(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024005762
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】浴槽装置
(51)【国際特許分類】
F24H 15/196 20220101AFI20240110BHJP
A47K 3/00 20060101ALI20240110BHJP
A61H 33/00 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
F24H15/196 301Z
A47K3/00 D
A61H33/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022106122
(22)【出願日】2022-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100123630
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】坪井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 知子
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 慧
(72)【発明者】
【氏名】榎 将剛
(72)【発明者】
【氏名】宇野 涼子
(72)【発明者】
【氏名】市川 由有
【テーマコード(参考)】
3L024
4C094
【Fターム(参考)】
3L024CC11
3L024EE02
3L024GG02
3L024GG05
3L024GG06
3L024GG42
3L024GG50
3L024HH17
4C094AA01
4C094BB14
4C094DD14
4C094EE31
4C094FF02
4C094GG03
(57)【要約】
【課題】比較的短時間の入浴であっても、入浴者の就寝時における体温を適正な温度に設定しやすい浴槽装置を提供する。
【解決手段】本発明は、浴槽装置(1)であって、浴槽本体(2)と、この浴槽本体内に貯留されている湯水の温度を取得する湯水温度取得部(62)と、湯水の温度よりも高い温感刺激、及び湯水の温度よりも低い涼感刺激を入浴者の身体の特定部位に与える温冷熱装置と、気温に関する情報を取得する環境温度取得部(56)と、この環境温度取得部により取得された気温の情報に基づいて、温冷熱装置を制御する制御部(64)と、を有し、制御部は、環境温度取得部により取得された気温が第1の温度よりも低い場合には、温冷熱装置を制御して入浴者に温感刺激を与え、環境温度取得部により取得された気温が第2の温度以上である場合には、温冷熱装置を制御して入浴者に涼感刺激を与えることを特徴としている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入浴者に温感刺激及び涼感刺激を与えることができる浴槽装置であって、
湯水を貯留するための浴槽本体と、
この浴槽本体内に貯留されている湯水の温度を取得する湯水温度取得部と、
この湯水温度取得部により取得された湯水の温度よりも高い温感刺激、及び湯水の温度よりも低い涼感刺激を入浴者の身体の特定部位に与える温冷熱装置と、
気温に関する情報を取得する環境温度取得部と、
この環境温度取得部により取得された気温の情報に基づいて、上記温冷熱装置を制御する制御部と、を有し、
上記制御部は、上記環境温度取得部により取得された気温が第1の温度よりも低い場合には、上記温冷熱装置を制御して入浴者に温感刺激を与え、上記環境温度取得部により取得された気温が第2の温度以上である場合には、上記温冷熱装置を制御して入浴者に涼感刺激を与えることを特徴とする浴槽装置。
【請求項2】
上記温冷熱装置は、上記浴槽本体内に貯留されている湯水の水面よりも上方に配置されており、入浴者の身体の、上記浴槽本体内に貯留されている湯水の水面よりも上側の部位に温感刺激及び涼感刺激を与える請求項1記載の浴槽装置。
【請求項3】
上記制御部は、上記温冷熱装置を制御して、入浴者が上記浴槽本体内に入った後、所定時間経過した後で、入浴者への涼感刺激又は温感刺激の付与を開始させる請求項1又は2に記載の浴槽装置。
【請求項4】
さらに、入浴者が上記浴槽本体内に入った後の、入浴者の身体温度の変化量を取得する身体温度取得部を有し、上記所定時間は、入浴者が上記浴槽本体内に入った後の入浴者の身体温度の変化量に応じて変化する請求項3記載の浴槽装置。
【請求項5】
さらに、入浴者の心拍数を取得する心拍数取得部を有し、上記制御部は、上記心拍数取得部によって取得された入浴者の心拍数に基づいて入浴者の身体温度の変化量を推定する請求項4記載の浴槽装置。
【請求項6】
さらに、入浴者が上記浴槽本体内に入った後の経過時間を検出する経過時間検出部を有し、上記制御部は、上記経過時間検出部により検出された経過時間、及び上記湯水温度取得部により取得された湯水の温度に基づいて、入浴者の身体温度の変化量を推定する請求項4記載の浴槽装置。
【請求項7】
さらに、報知部を有し、上記制御部は、入浴者に涼感刺激又は温感刺激を所定時間付与した後、上記報知部により、入浴者に出浴を促す請求項3記載の浴槽装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽装置に関し、特に、入浴者に温感刺激及び涼感刺激を与えることができる浴槽装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2020-106964号公報(特許文献1)には、入浴システムが記載されている。この入浴システムにおいては、制御手段により、現時刻または入浴予定時刻から就寝予定時刻までの就寝前時間に基づいて入浴者の深部体温の体温上昇目標温度が決定され、就寝前時間が短い場合には、長い場合よりも体温上昇目標温度が低く設定される。そして、この体温上昇目標温度が達成されるように、浴槽内の湯水の温度が調整される。また、制御手段は、入浴者の深部体温が入浴によって体温上昇目標温度だけ上昇したタイミングで出浴を促すように、報知を行う。これにより、入浴可能な時間に対して入浴者の就寝予定時刻までの時間が短い場合であっても、入浴者の安眠を促し、睡眠障害の改善、防止を図っている。
【0003】
また、特開2015-25581号公報(特許文献2)には、風呂装置が記載されている。この風呂装置においては、浴槽内の湯水の温度を、入浴者の入浴直前の深部体温よりも低く、且つ入浴者の入浴直前における身体各部の体表面温度以上の初期温度に設定する。さらに、この風呂装置は、入浴者が初期温度の湯に所定の入浴時間以上入浴した後、入浴したままの状態で浴槽に張られた湯の温度を昇温させて最終温度にし、入浴を終えることができるように構成されている。これにより、入浴者の眠気を誘い、入浴者は安眠を確保することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-106964号公報
【特許文献2】特開2015-25581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1及び2記載の発明においては、浴槽内の湯水の温度を制御することにより、入浴者の深部体温を入眠に適した体温にしようとしているため、体温を変化させるのに時間を要し、短時間で入浴者の体温を所望の体温に設定するのが難しいという問題がある。また、入浴者の出浴時の体温が所定の温度となるように設定したとしても、夏季等、気温が高い場合には、出浴時に入浴者の深部体温が入眠に適した温度まで低下しにくいという問題がある。一方、冬期等、気温が低い場合には、出浴時に入浴者の体温が入眠に適した温度となるように入浴者の深部体温を上昇させるためには時間を要するという問題がある。
【0006】
従って、本発明は、比較的短時間の入浴であっても、環境温度によらず入浴者の就寝時における体温を適正な温度に設定しやすい浴槽装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明は、入浴者に温感刺激及び涼感刺激を与えることができる浴槽装置であって、湯水を貯留するための浴槽本体と、この浴槽本体内に貯留されている湯水の温度を取得する湯水温度取得部と、この湯水温度取得部により取得された湯水の温度よりも高い温感刺激、及び湯水の温度よりも低い涼感刺激を入浴者の身体の特定部位に与える温冷熱装置と、気温に関する情報を取得する環境温度取得部と、この環境温度取得部により取得された気温の情報に基づいて、温冷熱装置を制御する制御部と、を有し、制御部は、環境温度取得部により取得された気温が第1の温度よりも低い場合には、温冷熱装置を制御して入浴者に温感刺激を与え、環境温度取得部により取得された気温が第2の温度以上である場合には、温冷熱装置を制御して入浴者に涼感刺激を与えることを特徴としている。
【0008】
このように構成された本発明においては、湯水温度取得部により、浴槽本体内に貯留された湯水の温度が取得され、温冷熱装置により、湯水の温度よりも高い温感刺激、及び湯水の温度よりも低い涼感刺激が入浴者の身体の特定部位に与えられる。制御部は、環境温度取得部によって取得された気温に関する情報に基づいて、温冷熱装置を制御する。制御部は、気温が第1の温度よりも低い場合には、入浴者に温感刺激を与え、気温が第2の温度以上である場合には、入浴者に涼感刺激を与える。
【0009】
入浴者は、入浴により深部体温を上昇させた後、出浴し、出浴から深部体温が所定温度低下した時点で就寝すると、入眠しやすく、心地良い睡眠を得ることができる。しかしながら、本件発明者らの研究によれば、夏季等、気温が高い場合には、入浴者の深部体温は出浴後に低下しにくく、就寝時になっても深部体温が十分に低下せず入眠しにくい場合があることを見出した。一方、冬期等、気温が低い場合には、入浴者の深部体温は出浴後に直ぐに低下し、就寝時には寒さを感じて入眠しにくい場合があることを見出した。
【0010】
上記のように構成された本発明によれば、気温が第1の温度よりも低い場合には、入浴者に温感刺激が与えられるので、就寝時までに深部体温が低下し過ぎるのを防止することができ、心地良く入眠することができる。一方、気温が第2の温度以上である場合には、入浴者に涼感刺激が与えられるので、出浴後にも深部体温が低下しやすく、就寝時までに十分に体温を低下させることができ、心地良く入眠することができる。さらに、上記のように構成された本発明によれば、温冷熱装置により、温感刺激及び涼感刺激が入浴者の身体の特定部位に与えられるので、浴槽本体内の湯水の温度を変化させて、入浴者の全身に温感又は涼感刺激を付与する場合に比べ、短時間で、効率的に入浴者の深部体温を変化させることができる。このため、比較的短時間の入浴であっても、環境温度によらず入浴者の就寝時における体温を、容易に適正な温度に設定することができる。
【0011】
本発明において、好ましくは、温冷熱装置は、浴槽本体内に貯留されている湯水の水面よりも上方に配置されており、入浴者の身体の、浴槽本体内に貯留されている湯水の水面よりも上側の部位に温感刺激及び涼感刺激を与える。
【0012】
このように構成された本発明によれば、温冷熱装置により、入浴者の身体の、浴槽本体内に貯留されている湯水の水面よりも上側の部位に温感刺激及び涼感刺激が与えられるので、浴槽本体内の湯水から露出している入浴者の皮膚に直接温感刺激及び涼感刺激を与えることができる。このため、浴槽本体内の湯水を介して刺激を与える場合よりも、迅速に温感刺激及び涼感刺激を与え、入浴者の深部体温を変化させることができる。
【0013】
本発明において、好ましくは、制御部は、温冷熱装置を制御して、入浴者が浴槽本体内に入った後、所定時間経過した後で、入浴者への涼感刺激又は温感刺激の付与を開始させる。
【0014】
入浴者が浴槽本体内に入った直後は、入浴者の深部体温と、浴槽本体内の湯水の温度が大きく乖離している場合がある。このような状態で涼感刺激や温感刺激を付与すると、入浴者に不快感を与えてしまう場合がある。上記のように構成された本発明によれば、所定時間経過した後で、入浴者への涼感刺激又は温感刺激の付与が開始されるので、入浴者は入浴を楽しむことができる。また、所定時間経過後には、入浴者の深部体温が浴槽本体内の湯水の温度に近づいているため、涼感刺激や温感刺激により入浴者に不快感を与えずに、入浴者の深部体温を入眠に適した温度に設定することができる。
【0015】
本発明において、好ましくは、さらに、入浴者が浴槽本体内に入った後の、入浴者の身体温度の変化量を取得する身体温度取得部を有し、上記所定時間は、入浴者が浴槽本体内に入った後の入浴者の身体温度の変化量に応じて変化する。
【0016】
例えば、入浴時における入浴者の身体温度が極度に低下していた場合には、所定時間経過した後であっても、入浴者の身体温度が浴槽本体内の湯水の温度に十分に近づいていない場合がある。上記のように構成された本発明によれば、入浴者が浴槽本体内に入った後、涼感刺激又は温感刺激の付与が開始されるまでの所定時間が、入浴者の身体温度の変化量に応じて変化するので、入浴者の身体温度が十分に上昇した状態で涼感刺激や温感刺激を付与することによって、より効果的に入眠に適した体温変化に導くことができる。
【0017】
本発明において、好ましくは、さらに、入浴者の心拍数を取得する心拍数取得部を有し、制御部は、心拍数取得部によって取得された入浴者の心拍数に基づいて入浴者の身体温度の変化量を推定する。
【0018】
このように構成された本発明によれば、心拍数取得部によって取得された入浴者の心拍数に基づいて入浴者の身体温度の変化量を推定するので、入浴者に負担をかけることなく、入浴者の身体温度の変化量を取得することができる。
【0019】
本発明において、好ましくは、さらに、入浴者が浴槽本体内に入った後の経過時間を検出する経過時間検出部を有し、制御部は、経過時間検出部により検出された経過時間、及び湯水温度取得部により取得された湯水の温度に基づいて、入浴者の身体温度の変化量を推定する。
【0020】
このように構成された本発明によれば、経過時間及び湯水の温度に基づいて、入浴者の身体温度の変化量が推定されるので、入浴中の入浴者に入浴姿勢を強要することなく、入浴者の身体温度の変化量を取得することができる。
【0021】
本発明において、好ましくは、さらに、報知部を有し、制御部は、入浴者に涼感刺激又は温感刺激を所定時間付与した後、報知部により、入浴者に出浴を促す。
【0022】
このように構成された本発明によれば、入浴者に涼感刺激又は温感刺激を所定時間付与した後、報知部により入浴者に出浴を促すので、入浴者の身体温度が入眠に適した温度になったとき入浴者を出浴させることができ、より効果的に入浴者を入眠させることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の浴槽装置によれば、比較的短時間の入浴であっても、入浴者の就寝時における体温を容易に適正な温度に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の実施形態による浴槽装置を設置した浴室全体を示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態による浴槽装置における吐水装置への湯水の供給系統を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態による浴槽装置に備えられている電極の構造を示す断面図である。
【
図4】本発明の実施形態による浴槽装置に備えられている制御ユニットのブロック図である。
【
図5】本発明の実施形態による浴槽装置において、心拍数取得部によって取得された入浴者の心電波形の一例を示す図である。
【
図6】入浴者の心拍数と、入浴者の深部体温との関係の一例を示すグラフである。
【
図7】本発明の実施形態による浴槽装置の作用を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の実施形態による浴槽装置により温感刺激を与えた場合の作用の一例を示すタイムチャートである。
【
図9】本発明の実施形態による浴槽装置により涼感刺激を与えた場合の作用の一例を示すタイムチャートである。
【
図10】湯水が貯留された浴槽本体内に入浴者が入った後の経過時間に対する深部体温の変化の一例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態による浴槽装置を説明する。
図1は、本発明の実施形態による浴槽装置を設置した浴室全体を示す斜視図である。
図2は、本発明の実施形態による浴槽装置における吐水装置への湯水の供給系統を示す図である。
図3は、本発明の実施形態による浴槽装置に備えられている電極の構造を示す断面図である。
図4は、本発明の実施形態による浴槽装置に備えられている制御ユニットのブロック図である。
【0026】
図1に示すように、本発明の実施形態の浴槽装置1は、浴槽本体2と、この浴槽本体2に取り付けられた負電極4a、正電極4b、及び基準電極4cと、を有し、浴室R内に設置される。さらに、浴槽装置1は、浴槽本体2の上縁に設けられた吐水装置8と、浴槽本体2内の湯水を吐水装置8及び浴槽吐水口9aから吐出させる循環装置9と、循環装置9等を制御する制御ユニット6と、を有する。また、浴室Rの壁面には、リモコン6aが取り付けられており、このリモコン6aにより、浴槽装置1の吐水装置8を操作できるようになっている。さらに、浴室Rの外には、気温を検出するための気温センサ7が設けられており、検出された気温の情報を制御ユニット6に送信するように構成されている。この気温センサ7は、浴室R外の居室の気温(室温)を検出するように構成されているが、外気温を検出するように配置されても良い。また、リモコン6aには、報知部であるスピーカ6b(
図4)が設けられており、入浴者に種々のメッセージを伝えることができるように構成されている。なお、本実施形態においては、報知部としてスピーカ6bが設けられているが、リモコン6aの表示画面等、視覚により情報を伝達する装置により報知部を構成することもできる。また、本実施形態において、浴槽装置1は、浴室Rの一側に、壁面に接するように配置されている。
【0027】
本実施形態の浴槽装置1は、入浴者が吐水装置8を作動させることにより、浴槽本体2内に貯留されている湯水よりも温度の高い湯水又は温度の低い湯水が吐水装置8から吐出されるように構成されている。また、本実施形態において、浴槽装置1は、気温センサ7により検出された気温の情報に基づいて、吐水装置8から吐出させる湯水の温度を制御して、入浴者に涼感刺激又は温感刺激を与えるように構成されている。
【0028】
浴槽本体2は、平面視において略長方形の箱形に形成され、内部に湯水を貯留するように構成されている。本実施形態においては、浴槽本体2は、その1つの長辺、及びその両側の2つの短辺全体が、浴室Rの内壁面に接するように配置されている。また、浴槽本体2の一方の短辺を構成する内壁面は、入浴者が寄りかかるように形成された第1の内壁面である背もたれ面2aとして構成されている。さらに、浴槽本体2の底面には、浴槽本体2内の湯水を排出するための排水部(図示せず)が設けられている。また、浴室Rの内壁面に接していない側の浴槽本体2の長辺には、エプロン2bが着脱可能に取り付けられている。
【0029】
吐水装置8は、浴槽本体2の背もたれ面2aの上部に設けられ、浴槽本体2の内方に向けて湯水を吐出するように構成されている。本実施形態において、吐水装置8は、背もたれ面2a上縁に沿って延びる扁平で幅広な吐水口8aを備えており、背もたれ面2aに寄りかかった入浴者の特定の部位である首、肩、背中に向けて湯水を吐出するように構成されている。即ち、吐水装置8は、浴槽本体2内に貯留されている湯水の水面よりも上方に配置され、吐水装置8から吐出された湯水は、入浴者の身体の、水面よりも上側の部位に当てられ、入浴者に温感刺激及び涼感刺激を与えるように構成されている。
【0030】
また、吐水装置8は、循環装置9によって浴槽取水口9bから引き込まれた湯水の一部を吐水口8aから吐出させるように構成されている。このため、浴槽本体2内の湯水は、循環装置9によって吸い込まれ、吐水口8aから吐出されて浴槽本体2内に流入するように循環する。さらに、循環装置9によって浴槽取水口9bから引き込まれた湯水の一部は、浴槽本体2の背もたれ面2aに設けられた浴槽吐水口9aからも吐出される。
【0031】
負電極4a及び正電極4bは、浴槽本体2内に貯留された湯水を介して入浴者の心電信号を検出するために、浴槽本体2に取り付けられた一組の電極である。入浴者の心電信号は、これらの負電極4aと正電極4bの間の電位差の信号として取得される。負電極4a及び正電極4bからなる一組の電極は、何れも浴槽本体2の短辺を構成する背もたれ面2a上に配置されている。また、基準電極4cは、負電極4a及び正電極4bによって検出される電位の基準電位を取得するための電極であり、この電極も浴槽本体2の背もたれ面2a上に配置されている。
【0032】
また、負電極4a及び正電極4bは、背もたれ面2aの水平方向(幅方向)の中心線の左右に、中心線に対して左右対称の位置に配置されている。即ち、負電極4a及び正電極4bは、背もたれ面2a上に中心線から左右方向に夫々離間して配置されている。さらに、負電極4a及び正電極4bは、浴槽本体2内の水面よりも下側に位置するように夫々配置されている。負電極4a及び正電極4bは、浴槽本体2内の水面よりも下側であり、基準電極4cよりも上側の高さ位置に取り付けることができる。一方、基準電極4cは、背もたれ面2aの中心線上に、負電極4a及び正電極4bよりも下方に配置されている。また、基準電極4cは、必ずしも備えられていなくても良く、省略することもできる。
【0033】
次に、
図2を参照して、吐水装置8への湯水の供給系統を説明する。
まず、
図2に示すように、循環装置9は、浴槽本体2の内壁面に設けられた浴槽取水口9bから浴槽本体2内の湯水を吸い込み、吐水装置8の吐水口8aから浴槽本体2内に湯水を吐出させるように構成されている。また、浴槽取水口9bから吸い込まれた湯水の一部は、浴槽本体2の背もたれ面2aに設けられた浴槽吐水口9aから吐出される。具体的には、循環装置9は、浴槽取水口9bから湯水を吸い込み、吐水口8a及び浴槽吐水口9aから吐出させるポンプにより構成されている。
【0034】
一方、吐水装置8に対しては、浴槽本体2内に貯留された湯水の温度よりも高い温度の湯水を供給する高温湯水供給管40a、及び浴槽本体2内に貯留された湯水の温度よりも低い温度の水を供給する低温湯水供給管40bからも湯水及び水が供給される。即ち、浴槽取水口9bから吸い込まれ、循環装置9によって加圧された湯水、高温湯水供給管40aから供給された湯水、及び低温湯水供給管40bから供給された水は、何れも混合室44に導かれ、ここで混合されて吐水装置8の吐水口8aから吐出される。なお、容積の大きな特別な混合室を設けることなく、高温湯水供給管40aからの湯水と、低温湯水供給管40bからの水を管路内で合流させ、混合させることもできる。
【0035】
また、高温湯水供給管40a、低温湯水供給管40bは、夫々、高温側リニアバルブ42a、低温側リニアバルブ42bを介して混合室44に接続され、各供給管から混合室44に流入する湯水又は水の量を制御できるようになっている。さらに、本実施形態においては、高温湯水供給管40aに対しては、浴槽本体2内に貯留された湯水の温度よりも高い温度の湯水が、給湯器52から供給される。即ち、上水道54から供給された水道水は、分岐部54aにおいて分岐され、一方が給湯器52に供給され、他方は低温湯水供給管40bに直接流入する。給湯器52に供給された水道水は、浴槽本体2内に貯留された湯水の温度よりも高い温度に加熱され、高温湯水供給管40aに供給される。
【0036】
これにより、浴槽本体2内に貯留された湯水の温度よりも高い温度の湯水を吐出させる場合には、高温側リニアバルブ42aが開かれ、浴槽本体2内から吸い込まれた湯水と高温湯水供給管40aから供給された湯水が混合室44において混合され、吐水装置8から吐出される。一方、浴槽本体2内に貯留された湯水の温度よりも低い温度の湯水を吐出させる場合には、低温側リニアバルブ42bが開かれ、浴槽本体2内から吸い込まれた湯水と低温湯水供給管40bから供給された水道水が混合室44において混合され、吐水装置8から吐出される。従って、本実施形態において、高温側リニアバルブ42a、低温側リニアバルブ42b、循環装置9、及び吐水装置8は、温感刺激及び涼感刺激を入浴者の身体の特定部位に与える温冷熱装置として機能する。
【0037】
さらに、浴槽本体2内に貯留された湯水の温度は、浴槽本体2に取り付けられた浴槽温度センサ46によって検出される。また、吐水装置8から吐出すべき湯水の温度は、吐水装置8に取り付けられた吐水温度センサ48によって検出される。さらに、高温湯水供給管40aから流入する湯水の温度は、高温側温度センサ50aによって検出され、低温湯水供給管から流入する水の温度は、低温側温度センサ50bによって検出される。さらに、各湯水及び水の温度を検出するセンサは、他のセンサから得られたデータに基づいて温度を推定することにより、一部を省略することもできる。
【0038】
これらの温度センサによって検出された温度は制御ユニット6に送られ、制御ユニット6は、これらの検出温度に基づいて、高温側リニアバルブ42a及び低温側リニアバルブ42bの開度を制御し、所要の温度の湯水を吐水装置8から吐出させる。即ち、制御ユニット6は、吐水温度センサ48によって検出される温度が所要の温度となるように、高温側リニアバルブ42a及び低温側リニアバルブ42bの開度を制御する。制御ユニット6による制御の詳細については後述する。
【0039】
次に、
図3を参照して、浴槽本体2に取り付けられた各電極の構造を説明する。
なお、ここでは、負電極4aの構造を説明するが、本実施形態においては、負電極4a、正電極4b、及び基準電極4cは、何れも同一の構造を有する。
【0040】
図3に示すように、負電極4aは、電極部10と、前面パッキン12aと、背面パッキン12bと、フランジ14と、防湿チューブ16と、接続端子18と、固定ネジ20と、導線22と、シース24と、を有する。負電極4aは、浴槽本体2の背もたれ面2aの表面に露出するように取り付けられ、負電極4aと背もたれ面2aとの間の水密性がパッキンにより確保されている。
【0041】
電極部10は、導電金属製の部品であり、円板状に形成された円板部10aと、この円板部10aの背面から垂直に突出する軸部10bから構成されている。円板部10aは薄い円板状の部分であり、この円板部10aの前面が、背もたれ面2aの表面に露出し、電位を検出するように構成されている。即ち、本実施形態においては、円板部10aは、直径約15mm、厚さ約2.5mmに形成されており、この円板部10a全体が背もたれ面2aの表面上に配置されている。軸部10bは、円板部10aの背面中央から直角に延びる丸棒状の部分であり、背もたれ面2aに形成された貫通穴を通って、背もたれ面2aの裏側に突出している。また、軸部10bの中間部には雄ネジ山が形成され、先端部には接続端子18を固定するための固定部が形成されている。
【0042】
前面パッキン12aは、ゴム製の円板状の部材であり、中央には、電極部10の軸部10bを通すための円形穴が形成されている。前面パッキン12aは、電極部10の円板部10aとほぼ同一の直径を有し、円板部10aの背面側に配置される。負電極4aが背もたれ面2aに取り付けられた状態では、前面パッキン12aが、円板部10aの背面と背もたれ面2aの表面の間に挟まれ、背もたれ面2aと負電極4aの間の水密性が確保されている。
【0043】
背面パッキン12bは、ゴム製の円板状の部材であり、中央には、電極部10の軸部10bを通すための円形穴が形成されている。背面パッキン12bは、前面パッキン12aよりも大きい、フランジ14の大径部とほぼ同一の直径を有し、背もたれ面2aの背面側に配置される。負電極4aが背もたれ面2aに取り付けられた状態では、背面パッキン12bが、背もたれ面2aの背面とフランジ14の端面の間に挟まれ、背もたれ面2aの裏側の表面と負電極4aの間の水密性が確保されている。なお、前面パッキン12a及び背面パッキン12bは、樹脂製であっても良い。
【0044】
フランジ14は、大径部及び小径部からなる段付きの円柱状の部材であり、中心には、電極部10の軸部10bを貫通させるための雌ネジ山が形成されている。フランジ14の大径部は、背面パッキン12bとほぼ同一の直径に形成され、小径部は、大径部の背面側に形成されている。フランジ14を貫通するように形成された雌ネジ山と、電極部10の軸部10bに形成された雄ネジ山を螺合させ、締め付けることによって、フランジ14の大径部側の端面により、背面パッキン12bが背もたれ面2aの背面に押し付けられ、水密性が確保される。
【0045】
防湿チューブ16は、ゴム製の細長いチューブであり、電極部10の軸部10b先端や、接続端子18、導線22等を覆うように配置される。防湿チューブ16の先端には、フランジ14の小径部が嵌め込まれ、防湿チューブ16内への湿気の侵入が防止される。なお、防湿チューブ16は、樹脂製であっても良い。
【0046】
接続端子18は導電金属製の部品であり、導線22の先端に圧着接続されている。接続端子18の先端部には、固定ネジ20を通すための穴が設けられており、この穴を通った固定ネジ20を、電極部10の軸部10b先端に設けられた雌ネジに螺合させることにより、接続端子18を電極部10に固定することができる。これにより、電極部10と導線22を、着脱自在に電気的に接続することができる。
【0047】
導線22は、電極部10と制御ユニット6(
図1)を電気的に接続するための導電線であり、負電極4aから制御ユニット6まで延びている。また、導線22には、絶縁材料製のシース24が被せられ、導線22の電気絶縁性が確保されている。本実施形態においては、負電極4a、正電極4b、及び基準電極4cから夫々延びる導線22が制御ユニット6に接続され、心電信号が制御ユニット6に入力される。
【0048】
次に、
図4を参照して、本発明の実施形態による浴槽装置1に備えられている制御ユニット6の構成を説明する。
図4に示すように、制御ユニット6は、気温に関する情報を取得する環境温度取得部56と、入浴者の心拍数を取得する心拍数取得部57と、入浴者の身体温度の変化量を取得する身体温度取得部58と、浴槽に入った後の経過時間を検出する経過時間検出部60と、浴槽本体2内の湯水の温度を取得する湯水温度取得部62と、温冷熱装置を制御する制御部64と、を有する。具体的には、制御ユニット6は、マイクロプロセッサ、メモリ、インターフェイス回路、及びこれらを作動させるソフトウェア等(以上、図示せず)から構成され、上記各部の機能を実現している。
【0049】
また、
図4に示すように、制御ユニット6には、負電極4a、正電極4b、及び基準電極4cが接続され、これらによって取得された電位情報が制御ユニット6に入力される。さらに、制御ユニット6には、浴槽温度センサ46、吐水温度センサ48、高温側温度センサ50a、及び低温側温度センサ50bが接続され、これらのセンサによる検出信号が制御ユニット6に入力される。さらに、気温センサ7によって検出された気温の情報が、制御ユニット6に送信される。また、制御ユニット6には、循環装置9、高温側リニアバルブ42a、低温側リニアバルブ42b、及びスピーカ6bが接続され、制御ユニット6からの制御信号により、これらが作動される。
【0050】
環境温度取得部56は、気温センサ7によって検出され、制御ユニット6に送信された気温の情報を取得するように構成されている。なお、本実施形態においては、浴槽装置1に気温センサ7が備えられ、気温センサ7によって検出された気温の情報が環境温度取得部56によって取得されるが、浴槽装置1は必ずしも気温センサ7を備えていなくても良い。即ち、インターネット等を介して外部の情報源から気温の情報を取得するように、環境温度取得部56を構成することもできる。例えば、インターネット上で提供されている気象情報や、天気予報等から、浴槽装置1が設置されている地域の気温の情報を取得することができる。
【0051】
心拍数取得部57は、負電極4a、正電極4b、及び基準電極4cによって取得された電位の信号に基づいて、入浴者の心電信号を検出し、心電信号から入浴者の心拍数を取得するように構成されている。浴槽本体2内の入浴者の心電信号は、浴槽本体2内の湯水を介して、各電極間の電位差の信号として検出することができる。
【0052】
図5は、心拍数取得部57によって取得された入浴者の心電波形の一例を示す図である。心電信号は、負電極4aと正電極4bの間の電位差の信号として、心拍数取得部57によって取得され、
図5に示す心電波形はこれを時系列の波形として示したものである。
図5に示すように、心電波形には、振幅の大きいインパルス状のR波が周期的に現れ、単位時間当たりのR波の数をカウントすることにより、入浴者の心拍数(bpm)を取得することができる。
【0053】
次に、身体温度取得部58は、浴槽本体2の中の入浴者の身体温度を取得するように構成されている。本実施形態において、身体温度取得部58は、心拍数取得部57によって取得された入浴者の心拍数に基づいて、入浴者の深部体温を、入浴者の身体温度として推定するように構成されている。ここで、深部体温とは、入浴者の身体の内部の温度を意味し、通常、舌下温、直腸温、鼓膜温等が深部体温として測定される。
図6は、入浴者の心拍数と、入浴者の深部体温との関係の一例を示すグラフである。本実施形態において、身体温度取得部58は、
図6のような、心拍数と深部体温の関係に基づいて、入浴者の深部体温の変化量を推定している。即ち、入浴者が浴槽本体2内の湯水に浸かると、身体が温まると共に、心拍数も次第に上昇する。このため、入浴者の心拍数を検出することにより、入浴者の深部体温(身体温度)の変化量を推定することができる。
【0054】
なお、本実施形態において、身体温度取得部58は、入浴者の心拍数の変化に基づいて、入浴者の深部体温の変化を推定しているが、入浴者の体温を直接測定するように本発明を構成することもできる。例えば、サーモグラフ(図示せず)により入浴者を撮像して、入浴者の体温を検出することもできる。また、サーモグラフにより検出される体温は、入浴者の体表温度であるが、体表温度と深部体温には所定の関係が知られているため、検出された体表温から深部体温を推定することができる。或いは、入浴者が体温計を装着しながら入浴することで、入浴者の体温を測定するように本発明を構成することもできる。
【0055】
次に、経過時間検出部60は、入浴者が浴槽本体2内の湯水に浸かった後に経過した時間を検出するように構成されている。具体的には、入浴者が浴槽本体2の中に入ると、心拍数取得部57によって入浴者の心電信号が取得されるようになる。経過時間検出部60は、心拍数取得部57によって心電信号が取得されるようになると、入浴者が浴槽本体2の中に入ったと判定し、この時点からの経過時間を制御ユニット6に内蔵されたタイマー(図示せず)により積算する。なお、入浴者が浴槽本体2の中に入ったことを検知することができる任意のセンサを設けておき、このセンサにより入浴者の入浴を検知し、検知後の経過時間を計測するように本発明を構成することもできる。
【0056】
湯水温度取得部62は、浴槽温度センサ46、吐水温度センサ48、高温側温度センサ50a、及び低温側温度センサ50bから入力された検出信号に基づいて、各部の温度を取得するように構成されている。即ち、湯水温度取得部62は、浴槽温度センサ46から入力された検出信号に基づいて、浴槽本体2内に貯留されている湯水の温度を取得する。また、本実施形態においては、湯水温度取得部62によって取得された浴槽本体2内の湯水の温度を基準温度とし、基準温度よりも温度の高い湯水が吐水装置8から温感刺激として吐出され、基準温度よりも温度の低い湯水が吐水装置8から涼感刺激として吐出される。
【0057】
さらに、湯水温度取得部62は、高温側温度センサ50aから入力された検出信号に基づいて高温湯水供給管40aから供給される湯の温度を取得し、低温側温度センサ50bから入力された検出信号に基づいて低温湯水供給管40bから供給される水の温度を取得する。また、湯水温度取得部62は、吐水温度センサ48から入力された検出信号に基づいて、吐水装置8から吐出される湯水の温度を取得する。この湯水の温度を、浴槽本体2内の湯水の温度として、湯水温度取得部62によって取得されるように本発明を構成することもできる。なお、本実施形態においては、各部の温度を取得するために、夫々温度センサが設けられているが、これらの温度センサの少なくとも一部を省略し、推定された温度を浴槽本体2内の湯水の温度として、湯水温度取得部62が取得するように本発明を構成することができる。例えば、浴槽本体2内の湯水の温度が温度制御装置(図示せず)によって或る設定温度に維持されている場合には、この設定温度が浴槽本体2内の湯水の温度として、湯水温度取得部62によって取得されるように本発明を構成することもできる。
【0058】
制御部64は、環境温度取得部56により取得された気温の情報に基づいて、入浴者に温感刺激又は涼感刺激を与えるように構成されている。入浴者に温感刺激を与える場合には、制御部64は、循環装置9を作動させることにより、浴槽取水口9bから取り込まれた浴槽本体2内の湯水を吐水装置8の吐水口8aから吐出させる。また、同時に、高温側リニアバルブ42aを開弁させて、吐水口8aから吐出させる湯水に、温度の高い湯を混合する。これにより、吐水装置8の吐水口8aからは、基準温度である浴槽本体2内の湯水の温度よりも温度が高い湯水が吐出され、入浴者に温感刺激が与えられる。一方、入浴者に涼感刺激を与える場合には、浴槽本体2内の湯水を吐水装置8の吐水口8aから吐出させると共に、低温側リニアバルブ42bを開弁させて、吐水口8aから吐出させる湯水に、温度の低い水を混合する。これにより、吐水装置8の吐水口8aからは、基準温度である浴槽本体2内の湯水の温度よりも温度が低い湯水が吐出され、入浴者に涼感刺激が与えられる。
【0059】
このため、本実施形態において、吐水装置8、循環装置9、高温側リニアバルブ42a、及び低温側リニアバルブ42bは、所定の基準温度よりも高い温感刺激、及び所定の基準温度よりも低い涼感刺激を入浴者に与える温冷熱装置として機能する。また、制御部64は、環境温度取得部56により取得された気温の情報に基づいて、温冷熱装置を制御する。なお、制御部64による制御の詳細については後述する。
【0060】
次に、
図7乃至
図9を参照して、本発明の実施形態による浴槽装置1の作用を説明する。
図7は、本実施形態の浴槽装置1の作用を示すフローチャートである。
図8は、本実施形態の浴槽装置1により温感刺激を与えた場合の作用の一例を示すタイムチャートである。
図9は、本実施形態の浴槽装置1により涼感刺激を与えた場合の作用の一例を示すタイムチャートである。なお、
図7に示すフローチャートは、入浴者が浴槽本体2の中に入ったとき、即ち、制御ユニット6に内蔵された心拍数取得部57によって入浴者の心電信号が検出され始めたとき、実行が開始される。
【0061】
まず、
図7のステップS1においては、気温センサ7によって検出され、制御ユニット6に送信された気温の情報が環境温度取得部56によって取得される。また、ステップS1においては、浴槽温度センサ46によって検出された、浴槽本体2内に貯留されている湯水の温度が、制御ユニット6の湯水温度取得部62によって取得される。なお、本実施形態において、気温及び湯水の温度は、入浴者が浴槽本体2内に入ったとき取得されているが、変形例として、これらの温度の何れか一方又は両方が、入浴者が浴室R内に入ったとき取得されるように本発明を構成することもできる。この場合には、浴室Rに入室センサ(図示せず)を設けておき、入浴者が浴室R内に入ったことを検知する。
【0062】
次に、ステップS2においては、心拍数取得部57によって取得された入浴者の心拍数に基づいて、入浴者の深部体温が、身体温度として身体温度取得部58によって取得される。即ち、負電極4a及び正電極4bによって入浴者の心電信号が検出され、これに基づいて入浴者の心拍数が心拍数取得部57によって取得される。さらに、身体温度取得部58は、入浴者の心拍数に基づいて、入浴者が浴槽本体2内に入った後の身体温度(深部体温)の変化量を取得する。一般に、入浴者の身体温度(深部体温)は、浴槽本体2内に入った後上昇し、心拍数は上昇する。
【0063】
さらに、ステップS3においては、入浴者が浴槽本体2の中に入った後、入浴者の身体温度の変化量が所定値T3以上になったか否かが判断される。身体温度の変化量が所定値T3以上の場合にはステップS4に進み、身体温度の変化量が所定値T3未満の場合にはステップS2に戻る。従って、入浴者の身体温度の変化量が所定値T3以上になるまで、
図7に示すフローチャートにおいては、ステップS3→S2→S3の処理が繰り返し実行される。なお、本実施形態において、所定値T3は0.5℃に設定されている。
【0064】
図8は、浴槽装置1の作用の一例を示すタイムチャートであり、入浴者に温感刺激が付与された場合の一例が示されている。
図8に示す例では、時刻t
0において入浴者が浴槽本体2内の湯水に浸かり始めている。この時点においては、吐水装置8からの湯水の吐出は行われていない。そして、入浴者がリモコン6aを操作するか、又は時刻t
0から所定の待機時間t
wが経過すると、吐水装置8からの湯水の吐出が開始される。
図8に示す例では、時刻t
1において、所定の待機時間t
wが経過し、湯水の吐出が開始されている。なお、本実施形態において、所定の待機時間t
wは約5分に設定されている。
【0065】
時刻t
1において、制御ユニット6の制御部64は、循環装置9に制御信号を送ってこれを作動させ、吐水装置8から湯水を吐出させる。なお、この状態においては、高温側リニアバルブ42a及び低温側リニアバルブ42bは閉弁されたままにされている。このため、浴槽取水口9b(
図2)から吸入された浴槽本体2内の湯水が、そのまま吐水装置8の吐水口8aから吐出されて、入浴者の首筋や肩に当てられる。このように、本実施形態においては、入浴者が入浴を開始した後、所定の待機時間t
Wが経過すると、浴槽本体2内の湯水と同じ温度の湯水の、吐水装置8からの吐出が開始される。これに対して、変形例として、入浴者が入浴を開始した直後から湯水の吐出が開始されるように本発明を構成することもできる。
【0066】
さらに、
図8の時刻t
2において、入浴者の身体温度の変化量が所定値T3以上になると、
図7に示すフローチャートにおける処理はステップS4に進む。ステップS4においては、ステップS1において環境温度取得部56によって取得された気温が第1の温度T1よりも低いか否かが判断され、第1の温度T1よりも低い場合にはステップS5に進み、第1の温度T1以上である場合にはステップS6に進む。なお、本実施形態において、第1の温度T1は、20℃に設定されている。
【0067】
次いで、ステップS5においては、温感刺激の付与が開始される。
図8に示す例では、時刻t
2において、入浴者の身体温度の変化量が所定値T3以上となり、環境温度取得部56によって取得された気温が第1の温度T1よりも低かったため、時刻t
2から温感刺激の付与が開始されている。即ち、制御ユニット6の制御部64は、高温側リニアバルブ42aに制御信号を送り、これを所定量開弁させる。これにより、浴槽取水口9b(
図2)から吸入され、吐水装置8の吐水口8aから吐出されている浴槽本体2内の湯水に、高温湯水供給管40aから供給された温度の高い湯が混合され、吐水口8aから吐出される湯水の温度が上昇する。この結果、入浴者の首筋や肩に、温度の高い湯水が当てられ、入浴者に温感刺激が付与される。なお、本実施形態において、制御部64は、浴槽本体2内の湯水の温度よりも約4℃高い湯水が吐水装置8の吐水口8aから吐出されるように、高温側リニアバルブ42aの開度を制御する。
【0068】
このように、本実施形態においては、入浴者の入浴後直ぐに温感刺激が開始されるのではなく、所定時間経過後に温感刺激の付与が開始される。具体的には、入浴者の身体温度の変化量が所定値T3以上となった後、温感刺激等の付与が開始されている。これに対して、変形例として、入浴者が浴槽本体2内の湯水に浸かった後、所定の温まり時間th経過後に、温感刺激等の付与が開始されるように本発明を構成することもできる。この所定の温まり時間thは、例えば約5分に設定することができる。この温まり時間thは、浴槽本体2内に入った入浴者の深部体温が所定値T3(0.5℃)程度上昇するのに要する時間と同程度である。また、温感刺激等の付与を開始するタイミングは、通常の入浴者が浴槽本体2内に入っている期間の後半以降であることが好ましい。
【0069】
さらに、ステップS5において温感刺激の付与が開始された後、ステップS8が実行され、ステップS8においては、温感刺激又は涼感刺激の開始後、所定の刺激時間tSが経過したか否かが判断される。刺激時間tSが経過した場合にはステップS9に進み、刺激時間tSが経過していない場合には、ステップS8の処理が繰り返し実行される。なお、本実施形態において、所定の刺激時間tSは約2分に設定されている。
【0070】
図8に示す例では、時刻t
2における温感刺激の開始後、時刻t
3において刺激時間t
Sが経過している。刺激時間t
Sが経過すると、制御ユニット6の制御部64は、高温側リニアバルブ42aに制御信号を送り、これを閉弁させると共に、循環装置9に制御信号を送って、これを停止させる。これにより、吐水装置8の吐水口8aからの湯水の吐出が停止される。
【0071】
次いで、
図7に示すフローチャートにおいては、ステップS9が実行される。ステップS9において、制御ユニット6の制御部64は、スピーカ6b(
図4)に信号を送り、入浴者に出浴を促すメッセージの音声を出力させ、
図7に示すフローチャートの1回の処理を終了する。即ち、温感刺激を所定の刺激時間t
S付与することにより、入浴者の深部体温は十分に上昇し、気温が第1の温度T1よりも低い場合であっても、出浴後、入浴者の体温は低下しにくい状態となっている。この状態で入浴者に出浴を促すことにより、就寝時において過度に体温が低下するのを抑制することができ、入浴者は出浴後、心地良く入眠することができる。
【0072】
なお、本実施形態においては、所定の刺激時間tS温感刺激を付与した後、直ちに入浴者に出浴を促すメッセージを発生している。これに対して、変形例として、吐水装置8からの湯水の吐出を停止させ、温感刺激の付与を終了した後、所定時間後に出浴を促すメッセージが出されるように、本発明を構成することができる。例えば、温感刺激の付与終了後、1分経過後に出浴を促すメッセージが出されるように、本発明を構成することができる。温感刺激の付与終了時において、入浴者は、出浴後の入眠に最適な体温状態となっているため、その状態を保持したまま、早期に出浴することが望ましい。
【0073】
一方、
図7のステップS4において、気温が第1の温度T1以上である場合にはステップS6に進む。ステップS6においては、ステップS1において環境温度取得部56によって取得された気温が、第2の温度T2以上であるか否かが判断され、第2の温度T2以上である場合にはステップS7に進み、第2の温度T2よりも低い場合にはステップS8に進む。なお、本実施形態において、第2の温度T2は、第1の温度T1よりも高い25℃に設定されている。
【0074】
図9は、浴槽装置1により涼感刺激を与えた場合を示している。
図9に示すタイムチャートの例においては、時刻t
10において入浴者が入浴を開始し、時刻t
11において吐水装置8からの湯水の吐出が開始され、時刻t
12において入浴者の身体温度の変化量が所定値T3以上となり、
図7に示すフローチャートのステップS4以下の処理が実行されている。そして、
図9に示す例においては、環境温度取得部56によって取得された気温が第2の温度T2以上であったため、フローチャートにおける処理は、ステップS6→S7に進んでいる。このように、本実施形態においては、入浴者の入浴後直ぐに涼感刺激が開始されるのではなく、所定時間経過後に涼感刺激の付与が開始される。具体的には、入浴者の身体温度の変化量が所定値T3以上となった後、気温が第1の温度T1よりも低い場合には温感刺激が付与され、気温が第2の温度T2以上である場合には涼感刺激が付与される。また、気温が第1の温度T1と第2の温度T2の間である場合には、吐水装置8から湯水の吐出が開始されてから、温感刺激や涼感刺激を付与されることなく、浴槽本体2内の湯水の循環が継続される。
なお、気温が第1の温度T1と第2の温度T2の間である場合には、吐水装置8からの吐出を停止してもよい。
【0075】
次いで、ステップS7においては、涼感刺激の付与が開始される。
図9に示す例では、時刻t
12から涼感刺激の付与が開始されている。即ち、制御ユニット6の制御部64は、低温側リニアバルブ42bに制御信号を送り、これを所定量開弁させる。これにより、浴槽取水口9b(
図2)から吸入され、吐水装置8の吐水口8aから吐出されている浴槽本体2内の湯水に、低温湯水供給管40bから供給された温度の低い水が混合され、吐水口8aから吐出される湯水の温度が低下する。これにより、入浴者の首筋や肩に、温度の低い湯水が当てられ、入浴者に涼感刺激が付与される。なお、本実施形態において、制御部64は、浴槽本体2内の湯水の温度よりも約4℃低い湯水が吐水装置8の吐水口8aから吐出されるように、低温側リニアバルブ42bの開度を制御する。
【0076】
さらに、ステップS7において涼感刺激の付与が開始された後、ステップS8が繰り返し実行され、所定の刺激時間t
S涼感刺激が付与される。
図9に示す例では、時刻t
12における涼感刺激の開始後、時刻t
13において刺激時間t
Sが経過している。刺激時間t
Sが経過すると、吐水装置8からの湯水の吐出が停止され、ステップS9が実行される。ステップS9においては、入浴者に出浴を促すメッセージの音声が出力され、
図7に示すフローチャートの1回の処理を終了する。即ち、涼感刺激の開始後、所定の刺激時間t
Sが経過すると、入浴者は体表が冷却され、気温が第2の温度T2以上の場合であっても、出浴後、入浴者の深部体温が低下しやすくなる。このため、就寝時においても体温が過度に上昇したままになるのを抑制することができ、入浴者は心地良く入眠することができる。
【0077】
本発明の実施形態の浴槽装置1によれば、気温が第1の温度T1よりも低い場合には、入浴者に温感刺激が与えられる(
図7のステップS4→S5)ので、就寝時までに深部体温が低下し過ぎるのを防止することができ、心地良く入眠することができる。一方、気温が第2の温度T2以上である場合には、入浴者に涼感刺激が与えられる(
図7のステップS6→S7)ので、出浴後にも深部体温が低下しやすく、就寝時までに十分に体温を低下させることができ、心地良く入眠することができる。さらに、本実施形態の浴槽装置1によれば、吐水装置8からの湯水の吐出により、温感刺激及び涼感刺激が入浴者の肩や首等の身体の特定部位に与えられるので、浴槽本体2内の湯水の温度を変化させて、入浴者の全身に温感又は涼感刺激を付与する場合に比べ、短時間で、効率的に入浴者の深部体温を変化させることができる。このため、比較的短時間の入浴であっても、入浴者の就寝時における体温を、容易に適正な温度に設定することができる。
【0078】
また、本実施形態の浴槽装置1によれば、吐水装置8からの湯水の吐出により、入浴者の身体の、浴槽本体2内に貯留されている湯水の水面よりも上側の部位(肩や首等)に温感刺激及び涼感刺激が与えられるので、浴槽本体2内の湯水から露出している入浴者の皮膚に直接温感刺激及び涼感刺激を与えることができる。このため、浴槽本体2内の湯水を介して刺激を与える場合よりも、迅速に温感刺激及び涼感刺激を与え、入浴者の深部体温を変化させることができる。
【0079】
さらに、本実施形態の浴槽装置1によれば、所定時間経過した後(
図8の時刻t
2、
図9の時刻t
12)で、入浴者への涼感刺激又は温感刺激の付与が開始されるので、入浴者は入浴を楽しむことができる。また、所定時間経過後には、入浴者の深部体温が浴槽本体内の湯水の温度に近づいているため、涼感刺激や温感刺激により入浴者に不快感を与えずに、入浴者の深部体温を入眠に適した温度に設定することができる。
【0080】
また、本実施形態の浴槽装置1によれば、入浴者が浴槽本体内に入った後、涼感刺激又は温感刺激の付与が開始されるまでの所定時間(
図8の時刻t
0~t
2、
図9の時刻t
10~t
12)が、入浴者の身体温度の変化量に応じて(
図7のステップS2→S3→S2を繰り返している時間に応じて)変化するので、入浴者の身体温度が十分に上昇した状態で涼感刺激や温感刺激を付与することによって、より効果的に入眠に適した体温変化に導くことができる。
【0081】
さらに、本実施形態の浴槽装置1によれば、心拍数取得部57によって取得された入浴者の心拍数に基づいて入浴者の身体温度の変化量を推定するので、入浴中の入浴者に入浴姿勢を強要することなく、入浴者の身体温度の変化量を取得することができる。
【0082】
また、本実施形態の浴槽装置1によれば、入浴者に涼感刺激又は温感刺激を所定時間付与した後、報知部であるスピーカ6bにより入浴者に出浴を促すので、入浴者の身体温度が入眠に適した温度になったとき入浴者を出浴させることができ、より効果的に入浴者を入眠させることができる。
【0083】
以上、本発明の実施形態による浴槽装置を説明したが、上述した実施形態に種々の変更を加えることができる。特に、上述した実施形態においては、浴槽本体に設けた電極により、入浴者の心電信号を検出し、これに基づいて入浴者の身体温度の変化量を推定していた。これに対して、変形例として、制御ユニット6の制御部64が、経過時間検出部60により検出された経過時間、及び湯水温度取得部62により取得された湯水の温度に基づいて、入浴者の身体温度の変化量を推定するように本発明を構成することもできる。
【0084】
図10は、湯水が貯留された浴槽本体2内に入浴者が入った後の経過時間に対する深部体温の変化の一例を示すグラフである。
図10に示すように、入浴者の深部体温は、湯水に浸かった後、ある程度時間が経過すると上昇し始め、時間経過と共に上昇を続ける。このような経過時間と深部体温の関係に基づいて、入浴者の身体温度の変化量を推定することができる。
【0085】
この変形例によれば、経過時間及び湯水の温度に基づいて、入浴者の身体温度の変化量が推定されるので、入浴者に負担をかけることなく、入浴者の身体温度の変化量を取得することができる。
【0086】
また、上述した実施形態においては、温感刺激及び涼感刺激を入浴者に与える温冷熱装置として、吐水装置8等が備えられていた。これに対して変形例として、浴室の天井等に冷暖房装置を設け、これを浴槽本体内の湯水の温度よりも高い温風、及び湯水の温度よりも低い冷風を浴槽本体2内の入浴者に送る温冷熱装置とすることもできる。また、温冷熱装置としてミスト発生装置を設け、ミスト発生装置により、浴室内又は浴槽本体2内に浴槽本体内の湯水の温度よりも高いミスト、及び湯水の温度よりも低いミストを発生させ、入浴者に温感刺激及び涼感刺激を与えるように本発明を構成することもできる。さらに、浴槽本体2の背もたれ面2a等に、壁面を加熱及び冷却することができる加熱/冷却装置を設けておき、これを温冷熱装置として、温感刺激及び涼感刺激を入浴者に与えるように本発明を構成することもできる。
【符号の説明】
【0087】
1 浴槽装置
2 浴槽本体
2a 背もたれ面
2b エプロン
4a 負電極
4b 正電極
4c 基準電極
6 制御ユニット
6a リモコン
6b スピーカ(報知部)
7 気温センサ
8 吐水装置
8a 吐水口
9 循環装置
9a 浴槽吐水口
9b 浴槽取水口
10 電極部
10a 円板部
10b 軸部
12a 前面パッキン
12b 背面パッキン
14 フランジ
16 防湿チューブ
18 接続端子
20 固定ネジ
22 導線
24 シース
40a 高温湯水供給管
40b 低温湯水供給管
42a 高温側リニアバルブ
42b 低温側リニアバルブ
44 混合室
46 浴槽温度センサ
48 吐水温度センサ
50a 高温側温度センサ
50b 低温側温度センサ
52 給湯器
54 上水道
54a 分岐部
56 環境温度取得部
57 心拍数取得部
58 身体温度取得部
60 経過時間検出部
62 湯水温度取得部
64 制御部