(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057610
(43)【公開日】2024-04-24
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240417BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2023198303
(22)【出願日】2023-11-22
(71)【出願人】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100148563
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 実
(72)【発明者】
【氏名】中村 健
(72)【発明者】
【氏名】上前 良太
(72)【発明者】
【氏名】美和 良亮
(72)【発明者】
【氏名】星野 研
(72)【発明者】
【氏名】八木 岳史
(72)【発明者】
【氏名】中村 遼太
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 誠仁
(72)【発明者】
【氏名】石塚 千花
【テーマコード(参考)】
2C333
【Fターム(参考)】
2C333AA11
2C333CA50
2C333CA60
2C333EA04
(57)【要約】
【課題】遊技に対する興趣の低下を抑制できる遊技機を提供すること。
【解決手段】演出表示装置12では、遊技の進行に関する進行画像として、現在の特別保留数を示す第1保留数画像G21及び第2保留数画像G22を表示可能である。また、演出表示装置12では、ゲーム情報G0の表示態様を段階的に変化させることにより、実行中の変動ゲームの大当り期待度を示唆する段階変化演出を実行可能である。段階変化演出では、キャラクタ画像G30を表示させた後にエフェクト画像G31を表示させることにより、演出表示装置12の画像表示部GHに表示される画像のうち少なくとも一部の画像の視認性を低下させることが可能である。ここで、第1保留数画像G21及び第2保留数画像G22は、エフェクト画像G31の表示中であっても視認可能である。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
図柄を変動させて行う変動ゲームを実行可能な遊技機において、
画像を表示する表示部を有する表示手段と、
前記表示手段を制御する表示制御手段と、を備え、
前記表示手段は、
遊技の進行に関する進行画像を表示可能であるとともに、
前記表示部に表示されている画像のうち少なくとも一部の画像の視認性を低下させる特定演出を実行可能であり、
前記特定演出では、所定の装飾画像が表示された後に前記表示部に表示されている画像の視認性が低下されるようになっており、
前記装飾画像の表示態様は、複数種類あり、
前記特定演出において表示される前記装飾画像の表示態様は、前記変動ゲームの結果に基づいて決定されるようになっており、
前記進行画像は、前記特定演出の実行中も視認可能であることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記装飾画像は、前記進行画像と重畳しない位置に表示可能である請求項1に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、遊技機の一種であるパチンコ遊技機の中には、表示手段に表示される画像の視認性を低下させる演出を実行するものがある。例えば、特許文献1に記載の遊技機は、表示手段に表示される画像の視認性を低下させる演出として、画面割れ演出を実行可能に構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような遊技機では、表示手段に表示される画像の視認性を低下させる演出を実行された場合に、遊技者が遊技の進行の具合を認識し難くなることで、遊技に対する興趣を低下させてしまうことがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する遊技機は、図柄を変動させて行う変動ゲームを実行可能な遊技機において、画像を表示する表示部を有する表示手段と、前記表示手段を制御する表示制御手段と、を備え、前記表示手段は、遊技の進行に関する進行画像を表示可能であるとともに、前記表示部に表示されている画像のうち少なくとも一部の画像の視認性を低下させる特定演出を実行可能であり、前記特定演出では、所定の装飾画像が表示された後に前記表示部に表示されている画像の視認性が低下されるようになっており、前記装飾画像の表示態様は、複数種類あり、前記特定演出において表示される前記装飾画像の表示態様は、前記変動ゲームの結果に基づいて決定されるようになっており、前記進行画像は、前記特定演出の実行中も視認可能であることを要旨とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、遊技に対する興趣の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、パチンコ遊技機を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、演出表示装置における画像の表示態様の一例を示す模式図である。
【
図5】
図5は、段階変化演出の演出パターンを示す説明図である。
【
図6】
図6(a)~
図6(d)は、段階変化演出を示す模式図である。
【
図7】
図7は、段階変化演出の演出態様を示す説明図である。
【
図8】
図8(a)及び
図8(b)は、段階変化演出の実行中における画像の表示態様の変化の一例を示す模式図である。
【
図9】
図9(a)及び
図9(b)は、別の実施形態において段階変化演出の実行中における画像の表示態様の変化の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、パチンコ遊技機の一実施形態について説明する。以下の説明において、上、下、左、右、前(表)、及び後(裏)は、遊技者から見たときの各方向を示すものとする。
図1に示すように、遊技機としてのパチンコ遊技機10は、枠体11を備える。枠体11は、パチンコ遊技機10を遊技店などの島設備に固定するための設置枠11aと、各種の遊技部品を搭載するための搭載枠11bと、を含んで構成される。搭載枠11bは、設置枠11aに対して開閉可能となるように、設置枠11aの開口部の一側縁部に対して軸支されている。パチンコ遊技機10は、搭載枠11bが開放されないように施錠する施錠装置11cを備える。施錠装置11cは、該施錠装置11cに適合する鍵を差し込んで所定方向へ回動させることにより解錠され、搭載枠11bの開放を許容するように構成されている。
【0009】
パチンコ遊技機10は、遊技球を発射させるときに遊技者によって操作される発射ハンドルHDを備える。パチンコ遊技機10は、音声を出力するスピーカSpを備える。スピーカSpは、楽曲や効果音などの音声を出力することにより、各種の報知(以下、音声報知と示す)及び各種の演出(以下、音声演出と示す)を実行可能である。パチンコ遊技機10は、図示しない発光体を有する装飾ランプLaを備える。装飾ランプLaは、発光体を点灯、点滅、及び消灯することにより、各種の報知(以下、発光報知と示す)及び各種の演出(以下、発光演出と示す)を実行可能である。
【0010】
パチンコ遊技機10は、遊技盤YBを備える。遊技盤YBの前面側には、遊技球が流下可能な遊技領域YBaが形成されている。本実施形態において、遊技領域YBaには、発射ハンドルHDの操作により発射された遊技球が到達する。遊技盤YBは、正面から見たときの略中央部分に、開口窓YBbを備える。開口窓YBbには、各種の意匠が施されたセンター枠Wが組み付けられている。
【0011】
図2に示すように、パチンコ遊技機10は、画像を表示可能な画像表示部GHを有する演出表示装置12を備える。演出表示装置12は、正面から見たときに、画像表示部GHが遊技盤YBの開口窓YBb(センター枠W)を介して視認可能となるように、遊技盤YBに組み付けられている。例えば、画像表示部GHは、液晶パネルや、有機ELパネルである。演出表示装置12は、各種の画像を表示することにより、各種の報知(以下、表示報知と示す)及び各種の演出(以下、表示演出と示す)を実行可能である。本実施形態において、画像表示部GHは、画像を表示する表示部に相当する。即ち、本実施形態において、演出表示装置12は、画像を表示する表示部を有する表示手段に相当する。
【0012】
パチンコ遊技機10は、所定の情報を表示可能な情報表示装置13を備える。情報表示装置13は、遊技盤YBにおいて、遊技者が視認可能な位置に設けられている。
情報表示装置13は、第1特別図柄表示部13aを備える。第1特別図柄表示部13aは、図柄を変動させて行う変動ゲームの一例として、所定の図柄を変動表示させ、最終的に第1特別図柄を確定停止表示させる第1特別図柄変動ゲームを実行可能である。情報表示装置13は、第2特別図柄表示部13bを備える。第2特別図柄表示部13bは、図柄を変動させて行う変動ゲームの一例として、所定の図柄を変動表示させ、最終的に第2特別図柄を確定停止表示させる第2特別図柄変動ゲームを実行可能である。第1特別図柄、及び第2特別図柄は、後述する特別当り抽選の結果を報知するための図柄である。
【0013】
以下の説明では、第1特別図柄の特別当り抽選を略して「第1特別当り抽選」と示すとともに、第2特別図柄の特別当り抽選を略して「第2特別当り抽選」と示す。また、第1特別図柄変動ゲームを略して「第1特別ゲーム」と示し、第2特別図柄変動ゲームを略して「第2特別ゲーム」と示す。また、第1特別ゲームと、第2特別ゲームと、を総称して「特別ゲーム」と示す。本明細書において、「変動表示」とは、表示されている図柄の種類が時間の経過とともに変化している状態を意味している。本明細書において、「確定停止表示」とは、図柄が確定的に停止表示されており、表示されている図柄の種類が変化しない状態を意味している。図柄について、「確定停止表示」と「導出」とは同じ意味である。
【0014】
第1特別図柄表示部13a及び第2特別図柄表示部13bにおいて導出可能な特別図柄には、大当り結果としての大当り図柄と、はずれ結果としてのはずれ図柄とがある。本実施形態において、第1特別ゲームと第2特別ゲームとは、同時に実行されない。本実施形態では、特別当り抽選において大当りに当選した場合、特別ゲームにおいて大当り図柄が導出されるとともに、該特別ゲームの終了後に大当り遊技が生起される。大当り遊技について、詳しくは後述する。一方、特別当り抽選において大当りに当選しなかった場合、特別ゲームにおいてはずれ図柄が導出される。即ち、本実施形態の第1特別図柄表示部13a及び第2特別図柄表示部13bでは、特別当り抽選の結果に基づいて特別図柄を変動及び停止させて行う特別ゲームを実行可能である。
【0015】
情報表示装置13は、第1特別保留表示部13cを備える。第1特別保留表示部13cは、保留条件が成立したが、開始条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている第1特別ゲームの回数を特定可能な情報を表示する。以下の説明では、保留中の第1特別ゲームの回数を「第1特別保留数」と示す。本実施形態において、第1特別保留数の最大値は「4」である。情報表示装置13は、第2特別保留表示部13dを備える。第2特別保留表示部13dは、保留条件が成立したが、開始条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている第2特別ゲームの回数を特定可能な情報を表示する。以下の説明では、保留中の第2特別ゲームの回数を「第2特別保留数」と示す。本実施形態において、第2特別保留数の最大値は「4」である。
【0016】
情報表示装置13は、普通図柄表示部13eを備える。普通図柄表示部13eは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に普通図柄を確定停止表示させる普通図柄変動ゲームを実行可能である。普通図柄は、後述する普通抽選の結果を報知するための図柄である。以下の説明では、普通図柄変動ゲームを略して「普通ゲーム」と示す。普通図柄表示部13eに導出可能な普通図柄には、普通当り図柄と、普通はずれ図柄とがある。本実施形態では、普通抽選において普通当りに当選した場合、普通ゲームにおいて普通当り図柄が導出され、当該普通ゲームの終了後に普通当り遊技が生起される。
【0017】
情報表示装置13は、普通保留表示部13fを備える。普通保留表示部13fは、保留条件が成立したが、開始条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている普通ゲームの回数を特定可能な情報を表示する。以下の説明では、保留中の普通ゲームの回数を「普通保留数」と示す。本実施形態において、普通保留数の最大値は「1」である。なお、情報表示装置13における各表示部は、1つの表示装置に設けられている必要はなく、異なる部分に設けられていてもよい。また、情報表示装置13は、所謂「右打ち」を指示する情報を表示する右打ち表示部や、後述するラウンド遊技の上限回数を報知するラウンド表示部を備えていてもよい。
【0018】
遊技盤YBには、遊技球が入球可能な複数の入賞口が形成される。複数の入賞口は、遊技領域YBaに開口する。複数の入賞口は、第1始動入賞口14と、第2始動入賞口15と、大入賞口17と、を含む。複数の入賞口には、これらの入賞口とは異なる入賞口を含んでもよい。
【0019】
第1始動入賞口14は、賞球の付与条件、及び第1特別ゲームの保留条件を成立させるために遊技球を入球させる入賞口である。一例として、第1始動入賞口14は、演出表示装置12の下方にある。第1始動入賞口14は、常に遊技球を入球させうるように開口される。パチンコ遊技機10は、第1始動入賞口14へ入球した遊技球を検知する第1始動入賞センサSE1を備える(
図3参照)。本実施形態では、第1始動入賞センサSE1により遊技球が検知されると、第1特別ゲームの保留条件が成立し得るとともに、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。
【0020】
第2始動入賞口15は、賞球の付与条件、及び第2特別ゲームの保留条件を成立させるために遊技球を入球させる入賞口である。一例として、第2始動入賞口15は、演出表示装置12の右下方にある。パチンコ遊技機10は、第2始動入賞口15へ入球した遊技球を検知する第2始動入賞センサSE2を備える(
図3参照)。本実施形態では、第2始動入賞センサSE2により遊技球が検知されると、第2特別ゲームの保留条件が成立し得るとともに、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。
【0021】
パチンコ遊技機10は、遊技球が第2始動入賞口15に入球不能な第1動作状態と、遊技球が第2始動入賞口15に入球可能な第2動作状態と、を取りうる普通可動片16を備える。普通可動片16は、常には第1動作状態となっており、普通当り遊技が生起された場合に第2動作状態に動作する。即ち、第2始動入賞口15は、普通当り遊技が生起されると、遊技球を入球させることができるようになる。遊技盤YBは、普通可動片16を動作させる手段として、第1ソレノイドSL1を備える(
図3参照)。
【0022】
大入賞口17は、賞球の付与条件を成立させるために、遊技球を入球させる入賞口である。一例として、大入賞口17は、演出表示装置12の右下方であって第2始動入賞口15の右上方にある。パチンコ遊技機10は、大入賞口17へ入球した遊技球を検知するカウントセンサSE3を備える(
図3参照)。具体的に、本実施形態では、カウントセンサSE3により遊技球が検知されると、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。
【0023】
パチンコ遊技機10は、遊技球が入球可能となるように大入賞口17を開放する開放状態と、遊技球が入球不能となるように大入賞口17を閉鎖する閉鎖状態と、を取りうる特別開閉片18を備える。例えば、特別開閉片18は、大入賞口17を開閉させる扉状の部材であってもよい。特別開閉片18は、常には閉鎖状態となっており、特殊当り遊技が生起された場合に開放状態に動作する。即ち、大入賞口17は、特殊当り遊技が生起されると、遊技球を入球させることができるように開放される。遊技盤YBは、特別開閉片18を動作させる手段として、第2ソレノイドSL2を備える(
図3参照)。本実施形態において、大当り遊技では、大入賞口17が開放され、該大入賞口17に入球した遊技球がカウントセンサSE3によって検知されることで賞球の付与条件が成立する。即ち、本実施形態において、大当り遊技では、賞球としての遊技球を獲得可能である。
【0024】
遊技盤YBは、ゲート25を備える。一例として、ゲート25は、大入賞口17の上方にある。ゲート25は、常に遊技球を入球(通過)させることができるように開口される。パチンコ遊技機10は、ゲート25に入球した遊技球を検知するゲートセンサSE4を備える(
図3参照)。ゲート25は、普通ゲームの始動条件を成立させるために、遊技球を入球させる入球口である。ゲート25は、遊技球が入球しても賞球の付与条件が成立しない。
【0025】
次に、本実施形態において、遊技球が流下する経路について説明する。
上記のように構成されたパチンコ遊技機10は、遊技領域YBaにおいて遊技球が流下する経路として、遊技球の発射強度に応じた複数通りの経路を有している。遊技球が流下する経路は、遊技球が流下する領域として把握することもできる。複数通りの経路には、センター枠W(演出表示装置12)の左側を流下する第1経路と、センター枠W(演出表示装置12)の右側を流下する第2経路と、がある。第1経路と第2経路は、一部が重複してもよく、全部が重複していなくてもよい。以下の説明では、遊技盤YBを正面視したときに遊技領域YBaを左右に二等分する中心線よりも左側に位置する領域を左側領域と示し、中心線よりも右側に位置する領域を右側領域と示す。即ち、本実施形態では、左側領域を流下する経路が第1経路であり、右側領域を流下する経路が第2経路である。
【0026】
遊技者は、発射ハンドルHDを操作して遊技球の発射強度を調整することで、左側領域及び右側領域に遊技球を打ち分けることができる。第1経路上(左側領域)には、第1始動入賞口14が開口している。このため、発射強度を弱めに調整して遊技球を発射させた場合、遊技球が左側領域を流下し易く、第1始動入賞口14へ入球する可能性がある。第2経路上(右側領域)には、上流から順に、ゲート25、大入賞口17、及び第2始動入賞口15が開口している。このため、発射強度を強めに調整して遊技球を発射させた場合、遊技球が右側領域を流下し易く、第2始動入賞口15、大入賞口17、又はゲート25へ入球する可能性がある。
【0027】
以下の説明では、左側領域に向かって遊技球を発射することを「左打ち」と示す場合がある。また、以下の説明では、右側領域に向かって遊技球を発射することを「右打ち」と示す場合がある。
【0028】
次に、パチンコ遊技機10の遊技状態について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10は、遊技者にとっての有利度が異なる複数の遊技状態として、非時短状態と、時短状態と、を備える。本実施形態において、非時短状態と、時短状態とは、特別ゲームの平均変動時間が異なる遊技状態である。具体的に、本実施形態の時短状態は、非時短状態と比較して、特別ゲームの平均変動時間が短い状態である。また、本実施形態において、非時短状態と、時短状態とは、遊技球が第2始動入賞口15に入球する確率が異なる遊技状態である。具体的に、本実施形態の時短状態は、非時短状態と比較して、遊技球が第2始動入賞口15に入球する確率が高い状態である。言い換えれば、本実施形態において、時短状態は、非時短状態と比較して第2始動入賞口15への遊技球の入球率が向上する入球率向上状態である。
【0029】
例えば、第2始動入賞口15への遊技球の入球率は、次に説明する3つの制御のうち、任意に選択された1の制御を行うことにより、又は複数の制御を組み合わせて行うことにより向上させることができる。1つめの制御は、普通ゲームの変動時間を短くする普通図柄の変動時間短縮制御である。2つめの制御は、普通抽選において普通当りに当選する確率(普通当り確率)を、高確率に変動させる普通図柄の確率変動制御である。3つめの制御は、1回の普通当り遊技において普通可動片16が第2動作状態に動作する合計動作時間を長くする動作時間延長制御である。動作時間延長制御は、1回の普通当り遊技において普通可動片16が第2動作状態に動作する動作回数を多くする制御、及び普通当り遊技において普通可動片16が第2動作状態に動作するときの1回の動作時間を長くする制御のうち、少なくとも一方であるとよい。
【0030】
特に、本実施形態において、非時短状態であるときに1回の普通当り遊技において普通可動片16が第2動作状態に動作する動作時間は、遊技球が実質的に第2始動入賞口15に入球し得ない程度に短い時間である。このため、本実施形態において、非時短状態では、左側領域へ遊技球を発射したときの方が右側領域へ遊技球を発射したときよりも遊技者にとって有利となる。即ち、非時短状態は、左打ちが推奨される遊技状態であるといえる。
【0031】
一方、本実施形態において、時短状態であるときに1回の普通当り遊技において普通可動片16が第2動作状態に動作する動作時間は、遊技球が十分に第2始動入賞口15に入球可能な程度に長い時間である。このため、本実施形態において、時短状態では、右側領域へ遊技球を発射したときの方が左側領域へ遊技球を発射したときよりも遊技者にとって有利となる。即ち、時短状態は、右打ちが推奨される遊技状態であるといえる。
【0032】
次に、パチンコ遊技機10における大当りについて説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10は、特別図柄の大当り図柄として、複数種類の大当り図柄を備える。大当り図柄の種類は、大当りの種類でもある。大当り図柄は、1又は複数の種類に分類される。パチンコ遊技機10では、大当り図柄の種類(大当りの種類)に応じて大当り遊技が付与される。
【0033】
大当り遊技では、最初に、予め定めた時間(以下、オープニング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の開始を特定可能なオープニング演出である。大当り遊技では、オープニング時間の経過後に、大入賞口17を開放するラウンド遊技が予め定めた上限回数を上限として行われる。1回のラウンド遊技は、予め定めた上限個数の遊技球が入球するか、又は、予め定めた上限時間が経過すると終了される。ラウンド遊技において、大入賞口17は、所定の開放態様(開放パターン)にて開放される。各ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。大当り遊技では、最終回のラウンド遊技が終了すると、予め定めた時間(以下、エンディング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の終了を特定可能なエンディング演出である。大当り遊技は、エンディング時間の経過に伴って終了される。
【0034】
本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り遊技の終了後、予め定めた作動回数(本実施形態では100回)の特別ゲームが終了するまで、又は、次回の大当り遊技が付与されるまでの間にわたって、時短状態に制御することが定められている。
【0035】
次に、パチンコ遊技機10において実行される演出図柄変動ゲームについて説明する。
本実施形態において、演出表示装置12は、図柄を変動させて行う変動ゲームの一例として、演出図柄を複数列で変動表示させるとともに、最終的に演出図柄の組み合わせを導出させる演出図柄変動ゲームを実行可能である。以下の説明では、演出図柄変動ゲームを略して「演出ゲーム」と示す。演出図柄は、キャラクタや模様等の装飾が施された図柄(飾り図柄)であって、表示演出を多様化させるためのものである。本実施形態において、演出ゲームは、複数の図柄列をそれぞれ所定の方向に変動表示(スクロール表示)させて行われる。
【0036】
演出ゲームは、特別ゲームの開始に伴って開始され、特別ゲームの終了に伴って終了される。具体的に、演出ゲームでは、各図柄列において演出図柄が一時的に停止表示(以下、一旦停止表示と示す)された後に、各図柄列に一旦停止表示されている演出図柄が確定停止表示されることにより、演出図柄の組み合わせが導出される。演出ゲームでは、特別ゲームにて導出された特別図柄に応じた演出図柄の組み合わせが導出される。具体的に、特別ゲームで大当り図柄(大当り結果)が導出される場合には、演出ゲームでは演出図柄による大当りの図柄組み合わせが導出される。また、特別ゲームではずれ図柄(はずれ結果)が導出される場合には、演出ゲームでは演出図柄によるはずれの図柄組み合わせが導出される。このように、本実施形態において、演出表示装置12は、変動ゲームの結果を示唆する演出図柄を表示可能である。なお、以下の説明では、特別ゲームと演出ゲームとをまとめて「変動ゲーム」と示す場合がある。
【0037】
図4に示すように、本実施形態の演出ゲームには、第1演出ゲームと、第2演出ゲームと、がある。第1演出ゲームは、第1演出図柄EZ1を変動させて行う演出ゲームである。第1演出図柄EZ1は、演出表示装置12の画像表示部GHのうち第1図柄表示領域ZR1に表示される。第2演出ゲームは、第2演出図柄EZ2を変動させて行う演出ゲームである。第2演出図柄EZ2は、演出表示装置12の画像表示部GHのうち第2図柄表示領域ZR2に表示される。第2演出図柄EZ2は、第1演出図柄EZ1よりも小さい図柄である。
【0038】
第1演出ゲームと第2演出ゲームとは、同一の特別ゲームの開始に伴って開始され、該特別ゲームの終了に伴って終了される。即ち、第1演出ゲームと第2演出ゲームとは、並行して実行される。本実施形態において、第1演出ゲームと、第2演出ゲームとでは、何れも、特別ゲームにて導出された特別図柄に応じた演出図柄の組み合わせが導出される。具体的に、特別ゲームで大当り図柄(大当り結果)が導出される場合には、第1演出ゲーム及び第2演出ゲームの何れにおいても、演出図柄による大当りの図柄組み合わせが導出される。また、特別ゲームではずれ図柄(はずれ結果)が導出される場合には、第1演出ゲーム及び第2演出ゲームの何れにおいても、演出図柄によるはずれの図柄組み合わせが導出される。なお、以下の説明では、単に「演出ゲーム」と示す場合、第1演出ゲームと第2演出ゲームの両方を含むことを意図している。
【0039】
本実施形態において、演出ゲームは、第1列、第2列、及び第3列の図柄列をそれぞれ所定の方向に変動表示(スクロール表示)させて行われる。本実施形態において、第1列は、遊技者から見たときに左側に位置する図柄列であり、第2列は、遊技者から見たときに中央に位置する図柄列であり、第3列は、遊技者から見たときに右側に位置する図柄列である。また、演出ゲームでは、リーチ演出が実行される場合がある。リーチ演出は、複数である特定の図柄列において、同一の演出図柄が一時的に停止表示(以下、一旦停止表示と示す)されており、且つ、他の図柄列において、演出図柄が引き続き変動表示されている状態で実行される演出である。本実施形態において、特定の図柄列は、第1列及び第3列である。
【0040】
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成を説明する。
図3に示すように、パチンコ遊技機10は、主制御基板40を備える。主制御基板40は、各種の処理を行い、該処理の結果に応じて、制御情報の一例である制御コマンドなどの制御信号を出力する。パチンコ遊技機10は、副制御基板50を備える。主制御基板40と、副制御基板50とは、主制御基板40から副制御基板50へ一方向に制御信号を出力可能となるように接続されている。副制御基板50は、主制御基板40から入力した制御信号に基づいて所定の処理を実行する。
【0041】
主制御基板40について詳しく説明する。
主制御基板40は、マイクロプロセッサ41を備える。マイクロプロセッサ41は、処理部(以下、主制御CPU41aと示す)と、記憶部(メモリ)と、を備える。主制御CPU41aは、主制御用のプログラムを実行することにより、各種処理を実行する。マイクロプロセッサ41の記憶部には、情報の読出しが可能であって、且つ情報の書込みが不能なROM領域(以下、主制御ROM41bと示す)と、情報の読出し及び書込みが可能なRAM領域(以下、主制御RAM41cと示す)とが含まれる。
【0042】
主制御ROM41bは、各種の判定や抽選に用いる判定値やテーブルなどを記憶している。主制御ROM41bは、複数種類の変動パターンを記憶している。変動パターンは、変動ゲームの内容を特定可能な変動情報である。特に、本実施形態において、変動パターンは、特別ゲームが開始してから終了するまでの変動時間を特定可能な情報である。変動パターンは、特別ゲームの実行中に行う演出の内容を特定可能な情報であってもよい。
【0043】
主制御RAM41cは、主制御CPU41aによる処理の結果に応じて書き換えられる様々な情報を記憶する。本実施形態において、主制御RAM41cは、遊技に関する各種の情報を記憶する記憶手段に相当する。例えば、主制御RAM41cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。マイクロプロセッサ41は、ハードウェア乱数を生成する図示しない乱数回路を備える。マイクロプロセッサ41は、主制御CPU41aによる乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能であってもよい。なお、主制御CPU41a、主制御ROM41b、及び主制御RAM41cは、マイクロプロセッサ41としてワンチップに構成されていることに限らず、それぞれ別体に構成されていてもよい。
【0044】
主制御CPU41aは、第1始動入賞センサSE1、第2始動入賞センサSE2、カウントセンサSE3、及びゲートセンサSE4と接続されている。主制御CPU41aは、各センサが遊技球を検知したときに出力する検知信号を入力可能に構成されている。主制御CPU41aは、情報表示装置13と接続されている。主制御CPU41aは、情報表示装置13の表示内容を制御可能に構成されている。
【0045】
主制御CPU41aは、第1ソレノイドSL1及び第2ソレノイドSL2と接続されている。主制御CPU41aは、第1ソレノイドSL1を制御することによって、普通可動片16の動作を制御可能に構成されている。主制御CPU41aは、第2ソレノイドSL2を制御することによって、特別開閉片18の動作を制御可能に構成されている。
【0046】
次に、副制御基板50について詳しく説明する。
副制御基板50は、副制御CPU50aと、副制御ROM50bと、副制御RAM50cとを備える。副制御CPU50aは、副制御用のプログラムを実行することにより、演出に関する各種の処理を行う。副制御ROM50bは、副制御プログラムや、所定の抽選に用いる判定値などを記憶している。副制御ROM50bは、表示演出に用いる表示演出データ、発光演出に用いる発光演出データ、及び音声演出に用いる音声演出データなどを記憶している。
【0047】
副制御RAM50cは、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、副制御RAM50cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。本実施形態において、また、副制御基板50は、副制御CPU50aによる乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成されている。なお、副制御基板50は、乱数生成回路を備え、ハードウェア乱数を生成可能であってもよい。
【0048】
副制御CPU50aは、演出表示装置12と接続されている。副制御CPU50aは、演出表示装置12の表示内容を制御可能に構成されている。即ち、本実施形態において、副制御CPU50aは、表示手段を制御する表示制御手段として機能する。副制御CPU50aは、装飾ランプLaと接続されている。副制御CPU50aは、装飾ランプLaの発光態様を制御可能に構成されている。副制御CPU50aは、スピーカSpと接続されている。副制御CPU50aは、スピーカSpの出力態様を制御可能に構成されている。
【0049】
次に、パチンコ遊技機10において実行される各種の処理(制御)について説明する。
まず、特別図柄入力処理について説明する。
特別図柄入力処理において、主制御CPU41aは、第1始動入賞口14に遊技球が入球したかを判定する。このとき、主制御CPU41aは、第1始動入賞センサSE1から検知信号を入力することによって、第1始動入賞口14に遊技球が入球したと判定する。第1始動入賞口14に遊技球が入球している場合、主制御CPU41aは、主制御RAM41cに記憶されている第1特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるかを判定する。第1特別保留数が上限数未満である場合、主制御CPU41aは、主制御RAM41cに記憶されている第1特別保留数を1加算して更新する。このとき、主制御CPU41aは、更新後の第1特別保留数を表示するように、情報表示装置13を制御する。このように、本実施形態では、第1特別保留数が上限数未満である場合に、第1始動入賞口14に遊技球が入球し、入球した遊技球が第1始動入賞センサSE1により検知されることで、第1特別ゲームの保留条件が成立する。また、このとき、主制御CPU41aは、主制御RAM41cに記憶されている第1特別保留数を特定可能な第1保留数コマンドを生成し、出力バッファにセットする。なお、本実施形態において、出力バッファにセットされたコマンドは、所定の出力処理において副制御CPU50aへと出力される。
【0050】
次に、主制御CPU41aは、主制御基板40内で生成している乱数を取得し、取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RAM41cに記憶させる。例えば、乱数は、当り乱数、大当り図柄乱数、変動パターン乱数などである。このとき、主制御CPU41aは、第1特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序が特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。本実施形態では、第1特別ゲーム用の乱数情報を主制御RAM41cに記憶させておくことで、該第1特別ゲームの開始条件が成立するまで、その実行を保留することができる。即ち、本実施形態では、主制御CPU41aが第1特別ゲーム用の乱数情報を主制御RAM41cに記憶させることにより、第1特別ゲームの保留条件の成立を契機として第1特別ゲームの実行を保留可能である。
【0051】
また、第1始動入賞口14に遊技球が入球していない場合、及び、第1特別保留数が上限数未満ではない場合、主制御CPU41aは、第2始動入賞口15に遊技球が入球したかを判定する。このとき、主制御CPU41aは、第2始動入賞センサSE2から検知信号を入力することによって、第2始動入賞口15に遊技球が入球したと判定する。第2始動入賞口15に遊技球が入球していない場合、主制御CPU41aは、特別図柄入力処理を終了する。一方、第2始動入賞口15に遊技球が入球している場合、主制御CPU41aは、主制御RAM41cに記憶されている第2特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるかを判定する。第2特別保留数が上限数未満ではない場合、主制御CPU41aは、特別図柄入力処理を終了する。一方、第2特別保留数が上限数未満である場合、主制御CPU41aは、主制御RAM41cに記憶されている第2特別保留数を1加算して更新する。このとき、主制御CPU41aは、更新後の第2特別保留数を表示するように、情報表示装置13を制御する。このように、本実施形態では、第2特別保留数が上限数未満である場合に、第2始動入賞口15に遊技球が入球し、入球した遊技球が第2始動入賞センサSE2により検知されることで、第2特別ゲームの保留条件が成立する。また、このとき、主制御CPU41aは、主制御RAM41cに記憶されている第2特別保留数を特定可能な第2保留数コマンドを生成し、出力バッファにセットする。
【0052】
次に、主制御CPU41aは、主制御基板40内で生成している乱数を取得し、取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RAM41cに記憶させる。このとき、主制御CPU41aは、第2特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序が特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。本実施形態では、第2特別ゲーム用の乱数情報を主制御RAM41cに記憶させておくことで、該第2特別ゲームの開始条件が成立するまで、その実行を保留することができる。即ち、本実施形態では、主制御CPU41aが第2特別ゲーム用の乱数情報を主制御RAM41cに記憶させることにより、第2特別ゲームの保留条件の成立を契機として第2特別ゲームの実行を保留可能である。その後、主制御CPU41aは、特別図柄入力処理を終了する。
【0053】
次に、特別図柄開始処理について説明する。
特別図柄開始処理において、主制御CPU41aは、特別ゲームの開始条件が成立しているか否かを判定する。主制御CPU41aは、大当り遊技中ではなく、且つ特別ゲームの実行中ではない場合に肯定判定する一方、大当り遊技中又は特別ゲームの実行中である場合に否定判定する。特別ゲームの開始条件が成立していない場合、主制御CPU41aは、特別図柄開始処理を終了する。特別ゲームの開始条件が成立している場合、主制御CPU41aは、第2特別保留数が零よりも大きいか否かを判定する。第2特別保留数が零である場合、主制御CPU41aは、第1特別保留数が零よりも大きいか否かを判定する。
【0054】
第1特別保留数が零である場合、主制御CPU41aは、主制御RAM41c内の所定の記憶領域に出力済フラグが設定されているか否かを判定する。出力済フラグは、待機状態であることを特定可能な待機状態コマンドが出力済であることを特定可能な情報である。待機状態とは、特別ゲームが実行されておらず、大当り遊技が付与されておらず、且つ特別ゲームが保留されていないときの状態である。出力済フラグが設定されていない場合、主制御CPU41aは、待機状態コマンドを生成して副制御CPU50aへ出力するとともに、主制御RAM41cに出力済フラグを設定する。その後、主制御CPU41aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、出力済フラグが設定されている場合、主制御CPU41aは、新たに待機状態コマンドを生成することなく、特別図柄開始処理を終了する。なお、以下の説明では、待機状態中ではない期間を「遊技期間」と示す。言い換えれば、本実施形態において、遊技期間とは、特別ゲームの実行中又は大当り遊技の実行中である期間である。
【0055】
第1特別保留数が零よりも大きい場合、主制御CPU41aは、第1特別ゲームを実行させる処理を行う。具体的に、主制御CPU41aは、第1特別保留数を1減算して更新する。主制御CPU41aは、更新後の第1特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第1特別保留表示部13cを制御する。また、このとき、主制御CPU41aは、主制御RAM41cに記憶されている第1特別保留数を特定可能な第1保留数コマンドを生成し、出力バッファにセットする。さらに、このとき、主制御CPU41aは、主制御RAM41cに出力済フラグが設定されている場合、該出力済フラグを消去する。
【0056】
次に、主制御CPU41aは、第1特別ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を主制御RAM41cから取得する。続けて、主制御CPU41aは、取得した乱数情報から特定される当り乱数を用いて、当りに当選とするか否かの当り抽選(当り判定)を行う。上述したように、本実施形態における当りは全て大当りである。このため、本実施形態において、当り抽選は、大当りに当選とするか否かの大当り抽選として把握できる。
【0057】
大当りに当選した場合、主制御CPU41aは、大当り変動処理を行う。大当り変動処理において、主制御CPU41aは、乱数情報から特定可能な大当り図柄乱数を用いて、大当り図柄抽選を行い、第1特別ゲームで導出させる大当り図柄を決定する。また、主制御CPU41aは、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、大当り変動パターンを決定する。その後、主制御CPU41aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0058】
大当りに当選しなかった場合、主制御CPU41aは、はずれ変動処理を行う。はずれ変動処理において、主制御CPU41aは、第1特別ゲームにて導出させるはずれ図柄を決定する。また、主制御CPU41aは、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、はずれ変動パターンを決定する。その後、主制御CPU41aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0059】
第2特別保留数が零よりも大きい場合、主制御CPU41aは、第2特別ゲームを実行させるための処理を行う。第2特別ゲームを実行させるための処理は、第1特別ゲームを実行させるための処理について、「第1特別ゲーム」を「第2特別ゲーム」に、「第1特別保留数」を「第2特別保留数」に、それぞれ読み替えた処理であるため、その詳細な説明を省略する。つまり、主制御CPU41aは、第2特別保留数の減算、第2保留数コマンドの生成、大当り抽選、及び、大当り抽選の結果に基づく何れかの変動処理を行った後、特別図柄開始処理を終了する。
【0060】
主制御CPU41aは、大当り変動処理、及びはずれ変動処理において、変動開始コマンド及び特別図柄コマンドを副制御CPU50aへ出力する。変動開始コマンドは、各変動処理において決定した変動パターンと、特別ゲーム(演出ゲーム)の開始とを特定可能な制御コマンドである。特別図柄コマンドは、各変動処理において決定した特別図柄(大当り図柄又ははずれ図柄)を特定可能な制御コマンドである。なお、変動開始コマンド及び特別図柄コマンドは、第1特別ゲームの変動処理が実行されたときと、第2特別ゲームの変動処理が実行されたときとで異なる制御コマンドである。
【0061】
特別図柄開始処理を終了すると、主制御CPU41aは、特別図柄開始処理とは別の処理によって、第1特別ゲーム又は第2特別ゲームを実行させる。即ち、本実施形態のパチンコ遊技機10では、特別ゲームの開始条件の成立を契機として、主制御CPU41aが以下の処理を行うことにより、保留中の特別ゲームを開始させる。
【0062】
具体的に、主制御CPU41aは、第1特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第1特別図柄表示部13aを制御する。主制御CPU41aは、変動パターンに定められた変動時間を計測する。主制御CPU41aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を導出するように、第1特別図柄表示部13aを制御する。また、主制御CPU41aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別ゲーム(演出ゲーム)の終了を特定可能な制御コマンド(以下、変動終了コマンドと示す)を副制御CPU50aに出力する。
【0063】
一方、主制御CPU41aは、第2特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第2特別図柄表示部13bを制御する。主制御CPU41aは、変動パターンに定められた変動時間を計測する。主制御CPU41aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を導出するように、第2特別図柄表示部13bを制御する。また、主制御CPU41aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、変動終了コマンドを副制御CPU50aに出力する。
【0064】
以上のような処理により、本実施形態のパチンコ遊技機10では、開始条件の成立を契機として保留中の変動ゲームを開始可能である。
次に、大当り遊技処理について説明する。
【0065】
大当り遊技処理は、大当り遊技を付与するための処理である。主制御CPU41aは、特別ゲームにおいて大当り図柄を導出させると、大当りの特別ゲームの終了後に大当り遊技処理を実行する。主制御CPU41aは、特別図柄開始処理にて決定した大当り図柄(即ち、大当りの種類)に基づいて、大当り遊技の種類を特定する。主制御CPU41aは、特定した種類の大当り遊技を付与する。
【0066】
最初に、主制御CPU41aは、オープニング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、オープニングコマンドと示す)を副制御CPU50aへ出力する。主制御CPU41aは、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。即ち、主制御CPU41aは、特定した大当り遊技用の開放制御データを用いて第2ソレノイドSL2を制御し、大入賞口17を開状態とする。主制御CPU41aは、カウントセンサSE3による遊技球の検知数が上述の上限個数に達するか、又は、上述の上限時間が経過すると、大入賞口17を閉状態とするように第2ソレノイドSL2を制御することで、ラウンド遊技を終了させる。主制御CPU41aは、このようなラウンド遊技を実行させるための処理を、大当り遊技に定められた上限回数のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。主制御CPU41aは、ラウンド遊技を開始する毎に、ラウンド遊技の開始を特定可能な制御コマンド(以下、ラウンドコマンドと示す)を副制御CPU50aへ出力する。主制御CPU41aは、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、エンディングコマンドと示す)を副制御CPU50aへ出力する。主制御CPU41aは、エンディング時間が経過すると、大当り遊技を終了する。主制御CPU41aは、エンディング時間の経過を特定可能な制御コマンド(以下、エンディング終了コマンド)を副制御CPU50aへ出力する構成であってもよい。
【0067】
次に、遊技状態を移行させる処理について説明する。
主制御CPU41aは、大当り遊技の終了を契機として、主制御RAM41cに記憶されている作動フラグをON状態に設定することにより時短状態に制御する。その後、主制御CPU41aは、大当り遊技の終了後、特別ゲームを開始させる毎に、主制御RAM41cに記憶されている実行カウンタの値を更新することによって、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数を計数する。そして、主制御CPU41aは、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数が作動回数に達した特別ゲームが終了すると、主制御RAM41cに記憶されている作動フラグをOFF状態に設定することにより時短状態を終了させて非時短状態に制御する。即ち、主制御CPU41aは、大当り遊技の終了後、作動回数目の特別ゲームが終了すると時短状態を終了させて非時短状態に制御する。また、主制御CPU41aは、大当り遊技の開始を契機として、作動フラグをOFF状態に設定することにより非時短状態に制御する。即ち、主制御CPU41aは、大当り遊技中、非時短状態に制御する。
【0068】
そして、主制御CPU41aは、遊技状態を移行させた場合、現在の遊技状態を特定可能な遊技状態コマンドを生成して副制御CPU50aへ出力する。
また、主制御CPU41aは、前述した処理の他にも以下に説明する処理を行う。例えば、主制御CPU41aは、普通図柄に関する処理などを行う。普通図柄に関する処理では、主制御CPU41aは、ゲートセンサSE4からの検知信号を入力する処理、普通当りか否かの普通抽選を実行する処理、普通図柄変動ゲームを開始させる処理などを行う。
【0069】
次に、副制御プログラムに基づいて、副制御基板50の副制御CPU50aが実行する各種処理について説明する。副制御CPU50aは、主制御CPU41aから制御信号を入力すると、その制御信号に応じて各種処理を実行する。
【0070】
まず、演出ゲームを実行するための演出図柄変動処理について説明する。
演出図柄変動処理において、副制御CPU50aは、特別図柄コマンドを入力すると、特別図柄コマンドから特定した特別図柄に基づき、演出ゲームで導出させる演出図柄の組み合わせを決定する。副制御CPU50aは、特別図柄の大当り図柄を特定した場合、演出図柄による大当りの図柄組み合わせを決定する。また、副制御CPU50aは、特別図柄のはずれ図柄を特定した場合、変動開始コマンドから特定した変動パターンに基づき、演出ゲームで導出させる演出図柄の組み合わせを決定する。
【0071】
また、副制御CPU50aは、変動開始コマンドを入力すると、入力した変動開始コマンドから特定した変動パターンに基づき、特別ゲームの実行中に実行させる演出を決定する。本実施形態において、特別ゲームの実行中に実行させる演出の決定割合は、変動開始コマンドから特定した変動パターンに応じて異ならされている。そして、副制御CPU50aは、決定した演出を実行させるように演出表示装置12、スピーカSp、及び装飾ランプLaを制御する。以下の説明では、演出表示装置12、スピーカSp、及び装飾ランプLaをまとめて「演出装置群」と示す場合がある。
【0072】
その後、副制御CPU50aは、変動終了コマンドの入力を契機として、演出ゲームを終了させ、演出図柄の組み合わせを導出させるように演出表示装置12を制御する。なお、副制御CPU50aは、変動開始コマンドを入力したことを契機として変動時間の計測を開始し、変動開始コマンドから特定した変動パターンに定められた変動時間が経過したことを契機に演出ゲームを終了させるようにしてもよい。つまり、主制御基板40から変動終了コマンドを出力せずに、演出ゲームの終了を制御してもよい。
【0073】
次に、大当り遊技に関する制御について説明する。
副制御CPU50aは、オープニングコマンドを入力すると、大当り遊技中の演出のうちオープニング演出を実行させるように演出装置群を制御する。また、副制御CPU50aは、ラウンドコマンドを入力すると、大当り遊技中の演出のうちラウンド演出を実行させるように演出装置群を制御する。また、副制御CPU50aは、エンディングコマンドを入力すると、大当り遊技中の演出のうちエンディング演出を行わせるように演出装置群を制御する。
【0074】
次に、本実施形態のパチンコ遊技機10において、演出表示装置12で表示される各種の画像について、副制御CPU50aによる制御とともに説明する。
図4に示すように、本実施形態において、副制御CPU50aは、背景画像G10を演出表示装置12に表示させる制御が可能である。背景画像G10は、第1演出図柄EZ1及び第2演出図柄EZ2よりも遊技者から見て奥側に位置する態様で表示される。具体的に、背景画像G10は、第1演出図柄EZ1及び第2演出図柄EZ2よりも遊技者から見て奥側のレイヤに表示される。即ち、本実施形態において、背景画像G10は、演出図柄の背景として表示される画像であると言える。本実施形態において、演出表示装置12が表示可能な背景画像G10は、複数種類ある。
【0075】
具体的に、副制御CPU50aは、現在の遊技の状況に応じた種類の背景画像G10を表示させるように演出表示装置12を制御する。例えば、副制御CPU50aは、変動ゲームの実行中又は待機状態中であるときには、現在の遊技状態に応じて異なる種類の背景画像G10を表示させるようにしてもよい。また、例えば、副制御CPU50aは、大当り遊技中であるときには、変動ゲームの実行中又は待機状態中であるときとは異なる種類の背景画像G10を表示させるようにしてもよい。
【0076】
また、副制御CPU50aは、保留中の変動ゲーム及び実行中の変動ゲームを示すゲーム情報を演出表示装置12に表示させる制御が可能である。本実施形態において、実行中の変動ゲームを示すゲーム情報G0は、演出表示装置12の画像表示部GHのうち、実行中の変動ゲーム用の表示領域である実行中表示領域HR0に表示される。また、本実施形態において、保留中の変動ゲームを示すゲーム情報G1~G4は、演出表示装置12の画像表示部GHのうち、保留中の変動ゲーム用の表示領域である保留中表示領域HR1に表示される。ゲーム情報G0~G4は、背景画像G10よりも遊技者から見て手前側に位置する態様で表示される。具体的に、ゲーム情報G0~G4は、背景画像G10よりも遊技者から見て手前側のレイヤに表示される。
【0077】
保留中表示領域HR1において、ゲーム情報G1~G4は、該ゲーム情報に対応する変動ゲームが保留された順序にしたがって表示される。例えば、本実施形態では、最先に保留された変動ゲームに対応するゲーム情報G1が、保留中表示領域HR1において最も左に表示される。そして、2番目に保留された変動ゲームに対応するゲーム情報G2は、左から2番目に表示され、3番目に保留された変動ゲームに対応するゲーム情報G3は、左から3番目に表示され、4番目に保留された変動ゲームに対応するゲーム情報G4は、左から4番目に表示される。
【0078】
具体的に、副制御CPU50aは、現在の遊技状態が非時短状態であって、第1特別ゲームの実行中であるときには、ゲーム情報G0を実行中表示領域HR0に表示させるように制御する。さらに、副制御CPU50aは、現在の遊技状態が非時短状態であって、第1保留数コマンドを入力したときには、該第1保留数コマンドから特定した第1特別保留数に応じた数のゲーム情報を保留中表示領域HR1に表示させるように制御する。このため、例えば、非時短状態中に第1特別ゲームが実行されている場合、実行中表示領域HR0には、実行中の第1特別ゲームに対応するゲーム情報G0が表示される。また、非時短状態中であって、第1特別保留数が「2」である場合、保留中表示領域HR1には、最先に保留された第1特別ゲームに対応するゲーム情報G1と、2番目に保留された第1特別ゲームに対応するゲーム情報G2とが表示される。
【0079】
また、副制御CPU50aは、現在の遊技状態が時短状態であって、第2特別ゲームの実行中であるときには、ゲーム情報G0を実行中表示領域HR0に表示させるように制御する。さらに、副制御CPU50aは、現在の遊技状態が時短状態であって、第2保留数コマンドを入力したときには、該第2保留数コマンドから特定した第2特別保留数に応じた数のゲーム情報を保留中表示領域HR1に表示させるように制御する。
【0080】
このように、本実施形態では、現在の遊技状態が非時短状態であるときには、各表示領域HR0,HR1において、第1特別ゲームを示すゲーム情報が表示される一方で、現在の遊技状態が時短状態であるときには、各表示領域HR0,HR1において、第2特別ゲームを示すゲーム情報が表示される。
【0081】
また、副制御CPU50aは、現在の第1特別保留数を示す第1保留数画像G21と、現在の第2特別保留数を示す第2保留数画像G22と、を演出表示装置12に表示させる制御が可能である。本実施形態において、第1保留数画像G21と、第2保留数画像G22とは、遊技の進行に関する進行画像に相当する。第1保留数画像G21は、演出表示装置12の画像表示部GHのうち第1保留数表示領域HR11に表示される。第2保留数画像G22は、演出表示装置12の画像表示部GHのうち第2保留数表示領域HR12に表示される。第1保留数画像G21及び第2保留数画像G22は、背景画像G10よりも遊技者から見て手前側に位置する態様で表示される。具体的に、第1保留数画像G21及び第2保留数画像G22は、背景画像G10よりも遊技者から見て手前側のレイヤに表示される。
【0082】
具体的に、副制御CPU50aは、第1保留数コマンドを入力すると、該第1保留数コマンドから特定した第1特別保留数を示すように第1保留数画像G21を更新する。また、副制御CPU50aは、第2保留数コマンドを入力すると、該第2保留数コマンドから特定した第2特別保留数を示すように第2保留数画像G22を更新する。
【0083】
次に、本実施形態のパチンコ遊技機10において実行可能な演出について、副制御CPU50aによる制御とともに説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10は、ゲーム情報G0の表示態様を段階的に変化させることにより、実行中の変動ゲームが大当りとなる期待度(以下、大当り期待度と示す)を示唆する段階変化演出を実行可能である。
【0084】
本実施形態において、ゲーム情報G0の表示態様は、6種類ある。具体的に、ゲーム情報G0の表示態様には、「?」の記号を模した表示態様と、「注目」の文字列を模した表示態様と、「好機」の文字列を模した表示態様と、「激熱」の文字列を模した表示態様と、「灼熱」の文字列を模した表示態様と、「祝福」の文字列を模した表示態様と、がある。
【0085】
図5に示すように、本実施形態の副制御ROM50bには、段階変化演出においてゲーム情報G0の表示態様が変化する順序を定めた複数種類の演出パターンが記憶されている。
【0086】
第1演出パターンは、ゲーム情報G0の表示態様が「?」の記号を模した表示態様から変化しないことを定めた演出パターンである。即ち、第1演出パターンは、段階変化演出が実行されない演出パターンとしても理解できる。
【0087】
第2演出パターン、第3演出パターン、第5演出パターン、第8演出パターン、及び第12演出パターンは、ゲーム情報G0の表示態様が1回変化することを定めた演出パターンである。例えば、第2演出パターンでは、ゲーム情報G0の表示態様が「?」の記号を模した表示態様から「注目」の文字列を模した表示態様に変化することが定められている。
【0088】
第4演出パターン、第6演出パターン、第7演出パターン、第9演出パターン、第10演出パターン、第11演出パターン、第13演出パターン、第14演出パターン、及び第15演出パターンは、ゲーム情報G0の表示態様が2回変化することを定めた演出パターンである。例えば、第4演出パターンでは、ゲーム情報G0の表示態様が「?」の記号を模した表示態様から「注目」の文字列を模した表示態様に変化した後、さらに「好機」の文字列を模した表示態様に変化することが定められている。
【0089】
副制御CPU50aは、変動開始コマンドを入力すると、該変動開始コマンドから特定した変動パターンに基づいて段階変化演出の演出パターンを決定する。このとき、副制御CPU50aは、特定した変動パターンの種類に応じて異なる決定割合で段階変化演出の演出パターンを決定する。
【0090】
具体的に、副制御CPU50aは、はずれ変動パターンを特定した場合と、大当り変動パターンを特定した場合とで、異なる決定割合で演出パターンを決定する。言い換えれば、副制御CPU50aは、実行中の変動ゲームの結果に基づいて演出パターンを決定する。これにより、本実施形態では、段階変化演出において、各演出パターンに定められた順序でゲーム情報G0の表示態様が変化した場合の大当り期待度を異ならせることができる。
【0091】
例えば、副制御CPU50aは、はずれ変動パターンを特定した場合、第1演出パターン~第11演出パターンの何れかを決定する。言い換えれば、副制御CPU50aは、はずれ変動パターンを特定した場合、第12演出パターン~第15演出パターンを決定しない。即ち、本実施形態では、変動ゲームがはずれとなる場合には、ゲーム情報G0の表示態様が「祝福」の文字列を模した表示態様に変化しない。
【0092】
また、例えば、副制御CPU50aは、はずれ変動パターンを特定した場合と、大当り変動パターンを特定した場合と、の少なくとも一方において、ゲーム情報G0の最終的な表示態様が「激熱」となる第5演出パターン~第7演出パターンの各演出パターンの決定確率を異ならせる。即ち、本実施形態では、最終的なゲーム情報G0の表示態様が同一となる場合であっても、大当り期待度が異なることがある。
【0093】
そして、副制御CPU50aは、決定した演出パターンに基づいて段階変化演出を実行させるように制御する。
以下、
図6を用いて、段階変化演出を実行させるための副制御CPU50aの制御について、段階変化演出の演出態様の具体的な一例とともに説明する。
【0094】
図6(a)に示すように、副制御CPU50aは、段階変化演出において、演出パターンに定められた表示態様でゲーム情報G0を表示させるように演出表示装置12を制御する。この例では、「好機」の文字列を模した表示態様でゲーム情報G0が表示されている。
【0095】
続いて、
図6(b)に示すように、副制御CPU50aは、第1演出図柄EZ1をリーチの図柄組み合わせで一旦停止表示させた後に、ゲーム情報G0の表示態様が変化することを示唆するキャラクタ画像G30を表示させるように演出表示装置12を制御する。そして、副制御CPU50aは、予め定めた態様でキャラクタ画像G30を動作させるように演出表示装置12を制御する。本実施形態において、キャラクタ画像G30は、装飾画像に相当する。
【0096】
本実施形態において、キャラクタ画像G30は、演出表示装置12の画像表示部GHにおいて、第1演出図柄EZ1と重畳する位置に表示される一方で、第2演出図柄EZ2とは重畳しない位置に表示される。さらに、キャラクタ画像G30は、演出表示装置12の画像表示部GHにおいて、第1保留数画像G21及び第2保留数画像G22とは重畳しない位置に表示される。
【0097】
図7に示すように、本実施形態の段階変化演出において表示可能なキャラクタ画像G30は、複数種類ある。複数種類のキャラクタ画像G30は、モチーフとなるキャラクタや、キャラクタの動作などがそれぞれ異なる。例えば、本実施形態において、キャラクタ画像G30には、キャラクタAをモチーフとした画像と、キャラクタBをモチーフとした画像と、キャラクタCをモチーフとした画像と、キャラクタDをモチーフとした画像と、がある。
【0098】
本実施形態の段階変化演出において表示されるキャラクタ画像G30の種類は、段階変化演出における変化前のゲーム情報G0の表示態様に応じて決定される。例えば、副制御CPU50aは、段階変化演出における変化前のゲーム情報G0の表示態様が「?」の記号を模した表示態様である場合には、キャラクタ画像G30としてキャラクタAをモチーフとした画像を表示させるように制御する。副制御CPU50aは、変化前のゲーム情報G0の表示態様が「注目」の文字列を模した表示態様である場合には、キャラクタ画像G30としてキャラクタBをモチーフとした画像を表示させるように制御する。副制御CPU50aは、変化前のゲーム情報G0の表示態様が「好機」の文字列を模した表示態様である場合には、キャラクタ画像G30としてキャラクタCをモチーフとした画像を表示させるように制御する。副制御CPU50aは、変化前のゲーム情報G0の表示態様が「激熱」の文字列を模した表示態様である場合には、キャラクタ画像G30としてキャラクタDをモチーフとした画像を表示させるように制御する。
【0099】
なお、上述したように、段階変化演出においてゲーム情報G0の表示態様が変化する順序を定めた演出パターンは、実行中の変動ゲームの結果に基づいて決定される。このため、本実施形態の段階変化演出において表示されるキャラクタ画像G30の種類は、実行中の変動ゲームの結果に基づいて決定されるといえる。
【0100】
その後、
図6(c)に示すように、副制御CPU50aは、キャラクタ画像G30の動作に合わせてエフェクト画像G31を表示させるように制御する。本実施形態のエフェクト画像G31は、演出表示装置12の画像表示部GHがひび割れたように見せる態様で表示される画像である。本実施形態において、エフェクト画像G31は、特定画像に相当する。本実施形態の段階変化演出では、画像表示部GHに表示されている画像に重畳する態様でエフェクト画像G31が表示されることにより、演出表示装置12に表示されている画像の視認性が低下される。即ち、本実施形態において、段階変化演出におけるエフェクト画像G31の表示は、画像表示部GHに表示されている画像のうち少なくとも一部の画像の視認性を低下させる特定演出として把握できる。
【0101】
具体的に、本実施形態において、エフェクト画像G31は、背景画像G10に重畳する態様で表示される。即ち、本実施形態において、段階変化演出では、キャラクタ画像G30が表示された後にエフェクト画像G31が表示されることにより、背景画像G10の視認性が低下するといえる。また、本実施形態において、エフェクト画像G31は、第1演出図柄EZ1及び各ゲーム情報G0~G4の各画像に重畳する態様で表示される。具体的に、エフェクト画像G31は、ひび割れのエフェクトの一部が、第1演出図柄EZ1が表示される第1図柄表示領域ZR1、ゲーム情報G0が表示される実行中表示領域HR0、及びゲーム情報G1~G4が表示される保留中表示領域HR1内に位置する態様で表示される。即ち、本実施形態において、段階変化演出では、キャラクタ画像G30が表示された後にエフェクト画像G31が表示されることにより、第1演出図柄EZ1及び各ゲーム情報G0~G4の各画像の視認性が低下するといえる。
【0102】
一方で、エフェクト画像G31は、第2演出図柄EZ2、第1保留数画像G21、及び第2保留数画像G22の各画像とは重畳しない位置に表示される。具体的に、エフェクト画像G31は、ひび割れのエフェクトが、第2演出図柄EZ2が表示される第2図柄表示領域ZR2、第1保留数画像G21が表示される第1保留数表示領域HR11、及び第2保留数画像G22が表示される第2保留数表示領域HR12内には位置しない態様で表示される。即ち、本実施形態において、段階変化演出では、キャラクタ画像G30が表示された後にエフェクト画像G31が表示された場合であっても、第2演出図柄EZ2、第1保留数画像G21、及び第2保留数画像G22の各画像を視認可能である。
【0103】
図7に示すように、本実施形態の段階変化演出においてエフェクト画像G31が表示されるときの表示態様は、複数種類ある。具体的に、本実施形態において、エフェクト画像G31の表示態様には、演出表示装置12の画像表示部GHのひび割れの態様が異なる複数種類の表示態様がある。例えば、本実施形態において、エフェクト画像G31の表示態様には、それぞれひび割れの態様が異なる第1態様と、第2態様と、第3態様と、第4態様と、がある。
【0104】
本実施形態の段階変化演出において表示されるエフェクト画像G31の表示態様は、表示されたキャラクタ画像G30の種類と、段階変化演出における変化後のゲーム情報G0の表示態様と、に応じて決定される。例えば、副制御CPU50aは、段階変化演出においてキャラクタ画像G30としてキャラクタAをモチーフとした画像が表示された場合であって、変化後のゲーム情報G0の表示態様が「注目」、「好機」、又は「激熱」の文字列を模した表示態様である場合には、エフェクト画像G31の表示態様として第1態様を決定する。副制御CPU50aは、段階変化演出においてキャラクタ画像G30としてキャラクタBをモチーフとした画像が表示された場合であって、変化後のゲーム情報G0の表示態様が「好機」又は「激熱」の文字列を模した表示態様である場合には、エフェクト画像G31の表示態様として第2態様を決定する。副制御CPU50aは、段階変化演出においてキャラクタ画像G30としてキャラクタCをモチーフとした画像が表示された場合であって、変化後のゲーム情報G0の表示態様が「激熱」の文字列を模した表示態様である場合には、エフェクト画像G31の表示態様として第3態様を決定する。このように、本実施形態の段階変化演出では、キャラクタ画像G30の表示態様に応じて、エフェクト画像G31の表示態様が異なる。言い換えれば、本実施形態の段階変化演出では、キャラクタ画像G30の表示態様に応じて、画像表示部GHに表示されている画像の視認性を低下させるときの演出態様が異なると言える。
【0105】
また、副制御CPU50aは、変化後のゲーム情報G0の表示態様が「灼熱」又は「祝福」の文字列を模した表示態様である場合には、段階変化演出においてキャラクタ画像G30の種類にかかわらず、エフェクト画像G31の表示態様として第4態様を決定する。
【0106】
その後、
図6(d)に示すように、副制御CPU50aは、キャラクタ画像G30及びエフェクト画像G31を非表示とするように演出表示装置12を制御する。またこのとき、副制御CPU50aは、ゲーム情報G0の表示態様を変化させるように制御する。この例では、ゲーム情報G0の表示態様が「好機」の文字列を模した表示態様から「激熱」の文字列を模した表示態様に変化される。
【0107】
そして、副制御CPU50aは、段階変化演出においてゲーム情報G0の表示態様を変化させた後に、特定のリーチ演出を実行させる場合と、特定のリーチ演出を実行させることなく、一旦停止表示させた第1演出図柄EZ1を再び変動表示させる場合と、がある。具体的に、副制御CPU50aは、変化後のゲーム情報G0の表示態様が、演出パターンに定められた最終の表示態様である場合には、特定のリーチ演出を実行させるように制御する。特定のリーチ演出を実行させる場合、副制御CPU50aは、第2演出図柄EZ2をリーチの図柄組み合わせで一旦停止表示させるように制御する。一方、副制御CPU50aは、変化後のゲーム情報G0の表示態様が、演出パターンに定められた最終の表示態様ではない場合には、特定のリーチ演出を実行させることなく、一旦停止表示させた第1演出図柄EZ1を再び変動表示させるように制御する。即ち、副制御CPU50aは、今回の段階変化演出においてゲーム情報G0の表示態様がさらに変化される場合には、特定のリーチ演出を実行させることなく、一旦停止表示させた第1演出図柄EZ1を再び変動表示させるように制御する。
【0108】
以上のような制御により、本実施形態のパチンコ遊技機10では、変動ゲームの実行中に段階変化演出を実行可能である。
また、本実施形態では、段階変化演出の実行中に新たな変動ゲームの実行が保留された場合、該段階変化演出の実行中に第1保留数画像G21及び第2保留数画像G22の表示態様を変化可能である。
【0109】
例えば、
図8に示すように、段階変化演出においてキャラクタ画像G30及びエフェクト画像G31が表示されているときに、第1始動入賞センサSE1により遊技球が検知されたことを契機として新たに第1特別ゲームの実行が保留されたものとする(
図8(a))。この場合、副制御CPU50aは、第1保留数コマンドの入力を契機として、該第1保留数コマンドから特定した第1特別保留数を示すように第1保留数画像G21の表示態様を変化させる(
図8(b))。また、副制御CPU50aは、非時短状態中であるときには、第1保留数コマンドの入力を契機として、第1特別保留数に応じた数のゲーム情報G1~G4を表示させる。また、図示しないが、段階変化演出においてキャラクタ画像G30及びエフェクト画像G31が表示されているときに、第2始動入賞センサSE2により遊技球が検知されたことを契機として新たに第2特別ゲームの実行が保留されたときも同様に、副制御CPU50aは、第2保留数画像G22の表示態様を変化させる。また、副制御CPU50aは、時短状態中であるときには、第2保留数コマンドの入力を契機として、第2特別保留数に応じた数のゲーム情報G1~G4を表示させる。即ち、本実施形態において、第1保留数画像G21及び第2保留数画像G22の表示態様は、段階変化演出におけるエフェクト画像G31の表示中に変化する場合がある。
【0110】
本実施形態の効果について説明する。
(1)段階変化演出では、画像表示部GHに表示される各種の画像の視認性を低下させることで遊技者の注意を引くことができる。その上で、第1保留数画像G21及び第2保留数画像G22は段階変化演出の実行中も視認可能とすることで、遊技者に対して現在の特別保留数を適切に知らせることができる。このため、遊技に対する興趣の低下を抑制できる。
【0111】
(2)特に、段階変化演出では、画像表示部GHに表示される各種の画像のうち一部の画像に重畳してエフェクト画像G31が表示されるため、エフェクト画像G31に注目させて段階変化演出を楽しませることができる。一方で、第1保留数画像G21及び第2保留数画像G22は、エフェクト画像G31と重畳しない位置に表示可能であるため、遊技者に対して現在の特別保留数を適切に知らせることができる。
【0112】
(3)エフェクト画像G31は、背景画像G10に重畳するように表示されるため、遊技者の注意をより効果的に引き付けることができる。
(4)段階変化演出におけるエフェクト画像G31の表示中であっても、第1保留数画像G21及び第2保留数画像G22の表示態様を変化可能であるため、より適切に現在の特別保留数を知らせることができる。
【0113】
(5)段階変化演出において、エフェクト画像G31の表示により第1演出図柄EZ1の視認性を低下させることで遊技者の注意を引きつつも、第2演出図柄EZ2はエフェクト画像G31の表示中も視認可能とすることで、遊技者に対して変動ゲームの結果を示唆することができる。
【0114】
(6)段階変化演出において、エフェクト画像G31は、キャラクタ画像G30が表示された後に表示されるため、遊技者の注意をより効果的に引きつけることができる。
(7)特に、段階変化演出では、実行中の特別ゲームの結果に基づいて決定された種類のキャラクタ画像G30が表示されるため、特別ゲームの結果に注目する遊技者を楽しませることができる。
【0115】
(8)また、キャラクタ画像G30は、第1保留数画像G21及び第2保留数画像G22と重畳しない位置に表示可能であるため、遊技者に対して現在の特別保留数を適切に知らせることができる。
【0116】
(9)段階変化演出では、キャラクタ画像G30の種類に応じて異なる表示態様でエフェクト画像G31が表示される。これによれば、キャラクタ画像G30の表示態様と、エフェクト画像G31の表示態様とを関連付けて段階変化演出を実行できるため、遊技者をさらに楽しませることができる。
【0117】
上述した実施形態は、以下のように変更して実施することができる。なお、上述した実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0118】
・
図9(a)及び
図9(b)に示すように、段階変化演出の実行中に第2演出図柄EZ2の表示態様を変化可能としてもよい。例えば、副制御CPU50aは、今回の段階変化演出におけるゲーム情報G0の表示態様の変化の後に特定のリーチ演出を実行させる場合、段階変化演出においてキャラクタ画像G30及びエフェクト画像G31が表示されているときに、第2演出図柄EZ2をリーチの図柄組み合わせで一旦停止表示させるようにしてもよい。即ち、第2演出図柄EZ2の表示態様は、段階変化演出におけるエフェクト画像G31の表示中に変化する場合があってもよい。これによれば、エフェクト画像G31が表示されることにより第1演出図柄EZ1を視認しにくい場合であっても、特定のリーチ演出が実行されることを第2演出図柄EZ2の表示態様によって認識させることができる。
【0119】
・段階変化演出において表示可能なキャラクタ画像G30の種類は、適宜変更してもよい。また、段階変化演出において表示可能なキャラクタ画像G30は、1種類であってもよい。
【0120】
・段階変化演出において表示するキャラクタ画像G30の決定態様は、適宜変更してもよい。副制御CPU50aは、段階変化演出における変化前のゲーム情報G0の表示態様にかかわらず、表示するキャラクタ画像G30の種類を決定してもよい。例えば、副制御CPU50aは、入力した変動開始コマンドから特定した変動パターンの種類に応じて異なる決定割合でキャラクタ画像G30の種類を決定することにより、表示されたキャラクタ画像G30の種類に応じて実行中の変動ゲームにおける大当り期待度を示唆するようにしてもよい。また、副制御CPU50aは、実行中の変動ゲームの結果にかかわらず、所定の抽選によりキャラクタ画像G30の種類を決定してもよい。
【0121】
・副制御CPU50aは、段階変化演出においてキャラクタ画像G30を表示させた後に、エフェクト画像G31の表示前又は表示時にキャラクタ画像G30を非表示とするように制御してもよい。また、副制御CPU50aは、段階変化演出においてキャラクタ画像G30を表示させないように制御してもよい。
【0122】
・段階変化演出におけるエフェクト画像G31の表示態様は、適宜変更してもよい。また、段階変化演出におけるエフェクト画像G31の表示態様は、1種類であってもよい。
・段階変化演出におけるエフェクト画像G31の表示態様の決定態様は、適宜変更してもよい。副制御CPU50aは、表示されたキャラクタ画像G30の種類と、段階変化演出における変化後のゲーム情報G0の表示態様と、にかかわらず、エフェクト画像G31の表示態様を決定してもよい。例えば、副制御CPU50aは、入力した変動開始コマンドから特定した変動パターンの種類に応じて異なる決定割合でエフェクト画像G31の表示態様を決定することにより、エフェクト画像G31の表示態様に応じて実行中の変動ゲームにおける大当り期待度を示唆するようにしてもよい。また、副制御CPU50aは、実行中の変動ゲームの結果にかかわらず、所定の抽選によりエフェクト画像G31の表示態様を決定してもよい。
【0123】
・エフェクト画像G31は、演出表示装置12の画像表示部GHがひび割れたように見せる態様で表示される画像でなくてもよい。例えば、エフェクト画像G31は、演出表示装置12の画像表示部GHにノイズがかかるように見せる態様で表示される画像であってもよいし、演出表示装置12の画像表示部GHが暗転するように見せる態様で表示される画像であってもよい。即ち、エフェクト画像G31は、演出表示装置12の画像表示部GHに表示される画像のうち少なくとも一部の画像の視認性を低下させる態様で表示されるようになっていればよく、その詳細な態様は適宜変更可能である。
【0124】
・段階変化演出においてエフェクト画像G31の表示中も視認可能となる進行画像は、第1保留数画像G21及び第2保留数画像G22に限らず、他の画像であってもよい。例えば、遊技球の発射が推奨される領域を報知する報知画像や、所定の操作手段の操作を指示する操作指示画像など、遊技の進行方法を示す画像であってもよい。
【0125】
・進行画像は、段階変化演出においてエフェクト画像G31が表示される場合に少なくとも視認可能であればよく、エフェクト画像G31が表示されていないときと比較して視認性が低下するように制御されていてもよい。
【0126】
・演出表示装置12の画像表示部GHに表示される各画像の表示位置は、適宜変更してもよい。例えば、ゲーム情報G0~G4は、エフェクト画像G31と重畳しない位置に表示されるようにしてもよい。同様に、第1演出図柄EZ1は、エフェクト画像G31と重畳しない位置に表示されるようにしてもよい。また、第1保留数画像G21及び第2保留数画像G22は、エフェクト画像G31と重畳する位置に表示されるようにしてもよい。同様に、第2演出図柄EZ2は、エフェクト画像G31と重畳する位置に表示されるようにしてもよい。即ち、段階変化演出では、演出表示装置12の画像表示部GHに表示されている画像のうち少なくとも一部の画像の視認性が低下されるようになっていればよく、何れの画像の視認性が低下されるかは適宜変更可能である。
【0127】
・エフェクト画像G31は、第1保留数表示領域HR11に重畳する一方で、第1保留数画像G21そのものには重畳しないようになっていてもよい。また、エフェクト画像G31は、該エフェクト画像G31の縁部が第1保留数表示領域HR11に重畳する一方で、第1保留数画像G21そのものには重畳しないようになっていてもよい。言い換えれば、エフェクト画像G31は、該エフェクト画像G31の縁部以外の部分が第1保留数画像G21に重畳する一方で、縁部が第1保留数画像G21に重畳しないようになっていてもよい。エフェクト画像G31の縁部とは、エフェクト画像G31の境界部である。例えば、エフェクト画像G31がひび割れのエフェクトである場合、エフェクト画像G31の縁部は、ひび割れのエフェクトにおけるひびの部分に相当する。また、エフェクト画像G31と、第2保留数表示領域HR12及び第2保留数画像G22との関係についても、同様に変更してもよい。
【0128】
・エフェクト画像G31は、第1保留数画像G21及び第2保留数画像G22よりも遊技者から見て奥側のレイヤに表示されるようになっていてもよい。これによれば、例えばエフェクト画像G31がひび割れのエフェクトである場合に、該エフェクト画像G31の縁部に相当するひびの部分と、第1保留数画像G21の示す数字の線及び第2保留数画像G22の示す数字の線とが重畳することで、第1保留数画像G21及び第2保留数画像G22を視認しにくくなることを抑制できる。
【0129】
・エフェクト画像G31は、該エフェクト画像G31の縁部が第1保留数画像G21と第2保留数画像G22の間に表示されるようになっていてもよい。この場合、例えばエフェクト画像G31がひび割れのエフェクトである場合に、該エフェクト画像G31の縁部に相当するひびの部分と、第1保留数画像G21の示す数字の線及び第2保留数画像G22の示す数字の線とが重畳することで、第1保留数画像G21及び第2保留数画像G22を視認しにくくなることを抑制できる。これによれば、第1保留数画像G21及び第2保留数画像G22について、数字を模した画像の周囲を縁取りしたり、数字を模した画像の周囲の色を異ならせたりしない場合であっても、第1保留数画像G21及び第2保留数画像G22を視認しやすくできる。
【0130】
・エフェクト画像G31は、第2図柄表示領域ZR2に重畳する一方で、第2演出図柄EZ2そのものには重畳しないようになっていてもよい。また、エフェクト画像G31は、該エフェクト画像G31の縁部が第2図柄表示領域ZR2に重畳する一方で、第2演出図柄EZ2そのものには重畳しないようになっていてもよい。言い換えれば、エフェクト画像G31は、該エフェクト画像G31の縁部以外の部分が第2演出図柄EZ2に重畳する一方で、縁部が第2演出図柄EZ2に重畳しないようになっていてもよい。
【0131】
・エフェクト画像G31は、第2演出図柄EZ2よりも遊技者から見て奥側のレイヤに表示されるようになっていてもよい。これによれば、例えばエフェクト画像G31がひび割れのエフェクトである場合に、該エフェクト画像G31の縁部に相当するひびの部分と、第2演出図柄EZ2の示す数字の線とが重畳することで、第2演出図柄EZ2を視認しにくくなることを抑制できる。
【0132】
・エフェクト画像G31は、該エフェクト画像G31の縁部が第2演出図柄EZ2の各図柄の間に表示されるようになっていてもよい。この場合、例えばエフェクト画像G31がひび割れのエフェクトである場合に、該エフェクト画像G31の縁部に相当するひびの部分と、第2演出図柄EZ2の示す数字の線とが重畳することで、第2演出図柄EZ2を視認しにくくなることを抑制できる。これによれば、第2演出図柄EZ2について、数字を模した画像の周囲を縁取りしたり、数字を模した画像の周囲の色を異ならせたりしない場合であっても、第2演出図柄EZ2を視認しやすくできる。
【0133】
・第1保留数画像G21及び第2保留数画像G22は、数字を模した画像でなくてもよく、例えば、平仮名や片仮名、漢字などを模した画像であってもよいし、これらを組み合わせた画像であってもよい。また、第1保留数画像G21及び第2保留数画像G22は、数字や漢字などの文字にキャラクタなどの意匠を組み合わせた画像であってもよい。同様に、第2演出図柄EZ2は、数字を模した画像でなくてもよく、例えば、平仮名や片仮名、漢字などを模した画像であってもよいし、これらを組み合わせた画像であってもよい。また、第2演出図柄EZ2は、数字や漢字などの文字にキャラクタなどの意匠を組み合わせた画像であってもよい。第1保留数画像G21、第2保留数画像G22、及び第2演出図柄EZ2以外の画像についても同様に変更してもよい。
【0134】
・副制御CPU50aは、段階変化演出においてエフェクト画像G31が表示されるときには、背景画像G10を非表示とするように制御してもよい。
・副制御CPU50aは、段階変化演出においてエフェクト画像G31の表示中には、第1保留数画像G21及び第2保留数画像G22の表示態様が変化しないように制御してもよい。同様に、副制御CPU50aは、段階変化演出においてエフェクト画像G31の表示中には、第2演出図柄EZ2の表示態様が変化しないように制御してもよい。
【0135】
・段階変化演出では、ゲーム情報G0の表示態様が変化した回数に応じて大当り期待度が示唆されるようにしてもよい。この場合、段階変化演出においてゲーム情報G0が最終的に変化される表示態様は、実行中の変動ゲームの結果にかかわらず決定されるようにしてもよい。即ち、段階変化演出では、段階変化演出においてゲーム情報G0が最終的に変化される表示態様にかかわらず、ゲーム情報G0の表示態様が変化した回数に応じて大当り期待度が示唆されるようにしてもよい。また、段階変化演出では、ゲーム情報G0の表示態様が変化した回数にかかわらず、段階変化演出においてゲーム情報G0が最終的に変化される表示態様に応じて大当り期待度が示唆されるようにしてもよい。
【0136】
・段階変化演出において表示態様が変化される画像は、実行中の変動ゲームを示すゲーム情報G0でなくてもよく、適宜変更してもよい。例えば、段階変化演出において表示態様が変化される画像は、背景画像G10であってもよいし、段階変化演出で表示される専用の画像であってもよい。
【0137】
・段階変化演出の実行タイミングは、適宜変更してもよい。例えば、段階変化演出は、該段階変化演出において大当り期待度が示唆される変動ゲームの保留中に実行されるようにしてもよい。
【0138】
・段階変化演出において示唆される内容は、適宜変更可能である。例えば、段階変化演出では、保留中の変動ゲームの大当り期待度を示唆する演出であってもよいし、保留中の変動ゲームの中に大当りとなる変動ゲームが含まれているか否かを示唆する演出であってもよい。
【0139】
・大当り抽選に当選する確率を定めた確率状態として、2種類以上の確率状態を備えたパチンコ遊技機10に具体化してもよい。即ち、確率変動機能を備えたパチンコ遊技機10に具体化してもよい。
【0140】
・時短状態として、2種類以上の時短状態を備えたパチンコ遊技機10に具体化してもよい。また、パチンコ遊技機10の遊技状態として、時短状態を備えていないパチンコ遊技機10に具体化してもよい。即ち、第2始動入賞口15への遊技球の入球率が向上する入球率向上状態を備えていないパチンコ遊技機10に具体化してもよい。
【0141】
・副制御基板50をサブ統括制御基板とし、副制御基板50とは別に、演出表示装置12を専門に制御する表示制御基板と、スピーカSpを専門に制御する音声制御基板と、装飾ランプLaを専門に制御するランプ制御基板と、を個別に設けてもよい。また、表示制御基板と、音声制御基板と、ランプ制御基板と、のうち一部または全部の基板を同一の基板としてもよい。また、副制御CPU50aは、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
【0142】
・パチンコ遊技機10は、主制御基板40の機能と副制御基板50の機能とを統合した単一の制御基板を備えてもよい。また、主制御基板40の機能は、複数の基板に分割して実現してもよい。主制御CPU41aは、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
【0143】
・第1特別ゲームと第2特別ゲームとは、各始動入賞口14,15への遊技球の入球順序に従って実行されてもよく、同時に並行して実行されてもよい。また、第2特別ゲームを省略してもよい。
【0144】
・演出ゲームを実行しないパチンコ遊技機10に具体化してもよい。この場合、演出表示装置12に特別図柄を表示するとよい。
本実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
【0145】
(付記1)図柄を変動させて行う変動ゲームを実行可能な遊技機において、画像を表示する表示部を有する表示手段と、前記表示手段を制御する表示制御手段と、を備え、前記表示手段は、遊技の進行に関する進行画像を表示可能であるとともに、前記表示部に表示されている画像のうち少なくとも一部の画像の視認性を低下させる特定演出を実行可能であり、前記特定演出では、所定の装飾画像が表示された後に前記表示部に表示されている画像の視認性が低下されるようになっており、前記装飾画像の表示態様は、複数種類あり、前記特定演出において表示される前記装飾画像の表示態様は、前記変動ゲームの結果に基づいて決定されるようになっており、前記進行画像は、前記特定演出の実行中も視認可能であることを特徴とする遊技機。
【0146】
(付記2)前記装飾画像は、前記進行画像と重畳しない位置に表示可能である付記1に記載の遊技機。
(付記3)前記進行画像の表示態様は、前記特定演出の実行中に変化する場合がある付記1又は付記2に記載の遊技機。
【0147】
(付記4)前記特定演出では、前記表示部に表示されている画像のうち少なくとも一部の画像に重畳して特定画像が表示されるようになっており、前記進行画像は、前記特定画像と重畳しない位置に表示可能である付記1~付記3のうち何れか1つに記載の遊技機。
【符号の説明】
【0148】
EZ1…第1演出図柄 EZ2…第2演出図柄 G0~G4…ゲーム情報 G10…背景画像 G21…第1保留数画像(進行画像) G22…第2保留数画像(進行画像) G30…キャラクタ画像(装飾画像) G31…エフェクト画像(特定画像) GH…画像表示部(表示部) HD…発射ハンドル HR0…実行中表示領域 HR1…保留中表示領域 HR11…第1保留数表示領域 HR12…第2保留数表示領域 La…装飾ランプ SE1…第1始動入賞センサ SE2…第2始動入賞センサ SE3…カウントセンサ SE4…ゲートセンサ SL1…第1ソレノイド SL2…第2ソレノイド Sp…スピーカ W…センター枠 YB…遊技盤 YBa…遊技領域 YBb…開口窓 ZR1…第1図柄表示領域 ZR2…第2図柄表示領域 10…パチンコ遊技機 11…枠体 11a…設置枠 11b…搭載枠 11c…施錠装置 12…演出表示装置(表示手段) 13…情報表示装置 13a…第1特別図柄表示部 13b…第2特別図柄表示部 13c…第1特別保留表示部 13d…第2特別保留表示部 13e…普通図柄表示部 13f…普通保留表示部 14…第1始動入賞口 15…第2始動入賞口 16…普通可動片 17…大入賞口 18…特別開閉片 25…ゲート 40…主制御基板 41…マイクロプロセッサ 41a…主制御CPU 41b…主制御ROM 41c…主制御RAM 50…副制御基板 50a…副制御CPU(表示制御手段) 50b…副制御ROM 50c…副制御RAM