(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057685
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】情報共有システム、情報共有方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/101 20230101AFI20240418BHJP
G06Q 10/06 20230101ALI20240418BHJP
【FI】
G06Q10/10 300
G06Q10/06
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022164490
(22)【出願日】2022-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100088959
【弁理士】
【氏名又は名称】境 廣巳
(74)【代理人】
【識別番号】100097157
【弁理士】
【氏名又は名称】桂木 雄二
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【弁理士】
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】白石 治
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA06
5L010AA11
5L049AA06
5L049AA11
(57)【要約】
【課題】複数の作業者でチームを組んで作業する場合において、作業の効率の向上を図ることができないこと。
【解決手段】本開示の情報共有システム100は、予め関連付けられた複数の情報処理端末から、複数の情報処理端末のそれぞれに組み込まれたアプリケーションにて実行された作業内容を表す作業情報を取得する取得手段121と、複数の作業情報にてそれぞれ表される作業内容に基づいて作業情報を統合する統合手段122と、統合した作業情報を複数の情報処理端末それぞれに表示するよう提供する提供手段123と、を備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め関連付けられた複数の情報処理端末から、複数の前記情報処理端末のそれぞれに組み込まれたアプリケーションにて実行された作業内容を表す作業情報を取得する取得手段と、
複数の前記作業情報にてそれぞれ表される前記作業内容に基づいて、前記作業情報を統合する統合手段と、
統合した前記作業情報を、複数の前記情報処理端末それぞれに表示するよう提供する提供手段と、
を備えた情報共有システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報共有システムであって、
前記取得手段は、複数の前記情報処理端末のそれぞれに組み込まれた複数種類の前記アプリケーションにて実行された前記作業内容を表す前記作業情報を取得し、
前記統合手段は、異なる種類の前記アプリケーションから取得された前記作業情報を、当該作業情報にて表される前記作業内容に基づいて統合する、
情報共有システム。
【請求項3】
請求項1に記載の情報共有システムであって、
前記統合手段は、前記作業内容が予め設定された関連性を有する前記作業情報を統合する、
情報共有システム。
【請求項4】
請求項1に記載の情報共有システムであって、
前記統合手段は、前記作業内容に共通する内容を含む前記作業情報を統合する、
情報共有システム。
【請求項5】
請求項1に記載の情報共有システムであって、
前記提供手段は、複数の前記情報処理端末のそれぞれにおいて実行された前記アプリケーションの実行画面上に、統合した前記作業情報を表示するよう複数の前記情報処理端末に提供する、
情報共有システム。
【請求項6】
請求項1に記載の情報共有システムであって、
前記提供手段は、複数の前記情報処理端末のそれぞれにおいて実行された複数種類の前記アプリケーションそれぞれの実行画面上に、統合した前記作業情報を表示するよう複数の前記情報処理端末に提供する、
情報共有システム。
【請求項7】
予め関連付けられた複数の情報処理端末から、複数の前記情報処理端末のそれぞれに組み込まれたアプリケーションにて実行された作業内容を表す作業情報を取得し、
複数の前記作業情報にてそれぞれ表される前記作業内容に基づいて、前記作業情報を統合し、
統合した前記作業情報を、複数の前記情報処理端末それぞれに表示するよう提供する、
情報共有方法。
【請求項8】
予め関連付けられた複数の情報処理端末から、複数の前記情報処理端末のそれぞれに組み込まれたアプリケーションにて実行された作業内容を表す作業情報を取得し、
複数の前記作業情報にてそれぞれ表される前記作業内容に基づいて、前記作業情報を統合し、
統合した前記作業情報を、複数の前記情報処理端末それぞれに表示するよう提供する、
処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報共有システム、情報共有方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスワークを行う作業者がパーソナルコンピュータなどの情報処理装置を使用して作業を行う場合、複数の業務アプリケーションを使用することがある。例えば、業務アプリケーションとして、ファイルサーバアクセスアプリ、メールアプリ、チャットアプリ、掲示板アプリなどがあり、これらのアプリケーションを使用して、情報の生成・編集、削除、探索、収集、といった作業が作業者によって行われる。
【0003】
また、オフィスワークにおいては、複数の作業者がチームを組んで作業を行うことがあり、この場合、チーム内の作業者同士で作業情報を共有することが必要となる。このとき、作業情報の共有方法として、口頭、電話、テレビ会議、メール、チャット、掲示板、ファイル共有などが考えられるが、作業情報を取得する労力と時間がかかり、作業効率の向上を図ることができない。
【0004】
ここで、特許文献1に、一方の作業者のコンピュータにおける作業情報を、他の作業者のコンピュータに送信して表示する、ことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1に記載の技術では、単に一方の作業者の作業情報を他の作業者に提供しているだけであるため、他の作業者にとって有益であるかは不明である。このため、複数の作業者でチームを組んで作業する場合において、必ずしも作業効率の向上を図ることができない、という問題が生じる。
【0007】
本開示の目的は、上述した課題である、複数の作業者でチームを組んで作業する場合において、作業の効率の向上を図ることができない、ことを解決することができる情報共有システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一形態である情報共有システムは、
予め関連付けられた複数の情報処理端末から、複数の前記情報処理端末のそれぞれに組み込まれたアプリケーションにて実行された作業内容を表す作業情報を取得する取得手段と、
複数の前記作業情報にてそれぞれ表される前記作業内容に基づいて、前記作業情報を統合する統合手段と、
統合した前記作業情報を、複数の前記情報処理端末それぞれに表示するよう提供する提供手段と、
を備えた、
という構成をとる。
【0009】
また、本開示の一形態である情報共有方法は、
予め関連付けられた複数の情報処理端末から、複数の前記情報処理端末のそれぞれに組み込まれたアプリケーションにて実行された作業内容を表す作業情報を取得し、
複数の前記作業情報にてそれぞれ表される前記作業内容に基づいて、前記作業情報を統合し、
統合した前記作業情報を、複数の前記情報処理端末それぞれに表示するよう提供する、
という構成をとる。
【0010】
また、本開示の一形態であるプログラムは、
予め関連付けられた複数の情報処理端末から、複数の前記情報処理端末のそれぞれに組み込まれたアプリケーションにて実行された作業内容を表す作業情報を取得し、
複数の前記作業情報にてそれぞれ表される前記作業内容に基づいて、前記作業情報を統合し、
統合した前記作業情報を、複数の前記情報処理端末それぞれに表示するよう提供する、
処理をコンピュータに実行させる、
という構成をとる。
【発明の効果】
【0011】
本開示は、以上のように構成されることにより、複数の作業者でチームを組んで作業する場合において、作業の効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の実施形態1における情報共有システムの全体構成を示すブロック図である。
【
図2】
図1に開示したユーザ端末の構成を示すブロック図である。
【
図3】
図1に開示したユーザ端末の表示画面の一例を示す図である。
【
図4】
図1に開示したユーザ端末の動作を示すフローチャートである。
【
図5】本開示の実施形態2における情報共有システムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図6】本開示の実施形態2における情報共有システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<実施形態1>
本開示の第1の実施形態を、
図1乃至
図4を参照して説明する。
図1乃至
図3は、情報共有システムの構成を説明するための図であり、
図4は、情報共有システムの処理動作を説明するための図である。
【0014】
[構成]
本実施形態における情報共有システムは、
図1に示すように、複数のユーザ端末T1,T2がネットワークNを介して接続されている。ここで、
図1の例では、ユーザ端末T1はユーザU1が操作するものであり、ユーザ端末T2はユーザU2が操作するものであることとする。なお、
図1では、2つのユーザ端末T1,T2を図示しているが、さらに多くのユーザ端末がネットワークNを介して接続されていてもよい。
【0015】
そして、本実施形態では、ユーザU1,U2は、それぞれユーザ端末T1、T2を操作してオフィス業務として作業を行う作業者であり、特に、チームを組んで作業する状況にあることとする。このため、ユーザU1,U2は、同一のチームに属するよう関連付けられており、これに伴い、ユーザ端末T1,T2も相互に関連付けられている。例えば、各ユーザU1,U2に付与された識別情報が各ユーザ端末T1,T2に入力されており、かかる識別情報が関連付けられることで、ユーザ端末T1,T2が関連付けられることとなる。なお、同一のチームにさらに多くのユーザが属している場合には、さらに多くのユーザ端末が関連付けられていることとなる。
【0016】
ユーザ端末T1は、演算装置と記憶装置とを備えた情報処理端末にて構成される。特に、本実施形態では、ユーザ端末T1は、ユーザU1が操作するデスクトップ型あるいはノート型のパーソナルコンピュータといった情報処理装置である。但し、ユーザ端末T1は、いかなる情報処理装置で構成されていてもよい。
【0017】
そして、ユーザ端末T1は、
図2に示すように、通信インタフェース10を備えており、ネットワークNに接続されている。これにより、ユーザ端末T1は、ネットワークNに接続された他のユーザ端末T2やサーバなどの情報処理装置と情報の送受信が可能である。
【0018】
また、ユーザ端末T1は、
図2に示すように、ファイルサーバアクセスアプリ11、メールアプリ12、チャットアプリ13、掲示板アプリ14、といった作業を行うための業務アプリケーションを備える。また、ユーザ端末T1は、各アプリ11~14それぞれに対応した各AI(Artificial Intelligence)15~18を備える。さらに、ユーザ端末T1は、統合画面表示アプリ19を備える。そして、ファイルサーバアクセスアプリ11、メールアプリ12、チャットアプリ13、掲示板アプリ14、各AI15~18、統合画面表示アプリ19の各機能は、演算装置が記憶装置に格納された各機能を実現するためのプログラムを実行することにより実現することができる。
【0019】
なお、上述した各アプリケーション11~14は、後述するようにファイルサーバ、メールサーバ、チャットサーバ、掲示板サーバなどのネットワークN上のサーバ装置にアクセスして作動することとなるが、
図1では、これらのサーバ装置の図示は省略している。
【0020】
また、ユーザ端末T2は、
図2に示すように、通信インタフェース20、ファイルサーバアクセスアプリ21、メールアプリ22、チャットアプリ23、掲示板アプリ24、各AI25~28、統合画面表示アプリ29を備える。これらの各構成は、ユーザ端末T1の構成とほぼ同一であるため、以下では、主にユーザ端末T1の構成について詳細を説明し、ユーザ端末T2の構成については詳細な説明は省略する。
【0021】
ファイルサーバアクセスアプリ11は、通信インタフェース10を介したファイルサーバへのアクセス機能を有する。また、ファイルサーバアクセスアプリ11は、ファイルサーバへアクセスした際のフォルダ操作(生成・選択・コピー・移動・検索・削除)やファイル操作(保存・選択・コピー・移動・検索・削除)の機能を有する。そのほか、ファイルサーバアクセスアプリ11は、後述するように統合画面表示アプリ19によって作業情報が統合されて最適化された画面表示情報を受け取る機能と、受け取った情報をファイルサーバアクセスアプリ11の画面上へ表示する機能も有する。
【0022】
メールアプリ12は、通信インタフェース10を介してメールサーバへアクセスする機能を有し、メールサーバに保存されているメールを受信する機能や、メールを作成してメールサーバへ送信する機能を有する。また、メールアプリ12は、メールアプリへ受信したメールの検索機能や、メールへのファイル添付機能なども有している。そのほか、メールアプリ12は、後述するように統合画面表示アプリ19によって作業情報が統合されて最適化された画面表示情報を受け取る機能と、受け取った情報をメールアプリ12の画面上へ表示していく機能も有する。
【0023】
チャットアプリ13は、通信インタフェース10を介してチャットサーバへアクセスする機能を有し、文字メッセージをサーバへ送って他者とのコミュニケーションをとるための機能を有する。また、チャットアプリ13は、状況によっては文字メッセージだけではなく、音声でのコミュニケーションや動画でのコミュニケーションの付加価値機能なども提供する。そのほか、チャットアプリ13は、後述するように統合画面表示アプリ19によって作業情報が統合されて最適化された画面表示情報を受け取る機能と、受け取った情報をチャットアプリの画面上へ表示していく機能も有する。
【0024】
掲示板アプリ14は、通信インタフェース10を介して掲示板サーバへアクセスする機能を有し、文字メッセージを掲示板サーバへ情報として書きこむための機能を有する。書き込んだ情報は同じチーム内で情報共有の目的で機能を提供する。そのほか、掲示板アプリ14は、後述するように統合画面表示アプリ19によって作業情報が統合されて最適化された画面表示情報を受け取る機能と、受け取った情報を掲示板アプリの画面上へ表示していく機能も有する。
【0025】
なお、ユーザ端末T1には、上述したファイルサーバアクセスアプリ11等の業務アプリケーションの他に、他の業務アプリケーションが組み込まれていてもよい。
【0026】
AI15~18は、上述した業務アプリケーション11~14毎に対応して装備されている。そして、各AI15~18は、それぞれユーザが各業務アプリケーション11~14を操作して情報へアクセスした際の動作(情報の生成・編集・削除・探索・収集)を監視して記録する機能や、記録をもとにした統計情報の分析結果を情報として蓄えておく機能を有している。なお、本発明で使用するAIの学習エンジンとしては、例えば言語分析に対応したRNN(Recurrent Neural Network)を用いることで可能となる。
【0027】
このように、AI15~18は、業務アプリケーション11~14にて実行された動作やその分析結果を、業務アプリケーション11~14にて実行された作業内容を表す作業情報として取得する機能を有する。そして、AI15~18は、取得した作業情報を、統合画面表示アプリ19に転送すると共に、さらに、通信インタフェース10を介して同一のチームに属する他のユーザU2のユーザ端末T2に転送する機能を有する。また、ユーザ端末T2の各AI25~28も同様に、ユーザ端末T2上の各業務アプリケーション21~24にて実行された作業内容を表す作業情報を取得する機能を有する。そして、ユーザ端末T2のAI25~28は、取得した作業情報を、統合画面表示アプリ29に転送すると共に、さらに、通信インタフェース20を介して同一のチームに属する他のユーザU1のユーザ端末T1に転送する機能を有する。
【0028】
ここで、さらにAI15~18,25~28の具体的な機能について説明する。まず、一例として、ユーザ端末T1のファイルサーバアクセスアプリ11に対応するAI15の機能について説明する。ユーザU1がユーザ端末T1にてファイルサーバアクセスアプリ11を操作し、通信インタフェース10を介してファイルサーバに保存されているファイルへアクセスすると、AI15は、ファイルサーバアクセスアプリ11が操作されたことを監視して、ファイルサーバアクセスアプリ11の動作を作業情報として記録に残す。作業情報としては、例えば、ユーザU1が任意のフォルダに入っているファイルを開き、ファイルの内容を編集した操作をした場合であれば、「アクセスしたフォルダのフォルダ名称」、「アクセスしたファイルのフォルダ格納位置(フォルダ階層)」、「アクセスして開いたファイルのファイル名称」、「開いたファイルについて、閲覧しているページの文章情報や単語情報」、「開いたファイルの編集した箇所の文章情報や単語情報(文章追加、削除、コピーなどの一連の操作による行為で発生した情報)」、「コピーしたファイルのファイル名称」、「削除したファイルのファイル名称」などである。なお、ファイルへアクセスしたあとでの操作については、上述した操作に限定したものではなく他の違う操作も含まれる。また、AI15は、収集したさまざまな操作を参照し、ユーザU1がどのフォルダのどのファイルにどういった操作をしたかを分析して、分析結果を作業情報として記録に残す。そして、AI15は、上述したアプリケーションの動作記録と分析記録からなる作業情報を、統合画面表示アプリ19へと転送すると共に、通信インタフェース10を介して他のユーザ端末T2へと転送する。
【0029】
また、一例として、ユーザ端末T2のメールアプリ22に対応するAI26の機能について説明する。まず、ユーザU2が、ユーザ端末T2にてメールアプリ22を操作し、通信インタフェース20を介してメールサーバへアクセスして、メールアプリ22宛てのメールが保存されている場合、メールサーバからメールを受信する。その後、ユーザU2が、メールの内容をみて欲しい情報が含まれているかを確認する。このとき、AI26は、ユーザU2による一連の操作によるメールアプリ22の動作を監視し、メールアプリ26の作業情報として記録する。作業情報は、例えば、ユーザU2がメールアプリ22の任意のフォルダに入っているメールを開き、メールの内容を確認した操作であれば、「アクセスしたメールのフォルダ名称」、「アクセスしたメールのメール件名」、「アクセスしたメールの送信元」、「アクセスしたメールの受信元」、「アクセスしたメールに添付された添付ファイル名称」、「アクセスしたメールの文章情報や単語情報」などである。なお、メール操作は、上述した操作に限定されず、他の違う操作も含まれる。また、AI26は、収集したさまざまな操作を参照し、ユーザがどのメールフォルダのどのメールにどういった操作をしたかを分析して、分析結果を作業情報として記録する。そして、AI26は、上述したアプリケーションの動作記録と分析記録からなる作業情報を、統合画面表示アプリ29へと転送すると共に、通信インタフェース20を介して他のユーザ端末T1へと転送する。
【0030】
なお、上記では、ファイルサーバアクセスアプリ11とメールアプリ22とに対応するAI15,26について説明したが、チャットアプリ13,23や掲示板アプリ14,24に対応するAI17,18,27,28も同様に作業情報を取得して、統合画面表示アプリ19,29と他のユーザ端末に転送する。例えば、チャットアプリ13,23に対応するAI17,27は、「チャットアプリを実施した相手の氏名」、「チャットアプリでやり取りした文章情報」、「チャットアプリに添付したファイルの名称」、「開いた添付ファイルの文章情報」などを作業情報として取得する。また、例えば、掲示板アプリ14,24に対応するAI18,28は、「閲覧した掲示板情報について、記録を残した人物の氏名」、「閲覧した掲示板の文章情報」、「掲示板に添付されたファイルのファイル名称」、「開いた添付ファイルの文章情報」などを作業情報として取得する。
【0031】
なお、各AIが取得する作業情報は、上述した情報に限定されず、いかなる業務アプリケーションのいかなる作業に対する作業内容を表す情報であってもよい。
【0032】
統合画面表示アプリ19は、上述したように、自己のユーザ端末T1の各AI15~18から転送された作業情報と、他のユーザ端末T2の各AI25~28から転送された作業情報と、を取得して記憶装置に記憶する。つまり、統合画面表示アプリ29は、同一のチームに属する複数のユーザ端末T1,T2のそれぞれに組み込まれた複数種類の業務アプリケーション11~14,21~24にて実行された作業情報を取得する取得手段として機能する。
【0033】
また、統合画面表示アプリ19は、取得した複数のユーザ端末T1,T2及び複数種類の業務アプリケーション11~14,21~24の作業情報を、かかる業務情報に含まれる作業内容に基づいて統合する機能(統合手段)を有する。このとき、統合画面表示アプリ19は、例えば、各作業情報に含まれる作業内容に共通要素があるかを確認し、共通要素がある場合には、これらの作業情報が作業上の共通性があると認識し、これら複数の作業情報をまとめて統合する。一例として、作業内容に共通要素がある場合とは、上述したような作業情報に含まれるファイル名称、メール件名、文章情報、単語情報、などが一致することである。例えば、上述したように、ファイルサーバアクセスアプリ11から取得した作業情報に含まれるファイルサーバでアクセスしたファイルのファイル名称と、メールアプリ22から取得した作業情報に含まれるメールのメール件名と、が一致している場合に、これらの作業情報を統合する。このとき、統合画面表示アプリ19は、これらの共通性がある作業情報を、1つの画面上にまとめて表示されるよう加工して統合する。
【0034】
なお、統合画面表示アプリ19は、必ずしも作業内容に共通要素がある作業情報を統合することに限定されない。例えば、統合画面表示アプリ19は、各作業情報に含まれる作業内容に予め設定された関連性があるかを確認し、関連性がある場合に、これらの作業情報をまとめて統合してもよい。このとき、関連性がある場合とは、例えば、上位フォルダが共通するファイルや、予め関連付けられた単語情報、などが挙げられるが、いかなる関連性であってもよい。
【0035】
また、統合画面表示アプリ19は、上述したように統合した作業情報を、自己のユーザ端末T1の各業務アプリケーション11~14、及び、他のユーザ端末T2の各業務アプリケーション21~24、のそれぞれに提供する。つまり、統合画面表示アプリ19は、同一のチームに属する各ユーザU1,U2の各ユーザ端末T1,T2に搭載された各業務アプリケーション11~14,21~24に対して、統合した作業情報を提供する機能(提供手段)を有する。このとき、統合画面表示アプリ19は、各業務アプリケーション11~14,21~24の実行画面上において統合された作業情報を表示するように提供する。これにより、各ユーザ端末T1,T2上では、各業務アプリケーション11~14,21~24を実行した際に、実行画面上に統合された作業が表示されることとなる。
【0036】
ここで、
図3に、統合された作業情報の表示例を示す。
図3では、ユーザ端末T1にはファイルサーバアクセスアプリ11の実行画面11aとメールアプリ12の実行画面12aが表示されていることとし、ユーザ端末T2にはメールアプリ22の実行画面22aが表示されていることとする。このとき、各アプリの実行画面11a,12a,22a内の一部に統合情報表示部19a,29aが形成され、かかる統合情報表示部19a,29aに同一の統合された作業情報が表示される。この例では、ユーザ端末T1のユーザU1がファイルサーバにてファイルにアクセスしている場合に、かかる作業情報と、アクセスしているファイルと共通性がある他のユーザB,C,Dによる業務アプリケーションの作業情報と、を統合して表示している。
【0037】
なお、上述した各ユーザ端末T1,T2の各AI15~18,25~28と、統合画面表示アプリ19,29とは、必ずしも各ユーザ端末T1,T2に装備されていることに限定されない。例えば、各AI15~18,25~28と、統合画面表示アプリ19,29とは、各ユーザ端末T1,T2にネットワークNを介して接続された他の情報処理装置に装備されていてもよい。この場合、他の情報処理装置は、ネットワークNを介して、各ユーザ端末T1,T2から各業務アプリケーション11~14,21~24の作業情報を取得して、これら作業情報を作業内容に基づいて統合し、さらに、ネットワークNを介して、各ユーザ端末T1,T2の各業務アプリケーション11~14,21~24に対して統合した作業情報を提供してもよい。
【0038】
[動作]
次に、上述したユーザ端末T1,T2の動作を、主に
図4のフローチャートを参照して説明する。ここでは、ユーザ端末T1,T2を操作するユーザU1,U2が、同一のチームに所属して作業を行っていることとする。
【0039】
まず、ユーザU1がユーザ端末T1にてファイルサーバアクセスアプリ11を操作し、通信インタフェース10を介してファイルサーバに保存されているファイルへアクセスしていることとする。すると、ユーザ端末T1のAI15は、ファイルサーバアクセスアプリ11が操作されたことを監視して、ファイルサーバアクセスアプリ11の動作を作業情報として記録に残す。また、AI15は、収集したさまざまな操作を参照し、ユーザU1がどのフォルダのどのファイルにどういった操作をしたかを分析して作業情報として記録に残す。そして、AI15は、上述したアプリケーションの動作記録と分析記録からなる作業情報を、統合画面表示アプリ19へと転送すると共に、通信インタフェース10を介して他のユーザ端末T2へと転送する。これにより、ユーザ端末T1の統合画面表示アプリ19と、他のユーザ端末T2の統合画面表示アプリ19とは、ユーザ端末T1のファイルサーバアクセスアプリ11の作業情報を取得する(ステップS1)。
【0040】
また、上述したようにユーザ端末T1の作業情報が取得される際に、ユーザU2がユーザ端末T2にてメールアプリ22を操作していることとする。具体的に、ユーザ端末T2が、通信インタフェース20を介してメールサーバへアクセスして、メールアプリ22宛てのメールが保存されている場合、メールサーバからメールを受信する。その後、ユーザU2が、メールの内容をみて欲しい情報が含まれているかを確認する。このとき、AI26は、ユーザU2による一連の操作によるメールアプリ22の動作を監視し、メールアプリ26の作業情報として記録する。また、AI26は、収集したさまざまな操作を参照し、ユーザがどのメールフォルダのどのメールにどういった操作をしたかを分析して作業情報として記録する。そして、AI26は、上述したアプリケーションの動作記録と分析記録からなる作業情報を、統合画面表示アプリ29へと転送すると共に、通信インタフェース20を介して他のユーザ端末T1へと転送する。これにより、ユーザ端末T2の統合画面表示アプリ29と、他のユーザ端末T1の統合画面表示アプリ19とは、ユーザ端末T2のメールアプリ22の作業情報を取得する(ステップS1)。
【0041】
なお、説明は省略するが、各ユーザ端末T1,T2で実行された他の業務アプリケーションの作業情報も、上述同様に各統合画面表示アプリ19,29が取得することとなる。
【0042】
続いて、ユーザ端末T1の統合画面表示アプリ19は、自己のユーザ端末T1のファイルサーバアクセスアプリ11における作業情報と、他のユーザ端末T2のメールアプリ22における作業情報と、さらに取得していれば他のアプリにおける作業情報と、を統合する(ステップS2)。このとき、統合画面表示アプリ19は、各作業情報に含まれる作業内容に共通要素があるなど関連性を確認し、関連性がある場合には、これらの作業情報をまとめて統合する。
【0043】
そして、統合画面表示アプリ19は、上述したように統合した作業情報を、自己のユーザ端末T1の各業務アプリケーション11~14、及び、他のユーザ端末T2の各業務アプリケーション21~24、のそれぞれに提供する(ステップS3)。これにより、各ユーザ端末T1,T2上では各業務アプリケーション11~14,21~24が実行されると、その実行画面上に統合された作業情報が表示される(ステップS4)。例えば、
図3に示すように、各ユーザ端末T1,T2の各業務アプリケーションの実行画面11a,12a,22a上には、統合情報表示部19a,29aが形成され、かかる統合情報表示部19a,29aに、共通の統合された作業情報が表示されることとなる。
【0044】
なお、ユーザ端末T2の統合画面表示アプリ29においても、上述同様に、取得した作業情報の統合と提供が行われる(ステップS2,S3)。これにより、ユーザ端末T2の統合画面表示アプリ29で統合された作業情報が、ユーザ端末T1,T2の各業務アプリケーションの表示画面上に表示されることとなる(ステップS4)。
【0045】
以上のように、本実施形態では、同一のチームに属するユーザU1,U2のユーザ端末T1,T2に、各ユーザ端末T1,T2で実行された各業務アプリケーションの作業情報が、作業内容に基づいて統合されてまとめて表示されることとなる。特に、本実施形態では、同一の業務アプリケーションの作業情報に限らず、異なる種類の業務アプリケーションの作業情報も、作業内容に基づいて統合されて表示されるため、同一チームの他のユーザのあらゆる業務アプリケーションに対する相互に関連する作業情報を認識することができる。さらに、本実施形態では、あらゆる業務アプリケーションの実行画面上に統合された作業情報を表示しているため、あらゆる状況において作業情報を認識することができる。その結果、同一チームのユーザ同士で、関連する作業情報の共有が容易となり、作業効率の向上を図ることができる。
【0046】
<実施形態2>
次に、本開示の第2の実施形態を、
図5乃至
図6を参照して説明する。
図5乃至
図6は、実施形態2における情報共有システムの構成を示すブロック図である。なお、本実施形態では、上述した実施形態で説明したユーザ端末T1,T2の構成の概略を示している。
【0047】
まず、
図5を参照して、本実施形態における情報共有システム100のハードウェア構成を説明する。情報共有システム100は、一般的な情報処理装置にて構成されており、一例として、以下のようなハードウェア構成を装備している。
・CPU(Central Processing Unit)101(演算装置)
・ROM(Read Only Memory)102(記憶装置)
・RAM(Random Access Memory)103(記憶装置)
・RAM103にロードされるプログラム群104
・プログラム群104を格納する記憶装置105
・情報処理装置外部の記憶媒体110の読み書きを行うドライブ装置106
・情報処理装置外部の通信ネットワーク111と接続する通信インタフェース107
・データの入出力を行う入出力インタフェース108
・各構成要素を接続するバス109
【0048】
なお、
図5は、情報共有システム100である情報処理装置のハードウェア構成の一例を示しており、情報処理装置のハードウェア構成は上述した場合に限定されない。例えば、情報処理装置は、ドライブ装置106を有さないなど、上述した構成の一部から構成されてもよい。また、情報処理装置は、上述したCPUの代わりに、GPU(Graphic Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、MPU(Micro Processing Unit)、FPU(Floating point number Processing Unit)、PPU(Physics Processing Unit)、TPU(TensorProcessingUnit)、量子プロセッサ、マイクロコントローラ、又は、これらの組み合わせなどを用いることができる。
【0049】
そして、情報共有システム100は、プログラム群104をCPU101が取得して当該CPU101が実行することで、
図6に示す取得手段121と統合手段122と提供手段123とを構築して装備することができる。なお、プログラム群104は、例えば、予め記憶装置105やROM102に格納されており、必要に応じてCPU101がRAM103にロードして実行する。また、プログラム群104は、通信ネットワーク111を介してCPU101に供給されてもよいし、予め記憶媒体110に格納されており、ドライブ装置106が該プログラムを読み出してCPU101に供給してもよい。但し、上述した取得手段121と統合手段122と提供手段123とは、かかる手段を実現させるための専用の電子回路で構築されるものであってもよい。
【0050】
上記取得手段121は、予め関連付けられた複数の情報処理端末から、複数の情報処理端末のそれぞれに組み込まれたアプリケーションにて実行された作業内容を表す作業情報を取得する。このとき、取得手段121は、複数の情報処理端末から、複数種類のアプリケーションにて実行された作業内容を表す作業情報を取得してもよい。作業情報は、例えば、アクセスしたファイルなど対象の名称や文章情報などである。
【0051】
上記統合手段122は、複数の作業情報にてそれぞれ表される作業内容に基づいて、作業情報を統合する。例えば、統合手段122は、作業内容が共通するなど関連性がある場合に、作業情報を統合する。
【0052】
上記提供手段123は、統合した作業情報を、複数の情報処理端末それぞれに表示するよう提供する。例えば、提供手段123は、各情報処理端末の各アプリケーションの表示画面上で、統合した作業情報を表示するよう提供する。
【0053】
本開示は、以上のように構成されることにより、各ユーザによる各アプリケーションの作業情報が、作業内容に基づいて統合され、かかる統合された作業情報がユーザ間で共有されることとなる。このため、ユーザは、作業内容が関連するような各ユーザのアプリケーションに対する作業情報を認識することができる。その結果、ユーザにとって、有用な作業情報を容易に共有することができ、作業効率の向上を図ることができる。
【0054】
なお、上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0055】
以上、上記実施形態等を参照して本開示を説明したが、本開示は、上述した実施形態に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示の範囲内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。また、上述した取得手段121と統合手段122と提供手段123との機能のうちの少なくとも一以上の機能は、ネットワーク上のいかなる場所に設置され接続された情報処理装置で実行されてもよく、つまり、いわゆるクラウドコンピューティングで実行されてもよい。
【0056】
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうる。以下、本開示における情報共有システム、情報共有方法、プログラムの構成の概略を説明する。但し、本開示は、以下の構成に限定されない。
(付記1)
予め関連付けられた複数の情報処理端末から、複数の前記情報処理端末のそれぞれに組み込まれたアプリケーションにて実行された作業内容を表す作業情報を取得する取得手段と、
複数の前記作業情報にてそれぞれ表される前記作業内容に基づいて、前記作業情報を統合する統合手段と、
統合した前記作業情報を、複数の前記情報処理端末それぞれに表示するよう提供する提供手段と、
を備えた情報共有システム。
(付記2)
付記1に記載の情報共有システムであって、
前記取得手段は、複数の前記情報処理端末のそれぞれに組み込まれた複数種類の前記アプリケーションにて実行された前記作業内容を表す前記作業情報を取得し、
前記統合手段は、異なる種類の前記アプリケーションから取得された前記作業情報を、当該作業情報にて表される前記作業内容に基づいて統合する、
情報共有システム。
(付記3)
付記1に記載の情報共有システムであって、
前記統合手段は、前記作業内容が予め設定された関連性を有する前記作業情報を統合する、
情報共有システム。
(付記4)
付記1に記載の情報共有システムであって、
前記統合手段は、前記作業内容に共通する内容を含む前記作業情報を統合する、
情報共有システム。
(付記5)
付記1に記載の情報共有システムであって、
前記提供手段は、複数の前記情報処理端末のそれぞれにおいて実行された前記アプリケーションの実行画面上に、統合した前記作業情報を表示するよう複数の前記情報処理端末に提供する、
情報共有システム。
(付記6)
付記1に記載の情報共有システムであって、
前記提供手段は、複数の前記情報処理端末のそれぞれにおいて実行された複数種類の前記アプリケーションそれぞれの実行画面上に、統合した前記作業情報を表示するよう複数の前記情報処理端末に提供する、
情報共有システム。
(付記7)
予め関連付けられた複数の情報処理端末から、複数の前記情報処理端末のそれぞれに組み込まれたアプリケーションにて実行された作業内容を表す作業情報を取得し、
複数の前記作業情報にてそれぞれ表される前記作業内容に基づいて、前記作業情報を統合し、
統合した前記作業情報を、複数の前記情報処理端末それぞれに表示するよう提供する、
情報共有方法。
(付記8)
予め関連付けられた複数の情報処理端末から、複数の前記情報処理端末のそれぞれに組み込まれたアプリケーションにて実行された作業内容を表す作業情報を取得し、
複数の前記作業情報にてそれぞれ表される前記作業内容に基づいて、前記作業情報を統合し、
統合した前記作業情報を、複数の前記情報処理端末それぞれに表示するよう提供する、
処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0057】
U1,U2 ユーザ
T1,T2 ユーザ端末
10,20 通信インタフェース
11,21 ファイルサーバアクセスアプリ
12,22 メールアプリ
13,23 チャットアプリ
14,24 掲示板アプリ
15~18,25~28 AI
19,29 統合画面表示アプリ
100 情報共有システム
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 プログラム群
105 記憶装置
106 ドライブ装置
107 通信インタフェース
108 入出力インタフェース
109 バス
110 記憶媒体
111 通信ネットワーク
121 取得手段
122 統合手段
123 提供手段