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特開2024-57761ミキシングプラント、車載型ミキシングプラントシステム
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  • 特開-ミキシングプラント、車載型ミキシングプラントシステム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057761
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】ミキシングプラント、車載型ミキシングプラントシステム
(51)【国際特許分類】
   B60P 1/54 20060101AFI20240418BHJP
   B62D 33/04 20060101ALI20240418BHJP
   B28C 9/04 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
B60P1/54 F
B62D33/04 Z
B28C9/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022164640
(22)【出願日】2022-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】000181354
【氏名又は名称】鹿島道路株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500403309
【氏名又は名称】株式会社ケミカル工事
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】児玉 孝喜
(72)【発明者】
【氏名】山下 雄史
(72)【発明者】
【氏名】一瀬 八洋
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】國川 正勝
(72)【発明者】
【氏名】神田 利之
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 稔
(72)【発明者】
【氏名】福井 拓也
【テーマコード(参考)】
4G056
【Fターム(参考)】
4G056AA06
4G056CD64
4G056CD66
4G056DA01
(57)【要約】
【課題】可搬式のミキシングプラントであって、積載する車両としてキャブバッククレーン車を適切に用いることが可能なミキシングプラントを提供する。
【解決手段】本開示に係るミキシングプラントは、複数の原料を混合して攪拌する機能を提供するための複数の装置と、複数の装置を一体としてパッケージする外装物品と、を備えている。外装物品は、ミキシングプラントがキャブバッククレーン車に積載されキャブバッククレーン車がブームを後方格納したときにクレーンの先端部が格納される空間を有するように構成されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャブバッククレーン車に積載される可搬式のミキシングプラントであって、
複数の原料を混合して攪拌する機能を提供するための複数の装置と、
前記複数の装置を一体としてパッケージする外装物品と、
を備え、
前記外装物品は、前記ミキシングプラントが前記キャブバッククレーン車に積載され前記キャブバッククレーン車がブームを後方格納したときにクレーンの先端部が格納される空間を有するように構成されている
ことを特徴とするミキシングプラント。
【請求項2】
請求項1に記載のミキシングプラントであって、
前記格納される空間は、前記外装物品の前端から後方の中央部まで延びる溝である
ことを特徴とするミキシングプラント。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のミキシングプラントであって、
前記複数の装置は、
ミキサーと、
セメント材料を貯蔵し前記セメント材料を前記ミキサーに供給するセメント材料供給装置と、
骨材を貯蔵し前記骨材を前記ミキサーに供給する骨材供給装置と、
水を貯蔵し前記水をミキサーに供給する水供給装置と、
を含み、
前記外装物品は、
前記ミキサー及び前記水供給装置を、前記ミキシングプラントが前記キャブバッククレーン車に積載されたときに相対的に後方となる位置に配置し、
前記セメント材料供給装置及び前記骨材供給装置を、前記ミキシングプラントが前記キャブバッククレーン車に積載されたときに相対的に前方となる位置であって前記格納される空間を隔てた左右の位置にそれぞれ配置する、
ようにパッケージするように構成されている
ことを特徴とするミキシングプラント。
【請求項4】
キャブバッククレーン車と、
前記キャブバッククレーン車に積載される可搬式のミキシングプラントと、
を含み、
前記ミキシングプラントは、
複数の原料を混合して攪拌する機能を提供するための複数の装置と、
前記複数の装置を一体としてパッケージする外装物品と、
を備え、
前記外装物品は、前記ミキシングプラントが前記キャブバッククレーン車に積載され前記キャブバッククレーン車がブームを後方格納したときにクレーンの先端部が格納される空間を有するように構成されている
ことを特徴とする車載型ミキシングプラントシステム。
【請求項5】
請求項4に記載の車載型ミキシングプラントシステムであって、
前記格納される空間は、前記外装物品の前端から後方の中央部まで延びる溝である
ことを特徴とする車載型ミキシングプラントシステム。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載の車載型ミキシングプラントシステムであって、
前記複数の装置は、
ミキサーと、
セメント材料を貯蔵し前記セメント材料を前記ミキサーに供給するセメント材料供給装置と、
骨材を貯蔵し前記骨材を前記ミキサーに供給する骨材供給装置と、
水を貯蔵し前記水をミキサーに供給する水供給装置と、
を含み、
前記外装物品は、
前記ミキサー及び前記水供給装置を、前記ミキシングプラントが前記キャブバッククレーン車に積載されたときに相対的に後方となる位置に配置し、
前記セメント材料供給装置及び前記骨材供給装置を、前記ミキシングプラントが前記キャブバッククレーン車に積載されたときに相対的に前方となる位置であって前記格納される空間を隔てた左右の位置にそれぞれ配置する、
ようにパッケージするように構成されている
ことを特徴とする車載型ミキシングプラントシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、可搬式のミキシングプラントに関する。
【背景技術】
【0002】
ミキシングプラントは、建設工事や補修工事等の現場において、コンクリートやモルタルを生成するために一般的に使用されている。特に、ミキシングプラントとして、トラック等に積載して移動することが可能な可搬式のミキシングプラントが実用化されている。可搬式のミキシングプラントは、多大な労力を要することなく複数の現場において設置することができる点で有用である。
【0003】
可搬式のミキシングプラントに関する技術を開示する文献として、以下の特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020―142400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
可搬式のミキシングプラントを積載する車両として、キャブバッククレーン車を用いることのニーズがある。これは、キャブバッククレーン車を用いることで、ミキシングプラントを積載又は設置させるための追加の装置を要しないこと、現場においてミキシングプラントに原料を投入する際に利用できること、といった利点があるためである。
【0006】
ところで、キャブバッククレーン車は、ブームを後方格納して走行する型式が標準的である。これは、後方格納は前方格納に比べて耐荷重を確保でき積載量の点で有利であること、前方格納は道路運送車両の保安基準において後方格納には無い規制を受け得ること(道路運送車両の保安基準の細目を定める告示第178条4項8号等)、等の理由のためである。
【0007】
一方で、ミキシングプラントは、複数の原料を貯蔵することが必要であるために、また生成効率を確保するために、比較的大型で大重量となる。このため、標準的なキャブバッククレーン車を用いようとしても、ミキシングプラントを積載したときにブームを完全に格納することができないという課題がある。ブームを完全に格納することができないと、乗車積載法違反となる虞がある。前方格納にしてミキシングプラントを積載することも考えられるが、この場合、ミキシングプラントが大重量であることに加えて前軸にかかる重量が増加することに伴い、耐荷重を超過して重大事故につながる虞がある。このように、従来、可搬式のミキシングプラントに対して標準的なキャブバッククレーン車を適切に用いることができていない。
【0008】
本開示の1つの目的は、上記の課題を鑑み、可搬式のミキシングプラントに関して、キャブバッククレーン車を適切に用いることが可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の開示は、キャブバッククレーン車に積載される可搬式のミキシングプラントに関する。第1の開示に係るミキシングプラントは、複数の原料を混合して攪拌する機能を提供するための複数の装置と、複数の装置を一体としてパッケージする外装物品と、を備え、外装物品は、ミキシングプラントがキャブバッククレーン車に積載されキャブバッククレーン車がブームを後方格納したときにクレーンの先端部が格納される空間を有するように構成されることを特徴とする。
【0010】
第2の開示は、第1の開示に係るミキシングプラントに対して、さらに以下の特徴を有するミキシングプラントに関する。クレーンの先端部が格納される空間は、外装物品の前端から後方の中央部まで延びる溝である。
【0011】
第3の開示は、第1又は第2の開示に係るミキシングプラントに対して、さらに以下の特徴を有するミキシングプラントに関する。複数の装置は、ミキサーと、セメント材料を貯蔵しセメント材料をミキサーに供給するセメント材料供給装置と、骨材を貯蔵し骨材をミキサーに供給する骨材供給装置と、水を貯蔵し水をミキサーに供給する水供給装置と、を含み、外装物品は、ミキサー及び水供給装置を、ミキシングプラントがキャブバッククレーン車に積載されたときに相対的に後方となる位置に配置し、セメント材料供給装置及び骨材供給装置を、ミキシングプラントがキャブバッククレーン車に積載されたときに相対的に前方となる位置であってクレーンの先端部が格納される空間を隔てた左右の位置にそれぞれ配置するようにパッケージするように構成されている。
【0012】
第4の開示は、車載型ミキシングプラントシステムに関する。第4の開示に係る車載型ミキシングプラントシステムは、キャブバッククレーン車と、キャブバッククレーン車に積載される可搬式のミキシングプラントと、を含み、ミキシングプラントは、複数の原料を混合して攪拌する機能を提供するための複数の装置と、複数の装置を一体としてパッケージする外装物品と、を備え、外装物品は、ミキシングプラントがキャブバッククレーン車に積載されキャブバッククレーン車がブームを後方格納したときにクレーンの先端部が格納される空間を有することを特徴とする。
【0013】
第5の開示は、第4の開示に係る車載型ミキシングプラントシステムに対して、さらに以下の特徴を有する車載型ミキシングプラントシステムに関する。クレーンの先端部が格納される空間は、外装物品の前端から後方の中央部まで延びる溝である。
【0014】
第6の開示は、第4又は第5の開示に係る車載型ミキシングプラントシステムに対して、さらに以下の特徴を有する車載型ミキシングプラントシステムに関する。複数の装置は、ミキサーと、セメント材料を貯蔵しセメント材料をミキサーに供給するセメント材料供給装置と、骨材を貯蔵し骨材をミキサーに供給する骨材供給装置と、水を貯蔵し水をミキサーに供給する水供給装置と、を含み、外装物品は、ミキサー及び水供給装置を、ミキシングプラントがキャブバッククレーン車に積載されたときに相対的に後方となる位置に配置し、セメント材料供給装置及び骨材供給装置を、ミキシングプラントがキャブバッククレーン車に積載されたときに相対的に前方となる位置であってクレーンの先端部が格納される空間を隔てた左右の位置にそれぞれ配置するようにパッケージするように構成されている。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、外装物品は、ミキシングプラントがキャブバッククレーン車に積載されキャブバッククレーン車がブームを後方格納したときにクレーンの先端部が格納される空間を有するように構成される。これにより、キャブバッククレーン車は、ブームを後方格納で完全に格納することができる。延いては、ミキシングプラントを積載する車両として、キャブバッククレーン車を適切に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態に係るミキシングプラントの構成について説明するための平面図である。
図2】本実施形態に係るミキシングプラントの構成について説明するための平面図である。
図3】本実施形態に係るミキシングプラントがキャブバッククレーン車に積載された状態を示す概念図である。
図4】キャブバッククレーン車がミキシングプラントを積載した状態でブームを後方格納したときの様子を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
1.ミキシングプラント
図1及び図2を参照して、本実施形態に係るミキシングプラントの構成について説明する。ここで、図1は、ミキシングプラント10の上面図を示し、図2は、ミキシングプラント10の左方から見た側面図を示している。ミキシングプラント10は、複数の原料を混合して攪拌する機能を提供するための複数の装置を備えている。ここで、複数の原料は、典型的には、セメント材料、骨材、及び水である。つまり、ミキシングプラント10は、コンクリートやモルタルを生成する。さらに、ミキシングプラント10では、生成物の凝結防止等を目的として、遅延材が複数の原料に混合される。
【0018】
ミキシングプラント10において、複数の装置は、供給された原料を攪拌するミキサー200と、セメント材料を貯蔵しセメント材料をミキサー200に供給するセメント材料供給装置と、骨材を貯蔵し骨材をミキサー200に供給する骨材供給装置と、水を貯蔵し水をミキサー200に供給する水供給装置と、遅延材を貯蔵し遅延材をミキサー200に供給する遅延材供給装置と、制御盤700と、を含んでいる。
【0019】
ミキサー200は、モータ202が駆動することにより動作し、モータ202の制御により動作が制御される。またミキサー200には、滑り台210が取り付けられている。ミキサー200で生成された生成物は、ミキサー200の底面の取り出し口201から滑り台210に至ることで取り出される。なお、取り出し口201は、開閉可能に構成されていて良い。また、滑り台210は、取り外し可能に構成されていて良い。さらに、ミキサー200は、ロードセル220を備えている。ロードセル220により、ミキサー200が攪拌する原料の荷重が検出される。
【0020】
セメント材料供給装置は、セメント材料を貯蔵するセメントサイロ310と、スクリューコンベア320と、を含んでいる。セメントサイロ310は、投入口311から投入されるセメント材料を貯蔵する。そしてスクリューコンベア320が動作することにより、セメントサイロ310に貯蔵されるセメント材料が運搬されミキサー200に供給される。スクリューコンベア320は、モータ321が駆動することにより動作し、モータ321の制御により動作が制御される。
【0021】
骨材供給装置は、骨材を貯蔵する骨材サイロ410と、ベルトコンベア420と、を含んでいる。骨材サイロ410は、投入口411から投入される骨材を貯蔵する。そしてベルトコンベア420が動作することにより、骨材サイロ410に貯蔵される骨材が運搬されミキサー200に供給される。ベルトコンベア420は、例えば、モータが駆動することにより動作し、モータの制御により動作が制御されるように構成される。
【0022】
水供給装置は、水を貯蔵する水タンク510と、水タンク510と接続しミキサー200まで延びる配管520と、を含んでいる。水供給装置は、配管520を介して水タンク510に貯蔵される水をミキサー200に供給する。供給する水量は、例えば、図示しないポンプの制御及び配管520に備えるバルブにより調整される。
【0023】
遅延材供給装置は、遅延材タンク610と、遅延材タンク610と接続しミキサー200まで延びる配管620と、を含んでいる。遅延材供給装置は、配管620を介して遅延材タンクに貯蔵される遅延材をミキサー200に供給する。供給する遅延材の量は、ポンプ621及び配管620に備えるバルブにより調整される。
【0024】
制御盤700は、ミキシングプラント10が備えるモータやポンプ等のアクチュエータの駆動及び制御を管理する。つまり、制御盤700が操作されることにより、ミキサー200、セメント材料供給装置、骨材供給装置、水供給装置、及び遅延材供給装置の駆動及び制御が行われる。
【0025】
本実施形態に係るミキシングプラント10は、前述した複数の装置を一体としてパッケージする外装物品100をさらに備えている。外装物品100は、例えば、鉄骨フレームで構成される。あるいは、外装物品100は、コンテナ型の筐体であっても良い。外装物品100は、投入デッキ120を有している。投入デッキ120を有することにより、セメントサイロ310又は骨材サイロ410にセメント材料又は骨材を投入する場合に、作業者は投入デッキ120に乗ることができ作業を行いやすくなる。投入デッキ120は、例えば、エキスバンドメタルで構成される。また外装物品100は、セメント材料供給装置が配置される位置と骨材供給装置が配置される位置との間に空間110を有するように構成されている。空間110については後述する。
【0026】
外装物品100により複数の装置がパッケージされることで、ミキシングプラント10は、複数の装置について一体的に移動が可能である。つまり、ミキシングプラント10は、車両に積載して移動することが可能な可搬式である。
【0027】
図3に、キャブバッククレーン車20に積載されるミキシングプラント10の概念図を示す。図3では、キャブバッククレーン車20の荷台にミキシングプラント10とその他の物品30が積載された状態が示されている。その他の物品30は、例えば、ミキシングプラント10に電力を供給する発電機である。また図3では、キャブバッククレーン車20のクレーン21のブームは、一定程度上げられた状態である。なお、キャブバッククレーン車20は、ブームを後方格納するように構成される。ただし、後方格納に加えて前方格納することができるように構成されていても良い。
【0028】
本実施形態に係るミキシングプラント10において、外装物品100が空間110を有することは特徴的である。空間110は、キャブバッククレーン車20がブームを後方格納したときにクレーン21の先端部が格納される空間となる。図1に示すように、本実施形態において空間110は、外装物品100の前端から後方の中央部まで延びる溝である。この場合、空間110は、外装物品100の凹み部分と呼ぶこともできる。
【0029】
図4に、キャブバッククレーン車20がミキシングプラント10を積載した状態でブームを後方格納したときの様子を示す。図4の(A)は、ミキシングプラント10の左方から見た側面図を示し、図4の(B)は、ミキシングプラント10の上面図を示している。図4に示すように、外装物品100が空間110を有することにより、キャブバッククレーン車20は、ブームを後方格納で完全に格納することができる。延いては、ミキシングプラント10を積載する車両として、キャブバッククレーン車20を適切に用いることができる。
【0030】
ここで、外装物品100が、ミキサー200、セメント材料供給装置、骨材供給装置、及び水供給装置を図1及び図4に示すように配置してパッケージするように構成されることで、複数の原料を混合して攪拌する機能を確保しつつ、外装物品100が空間110を有する可搬式のミキシングプラント10を構成することができる。さらに、図1及び図4に示すように、遅延材供給装置を配置することも可能である。ただし、左右の配置は、図1及び図4に示す場合と鏡像的に反転して配置することも可能である。
【0031】
つまり、外装物品100は、ミキサー200及び水供給装置を、ミキシングプラント10がキャブバッククレーン車20に積載されたときに相対的に後方となる位置に配置し、セメント材料供給装置及び骨材供給装置を、ミキシングプラント10がキャブバッククレーン車20に積載されたときに相対的に前方となる位置であって空間110を隔てた左右の位置にそれぞれ配置してパッケージするように構成されていれば良い。これにより、セメント材料供給装置が配置される位置と骨材供給装置が配置される位置との間を空間110として確保することができる。
【0032】
例えば外装物品100が鉄骨フレームで構成される場合は、外装物品100の前端がセメント材料供給装置と骨材供給装置との間で分断するように、そしてセメント材料供給装置と骨材供給装置の外周囲を囲うように鉄骨フレームを組み立てることで、図1に示すように外装物品100の前端から後方の中央部まで延びる溝として空間110を有する外装物品100を構成することができる。
【0033】
なお、外装物品100は、キャブバッククレーン車20がブームを後方格納したときのクレーン21の高さよりも下方の位置に投入デッキ120を有するように構成される。投入デッキ120によりブームの格納が妨げられることのないようにするためである。外装物品100が図1及び図4に示すような配置により複数の装置をパッケージするように構成されるとき、投入デッキ120を、前述した目的と効果を確保することができ、かつキャブバッククレーン車20がブームを後方格納したときのクレーン21の高さよりも下方の位置とすることができる。つまり、ブームを後方格納で完全に格納することができ、かつ適切な投入デッキ120を有する外装物品100を構成することができるのである。
【0034】
2.車載型ミキシングプラントシステム
キャブバッククレーン車20とミキシングプラント10は、それぞれが対応した組み合わせについてのシステム(車載型ミキシングプラントシステム)を考えることも可能である。車載型ミキシングプラントシステムでは、外装物品100は、対応するキャブバッククレーン車20のクレーン21の形状に応じた空間110を有するように構成されていて良い。さらに、対応するキャブバッククレーン車20の荷台の形状に応じて、ミキシングプラント10の寸法や重量等が与えられて良い。逆に、対応するミキシングプラント10の大きさや重量等に応じて、キャブバッククレーン車20の荷台の大きさや耐荷重が与えられても良い。
【0035】
3.効果
以上説明したように、本実施形態によれば、外装物品100は、ミキシングプラント10がキャブバッククレーン車20に積載されキャブバッククレーン車20がブームを後方格納したときにクレーン21の先端部が格納される空間110を有するように構成される。これにより、キャブバッククレーン車20は、ブームを後方格納で完全に格納することができる。延いては、ミキシングプラント10を積載する車両として、キャブバッククレーン車20を適切に用いることができる。
【符号の説明】
【0036】
10 ミキシングプラント
20 キャブバッククレーン車
21 クレーン
100 外装物品
110 格納される空間
120 投入デッキ
200 ミキサー
210 滑り台
220 ロードセル
310 セメントサイロ
320 スクリューコンベア
410 骨材サイロ
420 ベルトコンベア
510 水タンク
610 遅延材タンク
700 制御盤
図1
図2
図3
図4