(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057714
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】電力供給システム
(51)【国際特許分類】
B60L 58/18 20190101AFI20240418BHJP
B60L 50/60 20190101ALI20240418BHJP
B60L 53/80 20190101ALI20240418BHJP
B60L 53/18 20190101ALI20240418BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
B60L58/18
B60L50/60
B60L53/80
B60L53/18
H02J7/00 P
H02J7/00 302C
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022164558
(22)【出願日】2022-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小川 誠
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA07
5G503BA04
5G503BB01
5G503BB05
5G503DA08
5G503FA06
5G503GB03
5H125AA01
5H125AC13
5H125BB05
5H125BC28
(57)【要約】
【課題】満足する動力性能を得ると共に、必要な航続距離に応じたバッテリを搭載すること。
【解決手段】車両に搭載される電力供給システム100は、車両を駆動するモータ1に電力を供給するバッテリ2と、モータ1に電力を供給すると共に交換可能なバッテリ4と、バッテリ4とモータ1との間に接続されると共に、バッテリ4の出力電圧を所定の電圧に変換するDCDCコンバータ3と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される電力供給システムであって、
前記車両を駆動するモータに電力を供給する第1のバッテリと、
前記モータに電力を供給すると共に交換可能な第2のバッテリと、
前記第2のバッテリと前記モータとの間に接続されると共に、前記第2のバッテリの出力電圧を所定の電圧に変換するDCDCコンバータと、
を有することを特徴とする電力供給システム。
【請求項2】
前記第1のバッテリは、
前記第2のバッテリと比較して小容量であると共に出力電力が大きい、
ことを特徴とする請求項1記載の電力供給システム。
【請求項3】
前記DCDCコンバータは、
前記モータによる発電電力を前記第2のバッテリに供給する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電力供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両に搭載される電力供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車用のバッテリは、車両の動力性能及び必要な航続距離を満足させることが求められ、このような要求に応じて仕様が決められる。車両の動力性能はバッテリの出力電力で決まると共に、車両の航続距離はバッテリの容量で決まるため、従来の電気自動車には、航続距離と動力性能との双方を満足する大容量で且つ出力電力の大きいバッテリが搭載されている。
【0003】
しかしながら、大容量で且つ出力電力の大きいバッテリを搭載した場合に、短距離しか走行しない車両のユーザにとっては、必要以上の容量を有するバッテリを搭載することとなり、車両の重量増及びコストの増大を招くこととなる。
【0004】
また、特許文献1は、出力型と容量型との2つのバッテリを用いて駆動モータに電力を供給する電源システムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1においては、短距離しか走行しない車両のユーザにとっては、容量型のバッテリについて車両の重量増及びコスト増となる課題を解決することができない。
【0007】
本開示の目的は、満足する動力性能を得ることができると共に、必要な航続距離に応じたバッテリを搭載することができる電力供給システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る電力供給システムは、車両に搭載される電力供給システムであって、前記車両を駆動するモータに電力を供給する第1のバッテリと、前記モータに電力を供給すると共に交換可能な第2のバッテリと、前記第2のバッテリと前記モータとの間に接続されると共に、前記第2のバッテリの出力電圧を所定の電圧に変換するDCDCコンバータと、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、満足する動力性能を得ることができると共に、必要な航続距離に応じたバッテリを搭載することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施の形態に係る電力供給システムにおいて交換可能な大容量のバッテリを接続した状態の模式図
【
図2】本発明の実施の形態に係る電力供給システムにおいて交換可能な小容量のバッテリを接続した状態の模式図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下に説明する実施の形態は一例であり、本開示はこの実施の形態に限定されるものではない。なお、既に周知な事項の詳細な説明や、実質的に同一の構成に対する重複説明等は、適宜省略する場合がある。
【0012】
<電力供給システムの構成>
本発明の実施の形態1に係る電力供給システム100の構成について、
図1及び
図2を参照しながら、詳細に説明する。
【0013】
電力供給システム100は、図示しない車両に搭載されると共に車両の駆動源であるモータ1に電力を供給する。ここで、モータ1は、車両の駆動輪に接続されており、車両の減速時に車両の運動エネルギーを回生して発電するモータジェネレータ(MG)である。
【0014】
電力供給システム100は、バッテリ2と、DCDCコンバータ3と、バッテリ4と、を有している。
【0015】
バッテリ2は、モータ1に電力を供給すると共に、モータ1による発電電力を充電する。バッテリ2は、バッテリ4と比較して小容量であると共に出力電力が大きい出力型のバッテリであり、例えば車両の発進直後の加速時又は登坂時において数秒乃至数十秒程度に亘ってモータ1に電力を供給することによりモータ1の駆動をアシストする。
【0016】
DCDCコンバータ3は、モータ1とバッテリ4との間に接続されており、モータ1及びバッテリ2と接続する図示しない入出力端子と、バッテリ4と接続する図示しない入出力端子と、を備えている。DCDCコンバータ3は、バッテリ4から供給される電力をモータ1に供給し、モータ1又はバッテリ2から供給される電力をバッテリ4に供給する双方向DCDCコンバータである。DCDCコンバータ3は、充放電電流に合わせた出力電圧調整を行うと共に、バッテリ2の出力電圧を所定の電圧に変換し、バッテリ4の出力電圧を所定の電圧に変換する。
【0017】
DCDCコンバータ3は、交換可能な全てのバッテリ4の出力電圧を入力電圧とすることが可能であり、入力電圧範囲が広くなっている。例えば、DCDCコンバータ3は、12Vのバッテリ4と48Vのバッテリ4との双方を使えるように、10V乃至60Vの入力電圧範囲を有する。
【0018】
バッテリ4は、モータ1に電力を供給すると共にモータ1による発電電力を充電する。バッテリ4は、バッテリ2と比較して大容量の容量型のバッテリである。バッテリ4は、必要な航続距離に応じてバッテリ4aとバッテリ4bとを交換可能になっている。バッテリ4aは、バッテリ4bよりも大容量である。
【0019】
なお、バッテリ4は、バッテリ4a又はバッテリ4bを交換する場合に限らず、3つ以上の異なる容量のバッテリを交換可能である。また、バッテリ4は、中古のバッテリ又は新品のバッテリを交換可能にしてもよいし、複数の異なる充放電電圧のバッテリを交換可能にしてもよい。
【0020】
上記の構成を有する電力供給システム100では、バッテリ4が故障又は過放電した際に、バッテリ4を交換することにより、車両を一時的に自走させることができる。また、バッテリ交換式の電気自動車において、複数の仕様の異なるバッテリ4を使用することができる。更に、通常使用時よりも近距離で使用するために大容量のバッテリ4は不要である場合に、一時的に軽い小容量のバッテリ4に交換することができるため、電費を良くすることができる。
【0021】
このように、本実施の形態によれば、車両を駆動するモータ1に電力を供給するバッテリ2と、モータ1に電力を供給すると共に交換可能なバッテリ4と、バッテリ4とモータ1との間に接続されると共に、バッテリ4の出力電圧を所定の電圧に変換するDCDCコンバータ3と、を有することにより、満足する動力性能を得ることができると共に、必要な航続距離に応じたバッテリ4を搭載することができる。
【0022】
なお、本発明は、部材の種類、配置、個数等は前述の実施の形態に限定されるものではなく、その構成要素を同等の作用効果を奏するものに適宜置換する等、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることはもちろんである。
【0023】
具体的には、上記の実施の形態において、バッテリ4を交換する際にDCDCコンバータ3とバッテリ4との接続をオフにし、バッテリ4の交換が終了した際にDCDCコンバータ3とバッテリ4との接続をオンにするスイッチ又はリレーを設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本開示は、車両に搭載される電力供給システムに好適である。
【符号の説明】
【0025】
1 モータ
2 バッテリ
3 DCDCコンバータ
4 バッテリ
100 電力供給システム
【手続補正書】
【提出日】2024-03-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される電力供給システムであって、
前記車両を駆動するモータに電力を供給する第1のバッテリと、
前記モータに電力を供給すると共に異なる出力電圧のバッテリに交換可能な第2のバッテリと、
前記第2のバッテリと前記モータとの間に接続されると共に、前記第2のバッテリ及び前記異なる出力電圧のバッテリの出力電圧を所定の電圧に変換可能なDCDCコンバータと、
を有することを特徴とする電力供給システム。
【請求項2】
前記第1のバッテリは、
前記第2のバッテリと比較して小容量であると共に出力電力が大きい、
ことを特徴とする請求項1記載の電力供給システム。
【請求項3】
前記DCDCコンバータは、
前記モータによる発電電力を前記第2のバッテリに供給する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電力供給システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明に係る電力供給システムは、車両に搭載される電力供給システムであって、前記車両を駆動するモータに電力を供給する第1のバッテリと、前記モータに電力を供給すると共に異なる出力電圧のバッテリに交換可能な第2のバッテリと、前記第2のバッテリと前記モータとの間に接続されると共に、前記第2のバッテリ及び前記異なる出力電圧のバッテリの出力電圧を所定の電圧に変換するDCDCコンバータと、を有する。