(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057636
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20240418BHJP
F21S 8/04 20060101ALI20240418BHJP
F21V 3/00 20150101ALI20240418BHJP
F21V 3/02 20060101ALI20240418BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240418BHJP
【FI】
F21S2/00 439
F21S2/00 443
F21S8/04
F21V3/00 320
F21V3/02
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022164396
(22)【出願日】2022-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 公史
(72)【発明者】
【氏名】松田 康平
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼▲濱▼ 佑一郎
【テーマコード(参考)】
3K244
【Fターム(参考)】
3K244AA05
3K244BA08
3K244BA26
3K244BA27
3K244BA31
3K244CA03
3K244DA01
3K244DA19
3K244DA22
3K244DA27
3K244EA02
3K244EA12
3K244EA34
3K244FA04
3K244FA07
3K244FA08
(57)【要約】
【課題】小型化、軽量化及び構造の簡素化を実現できる、照明器具を提供する。
【解決手段】照明器具は、第1の光を出射する拡散板と、拡散板を発光させる第1発光モジュールと、を有する第1光源ユニットと、第2の光を出射する導光板と、導光板に光を照射する第2発光モジュールと、を有する第2光源ユニットと、を備えている。拡散板は、周方向に異なる角度で連続して隣り合う少なくとも2つの日向発光面を有している。第1光源ユニットは、1つの第1発光モジュールによって、隣り合う日向発光面を発光させる構成である。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の光を出射する拡散板と、前記拡散板を発光させる第1発光モジュールと、を有する第1光源ユニットと、
第2の光を出射する導光板と、前記導光板に光を照射する第2発光モジュールと、を有する第2光源ユニットと、を備え、
前記拡散板は、周方向に異なる角度で連続して隣り合う少なくとも2つの日向発光面を有しており、
前記第1光源ユニットは、1つの前記第1発光モジュールによって、隣り合う前記日向発光面を発光させる構成である、照明器具。
【請求項2】
前記拡散板は、台形に形成された4枚の板を組み合わせて上下が開口した四角錐台とされ、4面のうち隣り合う一方の2面を前記日向発光面とされ、4面のうち隣り合う他方の2面を影面とされている、請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記第1発光モジュールは、基板と、前記基板に実装された複数の発光素子と、を有しており、
前記基板は、1つの前記日向発光面の表面に沿って前記基板の板面が対向する基板対向部と、前記基板対向部の一端から真っすぐ延伸され、異なる前記日向発光面の対向する基板突出部と、を有しており、
前記発光素子は、前記基板対向部に実装され、1つの前記日向発光面に光を出射する第1発光素子と、前記基板突出部に実装され、異なる前記日向発光面に光を出射する第2発光素子と、を有している、請求項1又は2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記拡散板は、平面視が長方形状とされ、長さが長い一方の前記日向発光面に沿って前記第1発光モジュールの前記基板対向部が配置されている、請求項3に記載の照明器具。
【請求項5】
前記第2発光素子は、前記第1発光素子よりも密集させて前記基板に実装されている、請求項3に記載の照明器具。
【請求項6】
前記第1光源ユニットは、前記基板対向部が対向する前記日向発光面とは異なる前記日向発光面の表面に沿って配置され、前記第2発光素子から出射された光を反射させて異なる前記日向発光面を発光させる反射部材を更に有している、請求項3に記載の照明器具。
【請求項7】
前記反射部材は、前記第2発光素子から離れるにつれて反射率が高くなるように形成されている、請求項6に記載の照明器具。
【請求項8】
前記第1光源ユニットは、前記基板対向部が対向する前記日向発光面とは異なる前記日向発光面の表面に沿って配置され、前記第2発光素子から出射された光を異なる前記日向発光面に均一に導く導光部材を有している、請求項3に記載の照明器具。
【請求項9】
前記第2発光素子の一部又は全部には、配光レンズが実装されている、請求項3に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、天井等の被取付部に取り付けられる照明器具が知られている。例えば、特許文献1に開示された照明器具では、光を出射する拡散カバーと、該拡散カバーを発光させる白色用LEDモジュールと、を有する光源モジュールを備えている。拡散カバーは、台形に形成された4枚の板を組み合わせて上下が開口した四角錐台とされている。白色用LEDモジュールは、拡散カバーの4つの板面のうち、複数の板面に沿って対向させて複数配置され、対向する板面に白色の光を出射する構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された照明器具は、外観の見た目が良く、且つ照明器具全体からの光の一様性または連続性を実現することができる構成ではある。しかしながら、白色用LEDモジュールが拡散カバーの複数の板面に沿って対向させて複数配置されているので、小型化、軽量化及び構造の簡素化を考慮した場合、改良の余地がある。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、小型化、軽量化及び構造の簡素化を実現できる、照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る照明器具は、第1の光を出射する拡散板と、前記拡散板を発光させる第1発光モジュールと、を有する第1光源ユニットと、第2の光を出射する導光板と、前記導光板に光を照射する第2発光モジュールと、を有する第2光源ユニットと、を備え、前記拡散板は、周方向に異なる角度で連続して隣り合う少なくとも2つの日向発光面を有しており、前記第1光源ユニットは、1つの前記第1発光モジュールによって、隣り合う前記日向発光面を発光させる構成である。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、第1光源ユニットが、1つの第1発光モジュールによって、隣り合う日向発光面を発光させる構成なので、第1発光モジュールの本数を減らすことができ、該第1発光モジュールを取り付けるための構造も減らすことができる。よって、小型化、軽量化及び構造の簡素化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係る照明器具を照射側から示した斜視図である。
【
図2】実施の形態1に係る照明器具を分解して示した斜視図である。
【
図3】実施の形態1に係る照明器具の第1光源ユニットを分解して示した斜視図である。
【
図4】実施の形態1に係る照明器具の拡散板を示した平面図である。
【
図5】
図4に示したA-A線における拡散板とフレームとの関係を示した説明図である。
【
図6】
図4に示したB-B線における拡散板とフレームとの関係を示した説明図である。
【
図7】実施の形態1に係る照明器具の第1発光モジュールを示した平面図である。
【
図8】実施の形態1に係る照明器具であって、第2発光素子から発光された光が進む方向を示した説明図である。
【
図9】実施の形態2に係る照明器具の第1発光モジュールを示した平面図である。
【
図10】実施の形態3に係る照明器具であって、第2発光素子から発光された光が進む方向を示した説明図である。
【
図11】実施の形態3に係る照明器具の変形例であって、第2発光素子から発光された光が進む方向を示した説明図である。
【
図12】実施の形態4に係る照明器具であって、第2発光素子から発光された光が進む方向を示した説明図である。
【
図13】実施の形態5に係る照明器具の第1発光モジュールを示した平面図である。
【
図14】実施の形態5に係る照明器具であって、第2発光素子から発光された光が進む方向を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本開示の実施の形態について説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付して、その説明を適宜省略又は簡略化する。また、各図に記載の構成について、その形状、大きさ、及び配置等は、適宜変更することができる。また、明細書の全文において、天井側を「上側」とし、床面側を「下側」としている。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明器具100を照射側から示した斜視図である。
図2は、実施の形態1に係る照明器具100を分解して示した斜視図である。
図3は、実施の形態1に係る照明器具100の第1光源ユニット3を分解して示した斜視図である。
図4は、実施の形態1に係る照明器具100の拡散板4を示した平面図である。
図5は、
図4に示したA-A線における拡散板4とフレーム5との関係を示した説明図である。
図6は、
図4に示したB-B線における拡散板4とフレーム5との関係を示した説明図である。
図7は、実施の形態1に係る照明器具100の第1発光モジュール6を示した平面図である。
図8は、実施の形態1に係る照明器具100であって、第2発光素子61bから発光された光が進む方向を示した説明図である。
【0011】
本実施の形態1に係る照明器具100は、例えば天井に形成された埋め込め孔に嵌め込まれて設置され、室内に光を照射するものである。照明器具100は、
図1及び
図2に示すように、本体ケース1と、枠体2と、第1光源ユニット3と、第2光源ユニット7と、を有している。第1光源ユニット3は、拡散板4と、フレーム5と、第1発光モジュール6と、を備えている。第2光源ユニット7は、導光板8と、第2発光モジュール9と、点灯装置10と、保護カバー11と、を有している。
【0012】
(本体ケース1)
本体ケース1は、
図1及び
図2に示すように、主面1aと、4つの側面1bとで下側が開口した長方形の箱形に形成されている。主面1aは、長方形の板状に形成されている。各側面1bは、細長い長方形の板状に形成されている。各側面1bは、主面1aの各縁辺からほぼ垂直下方に向かって延びるように設けられている。本体ケース1の開口内部には、第1光源ユニット3と第2光源ユニット7が収容される。
【0013】
(枠体2)
枠体2は、金属製である。枠体2は、
図2に示すように、中央に長方形状の開口が形成されており、開口を形成する周囲の枠部20が平面とされている。枠部20の上面には、枠部20の周囲に沿って上方へ立ち上がる立設部21が形成されている。枠体2は、枠部20の上面において、立設部21よりも内側で拡散板4及びフレーム5を支持し、立設部21よりも外側で本体ケース1の開口端縁を支持する。立設部21の上部には、本体ケース1の内面に設けられたバネ取り付け金具(図示省略)に掛け止められるバネ部材22が設けられている。枠体2は、バネ部材22をバネ取り付け金具に取り付けることで、本体ケース1に取り付けられる。
【0014】
(第1光源ユニット3)
第1光源ユニット3は、第1の光を出射する拡散板4と、拡散板4の周囲を囲うフレーム5と、拡散板4を発光させる第1発光モジュール6と、を備えている。拡散板4は、
図2及び
図3に示すように、乳白のプラスチック樹脂を材料とし、台形に形成された4枚の板を接着又は成形により上下が開口した四角錐台で一体構造とされている。拡散板4は、
図5及び
図6に示すように、立設部21よりも内側における枠部20の上面に下方の開口縁が載置されて、該枠部20の上面に設置される。拡散板4は、
図4に示すように、周方向に異なる角度で連続して隣り合う2つの日向発光面4a及び4bと、周方向に異なる角度で連続して隣り合う2つの影面4c及び4dと、を有している。なお、以下の説明では、四角錐台に形成された拡散板4の内側を内面側と呼び、内面側と反対側を背面側と呼ぶ。拡散板4は、平面視が図示した長方形状でもよいし、図示省略の正方形でもよい。また、拡散板4は、
図5に示すように、導光板8、枠体2及びフレーム5と共に、塞がれた空間Sを形成する。
【0015】
日向発光面4a及び4bは、拡散板4の4面のうち隣り合う一方の2面であり、第1発光モジュール6から光が入射して面発光するものである。図示例の場合、日向発光面4aの長さが長く、日向発光面4bの長さが短い。日向発光面4aと日向発光面4bとは平面視において直交して設けられている。
図4及び
図5に示すように、日向発光面4aの背面側には、第1発光モジュール6が配置されている。
【0016】
なお、第1発光モジュール6は、長さが長い日向発光面4aの背面側に配置したが、長さが短い日向発光面4bの背面側に配置してもよい。第1発光モジュール6は、拡散板4の平面視が長方形状であった場合、日向発光面4a及び4bのうち、長さが長い日向発光面4aの背面側に配置されるのが望ましい。発光量の確保をすることができ、且つ日向発光面4bを均一に発光させることを考慮したものである。
【0017】
影面4c及び4dは、拡散板4の4面のうち隣り合う他方の2面であり、背面に黒色塗装が施されている。影面4c及び4dは、第1発光モジュール6から出射された光が拡散板4の背面側から内面側に漏れることを抑制するものである。影面4c及び4dは、発光しない。なお、影面4c及び4dは、背面に黒色塗装が施された構成に限定されず、背面に遮光性のシートを貼りつけた構成でもよい。
【0018】
フレーム5は、
図2に示すように、平面的に見て長方形状とされ、上側と下側に開口を有する筒状の部材である。フレーム5は、
図2及び
図3に示すように、一辺が長い一対の第1フレーム50と、第1フレーム50より短い一対の第2フレーム51と、で側面が形成されている。フレーム5は、
図5及び
図6に示すように、立設部21よりも内側における枠部20の上面に下方の開口縁が載置されて、該枠部20の上面に設置される。なお、フレーム5は、拡散板4の背面側が配置されている。
【0019】
図3及び
図5に示すように、一方の第1フレーム50には、日向発光面4aと対向する内面に、第1発光モジュール6が取り付けられる第1発光モジュール保持部52が形成されている。第1発光モジュール保持部52は、第1発光モジュール6が取り付けられるように第1発光モジュール6の板厚分だけ凹んだ凹部52aと、第1フレーム50の内面から内方に向かって突き出し、第1発光モジュール6の下部を支持する鉤部52bと、を有している。
【0020】
また、フレーム5は、
図5及び
図6に示すように、第1フレーム50及び第2フレーム51の上端縁であって、フレーム5の内周面に沿ってフランジ部53が形成されている。フランジ部53の上面には、導光板8の外周を載置されて支持される。
【0021】
また、フレーム5は、第1フレーム50のフランジ部53の上面から上方に向かって立ち上がる板状の第3フレーム54が形成されている。第3フレーム54の内面は、第2発光モジュール9が取り付けられる第2発光モジュール保持部55が形成されている。第2発光モジュール保持部55は、第2発光モジュール9が取り付けられるように第2発光モジュールの板厚分だけ凹んだ凹部55aと、第3フレーム54の内面側に形成され、フランジ部53よりも下方に凹んだ係止部55bと、を有している。
【0022】
第1発光モジュール6は、例えば白色用LEDモジュールである。第1発光モジュール6は、
図5に示すように、フレーム5の第1発光モジュール保持部52に取り付けられ、日向発光面4a及び4bの内面側へ白色の光を出射するものである。第1発光モジュール6は、
図4に示すように、日向発光面4aの背面側に配置され、日向発光面4a及び4bに向かって白色の光を出射する。
【0023】
第1発光モジュール6は、
図7に示すように、基板60と、基板60に実装された複数の発光素子61と、を有している。基板60は、板状であり、第1発光モジュール保持部52に取り付けられる。第1発光モジュール6は、
図5に示すように、フレーム5の鉤部52bに基板60の下部を嵌め込み、第1フレーム50の内面に形成した凹部52aに基板60の板面を嵌め込むことで、第1フレーム50に取り付けられる。基板60は、
図7に示すように、長さが長い一方の日向発光面4aの表面に沿って基板60の板面が対向する基板対向部60aと、基板対向部60aの一端から真っすぐ延伸され、長さが短い他方の日向発光面4bと対向する基板突出部60bと、を有している。基板対向部60aと基板突出部60bは、連続して形成されている。基板突出部60bは、基板60の長手方向の一端部に位置し、日向発光面4bとフレーム5との間に配置される。
【0024】
発光素子61は、基板60に実装され、日向発光面4a及び4bの内側に白色の光を射出するものである。発光素子61は、LEDであるが、例えばレーザ又は有機EL等でもよい。発光素子61は、基板対向部60aに実装された第1発光素子61aと、基板突出部60bに実装された第2発光素子61bと、を有している。第1発光素子61aと第2発光素子61bは、基板60の長手方向に沿って等間隔で複数設けられている。第1発光素子61aは、日向発光面4aへ向かって白色の光を出射するものである。
【0025】
第2発光素子61bは、
図8に示すように、日向発光面4aに対し平面視において直交するように設けられた日向発光面4bの背面へ向かって白色の光を出射するものである。第2発光素子61bから出射された光は、日向発光面4bに直接入射する光aと、フレーム5に反射されて日向発光面4bに入射する光bとがある。
【0026】
本実施の形態1に係る照明器具100では、拡散板4が直交して隣り合う日向発光面4aと日向発光面4bを有している。そして、第1発光モジュール6が日向発光面4aと対向する第1発光素子61aと、第1発光モジュール6の長手方向において日向発光面4bとフレーム5との間に配置された第2発光素子61bと、を備えている。つまり、本実施の形態1に係る照明器具100の第1光源ユニット3は、1つの第1発光モジュール6によって、隣り合う日向発光面4a及び4bを発光させる構成である。
【0027】
なお、拡散板4は、光を透過する日向発光面を隣り合う2面に限定されず、日向発光面を隣り合う3面としてもよい。このとき、第1発光モジュール6は、3面の日向発光面のうち中央に配置された1面の背面側に配置される。
【0028】
(第2光源ユニット7)
第2光源ユニット7は、第2の光を出射する導光板8と、導光板8に光を照射する第2発光モジュール9と、点灯装置10と、保護カバー11と、を有している。
【0029】
導光板8は、合成樹脂製である。導光板8は、平面視で、長方形に形成されている。従って、導光板8は、上面と、下面と、対向する長手方向に延びた2つの端面と、対向する短手方向に延びた2つの端面とを有している。導光板8は、
図1に示すように、本体ケース1の開口内部に配置される。導光板8は、第2発光モジュール9から出射された光を透光させて、出射面である下面から光を出射する。また、導光板8は、光を散乱させる粒子である散乱体を内部に備えてもよい。この場合、導光板8は、散乱体として、例えばシリカを含む。
【0030】
導光板8の上面は、全反射するために平滑である。導光板8の上面は、鏡面仕上げであることが望ましい。照明器具100の組立て作業中に、導光板8の上面に傷がつくと、傷がついた箇所で全反射が起こりにくくなる。そこで、導光板8の上面の傷つきを防止するために、導光板8の上面を反射シートで覆うようにしてもよい。
【0031】
第2発光モジュール9は、例えば青色用LEDモジュールである。第2発光モジュール9は、
図5に示すように、フレーム5の第2発光モジュール保持部55に取り付けられ、導光板8へ青色の光を出射するものである。第2発光モジュールは、一対で構成され、第2発光モジュール9は、導光板8の長手方向に延びた対向する2つの端面に対向させて配置されている。第2発光モジュール9は、基板90と、基板90に実装され、青色の光を射出する複数の発光素子91と、を有している。
【0032】
基板90は、板状である。第2発光モジュール9は、フランジ部53に形成された係止部55bに基板90の下部を嵌め込み、第3フレーム54の内面に形成した凹部55aに基板90の板面を嵌め込むことで、第3フレーム54に取り付けられる。
【0033】
発光素子91は、基板90に実装され、導光板8に青色の光を射出するものである。第2発光モジュール9から出射した光は、導光板8の端面に入射し、導光板8の上面と下面とで全反射しながら導光板8内を進む。導光板8内を進む光の一部は、導光板8内の散乱体に当ると散乱する。導光板8の出射面である下面の全体から、第1の光である青色光が面発光される。
【0034】
発光素子91は、例えば、青色LED、白色LED、及び緑色LEDを含む。青色LED、白色LED、及び緑色LEDは、照明器具100に搭載された点灯装置10および調光ユニット(図示省略)により調光される。このように、点灯装置10及び調光ユニットが各発光素子91を調光することにより、発光素子91が発する光を、全体として青色にし、且つ、当該青色光の色調を変化させることができる。それにより、照明器具100は、様々な青空を模した視覚効果を演出することができる。点灯装置10及び調光ユニットは、発光素子91のそれぞれの色別に独立して設けてもよい。あるいは、白色LED及び緑色LEDをまとめて1組の点灯装置10及び調光ユニットで調光してもよい。その場合、点灯装置10及び調光ユニットの個数を減らすことができる。また、時刻に合わせて、青色光の色調を変化させるようにしてもよい。具体的には、例えば、午前8:00~午後5:00までの日中の時間帯は、明るい青色にし、それ以外の時間帯は暗い青色になるように、調光するようにしてもよい。なお、発光素子91は、LEDであるが、例えばレーザ又は有機EL等でもよい。
【0035】
点灯装置10は、
図2に示すように、外部電力を第1発光モジュール6の発光素子61及び第2発光モジュール9の発光素子91に供給する電源としての機能と、点灯電力の制御を行う機能と、を有している。点灯装置10は、長尺で凹状の支持台の上面に、第1発光モジュール6の発光素子61及び第2発光モジュール9の発光素子91に供給するための電力を生成する電源回路を有する電源基板が設けられた構成である。電源回路は、電源基板に実装された電子部品等で構成される。なお、点灯装置10は、図示した構成に限定されず、第1発光モジュール6の発光素子61、及び第2発光モジュール9の発光素子91に電力を供給できれば他の形態でもよい。
【0036】
保護カバー11は、
図2に示すように、下側が開口した長方形の箱形に形成されている。保護カバー11は、導光板8及び点灯装置10の周囲を囲って保護するものである。導光板8及び点灯装置10は、保護カバー11の開口を通じて内部へ収容される。保護カバー11は、上面が本体ケース1の主面1aにねじ等で固定され、開口縁がフレームの上面に載置されて支持される。
【0037】
上記したように、本実施の形態1に係る照明器具100は、第1の光を出射する拡散板4と、拡散板4を発光させる第1発光モジュール6と、を有する第1光源ユニット3と、第2の光を出射する導光板8と、導光板8に光を照射する第2発光モジュール9と、を有する第2光源ユニット7と、を備えている。拡散板4は、周方向に異なる角度で連続して隣り合う少なくとも2つの日向発光面を有している。第1光源ユニット3は、1つの第1発光モジュール6によって、隣り合う日向発光面4a及び4bを発光させる構成である。
【0038】
本実施の形態1に係る照明器具100は、第1光源ユニット3が、1つの第1発光モジュール6によって、隣り合う2つの日向発光面4a及び4bを発光させる構成なので、第1発光モジュール6の本数を減らすことができ、該第1発光モジュール6を取り付けるための構造も減らすことができる。よって、小型化、軽量化及び構造の簡素化を実現できる。
【0039】
なお、上記の構成において、日向発光面4aと日向発光面4bとが長手方向を直交させて隣り合うように設けられており、第1発光モジュール6の基板対向部60aが日向発光面4aの背面側に対向するように設けられ、基板突出部60bが日向発光面4bの背面に向かって光を出射している。つまり、基板突出部60bは、第1発光モジュール6と直交するように延びる日向発光面4bに光を出射している。そのため、日向発光面4bは、第2発光素子61bに近い位置から離れるにしたがって暗くなっていき、第2発光素子61bから離れた位置を発光させることが難しい。また、日向発光面4bは、第2発光素子61bから近い位置と遠い位置とで明暗のグラデーションができてしまい、均一に発光させることが難しい。そのため、第2発光素子61bから離れた位置にある日向発光面4bを発光させる対策が必要となる。
【0040】
本実施の形態1に係る照明器具100では、拡散板4が日向発光面4aと日向発光面4bとを有し、長さのある日向発光面4aの背面側に沿って第1発光モジュール6を配置し、短い日向発光面4bの背面に第2発光素子61bから出射された光が入射する。日向発光面4bの長さを短くすることで、第2発光素子61bと日向発光面4bの奥側との距離を短くしている。そのため、第2発光素子61bから離れた位置にある日向発光面4bを発光させることができる。
【0041】
実施の形態2.
次に、
図9を参照して、本実施の形態2に係る照明器具100を説明する。
図9は、実施の形態2に係る照明器具100の第1発光モジュール6を示した平面図である。なお、実施の形態1で説明した照明器具100と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。
【0042】
本実施の形態2に係る照明器具100では、第1発光モジュール6の基板突出部60bに実装された第2発光素子61bが、基板対向部60aに設けられた第1発光素子61aよりも密集されて基板60に実装されている。具体的には、基板60の長手方向に沿って隣り合う第2発光素子61bの間隔が、基板60の長手方向に沿って隣り合う第1発光素子61aの間隔よりも小さい。
【0043】
このように、第1発光モジュール6を構成することで、第2発光素子61bから出射される光の量が多くなるため、日向発光面4bの長手方向の奥側まで光が届くようになる。よって、日向発光面4bの第2発光素子61bから離れた位置を発光させることができ、日向発光面4bの発光面の光ムラを少なくすることができる。
【0044】
実施の形態3.
次に、
図10及び
図11を参照して、本実施の形態3に係る照明器具100を説明する。
図10は、実施の形態3に係る照明器具100であって、第2発光素子61bから発光された光が進む方向を示した説明図である。なお、実施の形態1で説明した照明器具100と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。
【0045】
本実施の形態3に係る照明器具100では、
図10に示すように、第1光源ユニット3が、長さが短い日向発光面4bの表面に沿って配置され、第2発光素子61bから出射された光を反射させて日向発光面4bを発光させる反射部材12を有している。反射部材12は、日向発光面4bに対向する第2フレーム51の内側面に設けられ、第2発光素子61bから離れた位置にある日向発光面4bを発光させる。反射部材12は、一例として反射シート又は反射板である。反射部材12は、日向発光面4bの中間部から奥側になるにつれ、日向発光面4b側に向かって近づくように湾曲した形状である。第2発光素子61bから出射された光は、日向発光面4bに直接入射する光aと、反射部材12に反射されて日向発光面4bに入射する光bとがある。第2発光素子61bからフレーム5へ向かって出射された光は、反射部材12によって反射されて日向発光面4bへ入射される光の量が大きくなり、日向発光面4bの奥側まで光が届くようになる。そのため、日向発光面4bの第2発光素子61bから離れた位置を発光させることができ、日向発光面4bの発光面の光ムラを少なくすることができる。また、本実施の形態3に係る照明器具100では、第2発光素子61bから出射された光を日向発光面4bに均一に入射させることができるので、日向発光面4bの明暗のグラデーションの発生を抑えることができる。
【0046】
図11は、実施の形態3に係る照明器具100の変形例であって、第2発光素子61bから発光された光が進む方向を示した説明図である。
図11に示した反射部材13は、第2発光素子61bから離れるにつれて反射率が高くなるように形成し、第2発光素子61bから出射された光を日向発光面4bに均一に入射させた構成である。一例として、
図11に示した反射部材13では、第2発光素子61bから出射された光が日向発光面4bの奥側に向かって反射するように傾斜させ、反射する光を拡散させることによって日向発光面4bに入射する光を均一にした構成である。これにより、日向発光面4bの第2発光素子61bから離れた位置を発光させることができ、日向発光面4bの発光面の光ムラを少なくすることができる。また、第2発光素子61bから出射された光を日向発光面4bに均一に入射させることができるので、日向発光面4bの明暗のグラデーションの発生を抑えることができる。なお、反射部材13の表面に凹凸を設け、反射する光を拡散させることによって日向発光面4bに入射する光を均一にした構成でもよい。
【0047】
なお、本実施の形態3に係る照明器具100は、上記実施の形態2の構成を組み合わせてもよい。すなわち、本実施の形態3に係る照明器具100の構成において、第1発光モジュール6の基板突出部60bに実装された第2発光素子61bを、基板対向部60aに設けられた第1発光素子61aよりも密集させて基板60に実装してもよい。
【0048】
実施の形態4.
次に、
図12を参照して、本実施の形態4に係る照明器具100を説明する。
図12は、実施の形態4に係る照明器具100であって、第2発光素子61bから発光された光が進む方向を示した説明図である。なお、実施の形態1で説明した照明器具100と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。
【0049】
本実施の形態4に係る照明器具100では、
図12に示すように、第1光源ユニット3が、長さが短い日向発光面4bの表面に沿って配置され、第2発光素子61bから出射された光を日向発光面4bに均一に導く導光部材14を有している。導光部材14は、第2発光素子61bに近い日向発光面4bの手前側から第2発光素子61bから離れた日向発光面4bの奥側に向かって延びるように設けられている。導光部材14の長手方向の端面は、第2発光素子61bに対向している。第2発光素子61bから出射された光aは、導光部材14に入射し、フレーム5に反射することなく、導光部材14から直接日向発光面4bに向かって均一に出射される。そのため、日向発光面4bの第2発光素子61bから離れた位置を発光させることができ、日向発光面4bの発光面の光ムラを少なくすることができる。また、照明器具100では、第2発光素子61bから出射された光を日向発光面4bに均一に入射させることができるので、日向発光面4bの明暗のグラデーションの発生を抑えることができる。
【0050】
なお、本実施の形態4に係る照明器具100は、上記実施の形態2の構成を組み合わせてもよい。すなわち、本実施の形態4に係る照明器具100の構成において、第1発光モジュール6の基板突出部60bに実装された第2発光素子61bを、基板対向部60aに設けられた第1発光素子61aよりも密集させて基板60に実装してもよい。
【0051】
実施の形態5.
次に、
図13及び
図14を参照して、本実施の形態5に係る照明器具100を説明する。
図13は、実施の形態5に係る照明器具100の第1発光モジュール6を示した平面図である。
図14は、実施の形態5に係る照明器具100であって、第2発光素子61bから発光された光が進む方向を示した説明図である。なお、実施の形態1で説明した照明器具100と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。
【0052】
本実施の形態5に係る照明器具100は、
図13に示すように、第1発光モジュール6の基板突出部60bに設けられた第2発光素子61bにレンズ62を実装して、第2発光素子61bから離れた位置にある日向発光面4bを発光させる構成である。レンズ62は、第2発光素子61bから出射された光を日向発光面4bに均一に入射するように配光を制御するものである。
【0053】
図14に示したレンズ62は、異なる4つの光学特性を有するレンズ帯である。
図14に示したレンズ帯の左側に位置するレンズは、第2発光素子61bに近い日向発光面4bの手前側を照らすように光の広がりが広い拡散レンズとしての配光特性を持たせるようにしている。
図14に示したレンズ帯は、右側に行くにつれて、第2発光素子61bから離れた日向発光面4bの奥側を照らすように光の広がりが徐々に狭くなる集光レンズとしての配光特性を持たせるようにしている。このようにレンズ62に複数の配光特性を持たせることによって、第2発光素子61bに近い日向発光面4bの手前側から、第2発光素子61bから離れた日向発光面4bの奥側まで光量が均一に届くようにすることができ、日向発光面4bの発光面の光ムラを少なくすることができる。また、照明器具100では、第2発光素子61bから出射された光を日向発光面4bに均一に入射させることができるので、日向発光面4bの明暗のグラデーションの発生を抑えることができる。
【0054】
なお、
図14では、第2発光素子61bに配光特性の異なるレンズ62を実装した構成を示したが、これに限定されない。例えば、第2発光素子61bのパッケージごとに、配光特性又は発光量などの光出力特性が異なるようにしてもよい。
【0055】
また、本実施の形態5に係る照明器具100は、上記実施の形態2の構成を組み合わせてもよい。すなわち、本実施の形態5に係る照明器具100の構成において、第1発光モジュール6の基板突出部60bに実装された第2発光素子61bを、基板対向部60aに設けられた第1発光素子61aよりも密集させて基板60に実装してもよい。
【0056】
以上、実施の形態に基づいて照明器具100を説明したが、照明器具100は上述した実施の形態の構成に限定されるものではない。上記した照明器具100の構成は、一例であって、他の構成要素を含んでもよいし、構成要素を一部省略してもよい。要するに、照明器具100は、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更及び応用のバリエーションの範囲を含むものである。
【0057】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0058】
(付記1)
第1の光を出射する拡散板と、前記拡散板を発光させる第1発光モジュールと、を有する第1光源ユニットと、
第2の光を出射する導光板と、前記導光板に光を照射する第2発光モジュールと、を有する第2光源ユニットと、を備え、
前記拡散板は、周方向に異なる角度で連続して隣り合う少なくとも2つの日向発光面を有しており、
前記第1光源ユニットは、1つの第1発光モジュールによって、隣り合う前記日向発光面を発光させる構成である、照明器具。
【0059】
(付記2)
前記拡散板は、台形に形成された4枚の板を組み合わせて上下が開口した四角錐台とされ、4面のうち隣り合う一方の2面を前記日向発光面とされ、4面のうち隣り合う他方の2面を影面とされている、付記1に記載の照明器具。
【0060】
(付記3)
前記第1発光モジュールは、基板と、前記基板に実装された複数の発光素子と、を有しており、
前記基板は、1つの前記日向発光面の表面に沿って前記基板の板面が対向する基板対向部と、前記基板対向部の一端から真っすぐ延伸され、異なる前記日向発光面の対向する基板突出部と、を有しており、
前記発光素子は、前記基板対向部に実装され、1つの前記日向発光面に光を出射する第1発光素子と、前記基板突出部に実装され、異なる前記日向発光面に光を出射する第2発光素子と、を有している、付記1又は2に記載の照明器具。
【0061】
(付記4)
前記拡散板は、平面視が長方形状とされ、長さが長い一方の前記日向発光面に沿って前記第1発光モジュールの前記基板対向部が配置されている、付記3に記載の照明器具。
【0062】
(付記5)
前記第2発光素子は、前記第1発光素子よりも密集させて前記基板に実装されている、付記3又は4に記載の照明器具。
【0063】
(付記6)
前記第1光源ユニットは、前記基板対向部が対向する前記日向発光面とは異なる前記日向発光面の表面に沿って配置され、前記第2発光素子から出射された光を反射させて異なる前記日向発光面を発光させる反射部材を更に有している、付記3~5のいずれか一つに記載の照明器具。
【0064】
(付記7)
前記反射部材は、前記第2発光素子から離れるにつれて反射率が高くなるように形成されている、付記6に記載の照明器具。
【0065】
(付記8)
前記第1光源ユニットは、前記基板対向部が対向する前記日向発光面とは異なる前記日向発光面の表面に沿って配置され、前記第2発光素子から出射された光を異なる前記日向発光面に均一に導く導光部材を有している、付記3~5のいずれか一つに記載の照明器具。
【0066】
(付記9)
前記第2発光素子の一部又は全部には、配光レンズが実装されている、付記3又は4に記載の照明器具。
【符号の説明】
【0067】
1 本体ケース、1a 主面、1b 側面、2 枠体、3 第1光源ユニット、4 拡散板、4a、4b 日向発光面、4c、4d 影面、5 フレーム、6 第1発光モジュール、7 第2光源ユニット、8 導光板、9 第2発光モジュール、10 点灯装置、11 保護カバー、12、13 反射部材、14 導光部材、20 枠部、21 立設部、22 バネ部材、50 第1フレーム、51 第2フレーム、52 第1発光モジュール保持部、52a 凹部、52b 鉤部、53 フランジ部、54 第3フレーム、55 第2発光モジュール保持部、55a 凹部、55b 係止部、60 基板、60a 基板対向部、60b 基板突出部、61 発光素子、61a 第1発光素子、61b 第2発光素子、62 レンズ、90 基板、91 発光素子、100 照明器具、S 空間、a、b 光。