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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057638
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】監視装置、監視方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01S 13/90 20060101AFI20240418BHJP
   G01P 13/00 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
G01S13/90 127
G01P13/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022164399
(22)【出願日】2022-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390034463
【氏名又は名称】株式会社オリエンタルコンサルタンツ
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】十文字 奈々
(72)【発明者】
【氏名】石井 孝和
(72)【発明者】
【氏名】平田 寛道
(72)【発明者】
【氏名】大野 翔平
(72)【発明者】
【氏名】出本 剛史
(72)【発明者】
【氏名】秋山 怜子
(72)【発明者】
【氏名】吉田 勢
【テーマコード(参考)】
2F034
5J070
【Fターム(参考)】
2F034AA06
2F034CA15
5J070AC03
5J070AE07
5J070AF08
(57)【要約】
【課題】地表における状態変化を適切に監視することが可能な監視装置を提供すること。
【解決手段】本開示にかかる監視装置100は、合成開口レーダ(SAR)を用いて異なる2点から地表を撮像することで得られた画像を干渉解析の精度に関する指標に基づいて複数枚選択する選択部101と、選択された複数枚の画像を解析して地表の標高を計測する計測部102と、異なるタイミングで計測された標高に基づいて、地表における標高の変化及び体積の変化の少なくとも一方を推定する推定部103と、計測された標高、推定された標高の変化、及び推定された体積の変化の少なくともいずれか一つに基づいて、地表面における状態変化を監視する監視部104と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成開口レーダ(SAR)を用いて異なる2点から地表を撮像することで得られた画像を干渉解析の精度に関する指標に基づいて複数枚選択する選択部と、
選択された前記複数枚の画像を解析して前記地表の標高を計測する計測部と、
異なるタイミングで計測された前記標高に基づいて、前記地表における標高の変化及び体積の変化の少なくとも一方を推定する推定部と、
計測された前記標高、推定された前記標高の変化、及び推定された前記体積の変化の少なくともいずれか一つに基づいて、地表面における状態変化を監視する監視部と、を備える
監視装置。
【請求項2】
前記状態変化は、前記地表における土砂の移動である
請求項1に記載の監視装置。
【請求項3】
前記指標は、撮像に関する指標及び地表面の変化に関する指標の少なくとも一方に関する情報を含む
請求項1又は2に記載の監視装置。
【請求項4】
前記計測部は、前記複数枚の画像のそれぞれで設定された解析対象範囲に含まれる画素の情報を用いて前記複数枚の画像を解析する
請求項1又は2に記載の監視装置。
【請求項5】
前記解析対象範囲は、前記複数枚の画像を用いた干渉解析の精度に関する条件に応じて設定されている
請求項4に記載の監視装置。
【請求項6】
前記解析対象範囲は、前記標高の基準となる基準点を含む
請求項4に記載の監視装置。
【請求項7】
前記監視部は、前記状態変化が所定以上である場合、警告を行う
請求項1又は2に記載の監視装置。
【請求項8】
前記監視部は、計測された前記標高に基づいて土砂の勾配を算出し、前記勾配が所定以上である場合、前記警告を行う
請求項7に記載の監視装置。
【請求項9】
コンピュータが、
合成開口レーダ(SAR)を用いて異なる2点から地表を撮像することで得られた画像を干渉解析の精度に関する指標に基づいて複数枚選択する選択ステップと、
選択された前記複数枚の画像を解析して前記地表の標高を計測する計測ステップと、
異なるタイミングで計測された前記標高に基づいて、前記地表における標高の変化及び体積の変化の少なくとも一方を推定する推定ステップと、
計測された前記標高、推定された前記標高の変化、及び推定された前記体積の変化の少なくともいずれか一つに基づいて、地表面における状態変化を監視する監視ステップと、を実行する
監視方法。
【請求項10】
合成開口レーダ(SAR)を用いて異なる2点から地表を撮像することで得られた画像を干渉解析の精度に関する指標に基づいて複数枚選択する選択ステップと、
選択された前記複数枚の画像を解析して前記地表の標高を計測する計測ステップと、
異なるタイミングで計測された前記標高に基づいて、前記地表における標高の変化及び体積の変化の少なくとも一方を推定する推定ステップと、
計測された前記標高、推定された前記標高の変化、及び推定された前記体積の変化の少なくともいずれか一つに基づいて、地表面における状態変化を監視する監視ステップと、をコンピュータに実行させる
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、監視装置、監視方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
河川に設置されるダムの一つとして、砂防堰堤(砂防ダム)が知られている。砂防堰堤は、河川における土砂の流れを調節することができるので、土砂災害発生時における被害の軽減や、河床の過度な洗堀の防止などの効果を得ることができる。このような砂防堰堤の機能を十分に発揮させるために、砂防堰堤に堆積している土砂の堆積量を精度よく計測することが望まれている。
【0003】
関連する技術として、特許文献1は、複数のシミュレーションツールを統合的に管理し、かつGIS(地理情報システム:Geographic Information Systems)の画像上で土石流のシミュレーション結果を短時間で表示することが可能な土石流氾濫域高速シミュレーション装置を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-210600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1が開示するシミュレーション装置は、画像の地図上で構造物や観測点などを設定することで、二次元地形モデルを作成し、天然ダムの越流決壊による土石流氾濫シミュレーションを実施する。しかしながら、特許文献1が開示するシミュレーション装置では、実データに基づく実際の土砂堆積変化量を計測することについては言及されていない。そのため、シミュレーション結果と実際の状況との差異が大きい場合には、土砂の状況を正しく把握することができず、土砂の移動を適切に監視することができない可能性がある。
【0006】
本開示の目的は、上述した課題を鑑み、地表における状態変化を適切に監視することが可能な監視装置、監視方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示にかかる監視装置は、
合成開口レーダ(SAR)を用いて異なる2点から地表を撮像することで得られた画像を干渉解析の精度に関する指標に基づいて複数枚選択する選択部と、
選択された前記複数枚の画像を解析して前記地表の標高を計測する計測部と、
異なるタイミングで計測された前記標高に基づいて、前記地表における標高の変化及び体積の変化の少なくとも一方を推定する推定部と、
計測された前記標高、推定された前記標高の変化、及び推定された前記体積の変化の少なくともいずれか一つに基づいて、地表面における状態変化を監視する監視部と、を備えるものである。
【0008】
本開示にかかる監視方法は、
コンピュータが、
合成開口レーダ(SAR)を用いて異なる2点から地表を撮像することで得られた画像を干渉解析の精度に関する指標に基づいて複数枚選択する選択ステップと、
選択された前記複数枚の画像を解析して前記地表の標高を計測する計測ステップと、
異なるタイミングで計測された前記標高に基づいて、前記地表における標高の変化及び体積の変化の少なくとも一方を推定する推定ステップと、
計測された前記標高、推定された前記標高の変化、及び推定された前記体積の変化の少なくともいずれか一つに基づいて、地表面における状態変化を監視する監視ステップと、を実行するものである。
【0009】
本開示にかかるプログラムは、
合成開口レーダ(SAR)を用いて異なる2点から地表を撮像することで得られた画像を干渉解析の精度に関する指標に基づいて複数枚選択する選択ステップと、
選択された前記複数枚の画像を解析して前記地表の標高を計測する計測ステップと、
異なるタイミングで計測された前記標高に基づいて、前記地表における標高の変化及び体積の変化の少なくとも一方を推定する推定ステップと、
計測された前記標高、推定された前記標高の変化、及び推定された前記体積の変化の少なくともいずれか一つに基づいて、地表面における状態変化を監視する監視ステップと、をコンピュータに実行させるものである。
【発明の効果】
【0010】
本開示にかかる監視装置、監視方法、及びプログラムは、地表における状態変化を適切に監視することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態1にかかる監視装置の構成を示すブロック図である。
図2】実施形態1にかかる監視装置が行う処理を示すフローチャートである。
図3】実施形態2にかかる監視システムの構成を示すブロック図である。
図4】光学センサを搭載した光学衛星の特性と、SARを搭載したSAR衛星の特性との違いの一例を示す図である。
図5】砂防堰堤の一例を示す図である。
図6】実施形態2にかかる監視システムが行う処理の全体的な流れを示す図である。
図7】実施形態2にかかる監視装置の構成を示すブロック図である。
図8】実施形態2にかかる画像選択条件の一例を示す図である。
図9】実施形態2にかかる監視装置が行う監視処理を具体的に示す図である。
図10】実施形態2にかかる標高マップの拡大図である。
図11】実施形態2にかかる監視装置が標高マップを作成するまでの処理を示すフローチャートである。
図12】実施形態2にかかる監視装置が、異なる時期に作成された標高マップを用いて、推定された土砂の変化に基づいて警告を行う処理を示すフローチャートである。
図13】実施形態2にかかる監視装置が、土砂の勾配に応じて警告を行う処理を示すフローチャートである。
図14】実施形態2にかかる監視装置を実現するコンピュータのハードウエア構成を例示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されている。説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0013】
<実施形態1>
図1を参照して、実施形態1について説明する。図1は、本実施形態にかかる監視装置100の構成を示すブロック図である。監視装置100は、選択部101、計測部102、推定部103、及び監視部104を備えている。
【0014】
選択部101は、合成開口レーダ(SAR:Synthetic Aperture Radar)を用いて異なる2点から地表を撮像することで得られた画像を干渉解析の精度に関する指標に基づいて複数枚選択する。計測部102は、選択された複数枚の画像を解析して地表の標高を計測する。推定部103は、異なるタイミングで計測された標高に基づいて、地表における標高の変化及び体積の変化の少なくとも一方を推定する。監視部104は、計測された標高、推定された標高の変化、及び推定された体積の変化の少なくともいずれか一つに基づいて、地表面における状態変化を監視する。
【0015】
監視装置100は、図示しない構成としてプロセッサ、メモリ及び記憶装置を備えている。当該記憶装置には、本実施形態にかかる処理が実装されたコンピュータプログラムが記憶されている。プロセッサは、記憶装置からコンピュータプログラムをメモリへ読み込ませ、当該コンピュータプログラムを実行することができる。これにより、プロセッサは、選択部101、計測部102、推定部103、及び監視部104の機能を実現する。
【0016】
または、選択部101、計測部102、推定部103、及び監視部104は、それぞれが専用のハードウエアで実現されていてもよい。また、各装置の各構成要素の一部又は全部は、汎用または専用の回路(circuitry)、プロセッサ等やこれらの組合せによって実現されてもよい。これらは、単一のチップによって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。各装置の各構成要素の一部又は全部は、上述した回路等とプログラムとの組合せによって実現されてもよい。また、プロセッサとして、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(field-programmable gate array)、量子プロセッサ(量子コンピュータ制御チップ)等を用いることができる。
【0017】
また、監視装置100の各構成要素の一部又は全部が複数の情報処理装置や回路等により実現される場合には、複数の情報処理装置や回路等は、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。例えば、情報処理装置や回路等は、クライアントサーバシステム、クラウドコンピューティングシステム等、各々が通信ネットワークを介して接続される形態として実現されてもよい。また、監視装置100の機能がSaaS(Software as a Service)形式で提供されてもよい。
【0018】
続いて、図2を参照して監視装置100が行う処理を説明する。図2は、監視装置100が行う処理を示すフローチャートである。
【0019】
選択部101は、合成開口レーダ(SAR)を用いて異なる2点から地表を撮像することで得られた画像を干渉解析の精度に関する指標に基づいて複数枚選択する(S101)。計測部102は、選択された複数枚の画像を解析して地表の標高を計測する(S102)。推定部103は、異なるタイミングで計測された標高に基づいて、地表における標高の変化及び体積の変化の少なくとも一方を推定する(S103)。監視部104は、計測された標高、推定された標高の変化、及び推定された体積の変化の少なくともいずれか一つに基づいて、地表面における状態変化を監視する(S104)。
【0020】
このような構成により、本実施形態にかかる監視装置100によれば、地表における状態変化を適切に監視することができる。
【0021】
<実施形態2>
続いて、実施形態2について説明する。実施形態2は、上述した実施形態1の具体例である。図3は、本実施形態にかかる監視システム1の構成を示すブロック図である。
【0022】
(監視システム1の構成)
監視システム1は、SARを用いて異なる2点から地表を撮像することで得られた複数枚の画像を解析して、地表の標高を計測し、計測結果に基づいて地表における状態変化を監視(モニタリング)することが可能な情報処理システムである。監視システム1は、例えば2枚の画像をペアとして選択し、当該画像を解析することで地表の標高を計測する。また監視システム1は、異なるタイミングで計測された標高に基づいて、地表における標高の変化及び体積の変化の少なくとも一方を推定する。監視システム1は、計測された標高、推定された標高の変化、及び推定された体積の変化の少なくともいずれか一つに基づいて、地表面における状態変化を監視する。
【0023】
監視システム1は、監視装置10及びアンテナ部20を備えている。監視装置10は、上述した監視装置100の一例である。監視装置10は、本実施形態にかかる監視処理を実行することが可能な情報処理装置である。監視装置10は、例えば、PC(Personal Computer)又はタブレット端末などであってよい。
【0024】
アンテナ部20は、衛星5からデータを受信する。アンテナ部20は、衛星5に対してデータを送信してもよい。
【0025】
監視装置10とアンテナ部20とは、ネットワークNを介してそれぞれ接続されている。ネットワークNは、有線又は無線の通信回線である。ネットワークNは、例えば、インターネット、専用線、電話回線、移動体通信網、又はその他の通信回線などであってよい。またネットワークNは、これらの組み合わせであってもよい。なお、ここでは監視装置10とアンテナ部20とを別個に設けられる例を示しているが、監視装置10がアンテナ部20を備えていてもよい。
【0026】
衛星5は、SARを搭載した衛星である。衛星5は、例えば、所定の軌道を移動する人工衛星である。SARは、マイクロ波を地表面に斜めに照射し、地表面からの後方散乱波を受信する能動型センサである。マイクロ波は雲を透過することができるため、観測のために太陽光を必要としない。そのため、SARを用いることで、全天候で観測を行うことができる。また、SARを用いることで夜間の観測も可能である。
【0027】
図4は、光学センサを搭載した光学衛星の特性と、SARを搭載したSAR衛星の特性との違いの一例を示す図である。光学衛星では地表面などの色を示す色情報を取得することができるのに対し、SAR衛星では色情報を取得することができない。一方、SAR衛星では、地表までの距離を示す距離情報を取得することができるため、地表の状態(例えば、つるつるしている、又はざらざらしているなど)を推定することができる。
【0028】
また、光学センサは大気の影響を受けるため、大気中に雲があると地表面の情報を取得することができない。そのため、光学衛星で得られる撮像画像は、天候や時間の影響を受けやすい。例えば図の撮像画像の例に示されるように、光学衛星では画像に雲が映り込む場合がある。
【0029】
一方で、SARは、波長の長いマイクロ波を用いるため、大気中に雲がある場合でも、雲を透過して地表の情報を取得することができる。よって、SAR衛星で得られる撮像画像は、天候や時間の影響を受けにくい。SAR衛星を用いて観測を行うことで地表の観測を精度よく行うことができる。
【0030】
本実施形態にかかる監視システム1は、このようなSARの特性を活かして、地表面の観測を行う。また本実施形態では、監視システム1の一例として、砂防堰堤に堆積する土砂を監視する例を説明する。
【0031】
図5は、砂防堰堤の一例を示す図である。図5の上段及び下段は、砂防堰堤の設置前と設置後における河川の様子をそれぞれ示している。また図の黒矢印は水Wの流れを示している。図の上段に示されるように、砂防堰堤が設置されていない場合、河川に流れる水Wが河床9を削っていく。河床9が削られると、山の急斜面などにおいて土砂災害が発生するおそれがある。
【0032】
図の下段に示されるように、河川に砂防堰堤を設置した場合、砂防堰堤の堤体4が水Wをせき止めるので、河床9に土砂8が堆積する。土砂8が堆積することで、河床9が削られることを防ぐことができる。また、土砂8が堆積することで河川の勾配が緩やかになるため、水Wの流れが遅くなる。
【0033】
このように、砂防堰堤を設置することで、土砂の流れを調節することができるので、大雨が発生した場合などに土砂災害に繋がるおそれを低減することができる。このような機能を十分に発揮させるため、砂防堰堤に堆積している土砂の量を精度よく計測することが重要である。
【0034】
一方、砂防堰堤は山間部に設定されている場合が多く、人が容易に立ち入ることは困難である。そのため、近年では、背景技術において説明した技術の他、航空レーザ測量の技術が土砂の監視方法として知られている。航空レーザ測量は、航空機にLiDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)を搭載し、レーザ光を用いて航空機と地面との距離を測定する方法である。当該方法では、航空機の高度や位置情報に基づいて、地表の標高を計測することができる。しかしながら、当該方法では費用等の問題により、計測の網羅性や頻度が不十分であるという問題がある。
【0035】
当該方法では、限定した地域において、不定期(例えば1~5年に1回)で測量が実施されるため、地表の状態を適切に把握することができない。そのため、土砂がいつの時点から増加したのか、などの傾向を十分に把握することができず、除石管理、施設計画、及び危機管理などへの反映が困難である。本実施形態にかかる監視システム1によれば、このような問題についても対応することができる。
【0036】
なお、監視システム1が用いられる砂防堰堤の形態としては、例えば、不透過型砂防堰堤、又は不透過型砂防堰堤などが挙げられるがこれらに限られない。また監視システム1は、砂防堰堤に限らず、地表の状態変化を監視する種々のシーンで用いられ得る。
【0037】
続いて、図6を参照して、監視システム1が行う処理の全体的な流れを説明する。図6は、本実施形態にかかる監視システム1が行う処理の全体的な流れを示す図である。
【0038】
まず、監視システム1は、衛星5で取得された撮像画像に基づいて、地表の標高を算出する(S11)。具体的には、まず衛星5において地表の撮像を行う(S11-1)。衛星5はSARを用いてマイクロ波6を地表面7に対して照射し、地表面7からの後方散乱波を受信することで撮像を行う。衛星5は、撮像により得られたSAR画像を監視装置10に送信する。なお、監視装置10は図6において図示を省略している。
【0039】
SAR画像は、各画素における振幅及び位相の情報を含んでいる。なお、以下ではSAR画像を単に「画像」と称して説明する場合がある。また本開示において、「画像」はその画像のデータである画像データを意味する場合も含む。すなわち、衛星5が取得する撮像画像は、「撮像画像の画像データ」を意味する場合も含む。監視装置10は、撮像画像にかかる画像データを取得する。画像データは、上述した振幅及び位相を示す情報を含み得る。
【0040】
また、監視装置10は、撮像に関する情報と画像データとを対応付けて監視装置10に送信してもよい。撮像に関する情報は、例えば、マイクロ波6の周波数帯、衛星5の位置情報、画像の撮像タイミング(例えば撮像日時)、衛星5の軌道方向、又はマイクロ波6の入射角などの情報であってよい。
【0041】
監視装置10は、衛星5からSAR画像を受信し、画像を蓄積する(S11-2)。ある時点における地表の標高を計測する場合、監視装置10は、蓄積された画像の中から2枚の画像を選択する(S11-3)。当該2枚の画像は、干渉解析に用いるためのペアとなる画像である。以下では、画像のペアを単に「ペア」と称して説明する場合がある。監視装置10は、近い時期に撮像された2枚の画像をペアとして選択する。ここで、2枚の画像が「近い時期に撮像された」とは、2枚の画像のそれぞれの撮像タイミングの差が所定未満であることを示している。撮像タイミングの差は、例えば、1日以内、数日以内、数週間以内などであり得る。
【0042】
ここでは例として、監視装置10は画像P1及びP2を選択したものとする。画像P1及びP2は、時期T1において異なる2点から撮像された画像である。画像P1及びP2は、衛星5が移動することで異なる2点から撮像される。また後述するように、画像の選択については複数の選択方法がある。監視装置10は、複数の選択方法のうち1つ以上を用いて画像のペアを選択する。
【0043】
監視装置10は、画像P1及びP2を用いて干渉解析を行うことで、撮像範囲内の地表面7の標高を面的に算出する。これにより、監視装置10は、時期T1における地表面7の標高を示す標高マップM1を作成する(S11-4)。同様にして、監視装置10は異なるタイミングで撮像された画像を用いて複数の標高マップを作成することができる。ここでは監視装置10は、時期T2に撮像された画像のペアを用いて標高マップM2を作成する。
【0044】
続いて、監視システム1は、監視装置10において土砂の移動量を推定する(S12)。監視装置10は、土砂移動前の標高を計測する(S12-1)。また監視装置10は、土砂移動後の標高を計測する(S12-2)。監視装置10は、標高の差分を算出することで土砂移動量を推定する(S12-3)。
【0045】
例えば、土砂移動前が時期T1であり、土砂移動後が時期T2であるとする。時期T1と時期T2との間に大雨などのイベントが発生した場合、監視装置10は、標高マップM1と標高マップM2とを比較し、比較結果に基づいて土砂移動量を推定することができる。また監視装置10は、推定結果に応じて、監視システム1のユーザに対して警告を行うことができる。ユーザは、例えば砂防堰堤の管理者や関係者などであってよい。
【0046】
このように、監視システム1は、地表面7の同じ位置を、近い時期において2回撮像することで、撮像範囲内の地表面7の標高を面的に算出することができる。また監視システム1は、土砂移動前と土砂移動後とでそれぞれ標高を算出し、標高差分を求めることで、土砂移動量を推定することができる。
【0047】
ここで、上述した干渉解析について説明する。監視装置10は、選択された画像のペアを干渉処理して干渉画像を得る。監視装置10は、干渉画像に基づいて、画像のペアの各画素における位相差を求め、位相差に基づいて地表の標高を算出する。干渉画像には、地表の変動による位相変化(変動縞)が含まれている。また、当該干渉画像には、2時期の衛星の軌道が一致しないために生じる位相変化(軌道縞及び地形縞)が含まれている。よって、地表の変動を求める場合には、干渉画像から軌道縞及び地形縞を除去する必要がある。監視装置10は、位相差に基づいて、地表面7のある地点の標高Hを算出することができる。
【0048】
(監視装置10の構成)
続いて、図7を参照して、本実施形態にかかる監視装置10の構成を説明する。図7は、監視装置10の構成を示すブロック図である。監視装置10は、選択部11、計測部12、推定部13、監視部14、入出力部15、及び記憶部19を備えている。
【0049】
選択部11は、上述した選択部101の一例である。選択部11は、SARを用いて異なる2点から地表を撮像することで得られた画像を干渉解析の精度に関する指標に基づいて複数枚選択する。本実施形態では、選択部11は、SARを用いて異なる2点から地表を撮像することで得られた画像のペアを選択する。選択部11は、予め撮像された複数の画像から、解析に用いられるペアを選択し得る。例えば、選択部11は、記憶部19に記憶された画像データ191から、所定の条件を満たすペアを選択する。所定の条件は、計測部12が行う干渉解析の精度に関する条件であってよい。所定の条件は、例えば干渉解析の精度を向上させる条件である。選択部11が所定の条件を満たす画像をペアとして選択することで、干渉解析を精度よく行うことができる。
【0050】
図8は、画像を選択するための画像選択条件192の一例を示す図である。選択部11は、画像選択条件192を参照し、複数の画像から条件を満たす画像をペアとして選択する。図の例では、画像選択条件192は、干渉解析の精度に関する指標と、解析対象範囲の設定に関する情報を含んでいる。
【0051】
(指標について)
指標は、干渉解析の精度に関する基準を示す情報である。選択部11が当該指標に基づいて画像のペアを選択することで、計測部12において干渉解析を精度よく行うことができる。指標は、撮像に関する指標及び地表面の変化に関する指標の少なくとも一方を含み得る。図8には、指標の一例として、SARが照射する電波の周波数帯、SARを有する衛星5の軌道間距離、画像の撮像タイミング、土砂の移動に関するイベントの有無、衛星の軌道方向、及び電波の入射角を示している。以下ではそれぞれについて説明する。
【0052】
電波の周波数帯は、衛星5が照射するマイクロ波の周波数帯を示している。選択部11は、地表の状態に応じた周波数帯のマイクロ波を用いて撮像された画像を選択する。地表の状態は、例えば植生や土砂の量を示す情報であってよい。周波数帯の具体例としては、Lバンド、Cバンド、又はXバンドなどが挙げられる。
【0053】
なお、電波の周波数帯は、衛星ごとに異なっていてもよいし、同一の衛星において異なる周波数帯の電波が用いられてもよい。
【0054】
衛星の軌道間距離は、ペアの一方を撮像したタイミングにおける衛星5の位置と、他方を撮像したタイミングにおける衛星5の位置と、の間の距離を示している。ここで、ペアの一方を撮像したタイミングにおける衛星5の位置を位置S1とし、他方を撮像したタイミングにおける衛星5の位置を位置S2とする。軌道間距離は、位置S1と位置S2との間の距離を示す基線長である。選択部11は、干渉解析に適した軌道間距離で撮像された画像をペアとして選択する。
【0055】
軌道間距離は、干渉解析の精度に関する指標に応じて設定された所定の距離であってよい。例えば、選択部11は、軌道間距離の最小値と最大値を用いて距離範囲を設定し、当該距離範囲に含まれる軌道間距離で撮像された画像をペアとして選択する。
【0056】
距離範囲は、所定の計算式などを用いて設定されてもよいし、所定のデータテーブルを参照することで設定されてもよい。または、その他の方法を用いて距離範囲が設定されてもよい。
【0057】
画像の撮像タイミングは、2枚の画像のそれぞれの撮像タイミングを示している。ここで、ペアの一方を撮像したタイミングを第1撮像タイミングとし、他方を撮像したタイミングを第2撮像タイミングとする。位置S1での撮像タイミングが第1撮像タイミング、位置S2での撮像タイミングが第2撮像タイミングに対応する。
【0058】
選択部11は、第1撮像タイミングと第2撮像タイミングとの差が所定未満である画像のペアを選択する。第1及び第2撮像タイミングのタイミング差は、例えば、1日以内、数日以内、数週間以内などであり得る。タイミング差は、これらに限定されない。上述したように、軌道間距離が小さ過ぎると解析精度に影響するため、タイミング差が所定以上となるように、所定のタイミング範囲が設けられてもよい。選択部11は、当該タイミング範囲内のタイミング差で撮像された画像をペアとして選択する。
【0059】
なお、第1及び第2撮像タイミングは同時であってもよい。すなわちタイミング差が0であってもよい。例えば、撮像タイミングを同期させることが可能な2基の衛星を用いて同時に撮像する。選択部11は、同時撮像で得られた2枚の画像をペアとして選択し得る。
【0060】
イベントの有無は、土砂の移動に関するイベントの有無を示している。イベントは、例えば大雨などのような、土砂移動が発生し得る現象である。このようなイベントの前後で撮像された画像をペアとすると、干渉解析の精度が低下する。よって、選択部11は、このようなイベントを挟まない2枚の画像をペアとして選択する。例えば選択部11は、イベントの発生情報を取得して、イベント発生日時と、画像の撮像日時と、を比較する。選択部11は、第1撮像タイミングと第2撮像タイミングとの間にイベントが発生していない2枚の画像をペアとして選択する。このようにすることで、選択部11は、土砂移動に大きな変化が生じていない2枚の画像をペアとして選択することができるので、干渉解析を精度よく行うことができる。
【0061】
衛星の軌道方向は、衛星5の軌道方向を示している。また、電波の入射角は、衛星5から照射される電波の入射角を示している。入射角は、鉛直線と電波の照射方向とのなす角度である。
【0062】
軌道方向及び入射角は、2枚の画像でそれぞれ同じであってもよいし、一方が異なっていてもよい。選択部11は、適切なデータが取得できる軌道方向又は入射角で撮像された画像を選択する。
【0063】
例えば、電波の方向に標高の高い山などがある場合、山の陰となる部分のデータが適切に取得できない場合がある。よって選択部11は、データが適切に取得できる軌道方向又は入射角で撮像された画像をペアとして選択する。
【0064】
選択部11は、画像の選択において、上述した複数の指標のうち1つの指標を用いてもよいし、2つ以上の指標を用いてもよい。また上述した指標は一例であるので、他の指標が用いられてもよい。さらに選択部11は、上述の指標を用いると共に、以下で説明する解析対象範囲の設定を行ってもよい。
【0065】
(解析対象範囲の設定について)
解析対象範囲は、撮像画像のうち、干渉解析の対象とする範囲である。選択部11は、ペアとして選択された画像のそれぞれにおいて、解析対象範囲を設定し得る。例えば選択部11は、画像のペアを用いた干渉解析の精度に関する条件に応じて解析対象範囲を設定する。選択部11は、一方の画像に対して解析対象範囲を設定し、当該範囲と対応する範囲を他方の画像の解析対象範囲として設定するようにしてもよい。
【0066】
また選択部11は、標高の基準となる基準点を含むように解析対象範囲を設定し得る。基準点は、基準点の標高と、基準点に対応するSAR干渉解析結果中の点の標高とで標高合わせを行うために用いられる地点である。基準点は、異なる撮像タイミングで撮像した場合でも標高の変化が生じない地点である。基準点としては、例えば、施設などの不動点が用いられ得る。また選択部11は、国土地理院が公開している数値標高モデル(DEM:Digital Elevation Model)などを参照して基準点の情報を取得し、解析対象範囲を設定してもよい。
【0067】
以上、画像選択条件192について説明したが、上記は一例である。また上述の説明では、選択部11が指標などを用いて画像の選択又は解析対象範囲の設定を行う例を説明したが、選択部11は、ユーザから入力を受け付けてこれらの処理を行ってもよい。例えば選択部11は、入出力部15を介してユーザの入力を受け付けることでペアの選択や解析対象範囲の設定を行ってもよい。
【0068】
また上述の説明では、選択部11が予め撮像された複数の画像から所定の条件を満たす画像のペアを選択する例を説明したが、選択部11は当該条件を満たす画像を撮像するように、衛星5に対して指示してもよい。この場合、選択部11は、例えば土砂災害などのイベント発生後を第2撮像タイミングとするように撮像予約が可能に構成されてもよい。また、選択部11は、記憶部19に記憶された画像データ191からではなく、監視装置10以外から画像を取得してもよい。
【0069】
選択部11は、上述したような選択方法を用いて、複数の観測時期のそれぞれにおいて画像のペアを選択する。観測時期は、地表の状態を観測するタイミングを示している。上述したように、1回の観測には近い時期で撮像された2枚の画像がペアとして用いられる。そのため、観測時期は当該ペアの画像を撮像するための所定の期間を有してよい。
【0070】
ここで図9を参照して、選択部11が行う処理の具体例について説明する。図9は、監視装置10が行う監視処理を具体的に示す図である。ここでは、監視装置10が時期T1及びT2に撮像された画像を用いて土砂の状態を監視する例を示している。時期T1及びT2は、予め設定された観測時期であってもよいし、そうでなくともよい。例えば時期T1及びT2は、定期観測で計画された時期であってもよいし、大雨などのイベントを間に挟む時期であってもよい。
【0071】
選択部11は、時期T1において画像P1及びP2をペアとして選択する。画像P1及びP2は、時期T1において、衛星5に搭載されたSARを用いて異なる2点から地表を撮像することで得られた画像である。例えば画像P1及びP2は、それぞれ位置S1及びS2で撮像された画像である。
【0072】
また選択部11は、時期T2において画像P11及びP12をペアとして選択する。画像P11及びP12は、時期T2において、衛星5に搭載されたSARを用いて異なる2点から地表を撮像することで得られた画像である。例えば画像P11及びP12は、画像P1及びP2と同様、それぞれ位置S1及びS2で撮像された画像である。画像P11及びP12は、画像P1及びP2を撮像したタイミングの次の周期で撮像された画像であってもよい。
【0073】
選択部11は時期T1と時期T2のそれぞれで選択された画像のペアを計測部12に出力する。
【0074】
図7に戻り説明を続ける。計測部12は、上述した計測部102の一例である。計測部12は、選択された複数枚の画像を解析して地表の標高を計測する。例えば計測部12は、SARを用いて異なる2点から地表を撮像することで得られた画像のペアを用いて干渉解析を行う。これにより、計測部12は、撮像範囲に含まれる地表の標高を面的に計測する。計測部12は、所定の時間間隔で計測を行ってもよい。計測部12は、定期的に計測を行うことで土砂の移動を適切に監視することができる。
【0075】
計測部12は、選択部11で選択された画像のペアを解析することで標高を計測する。また計測部12は、画像のペアのそれぞれで設定された解析対象範囲に含まれる画素の情報を用いて画像のペアを解析してもよい。解析対象範囲は、上述したように選択部11で設定され得る。計測部12は、解析対象範囲外の領域を除去し、解析対象範囲の画像を用いて解析を行う。
【0076】
また計測部12は、基準点の情報を用いて標高合わせを行う。計測部12は、基準点の標高と、基準点に対応するSAR干渉解析結果中の点の標高と、を一致させることで標高合わせを行う。これにより、計測部12は基準点以外の標高についても精度よく計測することができる。
【0077】
計測部12は、解析結果を用いて、撮像範囲に含まれる地表の標高を示す標高マップを作成する。図9の例では、計測部12は、時期T1において標高マップM1を作成し、時期T2において標高マップM2を作成する。なお、図に示される標高マップM1及びM2は、堤体4近傍の土砂を所定方向から見た図であるが、これらは一例である。
【0078】
計測部12は、作成した標高マップを記憶部19に記憶してもよい。計測部12は、定期的に標高マップを作成して記憶部19に記憶し得る。
【0079】
推定部13は、上述した推定部103の一例である。推定部13は、異なる時期(タイミング)で計測された標高に基づいて、地表における標高の変化及び体積の変化の少なくとも一方を推定する。これにより、推定部13は、例えば地表における土砂堆積量の変化を推定する。
【0080】
まず推定部13は、計測部12で計測された標高に基づいて、所定領域における土砂堆積量を推定する。所定領域は、撮像画像に含まれる地表領域の一部又は全部であってよい。例えば推定部13は、土砂堆積量の推定対象とする範囲を設定し、当該範囲の土砂堆積量を推定してもよい。推定部13は、異なる時期に計測された土砂堆積量を推定する。土砂堆積量は、所定領域内の土砂の体積で表され得る。推定部13は、周知の計算方法を用いて土砂堆積量を推定してもよい。
【0081】
次に推定部13は、異なる時期に計測された土砂堆積量を比較し、差分を求める。これにより、推定部13は土砂堆積量の変化を定量的に推定することができる。図9の例では、推定部13は、標高マップM1及びM2を用いて、時期T1から時期T2の間に生じた土砂堆積量の変化を推定する。まず推定部13は、標高マップM1に基づいて時期T1における土砂8の堆積量を推定し、標高マップM2に基づいて時期T2における土砂8の堆積量を推定する。
【0082】
ここで、図10を参照して土砂堆積量の変化の推定についてより詳細に説明する。図10は、標高マップM2の拡大図である。図では、時期T1における土砂堆積面をSURT1で示し、時期T2における土砂堆積面をSURT2で示している。図中に示す変化量Xは、SURT1とSURT2との差分である。推定部13は、周知の計算方法などを用いて変化量Xを求める。これにより、推定部13は、時期T1から時期T2の間に変化した土砂堆積量を推定することができる。
【0083】
また推定部13は、変化量Xに基づいて、土砂堆積速度を推定してもよい。さらに推定部13は、生産土砂量又は流出土砂量などを推定してもよい。
【0084】
図7に戻り説明を続ける。監視部14は、上述した監視部104の一例である。監視部14は、計測された標高、推定された標高の変化、及び推定された体積の変化の少なくともいずれか一つに基づいて、地表面における状態変化を監視する。地表面における状態変化は、例えば地表における土砂の移動である。監視部14は、計測部12で計測された標高及び推定部13で推定された変化の少なくとも一方に基づいて、土砂の移動を監視する。
【0085】
また監視部14は、地表面における状態変化が所定以上である場合、警告を行う。例えば監視部14は、土砂が所定以上移動した場合、警告を行う。例えば監視部14は、推定された土砂の移動量、移動速度、生産土砂量、又は流出土砂量などが所定以上となった場合に警告を行う。
【0086】
警告は、情報を視覚的又は音響的に出力するものであってよい。例えば監視部14は、警告メッセージを表示するディスプレイなどの表示装置、又は警告メッセージを音声により出力するスピーカなどの音声出力装置などを用いて警告を行う。表示装置又は音声出力装置は、入出力部15により実現され得る。監視部14は、警告を行うための情報を入出力部15に出力させる。また、監視部14は、図示しない通信部を介して、監視システム1の管理者等が使用する情報端末などに対して警告を行ってもよい。
【0087】
また監視部14は、計測された標高に基づいて土砂の勾配を算出し、勾配が所定以上である場合、警告を行ってもよい。例えば監視部14は、算出された勾配が、予め設定された計画勾配を超えた場合に警告を行う。
【0088】
ここで、再び図10を参照して、計画勾配について説明する。図において、G1は平常時の計画勾配、G2は洪水時の計画勾配を示している。計画勾配G1及びG2は、監視部14が警告を行うための閾値として用いられ得る。計画勾配G1及びG2は、予め記憶部19に記憶されてもよい。監視部14は、算出された勾配が、計画勾配G1又はG2を超えた場合に警告を行う。監視部14は、これ以外の場合にも適宜警告を行ってもよい。
【0089】
図7に戻り説明を続ける。入出力部15は、ユーザからの入力を受け付ける入力部と、土砂移動の監視に関する情報を出力する出力部と、を備える入出力装置である。例えば入出力部15は、ユーザが指などでタッチすることで入力操作を行うことが可能なタッチパネル付きディスプレイであってよい。
【0090】
これに限らず、入出力部15は種々の形態により構成されてもよい。例えば入出力部15は、入力部及び出力部が別個に設けられていてもよい。その場合、入力部はキーボードなどの入力装置であってもよいし、出力部は液晶パネルなどの表示装置であってもよい。また入出力部15は、マイク及びスピーカを備えることで音声入力及び音声出力が可能に構成されてもよい。
【0091】
なお、入出力部15は、ユーザが使用するスマートフォンなどの情報端末を用いて実現されてもよい。例えば、当該情報端末と監視装置10とを図示しないネットワークで接続することで、当該情報端末を入出力部15として用いることができる。
【0092】
記憶部19は、上述した画像データ191及び画像選択条件192を記憶する。また記憶部19は、作成された標高マップなどを記憶し得る。記憶部19は、本実施形態にかかる監視方法の処理が実装されたコンピュータプログラムを記憶してもよい。
【0093】
以上、本実施形態にかかる監視システム1の各構成について説明した。なお、図3及び図7に示される監視システム1及び監視装置10の構成は一例に過ぎない。監視システム1及び監視装置10は、複数の構成が集約された装置などを用いて構成されてもよい。例えば、監視装置10及びアンテナ部20の機能が同一の装置に集約されていてもよい。また、例えば監視装置10における各機能部は、複数の装置などを用いて分散処理されてもよい。
【0094】
さらに、本実施形態では、地上に監視装置10が設けられている例を用いたが、監視装置10は衛星5に搭載されてもよい。その場合、衛星5に搭載された監視装置10から、標高の計測結果や土砂堆積量の変化の推定結果を地上の装置が受信するようにしてもよい。
【0095】
(監視装置10の処理)
続いて、図11図13を参照して、監視装置10が行う処理を説明する。図11図13は、監視装置10が行う処理を示すフローチャートである。
【0096】
図11は、監視装置10が標高マップを作成するまでの処理を示すフローチャートである。なお、ここでは、監視装置10が衛星5から定期的にSAR画像を取得し、記憶部19に画像データ191として蓄積している前提で説明を行う。
【0097】
まず、選択部11は、SARを用いて異なる2点から地表を撮像することで得られた画像を干渉解析の精度に関する指標に基づいて複数枚選択する。本実施形態では、選択部11は、画像データ191の中から画像のペアを選択する(S21)。選択部11は、干渉解析の精度に関する指標に基づいて画像のペアを選択し得る。例えば選択部11は、SARが照射する電波の周波数帯、SARを有する衛星の軌道間距離、画像の撮像タイミング、土砂の移動に関するイベントの有無、衛星の軌道方向、又は電波の入射角に関する指標を用いてペアを選択する。
【0098】
続いて計測部12は、選択された画像のペアを用いて干渉解析を行う(S22)。計測部12は、必要に応じて、画像のペアのそれぞれに解析対象範囲を設定し、解析対象範囲に含まれる画素の情報を用いて画像のペアを解析してもよい。解析対象範囲は、画像のペアを用いた干渉解析の精度に関する条件に応じて設定され得る。
【0099】
また解析対象範囲は、標高の基準となる基準点を含んでもよい。基準点は、施設などの不動点が用いられ得る。選択部11は、例えば国土地理院が公開しているDEMを参照して基準点の情報を取得し、解析対象範囲を設定してもよい。
【0100】
計測部12は、干渉解析の結果に基づいて、画像に対応する地表領域の標高を面的に計測する(S23)。計測部12は、標高マップを作成して保存する(S24)。例えば計測部12は、日時情報と標高に関する情報とを対応付けて、標高マップを記憶部19に記憶する。日時情報は、2つの画像の撮像日時に基づいて設定されてよい。計測部12は、標高マップを定期的に作成して保存し得る。これにより、異なる時期に計測された標高に基づいて作成された標高マップが記憶部19に蓄積される。
【0101】
図12は、監視装置10が、異なる時期に作成された標高マップを用いて、推定された土砂の変化に基づいて警告を行う処理を示すフローチャートである。まず、推定部13は、異なる時期に作成された標高マップを比較する(S31)。推定部13は、地表における標高の変化及び体積の変化の少なくとも一方を推定する。これにより、推定部13は、地表における土砂堆積量の変化を推定する(S32)。推定部13は、土砂の移動量、移動速度、生産土砂量、又は流出土砂量などを推定してもよい。
【0102】
監視部14は、推定された変化が所定以上であるか否かを判定する(S33)。監視部14は、予め設定された閾値などを用いて判定を行い得る。推定された変化が所定以上である場合(S33のYES)は警告を行う(S34)。監視部14は、例えば入出力部15に警告メッセージを表示又は音声出力することで警告を行う。監視部14は、管理者の端末などに警告メッセージを送信してもよい。推定された変化が所定未満の場合(S33のNO)、監視部14は本処理を終了する。また監視部14は土砂の監視を継続する。
【0103】
図13は、監視装置10が、土砂の勾配に応じて警告を行う処理を示すフローチャートである。まず、監視部14は、標高マップに基づいて土砂の勾配を算出する(S41)。次に監視部14は、算出された土砂の勾配と、予め設定された計画勾配と、を比較する(S42)。監視部14は、土砂の勾配が計画勾配を超えるか否かを判定する(S43)。監視部14は、計画勾配を超える場合(S43のYES)に警告を行い(S44)、計画勾配を超えない場合(S43のNO)は本処理を終了する。また監視部14は土砂の監視を継続する。なお、監視部14は、計画勾配以外の閾値を用いて判定を行い、警告を行ってもよい。
【0104】
以上説明したように、本実施形態にかかる監視システム1では、SAR衛星による土砂移動量モニタリングを行うため、継続的かつ定期的に、山地から河川での土砂移動状況を把握できる。これにより、中長期的な視点で効率的かつ効果的に土砂管理を実施し、投資効果を最大化することができる。具体的には、以下のことが実現できる。
(1)監視結果及び観測結果に基づく対策の計画立案
(2)効率的かつ効果的な土砂管理(施設管理及び河道管理)
(3)異常土砂堆積モニタリング
【0105】
例えば流域の土砂監視及び観測においては、イベントごとの土砂移動量の把握が容易となる。これにより、対象箇所の予測精度を向上させることができるので、適切な対策計画の立案を行うことができる。また、対策計画に基づいて砂防施設の整備などのハード対策を効果的に行うことができる。
【0106】
そして、堆砂状況に応じた土砂管理を行うことができるので、除石管理などを含む砂防堰堤の維持管理を適切に行うことができる。これにより、適時適切な除石の実施及び既存ストックの利活用を行うことができる。また、定量的な対策効果の評価を行うことができるので、評価のフィードバックを行うことで対策計画の立案に反映することができる。
【0107】
さらに、異常堆砂を把握することで、危機管理を含むソフト対策についても効果的に行うことができる。これにより、災害時などにおいてタイムリーな初動対応が可能となる。
【0108】
また、本実施形態にかかる監視システム1によれば、土砂の変動体積を求めることができるため、河床変動量、土砂移動量の把握などに活用できる。
【0109】
さらに、監視システム1は、流砂系で一貫した総合的な土砂管理を実現することがで きる。例えば監視システム1は、山間部の標高に基づいて、大規模な土砂移動の把握、生産土砂量の推定、及び流出土砂量のモニタリングを可能とする。また、監視システム1は、山間部から砂防堰堤までの標高に基づいて、空き容量のモニタリング、除石計画の立案(間隔及び量)、及び土砂堆積速度の推定を可能とする。さらに監視システム1は、河口付近の標高に基づいて、流路の異常堆砂の把握、河道の除石管理、及び不安定土砂又は河積阻害による危険予測を可能とする。
【0110】
また上述の説明では、地表面における状態変化の一例として、大雨発生時などにおける土砂の移動を用いて説明したが、これに限られない。監視システム1は、例えば盛土を監視してもよい。これにより、監視システム1は盛土が違法に造成された場合にこれを検知することができる。
【0111】
このように、本実施形態にかかる監視システム1によれば、適切に選択された画像のペアを用いて精度よく干渉解析を行うことができるので、地表における状態変化を適切に監視することができる。
【0112】
<ハードウエアの構成例>
監視装置10の各機能構成部は、各機能構成部を実現するハードウエア(例:ハードワイヤードされた電子回路など)で実現されてもよいし、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせ(例:電子回路とそれを制御するプログラムの組み合わせなど)で実現されてもよい。以下、監視装置10の各機能構成部がハードウエアとソフトウエアとの組み合わせで実現される場合について説明する。
【0113】
図14は、監視装置10を実現するコンピュータ900のハードウエア構成を例示するブロック図である。コンピュータ900は、監視装置10を実現するために設計された専用のコンピュータであってもよいし、汎用のコンピュータであってもよい。コンピュータ900は、スマートフォンやタブレット端末などといった可搬型のコンピュータであってもよい。
【0114】
例えば、コンピュータ900に対して所定のアプリケーションをインストールすることにより、コンピュータ900で、監視装置10の各機能が実現される。上記アプリケーションは、監視装置10の機能構成部を実現するためのプログラムで構成される。
【0115】
コンピュータ900は、バス902、プロセッサ904、メモリ906、ストレージデバイス908、入出力インタフェース910、及びネットワークインタフェース912を有する。バス902は、プロセッサ904、メモリ906、ストレージデバイス908、入出力インタフェース910、及びネットワークインタフェース912が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ904などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0116】
プロセッサ904は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、又は FPGA(Field-Programmable Gate Array)などの種々のプロセッサである。メモリ906は、RAM(Random Access Memory)などを用いて実現される主記憶装置である。ストレージデバイス908は、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、又は ROM(Read Only Memory)などを用いて実現される補助記憶装置である。
【0117】
入出力インタフェース910は、コンピュータ900と入出力デバイスとを接続するためのインタフェースである。例えば入出力インタフェース910には、キーボードなどの入力装置や、ディスプレイ装置などの出力装置が接続される。
【0118】
ネットワークインタフェース912は、コンピュータ900をネットワークに接続するためのインタフェースである。このネットワークは、LAN(Local Area Network)であってもよいし、WAN(Wide Area Network)であってもよい。
【0119】
ストレージデバイス908は、監視装置10の各機能構成部を実現するプログラム(前述したアプリケーションを実現するプログラム)を記憶している。プロセッサ904は、このプログラムをメモリ906に読み出して実行することで、監視装置10の各機能構成部を実現する。
【0120】
プロセッサの各々は、図面を用いて説明されたアルゴリズムをコンピュータに行わせるための命令群を含む1又はそれ以上のプログラムを実行する。このプログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)又は実体のある記憶媒体(tangible storage medium)に格納されてもよい。限定ではなく例として、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、又はその他の形式の伝搬信号を含む。
【0121】
なお、本開示は上記実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0122】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
合成開口レーダ(SAR)を用いて異なる2点から地表を撮像することで得られた画像を干渉解析の精度に関する指標に基づいて複数枚選択する選択部と、
選択された前記複数枚の画像を解析して前記地表の標高を計測する計測部と、
異なるタイミングで計測された前記標高に基づいて、前記地表における標高の変化及び体積の変化の少なくとも一方を推定する推定部と、
計測された前記標高、推定された前記標高の変化、及び推定された前記体積の変化の少なくともいずれか一つに基づいて、地表面における状態変化を監視する監視部と、を備える
監視装置。
(付記2)
前記状態変化は、前記地表における土砂の移動である
付記1に記載の監視装置。
(付記3)
前記指標は、撮像に関する指標及び地表面の変化に関する指標の少なくとも一方に関する情報を含む
付記2に記載の監視装置。
(付記4)
前記指標は、前記合成開口レーダが照射する電波の周波数帯、前記合成開口レーダを有する衛星の軌道間距離、前記画像の撮像タイミング、前記地表における状態変化に関するイベントの有無、前記衛星の軌道方向、及び前記電波の入射角の少なくともいずれか一つに関する情報を含む
付記3に記載の監視装置。
(付記5)
前記計測部は、前記複数枚の画像のそれぞれで設定された解析対象範囲に含まれる画素の情報を用いて前記複数枚の画像を解析する
付記1~4のいずれか1項に記載の監視装置。
(付記6)
前記解析対象範囲は、前記複数枚の画像を用いた干渉解析の精度に関する条件に応じて設定されている
付記5に記載の監視装置。
(付記7)
前記解析対象範囲は、前記標高の基準となる基準点を含む
付記5又は6に記載の監視装置。
(付記8)
前記解析対象範囲は、干渉解析の精度に関する条件に応じて設定されている
付記5~7のいずれか1項に記載の監視装置。
(付記9)
前記監視部は、前記状態変化が所定以上である場合、警告を行う
付記1~8のいずれか1項に記載の監視装置。
(付記10)
前記監視部は、計測された前記標高に基づいて土砂の勾配を算出し、前記勾配が所定以上である場合、前記警告を行う
付記9に記載の監視装置。
(付記11)
コンピュータが、
合成開口レーダ(SAR)を用いて異なる2点から地表を撮像することで得られた画像を干渉解析の精度に関する指標に基づいて複数枚選択する選択ステップと、
選択された前記複数枚の画像を解析して前記地表の標高を計測する計測ステップと、
異なるタイミングで計測された前記標高に基づいて、前記地表における標高の変化及び体積の変化の少なくとも一方を推定する推定ステップと、
計測された前記標高、推定された前記標高の変化、及び推定された前記体積の変化の少なくともいずれか一つに基づいて、地表面における状態変化を監視する監視ステップと、を実行する
監視方法。
(付記12)
前記状態変化は、前記地表における土砂の移動である
付記11に記載の監視方法。
(付記13)
合成開口レーダ(SAR)を用いて異なる2点から地表を撮像することで得られた画像を干渉解析の精度に関する指標に基づいて複数枚選択する選択ステップと、
選択された前記複数枚の画像を解析して前記地表の標高を計測する計測ステップと、
異なるタイミングで計測された前記標高に基づいて、前記地表における標高の変化及び体積の変化の少なくとも一方を推定する推定ステップと、
計測された前記標高、推定された前記標高の変化、及び推定された前記体積の変化の少なくともいずれか一つに基づいて、地表面における状態変化を監視する監視ステップと、をコンピュータに実行させる
プログラム。
(付記14)
前記状態変化は、前記地表における土砂の移動である
付記13に記載のプログラム。
【符号の説明】
【0123】
1 監視システム
4 堤体
5 衛星
6 マイクロ波
7 地表面
8 土砂
9 河床
10 監視装置
11 選択部
12 計測部
13 推定部
14 監視部
15 入出力部
19 記憶部
20 アンテナ部
100 監視装置
101 選択部
102 計測部
103 推定部
104 監視部
191 画像データ
192 画像選択条件
900 コンピュータ
902 バス
904 プロセッサ
906 メモリ
908 ストレージデバイス
910 入出力インタフェース
912 ネットワークインタフェース
G1、G2 計画勾配
H 標高
M1、M2 標高マップ
N ネットワーク
P1、P2、P11、P12 画像
T1、T2 時期
W 水
X 変化量
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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図14