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特開2024-57728ジョブ定義作成システム及びジョブ定義作成方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057728
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】ジョブ定義作成システム及びジョブ定義作成方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 8/34 20180101AFI20240418BHJP
【FI】
G06F8/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022164580
(22)【出願日】2022-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】000233055
【氏名又は名称】株式会社日立ソリューションズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001678
【氏名又は名称】藤央弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】永井 琢也
(72)【発明者】
【氏名】林田 安規
【テーマコード(参考)】
5B376
【Fターム(参考)】
5B376BA18
5B376BC08
5B376BC24
5B376BC45
5B376BC50
5B376FA13
(57)【要約】
【課題】ジョブ定義作業を簡素化する。
【解決手段】ジョブ定義を生成するジョブ定義作成システムであって、所定の演算処理を実行する演算装置と、前記演算装置がアクセス可能な記憶装置とを備え、ジョブ定義の作成に関するメッセージを利用者に提供する情報出力部と、利用者からの入力を受け取る情報入力部と、利用者からの入力に従ってジョブ定義を作成するジョブテンプレート処理部とを有し、前記ジョブテンプレート処理部は、他のジョブとの先後関係を考慮して、ジョブ定義の実行順序を定める。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジョブ定義を生成するジョブ定義作成システムであって、
所定の演算処理を実行する演算装置と、前記演算装置がアクセス可能な記憶装置とを備え、
ジョブ定義の作成に関するメッセージを利用者に提供する情報出力部と、
利用者からの入力を受け取る情報入力部と、
利用者からの入力に従ってジョブ定義を作成するジョブテンプレート処理部とを有し、
前記ジョブテンプレート処理部は、他のジョブとの先後関係を考慮して、ジョブ定義の実行順序を定めることを特徴とするジョブ定義作成システム。
【請求項2】
請求項1に記載のジョブ定義作成システムであって、
作成されるジョブ定義間の先後関係を定めたジョブ定義ルール情報を有し、
前記情報出力部は、前記ジョブ定義ルール情報に従って、他のジョブとの関係で、ユーザが作成するジョブ定義の実行順序の選択肢を提示し、
前記情報入力部は、ユーザによる前記選択肢に対する入力を受け付け、
前記ジョブテンプレート処理部は、前記ジョブ定義ルール情報に従って、ユーザが作成するジョブ定義が前記他のジョブに先行する又は後続するかを定めることを特徴とするジョブ定義作成システム。
【請求項3】
請求項2に記載のジョブ定義作成システムであって、
前記ジョブテンプレート処理部は、前記ジョブ定義ルール情報を参照し、ユーザが作成するジョブ定義と他のジョブとの先後関係を満たすかを判定することを特徴とするジョブ定義作成システム。
【請求項4】
請求項1に記載のジョブ定義作成システムであって、
前記情報出力部は、
前記ジョブ定義作成システムから出力されるメッセージを対話形式で表示する対話インターフェース領域と、
作成されたジョブ定義によって実行されるジョブの実行順序をグラフ形式で表示するジョブフロー表示領域と、
作成されたジョブ定義によって実行されるジョブの詳細情報を表示するジョブ詳細情報表示領域とを含む画面を表示するためのデータを出力することを特徴とするジョブ定義作成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジョブ定義作成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各種業務システムにコンピュータが広く用いられている。このようなコンピュータシステムは、業務内容によって予め定義されたジョブを実行する。業務内容によってジョブ定義のルールが存在し、テンプレートや既存ジョブ定義を参考にジョブが作成される。
【0003】
テンプレートはジョブ定義全体の枠組みが決まっているため柔軟性が低く、既存ジョブ定義を参照する場合に変更が必要な箇所が明確ではない。また、一般的に、専用のアプリケーションを使用してジョブを定義するので、当該アプリケーションの操作の習得が必要である。
【0004】
ジョブ定義に関する技術として、特開平10-187423(特許文献1)に記載の技術がある。この公報には、複数の処理ステップ項目を連結したフロー図を表示するフロー図表示手段と、ジョブの定義表を表示するジョブ定義表表示手段と、上記フロー図表示手段に表示されたフロー図上で、ジョブ定義したい処理ステップ項目を指定する処理ステップ項目指定手段と、上記ジョブ定義表表示手段に表示されたジョブ定義表上に於ける、上記処理ステップ項目指定手段によって指定した処理ステップ項目の設定位置を指定する設定位置指定手段と、上記処理ステップ項目指定手段によって指定された複数の処理ステップ項目を、上記設定位置指定手段によって指定されたジョブ定義表上の設定位置に順次設定するジョブ設定手段と、上記ジョブ設定手段による上記ジョブ定義表上でのジョブ設定内容に従ってデータ処理を実行する実行手段と、を具備するジョブ定義装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10-187423号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述したように、ジョブの定義には専門性が必要である。このため、既存のルールに従ったジョブ定義を容易にする、すなわち、ジョブ定義の際は、既存の部品から関係あるものの提示を受け、必要な項目を埋めてジョブを定義できれば、ジョブ定義専用のアプリケーションの操作の習得を不要とし、ルールベースのジョブ定義作業の簡素化が求められている。
【0007】
本発明は、ルールベースのジョブ定義作業を簡素化し、これらの操作を専用のアプリケーションではなく、平易なインターフェースで実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述の課題を解決するために、本願において開示される発明の代表的な一例を示せば以下の通りである。すなわち、ジョブ定義を生成するジョブ定義システムであって、所定の演算処理を実行する演算装置と、前記演算装置がアクセス可能な記憶装置とを備え、ジョブ定義の作成に関するメッセージを利用者に提供する情報出力部と、利用者からの入力を受け取る情報入力部と、利用者からの入力に従ってジョブ定義を作成するジョブテンプレート処理部とを有し、前記ジョブテンプレート処理部は、他のジョブとの先後関係を考慮して、ジョブ定義の実行順序を定めることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、ジョブ定義作業を簡素化できる。前述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施例の説明によって明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施例のジョブ定義システムの構成を示す図である。
図2】本発明の実施例のジョブテンプレートテーブルの構成例を示す図である。
図3】本発明の実施例の項目テーブルの構成例を示す図である。
図4】本発明の実施例の必要パラメータテーブルの構成例を示す図である。
図5】本発明の実施例のルールテーブルの構成例を示す図である。
図6】本発明の実施例の通知メッセージテーブルの構成例を示す図である。
図7】本発明の実施例の入力指示メッセージテーブルの構成例を示す図である
図8】本発明の実施例の選択指示メッセージテーブルの構成例を示す図である。
図9】本発明の実施例の固定選択文字列テーブルの構成例を示す図である。
図10】本発明の実施例のジョブ定義システムが適用されるコンピュータシステムの物理的な構成を示すブロック図である
図11】本発明の実施例のジョブ定義システムが実行する処理のフローチャートである。
図12】本発明の実施例のアプリケーション開始メッセージが表示された表示画面の例を示す図である。
図13】本発明の実施例のジョブネット作成処理のフローチャートである。
図14】本発明の実施例のジョブネット定義開始メッセージが表示された表示画面の例を示す図である。
図15】本発明の実施例のジョブネット名入力処理のフローチャートである。
図16】本発明の実施例のジョブネット名入力完了メッセージが表示された表示画面の例を示す図である。
図17】本発明の実施例のジョブ定義開始メッセージが表示された表示画面の例を示す図である。
図18】本発明の実施例のジョブテンプレート選択処理のフローチャートである。
図19】本発明の実施例のジョブテンプレート選択終了メッセージが表示された表示画面の例を示す図である。
図20】本発明の実施例のパラメータ入力処理のフローチャートである。
図21】本発明の実施例のパラメータの入力を促すメッセージが表示された表示画面の例を示す図である。
図22】本発明の実施例の実行順序入力処理のフローチャートである。
図23】本発明の実施例のジョブネット定義終了メッセージが表示された表示画面の例を示す図である。
図24】本発明の実施例のジョブネット定義ルールチェック処理のフローチャートである。
図25】本発明の実施例のジョブネット定義ルールチェック処理のフローチャートである。
図26】本発明の実施例のルール違反メッセージが表示された表示画面の例を示す図である。
図27】本発明の実施例の次のジョブを定義するかの選択メッセージ及び選択肢が表示された表示画面の例を示す図である。
図28】本発明の実施例のジョブネット定義終了メッセージが表示された表示画面の例を示す図である。
図29】本発明の実施例のジョブ定義エクスポート処理のフローチャートである。
図30】本発明の実施例のジョブ定義の保存完了メッセージが表示された表示画面の例を示す図である。
図31】本発明の実施例のアプリケーション終了メッセージが表示された表示画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明の実施例のジョブ定義作成システム100の構成を示す図である。
【0012】
ジョブ定義作成システム100は、対話形式のインターフェースによって,予め定義されたジョブテンプレート情報141を使用してジョブ定義を作成する計算機であり、対話インターフェース処理部110、ジョブ定義処理部120、ジョブテンプレート処理部130、ジョブテンプレート情報部140、及び対話インターフェース情報部150を有する。
【0013】
対話インターフェース処理部110は、対話インターフェース領域1010(図12参照)の入出力や、対話インターフェース情報部150から表示するメッセージ情報の取得などの処理を実行し、対話形式のインターフェースをユーザに提供し、情報入力部111、情報出力部112、及び入力解析部113を有する。情報入力部111は、対話インターフェース領域1010へのユーザの入力を受け取る。情報出力部112は、ジョブ定義作成システム100の処理結果を対話インターフェース領域1010に出力する。入力解析部113は、情報入力部111が受け取った情報を解析する。入力解析部113は、音声解析エンジンを有し、ユーザの音声を解析したテキストデータをユーザ入力としてもよい。
【0014】
ジョブ定義処理部120は、ジョブ定義の表示や定義のエクスポートを提供し、ジョブネット表示部121、及びジョブ定義管理部122を有する。ジョブネット表示部121は、ジョブ管理システム180のデータ入出力形式と整合するように、既に定義されているジョブネットやジョブをジョブネット表示領域1020(図12参照)に表示する。ジョブ定義管理部122は、ジョブ定義作成システム100で作成したジョブ定義をジョブ管理システム180のジョブ定義形式に変換し、ジョブ管理システム180のジョブ定義181に保存する。
【0015】
ジョブテンプレート処理部130は、ジョブ定義作成システム100で扱うジョブテンプレートやジョブ定義ルールの操作を提供し、ジョブテンプレート管理部131、及びジョブ定義ルール管理部132を有する。ジョブテンプレート管理部131は、ジョブテンプレート情報141の追加、変更、削除、検索などの操作を提供する。ジョブ定義ルール管理部132は、ジョブ定義ルール情報142の追加、変更、削除、検索などの操作を提供する。
【0016】
ジョブテンプレート情報部140は、ジョブテンプレート情報141、及びジョブ定義ルール情報142を格納するデータベースであり、ジョブテンプレートテーブル1411(図2)、項目テーブル1412(図3)、及び必要パラメータテーブル1413(図4)を含む。ジョブテンプレート情報141の各テーブルの構成は、図2図3、及び図4を参照して説明する。ジョブ定義ルール情報142は、ルールテーブル1421(図5)を含む。ジョブ定義ルール情報142の構成は、図5を参照して説明する。ジョブテンプレート情報141及びジョブ定義ルール情報142は、これら以外のテーブルを含んでもよい。
【0017】
対話インターフェース情報部150は、メッセージ情報151を格納するデータベースであり、通知メッセージテーブル1511(図6)、入力指示メッセージテーブル1512(図7)、選択指示メッセージテーブル1513(図8)、及び固定選択文字列テーブル1514(図9)を含む。メッセージ情報151の各テーブルの構成は、図6図7図8、及び図9を参照して説明する。メッセージ情報151は、統合された一つのテーブルで構成されてもよく、これら以外のテーブルを含んでもよい。
【0018】
ジョブ定義作成システム100は、ネットワーク160を介して、端末170、ジョブ管理システム180、及びジョブ実行計算機190と接続される。
【0019】
端末170は、ユーザが使用する計算機であり、入力インターフェース(キーボード、マウス、タッチパネルなど)、及び出力インターフェース(表示装置)を提供する。
【0020】
ジョブ管理システム180は、ユーザの手動による指示、又は指定された日時、又は所定のイベントの検出を契機に指定された業務プログラム(ジョブ)を、ジョブ実行計算機190において実行する計算機システムである。ジョブ定義作成システム100が作成したジョブ定義は、ジョブ管理システム180のジョブ定義181に格納される。
【0021】
図2は、ジョブテンプレートテーブル1411の構成例を示す図である。ジョブテンプレートテーブル1411は、ジョブテンプレートが定義されるテーブルであり、ジョブテンプレートを一意に識別するための識別情報(ID)、ジョブテンプレートで実行されるジョブの名称(ジョブ名)、ジョブテンプレートで実行によるジョブの実行先、及びジョブテンプレートで実行されるスクリプト(実行スクリプト)を含む。
【0022】
図3は、項目テーブル1412の構成例を示す図である。項目テーブル1412は、ジョブテンプレートに挿入可能なパラメータが定義されるテーブルであり、パラメータを一意に識別するための識別情報(ID)、パラメータの名称(項目名)、及びパラメータのデータ形式(型)を含む。
【0023】
図4は、必要パラメータテーブル1413の構成例を示す図である。必要パラメータテーブル1413は、パラメータを必要とするジョブテンプレートの識別情報(ジョブテンプレートID)、及び必要とされるパラメータを項目テーブル1412で参照するための識別情報(項目ID)を含む。
【0024】
例えば、ジョブテンプレートIDが1のジョブテンプレートは、必要パラメータテーブル1413によると、項目IDが1及び2のパラメータを必要とする。項目テーブル1412を参照すると、項目IDが1のパラメータは、対象のホスト名であり、文字列で記述される。また、項目IDが2のパラメータは、起動確認のタイムアウト時間であり、秒単位の数値で記述される。ジョブテンプレートIDが1のサーバ再起動のジョブテンプレートは、対象のホスト名(項目ID=1)、及び起動確認のタイムアウト時間(項目ID=2)の二つのパラメータを指定する必要がある。
【0025】
図5は、ルールテーブル1421の構成例を示す図である。ルールテーブル1421は、一緒に実行されるべきジョブのテンプレートが定義されるテーブルであり、ユーザ側で持っているユーザ毎に設定されるローカルルールや属人ノウハウであるジョブ実行順序が記述される。ルールテーブル1421は、対象ジョブテンプレートを一意に識別するための識別情報(対象ジョブテンプレートID)、対象ジョブテンプレートと関係ジョブテンプレートとの関係を示す関係、及び対象ジョブテンプレートと関係する関係ジョブテンプレートを一意に識別するための識別情報(関係ジョブテンプレートID)を含む。例えば、IDが1のジョブテンプレートには、先行してIDが3のジョブテンプレートによるプロセス監視停止ジョブが実行され、後続してIDが2のジョブテンプレートによるプロセス監視開始ジョブが実行されるべきである。すなわち、プロセス監視を停止した後に、サーバを再起動し、その後にプロセス監視を開始する。
【0026】
図6は、通知メッセージテーブル1511の構成例を示す図である。通知メッセージテーブル1511は、項目に対応して、ユーザに提示されるメッセージを格納する。
【0027】
図7は、入力指示メッセージテーブル1512の構成例を示す図である。入力指示メッセージテーブル1512は、項目に対応して、ユーザに入力を促すメッセージを格納する。
【0028】
図8は、選択指示メッセージテーブル1513の構成例を示す図である。選択指示メッセージテーブル1513は、項目に対応して、ユーザに選択を促すメッセージを格納する。
【0029】
図9は、固定選択文字列テーブル1514の構成例を示す図である。固定選択文字列テーブル1514は、項目に対応して、選択操作にかかるメッセージを格納する。
【0030】
図10は、本発明の実施例のジョブ定義作成システム100が適用されるコンピュータシステムの物理的な構成を示すブロック図である。
【0031】
ジョブ定義作成システム100は、プロセッサ(CPU)10、主記憶装置(メモリ)20、補助記憶装置30、入力装置40、出力装置50、及び通信装置60を有する計算機システムによって構成される。
【0032】
プロセッサ10は、主記憶装置20に格納されたプログラムに従って所定の演算処理を実行する演算装置である。プロセッサ10が、各種プログラムを実行することによって、ジョブ定義作成システム100の各部(例えば、対話インターフェース処理部110、ジョブ定義処理部120、ジョブテンプレート処理部130など)による機能が実現される。なお、プロセッサ10がプログラムを実行して行う処理の一部を、他の演算装置(例えば、ASIC、FPGA等のハードウェア)で実行してもよい。
【0033】
主記憶装置20は、不揮発性の記憶素子であるROM及び揮発性の記憶素子であるRAMを含む。ROMは、不変のプログラム(例えば、BIOS)などを格納する。RAMは、DRAM(Dynamic Random Access Memory)のような高速かつ揮発性の記憶素子であり、プロセッサ10が実行するプログラム及びプログラムの実行時に使用されるデータを一時的に格納する。
【0034】
補助記憶装置30は、例えば、磁気記憶装置(HDD)、フラッシュメモリ(SSD)等の大容量かつ不揮発性の記憶装置である。また、補助記憶装置30は、プロセッサ10がプログラムの実行時に使用するデータ(例えば、ジョブテンプレート情報141、ジョブ定義ルール情報142、メッセージ情報151など)、及びプロセッサ10が実行するプログラムを格納する。すなわち、プログラムは、補助記憶装置30から読み出されて、主記憶装置20にロードされて、プロセッサ10によって実行されることによって、ジョブ定義作成システム100の各機能(例えば、対話インターフェース機能、ジョブ定義機能など)を実現する。
【0035】
入力装置40は、キーボードやマウスなどであり、ユーザからの入力を受けるインターフェースである。出力装置50は、ディスプレイ装置やプリンタなどであり、プログラムの実行結果をユーザが視認可能な形式で出力するインターフェースである。なお、ジョブ定義作成システム100は、入力装置40、及び出力装置50を有さなくてもよく、ジョブ定義作成システム100にネットワーク160を介して接続された端末170が入力装置及び出力装置を提供してもよい。この場合、ジョブ定義作成システム100がウェブサーバの機能を有し、端末170がジョブ定義作成システム100に所定のプロトコル(例えばhttp)でアクセスしてもよい。
【0036】
通信装置60は、所定のプロトコルに従って、他の装置との通信を制御するネットワークインターフェース装置である。
【0037】
プロセッサ10が実行するプログラムは、リムーバブルメディア(CD-ROM、フラッシュメモリなど)又はネットワーク160を介してジョブ定義作成システム100に提供され、非一時的記憶媒体である不揮発性の補助記憶装置30に格納される。このため、ジョブ定義作成システム100は、リムーバブルメディアからデータを読み込むインターフェースを有するとよい。
【0038】
ジョブ定義作成システム100は、物理的に一つの計算機上で、又は、論理的又は物理的に構成された複数の計算機上で構成される計算機システムであり、複数の物理的計算機資源上に構築された仮想計算機上で動作してもよい。例えば、対話インターフェース処理部110、ジョブ定義処理部120、及びジョブテンプレート処理部130は、各々別個の物理的又は論理的計算機上で動作するものでも、複数が組み合わされて一つの物理的又は論理的計算機上で動作するものでもよい。
【0039】
図11は、本発明の実施例のジョブ定義作成システム100が実行する処理のフローチャートである。
【0040】
まず、情報出力部112は、アプリケーション開始メッセージ601を通知メッセージテーブル1511から取得し、対話インターフェース領域1010に表示する(S1)。図12に、アプリケーション開始メッセージ601が表示された表示画面1000の例を示す。
【0041】
次に、ジョブテンプレート処理部130は、ユーザの入力に従って、ジョブネットを作成する(S2)。ジョブネットは、複数のジョブと、当該複数のジョブの実行順序によって定義される。ジョブネット作成処理の詳細は、図13を参照して後述する。
【0042】
次に、ジョブ定義処理部120は、作成されたジョブネットのジョブ定義をジョブ管理システム180に出力するジョブ定義エクスポート処理を実行する(S3)。ジョブ定義エクスポート処理の詳細は、図29を参照して後述する。
【0043】
次に、情報出力部112は、他のジョブネットを定義するかの選択メッセージ802を選択指示メッセージテーブル1513から取得し、対話インターフェース領域1010に表示する(S4、図31)。
【0044】
次に、入力解析部113は、ユーザの入力から、他のジョブネットを定義するかを判定する(S5)。ユーザが他のジョブネットを定義することを選択すると、ステップS2に戻る。一方、ユーザが他のジョブネットを定義しないことを選択すると、アプリケーション終了メッセージ602を通知メッセージテーブル1511から取得し、対話インターフェース領域1010に表示する(S6)。図31に、アプリケーション終了メッセージ602が表示された表示画面1000の例を示す。
【0045】
図12は、端末170に表示される表示画面1000の例を示す図である。
【0046】
表示画面1000は、対話インターフェース領域1010及びジョブネット表示領域1020を含む。
【0047】
対話インターフェース領域1010は、ユーザの入力と、ジョブ定義作成システム100から出力されるメッセージを対話形式で表示する。図12に示す表示画面1000では、アプリケーション開始メッセージ601が対話インターフェース領域1010に表示されている。
【0048】
対話インターフェース領域1010の下部には、ユーザがジョブ定義作成システム100への指示を入力する入力領域1011と、入力領域1011に入力した指示をジョブ定義作成システム100に送信するための送信ボタン1012が設けられる。
【0049】
ジョブネット表示領域1020は、ジョブフロー表示領域1021、及びジョブ詳細情報表示領域1022を含む。ジョブフロー表示領域1021は、作成されたジョブネットに含まれるジョブの実行順序をグラフ形式で表示する。ジョブ詳細情報表示領域1022は、作成されたジョブネットに含まれるジョブの詳細情報を表示する。
【0050】
図13は、ジョブネット作成処理(S2)のフローチャートである。
【0051】
まず、情報出力部112は、ジョブネット定義開始メッセージ603をジョブテンプレート情報141から取得し、対話インターフェース領域1010に表示する(S21)。図14に、ジョブネット定義開始メッセージ603が表示された表示画面1000の例を示す。
【0052】
次に、ジョブテンプレート処理部130は、ジョブネット名入力処理を実行する(S22)。ジョブネット名入力処理の詳細は、図15を参照して後述する。
【0053】
次に、情報出力部112は、ジョブ定義開始メッセージ605を通知メッセージテーブル1511から取得し、対話インターフェース領域1010に表示する(S23)。図17に、ジョブ定義開始メッセージ605が表示された表示画面1000の例を示す。
【0054】
次に、ジョブテンプレート処理部130は、ジョブテンプレート選択処理を実行する(S24)。ジョブテンプレート選択処理の詳細は、図18を参照して後述する。
【0055】
次に、ジョブテンプレート処理部130は、パラメータ入力処理を実行する(S25)。パラメータ入力処理の詳細は、図20を参照して後述する。
【0056】
次に、ジョブテンプレート処理部130は、実行順序入力処理を実行する(S26)。実行順序入力処理の詳細は、図22を参照して後述する。
【0057】
次に、情報出力部112は、ジョブ定義終了メッセージ606を通知メッセージテーブル1511から取得し、対話インターフェース領域1010に表示する(S27)。図23に、ジョブ定義終了メッセージ606が表示された表示画面1000の例を示す。
【0058】
次に、ジョブテンプレート処理部130は、ジョブネット定義ルールチェック処理を実行する(S28)。ジョブネット定義ルールチェック処理の詳細は、図24を参照して後述する。
【0059】
次に、情報出力部112は、次のジョブを定義するかの選択メッセージ801を選択指示メッセージテーブル1513から取得し、選択肢901を固定選択文字列テーブル1514から取得し、対話インターフェース領域1010に表示する(S29)。図27に、次のジョブを定義するかの選択メッセージ801及び選択肢901が表示された表示画面1000の例を示す。
【0060】
次に、入力解析部113は、ユーザの入力から、他のジョブを定義するかを判定する(S30)。ユーザが他のジョブを定義することを選択すると、ステップS25に戻る。一方、ユーザが他のジョブを定義しないことを選択すると、ジョブネット定義終了メッセージ604を通知メッセージテーブル1511から取得し、対話インターフェース領域1010に表示する(S31)。図28に、ジョブネット定義終了メッセージ604が表示された表示画面1000の例を示す。
【0061】
図15は、ジョブネット名入力処理(S22)のフローチャートである。
【0062】
まず、情報出力部112は、ジョブネット名の入力を促すメッセージ701を入力指示メッセージテーブル1512から取得し、対話インターフェース領域1010に表示する(S221、図16参照)。
【0063】
次に、情報入力部111は、入力領域1011にユーザが入力した情報を受け取り、対話インターフェース領域1010に表示する(S222)。
【0064】
次に、ジョブネット表示部121は、ユーザが入力した情報をジョブネット表示領域1020のジョブネット名に表示する(S223)。
【0065】
次に、情報出力部112は、ジョブネット名入力完了メッセージ607を通知メッセージテーブル1511から取得し、対話インターフェース領域1010に表示する(S224)。図16に、ジョブネット名入力完了メッセージ607が表示された表示画面1000の例を示す。
【0066】
図18は、ジョブテンプレート選択処理(S24)のフローチャートである。
【0067】
まず、情報出力部112は、ジョブテンプレート選択開始メッセージ608を通知メッセージテーブル1511から取得し、対話インターフェース領域1010に表示する(S241、図19参照)。
【0068】
次に、情報出力部112は、ジョブテンプレートを検索するためのキーワード入力を促すメッセージ702を入力指示メッセージテーブル1512から取得し、対話インターフェース領域1010に表示する(S242、図19参照)。
【0069】
次に、情報入力部111は、入力領域1011にユーザが入力した情報を受け取り、対話インターフェース領域1010に表示する(S243)。
【0070】
次に、ジョブテンプレート処理部130は、ユーザが入力した情報をキーとしてジョブテンプレートテーブル1411を検索する(S244)。
【0071】
次に、情報出力部112は、ジョブテンプレートの選択メッセージ803を選択指示メッセージテーブル1513から取得し、対話インターフェース領域1010に表示する(S245、図19参照)。
【0072】
次に、情報出力部112は、ジョブテンプレートの検索結果を対話インターフェース領域1010に表示する(S246)。
【0073】
次に、情報入力部111は、入力領域1011にユーザが入力した情報を受け取り、対話インターフェース領域1010に表示する(S247)。
【0074】
次に、ジョブネット表示部121は、ユーザが選択したジョブテンプレートのアイコンをジョブフロー表示領域1021に表示する(S248)。このとき、新たな未確定のジョブのアイコンは、既存の確定したジョブと区別できるように、異なる態様で表示するとよい。
【0075】
次に、情報出力部112は、ジョブテンプレート選択終了メッセージ609を通知メッセージテーブル1511から取得し、対話インターフェース領域1010に表示する(S245、図19参照)。
【0076】
ジョブテンプレート選択終了メッセージ609を通知メッセージテーブル1511から取得し、対話インターフェース領域1010に表示する(S249)。図19に、ジョブテンプレート選択終了メッセージ609が表示された表示画面1000の例を示す。
【0077】
図20は、パラメータ入力処理(S25)のフローチャートである。
【0078】
まず、ジョブテンプレート処理部130は、当該ジョブテンプレートのパラメータを一つ必要パラメータテーブル1413から取り出す(S251)。例えば、サーバ再起動のジョブであれば、最初のパラメータとして対象のホスト名が取り出され。2番目のパラメータとして起動確認のタイムアウト時間(秒)が取り出される。
【0079】
次に、情報出力部112は、パラメータの入力を促すメッセージ703を入力指示メッセージテーブル1512から取得し、対話インターフェース領域1010に表示する(S252)。図21に、2番目のパラメータの入力を促すメッセージ703が表示された表示画面1000の例を示す。
【0080】
次に、情報入力部111は、入力領域1011にユーザが入力した情報を受け取り、対話インターフェース領域1010に表示する(S253)。
【0081】
次に、ジョブネット表示部121は、ユーザが入力した情報をジョブ詳細情報表示領域1022の対象のホスト名、及び起動確認のタイムアウト時間(秒)に表示する(S254)。
【0082】
次に、ジョブテンプレート処理部130は、必要パラメータテーブル1413を参照して、ユーザから入力されていないパラメータがあるかを判定する(S255)。
【0083】
図22は、実行順序入力処理(S26)のフローチャートである。
【0084】
まず、情報出力部112は、ジョブ実行順序の選択メッセージ804を選択指示メッセージテーブル1513から取得し、対話インターフェース領域1010に表示する(S261、図23)。
【0085】
次に、情報出力部112は、ジョブの実行順序の候補を対話インターフェース領域1010に表示する(S262)。
【0086】
次に、情報入力部111は、入力領域1011にユーザが入力した情報を受け取り、対話インターフェース領域1010に表示する(S262)。
【0087】
次に、ジョブネット表示部121は、ユーザが指定した実行順序でジョブのアイコンをジョブフロー表示領域1021に表示する(S264)。このとき、実行順序が定められたジョブは、既存のジョブと区別できる態様で表示するとよい。
【0088】
図24は、ジョブネット定義ルールチェック処理(S28)のフローチャートである。
【0089】
まず、ジョブテンプレート処理部130は、作成中のジョブネット定義のうち、まだ処理してないジョブテンプレートがあるかを判定する(S281)。
【0090】
ジョブテンプレート処理部130は、処理してないジョブテンプレートがない場合、ルール違反メッセージとルールを満たしていない関連ジョブを対話インターフェース領域1010に表示する(S284)。
【0091】
一方、ジョブテンプレート処理部130は、処理してないジョブテンプレートがある場合、作成中のジョブネット定義からジョブテンプレートを一つ指定する(S282)。
【0092】
次に、ジョブテンプレート処理部130は、指定された一つのジョブテンプレートのジョブ定義ルールチェック(S283)。ジョブネット定義ルールチェック処理の詳細は、図25を参照して後述する。
【0093】
図25は、ジョブネット定義ルールチェック処理(S283)のフローチャートである。
【0094】
まず、ジョブテンプレート処理部130は、当該ジョブテンプレートのルールをルールテーブル1421から取得する(S2831)。
【0095】
次に、ジョブテンプレート処理部130は、まだチェックしていないルールがあるかを判定する(S2832)。
【0096】
全てのルールのチェックが完了していれば、ジョブネット定義ルールチェック処理を終了し、呼出元の処理に戻る。
【0097】
一方、まだチェックしていないルールがあれば、ジョブテンプレート処理部130は、ジョブテンプレートの先行ジョブ及び後続ジョブがルールを満たしているかをチェックし(S2833)、ステップS2831で取得したルールを満たしているかを判定する(S2834)。なお、先行ジョブであるか及び後続ジョブであるかの判定は、当該ジョブの直前又は直後でなくても、当該ジョブと1以上のジョブを挟んで先行又は後続するジョブでもよい。その結果、ルールを満たしていれば、ステップS2832に戻る。
【0098】
一方、ルールを満たしていなければ、ジョブテンプレート処理部130が、関連ジョブとして、ルール違反一覧に記憶し、情報出力部112が、ルール違反メッセージ610を通知メッセージテーブル1511から取得し、対話インターフェース領域1010に表示する(S2835)。図26に、ルール違反メッセージ610が表示された表示画面1000の例を示す。図26では、「プロセス監視停止」ジョブの後続ジョブに(サーバ再起動ジョブを挟んで)「プロセス監視開始」ジョブが必要であることが通知されている。
【0099】
図29は、ジョブ定義エクスポート処理(S3)のフローチャートである。
【0100】
まず、ジョブ定義管理部122は、作成したジョブ定義をジョブ管理システム180に入力可能な形式に整形する(S31)。
【0101】
次に、ジョブ定義管理部122は、ジョブ定義をジョブ管理システム180に送信し、ジョブ管理システム180にジョブ定義を保存する(S32)。
【0102】
次に、情報出力部112は、ジョブ定義の保存完了メッセージ611を通知メッセージテーブル1511から取得し、対話インターフェース領域1010に表示する(S33)。図30に、ジョブ定義の保存完了メッセージ611が表示された表示画面1000の例を示す。
【0103】
なお、本発明は前述した実施例に限定されるものではなく、添付した特許請求の範囲の趣旨内における様々な変形例及び同等の構成が含まれる。例えば、前述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに本発明は限定されない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えてもよい。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えてもよい。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をしてもよい。
【0104】
また、前述した各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等により、ハードウェアで実現してもよく、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し実行することにより、ソフトウェアで実現してもよい。
【0105】
各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、又は、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に格納することができる。
【0106】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、実装上必要な全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、ほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてよい。
【符号の説明】
【0107】
10 プロセッサ
20 主記憶装置
30 補助記憶装置
40 入力装置
50 出力装置
60 通信装置
100 ジョブ定義作成システム
110 対話インターフェース処理部
111 情報入力部
112 情報出力部
113 入力解析部
120 ジョブ定義処理部
121 ジョブネット表示部
122 ジョブ定義管理部
130 ジョブテンプレート処理部
131 ジョブテンプレート管理部
132 ジョブ定義ルール管理部
140 ジョブテンプレート情報部
141 ジョブテンプレート情報
1411 ジョブテンプレートテーブル
1412 項目テーブル
1413 必要パラメータテーブル
142 ジョブ定義ルール情報
1421 ルールテーブル
150 対話インターフェース情報部
151 メッセージ情報
1511 通知メッセージテーブル
1512 入力指示メッセージテーブル
1513 選択指示メッセージテーブル
1514 固定選択文字列テーブル
160 ネットワーク
170 端末
180 ジョブ管理システム
181 ジョブ定義
190 ジョブ実行計算機
1000 表示画面
1010 対話インターフェース領域
1011 入力領域
1012 送信ボタン
1020 ジョブネット表示領域
1021 ジョブフロー表示領域
1022 ジョブ詳細情報表示領域
図1
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