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特開2024-57733情報処理装置、情報処理方法、プログラム、及び端末装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057733
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、プログラム、及び端末装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/20 20120101AFI20240418BHJP
   G09B 5/06 20060101ALI20240418BHJP
   G09B 19/00 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
G06Q50/20
G09B5/06
G09B19/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022164588
(22)【出願日】2022-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002044
【氏名又は名称】弁理士法人ブライタス
(72)【発明者】
【氏名】高橋 伸寿
(72)【発明者】
【氏名】入澤 祐太
(72)【発明者】
【氏名】吉田 昂右
(72)【発明者】
【氏名】福田 浩司
【テーマコード(参考)】
2C028
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
2C028BB04
2C028BC05
5L049CC34
5L050CC34
(57)【要約】
【課題】 受講者の受講態度をチェックポイントで監視することにより、システムの負荷を小さくすることにある。
【解決手段】 情報処理装置は、端末装置で再生する講習動画に、あらかじめ設定されたチェックポイントにおいて、端末装置から送信された、端末装置により撮像された受講者の生体画像を用いて、受講者の受講態度を表す指標を算出する算出部と、算出した指標を用いて、指標の低下を表す指標低下範囲と、端末装置で再生している講習動画を操作するための操作情報と、が関連付けられた講習動画操作情報を参照し、算出した指標に対応する操作情報を選択する選択部と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置で再生する講習動画に、あらかじめ設定されたチェックポイントにおいて、前記端末装置から送信された、前記端末装置により撮像された受講者の生体画像を用いて、前記受講者の受講態度を表す指標を算出する算出手段と、
算出した前記指標を用いて、前記指標の低下を表す指標低下範囲と、前記端末装置で再生している前記講習動画を操作するための操作情報と、が関連付けられた講習動画操作情報を参照し、算出した前記指標に対応する操作情報を選択する選択手段と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記操作情報は、前記指標が低下した場合、前記端末装置に、前記受講態度を改めることを促す通知を出力させる情報である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記操作情報は、前記指標が低下した場合、前記端末装置に、再生中の前記講習動画を停止させる情報である、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記操作情報は、前記指標が低下した場合、前記端末装置に、前記指標が低下したチェックポイントより前の時点から前記講習動画を再生させる情報である、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記指標は、集中度、覚醒度、緊張度のいずれか一つ以上である、
請求項2から4のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータが、
端末装置で再生する講習動画に、あらかじめ設定されたチェックポイントにおいて、前記端末装置から送信された、前記端末装置により撮像された受講者の生体画像を用いて、前記受講者の受講態度を表す指標を算出し、
算出した前記指標を用いて、前記指標の低下を表す指標低下範囲と、前記端末装置で再生している前記講習動画を操作するための操作情報と、が関連付けられた講習動画操作情報を参照し、算出した前記指標に対応する操作情報を選択する、
情報処理方法。
【請求項7】
コンピュータに、
端末装置で再生する講習動画に、あらかじめ設定されたチェックポイントにおいて、前記端末装置から送信された、前記端末装置により撮像された受講者の生体画像を用いて、前記受講者の受講態度を表す指標を算出させ、
算出した前記指標を用いて、前記指標の低下を表す指標低下範囲と、前記端末装置で再生している前記講習動画を操作するための操作情報と、が関連付けられた講習動画操作情報を参照し、算出した前記指標に対応する操作情報を選択させる、
プログラム。
【請求項8】
講習動画を再生する再生手段と、
前記講習動画の再生中に、あらかじめ設定されたチェックポイントを検出した場合、前記チェックポイントを検出した後、受講者の生体画像を、通信手段を介して情報処理装置へ送信する検出手段と、
前記受講者の受講態度を表す指標が低下した場合、前記情報処理装置から送信される操作情報に基づいて、前記受講態度を改めることを促す通知を出力手段に出力する操作手段と、
を有する端末装置。
【請求項9】
前記操作手段は、前記指標が低下した場合、前記操作情報に基づいて、再生中の前記講習動画を停止させる、
請求項8に記載の端末装置。
【請求項10】
前記操作手段は、前記指標が低下した場合、前記操作情報に基づいて、前記指標が低下した前記チェックポイントより前の時点から前記講習動画を再生させる、
請求項9に記載の端末装置。
【請求項11】
前記検出手段は、前記チェックポイント以外のダミーポイントを検出すると、ダミーデータを前記情報処理装置に送信する、
請求項10に記載の端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、オンライン講習を監視する情報処理装置、情報処理方法、プログラム、及び端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
オンライン講習では、受講者は、端末装置(例えば、スマホ、タブレット、パーソナルコンピュータなど)を使用して専用サイトにアクセスし、講習動画を視聴することで、講習を受講する。また、受講者が受講したことを確認するために、受講開始直前と受講直後に、端末装置に搭載されている撮像装置を用いて、受講者に、本人の顔画像を撮像させ、撮像された受講者の顔画像と、あらかじめ記憶されている受講者の顔画像とを用いて、本人認証処理を実施している。
【0003】
ところが、上述した受講確認処理では、受講者が講習動画を視聴していなくても、講習動画を全て再生したことが検知できれば、受講者が講習を受講したと判定してしまう。
【0004】
関連する技術として特許文献1には、インターネット講義管理装置が開示されている。特許文献1のインターネット講義管理装置によれば、受講者の受講態度を、複数の測定機器を用いて測定し、測定結果に基づいて受講生の受講態度(集中度)を検出している。測定機器は、受講生の視線、脳波、血圧、音声、書き取り能力などを測定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004-301952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のインターネット講義管理装置では、インターネット講義(オンライン講習)を受講する受講者に対して、常時、複数の専用の測定機器を用いて受講態度(集中度)を検出している。
【0007】
本開示の目的の一例は、受講者の受講態度をチェックポイントで監視することにより、システムの負荷を小さくすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本開示の一側面における情報処理装置は、
端末装置で再生する講習動画に、あらかじめ設定されたチェックポイントにおいて、前記端末装置から送信された、前記端末装置により撮像された受講者の生体画像を用いて、前記受講者の受講態度を表す指標を算出する算出部と、
算出した前記指標を用いて、前記指標の低下を表す指標低下範囲と、前記端末装置で再生している前記講習動画を操作するための操作情報と、が関連付けられた講習動画操作情報を参照し、算出した前記指標に対応する操作情報を選択する選択部と、
を有することを特徴とする。
【0009】
また、上記目的を達成するため、本開示の一側面における情報処理方法は、
コンピュータが、
端末装置で再生する講習動画に、あらかじめ設定されたチェックポイントにおいて、前記端末装置から送信された、前記端末装置により撮像された受講者の生体画像を用いて、前記受講者の受講態度を表す指標を算出し、
算出した前記指標を用いて、前記指標の低下を表す指標低下範囲と、前記端末装置で再生している前記講習動画を操作するための操作情報と、が関連付けられた講習動画操作情報を参照し、算出した前記指標に対応する操作情報を選択する、
ことを特徴とする。
【0010】
また、上記目的を達成するため、本開示の一側面におけるプログラムは、
コンピュータに、
端末装置で再生する講習動画に、あらかじめ設定されたチェックポイントにおいて、前記端末装置から送信された、前記端末装置により撮像された受講者の生体画像を用いて、前記受講者の受講態度を表す指標を算出させ、
算出した前記指標を用いて、前記指標の低下を表す指標低下範囲と、前記端末装置で再生している前記講習動画を操作するための操作情報と、が関連付けられた講習動画操作情報を参照し、算出した前記指標に対応する操作情報を選択させる、
ことを特徴とする。
【0011】
さらに、上記目的を達成するため、本開示の一側面における端末装置は、
講習動画を再生する再生手段と、
前記講習動画の再生中に、あらかじめ設定されたチェックポイントを検出した場合、前記チェックポイントを検出した後、受講者の生体画像を、通信手段を介して情報処理装置へ送信する検出手段と、
前記受講者の受講態度を表す指標が低下した場合、前記情報処理装置から送信される操作情報に基づいて、前記受講態度を改めることを促す通知を出力手段に出力する操作手段と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
以上のように本開示によれば、受講者の受講態度をチェックポイントで監視することにより、システムの負荷を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、情報処理装置の一例を説明するための図である。
図2図2は、情報処理装置を有するシステムの一例を説明するための図である。
図3図3は、講習動画操作情報のデータ構造の一例を説明するための図である。
図4図4は、情報処理装置の動作の一例を説明するための図である。
図5図5は、端末装置の動作の一例を説明するための図である。
図6図6は、実施形態における情報処理装置を実現するコンピュータの一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。なお、以下で説明する図面において、同一の機能又は対応する機能を有する要素には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略することもある。
【0015】
(実施形態)
図1を用いて、実施形態における情報処理装置10の構成について説明する。図1は、情報処理装置の一例を説明するための図である。
【0016】
[装置構成]
情報処理装置10は、オンライン講習の受講者の受講態度を、あらかじめ設定されたチェックポイントにおいて監視することで、システムの負荷を小さくする。情報処理装置10は、算出部11と、選択部12とを有する。情報処理装置10は、端末装置20と、ネットワーク30を介して接続されている。
【0017】
算出部11は、端末装置20で再生される講習動画に、あらかじめ設定されたチェックポイントにおいて、端末装置20から送信された、端末装置20により撮像された受講者の生体画像を用いて、受講者の受講態度を表す指標を算出する。
【0018】
講習動画は、オンライン講習で用いる動画である。講習動画は、オンライン講習を開催する開催者が有するサーバコンピュータ、データベースなどに記憶されている。講習動画は、受講者の端末装置20を用いて、ネットワーク30を介して、上述したサーバコンピュータ、データベースなどから取得する。なお、講習動画は、情報処理装置10に記憶してもよい。
【0019】
オンライン講習とは、例えば、オンライン上で開催される講習、研修などである。なお、実施形態では、説明を分かり易くすらため、一例として優良運転者が運転免許の更新の際に利用するオンライン講習について説明する。
【0020】
チェックポイントは、講習動画の再生時間内(講習動画の全部の再生期間)、又は、講習動画のうち受講者に見てほしい部分の動画の再生時間内(講習動画の一部の再生期間)に設定する。具体的には、講習動画の全部の再生期間、又は、講習動画の一部の再生期間に、チェックポイントを一つ以上設定する。
【0021】
なお、チェックポイントは、例えば、講習動画の全部の再生期間、又は、講習動画の一部の再生期間に、一定間隔又はランダムに設定してもよい。
【0022】
さらに、チェックポイントが固定(一定間隔、あらかじめ決められた箇所)である場合、チェックポイントと別に、ランダムにダミーポイントを設定してもよい。ダミーポイントは、端末装置20が情報処理装置10にダミーデータを送信するポイントである。
【0023】
ダミーデータを送信する理由は、チェックポイントが設定されていることが、受講前に受講者に知られてしまうと、チェックポイント以外の期間において、受講者が受講していない可能性、又は、受講者の受講態度が悪くなる可能性があるからである。受講態度が悪くなるとは、例えば、受講以外の作業をしている、居眠り、撮像装置の前に本人の写真などを置いて退席していることなどが考えられる。
【0024】
そこで、端末装置20に、チェックポイント以外にも、ランダムなタイミングで、ダミーデータを情報処理装置10に送信させる。又は、常時、又は、ランダムなタイミングで、端末装置20に、ダミーデータを情報処理装置10に送信している振りをさせてもよい。
【0025】
受講態度を表す指標とは、例えば、受講者の受講時の集中度、覚醒度、緊張度などを用いる。なお、受講態度を表す指標は、集中度、覚醒度、緊張度のいずれか一つ以上を用いる。なお、集中度、覚醒度、緊張度は、既存の方法を用いて算出する。受講態度を表す指標の詳細については後述する。
【0026】
選択部12は、算出した受講態度を表す指標を用いて、指標が低下を表す指標低下範囲と、端末装置20で再生している講習動画を操作するための操作情報と、が関連付けられた講習動画操作情報を参照し、算出した受講態度を表す指標に対応する操作情報を選択する。
【0027】
操作情報は、受講態度を表す指標が低下した場合、端末装置20の不図示の出力部に、受講者に受講態度を改めることを促す通知を出力(通知画像を表示、又は、通知音声を出力、又はそれら両方)させる情報である。また、操作情報は、受講態度を表す指標が低下した場合、端末装置20に、再生中の講習動画を停止させる情報である。さらに、操作情報は、受講態度が低下した場合、端末装置20に、受講態度が低下したチェックポイントより前の時点から再生させる情報である。
【0028】
上述したように実施形態においては、複数の専用の測定機器を用いず、生体画像だけを用いて受講態度を表す指標を算出することができる。
【0029】
また、端末装置20は、講習動画の再生を開始した後、チェックポイントにおいてだけ生体画像を情報処理装置10に送信するので、システムの負荷を小さくすることができる。ここで、システムの負荷は、例えば、端末装置20と情報処理装置10との間の通信トラフィックなどである。また、システムの負荷は、例えば、情報処理装置10にて受講態度を算出する処理を行う際のCPU、メモリ、ディスクの使用率の上昇などである。
【0030】
[システム構成]
図2を用いて、実施形態における情報処理装置10について具体的に説明する。図2は、情報処理装置を有するシステムの一例を説明するための図である。図2の例では、システム100は、情報処理装置10と、端末装置20と、ネットワーク30とを有する。
【0031】
情報処理装置10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、又はFPGA(Field-Programmable Gate Array)などのプログラマブルなデバイス、又はGPU(Graphics Processing Unit)、又はそれらのうちのいずれか一つ以上を搭載した回路、サーバコンピュータなどの装置である。
【0032】
端末装置20は、例えば、CPU、又はFPGAなどのプログラマブルなデバイス、又はGPU、又はそれらのうちのいずれか一つ以上を搭載した回路、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォンなどの装置である。
【0033】
端末装置20は、端末装置20が有する不図示の出力部(例えば、モニタ、スピーカなど)に画像及び音声などを出力する。モニタは、例えば、液晶、有機EL(Electro Luminescence)などの表示部である。
【0034】
ネットワーク30は、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、専用回線、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(Wireless Fidelity)などの通信回線を用いて構築された一般的な通信ネットワークである。
【0035】
情報処理装置について詳細に説明する。
情報処理装置10は、通信部13と、算出部11と、選択部12とを有する。
【0036】
通信部13は、ネットワーク30を介して、端末装置20の通信部26と通信をする。具体的には、通信部13は、チェックポイントごとに、端末装置20の通信部26から送信される生体画像(受講者の顔を含む複数の画像又は動画)を受信する。
【0037】
なお、端末装置20は、生体画像を送信する場合、圧縮処理、又は暗号化処理、又は両方をしてから、情報処理装置10に送信してもよい。
【0038】
算出部11は、通信部13が受信した生体画像を用いて、受講者の受講態度を表す指標を算出する。具体的には、算出部11は、受講態度を表す指標として、(1)集中度、(2)覚醒度、(3)緊張度を全て算出する。又は、算出部11は、(1)集中度、(2)覚醒度、(3)緊張度のいずれか一つ以上を算出する。
【0039】
(1)集中度の算出方法
受講態度を表す指標として集中度を用いる場合、算出部11は、複数の生体画像を用いて、画像処理により、受講者の視線の向きを推定し、推定した視線に基づいて集中度を決定する。具体的には、推定した視線が、端末装置20の不図示の表示部(モニタ)の方向を向いている場合、集中度を高くする。端末装置20の表示部(モニタ)の方向を向いていない場合、集中度を低くする。
【0040】
又は、算出部11は、複数の生体画像を用いて、画像処理により、受講者の視線の向きを推定し、推定した視線のうち、端末装置20の表示部(モニタ)の方向を向いている視線の数を算出し、算出した視線の数に応じて集中度を決定する。すなわち、端末装置20の表示部(モニタ)の方向を向いている視線の数が多いほど集中度を高くする。
【0041】
なお、集中度の算出方法は、上述した方法に限定されるものでなく、生体画像から集中度を算出できる方法であればよい。
【0042】
(2)覚醒度の算出方法
受講態度を表す指標として覚醒度を用いる場合、算出部11は、複数の生体画像を用いて、画像処理により、受講者の瞼の開閉を推定し、推定した瞼の開閉の程度に基づいて覚醒度を決定する。具体的には、瞼が閉じている又は閉じそうなほど(開眼度が低い場合)、覚醒度を低くする。瞼が開いているほど(開眼度が高い場合)、覚醒度を高くする。
【0043】
又は、算出部11は、複数の生体画像を用いて、画像処理により、受講者の瞼の開閉を推定し、推定した瞼の開閉に基づいて瞬きの数を算出する。次に、算出部11は、算出した瞬きの数に応じて覚醒度を決定する。すなわち、具体的には、瞬きの数が少ない(眠気が弱い)ほど、覚醒度を高くし、瞬きの数が多い(眠気が強い)ほど、覚醒度を低くする。
【0044】
なお、覚醒度の算出方法は、上述した方法に限定されるものでなく、生体画像から覚醒度を算出できる方法であればよい。
【0045】
(3)緊張度の算出方法
受講態度を表す指標として緊張度を用いる場合、算出部11は、複数の生体画像を用いて、画像処理により、受講者の顔表面のRGB成分のうちのG成分(緑)を用いて脈拍数を推定し、推定した脈拍数に基づいて緊張度を決定する。具体的には、脈拍数が少ないほど、緊張度を低くする。脈拍数が高いほど、緊張度を高くする。
【0046】
なお、緊張度の算出方法は、上述した方法に限定されるものでなく、生体画像から緊張度を算出できる方法であればよい。
【0047】
選択部12は、受講者の受講態度を表す指標(集中度、覚醒度、緊張度のいずれか一つ以上)を用いて、講習動画操作情報を参照し、算出した指標に対応する操作情報を選択する。
【0048】
講習動画操作情報は、受講者の受講態度を表す指標の低下を表す指標低下範囲と、端末装置20で再生している講習動画を操作するための操作情報と、が関連付けられた情報である。
【0049】
図3は、講習動画操作情報のデータ構造の一例を説明するための図である。図3の講習動画操作情報31、32、33は、指標と、指標低下範囲と、操作情報とが関連付けられている。
【0050】
講習動画操作情報31では、指標「集中度」と、指標低下範囲「Con<ConTh1」と、操作情報「op1」とが関連付けられている。算出した集中度Conが集中度閾値ConTh1より低下した場合(集中度が低下した場合)、情報処理装置10は、受講態度を改めることを促す通知を出力させるための操作情報op1を、通信部13を介して端末装置20に送信する。
【0051】
また、講習動画操作情報31では、指標「覚醒度」と、指標低下範囲「Ale<AleTh1」と、操作情報「op1」とが関連付けられている。算出した覚醒度Aleが覚醒度閾値AleTh1より低下した場合(覚醒度が低下した場合)、情報処理装置10は、受講態度を改めることを促す通知を出力させるための操作情報op1を、通信部13を介して端末装置20に送信する。
【0052】
また、講習動画操作情報31では、指標「緊張度」と、指標低下範囲「Ten<TenTh1」と、操作情報「op1」とが関連付けられている。算出した緊張度Tenが緊張度閾値TenTh1より低下した場合(緊張度が低下した場合)、情報処理装置10は、受講態度を改めることを促す通知を出力させるための操作情報op1を、通信部13を介して端末装置20に送信する。
【0053】
講習動画操作情報32では、指標「集中度」と、指標低下範囲「Con<ConTh2」と、操作情報「op2」とが関連付けられている。算出した集中度Conが集中度閾値ConTh2(<ConTh1)より低下した場合(集中度が低下した場合)、情報処理装置10は、再生中の講習動画を停止させるための操作情報op2を、通信部13を介して端末装置20に送信する。
【0054】
また、講習動画操作情報32では、指標「覚醒度」と、指標低下範囲「Ale<AleTh2」と、操作情報「op2」とが関連付けられている。算出した覚醒度Aleが覚醒度閾値AleTh2(<AleTh1)より低下した場合(覚醒度が低下した場合)、情報処理装置10は、再生中の講習動画を停止させるための操作情報op2を、通信部13を介して端末装置20に送信する。
【0055】
また、講習動画操作情報32では、指標「緊張度」と、指標低下範囲「Ten<TenTh2」と、操作情報「op2」とが関連付けられている。算出した緊張度Tenが緊張度閾値TenTh2(<TenTh1)より低下した場合(緊張度が低下した場合)、情報処理装置10は、再生中の講習動画を停止させるための操作情報op2を、通信部13を介して端末装置20に送信する。
【0056】
講習動画操作情報33では、指標「集中度」と、指標低下範囲「Con<ConTh3」と、操作情報「op3」とが関連付けられている。算出した集中度Conが集中度閾値ConTh3(<ConTh2)より低下した場合(集中度が低下した場合)、情報処理装置10は、指標が低下したチェックポイントより前の時点から講習動画を再生させるための操作情報op3を、通信部13を介して端末装置20に送信する。
【0057】
また、講習動画操作情報33では、指標「覚醒度」と、指標低下範囲「Ale<AleTh3」と、操作情報「op3」とが関連付けられている。算出した覚醒度Aleが覚醒度閾値AleTh3(<AleTh2)より低下した場合(覚醒度が低下した場合)、情報処理装置10は、指標が低下したチェックポイントより前の時点から講習動画を再生させるための操作情報op3を、通信部13を介して端末装置20に送信する。
【0058】
また、講習動画操作情報32では、指標「緊張度」と、指標低下範囲「Ten<TenTh3」と、操作情報「op3」とが関連付けられている。算出した緊張度Tenが緊張度閾値TenTh3(<TenTh2)より低下した場合(緊張度が低下した場合)、情報処理装置10は、指標が低下したチェックポイントより前の時点から講習動画を再生させるための操作情報op3を、通信部13を介して端末装置20に送信する。
【0059】
端末装置について詳細に説明する。
端末装置20は、撮像部21と、設定部22と、再生部23と、検出部24と、操作部25と、通信部26とを有する。撮像部21は、例えば、端末装置20に設けられているカメラなどである。
【0060】
設定部22は、受講者の顔画像の位置を設定(キャリブレーション)する。具体的には、まず、端末装置20は、キャリブレーションを受講者にさせるためのキャリブレーション指示情報を情報処理装置10から受信する。
【0061】
次に、設定部22は、端末装置20及びネットワーク30のスペックが、オンライン講習を受講できるスペックであるか否かを判定する。
【0062】
具体的には、設定部22は、端末装置20のスペック(処理性能、カメラ機能など)をチェックし、チェックした結果が、オンライン講習を受講可能なスペックに達していない場合、受講可能なスペックでないことを通知する画像を端末装置20の表示部(モニタ)に表示する。上述した通知は、端末装置20の不図示のスピーカから音声で通知してもよい。
【0063】
次に、設定部22は、ネットワーク30の通信速度をチェックし、チェックした結果が、通信速度が既定値以上である場合、受講可能なスペックでないことを通知する画像を端末装置20の表示部(モニタ)に表示する。上述した通知は、端末装置20のスピーカから音声で通知してもよい。
【0064】
次に、設定部22は、上述したチェックした結果が、受講可能なスペックに達している場合、生体画像の顔画像の位置を決定する。具体的には、受講者ごとに受講環境が異なるので、受講者の受講態度を表す指標が精度よく算出できるように、生体画像の顔画像の位置が、あらかじめ設定されている適切な顔画像の位置にくるように、受講者に促す。
【0065】
理由は、端末装置20の種類により、カメラが設けられている位置、端末装置20の設置の仕方が異なるので、受講者の顔が撮像できる位置、角度が、端末装置20により異なるからである。また、照明条件により顔画像を上手く撮像できないことがあるからである。
【0066】
そこで、受講者に、受講者の受講態度を表す指標が精度よく算出できる位置に、受講者を誘導するための通知を、表示部(モニタ)に表示してもよい。端末装置20は、例えば、「顔の位置を右に移動してください」などの表示、又は音声、又は両方を出力する。
【0067】
再生部23は、利用者が端末装置20を用いて講習動画の再生を実行させると、ネットワーク30を介して、上述した情報処理装置10、又は情報処理装置10以外のサーバコンピュータ、又はデータベースなどから講習動画を取得し再生する。なお、講習動画の再生は、ストリーミング再生でもよいし、講習動画を一括ダウンロードした後に再生してもよい。
【0068】
検出部24は、講習動画の再生中に、チェックポイントを検出した場合、チェックポイントを検出した後、あらかじめ設定した期間(生体画像送信期間)に撮像した生体画像(受講者の顔を含む複数の画像又は動画)を、通信部26を介して情報処理装置10へ送信する。生体画像送信期間は、実験、シミュレーションなどにより決定する。
【0069】
検出部24は、講習動画の再生中に、ダミーポイントを検出した場合、ダミーポイントを検出した後、あらかじめ設定した期間(ダミーデータ送信期間)に、ダミーデータを、通信部26を介して情報処理装置10へ送信する。ダミーデータは、例えば、中身がない(データサイズが0バイトの)空ファイル、あるいは、端末装置20から情報処理装置10へ送信する生体画像データと概ね同じデータサイズのファイルである。
【0070】
又は、検出部24は、ダミーポイントを検出した場合、ダミーポイントを検出した後、ダミーデータ送信期間、通信部26を介して情報処理装置10へ送信する振りをする。データを送信する振りとは、例えば、データを添付せずに端末装置20から情報処理装置10へpingコマンドを発行するような処理である。
【0071】
操作部25は、情報処理装置10から操作情報を取得すると、操作情報に基づいて操作を実行する。具体的には、操作部25は、操作情報op1を取得した場合、受講態度を改めることを促す通知画像を表示部(モニタ)に表示させる。また、操作部25は、受講態度を改めることを促す音声をスピーカから出力する。さらに、操作部25は、受講態度を改めることを促す通知画像と音声の両方を出力してもよい。
【0072】
また、操作部25は、操作情報op2を取得した場合、再生中の講習動画を停止させる。さらに、操作部25は、操作情報op3を取得した場合、指標が低下したチェックポイントより前の時点から、再度、講習動画を再生させる。
【0073】
通信部26は、ネットワーク30を介して、情報処理装置10の通信部13と通信をする。具体的には、通信部26は、チェックポイントごとに、生体画像(受講者の顔を含む複数の画像又は動画)を情報処理装置10の通信部13に送信する。
【0074】
通信部26は、ダミーポイントごとに、ダミーデータを情報処理装置10の通信部13に送信してもよい。
【0075】
なお、端末装置20は、情報処理装置10の処理負荷を軽減するため、生体画像(受講者の顔を含む複数の画像又は動画)の圧縮などの前処理を実行させることが望ましい。
【0076】
また、端末装置20は、漏洩を防止するため(プライバシー侵害を防ぐ)ため、生体画像の暗号化をしてから、情報処理装置10に送信することが望ましい。
【0077】
[装置動作]
実施形態における情報処理装置の動作について図4を用いて説明する。図4は、情報処理装置の動作の一例を説明するための図である。以下の説明においては、適宜図を参照する。また、実施形態では、情報処理装置を動作させることによって、情報処理方法が実施される。よって、実施形態における情報処理方法の説明は、以下の情報処理装置の動作説明に代える。
【0078】
まず、端末装置20が、キャリブレーションを完了した後、講習動画の再生を開始する。次に、端末装置20がチェックポイントにおいて送信された生体画像(受講者の顔を含む複数の画像又は動画)を通信部13が受信した場合(ステップA1:Yes)、ステップA1の処理を実行する。生体画像が受信できない場合(ステップA1:No)、生体画像の受信を待つ。生体画像が受信できない場合には、ダミーデータを受信した場合を含む。
【0079】
次に、算出部11は、受信した生体画像を用いて、受講者の受講態度を表す指標を算出する(ステップA2)。具体的には、ステップA2において、算出部11は、受講態度を表す指標として、上述した(1)集中度、(2)覚醒度、(3)緊張度を全て算出する。又は、算出部11は、(1)集中度、(2)覚醒度、(3)緊張度のいずれか一つ以上を算出する。
【0080】
次に、選択部12は、受講者の受講態度を表す指標が低下していない場合(集中度、覚醒度、緊張度のすべてが低下していない場合)(ステップA3:No)、受講者は受講していると推定できるので、ステップA1に移行して、次の生体画像の受信を待つ。
【0081】
また、選択部12は、受講者の受講態度を表す指標が低下している場合(集中度、覚醒度、緊張度のいずれかが低下している場合)(ステップA3:Yes)、受講態度を表す指標(集中度、覚醒度、緊張度のいずれか一つ以上)を用いて、講習動画操作情報を参照し、算出した指標に対応する操作情報を選択する(ステップA4)。その後、選択部12は、選択した操作情報を、通信部13を介して端末装置20に送信する(ステップA5)。
【0082】
ステップ4において、算出した集中度Conが集中度閾値ConTh1より低下した場合(集中度が低下した場合)、選択部12は、受講態度を改めることを促す通知を出力させるための操作情報op1を、通信部13を介して端末装置20に送信する。
【0083】
また、ステップ4において、算出した覚醒度Aleが覚醒度閾値AleTh1より低下した場合(覚醒度が低下した場合)、選択部12は、受講態度を改めることを促す通知を出力させるための操作情報op1を、通信部13を介して端末装置20に送信する。
【0084】
また、ステップ4において、算出した緊張度Tenが緊張度閾値TenTh1より低下した場合(緊張度が低下した場合)、選択部12は、受講態度を改めることを促す通知を出力させるための操作情報op1を、通信部13を介して端末装置20に送信する。
【0085】
また、ステップ4において、算出した集中度Conが集中度閾値ConTh2(<ConTh1)より低下した場合(集中度が低下した場合)、選択部12は、再生中の講習動画を停止させるための操作情報op2を、通信部13を介して端末装置20に送信する。
【0086】
また、ステップ4において、算出した覚醒度Aleが覚醒度閾値AleTh2(<AleTh1)より低下した場合(覚醒度が低下した場合)、選択部12は、再生中の講習動画を停止させるための操作情報op2を、通信部13を介して端末装置20に送信する。
【0087】
また、ステップ4において、算出した緊張度Tenが緊張度閾値TenTh2(<TenTh1)より低下した場合(緊張度が低下した場合)、選択部12は、再生中の講習動画を停止させるための操作情報op2を、通信部13を介して端末装置20に送信する。
【0088】
また、ステップ4において、算出した集中度Conが集中度閾値ConTh3(<ConTh2)より低下した場合(集中度が低下した場合)、選択部12は、指標が低下したチェックポイントより前の時点から講習動画を再生させるための操作情報op3を、通信部13を介して端末装置20に送信する。
【0089】
また、ステップ4において、算出した覚醒度Aleが覚醒度閾値AleTh3(<AleTh2)より低下した場合(覚醒度が低下した場合)、選択部12は、指標が低下したチェックポイントより前の時点から講習動画を再生させるための操作情報op3を、通信部13を介して端末装置20に送信する。
【0090】
また、ステップ4において、算出した緊張度Tenが緊張度閾値TenTh3(<TenTh2)より低下した場合(緊張度が低下した場合)、選択部12は、指標が低下したチェックポイントより前の時点から講習動画を再生させるための操作情報op3を、通信部13を介して端末装置20に送信する。
【0091】
情報処理装置10は、上述したステップA1からA5の処理を、講習動画が再生されている期間実行する。
【0092】
次に、実施形態における端末装置の動作について図5を用いて説明する。図5は、端末装置の動作の一例を説明するための図である。以下の説明においては、適宜図を参照する。また、実施形態では、端末装置を動作させることによって、端末装置の処理が実施される。よって、実施形態における端末装置の処理方法の説明は、以下の端末装置の動作説明に代える。
【0093】
まず、キャリブレーションを完了した後、再生部23は、講習動画の再生を開始する(ステップB1)。
【0094】
次に、検出部24は、講習動画の再生中にチェックポイントを検出した場合(ステップB2:Yes)、生体画像送信期間(当該チェックポイントの時刻を含む、あらかじめ設定した期間)に撮像した生体画像(受講者の顔を含む複数の画像又は動画)を、通信部26を介して情報処理装置10へ送信する(ステップB3)。
【0095】
次は、検出部24は、チェックポイントがない場合(ステップB2:No)、ダミーポイントを検出したか否かを判定する(ステップB4)。検出部24は、ダミーポイントを検出した場合(ステップB4:Yes)、ダミーポイントを検出した後、ダミーデータ送信期間に、ダミーデータを、通信部26を介して情報処理装置10へ送信する(ステップB5)。検出部24は、ダミーポイントを検出できない場合(ステップB4:No)、ステップB2に移行する。
【0096】
又は、ステップB4において、検出部24は、ダミーポイントを検出した場合、ダミーポイントを検出した後、ステップB5において、ダミーデータ送信期間に、データを、通信部26を介して情報処理装置10へ送信する振りをしてもよい。
【0097】
次に、操作部25は、情報処理装置10から操作情報を取得した場合(ステップB6:Yes)、操作情報に基づいて操作を実行する(ステップB7)。操作部25は、操作情報を取得できない場合(ステップB6:No)、ステップB2に移行する。
【0098】
具体的には、ステップB7において、操作部25は、操作情報op1を取得した場合、受講態度を改めることを促す通知画像を表示部(モニタ)に表示させる。また、操作部25は、受講態度を改めることを促す音声をスピーカから出力する。さらに、操作部25は、受講態度を改めることを促す通知画像と音声の両方を出力してもよい。
【0099】
また、操作部25は、操作情報op2を取得した場合、再生中の講習動画を停止させる。さらに、操作部25は、操作情報op3を取得した場合、指標が低下したチェックポイントより前の時点から、再度、講習動画を再生させる。
【0100】
端末装置20は、上述したステップB1からB7の処理を、講習動画が再生されている期間実行する。
【0101】
[実施形態の効果]
以上のように実施形態によれば、複数の専用の測定機器を用いず、生体画像だけを用いて受講態度を表す指標を算出することができる。
【0102】
また、端末装置20は、講習動画の再生を開始した後、チェックポイントにおいてだけ生体画像を情報処理装置10に送信するので、システムの負荷を小さくすることができる。ここで、システムの負荷は、例えば、端末装置20と情報処理装置10との間の通信トラフィックなどである。また、システムの負荷は、例えば、情報処理装置10にて受講態度を算出する処理を行う際のCPU、メモリ、ディスク使用率の上昇などである。
【0103】
[プログラム]
実施形態における情報処理のプログラムは、コンピュータに、図4に示すステップA1からA5を実行させるプログラムであればよい。このプログラムをコンピュータにインストールし、実行することによって、実施形態における情報処理装置と情報処理方法とを実現することができる。この場合、コンピュータのプロセッサは、算出部11、選択部12として機能し、処理を行なう。
【0104】
また、実施形態における情報処理のプログラムは、複数のコンピュータによって構築されたコンピュータシステムによって実行されてもよい。この場合は、例えば、各コンピュータが、それぞれ、算出部11、選択部12のいずれかとして機能してもよい。
【0105】
実施形態における端末装置のプログラムは、コンピュータに、図5に示すステップB1からB7を実行させるプログラムであればよい。このプログラムをコンピュータにインストールし、実行することによって、実施形態における端末装置の処理を実現することができる。この場合、コンピュータのプロセッサは、設定部22、再生部23、検出部24、操作部25として機能し、処理を行なう。
【0106】
また、実施形態における情報処理のプログラムは、複数のコンピュータによって構築されたコンピュータシステムによって実行されてもよい。この場合は、例えば、各コンピュータが、それぞれ、設定部22、再生部23、検出部24、操作部25のいずれかとして機能してもよい。
【0107】
(変形例)
受講者が端末装置20を移動しながら視聴している場合、チェックポイントにおいて顔画像が生体画像から外れると、受講態度を表す指標が低下する。変形例では、そのような場合に、受講者が受講動画を見落とすことを防止する。
【0108】
まず、変形例の選択部12は、チェックポイントにおいて、端末装置20に設けられている加速度センサが計測した加速度を取得する。
【0109】
次に、変形例の選択部12は、計測した加速度が、あらかじめ設定した加速度閾値以上である場合、講習動画を停止させ、受講者にキャリブレーションを行うように促す通知を出力させるための操作情報op4を、端末装置20に送信する。
【0110】
加速度閾値は、受講者が端末装置20を落とした場合に、加速度センサが計測した加速度を用いる。また、受講者が端末装置20を手に持ちながら移動した場合に、加速度センサが計測した加速度を用いる。
【0111】
次に、変形例の操作部25は、操作情報op4に基づいて、講習動画を停止させ、受講者にキャリブレーションを行うように促す通知を出力させる。
【0112】
次に、変形例の選択部12は、端末装置20から、キャリブレーションが終了したことを表す通知を受信した場合、加速度センサの計測した値が加速度閾値以上になった時点より前の時点から講習動画を再生させるための操作情報op5を、端末装置20に送信する。
【0113】
次に、変形例の操作部25は、操作情報op5に基づいて、加速度センサの計測した値が加速度閾値以上になった時点より前の時点から講習動画を再生させる。
【0114】
変形例によれば、受講者が受講動画を見落とすことを防止できる。また、動画を視聴しながら移動することで発生する事故を防止できる。
【0115】
[物理構成]
ここで、実施形態におけるプログラムを実行することによって、情報処理装置を実現するコンピュータについて図6を用いて説明する。図6は、実施形態における情報処理装置を実現するコンピュータの一例を説明するための図である。
【0116】
図6に示すように、コンピュータ110は、CPU(Central Processing Unit)111と、メインメモリ112と、記憶装置113と、入力インターフェイス114と、表示コントローラ115と、データリーダ/ライタ116と、通信インターフェイス117とを備える。これらの各部は、バス121を介して、互いにデータ通信可能に接続される。なお、コンピュータ110は、CPU111に加えて、又はCPU111に代えて、GPU、又はFPGAを備えていてもよい。
【0117】
CPU111は、記憶装置113に格納された、実施形態におけるプログラム(コード)をメインメモリ112に展開し、これらを所定順序で実行することにより、各種の演算を実施する。メインメモリ112は、典型的には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性の記憶装置である。また、実施形態におけるプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体120に格納された状態で提供される。なお、実施形態におけるプログラムは、通信インターフェイス117を介して接続されたインターネット上で流通するものであってもよい。なお、記録媒体120は、不揮発性記録媒体である。
【0118】
また、記憶装置113の具体例としては、ハードディスクドライブの他、フラッシュメモリなどの半導体記憶装置があげられる。入力インターフェイス114は、CPU111と、キーボード及びマウスといった入力機器118との間のデータ伝送を仲介する。表示コントローラ115は、ディスプレイ装置119と接続され、ディスプレイ装置119での表示を制御する。
【0119】
データリーダ/ライタ116は、CPU111と記録媒体120との間のデータ伝送を仲介し、記録媒体120からのプログラムの読み出し、及びコンピュータ110における処理結果の記録媒体120への書き込みを実行する。通信インターフェイス117は、CPU111と、他のコンピュータとの間のデータ伝送を仲介する。
【0120】
また、記録媒体120の具体例としては、CF(Compact Flash(登録商標))及びSD(Secure Digital)などの汎用的な半導体記憶デバイス、フレキシブルディスク(Flexible Disk)などの磁気記録媒体、又はCD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)などの光学記録媒体があげられる。
【0121】
なお、実施形態における情報処理装置は、プログラムがインストールされたコンピュータではなく、各部に対応したハードウェアを用いることによっても実現可能である。さらに、情報処理装置は、一部がプログラムで実現され、残りの部分がハードウェアで実現されていてもよい。
【0122】
以上、実施形態を参照して発明を説明したが、発明は上述した実施形態に限定されるものではない。発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0123】
上述した記載によれば、受講者の受講態度をチェックポイントで監視することにより、システムの負荷を小さくすることができる。また、オンライン講習における受講者の受講態度の監視が必要な分野において有用である。
【符号の説明】
【0124】
10 情報処理装置
11 算出部
12 選択部
13 通信部
20 端末装置
21 撮像部
22 設定部
23 再生部
24 検出部
25 操作部
26 通信部
30 ネットワーク
100 システム
110 コンピュータ
111 CPU
112 メインメモリ
113 記憶装置
114 入力インターフェイス
115 表示コントローラ
116 データリーダ/ライタ
117 通信インターフェイス
118 入力機器
119 ディスプレイ装置
120 記録媒体
121 バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6