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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057745
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】エンジンシステム
(51)【国際特許分類】
   F01N 3/20 20060101AFI20240418BHJP
   F01M 13/00 20060101ALI20240418BHJP
   F02M 21/02 20060101ALI20240418BHJP
   F02M 25/00 20060101ALI20240418BHJP
   F01N 3/24 20060101ALI20240418BHJP
   F01N 3/08 20060101ALI20240418BHJP
   F02D 19/08 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
F01N3/20 U
F01M13/00 J
F01M13/00 N
F02M21/02 301Z
F02M25/00 G
F01N3/24 U
F02M21/02 301K
F01N3/08 A
F01N3/24 E
F01M13/00 K
F02D19/08 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022164607
(22)【出願日】2022-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(71)【出願人】
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(74)【代理人】
【識別番号】100148013
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 浩光
(72)【発明者】
【氏名】中谷 規之介
(72)【発明者】
【氏名】本間 隆行
(72)【発明者】
【氏名】竹内 秀隆
(72)【発明者】
【氏名】宮川 浩
(72)【発明者】
【氏名】鈴置 哲典
【テーマコード(参考)】
3G015
3G091
3G092
【Fターム(参考)】
3G015BD13
3G015BD23
3G015BD28
3G015CA05
3G015FA01
3G015FA03
3G015FA04
3G015FC05
3G091AA02
3G091AA16
3G091AA19
3G091AA28
3G091AB02
3G091AB03
3G091AB05
3G091AB08
3G091BA13
3G091CA03
3G091CA13
3G091CA17
3G091CA22
3G091CA26
3G091EA16
3G091EA17
3G091EA18
3G091FA01
3G091FA06
3G091HA02
3G091HA10
3G091HA18
3G091HA37
3G091HA38
3G091HB03
3G091HB09
3G092AB09
3G092AB19
3G092DE17S
3G092DE20S
3G092FA15
3G092HA06Z
(57)【要約】
【課題】大気中への亜酸化窒素の漏洩を抑制することができるエンジンシステムを提供する。
【解決手段】エンジンシステム1は、アンモニアエンジン2と接続され、燃焼室14から発生する排気ガスが流れる排気流路4と、排気流路4に配設され、アンモニアを吸着及び酸化する三元触媒8と、排気流路4を流れるアンモニアを除害する除害装置65と、排気流路4におけるアンモニアエンジン2と三元触媒8との間の箇所と除害装置65とを接続する除害流路66と、除害流路66に配設され、開弁することで除害装置65にアンモニアが供給されることを許容する第1開閉弁67とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンモニアを燃焼させる燃焼室を往復動可能なピストンと、前記ピストンと連結されたクランクシャフトと、前記クランクシャフトを収容するクランクケースと、を有するエンジンを備えるエンジンシステムであって、
前記エンジンと接続され、前記燃焼室に供給される酸素含有ガスが流れる第1酸素供給流路と、
前記第1酸素供給流路に配設され、前記燃焼室に供給される前記酸素含有ガスの流量を制御する流量制御弁と、
前記エンジンと接続され、前記燃焼室から発生する排気ガスが流れる排気流路と、
前記排気流路に配設され、アンモニアを吸着及び酸化する排気触媒と、
前記第1酸素供給流路における前記流量制御弁よりも上流側の箇所と前記クランクケースとを接続し、前記クランクケース内に前記酸素含有ガスを供給する第2酸素供給流路と、
前記クランクケースと前記第1酸素供給流路における前記流量制御弁よりも下流側の箇所とを接続し、前記クランクケース内に残留するアンモニアのブローバイガスを前記第1酸素供給流路に還流させるブローバイガス流路と、
前記ブローバイガス流路に配設され、前記第1酸素供給流路に還流する前記アンモニアのブローバイガスの流量を調整するブローバイガス還流バルブと、
前記クランクシャフトを回転させるスタータと、
前記排気流路を流れるアンモニアを除害する除害装置と、
前記排気流路における前記エンジンと前記排気触媒との間の箇所と前記除害装置とを接続する除害流路と、
前記除害流路に配設され、開弁することで前記除害装置にアンモニアが供給されることを許容する開閉弁と、
前記スタータによって前記クランクシャフトが回転している時に、前記第1酸素供給流路に前記ブローバイガスが還流するように前記流量制御弁の開度を制御すると共に、前記開閉弁が開弁するように前記開閉弁の開度を制御する制御部とを備えるエンジンシステム。
【請求項2】
アンモニアを改質することにより、水素を含有した改質ガスを生成する改質器と、
前記改質器に前記酸素含有ガスを供給する改質用酸素供給流路と、
前記改質用酸素供給流路に配設され、前記改質器に供給される前記酸素含有ガスの流量を制御する改質用流量制御弁と、
前記改質器により生成された前記改質ガスを前記燃焼室に供給する改質ガス流路とを更に備え、
前記制御部は、前記スタータによって前記クランクシャフトが回転している時に、前記第1酸素供給流路に前記ブローバイガスが還流するように前記改質用流量制御弁の開度を制御する請求項1記載のエンジンシステム。
【請求項3】
アンモニア量調整部からアンモニアが供給されるエンジンと、
アンモニアを貯留するアンモニアタンクと、
前記アンモニアタンクと前記アンモニア量調整部との間を接続するアンモニア供給流路と、
前記エンジンと接続されると共に前記エンジンからの排気ガスが流入する排気流路と、
前記排気流路に配設され、アンモニアを吸着及び酸化する排気触媒と、
前記排気流路を流れるアンモニアを除害する除害装置と、
前記排気流路における前記エンジンと前記排気触媒との間の箇所と前記除害装置とを接続する除害流路と、
前記除害流路に配設され、開弁することで前記除害装置にアンモニアが供給されることを許容する第1開閉弁と、
前記アンモニア供給流路に配設され、閉弁することで前記アンモニアタンク内のアンモニアが前記アンモニア量調整部に供給されることを遮断する第2開閉弁と、
前記アンモニア供給流路における前記第2開閉弁よりも下流側の箇所に接続され、当該アンモニア供給流路に酸素含有ガスを供給する酸素供給経路と、当該酸素供給経路に配設され、前記第2開閉弁が開弁しているときに閉弁されると共に前記第2開閉弁が閉弁してから開弁される第3開閉弁とを有する酸素供給部と、
前記アンモニア供給流路における前記酸素供給経路が接続される箇所よりも下流側の箇所に接続されると共に、内部のアンモニアを前記排気触媒に供給可能に設けられる追出し経路と、
前記追出し経路に配設され、前記第2開閉弁が閉弁してから開弁される第4開閉弁とを備えるエンジンシステム。
【請求項4】
前記排気触媒は、三元触媒であり、
前記排気流路における前記三元触媒よりも下流の箇所に一端が接続され、他端が前記アンモニア供給流路に接続される温度調整経路と、当該温度調整経路に配設される温度調整開閉弁とを有する温度調整部と、
前記アンモニア供給流路の一部分、前記追出し経路、前記排気流路の一部分、前記三元触媒、及び前記温度調整経路によって形成される閉回路に設けられるポンプとを更に備える請求項3記載のエンジンシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のエンジンシステムとしては、例えば特許文献1に記載されている技術が知られている。特許文献1に記載のエンジンシステムは、エンジンブロックと、このエンジンブロックの吸気ポートに接続された吸気通路と、エンジンブロックの排気ポートに接続された排気通路と、エンジンブロック内に燃料を供給する燃料供給手段と、吸気通路内に設けられたスロットルバルブと、このスロットルバルブより上流側の吸気通路とエンジンブロック内のクランク室とを接続し、吸気通路内の吸気(新気)をクランク室へ導入するための新気導入通路と、スロットルバルブより下流側の吸気通路とクランク室とを接続し、クランク室に残留するブローバイガスを吸気通路に戻すための還元通路と、この還元通路内に設けられたPCVバルブとを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-145057号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年では、アンモニアを燃料として使用するアンモニアエンジンがあるが、クランクケース内にはアンモニアのブローバイガスが残存するため、例えばメンテナンス時においてクランクケース本体、クランクケースと空間的に繋がっている部材または配管を取り外す際に、アンモニアのブローバイガスが大気に流出することを抑制することが望まれている。また、アンモニアが流れる燃料配管を外す際には、燃料配管内に残存しているアンモニアが大気に流出することを抑制することが望まれている。そこで、クランクケース本体、クランクケースと空間的に繋がっている部材または配管を取り外す際や燃料配管を外す際にアンモニアが大気中へ流出されないように、クランクケース内または燃料配管内に残存しているアンモニアを排気触媒で浄化することが考えられる。しかし、排気触媒の温度によっては、アンモニアが排気触媒と反応することで、環境負荷が高い亜酸化窒素(NO)が生成される可能性がある。この場合には、NOが排気通路を流れて大気中へ漏洩する可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、大気中への亜酸化窒素の漏洩を抑制することができるエンジンシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一態様は、アンモニアを燃焼させる燃焼室を往復動可能なピストンと、ピストンと連結されたクランクシャフトと、クランクシャフトを収容するクランクケースと、を有するエンジンを備えるエンジンシステムであって、エンジンと接続され、燃焼室に供給される酸素含有ガスが流れる第1酸素供給流路と、第1酸素供給流路に配設され、燃焼室に供給される酸素含有ガスの流量を制御する流量制御弁と、エンジンと接続され、燃焼室から発生する排気ガスが流れる排気流路と、排気流路に配設され、アンモニアを吸着及び酸化する排気触媒と、第1酸素供給流路における流量制御弁よりも上流側の箇所とクランクケースとを接続し、クランクケース内に酸素含有ガスを供給する第2酸素供給流路と、クランクケースと第1酸素供給流路における流量制御弁よりも下流側の箇所とを接続し、クランクケース内に残留するアンモニアのブローバイガスを第1酸素供給流路に還流させるブローバイガス流路と、ブローバイガス流路に配設され、第1酸素供給流路に還流するアンモニアのブローバイガスの流量を調整するブローバイガス還流バルブと、クランクシャフトを回転させるスタータと、排気流路を流れるアンモニアを除害する除害装置と、排気流路におけるエンジンと排気触媒との間の箇所と除害装置とを接続する除害流路と、除害流路に配設され、開弁することで除害装置にアンモニアが供給されることを許容する開閉弁と、スタータによってクランクシャフトが回転している時に、第1酸素供給流路にブローバイガスが還流するように流量制御弁の開度を制御すると共に、開閉弁が開弁するように開閉弁の開度を制御する制御部とを備える。
【0007】
このようなエンジンシステムにおいては、エンジンの燃焼室内でアンモニアの燃焼が終了することによってクランクシャフトの回転が停止してから燃焼室内で再びアンモニアの燃焼が起こるまでの間の任意の期間に、第1酸素供給流路にアンモニアのブローバイガスが還流するように、流量制御弁の開度が制御されると共に、スタータによってクランクシャフトを回転させる。すると、第1酸素供給流路の燃焼室側の部分が負圧となるため、酸素含有ガスが第2酸素供給流路を流れてクランクケース内に導入されると共に、ブローバイガス還流バルブが開弁することで、クランクケース内に残留するアンモニアのブローバイガスが酸素含有ガスと一緒にブローバイガス流路を流れて第1酸素供給流路に還流する。そして、アンモニアのブローバイガスは、酸素含有ガスと一緒に第1酸素供給流路及びエンジンの燃焼室を通って排気流路に流入される。ここで、開閉弁を開弁すると共に、排気流路を閉塞することにより、アンモニアが除害流路を流れて除害装置に供給される。そして、除害装置においてアンモニアが除害される。このとき、アンモニアが排気触媒に流通しないため、排気触媒において環境負荷が高い亜酸化窒素(NO)が生成されることが抑制される。これにより、大気中への亜酸化窒素の漏洩が抑制される。
【0008】
(2)上記の(1)において、エンジンシステムは、アンモニアを改質することにより、水素を含有した改質ガスを生成する改質器と、改質器に酸素含有ガスを供給する改質用酸素供給流路と、改質用酸素供給流路に配設され、改質器に供給される酸素含有ガスの流量を制御する改質用流量制御弁と、改質器により生成された改質ガスを燃焼室に供給する改質ガス流路とを更に備え、制御部は、スタータによってクランクシャフトが回転している時に、第1酸素供給流路にブローバイガスが還流するように改質用流量制御弁の開度を制御してもよい。このような構成では、水素を含有した改質ガスがエンジンの燃焼室に供給されるため、エンジンの燃焼室内でアンモニアが燃焼されやすくなる。
【0009】
(3)本発明の他の態様に係るエンジンシステムは、アンモニア量調整部からアンモニアが供給されるエンジンと、アンモニアを貯留するアンモニアタンクと、アンモニアタンクとアンモニア量調整部との間を接続するアンモニア供給流路と、エンジンと接続されると共にエンジンからの排気ガスが流入する排気流路と、排気流路に配設され、アンモニアを吸着及び酸化する排気触媒と、排気流路を流れるアンモニアを除害する除害装置と、排気流路におけるエンジンと排気触媒との間の箇所と除害装置とを接続する除害流路と、除害流路に配設され、開弁することで除害装置にアンモニアが供給されることを許容する第1開閉弁と、アンモニア供給流路に配設され、閉弁することでアンモニアタンク内のアンモニアがアンモニア量調整部に供給されることを遮断する第2開閉弁と、アンモニア供給流路における第2開閉弁よりも下流側の箇所に接続され、当該アンモニア供給流路に酸素含有ガスを供給する酸素供給経路と、当該酸素供給経路に配設され、前記第2開閉弁が開弁しているときに閉弁されると共に第2開閉弁が閉弁してから開弁される第3開閉弁とを有する酸素供給部と、アンモニア供給流路における酸素供給経路が接続される箇所よりも下流側の箇所に接続されると共に、内部のアンモニアを排気触媒に供給可能に設けられる追出し経路と、追出し経路に配設され、第2開閉弁が閉弁してから開弁される第4開閉弁とを備える。
【0010】
このようなエンジンシステムにおいては、エンジンの運転中において第2開閉弁を開弁させており、アンモニアタンク内のアンモニアがアンモニア供給流路を介してアンモニア量調整部に供給される。運転していたエンジンが停止したとき、アンモニア供給流路にはアンモニアが残存している。そこで、エンジンの運転停止後において第2開閉弁を閉弁させることで、アンモニアタンク内のアンモニアがアンモニア量調整部に供給されることが遮断される。第2開閉弁を閉弁させてから第3開閉弁及び第4開閉弁を開弁させることで、アンモニア供給流路に酸素含有ガスが供給される。これにより、アンモニア供給流路の内部に残存しているアンモニアは、酸素含有ガスと一緒に追出し経路を通って排気流路に流入される。ここで、第1開閉弁を開弁すると共に、排気流路を閉塞することにより、アンモニアが除害流路を流れて除害装置に供給される。そして、除害装置においてアンモニアが除害される。このとき、アンモニアが排気触媒に流通しないため、排気触媒において環境負荷が高い亜酸化窒素(NO)が生成されることが抑制される。これにより、大気中への亜酸化窒素の漏洩が抑制される。
【0011】
(4)上記の(3)において、排気触媒は、三元触媒であり、エンジンシステムは、排気流路における三元触媒よりも下流の箇所に一端が接続され、他端がアンモニア供給流路に接続される温度調整経路と、当該温度調整経路に配設される温度調整開閉弁とを有する温度調整部と、アンモニア供給流路の一部分、追出し経路、排気流路の一部分、三元触媒、及び温度調整経路によって形成される閉回路に設けられるポンプとを更に備えてもよい。このような構成では、排気触媒が三元触媒であるため、三元触媒に供給されたアンモニアが三元触媒にて酸化されて、三元触媒から流出する触媒通過ガスの温度が上昇する。ポンプを動作させることで、三元触媒から流出した触媒通過ガスの一部が、温度調整経路を通ってアンモニア供給流路の一部分及び追出し経路に供給される。これにより、アンモニア供給流路の一部分及び追出し経路が加熱されるため、例えばアンモニア供給流路に残存しているアンモニアの気化潜熱に起因する結露を抑制することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、大気中への亜酸化窒素の漏洩を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1実施形態に係るエンジンシステムを示す概略構成図である。
図2図1に示されたアンモニアエンジン及び吸気系の断面図である。
図3図1に示されたパージ制御処理部により実行されるパージ制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図4図2に示されたPCVバルブの流量特性の一例を示すグラフである。
図5図1に示された除害制御処理部により実行される除害制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図6】本発明の第2実施形態に係るエンジンシステムを示す概略構成図である。
図7図6に示されたパージ制御処理部により実行されるパージ制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図8】本発明の第3実施形態に係るエンジンシステムを示す概略構成図である。
図9図8に示されたパージ制御処理部により実行されるパージ制御処理の手順を示すフローチャートである。
図10図8に示されたエンジンシステムの変形例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を用い、重複する説明は省略する。
[第1実施形態]
【0015】
図1は、本発明の第1実施形態に係るエンジンシステムを示す概略構成図である。図1において、本実施形態のエンジンシステム1は、車両(図示省略)に搭載されている。エンジンシステム1は、アンモニアエンジン2と、第1酸素供給流路3と、排気流路4と、メインインジェクタ(アンモニア量調整部)5と、メインスロットルバルブ6とを備えている。
【0016】
アンモニアエンジン2は、アンモニアガス(NHガス)を燃料として使用するエンジンである。アンモニアエンジン2では、難燃性のアンモニアガスを燃焼しやすくするため、助燃材としての水素(H)がアンモニアガスに混合される。アンモニアエンジン2は、例えば4気筒エンジンである。
【0017】
アンモニアエンジン2は、図2に示されるように、シリンダブロック11と、このシリンダブロック11に組み付けられたシリンダヘッド12と、シリンダブロック11の内部に往復動可能に配置された複数(ここでは4つ)のピストン13と、ピストン13と連結されたクランクシャフト20と、クランクシャフト20を収容するクランクケース21とを有している。
【0018】
アンモニアエンジン2は、アンモニアが水素と共に燃焼して排気ガスが発生する複数(ここでは4つ)の燃焼室14を有している。燃焼室14は、シリンダブロック11とシリンダヘッド12とピストン13とで囲まれる空間によって画成されている。
【0019】
シリンダヘッド12には、各燃焼室14と連通された吸気ポート15及び排気ポート16が複数ずつ(ここでは4つずつ)設けられている。吸気ポート15は、吸気弁17により開閉される。排気ポート16は、排気弁18により開閉される。
【0020】
各ピストン13は、コンロッド19を介してクランクシャフト20と連結されている。クランクケース21は、シリンダブロック11におけるシリンダヘッド12が設けられる端部とは反対側の端部に組み付けられている。クランクケース21におけるシリンダブロック11が設けられる端部とは反対側の端部には、エンジンオイルeoを貯留するオイルパン22が着脱可能に組み付けられている。クランクケース21及びオイルパン22の内部は、クランク室23を形成している。
【0021】
第1酸素供給流路3は、アンモニアエンジン2の各吸気ポート15と接続されたインテークマニホールド24と、このインテークマニホールド24と接続された吸気管25とを有している。第1酸素供給流路3は、アンモニアエンジン2の各燃焼室14に供給される空気が流れる流路である。空気は、酸素を含有した気体(酸素含有ガス)である。吸気管25には、空気中に含まれる塵や埃等の異物を除去するエアクリーナ7が配設されている。
【0022】
排気流路4は、アンモニアエンジン2の各排気ポート16と接続されたエギゾーストマニホールド26と、エギゾーストマニホールド26と接続された排気管27とを備えている。排気流路4は、アンモニアエンジン2の各燃焼室14から発生した排気ガスが流れる流路である。
【0023】
図1に戻り、排気流路4には、排気ガス中に含まれる有害物質である未燃のアンモニア及び窒素酸化物(NOx)を浄化する三元触媒8と、未燃のアンモニアを吸着するSCR触媒9とが配設されている。三元触媒8及びSCR触媒9は、上記の排気管27に配設されている。
【0024】
三元触媒8は、主として三元触媒8に流入する空気を用いてアンモニアを酸化させる。また、三元触媒8は、SCR触媒9と比較すると微量ではあるがアンモニアを吸着する。SCR触媒9は、アンモニアを吸着すると共に、SCR触媒9に流入するNOxを用いてアンモニアを酸化させる。なお、NOxは還元される。三元触媒8及びSCR触媒9は、排気流路4に配設された排気触媒を構成している。
【0025】
メインインジェクタ5は、アンモニアエンジン2の燃焼室14に向けてアンモニアガスを噴射する電磁式の燃料噴射弁である。メインインジェクタ5は、例えばアンモニアエンジン2の気筒の数(ここでは4つ)だけ設けられている。メインインジェクタ5は、後述のコントローラ60からの制御指令に応じて動作する。
【0026】
メインスロットルバルブ6は、第1酸素供給流路3に配設されている。メインスロットルバルブ6は、アンモニアエンジン2に供給される空気の流量を制御する電磁式の流量制御弁である。メインスロットルバルブ6は、後述のコントローラ60からの制御指令に応じて動作する。
【0027】
また、エンジンシステム1は、第2酸素供給流路30と、ブローバイガス流路31と、PCVバルブ32(PositiveCrankcase Ventilationバルブ)とを備えている。
【0028】
第2酸素供給流路30は、第1酸素供給流路3におけるメインスロットルバルブ6よりも上流側の箇所とクランクケース21とを接続する。第2酸素供給流路30は、クランクケース21内(クランク室23)に酸素含有ガスである空気を供給する。
【0029】
第2酸素供給流路30は、図2に示されるように、吸気管25におけるエアクリーナ7とメインスロットルバルブ6との間の箇所とアンモニアエンジン2のシリンダヘッド12とを接続する配管33と、この配管33とクランク室23とを連通させるようにシリンダヘッド12及びシリンダブロック11に設けられた通路34とを有している。
【0030】
ブローバイガス流路31は、クランクケース21と第1酸素供給流路3におけるメインスロットルバルブ6よりも下流側の箇所とを接続する。ブローバイガス流路31は、クランクケース21内(クランク室23)に残留するアンモニアのブローバイガスを第1酸素供給流路3に還流させる流路である。
【0031】
ブローバイガス流路31は、図2に示されるように、アンモニアエンジン2のシリンダヘッド12と、吸気管25におけるメインスロットルバルブ6とインテークマニホールド24との間の箇所とを接続する配管35と、この配管35とクランク室23とを連通させるようにシリンダヘッド12及びシリンダブロック11に設けられた通路36とを有している。
【0032】
PCVバルブ32は、ブローバイガス流路31に配設されている。PCVバルブ32は、第1酸素供給流路3に還流するアンモニアのブローバイガスの流量を調整するブローバイガス還流バルブである。PCVバルブ32は、図2に示されるように、例えばアンモニアエンジン2のシリンダヘッド12に取り付けられている。PCVバルブ32は、ブローバイガス流路31における配管35と通路36との間に配設されている。
【0033】
PCVバルブ32は、軸方向に並んで配置されるように組み付けられたハウジング37A,37Bと、このハウジング37A内に移動可能に収容された弁体38と、この弁体38をハウジング37B側に付勢するバネ39とを有している。PCVバルブ32は、クランク室23側から第1酸素供給流路3側への一方向のみにブローバイガスを流す。
【0034】
インテークマニホールド24内の圧力が正圧であるときは、バネ39の付勢力により弁体38がハウジング37Bにおけるハウジング37A側の端部に設けられた弁座37aに押し付けられることで、通路が遮断されるため、PCVバルブ32が閉弁する。インテークマニホールド24内の圧力が負圧になると、バネ39の付勢力に抗して弁体38が第1酸素供給流路3側に移動することで、通路が形成されるため、PCVバルブ32が開弁する(図2中のA参照)。
【0035】
図1に戻り、エンジンシステム1は、アンモニアタンク40と、気化器41と、改質器42と、改質用酸素供給流路43と、改質スロットルバルブ44と、改質インジェクタ45と、改質ガス流路46と、クーラ47と、流量調整弁48とを備えている。
【0036】
アンモニアタンク40は、アンモニアを液体状態で貯留する容器である。つまり、アンモニアタンク40は、液体アンモニアを貯留する。
【0037】
気化器41は、アンモニア供給流路49を介してアンモニアタンク40と接続されている。気化器41は、アンモニアタンク40に貯留された液体アンモニアを気化させてアンモニアガスを生成する。気化器41で発生したアンモニアガスは、アンモニア供給流路50を流れてメインインジェクタ5に供給されると共に、アンモニア供給流路51を流れて改質インジェクタ45に供給される。
【0038】
改質器42は、アンモニアガスを改質することにより、水素を含有した改質ガスを生成する。改質器42は、円筒状の筐体52と、この筐体52内に収容された改質触媒53及びヒータ54とを有している。
【0039】
筐体52は、アンモニアガスに対して耐腐食性を有するステンレス鋼等の金属材料で形成されている。改質触媒53は、例えばハニカム構造を呈する担体に塗布されている。改質触媒53は、アンモニアガスを燃焼させると共に、アンモニアガスを水素に分解する触媒である。改質触媒53は、例えばATR(Autothermal Reformer)式アンモニア改質触媒である。
【0040】
ヒータ54は、筐体52内における改質触媒53よりも上流側に配置されている。ヒータ54は、改質触媒53を加熱する。ヒータ54は、筐体52内を流れるアンモニアガスを加熱することで、アンモニアガスの熱を利用して改質触媒53を加熱する。ヒータ54としては、例えば電気加熱触媒(EHC)等が使用される。なお、ヒータ54は、改質触媒53を直接加熱してもよい。
【0041】
改質用酸素供給流路43は、第1酸素供給流路3と改質器42とを接続している。改質用酸素供給流路43は、改質器42に供給される空気が流れる流路である。改質用酸素供給流路43の一端は、第1酸素供給流路3におけるエアクリーナ7とメインスロットルバルブ6との間の箇所に接続されている。改質用酸素供給流路43の他端は、改質器42の筐体52の入口部に接続されている。改質用酸素供給流路43は、改質器42に酸素含有ガスを供給する。
【0042】
改質スロットルバルブ44は、改質用酸素供給流路43に配設されている。改質スロットルバルブ44は、改質器42に供給される空気の流量を制御する電磁式の改質用流量制御弁である。改質スロットルバルブ44は、後述のコントローラ60からの制御指令に応じて動作する。
【0043】
改質インジェクタ45は、改質器42に向けてアンモニアガスを噴射する電磁式の燃料噴射弁である。改質インジェクタ45は、改質用酸素供給流路43における改質スロットルバルブ44と改質器42との間にアンモニアガスを噴射する。改質インジェクタ45の数としては、複数(ここでは2つ)でもよいし、或いは1つでもよい。改質インジェクタ45は、後述のコントローラ60からの制御指令に応じて動作する。
【0044】
改質ガス流路46は、改質器42と第1酸素供給流路3とを接続している。改質ガス流路46の一端は、改質器42の筐体52の出口部に接続されている。改質ガス流路46の他端は、第1酸素供給流路3におけるメインスロットルバルブ6とアンモニアエンジン2との間の箇所に接続されている。改質ガス流路46は、改質器42により生成された改質ガスをアンモニアエンジン2の燃焼室14に供給する流路である。
【0045】
クーラ47は、改質ガス流路46に配設されている。クーラ47は、例えばアンモニアエンジン2を冷却するエンジン冷却水を用いて、改質ガス流路46を流れる改質ガスを冷却する。
【0046】
流量調整弁48は、改質ガス流路46におけるクーラ47よりも下流側に配設されている。流量調整弁48は、アンモニアエンジン2に供給される改質ガスの流量を調整する電磁弁である。流量調整弁48は、後述のコントローラ60からの制御指令に応じて動作する。流量調整弁48は、開閉弁(ON/OFF弁)であってもよい。
【0047】
また、エンジンシステム1は、除害装置65と、除害流路66と、第1開閉弁67(開閉弁)と、排出開閉弁68とを備えている。
【0048】
除害装置65は、排気流路4を流れるアンモニアを除害する装置である。除害装置65としては、例えばアンモニアを吸着する吸着材、アンモニアを酸化して燃焼させる酸化触媒、アンモニアを溶かす水など、アンモニアを無害化させることが可能な手段が使用される。除害装置65は、排気流路4を流れるアンモニアを吸引するポンプ(図示省略)を有していてもよい。
【0049】
除害流路66は、排気流路4におけるアンモニアエンジン2と三元触媒8との間の箇所と除害装置65とを接続する。除害流路66の一端は、排気管27(図2参照)における三元触媒8よりも上流側の箇所に接続されている。除害流路66は、アンモニアが除害装置65に向けて流れる流路である。
【0050】
第1開閉弁67は、除害流路66に配設されている。第1開閉弁67は、除害装置65にアンモニアを供給するか否かを制御する。第1開閉弁67は、開弁することで除害装置65にアンモニアが供給されることを許容する。第1開閉弁67は、閉弁することで除害装置65にアンモニアが供給されることを遮断する。第1開閉弁67は、例えば電磁式のON/OFF弁であり、後述のコントローラ60からの制御指令に応じて動作する。
【0051】
排出開閉弁68は、排気流路4におけるSCR触媒9よりも下流側の箇所に配設されている。排出開閉弁68は、三元触媒8及びSCR触媒9を通過したガス(触媒通過ガス)を排出開閉弁68の下流に排出するか否かを制御する。排出開閉弁68は、開弁することで触媒通過ガスが排出開閉弁68の下流に排出されることを許容する。排出開閉弁68は、閉弁することで触媒通過ガスが排出開閉弁68の下流に排出されることを遮断する。排出開閉弁68は、例えば電磁式のON/OFF弁であり、後述のコントローラ60からの制御指令に応じて動作する。
【0052】
また、エンジンシステム1は、温度センサ(温度検出部)58と、スタータ59と、コントローラ60とを備えている。
【0053】
温度センサ58は、三元触媒8の温度を検出するセンサである。温度センサ58は、三元触媒8の温度を直接検出してもよいし、あるいは三元触媒8の周辺(例えば三元触媒8を収容するケース)の温度を検出してもよい。温度センサ58は、検出した三元触媒8の温度の情報をコントローラ60に送信する。
【0054】
スタータ59は、アンモニアエンジン2のクランクシャフト20を回転させるものである。
【0055】
コントローラ60は、例えばCPU、ROM、RAM及び入出力インターフェース等を有する電子制御ユニットである。コントローラ60は、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、そのプログラムをCPUで実行することにより、アンモニアエンジン2の駆動制御を含む各種の制御機能を行う。
【0056】
コントローラ60は、車両の運転を開始する時には、スタータ59及びヒータ54の電源55を起動すると共に、メインインジェクタ5、メインスロットルバルブ6、改質インジェクタ45及び改質スロットルバルブ44を開弁するように制御する。これにより、アンモニアエンジン2の燃焼室14及び改質器42にアンモニアガス及び空気が供給されると共に、改質器42により生成された改質ガスが燃焼室14に供給されるため、燃焼室14においてアンモニアガスが水素と一緒に燃焼する。
【0057】
コントローラ60は、アンモニアエンジン2の定常運転時には、アクセル開度に応じた空燃比が得られるようにメインインジェクタ5の開度、メインスロットルバルブ6の開度、改質インジェクタ45の開度及び改質スロットルバルブ44の開度を制御する。
【0058】
また、コントローラ60は、アンモニアエンジン2の燃焼室14内でアンモニアガスの燃焼が終了することによってクランクシャフト20の回転が停止してから燃焼室14内で再びアンモニアガスの燃焼が起こるまでの間の任意の期間において、アンモニアエンジン2のクランクケース21内(クランク室23)に残留しているアンモニアのブローバイガスを除去するパージ制御を行う。ブローバイガスは、シリンダブロック11とピストン13との隙間からクランク室23に漏れる未燃ガスである。
【0059】
具体的には、コントローラ60は、パージ制御処理部(制御部)61と、除害制御処理部62(制御部)とを有している。
【0060】
パージ制御処理部61は、スタータ59によってクランクシャフト20の回転が再開された際に、第1酸素供給流路3にPCVバルブ32及びブローバイガス流路31を介してブローバイガスが還流するように、メインスロットルバルブ6の開度及び改質スロットルバルブ44の開度を制御する。
【0061】
除害制御処理部62は、パージ制御処理部61によりパージ制御処理が実行されるときに、温度センサ58により検出された三元触媒8の温度に基づいて、第1開閉弁67の開度及び排出開閉弁68の開度を制御する。
【0062】
図3は、パージ制御処理部61により実行されるパージ制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。本実施形態では、クランクシャフト20の回転が停止した後にオペレータ(ここではドライバ)の指示により本処理が開始される。ドライバは、例えば、車両から降車する前、或いはアンモニアエンジン2のメンテナンス前に、外部から操作可能なボタン等の手動スイッチ等によりパージの実施を指示する。
【0063】
なお、アンモニアエンジン2の燃焼室14内でアンモニアガスの燃焼が終了する時には、メインインジェクタ5、メインスロットルバルブ6、改質インジェクタ45及び改質スロットルバルブ44は、基本的には閉弁状態となっている。
【0064】
図3において、パージ制御処理部61は、まずメインスロットルバルブ6及び改質スロットルバルブ44の開度を制御する(ステップS101)。パージ制御処理部61は、第1酸素供給流路3にブローバイガスが還流するようにメインスロットルバルブ6の開度及び改質スロットルバルブ44の開度を制御する。更に詳述すると、パージ制御処理部61は、スタータ59によってクランクシャフト20の回転が再開された際、インテークマニホールド24内を負圧に保つようにメインスロットルバルブ6の開度及び改質スロットルバルブ44の開度を制御する。
【0065】
なお、この時のメインスロットルバルブ6及び改質スロットルバルブ44は、スタータ59によってクランクシャフト20の回転が再開された際、第1酸素供給流路3にブローバイガスを還流させられる開度であればよく、全閉(開度ゼロ)されていてもよい。
【0066】
続いて、パージ制御処理部61は、スタータ59を起動する(ステップS102)。すると、アンモニアエンジン2のクランクシャフト20が回転し、インテークマニホールド24内が負圧状態となる。なお、ステップS102をステップS101の前に実行してもよいし、ステップS101,S102を同時に実行してもよい。
【0067】
このとき、インテークマニホールド24内が負圧であるため、第1酸素供給流路3内の空気が第2酸素供給流路30を流れてクランク室23に供給され、その空気がクランク室23に残留しているアンモニアのブローバイガスと一緒にPCVバルブ32を介してブローバイガス流路31を流れて第1酸素供給流路3に還流する。また、メインスロットルバルブ6及び改質スロットルバルブ44は閉弁されているため、その分だけ第2酸素供給流路30を流れる空気量が多くなる。
【0068】
ここで、PCVバルブ32は、図4に示されるように、インテークマニホールド24内の負圧が規定圧Nに達するまでは高くなるほどブローバイガスが流れやすくなるが、インテークマニホールド24内の負圧が規定圧N以上になると、ブローバイガスが逆に流れにくくなる、という流量特性を有している。このため、コントローラ60は、インテークマニホールド24内の負圧が規定圧Nとなるように、メインスロットルバルブ6及び改質スロットルバルブ44の開度を制御することが好ましい。規定圧Nは、PCVバルブ32を単位時間当たりに流れる空気の流量が最も多くなるような負圧である。
【0069】
このようにメインスロットルバルブ6及び改質スロットルバルブ44の開度を制御することにより、PCVバルブ32を通して第1酸素供給流路3に還流する空気の流量が直接制御される。このため、単なる逆止弁を使用する場合に比べて、ブローバイガスの排出を効率良く行うことができる。
【0070】
図5は、除害制御処理部62により実行される除害制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。本処理も、パージ制御処理部61と同様に、アンモニアエンジン2の燃焼室14内でアンモニアガスの燃焼が終了することによってクランクシャフト20の回転が停止してから燃焼室14内で再びアンモニアガスの燃焼が起こるまでの間の任意の期間にドライバの指示により開始される。
【0071】
図5において、除害制御処理部62は、まず温度センサ58の検出値を取得する(ステップS111)。そして、除害制御処理部62は、温度センサ58の検出値に基づいて、三元触媒8の温度が規定温度範囲H内であるかどうかを判断する(ステップS112)。規定温度範囲Hは、三元触媒8がアンモニアと反応して亜酸化窒素(NO)を生成する温度範囲(例えば150℃~350℃程度)である。
【0072】
除害制御処理部62は、三元触媒8の温度が規定温度範囲H内であると判断したときは、第1開閉弁67を開弁するように制御すると共に、排出開閉弁68を閉弁するように制御し(ステップS113)、上記のステップS111を再度実行する。このとき、第1開閉弁67を開弁してから排出開閉弁68を閉弁してもよいし、第1開閉弁67の開弁と排出開閉弁68の閉弁とを同時に行ってもよい。
【0073】
除害制御処理部62は、三元触媒8の温度が規定温度範囲H内でないと判断したときは、排出開閉弁68を開弁するように制御すると共に、第1開閉弁67を閉弁するように制御し(ステップS114)、上記のステップS111を再度実行する。このとき、排出開閉弁68を開弁してから第1開閉弁67を閉弁してもよいし、排出開閉弁68の開弁と第1開閉弁67の閉弁とを同時に行ってもよい。
【0074】
以上のようなエンジンシステム1において、ドライバがブローバイガスの除去を指示すると、スタータ59を起動させることで、クランクシャフト20を回転させると共に、メインスロットルバルブ6及び改質スロットルバルブ44の開度調整が行われる。
【0075】
すると、インテークマニホールド24内が負圧となるため、第1酸素供給流路3内の空気が第2酸素供給流路30の配管33及び通路34を流れてクランク室23に供給され、その空気がクランク室23に残留しているアンモニアのブローバイガスと一緒にブローバイガス流路31の通路36、PCVバルブ32及びブローバイガス流路31の配管35を流れて第1酸素供給流路3に還流する。そして、アンモニアのブローバイガスは、第1酸素供給流路3及びアンモニアエンジン2の燃焼室14を流れて排気流路4に流入される。
【0076】
このとき、三元触媒8の温度が規定温度範囲H内でない場合は、排出開閉弁68が開弁されると共に、第1開閉弁67が閉弁される。このため、排気流路4を流れるアンモニアのブローバイガスは、三元触媒8及びSCR触媒9に供給される。そして、三元触媒8及びSCR触媒9において、アンモニアのブローバイガスが浄化される。
【0077】
具体的には、三元触媒8の温度が規定温度範囲Hの上限値よりも高い場合は、三元触媒8によりアンモニアが酸化して燃焼される。三元触媒8の温度が規定温度範囲Hの下限値よりも低い場合は、SCR触媒9によりアンモニアが吸着される。これにより、アンモニアのブローバイガスが排気流路4を流れて排出されることが抑制される。
【0078】
一方、三元触媒8の温度が規定温度範囲H内である場合は、第1開閉弁67が開弁されると共に、排出開閉弁68が閉弁される。このため、排気流路4を流れるアンモニアのブローバイガスは、三元触媒8及びSCR触媒9に供給されずに、除害流路66を流れて除害装置65に供給される。そして、除害装置65において、アンモニアのブローバイガスが浄化される。また、排出開閉弁68が閉弁されているため、触媒通過ガスが排気流路4を流れて排出されることが抑制される。
【0079】
以上のように本実施形態にあっては、アンモニアエンジン2の燃焼室14内でアンモニアガスの燃焼が終了することによってクランクシャフト20の回転が停止してから燃焼室14内で再びアンモニアガスの燃焼が起こるまでの間の任意の期間に、第1酸素供給流路3にアンモニアのブローバイガスが還流するように、メインスロットルバルブ6の開度及び改質スロットルバルブ44の開度が制御されると共に、スタータ59によってクランクシャフト20を回転させる。すると、第1酸素供給流路3の一部分であるインテークマニホールド24内が負圧となるため、空気が第2酸素供給流路30を流れてクランクケース21内に導入されると共に、PCVバルブ32が開弁することで、クランクケース21内に残留するアンモニアのブローバイガスが空気と一緒にブローバイガス流路31を流れて第1酸素供給流路3に還流する。そして、アンモニアのブローバイガスは、空気と一緒に第1酸素供給流路3、アンモニアエンジン2の燃焼室14を通って排気流路4に流入される。ここで、第1開閉弁67を開弁すると共に、排出開閉弁68を閉弁することで排気流路4を閉塞することにより、アンモニアが除害流路66を流れて除害装置65に供給される。そして、除害装置65においてアンモニアが除害される。このとき、アンモニアが三元触媒8に流通しないため、三元触媒8において環境負荷が高い亜酸化窒素(NO)が生成されることが抑制される。これにより、大気中への亜酸化窒素の漏洩が抑制される。
【0080】
また、クランクケース21内に残留するアンモニアのブローバイガスが除去されるため、例えば、メンテナンス時にオイルパン22を取り外してクランクケース21を開けた際に、クランクケース21内に残存しているアンモニアが大気中に流出することが抑制される。また、クランクケース21内に残留するアンモニアのブローバイガスを定期的に除去しておけば、例えば、メンテナンス時にオイルパン22を取り外してクランクケース21を開けた際に、大量のアンモニアが大気中に流出することが抑制される。
【0081】
また、本実施形態では、水素を含有した改質ガスがアンモニアエンジン2の燃焼室14に供給されるため、アンモニアエンジン2の燃焼室14内でアンモニアが燃焼されやすくなる。
【0082】
また、本実施形態では、排出開閉弁68を使用するため、作業者が手作業により排気流路4の出口を塞いだりしなくて済む。従って、作業者の負担を軽減することができる。
【0083】
また、本実施形態では、三元触媒8の温度が三元触媒8が亜酸化窒素を生成する温度範囲内であるときは、第1開閉弁67が開弁されると共に排出開閉弁68が閉弁されるため、アンモニアが除害流路66を流れて除害装置65に供給され、除害装置65においてアンモニアが除害される。三元触媒8の温度が三元触媒8が亜酸化窒素を生成する温度範囲内でないときは、排出開閉弁68が開弁されると共に第1開閉弁67が閉弁されるため、アンモニアが三元触媒8に吸着及び酸化される。従って、除害装置65の使用頻度が抑えられるため、除害装置65の寿命を長くすることができる。
[第2実施形態]
【0084】
図6は、本発明の第2実施形態に係るエンジンシステムを示す概略構成図である。図6において、本実施形態のエンジンシステム1Aは、第2開閉弁75、酸素供給部70、追出し経路80を更に備えると共に、コントローラ60に代えてコントローラ60Aを備えている点で、上記第1実施形態のエンジンシステム1と異なっている。なお、図6では、スタータ59が省略されている。
【0085】
アンモニアタンク40と気化器41とを接続するアンモニア供給流路49には、第2開閉弁75が配設されている。第2開閉弁75は、アンモニアタンク40から気化器41を通してメインインジェクタ5及び改質インジェクタ45にアンモニアを供給するか否かを制御する。第2開閉弁75は、開弁することでアンモニアタンク40内のアンモニアが気化器41を通してメインインジェクタ5及び改質インジェクタ45に供給されることを許容する。第2開閉弁75は、閉弁することでアンモニアタンク40内のアンモニアが気化器41を通してメインインジェクタ5及び改質インジェクタ45に供給されることを遮断する。第2開閉弁75は、例えば後述のコントローラ60Aからの制御指令に応じて動作する。
【0086】
エンジンシステム1Aは、酸素供給部70を更に備えている。酸素供給部70は、エア源71と、酸素供給経路72と、第3開閉弁76と、逆止弁73とを有している。
【0087】
エア源71は、アンモニア供給流路49~51をパージするための酸素を含む気体の供給源である。エア源71は、酸素を含む気体として、例えば大気中の空気を供給する。エア源71は、大気中の空気を送出するポンプを含む。エア源71は、ポンプで送出された圧縮空気を貯留するエアタンクを含んでもよい。
【0088】
酸素供給経路72は、エア源71と、アンモニア供給流路49における第2開閉弁75よりも下流側の箇所とを接続する。酸素供給経路72は、例えば、アンモニア供給流路49における第2開閉弁75と気化器41との間に接続されている。酸素供給経路72は、アンモニア供給流路49~51に空気を供給する。なお、酸素を含む気体としては、空気に代えて、酸素であってもよい。
【0089】
酸素供給経路72には、第3開閉弁76が配設されている。第3開閉弁76は、例えば、酸素供給経路72におけるエア源71と逆止弁73との間に設けられている。第3開閉弁76は、エア源71からアンモニア供給流路49~51に供給される空気の流量を制御する流量制御弁である。第3開閉弁76は、開弁することでエア源71の空気がアンモニア供給流路49~51に供給されることを許容する。第3開閉弁76は、閉弁することでエア源71の空気がアンモニア供給流路49~51に供給されることを遮断する。第3開閉弁76は、例えば電磁式の流量制御弁であり、後述のコントローラ60Aからの制御指令に応じて動作する。
【0090】
逆止弁73は、酸素供給経路72における第3開閉弁76よりも下流側に配設されている。逆止弁73は、アンモニア供給流路49から酸素供給経路72へのアンモニアの流入を防止する。逆止弁73は、運転していたアンモニアエンジン2が停止したとき、残存しているアンモニアによってアンモニア供給流路49の圧力が酸素供給経路72の圧力よりも高圧となっていても、アンモニア供給流路49から酸素供給経路72へのアンモニアの流入を遮断する。逆止弁73は、残存しているアンモニアが低減されてアンモニア供給流路49の圧力が酸素供給経路72の圧力よりも低圧となると、酸素供給経路72からアンモニア供給流路49へのアンモニアの流入を許容する。
【0091】
エンジンシステム1Aは、アンモニア供給流路49~51の内部に残存しているアンモニアを三元触媒8に供給可能に設けられる追出し経路80を備えている。追出し経路80は、例えば、アンモニア供給流路49における酸素供給経路72が接続される箇所よりも下流側の箇所と、排気流路4における三元触媒8の上流側とを接続している。具体的には、追出し経路80は、排気流路4における除害流路66と接続される箇所よりも上流側に接続されている。追出し経路80は、例えば、第1追出し経路81と、第2追出し経路82と、第3追出し経路83とを有している。
【0092】
第1追出し経路81は、アンモニア供給流路51における改質インジェクタ45付近に接続されている。第1追出し経路81には、第4開閉弁77が配設されている。第4開閉弁77は、アンモニア供給流路51から排気流路4に追い出されるアンモニアの流量を制御する流量制御弁である。第4開閉弁77は、開弁することでアンモニア供給流路51のアンモニアが排気流路4に供給されることを許容する。第4開閉弁77は、閉弁することでアンモニア供給流路51のアンモニアが排気流路4に供給されることを遮断する。第4開閉弁77は、例えば電磁式の流量制御弁であり、後述のコントローラ60Aからの制御指令に応じて動作する。
【0093】
第2追出し経路82は、アンモニア供給流路50におけるメインインジェクタ5の付近に接続されている。第2追出し経路82には、第5開閉弁78が配設されている。第5開閉弁78は、アンモニア供給流路50から排気流路4に追い出されるアンモニアの流量を制御する流量制御弁である。第5開閉弁78は、開弁することでアンモニア供給流路50のアンモニアが排気流路4に供給されることを許容する。第5開閉弁78は、閉弁することでアンモニア供給流路50のアンモニアが排気流路4に供給されることを遮断する。第5開閉弁78は、例えば電磁式の流量制御弁であり、後述のコントローラ60Aからの制御指令に応じて動作する。
【0094】
第1追出し経路81及び第2追出し経路82は、第4開閉弁77及び第5開閉弁78の下流側において合流する。第3追出し経路83は、第1追出し経路81と第2追出し経路82とが合流する箇所と、排気流路4における除害流路66と接続される箇所よりも上流側とを接続している。なお、第1追出し経路81及び第2追出し経路82のそれぞれが、合流せずに排気流路4における除害流路66と接続される箇所よりも上流側に接続されていてもよい。
【0095】
エンジンシステム1Aは、コントローラ60Aを備えている。コントローラ60Aは、パージ制御処理部61Aと、上記の除害制御処理部62とを有している。パージ制御処理部61Aは、アンモニア供給流路49~51のパージを行うように第2開閉弁75~第5開閉弁78を制御する。
【0096】
エンジンシステム1Aの動作の一例を図7を参照しつつ説明する。図7は、パージ制御処理部61Aにより実行されるパージ制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0097】
図7において、パージ制御処理部61Aは、アンモニアエンジン2の運転中において第2開閉弁75を開弁させることで、アンモニアタンク40内のアンモニアをアンモニア供給流路49、気化器41及びアンモニア供給流路50を介してメインインジェクタ5に供給させる。パージ制御処理部61Aは、第2開閉弁75が開弁しているとき、第3開閉弁76、第4開閉弁77、及び第5開閉弁78を閉弁させる(ステップS121)。アンモニアエンジン2の運転により、三元触媒8及びSCR触媒9は活性温度以上となっている(ライトオフ)。
【0098】
パージ制御処理部61Aは、運転していたアンモニアエンジン2を停止するとき、第2開閉弁75を閉弁させることで、アンモニアタンク40内のアンモニアをアンモニア供給流路49、気化器41及びアンモニア供給流路50を介してメインインジェクタ5に供給することを遮断する(ステップS122)。このとき、アンモニア供給流路49,50にはアンモニアが残存している。
【0099】
パージ制御処理部61Aは、車両が停止し、車両の運転の再開までの間に、ドライバの指示により第3開閉弁76を開弁させる。すなわち、パージ制御処理部61Aは、開弁させていた第2開閉弁75を閉弁させてから、第3開閉弁76を開弁させる。また、パージ制御処理部61Aは、アンモニアエンジン2の運転停止後に第4開閉弁77及び第5開閉弁78を開弁させる。すなわち、パージ制御処理部61Aは、開弁させていた第2開閉弁75を閉弁させてから、第4開閉弁77及び第5開閉弁78を開弁させる。一例として、パージ制御処理部61Aは、アンモニアエンジン2の運転停止後に、第2開閉弁75を閉弁させると共に、第4開閉弁77及び第5開閉弁78を開弁させてから(ステップS123)、第3開閉弁76を開弁させる(ステップS124)。このように第3開閉弁76よりも先に第4開閉弁77及び第5開閉弁78を開弁させることで、残存しているアンモニアによってアンモニア供給流路49の圧力が酸素供給経路72の圧力よりも高圧となっていても、アンモニア供給流路49の圧力を迅速に低下させることができる。なお、パージ制御処理部61Aは、第4開閉弁77及び第5開閉弁78よりも先に第3開閉弁76を開弁させてもよい。
【0100】
以上のようなエンジンシステム1Aにおいて、アンモニア供給流路49~51の内部に残存しているアンモニアは、追出し経路80を通って排気流路4に流入される。このとき、三元触媒8の温度が前述の規定温度範囲H内でない場合は、排出開閉弁68が開弁されると共に、第1開閉弁67が閉弁される。このため、排気流路4に流入されたアンモニアは、三元触媒8及びSCR触媒9において浄化される。
【0101】
三元触媒8の温度が規定温度範囲H内である場合は、第1開閉弁67が開弁されると共に、排出開閉弁68が閉弁される。このため、排気流路4に流入されたアンモニアは、除害流路66を流れて除害装置65に供給され、除害装置65において浄化される。
【0102】
以上のように本実施形態にあっては、アンモニアエンジン2の運転中において第2開閉弁75を開弁させており、アンモニアタンク40内のアンモニアがアンモニア供給流路49,50を介してメインインジェクタ5に供給される。運転していたアンモニアエンジン2が停止したとき、アンモニア供給流路49,50にはアンモニアが残存している。そこで、アンモニアエンジン2の運転停止後において第2開閉弁75を閉弁させることで、アンモニアタンク40内のアンモニアがメインインジェクタ5に供給されることが遮断される。第2開閉弁75を閉弁させてから第3開閉弁76、第4開閉弁77及び第5開閉弁78を開弁させることで、アンモニア供給流路49,50に空気が供給される。これにより、アンモニア供給流路49,50の内部に残存しているアンモニアは、空気と一緒に追出し経路80を通って排気流路4に流入される。ここで、第1開閉弁67を開弁すると共に、排出開閉弁68を閉弁することで排気流路4を閉塞することにより、アンモニアが除害流路66を流れて除害装置65に供給される。そして、除害装置65においてアンモニアが除害される。このとき、アンモニアが三元触媒8に流通しないため、三元触媒8において環境負荷が高い亜酸化窒素(NO)が生成されることが抑制される。これにより、大気中への亜酸化窒素の漏洩が抑制される。
【0103】
また、アンモニア供給流路49,50に残存しているアンモニアが除去されるため、アンモニアエンジン2の運転停止後にアンモニア供給流路49,50を外す際にアンモニア供給流路49,50に残存しているアンモニアの大気中への流出を抑制することが可能となる。
[第3実施形態]
【0104】
図8は、本発明の第3実施形態に係るエンジンシステムを示す概略構成図である。図8において、本実施形態のエンジンシステム1Bは、酸素供給部70に代えて酸素供給部70Aを、追出し経路80に代えて追出し経路80Aを、コントローラ60に代えてコントローラ60Bを備えると共に、温度調整部90を更に備えている点で、上記第2実施形態のエンジンシステム1Aと異なっている。
【0105】
酸素供給部70Aは、上述した酸素供給部70の構成に加えて、酸素供給経路74と、第6開閉弁79とを更に有している。酸素供給経路74は、エア源71Aと追出し経路80Aにおける第4開閉弁77よりも下流側の箇所とを接続する。図8の例では、酸素供給経路74は、第1追出し経路81における第4開閉弁77よりも下流側の箇所に接続されている。酸素供給経路74には、第6開閉弁79が配設されている。第6開閉弁79は、エア源71Aから酸素供給経路74に供給される空気の流量を制御する流量制御弁である。第6開閉弁79は、開弁することでエア源71Aの空気が酸素供給経路74に供給されることを許容する。第6開閉弁79は、閉弁することでエア源71Aの空気が酸素供給経路74に供給されることを遮断する。第6開閉弁79は、例えば電磁式の流量制御弁であり、コントローラ60Bからの制御指令に応じて動作する。
【0106】
温度調整部90は、温度調整経路91と、温度調整開閉弁95と、逆止弁92と、温度センサ(温度検出部)93とを有している。
【0107】
温度調整経路91は、排気流路4における三元触媒8よりも下流の箇所と、アンモニア供給流路49における第2開閉弁75よりも下流側の箇所とを接続する。図8の例では、温度調整経路91の一端は、排気流路4における三元触媒8とSCR触媒9との間に接続されている。温度調整経路91の他端は、アンモニア供給流路49における第2開閉弁75と気化器41との間に接続されている。温度調整経路91は、三元触媒8を通過した触媒通過ガスをアンモニア供給流路49に還流させる。触媒通過ガスは、アンモニアエンジン2の排気ガスであり、アンモニアエンジン2の運転中及び運転停止直後では外気と比べて高温となっている。触媒通過ガスは、アンモニアエンジン2の運転中には、三元触媒8での排気ガスの浄化(酸化反応)に伴う発熱の熱を受ける。触媒通過ガスは、アンモニアエンジン2の運転停止直後には、三元触媒8の余熱を受ける。
【0108】
温度調整経路91には、温度調整開閉弁95が配設されている。温度調整開閉弁95は、排気流路4における三元触媒8よりも下流からアンモニア供給流路49に還流する触媒通過ガスの流量を制御する流量制御弁である。温度調整開閉弁95は、開弁することで触媒通過ガスがアンモニア供給流路49に還流されることを許容する。温度調整開閉弁95は、閉弁することで触媒通過ガスがアンモニア供給流路49に還流されることを遮断する。温度調整開閉弁95は、例えば電磁式の流量制御弁であり、後述のコントローラ60Bからの制御指令に応じて動作する。
【0109】
逆止弁92は、温度調整経路91における温度調整開閉弁95よりも下流側に配設されている。逆止弁92は、アンモニア供給流路49から温度調整経路91へのアンモニアの流入を防止する。逆止弁92は、運転していたアンモニアエンジン2が停止したときに温度調整開閉弁95を閉弁していることでアンモニア供給流路49の圧力が温度調整経路91の圧力よりも高圧となっていても、アンモニア供給流路49から温度調整経路91へのアンモニアの流入を遮断する。逆止弁92は、アンモニア供給流路49に残存しているアンモニアが低減されてアンモニア供給流路49の圧力が温度調整経路91の圧力よりも低圧となると、温度調整経路91からアンモニア供給流路49への触媒通過ガスの流入を許容する。
【0110】
温度調整経路91には、温度センサ93が設けられている。温度センサ93は、例えば、温度調整経路91における温度調整開閉弁95と逆止弁92との間に配設されている。温度センサ93は、温度調整経路91を流通する触媒通過ガスのガス温度を検出する。温度センサ93は、検出したガス温度の情報をコントローラ60Bに送信する。
【0111】
追出し経路80Aは、上述した追出し経路80の構成に加えて、ポンプ84を更に有している。ポンプ84は、アンモニア供給流路49の一部分、気化器41、アンモニア供給流路50,51の一部分、追出し経路80A、排気流路4の一部分、三元触媒8、及び温度調整経路91によって形成される閉回路に設けられている。図8の例では、ポンプ84は、第3追出し経路83に配設されている。すなわち、ポンプ84は、追出し経路80Aに設けられている。ポンプ84は、例えば電動ポンプであり、コントローラ60Bからの制御指令に応じて動作する。
【0112】
エンジンシステム1Bは、コントローラ60Bを備えている。コントローラ60Bは、パージ制御処理部61Bと、上記の除害制御処理部62とを有している。パージ制御処理部61Bは、アンモニア供給流路49~51のパージを行うように第2開閉弁75~第6開閉弁79、温度調整開閉弁95及びポンプ84を制御する。
【0113】
エンジンシステム1Bの動作の一例を図9を参照しつつ説明する。図9は、パージ制御処理部61Bにより実行されるパージ制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0114】
図9において、パージ制御処理部61Bは、アンモニアエンジン2の運転中において第2開閉弁75を開弁させることで、アンモニアタンク40内のアンモニアをアンモニア供給流路49、気化器41及びアンモニア供給流路50を介してメインインジェクタ5に供給させる。パージ制御処理部61Bは、第2開閉弁75が開弁しているとき、第3開閉弁76、第4開閉弁77、第5開閉弁78、第6開閉弁79、及び温度調整開閉弁95を閉弁させる(ステップS131)。
【0115】
パージ制御処理部61Bは、運転していたアンモニアエンジン2を停止するとき、第2開閉弁75を閉弁させることで、アンモニアタンク40内のアンモニアをアンモニア供給流路49、気化器41及びアンモニア供給流路50を介してメインインジェクタ5に供給することを遮断する。このとき、アンモニア供給流路49,50にはアンモニアが残存している。一例として、パージ制御処理部61Bは、アンモニアエンジン2の運転停止後に、ドライバの指示により第2開閉弁75を閉弁させると共に(ステップS132)、第4開閉弁77及び第5開閉弁78を開弁させてから(ステップS133)、第3開閉弁76を開弁させる(ステップS134)。更に、パージ制御処理部61Bは、第6開閉弁79及び温度調整開閉弁95を開弁させて(ステップS135)、追出し経路80Aのポンプ84を動作させる(ステップS136)。
【0116】
より詳しくは、パージ制御処理部61Bは、ポンプ84を動作させることで、閉回路中の気体を循環させる。図8の例では、第3追出し経路83に設けられているポンプ84が作動すると、第1追出し経路81及び第2追出し経路82の気体が、排気流路4における三元触媒8よりも上流に送出される。ポンプ84が第1追出し経路81及び第2追出し経路82の気体を引き込むことで、より上流となるアンモニア供給流路49,50の一部に残存する気体もポンプ84側に引っ張られる。アンモニア供給流路49,50の一部とは、図8の例では、第2開閉弁75との接続箇所から第1追出し経路81との接続箇所までの部分と、第2開閉弁75との接続箇所から第2追出し経路82との接続箇所までの部分とに相当する。
【0117】
なお、このようにポンプ84が追出し経路80Aに設けられていると、その動作によりアンモニア供給流路49,50の一部に残存する気体がポンプ84側に引っ張られる。この場合、エア源71Aは、必ずしもアンモニア供給流路49に空気を圧送しなくてもよい。エア源71Aは、ポンプ及び圧縮空気を貯留するエアタンクが省かれた構成であってもよい。ちなみに、パージ制御処理部61Bは、アンモニアエンジン2の運転停止後に、第2開閉弁75を閉弁させると共に、第4開閉弁77及び第5開閉弁78を開弁させてから第3開閉弁76を開弁させたが、第3開閉弁76を閉弁させたままで第6開閉弁79を開弁することで空気を三元触媒8に供給してもよい。この場合でも、ポンプ84が追出し経路80Aに設けられているため、ポンプ84を用いて閉回路内でガスを循環させればよく、必ずしも酸素供給経路72からの空気でアンモニア供給流路49,50のアンモニアを押し出さなくてもよい。
【0118】
パージ制御処理部61Bは、第3開閉弁76を開弁させることで、追出し経路80A(図8の例では第1追出し経路81)にエア源71Aから空気を供給する。第6開閉弁79を介して追出し経路80Aに供給される空気は、排気流路4を介して三元触媒8に供給される。よって、三元触媒8にてアンモニアを酸化するための酸素が増加する。ここで、アンモニアエンジン2の運転停止後のアンモニア追出しの初期段階においては、第3開閉弁76の開弁により酸素供給経路72から供給された空気が、アンモニア供給流路49,50の内部に残存しているアンモニアを追い出すものの、三元触媒8には到達していない期間(所定期間)が存在する。この所定期間においては、三元触媒8においてアンモニア濃度に対して酸素濃度が不足する。そこで、第6開閉弁79を介して追出し経路80Aにエア源71Aから空気を供給することで、三元触媒8においてアンモニア濃度に対して酸素濃度が不足することが緩和される。よって、アンモニア追出しの初期段階において三元触媒8にてアンモニアをより適切に酸化することができる。なお、パージ制御処理部61Bは、アンモニアエンジン2の運転停止後の当該所定期間、第6開閉弁79を開弁させてもよい。
【0119】
パージ制御処理部61Bは、温度調整開閉弁95を開弁させることで、排気流路4における三元触媒8よりも下流の触媒通過ガスを、温度調整経路91を介してアンモニア供給流路49,50に還流させる。触媒通過ガスがアンモニア供給流路49,50に還流されると、触媒通過ガスは、アンモニア供給流路49,50を加熱する。アンモニア供給流路49,50では、アンモニア供給流路49,50に残存しているアンモニアが追出し経路80Aに追い出される際、アンモニアの気化潜熱に起因する結露が生じる可能性がある。触媒通過ガスがアンモニア供給流路49,50を加熱することで、アンモニアの気化潜熱に起因する結露を抑制することができる。なお、例えばアンモニア供給流路49,50の内部に残存しているアンモニアが十分に追い出されたものの、アンモニア供給流路49,50に結露が残るような場合には、パージ制御処理部61Bは、温度調整開閉弁95を開弁させたまま第3開閉弁76及び第6開閉弁79を閉弁させて、エア源31Aからの空気の供給を止めてもよい。
【0120】
パージ制御処理部61Bは、温度調整開閉弁95を開弁させた場合において、ガス温度が所定の温度閾値以上であるとき、ガス温度が温度閾値未満である場合と比べて、酸素供給経路72からアンモニア供給流路49,50に供給される空気を増量してもよい(ステップS137,S138)。温度閾値は、触媒通過ガスによってアンモニア供給流路49,50が過度に加熱されるか否かを判定するための触媒通過ガスの温度の閾値である。ガス温度が所定の温度閾値以上であるときには、酸素供給経路72からアンモニア供給流路49,50に供給される空気が増量されるため、空気によって触媒通過ガスが冷却される。これにより、ガス温度が所定の温度閾値以上であっても、アンモニア供給流路49,50が過度に加熱されることを抑制できる。
【0121】
以上のように本実施形態によれば、排気触媒が三元触媒8であるため、三元触媒8に供給されたアンモニアが三元触媒8にて酸化されて、三元触媒8から流出する触媒通過ガスの温度が上昇する。ポンプ84を動作させることで、三元触媒8から流出した触媒通過ガスの一部が、温度調整経路91を通ってアンモニア供給流路49,50の一部分及び追出し経路80Aに供給される。これにより、アンモニア供給流路49,50の一部分及び追出し経路80Aが加熱されるため、例えばアンモニア供給流路49,50に残存しているアンモニアの気化潜熱に起因する結露を抑制することができる。
【0122】
また、本実施形態では、アンモニア供給流路49における酸素供給経路72が接続される箇所よりも下流側の箇所に追出し経路80Aが接続されており、追出し経路80Aにポンプ84が設けられている。これにより、例えば酸素供給経路72からアンモニア供給流路49,50に空気を圧送せずとも、ポンプ84を動作させることでアンモニア供給流路49,50に残存しているアンモニアを追出し経路80Aを通じて三元触媒8に供給することができる。
【0123】
また、本実施形態では、エンジンシステム1Bは、温度調整経路91に設けられ、温度調整経路91を流通する触媒通過ガスのガス温度を検出する温度センサ93を備えている。エンジンシステム1Bは、ガス温度が所定の温度閾値以上である場合に、ガス温度が温度閾値未満である場合と比べて、酸素供給経路72からアンモニア供給流路49,50に供給される空気を増量する。これにより、アンモニア供給流路49,50の一部分及び追出し経路80Aが過度に加熱されることを抑制することができる。
[変形例]
【0124】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。本発明は、上述した実施形態を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した様々な形態で実施することができる。
【0125】
例えば、上記第3実施形態のエンジンシステム1Bは、図10のようなエンジンシステム1Bに変形することができる。図10において、変形例に係るエンジンシステム1Cは、主に、第3追出し経路83のポンプ84に代えて、ポンプ94が温度調整経路91に設けられている点で、エンジンシステム1Bと相違している。エンジンシステム1Cでは、追出し経路80Aが追出し経路80に戻されており、温度調整部90が温度調整部90Cとなっている。なお、温度調整部90Cでは、温度調整経路91において温度センサが省かれている。
【0126】
エンジンシステム1Cでは、ポンプ94が温度調整経路91に設けられているため、図8の例のようにポンプ84が第3追出し経路83に設けられている場合と比べて、第1追出し経路81及び第2追出し経路82の気体がポンプ94側に引っ張られにくい。そのため、酸素供給部70Bは、空気を圧送可能な上記第1実施形態のエア源71に戻されている点で、上記第3実施形態の酸素供給部70Aとは異なっている。また、上記第3実施形態のエンジンシステム1Bでは、パージ制御処理部61Bは、第3開閉弁76を閉弁させたままでポンプ84を用いて閉回路内でガスを循環させ、第6開閉弁79を開弁することで空気を三元触媒8に供給してもよかったが、エンジンシステム1Cでは、ポンプ94は、専ら、触媒通過ガスをアンモニア供給流路49,50へと還流させるための圧送を行う。例えば、パージ制御処理部61Bは、第3開閉弁76を開弁させることで、酸素供給経路72からの空気でアンモニア供給流路49,50のアンモニアを押し出させてもよい。
【0127】
また、上記第1実施形態では、ヒータによって三元触媒8を加熱してもよい。この場合には、例えば三元触媒8を規定温度範囲Hの上限値よりも高い温度まで加熱することで、除害装置65の稼動時間を短縮することができる。
【0128】
また、上記第1実施形態では、エンジンオイルまたはエンジン冷却水の温度を検出し、エンジンオイルまたはエンジン冷却水の温度に基づいて、メインスロットルバルブ6及び改質スロットルバルブ44が閉弁されるようにメインスロットルバルブ6及び改質スロットルバルブ44の開度を制御してもよい。この場合には、アンモニアエンジン2の温度によってアンモニアエンジン2の第1酸素供給流路3側に発生する負圧が変動しても、閉弁状態のメインスロットルバルブ6及び改質スロットルバルブ44をアンモニアエンジン2の温度に応じた適切な開度に調整することができる。
【0129】
また、上記実施形態では、三元触媒8が排気触媒として主に用いられているが、排気触媒としては、特にその形態には限られず、1種類又は複数種類の触媒によってアンモニアを吸着及び酸化すればよい。例えば、上記のSCR触媒9を排気触媒として主に用いてもよいし、三元触媒8及びSCR触媒9に代えて酸化触媒を用いてもよい。
【0130】
また、上記実施形態では、アンモニアエンジン2の運転停止後、或いはアンモニアエンジン2のメンテナンス前に、ドライバ等のオペレータがボタン等の操作部を操作することでパージ処理及び除害処理が実施されているが、特にその形態には限られず、例えばアンモニアエンジン2の運転停止から所定時間経過後に、パージ処理及び除害処理が自動的に開始されてもよい。
【0131】
また、上記実施形態では、温度センサ58により三元触媒8の温度が検出されているが、特にそのような形態には限られない。アンモニアエンジン2の運転履歴(運転時間、回転数、負荷)、エンジンオイルやエンジン冷却水の温度、或いは三元触媒8やSCR触媒9の下流のNOx濃度等から、三元触媒8の温度を推定してもよい。例えば、アンモニアエンジン2の回転数が所定数以上で所定時間だけ運転した状態で、エンジン冷却水の温度が所定値未満である場合は、三元触媒8の温度が規定温度範囲H内であると推定する。この場合には、排出開閉弁68を閉弁することで、三元触媒8にアンモニアを流さないようにする。アンモニアエンジン2の回転数が所定数以上で所定時間だけ運転した状態でも、エンジン冷却水の温度が所定値以上である場合は、三元触媒8の温度が規定温度範囲Hよりも高いと推定する。この場合には、排出開閉弁68を開弁することで、三元触媒8にアンモニアを流すようにする。
【0132】
また、上記実施形態では、三元触媒8の温度が三元触媒8がアンモニアと反応して亜酸化窒素(NO)を生成する規定温度範囲H内であるときに、第1開閉弁67が開弁されると共に排出開閉弁68が閉弁されているが、特にそのような形態には限られない。パージ処理を実施するときは、三元触媒8の温度に関わらず、第1開閉弁67を開弁すると共に排出開閉弁68を閉弁してもよい。この場合には、三元触媒8の温度を検出する温度センサ58を使用しなくてもよい。
【0133】
また、上記実施形態では、三元触媒8の温度が規定温度範囲H内であるときは、第1開閉弁67が開弁されると共に排出開閉弁68が閉弁されているが、特にそのような形態には限られない。例えば、三元触媒8の温度が規定温度範囲H内であるときは、排出開閉弁68が開弁していてもよいし、第1開閉弁67の開度よりも狭くなるように排出開閉弁68の開度を制御してもよい。
【0134】
また、上記実施形態では、三元触媒8の温度が規定温度範囲H内でないときは、排出開閉弁68が開弁されると共に第1開閉弁67が閉弁されているが、特にそのような形態には限られない。例えば、三元触媒8の温度が規定温度範囲H内でないときは、第1開閉弁67が開弁していてもよいし、排出開閉弁68の開度よりも狭くなるように第1開閉弁67の開度を制御してもよい。
【0135】
また、上記実施形態では、第1開閉弁67及び排出開閉弁68は、電磁式のON/OFF弁であるが、第1開閉弁67及び排出開閉弁68としては、特にその形態には限られず、電磁式の流量制御弁を用いてもよい。
【0136】
また、上記実施形態では、第1開閉弁67及び排出開閉弁68は、電磁弁であり、コントローラ60,60A,60Bからの制御指令に応じて動作したが、特にそのような形態には限定されない。例えば、第1開閉弁67及び排出開閉弁68は、手動のON/OFF弁等であってもよい。この場合、図5のフローチャートの処理と同様の工程を残存燃料処理方法としてオペレータが手動で行うことによって、上記作用効果が奏される。上記第2実施形態における第2開閉弁75~第5開閉弁78と上記第3実施形態における第2開閉弁75~第6開閉弁79及び温度調整開閉弁95とについても、同様に手動の流量制御弁であってもよい。
【0137】
また、上記実施形態では、排気流路4におけるSCR触媒9の下流側に排出開閉弁68が配設されているが、特にその形態には限られず、排気流路4における除害流路66と接続される箇所と三元触媒8との間に排出開閉弁68を配設してもよい。
【0138】
また、上記実施形態では、アンモニア量調整部の一例として、メインインジェクタ5を例示したが、アンモニア量調整部は、キャブレターであってもよい。
【0139】
また、上記実施形態では、第2酸素供給流路30は、第1酸素供給流路3とアンモニアエンジン2のシリンダヘッド12とを接続する配管33と、この配管33とクランク室23とを連通させるようにシリンダヘッド12及びシリンダブロック11に設けられた通路34とを有しているが、特にそのような形態には限られない。第2酸素供給流路30は、第1酸素供給流路3とクランク室23とを直接接続する配管であってもよい。
【0140】
また、上記実施形態では、ブローバイガス流路31は、第1酸素供給流路3とシリンダヘッド12とを接続する配管35と、この配管35とクランク室23とを連通させるようにシリンダヘッド12及びシリンダブロック11に設けられた通路36とを有しているが、特にそのような形態には限られない。ブローバイガス流路31は、クランク室23と第1酸素供給流路3とを直接接続する配管であってもよい。この場合、PCVバルブ32は、当該配管に配設されることとなる。
【0141】
また、上記実施形態では、排気流路4における除害流路66が接続される箇所よりも下流側の箇所に排出開閉弁68が配設されているが、排出開閉弁68は設けられていなくてもよい。触媒通過ガスが排出開閉弁68の下流に排出されることを抑制したい場合は、例えば排気流路4の排気管27の出口部を塞ぐフタを使用してもよい。
【0142】
また、上記第2及び第3実施形態では、追出し経路80,80Aは、予めアンモニアエンジン2に組み込まれているが、特にそのような形態には限定されない。追出し経路80,80Aは、アンモニアエンジン2のアンモニア供給流路49~51を取り外す作業をする際に、後付け部材としてアンモニアエンジン2に取り付けられてもよい。この場合、追出し経路80,80Aの接続には、カブラー等を用いることができる。
【0143】
また、上記実施形態では、改質用酸素供給流路43は第1酸素供給流路3に接続されているが、改質用酸素供給流路43としては、特にその形態には限られず、第1酸素供給流路3とは別のルートから供給される空気が流れる流路であってもよい。
【0144】
また、上記実施形態では、改質器42は、アンモニアガスを燃焼させる機能とアンモニアガスを水素に分解する機能とを併せ持った改質触媒53を有しているが、特にそのような形態には限られない。改質器42は、アンモニアガスを燃焼させる燃焼触媒と、アンモニアガスを水素に分解する改質触媒とを別々に有していてもよい。
【0145】
また、上記実施形態では、アンモニアエンジン2及び改質器42に空気が供給されているが、空気に代えて、酸素のみをアンモニアエンジン2及び改質器42に供給してもよい。
【0146】
また、上記実施形態では、改質器42により水素を含有した改質ガスが生成され、その改質ガスがアンモニアと共にアンモニアエンジン2に供給されているが、本発明は、水素がアンモニアエンジン2に供給されないエンジンシステムにも適用可能である。
【符号の説明】
【0147】
1,1A,1B,1C…エンジンシステム、2…アンモニアエンジン(エンジン)、3…第1酸素供給流路、4…排気流路、5…メインインジェクタ(アンモニア量調整部)、6…メインスロットルバルブ(流量制御弁)、8…三元触媒(排気触媒)、9…SCR触媒(排気触媒)、13…ピストン、14…燃焼室、20…クランクシャフト、21…クランクケース、30…第2酸素供給流路、31…ブローバイガス流路、32…PCVバルブ(ブローバイガス還流バルブ)、40…アンモニアタンク、42…改質器、43…改質用酸素供給流路、44…改質スロットルバルブ(改質用流量制御弁)、46…改質ガス流路、49,50,51…アンモニア供給流路、59…スタータ、61,61A,61B…パージ制御処理部(制御部)、62…除害制御処理部(制御部)、65…除害装置、66…除害流路、67…第1開閉弁(開閉弁)、70,70A,70B…酸素供給部、72…酸素供給経路、75…第2開閉弁、76…第3開閉弁、77…第4開閉弁、78…第5開閉弁、80,80A…追出し経路、84…ポンプ、90,90C…温度調整部、91…温度調整経路、94…ポンプ、95…温度調整開閉弁。
図1
図2
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図8
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図10