(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057724
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】ブース
(51)【国際特許分類】
E04H 3/08 20060101AFI20240418BHJP
E04H 1/12 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
E04H3/08 C
E04H1/12 305
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022164574
(22)【出願日】2022-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(72)【発明者】
【氏名】山根 隆雅
(72)【発明者】
【氏名】内海 里咲
(57)【要約】
【課題】使いやすいブースを提供可能とする。
【解決手段】ブースであって、空間と内部空間との境界に配置された支柱フレームと、支柱フレームの上端部に連結された複数の梁フレームと、梁フレームと支柱フレームとの間に設けられた面板状のパネル部と、を備え、上面視して梁フレームが矩形に形成されるとともに、互いに対向する面には、2つの出入り口が形成され、2つの出入り口には、それぞれスライド扉が設けられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部空間に対してから内部空間を区画するためのブースであって、
前記内部空間を挟んで互いに反対側に配置される一対の壁面を有して前記外部空間と前記内部空間との境界に設けられた躯体を備え、
一対の前記壁面にはそれぞれ出入り口が設けられ、
それぞれの前記出入り口には前記壁面に沿ってスライドするスライド扉が設けられる、
ことを特徴とするブース。
【請求項2】
2つの前記出入り口は、上面視して互いに前記躯体の中心を挟んで反対側の位置に配置される、
ことを特徴とする請求項1記載のブース。
【請求項3】
2つの前記スライド扉は、スライド方向が互いに平行であり、かつ、開放動作方向が互いに近接する向きである、
ことを特徴とする請求項2記載のブース。
【請求項4】
前記スライド扉は、前記壁面の上端に沿って配置されたスライドレールにスライド自在に吊り下げられる、
ことを特徴とする請求項3記載のブース。
【請求項5】
前記スライド扉が沿ってスライドする前記壁面が、
前記出入り口と、
前記出入り口に隣接して前記出入り口を開放した前記スライド扉が平行に隣接して覆われるパネル部と、
前記パネル部に隣接して前記スライド扉に覆われないパネル部と、
により構成される、
ことを特徴とする請求項3記載のブース。
【請求項6】
前記内部空間を仕切る仕切り什器が収納されて、
前記仕切り什器により仕切られた2つの前記内部空間には、それぞれ異なる前記出入り口から入退室が可能である、
ことを特徴とする請求項3記載のブース。
【請求項7】
前記内部空間は、前記仕切り什器により2つに仕切られたそれぞれが前記出入り口から車椅子による入退室が可能な大きさである、
ことを特徴とする請求項6記載のブース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はブースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ブースに2枚の扉を設けて、それぞれの扉から入室した二人が、共同の作業あるいは打合せを行い、もしくは両者の間に仕切りを設けてそれぞれの人が個人作業を集中して行えるようにしたブースが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-147983号公報
【特許文献2】特開2022-102798号公報
【特許文献3】特開2020-007803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1,2に記載された従来の構造体では、片方の扉から入ってもう片方の扉から出ることができない構成であり、そのような移動が可能な場合も2枚の扉が同一面に設けられている構成しか開示されていない。そのような構成においては、車椅子利用者など、方向転換のために広いスペースを要する人、あるいは移動に比較して方向転換に大きな労力を要する人の利用が困難であった。
また、対面での簡易相談など、プライバシーの確保と、相談者および被相談者の入退出を別々の入り口から可能とする構成が望まれている。
【0005】
また、扉としては外向き開き戸の構成が主に開示されており、車椅子利用者および高齢者のように、強い力で引きながら後方へ移動することが困難な人にとって使いやすいブースの構成は示されていなかった。
さらに、特許文献3に記載された構造体では、引き戸の構成が開示されているが、床が段差となっており、車椅子での進入退出には困難を生じる上、車椅子利用者および高齢者のように、強い力で引きながら後方へ移動することが困難な人にとって困難を生じている。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、相談者および被相談者等、互いの立場が違う人の入退出を別々の入り口から可能とするとともに、車椅子での進入退出に困難を生じることなく、車椅子利用者および高齢者のように、強い力で引きながら後方へ移動することが困難な人にとって使いやすいブースを提供可能とするという目的を達成しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 本発明の一態様にかかるブースは、
外部空間に対して内部空間を区画するためのブースであって、
前記内部空間を挟んで互いに反対側に配置される一対の壁面を有して前記外部空間と前記内部空間との境界に設けられた躯体を備え、
一対の前記壁面にはそれぞれ出入り口が設けられ、
それぞれの前記出入り口には前記壁面に沿ってスライドするスライド扉が設けられる、ことにより上記課題を解決した。
【0008】
(2) 本発明のブースは、上記(1)において、
2つの前記出入り口は、上面視して互いに前記躯体の中心を挟んで反対側の位置に配置される、
ことができる。
【0009】
(3) 本発明のブースは、上記(2)において、
2つの前記スライド扉は、スライド方向が互いに平行であり、かつ、開放動作方向が互いに近接する向きである、
ことができる。
【0010】
(4) 本発明のブースは、上記(3)において、
前記スライド扉は、前記壁面の上端に沿って配置されたスライドレールにスライド自在に吊り下げられる、
ことができる。
【0011】
(5) 本発明のブースは、上記(3)において、
前記スライド扉が沿ってスライドする前記壁面が、
前記出入り口と、
前記出入り口に隣接して前記出入り口を開放した前記スライド扉が平行に隣接して覆われるパネル部と、
前記パネル部に隣接して前記スライド扉に覆われない前記パネル部と、
により構成される、
ことができる。
【0012】
(6) 本発明のブースは、上記(3)において、
前記内部空間を仕切る仕切り什器が収納されて、
前記仕切り什器により仕切られた2つの前記内部空間には、それぞれ異なる前記出入り口から入退室が可能である、
ことができる。
【0013】
(7) 本発明のブースは、上記(6)において、
前記内部空間は、前記仕切り什器により2つに仕切られたそれぞれが前記出入り口から車椅子による入退室が可能な大きさである、
ことができる。
【0014】
(1) 本発明の一態様にかかるブースは、上記(1)の構成を有することにより、蝶番を用いた開き扉ではなくスライド扉であり、かつ、床面に段差を有さないことにより、車椅子利用者および高齢者のように、強い力で引きながら後方へ移動することが困難な人にとっても容易に開閉をおこなうことができ、使いやすいブースを提供できる。
同時に、外開きの扉では必要な扉の開閉に必要な空間をブースの外方に確保する必要がない。同時に、内開きの扉では必要な扉の開閉に必要な空間をブースの内方に確保する必要がない。ブース内の什器等のレイアウト自由度を低減する必要がない。特に、車椅子利用者を考慮して出入り口の幅寸法を大きくした場合に、これらの必要な空間がより大きくなることを防止できる。
【0015】
また、互いに平行な対向する位置に2つの出入り口、および、前記出入り口を開閉する2つのスライド扉を有することで、進入口とは別に入った向かい側の面のスライド扉を退出口とすることが可能となり、車椅子利用者が移動しやすい。出入り口が同一面にある場合、車椅子利用者は進入方向に対して180°回転して退出する必要があるが、上記の構成により、180°回転するよりも車椅子の進行方向を転換する場所を必要としないため、ブース内空間を通路以外に大きく使うことができる。
【0016】
ここで、手動車椅子では、国土交通省の高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準の建築設計標準(令和2年度改正版)、第2部 高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準、第3章 基本寸法等、3.2 車椅子使用者の寸法、(3)車椅子使用者の基本動作寸法(丸数字1) 手動車椅子の最小動作空間として、2-289頁に、基準が定められているように、90°回転に比べて180°回転する場合には、最小動作空間が大きくなり、広い場所を必要とする。
【0017】
さらに、出入り口を閉塞したスライド扉およびパネル部によって、内部空間を外部から分離することで、内外で音漏れを抑制し、多人数の往来がある場所にブースを設置した場合でも、通行人へのプライバシーを確保可能とすることができる。
【0018】
なお、空間から内部空間を形成するためのブースであって、前記空間と前記内部空間との境界に配置された支柱フレームと、前記支柱フレームの上端部に連結された複数の梁フレームと、前記梁フレームと前記支柱フレームとの間に設けられた面板状のパネル部と、を備え、上面視して前記梁フレームが矩形に形成されるとともに、互いに対向する面には、2つの出入り口が形成され、2つの前記出入り口には、それぞれスライド扉が設けられる、構成とすることもできる。
【0019】
(2) 本発明のブースは、上記(1)において、上記(2)の構成を有することにより、2枚のスライド扉に対応する出入り口が斜向かいの位置にあるため、その以外の場所に配置する場合に比べてブース強度を高めることができる。また、利用者2人がそれぞれ別々のスライド扉から出入りすることも可能であり、対角位置の出入り口から別々に出入り可能であることで、それぞれの利用者の導線を互いに大きく分けることが容易である。別々の出入り口から出入りする利用者の動線を分離するには、たとえば、ブースの中央付近に什器を置いて内部空間を別々に仕切ることが可能である。
なお、上面視して互いに前記躯体の中心を挟んで反対側の位置とは、上面視して躯体が矩形の場合に、対角となる位置を意味する。
【0020】
(3) 本発明のブースは、上記(2)において、上記(3)の構成を有することにより、斜向かいのスライド扉が、壁面に沿って互いにブースの中心方向にスライドして開閉動作をおこなうため、開放時のスライド扉がブース外に飛び出さない構成とすることができる。なお、スライド扉の扉幅がブース幅の半分以上の場合は、スライド扉を全開すると一部が飛び出すが、飛び出し量を極めて小さくすることができる。
【0021】
(4) 本発明のブースは、上記(3)において、上記(4)の構成を有することにより、スライド扉がスライドレールに沿ってスライドして開閉動作をおこなうため、開放時のスライド扉が壁面に沿ってスライドし、ブース外に飛び出さない構成とすることができる。なお、スライドレールは、出入り口の上端に沿って配置されることができる。
【0022】
(5) 本発明のブースは、上記(3)において、上記(5)の構成を有することにより、角部に近接して開口部となる出入り口と、この出入り口に隣接するとともにスライド扉が出入り口の開放時に覆うパネル部と、横方向で開口部とは反対位置となるとともにスライド扉には覆われないパネル部と、から一方の壁面および他方の壁面が構成され、スライド扉が対向する壁面にそれぞれ点対称に配置されることで、対角にスライド扉が配置されたブースにおいて、車椅子利用者が移動可能な内部空間を有して、かつ、充分な強度を有することが可能となる。
【0023】
(6) 本発明のブースは、上記(3)において、上記(6)の構成を有することにより、対角位置の出入り口から別々に出入り可能であることに加えて、ブースの中央付近に置いた仕切り什器によって内部空間を別々に仕切り、別々の出入り口から出入りする利用者の導線を互いに分離することが容易にできる。
【0024】
ここで、仕切り什器は、この仕切り什器によって仕切られた内部空間において、仕切り什器の上方を介して、対面での会話が可能な程度の高さを有し、かつ、仕切り什器によって仕切られた内部空間の間では移動ができない程度の構成とされる。このような機能を有する仕切り什器としては、たとえば、テーブルや机、ワゴン、背の低い棚であるシュルフ、カウンター等を挙げることができる。
さらに、仕切り什器によって内部空間が別々に仕切られているため、一方の内部空間にいる人が他方の内部空間にいる人の了解なく、他方の内部空間へ移動することを阻害して、他方の内部空間にいる人が出入り口からすみやかに外に脱出することが容易となる。
【0025】
(7) 本発明のブースは、上記(6)において、上記(7)の構成を有することにより、仕切り什器によって仕切られた内部空間のそれぞれにおいて、車椅子利用者等、方向転換に所定の広さがを必要とする利用者が、支障なく利用することが可能となる。車椅子での進入退出に困難を生じることなく、ブースを利用することが可能となる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、相談者および被相談者等、互いの立場が違う人の入退出を別々の入り口から可能とするとともに、内部での動線を分離可能で、車椅子での進入退出に困難を生じることなく、車椅子利用者および高齢者のように、強い力で引きながら後方へ移動することが困難な人にとって使いやすいブースを提供することができるという効果を奏することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明に係るブースの実施形態を示す斜視図である。
【
図2】本発明に係るブースの実施形態におけるスライド機構を示す模式断面図である。
【
図3】本発明に係るブースの実施形態における什器配置と内部動線とを示す模式平面図である。
【
図4】車椅子利用時の180°旋回に必要な寸法を示す模式平面図である。
【
図5】車椅子利用時の90°旋回に必要な寸法を示す模式平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明に係るブースの実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態におけるブースを示す斜視図であり、図において、符号10は、ブースである。
【0029】
本実施形態に係るブース10は、
図1に示すように、上側の開口した略四角柱状の外観を有し、平面視した輪郭が矩形とされ、その内側を外部の空間から分離された内部空間として形成する。
ブース10は、たとえば、駅構内などに簡易的に設置されて医療相談をおこなうブース、病院のロビーなどに設置される相談用ブース、あるいは、簡易発熱外来用の相談窓口とされる。ブース10は、相談者と医療従事者、あるいは、利用者とスタッフなど、二種類の人員が別々に入室可能で、ある程度のプライバシーを確保しつつ、対面での会話が可能な空間を形成する。
【0030】
本実施形態に係るブース10は、略四角柱状の角位置に立設された4本の支柱フレーム11~14と、隣接する2本の支柱フレーム11~14の上端部の間に架設された4本の梁フレーム21~24と、これら支柱フレーム11~14と梁フレーム21~24とで形成された側面部分に設けられた壁面31~34と、を備える。支柱フレーム11~14と梁フレーム21~24と壁面31~34とは、躯体を構成する。
支柱フレーム11~14は、いずれも略等しい鉛直方向長さを有する。また、支柱フレーム11~14は、壁面31~34の厚さ寸法と略等しい水平方向における幅寸法を有する。
【0031】
4本の支柱フレーム11~14はいずれも略同一の断面形状とされ、ブース10の四隅で同じ向きに配置されている。
ブース10の正面となる両サイド位置には、支柱フレーム11と支柱フレーム12とがZ方向に立設され、これらの上端部には、梁フレーム21が略水平なY方向に架設されている。ブース10の奥側となる両サイド位置には、支柱フレーム13と支柱フレーム14とが立設され、これらの上端部には、梁フレーム23が略水平なY方向に架設されている。
【0032】
ブース10を正面視して左側となる位置には、支柱フレーム11と支柱フレーム14とが立設されており、これらの上端部には、梁フレーム24が略水平なX方向に架設されている。ブース10を正面視して右側となる位置には、支柱フレーム12と支柱フレーム13とが立設されており、これらの上端部には、梁フレーム22が略水平なX方向に架設されている。
【0033】
支柱フレーム11と支柱フレーム12と梁フレーム21とで形成される正面側には、正面部(壁面)31が設けられる。正面部31は、入退室用の出入り口41と、出入り口41を開閉可能なスライド扉51と、出入り口41に隣接するパネル部31Aと、パネル部31Aおよび支柱フレーム12に挟まれたパネル部31Bとを有する。
【0034】
出入り口41は、支柱フレーム11と梁フレーム21とパネル部31Aと床面とでその輪郭が形成される。パネル部31Aとパネル部31Bとは、支柱フレーム12と梁フレーム21とに平行に接続される。支柱フレーム11と支柱フレーム12とは、正面部(壁面)31のY方向両端を構成する。梁フレーム21は、正面部(壁面)31の上端を構成する。
【0035】
正面部31は、スライド扉51の開閉にかかわらず、ブース10の内部空間を外部から視認可能なものとされる。正面部31において、スライド扉51とパネル部31Aとパネル部31Bとは、いずれも、そのほとんどの面がガラス製の透過可能な部分から形成される。スライド扉51とパネル部31Aとパネル部31Bとは、いずれも、ガラス以外の金属枠などの強度部材を有していてもよい。特に、スライド扉51はその戸先51aが上下方向の全長に延在する金属フレームとしてもよい。
【0036】
戸先51aには上下方向の全長に延在する溝が形成されていることができる。戸先51aには上下方向の全長に延在する突条が形成されていることができる。スライド扉51は、横方向で戸先51aと逆方向となる端部を、ガラスが上下方向に延在した状態で金属フレーム等を設けない構成にすることができる。これにより、正面部31における視覚性およびデザイン性を向上できる。
【0037】
スライド扉51は、上部のスライド機構61により梁フレーム21に沿ったY方向に開閉動作可能である。スライド扉51は、梁フレーム21よりも若干内側に配置される。スライド扉51は、出入り口41を開放する際に、出入り口41からパネル部31Aに向かってスライドする。スライド扉51は、出入り口41を開放する際に、支柱フレーム11から支柱フレーム12に向かう方向にスライドする。スライド扉51は、出入り口41を閉塞する際に、パネル部31Aから出入り口41に向かってスライドする。スライド扉51は、出入り口41を閉塞する際に、支柱フレーム12から支柱フレーム11に向かう方向にスライドする。
【0038】
スライド機構61は、梁フレーム21の内側に配置される。スライド機構61は、出入り口41の上部位置から、梁フレーム21に沿ってパネル部31Aの上部位置まで延在する。
スライド扉51は、支柱フレーム11よりもスライド機構61に対応する分、若干小さい上下方向寸法を有する。なお、スライド機構61に対応する正面部31の前側には、スライド機構61および後述する上フレーム51bを隠すカバー61mが設けられる。
【0039】
正面部31において、スライド扉51で閉塞される出入り口41以外の部分には、パネル部31Aおよびパネル部31Bが配置されている。パネル部31Aとパネル部31Bとは、支柱フレーム11と支柱フレーム12と梁フレーム21との外方輪郭に対してほぼ面一に配置される。パネル部31Aとパネル部31Bとは、互いにほぼ等しい横方向幅寸法である。パネル部31Aとパネル部31Bとは、出入り口41の幅寸法とほぼ等しい横方向幅寸法としてもよい。パネル部31Aとパネル部31Bとは、下端が床面に接触していてもよい。
【0040】
パネル部31Aとパネル部31Bとは、支柱フレーム11および支柱フレーム12と同じ高さ寸法を有する。パネル部31Aは、梁フレーム21に接続される。パネル部31Aとパネル部31Bとは、互いに隣接する。パネル部31Aとパネル部31Bとは、互いに接続されている。パネル部31Bは、支柱フレーム12および梁フレーム21に接続される。
【0041】
全てのパネル部(パネル部31A、パネル部31B、パネル部32A、パネル部32B、パネル部33A、パネル部33B、パネル部34Aおよびパネル部34B)は、ブース10の内部空間を外部から視認可能なものであってもよいし、視認不可能なものであってもよい。また、1個のブースを形成する複数のパネルにおいて、ブース10の内部空間を外部から視認可能なパネルと、視認不可能なパネルとが混在していてもよい。
さらに、スライド扉51およびスライド扉53についても、ブース10の内部空間を外部から視認可能なものであってもよいし、視認不可能なものであってもよい。
【0042】
図2は、本実施形態におけるブースのスライド機構を示す模式断面図である。
スライド機構61は、スライド扉51を出入り口41からパネル部31Aまでの間で往復スライド可能に支持する。スライド機構61は、スライド扉51を吊り下げている。
スライド機構61は、スライドレール61aと、台車部61bと、ローラ61cと、高さ調整部61dと、を有する。
【0043】
スライドレール61aは、梁フレーム21に沿ったY方向に配置される。スライドレール61aは、梁フレーム21よりもブース10の内方に配置される。スライドレール61aは、中空のパイプ状とされる。スライドレール61aは、断面が略矩形である。スライドレール61aは、下面中央にスリットが全長にわたって形成される。スライドレール61aは、内部に台車部61bとローラ61cとを収納する。
【0044】
台車部61bはスライドレール61aのスリットよりも上方に位置する。台車部61bは、スライドレール61aのスリットの両サイドとなる位置にローラ61cがそれぞれ取り付けられる。ローラ61cは、スライドレール61aのスリットと直交する水平方向の軸線周りに回転可能である。ローラ61cが回転すると台車部61bはスライドレール61aのスリットに沿って移動可能である。
【0045】
高さ調整部61dは、台車部61bの下方に取り付けられる。高さ調整部61dは台車部61bの下方に突出する。高さ調整部61dは、スライドレール61aのスリットを貫通して下方に突出する。高さ調整部61dの下端には、スライド扉51の上フレーム51bが取り付けられる。高さ調整部61dは、台車部61bと上フレーム51bとの上下方向位置を調節可能とされる。
【0046】
高さ調整部61dは、たとえばボルトであり、台車部61bと上フレーム51bとの一方に形成された締結孔を貫通して他方に形成された雌ネジ部に螺合される。あるいは、高さ調整部61dは両端で逆ネジに形成されて、台車部61bと上フレーム51bとに形成された雌ネジ部の一方が逆ネジに形成されることができる。高さ調整部61dを回転することで、台車部61bと上フレーム51bとの上下方向の離間距離を調節可能である。高さ調整部61dはこの構成に限定されない。
【0047】
上フレーム51bはスライドレール61aに沿って延在する。上フレーム51bには、図示しない取付部によってガラス部51gが取り付けられる。ガラス部51gは上フレーム51bと同じスライド方向長さを有する。ガラス部51gの横方向端部には、戸先51aが取り付けられる。
台車部61bは上フレーム51bの両端付近にそれぞれ設けられる。
【0048】
上フレーム51bの両端を吊り下げた状態で、台車部61bがスライドレール61aのスリットに沿って移動する。これにより、スライド扉51は、スライドレール61aに沿った方向に移動を規制されてスライドする。
【0049】
戸先51aが支柱フレーム11に当接した状態で、出入り口41は、スライド扉51により閉塞される。スライドレール61aに沿ってスライド扉51が移動し、スライド扉51がパネル部31Aを覆う位置に来たときに、出入り口41は開放される。ここで、出入り口41が開放された状態で、パネル部31Aよりも戸先51aは出入り口41に突出している。
スライド扉51の下端は、床面に接触していない状態を維持する。
【0050】
支柱フレーム13と支柱フレーム14と梁フレーム23とで形成される奥側には、奥面部(壁面)33が設けられる。奥面部33は、正面部31と同等の構成とされてもよい。
奥面部33は、入退室用の出入り口43と、出入り口43を開閉可能なスライド扉53と、出入り口43に隣接するパネル部33Aと、パネル部33Aおよび支柱フレーム14に挟まれたパネル部33Bとを有する。
【0051】
出入り口43は、支柱フレーム13と梁フレーム23とパネル部33Aと床面とでその輪郭が形成される。パネル部33Aとパネル部33Bとは、支柱フレーム14と梁フレーム23とに平行に接続される。支柱フレーム13と支柱フレーム14とは、奥面部(壁面)33のY方向両端を構成する。梁フレーム23は、奥面部(壁面)33の上端を構成する。
【0052】
奥面部33は、スライド扉53がブース10の内部空間を外部から視認可能なものとされる。奥面部33において、スライド扉53は、そのほとんどの面がガラス製の透過可能な部分から構成される。スライド扉53は、いずれも、ガラス以外の金属枠などの強度部材を有していてもよい。特に、スライド扉53はその戸先53aが上下方向の全長に延在する金属フレームとしてもよい。戸先53aには上下方向の全長に延在する溝が形成されていることができる。スライド扉53は、横方向で戸先53aと逆方向となる端部にガラスが上下方向に延在しており、金属フレーム等を設けないことができる。
【0053】
スライド扉53は、上部のスライド機構63により梁フレーム23に沿って開閉動作可能である。スライド扉53は、梁フレーム23よりも若干内側に配置される。スライド扉53は、出入り口43を開放する際に、出入り口43からパネル部33Aに向かってスライドする。スライド扉53は、出入り口43を開放する際に、支柱フレーム13から支柱フレーム14に向かう方向にスライドする。スライド扉53は、出入り口43を閉塞する際に、パネル部33Aから出入り口43に向かってスライドする。スライド扉53は、出入り口43を閉塞する際に、支柱フレーム14から支柱フレーム13に向かう方向にスライドする。
【0054】
スライド機構63は、スライド機構61と同等の構成とされる。スライド機構63は、梁フレーム23の内側に配置される。スライド機構63は、出入り口43の上部位置から、梁フレーム23に沿ってパネル部33Aの上部位置まで延在する。
スライド扉53は、支柱フレーム13よりもスライド機構63に対応する分、若干小さい上下方向寸法を有する。
【0055】
奥面部33において、スライド扉53で閉塞される出入り口43以外の部分には、パネル部33Aおよびパネル部33Bが配置されている。パネル部33Aとパネル部33Bとは、支柱フレーム13と支柱フレーム14と梁フレーム23との外方輪郭に対してほぼ面一に配置される。パネル部33Aとパネル部33Bとは、互いにほぼ等しい横方向幅寸法である。パネル部33Aとパネル部33Bとは、出入り口43の幅寸法とほぼ等しい横方向幅寸法としてもよい。パネル部33Aとパネル部33Bとは、下端が床面に接触していてもよい。
【0056】
パネル部33Aとパネル部33Bとは、支柱フレーム13および支柱フレーム14と同じ高さ寸法を有する。パネル部33Aは、梁フレーム23に接続される。パネル部33Aとパネル部33Bとは、互いに隣接する。パネル部33Aとパネル部33Bとは、互いに接続されている。パネル部33Bは、支柱フレーム14および梁フレーム23に接続される。
【0057】
パネル部33Aとパネル部33Bとは、パネル部31Aおよびパネル部31Bとは異なり、ブース10の内部空間を外部から視認可能ではない不透明な材質から構成される。したがって、スライド扉53の開閉状態にかかわらず、奥面部33は、出入り口43の部分のみが、ブース10の内部空間を外部から視認可能である。
【0058】
スライド機構63は、スライド機構61とほぼ同等の構成を有する。スライド機構63の説明は省略する。
スライド機構63によって両端を吊り下げられた状態のスライド扉53は、梁フレーム23に沿った方向に移動を規制されてスライドする。
【0059】
戸先53aが支柱フレーム13に当接した状態で、出入り口43は、スライド扉53により閉塞される。スライド機構63に沿ってスライド扉53が移動し、スライド扉53がパネル部33Aを覆う位置に来たときに、出入り口43は開放される。ここで、出入り口43が開放された状態で、パネル部33Aよりも戸先53aは出入り口43に突出している。
スライド扉53の下端は、床面に接触していない状態を維持する。
【0060】
支柱フレーム11と支柱フレーム14と梁フレーム24とで形成される左側には、左面部(壁面)34が設けられる。左面部34は、支柱フレーム11と支柱フレーム14と梁フレーム24とに3辺を接続された面板とされ、支柱フレーム11~14の水平方向の幅寸法とほぼ等しい厚み寸法を有する板体とされる。
【0061】
なお、左面部34は、支柱フレーム14に隣接するパネル部34Aと、支柱フレーム11に隣接するパネル部34Bと、からなる。パネル部34Aは、支柱フレーム14と梁フレーム24とに接続される。パネル部34Bは、支柱フレーム11と梁フレーム24とに接続される。パネル部34Aとパネル部34Bとは、ほぼ同じ横方向寸法を有する、パネル部34Aとパネル部34Bとは、梁フレーム24の中央位置で互いに接続されている。
【0062】
支柱フレーム12と支柱フレーム13と梁フレーム22とで形成される右側には、右面部(壁面)32が設けられる。右面部32は、支柱フレーム12と支柱フレーム13と梁フレーム22とに3辺を接続された面板とされ、支柱フレーム11~14の水平方向の幅寸法とほぼ等しい厚み寸法を有する板体とされる。
【0063】
なお、右面部32は、支柱フレーム12に隣接するパネル部32Aと、支柱フレーム13に隣接するパネル部32Bと、からなる。パネル部32Aは、支柱フレーム12と梁フレーム22とに接続される。パネル部32Bは、支柱フレーム13と梁フレーム22とに接続される。パネル部32Aとパネル部32Bとは、ほぼ同じ横方向寸法を有する。パネル部32Aとパネル部32Bとは、梁フレーム22の中央位置で互いに接続されている。
【0064】
図3は、本実施形態におけるブースの什器配置と内部動線とを示す模式平面図である。
本実施形態におけるブース10は、内部空間に仕切り什器Fが配置される。仕切り什器Fは、たとえばテーブル等とされる。仕切り什器Fは、仕切り什器Fの両サイドで互いに会話が可能な高さであり、かつブース10の内部空間を分離できればよく、テーブル以外にも、机、ワゴン、背の低い棚であるシュルフ、カウンター等とすることができる。
また、ブース10では、出入り口41と出入り口43とが、上面視して対角である位置に配置される。
図3においては、出入り口41が左下に配置され、出入り口43が右上に配置されている。
【0065】
仕切り什器Fは、ブース10の内部空間を、出入り口41から進入可能な左側と、出入り口43から進入可能な右側とに分離するように配置される。そのため、仕切り什器Fの端部と正面部31との間をすり抜けられない程度に、仕切り什器Fの端部と正面部31とが近接している。同様に、仕切り什器Fの端部と奥面部33との間をすり抜けられない程度に、仕切り什器Fの端部と奥面部33とが近接している。
【0066】
したがって、出入り口41から進入した場合、仕切り什器Fが邪魔になるため、出入り口43へは到達できない。また、出入り口43から進入した場合、仕切り什器Fが邪魔になるため、出入り口41へは到達できない。
なお、仕切り什器Fの両端は、スライド扉51およびスライド扉53が開閉可能な程度に、正面部31と奥面部33とから離間している。
【0067】
ブース10の内部空間は、仕切り什器Fを収納しても、車椅子利用者等、方向転換に所定の広さがを必要とする利用者が、支障なく利用することが可能な大きさとされる。
具体的には、ブース10は、車椅子利用者CCが出入り口41から進入して、テーブルである仕切り什器Fに対する相談位置へと到達できるように、方向転換が可能な内部空間の余裕を有する。
【0068】
図3には、車椅子利用の相談者CCとその介助者CAとが出入り口41から進入し相談位置まで移動する動線と、その逆に退出する動線と、を矢印で示している。同様に、医療従事者SSとその補助者SAとが出入り口43から進入し相談位置まで移動する動線と、その逆に退出する動線と、を矢印で示している。
車椅子利用の相談者CCおよび介助者CAと、医療従事者SSおよび補助者SAとは、別々の出入り口から出入りし、ブース10の内部空間が仕切り什器Fで分離された状態で、対面での会話を相互におこなうことができる。
【0069】
本実施形態のブース10は、蝶番を用いた開き扉ではなくスライド扉51,53を有しており、かつ、フラットな床面を移動して出入りできるため、車椅子利用者CCあるいは、杖を突いた高齢者などのように、強い力で引きながら後方へ移動することが困難な人にとっても容易に開閉をおこなうことができ、使いやすい。
同時に、外開きの扉では必要な扉の開閉に必要な空間をブース10の外方に確保する必要がない。したがって、ブース10を駅構内などに配置するレイアウトの自由度を向上することができる。同時に、内開きの扉では必要な扉の開閉に必要な空間をブース10の内方に確保する必要がない。したがって、ブース10内の什器等のレイアウト自由度を低減する必要がない。特に、車椅子利用者を考慮して出入り口の幅寸法を大きくした場合に、これらの必要なレイアウト空間がより大きくなることを防止できる。
【0070】
また、互いに平行な位置に2つの出入り口41および出入り口43と、これらを開閉する2つのスライド扉51およびスライド扉53とを有することで、仕切り什器Fを収納しない場合に、進入した出入り口41とは別に、向かい側の出入り口43退出口とすることが可能となり、車椅子利用者CCが移動しやすい。2つの出入り口が同一面にある場合、車椅子利用者CCは進入方向に対して180°回転して退出する必要があるが、上記の構成により、180°回転するよりも車椅子の進行方向を転換する場所を必要としないため、ブース10の内部空間を通路以外に大きく使うことができる。
【0071】
ここで、手動車椅子では、
図4および
図5に示すように、車椅子使用者の基本動作寸法等に基準が定められており、90°回転に比べて180°回転する場合には、最小動作空間が大きくなり、広い場所を必要とする。
【0072】
さらに、出入り口41,43を閉塞したスライド扉51,53およびパネル部31~34によって、内部空間を外部から分離することができるため、内外で音漏れを抑制し、多人数の往来がある場所にブース10を設置した場合でも、通行人へのプライバシーを確保可能とすることができる。
【0073】
本実施形態は、2枚のスライド扉51とスライド扉53とが斜向かいとなる対角位置にあるため、その以外の場所に配置する場合に比べてブース10の強度を高めることができる。また、仕切り什器Fを収納配置した場合など、車椅子利用の相談者CCおよび介助者CAと、医療従事者SSおよび補助者SAとが、それぞれ別々のスライド扉51およびスライド扉53から出入りすることが可能である。ブース10の内部では、対角位置の出入り口41,43から別々に出入り可能であることで、それぞれの利用者の導線を互いに大きく分けることが容易である。ブース10の中央付近に仕切り什器Fを置いて内部空間を別々に仕切ることによって、別々の出入り口41,43から出入りする利用者の動線を完全に分離することが容易に可能である。
【0074】
ブース10は、対角位置のスライド扉51とスライド扉53とが、パネル部31およびパネル部33に沿って互いにブースの中心方向にスライドして開閉動作をおこなうため、開放時のスライド扉がブース10より外に飛び出さない。したがって、ブース10を駅構内などに配置するレイアウトの自由度を向上することができる。
【0075】
ブース10において、スライド扉51がスライドレール61aに沿ってスライドして開閉動作をおこなうため、開放時のスライド扉51が梁フレーム21の下方に位置するパネル部31Aに沿ってスライドし、ブース10の外に飛び出さない構成とすることができる。同様に、スライド扉53がスライド機構63に沿ってスライドして開閉動作をおこなうため、開放時のスライド扉53が梁フレーム23の下方に位置するパネル部33Aに沿ってスライドし、ブース10の外に飛び出さない構成とすることができる。
【0076】
本実施形態のブース10は、正面部31が、角に配置された支柱フレーム11に隣接する出入り口41と、この出入り口41に隣接するとともにスライド扉51が出入り口41の開放時に覆うパネル部31Aと、横方向で出入り口41とは反対位置となるとともにスライド扉51には覆われないパネル部31Bと、から構成される。同様に、奥面部33が、角に配置された支柱フレーム13に隣接する出入り口43と、この出入り口43に隣接するとともにスライド扉53が出入り口43の開放時に覆うパネル部33Aと、横方向で出入り口43とは反対位置となるとともにスライド扉53には覆われないパネル部33Bと、から構成される。しかも、スライド扉とスライド扉53とが対向する正面部31と奥面部33とにブース10の中心に対して対称として配置されることで、車椅子利用者CCが容易に移動可能なブース10の内部空間を有して、かつ、充分なブース10の強度を有することが可能となる。
【0077】
ブース10は、出入り口41および出入り口43が対角位置に配置されたことに加えて、ブース10の中央付近に仕切り什器Fを置くことによって内部空間を別々に仕切り、出入り口41から出入りした利用者CC,CAと、出入り口43から出入りしたスタッフSS,SAと、の導線を互いに分離した上で、さらに、仕切り什器Fよりも左側の内部空間にいる利用者CC,CAが、仕切り什器Fよりも右側の内部空間にいるスタッフSS,SAの了解なく、仕切り什器Fよりも右側の内部空間へ移動することを阻害して、スタッフSS,SAが出入り口43からすみやかに外に脱出することが容易となる。
【0078】
本実施形態のブース10は、仕切り什器Fによって仕切られた左右の内部空間のそれぞれにおいて、車椅子利用者CC等、方向転換に所定の広さがを必要とする利用者が、支障なく利用することが可能となる。たとえば、利用者CC,CAとスタッフSS,SAとの全員が車椅子利用者であっても、充分な空間的余裕を持って方向転換をおこなうことができ、支障なく利用することが可能となる。
【0079】
本実施形態によれば、相談者CC,CAおよびスタッフSS,SAなど、互いの立場が違う人の入退出を別々の入り口から可能とするとともに、内部での動線を分離可能で、車椅子での進入退出に困難を生じることなく、使いやすいブース10を提供することができる。
【0080】
なお、本実施形態ではブース10自体は床面として利用者が載る部材を有していない、床面を有する構成とすることもできる。この場合、内部空間の一部のみ、あるいは、内部空間の全体に床面に相当する部材を配置することができる。これにより、ブース10の強度を向上することができる。
また、本実施形態ではブース10上方が解放された構成としたが、この場合には、内部空間の換気が容易となる。これに対して、ブース10上方の一部または全部が閉塞された構成とすることもでき、この場合には、ブース10内外の音漏れをさらに抑制することが可能である。
【符号の説明】
【0081】
10…ブース
11~14…支柱フレーム
21~24…梁フレーム
31…正面部(壁面)
31A,31B,32A,32B,33A,33B,34A,34B…パネル部
32…右面部(壁面)
33…奥面部(壁面)
34…左面部(壁面)
41,43…出入り口
51,53…スライド扉
51a,53a…戸先
51b…上フレーム
51g…ガラス部
61,63…スライド機構
61a…スライドレール
CA…介助者(相談者,利用者)
CC…車椅子利用者(相談者,利用者)
F…仕切り什器
SA…補助者(スタッフ)
SS…医療従事者(スタッフ)