(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057707
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】電気光学装置および電子機器
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20240418BHJP
G02F 1/1368 20060101ALI20240418BHJP
G02F 1/1335 20060101ALI20240418BHJP
G02B 3/00 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
G09F9/30 349Z
G09F9/30 338
G02F1/1368
G02F1/1335
G02B3/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022164540
(22)【出願日】2022-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】古我 祐貴
【テーマコード(参考)】
2H192
2H291
5C094
【Fターム(参考)】
2H192AA24
2H192BC42
2H192CB02
2H192CB34
2H192CB53
2H192CC33
2H192DA43
2H192DA52
2H192EA13
2H192EA15
2H192EA66
2H192GD46
2H192HA14
2H192HA88
2H192JB02
2H291FA56Y
2H291FA64Y
2H291FB12
2H291FC02
2H291FC22
2H291GA19
2H291LA40
2H291MA13
5C094AA01
5C094BA03
5C094BA43
5C094CA19
5C094DA13
5C094DB01
5C094ED01
5C094HA02
5C094HA04
5C094HA05
5C094HA08
(57)【要約】
【課題】ノッチによる影響を抑制できる電気光学装置を提供すること。
【解決手段】第1層321と、第1層321に積層された第2層322と、第1層321及び第2層322の一部を除去して設けられた凹部32cに沿って設けられた第3層323と、を有する透光層32と、凹部32cを埋めるように第3層323に積層されたレンズ層34と、を備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1層と、前記第1層に積層された第2層と、前記第1層及び前記第2層の一部を除去して設けられた凹状のレンズ面に沿って設けられた第3層と、を有する透光層と、
前記レンズ面を埋めるように前記第3層に積層されたレンズ層と、を備える、
電気光学装置。
【請求項2】
前記レンズ面は、前記第1層と前記第2層との間にノッチを有する、
請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
画素電極と、
前記画素電極に対応して設けられたトランジスターと、
前記画素電極と前記トランジスターとを電気的に接続するための中継層と、を備え、
前記第3層は、前記中継層と前記画素電極とを電気的に接続するためのコンタクトホールの側面に沿って設けられている、
請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項4】
前記コンタクトホール内に、前記中継層と前記画素電極とを電気的に接続するための接続部材を備え、
前記第3層は、前記コンタクトホールの側面と前記接続部材との間に設けられている、
請求項3に記載の電気光学装置。
【請求項5】
前記第1層、前記第2層及び前記第3層は、それぞれ同一材料で構成される、
請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の電気光学装置を備えた電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気光学装置および当該電気光学装置を備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
素子基板の基板本体上に形成された画素電極と、画素電極と基板との間に形成されたスイッチング素子と、画素電極とスイッチング素子との間に形成されたレンズを備えた電気光学装置が、特許文献1に記載されている。
特許文献1のものでは、透光層に設けられた凹部と、凹部を埋めるように配置されたレンズ層とを備え、透光層は、複数の透光層で構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明者等の実験結果によれば、複数の透光層をエッチングして凹部を形成すると、凹部にノッチが入ってしまい、凹部に積層するレンズ層の屈折面が、なめらかな曲面にならない、という課題があることが分かった。
本発明は、上述した課題に鑑みなされたものであり、ノッチによる影響を抑制できる電気光学装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の一態様に係る電気光学装置は、第1層と、前記第1層に積層された第2層と、前記第1層及び前記第2層の一部を除去して設けられた凹状のレンズ面に沿って設けられた第3層と、を有する透光層と、前記レンズ面を埋めるように前記第3層に積層されたレンズ層と、を備える。
【0006】
本願の一態様に係る電子機器は、上記に記載の電気光学装置を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】
図1のII-II線に沿う電気光学装置の断面図。
【
図4】素子基板の表示領域の断面構造を示す説明図。
【
図7】光学機能層の製造方法を示すフローチャート。
【
図14】光学機能層の製造方法を示すフローチャート。
【
図19】実施形態3に係る電子機器の一例を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
なお、以下の各図面においては各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
また、以下では、説明の便宜上、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を適宜用いて説明する。また、X軸に沿う一方向をX1方向と表記し、X1方向とは反対の方向をX2方向と表記する。同様に、Y軸に沿う一方向をY1方向と表記し、Y1方向とは反対の方向をY2方向と表記する。Z軸に沿う一方向をZ1方向と表記し、Z1方向とは反対の方向をZ2方向と表記する。また、以下では、Z1方向またはZ2方向に見ることを「平面視」とし、Z軸を含む断面に対して垂直方向から見ることを「断面視」とする。
【0009】
さらに、以下の説明において、例えば基板に対して、「基板上に」との記載は、基板の上に接して配置される場合、基板の上に他の構造物を介して配置される場合、または基板の上に一部が接して配置され、一部が他の構造物を介して配置される場合のいずれかを表すものとする。また、ある構成の上面との記載は、当該構成のZ1方向側の面、例えば「透光層の上面」は透光層のZ1方向側の面、を示すものとする。また、ある構成の下面との記載は、当該構成のZ2方向側の面、例えば「レンズ層の下面」はレンズ層のZ2方向側の面、を示すものとする。
【0010】
1.実施形態1
本実施形態では、電気光学装置として、画素ごとにスイッチング素子としてTFT(Thin Film Transistor)を備えたアクティブ駆動型の液晶装置を例に挙げて説明する。この液晶装置は、例えば、後述する電子機器としての投射型表示装置において、光変調装置として用いられる。
【0011】
1.1.液晶装置の構造の概要
本実施形態に係る電気光学装置としての液晶装置の構造について、
図1と
図2とを参照して説明する。
図1は、実施形態1に係る電気光学装置の平面図を示し、電気光学装置として透過型の液晶装置300の概略的な平面構成を示す。
図2は、
図1のII-II線に沿う電気光学装置の断面図であり、液晶装置300の概略的な断面構成を示す。
【0012】
図1および
図2に示すように、液晶装置300は、透光性を有する素子基板100と、透光性を有する対向基板200と、枠状に設けられたシール部材8と、液晶層Lcとを有する。なお、「透光性」とは、可視光に対する透過性を意味し、好ましくは可視光の透過率が50%以上であることをいう。
【0013】
液晶装置300は、画像を表示する表示領域A1と、平面視において表示領域A1の外側に位置する外側領域A2とを有する。表示領域A1には、行列状に配列される複数の画素Pが設けられる。なお、
図1に示す液晶装置300の形状は、四角形であるが、例えば円形であってもよい。
【0014】
図2に示すように、素子基板100と対向基板200とは、液晶層Lcを介して配置される。
本実施形態では、液晶層Lcの光入射側に、対向基板200が配置され、液晶層Lcの光出射側に、素子基板100が配置される。対向基板200に入射した入射光ILは、液晶層Lcで変調されて、変調光MLとして素子基板100から射出される。
【0015】
素子基板100は、基体90と層間絶縁層82を含む複数の層間絶縁層と画素電極10と配向膜12とを有する。また、図示しないが、画素電極10と層間絶縁層82との間には、後述するレンズ層34が設けられる。
【0016】
基体90は、透光性および絶縁性を有する平板である。基体90は、例えばガラス基板または石英基板である。複数の層間絶縁層の層間には、後述するトランジスター1が配置される。
画素電極10は、透光性を有する。画素電極10は、例えばITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)およびFTO(Fluorine-doped tin oxide)等の透明導電材料によって、形成される。画素電極10の厚さ方向は、Z1方向またはZ2方向と一致する。
配向膜12は、透光性および絶縁性を有する。配向膜12は、液晶層Lcの液晶分子を配向させる。配向膜12の材料としては、例えば酸化ケイ素またはポリイミドが挙げられる。
【0017】
対向基板200は、素子基板100に対向して配置される基板である。対向基板200は、基体210、絶縁層220、共通電極230、および配向膜240を有する。
【0018】
基体210は、透光性および絶縁性を有する平板である。基体210は、例えばガラス基板または石英基板である。
絶縁層220は、透光性および絶縁性を有する。絶縁層220の材料は、例えば酸化ケイ素等の無機材料である。
【0019】
共通電極230は、複数の画素電極10に対向して配置される電極であり、対向電極と言い換えられる。共通電極230は、例えばITO、IZOおよびFTO等の透明導電材料を含む。共通電極230と画素電極10とは、液晶層Lcに電界を印加する。
配向膜240は、透光性および絶縁性を有する。
【0020】
シール部材8は、素子基板100と対向基板200との間に配置される。シール部材8は、例えばエポキシ樹脂等の各種硬化性樹脂を含む接着剤等を用いて形成される。シール部材8は、ガラス等の無機材料で構成されるギャップ材を含んでもよい。
【0021】
液晶層Lcは、素子基板100、対向基板200およびシール部材8によって囲まれる領域内に配置される。液晶層Lcは、複数の画素電極10と共通電極230との間に配置される。液晶層Lcは、電界に応じて光学的特性が変化する電気光学層である。液晶層Lcは、正または負の誘電異方性を有する液晶分子を含む。液晶分子の配向は、液晶層Lcに印加される電界に応じて変化する。液晶層Lcは、印加される電界に応じて入射光ILを変調する。
【0022】
図1に示すように、素子基板100の外側領域A2に、複数の走査線駆動回路6、データ線駆動回路7、および複数の外部端子9が配置される。複数の外部端子9の一部は、図示しない配線を介して走査線駆動回路6またはデータ線駆動回路7に接続される。また、複数の外部端子9は、外部から共通電位が印加される端子を含む。
【0023】
1.2.素子基板の電気的な構成
図3は、素子基板の電気的な構成を示す等価回路図である。
図3に示すように、素子基板100の表示領域A1には、スイッチング素子としての複数のトランジスター1、n本の走査線3、m本のデータ線4、およびm本の容量線5が設けられる。nおよびmはそれぞれ2以上の整数である。n本の走査線3とm本のデータ線4との各交差に対応してトランジスター1が配置される。
【0024】
n本の走査線3のそれぞれはX1方向に延在し、n本の走査線3はY1方向に等間隔で並ぶ。n本の走査線3のそれぞれは、対応するトランジスター1のゲート電極に電気的に接続される。n本の走査線3は、
図1に示す走査線駆動回路6に電気的に接続される。
走査線駆動回路6は、1~n本の走査線3に、走査信号G1、G2、…、およびGnを、線順次で供給する。
【0025】
m本のデータ線4のそれぞれはY1方向に延在し、m本のデータ線4はX1方向に等間隔で並ぶ。m本のデータ線4のそれぞれは、対応する複数のトランジスター1のソース領域に電気的に接続される。m本のデータ線4は、
図1に示すデータ線駆動回路7に電気的に接続される。
データ線駆動回路7は、1~m本のデータ線4に、画像信号E1、E2、…、およびEmを、供給する。
【0026】
n本の走査線3とm本のデータ線4とは、互いに電気的に絶縁されており、平面視において格子状に配置される。隣り合う2つの走査線3と隣り合う2つのデータ線4とで囲まれる領域が画素Pに対応する。
画素P毎に画素電極10が設けられる。画素電極10は、トランジスター1のドレイン領域に電気的に接続される。
【0027】
m本の容量線5のそれぞれはY1方向に延在し、m本の容量線5はX1方向に等間隔で並ぶ。また、m本の容量線5は、m本のデータ線4およびn本の走査線3に対して電気的に絶縁されており、これらに対して間隔をもって配置される。各容量線5には、共通電位またはグランド電位等の固定電位が印加される。
【0028】
容量素子2の一方の電極は、容量線5に電気的に接続される。容量素子2の他方の電極は、画素電極10に電気的に接続され、画素電極10に供給される画像信号の電位を保持する。
【0029】
1.3.素子基板の表示領域の断面構造
図4は、素子基板の表示領域の断面構造を示す説明図であり、表示領域A1に設けられた画素Pの断面構造を示す。
図4に示すように、表示領域A1において、素子基板100は、絶縁性または導電性の機能層または機能膜が基体90上に積層された、断面構造を有する。
【0030】
基体90と層間絶縁層82との間には、遮光層80が配置される。
遮光層80は、遮光性を有する導電材料で形成される。遮光性を有する導電材料としては、例えば、タングステン(W)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、鉄(Fe)およびアルミニウム(Al)等の金属、金属窒化物ならびに金属シリサイド等の金属材料を用いることができる。遮光層80は、走査線3の一部を構成する。なお、「遮光性」とは、可視光に対する遮光性を意味し、好ましくは、可視光の透過率が50%未満であることをいい、より好ましくは、10%以下であることをいう。
【0031】
層間絶縁層82は、透光性および絶縁性を有する。層間絶縁層82は、例えば、酸化ケイ素等の無機材料によって、形成される。
層間絶縁層82上には、トランジスター1が配置される。
【0032】
トランジスター1は、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有する半導体層70と、ゲート電極74と、ゲート絶縁層72とを有する。
半導体層70は、ドレイン領域70d、LDD領域70a、チャネル領域70c、LDD領域70bおよびソース領域70sを有する。
【0033】
チャネル領域70cは、ソース領域70sとドレイン領域70dとの間に位置する。LDD領域70bは、チャネル領域70cとソース領域70sとの間に位置する。LDD領域70aは、チャネル領域70cとドレイン領域70dとの間に位置する。
半導体層70は、例えば、ポリシリコンであり、チャネル領域70cを除く領域には、導電性を高める不純物がドープされる。LDD領域70bおよびLDD領域70a中の不純物濃度は、ソース領域70sおよびドレイン領域70d中の不純物濃度よりも低い。
【0034】
半導体層70上には、ゲート絶縁層72を介して、ゲート電極74が設けられる。ゲート電極74は、半導体層70のチャネル領域70cに重なる。
ゲート電極74は、例えば、ポリシリコンに導電性を高める不純物がドープされることにより形成される。なお、ゲート電極74は、金属、金属シリサイドおよび金属化合物の導電性を有する材料を用いて形成されてもよい。
【0035】
ゲート絶縁層72は、例えば、熱酸化またはCVD(Chemical Vapor Deposition)法等で成膜される酸化ケイ素で構成される。
ゲート電極74と遮光層80との間は、ゲート絶縁層72と層間絶縁層82とを貫通するコンタクトホール81を介して電気的に接続される。
【0036】
トランジスター1上には、層間絶縁層76を介して、導電層60と中継層62とが設けられる。導電層60と中継層62とは、同層に設けられ、遮光性の導電材料で形成される。層間絶縁層76は、層間絶縁層82と同様の材料によって、形成される。
導電層60は、データ線4の一部を構成する。導電層60は、層間絶縁層76を貫通するコンタクトホール73を介して、半導体層70のソース領域70sに電気的に接続される。
中継層62は、層間絶縁層76を貫通するコンタクトホール71を介して、半導体層70のドレイン領域70dに電気的に接続される。
【0037】
導電層60および中継層62上には、層間絶縁層64が設けられ、層間絶縁層64上には、中継層52が設けられる。中継層52は、遮光性の導電材料で形成される。層間絶縁層64は、層間絶縁層82と同様の材料によって、形成される。
中継層52は、層間絶縁層64を貫通するコンタクトホール61を介して、中継層62に電気的に接続される。
【0038】
中継層52上には、層間絶縁層54を介して、容量素子2が設けられる。
容量素子2は、基体90側に設けられた容量電極50、画素電極10側に設けられた容量電極40、および容量電極50と容量電極40との間に設けられた誘電体層56を有する。容量電極40と容量電極50とは、いずれも遮光性の導電材料で形成される。層間絶縁層54は、層間絶縁層82と同様の材料によって、形成される。
【0039】
容量電極50は、容量線5の一部を構成する。
容量電極40は、層間絶縁層54を貫通するコンタクトホール51を介して、中継層52に電気的に接続される。これによって、容量電極40は、トランジスター1のドレイン領域70dに電気的に接続される。
【0040】
容量電極40と画素電極10との間には、レンズ層34を含む光学機能層LSが設けられる。
光学機能層LSは、光量ロスを抑制するために設けられる。具体的には、画素電極10を通過した通過光が、データ線4や容量線5等の遮光性の材料層に当たってロスとならないように、通過光の光路を調整する。光学機能層LSは、透光層42、透光層32、レンズ層34、透光層22と保護層24とを含む。
【0041】
透光層42は、光路長を調整するためのパス層と称せられる光路長調整層である。透光層42は、酸化ケイ素等の無機材料によって形成される。また、透光層42の上面は、CMP(Chemical Mechanical Polishing)等によって平坦化されている。
【0042】
透光層32は、光路長調整層である。
透光層32は、第1層321、第1層に積層された第2層322、および第1層321と第2層322との一部を除去して設けられた凹部32cに沿って設けられた第3層323を有する。本実施形態において、凹部32cは、凹状のレンズ面に対応する。
【0043】
凹部32cは、第1層321と第2層322との界面に、ノッチ32nを有する。凹部32cは、お椀状の曲面を有する。
第1層321、第2層322および第3層323は、いずれも酸化ケイ素で形成される。
【0044】
レンズ層34は、凹部32cを埋めるように第3層323に積層される。レンズ層34の下面34sは、凹部32cに沿った凸形状の曲面を有する。レンズ層34は、透光層32と屈折率の異なる無機材料、例えば酸窒化ケイ素、によって形成される。したがって、第3層323とレンズ層34との境界面であるレンズ層34の下面34sが、屈折面である。
レンズ層34は、酸窒化ケイ素を、凹部32cを埋めるように成膜した後、CMP等によって平坦化されて形成される。
【0045】
透光層22は、レンズ層34上に設けられる。
透光層22は、透光層42と同様に酸化ケイ素等の無機材料によって形成される。透光層22の層厚は、透光層32の層厚よりも薄い。
【0046】
コンタクトホール23は、画素電極10とコンタクトプラグ31との電気的な接続を良好に行うために設けられている。コンタクトホール33は、後述するように、4つの画素電極10の間の隙間に設けられるため、画素電極10とコンタクトプラグ31とを直接接続することができない。
したがって、画素電極10とコンタクトプラグ31とは、中継層20とコンタクトホール23内に設けられた画素コンタクトプラグ21とを介して電気的に接続される。
【0047】
中継層20は、レンズ層34上に設けられ、平面視で、コンタクトプラグ31と画素電極10とに重なるように設けられる。画素コンタクトプラグ21は、平面視で、中継層20と画素電極10とに重なるように設けられる。
中継層20と画素電極10との間に透光層22を設けることで、4つの画素電極10の間の隙間に、コンタクトプラグ31を設けることができ、レイアウトの制約を満たすことができる。
【0048】
保護層24は、透光層22上に設けられる。保護層24は、例えば、BSG(Borosilicate Glass)等の透光性および吸湿性を有する無機材料で構成される。保護層24上に、画素電極10が設けられる。画素電極10上には、配向膜12が設けられる。
【0049】
画素電極10と容量電極40とは、画素コンタクトプラグ21、中継層20、コンタクトプラグ31、中継層30、およびコンタクトプラグ41を介して、電気的に接続される。これによって、画素電極10は、トランジスター1のドレイン領域70dに電気的に接続される。
【0050】
画素コンタクトプラグ21は、コンタクトホール23内に設けられる。コンタクトホール23は、保護層24と透光層22とを貫通して設けられる。画素コンタクトプラグ21は、タングステン等の導電材料によって形成される。
【0051】
中継層20は、画素コンタクトプラグ21の材料としてタングステンを用いる場合、タングステンと良好な導通が取れる材料、例えば、窒化チタン等で形成する。
【0052】
コンタクトプラグ31は、コンタクトホール33内に設けられる。コンタクトホール33は、レンズ層34と透光層32とを貫通して設けられる。コンタクトプラグ31は、タングステン等の導電材料によって形成される。
【0053】
中継層30は、透光層32と透光層42との間に設けられる。コンタクトプラグ31の材料としてタングステンを用いる場合、中継層30は、タングステンと良好な導通が取れる材料、例えば、窒化チタン等で形成する。
【0054】
コンタクトプラグ41は、コンタクトホール43内に設けられる。コンタクトホール43は、透光層42を貫通して設けられる。
コンタクトプラグ41は、タングステン等の導電材料によって形成される。コンタクトプラグ41は、中継層30、容量電極40、およびコンタクトプラグ31に接触して、中継層30およびコンタクトプラグ31と、容量電極40とを電気的に接続する。
【0055】
1.4.素子基板の表示領域の平面構造
図5は、素子基板の表示領域の一部を示す平面図であり、素子基板100の表示領域A1を、液晶層Lc側からZ2方向に見た図である。なお、
図5では、画素電極10を実線で描画し、画素電極10よりも基体90側に設けられた光学機能層LSに含まれる構成を破線で描画した。また、以下に示す平面図では、レンズ層34の下面34sの曲面形状を二点鎖線の2重円で示すとともに、隣り合う2つの画素Pのレンズ層34の下面34s同士が接する境界を境界線34bで示した。
【0056】
図5に示すように、画素電極10は、X軸およびY軸に沿ってマトリクス状に配置される。
画素コンタクトプラグ21は、画素電極10と重なる位置、本実施形態では画素電極10の四隅のうちの図面左下の角と重なる位置に設けられる。
【0057】
中継層20の形状は、矩形である。中継層20の四隅のそれぞれは、画素電極10のX2方向、Y2方向、および対角方向に隣り合う4つの画素電極10のそれぞれの角と、重なるように設けられる。
画素コンタクトプラグ21は、平面視において中継層20の四隅のうちの一つの角に設けられる。
【0058】
コンタクトホール33は、平面視において中継層20と重なる位置に設けられ、4つの画素電極10の間の隙間と重なるように設けられる。
コンタクトプラグ31は、本実施形態において、画素コンタクトプラグ21と、平面視において重ならない位置に設けられる。コンタクトプラグ31と画素コンタクトプラグ21とが重ならないにようにするため、コンタクトプラグ31は、中継層20において画素コンタクトプラグ21が設けられた角の対角の角に寄せて設けられる。
【0059】
このように画素コンタクトプラグ21をコンタクトプラグ31と重ならない位置に設けた場合、画素コンタクトプラグ21をコンタクトプラグ31と重なる位置に設けた場合よりも、画素コンタクトプラグ21と重なる画素電極10の成膜性を向上させることができる。
【0060】
中継層30は、中継層20と同じ大きさおよび形状に設けられる。中継層20と中継層30とは、平面視において略完全に重なる。
コンタクトプラグ41は、コンタクトプラグ31と重なる位置に設けられる。より具体的には、コンタクトプラグ41とコンタクトプラグ31とは、平面視において略完全に重なる。
【0061】
容量電極40は、幅広部40wと、幅広部40wから走査線3と重なるようにX1方向に沿って延在する延在部と、幅広部40wからデータ線4と重なるようにY1方向に沿って延在する延在部と、を有する。
幅広部40wは、コンタクトホール33、コンタクトホール43、コンタクトホール51と重なるように設けられている。また、幅広部40wは、平面視において中継層20と略完全に重なる形状に設けられる。
【0062】
本実施形態において、境界線34bが交差する箇所とコンタクトプラグ31とが重なっている。これは、コンタクトプラグ31が、レンズ層34の下面34sを貫通して設けられていることを示す。
【0063】
1.5.素子基板の表示領域の光学機能層の構造
図6は、
図5のVI-VI線に沿う断面図であり、光学機能層LSの断面構造を示す。
図6に示すように、凹部32cは、ノッチ32nを有する。ノッチ32nは、第1層321および第2層322をエッチングした際に、凹部32cに露出する第1層321と第2層322との界面に発生した切り欠きである。
【0064】
凹部32c上には、第3層323が設けられる。
第3層323は、ノッチ32nを埋めるように設けられる。ノッチ32nに重なる第3層323の上面は、ノッチ32nの形状が転写されることなく、なめらかな曲面形状に形成される。したがって、第3層323を介してノッチ32n上に積層されるレンズ層34の下面34sは、なめらかな曲面形状に形成され、ノッチ32nによる影響は、抑制される。
【0065】
コンタクトプラグ31は、逆円錐台の形状を有する。したがって、コンタクトプラグ31の上面側の方が、下面側よりも太い。
コンタクトホール33のアスペクト比は、他のコンタクトホール、例えば、コンタクトホール43のアスペクト比に比べて約2倍以上高い。本実施形態において、コンタクトホール33の深さLは、約5~10μmであり、コンタクトホール33の内径Dが、約1μmである。アスペクト比L/Dは、約5~10である。
【0066】
コンタクトホール33は、ドライエッチング等の異方性エッチングによって形成する。エッチングを、レンズ層34と透光層32とを貫通した後、中継層30の上面を露出する位置で、止めることは難しい。したがって、図示しないが、コンタクトホール33の底は、中継層30内に、形成されてもよい。
【0067】
コンタクトホール33を介した電気的な接続を確実に行うため、コンタクトホール33は、平面視においてコンタクトプラグ41と重なる位置に設けられる。これによって、コンタクトホール33が中継層30を貫通しても、コンタクトホール33の底は、コンタクトプラグ41内に形成される。したがって、コンタクトホール33に充填されるコンタクトプラグ31は、コンタクトプラグ41に直接接触するため、コンタクトプラグ31とコンタクトプラグ41との電気的な接続を確実に行うことができる。
【0068】
1.6.光学機能層の製造方法
次に、光学機能層LSの製造方法について、
図7から
図12を参照して説明する。
図7は、光学機能層LSの製造方法を示すフローチャートである。
図8から
図12は、各製造過程における一態様を示す断面図であり、各図における断面位置は、
図6と同様である。
【0069】
ステップS10では、窒化チタンを含む導電材料からなる中継層としての容量電極40を形成する。
ステップS20では、容量電極40上に、酸化ケイ素からなる透光層42を形成する。
ステップS30では、透光層42にコンタクトホール43を形成する。
ステップS40では、コンタクトホール43にタングステンを充填して、コンタクトプラグ41を形成する。
ステップS50では、コンタクトプラグ41と、平面視において重なる位置に、窒化チタンを含む導電材料からなる中継層30を形成する。
【0070】
ステップS60では、
図8に示すように中継層30上に、透光層32の第1層321を形成する。第1層321は、酸化ケイ素を、HDP-CVD(高密度プラズマCVD法)によって、例えば、4μm程度の厚さに成膜する。
【0071】
ステップS70では、透光層32の第2層322を形成する。第2層322は、第1層321と同じ材料および成膜法で形成する。本実施形態では、第2層322は、第1層321上に、酸化ケイ素を、HDP-CVDによって、例えば、3μm程度の厚さに成膜する。
【0072】
このように第1層321と第2層322との層厚の合計は、約7μmとなる。このような厚い層厚のバルク層を、1度の成膜で形成することは困難なため、本実施形態では、バルク層としての透光層32を、第1層321と第2層322とに分けて成膜している。
【0073】
ステップS80では、凹部32cを形成する。
図9に示すように第1層321及び第2層322からなる積層膜の一部をエッチングによって除去して、凹状のレンズ面としての凹部32cを形成する。
凹部32cは、第1層321と第2層322との間に、ノッチ32nを有する。ノッチ32nは、凹部32cを形成する際に、第1層321と第2層322との界面に生じる。
【0074】
ステップS90では、凹部32cをエッチバックする。この工程では、
図10に示すように、凹部32cが、所望の形状となるように、エッチバックされる。ノッチ32nは、エッチバックされた後において、消えることなく残る。
【0075】
ステップS100では、透光層32の第3層323を形成する。第3層323は、第1層321および第2層322と同じ材料および成膜法で形成する。
本実施形態では、第3層323は、凹部32c上に、酸化ケイ素を、HDP-CVDによって、例えば、500~1000Å程度の厚さに成膜する。なお、第3層323は、ALD(Atomic Layer Deposition)を用いて成膜してもよい。
【0076】
図11に示すように、第3層323の成膜によって、ノッチ32nは埋められ、ノッチ32nに重なる第3層323の上面は、ノッチ32nの形状が転写されることなく、なめらかな曲面形状に形成される。したがって、第3層323上に積層されるレンズ層34の下面34sにノッチ32nによる影響が生じることを抑制できる。
【0077】
ステップS110では、レンズ層34を形成する。
図12に示すように、レンズ層34は、凹部32cを埋めるように、第3層323上に積層される。レンズ層34は、酸窒化ケイ素を、PCVD(Plasma Chemical Vapor Deposition)によって、例えば、2~3μm程度の厚さに成膜する。
上述したように、レンズ層34の下面34sは、ノッチ32nによる影響を受けることなく、なめらかな曲面に形成される。
【0078】
ステップS120では、コンタクトホール33を形成する。この工程では、レンズ層34と、透光層32の第3層323、第2層322、および第1層321とを貫通して、中継層30を露出するコンタクトホール33を形成する。
【0079】
ステップS130では、コンタクトホール33に、接続部材としてのコンタクトプラグ31を形成する。
【0080】
ステップS140では、中継層20を形成する。コンタクトプラグ31と、平面視において重なる位置に、窒化チタンを含む導電材料からなる中継層20を形成する。
ステップS150では、中継層20上に、酸化ケイ素からなる透光層22を形成する。
ステップS160では、保護層24を形成する。
【0081】
ステップS170では、保護層24および透光層22を貫通して、中継層20を露出する画素コンタクトホールとしてのコンタクトホール23を形成する。
ステップS180では、コンタクトホール23に画素コンタクトプラグ21を形成する。
ステップS190では、画素電極10を形成する。
【0082】
以上、述べたとおり、本実施形態の電気光学装置としての液晶装置300は、第1層321と、第1層321に積層された第2層322と、第1層321及び第2層322の一部を除去して設けられた凹状のレンズ面としての凹部32cに沿って設けられた第3層323と、を有する透光層32と、凹部32cを埋めるように第3層323に積層されたレンズ層34と、を備える。
このように、第3層323は、第1層321及び第2層322の一部を除去して設けられた凹部32cに沿って設けられ、レンズ層34は、第3層323に積層されている。よって、レンズ層34の下面34sをなめらかな曲面とすることができる。
【0083】
本実施形態の液晶装置300は、さらに、凹部32cは、第1層321と第2層322との間にノッチ32nを有する。
よって、ノッチ32nとレンズ層34との間には、第3層323が積層されるため、レンズ層34の下面34sが、ノッチ32nによって、影響を受けることを抑制できる。
【0084】
本実施形態の液晶装置300は、さらに、第1層321、第2層322及び第3層323は、それぞれ同一材料で構成される。
よって、凹部32cにノッチ32nが発生しても、ノッチ32nが、第3層323の上面に転写されることを抑制することができる。
【0085】
2.実施形態2
実施形態2に係る電気光学装置としての液晶装置300の構造について、
図13を参照して説明する。
図13は、実施形態2に係る電気光学装置の断面図であり、実施形態1の
図6と同様に、
図5のVI-VI線に沿う断面図である。
実施形態2は、第3層323が、コンタクトホール33の側面に沿って設けられている点で、実施形態1と異なる。なお、実施形態1と同じ構成には、同じ符号を付して、説明を省略する。
【0086】
図13に示すように本実施形態において、第3層323は、凹部32c上に加え、コンタクトホール33の側面とコンタクトプラグ31との間に設けられる。
第3層323が、コンタクトホール33の側面に設けられるため、コンタクトホール33に充填されるコンタクトプラグ31の直径を、実施形態1よりも小さくすることができる。したがって、遮光性のコンタクトプラグ31によって遮光される領域が小さくなるため、高開口率化や微細化に適した構成とすることができる。
【0087】
コンタクトプラグ31と中継層20との間は、レンズ層34を貫いて、コンタクトプラグ31を露出するコンタクトホール37を介して、電気的に接続される。コンタクトホール37内には、コンタクトプラグ36が設けられる。コンタクトプラグ36は、タングステン等の導電材料によって形成される。
なお、コンタクトプラグ31とコンタクトプラグ36との間に、中継層を設けて、中継層を介して、コンタクトプラグ31とコンタクトプラグ36とを電気的に接続する構成としてもよい。
【0088】
次に、実施形態2の光学機能層LSの製造方法について、
図14から
図18を参照して説明する。
図14は、光学機能層LSの製造方法を示すフローチャートである。
図15から
図18は、各製造過程における一態様を示す断面図であり、各図における断面位置は、
図6と同様である。
ステップS10からステップS90までは、実施形態1と同じであるため、説明を省略する。
【0089】
ステップS91では、コンタクトホール33を形成する。
図15に示すように、凹部32cを設けた後、第3層323およびレンズ層34を形成する前に、第2層322および第1層321を貫いて、中継層30を露出するコンタクトホール33を形成する。
【0090】
ステップS101では、透光層32の第3層323を形成する。第3層323は、凹部32c上およびコンタクトホール33内に、酸化ケイ素を、ALDによって、例えば、500~1000Å程度の厚さに成膜する。なお、第3層323は、HDP-CVDによって成膜してもよい。
図16に示すように、第3層323の成膜によって、ノッチ32nは埋められ、ノッチ32nに重なる第3層323の上面は、ノッチ32nの形状が転写されることなく、なめらかな曲面形状に形成される。
【0091】
ステップS102では、コンタクトホール33の底に成膜された第3層323をエッチングによって取り除く。レジストマスクを使用して、コンタクトホール33の底の部分のみをエッチングして、コンタクトホール33の底に中継層30を露出させる。
なお、レジストマスクを使用せず、エッチバックすることにより、コンタクトホール33の底に成膜された第3層323を取り除いてもよい。この場合においても第3層323によってノッチ32nを埋めるとともに、コンタクトホール33の底に中継層30を露出させることができる。
【0092】
ステップS103では、コンタクトホール33内に、コンタクトプラグ31を形成する。
図17に示すようにコンタクトプラグ31とコンタクトホール33の側面との間には、第3層323が設けられるため、コンタクトプラグ31の直径をコンタクトホール33の内径よりも小さくすることができる。
【0093】
ステップS111では、レンズ層34を形成する。
図18に示すように本実施形態では、レンズ層34は、凹部32cを埋めるように、第3層323上に積層されるとともに、コンタクトプラグ31上に積層される。
【0094】
ステップS121では、レンズ層34を貫いて、コンタクトプラグ31を露出するコンタクトホール37を形成する。
ステップS131では、コンタクトホール37にコンタクトプラグ36を形成する。
【0095】
ステップS140では、中継層20を形成する。コンタクトプラグ31およびコンタクトプラグ36と、平面視において重なる位置に、窒化チタンを含む導電材料からなる中継層20を形成する。
ステップS150からステップS190は、実施形態1と同じであるため、説明を省略する。
【0096】
以上、述べたとおり、本実施形態の電気光学装置としての液晶装置300によれば、上記実施形態の効果に加え、以下の効果を得ることができる。
本実施形態の液晶装置300は、さらに、画素電極10と、画素電極10に対応して設けられたトランジスター1と、画素電極10とトランジスター1とを電気的に接続するための中継層30と、を備え、第3層323は、中継層30と画素電極10とを電気的に接続するためのコンタクトホール33の側面に沿って設けられている。
このように、第3層323が、コンタクトホール33の側面に設けられている。よって、コンタクトホール33の内径を小さくすることができ、高開口率化や微細化に適した構成とすることができる。
【0097】
本実施形態の液晶装置300は、さらに、コンタクトホール33内に、中継層30と画素電極10とを電気的に接続するための接続部材としてのコンタクトプラグ31を備え、第3層323は、コンタクトホール33の側面とコンタクトプラグ31との間に設けられている。
このように、第3層323は、コンタクトホール33の側面とコンタクトプラグ31との間に設けられている。よって、コンタクトプラグ31の直径を小さくすることができ、微細化に適した構成とすることができる。また、コンタクトプラグ31によって遮光される遮光領域を小さくして、開口率を向上させることができる。
【0098】
3.実施形態3
図19は、電子機器の一例である投射型表示装置としてのプロジェクターを示す模式図である。
プロジェクター1000は、例えば、上述した液晶装置300を3枚備えた3板式のプロジェクターである。液晶装置300Rは赤色の表示色に対応し、液晶装置300Gは緑色の表示色に対応し、液晶装置300Bは青色の表示色に対応する。制御部1005は、例えばプロセッサーおよびメモリーを含み、液晶装置300R,300G,300Bの動作を制御する。
【0099】
照明光学系1001は、光源である照明装置1002からの出射光のうち赤色成分RLを液晶装置300Rに供給し、緑色成分GLを液晶装置300Gに供給し、青色成分BLを液晶装置300Bに供給する。各液晶装置300R,300G,300Bは、照明光学系1001から供給される各色光RL,GL,BLを表示画像に応じて変調する光変調装置として機能する。
投射光学系1003は、各液晶装置300R,300G,300Bからの出射光を合成してプロジェクタースクリーン1004に投射する。
【0100】
以上、述べたとおり、本実施形態の電子機器としてのプロジェクター1000は、上述した液晶装置300を備える。
よって、光学性能および電気的な信頼性の高い液晶装置300を採用することで、プロジェクター1000の性能を向上させることができる。
【0101】
なお、電子機器は、例示した3板式のプロジェクター1000に限定されない。例えば、単板式、2板式、または、4枚以上の液晶装置300を備えたプロジェクターであってもよい。また、電子機器は、PDA(Personal Digital Assistants)、デジタルスチルカメラ、テレビ、ビデオカメラ、カーナビゲーション装置、車載用の表示器、電子手帳、電子ペーパー、電卓、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、およびPOS(Point of sale)、プリンター、スキャナー、複写機、ビデオプレーヤー、またはタッチパネルを備えた機器等であってもよい。
【0102】
以上、好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されない。また、本発明の各部の構成は、上述の実施形態の同様の機能を発揮する任意の構成に置換でき、また、任意の構成を付加できる。
【符号の説明】
【0103】
1…トランジスター、2…容量素子、3…走査線、4…データ線、5…容量線、6…走査線駆動回路、7…データ線駆動回路、8…シール部材、9…外部端子、10…画素電極、12…配向膜、20…中継層、21…画素コンタクトプラグ、22…透光層、23…コンタクトホール、24…保護層、30…中継層、31…コンタクトプラグ、32…透光層、32c…凹部、32n…ノッチ、321…第1層、322…第2層、323…第3層、33…コンタクトホール、34…レンズ層、34b…境界線、34s…下面、36…コンタクトプラグ、37…コンタクトホール、40…容量電極、40w…幅広部、41…コンタクトプラグ、42…透光層、43…コンタクトホール、50…容量電極、51…コンタクトホール、52…中継層、54…層間絶縁層、56…誘電体層、60…導電層、61…コンタクトホール、62…中継層、64…層間絶縁層、70…半導体層、70a…LDD領域、70b…LDD領域、70c…チャネル領域、70d…ドレイン領域、70s…ソース領域、71…コンタクトホール、72…ゲート絶縁層、73…コンタクトホール、74…ゲート電極、76…層間絶縁層、80…遮光層、81…コンタクトホール、82…層間絶縁層、90…基体、100…素子基板、200…対向基板、210…基体、220…絶縁層、230…共通電極、240…配向膜、300,300B,300G,300R…液晶装置、1000…プロジェクター、1001…照明光学系、1002…照明装置、1003…投射光学系、1004…プロジェクタースクリーン、1005…制御部、A1…表示領域、A2…外側領域、E1…画像信号、G1…走査信号、LS…光学機能層