(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057702
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】構造体
(51)【国際特許分類】
C08L 29/04 20060101AFI20240418BHJP
C08L 33/26 20060101ALI20240418BHJP
C08L 39/06 20060101ALI20240418BHJP
C08G 81/00 20060101ALI20240418BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20240418BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
C08L29/04 B
C08L33/26
C08L39/06
C08G81/00
A61K8/81
A61Q19/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022164535
(22)【出願日】2022-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】591230619
【氏名又は名称】株式会社ナリス化粧品
(72)【発明者】
【氏名】寺内 友広
(72)【発明者】
【氏名】犬飼 崇代
(72)【発明者】
【氏名】松村(尾島) 茉由子
(72)【発明者】
【氏名】中村 徹
(72)【発明者】
【氏名】大野 利晃
(72)【発明者】
【氏名】今井 裕介
【テーマコード(参考)】
4C083
4J002
4J031
【Fターム(参考)】
4C083AD042
4C083AD072
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD112
4C083AD252
4C083CC02
4C083DD12
4C083EE01
4C083EE03
4C083EE12
4J002BE021
4J002BE02W
4J002BG121
4J002BG12W
4J002BJ002
4J002BJ00X
4J002BN011
4J002BN01W
4J002GB00
4J031AA02
4J031AA22
4J031AA25
4J031AB02
4J031AD01
4J031AF03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本発明は、形状維持性、靭性、自己修復性に優れた構造体を提供することを課題とする。
【解決手段】ホスト基が置換された高分子化合物からなるホスト体のホスト基と、ゲスト基が置換された高分子化合物からなるゲスト体のゲスト基が相互作用し架橋された構造体であって、ホスト体の側鎖のホスト基は、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリンからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、ゲスト体の側鎖のゲスト基がピロリドニル基である、形状維持性、靭性、自己修復性に優れる構造体。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホスト基が置換された高分子化合物であるホスト体のホスト基と、ゲスト基が置換された高分子化合物であるゲスト体のゲスト基が相互作用し架橋された構造体であって、
ホスト体の側鎖のホスト基が、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリンからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、ゲスト体の側鎖のゲスト基がピロリドニル基である、構造体。
【請求項2】
前記ホスト体が、下記一般式(1a)
【化1】
[式中、Raは水素原子またはメチル基、R
1はヒドロキシ基、チオール基、1個以上の置換基を有していてもよいアルコキシ基、1個以上の置換基を有していてもよいチオアルコキシ基、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、1個の置換基を有していてもよいアミノ基、1個以上の置換基を有していてもよいアミド基、1個の置換基を有していてもよいアルデヒド基及びカルボキシ基からなる群より選択される1価の基から1個の水素原子を除去することにより形成される2価の基を表し、R
Aはホスト基であるα-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン又はγ-シクロデキストリンを示す。]
及び下記一般式(2a)
【化2】
[式中、Raは水素原子またはメチル基、R
2はハロゲン原子、ヒドロキシル基、チオール基、1個の置換基を有していてもよいアミノ基、1個の置換基を有していてもよいカルボキシ基又は1個以上の置換基を有していてもよいアミド基を表す]
から構成される高分子化合物である、請求項1に記載の構造体。
【請求項3】
前記ゲスト体が、繰り返し構成単位としてビニルピロリドンを有する高分子化合物である、請求項1に記載の構造体。
【請求項4】
前記ホスト体において、前記一般式(1a)中のRaが水素原子であり、R1が1個の置換基を有していてもよいカルボキシ基又は1個以上の置換基を有していてもよいアミド基から選択される1価の基から1個の水素原子を除去することにより形成される2価の基である請求項2に記載の構造体。
【請求項5】
前記ホスト体において、前記一般式(2a)中のR2が1個の置換基を有していてもよいカルボキシ基又は1個以上の置換基を有していてもよいアミド基からなる群より選択される1価の基から1個の水素原子を除去することにより形成される2価の基である請求項2に記載の構造体。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の構造体を含有することを特徴とする化粧料。
【請求項7】
請求項1~5のいずれか一項に記載の構造体を含有することを特徴とするシワ改善剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、形状維持性、靭性、自己修復性に優れる構造体及びそれを含有する化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の化粧品に用いられる高分子化合物や被膜形成剤は、被膜自体に形状維持性や靭性が足りないことから、例えばシワを即時的かつ経時的に改善する化粧料をこれらの高分子化合物で達成することはとても困難であった。具体的には、これらの高分子化合物による被膜をシワができやすい部位に形成させても、シワは表情の変化によってよく動く部位に形成されることが多いため、形状維持性や靭性の足りない被膜はすぐに破断されたり伸び切ってしまうため、被膜がよれて余計にシワが目立ってしまうという不具合があった。
【0003】
特許文献1には、ホスト基及びゲスト基による相互作用によって架橋された架橋構造体であり、切断した断面を重ね合わせると特段の外力を加えることなく再接着し元の形に戻る自己修復性を有する自己修復材料が開示されているが、自己修復性に優れる一方で、形状維持性や靭性は不十分であった。
【0004】
特許文献2には、(メタクリル酸エチルベタイン/アクリレーツ)コポリマーと、ポリビニルピロリドンを含有した、即時的効果に優れたシワ改善剤が開示されているが、塗布後の一次的な改善に過ぎず、時間的経過により、表情の変化や外力により被膜が破断されると被膜がよれて余計にシワが目立ってしまう等、効果の持続性に乏しいという問題があった。また、密着性に関する記載はあるが、前記の被膜に形状維持性や靭性、自己修復性に関する開示は一切ない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-071710号公報
【特許文献2】特開2020-164431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであって、形状維持性や靭性だけでなく自己修復性にも優れる構造体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を達成するため、本発明者らが、鋭意研究した結果、ホスト基が置換された高分子化合物であるホスト体のホスト基と、ゲスト基が置換された高分子化合物であるゲスト体のゲスト基が相互作用し架橋された構造体であって、ホスト体の側鎖のホスト基が、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリンからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、ゲスト体の側鎖のゲスト基がピロリドニル基である構造体が形成する被膜には、形状維持性、靭性、自己修復性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
第一の発明は、ホスト基が置換された高分子化合物であるホスト体のホスト基と、ゲスト基が置換された高分子化合物であるゲスト体のゲスト基が相互作用し架橋された構造体であって、ホスト体の側鎖のホスト基が、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリンからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、ゲスト体の側鎖のゲスト基がピロリドニル基である、構造体である。
【0009】
第二の発明は、前記ホスト体が、下記一般式(1a)
【化1】
[式中、Raは水素原子またはメチル基、R
1はヒドロキシ基、チオール基、1個以上の置換基を有していてもよいアルコキシ基、1個以上の置換基を有していてもよいチオアルコキシ基、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、1個の置換基を有していてもよいアミノ基、1個以上の置換基を有していてもよいアミド基、1個の置換基を有していてもよいアルデヒド基及びカルボキシ基からなる群より選択される1価の基から1個の水素原子を除去することにより形成される2価の基を表し、R
Aはホスト基であるα-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン又はγ-シクロデキストリンを示す]
及び下記一般式(2a)
【化2】
[式中、Raは水素原子またはメチル基、R
2はハロゲン原子、ヒドロキシル基、チオール基、1個の置換基を有していてもよいアミノ基、1個の置換基を有していてもよいカルボキシ基又は1個以上の置換基を有していてもよいアミド基を表す]
から構成される高分子化合物である、請求項1に記載の構造体である。
【0010】
第三の発明は、前記ゲスト体が、繰り返し構成単位としてビニルピロリドンを有する高分子化合物である、請求項1に記載の構造体である。
【0011】
第四の発明は、前記ホスト体において、前記一般式(1a)中のRaが水素原子であり、R1が1個の置換基を有していてもよいカルボキシ基又は1個以上の置換基を有していてもよいアミド基から選択される1価の基から1個の水素原子を除去することにより形成される2価の基である請求項2に記載の構造体である。
【0012】
第五の発明は、前記ホスト体において、前記一般式(2a)中のR2が1個の置換基を有していてもよいカルボキシ基又は1個以上の置換基を有していてもよいアミド基からなる群より選択される1価の基から1個の水素原子を除去することにより形成される2価の基である請求項2に記載の構造体である。
【0013】
第六の発明は、請求項1~5のいずれか一項に記載の構造体を含有することを特徴とする化粧料である。
【0014】
第七の発明は、請求項1~5のいずれか一項に記載の構造体を含有することを特徴とするシワ改善剤である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の構造体は、形状維持性、靭性、自己修復性に優れるものである。また、本構造体を含有した化粧料は使用感に優れ、特にシワ改善効果に優れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明について更に詳しく説明する。なお、特段注釈のない限り、以下で成分の配合量を「%」で表示する場合は重量%を意味する。また以下の配合量は成分の純分を示す。
【0017】
本発明の構造体は、ホスト体のホスト基及び、ゲスト体のゲスト基による相互作用によって架橋された架橋構造体であり、重合体が架橋されて形成された、いわゆる三次元網目構造を有している。またホスト基及びゲスト基による相互作用、いわゆるホスト-ゲスト相互作用によって形成された結合を架橋点としている。
【0018】
本発明におけるホスト体のホスト基であるシクロデキストリン部位(RA)とゲスト体のゲスト基であるピロリドニル基が相互作用し架橋された構造体は、シクロデキストリン部位(RA)とピロリドニル基の架橋を適度に有するため、形状維持性に優れる。これは構造体に引張力や圧縮力がかかると構造体の主鎖の分子は伸びたり縮んだりするように変形するが、変形によりエネルギー的に不安定になり、基点となる架橋の力で再びポリマーの鎖が元の位置に戻ろうとするためである。またシクロデキストリン部位(RA)とピロリドニル基の架橋を適度に有することにより、靭性にも優れる。これは架橋点の相互作用の力によって構造が強化されているため、構造体内に発生した引張応力や圧縮応力によって破断しにくくなっている。さらに、シクロデキストリン部位(RA)とピロリドニル基の架橋を有することにより、自己修復性を有する。これは構造体が一度切断されても、接触させることでシクロデキストリン部位(RA)とピロリドニル基が再び相互作用し、架橋を再構築するためである。
【0019】
本発明に用いるホスト体は、下記一般式(1a)及び一般式(2a)を構成単位とする高分子化合物であり、各繰り返し構成単位の配列は、ブロックポリマー、交互ポリマー及びランダムポリマーのいずれであってもよく、また、グラフトポリマーであってもよい。
【0020】
【0021】
【0022】
一般式(1a)中、Raは水素原子またはメチル基、R1はヒドロキシ基、チオール基、1個以上の置換基を有していてもよいアルコキシ基、1個以上の置換基を有していてもよいチオアルコキシ基、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、1個の置換基を有していてもよいアミノ基、1個以上の置換基を有していてもよいアミド基、1個の置換基を有していてもよいアルデヒド基及びカルボキシ基からなる群より選択される1価の基から1個の水素原子を除去することにより形成される2価の基を表し、RAはホスト基であるα-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン又はγ-シクロデキストリンを示す。
【0023】
一般式(1a)中、R1がアルコキシ基から1個の水素原子を除去することにより形成される2価の基である場合、当該アルコキシ基として炭素数1~10のアルコキシ基が例示され、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等が挙げられる。なかでも水性溶媒への溶解性の観点から、炭素数1~5のものが好ましく、さらに炭素数1~2のものが特に好ましい。これらは直鎖状及び分枝鎖状のいずれであってもよい。
【0024】
一般式(1a)中、R1がチオアルコキシ基から1個の水素原子を除去することにより形成される2価の基である場合、当該チオアルコキシ基として炭素数1~10のチオアルコキシ基が例示され、具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプピルチオ基、ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基等が挙げられる。なかでも水性溶媒への溶解性の観点から、炭素数1~5のものが好ましく、さらに炭素数1~2のものが特に好ましい。これらは直鎖状及び分枝鎖状のいずれであってもよい。
【0025】
一般式(1a)中、R1がアルキル基から1個の水素原子を除去することにより形成される2価の基である場合、当該アルキル基として炭素数1~30のアルキル基が例示され、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。なかでも水性溶媒への溶解性の観点から、炭素数1~5のものが好ましく、さらに炭素数1~2のものが特に好ましい。これらは直鎖状及び分枝鎖状のいずれであってもよい。
【0026】
一般式(1a)中、R1が1個の置換基を有していてもよいアミノ基から1個の水素原子を除去することにより形成される2価の基であれば、アミノ基の窒素原子が主鎖(C-C結合)の炭素原子と結合し得る。
【0027】
一般式(1a)中、R1が1個の置換基を有していてもよいアミド基であれば、アミド基の炭素原子が主鎖(C-C結合)の炭素原子と結合し得る。
【0028】
一般式(1a)中、R1がアルデヒド基であれば、アルデヒド基の炭素原子が主鎖(C-C結合)の炭素原子と結合し得る。
【0029】
一般式(1a)中、R1がカルボキシ基であれば、カルボキシル基の炭素原子が主鎖(C-C結合)の炭素原子と結合し得る。
【0030】
一般式(1a)中、R1がアミド基及びカルボキシ基からなる群より選択される1価の基から1個の水素原子を除去することにより形成される2価の基であることが好ましい。すなわち、式(1a)で表される繰り返し構成単位は、水素原子がRAで置換されたアミド基を側鎖に有する構造、及び水素原子がRAで置換されたカルボキシ基が側鎖に有する構造の少なくともいずれか一方を有していることが好ましい。この場合、形状維持性、靭性、自己修復性に優れた被膜が形成されやすい。
【0031】
一般式(1a)中、RAはホスト基を表し、例えばα-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリンから選ばれる少なくとも1種が例示され、シクロデキストリンを構成するグルコースの中の1つにおいて、例えば1位、4位、6位の炭素に結合するヒドロキシ基の水素原子を除去することにより形成される基が挙げられる。またこれらは置換基を有していてもよい。このようなホスト基を有していれば、後述のゲスト基との相互作用が起こりやすいので、安定した架橋構造を有する架橋構造体が形成され、また、自己修復性も発揮されやすい。
【0032】
一般式(2a)中、Raは水素原子またはメチル基、R2はハロゲン原子、ヒドロキシ基、チオール基、1個の置換基を有していてもよいアミノ基、1個の置換基を有していてもよいカルボキシ基又は1個以上の置換基を有していてもよいアミド基を表す。
【0033】
一般式(2a)中、R2が1個の置換基を有するアミノ基であれば、アミノ基の水素原子がアルキル基(例えば、メチル基、エチル基)、ヒドロキシアルキル基(例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基)で置換されたアミノ基が挙げられる。
【0034】
一般式(2a)中、R2が1個の置換基を有するカルボキシ基であれば、カルボキシ基の水素原子がアルキル基(例えば、メチル基、エチル基)、ヒドロキシアルキル基(例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基)で置換されたカルボキシ基が挙げられる。
【0035】
一般式(2a)中、R2が1個以上の置換基を有するアミド基、すなわち、第2級アミド又は第3級アミドであれば、第1級アミドの少なくとも一つの水素原子又は2個の水素原子がアルキル基(例えば、メチル基、エチル基)、ヒドロキシアルキル基(例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基)で置換されたアミド基が挙げられる。
【0036】
一般式(2a)中、R2が、アミド基、1つの水素原子がメチル基又はエチル基で置換されたアミド基、2つの水素原子が共にメチル基で置換されたアミド基、カルボキシ基、水素原子がメチル基又はエチル基で置換されたカルボキシ基、であることが好ましい。この場合、ホスト体の水溶性が高くなり、後述するゲスト体と水性溶媒下で架橋構造を容易に形成することができる。
【0037】
ホスト体を構成する一般式(1a)、一般式(2a)で表される繰り返し構成単位各々の構成モル比は特に限定されないが、例えば、すべての繰り返し構成単位に対して、一般式(1a)で表される繰り返し構成単位が0.5~10モル%、一般式(2a)で表される繰り返し構成単位が90~99.5モル%とした場合、側鎖のホスト基と後述するゲスト基との相互作用が生じやすく、架橋構造を形成しやすくなるので、安定した架橋構造体となりやすく、自己修復性に優れる。すべての繰り返し構成単位に対して、一般式(1a)で表される繰り返し構成単位が2~4モル%、一般式(2a)で表される繰り返し構成単位が96~98モル%とした場合がより好ましく、ホスト体のホスト基と、後述するゲスト体のゲスト基とで相互作用が生じやすく、架橋構造を形成しやすくなるので、安定した架橋構造体となりやすく、しかも、形状維持性、靭性、自己修復性に優れる。
【0038】
本発明に用いるホスト体の分子量は、特に限定されないが、例えば、分子量が1,000~50,000とした場合、水溶性溶媒に溶解することができ、ホスト体のホスト基が後述するゲスト基と相互作用しやすい。また分子量5,000~20,000とした場合、さらに水溶性溶媒に溶解しやすく、ホスト体のホスト基と、後述するゲスト体のゲスト基との相互作用が生じやすく、架橋構造を形成しやすい。
【0039】
架橋構造体を構成するためのホスト体は1種又は2種以上を含むことができる。例えば、架橋構造体を構成するためのホスト体は、1種類のみを含んでいてもよいし、一般式(1a)と一般式(2a)で表される繰り返し構成単位の比率が異なる2種類以上のホスト体を含んでもよい。
【0040】
本発明に用いるゲスト体は、ゲスト基がピロリドニル基である高分子化合物であり、通常の化粧料に用いられるものであれば特に限定されず、天然、半合成、合成であっても使用することができる。好適にはビニルピロリドンを含む高分子化合物であり、ビニルピロリドンのみの重合体でもよいし、ビニルピロリドンを含む共重合体、または架橋重合体であってもよい。共重合体や架橋重合体の場合、すべての繰り返し構成単位に対してビニルピロリドンの割合が20モル%以上であることが好ましく、この場合ゲスト基であるピロリドニル基とホスト基が相互作用し架橋しやすい。
【0041】
ゲスト体の繰り返し構成単位の配列は、ホモポリマー、ブロックポリマー、交互ポリマー及びランダムポリマーのいずれであってもよく、また、グラフトポリマーであってもよい。
【0042】
本発明に用いるゲスト体の分子量は、特に限定されないが、例えば、分子量1,000~2,000,000とした場合、ホスト基との相互作用が生じやすく、架橋構造を形成しやすくなるので、安定した架橋構造体となりやすい。分子量5,000~500,000とした場合がより好ましく、ホスト基との相互作用が生じやすく、架橋構造を形成しやすくなるので、安定した架橋構造体となりやすく、しかも、形状維持性、靭性、自己修復性に優れた被膜を形成する。
【0043】
本発明に用いるゲスト体の具体的な成分としては、側鎖にピロリドニル基を有する水またはエタノールに可溶な高分子化合物であり、例えばPVP、ブチル化PVPのようなホモポリマー;(VP/VA)コポリマー、(VP/アクリル酸ジメチコニル/ポリウレタン)コポリマー、(VP/アクリレーツDMAPA)コポリマー、(VP/ビニルカプロラクタム/アクリル酸DMAPA)コポリマー、(VP/ポリカルバミルポリグリコール)エステル、(VP/メタクリルアミド/ビニルイミダゾール)コポリマー、(VP/メタクリル酸ジメチルアミノエチル)コポリマー、(アクリル酸エチルヘキシル/VP/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー、(アクリレーツ/VP)コポリマー、(アクリレーツ/メタクリル酸ステアリル/VP)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマー、(スチレン/VP)コポリマー、(ビニルカプロラクタム/VP/メタクリル酸ジメチルアミノエチル)コポリマー、(マルトデキストリン/VP)コポリマー、(メタクリル酸エチルヘキシル/メタクリル酸メチル/VP)コポリマー、(アクリレーツ/アクリル酸ヒドロキシプロピル/メタクリル酸ジメチルアミノエチル/ジアセトンアクリルアミド/VP)コポリマーAMP、(VP/アクリル酸ジメチコニル/ポリカルバミル/ポリグリコール)エステル、(VP/メタクリル酸ジメチルアミノエチル/ポリカルバミルポリグリコール)、トリアコンタニルPVP等の共重合体;(アクリル酸/VP)クロスポリマー、(アクリレーツ/VP)クロスポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンNa/VP)クロスポリマー、(加水分解コムギタンパク/PVP)クロスポリマー等の架橋重合体等が挙げられる。
尚、本明細書で記載している略称は以下を示す。略称:PVP=ポリビニルピロリドン,VP=ビニルピロリドン,VA=酢酸ビニル、DMAPA=ジメチルアミノプロピルアミン。
【0044】
本発明に用いるホスト体とゲスト体は、主に水性揮発性溶媒下で混合することで、ホスト体のホスト基とゲスト体のゲスト基が相互作用し、架橋構造体を形成することができる。例えば、あらかじめホスト体水溶液とゲスト体水溶液を調製し、混合する方法が容易であるため好ましい。混合方法としては、ディスパーミキサーで処理することが好ましく、回転数は1,000~10,000rpmが好ましい。この場合、形状維持性、靭性、自己修復性に優れる。回転時間は、特に限定されず、ホスト体とゲスト体の架橋状況を確認しながら適宜調整すればよい。
【0045】
本発明に用いるホスト体とゲスト体の混合重量比は、ゲスト体/ホスト体=0.1~5.0が好ましく、この範囲では構造体が形成する被膜の自己修復性が優れている。さらに、ゲスト体/ホスト体=0.1~1.0がより好ましく、この範囲では構造体が形成する被膜の形状維持性、靭性、自己修復性が優れている。
【0046】
本発明の構造体を化粧料やシワ改善剤として用いる場合の各組成物中への配合量は特に限定されない。剤型に合わせて、本発明の構造体の特性が発揮できる程度に配合すればよいが、組成物全体に対して概ね1%以上、好ましくは5%以上、更に好ましくは10%以上である。もっとも、構造体自体を化粧料やシワ改善剤として用いても差し支えない。
【0047】
本発明の構造体の使用方法は特に限定されない。あらかじめ架橋した構造体から溶媒を除いたものを使用しても良いし、それを溶媒に溶解させた状態のものを使用しても良い。好適には本発明のホスト体、ゲスト体各々を水性揮発性溶媒に溶解し混合した後に配合した組成物を、皮膚等に塗布し、溶媒が揮発することで構造体の被膜を形成させたものである。皮膚上で形成された被膜は、形状維持性、靭性、自己修復性に優れたものとなる。ここで水性揮発性溶媒とは、25℃1気圧で揮発する性質を持つ極性溶媒であり、水またはエタノール、もしくはそれらを混合したものが好適である。
【0048】
また、例えば本発明の構造体を化粧水に配合し、シワを伸ばすようにマッサージしながら塗布した場合、徐々に化粧水中の水性揮発性溶媒が揮発し、形状維持性、靭性に優れた被膜を形成し、即時的にシワを改善する。さらにこの被膜は自己修復性を有するため、経時的にヨレにくく審美性に優れる。
【0049】
他にも、例えば本発明の構造体をO/W乳化型の化粧下地に配合して使用し、ファンデーションやルースパウダーを上から重ねて使用した場合、化粧下地中の水性揮発性溶媒が揮発し、形状維持性、靭性や自己修復性を有する被膜を形成することで、上から重ねて使用したファンデーションやルースパウダーが崩れにくく、メイクが崩れることなく仕上がり時の状態が持続する。
【0050】
更には、例えば本発明の構造体を水またはエタノールまたはその混合液に溶解し、薄く塗り広げて乾燥させ、膜厚1μmになるように製膜したフィルムを顔面に貼付したとき、水分蒸散抑制効果が高く、上からメイクもすることができ、しかも形状維持性、靭性や自己修復性を有することから、経時的にヨレにくく審美性に優れる。
【0051】
水性揮発性溶媒は水またはエタノールまたはその混合液が好ましいが、本発明の効果が損なわれない範囲であれば、上記の必須成分の他に、必要に応じ一般的に化粧料等に用いられる1種以上の他の水性不揮発性溶媒を適宜組み合わせて用いることができる。
【0052】
本発明の構造体は、本発明の効果が損なわれない範囲であれば、上記の必須成分の他に、必要に応じ一般的に化粧料等に用いられる1種以上の他の高分子を適宜組み合わせて用いることができる。
【0053】
本発明の構造体を含有した化粧料には、本発明の効果が損なわれない範囲であれば、上記の必須成分の他に、必要に応じて一般的に化粧料等に用いられる成分を配合することも可能である。例えば、水性不揮発性溶媒、パール剤、保湿剤、増粘剤、高分子、香料、殺菌剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、紫外線吸収剤、抗炎症剤、抗酸化剤、清涼剤、生薬抽出物やビタミン類、の添加物を適時配合することができる。これら成分を含有させる場合の配合割合は、その種類や目的に応じて適宜選択することができ、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組合せて用いることもできる。
【0054】
本発明の構造体を含有した化粧料は、特にシワ改善剤として好適に用いることができる。本発明の構造体が形成する被膜は形状維持性に優れる。ここで言う「形状維持性」とは、被膜が外力により引き伸ばされる、もしくは縮められた際に、元の形に復元しようとする力のことを指す。そのため、意図的にシワを伸ばした状態で、当該範囲に被膜を形成させると、伸びた皮膚が再び元のシワ部に戻ろうとするのに対して、被膜には元の形状に復元しようとする力が働く(被膜自体が塗布時の形状を維持しようとする)ため、シワが伸びた状態を維持することができる。また本発明の構造体が形成する被膜は、靭性に優れる。ここで言う「靭性」とは、構造体の粘りの強さのことであり、外力に抗して破壊されにくい性質のことを指す。靭性の優れた被膜は、表情の変化などの外力で破断されにくい。
さらに、本発明の構造体のより形成された被膜は、自己修復性を有する。ここで言う「自己修復性」とは、構造体膜が外力により切断されても、切断面同士を密着させて静置するだけで、再接着し被膜が修復されるという効果のことである。自己修復の機構については、詳細は定かではないが、本発明の構造体膜をハサミ等で切断した場合、主にホスト-ゲスト構造体の架橋部が解離することで切断されるが、切断面を密着させておくと相互作用により架橋が回復し被膜が再接着するため自己修復すると考えられる。
本発明の構造体は、自己修復性を有しているため、構造体によって形成された被膜は、表情の変化や外力により切断、破断されても容易に再接着して元の構造体膜として機能する。
【0055】
本発明の構造体を含有した化粧料の剤型としては化粧水、乳液、クリーム、アイクリーム、美容液、パック料、フェイスマスク、アイマスク、ハンドクリーム、ボディクリーム、日焼け止め化粧料、化粧用下地化粧料、ファンデーション等に適用することができる。
【0056】
また、本発明の構造体を含有した化粧料を使用した後、クリーム、乳液、ローションを用いてスキンケアを行ったり、被膜の上からメイクを行うことができる。
【実施例0057】
次に本発明のシワ改善剤について、実施例1~4及び比較例1~6をもって詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。まず、各実施例および比較例で採用した評価法を説明する。
【0058】
〈ホスト体の合成〉
下記の表1に示すホスト体は、特開2017-71710号に従って調製した。
【0059】
【0060】
〈サンプル調製〉
(1) 実施例1~4および比較例1~6に示すホスト体は、下記の表2に示す配合量の2倍濃度の水溶液を調製した。ホスト体を水に溶解させる際は、90℃で8時間攪拌することで溶解させた。
(2) 実施例1~4および比較例1~6ゲスト体は、下記の表2に示す配合量の2倍濃度の水溶液を常法により調製した。
(3) (1)と(2)の水溶液を1:1の割合でビーカーに入れ、常温にてディスパー処理(3,000 rpm、30秒)し、各実施例および比較例のサンプルを得た。
【0061】
前記で調製した実施例1~4および比較例1~6について、(i)形状維持性、(ii)靭性、(iii)自己修復性、(iv)シワ改善効果(即時と経時)の4項目に関し、以下に示す評価基準に従って比較評価を行った。
【0062】
(i)形状維持性1(引張変形)
〈実験方法〉
縦3cm×横7cmの金皿の内側に、縦3cm×横7cm×高さ2cmのテフロン(登録商標)シートで作製した箱をはめこみ、その中に実施例1~4および比較例1~6を20g流し込み、乾燥機に24時間静置し、その後温度20℃湿度50%の環境下に24時間静置して構造体を得た。レオメーター(FUDOU レオメーターRTC)により構造体を速度5mm/sで横方向に10mm伸長させ、その後、構造体をレオメーターから離した際に、伸長前と比べてどのくらい伸長したかを確認した。
【0063】
〈評価基準〉
◎:横方向の伸長が1mm未満。
〇:横方向の伸長が1mm以上3mm未満。
△:横方向の伸長が3mm以上7mm未満。
×:横方向の伸長が7mm以上。
-:伸長の過程で破断。
【0064】
(ii)形状維持性2(圧縮変形)
〈実験方法〉
縦3cm×横7cmの金皿の内側に、縦3cm×横7cm×高さ2cmのテフロン(登録商標)シートで作製した箱をはめこみ、その中に実施例1~4および比較例1~6を35g流し込み、乾燥機に48時間静置し、その後温度20℃湿度50%の環境下に24時間静置して構造体を得た。レオメーター(FUDOU レオメーターRTC)により構造体を速度5mm/sで縦方向に5mm圧縮し、その後、構造体をレオメーターから離した際に、圧縮前と比べてどのくらい収縮したかを確認した。
〈評価基準〉
◎:縦方向の収縮が1mm未満。
〇:縦方向の収縮が1mm以上2mm未満。
△:縦方向の収縮が2mm以上4mm未満。
×:縦方向の収縮が4mm以上5mm以下。
-:圧縮の過程で砕破。
【0065】
(iii)靭性(耐破断性)
〈実験方法〉
〔0062〕の方法により得た構造体を、レオメーター(FUDOU レオメーターRTC)により速度5mm/sで横方向に伸長させ、2秒後(10mm伸長時)までに構造体が破断されるかどうかを確認した。
【0066】
〈評価基準〉
〇:破断されない。
×:破断される。
(iv)自己修復性
【0067】
〈実験方法〉
上記の方法を同様にして実施例1~4および比較例1~6の構造体を得た。ハサミで構造体を切断した後、断面を重ね合わせた際に特段の外力を加えることなく再接着するかどうかを確認した。
【0068】
〈評価基準〉
〇:再接着する。
×:再接着しない。
【0069】
(v)シワ改善効果(即時と経時)
〈実験方法〉
専門パネラー10名に対して実施例1~4および比較例1~6を使用し、目視によりシワグレードを評価した。方法は下記の通りである。
(1)洗顔後、温度20℃湿度50%の環境下で15分間馴化させ、VISIA(登録商標)CR(CANFIELD社製)を用いて顔面を撮影した。
(2)目尻の最もシワが深い部分を伸び広げるようにセロハンテープを貼り、シワを伸ばした。
(3)(2)のシワがあった部分にサンプル0.2mL塗布し、15分間乾燥させた。
(4)セロハンテープを除去し、すぐにVISIA撮影した。
(5)セロハンテープを除去してから4時間後、再びVISIA撮影した。
(6)新規効能取得のための抗シワ製品評価ガイドライン(日本香粧品学会)」に則り、シワグレードを0.0~7.0の15段階(0.5刻み)でスコア化し、塗布前と塗布乾燥直後、塗布乾燥4時間後を比較した。
【0070】
〈評価基準〉
◎:パネラー10名のシワグレードの改善値の平均が2.0以上3.0以下
〇:パネラー10名のシワグレードの改善値の平均が1.0以上2.0未満
△:パネラー10名のシワグレードの改善値の平均が0.5以上1.0未満
×:パネラー10名のシワグレードの改善値の平均が0.5未満
【0071】
【0072】
表2からわかるように、本発明の実施例1~4を参照すると、側鎖にシクロデキストリンを有する高分子化合物であるホスト体と、側鎖にピロリドニル基を有する高分子化合物であるゲスト体とが相互作用し架橋された構造体を含む組成物を、シワを伸ばした部位に塗布して成膜させ、乾燥直後と乾燥後4時間のシワグレードを評価すると、比較例1の場合と比べて明らかにシワが改善された。一方、比較例2~5のように、ホスト体もしくはゲスト体のみの場合は、シワが改善されない。このことからホスト体のホスト基(シクロデキストリン部位(RA))、ゲスト体のゲスト基(ピロリドニル基)とが相互作用することよって形成される構造体は、その形状維持性によりシワを改善させ、さらに靭性や自己修復性に優れることから経時的にもシワを改善させたと考えられる。また、比較例6のように、同じホスト体と相互作用することが公知であるポリエチレングリコールを用いた場合は、形状維持性が不足し、シワが改善されなかった。
【0073】
以上の結果から、前記一般式(1a)と前記一般式(2a)を構成単位とする高分子化合物であるホスト体と、側鎖にピロリドニル基を有する高分子化合物であるゲスト体とが相互作用し架橋された構造体を含有する組成物は、優れたシワ改善効果を有することが立証された。
【0074】
処方例
〔0060〕に示す方法と同様にしてホスト体とゲスト体を相互作用させた水溶液を先に調製した。常法にて、上記成分以外を混合した後、ホスト体とゲスト体を相互作用させた構造体の水溶液を混合することで各処方の組成物を得た。いずれの処方においても本発明の効果を奏することが確認された。
【0075】
実施例5<化粧崩れ防止化粧下地>
配合成分 配合量(%)
シクロペンタシロキサン 10.0
ジメチコン 10.0
ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 0.5
1,3-ブチレングリコール 5.0
グリセリン 2.0
PEG-50水添ヒマシ油 2.0
セスキイソステアリン酸ソルビタン 2.0
キサンタンガム 0.1
色顔料 適量
防腐剤 適量
キレート剤 適量
pH調整剤 適量
水 残余
<構造体:ホスト体とゲスト体を相互作用させた水溶液>
ホスト体1 5.0
PVP 1.0
水 15.0
合計 100.0
※PVP:PVP K30(アイエスピー・ジャパン社製)
上記組成物を下地として使用しメイクアップした時、メイク後10時間経ってもほとんど化粧が崩れなかった。
【0076】
実施例6<シワ改善クリーム>
配合成分 配合量(%)
グリセリン 8.0
ミネラルオイル 10.0
エチルヘキサン酸セチル 5.0
セタノール 5.0
ステアリン酸グリセリル 2.0
PEG-50水添ヒマシ油 2.0
セスキオレイン酸ソルビタン 1.0
カルボマー 0.1
キサンタンガム 0.1
pH調整剤 適量
防腐剤 適量
水 残余
<構造体:ホスト体とゲスト体を相互作用させた水溶液>
ホスト体2 2.0
(VP/VA)コポリマー 8.0
水 25.0
合計 100.0
※(VP/VA)コポリマー:PVP/VA S-630(アイエスピー・ジャパン社製)
上記組成物は、即時的かつ経時的に優れたシワ改善効果を有していた。
【0077】
実施例7<フェイスマスク>
エタノール 30.0
グリセリン 2.0
<構造体:ホスト体とゲスト体を相互作用させた水溶液>
ホスト体2 10.0
(VP/VA)コポリマー 10.0
水 48.0
合計 100.0
※(VP/VA)コポリマー:PVP/VA S-630(アイエスピー・ジャパン社製)
〔0060〕に示す方法により水溶液を調製した後、膜厚1μmとなるように製膜した。この膜を顔面に貼付した際、蒸散抑制効果に優れ、膜の上からメイクができるものであった。