磁化させ、このように、第1の導磁体40と電流が流れる可動接触子54との間には接点の圧力方向に沿った磁気吸引力が発生し、この磁気吸引力は、可動接触子54と固定接点引出端20との間の短絡電流による電動反発力に対抗し、可動接触子54と固定接点引出端20が弾かないように確保される。
【0033】
また、第1の導磁体40は接続部材30を介して接触容器10に接続し、第1の導磁体40は接触容器10に接続され、プッシュロッドアセンブリ50に連動することなく、可動接触子54の第1の導磁体40に対する磁気吸引力が接続部材30を介して接触容器10に作用し、接触容器10の位置が相対的に固定されているため、これにより、プッシュロッドアセンブリ50の保持力の不足により可動接触子54と固定接点引出端20の弾け、リレー焼損、爆発を回避することができる。一方、接触容器10に第2の貫通孔103を開設し、接続部材30が第2の貫通孔103に穿設され、これにより、接続部材30を接触容器10に接続させ、第1の導磁体40を接続部材30に接続させる。第1の導磁体40は、接続部材30を介して接触容器10に接続されているが、接触容器10に直接接続されているわけではなく、接続過程を遮ることなく可視化することができ、操作が容易であり、接続の信頼性を確保することができる。
【0034】
さらに、可動部材53は、接触チャンバ101内に設けられた第2の導磁体55をさらに含み、第2の導磁体55は可動接触子54に固定接続され、第2の導磁体55は可動接触子54が第1の導磁体40に背向する側に位置し、第2の導磁体55は第1の導磁体40と導磁回路を形成するために用いられる。
【0035】
可動接触子54の両端が一対の固定接点引出端20に接触すると、可動接触子54とともに移動する第2の導磁体55が第1の導磁体40に接近又は接触し、これにより、第1の導磁体40と第2の導磁体55との間に可動接触子54を囲む導磁回路が形成される。短絡電流が可動接触子54を通過すると、第1の導磁体40と第2の導磁体55との間には、接点の圧力方向に沿った磁気吸引力が発生し、この磁気吸引力は、可動接触子54と固定接点引出端20との間の短絡電流による電動反発力に抵抗し、可動接触子54と固定接点引出端20が弾けないことを確保する。
【0036】
なお、第1の導磁体40と第2の導磁体55はそれぞれ可動接触子54の両側に位置し、可動接触子54が通電すると、第1の導磁体40と第2の導磁体55との間の磁気吸引力は直接の電磁吸引力であり、第1の導磁体40のみが磁化された後の可動接触子54との磁気吸引力よりも大きいので、可動接触子54と固定接点引出端20との間の短絡電流による電動反発力により良く抵抗することができ、耐短絡能力を効果的に向上させる。
【0037】
図16に示すように、可動接触子54の両端と一対の固定接点引出端20とをオフした場合、可動接触子54には電流が通っていないため、第1の導磁体40と第2の導磁体55との間に磁気吸引力は発生しない。
【0038】
なお、本発明の実施例における用語「含む」及び「有する」は、排他的ではない包含をカバーすることを意図しており、それらの任意の変形を意味している。例えば、一連のステップ又はユニットを含むプロセス、方法、システム、製品又はデバイスは、挙げられたステップ又はユニットに限定されず、任意選択で、挙がられないステップ又はユニットも含むか、又はオプションで、これらのプロセス、方法、製品又はデバイスに固有の他のステップ又はコンポーネントも含む。
【0039】
接触容器10は、ヨーク板13と絶縁カバー11aを含み、絶縁カバー11aは、接触容器10の接触チャンバ101を形成するためにヨーク板13の側面をカバーしている。一実施例では、絶縁カバー11aは、頂壁と側壁とを含み、頂壁に第1の貫通孔102と第2の貫通孔103が開設されている。ヨーク板13は、接触チャンバ101に連通する第3の貫通孔131を有し、プッシュロッドアセンブリ50は、第3の貫通孔131に移動可能に穿設されている。2つのヨーククランプ1320は、絶縁カバー11aを取り囲んでいる。
【0040】
絶縁カバー11aは、セラミックスカバー11とフランジ部材12とを含む。セラミックスカバー11は、フランジ部材12を介してヨーク板13に接続されている。フランジ部材12は、鉄ニッケル合金などの環状構造の金属部品を形成することができ、その一端は、レーザ溶接、ろう付け、抵抗溶接、接着などによってセラミックスカバー11の開口縁に接続されている。フランジ部材12の他端は、ヨーク板13に接続されており、同様にレーザ溶接、ろう付け、抵抗溶接、接着などであってもよい。セラミックスカバー11とヨーク板13との間にはフランジ部材12が設けられており、セラミックスカバー11とヨーク板13との接続を容易にすることができる。
【0041】
2つの消弧磁石1310はそれぞれセラミックスカバー11の両側に位置し、2つのヨーククランプ1320はセラミックスカバー11と2つの消弧磁石1310を囲んでいる。
【0042】
セラミックスカバー11は、頂壁111と側壁112を含み、側壁112の一端は、頂壁111の外周に取り囲まれ、側壁112の他端は、フランジ部材12を介してヨーク板13に接続されている。第1の貫通孔102及び第2の貫通孔103はいずれも頂壁111に開設しており、接続部材30の第1の端31は頂壁111の外面に接続されている。
【0043】
なお、一対の固定接点引出端20の一方が電流流入の端子として、他方が電流流出の端子として機能する。固定接点引出端20は、第1の貫通孔102に穿設され、固定接点引出端20の一部は、可動接触子54と接触又は分離するために、接触チャンバ101内に進入している。固定接点引出端20の一部は、セラミックスカバー11の外面に露出している。
【0044】
固定接点引出端20の底部を固定接点とし、可動接触子54は、その長手方向D2の両端を可動接点とすることができる。可動接触子54の両端の可動接点は、可動接触子54の他の部分よりも突出していてもよいし、他の部分と一致していてもよい。
【0045】
なお、固定接点は、固定接点引出端20の底部に一体的に又は別体的に設けられてもよく、可動接点は、可動接触子54の長手方向D2の両端部に一体的又は別体的に設けられてもよい。
【0046】
第2の貫通孔103は、2つの第1の貫通孔102の間に設けられ、すなわち、接続部材30が一対の固定接点引出端20の間に設けられてもよい。第2の貫通孔103の数は1つ以上であってもよい。この実施例では、第2の貫通孔103の数は2つであるが、これに限定されない。
【0047】
これに対応して、接続部材30の数は1つ以上であってもよい。この実施例では、接続部材30の数は2つであるが、これに限定されるものではない。
【0048】
図4を参照すると、セラミックスカバー11の頂壁111の外面には、第1の貫通孔102に位置する周縁に第1の金属化層113が設けられ、第2の貫通孔103に位置する周縁に第2の金属化層114が設けられている。固定接点引出端20は、第1の金属化層113を介して頂壁111に溶接され、接続部材30の第1の端31は、第2の金属化層114を介して頂壁111に溶接されている。
【0049】
セラミックスカバー11の頂壁111の外面は、セラミックスカバー11の内面に比べて、溶接平面を形成しやすい。また、セラミックスカバー11の頂壁111には固定接点引出端20を設ける必要があり、固定接点引出端20と頂壁111との溶接時にも、第1の貫通孔102の周縁に金属化層を設ける必要があるため、第1の貫通孔102の第1の金属化層113を加工する際には、第2の貫通孔103の第2の金属化層114を一括して加工する。したがって、接続部材30をセラミックスカバー11の頂壁111の外面に溶接することにより、頂壁111の内面に金属化層を加工する必要なく、頂壁111の外面にのみ金属化層を加工することができ、加工が容易であり、加工工程も簡略化される。
【0050】
第1の導磁体40は、頂壁111の内面と間隔をあけて設けられている。すなわち、接続部材30の長さは、第1の導磁体40が接続部材30を介してセラミックスカバー11の頂壁111に懸架されるように、頂壁111の厚さと第1の導磁体40の厚さの和よりも大きい。
【0051】
第1の導磁体40は、頂壁111の内面との間に隙間を有するように、頂壁111の内面との間に間隔を空けて設けられている。第1の導磁体40は、頂壁111の内面に直接接触していないので、一対の固定接点引出端20の沿面距離に影響を与えない。
【0052】
さらに、図3及び図4を参照すると、第1の導磁体40は、接続部材30の第2の端部32に接続された積層された複数枚の導磁片41を含む。各導磁片41には開孔411が開設されており、接続部材30は開孔411に穿設され、最も下方(下側)に位置する導磁片41にリベット(留め)されている。
【0053】
もちろん、第1の導磁体40が積層された複数枚の導磁片41を含む場合、最も下方に位置する導磁片41の開孔411は盲孔(止まり孔)であってもよく、残りの導磁片41の開孔411は貫通孔であってもよい。接続部材30は、残りの導磁片41の各開孔411に穿設され、接続部材30の第2の端は、最も下方に位置する導磁片41の盲孔内に入り込み、この導磁片41に溶接される。
【0054】
また、第1の導磁体40が1枚の場合、第1の導磁体40には開孔411が設けられ、該開孔411は、貫通孔であってもよく、盲孔であってもよい。開孔411が貫通孔である場合、接続部材30は開孔411を通過した後、第1の導磁体40にリベット(留め)される。開孔411が盲孔である場合、盲孔内には半田が設けられ、接続部材30の第2の端32が盲孔内に入り込み、第1の導磁体40に溶接されてもよい。
【0055】
一例として、短絡電流が10kA以上になると、より大きな磁気吸引力を発生させるために、第1の導磁体40の厚さを大きくする必要があり、さらに、第1の導磁体40と第2の導磁体55との間の磁気吸引力が短絡電流による反発力を克服し、可動接触子54と固定接点引出端20との弾けを防止できるようにする必要がある。しかし、厚みの大きい第1の導磁体40はコストが高くなり、セラミックスカバー11との接続が難しくなる。
【0056】
この実施例では、第1の導磁体40は、接続部材30を介して接触容器10に接続されているので、第1の導磁体40は、積層された複数枚の導磁片41を含むことができ、接続部材30を介して複数枚の導磁片41の開孔411を穿設して接触容器10と接続することができ、厚みの薄い導磁片41の数を増やすことにより、第1の導磁体40の全体の厚みを大きくすることができる。導磁片41の厚さは薄く、薄い材料で作ることができるため、材料コストが低く、操作しやすい。一方、短絡電流の大きさに応じて、導磁片41の数を柔軟に調整することができる。
【0057】
セラミックスカバー11の頂壁111及び側壁112は、別体構造であってもよく、溶接によって接続されていてもよい。なお、セラミックスカバー11を頂壁111と側壁112との別体構造として設計することにより、接続部材30と頂壁111との接続がより容易になる。もちろん、頂壁111と側壁112との間は、接着によって接続してもよい。
【0058】
具体的には、頂壁111はシート状であるため、頂壁111に第1の貫通孔102、第2の貫通孔103、第1の金属化層113及び第2の金属化層114を加工することがより容易である。さらに、シート状構造により、接続部材30と頂壁111、及び固定接点引出端20と頂壁111の溶接も容易になる。
【0059】
もちろん、セラミックスカバー11の頂壁111と側壁112とは一体構造であってもよい。
【0060】
接続部材30の第2の端部32と第1の導磁体40との接続方法は、溶接、リベット、接着などの様々な実施例であってもよい。
【0061】
この実施例では、接続部材30の第2の端部32は、第1の導磁体40にリベット(留め)されている。具体的には、接続部材30の第2の端32と第1の導磁体40とは、拡リベット方式で接続されている。
【0062】
なお、第1の導磁体40は一字型であってもよく、第2の導磁体55はU字型であってもよい。第1の導磁体40及び第2の導磁体55は、鉄、コバルト、ニッケル、及びその合金等の材料を用いて作製することができる。
【0063】
もちろん、第2の導磁体55は、積層された複数枚の導磁片を含んでもよく、あるいは、第2の導磁体55は、並べられた複数枚のU型導磁体を含んでもよいことが理解される。
【0064】
図14及び図16に示すように、シールユニット1400は、金属カバー1410をさらに含み、金属カバー1410は、ヨーク板13が絶縁カバー11aに背向する側に接続され、ヨーク板13上の第3の貫通孔131にカバーされている。金属カバー1410とヨーク板13は、電磁石ユニット1200の固定鉄心1230と可動鉄心1240を収容するためのチャンバとして囲まれており、以下に詳細に説明する
図4及び図16に示すように、プッシュロッドアセンブリ50は、プッシュロッド51、ベース52及び弾性部材56をさらに含む。プッシュロッド51は、ヨーク板13の第3の貫通孔131に移動可能に穿設されている。プッシュロッド51の一端はベース52に接続され、プッシュロッド51の他端は電磁石ユニット1200の可動鉄心1240に接続されている。弾性部材56の一端はベース52に当接し、弾性部材56の他端は可動部材53に当接し、弾性部材56は、可動接触子54が固定接点引出端20に移動する傾向があるように弾性力を与える。
【0065】
なお、弾性部材56はバネであってもよいが、これに限定されない。
【0066】
もちろん、他の実施例では、プッシュロッドアセンブリ50は、他の構造であってもよく、ここでは一々列挙しない。
【0067】
図16に示すように、電磁石ユニット1200は、コイルボビン1210と、コイル1220と、固定鉄心1230と、可動鉄心1240と、リセット部材1250とを含む。コイルボビン1210は中空筒状をなし、絶縁材料を用いて形成されている。金属カバー1410は、コイルボビン1210内に穿設される。コイル1220は、コイルボビン1210を取り囲む。固定鉄心1230は、金属カバー1410内に固設され、固定鉄心1230の一部が第3の貫通孔131に入り込む。固定鉄心1230は穿孔1231を有し、穿孔1231は第3の貫通孔131の位置に対応して設けられ、プッシュロッド51を穿設するためのものである。可動鉄心1240は、金属カバー1410内に移動可能に設けられ、固定鉄心1230と対向して設けられ、可動鉄心1240は、プッシュロッド51に接続され、コイル1220に通電すると固定鉄心1230に吸引されるために使用される。可動鉄心1240とプッシュロッド51とは、螺着、リベット、溶接、又はその他の方法で接続することができる。
【0068】
リセット部材1250は、金属カバー1410の内部に位置し、固定鉄心1230と可動鉄心1240との間に配置され、コイル1220の電源が遮断されたときに可動鉄心1240をリセットするために使用される。リセット部材1250は、バネであってもよく、プッシュロッド51の外部に外嵌されていてもよい。
【0069】
図5図8に示すように、図5は、本発明の第1の実施例によるプッシュロッドアセンブリ50の側面概略図を示す。図6は、図5の分解模式図を示す。図7は、図5のXにおける部分拡大図を示す。図8は、図5におけるB-Bの断面図を示す。
【0070】
プッシュロッドアセンブリ50は、リミット構造57をさらに含み、リミット構造57は、ベース52と可動部材53に接続し、ベース52に対する可動部材53の移動範囲を制限するために使用される。リミット構造57は、嵌合するリミット孔572とリミット部571を含み、リミット孔572は、可動接触子54の移動方向D1に沿って対向して設けられた第1の端573と第2の端574とを含み、第2の端574の孔径が第1の端573の孔径よりも大きく、リミット部571は、リミット孔572の第1の端573と第2の端574との間で移動可能に穿設されている。可動接触子54が固定接点引出端20から離間したとき、リミット部571はリミット孔572の第1の端573に位置する。
【0071】
この実施例では、ベース52は、リミット構造57を介して可動部材53に直接接続されており、これにより、ベースと可動部材53との間の組み立てがより簡単になる。また、可動部材53の上方には他の部材が存在しないので、オーバトラベル中に、他の部材と第1の導磁体40との移動干渉が回避される。
【0072】
なお、リミット孔572は貫通孔であってもよく、盲孔であってもよい。
【0073】
可動接触子54が固定接点引出端20に接触していない場合、弾性部材56により、リミット部571はリミット孔572の第1の端573に位置する。可動接触子54が固定接点引出端20に接触し、オーバトラベルが完了する過程で、リミット部571はリミット孔572の第1の端573から第2の端574に移動する。リミット孔572の第2の端574の孔径は第1の端573の孔径よりも大きいため、リミット孔572は「一端が大きく他端が小さい」構造を呈しており、オーバトラベルの過程でリミット部571とリミット孔572の孔壁との隙間が大きくなり、ベース52に対する可動接触子54の移動過程でリミット部571とリミット孔572の孔壁に摩擦やジャム(詰まり)が発生するのを防止することができる。同時に、リミット孔572の第1の端573の孔径は小さく、初期状態でのリミット部571とリミット孔572のリミットの嵌合に影響を与えず、可動接触子54がベース52に対して揺動することを回避する。
【0074】
なお、初期状態では、可動接触子54とベース52のリミットを実現するために、リミット孔572の第1の端573の孔径の大きさは、リミット部571がリミット孔572の第1の端573に位置しているときに、リミット部571がリミット孔572の孔壁とリミットを実現できるように、リミット部571の形状に適合すべきである。
【0075】
図5図8を参照すると、リミット孔572の第1の端573から第2の端574の方向に向かって、リミット孔572の孔径が徐々に大きくなっている。オーバトラベル中、リミット部571がリミット孔572の第1の端573から第2の端574へ移動する過程で、リミット部571とリミット孔572の孔壁との隙間が徐々に大きくなっている。
【0076】
さらに、リミット孔572の孔壁は、対向して配置された第1の平面575及び第2の平面576と、対向して配置された第1の斜面577及び第2の斜面578とを含み、第1の斜面577及び第2の斜面578の一端は、第1の平面575の両端に接続され、第1の斜面577及び第2の斜面578の他端は、第2の平面576の両端に接続されている。
【0077】
この実施例では、リミット孔572の形状は略二等辺台形であるが、これに限定されない。例えば、リミット部材孔572の形状は、第1の斜面577と第2の斜面578の傾きが等しくない通常の台形であってもよい。あるいは、リミット部材孔572の形状は、三角形であってもよく、二等辺三角形が好ましい。
【0078】
もちろん、他の実施例では、リミット孔572の第1の端573から第2の端574の方向に沿って、リミット孔572の孔径は、徐々に増大していなくてもよく、例えば、リミット孔572の孔壁は、等径段と拡径段とを含んでもよい。例えば、第1の端573から第2の端574まで、リミット孔572の孔壁は、拡径段、等径段、拡径段、等径段などを順に含むことができる。
【0079】
図7に示すように、リミット部571は、第1の弧状面571aを有し、第1の弧状面571aは、リミット部571がリミット孔572の第1の端部573に位置しているときに、リミット孔572の孔壁とリミットを実現するために使用される。
【0080】
この実施例では、第1の弧状面571aとリミット孔572の孔壁との間が線接触となるように、リミット部571の外側壁を第1の弧状面571aを含むように設計することにより、線接触はリミット部571とリミット孔572の孔壁との間の摩擦力を低減する。リミット部571とリミット孔572との相対移動が発生すると、ジャムが発生しにくくなる。
【0081】
ベース52にはリミット部材孔572が設けられ、可動部材53はリミット部571を含む。もちろん、他の実施例では、リミット孔572を可動部材53に設け、リミット部571をベース52に設けてもよい。
【0082】
図5図8に示すように、この実施例では、ベース52にリミット孔572が設けられ、第2の導磁体55にリミット部571が設けられている。前記第2の導磁体55は、底部551、第1の側部552及び第2の側部553を含む。第1の側部552と第2の側部553とは、前記可動接触子54の幅方向D3に沿って底部551の両端にそれぞれ接続されている。第1の側部552と第2の側部553とは、可動接触子54の幅方向D3の対向する2つの側辺にそれぞれ設けられる。第1の側部552と第2の側部553とのいずれもリミット部571が設けられている。
【0083】
なお、移動方向D1、長手方向D2、幅方向D3の2つは互いに垂直である。
【0084】
ベース52は、基部521と、基部521に接続され対向して設けられた第1のリミット部材522及び第2のリミット部材523とを含み、第1の側部552は、第1のリミット部材522に対向して設けられ、第2の側部553は、第2のリミット部材523に対向して設けられ、第1のリミット部材522と第2のリミット部材523とのいずれもリミット孔572が開設されている。
【0085】
第1のリミット部材522が第1の側部552に向かう側の表面と、第2のリミット部材523が第2の側部553に向かう側の面とは、第2の弧状面524を含む。
【0086】
この実施例では、第1のリミット部材522が第1の側部552の側面に向け側面と、第2のリミット部材523が第2の側部553に向けた側面に第2の弧状面524を含むように設計し、2つの第2の弧状面524がそれぞれ第1の側部552と第2の側部553と線接触することで、線接触により、第1の側部552と第1のリミット部材522、及び第2の側部553と第2のリミット部材523との間の摩擦力が低減される。第2の導磁体55がベース52に対して相対移動すると、ジャムが発生しにくくなる。また、くずが発生してリレーの接触チャンバ101が汚染されることを回避することができる。
【0087】
第1のリミット部材522と第2のリミット部材523との間には、第1の側部552と第2の側部553が位置している。第1の側部552が第2の側部553から離れる側及び第2の側部553が第1の側部552から離れる側には、いずれもリミット部571が突設されている。
【0088】
一例として、リミット部571の形成は、第1の側部552/第2の側部553の側面をプレスし、リミット部571をポンチ構造にすることができる。第1の側部552/第2の側部553におけるポンチ構造の具体的な位置は、構造に応じて柔軟に調整することができる。
【0089】
この実施例では、2つのリミット部571は、第1の側部552が第2の側部553から離れる側、第2の側部553が第1の側部552から離れる側にそれぞれ突設され、第1の側部552と第2の側部553とがそれぞれ第1のリミット部材522と第2のリミット部材523と十分に接触でき、さらに、第2の導磁体55とベース52とのリミット時の安定性が確保され、導磁効率に影響を与えることがない。
【0090】
一実施例では、リミット部571は長尺状であってもよい。リミット部571がリミット孔572の第1の端573に位置すると、長尺状の面積が大きい側面がリミット孔572の孔壁に接触する。リミット部571の面積が大きい表面をリミット孔572の孔壁に接触させることにより、初期状態でベース52に対して可動接触子54が揺動することを効果的に回避し、可動接触子54のバウンド、スプリングバック確率を低減する。
【0091】
図9に示すように、図9は、本発明の第2の実施例のプッシュロッドアセンブリ50の分解概略図を示す。第2の実施例は、上記第1の実施例と同様である点は、説明を省略するが、相違点は、以下の通りである。
【0092】
リミット部571は、2つの凸包構造を含む。2つの凸包構造体は、可動接触子54の長手方向D2に沿って間隔を空けて設けられている。二重凸包構造の設計は、初期状態では可動接触子54がベース52に対して揺動することを効果的に回避し、可動接触子54のバウンド、スプリングバック確率を低減する。
【0093】
図10に示すように、図10は、本発明の第3の実施例におけるプッシュロッドアセンブリ50の分解模式図である。第3の実施例と上記の第1の実施例と同様である点は、説明を省略するが、相違点は、以下の通りである。
【0094】
リミット部571は、リベット579であり、リベット579は、第2の導磁体55の第1の側部552/第2の側部553にリベットされている。
【0095】
図11に示すように、図11は、本発明の第4の実施例におけるプッシュロッドアセンブリ50の分解模式図である。第4の実施例と上記の第1の実施例と同様である点は、説明を省略するが、相違点は、リミット部571が第2の導磁体55に底部551に設けられていることである。
【0096】
具体的には、第2の導磁体55は、底部551と、第1の側部552と、第2の側部553とを含む。可動接触子54の幅方向D3に沿って、底部551の対向する2つの側辺にはいずれもリミット部571が突設されている。第1の側部552と第2の側部553は、可動接触子54の幅方向D3に沿って底部551の両端にそれぞれ接続されている。第1の側部552及び第2の側部553は、それぞれ可動接触子54の幅方向D3の対向する2つの側辺に設けられている。
【0097】
ベース52は、基部521と、基部521に接続され、対向して配置された第1のリミット部材522と第2のリミット部材523とを含み、第1のリミット部材522と第2のリミット部材523には、いずれもリミット孔572が開設されている。
【0098】
図12に示すように、図12は、本発明の第5の実施例におけるプッシュロッドアセンブリ50の分解模式図である。第5の実施例と第1の実施例と同様である点は、説明を省略するが、相違点は、以下の通りである。
【0099】
ベース52は、基部521と、基部521に接続され、対向して配置された第1のリミット部材522と、第2のリミット部材523とを含み、第1のリミット部材522と第2のリミット部材523には、いずれもリミット孔572を開設されている。可動部材53は、第2の導磁体55に固定接続された固定部材58をさらに含み、固定部材58の両側にはリミット部571が設けられている。
【0100】
図13に示すように、図13は、本発明の第2の実施例におけるリレーの分解模式図である。第2の実施例におけるリレーと第1の実施例におけるリレーと同様である点は、説明を省略するが、相違点は、以下の通りである。
【0101】
リミット部571は、プッシュロッドアセンブリ50のベース52の2つの対向する側辺に突設されている。可動部材53はさらに、可動接触子54と第2の導磁体55とに固定接続された固定部材58を含み、固定部材58にはリミット孔572が設けられている。
【0102】
固定部材58は逆U型であり、固定部材58に設けられたリミット孔572の第1の端573及び第2の端574の位置は、上述した実施例のリミット孔572とは反対である。
【0103】
具体的には、図13に示すように、リミット孔572の第1の端573は下方に位置し、第2の端574は上方に位置し、第2の端574の孔径は第1の端573の孔径よりも大きい。
【0104】
図9図12に示すように、リミット孔572の第1の端573は上方に位置し、第2の端574は下方に位置する。
【0105】
関連技術では、リレーの接触子が短絡電流により弾けるのを避けるために、通常は、連動型耐短絡リング電磁構造を設置する。具体的には、リレーのプッシュロッドアセンブリに第1の導磁体と第2の導磁体を設置し、短絡電流が電動反発力を発生すると、第1の導磁体は第2の導磁体に電磁吸引力を発生し、第2の導磁体を可動接触子に固定させ、可動接触子が弾けないことを保証する。
【0106】
しかしながら、プッシュロッドアセンブリは、可動鉄心の保持力によって支持する必要があるが、この支持力は、コイル通電によって発生する電磁力で保持するため、コイルの消費電力が限られ、保持力も限られ、短絡防止リングを支持するための保持力も限られている。そのため、短絡電流が一定の量値に達すると、第2の導磁体も同様に第1の導磁体に対して電磁吸引力を持ち、可動鉄心の保持力が第2の導磁体の第1の導磁体に対する電磁吸引力を支持できない場合には、依然として接触子の弾けが発生する。さらに、関連技術ではコイルを大きくすることで可動鉄心の保持力を高めるが、コイルを大きくするとリレーの体積も増大する。
【0107】
したがって、本発明の実施例はまた、リレーの耐短絡電流の性能を向上させ、強いアーク作用によりリレーの焼損、爆発を回避するためのリレーを提供する。
【0108】
本発明の実施例におけるリレーは、接触容器、一対の固定接点引出端、接続部材、第1の導磁体及びプッシュロッドアセンブリを含み、接触容器は、接触チャンバと、一対の第1の貫通孔及び1つの第2の貫通孔を有し、前記第1の貫通孔と前記第2の貫通孔とは、いずれも前記接触チャンバに連通し、一対の固定接点引出端は、一対の前記第1の貫通孔に一対一に穿設され、前記接触容器に接続され、接続部材は、前記第2の貫通孔に穿設され、第1の端と第2の端を含み、前記第1の端は、前記接触容器に接続され、第1の導磁体は、前記接触チャンバ内に設けられ、前記接続部材の第2の端に接続され、プッシュロッドアセンブリは、可動接触子と、前記可動接触子に固定接続された第2の導磁体とを含み、前記可動接触子は、前記接触チャンバ内に設けられ、一対の前記固定接点引出端と接触し又は離間するために使用され、前記第1の導磁体は、前記可動接触子が前記固定接点引出端に向かう側に設けられ、前記第2の導磁体は、前記接触チャンバ内に設けられ、前記可動接触子が前記第1の導磁体に背向する側に位置し、前記第2の導磁体は、前記第1の導磁体と導磁回路を形成するために使用される。
【0109】
本発明のいくつかの実施例により、前記第2の貫通孔は、前記一対の第1の貫通孔の間に設けられている。
【0110】
本発明のいくつかの実施例により、前記接触容器は、ヨーク板と、絶縁カバーとを含み、
ヨーク板は、前記接触チャンバに連通する第3の貫通孔を有し、前記プッシュロッドアセンブリは、前記第3の貫通孔に移動可能に穿設され、
絶縁カバーは、前記ヨーク板に接続され、
前記第1の貫通孔と前記第2の貫通孔とは、前記絶縁カバーに開設され、前記接続部材の第1の端は、前記絶縁カバーの外面に接続されている。
【0111】
本発明のいくつかの実施例により、前記絶縁カバーは、頂壁及び側壁を含み、前記側壁の一端は、前記頂壁の外周に接続され、前記側壁の他端は、前記ヨーク板に接続され、前記第1の貫通孔と第2の貫通孔とは、前記頂壁に開設されている。
【0112】
本発明のいくつかの実施例により、前記絶縁カバーは、セラミックスカバー及びフランジ部材を含み、前記セラミックスカバーは、頂壁及び側壁を含み、前記側壁は、前記フランジ部材を介して前記ヨーク板に接続され、
前記頂壁の外面において、前記第1の貫通孔に位置する周縁に第1の金属化層が設けられており、前記第2の貫通孔に位置する周縁に第2の金属化層が設けられており、
前記固定接点引出端は、前記第1の金属化層を介して前記頂壁に溶接され、前記接続部材の第1の端は、前記第2の金属化層を介して前記頂壁に溶接されている。
【0113】
本発明のいくつかの実施例により、前記頂壁と前記側壁とは、一体構造であり、又は、前記頂壁と前記側壁とは、別体構造である。
【0114】
本発明のいくつかの実施例により、前記第1の導磁体は、前記頂壁の内面と間隔を空けて設けられている。
【0115】
本発明のいくつかの実施例により、前記接続部材の第2の端は、前記第1の導磁体にリベット又は溶接又は接着されている。
【0116】
本発明のいくつかの実施例により、前記第1の導磁体は、積層された複数の導磁片を含み、複数の前記導磁片は、前記接続部材の第2の端に接続されている。
【0117】
本発明のいくつかの実施例により、前記プッシュロッドアセンブリは、さらに、ベースと、弾性部材と、リミット構造とを含み、
前記弾性部材の一端は、前記ベースに当接し、他端は、前記可動接触子と前記第2の導磁体で構成された可動部材に当接し、前記弾性部材は、前記可動接触子が前記固定接点引出端に移動する傾向を有するように弾性力を供給し、
リミット構造は、前記ベースと前記可動部材に接続され、前記可動部材が前記ベースに対する移動範囲をリミットするために使用され、前記リミット構造は、嵌合するリミット孔とリミット部とを含み、前記リミット孔は、前記可動接触子の移動方向に対向して設けられた第1の端と第2の端とを含み、前記リミット部は、前記リミット孔の前記第1の端と前記第2の端の間に移動可能に穿設され、
前記可動接触子が前記固定接点引出端から離間される場合、前記リミット部が前記リミット孔の前記第1の端に位置している。
【0118】
本発明のいくつかの実施例により、前記第2の端の孔径は、前記第1の端の孔径よりも大きい。
【0119】
本発明のいくつかの実施例により、前記リミット部は、第1の弧状面を有し、前記第1の弧状面は、前記リミット部が前記リミット孔の前記第1の端に位置する時に、前記リミット孔とリミットを実現するために使用される。
【0120】
本発明のいくつかの実施例により、前記リミット部は、リベット、前記リベットは、前記第2の導磁体にリベットされている。
【0121】
本発明のいくつかの実施例により、前記可動部材は、さらに、前記第2の導磁体に固定接続された固定部材を含み、前記固定部材と前記ベースのうちの一方に前記リミット部が設けられており、前記固定部材と前記ベースのうちの他方に前記リミット孔が設けられている。
【0122】
上記発明のうちの1つの実施例は、少なくとも以下の利点又は有益な効果を有する。
【0123】
本発明の実施例に係るリレーは、接続部材を設けることにより、第1の導磁体が接続部材を介して接触容器に接続される。第1の導磁体は、プッシュロッドアセンブリに連動せずに接触容器に接続され、これにより、第2の導磁体の第1の導磁体に対する磁気吸引力が接続部材を介して接触容器に作用し、接触容器の位置が相対的に固定されているため、プッシュロッドアセンブリの保持力の不足により可動接触子と固定接点引出端が弾け、リレーの焼損、爆発を引き起こすことを回避することができる。一方、接触容器に第2の貫通孔が開設され、接続部材は第2の貫通孔に穿設され、さらに、接続部材と接触容器との接続を実現し、第1の導磁体と接続部材との接続を実現する。第1の導磁体は接続部材を通じて接触容器を接続し、接触容器に直接接続するのではなく、接続過程を遮ることなく可視化することができ、操作が便利であり、接続の信頼性を確保することができる。
【0124】
以下、図面を参照して詳しく説明する。
【0125】
図14図16に示すように、図14は、本発明の第1の実施例におけるリレーの分解模式図である。リレーは、ハウジング1100、電磁石ユニット1200、消弧ユニット1300及びシールユニット1400を含む。シールユニット1400は、ハウジング1100内に設けられ、シールユニット1400の固定接点引出端の頂部は、ハウジング1100の露出孔1130を介してハウジング1100の外面に露出する。電磁石ユニット1200と消弧ユニット1300とは、ハウジング1100内に設けられている。
【0126】
一例として、ハウジング1100は、第1のケース1110と第2のケース1120とを含み、第1のケース1110と第2のケース1120とは、係合して接続され、電磁石ユニット1200、消弧ユニット1300及びシールユニット1400を収容するためのチャンバを形成する。
【0127】
消弧ユニット1300は、シールユニット1400の固定接点引出端と可動接触子との間に発生するアークを消弧するために用いられる。
【0128】
一例として、消弧ユニット1300は2つの消弧磁石1310を含む。消弧磁石1310は永久磁石であってもよく、各消弧磁石1310は略直方体状であってもよい。2つの消弧磁石1310は、絶縁カバーの両側にそれぞれ設けられ、可動接触子の長手方向D2に沿って対向して設けられている。
【0129】
対向して設けられた2つの消弧磁石1310を設けることにより、固定接点引出端と可動接触子の周囲に磁場を形成することができる。そのため、固定接点の引き出し端と可動接触子との間に発生するアークは、磁場の作用によって、互いに離れた方向に引き伸ばされ、消弧を実現する。
【0130】
消弧ユニット1300は、2つの消弧磁石1310の位置に対応して配置された2つのヨーククランプ1320をさらに含む。そして、2つのヨーククランプ1320は、シールユニット1400と2つの消弧磁石1310とを囲んでいる。ヨーククランプ1320による消弧磁石1310の周りの設計により、消弧磁石1310による磁場が外部に拡散し、消弧効果に影響を与えることを回避することができる。ヨーククランプ1320は軟磁性材料で作られている。軟磁性材料としては、鉄、コバルト、ニッケル、及びその合金などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0131】
図1図4図15及び図16に示すように、図1は、本発明の第1の実施例におけるリレーの斜視模式図であり、ここで、コイル及び磁気回路を省略した。図2は、図1の平面模式図を示す。図3は、図2におけるA-Aの断面図を示す。図4は、図1の分解模式図を示す。図15は、図1における絶縁カバーを省略した斜視模式図を示す。図16は、図2のC-Cの断面図を示す。
【0132】
本発明の実施例に係るシールユニット1400は、接触容器10と、一対の固定接点引出端20と、接続部材30と、第1の導磁体40と、プッシュロッドアセンブリ50とを含む。接触容器10は、接触チャンバ101と、一対の第1の貫通孔102と、1つの第2の貫通孔103とを有し、第1の貫通孔102と第2の貫通孔103は、いずれも接触チャンバ101に連通している。一対の固定接点引出端20は、接触容器10に接続され、一対の第1の貫通孔102に一対一に穿設されている。接続部材30は、第2の貫通孔103に穿設され、第1の端31と第2の端部32とを含み、第1の端31は、接触容器10の容器壁に接続されている。第1の導磁体40は、接触チャンバ101内に設けられ、接続部材30の第2の端部32に接続されている。プッシュロッドアセンブリ50は、可動接触子54と可動接触子54に固定接続された第2の導磁体55とを含み、可動接触子54は、接触チャンバ101内に設けられ、一対の固定接点引出端20に接触し又は一対の固定接点引出端20から離間するために使用され、第1の導磁体40は、可動接触子54が固定接点引出端20に向かう側に設けられ、第2の導磁体55は、接触チャンバ101内に設けられ、可動接触子54が第1の導磁体40に背向する側に位置し、第2の導磁体55は、第1の導磁体40と導磁回路を形成するために使用される。
【0133】
なお、本発明の実施例のリレーは、可動接触子54が第1の導磁体40と第2の導磁体55との間に設けられ、可動接触子54の両端が一対の固定接点引出端20に接触すると、可動接触子54と共に移動する第2の導磁体55が第1の導磁体40に接近又は接触することにより、第1の導磁体40と第2の導磁体55との間に可動接触子54を囲む導磁回路が形成される。短絡電流が可動接触子54を通過すると、第1の導磁体40と第2の導磁体55との間には、接点の圧力方向に沿った磁気吸引力が発生し、この磁気吸引力は、可動接触子54と固定接点引出端20との間の短絡電流による電動反発力に抵抗し、可動接触子54と固定接点引出端20が弾けないことを確保する。
【0134】
図16に示すように、可動接触子54の両端と一対の固定接点引出端20とをオフした場合、可動接触子54には電流が通っていないため、第1の導磁体40と第2の導磁体55との間に磁気吸引力は発生しない。
【0135】
本発明の実施例に係るリレーは、接続部材30を設けることにより、第1の導磁体40が接続部材30を介して接触容器10に接続される。第1の導磁体40は、プッシュロッドアセンブリ50に連動せずに接触容器10に接続され、第2の導磁体55の第1の導磁体40に対する磁気吸引力が接続部材30を介して接触容器10に作用し、接触容器10の位置が相対的に固定されているため、プッシュロッドアセンブリ50の保持力が不足して可動接触子54と固定接点引出端20が弾け、リレーの焼損、爆発を引き起こすことを回避することができる。一方、接触容器10に第2の貫通孔103を開設し、接続部材30が接触容器10に接続され、第1の導磁体40が接続部材30に接続されるように、接続部材30が第2の貫通孔103に穿設されている。第1の導磁体40は、接続部材30を介して接触容器10に接続されているが、接触容器10に直接接続されているわけではなく、接続過程を遮ることなく可視化することができ、操作が容易であり、接続の信頼性を確保することができる。
【0136】
なお、本発明の実施例における用語「含む」及び「有する」は、排他的ではない包含をカバーすることを意図しており、それらの任意の変形を意味している。例えば、一連のステップ又はユニットを含むプロセス、方法、システム、製品又はデバイスは、挙げられたステップ又はユニットに限定されず、任意選択で、挙がられないステップ又はユニットも含むか、又はオプションで、これらのプロセス、方法、製品又はデバイスに固有の他のステップ又はコンポーネントも含む。
【0137】
接触容器10は、ヨーク板13と絶縁カバー11aを含み、絶縁カバー11aは、接触容器10の接触チャンバ101を形成するためにヨーク板13の側面をカバーしている。一実施例では、絶縁カバー11aは、頂壁と側壁とを含み、頂壁に第1の貫通孔102と第2の貫通孔103が開設されている。ヨーク板13は、接触チャンバ101に連通する第3の貫通孔131を有し、プッシュロッドアセンブリ50は、第3の貫通孔131に移動可能に穿設されている。2つのヨーククランプ1320は、絶縁カバー11aを取り囲んでいる。
【0138】
絶縁カバー11aは、セラミックスカバー11とフランジ部材12とを含む。セラミックスカバー11は、フランジ部材12を介してヨーク板13に接続されている。フランジ部材12は、鉄ニッケル合金などの環状構造の金属部品を形成することができ、その一端は、レーザ溶接、ろう付け、抵抗溶接、接着などによってセラミックスカバー11の開口縁に接続されている。フランジ部材12の他端は、ヨーク板13に接続されており、同様にレーザ溶接、ろう付け、抵抗溶接、接着などであってもよい。セラミックスカバー11とヨーク板13との間にはフランジ部材12が設けられており、セラミックスカバー11とヨーク板13との接続を容易にすることができる。
【0139】
2つの消弧磁石1310はそれぞれセラミックスカバー11の両側に位置し、2つのヨーククランプ1320はセラミックスカバー11と2つの消弧磁石1310を囲んでいる。
【0140】
セラミックスカバー11は、頂壁111と側壁112を含み、側壁112の一端は、頂壁111の外周に取り囲まれて接続され、側壁112の他端は、フランジ部材12を介してヨーク板13に接続されている。第1の貫通孔102及び第2の貫通孔103は、いずれも頂壁111に開設しており、接続部材30の第1の端31は頂壁111の外面に接続されている。
【0141】
なお、一対の固定接点引出端20の一方が電流流入の端子として、他方が電流流出の端子として機能する。固定接点引出端20は、第1の貫通孔102に穿設され、固定接点引出端20の一部は、可動接触子54と接触又は分離するために、接触チャンバ101内に進入している。固定接点引出端20の一部は、セラミックスカバー11の外面に露出している。
【0142】
固定接点引出端20の底部を固定接点とし、可動接触子54は、その長手方向D2の両端を可動接点とすることができる。可動接触子54の両端の可動接点は、可動接触子54の他の部分よりも突出していてもよいし、他の部分と一致していてもよい。
【0143】
なお、固定接点は、固定接点引出端20の底部に一体的に又は別体的に設けられてもよく、可動接点は、可動接触子54の長手方向D2の両端部に一体的又は別体的に設けられてもよい。
【0144】
第2の貫通孔103は、2つの第1の貫通孔102の間に設けられ、すなわち、接続部材30が一対の固定接点引出端20の間に設けられてもよい。第2の貫通孔103の数は1つ以上であってもよい。この実施例では、第2の貫通孔103の数は2つであるが、これに限定されない。
【0145】
これに対応して、接続部材30の数は1つ以上であってもよい。この実施例では、接続部材30の数は2つであるが、これに限定されるものではない。
【0146】
図4を参照すると、セラミックスカバー11の頂壁111の外面には、第1の貫通孔102に位置する周縁に第1の金属化層113が設けられ、第2の貫通孔103に位置する周縁に第2の金属化層114が設けられている。固定接点引出端20は、第1の金属化層113を介して頂壁111に溶接され、接続部材30の第1の端31は、第2の金属化層114を介して頂壁111に溶接されている。
【0147】
セラミックスカバー11の頂壁111の外面は、セラミックスカバー11の内面に比べて、溶接平面を形成しやすい。また、セラミックスカバー11の頂壁111には固定接点引出端20を設ける必要があり、固定接点引出端20と頂壁111との溶接時にも、第1の貫通孔102の周縁に金属化層を設ける必要があるため、第1の貫通孔102の第1の金属化層113を加工する際には、第2の貫通孔103の第2の金属化層114を一括して加工する。したがって、接続部材30をセラミックスカバー11の頂壁111の外面に溶接することにより、頂壁111の内面に金属化層を加工する必要なく、頂壁111の外面にのみ金属化層を加工することができ、加工が容易であり、加工工程も簡略化される。
【0148】
第1の導磁体40は、頂壁111の内面と間隔をあけて設けられている。すなわち、接続部材30の長さは、第1の導磁体40が接続部材30を介してセラミックスカバー11の頂壁111に懸架されるように、頂壁111の厚さと第1の導磁体40の厚さの和よりも大きい。
【0149】
第1の導磁体40は、頂壁111の内面との間に隙間を有することで、頂壁111の内面との間に間隔を空けて設けられている。第1の導磁体40は、頂壁111の内面に直接接触していないので、一対の固定接点引出端20の沿面距離に影響を与えない。
【0150】
さらに、図3及び図4を参照すると、第1の導磁体40は、接続部材30の第2の端部32に接続された積層された複数枚の導磁片41を含む。各導磁片41には開孔411が開設されており、接続部材30は開孔411に穿設され、最も下方に位置する導磁片41にリベット(留め)されている。
【0151】
もちろん、第1の導磁体40が積層された複数枚の導磁片41を含む場合、最も下方に位置する導磁片41の開孔411は盲孔であってもよく、残りの導磁片41の開孔411は貫通孔であってもよい。接続部材30は、残りの導磁片41の各開孔411に穿設され、接続部材30の第2の端は、最も下方に位置する導磁片41の盲孔内に入り込み、この導磁片41に溶接される。
【0152】
また、第1の導磁体40が1枚の場合、第1の導磁体40には開孔411が設けられ、該開孔411は、貫通孔であってもよく、盲孔であってもよい。開孔411が貫通孔である場合、接続部材30は開孔411を通過した後、第1の導磁体40にリベットされる。開孔411が盲孔である場合、盲孔内には半田が設けられ、接続部材30の第2の端32が盲孔内に入り込み、第1の導磁体40に溶接されてもよい。
【0153】
一例として、短絡電流が10kA以上になると、より大きな磁気吸引力を発生させるために、第1の導磁体40の厚さを大きくする必要があり、さらに、第1の導磁体40と第2の導磁体55との間の磁気吸引力が短絡電流による反発力を克服し、可動接触子54と固定接点引出端20との弾けを防止できるようにする必要がある。しかし、厚みの大きい第1の導磁体40はコストが高くなり、セラミックスカバー11との接続が難しくなる。
【0154】
この実施例では、第1の導磁体40は、接続部材30を介して接触容器10に接続されているので、第1の導磁体40は、積層された複数枚の導磁片41を含むことができ、接続部材30を介して複数枚の導磁片41の開孔411を穿設して接続することができ、厚みの薄い導磁片41の数を増やすことにより、第1の導磁体40の全体の厚みを大きくすることができる。導磁片41の厚さは薄く、薄い材料で作ることができるため、材料コストが低く、操作しやすい。一方、短絡電流の大きさに応じて、導磁片41の数を柔軟に調整することができる。
【0155】
セラミックスカバー11の頂壁111及び側壁112は、別体構造であってもよく、溶接によって接続されていてもよい。なお、セラミックスカバー11を頂壁111と側壁112との別体構造として設計することにより、接続部材30と頂壁111との接続がより容易になる。もちろん、頂壁111と側壁112との間は、接着によって接続してもよい。
【0156】
具体的には、頂壁111はシート状であるため、頂壁111に第1の貫通孔102、第2の貫通孔103、第1の金属化層113及び第2の金属化層114を加工することがより容易である。さらに、シート状構造により、接続部材30と頂壁111、及び固定接点引出端20と頂壁111の溶接も容易になる。
【0157】
もちろん、セラミックスカバー11の頂壁111と側壁112とは一体構造であってもよい。
【0158】
接続部材30の第2の端部32と第1の導磁体40との接続方法は、溶接、リベット、接着などの様々な実施例であってもよい。
【0159】
この実施例では、接続部材30の第2の端部32は、第1の導磁体40にリベット(留め)されている。具体的には、接続部材30の第2の端32と第1の導磁体40とは、拡リベット方式で接続されている。
【0160】
なお、第1の導磁体40は一字型であってもよく、第2の導磁体55はU字型であってもよい。第1の導磁体40及び第2の導磁体55は、鉄、コバルト、ニッケル、及びその合金等の材料を用いて作製することができる。
【0161】
もちろん、第2の導磁体55は、積層された複数枚の導磁片を含んでもよく、あるいは、第2の導磁体55は、並べられた複数枚のU型導磁体を含んでもよいことが理解される。
【0162】
図14及び図16に示すように、シールユニット1400は、金属カバー1410をさらに含み、金属カバー1410は、ヨーク板13が絶縁カバー11aに背向する側に接続され、ヨーク板13上の第3の貫通孔131にカバーされている。金属カバー1410とヨーク板13は、電磁石ユニット1200の固定鉄心1230と可動鉄心1240を収容するためのチャンバとして囲まれており、以下に詳細に説明する。
【0163】
図4及び図16に示すように、プッシュロッドアセンブリ50は、プッシュロッド51、ベース52及び弾性部材56をさらに含む。プッシュロッド51は、ヨーク板13の第3の貫通孔131に移動可能に穿設されている。プッシュロッド51の一端はベース52に接続され、プッシュロッド51の他端は電磁石ユニット1200の可動鉄心1240に接続されている。弾性部材56の一端はベース52に当接し、弾性部材56の他端は、可動接触子54と第2の導磁体55で構成された可動部材53に当接し、弾性部材56は、可動接触子54が固定接点引出端20に移動する傾向があるように弾性力を与える。
【0164】
なお、弾性部材56はバネであってもよいが、これに限定されない。
【0165】
もちろん、他の実施例では、プッシュロッドアセンブリ50は、他の構造であってもよく、ここでは一々列挙しない。
【0166】
図16に示すように、電磁石ユニット1200は、コイルボビン1210と、コイル1220と、固定鉄心1230と、可動鉄心1240と、リセット部材1250とを含む。コイルボビン1210は中空筒状をなし、絶縁材料を用いて形成されている。金属カバー1410は、コイルボビン1210内に穿設される。コイル1220は、コイルボビン1210を取り囲む。固定鉄心1230は、金属カバー1410内に固設され、固定鉄心1230の一部が第3の貫通孔131に入り込む。固定鉄心1230は穿孔1231を有し、穿孔1231は第3の貫通孔131の位置に対応して設けられ、プッシュロッド51を穿設するためのものである。可動鉄心1240は、金属カバー1410内に移動可能に設けられ、固定鉄心1230と対向して設けられ、可動鉄心1240は、プッシュロッド51に接続され、コイル1220に通電すると固定鉄心1230に吸引されるために使用される。可動鉄心1240とプッシュロッド51とは、螺着、リベット、溶接、又はその他の方法で接続することができる。
【0167】
リセット部材1250は、金属カバー1410の内部に位置し、固定鉄心1230と可動鉄心1240との間に配置され、コイル1220の電源が遮断されたときに可動鉄心1240をリセットするために使用される。リセット部材1250は、バネであってもよく、プッシュロッド51の外部に外嵌されていてもよい。
【0168】
図5図8に示すように、図5は、本発明の第1の実施例によるプッシュロッドアセンブリ50の側面概略図を示す。図6は、図5の分解模式図を示す。図7は、図5のXにおける部分拡大図を示す。図8は、図5におけるB-Bの断面図を示す。
【0169】
プッシュロッドアセンブリ50は、リミット構造57をさらに含み、リミット構造57は、ベース52と可動部材53に接続し、ベース52に対する可動部材53の移動範囲を制限するために使用される。リミット構造57は、嵌合するリミット孔572とリミット部571を含み、リミット孔572は、可動接触子54の移動方向D1に沿って対向して設けられた第1の端573と第2の端574とを含み、第2の端574の孔径が第1の端573の孔径よりも大きく、リミット部571は、リミット孔572の第1の端573と第2の端574との間で移動可能に穿設されている。可動接触子54が固定接点引出端20から離間したとき、リミット部571はリミット孔572の第1の端573に位置する。
【0170】
この実施例では、ベース52は、リミット構造57を介して可動部材53に直接接続されており、これにより、ベースと可動部材53との間の組み立てがより簡単になる。また、可動部材53の上方には他の部材が存在しないので、オーバトラベル中に、他の部材と第1の導磁体40との移動干渉が回避される。
【0171】
なお、リミット孔572は貫通孔であってもよく、盲孔であってもよい。
【0172】
可動接触子54が固定接点引出端20に接触していない場合、弾性部材56により、リミット部571はリミット孔572の第1の端573に位置する。可動接触子54が固定接点引出端20に接触し、オーバトラベルが完了する過程で、リミット部571はリミット孔572の第1の端573から第2の端574に移動する。リミット孔572の第2の端574の孔径は第1の端573の孔径よりも大きいため、リミット孔572は「一端が大きく他端が小さい」構造を呈しており、オーバトラベルの過程でリミット部571とリミット孔572の孔壁との隙間が大きくなり、ベース52に対する可動接触子54の移動過程でリミット部571とリミット孔572の孔壁に摩擦やジャムが発生するのを防止することができる。同時に、リミット孔572の第1の端573の孔径は小さく、初期状態でのリミット部571とリミット孔572のリミットの嵌合に影響を与えず、可動接触子54がベース52に対して揺動することを回避する。
【0173】
なお、初期状態では、可動接触子54とベース52のリミットを実現するために、リミット孔572の第1の端573の孔径の大きさは、リミット部571がリミット孔572の第1の端573に位置しているときに、リミット部571がリミット孔572の孔壁とリミットを実現できるように、リミット部571の形状に適合すべきである。
【0174】
図5図8を参照すると、リミット孔572の第1の端573から第2の端574の方向に向かって、リミット孔572の孔径が徐々に大きくなっている。オーバトラベル中、リミット部571がリミット孔572の第1の端573から第2の端574へ移動する過程で、リミット部571とリミット孔572の孔壁との隙間が徐々に大きくなっている。
【0175】
さらに、リミット孔572の孔壁は、対向して配置された第1の平面575及び第2の平面576と、対向して配置された第1の斜面577及び第2の斜面578とを含み、第1の斜面577及び第2の斜面578の一端は、第1の平面575の両端に接続され、第1の斜面577及び第2の斜面578の他端は、第2の平面576の両端に接続されている。
【0176】
この実施例では、リミット孔572の形状は略二等辺台形であるが、これに限定されない。例えば、リミット部材孔572の形状は、第1の斜面577と第2の斜面578の傾きが等しくない通常の台形であってもよい。あるいは、リミット部材孔572の形状は、三角形であってもよく、二等辺三角形が好ましい。
【0177】
もちろん、他の実施例では、リミット孔572の第1の端573から第2の端574の方向に沿って、リミット孔572の孔径は、徐々に増大していなくてもよく、例えば、リミット孔572の孔壁は、等径段と拡径段とを含んでもよい。例えば、第1の端573から第2の端574まで、リミット孔572の孔壁は、拡径段、等径段、拡径段、等径段などを順に含むことができる。
【0178】
図7に示すように、リミット部571は、第1の弧状面571aを有し、第1の弧状面571aは、リミット部571がリミット孔572の第1の端部573に位置しているときに、リミット孔572の孔壁とリミットを実現するために使用される。
【0179】
この実施例では、第1の弧状面571aとリミット孔572の孔壁との間が線接触となるように、リミット部571の外側壁を第1の弧状面571aを含むように設計することにより、線接触はリミット部571とリミット孔572の孔壁との間の摩擦力を低減する。リミット部571とリミット孔572との相対移動が発生すると、ジャムが発生しにくくなる。
【0180】
ベース52にはリミット部材孔572が設けられ、可動部材53はリミット部571を含む。もちろん、他の実施例では、リミット孔572を可動部材53に設け、リミット部571をベース52に設けてもよい。
【0181】
図5図8に示すように、この実施例では、ベース52にリミット孔572が設けられ、第2の導磁体55にリミット部571が設けられている。前記第2の導磁体55は、底部551、第1の側部552及び第2の側部553を含む。第1の側部552と第2の側部553とは、前記可動接触子54の幅方向D3に沿って底部551の両端にそれぞれ接続されている。第1の側部552と第2の側部553とは、可動接触子54の幅方向D3の対向する2つの側辺にそれぞれ設けられる。第1の側部552と第2の側部553とのいずれもリミット部571が設けられている。
【0182】
なお、移動方向D1、長手方向D2、幅方向D3の2つは互いに垂直である。
【0183】
ベース52は、基部521と、基部521に接続され対向して設けられた第1のリミット部材522及び第2のリミット部材523とを含み、第1の側部552は、第1のリミット部材522に対向して設けられ、第2の側部553は、第2のリミット部材523に対向して設けられ、第1のリミット部材522と第2のリミット部材523とのいずれもリミット孔572が開設されている。
【0184】
第1のリミット部材522が第1の側部552に向かう側の表面と、第2のリミット部材523が第2の側部553に向かう側の面とは、第2の弧状面524を含む。
【0185】
この実施例では、第1のリミット部材522が第1の側部552の側面に向け側面と、第2のリミット部材523が第2の側部553に向けた側面に第2の弧状面524を含むように設計し、2つの第2の弧状面524がそれぞれ第1の側部552と第2の側部553と線接触することで、線接触により、第1の側部552と第1のリミット部材522、及び第2の側部553と第2のリミット部材523との間の摩擦力が低減される。第2の導磁体55がベース52に対して相対移動すると、ジャムが発生しにくくなる。また、くずが発生してリレーの接触チャンバ101が汚染されることを回避することができる。
【0186】
第1のリミット部材522と第2のリミット部材523との間には、第1の側部552と第2の側部553が位置している。第1の側部552が第2の側部553から離れる側及び第2の側部553が第1の側部552から離れる側には、いずれもリミット部571が突設されている。
【0187】
一例として、リミット部571の形成は、第1の側部552/第2の側部553の側面をプレスし、リミット部571をポンチ構造にすることができる。第1の側部552/第2の側部553におけるポンチ構造の具体的な位置は、構造に応じて柔軟に調整することができる。
【0188】
この実施例では、2つのリミット部571は、第1の側部552が第2の側部553から離れる側、第2の側部553が第1の側部552から離れる側にそれぞれ突設され、第1の側部552と第2の側部553とがそれぞれ第1のリミット部材522と第2のリミット部材523と十分に接触でき、さらに、第2の導磁体55とベース52とのリミット時の安定性が確保され、導磁効率に影響を与えることがない。
【0189】
一実施例では、リミット部571は長尺状であってもよい。リミット部571がリミット孔572の第1の端573に位置すると、長尺状の面積が大きい側面がリミット孔572の孔壁に接触する。リミット部571の面積が大きい表面をリミット孔572の孔壁に接触させることにより、初期状態でベース52に対して可動接触子54が揺動することを効果的に回避し、可動接触子54のバウンド、スプリングバック確率を低減する。
【0190】
図9に示すように、図9は、本発明の第2の実施例のプッシュロッドアセンブリ50の分解概略図を示す。第2の実施例は、上記第1の実施例と同様である点は、説明を省略するが、相違点は、以下の通りである。
【0191】
リミット部571は、2つの凸包構造を含む。2つの凸包構造体は、可動接触子54の長手方向D2に沿って間隔を空けて設けられている。二重凸包構造の設計は、初期状態では可動接触子54がベース52に対して揺動することを効果的に回避し、可動接触子54のバウンド、スプリングバック確率を低減する。
【0192】
図10に示すように、図10は、本発明の第3の実施例におけるプッシュロッドアセンブリ50の分解模式図である。第3の実施例と上記の第1の実施例と同様である点は、説明を省略するが、相違点は、以下の通りである。
【0193】
リミット部571は、リベット579であり、リベット579は、第2の導磁体55の第1の側部552/第2の側部553にリベットされている。
【0194】
図11に示すように、図11は、本発明の第4の実施例におけるプッシュロッドアセンブリ50の分解模式図である。第4の実施例と上記の第1の実施例と同様である点は、説明を省略するが、相違点は、リミット部571が第2の導磁体55に底部551に設けられていることである。
【0195】
具体的には、第2の導磁体55は、底部551と、第1の側部552と、第2の側部553とを含む。可動接触子54の幅方向D3に沿って、底部551の対向する2つの側辺にはいずれもリミット部571が突設されている。第1の側部552と第2の側部553は、可動接触子54の幅方向D3に沿って底部551の両端にそれぞれ接続されている。第1の側部552及び第2の側部553は、それぞれ可動接触子54の幅方向D3の対向する2つの側辺に設けられている。
【0196】
ベース52は、基部521と、基部521に接続され、対向して配置された第1のリミット部材522と第2のリミット部材523とを含み、第1のリミット部材522と第2のリミット部材523には、いずれもリミット孔572が開設されている。
【0197】
図12に示すように、図12は、本発明の第5の実施例におけるプッシュロッドアセンブリ50の分解模式図である。第5の実施例と第1の実施例と同様である点は、説明を省略するが、相違点は、以下の通りである。
【0198】
ベース52は、基部521と、基部521に接続され、対向して配置された第1のリミット部材522と、第2のリミット部材523とを含み、第1のリミット部材522と第2のリミット部材523には、いずれもリミット孔572を開設されている。可動部材53は、第2の導磁体55に固定接続された固定部材58をさらに含み、固定部材58の両側にはリミット部571が設けられている。
【0199】
図13に示すように、図13は、本発明の第2の実施例におけるリレーの分解模式図である。第2の実施例におけるリレーと第1の実施例におけるリレーと同様である点は、説明を省略するが、相違点は、以下の通りである。
【0200】
リミット部571は、プッシュロッドアセンブリ50のベース52の2つの対向する側辺に突設されている。可動部材53はさらに、可動接触子54と第2の導磁体55とに固定接続された固定部材58を含み、固定部材58にはリミット孔572が設けられている。
【0201】
固定部材58は逆U型であり、固定部材58に設けられたリミット孔572の第1の端573及び第2の端574の位置は、上述した実施例のリミット孔572とは反対である。
【0202】
具体的には、図13に示すように、リミット孔572の第1の端573は下方に位置し、第2の端574は上方に位置し、第2の端574の孔径は第1の端573の孔径よりも大きい。
【0203】
図9図12に示すように、リミット孔572の第1の端573は上方に位置し、第2の端574は下方に位置する。
【0204】
なお、本発明が提供する様々な実施例/実施例は、矛盾を生じることなく互いに組み合わされることができ、ここでは説明を省略する。
【0205】
発明の実施例では、用語「第1の」、「第2の」、「第3の」は、説明の目的のためにのみ使用され、相対的な重要性を示す、又は暗示するために理解されない。用語「1対」、「1」は技術的特徴を引き出すためにのみ使用され、特に明確な限定がない限り、その技術的特徴の具体的な数の限定であると理解すべきではない。用語「複数」は、特に限定されない限り、2つ以上を意味する。「取り付け」、「接する」、「接続」、「固定」などの用語は広義に理解されなければならない。例えば、「接続」は固定接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、一体的に接続してもよい。「接する」は、直接接続することも、中間媒体を介して間接的に接続することもできる。本発明の実施例における上記用語の具体的な意味は、当業者にとっては、具体的な状況に応じて理解することができる。
【0206】
本発明の実施例の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」などの用語が示す方位又は位置関係は、図面に基づく方位又は位置関係であり、単に、本発明の実施例の説明及び説明の簡略化を容易にするためのものであって、指し示すデバイス又はユニットが特定の方位で構成及び動作するために特定の方向を有する必要があることを示す又は暗示するのではなく、発明の実施例に対する制限とは理解できない。
【0207】
本明細書の説明において、用語「1つの実施例」、「いくつかの実施例」、「特定の実施例」などの説明は、この実施例又は例に関連して説明された特定の特徴、構造、材料、又は特徴が発明の実施例の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上述の用語の概略的な表現は必ずしも同じ実施例又は例を指すものではない。さらに、記載された特定の特徴、構造、材料、又は特徴は、任意の1つ又は複数の実施例又は例において適切な方法で結合することができる。
【0208】
以上は発明の実施例の好適な実施例にすぎず、発明の実施例を限定するためには使用されず、当業者にとっては、発明の実施例は種々の変更及び変更が可能である。発明の実施例の精神と原則の中で、行ったいかなる修正、等価置換、改良などは、発明の実施例の保護範囲に含まれるべきである。
図1
図2
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図4
図5
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図7
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図10
図11
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