(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057690
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】処理装置、処理プログラム及び処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240418BHJP
G06Q 50/18 20120101ALI20240418BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q50/18 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022164499
(22)【出願日】2022-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】522401903
【氏名又は名称】株式会社Decoo
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】230121016
【弁護士】
【氏名又は名称】小笠原 匡隆
(72)【発明者】
【氏名】山田泰光
(72)【発明者】
【氏名】清野健太郎
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049BB26
5L049BB50
5L049BB53
5L049CC16
5L049CC32
5L050CC16
5L050CC32
(57)【要約】
【課題】
デジタルコンテンツ及びNFTを独立して流通可能に管理すること。
【解決手段】
ユーザがデジタルのコンテンツを取得すると、前記ユーザと前記コンテンツとを紐づけてコンテンツ所有者情報を生成してメモリに記憶し、前記コンテンツに対するNFTの発行依頼を受け付けると、分散型台帳システムに対してNFT発行処理要求を行い、前記コンテンツに対する前記NFTの発行完了を受け付けると、前記コンテンツ所有者情報に基づいて前記ユーザと前記NFTとを紐づけてNFT所有者情報を生成して前記メモリに記憶し、前記NFTのみの所有権の譲渡依頼を受け付けると、前記コンテンツ所有者情報を維持し、前記NFT所有者情報を更新する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのプロセッサを具備する処理装置であって、
前記少なくとも一つのプロセッサは、
ユーザがデジタルのコンテンツを取得すると、前記ユーザと前記コンテンツとを紐づけてコンテンツ所有者情報を生成してメモリに記憶し、
前記コンテンツに対するNFTの発行依頼を受け付けると、分散型台帳システムに対してNFT発行処理要求を行い、
前記コンテンツに対する前記NFTの発行完了を受け付けると、前記コンテンツ所有者情報に基づいて前記ユーザと前記NFTとを紐づけてNFT所有者情報を生成して前記メモリに記憶し、
前記NFTのみの所有権の譲渡依頼を受け付けると、前記コンテンツ所有者情報を維持し、前記NFT所有者情報を更新する、
ための処理を実行するように構成された処理装置。
【請求項2】
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記コンテンツに対応付けてNFT発行可能数を算出し、前記コンテンツ所有者情報に紐づけて前記NFT発行可能数を前記メモリに記憶する、ための処理を実行するように構成された、請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記コンテンツの特性情報、又は前記ユーザのユーザ情報に基づいて前記NFT発行可能数を算出する、ための処理を実行するように構成された、請求項1に記載の処理装置。
【請求項4】
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記NFT所有者情報を生成する際に、前記NFT発行可能数を一つ減算して前記メモリに記憶する、ための処理を実行するように構成された、請求項2又は3に記載の処理装置。
【請求項5】
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記分散型台帳システムから他の分散型台帳システムへの前記NFTの移動依頼を受け付けると、前記分散型台帳システムに対してNFT移動処理要求を行う、ための処理を実行するように構成された、請求項1に記載の処理装置。
【請求項6】
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記NFTの移動完了を受け付けると、前記NFT発行可能数を一つ加算して前記メモリに記憶する、ための処理を実行するように構成された、請求項1に記載の処理装置。
【請求項7】
少なくとも一つのプロセッサを具備するコンピュータにおいて前記少なくとも一つのプロセッサを、
ユーザがデジタルのコンテンツを取得すると、前記ユーザと前記コンテンツとを紐づけてコンテンツ所有者情報を生成してメモリに記憶し、
前記コンテンツに対するNFTの発行依頼を受け付けると、分散型台帳システムに対してNFT発行処理要求を行い、
前記コンテンツに対する前記NFTの発行完了を受け付けると、前記コンテンツ所有者情報に基づいて前記ユーザと前記NFTとを紐づけてNFT所有者情報を生成して前記メモリに記憶し、
前記NFTのみの所有権の譲渡依頼を受け付けると、前記コンテンツ所有者情報を維持し、前記NFT所有者情報を更新する、
ように機能させる処理プログラム。
【請求項8】
少なくとも一つのプロセッサを具備するコンピュータにおいて前記少なくとも一つのプロセッサにより実行される処理方法であって、
ユーザがデジタルのコンテンツを取得すると、前記ユーザと前記コンテンツとを紐づけてコンテンツ所有者情報を生成してメモリに記憶する段階と、
前記コンテンツに対するNFTの発行依頼を受け付けると、分散型台帳システムに対してNFT発行処理要求を行う段階と、
前記コンテンツに対する前記NFTの発行完了を受け付けると、前記コンテンツ所有者情報に基づいて前記ユーザと前記NFTとを紐づけてNFT所有者情報を生成して前記メモリに記憶する段階と、
前記NFTのみの所有権の譲渡依頼を受け付けると、前記コンテンツ所有者情報を維持し、前記NFT所有者情報を更新する段階と、
を含む処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、デジタルコンテンツ及びNFTの流通を管理するための処理装置、処理プログラム及び処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ゲーム内で取得したアイテムに対して所有権を表すトークンを付与し、ブロックチェーン上においてアイテムの所有権を管理する技術が知られている。例えば、特許文献1には、「電子取引の対象となるアイテムを所有する第1のユーザと、前記第1のユーザとは異なる第2のユーザとの間で前記アイテムの価格を決定する価格決定手段と、前記価格決定手段で決定された価格に対する対価を前記第2のユーザから前記第1のユーザに支払うことによって、前記アイテムの所有権を前記第1のユーザから前記第2のユーザに委譲させるアイテム委譲手段と、前記アイテム委譲手段において所有権が変更された履歴を取引履歴データベースとして記憶させるデータベース作成手段と、を備え、ネットワークを介して前記アイテムを取引するアイテム取引システムであって、前記取引履歴データベースとして記憶された前記アイテムと同種のアイテムを所有するユーザ数を参照して、前記ユーザ数に応じてネットワーク上又は実社会上における前記アイテムの効果を変更する価値変更手段を備えることを特徴とするアイテム取引システム。」が記載されている。
【0003】
一方、近年においては、デジタルアート、ゲームアイテム、又はトレーディングカード等のデジタルコンテンツに対して唯一性や保有者を証明することができる非代替性トークン(NFT:Non-Fungible Token)が注目されている。しかしながら、デジタルコンテンツ及びNFTは個別ばらばらに流通してしまい、流通後のデジタルコンテンツとNFTとの関係性は不明となり、NFTの更なる流通が不十分になる虞があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、上述した背景からなされたものであり、デジタルコンテンツ及びNFTを独立して流通可能に管理することが可能な処理装置、処理プログラム及び処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、「少なくとも一つのプロセッサを具備する処理装置であって、前記少なくとも一つのプロセッサは、ユーザがデジタルのコンテンツを取得すると、前記ユーザと前記コンテンツとを紐づけてコンテンツ所有者情報を生成してメモリに記憶し、前記コンテンツに対するNFTの発行依頼を受け付けると、分散型台帳システムに対してNFT発行処理要求を行い、前記コンテンツに対する前記NFTの発行完了を受け付けると、前記コンテンツ所有者情報に基づいて前記ユーザと前記NFTとを紐づけてNFT所有者情報を生成して前記メモリに記憶し、前記NFTのみの所有権の譲渡依頼を受け付けると、前記コンテンツ所有者情報を維持し、前記NFT所有者情報を更新する、ための処理を実行するように構成された処理装置。」が提供される。
【0007】
本開示の一態様によれば、「少なくとも一つのプロセッサを具備するコンピュータにおいて前記少なくとも一つのプロセッサを、ユーザがデジタルのコンテンツを取得すると、前記ユーザと前記コンテンツとを紐づけてコンテンツ所有者情報を生成してメモリに記憶し、前記コンテンツに対するNFTの発行依頼を受け付けると、分散型台帳システムに対してNFT発行処理要求を行い、前記コンテンツに対する前記NFTの発行完了を受け付けると、前記コンテンツ所有者情報に基づいて前記ユーザと前記NFTとを紐づけてNFT所有者情報を生成して前記メモリに記憶し、前記NFTのみの所有権の譲渡依頼を受け付けると、前記コンテンツ所有者情報を維持し、前記NFT所有者情報を更新する、ように機能させる処理プログラム。」が提供される。
【0008】
本開示の一態様によれば、「少なくとも一つのプロセッサを具備するコンピュータにおいて前記少なくとも一つのプロセッサにより実行される処理方法であって、ユーザがデジタルのコンテンツを取得すると、前記ユーザと前記コンテンツとを紐づけてコンテンツ所有者情報を生成してメモリに記憶する段階と、前記コンテンツに対するNFTの発行依頼を受け付けると、分散型台帳システムに対してNFT発行処理要求を行う段階と、前記コンテンツに対する前記NFTの発行完了を受け付けると、前記コンテンツ所有者情報に基づいて前記ユーザと前記NFTとを紐づけてNFT所有者情報を生成して前記メモリに記憶する段階と、前記NFTのみの所有権の譲渡依頼を受け付けると、前記コンテンツ所有者情報を維持し、前記NFT所有者情報を更新する段階と、を含む処理方法。」が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、デジタルコンテンツ及びNFTを独立して流通可能に管理することが可能な処理装置、処理プログラム及び処理方法を提供することができる。
【0010】
なお、上記効果は説明の便宜のための例示的なものであるにすぎず、限定的なものではない。上記効果に加えて、又は上記効果に代えて、本開示中に記載されたいかなる効果や当業者であれば明らかな効果を奏することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態に係る処理システム1に係るアイテム及びNFTの譲渡の概要を概略的に示す図である。
【
図2】
図2は、本開示の実施形態に係る処理システム1の構成を概略的に示す概念図である。
【
図3】
図3は、本開示の実施形態に係るユーザ端末装置100の構成の例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、本開示の実施形態に係るサーバ装置200の構成の例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、本開示の実施形態に係る分散型台帳システム300の構成概略的に示す概念図である。
【
図6】
図6は、本開示の実施形態に係るサーバ装置200に記憶されるアイテム管理テーブルを概念的に示す図である。
【
図7】
図7は、本開示の実施形態に係るユーザ端末装置100とサーバ装置200との間で実行される処理シーケンスを示す図である。
【
図8A】
図8Aは、本開示の実施形態に係るユーザ端末装置100、サーバ装置200、及び分散型台帳システム300の間で実行される処理シーケンスを示す図である。
【
図8B】
図8Bは、本開示の実施形態に係るユーザ端末装置100に出力される画面の例を示す図である。
【
図8C】
図8Cは、本開示の実施形態に係るユーザ端末装置100に出力される画面の例を示す図である。
【
図8D】
図8Dは、本開示の実施形態に係るユーザ端末装置100に出力される画面の例を示す図である。
【
図8E】
図8Eは、本開示の実施形態に係るユーザ端末装置100に出力される画面の例を示す図である。
【
図8F】
図8Fは、本開示の実施形態に係るユーザ端末装置100に出力される画面の例を示す図である。
【
図9A】
図9Aは、本開示の実施形態に係るユーザ端末装置100、サーバ装置200、及び分散型台帳システム300の間で実行される処理シーケンスを示す図である。
【
図9B】
図9Bは、本開示の実施形態に係るユーザ端末装置100に出力される画面の例を示す図である。
【
図9C】
図9Cは、本開示の実施形態に係るユーザ端末装置100に出力される画面の例を示す図である。
【
図9D】
図9Dは、本開示の実施形態に係るユーザ端末装置100に出力される画面の例を示す図である。
【
図9E】
図9Eは、本開示の実施形態に係るユーザ端末装置100に出力される画面の例を示す図である。
【
図10A】
図10Aは、本開示の実施形態に係るユーザ端末装置100、サーバ装置200、及び分散型台帳システム300の間で実行される処理シーケンスを示す図である。
【
図10B】
図10Bは、本開示の実施形態に係るユーザ端末装置100に出力される画面の例を示す図である。
【
図10C】
図10Cは、本開示の実施形態に係るユーザ端末装置100に出力される画面の例を示す図である。
【
図11】
図11は、本開示の実施形態に係るユーザ端末装置100とサーバ装置200との間で実行される処理シーケンスを示す図である。
【
図12A】
図12Aは、本開示の実施形態に係るサーバ装置200において実行される処理フローを示す図である。
【
図12B】
図12Bは、本開示の実施形態に係るサーバ装置200において実行される処理フローを示す図である。
【
図12C】
図12Cは、本開示の実施形態に係るサーバ装置200において実行される処理フローを示す図である。
【
図12D】
図12Dは、本開示の実施形態に係るサーバ装置200において実行される処理フローを示す図である。
【
図13】
図13は、本開示の変形例に係る処理システム1に係るアイテム及びNFTの譲渡の概要を概略的に示す図である。
【0012】
添付図面を参照して本開示の実施形態を説明する。なお、図面における共通する構成要素には同一の参照符号が付されている。
【0013】
1.本開示に係る処理システム1の概要
本開示に係る処理システムは、一例として、ユーザが取得したデジタルコンテンツ(以下、単にコンテンツとも称する)に対して所有情報を管理するとともに、当該コンテンツのNFT化に係る処理及びNFTの所有情報の管理を行うために用いられる。特に、当該処理システムは、例えば、ゲーム内で取得したアイテム及び当該アイテムに対応するNFTの所有者の管理を行う場合に好適に用いられる。具体的に、処理システムは、ゲーム内のアイテム及びNFTがそれぞれ独立して譲渡され、ゲーム内の市場及びNFT市場において流通した場合でも、当該アイテム及び当該NFTの所有者を特定するように管理する。すなわち、処理システム1は、当該アイテム及び当該NFTの所有者情報、すなわち所有権の情報を個別に管理して、それぞれの市場流通を可能にしている。
【0014】
図1は、本開示の実施形態に係る処理システム1に係るアイテム及びNFTの譲渡の概要を概略的に示す図である。特に、
図1においては、コンテンツの一例であるアイテム及びNFTが独立して他のユーザに譲渡される場合が記載されている。具体的に、
図1においては、サーバ装置を管理するゲーム事業者(以下、単に事業者とも称する)によって提供されたゲーム内において、第1ユーザがアイテムを取得することが想定されている。このような第1ユーザがアイテムを所有する状態として、第1ユーザとコンテンツとが紐づけられたアイテム所有者情報(すなわち、アイテムの所有者が第1ユーザであることを示す情報:コンテンツ所有者情報)が、サーバ装置に記憶される。
【0015】
続いて、第1ユーザが所定の処理を行うことによってNFTが発行され、NFTの所有者が第1ユーザとなる。このような第1ユーザがアイテムに対応するNFTを所有する状態として、記憶済みのアイテム所有情報に基づいて第1ユーザとNFTとが紐づけられたNFT所有者情報(すなわち、NFTの所有者が第1ユーザであることを示す情報)が、サーバ装置に記憶される。
【0016】
その後、第1ユーザが、アイテムから独立させてNFTを第2ユーザへ譲渡する。すなわち、アイテムに対応するNFTの所有権のみが第2ユーザに譲渡され、アイテムとNFTの所有者が別々の状態となる。このような第2ユーザがNFTを所有する状態として、NFTの所有者が変更されたNFT所有者情報(すなわち、NFTの所有者が第2ユーザであることを示す情報)が、サーバ装置に記憶される。この際に、アイテムの所有者は第1ユーザのままであるため、アイテム所有者情報は更新されない。
【0017】
そして、第1ユーザが、所有するアイテムを第3ユーザへ譲渡する。すなわち、アイテムの所有権のみが第3ユーザに譲渡され、アイテムとNFTの所有者が別々である状態が継続する。このような第3ユーザがアイテムを所有する状態として、アイテムの所有者が変更されたアイテム所有者情報(すなわち、アイテムの所有者が第3ユーザであることを示す情報)が、サーバ装置に記憶される。この際に、NFTの所有者は第2ユーザのままであるため、NFT所有者情報は更新されない。
【0018】
このように、本開示の実施形態においては、アイテムとその所有者とを紐づけつつ、当該アイテムに対応するNFTとその所有者とを紐づけてサーバ装置に記憶する。そして、本開示の実施形態においては、アイテムと当該アイテムに対応するNFTとは紐づけられるものの、それぞれが独立して譲渡された場合であっても各所有者に係る情報が更新される。すなわち、本開示の実施形態においては、アイテムとNFTとを独立して流通できるような管理が実施されている。
【0019】
本開示において、「ユーザ」は単に処理システムにより提供されるサービスを利用可能なユーザを意味するにすぎない。すなわち、本開示の実施形態においては、ゲームサービスの提供事業者が処理システムを利用することが想定されており、当該ユーザにはゲームプレイヤーが含まれる。一方で、NFTの所有権を有するものはゲームプレイヤーに限定されないため、NFTの譲渡先のユーザにはゲームプレイヤー以外の第三者も含まれる。いずれにおいても、「ユーザ」とはアイテムを一例とするコンテンツ、及び当該コンテンツに対応したNFTを所有することができる者である。
【0020】
本開示において、「デジタルコンテンツ」とは、デジタル形式で構成されているコンテンツであり、Web上において公開又は流通するものである。特に、文書、動画、音楽、又は画像をデジタルデータ化したものが含まれる。本開示の実施形態においては、Webを介して提供されるゲームにおいて取得可能なゲーム上のアイテムを想定する。しかしながら、当該デジタルコンテンツとは、上記のものや既存のデジタルデータ等に限定されることはなく、今後新たにデジタルデータ化がされて公開又は市場流通がなされるものも、当然にその対象に含まれる。
【0021】
なお、本開示において、「第1」や「第2」等の記載がされていたとしても、これらが付された二つの要素のみに限定されることを意味するわけではない。当然に「第3」、「第4」及びそれ以上の複数の要素が含まれてもよい。
【0022】
2.処理システム1の構成
図2は、本開示の実施形態に係る処理システム1の構成を概略的に示す概念図である。
図2によると、処理システム1は、事業者が提供するゲームサービス等を受けるユーザが使用するユーザ端末装置100、事業者が事業活動やユーザ情報等の保存に利用するサーバ装置200、暗号資産を管理する第1分散型台帳システム300-1並びに第2分散型台帳システム300-2、及びこれらを通信可能に接続するインターネット等のネットワーク400を含む。当該ネットワークは、無線、有線又はそれらの組み合わせにより構成される。
【0023】
なお、
図2の例では、ユーザ端末装置100は、1台しか記載されていないが、当然2台以上の各装置を含むことが可能である。また、サーバ装置200は単一のものとして記載されているが、サーバ装置200の各構成要素及び処理を複数のサーバ装置やクラウドサーバ装置に分配することも可能である。
【0024】
また、
図2の例では、ブロックチェーン技術を利用したシステムである分散型台帳システムは2つのみが記載されているが、当然に3つ以上の分散型台帳システムがネットワーク400に接続されていてもよい。そして、第1分散型台帳システム300-1及び第2分散型台帳システム300-2を区別して記載しているが、これらを総称して分散型台帳システム300と記載する場合がある。ただし、このような場合であったとしても、各分散型台帳システムをただ単に総称しているに過ぎず、第1分散型台帳システム300-1及び第2分散型台帳システム300-2が同じ処理・構成をしていることを意味するわけではない。
【0025】
3.ユーザ端末装置100の構成
図3は、本開示の実施形態に係るユーザ端末装置100の構成の例を示すブロック図である。ユーザ端末装置100は、
図3に示す構成要素の全てを備える必要はなく、一部を省略した構成をとることも可能であるし、他の構成要素を加えることも可能である。
【0026】
ユーザ端末装置100は、典型的には、スマートフォンに代表される無線通信可能なユーザ端末装置が挙げられるが、当然これらの装置のみには限られない。例えば、ユーザ端末装置としては、フィーチャーフォン、携帯情報端末、PDA、ラップトップパソコン、デスクトップパソコン、携帯型ゲーム機、据え置き型ゲーム機など、本開示に係るプログラムを実行可能な装置であれば、いずれでも好適に適用することが可能である。また、ユーザ端末装置100が複数台存在する場合に、各ユーザ端末装置が常に同種又は同じユーザ端末装置である必要はなく、互いに異なる種類のユーザ端末装置であってもよい。
【0027】
図3によると、ユーザ端末装置100は、出力インターフェイス111、プロセッサ112、RAM、ROM、又は不揮発性メモリ(場合によっては、HDD)等を含むメモリ113、通信処理回路及びアンテナを含む通信インターフェイス114、タッチセンサ及びハードキーを含む入力インターフェイス115を含む。そして、これらの各構成要素が制御ライン及びデータラインを介して互いに電気的に接続される。
【0028】
出力インターフェイス111は、プロセッサ112の指示に応じて、接続されたカメラ(図示せず)で撮影される画像や、本開示に係るプログラムを実行することによって出力される各種表示を、ディスプレイやプリンタ等の機器に出力する出力部として機能する。なお、このようなディスプレイは、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ又は電子ペーパー等から構成される。
【0029】
プロセッサ112は、CPU(マイクロコンピュータ:マイコン)から構成され、メモリ113に記憶された各種プログラムに基づいて、接続された他の構成要素を制御する制御部として機能する。具体的には、プロセッサ112は、本開示に係るアプリケーションを実行するためのプログラムやOSを実行するためのプログラムをメモリ113から読み出して実行する。本開示においては、プロセッサ112は、特に、
図7、
図8A、
図9A、
図10A、及び
図11の処理シーケンスで記載された各処理等を実行する(処理の詳細は、各図において説明する。)。なお、プロセッサ112は、単一のCPUで構成されても良いが、複数のCPUやGPUを組み合わせて構成しても良い。
【0030】
メモリ113は、ROM、RAM、不揮発性メモリ、HDD等から構成され、記憶部として機能する。ROMは、本開示に係るアプリケーションやOSを実行するための指示命令をプログラムとして記憶する。RAMは、ROMに記憶されたプログラムがプロセッサ112により処理されている間、データの書き込み及び読み込みをするために用いられる。不揮発性メモリは、当該プログラムの実行によってデータの書き込み及び読み込みが実行されるメモリであって、ここに書き込まれたデータは、当該プログラムの実行が終了した後でも保存される。本開示においては、メモリ113は、特に、
図7、
図8A、
図9A、
図10A、及び
図11の処理シーケンスで記載された各処理等を実行するプログラムを記憶する(処理の詳細は、各図において説明する。)。
【0031】
また、本開示の実施形態においては、メモリ113にはウォレットアプリが記憶されており、NFTに係る各種の処理が行えるようになっている。例えば、ウォレットアプリとしては、METAMASK、MEW Wallet、tokenPocket等がある。なお、メモリ113に記憶されるウォレットの種類はウォレットアプリに限定されることなく、後述するゲーム内においてウォレットを扱うことができれば、ユーザ端末装置100の種別に応じて、ブラウザ機能拡張ウォレット又はゲームアプリ内ウォレットであってもよい。
【0032】
通信インターフェイス114は、通信処理回路及びアンテナを介して、遠隔に設置されたサーバ装置200、各分散型台帳システム、又は他のユーザ端末装置との間で情報の送受信をする通信部として機能する。通信処理回路は、処理システム1において用いられるプログラムや各種情報等を処理の進行に応じて、サーバ装置200、各分散型台帳システム、又は他のユーザ端末装置から情報を送受信するための処理をする。本開示においては、特に、ログイン要求に係る情報、アイテム格納要求に係る情報、ウォレット情報、NFT情報、NFTの譲渡先選択情報、NFTの譲渡に係る決定情報、NFTの移動先情報、NFTの移動に係る決定情報、アイテムの選択情報、アイテムの譲渡先情報、アイテムの譲渡に係る決定情報等が、ユーザ端末装置100からサーバ装置200に送信される。また、本開示においては、商品購入に係る取引情報、ログイン要求に対する承認に係る情報、及びアイテム譲渡完了通知等が、サーバ装置200から受信される。更に、本開示においては、NFT発行完了通知、及びNFT譲渡完了通知等が、第1分散型台帳システム300-1から受信され、NFT移動完了通知等が、第2分散型台帳システム300-2から受信される。
【0033】
通信処理回路は、LTE方式に代表されるような広帯域の無線通信方式に基づいて処理されるが、IEEE802.11に代表されるような無線LANやBluetooth(登録商標)のような狭帯域の無線通信に関する方式や非接触無線通信に関する方式に基づいて処理することも可能である。また、無線通信に代えて、又は加えて、有線通信を用いることも可能である。
【0034】
入力インターフェイス115は、タッチパネルやハードキー等から構成され、本開示に係るプログラムの実行に係る指示入力や、様々な情報を登録するための操作入力等を受け付ける入力部として機能する。タッチパネルは、出力インターフェイス111を被覆するように配置され、出力インターフェイス111からディスプレイに出力される画像データに対応する位置座標の情報を、プロセッサ112に送信する。タッチパネル方式としては、抵抗膜方式、静電容量結合方式、超音波表面弾性波方式など、公知の方式を利用することができる。本開示においては、タッチパネルは、指示体により出力インターフェイス111に表示された各アイコン等に対するスワイプ操作やタップ操作を検出する。なお、本開示ではユーザ端末装置100に備えられる入力インターフェイス115を用いたが、例えばマウスのような、プロセッサ112等を備える本体に無線又は有線で接続された入力インターフェイス115を用いることも可能である。
【0035】
4.サーバ装置200の構成
図4は、本開示の実施形態に係るサーバ装置200の構成の例を示すブロック図である。サーバ装置200は、
図4に示す構成要素の全てを備える必要はなく、一部を省略した構成をとることも可能であるし、他の構成要素を加えることも可能である。また、サーバ装置200は単一の筐体に
図4に図示するものを備える必要はなく、サーバ装置200の各構成要素及び処理を複数のサーバ装置やクラウドサーバ装置に分配することも可能である。
【0036】
図4によると、サーバ装置200は、RAM、ROM、及び不揮発性メモリ、HDD等を含むメモリ211、CPU等から構成されるプロセッサ212及び通信インターフェイス213を含む。そして、これらの各構成要素が制御ライン及びデータラインを介して互いに電気的に接続される。
【0037】
メモリ211は、RAM、ROM、不揮発性メモリ、HDDを含み、記憶部として機能する。ROMは、本開示に係るアプリケーションやOSを実行するための指示命令をプログラムとして記憶する。このようなプログラムは、プロセッサ212によってロードされ実行される。RAMは、ROMに記憶されたプログラムがプロセッサ212によって処理されている間、データの書き込み及び読み込みを実行するために用いられる。不揮発性メモリは、当該プログラムの実行によってデータの書き込み及び読み込みが実行されるメモリであって、ここに書き込まれたデータは、当該プログラムの実行が終了した後でも保存される。
【0038】
本開示においては、メモリ211は、特に、「ユーザがデジタルコンテンツであるアイテムを取得すると、当該ユーザと当該アイテムとを紐づけてコンテンツ所有者情報を生成してメモリ211に記憶する処理」、「当該アイテムに対するNFTの発行依頼を受け付けると、第1分散型台帳システム300-1に対してNFT発行処理要求を行う処理」、「当該アイテムに対する当該NFTの発行完了を受け付けると、当該コンテンツ所有者情報に基づいて当該ユーザと当該NFTとを紐づけてNFT所有者情報を生成してメモリ211に記憶する処理」、及び「当該NFTのみの所有権の譲渡依頼を受け付けると、当該コンテンツ所有者情報を維持し、当該NFT所有者情報を更新する処理」等のためのプログラムを記憶する。また、メモリ211は、アイテム管理テーブル(
図6)に記載された各種情報を記憶する。
【0039】
本開示においては、メモリ211は、ユーザのアカウント情報を記憶する。具体的には、サーバ装置200によって提供されるゲームにおいて、ユーザの登録処理が完了している場合に、当該ユーザの情報が記憶される。例えば、ユーザの情報としては、ユーザID、ユーザ名、ゲームにおけるユーザのレベル、及びユーザのウォレットアドレスの情報等である。
【0040】
プロセッサ212は、CPU(マイクロコンピュータ:マイコン)から構成され、メモリ211に記憶された各種プログラムに基づいて、接続された他の構成要素を制御するための制御部として機能する。具体的には、プロセッサ112は、本開示に係るアプリケーションを実行するためのプログラムやOSを実行するためのプログラムをメモリ211から読み出して実行する。本開示においては、プロセッサ212は、特に、「ユーザがデジタルコンテンツであるアイテム取得すると、当該ユーザと当該アイテムとを紐づけてコンテンツ所有者情報を生成してメモリ211に記憶する処理」、「当該アイテムに対するNFTの発行依頼を受け付けると、第1分散型台帳システム300-1に対してNFT発行処理要求を行う処理」、「当該アイテムに対する当該NFTの発行完了を受け付けると、当該コンテンツ所有者情報に基づいて当該ユーザと当該NFTとを紐づけてNFT所有者情報を生成してメモリ211に記憶する処理」、及び「当該NFTのみの所有権の譲渡依頼を受け付けると、当該コンテンツ所有者情報を維持し、当該NFT所有者情報を更新する処理」等を実行する。なお、プロセッサ212は、単一のCPUで構成されても良いが、複数のCPUで構成しても良い。
【0041】
通信インターフェイス213は、通信処理回路及びアンテナを介して、遠隔に設置された他のサーバ装置やユーザ端末装置100との間で情報の送受信をする通信部として機能する。通信処理回路は、処理システム1において用いられるプログラムや各種情報等を処理の進行に応じて、他のサーバ装置、ユーザ端末装置100、及び各分散型台帳システム300から情報を送受信するための処理をする。本開示においては、特に、通信インターフェイス213を介して、ログイン要求に対する承認に係る情報、及びアイテム譲渡完了通知等が、サーバ装置200からユーザ端末装置100に送信される。また、本開示においては、ログイン要求に係る情報、アイテム格納要求に係る情報、ウォレット情報、NFT情報、NFTの譲渡先選択情報、NFTの譲渡に係る決定情報、NFTの移動先情報、NFTの移動に係る決定情報、アイテムの選択情報、アイテムの譲渡先情報、アイテムの譲渡に係る決定情報等が、ユーザ端末装置100から受信される。更に、本開示においては、NFT発行処理要求、NFT譲渡処理要求、NFT移動処理要求等が、サーバ装置200から分散型台帳システム300に送信される。そして、本開示においては、NFT発行完了通知、NFT譲渡完了通知、NFT移動完了通知等が、分散型台帳システム300から受信される。
【0042】
通信処理回路は、LTE方式に代表されるような広帯域の無線通信方式に基づいて処理されるが、IEEE802.11に代表されるような無線LANやBluetooth(登録商標)のような狭帯域の無線通信に関する方式や非接触無線通信に関する方式に基づいて処理することも可能である。また、無線通信に代えて、又は加えて、有線通信を用いることも可能である。
【0043】
5.分散型台帳システム300の構成
図5は、本開示の実施形態に係る分散型台帳システム300の構成を概略的に示す概念図である。
図5に示すように、分散型台帳システム300は、複数のノード端末装置311~314を備える。ノード端末装置311~314は、ネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。例えば、当該ネットワークは、公衆網、プライベートネットワーク、専用線、VPN(Virtual Private Network)、又はこれらの組合せであってもよい。また、複数のノード端末装置311~314は、例えば、有線または無線により接続されている。そして、複数のノード端末装置311~314は、ピア・ツー・ピア(P2P:Peer to Peer)方式で互いに通信する。
【0044】
図5に示すように、ノード端末装置311はディスクトップ型のPCであり、ノード端末装置312はタブレット端末であり、ノード端末装置313はノート型PCであり、ノード端末装置314はスマートフォン等の携帯電話である。しかしながら、ノード端末装置311~314は、これらに限定されることはなく、ブロックチェーンのネットワークに接続することが可能な端末装置であれば、どのようなものであってもよい。また、
図5においては、ノード端末装置311~314のそれぞれは、互いに異なる種類の端末であるが、同種の端末装置であってもよい。更に、分散型台帳システム300を構成するノード端末装置311~314の台数は4台に限定されることはなく、2台以上であれば適宜設定することができる。そして、分散型台帳システム300を構成するノード端末装置311~314の台数は、時間とともに変動してもよい。
【0045】
ノード端末装置311~314のそれぞれは、ユーザ端末装置100又はサーバ装置200と同様の構成となる。例えば、ノード端末装置311~314は、プロセッサ、メモリ、通信インターフェイス、入力インターフェイス、及び出力インターフェイスを備えていてもよい。当然のことながら、ノード端末装置311~314は、このような構成に限定されず、当該構成要素の全てを備える必要はなく、一部を省略した構成をとることも可能であるし、他の構成要素を加えることも可能である。また、ノード端末装置311~314の構成は、互いに異なっていてもよい。
【0046】
ノード端末装置311~314は、例えばブロックチェーン技術を用いて分散型台帳を管理する。具体的には、ノード端末装置311~314のいずれかは、記録すべきトークンの取引に関するデータを取得する。ノード端末装置311~314は、取得したデータを含むブロックを作成する。また、ノード端末装置311~314は、生成した当該ブロックをブロックチェーン上に追加する。ノード端末装置311~314は、追加したブロックの情報を他のノード端末装置311~314へ送信する。他のノード端末装置311~314は、受信したブロックの正しさを検証する。また、他のノード端末装置311~314は、当該ブロックの正しさに関する検証に成功した場合、当該ブロックをブロックチェーン上に追加する。ノード端末装置311~314は、例えば、いわゆる承認数である連結されたブロック数に基づいてブロックチェーンを確定する。これにより、複数のノード端末装置311~314にわたり、同一の分散型台帳が保存されることになる。なお、ブロックチェーン上に保存されるデータは、適宜に暗号化される。
【0047】
なお、上述したように、分散型台帳システム300には、第1分散型台帳システム300-1及び第2分散型台帳システム300-2があるが、これらのシステムが常に同種又は同じ端末装置である必要はなく、互いに異なる形態で構成されてもよい。また、第1分散型台帳システム300-1及び第2分散型台帳システム300-2は、異なるブロックチェーンを構成していることから、第1分散型台帳システム300-1を構成するノード端末装置と、第2分散型台帳システム300-2を構成するノード端末装置とは、別々のものとなる。ただし、異なるブロックチェーンを構成することが可能であれば、第1分散型台帳システム300-1及び第2分散型台帳システム300-2のノード端末装置の一部が共通化されてもよい。
【0048】
6.サーバ装置200のメモリ211に記憶される情報
図6は、本開示の実施形態に係るサーバ装置200に記憶されるアイテム管理テーブルを概念的に示す図である。
図6に示す情報は、ユーザがアイテムを入手し、当該アイテムに係るアイテム格納要求がサーバ装置200において受信されることによって更新される。また、当該アイテムの譲渡完了、NFTの発行完了、NFTの譲渡完了、及びNFTの移動完了があった場合にも、当該完了に係る通知がサーバ装置200において受信されることにより、アイテム管理テーブルの各項目が更新される。
【0049】
当該購入履歴管理テーブルは、「ユーザID」、「アイテムID」、「取得日」、「NFT発行可能数」、「NFT ID」、及び「NFT所有者アカウント」等に係る情報から構成される。このため、当該アイテム管理テーブルにおいては、各ユーザが取得したアイテム及び当該アイテムに対応するNFTに係る情報が記憶される。また、当該アイテム管理テーブルにおいては、同一ユーザ且つ同一商品であっても、別の情報として記憶される。このため、当該アイテム管理テーブルにおいては、「ユーザID」、「アイテムID」、「取得日」、及び「NFT発行可能数」が対応して記憶されるとともに、「NFT ID」及び「NFT所有者アカウント」が当該アイテムに係る情報に紐づいて記憶される。特に、「ユーザID」、「アイテムID」、「取得日」、及び「NFT発行可能数」からアイテム所有者情報(コンテンツ所有者情報)が構成され、ユーザとアイテムとが紐づけて管理されている。また、「NFT ID」及び「NFT所有者アカウント」からNFT所有者情報が構成されるが、NFT発行がなされた初期段階(NFTの譲渡がない段階)では「NFT ID」及び「NFT所有者アカウント」に「ユーザID」が紐づけられて当該NFT所有者情報が構成されている。
【0050】
「ユーザID」は、事業者が提供するゲームにおいて、登録手続きを行ったユーザに付与される固有の識別子である。ユーザIDは、例えば、通し番号であってもよく、ユーザが設定する任意の文字及び数字から構成されるものであってもよく、又はメールアドレス若しくはその一部であってもよい。このため、ユーザIDは、ユーザを識別することができれば、自由に設定可能であってもよい。
【0051】
「アイテムID」は、事業者が提供するゲームにおいて、ユーザが所得したアイテムに付与されている固有の識別子である。「アイテムID」は、例えば、通し番号であってもよく、又は任意の文字及び数字から構成されるものであってもよい。また、「アイテムID」に紐づいて、アイテムの詳細情報(例えば、アイテム名称、機能等)がアイテム管理テーブルに記憶されてもよい。
【0052】
「取得日」には、事業者が提供するゲームにおいて、ユーザがアイテムを取得した日付が記憶される。
図6においては、年及び日付が記載されているが、時分、及び曜日等も付加的に記憶されてもよい。
【0053】
「NFT発行可能数」には、ユーザが取得したアイテム対して発行できるNFTの可能数(すなわち、NFTの発行が可能な回数)が記憶される。ここで、「NFT発行可能数」は、ユーザが取得したアイテムのレアリティ、ゲーム内における当該アイテムの流通量、アイテムの属性情報、ゲーム内におけるユーザレベル、及びユーザ属性情報に基づいて、サーバ装置200のプロセッサ212が算出する。また、アイテムの属性情報とはアイテムの種別や他のアイテムとの関係を含む情報である。更に、ユーザ属性情報とは、例えばユーザがゲーム内で使用したゲーム内通貨の量等(すなわち、ゲーム内課金の頻度)を含む情報である。
【0054】
以上のことから、本開示の実施形態においては、アイテムごとにNFT発行可能数が決定されるのではなく、当該アイテム自体の情報に加えて、アイテム取得したユーザの情報も考慮されてNFT発行可能数が決定される。そして、本開示の実施形態における「NFT発行可能数」は、NFTが発行されるたびにその数が更新されて減少する。
【0055】
「NFT ID」は、ユーザが取得したアイテムに基づいて発行されたNFTに付与される固有の識別子である。特に、「NFT ID」は、ゲームのサービス提供者である事業者が発行するIDであって、サーバ装置200内で管理するために用いられる識別子である。「NFT ID」は、例えば、通し番号であってもよく、又は任意の文字及び数字から構成されるものであってもよい。また、「NFT ID」はアイテムとの関係性を把握可能にすることが好ましく、本開示の実施形態においては、「NFT ID」は「アイテムID」に対して枝番号は付されたものが用いられている。ここで、
図6においては、各アイテムに対して発行されたNFTが1つの場合が示されているが、同一のアイテムから2つ以上のNFTが発行された場合、「NFT ID」の欄には複数のIDが記憶される。これにより、ユーザが取得した1つのアイテムに対して発行された全てのNFTが管理可能になる。
【0056】
「NFT所有者アカウント」は、発行されたNFTを所有するユーザに係る情報である。本開示の実施形態においては、NFT所有者アカウント」は、NFTを所有するユーザのウォレットに係るアカウント情報である。ここで、
図6においては、各アイテムに対して発行されたNFTが1つの場合が示されているが、同一のアイテムから2つ以上のNFTが発行され且つ所有者が異なる場合、「NFT所有者アカウント」の欄には複数のアカウントが記憶される。これにより、ユーザが取得した1つのアイテムに対して発行された全てのNFTについて、各所有者の管理が可能になる。
【0057】
なお、
図6に示すアイテム管理テーブルは、一例に過ぎず、アイテムに係る情報又はNFTに係る他の項目を含んでもよい。例えば、ゲームにおけるユーザのレベル、アイテムのレベル、又はNFTの発行時期若しくはNFTに係るブロックチェーンの情報等の情報が追加的に含まれてもよい。また、ユーザ毎の所有アイテムをまとめたユーザ別アイテムテーブルや、NFT毎の所有者をまとめたNFT別所有者テーブルが、サーバ装置200のメモリ211に更に記憶されてもよい。なお、サーバ装置200においては、
図6に示すアイテム管理テーブルに基づいてプロセッサ212が計算処理を行い、当該ユーザ別アイテムテーブル、当該NFT別所有者テーブル、又はその他の管理テーブルが新たに自動生成され、メモリ211に記憶されてもよい。
【0058】
7.処理システム1により実行される処理シーケンス
(A)ゲーム開始からアイテム格納処理に係る処理
図7は、本開示の実施形態に係るユーザ端末装置100とサーバ装置200との間で実行される処理シーケンスを示す図である。具体的には、
図7は、ユーザによるゲームへのログインからアイテム取得、更には当該アイテムの格納までに、ユーザ端末装置100とサーバ装置200との間で実行される処理シーケンスを示す図である。
【0059】
先ず、
図7によると、ユーザ端末装置100のプロセッサ112は、入力インターフェイス115を介してユーザの操作入力を受け付けてログイン情報を生成する(S11)。当該ログインには、ユーザID及びパスワードが含まれる。より具体的なユーザの操作入力とは、ユーザによるユーザ端末装置100の操作に応じてゲームアプリが起動され、当該ゲームアプリの起動画面において、入力インターフェイス115を介してユーザのID及びパスワードが入力されることである。そして、プロセッサ112は、ゲームを開始する意志であるログイン要求(T11)と共に、通信インターフェイス114を介して生成されたログイン情報を、サーバ装置200に送信する。
【0060】
ユーザ端末装置100にて生成されたログイン情報及びログイン要求がサーバ装置200において通信インターフェイス213を介して受信されると、サーバ装置200のプロセッサ212は、ログイン情報に基づいてログインのための認証処理を行う(S12)。具体的に、サーバ装置200のプロセッサ212は、受信したログイン情報とメモリ211に記憶されたユーザ情報とを照合し、ログイン要求を行っている者がユーザ登録されているユーザであるかを確認する。そして、サーバ装置200のプロセッサ212は、ユーザ登録が確認できれば、当該認証処理の結果としてユーザのログインを承認する(T12)。一方で、サーバ装置200のプロセッサ212は、ユーザ登録が確認できなければ、再度のユーザID及びパスワードの入力をユーザ端末装置100に対して求める。
【0061】
サーバ装置200による認証処理の結果(承認結果)がユーザ端末装置100において通信インターフェイス213を介して受信されると、ユーザ端末装置100においてはゲームが開始される(S13)。具体的には、ユーザ端末装置100の画面がログイン画面からゲームのホーム画面へと遷移し、入力インターフェイス115を介してユーザの操作入力を受け付けて、ゲームが順次進行することになる。そして、ゲーム内のイベント又はゲームの所定条件のクリアによって、ゲーム内のアイテムがユーザによって取得される(S14)。ここで、アイテムとは、ゲーム内で使用できるものに限定されず、ゲーム内外において何等かの価値があるものが含まれる。
【0062】
ユーザ端末装置100においてゲームのアイテムが取得されると、ユーザ端末装置100のプロセッサ112は、入手したアイテムをサーバ装置200のメモリ211のアイテム管理テーブルにおいて記憶することを要求(アイテム格納要求:T13)とともに、通信インターフェイス114を介して取得したアイテムの情報を、サーバ装置200に送信する。
【0063】
ユーザ端末装置100にて生成されたアイテムの情報及びアイテム格納要求がサーバ装置200において通信インターフェイス213を介して受信されると、サーバ装置200のプロセッサ212は、アイテムの情報に基づいて、アイテム格納処理を行う(S14)。具体的に、サーバ装置200のプロセッサ212は、受信したアイテムの情報に基づいて、
図6のアイテム管理テーブルを更新する。特に、本開示の実施形態においては、アイテム管理テーブルに新たな1行(例えば、ユーザIDがU1、アイテムIDがX1である1行)が追加され、ユーザID、アイテムID、取得費、及びNFT発行可能数が記憶される。ここで、NFT発行可能数については、当該アイテムの情報の受信の際に、サーバ装置200のプロセッサ212が算出する。上述したように、サーバ装置200のプロセッサ212は、例えば、ユーザが取得したアイテムのレアリティ、ゲーム内における当該アイテムの流通量、当該アイテムの属性情報、ゲーム内におけるユーザレベル、及びユーザ属性情報に基づいて、サーバ装置200のプロセッサ212が算出してもよい。
【0064】
(B)アイテムに対応したNFTの発行に係る処理
図8Aは、本開示の実施形態に係るユーザ端末装置100、サーバ装置200、及び分散型台帳システム300の間で実行される処理シーケンスを示す図である。具体的には、
図8Aは、アイテム取得後において、当該アイテムに対応したNFTを取得するまでに、ユーザ端末装置100、サーバ装置200、及び分散型台帳システム300の間で実行される処理シーケンスを示す図である。また、
図8B~Fは、本開示の実施形態に係るユーザ端末装置100に出力される画面の例を示す図である。具体的には、
図8BはNFT発行のための処理を開始するための画面、
図8C~EはNFT発行のために必要となるウォレット接続に係る画面、及び
図8FはNFT発行のための最終的な確認を行うための画面である。
【0065】
先ず、
図8Aによると、ユーザ端末装置100のプロセッサ112は、入力インターフェイス115を介してユーザのアイテム選択を受け付けてアイテムの選択情報を生成する(S21)。当該アイテムの選択情報には、NFT発行を希望するアイテムに係る情報が含まれ、例えば、アイテムIDが含まれる。より具体的なユーザの操作入力とは、ユーザがユーザ端末装置100を操作して取得したアイテムの一覧をディスプレイに表示させ、当該一覧の中からNFT化を希望するアイテムを選択することである。そして、ユーザ端末装置100のプロセッサ112は、生成したアイテムの選択情報を通信インターフェイス114を介して、サーバ装置200に送信する(T21)。
【0066】
次に、
図8Aによると、ユーザ端末装置100のプロセッサ112は、入力インターフェイス115を介してユーザのNFT発行希望の処理を受け付けて、NFT発行の希望情報を生成する(S22)。当該NFT発行の希望情報とは、選択したアイテムについてNFT発行を依頼するための処理を開始するトリガー情報である。より具体的なユーザの操作入力とは、
図8Bに示すような、アイテム選択後(S21)にユーザ端末装置100に出力される画面121において、「NFTの発行/確認」というボタン122が操作(押下)されることである。ここで、他のボタンは、選択したアイテムをゲーム内において使用又は処理するためボタンであり、その説明は省略する。そして、ユーザ端末装置100のプロセッサ112は、生成したNFT発行の希望情報を通信インターフェイス114を介して、サーバ装置200に送信する(T22)。
【0067】
次に、
図8Aによると、ユーザ端末装置100のプロセッサ112は、入力インターフェイス115を介してユーザのウォレット接続の処理を受け付けて、ウォレット情報を生成する(S23)。当該ウォレット情報とは、入力インターフェイス115を介してユーザが入力又は選択したユーザのウォレットに係るアカウント情報及びネットワーク情報が含まれる。より具体的なユーザの操作入力として、
図8Bの「NFTの発行/確認」というボタン122が押下されると、
図8Cに示すようなウォレット接続先を選択するような画面121がユーザ端末装置100に出力される。そして、選択したアイテムに対して新規にNFTを発行するためのボタン123が押下され、更には「ウォレット接続/更新」というボタン124が押下される。その後、
図8Dに示すように、画面121とは異なる画面131において、ウォレットコネクトに係る表示がなされ、ウォレットの選択先が要求される。続いて、ウォレットの検索用の入力欄132にウォレット名等のキーワードが入力されると、該当するウォレットが表示される。また、ウォレットの検索が実施されない場合であっても、接続可能なウォレットの一覧が入力欄132の下方に表示される。その後、所望のウォレットのアイコンボタン133が押下されると、
図8Eに示すように、画面131とは異なる画面141において、選択した当該ウォレットのサイトに接続するかについての確認が要求される。そして、
図8Eに示すように、画面141において接続ボタン142が押下されると、選択したウォレットに係る情報が生成され、通信インターフェイス114を介して、サーバ装置200に送信される(T23)。このような一連の操作により、ゲームアプリにおけるユーザのウォレットの接続が承認されたこととなり、ユーザのウォレットがゲームアプリに接続されてゲーム内においても利用可能となる。
【0068】
次に、
図8Aによると、ユーザ端末装置100のプロセッサ112は、入力インターフェイス115を介してユーザのNFT発行決定の処理を受け付けて、ウォレット発行の決定情報を生成する(S24)。当該決定情報とは、NFT発行を依頼するための処理の最終的な意思を示す情報である。より具体的なユーザの操作入力として、
図8Eの接続ボタン142が押下(S23)されると、
図8Fに示すように、画面121において、アカウントの欄125及びネットワークの欄126に接続先のウォレット情報が自動的に入力され、「NFTを発行する」というボタン127が押下される。これにより、選択したアイテム及びウォレットに基づいたNFTの発行依頼の最終確認がなされ、生成された決定情報が、通信インターフェイス114を介して、サーバ装置200に送信される(T24)。
【0069】
なお、上述したT21~T24までの情報の送信については、各情報を段階的に送信するように処理されていたが、各情報をまとめて送信してもよい。すなわち、ユーザ端末装置100において、S21~S24までの処理が順次行われ、S24の処理がなされた後に各情報が一括して送信され、サーバ装置200においてユーザ端末装置100からの要求に対応する処理(後述するNFT発行依頼処理)がなされてもよい。
【0070】
ユーザ端末装置100にて生成された各情報(選択情報、希望情報、ウォレット情報、決定情報)がサーバ装置200において通信インターフェイス213を介して受信されると、サーバ装置200のプロセッサ212は、各情報に基づいて、NFT発行依頼処理を行う(S25)。具体的に、サーバ装置200のプロセッサ212は、受信した各情報に基づいて、NFT化するアイテムの情報、及びNFTの所有者となる者の情報(すなわち、ウォレットアドレス)等を読出してNFT発行依頼情報を生成する。なお、サーバ装置200のプロセッサ212は、選択されたアイテムのアイテムIDに基づいて、アイテム管理テーブルの「NFT発行可能数」を参照し、その数量が「1」以上である場合に、NFT発行依頼情報を生成する。そして、サーバ装置200のプロセッサ212は、NFT発行処理要求とともに、生成したNFT発行依頼情報を、通信インターフェイス213を介して第1分散型台帳システム300-1に送信する(T25)。これらのことを換言すると、サーバ装置200のプロセッサ212は、NFT化するアイテムを第1分散型台帳システム300-1にアップロードするとともに、発行されたNFTの保存先を指定する情報を第1分散型台帳システム300-1に送信する。
【0071】
サーバ装置200にて生成されたNFT発行依頼情報が第1分散型台帳システム300-1において受信されると、第1分散型台帳システム300-1は、公知のブロックチェーン技術を用いて、アップロードされたコンテンツのNFT化処理(すなわち、NFT発行処理)を実行する(S26)。その後、第1分散型台帳システム300-1は、NFT発行が完了した旨の通知(NFT発行完了通知)を、ユーザ端末装置100及びサーバ装置200に送信する(T26)。ここで、ユーザは、ユーザ端末装置100を操作してゲームアプリに接続されたウォレットを確認することにより、選択したアイテムに対応するNFTの所有を確認することができる。一方、サーバ装置200は、ゲームアプリにユーザのウォレットが接続されていることにより、当該NFTが発行されたか否かを確認することができる。
【0072】
第1分散型台帳システム300-1から送信されたNFT発行完了通知がサーバ装置200において通信インターフェイス213を介して受信されると、サーバ装置200のプロセッサ212は、メモリ211に記憶されているアイテム管理テーブルの更新を行う(S27)。具体的に、サーバ装置200のプロセッサ212は、
図6のアイテム管理テーブルについて、NFT化の元コンテンツであるアイテムに係る行の情報において、「NFT ID」、及び「NFT所有者アカウント」の欄に新たな情報を追加するとともに、「NFT発行可能数」の数値を1つ減ずる更新を行う。すなわち、サーバ装置200のプロセッサ212は、アイテム管理テーブルにおいてNFT発行完了通知から情報を更新すべき行(例えばユーザIDがU1、アイテムIDがX1である1行)を特定し、「NFT ID」、「NFT所有者アカウント」及び「NFT発行可能数」を更新する。ここで、NFT発行完了通知には、NFT化の元コンテンツであるアイテムの情報や、所有者であるユーザのウォレットアドレスの情報が含まれるため、サーバ装置200のプロセッサ212は、更新すべき当該行を特定することができる。
【0073】
(C)NFTの所有権の譲渡に係る処理
図9Aは、本開示の実施形態に係るユーザ端末装置100、サーバ装置200、及び分散型台帳システム300の間で実行される処理シーケンスを示す図である。具体的には、
図9Aは、NFT発行後において、当該NFTを譲渡して所有権を変更するまでに、ユーザ端末装置100、サーバ装置200、及び分散型台帳システム300の間で実行される処理シーケンスを示す図である。また、
図9B~Eは、本開示の実施形態に係るユーザ端末装置100に出力される画面の例を示す図である。具体的には、
図9B及び
図9CはNFT選択のための処理に係る画面、
図9DはNFTの譲渡先の決定に係る画面、及び
図9EはNFT譲渡のための最終的な確認を行うための画面である。
【0074】
先ず、
図9Aによると、ユーザ端末装置100のプロセッサ112は、入力インターフェイス115を介してユーザのウォレット接続の処理を受け付けて、ウォレット情報を生成する(S31)。当該ウォレット情報とは、入力インターフェイス115を介してユーザが入力又は選択したユーザのウォレットに係るアカウント情報及びネットワーク情報が含まれる。より具体的なユーザの操作入力として、
図9Bに示すように、ユーザがユーザ端末装置100を操作して取得したNFTの一覧をディスプレイに表示させるために、画面121において所有NFT一覧の項目が選択される。次に、当該所有NFT一覧の項目内の「所有NFT」というボタン151が押下され、更には「ウォレット接続/更新」というボタン152が押下される。その後、
図8Dに示すように、画面121とは異なる画面131において、ウォレットコネクトに係る表示がなされ、ウォレットの選択先が要求される。続いて、ウォレットの検索用の入力欄132にウォレット名等のキーワードが入力されると、該当するウォレットが表示される。また、ウォレットの検索が実施されない場合であっても、接続可能なウォレットの一覧が入力欄132の下方に表示される。その後、所望のウォレットのアイコンボタン133が押下されると、
図8Eに示すように、画面131とは異なる画面141において、選択した当該ウォレットのサイトに接続するかについての確認が要求される。そして、
図8Eに示すように、画面141において接続ボタン142が押下されると、選択したウォレットに係る情報が生成され、通信インターフェイス114を介して、サーバ装置200に送信される(T31)。このような一連の操作により、ゲームアプリにおけるユーザのウォレットの接続が承認されたこととなり、ユーザのウォレットがゲームアプリに接続されてゲーム内においても利用可能となる。すなわち、当該ユーザのウォレットを利用して、サーバ装置200を介した分散型台帳システムへのアクセスが可能になる。
【0075】
次に、
図9Aによると、ユーザ端末装置100のプロセッサ112は、入力インターフェイス115を介してユーザのNFT選択を受け付けてNFT選択情報を生成する(S32)。当該NFT選択情報には、所定の処理(譲渡や移動等)を希望するNFTに係る情報が含まれる。より具体的なユーザの操作入力とは、
図8Eに示すような接続ボタン142が押下された後、
図9Cに示すように、画面121において、アカウントの欄153及びネットワークの欄154に接続先のウォレット情報が表示され、且つ、選択されたウォレットにおいて所有されているNFTの一覧がアンコン及び名称として表示される。
図9Cにおいては、8枚のNFTが検索結果として表示されている。その後、ユーザがユーザ端末装置100を操作することにより、所有するNFTの一覧の中から譲渡するNFTが選択されて、NFT選択情報が生成される。そして、ユーザ端末装置100のプロセッサ112は、生成したNFT選択情報を通信インターフェイス114を介して、サーバ装置200に送信する(T32)。
【0076】
次に、
図9Aによると、ユーザ端末装置100のプロセッサ112は、入力インターフェイス115を介してユーザのNFTの譲渡先選択の処理を受け付けて、NFTの譲渡先情報を生成する(S33)。当該譲渡先情報には、NFTの譲渡先であるユーザのウォレットに係る情報が含まれる。より具体的なユーザの操作入力とは、
図9Dに示すような、アイテム選択後(S33)にユーザ端末装置100に出力される画面161において、譲渡先のアカウントの入力欄162に所定のアカウント情報が入力され、OKのボタン163が押下されることである。そして、ユーザ端末装置100のプロセッサ112は、生成した譲渡先情報を通信インターフェイス114を介して、サーバ装置200に送信する(T33)。
【0077】
次に、
図9Aによると、ユーザ端末装置100のプロセッサ112は、入力インターフェイス115を介してユーザのNFTの譲渡決定の処理を受け付けて、NFT譲渡の決定情報を生成する(S34)。当該決定情報とは、NFT譲渡を依頼するための処理の最終的な意思を示す情報である。より具体的なユーザの操作入力として、
図9DのOKのボタン163が押下(S33)されると、
図9Eに示すように、画面171において、譲渡元並びに譲渡先のアカウント情報、及び譲渡手数料が表示され、OKのボタン172が押下され、NFT譲渡の決定情報が生成される。そして、ユーザ端末装置100のプロセッサ112は、生成したNFT譲渡の決定情報を通信インターフェイス114を介して、サーバ装置200に送信する(T34)。
【0078】
なお、上述したT31~T34までの情報の送信については、各情報を段階的に送信するように処理されていたが、各情報をまとめて送信してもよい。すなわち、ユーザ端末装置100において、S31~S34までの処理が順次行われ、S34の処理がなされた後に各情報が一括して送信され、サーバ装置200においてユーザ端末装置100からの要求に対応する処理(後述するNFT譲渡依頼処理)がなされてもよい。
【0079】
ユーザ端末装置100にて生成された各情報(ウォレット情報、NFT選択情報、譲渡先情報、決定情報)がサーバ装置200において通信インターフェイス213を介して受信されると、サーバ装置200のプロセッサ212は、各情報に基づいて、NFT譲渡依頼処理を行う(S35)。具体的に、サーバ装置200のプロセッサ212は、受信した各情報に基づいて、譲渡するNFTの情報、及び当該NFTの譲渡元並びに譲渡先の情報(すなわち、ウォレットアドレス)等を読出してNFT譲渡依頼情報を生成する。そして、サーバ装置200のプロセッサ212は、NFT譲渡処理要求とともに、生成したNFT譲渡依頼情報を、通信インターフェイス213を介して第1分散型台帳システム300-1に送信する(T35)。これらのことを換言すると、サーバ装置200のプロセッサ212は、譲渡処理に係るトランザクションを第1分散型台帳システム300-1に送信する。
【0080】
サーバ装置200にて生成されたNFT譲渡依頼情報が第1分散型台帳システム300-1において受信されると、第1分散型台帳システム300-1は、公知のブロックチェーン技術を用いて、NFTの所有権の移転処理(すなわち、NFTの所有権を譲渡元から譲渡先に移転するトランザクション)を実行する(S36)。その後、第1分散型台帳システム300-1は、NFT譲渡が完了した旨の通知(NFT譲渡完了通知)を、ユーザ端末装置100及びサーバ装置200に送信する(T36)。ここで、ユーザは、ユーザ端末装置100を操作してゲームアプリに接続されたウォレットを確認することにより、選択したNFTが譲渡されたことを確認することができる。一方、サーバ装置200は、ゲームアプリにユーザのウォレットが接続されていることにより、当該NFT譲渡を確認することができる。
【0081】
第1分散型台帳システム300-1から送信されたNFT譲渡完了通知がサーバ装置200において通信インターフェイス213を介して受信されると、サーバ装置200のプロセッサ212は、メモリ211に記憶されているアイテム管理テーブルの更新を行う(S37)。具体的に、サーバ装置200のプロセッサ212は、
図6のアイテム管理テーブルについて、NFT化の元コンテンツであるアイテムに係る行の情報において、「NFT所有者アカウント」の欄の更新を行う。すなわち、サーバ装置200のプロセッサ212は、アイテム管理テーブルにおいてNFT譲渡完了通知から情報を更新すべき行(例えばユーザIDがU1、アイテムIDがX1である1行)を特定し、「NFT所有者アカウント」を更新する。ここで、NFT譲渡完了通知には、NFTの旧所有者(譲渡元)及び新所有者(譲渡先)である各ユーザのウォレットアドレスの情報が含まれるため、サーバ装置200のプロセッサ212は、更新すべき当該行を特定することができる。
【0082】
(D)NFTの移動に係る処理
図10Aは、本開示の実施形態に係るユーザ端末装置100、サーバ装置200、及び分散型台帳システム300の間で実行される処理シーケンスを示す図である。具体的には、
図10Aは、NFT発行後において、当該NFTを他のブロックチェーン(ネットワーク)に移動するまでに、ユーザ端末装置100、サーバ装置200、及び分散型台帳システム300の間で実行される処理シーケンスを示す図である。また、
図10B~Cは、本開示の実施形態に係るユーザ端末装置100に出力される画面の例を示す図である。具体的には、
図10BはNFTの移動先のブロックチェーンの決定に係る画面、及び
図10CはNFT移動のための最終的な確認を行うための画面である。
【0083】
先ず、
図10Aによると、ユーザ端末装置100のプロセッサ112は、入力インターフェイス115を介してユーザのウォレット接続の処理を受け付けて、ウォレット情報を生成する(S41)。当該ウォレット情報とは、入力インターフェイス115を介してユーザが入力又は選択したユーザのウォレットに係るアカウント情報及びネットワーク情報が含まれる。より具体的なユーザの操作入力として、
図9Bに示すように、ユーザがユーザ端末装置100を操作して取得したNFTの一覧をディスプレイに表示させるために、画面121において所有NFT一覧の項目が選択される。次に、当該所有NFT一覧の項目内の「所有NFT」というボタン151が押下され、更には「ウォレット接続/更新」というボタン152が押下される。その後、
図8Dに示すように、画面121とは異なる画面131において、ウォレットコネクトに係る表示がなされ、ウォレットの選択先が要求される。続いて、ウォレットの検索用の入力欄132にウォレット名等のキーワードが入力されると、該当するウォレットが表示される。また、ウォレットの検索が実施されない場合であっても、接続可能なウォレットの一覧が入力欄132の下方に表示される。その後、所望のウォレットのアイコンボタン133が押下されると、
図8Eに示すように、画面131とは異なる画面141において、選択した当該ウォレットのサイトに接続するかについての確認が要求される。そして、
図8Eに示すように、画面141において接続ボタン142が押下されると、選択したウォレットに係る情報が生成され、通信インターフェイス114を介して、サーバ装置200に送信される(T41)。このような一連の操作により、ゲームアプリにおけるユーザのウォレットの接続が承認されたこととなり、ユーザのウォレットがゲームアプリに接続されてゲーム内においても利用可能となる。すなわち、当該ユーザのウォレットを利用して、サーバ装置200を介した分散型台帳システムへのアクセスが可能になる。
【0084】
次に、
図10Aによると、ユーザ端末装置100のプロセッサ112は、入力インターフェイス115を介してユーザのNFT選択を受け付けてNFT選択情報を生成する(S42)。当該NFT選択情報には、所定の処理(譲渡や移動等)を希望するNFTに係る情報が含まれる。より具体的なユーザの操作入力とは、
図8Eに示すような接続ボタン142が押下された後、
図9Cに示すように、画面121において、アカウントの欄153及びネットワークの欄154に接続先のウォレット情報が表示され、且つ、選択されたウォレットにおいて所有されているNFTの一覧がアンコン及び名称として表示される。
図9Cにおいては、8枚のNFTが検索結果として表示されている。その後、ユーザがユーザ端末装置100を操作することにより、所有するNFTの一覧の中から移動するNFTが選択されて、NFT選択情報が生成される。そして、ユーザ端末装置100のプロセッサ112は、生成したNFT選択情報を通信インターフェイス114を介して、サーバ装置200に送信する(T42)。
【0085】
次に、
図10Aによると、ユーザ端末装置100のプロセッサ112は、入力インターフェイス115を介してユーザのNFTの移動先選択の処理を受け付けて、NFTの移動先情報を生成する(S43)。当該移動先情報には、NFTの移動先である他のブロックチェーンの情報が含まれる。より具体的なユーザの操作入力とは、
図10Bに示すような、アイテム選択後(S43)にユーザ端末装置100に出力される画面181において、移動先のブロックチェーンの入力欄182に所定のネットワーク情報が入力され、OKのボタン183が押下されることである。そして、ユーザ端末装置100のプロセッサ112は、生成した移動先情報を通信インターフェイス114を介して、サーバ装置200に送信する(T43)。
【0086】
次に、
図10Aによると、ユーザ端末装置100のプロセッサ112は、入力インターフェイス115を介してユーザのNFTの移動決定の処理を受け付けて、NFT移動の決定情報を生成する(S44)。当該決定情報とは、NFT移動を依頼するための処理の最終的な意思を示す情報である。より具体的なユーザの操作入力として、
図10BのOKのボタン183が押下(S43)されると、
図10Cに示すように、画面191において、移動元並びに移動先のネットワーク情報、及び移動手数料が表示され、OKのボタン192が押下され、NFT移動の決定情報が生成される。そして、ユーザ端末装置100のプロセッサ112は、生成したNFT移動の決定情報を通信インターフェイス114を介して、サーバ装置200に送信する(T44)。
【0087】
なお、上述したT41~T44までの情報の送信については、各情報を段階的に送信するように処理されていたが、各情報をまとめて送信してもよい。すなわち、ユーザ端末装置100において、S41~S44までの処理が順次行われ、S44の処理がなされた後に各情報が一括して送信され、サーバ装置200においてユーザ端末装置100からの要求に対応する処理(後述するNFT移動依頼処理)がなされてもよい。
【0088】
ユーザ端末装置100にて生成された各情報(ウォレット情報、NFT選択情報、移動先情報、決定情報)がサーバ装置200において通信インターフェイス213を介して受信されると、サーバ装置200のプロセッサ212は、各情報に基づいて、NFT移動依頼処理を行う(S45)。具体的に、サーバ装置200のプロセッサ212は、受信した各情報に基づいて、移動するNFTの情報、及び当該NFTの移動元並びに移動先の情報(すなわち、ネットワーク情報)等を読出してNFT移動依頼情報を生成する。そして、サーバ装置200のプロセッサ212は、NFT移動処理要求とともに、生成したNFT移動依頼情報を、通信インターフェイス213を介して第1分散型台帳システム300-1に送信する(T45)。これらのことを換言すると、サーバ装置200のプロセッサ212は、移動処理に係るトランザクションを第1分散型台帳システム300-1に送信する。
【0089】
サーバ装置200にて生成されたNFT移動依頼情報が第1分散型台帳システム300-1において受信されると、第1分散型台帳システム300-1は、公知のブロックチェーン技術を用いて、移動対象となるNFTを他のブロックチェーン(すなわち、第2分散型台帳システム300-2)に送出するためのNFT送出処理を実行する(S46)。そして、第1分散型台帳システム300-1は、当該NFT送出処理によって生成した送出情報を第2分散型台帳システム300-2に送信し、NFT移動を実行する(T46)。
【0090】
NFT移動依頼情報が第1分散型台帳システム300-1にて生成されたNFTの送出情報が第2分散型台帳システム300-2において受信されると、第2分散型台帳システム300-2は、公知のブロックチェーン技術を用いて、移動対象となるNFTを受け入れるためのNFT受入処理を実行する(S47)。その後、第2分散型台帳システム300-2は、NFT移動が完了した旨の通知(NFT移動完了通知)を、ユーザ端末装置100及びサーバ装置200に送信する(T47)。ここで、ユーザは、ユーザ端末装置100を操作してゲームアプリに接続されたウォレットを確認することにより、選択したNFTが移動されたことを確認することができる。一方、サーバ装置200は、ゲームアプリにユーザのウォレットが接続されていることにより、当該NFT移動を確認することができる。
【0091】
第2分散型台帳システム300-2から送信されたNFT移動完了通知がサーバ装置200において通信インターフェイス213を介して受信されると、サーバ装置200のプロセッサ212は、メモリ211に記憶されているアイテム管理テーブルの更新を行う(S48)。具体的に、サーバ装置200のプロセッサ212は、
図6のアイテム管理テーブルについて、NFT化の元コンテンツであるアイテムに係る行の情報において、「NFT発行可能数」を一つ加算する更新を行う。また、NFTがいずれの分散台帳システム(ブロックチェーン)で管理しているかをメモリ211に記憶している場合には、当該情報も更新することになる。すなわち、サーバ装置200のプロセッサ212は、アイテム管理テーブルにおいてNFT移動完了通知から情報を更新すべき行(例えばユーザIDがU1、アイテムIDがX1である1行)を特定し、「NFT発行可能数」を更新する。ここで、NFT移動完了通知には、移動対象であるNFTの所有者情報(NFT所有者アカウント)が含まれるため、サーバ装置200のプロセッサ212は、更新すべき当該行を特定することができる。
【0092】
(E)アイテムの所有権の譲渡に係る処理
図11は、本開示の実施形態に係るユーザ端末装置100とサーバ装置200との間で実行される処理シーケンスを示す図である。具体的には、
図11は、ゲーム内において取得したデジタルコンテンツであるアイテムを他のユーザに譲渡して所有権を変更するまでに、ユーザ端末装置100とサーバ装置200との間で実行される処理シーケンスを示す図である。
【0093】
先ず、
図11によると、ユーザ端末装置100のプロセッサ112は、入力インターフェイス115を介してユーザのアイテム選択を受け付けてアイテムの選択情報を生成する(S51)。当該アイテムの選択情報には、譲渡対象となるアイテムに係る情報が含まれ、例えば、アイテムIDが含まれる。より具体的なユーザの操作入力とは、ユーザがユーザ端末装置100を操作して取得したアイテムの一覧をディスプレイに表示させ、当該一覧の中から譲渡を希望するアイテムを選択することである。そして、ユーザ端末装置100のプロセッサ112は、生成したアイテムの選択情報を通信インターフェイス114を介して、サーバ装置200に送信する(T51)。
【0094】
次に、
図11によると、ユーザ端末装置100のプロセッサ112は、入力インターフェイス115を介してユーザのアイテムの譲渡先選択の処理を受け付けて、アイテムの譲渡先情報を生成する(S52)。当該譲渡先情報には、アイテムの譲渡先であるユーザのユーザID等の情報が含まれる。より具体的なユーザの操作入力とは、アイテム選択後(S51)にユーザ端末装置100に出力される画面において、譲渡先のユーザIDが入力されて譲渡先情報が生成され、OKのボタン等の決定がされることである。そして、ユーザ端末装置100のプロセッサ112は、譲渡先情報を通信インターフェイス114を介して、サーバ装置200に送信する(T52)。
【0095】
次に、
図11によると、ユーザ端末装置100のプロセッサ112は、入力インターフェイス115を介してユーザのアイテムの譲渡決定の処理を受け付けて、アイテム譲渡の決定情報を生成する(S53)。当該決定情報とは、アイテム譲渡を依頼するための処理の最終的な意思を示す情報である。より具体的なユーザの操作入力として、譲渡先の決定処理後(S52)に、譲渡元並びに譲渡先のユーザ情報、及び譲渡手数料が表示され、OKのボタンが押下され、アイテム譲渡の決定情報が生成される。そして、ユーザ端末装置100のプロセッサ112は、生成したアイテム譲渡の決定情報を通信インターフェイス114を介して、サーバ装置200に送信する(T53)。
【0096】
なお、上述したT51~T53までの情報の送信については、各情報を段階的に送信するように処理されていたが、各情報をまとめて送信してもよい。すなわち、ユーザ端末装置100において、S51~S53までの処理が順次行われ、S53の処理がなされた後に各情報が一括して送信され、サーバ装置200においてユーザ端末装置100からの要求に対応する処理(後述するアイテム譲渡依頼処理)がなされてもよい。
【0097】
ユーザ端末装置100にて生成された各情報(アイテムの選択情報、譲渡先情報、決定情報)がサーバ装置200において通信インターフェイス213を介して受信されると、サーバ装置200のプロセッサ212は、各情報に基づいて、アイテム譲渡依頼処理を行う(S54)。具体的に、サーバ装置200のプロセッサ212は、受信した各情報に基づいて、譲渡するアイテムの情報(すなわち、アイテムID)、及び当該アイテムの譲渡元並びに譲渡先の情報(すなわち、ユーザID)等を読出し、アイテム管理テーブルの該当項目を変更する。すなわち、サーバ装置200のプロセッサ212は、ユーザ端末装置100から受信した各情報に基づいて、アイテム管理テーブルにおいて更新すべき行(例えばユーザIDがU1、アイテムIDがX1である1行)を特定し、「ユーザID」を更新する。ここで、NFTの所有者には変更がないため、「NFT所有者アカウント」は更新されない。その後、サーバ装置200にてアイテム管理テーブルが更新されると、サーバ装置200は、アイテム譲渡が完了した旨の通知(アイテム譲渡完了通知)を、ユーザ端末装置100に送信する(T54)。
【0098】
8.サーバ装置200において実行される処理フロー
以下、NFT発行、NFTの譲渡、NFTの移動、及びアイテムの譲渡に係る各処理において、サーバ装置200において実行される一連の処理フローを具体的に説明する。
【0099】
(A)アイテムに対応したNFTの発行に係る処理
図12Aは、本開示の実施形態に係るサーバ装置200において実行される処理フローを示す図である。具体的には、
図12Aは、アイテムの選択からNFTの発行完了に伴うアイテム管理テーブル更新までの処理フローを示す図である。当該処理フローは、主にサーバ装置200のプロセッサ212がメモリ211に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより行われる。
【0100】
図12Aによると、サーバ装置200のプロセッサ212は、ユーザ端末装置100からアイテムの選択情報を受信したか否かを判定する(S111)。次に、サーバ装置200のプロセッサ212は、アイテムの選択情報を受信した場合に(S111:Yes)、ユーザ端末装置100からウォレット情報を受信したか否かを判定する(S112)。その後、サーバ装置200のプロセッサ212は、ウォレット情報を受信した場合に(S112:Yes)、ユーザ端末装置100からNFT発行の決定情報を受信したか否かを判定する(S113)。サーバ装置200のプロセッサ212は、S111~S113において、所定の情報を受信しない場合には(各ステップのNo)、NFT発行依頼がキャンセルされ、本フローを終了する。
【0101】
一方、サーバ装置200のプロセッサ212は、NFT発行の決定情報を受信した場合(S113:Yes)、当該選択されたアイテムのNFT発行可能数が1以上であるか否かを判定する(ステップS114)。具体的に、サーバ装置200のプロセッサ212は、受信したアイテムの選択情報に基づいて、アイテム管理テーブルにおいて参照すべき行(例えばユーザIDがU1、アイテムIDがX1である1行)を特定し、「NFT発行可能数」を読出し、1以上であるか否かを判定する。「NFT発行可能数」が1以上であれば(S114:Yes)、NFTの発行上限に到達していないためS116に進むが、「NFT発行可能数」が1未満(すなわち、ゼロ)である場合には、NFTの発行上限に到達しているため、本フローは終了する(S114:No)。
【0102】
次に、サーバ装置200のプロセッサ212は、「NFT発行可能数」が1以上である場合(S114:Yes)、NFT発行依頼処理を行うための条件がそろったとして、NFT発行依頼情報を生成する(S115)。NFT発行依頼情報は、受信した各情報に基づいて、NFT化するアイテムの情報及びNFTの所有者となる者の情報が含まれる情報である。そして、サーバ装置200のプロセッサ212は、生成したNFT発行依頼情報をNFT発行処理要求とともに、通信インターフェイス213を介して第1分散型台帳システム300-1に送信する(S116)。
【0103】
次に、サーバ装置200のプロセッサ212は、第1分散型台帳システム300-1からNFT発行完了通知を受信したか否かを判定する(S117)。ここで、サーバ装置200のプロセッサ212は、NFT発行完了通知を受信するまでは次のステップに進まず(S117:No)、NFT発行完了通知を受信すると次のステップに進む(S117:Yes)。そして、サーバ装置200のプロセッサ212は、NFT発行完了通知を受信すると、メモリ211に記憶されているアイテム管理テーブルの更新を行う(S118)。具体的に、サーバ装置200のプロセッサ212は、
図6のアイテム管理テーブルについて、NFT化の元コンテンツであるアイテムに係る行の情報において、「NFT ID」、及び「NFT所有者アカウント」の欄に新たな情報を追加するとともに、「NFT発行可能数」の数値を1つ減ずる更新を行う。
【0104】
(B)NFTの所有権の譲渡に係る処理
図12Bは、本開示の実施形態に係るサーバ装置200において実行される処理フローを示す図である。具体的には、
図12Bは、NFT譲渡の依頼からNFTの発行完了に伴うアイテム管理テーブル更新までの処理フローを示す図である。当該処理フローは、主にサーバ装置200のプロセッサ212がメモリ211に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより行われる。
【0105】
図12Bによると、サーバ装置200のプロセッサ212は、ユーザ端末装置100からウォレット情報を受信したか否かを判定する(S211)。次に、サーバ装置200のプロセッサ212は、ウォレット情報を受信した場合に(S211:Yes)、ユーザ端末装置100からNFT情報を受信したか否かを判定する(S212)。続いて、サーバ装置200のプロセッサ212は、NFT情報を受信した場合に(S212:Yes)、ユーザ端末装置100から譲渡先情報を受信したか否かを判定する(S213)。その後、サーバ装置200のプロセッサ212は、譲渡先情報を受信した場合に(S212:Yes)、ユーザ端末装置100からNFT譲渡の決定情報を受信したか否かを判定する(S214)。サーバ装置200のプロセッサ212は、S211~S214において、所定の情報を受信しない場合には(各ステップのNo)、NFT譲渡の依頼がキャンセルされ、本フローを終了する。
【0106】
一方、サーバ装置200のプロセッサ212は、NFT譲渡の決定情報を受信した(S214:Yes)、NFT譲渡依頼処理を行うための情報がそろったとして、NFT譲渡依頼情報を生成する(S215)。NFT譲渡依頼情報は、受信した各情報に基づいて、譲渡するNFT、及び当該NFTの譲渡元並びに譲渡先が含まれる情報である。そして、サーバ装置200のプロセッサ212は、生成したNFT譲渡依頼情報をNFT譲渡処理要求とともに、通信インターフェイス213を介して第1分散型台帳システム300-1に送信する(S216)。
【0107】
次に、サーバ装置200のプロセッサ212は、第1分散型台帳システム300-1からNFT譲渡完了通知を受信したか否かを判定する(S217)。ここで、サーバ装置200のプロセッサ212は、NFT譲渡完了通知を受信するまでは次のステップに進まず(S217:No)、NFT譲渡完了通知を受信すると次のステップに進む(S217:Yes)。そして、サーバ装置200のプロセッサ212は、NFT譲渡完了通知を受信すると、メモリ211に記憶されているアイテム管理テーブルの更新を行う(S218)。具体的に、サーバ装置200のプロセッサ212は、
図6のアイテム管理テーブルについて、NFT化の元コンテンツであるアイテムに係る行の情報において、「NFT所有者アカウント」の更新を行う。
【0108】
(C)NFTの移動に係る処理
図12Cは、本開示の実施形態に係るサーバ装置200において実行される処理フローを示す図である。具体的には、
図12Cは、NFTの他のブロックチェーンへの移動の依頼からNFTの移動完了に伴うアイテム管理テーブル更新までの処理フローを示す図である。当該処理フローは、主にサーバ装置200のプロセッサ212がメモリ211に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより行われる。
【0109】
図12Cによると、サーバ装置200のプロセッサ212は、ユーザ端末装置100からウォレット情報を受信したか否かを判定する(S311)。次に、サーバ装置200のプロセッサ212は、ウォレット情報を受信した場合に(S311:Yes)、ユーザ端末装置100からNFT情報を受信したか否かを判定する(S312)。続いて、サーバ装置200のプロセッサ212は、NFT情報を受信した場合に(S312:Yes)、ユーザ端末装置100から移動先情報を受信したか否かを判定する(S313)。その後、サーバ装置200のプロセッサ212は、移動先情報を受信した場合に(S312:Yes)、ユーザ端末装置100からNFT移動の決定情報を受信したか否かを判定する(S314)。サーバ装置200のプロセッサ212は、S311~S314において、所定の情報を受信しない場合には(各ステップのNo)、NFT移動の依頼がキャンセルされ、本フローを終了する。
【0110】
一方、サーバ装置200のプロセッサ212は、NFT移動の決定情報を受信した(S314:Yes)、NFT移動依頼処理を行うための情報がそろったとして、NFT移動依頼情報を生成する(S315)。NFT移動依頼情報は、受信した各情報に基づいて、他のブロックチェーンに移動するNFT、及び当該NFTの移動元並びに移動先が含まれる情報である。そして、サーバ装置200のプロセッサ212は、生成したNFT移動依頼情報をNFT移動処理要求とともに、通信インターフェイス213を介して第1分散型台帳システム300-1に送信する(S316)。
【0111】
次に、サーバ装置200のプロセッサ212は、第2分散型台帳システム300-2からNFT移動完了通知を受信したか否かを判定する(S317)。ここで、サーバ装置200のプロセッサ212は、NFT移動完了通知を受信するまでは次のステップに進まず(S317:No)、NFT移動完了通知を受信すると次のステップに進む(S317:Yes)。そして、サーバ装置200のプロセッサ212は、NFT移動完了通知を受信すると、メモリ211に記憶されているアイテム管理テーブルの更新を行う(S318)。具体的に、サーバ装置200のプロセッサ212は、
図6のアイテム管理テーブルについて、NFT化の元コンテンツであるアイテムに係る行の情報において、「NFT発行可能数」を1つ増加する更新を行う。
【0112】
(D)アイテムの所有権の譲渡に係る処理
図12Dは、本開示の実施形態に係るサーバ装置200において実行される処理フローを示す図である。具体的には、
図12Dは、ゲーム内で取得したアイテムを他のユーザに譲渡するための依頼からアイテムの譲渡完了に伴うアイテム管理テーブル更新までの処理フローを示す図である。当該処理フローは、主にサーバ装置200のプロセッサ212がメモリ211に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより行われる。
【0113】
図12Dによると、サーバ装置200のプロセッサ212は、ユーザ端末装置100からアイテムの選択情報を受信したか否かを判定する(S411)。次に、サーバ装置200のプロセッサ212は、アイテムの選択情報を受信した場合に(S411:Yes)、ユーザ端末装置100から譲渡先情報を受信したか否かを判定する(S412)。その後、サーバ装置200のプロセッサ212は、譲渡先情報を受信した場合に(S412:Yes)、ユーザ端末装置100からアイテム譲渡の決定情報を受信したか否かを判定する(S413)。サーバ装置200のプロセッサ212は、S411~S413において、所定の情報を受信しない場合には(各ステップのNo)、アイテムの譲渡依頼がキャンセルされ、本フローを終了する。
【0114】
一方、サーバ装置200のプロセッサ212は、アイテム譲渡の決定情報を受信した(S413:Yes)、アイテム譲渡処理を行うための情報がそろったとして、アイテム譲渡処理を実行する(S414)。具体的に、サーバ装置200のプロセッサ212は、受信した各情報に基づいて、譲渡するアイテムの情報(すなわち、アイテムID)、及び当該アイテムの譲渡元並びに譲渡先の情報(すなわち、ユーザID)等を読出し、アイテム管理テーブルの該当項目を変更する。すなわち、サーバ装置200のプロセッサ212は、ユーザ端末装置100から受信した各情報に基づいて、アイテム管理テーブルにおいて更新すべき行(例えばユーザIDがU1、アイテムIDがX1である1行)を特定し、「ユーザID」を更新する。ここで、NFTの所有者には変更がないため、「NFT所有者アカウント」は更新されない。そして、サーバ装置200にてアイテム管理テーブルが更新されると、サーバ装置200は、アイテム譲渡が完了した旨の通知(アイテム譲渡完了通知)を、ユーザ端末装置100に送信する。
【0115】
9.本開示の実施形態のまとめ
本開示の実施形態に係るサーバ装置200は、少なくとも一つのプロセッサを具備する処理装置であって、当該少なくとも一つのプロセッサ212は、ユーザがデジタルコンテンツであるアイテムを取得すると、当該ユーザと当該アイテムとを紐づけてコンテンツ所有者情報を生成してメモリ211に記憶し、当該アイテムに対するNFTの発行依頼を受け付けると、分散型台帳システムに対してNFT発行処理要求を行い、当該アイテムに対する当該NFTの発行完了を受け付けると、当該コンテンツ所有者情報に基づいて当該ユーザと当該NFTとを紐づけてNFT所有者情報を生成してメモリ211に記憶し、当該NFTのみの所有権の譲渡依頼を受け付けると、当該コンテンツ所有者情報を維持し、当該NFT所有者情報を更新する、ための処理を実行するように構成されている。このような構成により、アイテムの所有者に紐づけてNFTの所有者を管理しつつも、NFTがアイテムとは独立して流通した場合には、当該アイテムの所有者と当該NFTの所有者とが別々であることを識別して管理することが可能になる。換言すると、本開示の実施形態に係るサーバ装置200においては、アイテム及びNFTを独立して流通可能に管理すること可能になる。
【0116】
本開示の実施形態に係るサーバ装置200のプロセッサ212は、当該アイテムに対応付けてNFT発行可能数を算出し、当該コンテンツ所有者情報に紐づけて当該NFT発行可能数を当該メモリ211に記憶する、ための処理を実行するように構成されている。例えば、本開示の実施形態に係るサーバ装置200のプロセッサ212は、当該アイテムの特性情報、又は当該ユーザのユーザ情報に基づいて当該NFT発行可能数を算出してもよい。このような構成により、所定アイテムに対するNFTの流通量を制御することが可能となり、NFTの価値及び流通のバランスの最適化を図ることが可能になる。
【0117】
本開示の実施形態に係るサーバ装置200のプロセッサ212は、当該NFT所有者情報を生成する際に、当該NFT発行可能数を一つ減算して当該メモリ211に記憶する、ための処理を実行するように構成されている。このような構成により、一つのアイテムに発行できるNFTの数量を適切に管理することが可能となり、NFTの価値及び流通のバランスの最適化を図ることが可能になる。
【0118】
本開示の実施形態に係るサーバ装置200のプロセッサ212は、当該分散型台帳システムから他の分散型台帳システムへの当該NFTの移動依頼を受け付けると、当該分散型台帳システムに対してNFT移動処理要求を行う、ための処理を実行する。このような構成により、互いに異なるブロックチェーン同士においても、NFTの移動が可能となり、NFTの流通の促進を図ることができる。
【0119】
本開示の実施形態に係るサーバ装置200のプロセッサ212は、当該NFTの移動完了を受け付けると、当該NFT発行可能数を一つ加算して当該メモリ211に記憶する、ための処理を実行するように構成されている。このような構成により、一つのアイテムに発行できるNFTの数量をブロックチェーン毎に適切に管理することが可能となり、NFTの価値及び流通のバランスの最適化を図ることが可能になる。
【0120】
本開示の実施形態に係る処理プログラムは、少なくとも一つのプロセッサ212を具備するコンピュータにおいて当該少なくとも一つのプロセッサ212を、ユーザがデジタルのコンテンツを取得すると、当該ユーザと当該コンテンツとを紐づけてコンテンツ所有者情報を生成してメモリ211に記憶し、当該コンテンツに対するNFTの発行依頼を受け付けると、分散型台帳システムに対してNFT発行処理要求を行い、当該コンテンツに対する当該NFTの発行完了を受け付けると、当該コンテンツ所有者情報に基づいて当該ユーザと当該NFTとを紐づけてNFT所有者情報を生成して当該メモリ211に記憶し、当該NFTのみの所有権の譲渡依頼を受け付けると、当該コンテンツ所有者情報を維持し、当該NFT所有者情報を更新する、ように機能させる。このような構成により、アイテムの所有者に紐づけてNFTの所有者を管理しつつも、NFTがアイテムとは独立して流通した場合には、当該アイテムの所有者と当該NFTの所有者とが別々であることを識別して管理することが可能になる。換言すると、本開示の実施形態に係るサーバ装置200においては、アイテム及びNFTを独立して流通可能に管理すること可能になる。
【0121】
本開示の実施形態に係る処理方法は、プロセッサ212具備するコンピュータにおいてプロセッサ212により実行される処理方法であって、ユーザがデジタルのコンテンツを取得すると、当該ユーザと当該コンテンツとを紐づけてコンテンツ所有者情報を生成してメモリ211に記憶する段階と、当該コンテンツに対するNFTの発行依頼を受け付けると、分散型台帳システムに対してNFT発行処理要求を行う段階と、当該コンテンツに対する当該NFTの発行完了を受け付けると、当該コンテンツ所有者情報に基づいて当該ユーザと当該NFTとを紐づけてNFT所有者情報を生成して当該メモリ211に記憶する段階と、当該NFTのみの所有権の譲渡依頼を受け付けると、当該コンテンツ所有者情報を維持し、当該NFT所有者情報を更新する段階と、を含む。このような構成により、アイテムの所有者に紐づけてNFTの所有者を管理しつつも、NFTがアイテムとは独立して流通した場合には、当該アイテムの所有者と当該NFTの所有者とが別々であることを識別して管理することが可能になる。換言すると、本開示の実施形態に係るサーバ装置200においては、アイテム及びNFTを独立して流通可能に管理すること可能になる。
【0122】
10.変形例
上記実施形態においては、アイテム及びNFTの別々の流通を想定して説明がされていたが、取得されたNFTをアイテムとみなし、当該NFTの流通によってアイテムも同時に流通しているようにしてもよい。このような場合について、
図13を参照しつつ説明する。
図13は、本開示の変形例に係る処理システム1に係るアイテム及びNFTの譲渡の概要を概略的に示す図である。
【0123】
図13に示すように、第1ユーザがアイテムのNFTを取得すると、当該アイテムはNFTと一体化された状態(NFT=アイテム)として管理される。このため、第1ユーザは当該アイテムをゲーム内では使用ができなくなる。その後、当該NFTが第2ユーザに譲渡されるとNFTの所有者の変更が記憶される。そして、NFTを譲受した第2ユーザによって、NFTをアイテムに引き換える処理が行われ、第1ユーザが取得したアイテムが第2ユーザに譲渡されたとして、当該アイテムの所有者の変更が記憶される。すなわち、NFTがアイテムの引換券のような役割を果たすことになる。
【0124】
このような変形例の場合にも、上記実施形態と同様に、NFT化後において当該NFTを他のブロックチェーンで流通させてもよい。すなわち、NFTの元コンテンツをNFT化してブロックチェーン間で流通させ、所有者変更が行わる機会を設けてもよい。
【0125】
なお、アイテムをNFT化する際には、アイテムの全ての情報を含めてNFT化してもよいが、これに限定されることはない。例えば、NFTの所有権の証明となる識別情報のみを含めてNFT化をしてもよく、又は他の情報を付加してNFT化してもよい。他の情報としては、画像若しくは動画のそのもの情報、又は作品名若しくは作者等の情報であってもい。すなわち、NFTの所有権の証明となる識別情報を少なくとも含めてNFT化することが好ましく、他の情報はNFTの対象となるデジタルコンテンツの内容、ブロックチェーンの環境、その他の状況に応じて、適宜選択してもよい。
【0126】
ここで、アイテムの全ての情報を含めてNFT化する場合には、NFTをアイテムに引き換える際に、アイテムの全ての情報(所有者、レベル、その他のアイテム関連情報)がNFTから引き継がれ、ゲーム内で再現されることになる。NFTの所有権の証明となる識別情報のみを含めてNFT化する場合には、NFTをアイテムに引き換える際に、アイテムの所有者情報のみが更新され、他の情報(レベル、その他のアイテム関連情報)は、ゲーム内で管理されている情報がそのまま使用され、更新されたアイテムの所有者情報に紐づけられる。
【0127】
このように、デジタルコンテンツをNFT化し、当該デジタルコンテンツ及びNFTを同時に流通させることにより、NFTを利用したデジタルコンテンツの流通促進が図られる。すなわち、デジタルコンテンツの無断複製を予防しつつも、当該デジタルコンテンツを広く流通させたいような課題がある場合に、デジタルコンテンツ自体の一般的な流通を行うのではなく、NFT化された状態でデジタルコンテンツを流通させ、当該NFTに基づいてデジタルコンテンツを利用可能な状態に戻すことになる。
【0128】
以上のように、本変形例においては、以下のような処理装置が提供されることになる。少なくとも一つのプロセッサを具備する処理装置であって、当該少なくとも一つのプロセッサは、ユーザがデジタルのコンテンツを取得すると、当該ユーザと当該コンテンツとを紐づけてコンテンツ所有者情報を生成してメモリに記憶し、当該コンテンツに対するNFTの発行依頼を受け付けると、分散型台帳システムに対してNFT発行処理要求を行い、当該コンテンツに対する当該NFTの発行完了を受け付けると、当該コンテンツ所有者情報に基づいて当該ユーザと当該NFTとを紐づけてNFT所有者情報を生成して前記メモリに記憶し、当該NFTの所有権の譲渡依頼を受け付けると、当該NFT所有者情報を更新し、当該NFTに基づく当該デジタルコンテンツの引換要求を受け付けると、当該NFTに含まれる情報を当該デジタルコンテンツに引き継ぐ、ための処理を実行するように構成された処理装置。
【0129】
また、当該少なくとも一つのプロセッサは、当該分散型台帳システムから他の分散型台帳システムへの当該NFTの移動依頼を受け付けると、当該分散型台帳システムに対してNFT移動処理要求を行う、ための処理を実行するように構成されている。当然のことながら、変形例に係る処理装置の内容は、実施形態と同様に、処理プログラム及び処理方法にも転用でき、当該変形例には処理プログラム及び処理方法も含まれることになる。
【0130】
上記実施形態及び変形例においては、NFT化される元データであるコンテンツの一例として、ゲーム内で取得されるアイテムとしていたが、ゲーム以外で入手可能なデジタルアイテムを対象として、アイテム及びNFTの管理が行われてもよい。例えば、ECサイトにおいて購入可能なデジタルアイテム(トレーディングカード)及びそのNFTが独立して流通可能に管理されてもよい。
【0131】
また、NFT化されるコンテンツの対象をアイテム以外にしてもよい。例えば、アート、漫画、又はアニメ等のジャンルおけるデジタルコンテンツを対象とし、当該デジタルコンテンツ及びそのNFTが独立して流通可能に管理されてもよい。
【0132】
本明細書で説明される処理及び手順は、本開示において明示的に説明されたものによってのみならず、ソフトウェア、ハードウェア又はこれらの組み合わせによっても実現可能である。具体的には、本明細書で説明された処理及び手順は、集積回路、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、磁気ディスク、光ストレージ等の媒体に、当該処理に相当するロジックを実装することによって実現される。また、本明細書で説明される処理及び手順は、それらの処理・手順をコンピュータプログラムとして実装し、ユーザ端末装置やサーバ装置を含む各種のコンピュータに実行させることが可能である。
【0133】
本明細書中で説明される処理及び手順が単一の装置、ソフトウェア、コンポーネント、モジュールによって実行される旨が説明されたとしても、そのような処理又は手順は、複数の装置、複数のソフトウェア、複数のコンポーネント、及び/又は、複数のモジュールによって実行されるものとすることができる。また、本明細書中で説明される各種情報が単一のメモリや記憶部に格納される旨が説明されたとしても、そのような情報は、単一の装置に備えられた複数のメモリ又は複数の装置に分散して配置された複数のメモリに分散して格納されるものとすることができる。さらに、本明細書において説明されるソフトウェア及びハードウェアの要素は、それらをより少ない構成要素に統合して、又は、より多い構成要素に分解することによって実現されるものとすることができる。
【符号の説明】
【0134】
100 ユーザ端末装置
200 サーバ装置
300 分散型台帳システム
300―1 第1分散型台帳システム
300―2 第2分散型台帳システム