(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057737
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】データ集計装置、データ集計方法、及びデータ集計プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/00 20230101AFI20240418BHJP
【FI】
G06Q10/00
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022164593
(22)【出願日】2022-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】522310052
【氏名又は名称】サステナブル・デザイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103872
【弁理士】
【氏名又は名称】粕川 敏夫
(74)【代理人】
【識別番号】100149456
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 喜幹
(74)【代理人】
【識別番号】100194238
【弁理士】
【氏名又は名称】狩生 咲
(74)【代理人】
【識別番号】100205648
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 真一
(72)【発明者】
【氏名】松本 恵
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA00
5L049AA00
(57)【要約】
【課題】多様な形態の情報を一元管理し、自在な集計を支援する。
【解決手段】ネットワークNWを介して端末5と接続され、項目に対応付けられた複数のデータを集計するデータ集計装置1であって、端末から受け付けるデータの集計態様に応じてデータを集計し、集計データを生成するデータ集計部40と、集計データを端末に表示させる表示制御部50と、を備え、データ集計部は、端末に表示されるテーブルの行又は列に指定する対象項目の情報を集計態様として受け付けた場合に、当該対象項目を行又は列としたテーブルを集計データとして生成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して端末と接続され、項目に対応付けられた複数のデータを集計するデータ集計装置であって、
前記端末から受け付けるデータの集計態様に応じて前記データを集計し、集計データを生成するデータ集計部と、
前記集計データを前記端末に表示させる表示制御部と、
を備え、
前記データ集計部は、前記端末に表示されるテーブルの行又は列に指定する対象項目の情報を前記集計態様として受け付けた場合に、当該対象項目を前記行又は前記列としたテーブルを前記集計データとして生成する、
データ集計装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記端末に、複数の前記項目を前記対象項目として選択可能に表示させ、
前記データ集計部は、前記端末上の第1領域にドラッグアンドドロップされた前記項目を前記行とし、前記端末上の第2領域にドラッグアンドドロップされた前記項目を前記列とした前記テーブルを前記集計データとして生成する、
請求項1記載のデータ集計装置。
【請求項3】
前記データ集計部は、前記行に指定する複数の前記対象項目、又は前記列に指定する複数の前記対象項目の情報を前記集計態様として受け付けた場合に、前記複数の前記対象項目をそれぞれ前記行および前記列に指定した、多次元クロス集計テーブルを生成する、
請求項1又は2記載のデータ集計装置。
【請求項4】
前記データ集計部は、1又は複数の前記対象項目と、前記対象項目に含まれる各データに演算する演算式と、を前記集計態様として受け付けた場合に、1又は複数の前記対象項目に含まれる各データを前記演算式に則って演算し、当該演算の結果を含むテーブルを生成する、
請求項1記載のデータ集計装置。
【請求項5】
前記複数のデータを定期的に収集するデータ収集部と、
前記端末から受け付けた前記対象項目の情報を前記集計態様として記憶する記憶部と、
をさらに備え、
前記データ集計部は、前記記憶部を参照し、前記データ収集部により収集された前記データの更新に応じて、当該更新された前記データを前記集計態様で集計した更新集計データを生成し、
前記表示制御部は、前記端末からの操作に応じて当該更新集計データを前記端末に表示させる、
請求項1記載のデータ集計装置。
【請求項6】
ネットワークを介して端末と互いに接続されるコンピュータにより、項目に対応付けられた複数のデータを集計するデータ集計方法であって、
前記端末から受け付けるデータの集計態様に応じて前記データを集計し、集計データを生成するデータ集計ステップと、
前記集計データを前記端末に表示させる表示制御ステップと、
を備え、
前記データ集計ステップでは、前記端末に表示されるテーブルの行又は列に指定する対象項目の情報を前記集計態様として受け付けた場合に、当該対象項目を前記行又は前記列としたテーブルを前記集計データとして生成する、
データ集計方法。
【請求項7】
ネットワークを介して端末と互いに接続されるコンピュータを制御することにより、項目に対応付けられた複数のデータを集計するデータ集計プログラムであって、
前記端末から受け付けるデータの集計態様に応じて前記データを集計し、集計データを生成するデータ集計命令と、
前記集計データを前記端末に表示させる表示制御命令と、
を含み、
前記データ集計命令では、前記端末に表示されるテーブルの行又は列に指定する対象項目の情報を前記集計態様として受け付けた場合に、当該対象項目を前記行又は前記列としたテーブルを前記集計データとして生成する、
データ集計プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ集計装置、データ集計方法、及びデータ集計プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、脱炭素社会の実現に向けて、企業が自身のエネルギー消費を評価する必要性が高まっている。しかしながら、エネルギーは、電気、都市ガス、上下水道等、様々な形態で消費されるため、一元的な管理が困難であった。また、企業は、法令対応や企業価値向上を目的に、エネルギーに関するデータをそれぞれ独自に集計する必要がある。そこで、エネルギー消費に関する多様な形態の情報を一元管理し、自在に集計可能な技術が必要とされている。
【0003】
特許文献1には、設定された内容に基づき検索手段により抽出したデータを編集して多次元クロス集計表を出力する多次元クロス集計表作成方法が記載されている。特許文献2には、テキストマイニングツールにおいて検索結果を集計する装置に関し、集計結果の可視化アイテムを表示・編集することが記載されている。特に、検索条件ノードはドラッグ操作が可能であり、可視化アイテムにドロップすることで、検索条件に応じた切り口を可視化アイテムに追加することができるが記載されている。特許文献3には、属性を考慮した集計を行うのに適した所望のグラフを直観的な操作で表示する装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平04-107768号公報
【特許文献2】特開2019-207482号公報
【特許文献3】特開2009-245128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、多様な形態の情報を一元管理し、自在な集計を支援するデータ集計装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一の観点に係るデータ集計装置は、ネットワークを介して端末と接続され、項目に対応付けられた複数のデータを集計するデータ集計装置であって、前記端末から受け付けるデータの集計態様に応じて前記データを集計し、集計データを生成するデータ集計部と、前記集計データを前記端末に表示させる表示制御部と、を備え、前記データ集計部は、前記端末に表示されるテーブルの行又は列に指定する対象項目の情報を前記集計態様として受け付けた場合に、当該対象項目を前記行又は前記列としたテーブルを前記集計データとして生成する。
【0007】
前記表示制御部は、前記端末に、複数の前記項目を前記対象項目として選択可能に表示させ、前記データ集計部は、前記端末上の第1領域にドラッグアンドドロップされた前記項目を前記行とし、前記端末上の第2領域にドラッグアンドドロップされた前記項目を前記列とした前記テーブルを前記集計データとして生成するものとしてもよい。
【0008】
前記データ集計部は、前記行に指定する複数の前記対象項目、又は前記列に指定する複数の前記対象項目の情報を前記集計態様として受け付けた場合に、前記複数の前記対象項目をそれぞれ前記行および前記列に指定した、多次元クロス集計テーブルを生成するものとしてもよい。
【0009】
前記データ集計部は、1又は複数の前記対象項目と、前記対象項目に含まれる各データに演算する演算式と、を前記集計態様として受け付けた場合に、1又は複数の前記対象項目に含まれる各データを前記演算式に則って演算し、当該演算の結果を含むテーブルを生成するものとしてもよい。
【0010】
前記複数のデータを定期的に収集するデータ収集部と、前記端末から受け付けた前記対象項目の情報を前記集計態様として記憶する記憶部と、をさらに備え、前記データ集計部は、前記記憶部を参照し、前記データ収集部により収集された前記データの更新に応じて、当該更新された前記データを前記集計態様で集計した更新集計データを生成し、前記表示制御部は、前記端末からの操作に応じて当該更新集計データを前記端末に表示させるものとしてもよい。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の別の観点に係るデータ集計方法は、ネットワークを介して端末と互いに接続されるコンピュータにより、項目に対応付けられた複数のデータを集計するデータ集計方法であって、前記端末から受け付けるデータの集計態様に応じて前記データを集計し、集計データを生成するデータ集計ステップと、前記集計データを前記端末に表示させる表示制御ステップと、を備え、前記データ集計ステップでは、前記端末に表示されるテーブルの行又は列に指定する対象項目の情報を前記集計態様として受け付けた場合に、当該対象項目を前記行又は前記列としたテーブルを前記集計データとして生成する。
【0012】
上記目的を達成するため、本発明のさらに別の観点に係るデータ集計プログラムは、ネットワークを介して端末と互いに接続されるコンピュータを制御することにより、項目に対応付けられた複数のデータを集計するデータ集計プログラムであって、前記端末から受け付けるデータの集計態様に応じて前記データを集計し、集計データを生成するデータ集計命令と、前記集計データを前記端末に表示させる表示制御命令と、を含み、前記データ集計命令では、前記端末に表示されるテーブルの行又は列に指定する対象項目の情報を前記集計態様として受け付けた場合に、当該対象項目を前記行又は前記列としたテーブルを前記集計データとして生成する。
【0013】
なお、コンピュータプログラムは、各種のデータ読取可能な記録媒体に格納して提供したり、インターネット等のネットワークを介してダウンロード可能に提供したりすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、多様な形態の情報を一元管理し、自在な集計を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態に係るデータ集計装置の構成及び機能を示した機能ブロック図である。
【
図2】上記データ集計装置に接続される端末に表示される画面の第1例を示す図である。
【
図3】上記端末に表示される画面の第2例を示す図である。
【
図4】上記端末に表示される画面の第3例を示す図である。
【
図5】上記端末に表示される画面の、(a)第4例、(b)第5例を示す図である。
【
図6】上記端末に表示される画面の第6例を示す図である。
【
図7】上記端末に表示される画面の、(a)第7例、(b)第8例を示す図である。
【
図8】上記端末に表示される画面の第9例を示す図である。
【
図9】上記端末に表示される画面の第10例を示す図である。
【
図10】上記端末に表示される画面の、(a)第11例、(b)第12例を示す図である。
【
図11】上記端末に表示される画面の第13例を示す図である。
【
図12】上記端末に表示される画面の第14例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態に係るデータ集計装置について、図を参照して説明する。
本実施形態に係るデータ集計装置1は、例えばエネルギー消費量に関する多様なデータを取得するとともに、ユーザからの指示に応じて自在に集計することを可能にするものである。データ集計装置1は、例えばパーソナルコンピュータにおいて所定のコンピュータプログラムを実行することで実現される他、機能の一部又は全部がクラウドコンピュータにより実現されていてもよい。また、データ集計装置1は、複数のハードウェア構成により成っていてもよく、機能の一部又は全部が、端末5に備えられていてもよい。
【0017】
図1に示されるように、データ集計装置1は、データを取得する外部装置の一例としての撮像部2および読込部3とネットワークNWを通じて互いに接続されている。撮像部2は、例えばカメラであり、エネルギー消費量を示す計器の表示部を撮像するよう配設されている。撮像部2の識別情報は、撮像対象となる計器の識別情報とあらかじめ紐づけて記憶部60に記憶されている。記憶部60には、計器の識別情報と、管理する施設や運営会社の情報とが紐づけられて記憶されていることから、データ集計装置1は、撮像した画像が示すエネルギー消費を行った施設又は運営会社を特定できるようになっている。
【0018】
読込部3は、例えばスキャナであり、帳票を読み取る装置である。データ集計装置1、撮像部2および読込部3は、データ集計システムを構成していてもよい。
【0019】
撮像部2および読込部3の個数は任意であり、複数配設されていてよい。なお、撮像部2および読込部3は、本システム専用の装置に限らず、汎用のカメラおよびスキャナとデータを送受信可能に構成されていれば足りる。また、本実施形態においてはデータ集計装置1、撮像部2および読込部3は無線で接続されるものとしたが、一部又は全部が有線接続されていてもよい。
【0020】
また、データ集計装置1は、例えば端末5とネットワークNWを通じて互いに接続されている。
端末5は、企業のエネルギー消費量に関する集計又は集計を行う担当者等(以降の説明において「ユーザ」ともいう。)が使用する端末であり、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット端末又はスマートホンである。端末5は、ユーザからの入力を受け付ける入力部51、少なくとも集計データを表示する表示部52およびデータ集計装置1等とネットワークNWを通じて情報を送受信する通信処理部53、を少なくとも備える。
なお、データ集計装置1、撮像部2および読込部3が接続されるネットワークと、データ集計装置1および端末5が接続されるネットワークは、別に構成されたものであってもよい。
【0021】
図2に示すように、端末5には、データ集計装置1により収集および集計されるデータの管理画面G100が表示される。この管理画面G100は、データ集計装置1が備える表示制御部50から送信された形式及びデータを端末5が受信することで表示部52に表示される画面であり、当該管理画面G100を起点に、端末5からの操作に応じて画面遷移が実行される。管理画面G100の左部にはツールバーG110が表示され、ツールバーG110の各項目が選択されると、対応する画面が右部の表示領域G120に表示される。ツールバーG110の各項目の内容と、表示領域G120の画面の様子は、以降の機能部の説明とともに詳述する。
【0022】
図1に示すデータ集計装置1は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置、CPUによって実行されるコンピュータプログラム、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の内部メモリ等を備えたサーバ等によって実現される。データ集計装置1はこれにより、主として、取得態様設定部10、データ収集部20、通信処理部30、データ集計部40、表示制御部50、および記憶部60からなる機能ブロックを構成する。
【0023】
取得態様設定部10は、データ収集部20の各機能部がデータを取得する態様を設定する機能部である。取得態様設定部10は、例えば、データ収集部20がデータを取得する実行間隔又はタイミングを設定する。実行間隔とは、例えば画像又は情報を取得する所定の間隔である。また、タイミングでの設定は、例えば毎日所定時刻に取得する旨の設定を意味する。また、取得態様設定部10は、計器画像や情報を取得する頻度を設定してもよい。
【0024】
また、取得態様設定部10は、データ収集部20がデータを取得するのに必要な情報の設定を受け付け、記憶部60に格納する。取得態様設定部10は、例えば、帳票画像のテンプレートを設定する。テンプレートは、後述する画像解析部23により読み取る帳票画像上の読取領域の位置と、各読取領域の項目とを対応付けて記憶するデータである。
【0025】
図3は、設定されている請求書のテンプレートの一覧を示すテンプレート一覧画面G200の例を示す図である。テンプレート一覧画面G200は例えば、ツールバーG110(
図2参照)において「請求書パターン登録」を選択した場合に表示される。同図にはテンプレートが設定される請求書のエネルギー分類、供給会社名、テンプレート名称、作成日時および更新日時等が互いに紐づけられて記憶されている。各行を選択することで、
図4に示すテンプレート設定画面G300に遷移し、各テンプレートの編集が可能である。
【0026】
図4は、テンプレートを設定するテンプレート設定画面G300の例を示す図である。テンプレート設定画面G300には、エネルギー分類の選択領域G310、供給会社の選択領域G320、テンプレート名称入力領域G330、読取領域の定義を示す定義領域G340等が表示されている。定義領域G340には、テンプレートを設定する帳票を読み込んで生成した帳票画像G350が表示されている。この画像上には、画像解析部23により読み取る読取領域G360が、帳票画像に重畳して複数表示されている。この読取領域G360は、テンプレート設定画面G300が表示されている端末5の入力部51を介した入力により移動可能となっている。より具体的には、ユーザが端末5上で読取領域G360をドラッグすることで、読取領域G360が帳票画像G350上を移動する。また、読取領域G360の大きさについても、端末5上でドラッグすることで変更することができる。
【0027】
帳票画像G350の右方には、読取領域G360において読み取られた情報を格納する項目名を一覧表示した項目名リストG370が表示されている。項目名リストG370から定義領域G340にドラッグ操作をすることで、対応する読取領域G360が表示される。各項目の読取有無は、当該項目名リストG370上で設定可能である。例えば、各項目に対応して表示された「削除」表示を選択することで、当該項目に対応付けられる情報の読込を中止することができる。
【0028】
読取領域G360には、隣接して、当該読取領域G360において読み取られた情報を格納する項目名G361が表示されている。この項目名G361は、項目名リストG370に表示されている各項目名と対応している。この構成によれば、帳票画像G350上の複数の読取領域G360が対応付けられている項目が一見して明らかであり、テンプレートを設定するユーザにとって利便性が高い。
【0029】
また、取得態様設定部10は、計器画像から読み取られたデータを対応付ける項目を設定し、記憶部60に格納してもよい。
【0030】
さらに、取得態様設定部10は、後述するサイト情報取得部24により情報を取得するための情報を設定し、記憶部60に格納する。
図5(a)に示す設定画面G400に表れているように、取得態様設定部10は、所定のウェブサイトにおいて自動でログインを行うための情報を含むRPA設定テーブルG410を設定する。この設定画面G400は、例えば、ツールバーG110(
図2参照)において「RPA設定」を選択した場合に表示される。RPA設定テーブルG410には、例えば情報を取得するウェブサイトごとに、ログイン情報および情報取得の実行間隔が格納されている。取得態様設定部10は、端末5からの入力に応じてRPA設定テーブルG410への新規設定の追加や、既存設定事項の編集又は削除を実行する。
【0031】
さらにまた、取得態様設定部10は、後述する電子データ収集部25により収集されるデータのデータ形式を設定し、記憶部60に格納する。
【0032】
取得態様設定部10は、収集されたデータに演算する換算係数を設定してもよい。
図5(b)は、換算係数の設定画面G500の例を示す図である。設定画面G500は例えば、ツールバーG110(
図2参照)において「換算係数マスタ」を選択した場合に表示される。設定画面G500には換算係数テーブルG510が表示されている。換算係数テーブルG510には、例えば、実績タイプ、供給会社又はエネルギー種別、収集区分、熱量換算係数と当該係数の変換元単位および変換先単位が対応付けられて格納されている。また、換算係数テーブルG510には、二酸化炭素基礎排出係数と、当該係数の変換元単位および変換先単位が対応付けられて格納されていてもよい。このような構成によれば、換算係数を選択して収集されたデータに乗じることで、単位の換算を簡便に行うことができる。換算係数テーブルG510は、記憶部60に格納され、データ集計部40において適宜参照される。換算係数テーブルG510を用いた演算処理については後述する。
【0033】
データ収集部20は、エネルギー消費に関する多様な形態のデータを定期的に取得する機能部である。データ収集部20は、取得態様設定部10で設定された実行間隔又はタイミングでデータを取得し、データを更新する。データ収集部20は、主として、計器画像取得部21、帳票画像取得部22、画像解析部23、サイト情報取得部24および電子データ収集部25等を有する。
【0034】
計器画像取得部21は、撮像部2を介して、エネルギー消費量を示す計器の表示部の画像(以下、「計器画像」ともいう。)を取得する機能部である。計器画像に含まれるエネルギー消費量は、デジタル数字による表記の他、針によるアナログ表記等任意の態様があり得る。計器画像取得部21は、取得態様設定部10によりあらかじめ設定された任意の周期で、当該計器画像を取得してよい。
【0035】
帳票画像取得部22は、読込部3を介して、エネルギー消費量を示す帳票の画像(以下、「帳票画像」ともいう。)を取得する機能部である。帳票画像取得部22は、例えば電力会社やガス供給会社等のエネルギー供給企業から発行される帳票の画像を取得する。帳票は、少なくともエネルギーの消費量に関する情報が記載されているものであればよく、例えば、請求書や使用量の報告書であってよい。帳票画像取得部12は、例えばユーザの操作に応じて読込部3を駆動させ、帳票画像の読込を行う。
【0036】
図6は、データを収集する帳票画像をアップロードする帳票アップロード画面G600の例を示す図である。帳票アップロード画面G600は、例えば、ツールバーG110(
図2参照)において「請求書入力」を選択した場合に表示される。帳票アップロード画面G600には、管理用名称の入力を受け付ける名称入力領域G610、帳票の画像認識に用いられるテンプレートを選択するテンプレート選択領域G620、アップロードする帳票画像を追加する追加領域G630およびアップロードを実行するアップロードボタンG640等が表示されている。追加領域G630には、帳票画像のファイルをドラッグアンドドロップすることにより、同じ形式の複数の請求書を一括してアップロードすることができる。
【0037】
画像解析部23は、計器画像取得部21又は帳票画像取得部22により取得される画像を解析し、エネルギー消費に関する情報を抽出する機能部である。画像解析部23は、例えばOCR(Optical Character Recognition、光学的文字認識)解析により、計器画像からデジタル数字を読み取ってもよい。また、画像解析部23は、適宜の画像認識技術により、計器画像に含まれるアナログ表示を読み取ってもよい。
【0038】
画像解析部23は、例えばOCR解析により、帳票画像からエネルギー消費に関する数値を抽出する。画像解析部23は、テンプレートT101を参照して各読取領域に表示されている情報を抽出し、項目と対応付けて記憶部60に格納する。
【0039】
サイト情報取得部24は、所定のウェブサイトに公開されている情報を取得する機能部である。サイト情報取得部24は、例えば電力会社が公開する、企業の電力使用量に関する情報を取得する。サイト情報取得部24は、例えば
図5(a)に示すRPA設定テーブルG410を記憶部60から参照し、所定のウェブサイトにおいて自動でログインを行い、ログインしたユーザに限定的に開示されている情報を取得する。この構成によれば、ユーザが各ウェブサイトにログインして情報を閲覧したり、データ集計装置1に入力したりする工数が不要になる。
【0040】
電子データ収集部25は、所定形式の電子データを取得する機能部であり、例えば表形式等のデータをインポートすることができる。この構成によれば、別のシステムからエクスポートされた電子データを簡便に読み込むことができ、入力をし直す手間が不要になる。
【0041】
上述の通り、データ収集部20が備える各機能部の構成によれば、ユーザが生データを読み取ったり入力したりする手間が大幅に軽減される。ひいては、閲覧の工数および入力する工数が不要になる。また、読み間違いや入力間違いを防止できるので、正確なデータを確実に収集することができる。また、取得態様設定部10により、データ収集部20が収集する各データと項目とを対応付ける構成によれば、多様な形式のデータであっても、同様の内容を示すデータについては同一の項目に対応付けるといった処理が可能になり、多様なデータを一元的に管理することができる。
【0042】
図7は、データ収集部20により収集されるデータを表示する画面の例を示す図である。
図7(a)の実績画面G700は、ツールバーG110(
図2参照)において「物件実績」を選択した場合に表示される画面の例であって、物件ごとの実績値を示す物件実績テーブルG710を表示する。物件実績テーブルG710は、データを収集した時点ごとに行が生成され、同図においては、各月の昼と夜とを区別して収集した電気使用量のデータが表示されている。
図7(b)の実績画面G800は、ツールバーG110(
図2参照)において「テナント実績」を選択した場合に表示される画面の例であって、テナントごとの実績値を示すテナント実績テーブルG810を表示する。同図においては、テナント実績テーブルG810には、テナントごとの各月の上下水道使用量の計測結果が表示されている。なお、実績画面G700、G800においては、項目によるフィルタをかけたり、適宜の並び順に整列する等、適宜のデータ集計が可能になっている。また、操作に応じて、表形式のデータにエクスポートすることもできる。
【0043】
通信処理部30は、端末5と、インターネット等のネットワークNWを介して各種のデータの送受信を実行する。通信処理部30は、端末5から、データの集計態様の情報を受け付ける。また、通信処理部30は、端末5の表示部52に表示させる情報および形式を、ネットワークNWを介して端末5に送信する。
なお、端末5を介したデータや通知のやり取りは、所定のウェブサイト上に設けたマイページ等を介して行ったり、電子メールを介して行ったりするなど、各種の態様によることができる。
【0044】
データ集計部40は、端末5から受け付けるデータの集計態様に応じて前記データを集計し、集計データを生成する機能部である。データの集計態様は、通信処理部30を介して受け付け、記憶部60に格納されている。したがって、データ集計部40は、記憶部60を参照してデータを集計する。また、データ集計部40により生成された集計データは、表示制御部50を介して端末5に表示される。集計データの生成と端末5への表示の詳細な処理タイミングは任意である。すなわち例えば、集計データの生成と端末5への表示はこの順に順次行われてもよいし、集計データは適宜のタイミングで生成された上で、端末5への表示は端末5からの操作等に応じて行われる構成でもよい。集計データの生成は収集データが更新されるのを契機に行われてもよい。
【0045】
集計態様は、例えば、データ収集部20により収集される複数の項目のうち、集計データの生成に用いられる対象項目の情報を含む。すなわちこの場合、データ集計部40は、対象項目を少なくとも含むテーブル又はグラフを集計データとして生成する。例えば、データ集計部40は、選択された対象項目に関する時系列のグラフを生成してもよい。また、テーブルの行又は列に指定する対象項目の情報が集計態様として含まれている場合には、データ集計部40は、当該対象項目を行又は列としたテーブルを集計データとして生成してもよい。
【0046】
図8は、集計態様を作成する集計画面G900の例である。集計画面G900には、データソースの選択領域G910、表示データの絞り込み条件を受け付ける領域G920、行に指定する対象項目を示す行指定領域G930(特許請求の範囲における「第1領域」の例)、列に指定する対象項目を示す列指定領域G940(特許請求の範囲における「第2領域」の例)、集計値に指定する対象項目を示す集計値指定領域G950、集計データを表示する表示領域G960等が表示されている。データソースの選択領域G910でデータソースが選択されると、当該データソースに含まれる集計項目が、選択領域G910の下方の集計項目表示領域G911に表示される。集計項目表示領域G911に表示されている各集計項目は、表示部52上で選択可能である。各集計項目を行指定領域G930又は列指定領域G940にドラッグアンドドロップすることで、集計する対象項目を設定できる。データ集計部40は、端末5上で行指定領域G930にドラッグアンドドロップされた項目を行とし、列指定領域G940にドラッグアンドドロップされた項目を列としたテーブルを集計データとして生成する。このテーブルは、表示領域G960に表示される。
【0047】
また、集計画面G900には、列集計の表示有無を選択する列集計チェックボックスG970、行集計の表示有無を選択する行集計チェックボックスG980が表示されている。各チェックボックスG970、G980をONにすることで、表示領域G960に表示されるテーブルの最右列又は最下列に、集計行が表示される。
【0048】
図9は、集計態様として、行指定領域G930に「物件番号」、列指定領域G940に「利用年月」、集計値指定領域G950に「使用量」が指定されている様子を示す図である。同図においては、表示領域G960に、物件番号を行、利用年月を列とし、使用量を集計したテーブルが表示されている。このように、本発明に係るデータ集計装置1によれば、対象項目をドラッグアンドドロップで選択し、各領域に当てはめていくだけで、所望の集計データを生成し表示させることができる。選択された各項目の情報は、集計態様として記憶部60に格納され、データ集計部40により参照されるようになっている。
【0049】
データ集計部40は、データ収集部20により収集されたデータの更新に応じて、当該更新されたデータを集計態様で集計したデータ(「更新集計データ」ともいう。)を生成する。言い換えれば、データ収集部20が新たなデータを取得した場合には、集計データも最新のデータに基づいて生成され、表示される。また、記憶部60にはユーザ所望の集計態様が記憶されているため、データ集計部40は、集計元のデータが更新された場合でも記憶された集計態様で再集計が可能である。仮にデータ収集とデータ集計とを別のシステムで実現した場合には、データの更新のたびにデータをダウンロードし、データ集計を行わなければならない。これに対し、データ収集とデータ集計を一元的に行うデータ集計装置1によれば、ユーザは、常に最新のデータを所望の集計態様で集計したデータを確認することができる。
【0050】
行指定領域G930又は列指定領域G940は、複数の対象項目が設定可能である。ユーザは、複数の集計項目を行指定領域G930又は列指定領域G940にドラッグアンドドロップする。ドロップされた項目は、ドロップされた順に左から整列して表示される。また、後からドロップした項目のドロップ位置が先に格納されていた項目の左方である場合には、当該後からドロップした項目を左方に表示してもよい。さらに、複数の項目が表示されている状態において、行指定領域G930又は列指定領域G940の領域内で、ドラッグアンドドロップにより項目の表示順序を入れ替えられるようになっていてもよい。データ集計部40は、行に指定する複数の対象項目、又は列に指定する複数の対象項目の情報が集計態様に含まれる場合に、当該複数の対象項目をそれぞれ行および列に指定した、多次元クロス集計テーブルを生成する。
【0051】
図8に示すように、集計画面G900には、算出フィールド追加ボタンG990が表示されている。算出フィールド追加ボタンG990は、既存の集計項目に基づいて算出した新たな集計項目を追加するための操作子である。算出フィールド追加ボタンG990を契機とする一連の操作によれば、対象項目と、1又は複数の対象項目に含まれる各データに演算する演算式と、を集計態様として設定できる。データ集計部40は、選択された1又は複数の対象項目に含まれる各データを当該演算式に則って演算し、当該演算の結果を含むテーブルを生成する。
【0052】
算出フィールド追加ボタンG990を選択すると、
図10(a)に示す算出フィールド追加画面G1000が表示される。
図10(a)に示す算出フィールド追加画面G1000には、追加する集計項目の名称設定欄G1010、追加する集計項目の算出に参照する項目を指定する指定欄G1020、算出に使用する演算式を指定する変換タイプ欄G1030等が表示されている。変換タイプ欄G1030はプルダウンボックスによる選択式となっていて、指定欄G1020において指定された項目にあらかじめ紐づけられている演算式を選択できる。同図の例においては、「利用年月」の集計項目に基づいて「年」の集計項目を算出し、追加する場合を示している。名称設定欄G1010には、生成される集計項目の名称「年」が入力されている。指定欄G1020には、「利用年月」を示す情報が表示されており、同図の例ではシステム上の表示形式で表示されているが、集計項目の項目名「利用年月」がそのまま表示されてもよい。当該画面において最下部の追加ボタンG1050を選択すると、
図11に示すように、集計項目表示領域G911の下部に、「年」という名称の新たな集計項目が表示されるようになる。この集計項目「年」は、集計項目表示領域G911の各集計項目と同様、表示部52上で選択が可能であり、行指定領域G930又は列指定領域G940にドラッグアンドドロップすることで、テーブルに反映される。すなわち、上述の一連の操作によれば、利用年月での集計に代えて、利用年ごとの集計が可能である。
【0053】
また、
図10(a)においてJavascriptコード定義ボックスG1040をONにすると、
図10(b)に遷移する。Javascriptコード定義ボックスG1040は、選択した集計項目に基づく演算式を自由記述するための操作子である。同図の例ではJavascript(登録商標)でのコードで記載する旨記載されているが、本発明の技術的思想はこれに限定されず、各種の言語で記載するものも含まれる。
【0054】
図10(b)のコード定義画面G1100では、名称設定欄G1010の他に、コード記述欄G1110が表示されている。コード記述欄G1110は、所定の言語による演算式の記述を受け付ける。同図の例では、名称設定欄G1010において「原油換算値(kl)」との名称の集計項目が設定されている。また、コード記述欄G1110では、複数の対象項目A1およびA2を掛け合わせ、1000で除して0.0258を乗じる演算式が表示されている。0.0258は原油換算係数[kL/GJ]である。特にエネルギー消費の評価に関しては、多様な単位で表されるエネルギー関連データを適宜演算し、必要な単位に換算する必要が生じる。その点、本発明に係るデータ集計装置1によれば、あらかじめ1又は複数の対象項目および係数を用いた演算式を集計態様として記憶し、最新データに対して演算を加えて集計することができるため、ユーザは、多様な単位のデータに対しても即座の評価が可能である。なお、あらかじめ換算係数を格納する換算係数マスタ(例えば
図6(a)の換算係数テーブルG510を参照)をさらに記憶しておき、表示部52上の選択により換算係数を適宜呼び出すことができてもよい。この構成によれば、ユーザは換算係数を調べて設定する必要がないため、一層簡便である。
【0055】
図11は、集計画面G900の例であって、集計結果を表示した様子を示す図である。同図においては、
図10(a)および(b)で設定された集計項目「年」および「原油換算値(kl)」が集計項目表示領域G911に表示されている。また、これらの項目が、それぞれ列指定領域G940および集計値指定領域G950にドロップされ、指定されている。また、行指定領域G930および列指定領域G940には複数の対象項目が指定されており、表示領域G960には表示順に階層化された多次元クロス集計テーブルが表示されている。さらに、集計値指定領域G950に複数の対象項目が指定されているため、表示領域G960のテーブルでは、当該複数の対象項目のデータが並列して表示されている。
【0056】
さらにまた、
図11の集計画面G900において集計値指定領域G950上の対象項目を選択することにより、集計の態様を変更することができる。より具体的には、
図11の集計値指定領域G950に配置されている「原油換算値(kl)」の項目を選択すると、当該項目周辺には、
図12に示す吹き出しG951が表示される。吹き出しG951には、表示領域G960に表示される表示名を編集する表示編集欄G952と、集計の態様を選択する選択欄G953等が配置されている。選択欄G953は、例えばプルダウンボックスになっていて、合計、平均、および件数から、集計値の態様を選択できる。また、現在選択されている態様には「選択中」との表示がなされ、選択していない態様とは区別可能になっている。さらに、マウスのポインタ等が重畳した項目が判別できるように、当該重畳した項目は網掛け表示がなされたり、「選択」との文字が表示されるようになっていてもよい。上述のように集計値に指定された対象項目ごとに集計の態様を設定できる構成によっても、自在な集計を支援できる。
【0057】
さらにまた、集計画面G900上の適宜の操作により、前年比又は前年差の値を表示させることもできる。また、集計値の過去のデータを参照して、将来の予測値を、実測値とは異なる態様で表示させてもよい。
【0058】
上述した通り、本発明の実施形態に係るデータ集計装置によれば、多様な形態の情報を一元管理し、自在な集計を支援することができる。本データ集計装置は、多様な形式かつ多様な単位で収集され、企業や国に応じた集計が必要となるエネルギー消費量に関する集計において特に有用である。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。以上の本実施形態に係るデータ集計装置において、各端末又は装置の機能構成は一例であり、本例で示した機能部が、本例とは異なる端末又は装置に備えさせることもできる。
【符号の説明】
【0059】
1 データ集計装置
10 取得態様設定部
20 データ収集部
21 計器画像取得部
22 帳票画像取得部
23 画像解析部
24 サイト情報取得部
25 電子データ収集部
30 通信処理部
40 データ集計部
50 表示制御部
60 記憶部
2 撮像部
3 読込部
5 端末
NW ネットワーク