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  • 特開-記録装置、寿命推定方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057705
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】記録装置、寿命推定方法
(51)【国際特許分類】
   B65H 7/14 20060101AFI20240418BHJP
   B65H 7/04 20060101ALI20240418BHJP
   B65H 1/12 20060101ALI20240418BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
B65H7/14
B65H7/04
B65H1/12 310Z
B41J29/38 205
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022164538
(22)【出願日】2022-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】須永 泰雄
【テーマコード(参考)】
2C061
3F048
3F343
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ05
2C061AS02
2C061HJ03
2C061HK11
2C061HK19
2C061HK23
3F048AA05
3F048AB01
3F048BA02
3F048BA05
3F048BB02
3F048BB05
3F048BB10
3F048CC03
3F048DA06
3F048DC12
3F048EB22
3F343FA02
3F343FB04
3F343FC03
3F343FC21
3F343GA03
3F343GB01
3F343GC01
3F343GD01
3F343HA16
3F343HD18
3F343KB06
3F343KB19
3F343LC12
3F343LC19
3F343MB15
3F343MC08
(57)【要約】
【課題】搬送検出部または搬送部の劣化度合いの推定精度を向上させることができる記録装置、寿命推定方法を提供する。
【解決手段】媒体21を収容し、開閉可能に設けられた給紙カセット13と、給紙カセット13に収容された媒体21を、搬送経路22に沿って搬送する搬送部17と、搬送経路22に設けられた検出位置において、媒体21を検出する搬送検出部18と、搬送検出部18の検出結果に基づいて、給紙カセット13から供給された媒体21が検出位置に到達するまでの搬送時間を算出する算出部と、給紙カセット13の開閉の有無を判定する判定部と、搬送時間に関する時間情報、及び給紙カセット13の開閉判定に関する開閉情報に基づいて、搬送検出部18または搬送部17の寿命を推定する推定部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体を収容し、開閉可能に設けられた給紙カセットと、
前記給紙カセットに収容された前記媒体を、搬送経路に沿って搬送する搬送部と、
前記搬送経路に設けられた検出位置において、前記媒体を検出する搬送検出部と、
前記搬送検出部の検出結果に基づいて、前記給紙カセットから供給された前記媒体が前記検出位置に到達するまでの搬送時間を算出する算出部と、
前記給紙カセットの開閉の有無を判定する判定部と、
前記搬送時間に関する時間情報、及び前記給紙カセットの開閉判定に関する開閉情報に基づいて、前記搬送検出部または前記搬送部の寿命を推定する推定部と、
を備えることを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記給紙カセットは、前記媒体を昇降可能なリフト機構を有し、
前記リフト機構は、前記媒体を上昇させるリフトアップ動作を実行可能であり、
前記判定部は、前記記録装置の電源投入時における前記リフトアップ動作の有無に基づいて、前記記録装置の電源がオフされている間の前記給紙カセットの開閉の有無を判定することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
供給位置にある前記リフト機構を検出するリフト検出部と、
前記リフト検出部の検出結果に基づいて、前記リフト機構を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記リフトアップ動作中に前記給紙カセットが開けられる場合、前記リフト機構は、前記媒体を下降させることを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
【請求項5】
前記時間情報と、前記開閉情報と、を紐づけて記憶する記憶部を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の記録装置。
【請求項6】
媒体を収容し、開閉可能に設けられた給紙カセットと、
前記給紙カセットに収容された前記媒体を、搬送経路に沿って搬送する搬送部と、
前記搬送経路に設けられた検出位置において、前記媒体を検出する搬送検出部と、
前記搬送検出部の検出結果に基づいて、前記給紙カセットから供給された前記媒体が前記検出位置に到達するまでの搬送時間を算出する算出部と、
前記給紙カセットの開閉の有無を判定する判定部と、
前記搬送時間に関する時間情報、及び前記給紙カセットの開閉判定に関する開閉情報を紐づけて記憶する記憶部と、
前記記憶部が記憶した前記時間情報及び前記開閉情報を、前記搬送検出部または前記搬送部の寿命を推定可能な推定部を有する外部機器に出力する出力部と、
を備えることを特徴とする記録装置。
【請求項7】
媒体を収容し、開閉可能に設けられた給紙カセットと、前記給紙カセットに収容された前記媒体を搬送経路に沿って搬送する搬送部と、前記搬送経路に設けられた検出位置において、前記媒体を検出する搬送検出部と、を有する記録装置の寿命推定方法であって、
前記給紙カセットから供給された前記媒体が前記検出位置に到達するまでの搬送時間を算出することと、
前記給紙カセットの開閉の有無を判定することと、
前記搬送時間に関する時間情報、及び前記給紙カセットの開閉判定に関する開閉情報に基づいて、前記搬送検出部または前記搬送部の寿命を推定することと、
を含むことを特徴とする寿命推定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンターなどの記録装置、寿命推定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1のように、媒体の一例である記録材に画像を形成する記録装置の一例である画像形成装置がある。画像形成装置は、給紙カセットと、搬送部の一例である搬送ローラーと、搬送検知部の一例であるセンサーと、を備える。
【0003】
給紙カセットは、記録材を収容する。搬送ローラーは、給紙カセットから供給される媒体を、搬送経路の一例である搬送路に沿って搬送する。センサーは、搬送路を搬送される記録材を検知する。画像形成装置は、記録材がセンサーに到達する搬送時間の一例である到達時間に従い、搬送ローラーの劣化度合いを判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-175920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
搬送時間は、搬送部の劣化に加え、搬送検出部の劣化、給紙カセット内での媒体の状態などによっても変化する。そのため、搬送検出部と搬送部の劣化度合いは、高い精度で推定することが難しい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する記録装置は、媒体を収容し、開閉可能に設けられた給紙カセットと、前記給紙カセットに収容された前記媒体を、搬送経路に沿って搬送する搬送部と、前記搬送経路に設けられた検出位置において、前記媒体を検出する搬送検出部と、前記搬送検出部の検出結果に基づいて、前記給紙カセットから供給された前記媒体が前記検出位置に到達するまでの搬送時間を算出する算出部と、前記給紙カセットの開閉の有無を判定する判定部と、前記搬送時間に関する時間情報、及び前記給紙カセットの開閉判定に関する開閉情報に基づいて、前記搬送検出部または前記搬送部の寿命を推定する推定部と、を備える。
【0007】
上記課題を解決する記録装置は、媒体を収容し、開閉可能に設けられた給紙カセットと、前記給紙カセットに収容された前記媒体を、搬送経路に沿って搬送する搬送部と、前記搬送経路に設けられた検出位置において、前記媒体を検出する搬送検出部と、前記搬送検出部の検出結果に基づいて、前記給紙カセットから供給された前記媒体が前記検出位置に到達するまでの搬送時間を算出する算出部と、前記給紙カセットの開閉の有無を判定する判定部と、前記搬送時間に関する時間情報、及び前記給紙カセットの開閉判定に関する開閉情報を紐づけて記憶する記憶部と、前記記憶部が記憶した前記時間情報及び前記開閉情報を、前記搬送検出部または前記搬送部の寿命を推定可能な推定部を有する外部機器に出力する出力部と、を備える。
【0008】
上記課題を解決する寿命推定方法は、媒体を収容し、開閉可能に設けられた給紙カセットと、前記給紙カセットに収容された前記媒体を搬送経路に沿って搬送する搬送部と、前記搬送経路に設けられた検出位置において、前記媒体を検出する搬送検出部と、を有する記録装置の寿命推定方法であって、前記給紙カセットから供給された前記媒体が前記検出位置に到達するまでの搬送時間を算出することと、前記給紙カセットの開閉の有無を判定することと、前記搬送時間に関する時間情報、及び前記給紙カセットの開閉判定に関する開閉情報に基づいて、前記搬送検出部または前記搬送部の寿命を推定することと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】記録装置の一実施形態の模式図である。
図2】記録装置を備える記録システムの模式図である。
図3】推定ルーチンを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態]
以下、記録装置、寿命推定方法の一実施形態を、図面を参照して説明する。本実施形態の記録装置は、例えば、用紙、布帛、ビニール、プラスチック部品、金属部品などの媒体に液体の一例であるインクを吐出して印刷するインクジェット式のプリンターである。図面では、記録装置11が水平面上に置かれているものとして重力の方向をZ軸で示し、水平面に沿う方向をX軸とY軸で示す。X軸、Y軸、及びZ軸は、互いに直交する。
【0011】
<記録装置>
図1に示すように、記録装置11は、本体12と、給紙カセット13と、カセット検出部14と、リフト検出部15と、給送部16と、搬送部17と、1以上の搬送検出部18と、記録部19と、スタッカー20と、を備えてもよい。記録装置11は、複数の給紙カセット13と、複数のカセット検出部14と、複数の給送部16と、を備えてもよい。図1では、媒体21が搬送される搬送経路22を一点鎖線で示す。搬送経路22は、給紙カセット13と、スタッカー20と、を結ぶ経路である。
【0012】
<給紙カセット>
給紙カセット13は、媒体21を収容可能である。給紙カセット13は、本体12に挿し込み及び本体12から引き抜き可能である。給紙カセット13を本体12に差し込むことを、給紙カセット13を閉めるもしくは閉じるともいう。給紙カセット13を本体12から引き抜くことを、給紙カセット13を開けるもしくは開くともいう。給紙カセット13は、開閉可能に設けられる。
【0013】
給紙カセット13は、複数の媒体21を積層状態で収容可能であってもよい。給紙カセット13は、開けられることで媒体21のセットが可能になる。給紙カセット13は、閉じられることで媒体21の供給が可能になる。
【0014】
カセット検出部14は、閉じられた状態にある給紙カセット13を検出してもよい。給紙カセット13は、記録装置11の電源が投入されている状態において、給紙カセット13の開閉を検出可能である。
【0015】
給紙カセット13は、リフト機構24を有してもよい。リフト機構24は、媒体21を昇降可能である。リフト機構24は、媒体21を上昇させるリフトアップ動作を実行可能である。リフト機構24は、リフトモーター25と、ホッパー26と、維持部27と、を有してもよい。
【0016】
リフトモーター25は、駆動されることでホッパー26を上昇させる。
ホッパー26は、図1に2点鎖線で示すセット位置Psと、図1に実線で示す供給位置Pfと、の間を移動可能である。供給位置Pfは、セット位置Psより上方の位置である。ホッパー26は、セット位置Psから供給位置Pfに移動することで、媒体21の少なくとも一部を押し上げる。ホッパー26は、上昇することで媒体21を給送部16に近づける。
【0017】
維持部27は、ホッパー26を供給位置Pfに維持する。維持部27は、給紙カセット13が開けられるのに伴って、ホッパー26の維持を解除する。すなわち、給紙カセット13が開けられると、ホッパー26は、自重でセット位置Psに移動する。そのため、ユーザーは、給紙カセット13を開けることで、セット位置Psに位置するホッパー26の上に媒体21を載せることができる。給紙カセット13が閉じられると、リフトモーター25は、セット位置Psに位置するホッパー26を上昇させると共に、維持部27は、ホッパー26を供給位置Pfに維持する。
【0018】
リフト検出部15は、供給位置Pfにあるリフト機構24を検出してもよい。具体的には、リフト検出部15は、供給位置Pfにあるホッパー26を検出可能である。リフト検出部15は、維持部27がホッパー26を供給位置Pfに維持していることを検出してもよい。リフト検出部15は、例えば光学式センサー、接触式センサーであってもよい。リフト検出部15は、例えばロータリーエンコーダーによってリフトモーター25の回転数を検出することにより、ホッパー26がセット位置Psから供給位置Pfまで移動したことを検出してもよい。
【0019】
<給送部>
給送部16は、給紙カセット13から、この給紙カセット13に収容された媒体21を1枚ずつ搬送経路22に送り出す。給送部16は、給送ローラー29と、分離部30と、を備えてもよい。
【0020】
給送ローラー29は、ホッパー26との間に媒体21を挟んだ状態で回転することにより、媒体21を搬送経路22に送り出す。給送ローラー29は、給紙カセット13に収容される媒体21のうち、最も上に位置する媒体21を送る。分離部30は、重なった状態で送られる媒体21を、1枚ずつ分離する。分離部30は、上から2枚目以降の媒体21を給紙カセット13に押し留める。
【0021】
<搬送部>
搬送部17は、給紙カセット13に収容された媒体21を、搬送経路22に沿って搬送する。搬送部17は、媒体21を搬送方向Dcに搬送する。搬送方向Dcは、搬送経路22に沿う方向である。搬送方向Dcは、給紙カセット13からスタッカー20に向かう方向である。搬送部17は、1以上の搬送ローラー32と、無端状の搬送ベルト33と、一対のプーリー34と、を備えてもよい。
【0022】
搬送ローラー32は、媒体21を挟んだ状態で回転することで、搬送経路22に沿って媒体21を搬送する。搬送ローラー32は、印刷された媒体21をスタッカー20に排出する。スタッカー20は、搬送された媒体21を受ける。
【0023】
搬送ベルト33は、一対のプーリー34に掛け渡される。搬送ベルト33は、搬送経路22を挟んで記録部19と対向する。搬送ベルト33は、媒体21の一部を平坦な状態に支持する。搬送ベルト33は、媒体21を吸着した状態で回転することで、媒体21を搬送する。
【0024】
<記録部>
記録部19は、液体を吐出する複数のノズル37を有してもよい。記録部19は、複数のノズル37が開口するノズル面38を有してもよい。記録部19は、ノズル面38が水平面に対して傾いて設けられてもよい。記録部19は、搬送ベルト33に支持された媒体21に液体を吐出することで、媒体21に印刷する。印刷は、情報を記録するための手段の1つである。本実施形態の記録部19は、印刷により媒体21に記録を行う。記録部19は、搬送される媒体21に対して、停止した状態で液体を吐出して印刷を行うラインタイプであってもよい。記録部19は、移動しながら液体を吐出して印刷を行うシリアルタイプであってもよい。
【0025】
<搬送検出部>
搬送検出部18は、搬送経路22に設けられた検出位置において、媒体21を検出する。記録装置11は、複数の搬送検出部18を備えてもよい。複数の搬送検出部18は、それぞれ異なる検出位置において媒体21を検出する。
【0026】
搬送検出部18は、例えば図示しない投光部と、図示しない受光部と、を有し、媒体21で反射した光を検出する反射型の光学式センサーであってもよい。投光部と受光部は、搬送経路22を挟んで設けられてもよい。搬送検出部18は、光が遮られることで媒体21を検出する透過型の光学式センサーであってよい。搬送検出部18は、搬送される媒体21に接触することで媒体21を検出する接触式のセンサーであってもよい。
【0027】
<記録システム>
図2に示すように、記録装置11は、記録システム40に含まれてもよい。記録システム40は、コンピューター41と、記録装置11と、を備えてもよい。コンピューター41と記録装置11は、インターネットなどのネットワークNTを介して通信可能であってもよい。
【0028】
記録装置11は、制御部43と、記憶部44と、操作部45と、算出部46と、判定部47と、推定部48と、出力部49と、を備えてもよい。
制御部43は、記録装置11における各機構の駆動を統括的に制御し、記録装置11で実行される各種動作を制御する。制御部43は、リフト検出部15の検出結果に基づいて、リフト機構24を制御してもよい。制御部43は、α:コンピュータープログラムに従って各種処理を実行する1つ以上のプロセッサー、β:各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する1つ以上の専用のハードウェア回路、或いはγ:それらの組み合わせ、を含む回路として構成し得る。ハードウェア回路は、例えば特定用途向け集積回路である。プロセッサーは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリーを含み、メモリーは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリーすなわちコンピューター可読媒体は、汎用または専用のコンピューターでアクセスできるあらゆる可読媒体を含む。
【0029】
記憶部44は、例えば、上述したRAM及びROM等のメモリーである。記憶部44は、制御部43とは別に設けられてもよいし、制御部43が有してもよい。記憶部44は、各種プログラム、各種パラメーターを記憶する。制御部43は、記憶部44に記憶されるプログラムを実行することによって、算出部46、判定部47及び推定部48として機能してもよい。算出部46、判定部47、及び推定部48の少なくとも一つは、コンピューター41がプログラムを実行することで実現されてもよい。
【0030】
操作部45は、記録装置11の各種の操作を行うためのボタン、パネル、スイッチなどを有してもよい。
出力部49は、記録装置11に関する情報を出力可能であってもよい。出力部49は、例えば画像、映像、文字などで情報を出力可能なディスプレイであってもよい。出力部49と操作部45は、例えばタッチパネルのように一体で構成されてもよい。出力部49は、音声、音などで情報を出力可能なスピーカーであってもよい。出力部49は、光で情報を出力可能なライトであってもよい。ライトは、例えば対応するラベルを照らすことで情報を出力してもよい。出力部49は、記録装置11とは別の装置に対して情報を出力する通信機又は、通信するための通信ケーブルを接続する接続端子であってもよい。例えば出力部49は、コンピューター41に対して情報を送信してもよい。記録部19は、媒体21などに印刷することで情報を出力してもよい。この場合、記録部19は、出力部49として機能する。
【0031】
<推定ルーチン>
図3に示す推定ルーチンは、記録装置11の電源が投入されたタイミングで実行される。
【0032】
図3に示すように、ステップS101において、制御部43は、リフト検出部15の検出結果に基づいて、ホッパー26が供給位置Pfにあるかを確認する。ホッパー26が供給位置Pfにある場合、ステップS101がYESになり、制御部43は、処理をステップS102に移行する。ステップS102において、制御部43は、開閉フラグを0に設定し、処理をステップS106に移行する。
【0033】
ホッパー26が供給位置Pfにない場合、ステップS101がNOになり、制御部43は、処理をステップS103に移行する。ステップS103において、制御部43は、開閉フラグを1に設定する。ステップS104において、制御部43は、リフトアップ動作を実行する。すなわち、制御部43は、リフトモーター25を駆動してホッパー26を上昇させる。
【0034】
ステップS105において、制御部43は、リフト検出部15の検出結果に基づいて、ホッパー26が供給位置Pfまで移動したか否かを判断する。ホッパー26が供給位置Pfにない場合、ステップS105がNOになり、制御部43は、ホッパー26が供給位置Pfに移動するまでリフトアップ動作を実行する。ホッパー26が供給位置Pfまで移動した場合、ステップS105がYESになり、制御部43は、処理をステップS106に移行する。
【0035】
ステップS106において、制御部43は、給紙カセット13にセットされた媒体21の供給が開始されたか否かを判断する。媒体21の供給が開始されていない場合、ステップS106がNOになり、制御部43は、処理をステップS101に移行する。媒体21の供給が開始されると、ステップS106がYESになり、制御部43は、処理をステップS107に移行する。
【0036】
ステップS107において、制御部43は、給紙カセット13の開閉判定を行う。制御部43は、判定部47に開閉判定を行わせてもよい。判定部47は、給紙カセット13の開閉の有無を判定する。判定部47は、開閉フラグが0の場合には、給紙カセット13の開閉が行われていないと判定する。判定部47は、開閉フラグが1の場合には、給紙カセット13が開閉されたと判定する。
【0037】
ステップS108において、制御部43は、給送部16を駆動する。ステップS109において、制御部43は、搬送部17を駆動する。
ステップS110において、制御部43は、搬送検出部18が媒体21を検出したか否かを判断する。搬送検出部18が媒体21を検出すると、ステップS110がYESになり、制御部43は、処理をステップS111に移行する。ステップS111において、制御部43は、搬送時間を算出する。制御部43は、搬送時間の算出を算出部46に実行させてもよい。
【0038】
ステップS112において、制御部43は、搬送時間に関する時間情報と、給紙カセット13の開閉判定に関する開閉情報と、を紐づけて記憶部44に記憶する。開閉情報は、判定部47による判定結果を含んでいてもよいし、開閉フラグを含んでいてもよい。
【0039】
ステップS113において、制御部43は、搬送検出部18または搬送部17の寿命の推定を行う。制御部43は、寿命の推定を推定部48に実行させてもよい。寿命の推定は、搬送時間が算出されるたびに実施してもよいし、一定の間隔を経て実施してもよい。
【0040】
ステップS110において、媒体21の先端が検出位置に到達していない場合、搬送検出部18が媒体21を検出しないため、ステップS110がNOになり、制御部43は、処理をステップS114に移行する。
【0041】
ステップS114において、制御部43は、給送部16の駆動を開始してから閾値時間が経過したか否かを判断する。閾値時間が経過していない場合、ステップS114がNOになり、制御部43は、処理をステップS110に移行する。制御部43は、搬送検出部18が媒体21を検出するか、閾値時間が経過するまで待機する。
【0042】
閾値時間が経過すると、ステップS114がYESになり、制御部43は、処理をステップS115に移行する。ステップS115において、制御部43は、給送部16と搬送部17の駆動を停止させる。ステップS116において、制御部43は、詰まりなどの搬送エラーが生じていることを出力部49に出力させて推定ルーチンを終了する。
【0043】
<実施形態の作用>
本実施形態の作用について説明する。
図1に示すように、記録装置11の電源が投入されている状態で給紙カセット13が開かれた場合、リフト機構24は、ホッパー26を下降させる。例えば、リフトアップ動作中に給紙カセット13が開けられる場合、リフト機構24は、媒体21を下降させてもよい。リフト機構24は、ホッパー26を自重で下降させてもよいし、リフトモーター25を逆転駆動することでホッパー26を下降させてもよい。
【0044】
記録装置11の電源が投入されている状態で給紙カセット13が閉じられた場合、リフト機構24は、ホッパー26を上昇させる。リフト機構24は、ホッパー26が供給位置Pfにない場合、リフトモーター25を駆動してリフトアップ動作を行う。
【0045】
リフト機構24は、給紙カセット13が閉じられている間、ホッパー26を供給位置Pfで維持する。維持部27によるホッパー26の維持、及び維持の解除は、記録装置11の電源に関係なく実行される。そのため、記録装置11の電源がオフされたあとも、維持部27は、ホッパー26を供給位置Pfに維持する。記録装置11の電源がオフされている状態で給紙カセット13が開かれると、維持部27は、ホッパー26の維持を解除してホッパー26を下降させる。
【0046】
リフトアップ動作には、電力が必要である。記録装置11の電源がオフされている間に給紙カセット13が閉じられた場合、リフト機構24は、記録装置11の電源が投入されたタイミングでリフトアップ動作を行う。すなわち、記録装置11の電源がオフされている間に給紙カセット13が開閉されると、電源投入時にホッパー26は、セット位置Psに位置する。記録装置11の電源がオフされている間に給紙カセット13が開閉されていない場合、電源投入時にホッパー26は、供給位置Pfに維持される。そのため、リフトアップ動作は不要である。
【0047】
判定部47は、記録装置11の電源投入時におけるリフトアップ動作の有無に基づいて、記録装置11の電源がオフされている間の給紙カセット13の開閉の有無を判定してもよい。判定部47は、電源投入時にリフトアップ動作が行われない場合、電源がオフされている間の給紙カセット13の開閉はないと判定してもよい。判定部47は、電源投入時にリフトアップ動作が行われた場合、電源がオフされている間の給紙カセット13の開閉があると判定してもよい。
【0048】
印刷が開始されると、給送部16は、媒体21を給送する。制御部43は、給送部16が駆動されてから閾値時間が経過しても搬送検出部18が媒体21を検出しない場合、媒体21が搬送経路22で詰まったと判断してもよい。記録装置11が複数の搬送検出部18を備える場合、閾値時間は、搬送検出部18ごとに設定されてもよい。
【0049】
搬送検出部18が媒体21を検出すると、算出部46は、搬送時間を算出する。算出部46は、搬送検出部18の検出結果に基づいて、給紙カセット13から供給された媒体21が検出位置に到達するまでの搬送時間を算出する。搬送時間は、給送部16の駆動を開始してから、搬送検出部18が媒体21の先端を検出するまでの時間であってもよい。記録装置11が複数の搬送検出部18を備える場合、算出部46は、搬送時間の算出を搬送検出部18ごとに行ってもよい。
【0050】
推定部48は、時間情報、及び開閉情報に基づいて、搬送検出部18または搬送部17の寿命を推定する。推定部48は、搬送時間と推定時間とを比較することで寿命の推定を行ってもよい。推定時間は、予め記憶部44が記憶していてもよい。推定部48は、搬送時間が推定時間を超えた場合、搬送検出部18または搬送部17の寿命が近いと推定してもよい。推定部48は、記憶部44に記憶される情報から、搬送時間が推定時間を超える時期を推定してもよい。
【0051】
搬送検出部18が劣化すると、搬送検出部18の反応の遅れによって、実際より長い搬送時間を検出してしまう。搬送部17が劣化すると、媒体21に対する搬送ローラー32の滑りの増加、搬送ローラー32が1回転で送ることができる送り量の減少などにより、搬送時間が延びてしまう。搬送時間は、給紙カセット13に正しくセットされていない場合、給紙カセット13を開閉した衝撃などで媒体21がずれてしまった場合などにも延びる。
【0052】
そのため、推定部48は、記録装置11の電源がオフされている間に給紙カセット13が開閉されていない場合に、寿命の推定を行ってもよい。推定部48は、寿命の推定を行う場合、給紙カセット13を開閉した後の搬送時間を外してもよい。
【0053】
<実施形態の効果>
本実施形態の効果について説明する。
(1)給紙カセット13内の媒体21は、給紙カセット13が開閉されるのに伴って状態が変化する可能性がある。推定部48は、搬送時間に関する時間情報に加え、給紙カセット13の開閉に関する開閉情報に基づいて搬送検出部18または搬送部17の寿命を推定する。したがって、搬送検出部18または搬送部17の劣化度合いの推定精度を向上させることができる。
【0054】
(2)判定部47は、電源投入時のリフトアップ動作の有無に基づいて、電源がオフされている間の給紙カセット13の開閉の有無を判定する。一般にリフト機構24は、上昇して供給位置Pfに移動することで、媒体21を供給可能な状態に維持する。しかし、リフト機構24が供給位置Pfに位置する場合、媒体21が給紙カセット13の開閉を阻害する虞がある。そのため、リフト機構24は、給紙カセット13が開くのに伴って供給位置Pfよりも下方のセット位置Psに移動することで媒体21を下降させる。供給位置Pfからセット位置Psへは自重で移動するため、リフト機構24は、記録装置11の電源が投入されていない状態でも移動することができる。しかし、記録装置11の電源が投入されていない状態では、リフト機構24は、セット位置Psから供給位置Pfに移動することができない。リフト機構24は、記録装置11の電源が投入されるのを待ってリフトアップ動作を行う。給紙カセット13の開閉の有無と、リフトアップ動作の有無は相関する。すなわち、給紙カセット13が開閉されない場合、リフト機構24は供給位置Pfに位置するため、リフトアップ動作は実行されない。給紙カセット13が開閉された場合、リフト機構24はセット位置Psに位置するため、リフトアップ動作が実行される。したがって、リフトアップ動作の有無を給紙カセット13の開閉判定に利用することで、例えば給紙カセット13の状態を把握するための機構を別に設ける場合に比べて部材点数の増加を抑制できる。
【0055】
(3)制御部43は、リフト検出部15の検出結果に基づいてリフト機構24を制御する。そのため、ユーザーがリフト機構24を操作する場合に比べ、ユーザーの手間を省くことができる。
【0056】
(4)リフト機構24は、リフトアップ動作中に給紙カセット13が開かれる場合に、媒体21を下降させる。そのため、給紙カセット13の開閉を媒体21が阻害する虞を低減できる。
【0057】
(5)記憶部44は、開閉情報と時間情報とを紐づけて記憶する。そのため、搬送検出部18または搬送部17の劣化の速度を推定することができる。
[変更例]
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0058】
・記録装置11の電源が投入されたとき、給紙カセット13が開いた状態にある場合、制御部43は、給紙カセット13が閉じられるのを待って推定ルーチンを実行してもよい。
【0059】
・推定部48は、外部機器の一例であるコンピューター41が有してもよい。出力部49は、記憶部44が記憶した時間情報及び開閉情報を、搬送検出部18または搬送部17の寿命を推定可能な推定部48を有するコンピューター41に出力してもよい。
【0060】
・制御部43は、時間情報と開閉情報を記憶部44に記憶させなくてもよい。
・記憶部44が記憶する時間情報と、開閉情報は、紐づいていなくてもよい。例えば制御部43は、給紙カセット13の開閉がないと判断した後の搬送時間に関する時間情報を記憶部44に記憶してもよい。
【0061】
・制御部43は、リフトアップ動作中の給紙カセット13の開閉を禁止してもよい。制御部43は、リフトアップ動作が終了してから給紙カセット13の開閉を許可してもよい。
【0062】
・リフトアップ動作は、ユーザーが手動で行ってもよい。
・記録装置11は、図示しない移動部と、図示しない戻し機構と、を備えてもよい。移動部は、給紙カセット13が開くのに伴って第1位置から第2位置に移動する。戻し機構は、給紙カセット13が閉じた状態で、移動部を第1位置に戻す。移動部と戻し機構は、少なくとも一方が給紙カセット13に設けられてもよい。移動部と戻し機構は、少なくとも一方が本体12に設けられてもよい。判定部47は、移動部が第1位置にあるか、第2位置にあるかによって、給紙カセット13の開閉の有無を判定してもよい。
【0063】
・記録装置11は、給紙カセット13を備える第1機構と、記録部19を備える第2機構と、を備えてもよい。第1機構と第2機構は、別の装置であってもよい。
・記録装置11は、コンピューター41を備えてもよい。すなわち、記録システム40は、記録装置として機能してもよい。記録装置11とコンピューター41は、有線もしくは無線により直接通信可能に接続されてもよい。
【0064】
・記録システム40は、複数の記録装置11を備えてもよい。記録システム40は、複数のコンピューター41を備えてもよい。記録システム40は、ネットワークNTを介して通信可能なサーバーを備えてもよい。
【0065】
・記録装置11は、出力部49を備えない構成としてもよい。出力部49は、記録装置11とは別に設けられてもよい。記録システム40は、出力部49を備えてもよい。ディスプレイなどの出力部49は、ネットワークNTを介して記録装置11と通信可能に設けられてもよい。
【0066】
・記録装置11は、インクジェット式のプリンターに限らず、レーザープリンター、サーマルプリンター、ドットインパクトプリンター、デジタル印刷機などでもよい。
・記録装置は、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりして記録を行う液体噴射装置であってもよい。液体噴射装置から微小量の液滴となって吐出される液体の状態としては、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。ここでいう液体は、液体噴射装置から噴射させることができるような材料であればよい。例えば、液体は、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属、金属融液、のような流状体を含むものとする。液体は、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなども含むものとする。液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造等に用いられる電極材や色材等の材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する装置がある。液体噴射装置は、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であってもよい。液体噴射装置は、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ、光学レンズ、などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する装置であってもよい。液体噴射装置は、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する装置であってもよい。
【0067】
[定義]
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【0068】
[付記]
以下に、上述した実施形態及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。
【0069】
(A)記録装置は、媒体を収容し、開閉可能に設けられた給紙カセットと、前記給紙カセットに収容された前記媒体を、搬送経路に沿って搬送する搬送部と、前記搬送経路に設けられた検出位置において、前記媒体を検出する搬送検出部と、前記搬送検出部の検出結果に基づいて、前記給紙カセットから供給された前記媒体が前記検出位置に到達するまでの搬送時間を算出する算出部と、前記給紙カセットの開閉の有無を判定する判定部と、前記搬送時間に関する時間情報、及び前記給紙カセットの開閉判定に関する開閉情報に基づいて、前記搬送検出部または前記搬送部の寿命を推定する推定部と、を備える。
【0070】
給紙カセット内の媒体は、給紙カセットが開閉されるのに伴って状態が変化する可能性がある。この構成によれば、推定部は、搬送時間に関する時間情報に加え、給紙カセットの開閉に関する開閉情報に基づいて搬送検出部または搬送部の寿命を推定する。したがって、搬送検出部または搬送部の劣化度合いの推定精度を向上させることができる。
【0071】
(B)記録装置において、前記給紙カセットは、前記媒体を昇降可能なリフト機構を有し、前記リフト機構は、前記媒体を上昇させるリフトアップ動作を実行可能であり、前記判定部は、前記記録装置の電源投入時における前記リフトアップ動作の有無に基づいて、前記記録装置の電源がオフされている間の前記給紙カセットの開閉の有無を判定してもよい。
【0072】
この構成によれば、判定部は、電源投入時のリフトアップ動作の有無に基づいて、電源がオフされている間の給紙カセットの開閉の有無を判定する。一般にリフト機構は、上昇して供給位置に移動することで、媒体を供給可能な状態に維持する。しかし、リフト機構が供給位置に位置する場合、媒体が給紙カセットの開閉を阻害する虞がある。そのため、リフト機構は、給紙カセットが開くのに伴って供給位置よりも下方のセット位置に移動することで媒体を下降させる。供給位置からセット位置へは自重で移動するため、リフト機構は、記録装置の電源が投入されていない状態でも移動することができる。しかし、記録装置の電源が投入されていない状態では、リフト機構は、セット位置から供給位置に移動することができない。リフト機構は、記録装置の電源が投入されるのを待ってリフトアップ動作を行う。給紙カセットの開閉の有無と、リフトアップ動作の有無は相関する。すなわち、給紙カセットが開閉されない場合、リフト機構は供給位置に位置するため、リフトアップ動作は実行されない。給紙カセットか開閉された場合、リフト機構はセット位置に位置するため、リフトアップ動作が実行される。したがって、リフトアップ動作の有無を給紙カセットの開閉判定に利用することで、例えば給紙カセットの状態を把握するための機構を別に設ける場合に比べて部材点数の増加を抑制できる。
【0073】
(C)記録装置は、供給位置にある前記リフト機構を検出するリフト検出部と、前記リフト検出部の検出結果に基づいて、前記リフト機構を制御する制御部と、を備えてもよい。
【0074】
この構成によれば、制御部は、リフト検出部の検出結果に基づいてリフト機構を制御する。そのため、ユーザーがリフト機構を操作する場合に比べ、ユーザーの手間を省くことができる。
【0075】
(D)記録装置において、前記リフトアップ動作中に前記給紙カセットが開けられる場合、前記リフト機構は、前記媒体を下降させてもよい。
この構成によれば、リフト機構は、リフトアップ動作中に給紙カセットが開かれる場合に、媒体を下降させる。そのため、給紙カセットの開閉を媒体が阻害する虞を低減できる。
【0076】
(E)記録装置は、前記時間情報と、前記開閉情報と、を紐づけて記憶する記憶部を備えてもよい。
この構成によれば、記憶部は、開閉情報と時間情報とを紐づけて記憶する。そのため、搬送検出部または搬送部の劣化の速度を推定することができる。
【0077】
(F)記録装置は、媒体を収容し、開閉可能に設けられた給紙カセットと、前記給紙カセットに収容された前記媒体を、搬送経路に沿って搬送する搬送部と、前記搬送経路に設けられた検出位置において、前記媒体を検出する搬送検出部と、前記搬送検出部の検出結果に基づいて、前記給紙カセットから供給された前記媒体が前記検出位置に到達するまでの搬送時間を算出する算出部と、前記給紙カセットの開閉の有無を判定する判定部と、前記搬送時間に関する時間情報、及び前記給紙カセットの開閉判定に関する開閉情報を紐づけて記憶する記憶部と、前記記憶部が記憶した前記時間情報及び前記開閉情報を、前記搬送検出部または前記搬送部の寿命を推定可能な推定部を有する外部機器に出力する出力部と、を備える。
【0078】
この構成によれば、上記記録装置と同様の効果を奏することができる。
(G)寿命推定方法は、媒体を収容し、開閉可能に設けられた給紙カセットと、前記給紙カセットに収容された前記媒体を搬送経路に沿って搬送する搬送部と、前記搬送経路に設けられた検出位置において、前記媒体を検出する搬送検出部と、を有する記録装置の寿命推定方法であって、前記給紙カセットから供給された前記媒体が前記検出位置に到達するまでの搬送時間を算出することと、前記給紙カセットの開閉の有無を判定することと、前記搬送時間に関する時間情報、及び前記給紙カセットの開閉判定に関する開閉情報に基づいて、前記搬送検出部または前記搬送部の寿命を推定することと、を含む。
【0079】
この方法によれば、上記記録装置と同様の効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0080】
11…記録装置、12…本体、13…給紙カセット、14…カセット検出部、15…リフト検出部、16…給送部、17…搬送部、18…搬送検出部、19…記録部、20…スタッカー、21…媒体、22…搬送経路、24…リフト機構、25…リフトモーター、26…ホッパー、27…維持部、29…給送ローラー、30…分離部、32…搬送ローラー、33…搬送ベルト、34…プーリー、37…ノズル、38…ノズル面、40…記録システム、41…コンピューター、43…制御部、44…記憶部、45…操作部、46…算出部、47…判定部、48…推定部、49…出力部、Dc…搬送方向、NT…ネットワーク、Pf…供給位置、Ps…セット位置。
図1
図2
図3