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  • 特開-発泡成形体の製造方法 図1
  • 特開-発泡成形体の製造方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024005769
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】発泡成形体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 48/29 20190101AFI20240110BHJP
   B29C 44/00 20060101ALI20240110BHJP
   B29C 48/285 20190101ALI20240110BHJP
【FI】
B29C48/29
B29C44/00 E
B29C48/285
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022106134
(22)【出願日】2022-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000104674
【氏名又は名称】キョーラク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】大野 慶詞
(72)【発明者】
【氏名】藤田 稔
(72)【発明者】
【氏名】今 俊基
【テーマコード(参考)】
4F207
4F214
【Fターム(参考)】
4F207AB02
4F207AG08
4F207AG20
4F207AJ08
4F207AL01
4F207AL21
4F207AR12
4F207KA01
4F207KA11
4F207KF03
4F207KF04
4F207KF12
4F207KK04
4F207KM13
4F214AB02
4F214AG08
4F214AG20
4F214AJ08
4F214AL01
4F214AL21
4F214AR12
4F214UA11
4F214UB02
4F214UN04
(57)【要約】
【課題】SCF装置を用いることなく、発泡成形を行うことが可能な、発泡成形体の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明によれば、発泡成形体の製造方法であって、樹脂と物理発泡剤を押出機内で溶融混練してなる溶融混練樹脂を前記押出機から押し出して発泡パリソンを形成し、前記発泡パリソンを成形して発泡成形体を得る工程を備え、前記物理発泡剤は、25℃及び1気圧で液体であり、前記押出機のシリンダの内部空間の長手方向の基端から、前記押出機のスクリューの先端までの長さをLとすると、前記物理発泡剤は、前記基端から0.2L以下の位置から前記押出機のシリンダ内に注入される、方法が提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡成形体の製造方法であって、
樹脂と物理発泡剤を押出機内で溶融混練してなる溶融混練樹脂を前記押出機から押し出して発泡パリソンを形成し、前記発泡パリソンを成形して発泡成形体を得る工程を備え、
前記物理発泡剤は、25℃及び1気圧で液体であり、
前記押出機のシリンダの内部空間の長手方向の基端から、前記押出機のスクリューの先端までの長さをLとすると、
前記物理発泡剤は、前記基端から0.2L以下の位置から前記押出機のシリンダ内に注入される、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記物理発泡剤は、ホッパーが設けられている開口部を通じて前記シリンダの内部空間内に注入される、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、
前記物理発泡剤を注入するための配管の吐出端は、前記シリンダの外表面よりも前記シリンダの内部空間に近い位置に配置されている、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記物理発泡剤は、ホッパーが設けられている開口部とは別に設けた開口部を通じて前記シリンダの内部空間内に注入される、方法。
【請求項5】
請求項1~請求項4の何れか1つに記載の方法であって、
前記物理発泡剤は、ダイアフラムポンプを用いて供給される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡成形体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、発泡成形体の製造方法が開示されている。この方法では、シリンダの長手方向の中央付近に発泡剤注入口を設け、発泡剤注入口を通じて、窒素や二酸化炭素などの物理発泡剤をシリンダ内の樹脂に注入している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-39812号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、シリンダの長手方向の中央付近では、シリンダ内の樹脂の圧力(以下、「樹脂圧」)が非常に高くなっており、物理発泡剤を注入するには、物理発泡剤を昇圧する必要がある。物理発泡剤は、通常、SCF(超臨界)装置と呼ばれる装置を用いて超臨界状態になるまで昇圧されるが、この装置は、非常に高価であるので、SCF装置を用いることなく、発泡成形を行う技術が望まれている。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、SCF装置を用いることなく、発泡成形を行うことが可能な、発泡成形体の製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1)発泡成形体の製造方法であって、樹脂と物理発泡剤を押出機内で溶融混練してなる溶融混練樹脂を前記押出機から押し出して発泡パリソンを形成し、前記発泡パリソンを成形して発泡成形体を得る工程を備え、前記物理発泡剤は、25℃及び1気圧で液体であり、前記押出機のシリンダの内部空間の長手方向の基端から、前記押出機のスクリューの先端までの長さをLとすると、前記物理発泡剤は、前記基端から0.2L以下の位置から前記押出機のシリンダ内に注入される、方法。
(2)(1)に記載の方法であって、前記物理発泡剤は、ホッパーが設けられている開口部を通じて前記シリンダの内部空間内に注入される、方法。
(3)(2)に記載の方法であって、前記物理発泡剤を注入するための配管の吐出端は、前記シリンダの外表面よりも前記シリンダの内部空間に近い位置に配置されている、方法。
(4)(1)に記載の方法であって、前記物理発泡剤は、ホッパーが設けられている開口部とは別に設けた開口部を通じて前記シリンダの内部空間内に注入される、方法。
(5)(1)~(4)の何れか1つに記載の方法であって、前記物理発泡剤は、ダイアフラムポンプを用いて供給される、方法。
【0007】
本発明者が鋭意検討を行ったところ、25℃及び1気圧で液体である物理発泡剤をシリンダの基端に近い位置からシリンダ内に注入することを思いついた。まず、シリンダ内の樹脂の圧力は、シリンダの基端に近いほど低くなるので、スクリューの根本に近い位置から物理発泡剤を注入する場合は、物理発泡剤に高い圧力を加える必要がない。また、物理発泡剤が25℃及び1気圧で液体であるので、常温・常圧下で本発明を実施する際に、物理発泡剤を事前に液状又は超臨界状態にする必要がない。このため、本発明によれば、SCF装置を用いることなく、発泡成形を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1Aは、本発明の一実施形態の発泡成形体の製造方法に利用可能な成形装置100を示す断面図であり、図1Bは、図1A中の領域Bの拡大図である。
図2図2は、物理発泡剤注入部8の別形態を示す、図1Bに対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴事項について独立して発明が成立する。
【0010】
1.成形装置
本発明の一実施形態の発泡成形体の製造方法は、一例では、図1に示す押出機1と、押出ヘッド12と、金型14を含む成形装置100を用いて実施することができる。押出機1は、シリンダ3と、ホッパー5と、スクリュー7と、物理発泡剤注入部8、温度制御部9と、樹脂押出口11と、押出ヘッド12を備える。
【0011】
以下、各構成要素を詳細に説明する。
【0012】
<ホッパー5>
ホッパー5は、シリンダ3の側面に設けた開口部3aを通じて、シリンダ3の内部空間3bに連通しており、ホッパー5から内部空間3b内に樹脂2が投入される。樹脂2の形態は、特に限定されないが、通常は、ペレット2aの状態である。樹脂2は、内部空間3b内で加熱されることによって溶融されて溶融状態になる。また、内部空間3b内に配置されたスクリュー7の回転によって、内部空間3bの先端3b2に設けられた樹脂押出口11に向けて溶融状態の樹脂が搬送される。
【0013】
樹脂2は、例えばポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂である。ポリオレフィンとしては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体及びその混合物などが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂のうち任意の材料が実施形態で使用されてもよい。
【0014】
<スクリュー7>
スクリュー7は、シリンダ3の内部空間3b内に配置され、その回転によって溶融状態の樹脂を混練しながら樹脂押出口11に向けて搬送する。スクリュー7の一端にはモーター4が設けられている。モーター4は、スクリュー7を回転駆動するとともに、回転速度の制御も可能である。スクリュー7は、フルフライトスクリューが好ましい。
【0015】
<物理発泡剤注入部8>
押出機1には、物理発泡剤Pを注入するための物理発泡剤注入部8が設けられる。物理発泡剤注入部8には、配管8aと、ポンプ8bを備える。ポンプ8bの作用によって送出された物理発泡剤Pが、配管8aの吐出端8cから吐出されてシリンダ3の内部空間3b内に注入される。物理発泡剤Pは、25℃及び1気圧で液体である物質であり、例えば、水である。物理発泡剤注入部8から物理発泡剤Pが注入され、スクリュー7で樹脂と物理発泡剤Pが溶融混練されることによって発泡剤含有樹脂が得られる。通常、押出機1内での発泡剤含有樹脂の温度は、1気圧での物理発泡剤Pの沸点(物理発泡剤Pが水の場合、100℃)を超える温度にまで昇温されるが、押出機1内では発泡剤含有樹脂に高い圧力が加わっているために、物理発泡剤Pは液体の状態のままである。
【0016】
内部空間3bの長手方向の基端3b1からスクリュー7の先端7aまでの長さをLとすると、吐出端8cは、基端3b1から0.2L以下の位置に配置することが好ましい。これによって、基端3b1から0.2L以下の位置から物理発泡剤Pを内部空間3b内に注入することができる。
【0017】
内部空間3b内の溶融樹脂の圧力は、基端3b1に近いほど低くなるので、基端3b1に近い位置から物理発泡剤Pを注入する場合は、物理発泡剤Pに高い圧力を加える必要がない。また、物理発泡剤Pが25℃及び1気圧で液体であるので、常温・常圧下で本発明を実施する際に、物理発泡剤Pを事前に液状又は超臨界状態する必要がない。このため、本実施形態によれば、SCF装置を用いることなく、発泡成形を行うことができる。
【0018】
基端3b1から、吐出端8cを配置する位置又は物理発泡剤Pを注入する位置までの長さは、例えば、0、0.01L、0.05L、0.1L、0.15L、0.20Lであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内又は何れか以下であってもよい。
【0019】
好ましくは、配管8aは、ホッパー5内を通るように配置され、ホッパー5が設けられている開口部3aを通じて内部空間3b内に物理発泡剤Pが注入される。この場合、シリンダ3に開口部を別途設けることなく、物理発泡剤Pを基端3b1に近い位置から注入可能である。また、吐出端8cは、シリンダ3の外表面3cよりも内部空間3bに近い位置に配置することが好ましく、内部空間3bの周面3b3よりも内側に配置することがさらに好ましい。吐出端8cが内部空間3bから離れた位置に配置されていると、物理発泡剤Pが内部空間3b内に注入される前にホッパー5内のペレット2aに付着してしまって、樹脂2に対する物理発泡剤Pの割合にばらつきが生じやすくなるという問題がある。吐出端8cを内部空間3bに近い位置に配置することによって、樹脂2に対する物理発泡剤Pの割合のばらつきを低減させて、発泡の安定化が可能となる。なお、ホッパー5が設けられている開口部3aから物理発泡剤Pを注入する代わりに、図2に示すように、開口部3aとは別の開口部3dをシリンダ3の側面に設け、開口部を3bから物理発泡剤Pを内部空間3b内に注入してもよい。この場合、物理発泡剤Pがホッパー5内のペレット2aに付着することがないので、樹脂2に対する物理発泡剤Pの割合のばらつきが抑制される。
【0020】
ポンプ8bの種類は、特に限定されないが、定量且つ少量の液体の移送に適したダイアフラムポンプであることが好ましい。ダイアフラムポンプは、ダイアフラムと呼ばれる膜を往復動させることにより流体を移送するように構成される。
【0021】
樹脂2に対する物理発泡剤Pの割合は、例えば、0.01~2.0質量%であり、0.1~0.5質量%が好ましい。この割合は、具体的には例えば、0.01、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.5、2.0質量%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0022】
物理発泡剤Pの注入量は、例えば、2~8ml/minが好ましい。8ml/minを超えると、成形性が悪くなりやすい。この注入量は、具体的には例えば、2、3、4、5、6、7、8ml/minであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0023】
<温度制御部9>
温度制御部9は、シリンダ3及び押出ヘッド12に設けられた複数の温調ユニットを個別に制御して、各部位の温度を制御するように構成されている。温度制御部9は、発泡剤含有樹脂中の物理発泡剤Pが押出ヘッド12から押し出された直後に気化するように各部位の温度を制御する。
【0024】
<樹脂押出口11・押出ヘッド12>
発泡剤含有樹脂は、樹脂押出口11から押し出されて押出ヘッド12内に注入される。押出ヘッド12は、スリットを有しており、発泡剤含有樹脂がスリットから押し出されることによって発泡パリソン13が形成される。スリットの形状は特に限定されないが、例えば、環状や線状(例:直線状)である。スリットが環状である場合、筒状の発泡パリソンが得られる。スリットが線状である場合(例えば、押出ヘッド12がTダイである場合)、シート状の発泡パリソンが得られる。
【0025】
発泡剤含有樹脂がスリットから押し出され大気に開放されると、発泡剤含有樹脂に加わる圧力が低下して物理発泡剤Pが気化して、発泡パリソン13が形成される。発泡パリソン13は、大気によって徐々に冷却され、発泡パリソン13の温度が物理発泡剤Pの沸点を下回ると、物理発泡剤Pは液体状態となる。発泡パリソン13は、温度低下に伴って粘度が上昇するので、温度低下によって物理発泡剤Pが液体状態になっても、発泡パリソン13は、発泡状態を維持することができる。
【0026】
押出ヘッド12内での発泡剤含有樹脂の温度をT1とし、物理発泡剤Pの沸点をT2とすると、T1は、例えば、160~250℃である。また、T1-T2は、例えば60~150℃である。T1は、具体的には例えば、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250℃であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。T1-T2は、具体的には例えば、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150℃であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0027】
<金型14>
発泡パリソン13は、金型14で成形される。金型14は、好ましくは、開閉可能な分割金型14a,14bであり、発泡パリソン13は、分割金型14a,14bの間に導かれる。金型14を用いて発泡パリソン13の成形を行うことによって発泡成形体が得られる。金型14を用いた成形の方法は特に限定されず、金型14のキャビティ内にエアーを吹き込んで成形を行うブロー成形であってもよく、金型14のキャビティの内面からキャビティ内を減圧して発泡パリソン13の成形を行う真空成形であってもよく、これらの組み合わせであってもよい。ブロー成形又は真空成形では、成形時に発泡パリソン13が延伸されるので、発泡成形性が悪くなりやすい。このため、発泡パリソン13の成形がブロー成形又は真空成形である場合に、樹脂2に対する物理発泡剤Pの割合のばらつきを抑制して発泡パリソン13の発泡状態を安定させることの技術的意義が顕著である。ブロー成形でのブロー圧は、0.001~0.05MPaが好ましい。0.05MPaを超えると発泡性が悪くなりやすい。ブロー圧は、具体的には例えば、0.001、0.005、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05MPaであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0028】
2.発泡成形体の製造方法
本発明の一実施形態の発泡成形体の製造方法について説明する。本実施形態の方法は、樹脂2と物理発泡剤Pを押出機1内で溶融混練してなる溶融混練樹脂を押出機1から押し出して発泡パリソン13を形成し、発泡パリソン13を成形して発泡成形体を得る工程を備える。
【0029】
「1.成形装置」で述べた内容は、その趣旨に反しない限り、本方法についても当てはまる。
【0030】
本実施形態の製造方法によって得られる発泡成形体の一例としてダクトが挙げられる。発泡成形体の発泡倍率は、例えば、1.1~3.0倍であり、具体的には例えば、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.5、3.0倍であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0031】
3.その他実施形態
・上記実施形態は、アキュームレータを用いない連続押出の発泡成形であるが、アキュームレータに一定量の発泡剤含有樹脂を貯留した後に、貯留した発泡剤含有樹脂を押し出すことによって発泡パリソンを形成するようにしてもよい。この場合、連続押出の場合に比べて、発泡パリソンの押出速度を高めることができるので、発泡パリソンの発泡状態を安定化させやすいという利点がる。
【実施例0032】
図1に示す装置及び上記実施形態に示す方法に従って、発泡パリソン13から発泡成形体を作製した。原料樹脂としては、ポリプロピレン系樹脂A(ポレアリス社(Borealis AG)製、商品名「Daploy WB140」)と、ポリプロピレン系樹脂B(日本ポリプロ株式会社製、商品名「ノバテックPP・BC4BSW」)と、ポリエチレン系エラストマー(三井化学株式会社製、商品名「タフマーDF605」)を質量比80:10:10で混合したもの(比重0.90)を用いた。押出ヘッド12としては、直径150mmのコアの周囲に環状スリットを有するものを用いた。押出ヘッド12の設定温度は、180℃とした。環状スリットの幅を1.2mmにし、原料樹脂に対して、0.4質量%となるように、ホッパー5からダイアフラムポンプを用いて物理発泡剤Pとして水を内部空間3bに注入した。樹脂の押出量は、59.6kg/hとし、注水量は、4ml/minとした。水は、配管8aを通じて注入し、配管8aは、吐出端8cがシリンダ3の外表面によも内部空間3bに近い位置に配置されるように設置した。
【0033】
押出ヘッド12から押し出された筒状の発泡パリソン13を分割金型14a,14bの間に配置し、型締めの後に発泡パリソン13内にブロー圧0.01MPaでエアーを吹き込むことによってブロー成形を行った。これにより、発泡成形体としてダクトを作製した。
【0034】
得られた発泡成形体の比重を測定し、樹脂組成物自体の比重を発泡成形体の比重で除することによって、発泡倍率を算出したところ、1.5倍であった。
【符号の説明】
【0035】
1 :押出機
2 :樹脂
2a :ペレット
3 :シリンダ
3a :開口部
3b :内部空間
3b1 :基端
3b2 :先端
3b3 :周面
3c :外表面
3d :開口部
4 :モーター
5 :ホッパー
7 :スクリュー
7a :先端
8 :物理発泡剤注入部
8a :配管
8b :ポンプ
8c :吐出端
9 :温度制御部
11 :樹脂押出口
12 :押出ヘッド
13 :発泡パリソン
14 :金型
14a :分割金型
14b :分割金型
100 :成形装置
P :物理発泡剤
図1
図2