(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057643
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】接続構造、踏板ピース、螺旋階段、および、螺旋階段の組立方法
(51)【国際特許分類】
E04F 11/032 20060101AFI20240418BHJP
【FI】
E04F11/032
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022164416
(22)【出願日】2022-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】古賀 隆宏
(72)【発明者】
【氏名】辻 芳人
(72)【発明者】
【氏名】門田 摂
(72)【発明者】
【氏名】長友 渉
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 哲巳
(72)【発明者】
【氏名】松▲崎▼ 丈佳
(72)【発明者】
【氏名】大川 悠奈
【テーマコード(参考)】
2E301
【Fターム(参考)】
2E301CC34
2E301CC53
2E301CD12
2E301DD02
2E301DD13
2E301DD72
2E301DD98
2E301EE00
(57)【要約】
【課題】接続作業が簡単な接続構造および踏板ピース、ならびに、該踏板ピースを用いた螺旋階段および螺旋階段の組立方法を提供する。
【解決手段】螺旋階段は、互いに接続される複数の踏板ピース20を有する。踏板ピース20は、踏板本体21と、踏板本体21から第1方向H1に延びる嵌合凸部25と、嵌合凸部25の側面に開口して第1方向H1と交差する第2方向H2に延びる第1係合凹部26と、他の踏板ピース20の嵌合凸部25が嵌合する嵌合凹部31と、第2方向H2に延びて、他の踏板ピース20の嵌合凸部25が嵌合凹部31に嵌合した状態において他の踏板ピース20の第1係合凹部26に連通する係合孔35と、を有する。連通状態にある係合孔35と他の踏板ピース20の第1係合凹部26とに対して係合材が挿入される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部材と第2部材とを接続する接続構造であって、
前記第1部材は、
第1方向に延びる嵌合凸部と、
前記嵌合凸部の側面に開口して前記第1方向と交差する第2方向に延びる係合凹部と、を有し、
前記第2部材は、
前記嵌合凸部が嵌合する嵌合凹部と、
前記第2方向に延びて、前記嵌合凹部に前記嵌合凸部が嵌合した状態において前記係合凹部に連通可能な係合孔と、を有し、
連通状態にある前記係合孔および前記係合凹部に挿入される係合材により前記第1部材と前記第2部材とが接続されている
接続構造。
【請求項2】
前記係合凹部は、第1係合凹部であり、
前記係合材は、第1係合材であり、
前記第1係合材は、前記第1係合材の挿入口形成面から突出する第1突出部を有し、
前記第2部材は、前記挿入口形成面に開口して前記第2方向と交差する第3方向に延びる第2係合凹部を有し、
前記接続構造は、
前記第2係合凹部に挿入され、前記挿入口形成面から突出する第2突出部を有する第2係合材と、
前記第1突出部と前記第2突出部とを接合する接合材と、をさらに備える
請求項1に記載の接続構造。
【請求項3】
互いに接続可能なFRP系材の踏板ピースであって、
踏板本体と、
前記踏板本体から第1方向に延びる嵌合凸部と、
前記嵌合凸部の側面に開口して前記第1方向と交差する第2方向に延びる係合凹部と、
他の踏板ピースの嵌合凸部が嵌合する嵌合凹部と、
前記第2方向に延びて、前記他の踏板ピースの嵌合凸部が前記嵌合凹部に嵌合した状態において前記他の踏板ピースの係合凹部に連通する係合孔と、を有する
踏板ピース。
【請求項4】
請求項3に記載の踏板ピースを複数有する螺旋階段であって、
上段踏板ピースと、
下段踏板ピースと、
前記上段踏板ピースと前記下段踏板ピースとを係合する係合材と、を備え、
前記上段踏板ピースは、前記嵌合凸部である上段嵌合凸部と前記係合凹部である上段係合凹部とを有し、
前記下段踏板ピースは、前記嵌合凹部である下段嵌合凹部と前記係合孔である下段係合孔とを有し、
前記係合材は、連通状態にある前記下段係合孔と前記上段係合凹部とに挿入されている
螺旋階段。
【請求項5】
前記係合材は、第1係合材であり、
前記下段踏板ピースは、前記第1係合材の挿入口形成面に開口して前記第2方向と交差する第3方向に延びる第2係合凹部を有し、
前記第2係合凹部に挿入され、前記第1係合材と接合される第2係合材をさらに備える
請求項4に記載の螺旋階段。
【請求項6】
前記第1係合材と前記第2係合材は、前記下段係合孔の外側でピン接合されている
請求項5に記載の螺旋階段。
【請求項7】
前記第1係合材と前記第2係合材は、手摺を支持する手摺支持柱によってピン接合されている
請求項6に記載の螺旋階段。
【請求項8】
請求項3に記載の踏板ピースを複数有する螺旋階段であって、
最上段踏板ピースと、
上階床段ピースと、
前記最上段踏板ピースと前記上階床段ピースとに連結される上階連結材を有する上階連結機構と、を備え、
前記上階床段ピースは、
前記上階連結材と連結される上階連結材連結部を有し、
前記上階連結材は、
前記上階床段ピースと連結される上階床段ピース連結部と、
前記第1方向に延びて、前記最上段踏板ピースの嵌合凹部に嵌合する最上段連結用嵌合凸部と、
前記最上段連結用嵌合凸部の側面に開口して前記第2方向に延び、前記最上段連結用嵌合凸部が前記最上段踏板ピースの嵌合凹部に嵌合した状態において前記最上段踏板ピースの係合孔に連通する連結用係合凹部と、を有し、
前記上階連結機構は、
連通状態にある前記最上段踏板ピースの係合孔と前記連結用係合凹部とに挿入される最上段係合材を有する
螺旋階段。
【請求項9】
前記上階連結機構を覆い、前記上階床段ピースと前記最上段踏板ピースとに接続される接続踏板を有する
請求項8に記載の螺旋階段。
【請求項10】
請求項3に記載の踏板ピースを複数有する螺旋階段であって、
最下段踏板ピースと、
下階床段ピースと、
前記最下段踏板ピースと前記下階床段ピースとに連結される下階連結材を有する下階連結機構と、を備え、
前記下階床段ピースは、
前記下階連結材と連結される下階連結材連結部を有し、
前記下階連結材は、
前記下階床段ピースと連結される下階床段ピース連結部と、
前記第1方向に延びて、前記最下段踏板ピースの嵌合凸部が嵌合する最下段連結用嵌合凹部と、を有する
螺旋階段。
【請求項11】
互いに接続可能なFRP系材の踏板ピースを複数有する螺旋階段の組立方法であって、
前記踏板ピースは、
踏板本体と、
前記踏板本体から第1方向に延びる嵌合凸部と、
前記嵌合凸部の側面に開口して前記第1方向と交差する第2方向に延びる係合凹部と、
他の踏板ピースの嵌合凸部が嵌合する嵌合凹部と、
前記第2方向に延びて、前記他の踏板ピースの嵌合凸部が前記嵌合凹部に嵌合した状態において前記他の踏板ピースの係合凹部に連通する係合孔と、を有し、
前記踏板ピース同士を接続するステップが、
下段踏板ピースの嵌合凹部に上段踏板ピースの嵌合凸部を嵌合させるステップと、
前記下段踏板ピースの係合孔と前記上段踏板ピースの係合凹部とに係合材を挿入するステップと、を備える
螺旋階段の組立方法。
【請求項12】
下階床に、最下段踏板ピースの嵌合凸部が嵌合する最下段連結用嵌合凹部を有する下階床段ピースを連結するステップと、
前記最下段連結用嵌合凹部に前記最下段踏板ピースの嵌合凸部を嵌合させるステップと、
前記踏板ピース同士を接続するステップと、
最上段踏板ピースと前記最上段踏板ピースの嵌合凹部に嵌合する最上段連結用嵌合凸部を有する上階床段ピースとを連結するステップと、
上階床に前記上階床段ピースを連結するステップと、を備える
請求項11に記載の螺旋階段の組立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続構造、踏板ピース、螺旋階段、および、螺旋階段の組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、階段の組立方法として、踏板の後面上部に形成した切欠部に蹴上板を嵌め込んでいくことで階段を組み立てる工法が記載されている。この工法においては、接着剤や釘等を用いた接続作業を行うことにより、踏板と蹴上板とを確実に接続することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、接着剤や釘等を用いた接続作業は、職人のような経験豊富な人物が行わなければ不具合が生じやすい。特に、螺旋階段のような特殊な構造においてはそれが顕著である。そのため、経験不足の人物であっても簡単に階段を組み立てることのできる技術が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する接続構造は、第1部材と第2部材とを接続する接続構造であって、前記第1部材は、第1方向に延びる嵌合凸部と、前記嵌合凸部の側面に開口して前記第1方向と交差する第2方向に延びる係合凹部と、を有し、前記第2部材は、前記嵌合凸部が嵌合する嵌合凹部と、前記第2方向に延びて、前記嵌合凹部に前記嵌合凸部が嵌合した状態において前記係合凹部に連通可能な係合孔と、を有し、連通状態にある前記係合孔および前記係合凹部に挿入される係合材により前記第1部材と前記第2部材とが接続されている。
【0006】
上記構成によれば、第1部材の嵌合凸部を第2部材の嵌合凹部に嵌合させたのち、連通状態にある係合孔と係合凹部とに係合材を挿入するだけで、第1部材と第2部材とを接続することができる。
【0007】
上記接続構造において、前記係合凹部は、第1係合凹部であり、前記係合材は、第1係合材であり、前記第1係合材は、前記第1係合材の挿入口形成面から突出する第1突出部を有し、前記第2部材は、前記挿入口形成面に開口して前記第2方向と交差する第3方向に延びる第2係合凹部を有し、前記接続構造は、前記第2係合凹部に挿入され、前記挿入口形成面から突出する第2突出部を有する第2係合材と、前記第1突出部と前記第2突出部とを接合する接合材と、をさらに備えていてもよい。
【0008】
上記構成によれば、第1係合材の抜落が第2係合材によって防止されるため、第1部材と第2部材とが接続された状態を確実に維持することができる。
上記課題を解決する踏板ピースは、互いに接続可能なFRP系材の踏板ピースであって、踏板本体と、前記踏板本体から第1方向に延びる嵌合凸部と、前記嵌合凸部の側面に開口して前記第1方向と交差する第2方向に延びる係合凹部と、他の踏板ピースの嵌合凸部が嵌合する嵌合凹部と、前記第2方向に延びて、前記他の踏板ピースの嵌合凸部が前記嵌合凹部に嵌合した状態において前記他の踏板ピースの係合凹部に連通する係合孔と、を有する。
【0009】
上記構成によれば、係合凹部を有する嵌合凸部を他の踏板ピースの嵌合凹部に嵌合させたのち、連通状態にある係合孔と係合凹部とに係合材を挿入するだけで、踏板ピース同士を接続することができる。
【0010】
上記課題を解決する螺旋階段は、上記構成の踏板ピースを複数有する螺旋階段であって、上段踏板ピースと、下段踏板ピースと、前記上段踏板ピースと前記下段踏板ピースとを係合する係合材と、を備え、前記上段踏板ピースは、前記嵌合凸部である上段嵌合凸部と前記係合凹部である上段係合凹部とを有し、前記下段踏板ピースは、前記嵌合凹部である下段嵌合凹部と前記係合孔である下段係合孔とを有し、前記係合材は、連通状態にある前記下段係合孔と前記上段係合凹部とに挿入されている。
【0011】
上記構成によれば、上段嵌合凸部を下段嵌合凹部に嵌合させたのち、連通状態にある上段係合凹部と下段係合孔とに係合材を挿入することにより、上段踏板ピースと下段踏板ピースとを接続することができる。
【0012】
上記構成の螺旋階段において、前記係合材は、第1係合材であり、前記下段踏板ピースは、前記第1係合材の挿入口形成面に開口して前記第2方向と交差する第3方向に延びる第2係合凹部を有し、前記第2係合凹部に挿入され、前記第1係合材と接合される第2係合材をさらに備えていてもよい。
【0013】
上記構成によれば、第1係合材の抜落が第2係合材によって防止され、かつ、第2係合材の抜落が第1係合材によって防止されるため、上段踏板ピースと下段踏板ピースとが接続された状態を確実に維持することができる。
【0014】
上記構成の螺旋階段において、前記第1係合材と前記第2係合材は、前記下段係合孔の外側でピン接合されていることが好ましい。この構成によれば、第1係合材と第2係合材とを容易に接合することができる。
【0015】
上記構成の螺旋階段において、前記第1係合材と前記第2係合材は、手摺を支持する手摺支持柱によってピン接合されていてもよい。
上記構成によれば、第1係合材と第2係合材とが手摺支持柱でピン接合されるため、螺旋階段に手摺を設けたとしても、手摺支持柱を支持するための構成を別途設ける必要がない。
【0016】
上記課題を解決する螺旋階段は、上記構成の踏板ピースを複数有する螺旋階段であって、最上段踏板ピースと、上階床段ピースと、前記最上段踏板ピースと前記上階床段ピースとに連結される上階連結材を有する上階連結機構と、を備え、前記上階床段ピースは、前記上階連結材と連結される上階連結材連結部を有し、前記上階連結材は、前記上階床段ピースと連結される上階床段ピース連結部と、前記第1方向に延びて、前記最上段踏板ピースの嵌合凹部に嵌合する最上段連結用嵌合凸部と、前記最上段連結用嵌合凸部の側面に開口して前記第2方向に延び、前記最上段連結用嵌合凸部が前記最上段踏板ピースの嵌合凹部に嵌合した状態において前記最上段踏板ピースの係合孔に連通する連結用係合凹部と、を有し、前記上階連結機構は、連通状態にある前記最上段踏板ピースの係合孔と前記連結用係合凹部とに挿入される最上段係合材を有する。
【0017】
上記構成によれば、最上段連結用嵌合凸部を最上段踏板ピースの嵌合凹部に嵌合させたのち、連通状態にある上階連結材の連結用係合凹部と最上段踏板ピースの係合孔とに最上段係合材を挿入することにより、上階連結機構を介して上階床段ピースと最上段踏板ピースとを接続することができる。
【0018】
上記構成の螺旋階段は、前記上階連結機構を覆い、前記上階床段ピースと前記最上段踏板ピースとに接続される接続踏板を有することが好ましい。
上記構成によれば、接続踏板によって上階連結機構が覆われることで上階床段ピースと最上段踏板ピースとの連結部分の美観性を高めることができる。
【0019】
上記課題を解決する螺旋階段は、上記構成の踏板ピースを複数有する螺旋階段であって、最下段踏板ピースと、下階床段ピースと、前記最下段踏板ピースと前記下階床段ピースとに連結される下階連結材を有する下階連結機構と、を備え、前記下階床段ピースは、前記下階連結材と連結される下階連結材連結部を有し、前記下階連結材は、前記下階床段ピースと連結される下階床段ピース連結部と、前記第1方向に延びて、前記最下段踏板ピースの嵌合凸部が嵌合する最下段連結用嵌合凹部と、を有する。
【0020】
上記構成によれば、最下段踏板ピースの嵌合凸部を下階連結材の最下段連結用嵌合凹部に嵌合させることにより、下段床段ピースに対して最下段踏板ピースを容易に設置することができる。
【0021】
上記課題を解決する螺旋階段の組立方法は、互いに接続可能なFRP系材の踏板ピースを複数有する螺旋階段の組立方法であって、前記踏板ピースは、踏板本体と、前記踏板本体から第1方向に延びる嵌合凸部と、前記嵌合凸部の側面に開口して前記第1方向と交差する第2方向に延びる係合凹部と、他の踏板ピースの嵌合凸部が嵌合する嵌合凹部と、前記第2方向に延びて、前記他の踏板ピースの嵌合凸部が前記嵌合凹部に嵌合した状態において前記他の踏板ピースの係合凹部に連通する係合孔と、を有し、前記踏板ピース同士を接続するステップが、下段踏板ピースの嵌合凹部に上段踏板ピースの嵌合凸部を嵌合させるステップと、前記下段踏板ピースの係合孔と前記上段踏板ピースの係合凹部とに係合材を挿入するステップと、を備える。
【0022】
上記構成によれば、上段踏板ピースの嵌合凸部を下段踏板ピースの嵌合凹部に嵌合させたのち、連通状態にある上段踏板ピースの係合凹部と下段踏板ピースの係合孔とに係合材を挿入することにより、上段踏板ピースと下段踏板ピースとを接続することができる。
【0023】
上記構成の螺旋階段の組立方法は、下階床に、最下段踏板ピースの嵌合凸部が嵌合する最下段連結用嵌合凹部を有する下階床段ピースを連結するステップと、前記最下段連結用嵌合凹部に前記最下段踏板ピースの嵌合凸部を嵌合させるステップと、前記踏板ピース同士を接続するステップと、最上段踏板ピースと前記最上段踏板ピースの嵌合凹部に嵌合する最上段連結用嵌合凸部を有する上階床段ピースとを連結するステップと、上階床に前記上階床段ピースを連結するステップと、を備えることが好ましい。
【0024】
上記構成によれば、下階床と上階床との間に、踏板ピースを互いに接続した螺旋階段を設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】螺旋階段の一実施形態の概略構成を示す斜視図である。
【
図2】踏板ピースの一実施形態の概略構成を示す斜視図である。
【
図3】下段踏板ピースの嵌合凹部に上段踏板ピースの嵌合凸部を嵌合させる様子を模式的に示す斜視図である。
【
図4】下段踏板ピースの嵌合凹部に上段踏板ピースの嵌合凸部が嵌合した状態を示す斜視図である。
【
図5】下段踏板ピースと上段踏板ピースとが接続された状態を示す斜視図である。
【
図6】下階床段ピースに対する最下段踏板ピースの設置構造を示す分解斜視図である。
【
図7】下階床段ピースに最下段踏板ピースが設置された状態を示す斜視図である。
【
図8】上階床段ピースと最上段踏板ピースとの連結構造を示す分解斜視図である。
【
図9】上階床段ピースと最上段踏板ピースとが連結された状態を示す分解斜視図である。
【
図10】上階連結材と接続踏板との連結構造を示す分解斜視図である。
【
図11】上階連結材に接続踏板が連結された状態を示す斜視図である。
【
図12】変更例において接続構造の概略構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1~
図11を参照して、接続構造、踏板ピース、螺旋階段、および、螺旋階段の組立方法の一実施形態について説明する。
(螺旋階段の概略構成)
図1に示すように、螺旋階段10は、階段部11と手摺12とを有する。階段部11は、螺旋状に形成されている。以下では、上面視において、階段部11の中心軸に近づく方向を内径方向、階段部11の中心軸から遠ざかる方向を外径方向という。
【0027】
手摺12は、上面視において、内径方向における階段部11の端部に沿うように配置されている。手摺12は、階段部11に連結された手摺支持柱14によって支持されている。階段部11は、互いに接続された複数の踏板ピース20で構成されている。踏板ピース20は、例えば、FRP(Fiber Reinforced Plastics)系材の一種であるCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)材、いわゆる炭素繊維強化プラスチック材によって作製される。
【0028】
互いに接続される踏板ピース20のうち、下段に位置する踏板ピース20を下段踏板ピース、上段に位置する踏板ピース20を上段踏板ピースという。また、最下段に位置する踏板ピース20を最下段踏板ピース、最上段に位置する踏板ピース20を最上段踏板ピースという。
【0029】
(踏板ピース)
図2に示すように、踏板ピース20は、踏板本体21を有する。踏板本体21は、狭幅の内径部22と広幅の外径部23とを有する。内径部22の下面22bは、下段踏板ピースに支持される被支持面である。
【0030】
踏板本体21は、踏面21aおよび蹴り上げ面21bを有する。踏面21aは、内径部22の上面と外径部23の上面とにより扇形形状に形成されている。蹴り上げ面21bは、内径部22の側面と外径部23の側面とによって構成されている。内径部22の側面は、略矩形状に形成されている。内径部22の側面は、外径方向側の部位ほど下端部が踏面21aに近づく略三角形状に形成されている。
【0031】
踏板ピース20は、嵌合凸部25を有する。嵌合凸部25は、内径部22に対して一体的に連結されている。嵌合凸部25は、内径部22の下面22bから下側へ突出するように第1方向H1に延びている。嵌合凸部25には、第1係合凹部26が形成されている。第1係合凹部26は、嵌合凸部25の側面に開口している。より具体的には、第1係合凹部26は、嵌合凸部25における内径方向側の側面と蹴り上げ面21bに連なる側面とに跨がって開口している。第1係合凹部26は、第1方向H1と交差する第2方向H2に延びている。第2方向H2は、上下方向成分よりも水平方向成分が大きい方向である。第2方向H2は、水平方向成分のみで構成されることが好ましい。第1係合凹部26は、後述する第1係合材40が挿入される部分である。
【0032】
踏板ピース20は、嵌合凹部形成部30を有する。嵌合凹部形成部30は、踏板本体21に対して、内径部22と外径部23の内側部分とに一体的に連結されている。嵌合凹部形成部30は、蹴り上げ面21bの反対側へ踏板本体21から突出している。嵌合凹部形成部30には、上段踏板ピースの嵌合凸部25が嵌合する嵌合凹部31が形成されている。
【0033】
嵌合凹部31は、嵌合凹部形成部30の上面30aから第1方向H1へ凹設されている。嵌合凹部形成部30の上面30aは、踏面21aよりもやや下側に位置している。この上面30aは、上段踏板ピースの嵌合凸部25が嵌合凹部31に嵌合した状態において、上段踏板ピースの内径部22の下面22bを支持する支持面である。
【0034】
また、踏板本体21には、係合孔35と第2係合凹部36とが形成されている。係合孔35および第2係合凹部36は、内径方向における踏板本体21の側面である挿入口形成面21sに開口している。係合孔35および第2係合凹部36は、開口部分を含めて挿入口形成面21s側の端部が連通しているとともに開口部分が上下方向で並ぶように形成されている。
【0035】
係合孔35は、挿入口形成面21sから第2方向H2に延びて嵌合凹部31の側面に開口する貫通孔である。係合孔35は、嵌合凹部31に上段踏板ピースの嵌合凸部25が嵌合した状態において、上段踏板ピースの嵌合凸部25に形成された第1係合凹部26と連通する。連通状態にある第1係合凹部26と係合孔35とには、後述する第1係合材40が挿入される。
【0036】
第2係合凹部36は、第2方向H2と交差する第3方向H3に延びている。第3方向H3は、上下方向成分よりも水平方向成分が大きい方向である。第3方向H3は、第2方向H2に直交する方向であることが好ましい。第2係合凹部36には、後述する第2係合材45が挿入される。
【0037】
(踏板ピースの接続方法)
図3~
図5を参照して、下段踏板ピース20Aと上段踏板ピース20Bとの接続方法について説明する。なお、
図3~
図5では、上段踏板ピース20Bに関する符号の引き出し線については二点鎖線で示している。また、上段踏板ピース20Bが第1部材に相当し、下段踏板ピース20Aが第2部材に相当する。
【0038】
図3に示すように、踏板ピース20同士を連結する際には、まず、下段踏板ピース20Aの嵌合凹部31(下段嵌合凹部)に対して上段踏板ピース20Bの嵌合凸部25(上段嵌合凸部)を嵌合させる。これらが嵌合すると、下段踏板ピース20Aの嵌合凹部形成部30の上面30aに上段踏板ピース20Bの内径部22の下面22bが当接することにより、上段踏板ピース20Bが下段踏板ピース20Aに支持される。また、下段踏板ピース20Aの係合孔35(下段係合孔)と上段踏板ピース20Bの第1係合凹部26(上段係合凹部)とが連通する。
【0039】
次に、
図4に示すように、連通状態にある下段踏板ピース20Aの係合孔35と上段踏板ピース20Bの第1係合凹部26とに対して、下段踏板ピース20Aの挿入口形成面21sから第1係合材40を挿入する。第1係合材40が挿入されることにより、上下方向における相対移動が規制された状態で下段踏板ピース20Aと上段踏板ピース20Bとが接続される。
【0040】
第1係合材40は、下段踏板ピース20Aの係合孔35と上段踏板ピース20Bの第1係合凹部26との間に、がたつきが抑えられつつも抜き差し可能な隙間が形成される形状を有する。第1係合材40は、下段踏板ピース20Aの係合孔35と上段踏板ピース20Bの第1係合凹部26とに挿入された状態において挿入口形成面21sから突出する第1突出部41を有する。第1突出部41には、上下方向において第1突出部41を貫通する第1接合孔42が形成されている。
【0041】
また、下段踏板ピース20Aの第2係合凹部36に対して、挿入口形成面21sから第2係合材45を挿入する。第2係合材45は、第2係合凹部36との間に、がたつきが抑えられつつも抜き差し可能な隙間が形成される形状を有する。第2係合材45は、第2係合凹部36に挿入された状態において挿入口形成面21sから突出する第2突出部46を有する。第2突出部46は、上下方向で第1突出部41と並ぶように配置される。第2突出部46には、上下方向において第2突出部46を貫通する第2接合孔47が形成されている。第2接合孔47は、第1係合材40および第2係合材45が挿入された状態において第1接合孔42と連通する。
【0042】
次に、
図5に示すように、第1接合孔42と第2接合孔47とに接合材であるピン49が挿入されることにより、第1係合材40と第2係合材45が下段踏板ピース20Aの係合孔35(下段係合孔35)の外側でピン接合される。これにより、第1係合材40の抜落が第2係合材45によって防止され、第2係合材45の抜落が第1係合材40によって防止される。すなわち、下段踏板ピース20Aと上段踏板ピース20Bとが接続状態に維持される。
【0043】
このようにして、最下段踏板ピースから最上段踏板ピースまで順番に踏板ピース20を接続していくことにより階段部11が形成される。なお、第1係合材40および第2係合材45の一部は、手摺支持柱14によってピン接合される。
【0044】
(最下段踏板ピースの設置方法)
図6に示すように、螺旋階段10は、下階床段ピース50と下階連結機構51とを有する。最下段踏板ピース20Cは、下階床段ピース50と下階連結機構51とを介して下階床に設置される。
【0045】
下階床段ピース50は、下階床に固定される部材、あるいは、下階床の一部である。下階連結機構51は、下階連結材52と下階床段ピース50に下階連結材52を連結する締結材53と、を有する。
【0046】
下階床段ピース50は、下階連結材52を収容する下階連結材収容部55を有する。下階連結材収容部55には、下階連結材52が連結される下階連結材連結部56が形成されている。下階連結材連結部56は、下階床段ピース50と下階連結材52とを連結する締結材53が締結される。
【0047】
下階連結材52は、下階床段ピース50に連結される下階床段ピース連結部58を有する。下階床段ピース連結部58は、締結材53の頭部を収容するとともに下階連結材52の底部において締結材53の座面を形成する。下階連結材52は、下階床段ピース50の下階連結材収容部55に収容されたのち、締結材53が下階連結材連結部56に締結されることで下階床段ピース50に連結される。
【0048】
また、下階連結材52には、最下段連結用嵌合凹部59が形成されている。最下段連結用嵌合凹部59は、最下段踏板ピース20Cの嵌合凸部25が嵌合する凹部である。最下段連結用嵌合凹部59は、踏板ピース20に形成されている嵌合凹部31と同様の形状に形成されている。
【0049】
図7に示すように、最下段踏板ピース20Cは、下階床段ピース50に連結された下階連結材52の最下段連結用嵌合凹部59に嵌合凸部25を嵌合させることにより、下階床段ピース50と下階連結機構51とを介して下階床に設置される。
【0050】
(最上段踏板ピースの連結方法)
図8に示すように、螺旋階段10は、上階床段ピース60と上階連結機構61とを有する。最上段踏板ピース20Dは、上階床段ピース60と上階連結機構61とを介して上階床に連結される。なお、
図8のほか、後述の
図9~
図11では省略しているが、最上段踏板ピース20Dには、最下段踏板ピース20Cへと連なるようにして階段部11を構成する他の踏板ピース20が接続されている。
【0051】
上階床段ピース60は、上階床に固定される部材、あるいは、上階床の一部である。上階連結機構61は、上階連結材62と上階床段ピース60に上階連結材62を連結する締結材63とを有する。
【0052】
上階床段ピース60は、上階連結材62が連結される上階連結材連結部66が形成されている。上階連結材連結部66は、上階床段ピース60と上階連結材62とを連結する締結材63が締結される。
【0053】
上階連結材62は、上階連結材本体67と最上段連結用嵌合凸部68とを有する。
上階連結材本体67は、上階床段ピース60の上面の一部および側面の一部を覆う段差状の形状を有する。上階連結材本体67は、上階床段ピース60の上面に対向配置される部分に、上階床段ピース60に連結される上階床段ピース連結部69を有する。上階床段ピース連結部69は、締結材63の頭部を収容するとともに上階連結材本体67の底部において締結材63の座面を形成する。
【0054】
また、上階連結材本体67は、上階床段ピース60の側面に対向配置される部分に、接続踏板嵌込部70と接続踏板連結部71とを有する。接続踏板嵌込部70は、後述する接続踏板80の一部が嵌め込まれる部分である。接続踏板嵌込部70は、最上段踏板ピース20Dにおける踏面21aと嵌合凹部形成部30の上面30aとの段差を埋めるように配設される。接続踏板連結部71は、接続踏板80が連結される部分である。
【0055】
最上段連結用嵌合凸部68は、踏板ピース20に形成されている嵌合凸部25と同様の形状を有して最上段踏板ピース20Dの嵌合凹部31に嵌合する凸部である。具体的には、最上段連結用嵌合凸部68は、上階連結材本体67のうちで上階床段ピース60の側面に対向配置される部分から下側へ突出するように第1方向H1に延びている。最上段連結用嵌合凸部68には、連結用係合凹部73が形成されている。連結用係合凹部73は、最上段連結用嵌合凸部68の側面に開口して第2方向H2に延びている。連結用係合凹部73は、最上段連結用嵌合凸部68が最上段踏板ピース20Dの嵌合凹部31に嵌合した状態において、最上段踏板ピース20Dの係合孔35に連通する。
【0056】
また、上階連結機構61は、最上段第1係合材75と最上段第2係合材76とを有する。最上段第1係合材75は、上述した第1係合材40と同じ部材である。最上段第1係合材75は、連通状態にある最上段踏板ピース20Dの係合孔35と連結用係合凹部73とに対して、最上段踏板ピース20Dの挿入口形成面21sから挿入される。最上段第2係合材76は、上述した第2係合材45と同じ部材である。最上段第2係合材76は、最上段踏板ピース20Dの第2係合凹部36に挿入される。最上段第1係合材75と最上段第2係合材76は、最上段踏板ピース20Dの係合孔35の外側でピン接合される。
【0057】
上階連結機構61を用いて最上段踏板ピース20Dと上階床段ピース60とを連結する際には、まず、最上段踏板ピース20Dの嵌合凹部31に対して最上段連結用嵌合凸部68が嵌合するように、また、上階床段ピース60の上階連結材連結部66と上階連結材62の上階床段ピース連結部69との位置が合うように上階連結材62を配置する。そして、締結材63で上階床段ピース60と上階連結材62とを締結する。これにより、上階床段ピース60と上階連結材62とが連結される。
【0058】
そして、
図9に示すように、連通状態にある最上段踏板ピース20Dの係合孔35と連結用係合凹部73とに対して最上段第1係合材75を挿入するとともに最上段踏板ピース20Dの第2係合凹部36に最上段第2係合材76を挿入する。その後、最上段第1係合材75と最上段第2係合材76とをピン接合する。これにより、最上段踏板ピース20Dと上階床段ピース60とが上階連結機構61によって連結される。
【0059】
図10に示すように、螺旋階段10は、接続踏板80を有する。接続踏板80は、上階連結材62を介して上階床段ピース60と最上段踏板ピース20Dとに接続される。接続踏板80は、上階連結機構61の上階連結材62を覆い隠すようにして締結材81によって上階連結材62に接続されている。
【0060】
接続踏板80は、上階床段ピース60の一部および上階連結材62を上方から覆う接続踏板本体部82と、上階連結材62を最上段踏板ピース20Dの踏面21a側から覆う接続踏板側面部83とを有する。
【0061】
接続踏板本体部82には、上階連結材62のうちで上階床段ピース60よりも上方に位置する部分を収容する上階連結材収容部(図示せず)が形成されている。上階連結材収容部が形成されていることにより、接続踏板本体部82は、上階床段ピース60の上面に当接するように配置される。
【0062】
接続踏板側面部83には、嵌込凹部84と上階連結材側面連結部85とが形成されている。嵌込凹部84は、接続踏板80を配置する際に上階連結材62の接続踏板嵌込部70に嵌め込まれる部分である。上階連結材側面連結部85は、締結材81の頭部を収容するとともに接続踏板側面部83の奥部において締結材81の座面を形成する。
【0063】
図11に示すように、接続踏板80を上階連結材62に連結する際には、上階連結材収容部に上階連結材62が収容されるように、また、嵌込凹部84が上階連結材62の接続踏板嵌込部70に嵌め込まれるように接続踏板80を配置する。そして、上階連結材側面連結部85と上階連結材62の接続踏板連結部71とを締結材81で締結することで上階連結材62に接続踏板80が連結される。
【0064】
(螺旋階段の組立方法)
上述した螺旋階段10を組み立てる際には、まず、下階床段ピース50に下階連結材52を連結したのち、最下段踏板ピース20Cを設置する。次に、最下段踏板ピース20Cから最上段踏板ピース20Dまで順番に踏板ピース20を接続する。そして、最上段踏板ピース20Dと上階床段ピース60とを上階連結機構61で連結したのち、上階連結材62に接続踏板80を連結する。
【0065】
本実施形態の作用および効果について説明する。
(1)上記実施形態によれば、上段踏板ピース20Bの嵌合凸部25を下段踏板ピース20Aの嵌合凹部31に嵌合させる。その後、下段踏板ピース20Aの係合孔35および上段踏板ピース20Bの第1係合凹部26に第1係合材40を挿入することにより、踏板ピース20同士が接続される。これにより、簡単な接続作業によって踏板ピース20同士を接続することができる。
【0066】
(2)踏板ピース20がFRP系材で作製されていることから、踏板ピース20の軽量化、ひいては、階段部11の軽量化を図ることができる。
(3)第1係合材40は、第2係合凹部36に挿入される第2係合材45と接合されている。これにより、第1係合材40の抜落が第2係合材45によって防止され、かつ、第2係合材45の抜落が第1係合材40によって防止される。その結果、下段踏板ピース20Aと上段踏板ピース20Bとが接続された状態を確実に維持することができる。
【0067】
(4)第1係合材40と第2係合材45とが係合孔35の外側でピン接合されることから、第1係合材40と第2係合材45とを容易に接合することができる。
(5)第1係合材40と第2係合材45が、手摺支持柱14によってピン接合されている。これにより、螺旋階段10に手摺12を設けたとしても、手摺支持柱14を支持するための構成を階段部11に別途設ける必要がない。その結果、手摺12の設置にともなう部品点数の増加を抑えることができる。
【0068】
(6)最上段部分においては、最上段連結用嵌合凸部68が最上段踏板ピース20Dの嵌合凹部31に嵌合しているとともに、連通状態にある上階連結材62の連結用係合凹部73と最上段踏板ピース20Dの係合孔35とに最上段第1係合材75が挿入されている。これにより、上階連結機構61を介した上階床段ピース60と最上段踏板ピース20Dとの接続を容易に行うことができる。
【0069】
(7)上階床段ピース60と最上段踏板ピース20Dとに接続される接続踏板80によって上階連結機構61が覆われている。これにより、上階床段ピース60と最上段踏板ピース20Dとの連結部分の美観性を向上させることができる。
【0070】
(8)下階床段ピース50には、下階連結材収容部55に収容された状態で下階連結材52が連結されている。また、最下段踏板ピース20Cの嵌合凸部25を下階連結材52の最下段連結用嵌合凹部59に嵌合させることにより、下階床段ピース50に対して最下段踏板ピース20Cが設置される。これにより、螺旋階段10の最下段部分における美観性を向上させつつ、最下段踏板ピース20Cを簡単な方法のもとで設置することができる。
【0071】
(9)第1係合材40,75および第2係合材45,76が抜き差し可能に構成されている。これにより、階段部11の解体も容易に行うことができる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0072】
・上記実施形態においては、下階連結機構51を介して最下段踏板ピース20Cを下階床段ピース50に設置した。これに限らず、最下段踏板ピース20Cは、下階床段ピース50に最下段連結用嵌合凹部を設けることにより、下階床段ピース50に直接的に設置されてもよい。
【0073】
・上記実施形態においては、上階連結機構61を覆う接続踏板80を設けたが、接続踏板80は必須の構成ではない。
・上記実施形態においては、上階連結材62の最上段連結用嵌合凸部68を最上段踏板ピース20Dの嵌合凹部31に嵌合させるとともに最上段第1係合材75および最上段第2係合材76を用いて最上段踏板ピース20Dと上階連結材62を連結した。これに限らず、最上段踏板ピース20Dと上階連結材62は、例えば、締結材を用いた締結によって連結されてもよい。
【0074】
・上記実施形態においては、第1係合材40と第2係合材45とを用いて、踏板ピース20を互いに接続した。これに限らず、第1係合材40のみを用いて、踏板ピース20を互いに接続してもよい。この構成においては、第1係合材40が抜落しにくくなるように、係合孔35および第1係合凹部26に対して第1係合材40が圧入されることが好ましい。また、第1係合材40と第2係合材45との接合方法は、ピン接合に限らず、例えば接着剤などを用いて接合されてもよい。
【0075】
・螺旋階段10は、階段部11を有する構成であればよく、手摺12および手摺支持柱14は必須の構成ではない。
・上記実施形態では、互いに接続される踏板ピース20を用いて螺旋階段10を構成した。これに限らず、同様の接続構造により互いに接続可能な踏板ピースを用いて他の形状の階段、例えば直階段などを構成してもよい。
【0076】
・上記実施形態の接続構造は、踏板ピース20の接続に限らず、互いに異なる第1部材と第2部材との接続に適用可能である。
例えば
図12に示すように、第1部材110は、第1本体111、嵌合凸部112、および、係合凹部113を有する。嵌合凸部112は、第1本体111から第1方向H1に延びている。係合凹部113は、嵌合凸部112の側面に開口して第1方向H1と交差する第2方向H2に延びている。第2部材120は、第2本体121、嵌合凹部122、係合孔123を有する。嵌合凹部122は、第2本体121に開口を有して第1方向H1に延びる凹部であって、嵌合凸部112が嵌合する凹部である。係合孔123は、第2方向H2に延びる孔であって、嵌合凹部122に嵌合凸部112が嵌合した状態において係合凹部113に連通可能な孔である。第1部材110と第2部材120は、嵌合凸部112を嵌合凹部122に嵌合させたのち、係合孔123および係合凹部113に係合材130を挿入することにより接続される。
【符号の説明】
【0077】
H1…第1方向、H2…第2方向、H3…第3方向、10…螺旋階段、11…階段部、12…手摺、14…手摺支持柱、20…踏板ピース、20A…下段踏板ピース、20B…上段踏板ピース、20C…最下段踏板ピース、20D…最上段踏板ピース、21…踏板本体、21a…踏面、21b…蹴り上げ面、21s…挿入口形成面、22…内径部、22b…下面、23…外径部、25…嵌合凸部、26…第1係合凹部、30…嵌合凹部形成部、30a…上面、31…嵌合凹部、35…係合孔、36…第2係合凹部、40…第1係合材、41…第1突出部、42…第1接合孔、45…第2係合材、46…第2突出部、47…第2接合孔、49…ピン、50…下階床段ピース、51…下階連結機構、52…下階連結材、53…締結材、55…下階連結材収容部、56…下階連結材連結部、58…下階床段ピース連結部、59…最下段連結用嵌合凹部、60…上階床段ピース、61…上階連結機構、62…上階連結材、63…締結材、66…上階連結材連結部、67…上階連結材本体、68…最上段連結用嵌合凸部、69…上階床段ピース連結部、70…接続踏板嵌込部、71…接続踏板連結部、73…連結用係合凹部、75…最上段第1係合材、76…最上段第2係合材、80…接続踏板、81…締結材、82…接続踏板本体部、83…接続踏板側面部、84…嵌込凹部、110…第1部材、111…第1本体、112…嵌合凸部、113…係合凹部、120…第2部材、121…第2本体、122…嵌合凹部、123…係合孔、130…係合材。