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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057686
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】地図更新システム
(51)【国際特許分類】
   G09B 29/00 20060101AFI20240418BHJP
   G09B 29/10 20060101ALI20240418BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
G09B29/00 F
G09B29/00 C
G09B29/10 A
G01C21/26 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022164494
(22)【出願日】2022-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】000004695
【氏名又は名称】株式会社SOKEN
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】熊野 俊也
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 諒子
(72)【発明者】
【氏名】横田 忠至
【テーマコード(参考)】
2C032
2F129
【Fターム(参考)】
2C032HB11
2C032HC08
2C032HC21
2C032HC27
2C032HD03
2C032HD04
2F129AA03
2F129BB03
2F129DD20
2F129EE02
2F129FF02
2F129FF39
2F129GG17
2F129GG18
2F129HH12
2F129HH25
(57)【要約】
【課題】道路に設定されたインセンティブポイントを容易に知ることができる技術を提供する。
【解決手段】地図更新システム100、100a、100bは、地図データベース11、24と、地図更新サーバ101と、車両位置認識部32と、外部環境情報生成部35と、地図新鮮度演算部12と、エリアの地図新鮮度に応じて予め設定されたインセンティブポイントを車両のユーザ又は車両に付与するインセンティブポイント付与部13と、エリアの地図新鮮度情報またはインセンティブポイント情報を、ユーザに提示するユーザ対応部38と、を備える。ユーザ対応部は、車両の地図上の位置と地図新鮮度とを利用して、予め定められたポイント閾値以上のインセンティブポイントを付与可能な経路情報を特定して、車両に搭載された表示装置251に表示させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図更新システム(100、100a、100b)であって、
地図情報を記憶する地図データベース(11、24)と、
車両との通信により取得した外部環境情報に基づいて前記地図情報の更新を行う地図更新サーバ(101)と、
前記車両の地図上の位置を認識する車両位置認識部(32)と、
前記車両に搭載された外部センサ(22)の検出結果と前記車両の地図上の位置とに基づいて、前記車両の地図上の位置に関連付けて前記車両の外部環境に関する前記外部環境情報を生成する外部環境情報生成部(35)と、
前記地図情報において予め設定されたエリア毎に地図新鮮度を演算する地図新鮮度演算部(12)と、
前記車両から前記外部環境情報が前記地図更新サーバに送信された場合に、前記外部環境情報に対応する前記エリアの前記地図新鮮度に応じて予め設定されたインセンティブポイントを前記車両のユーザ又は前記車両に付与するインセンティブポイント付与部(13)と、
前記エリアの前記地図新鮮度に関する情報である地図新鮮度情報または前記エリアの前記インセンティブポイントに関するインセンティブポイント情報を、前記ユーザに提示するユーザ対応部(38)と、
を備え、
前記ユーザ対応部は、前記車両の地図上の位置と前記地図新鮮度とを利用して、予め定められたポイント閾値以上の前記インセンティブポイントを付与可能な経路情報を特定して、前記車両に搭載された表示装置(251)に表示させる、地図更新システム。
【請求項2】
請求項1に記載の地図更新システムにおいて、
前記ユーザ対応部は、前記車両が走行中の道路を含む前記車両から予め定められた距離の範囲内にある道路である周囲道路を示す前記地図情報と、前記車両の地図上の位置と、を前記表示装置に表示させ、
前記周囲道路は、複数の車線を有し、
前記複数の車線の各々、および前記複数の車線の組み合わせは、前記エリアに該当し、
前記ユーザ対応部は、前記エリアの前記インセンティブポイントに関する前記インセンティブポイント情報を、前記表示装置に表示させる、地図更新システム。
【請求項3】
請求項2に記載の地図更新システムにおいて、
前記ユーザ対応部は、前記表示装置に表示された前記周囲道路に沿って配置されるライン状画像であって前記エリアに設定されている前記インセンティブポイントに応じた種類のライン状画像(FL1~FL3、FL1a~FL3a)を、前記経路情報として前記表示装置に表示させる、地図更新システム。
【請求項4】
請求項2に記載の地図更新システムにおいて、
前記ポイント閾値の入力を受け付けるユーザインターフェイス部(25)をさらに備え、
前記ユーザ対応部は、前記周囲道路のうち、前記ユーザインターフェイス部から入力された前記ポイント閾値以上の前記インセンティブポイントを付与可能な道路を検索して、前記表示装置に表示させる、地図更新システム。
【請求項5】
請求項2に記載の地図更新システムにおいて、
前記ユーザ対応部は、前記車両が右折または左折のための停車時に、右折または左折後に走行可能な各車線のうち、前記ポイント閾値以上の前記インセンティブポイントを付与可能な前記エリアを構成する車線を、前記表示装置に表示させる、地図更新システム。
【請求項6】
請求項2に記載の地図更新システムにおいて、
前記車両が走行している車線とは異なる他の車線であって、車線変更により移動先となり得る他の車線への車線変更が可能か否かを判定する車線変更判定部(39)を、さらに備え、
前記ユーザ対応部は、前記他の車線への車線変更が可能でないと判定された場合に、前記他の車線に対して設定されている前記インセンティブポイントに関する前記インセンティブポイント情報を、前記表示装置に表示しない、地図更新システム。
【請求項7】
請求項2から請求項6までのいずれか一項に記載の地図更新システムにおいて、
前記車両が停車中であるか否かを判定する停車判定部(40)を、さらに備え、
前記ユーザ対応部は、前記車両が停車中であると判定された場合に、前記インセンティブポイント情報を前記表示装置に表示させ、前記車両が停車中でないと判定された場合に、前記インセンティブポイントを前記表示装置に表示させない、地図更新システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、地図更新システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両におけるナビゲーションや自動運転のために用いられる地図は、現状に即した内容とするために更新されることが求められる。そこで、車両に搭載されたカメラやレーダセンサ等の外部環境をセンシングする外部センサにより得られる情報を、地図を管理するサーバである地図更新サーバに送信し、地図更新サーバにて地図を更新する技術が種々提案されている。特許文献1には、地図更新サーバに対するデータ送信に対してインセンティブポイントを付与することにより、地図の更新を促す地図更新システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-141842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の地図更新システムでは、各車両において、目的地が設定されてユーザに対して選択対象となる複数の経路を提示する際に、地図更新サーバとの通信によりインセンティブポイント情報が取得され、各経路のインセンティブポイントがユーザに提示される。或いは、設定された経路に沿って走行して車両が目的地に達した場合に、走行してきた経路に設定されたインセンティブポイントがユーザに提示される。このため、経路を設定せずにいずれの経路(道路)にインセンティブポイントが設定されるか、また、どの程度のインセンティブポイントが設定されるかを、容易に知ることができず不便であった。このようなことから、設定されるインセンティブポイントを容易に知ることができる技術が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一形態として、地図更新システム(100、100a、100b)が提供される。この地図更新システムは、地図情報を記憶する地図データベース(11、24)と、車両との通信により取得した外部環境情報に基づいて前記地図情報の更新を行う地図更新サーバ(101)と、前記車両の地図上の位置を認識する車両位置認識部(32)と、前記車両に搭載された外部センサ(22)の検出結果と前記車両の地図上の位置とに基づいて、前記車両の地図上の位置に関連付けて前記車両の外部環境に関する前記外部環境情報を生成する外部環境情報生成部(35)と、前記地図情報において予め設定されたエリア毎に地図新鮮度を演算する地図新鮮度演算部(12)と、前記車両から前記外部環境情報が前記地図更新サーバに送信された場合に、前記外部環境情報に対応する前記エリアの前記地図新鮮度に応じて予め設定されたインセンティブポイントを前記車両のユーザ又は前記車両に付与するインセンティブポイント付与部(13)と、前記エリアの前記地図新鮮度に関する情報である地図新鮮度情報または前記エリアの前記インセンティブポイントに関するインセンティブポイント情報を、前記ユーザに提示するユーザ対応部(38)と、を備え、前記ユーザ対応部は、前記車両の地図上の位置と前記地図新鮮度とを利用して、予め定められたポイント閾値以上の前記インセンティブポイントを付与可能な経路情報を特定して、前記車両に搭載された表示装置(251)に表示させる。
【0006】
この形態の地図更新システムによれば、ユーザ対応部は、車両の地図上の位置と地図新鮮度とを利用して、予め定められたポイント閾値以上のインセンティブポイントを付与可能な経路情報を特定して、表示装置251に表示させるので、ユーザは、表示装置251に表示された経路情報により、各経路(道路)について、少なくともポイント閾値以上のインセンティブポイントが設定されているか否かを容易に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の一実施形態としての地図更新システムを示すブロック図である。
図2】地図情報の更新処理の手順を示すフローチャートである。
図3】地図新鮮度の演算処理の手順を示すフローチャートである。
図4】インセンティブポイント情報提示処理の手順を示すフローチャートである。
図5】第1実施形態におけるインセンティブポイント情報の提示例を示す説明図である。
図6】第2実施形態におけるインセンティブポイント情報の提示例を示す説明図である。
図7】第3実施形態におけるインセンティブポイント情報の提示例を示す説明図である。
図8】第4実施形態における付与エリア検索のための入力画面の一例を示す説明図である。
図9】第5実施形態におけるインセンティブポイント情報提示処理の手順を示すフローチャートである。
図10】第5実施形態におけるインセンティブポイント情報の提示例を示す説明図である。
図11】第6実施形態における地図更新システムを示すブロック図である。
図12】第6実施形態におけるインセンティブポイント情報提示処理の手順を示すフローチャートである。
図13】第7実施形態における地図更新システムを示すブロック図である。
図14】第7実施形態におけるインセンティブポイント情報提示処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
A.第1実施形態:
図1に示す地図更新システム100は、車両から取得した情報を利用して地図情報の更新を行うシステムである。
【0009】
A1.地図更新システムの構成:
地図更新システム100は、地図更新サーバ101と、複数の車両制御装置102とを備えている。なお、複数の車両制御装置102に代えて、単一の車両制御装置102を備える構成であってもよい。
【0010】
A1-1.地図更新サーバの構成:
地図更新サーバ101は、交通関係の情報を管理するセンターなどの施設に設けられたサーバである。地図更新サーバ101は、地図更新サーバ101と通信可能な車両から取得した外部環境情報に基づいて地図情報の更新を行う。外部環境情報とは、車両の外部センサによって検出された車両の外部環境(道路の白線などの道路の環境を含む)に関する情報である。外部環境情報について詳しくは後述する。
【0011】
地図更新サーバ101は、CPU、記憶部、及び通信制御部を含む一般的なコンピュータとして構成される。記憶部は、ROM及び/又はRAMであってもよく、RAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)構成とされたHDDなどの記憶媒体であってもよい。記憶部は、地図更新サーバ101の外に設けられていてもよい。通信制御部は、通信を制御するネットワークカードなどの通信デバイスである。地図更新サーバ101の各機能は、上述した各ハードウェアの動作の組合せによって実現される。地図更新サーバ101は、複数台のコンピュータによって構成されていてもよい。地図更新サーバ101は、クラウドサーバであってもよい。
【0012】
地図更新サーバ101は、サーバ側地図データベース11、地図新鮮度演算部12、インセンティブポイント付与部13、信頼度評価部14、及び地図情報更新部15を有している。また、地図更新サーバ101は、車両との通信を行うサーバ側通信部16と接続されている。サーバ側通信部16は、例えば、地図更新サーバ101が設けられたセンターの通信設備である。
【0013】
サーバ側地図データベース11は、地図情報を記憶するデータベースである。地図情報には、道路の位置情報、道路形状の情報(例えばカーブ、直線部の種別、カーブの曲率等)、交差点及び分岐点の位置情報、及び構造物の位置情報などが含まれる。サーバ側地図データベース11は、後述する車両側地図データベース24の基準となっている。サーバ側地図データベース11の地図情報の更新については後述する。
【0014】
サーバ側地図データベース11には、地図上において予め設定されたエリアに関するエリア情報が記憶されている。「エリア」とは、地図を区切って得られる部分領域である。エリアは、例えば、地図を格子状に区切って形成される領域や、道路に含まれる複数の車線のそれぞれに相当する領域や、車線の組み合わせに相当する領域などが該当する。「車線の組み合わせに相当する領域」とは、例えば、以下のような領域を意味する。例えば、車線Aと、かかる車線Aと交差点において交差する車線Bとが存在する場合、車両が交差点において車線Aから右折または左折を行って車線Bに入って走行する場合、車線Aから車線Bに至る経路が存在する。このような車線Aの一部と車線Bの一部とを交差点において繋いだ領域が「車線の組み合わせに相当する領域」の一例であり、本実施形態では、このような領域を「エリア」としてインセンティブポイントを付与可能としている。なお、サーバ側地図データベース11は、地図更新サーバ101とは異なるサーバに設けられていてもよい。
【0015】
地図新鮮度演算部12は、サーバ側地図データベース11の地図情報に設定されたエリア毎の地図新鮮度を演算する。地図新鮮度とは、地図情報の新鮮さの度合いである。地図新鮮度演算部12は、エリアの地図情報が更新されてからの経過時間に応じて地図新鮮度を演算する。地図新鮮度演算部12は、例えば、エリアの地図情報が更新されてからの経過時間が短いほど地図新鮮度を高い値として演算する。なお、地図新鮮度演算部12は、必ずしも地図新鮮度を数値として演算する必要はなく、地図新鮮度を高、中、低など段階的な状態として求めてもよい。
【0016】
インセンティブポイント付与部13は、車両制御装置102の制御する車両から外部環境情報が地図更新サーバ101に送信された場合に、車両のユーザ又は当該車両にインセンティブポイントを付与する。本実施形態において車両のユーザとは、車両に乗車している人を意味する。インセンティブポイントの付与対象となるユーザは一人である。ユーザは運転者に限定される必要はない。なお、インセンティブポイントの付与対象としてのユーザには、車両に乗車していない車両の所有者(法人を含む)を含めてもよい。
【0017】
インセンティブポイントとは、車両のユーザが外部環境情報を地図更新サーバ101に送信する動機付けを生じさせるためのポイントである。インセンティブポイントは、例えば、航空会社の実施しているマイレージ(登録商標)のマイルであってもよく、周知のポイントシステムのポイントであってもよく、専用のポイントであってもよい。インセンティブポイントは、貯めることでユーザにメリットをもたらすポイントであればよい。インセンティブポイントは、有料道路使用料としての使用、車両検査費用としての使用、車両点検費用としての使用、燃料との引き替え、商品との引き替え、電子マネーへの変換などが可能なポイントとすることができる。
【0018】
インセンティブポイント付与部13は、外部環境情報の対応するエリアの地図新鮮度に応じてインセンティブポイントを決める。インセンティブポイント付与部13は、地図新鮮度とインセンティブポイントとを関連付けたマップデータを利用して、インセンティブポイントを決めてもよい。外部環境情報の対応するエリアとは、外部環境情報が取得された地図上の位置を含むエリアである。
【0019】
インセンティブポイント付与部13は、例えば、エリアに含まれる外部環境情報の量が一定量以上である場合(例えば車両が当該エリア内を一定距離以上走行して得た外部環境情報を地図更新サーバ101に送信した場合)、当該エリアの地図新鮮度に応じたインセンティブポイントをユーザ又は車両に付与する。
【0020】
インセンティブポイント付与部13は、外部環境情報の対応するエリアの地図新鮮度が高いほどインセンティブポイントを多く付与する。具体的には、地図新鮮度とインセンティブポイントとが正比例の関係であってもよいし、地図新鮮度が増加すると、段階状にインセンティブポイントが増加してもよい。例えば、インセンティブポイント付与部13は、地図新鮮度が所定閾値以上である場合、地図新鮮度が所定閾値未満である場合と比べて、インセンティブポイントを多く付与するといった2段階であってもよい。
【0021】
信頼度評価部14は、外部環境情報の信頼度を評価する。外部環境情報の信頼度とは、外部環境情報に含まれる車両の外部環境の検出時における車両制御装置102の信頼度である。信頼度評価部14は、車両の外部環境の検出時に外部センサの検出範囲が先行車などに遮られることで、道路の白線の情報などが外部環境情報に含まれていない場合、白線の情報が含まれている場合と比べて、外部環境情報の信頼度を低い値として評価する。信頼度評価部14は、外部環境情報において他車両などに隠されている白線の比率が高いほど信頼度を低い値として評価してもよい。隠されている白線の比率は、周知の技術(例えばカメラの画像処理技術)により求めることができる。
【0022】
信頼度評価部14は、車両の外部環境の検出時における外部センサの信頼度に基づいて、外部環境情報の信頼度を評価してもよい。同様に、信頼度評価部14は、車両制御装置102のECUの信頼度(安定度)に基づいて、外部環境情報の信頼度を評価してもよい。外部センサの信頼度及びECUの信頼度は、周知の技術により求めることができる。この場合、信頼度評価部14は、車両との通信により車両の外部環境の検出時における外部センサの信頼度及び/又はECUの信頼度を取得する。
【0023】
地図情報更新部15は、車両から取得した外部環境情報に基づいて、サーバ側地図データベース11の地図情報の更新を行う。まず、地図情報更新部15は、信頼度評価部14により評価された外部環境情報の信頼度が信頼度閾値以上であるか否かを判定する。信頼度閾値は、予め設定された閾値である。地図情報更新部15は、信頼度が信頼度閾値以上の外部環境情報に基づいて地図情報の更新を行う。一方、地図情報更新部15は、信頼度が信頼度閾値未満の外部環境情報を地図情報の更新に用いない。
【0024】
地図情報更新部15は、周知の技術により、外部環境情報に基づいた地図情報の更新を行う。地図情報更新部15は、例えば、外部環境情報に含まれるカメラの撮像画像から連続した路面画像を生成し、生成した路面画像を一定の条件下で地図に合成することで地図情報の更新を行う。
【0025】
A1-2.車両制御装置の構成:
次に、地図更新システム100の車両制御装置102の構成について説明する。車両制御装置102は、地図更新サーバ101と通信可能な車両の制御を行う装置である。車両の制御には、後述するユーザインターフェイス部25(以下、「UI部25」とも呼ぶ)の制御が少なくとも含まれる。車両の制御には、車両の走行制御(例えば自動運転制御、運転支援制御)が含まれていてもよい。
【0026】
車両制御装置102は、装置を統括的に管理するECU[Electronic Control Unit]30を備えている。ECU30は、CPU[Central Processing Unit]、ROM[Read Only Memory]、RAM[Random Access Memory]、CAN[Controller Area Network]通信回路等を有する電子制御ユニットである。ECU30では、例えば、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムをCPUで実行することにより各種の機能を実現する。ECU30は、複数の電子ユニットから構成されていてもよい。
【0027】
ECU30は、GPS受信部21、外部センサ22、内部センサ23、車両側地図データベース24、UI部25、アクチュエータ26、及び車両側通信部27と接続されている。
【0028】
GPS受信部21は、3個以上のGPS衛星から信号を受信することにより、車両の位置(例えば車両の緯度及び経度)を測定する。GPS受信部21は、測定した車両の位置情報をECU30へ送信する。
【0029】
外部センサ22は、車両の周辺の状況を検出する検出機器である。外部センサ22は、カメラ、レーダセンサのうち少なくとも一つを含む。
【0030】
カメラは、車両の外部環境を撮像する撮像機器である。カメラは、車両のフロントガラスの裏側に設けられている。カメラは、車両の外部環境に関する撮像情報をECU30へ送信する。カメラは、単眼カメラであってもよく、ステレオカメラであってもよい。ステレオカメラは、両眼視差を再現するように配置された二つの撮像部を有している。ステレオカメラの撮像情報には、奥行き方向の情報も含まれている。
【0031】
レーダセンサは、電波(例えばミリ波)又は光を利用して車両の周辺の障害物を検出する検出機器である。レーダセンサには、例えば、ミリ波レーダ又はライダー[LIDAR:Light Detection and Ranging]が含まれる。レーダセンサは、電波又は光を車両の周辺に送信し、障害物で反射された電波又は光を受信することで障害物を検出する。レーダセンサは、検出した障害物情報をECU30へ送信する。障害物には、ガードレール、建物等の固定障害物の他、歩行者、自転車、他車両等の移動障害物が含まれる。
【0032】
内部センサ23は、車両の走行状態を検出する検出機器である。内部センサ23は、車速センサ、加速度センサ、及びヨーレートセンサを含む。車速センサは、車両の速度を検出する検出器である。車速センサとしては、例えば、車両の車輪又は車輪と一体に回転するドライブシャフト等に対して設けられ、車輪の回転速度を検出する車輪速センサが用いられる。車速センサは、検出した車速情報(車輪速情報)をECU30に送信する。
【0033】
加速度センサは、車両の加速度を検出する検出器である。加速度センサは、例えば、車両の前後方向の加速度を検出する前後加速度センサと、車両の横加速度を検出する横加速度センサとを含んでいる。加速度センサは、例えば、車両の加速度情報をECU30に送信する。ヨーレートセンサは、車両の重心の鉛直軸周りのヨーレート(回転角速度)を検出する検出器である。ヨーレートセンサとしては、例えばジャイロセンサを用いることができる。ヨーレートセンサは、検出した車両のヨーレート情報をECU30へ送信する。
【0034】
車両側地図データベース24は、地図情報を記憶するデータベースである。車両側地図データベース24は、例えば、車両に搭載されたHDD[Hard Disk Drive]内に形成されている。車両側地図データベース24は、地図更新サーバ101との通信により、サーバ側地図データベース11を基準として地図情報を更新する。なお、車両制御装置102は、車両側地図データベース24を備えず、必要な地図情報をサーバ側地図データベース11から取得する構成であってもよい。
【0035】
UI部25は、運転者と車両制御装置102との間で情報の出力及び入力をするためのインターフェイスを有する。UI部25は、運転者等に画像情報を表示する表示装置251の他、運転者が入力操作を行うためのタッチパネルを備えている。また、UI部25は、図示しない車両のスピーカに接続されている。UI部25は、ECU30からの制御信号に基づいて、画像情報を表示装置251に表示すると共にスピーカから音声を出力する。UI部25は、ユーザの音声を収集するためのマイクを有し、マイクで収集したユーザの音声を認識する音声認識機能を備えていてもよい。
【0036】
アクチュエータ26は、車両の制御に用いられる機器である。アクチュエータ26は、スロットルアクチュエータ、ブレーキアクチュエータ、及び操舵アクチュエータを少なくとも含む。スロットルアクチュエータは、ECU30からの制御信号に応じてエンジンに対する空気の供給量(スロットル開度)を制御し、車両の駆動力を制御する。なお、車両がハイブリッド車である場合には、エンジンに対する空気の供給量の他に、動力源としてのモータにECU30からの制御信号が入力されて当該駆動力が制御される。車両が電気自動車である場合には、動力源としてのモータにECU30からの制御信号が入力されて当該駆動力が制御される。これらの場合における動力源としてのモータは、アクチュエータ26を構成する。
【0037】
ブレーキアクチュエータは、ECU30からの制御信号に応じてブレーキシステムを制御し、車両の車輪へ付与する制動力を制御する。ブレーキシステムとしては、例えば、液圧ブレーキシステムを用いることができる。操舵アクチュエータは、電動パワーステアリングシステムのうち操舵トルクを制御するアシストモータの駆動を、ECU30からの制御信号に応じて制御する。これにより、操舵アクチュエータは、車両の操舵トルクを制御する。
【0038】
車両側通信部27は、地図更新サーバ101と通信するための機器である。車両制御装置102は、車両側通信部27を通じて地図更新サーバ101と各種情報の送信及び受信を行う。通信形式は特に限定されない。
【0039】
次に、ECU30の機能的構成について説明する。ECU30は、ユーザ認証部31、車両位置認識部32、経路選択部33、外部環境認識部34、外部環境情報生成部35、走行状態認識部36、車両制御部37、及びユーザ対応部38を有している。以下に説明するECU30の機能の一部は、車両と通信可能なサーバなどで実行されてもよい。
【0040】
ユーザ認証部31は、車両のユーザの個別認証を行う。ユーザ認証部31は、UI部25を介して、周知の技術(例えば声紋認証、顔の画像認証)によりユーザの個別認証を実行する。なお、車両制御装置102は、インセンティブポイントの付与対象が車両又は車両の所有者に固定されている場合には、ユーザ認証部31を有する必要はない。
【0041】
車両位置認識部32は、GPS受信部21の位置情報及び車両側地図データベース24の地図情報に基づいて、車両の地図上の位置(以下、単に「車両位置」とも呼ぶことがある)を認識する。また、車両位置認識部32は、車両側地図データベース24の地図情報に含まれた電柱等の固定障害物の位置情報及び外部センサ22の検出結果を利用して、SLAM[Simultaneous Localization and Mapping]技術により車両の位置を認識する。車両位置認識部32は、その他、周知の手法により車両の地図上の位置を認識してもよい。
【0042】
経路選択部33は、車両の目的地が設定された場合に、UI部25を介して車両の進行する経路をユーザに提示する。車両の目的地の設定は、ユーザが行ってもよく、車両制御装置102が周知の技術により自動で行ってもよい。
【0043】
経路選択部33は、車両位置認識部32の認識した車両の地図上の位置と地図情報に基づいて、周知の技術により、車両の進行する経路をユーザに提示する。経路選択部33は、目的地に至る経路が複数存在する場合には、ユーザに複数の経路を提示して経路を選択させる。経路選択部33は、ユーザの回答により、ユーザの選択した経路を車両の進行する経路として設定する。経路選択部33は、車両位置認識部32の認識した車両の地図上の位置と地図情報に基づいて、車両が目的地に到着したか否かを判定する。経路選択部33は、車両が目的地に到着したと判定した場合、経路の設定を解除する。
【0044】
外部環境認識部34は、外部センサ22の検出結果に基づいて、車両の周囲の外部環境を認識する。外部環境には、車両の走行する道路の白線の位置、道路形状、道路幅、障害物の状況(他車両、自転車、歩行者などの移動障害物、及び、電柱、ガードレール、建物などの固定障害物などの状況)が含まれる。外部環境は、道路上の環境に限定されず、外部センサ22の検出範囲に含まれる全ての環境を含んでもよい。外部環境認識部34は、カメラの撮像画像、レーダセンサの障害物情報に基づいて、周知の手法により外部環境を認識する。
【0045】
外部環境情報生成部35は、車両位置認識部32の認識した車両の地図上の位置と外部環境認識部34の認識した車両の周囲の外部環境に基づいて、外部環境情報を生成する。外部環境情報には、車両の地図上の位置と関連付けられた外部環境の情報が含まれる。外部環境情報には、外部環境の検出時の外部センサ22の信頼度及び/又は車両の位置認識の信頼度が含まれていてもよい。外部環境情報生成部35は、地図更新サーバ101との通信により地図上に予め設定されたエリアを認識し、エリア単位で外部環境情報を生成してもよい。
【0046】
走行状態認識部36は、内部センサ23の検出結果に基づいて、車両の走行状態を認識する。走行状態には、車両の車速、車両の加速度、車両のヨーレートが含まれる。具体的に、走行状態認識部36は、車速センサの車速情報に基づいて、車両の車速を認識する。走行状態認識部36は、加速度センサの車速情報に基づいて、車両の加速度を認識する。走行状態認識部36は、ヨーレートセンサのヨーレート情報に基づいて、車両の向きを認識する。
【0047】
車両制御部37は、アクチュエータ26に制御信号を送信することにより車両の走行を制御する。車両制御部37は、車両の自動運転制御が要求された場合、車両側地図データベース24の地図情報、車両位置認識部32の認識した車両の地図上の位置、経路選択部33において設定された経路、外部環境認識部34の認識した車両の外部環境、及び走行状態認識部36の認識した車両の走行状態に基づいて、車両の自動運転制御を実行する。車両制御部37は、周知の技術により、ユーザの運転操作を必要とすることなく車両を走行させる自動運転制御を実行する。
【0048】
車両制御部37は、車両の運転支援制御を行ってもよい。運転支援制御には、LKA[Lane Keeping Assist]及び/又はACC[Adaptive Cruise Control]を含んでもよい。運転支援制御は、自動運転レベル1又は自動運転レベル2に対応する制御とすることができる。車両制御部37は、経路選択部33において経路が設定された場合、UI部25を介してユーザに経路を案内する経路案内制御を実行してもよい。
【0049】
車両制御部37は、後述するユーザ対応部38において、ユーザが車線変更すると回答した場合、車両が手動運転中(又は運転支援制御中)であっても、自動で車線変更を実行する機能を有していてもよい。
【0050】
ユーザ対応部38は、UI部25を介して車両のユーザと各種の情報をやり取りする。ユーザ対応部38は、インセンティブポイントの付与対象を設定する機能を有していてもよい。インセンティブポイントの付与対象は、ユーザ認証部31の認証した車両のユーザ又は車両から選択することができる。なお、インセンティブポイントの付与対象は、車両のユーザ又は車両の何れかに固定されていてもよい。
【0051】
ユーザ対応部38は、ユーザの要求に応じて、エリアのインセンティブポイントに関するインセンティブポイント情報を表示装置251に提示する。ユーザ対応部38は、地図更新サーバ101との通信により、インセンティブポイント情報を取得して表示装置251に提示する。
【0052】
インセンティブポイント情報とは、エリアの外部環境情報を地図更新サーバ101に送信することで得られるインセンティブポイントの情報である。
【0053】
ユーザ対応部38は、地図更新サーバ101との通信により、インセンティブポイント情報を取得して、UI部25を介してインセンティブポイント情報をユーザに提示する。具体的な提示方法については後述する。
【0054】
ユーザ対応部38は、外部環境情報を地図更新サーバ101に送信するか否かをユーザに問い合わせる。ユーザ対応部38は、UI部25を介して、画像表示又は音声出力により問い合わせを行う。ユーザ対応部38は、ユーザによるタッチパネルなどの入力機器の操作又は音声認識などにより、UI部25を介して問い合わせに対するユーザの回答を認識する。
【0055】
ユーザ対応部38は、ユーザが外部環境情報を地図更新サーバ101に送信すると回答した場合、車両側通信部27を通じて外部環境情報を地図更新サーバ101に送信する。ユーザ対応部38は、ユーザが外部環境情報を地図更新サーバ101に送信しないと回答した場合、外部環境情報を地図更新サーバ101に送信しない。
【0056】
地図更新サーバ101のインセンティブポイント付与部13は、車両から外部環境情報を地図更新サーバ101に送信された場合、外部環境情報に対応するエリアの地図新鮮度に応じて予め設定されたインセンティブポイントをユーザ又は車両に付与する。
【0057】
A2.地図更新システム100における処理:
以下、本実施形態に係る地図更新システム100において実行される処理について図面を参照して説明する。
【0058】
A2-1.地図情報の更新処理:
図2に示す地図情報の更新処理は、地図更新サーバ101が車両から外部環境情報を取得した場合に実行される。
【0059】
図2に示すように、地図更新サーバ101は、ステップS10として、信頼度評価部14により外部環境情報の信頼度を評価する。信頼度評価部14は、道路の白線の情報などが外部環境情報に含まれていない場合、白線の情報が含まれている場合と比べて、外部環境情報の信頼度を低い値として評価する。なお、以降では、「ステップS」を単に「S」と記載することもある。
【0060】
S12において、地図更新サーバ101は、地図情報更新部15により外部環境情報の信頼度が信頼度閾値以上であるか否かを判定する。地図更新サーバ101は、外部環境情報の信頼度が信頼度閾値以上であると判定されなかった場合(S12:NO)、今回の処理を終了する。地図更新サーバ101は、外部環境情報の信頼度が信頼度閾値以上であると判定された場合(S12:YES)、S14に移行する。
【0061】
S14において、地図更新サーバ101は、信頼度が信頼度閾値以上の外部環境情報を用いた地図情報の更新を行う。地図情報更新部15は、周知の技術により、外部環境情報に基づいた地図情報の更新を行う。その後、地図更新サーバ101は、今回の処理を終了する。
【0062】
A2-2.地図新鮮度の演算処理:
図3に示す地図新鮮度の演算処理は、随時実行される。地図更新サーバ101は、S20として、地図新鮮度演算部12により地図情報に設定されたエリア毎の地図新鮮度を演算する。地図新鮮度演算部12は、エリアの地図情報が更新されてからの経過時間に応じて地図新鮮度を演算する。その後、地図更新サーバ101は、今回の処理を終了する。
【0063】
A2-3.インセンティブポイント情報提示処理:
図4に示すインセンティブポイント情報提示処理は、車両のユーザに対してインセンティブポイントを提示する処理である。インセンティブポイント情報提示処理は、車両制御装置102が起動すると実行される。
【0064】
S30において、車両制御装置102のユーザ対応部38は、車両位置認識部32により認識された車両位置を特定し、また、特定した車両位置を地図更新サーバ101に通知する。地図更新サーバ101では、インセンティブポイント付与部13は、受信した車両位置に基づき、サーバ側地図データベース11を参酌して車両周囲における各エリアに付与可能なインセンティブポイントを決定し、サーバ側通信部16を介して車両制御装置102に通知する。これにより、ユーザ対応部38は、車両周囲における各エリアに付与可能なインセンティブポイントを特定する。上述の「車両周囲」とは、例えば、車両を中心とした所定半径の円形領域内などを意味する。所定半径としては、例えば、100mや、300mなど、任意の距離であってもよい。また、例えば、UI部25に含まれる表示装置251において表示される地図情報の大きさに応じた領域内であってもよい。具体的には、表示装置251における地図情報の表示領域の形状が矩形であり、現在の地図情報の表示縮尺においては、表示領域において、200m(メートル)×300mの領域の地図が表示され得る場合、かかる領域内が「車両周囲」に相当してもよい。
【0065】
S32において、ユーザ対応部38は、ポイント閾値以上のインセンティブポイントを付与可能なエリア(以下、「付与エリア」とも呼ぶ)が、車両周囲に存在するか否かを判定する。「インセンティブポイントを付与可能なエリア」とは、当該エリアに関する外部環境情報が地図更新サーバ101に送信された場合にインセンティブポイントが付与可能なエリアのことを意味する。「ポイント閾値」とは、後述するライン状画像を表示する対象となる付与エリアを特定するために、付与されるインセンティブポイントに対して設定されている閾値であり、本実施形態では、予め固定値として設定されている。本実施形態では、ポイント閾値として予め「10」が設定されている。なお、「10」に限らず、任意の値が設定されてもよい。
【0066】
ポイント閾値以上のインセンティブポイントを付与可能なエリア(付与エリア)が、車両周囲に存在すると判定された場合(S32:YES)、S38において、ユーザ対応部38は、付与エリアのそれぞれにインセンティブポイントに応じたライン状画像を、UI部25が有する表示装置251に表示させる。本実施形態では、ユーザ対応部38は、表示装置251に地図情報と車両の地図上の位置とを表示させた上で、さらに、ライン状画像を地図情報に重ねて表示させる。S38の完了後、処理はS30に戻る。
【0067】
例えば、図5の例では、交差点Cr1の近傍に車両V1が位置する場合、3つのライン状画像(第1ライン状画像FL1、第2ライン状画像FL2、第3ライン状画像FL3)が表示装置251に表示される。第1ライン状画像FL1は、車両V1が走行中の車線L12に相当するエリアに付与され得るインセンティブポイントがポイント閾値「10」以上であることを示す。第2ライン状画像FL2は、車線L13と車線L32との組み合わせに相当するエリアに付与され得るインセンティブポイントがポイント閾値「10」以上であることを示す。第3ライン状画像FL3は、車線L23に相当するエリアに付与され得るインセンティブポイントがポイント閾値「10」以上であることを示す。なお、図5の例では、他の車線L11、L21、L22、L31、L41、L42およびこれらの車線の組み合わせに相当するエリアには、ポイント閾値以上のインセンティブポイントは付与され得ない。
【0068】
図4に示すS32において、ポイント閾値以上のインセンティブポイントを付与可能なエリア(付与エリア)が、車両周囲に存在しないと判定された場合(S32:NO)、S34において、ユーザ対応部38は、UI部25を介して付与エリアの検索要求があるか否かを判定する。「付与エリアの検索要求」とは、車両周囲から外れた領域において付与エリアを検索することを要求することを意味する。本実施形態では、「車両周囲から外れた領域」とは、車両周囲の領域に隣接する領域(以下、「隣接領域」と呼ぶ)であって所定の大きさの領域を意味する。
【0069】
S34において、付与エリアの検索要求があると判定された場合(S34:YES)、ユーザ対応部38は、S36において、地図更新サーバ101と通信を行って隣接領域における付与エリアを検索する。S36の完了後、上述のS38が実行される。S34において、付与エリアの検索要求が無いと判定された場合(S34:NO)、処理はS30に戻る。
【0070】
以上説明した第1実施形態の地図更新システム100によれば、ユーザ対応部38は、車両の地図上の位置を利用して、予め定められたポイント閾値以上のインセンティブポイントを付与可能な経路情報としてのライン状画像FL1~FL3を特定して、表示装置251に表示させるので、ユーザは、表示装置251に表示されたライン状画像FL1~FL3により、各経路(道路、車線)について、少なくともポイント閾値以上のインセンティブポイントが設定されるか否かを容易に知ることができる。
【0071】
また、周囲道路の車線毎および車線の組み合わせ毎に地図新鮮度が演算されてインセンティブポイントが付与され、ポイント閾値以上のインセンティブポイントが付与可能な車線および車線の組み合わせがライン状画像として表示装置251に表示されるので、ユーザは、各車線および車線の組み合わせ(経路)毎に設定されるインセンティブポイントがポイント閾値以上であるか否かを容易に知ることができる。さらに、ポイント閾値以上のインセンティブポイントが付与可能な車線および車線の組み合わせがライン状画像として表示されるので、ユーザは、いずれの車線および車線の組み合わせを走行した場合に、ポイント閾値以上のインセンティブポイントが付与されるかを容易に知ることができる。
【0072】
B.第2実施形態:
第2実施形態の地図更新システム100の構成は、第1実施形態の地図更新システム100の構成と同じであるので、同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。また、第2実施形態の地図更新システム100では、第1実施形態と同様に、地図情報の更新処理、地図新鮮度の演算処理、およびインセンティブポイント情報提示処理がそれぞれ実行される。
【0073】
第2実施形態の地図更新システムでは、インセンティブポイント情報提示処理のS38において表示装置251に表示される情報が、第1実施形態と異なる点において、第1実施形態の地図更新システム100と異なる。
【0074】
具体的には、図6に示すように、各ライン状画像FL1~FL3に、インセンティブポイント表示部pd1~pd3が重ねて表示されている。これら3つのインセンティブポイント表示部pd1~pd3は、インセンティブポイントの値を表示するための矩形の表示領域である。具体的には、第1ライン状画像FL1に対して第1インセンティブポイント表示部pd1が重ねて表示されている。同様に、第2ライン状画像FL2に対して第2インセンティブポイント表示部pd2が、第3ライン状画像FL3に対して第3インセンティブポイント表示部pd3が、それぞれ重ねて表示されている。第1インセンティブポイント表示部pd1には、インセンティブポイントとして「20」が表示されている。第2インセンティブポイント表示部pd2には、インセンティブポイントとして「80」が表示されている。第3インセンティブポイント表示部pd3には、インセンティブポイントとして「40」が表示されている。このような構成とすることにより、ユーザは、各車線および各車線の組み合わせに対して、付与され得る具体的なインセンティブポイントを容易に知ることができる。
【0075】
以上説明した第2実施形態の地図更新システム100は、第1実施形態の地図更新システム100と同様な効果を奏する。加えて、各ライン状画像FL1~FL3に対してそれぞれインセンティブポイントを表示するインセンティブポイント表示部pd1~pd3を表示するので、ユーザは、各車線および各車線の組み合わせに対して、付与され得る具体的なインセンティブポイントを容易に知ることができる。
【0076】
C.第3実施形態:
第3実施形態の地図更新システム100の構成は、第1実施形態の地図更新システム100の構成と同じであるので、同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。また、第3実施形態の地図更新システム100では、第1実施形態と同様に、地図情報の更新処理、地図新鮮度の演算処理、およびインセンティブポイント情報提示処理がそれぞれ実行される。
【0077】
第3実施形態の地図更新システムでは、インセンティブポイント情報提示処理のS38において表示装置251に表示される情報が、第1実施形態と異なる点において、第1実施形態の地図更新システム100と異なる。
【0078】
具体的には、図7に示すように、各ライン状画像FL1a、FL1b、FL1cの表示態様が、図5に示す第1実施形態における各ライン状画像FL1、FL1、FL1の表示態様と異なる。第3実施形態では、図7の「凡例」に示すように、インセンティブポイントが3段階に区分されている。具体的には、「10以下」、「10よりも大きく且つ50以下」、「50よりも大きい」の3段階に区分されている。そして、区分間において、ライン状画像の表示態様が異なるように構成されている。具体的には、「10以下」が最も薄い(明度が低い)色合いの表示態様であり、「10よりも大きく且つ50以下」が2番目に薄い色合いの表示態様であり、「50よりも大きい」が最も濃い(明度が高い)色合いの表示態様である。このような構成とすることにより、ユーザは、各車線および各車線の組み合わせに対して、どの程度のインセンティブポイントが付与され得るかを容易に知ることができる。
【0079】
以上説明した第3実施形態の地図更新システム100は、第1実施形態の地図更新システム100と同様な効果を奏する。加えて、各ライン状画像F1a~F1cの表示態様を、インセンティブポイントに応じた表示態様とするので、ユーザは、各車線および各車線の組み合わせに対して、どの程度のインセンティブポイントが付与され得るかを容易に知ることができる。
【0080】
D.第4実施形態:
第4実施形態の地図更新システム100の構成は、第1実施形態の地図更新システム100の構成と同じであるので、同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。また、第4実施形態の地図更新システム100では、第1実施形態と同様に、地図情報の更新処理、地図新鮮度の演算処理、およびインセンティブポイント情報提示処理がそれぞれ実行される。
【0081】
第4実施形態の地図更新システム100では、UI部25が、図8に示す表示装置251に付与エリア検索メニュー画面W1を表示する点において、第1実施形態の地図更新システム100と異なる。付与エリア検索メニュー画面W1は、ユーザが付与エリアを検索することを地図更新システム100に要求する際に用いられるメニュー画面である。
【0082】
図8に示すように、付与エリア検索メニュー画面W1は、ポイント閾値入力部w11と、検索ボタンBt1と、キャンセルボタンBt2とを備えている。ユーザは、ポイント閾値入力部w11に、希望するポイント閾値を入力できる。図8の例では、ポイント閾値として「50」が入力されている。ユーザは、ポイント閾値入力部w11にポイント閾値を入力して検索ボタンBt1を押下することにより、地図更新システム100に対して付与エリアの検索要求を入力できる。このようにして付与エリアの検索要求を入力すると、図4に示すインセンティブポイント情報提示処理のS34において、付与エリアの検索要求があると判定されることとなる。S36において、ユーザ対応部38は、付与エリア検索メニュー画面W1のポイント閾値入力部w11から入力されたポイント閾値を、車両側通信部27を介して地図更新サーバ101に通知する。地図更新サーバ101では、車両制御装置102から受信した車両の位置情報およびポイント閾値に基づき、隣接領域における付与エリアであって閾値ポイント以上のインセンティブポイントを付与可能なエリアを検索して、検索結果を車両制御装置102に返信する。そして、上述のS38が実行されて、隣接領域における付与エリアであって閾値ポイント以上のインセンティブポイントを付与可能なエリアに対応して、ライン状画像が表示装置251に表示されることとなる。
【0083】
以上説明した第4実施形態の地図更新システム100は、第1実施形態の地図更新システム100と同様な効果を奏する。加えて、ユーザ対応部38は、周囲道路のうち、UI部25の付与エリア検索メニュー画面W1から入力されたポイント閾値以上のインセンティブポイントを付与可能な道路を、地図更新サーバ101に問い合わせて検索して、表示装置251に表示させるので、ユーザは、UI部25を利用してポイント閾値を設定することにより、希望するインセンティブポイントを取得可能な車線・経路(車線の組み合わせ)を容易に知ることができる。
【0084】
E.第5実施形態:
第4実施形態の地図更新システム100の構成は、第1実施形態の地図更新システム100の構成と同じであるので、同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。また、第4実施形態の地図更新システム100では、第1実施形態と同様に、地図情報の更新処理、地図新鮮度の演算処理、およびインセンティブポイント情報提示処理がそれぞれ実行される。
【0085】
第4実施形態の地図更新システム100は、インセンティブポイント情報提示処理の手順において、第1実施形態の地図更新システム100と異なる。
【0086】
図9に示すように、第5実施形態のインセンティブポイント情報提示処理は、S32~S38に代えて、S42~S46が実行される点において、図4に示す第1実施形態のインセンティブポイント情報提示処理と異なる。その他の手順(S30)については、第1実施形態と同じであるので、同一の手順には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0087】
S30の完了後、ユーザ対応部38は、S42において、走行状態認識部36に問い合わせて車両が右折または左折のために停車中であるか否かを判定する。車両が右折または左折のために停車中であると判定された場合(S42:YES)、ユーザ対応部38は、S44において、右折または左折後に走行可能な各車線のうち、付与エリアに相当する車線は存在するか否かを判定する。付与エリアに相当する車線は存在すると判定された場合(S44:YES)、ユーザ対応部38は、S46において、表示装置251において、該当車線にライン状画像を表示させる。
【0088】
例えば、図10に示すように、車両V1が、交差点Cr1において右折専用レーンである車線L13において右折可能な状態となるまで停車している場合であって、右折後に走行可能な2つの車線L31、L32のうち、車線L32のみがポイント閾値以上のインセンティブポイントが付与可能な車線である場合には、車線L32にライン状画像FL2bが表示される。したがって、ユーザは、車線L32を走行することによってポイント閾値以上のインセンティブポイントが付与され得ることを容易に知ることができる。
【0089】
図9に示すように、車両が右折または左折のために停車中でないと判定された場合(S42:NO)、付与エリアに相当する車線は存在しないと判定された場合(S44:NO)、および、S46の完了後には、いずれも処理はS30に戻る。
【0090】
以上説明した第5実施形態の地図更新システム100は、第1実施形態の地図更新システム100と同様な効果を奏する。加えて、ユーザ対応部38は、車両が右折または左折のための停車時に、右折または左折後に走行可能な各車線のうち、予め定められたポイント閾値以上のインセンティブポイントを付与可能なエリアを構成する車線に沿ってライン状画像を表示させるので、ユーザは、車両の右折または左折の後に進入すべき車線を選択する際に、表示装置251に表示されるインセンティブポイント情報であるライン状画像FL2bを判断材料として利用できる。
【0091】
F.第6実施形態:
図11に示す第6実施形態の地図更新システム100aは、車両制御装置102において、ECU30が車線変更判定部39としても機能する点において、図1に示す第1実施形態の地図更新システム100と異なる。第6実施形態の地図更新システム100aにおけるその他の構成は、地図更新システム100と同じであるので、同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0092】
車線変更判定部39は、車両が走行している車線とは異なる車線であって、車線変更により移動先となり得る他の車線(以下、「移動先候補車線」とも呼ぶ)への車線変更が可能か否かを判定する。
【0093】
図12に示す第6実施形態のインセンティブポイント情報提示処理は、S37を追加して実行する点と、S38に代えてS38aおよびS38bを実行する点において、図4に示す第1実施形態のインセンティブポイント情報提示処理と異なる。第6実施形態のインセンティブポイント情報提示処理におけるその他の手順は、第1実施形態のインセンティブポイント情報提示処理と同じであるので、同一の手順には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0094】
S32において、ポイント閾値以上のインセンティブポイントを付与可能なエリア(付与エリア)が、車両周囲に存在すると判定された場合(S32:YES)、S37において、車線変更判定部39は、移動先候補車線への車線変更は可能であるか否かを判定する。具体的には、外部環境認識部34によって移動先候補車線の状況を特定されると、車線変更判定部39は、特定された状況や車両側地図データベース24に基づき、車線変更は可能であるか否かを判定する。例えば、外部環境認識部34が、外部センサ22の検出結果に基づき移動先候補車線が渋滞中であると特定した場合、車線変更判定部39は、車線変更は可能でないと判定する。また、例えば、移動先候補車線において他車両が自車両と併走しているなど、他車両が自車両の近傍を走行している場合、車線変更は可能でないと判定する。また、例えば、現在走行中の車線と移動先候補車線との境界に対して車線変更が禁止されるような規制が予め設定されていることが車両側地図データベース24を用いて特定された場合、車線変更は可能ではないと判定する。また、移動先候補車線全体が工事区間のために走行不可能であることを、車両側地図データベース24を用いて特定された場合、車線変更ではないと判定する。
【0095】
移動先候補車線への車線変更は可能であると判定された場合(S37:YES)、ユーザ対応部38は、S38aにおいて、該当車線が付与エリアである場合には、該当車線(エリア)を含めた付与エリアのそれぞれにインセンティブポイントに応じたライン状画像を、UI部25が有する表示装置251に表示させる。なお、そもそも移動先候補車線が付与エリアでない場合には、S38aにおいて、該当移動先候補車線には、ライン状画像は表示されない。このS38aは、第1実施形態におけるS38と同様である。
【0096】
他方、移動先候補車線への車線変更は可能でないと判定された場合(S37:NO)、ユーザ対応部38は、S38bにおいて、該当車線が付与エリアである場合には、該当車線(エリア)にはライン状画像を表示せず、他の付与エリアのそれぞれにインセンティブポイントに応じたライン状画像を、UI部25が有する表示装置251に表示させる。したがって、例えば、移動先候補車線が付与エリアであっても渋滞中であるために車線変更が可能でないと判定された場合には、かかる車線については、ライン状画像は表示されないこととなる。
【0097】
以上説明した第6実施形態の地図更新システム100aは、第1実施形態の地図更新システム100と同様な効果を奏する。加えて、ユーザ対応部38は、移動先候補車線への車線変更が可能でないと判定された場合には、当該車線に対して設定されているインセンティブポイントに関するインセンティブポイント情報を、ライン状画像として表示装置251に表示しないので、ユーザがインセンティブポイントの取得を目的として車線変更が可能でない他の車線に無理矢理割り込むような危険な車線変更を行うことを抑制し、安全運転を促進できる。
【0098】
G.第7実施形態:
図13に示す第6実施形態の地図更新システム100bは、車両制御装置102において、ECU30が停車判定部40としても機能する点において、図1に示す第1実施形態の地図更新システム100と異なる。第6実施形態の地図更新システム100bにおけるその他の構成は、地図更新システム100と同じであるので、同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。停車判定部40は、車両が停車中であるか否かを判定する。
【0099】
図14に示す第7実施形態のインセンティブポイント情報提示処理は、S37aを追加して実行する点において、図4に示す第1実施形態のインセンティブポイント情報提示処理と異なる。第7実施形態のインセンティブポイント情報提示処理におけるその他の手順は、第1実施形態のインセンティブポイント情報提示処理と同じであるので、同一の手順には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0100】
S32において、ポイント閾値以上のインセンティブポイントを付与可能なエリア(付与エリア)が、車両周囲に存在すると判定された場合(S32:YES)、および、S36の完了後、停車判定部40は、S37aにおいて、車両は停車中であるか否かを判定する。本実施形態において、停車判定部40は、内部センサ23の一つである車速センサの検出結果が所定の速度以下である場合に車両は停車中であると判定する。
【0101】
車両は停車中であると判定された場合(S37a:YES)、上述のS38が実行され、表示装置251において、地図情報および車両位置情報と共に、ライン状画像が表示されることとなる。これに対して、車両は停車中でないと判定された場合(S37a:NO)、S38は実行されずに処理はS30に戻る。したがって、この場合、表示装置251において、地図情報および車両位置情報と共に、ライン状画像は表示されない。このように、車両が停車中でない場合に、すなわち車両が移動中にライン状画像を表示させないようにしているのは、車両移動中に表示装置251に表示されるライン状画像を見て走行する車線を決定するような行為を抑制して、安全運転を促進させるためである。
【0102】
以上説明した第7実施形態の地図更新システム100bは、第1実施形態の地図更新システム100と同様な効果を奏する。加えて、車両が停車中であると判定された場合に、ライン状画像を表示装置251に表示させ、車両が停車中でないと判定された場合に、ライン状画像を表示装置251に表示させないので、車両移動中に表示装置251に表示されたライン状画像を見て、走行する道路を決定するような行為を抑制して、安全運転を促進できる。
【0103】
H.他の実施形態:
(H1)各実施形態では、インセンティブポイント情報を、ライン状画像として、または、ライン状画像およびインセンティブポイント表示部に表示されたインセンティブポイントの値として、表示装置251に表示していたが、本開示はこれに限定されない。例えば、インセンティブポイントの値に応じて予め設定されている種類のアイコンを、各付与エリア(各車線または各車線の組み合わせ)に対応付けて表示装置251に表示してもよい。
【0104】
(H2)第1実施形態において、ポイント閾値としてインセンティブポイントの設定可能最小値を設定してもよい。このようにすることで、インセンティブポイントが付与可能なすべてのエリアを表示装置251に表示させることができる。したがって、ユーザは、車両周辺における、インセンティブポイントが付与され得るすべての車線および車線の組み合わせを簡易に知ることができる。
【0105】
(H3)第3実施形態では、ライン状画像の表示態様は、3段階に区分して各段階が互いに異なる表示態様となるように設定されていたが、3段階に限らず任意の数の段階に区分して各段階が互いに異なる表示態様となるように設定されてもよい。また、インセンティブポイントの増加または減少に応じて連続的に表示態様が変化するように構成してもよい。例えば、インセンティブポイントが大きくなるにつれてライン状画像の色合いが次第に濃くなる(明度が高くなる)ように構成してもよい。また、インセンティブポイントに応じた表示態様の相違は、色合い(明度)に限らず、他の方法により実現されてもよい。例えば、ライン状画像の彩度や色相が、インセンティブポイントに応じて異なる構成であってもよい。また、例えば、ライン状画像の太さが、インセンティブポイントに応じて異なる構成であってもよい。また、例えば、ライン状画像の形状が、インセンティブポイントに応じて異なる構成であってもよい。具体的には、ライン状画像の形状を、「10以下」の段階については、ピッチの大きな破線状のラインとし、「10よりも大きく且つ50以下」の段階については、ピッチの小さな線状のラインとし、「50よりも大きい」の段階については、実線状のラインとしてもよい。
【0106】
(H4)第4実施形態の付与エリア検索メニュー画面W1は、ポイント閾値入力部w11を備えていたが、ポイント閾値入力部w11に代えて、インセンティブポイントの範囲を指定するための入力部(以下、「範囲指定入力部」と呼ぶ)を備える構成であってもよい。かかる構成においては、範囲指定入力部に入力された範囲のインセンティブポイントを付与可能な付与エリアが検索され、表示装置251において、かかる付与エリアについてライン状画像が表示されてもよい。
【0107】
(H5)各実施形態において、外部環境認識部34は、外部センサ22の検出結果に代えて、または、外部センサ22の検出結果に加えて、通信により図示しない外部装置から取得した情報に基づき、車両の周囲の外部環境を認識してもよい。例えば、路車間通信により、外部装置としての路側機から障害物の位置等の情報を得て外部環境を認識してもよい。したがって、例えば、第6実施形態のインセンティブポイント情報提示処理のS37では、路側機等の外部装置から得られる情報に基づき、移動先候補車線への車線変更は可能であるか否かを判定してもよい。
【0108】
(H6)第7実施形態のインセンティブポイント情報提示処理のS37aにおいて、停車判定部40は、内部センサ23の一つである車速センサの検出結果が所定の速度以下である場合に車両は停車中であると判定していたが、本開示はこれに限定されない。例えば、外部センサ22の検出結果が所定時間の間、所定値以上大きく変化していない場合や、車両位置認識部32により認識される車両位置が所定時間の間、所定距離以上大きく変化していない場合に、車両は停車中であると判定してもよい。
【0109】
(H7)第6実施形態では、移動先候補車線に車線変更可能であるか否かの判定(S37)を、外部環境認識部34によって特定された移動先候補車線の状況や、車両側地図データベース24に基づき判定していたが、本開示はこれに限定されない。例えば、渋滞情報や、自車両の周囲における他車両の走行状況や、自車両の車速などの走行状況などから、移動先候補車線に移動する場合の危険度を算出し、かかる危険度が所定の閾値以下の場合に車線変更可能と判定し、所定の閾値よりも低い場合には車線変更不可能であると判定してもよい。このような構成においても、第6実施形態と同様な効果を奏する。また、このような構成の変形例として、移動先候補車線に車線変更可能であるか否かの判定を省略し、すべての移動先候補車線においてライン状画像を表示させると共に、インセンティブポイント情報と同様に、算出した危険度を表示させるようにしてもよい。かかる構成によれば、ユーザは、表示された危険度を、車線変更を行う場合の判断材料として用いることができる。
【0110】
(H8)各実施形態において、地図更新システム100、100a、100bの車両制御装置102は、必ずしも車両の走行を制御する必要はない。この場合、車両制御装置102のECU30は、走行状態認識部36及び車両制御部37を有する必要はない。ユーザ対応部38は、インセンティブポイント情報に代えて地図新鮮度情報のみをユーザに提示してもよい。インセンティブポイントは、ユーザ及び車両の両方に付与されてもよい。車両制御装置102は、ユーザに対する問い合わせ機能を有さなくてもよい。すなわち、車両制御装置102は、常に自動で外部環境情報を地図更新サーバ101に送信してもよい。この場合、地図更新サーバ101は、自動でインセンティブポイントをユーザ又は車両に付与する。車両制御装置102は、付与されたインセンティブポイント情報をユーザに提示する。地図更新システム100は、外部環境情報を自動で地図更新サーバ101に送信する自動設定の機能を有していなくてもよい。地図更新サーバ101は、外部環境情報の信頼度を評価する信頼度評価部14を必ずしも有する必要はない。
【0111】
(H9)本開示に記載の各機能部11~15、31~40及びそれら手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の各機能部11~15、31~40及びそれら手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の各機能部11~15、31~40及びそれら手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウェア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
【0112】
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した形態中の技術的特徴に対応する各実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。本開示は、例えば、衝突被害軽減機能の制御方法、かかる方法を実現するためのコンピュータプログラム、かかるコンピュータプログラムを記録した一時的でない記録媒体などの形態で実現することができる。
【符号の説明】
【0113】
100、100a、100b…地図更新システム、11、24…地図データベース、101…地図更新サーバ、32…車両位置認識部、22…外部センサ、35…外部環境情報生成部、12…地図新鮮度演算部、13…インセンティブポイント付与部、38…ユーザ対応部、251…表示装置
図1
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