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  • 特開-突入電流防止回路 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057628
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】突入電流防止回路
(51)【国際特許分類】
   G05F 1/10 20060101AFI20240418BHJP
   H03K 17/082 20060101ALI20240418BHJP
   H03K 17/687 20060101ALI20240418BHJP
   H02J 1/00 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
G05F1/10 304M
H03K17/082
H03K17/687 A
H02J1/00 309R
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022164382
(22)【出願日】2022-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】000203634
【氏名又は名称】多摩川精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100221729
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭介
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(72)【発明者】
【氏名】北原 和仁
【テーマコード(参考)】
5G165
5H410
5J055
【Fターム(参考)】
5G165BB05
5G165CA01
5G165EA01
5G165KA01
5G165LA01
5G165NA01
5G165NA02
5G165NA05
5H410CC02
5H410DD02
5H410EA11
5H410EB01
5H410EB32
5H410EB37
5H410FF03
5H410FF25
5H410LL07
5J055AX34
5J055AX44
5J055BX16
5J055CX23
5J055DX13
5J055DX22
5J055DX53
5J055EX06
5J055EY01
5J055EY10
5J055EY12
5J055EY13
5J055EY21
5J055EY28
5J055FX04
5J055FX13
5J055FX19
5J055FX34
5J055GX01
5J055GX04
(57)【要約】
【課題】電圧印加対象装置の出力側に接続されることなく設置することができる突入電流防止回路を得る。
【解決手段】この突入電流防止回路は、正極端子111に接続されたNチャンネル型FET2と、Nチャンネル型FET2に並列に接続された制限抵抗3と、Nチャンネル型FET2および制限抵抗3を介して正極端子111に接続された平滑コンデンサ4と、平滑コンデンサ4の電圧の値が予め設定された値V1以上であることを検出する電圧検出部5と、光を発する発光部6と、平滑コンデンサ4の電圧の値が予め設定された値V1以上であることを電圧検出部5が検出した場合に発光部6に光を発せさせる発光スイッチング部7と、発光部6から発せられた光を受けるフォトダイオード8と、を備え、発光部6から発せられた光をフォトダイオード8が受けることによって、フォトダイオード8がNチャンネル型FET2をオンさせる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力電源装置(11)の正極端子(111)に接続されたNチャンネル型FET(2)と、
前記Nチャンネル型FET(2)に並列に接続された制限抵抗(3)と、
前記Nチャンネル型FET(2)および前記制限抵抗(3)を介して前記正極端子(111)に接続された平滑コンデンサ(4)と、
前記平滑コンデンサ(4)に並列に接続され、前記平滑コンデンサ(4)の電圧の値が予め設定された値以上であることを検出する電圧検出部(5)と、
光を発する発光部(6)と、
前記平滑コンデンサ(4)の電圧の値が前記予め設定された値以上であることを前記電圧検出部(5)が検出した場合に前記発光部(6)に光を発せさせる発光スイッチング部(7)と、
前記発光部(6)から発せられた光を受けるフォトダイオード(8)と、
を備え、
前記発光部(6)から発せられた光を前記フォトダイオード(8)が受けることによって、前記フォトダイオード(8)が前記Nチャンネル型FET(2)をオンさせる突入電流防止回路。
【請求項2】
前記平滑コンデンサ(4)の電圧の値が前記予め設定された値以上であることを前記電圧検出部(5)が検出することを遅延させる検出遅延部(9)を備えている請求項1に記載の突入電流防止回路。
【請求項3】
前記フォトダイオード(8)は、負電極が前記Nチャンネル型FET(2)および前記制限抵抗(3)を介して前記正極端子(111)に接続され、正電極が前記Nチャンネル型FET(2)のゲートに接続されている請求項1または請求項2に記載の突入電流防止回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、突入電流防止回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、入力スイッチ部と、平滑コンデンサと、制限抵抗と、リレースイッチと、を備えた突入電流防止回路が知られている。制限抵抗およびリレースイッチは、互いに並列に接続されている。平滑コンデンサは、入力スイッチ部、制限抵抗およびリレースイッチを介して、入力電源装置に接続されている。入力スイッチ部がオンされた直後に、入力電源装置から制限抵抗を介して平滑コンデンサに電流が流れて、平滑コンデンサが充電される。これにより、入力電源装置から平滑コンデンサに突入電流が流れることが防止される。平滑コンデンサにはスイッチング電源装置が接続されており、平滑コンデンサの電圧がスイッチング電源装置に印加される。スイッチング電源装置に印加された電圧の値が予め設定された値に達した後に、スイッチング電源装置が駆動する。スイッチング電源装置が駆動することによって、リレーコイルに電流が流れて、リレースイッチがオンされる。リレースイッチがオンされることによって、入力電源装置からリレースイッチを介して平滑コンデンサに電流が流れる。これにより、入力電源装置から制限抵抗を介して平滑コンデンサに電流が流れることが抑制される。その結果、突入電流防止回路の消費電力が低減される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-323453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、スイッチング電源装置の出力側にリレーコイルが接続されている。したがって、平滑コンデンサの電圧が印加される電圧印加対象装置の出力側に突入電流防止回路の一部を接続しなければならない。電圧印加対象装置の出力側に突入電流防止回路を接続することができない場合には、突入電流防止回路を設置することができないという問題点があった。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、電圧印加対象装置の出力側に接続されることなく設置することができる突入電流防止回路を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る突入電流防止回路は、入力電源装置の正極端子に接続されたNチャンネル型FETと、Nチャンネル型FETに並列に接続された制限抵抗と、Nチャンネル型FETおよび制限抵抗を介して正極端子に接続された平滑コンデンサと、平滑コンデンサに並列に接続され、平滑コンデンサの電圧の値が予め設定された値以上であることを検出する電圧検出部と、光を発する発光部と、平滑コンデンサの電圧の値が予め設定された値以上であることを電圧検出部が検出した場合に発光部に光を発せさせる発光スイッチング部と、発光部から発せられた光を受けるフォトダイオードと、を備え、発光部から発せられた光をフォトダイオードが受けることによって、フォトダイオードがNチャンネル型FETをオンさせる。
また、この発明に係る突入電流防止回路は、平滑コンデンサの電圧の値が予め設定された値以上であることを電圧検出部が検出することを遅延させる検出遅延部をさらに備えている。
また、この発明に係る突入電流防止回路では、フォトダイオードは、負電極がNチャンネル型FETおよび制限抵抗を介して正極端子に接続され、正電極がNチャンネル型FETのゲートに接続されている。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係る突入電流防止回路によれば、電圧印加対象装置の出力側に突入電流防止回路が接続されることなく突入電流防止回路を設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る突入電流防止回路を示す回路図である。
図2図1の突入電流防止回路における平滑コンデンサへの電流経路の切り替えを示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る突入電流防止回路を示す回路図である。実施の形態1に係る突入電流防止回路は、入力スイッチ部1と、Nチャンネル型FET2と、制限抵抗3と、平滑コンデンサ4と、電圧検出部5と、発光部6と、発光スイッチング部7と、フォトダイオード8と、検出遅延部9と、保護回路部10と、を備えている。
【0010】
実施の形態1に係る突入電流防止回路は、入力電源装置11と電圧印加対象装置12との間に配置されている。実施の形態1に係る突入電流防止回路を介して、入力電源装置11から電圧印加対象装置12に電流が供給される。実施の形態1に係る突入電流防止回路は、入力電源装置11から電圧印加対象装置12に電流が供給される際に、電圧印加対象装置12に瞬間的な立ち上がりの電圧が印加されることを防止している。
【0011】
入力電源装置11は、正極端子111と、負極端子112と、を有している。入力電源装置11から出力される電流は、直流電流になっている。
【0012】
電圧印加対象装置12は、正極端子121と、負極端子122と、を有している。電圧印加対象装置12に入力される電流は、直流電流になっている。電圧印加対象装置12としては、例えば、直流電源装置が挙げられる。電圧印加対象装置12が直流電源装置である場合に、電圧印加対象装置12から図示しない電流供給対象装置に直流電流が供給される。
【0013】
入力スイッチ部1は、入力電源装置11の正極端子111に接続されている。
【0014】
Nチャンネル型FET2は、ゲートGと、ドレインDと、ソースSと、を有している。Nチャンネル型FET2は、入力電源装置11の正極端子111に接続されている。具体的には、Nチャンネル型FET2のドレインDは、入力スイッチ部1を介して、入力電源装置11の正極端子111に接続されている。
【0015】
制限抵抗3は、Nチャンネル型FET2に並列に接続されている。具体的には、制限抵抗3は、Nチャンネル型FET2のドレインDおよびソースSに接続されている。
【0016】
平滑コンデンサ4は、第1電極401と、第2電極402と、を有している。平滑コンデンサ4は、入力スイッチ部1、Nチャンネル型FET2および制限抵抗3を介して入力電源装置11の正極端子111に接続されている。具体的には、平滑コンデンサ4の第1電極401は、入力スイッチ部1、Nチャンネル型FET2および制限抵抗3を介して、入力電源装置11の正極端子111に接続されている。平滑コンデンサ4の第2電極402は、入力電源装置11の負極端子112に接続されている。したがって、入力スイッチ部1、Nチャンネル型FET2および制限抵抗3を介して、入力電源装置11から平滑コンデンサ4に電流が供給される。
【0017】
平滑コンデンサ4の第1電極401は、電圧印加対象装置12の正極端子121に接続されている。平滑コンデンサ4の第2電極402は、電圧印加対象装置12の負極端子122に接続されている。したがって、平滑コンデンサ4の電圧が電圧印加対象装置12に印加される。
【0018】
電圧検出部5は、平滑コンデンサ4に並列に接続されている。電圧検出部5は、平滑コンデンサ4の電圧の値が予め設定された値V1以上であることを検出する。
【0019】
電圧検出部5は、第1抵抗501と、第1ツェナーダイオード502と、第2ツェナーダイオード503と、第2抵抗504と、第3抵抗505と、を有している。
【0020】
第1抵抗501は、平滑コンデンサ4の第1電極401に接続されている。第3抵抗505は、平滑コンデンサ4の第2電極402に接続されている。第1抵抗501、第1ツェナーダイオード502、第2ツェナーダイオード503、第2抵抗504および第3抵抗505は、第1抵抗501、第1ツェナーダイオード502、第2ツェナーダイオード503、第2抵抗504、第3抵抗505の順に直列に接続されている。
【0021】
平滑コンデンサ4の電圧の値が、第1ツェナーダイオード502のツェナー電圧の値V2と第2ツェナーダイオード503のツェナー電圧の値V3とを加算した値以上である場合に、第1ツェナーダイオード502および第2ツェナーダイオード503に電流が流れる。したがって、第1ツェナーダイオード502のツェナー電圧の値V2と第2ツェナーダイオード503のツェナー電圧の値V3とを加算した値が、電圧検出部5が検出する予め設定された値V1になる。
【0022】
発光部6は、抵抗601と、発光ダイオード602と、を有している。抵抗601は、入力スイッチ部1、Nチャンネル型FET2および制限抵抗3を介して入力電源装置11の正極端子111に接続されている。発光ダイオード602は、発光スイッチング部7に接続されている。抵抗601および発光ダイオード602は、互いに直列に接続されている。抵抗601によって、発光ダイオード602に供給される電流の値が決められている。
【0023】
発光スイッチング部7は、トランジスタから構成されている。発光スイッチング部7は、ベースBと、エミッタEと、コレクタCと、を有している。
【0024】
発光スイッチング部7のベースBは、電圧検出部5における第2抵抗504と第3抵抗505との間の部分に接続されている。発光スイッチング部7のエミッタEは、平滑コンデンサ4の第2電極402に接続されている。
【0025】
平滑コンデンサ4の電圧の値が、第1ツェナーダイオード502のツェナー電圧の値V2と第2ツェナーダイオード503のツェナー電圧の値V3とを加算した値以上である場合に、第3抵抗505に電圧が印加される。第3抵抗505に電圧が印加されることによって、第3抵抗505に印加された電圧と同一の電圧が発光スイッチング部7におけるベースBとエミッタEとの間に印加される。
【0026】
第3抵抗505に印加される電圧の値は、発光スイッチング部7をオンさせることができる程度の電圧の値になっている。したがって、第3抵抗505に印加された電圧と同一の電圧が発光スイッチング部7におけるベースBとエミッタEとの間に印加されることによって、発光スイッチング部7がオンされる。発光スイッチング部7がオンされることによって、発光スイッチング部7におけるコレクタCとエミッタEとが互いに導通される。
【0027】
発光スイッチング部7のコレクタCは、発光部6の発光ダイオード602に接続されている。したがって、発光スイッチング部7がオンされることによって、入力電源装置11から発光ダイオード602に電流が供給され、発光ダイオード602が光を発する。
【0028】
言い換えれば、平滑コンデンサ4の電圧の値が予め設定された値V1以上であることを電圧検出部5が検出した場合に、発光スイッチング部7は、発光部6に光を発せさせる。
【0029】
フォトダイオード8は、発光部6から発せられた光を受けるように配置されている。フォトダイオード8は、正電極と、負電極と、を有している。フォトダイオード8の正電極は、Nチャンネル型FET2のゲートGに接続されている。フォトダイオード8の負電極は、入力スイッチ部1、Nチャンネル型FET2および制限抵抗3を介して、入力電源装置11の正極端子111に接続されている。
【0030】
発光部6から発せられた光をフォトダイオード8が受けることによって、フォトダイオード8の正電極の電圧は、フォトダイオード8の負電極の電圧よりも高くなる。発光部6から発せられた光をフォトダイオード8が受けることによってフォトダイオード8における正電極と負電極との間に発生する電圧の値は、Nチャンネル型FET2をオンさせることができる程度の電圧の値になっている。したがって、発光部6から発せられた光をフォトダイオード8が受けることによって、フォトダイオード8がNチャンネル型FET2をオンさせる。
【0031】
検出遅延部9は、コンデンサ901と、抵抗902と、を有している。コンデンサ901および抵抗902は、互いに並列に接続されている。コンデンサ901は、第1ツェナーダイオード502と第2ツェナーダイオード503との間の部分に接続されている。また、コンデンサ901は、平滑コンデンサ4の第2電極402に接続されている。
【0032】
平滑コンデンサ4の電圧の値が予め設定された値V1以上になることによって、第1ツェナーダイオード502および第2ツェナーダイオード503に電流が流れる。第1ツェナーダイオード502および第2ツェナーダイオード503に電流が流れることによって、第1抵抗501、第2抵抗504および第3抵抗505に電流が流れる。コンデンサ901は、第2抵抗504および第3抵抗505に電流が流れることを遅延させる。第3抵抗505に電流が流れることが遅延することによって、検出遅延部9は、平滑コンデンサ4の電圧の値が予め設定された値V1以上であることを電圧検出部5が検出することを遅延させる。
【0033】
抵抗902は、平滑コンデンサ4の電圧の値が予め設定された値V1よりも小さくなった場合に、コンデンサ901を放電させる。
【0034】
保護回路部10は、ダイオード101と、抵抗102と、を有している。ダイオード101および抵抗102は、互いに並列に接続されている。
【0035】
ダイオード101の正電極は、Nチャンネル型FET2のゲートGに接続されている。ダイオード101の負電極は、入力スイッチ部1、Nチャンネル型FET2および制限抵抗3を介して、入力電源装置11の正極端子111に接続されている。これにより、Nチャンネル型FET2において、ソースSに印加される電圧の値がゲートGに印加される電圧の値を超えることが防止されている。
【0036】
抵抗102は、フォトダイオード8がNチャンネル型FET2をオンしていない場合に、Nチャンネル型FET2においてゲートGの電圧の値をソースSの電圧の値に一致させる。
【0037】
次に、実施の形態1に係る突入電流防止回路の動作について説明する。図2は、図1の突入電流防止回路における平滑コンデンサへの電流経路の切り替えを示すタイミングチャートである。図2では、入力スイッチ部1がオフからオンに切り替えられる時刻t1と、平滑コンデンサ4の電圧と、Nチャンネル型FET2がオフからオンに切り替えられる時刻t2と、入力電源装置11から平滑コンデンサ4への電流経路との関係が示されている。
【0038】
入力スイッチ部1が時刻t1においてオンされると、入力電源装置11から制限抵抗3を介して平滑コンデンサ4に電流が供給される。これにより、平滑コンデンサ4の電圧が増加するとともに、入力電源装置11から平滑コンデンサ4に突入電流が流れることが防止される。
【0039】
平滑コンデンサ4の電圧の増加が継続することによって、時刻t2において、平滑コンデンサ4の電圧の値が予め設定された値V1以上になる。平滑コンデンサ4の電圧の値が予め設定された値V1以上になることによって、電圧検出部5は、平滑コンデンサ4の電圧の値が予め設定された値V1以上であることを検出する。
【0040】
平滑コンデンサ4の電圧の値が予め設定された値V1以上であることを電圧検出部5が検出することによって、発光スイッチング部7は、発光部6に光を発せさせる。
【0041】
発光部6が光を発することによって、フォトダイオード8は、発光部6から発せられた光を受ける。これにより、フォトダイオード8は、Nチャンネル型FET2をオンさせる。
【0042】
Nチャンネル型FET2がオンすることによって、入力電源装置11からNチャンネル型FET2を介して平滑コンデンサ4に電流が供給される。これにより、入力電源装置11から制限抵抗3を介して平滑コンデンサ4に電流が流れることが抑制される。その結果、突入電流防止回路の消費電力が低減される。
【0043】
以上説明したように、実施の形態1に係る突入電流防止回路は、Nチャンネル型FET2と、制限抵抗3と、平滑コンデンサ4と、電圧検出部5と、発光部6と、発光スイッチング部7と、フォトダイオード8と、を備えている。Nチャンネル型FET2は、入力電源装置11の正極端子111に接続されている。制限抵抗3は、Nチャンネル型FET2に並列に接続されている。平滑コンデンサ4は、Nチャンネル型FET2および制限抵抗3を介して入力電源装置11の正極端子111に接続されている。電圧検出部5は、平滑コンデンサ4に並列に接続されており、平滑コンデンサ4の電圧の値が予め設定された値V1以上であることを検出する。発光部6は、光を発する。発光スイッチング部7は、平滑コンデンサ4の電圧の値が予め設定された値V1以上であることを電圧検出部5が検出した場合に発光部6に光を発せさせる。フォトダイオード8は、発光部6から発せられた光を受ける。発光部6から発せられた光をフォトダイオード8が受けることによって、フォトダイオード8がNチャンネル型FET2をオンさせる。この構成によれば、平滑コンデンサ4の電圧の値が予め設定された値V1以上である場合に、Nチャンネル型FET2がオンされて、入力電源装置11からNチャンネル型FET2を介して平滑コンデンサ4に電流が供給される。これにより、電圧印加対象装置12の出力側に突入電流防止回路が接続されることなく突入電流防止回路を設置することができる。
【0044】
また、実施の形態1に係る突入電流防止回路は、検出遅延部9を備えている。検出遅延部9は、平滑コンデンサ4の電圧の値が予め設定された値V1以上であることを電圧検出部5が検出することを遅延させる。この構成によれば、電圧検出部5は、平滑コンデンサ4の電圧の値が予め設定された値V1以上であることをより正確に検出することができる。
【0045】
また、実施の形態1に係る突入電流防止回路では、フォトダイオード8は、負電極がNチャンネル型FET2および制限抵抗3を介して入力電源装置11の正極端子111に接続され、正電極がNチャンネル型FET2のゲートGに接続されている。この構成によれば、Nチャンネル型FET2のゲートGとソースSとの間に電圧を印加するために新たな電源装置を設置する必要がない。これにより、突入電流防止回路の構成を簡素化することができる。
【0046】
なお、実施の形態1に係る突入電流防止回路では、発光スイッチング部7がトランジスタから構成されている突入電流回路防止回路の構成について説明した。しかしながら、発光スイッチング部7は、トランジスタに限らず、平滑コンデンサ4の電圧の値が予め設定された値V1以上であることを電圧検出部5が検出した場合に発光部6に光を発せさせることができる部材であればよい。
【0047】
また、実施の形態1に係る突入電流防止回路では、検出遅延部9が抵抗902を有している構成について説明した。しかしながら、検出遅延部9が抵抗902を有していない構成であってもよい。
【0048】
また、実施の形態1に係る突入電流防止回路では、発光部6が発光ダイオード602を有している構成について説明した。しかしながら、発光部6は、発光ダイオード602に限らず、電流が供給されることによって光を発する部材を有していればよい。
【0049】
以上、好ましい実施の形態1に係る突入電流防止回路について説明したが、上述した実施の形態1に係る突入電流防止回路に制限されることはない。特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態1に係る突入電流防止回路に種々の変形および変換を加えることができる。
【符号の説明】
【0050】
1 入力スイッチ部、2 Nチャンネル型FET、3 制限抵抗、4 平滑コンデンサ、5 電圧検出部、6 発光部、7 発光スイッチング部、8 フォトダイオード、9 検出遅延部、10 保護回路部、11 入力電源装置、12 電圧印加対象装置、101 ダイオード、102 抵抗、111 正極端子、112 負極端子、121 正極端子、122 負極端子、401 第1電極、402 第2電極、501 第1抵抗、502 第1ツェナーダイオード、503 第2ツェナーダイオード、504 第2抵抗、505 第3抵抗、601 抵抗、602 発光ダイオード、901 コンデンサ、902 抵抗。
図1
図2