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特開2024-57782送信器、送信装置、通信装置、および通信システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057782
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】送信器、送信装置、通信装置、および通信システム
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/112 20130101AFI20240418BHJP
【FI】
H04B10/112
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022164679
(22)【出願日】2022-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】奥村 藤男
(72)【発明者】
【氏名】今井 浩
【テーマコード(参考)】
5K102
【Fターム(参考)】
5K102AA26
5K102AL23
5K102PB14
5K102PC11
5K102PH01
5K102PH24
5K102PH25
5K102PH31
5K102PH33
5K102PH34
5K102PH38
5K102RB02
5K102RD28
(57)【要約】      (修正有)
【課題】天候の影響を受けにくく、継続的な光空間通信を実現する送信器、送信装置、通信装置及び通信システムを提供する。
【解決手段】送信装置10において、送信器100は、第1出射器および第2出射器を有する光源11と、光源11から出射された光を変調する変調部120を有する空間光変調器12と、変調部120で変調された変調光102の第1光路に配置され、第1投射方向に向けて変調光102を反射し、投射光105を投射する曲面状の反射面150を有する第1ミラー15と、変調部120で変調された変調光102の第2光路に配置され、第1投射方向に向けて変調光102を反射し、投射光106を投射する曲面状の反射面160を有する第2ミラー16と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1出射器および第2出射器を有する光源と、
前記光源から出射された光を変調する変調部を有する空間光変調器と、
前記変調部で変調された変調光の第1光路に配置され、第1投射方向に向けて前記変調光を反射する第1ミラーと、
前記変調部で変調された前記変調光の第2光路に配置され、前記第1投射方向に向けて前記変調光を反射する第2ミラーと、を備える送信器。
【請求項2】
前記第1ミラーおよび前記第2ミラーは、前記変調光に含まれる所望光のゴースト像が照射される位置と、前記変調光に含まれる0次光が照射される位置とを避けて配置される請求項1に記載の送信器。
【請求項3】
前記第1ミラーおよび前記第2ミラーは、凸状の曲面の反射面を有し、前記第1投射方向に前記反射面を向けて配置される請求項2に記載の送信器。
【請求項4】
凸状の曲面の反射面を有し、前記第1投射方向に前記反射面を向けて配置された第3ミラーを備え、
前記光源は、第3出射器をさらに有し、
前記第3ミラーは、前記変調部で変調された前記変調光の第3光路に配置され、前記第1投射方向に向けて前記変調光を反射する請求項3に記載の送信器。
【請求項5】
前記光源は、第3出射器および第4出射器をさらに有し、
前記第1ミラーおよび前記第2ミラーの各々は、凸状の曲面の反射面を2つ有し、2つの前記反射面を前記第1投射方向に向けて配置され、
前記第1出射器、前記第2出射器、前記第3出射器、および前記第4出射器から出射された光に由来する前記変調光は、前記第1ミラーおよび前記第2ミラーが有する4つの前記反射面のうちいずれかに照射される請求項2に記載の送信器。
【請求項6】
前記光源は、第3出射器および第4出射器をさらに有し、
前記第1ミラーおよび前記第2ミラーの各々は、凸状の曲面の反射面を有し、前記第1投射方向に前記反射面を向けて配置され、
前記第1出射器、前記第2出射器、前記第3出射器、および前記第4出射器から出射された光に由来する前記変調光は、前記第1ミラーおよび前記第2ミラーの各々が有する前記反射面のうちいずれかに照射される請求項2に記載の送信器。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の送信器と、
空間光通信に用いられる位相画像を前記送信器に含まれる空間光変調器の変調部に設定し、前記変調部に光が照射されるように前記送信器に含まれる光源を制御する制御手段と、を備える送信装置。
【請求項8】
前記制御手段は、
前記光源に含まれる複数の出射器を、互いに独立したタイミングで駆動させる請求項7に記載の送信装置。
【請求項9】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の送信器を有する送信装置と、
他の通信装置からの空間光信号を受信する受信装置と、
前記受信装置によって受信された前記空間光信号に基づく信号を取得し、取得した前記信号に応じた処理を実行し、実行した前記処理に応じた空間光信号を前記送信装置に送信させる通信制御装置と、を備える通信装置。
【請求項10】
請求項9に記載の通信装置を複数備え、
複数の前記通信装置が、
空間光信号を互いに送受信し合うように配置された通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空間を伝搬する光信号を送信する送信器等に関する。
【背景技術】
【0002】
光空間通信においては、光ファイバなどの媒体を介さずに、空間を伝播する光信号(以下、空間光信号)を用いた通信が行われる。空間光信号を広範囲に送信するためには、投射光の投射角ができるだけ広い方が好ましい。例えば、位相変調型の空間光変調器を含む送光装置を用いれば、空間光変調器の変調部に設定されるパターンを制御することによって、投射角を広げることができる。送光装置を中心として多方向に空間光信号を送信できれば、空間光信号を用いた通信ネットワークを構築できる。
【0003】
特許文献1には、位相変調型の空間光変調素子を含む投射システムについて開示されている。特許文献1のシステムは、投射手段、制御手段、および反射鏡を備える。投射手段は、光源、空間光変調器、および光学系を有する。空間光変調素子は、位相変調型であり、表示情報に対応するパターンを表示させる表示部を含む。空間光変調素子は、光源から表示部に照射された光の変調光を出射する。光学系は、空間光変調素子から出射された変調光を投射する。制御手段は、上位システムから取得した表示条件に基づいて、光源および空間光変調素子を制御するための制御条件を生成する。制御手段は、生成した制御条件に基づいて、光源および空間光変調素子を制御する。反射鏡は、投射手段の投射光を、複数の表示領域に向けて反射する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2018/056194号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の手法によれば、反射鏡による歪補正によって、十分な明るさの表示情報を複数の表示領域に歪なく投射できる。例えば、投射方向に向けて凸な曲面状の反射面を有する反射鏡(曲面ミラー)を用いれば、反射面の曲率に応じて、投射光の投射角を拡大できる。投射光のビーム径は、通信対象の位置において最適な大きさになるように調整されている。例えば、通信対象との距離が100m(メートル)の場合、その通信対象の位置で65~70mm(ミリメートル)のビーム径の投射光が投射される際には、投射直後における投射光のビーム径は2~7mm程度である。そのため、降雨時においては、投射直後の投射光が雨粒によって遮断され、通信対象との通信が途絶える可能性があった。
【0006】
本開示の目的は、天候の影響を受けにくく、継続的な光空間通信を実現できる送信器等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様の送信器は、第1出射器および第2出射器を有する光源と、光源から出射された光を変調する変調部を有する空間光変調器と、変調部で変調された変調光の第1光路に配置され、第1投射方向に向けて変調光を反射する第1ミラーと、変調部で変調された変調光の第2光路に配置され、第1投射方向に向けて変調光を反射する第2ミラーと、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、天候の影響を受けにくく、継続的な光空間通信を実現できる送信器等を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施形態に係る送信装置の構成の一例を示す概念図である。
図2】第1の実施形態に係る送信装置に含まれる光源の構成の一例を示す概念図である。
図3】第1の実施形態に係る送信装置に含まれるミラーの配置例を示す概念図である。
図4】第1の実施形態に係る送信装置に含まれるミラーの配置例を示す概念図である。
図5】比較例の送信装置から投射された投射光に対する降雨の影響について説明するための概念図である。
図6】第1の実施形態に係る送信装置から投射された投射光に対する降雨の影響について説明するための概念図である。
図7】第1の実施形態に係る送信装置の制御部による光源の駆動の一例について説明するためのグラフである。
図8】第2の実施形態に係る送信装置の構成の一例を示す概念図である。
図9】第2の実施形態に係る送信装置に含まれる光源の構成の一例を示す概念図である。
図10】第2の実施形態に係る送信装置に含まれるミラーの配置例を示す概念図である。
図11】第2の実施形態に係る送信装置に含まれるミラーの配置例を示す概念図である。
図12】第3の実施形態に係る送信装置の構成の一例を示す概念図である。
図13】第3の実施形態に係る送信装置に含まれるミラーの配置例を示す概念図である。
図14】第3の実施形態に係る送信装置に含まれるミラーの配置例を示す概念図である。
図15】第4の実施形態に係る送信装置の構成の一例を示す概念図である。
図16】第4の実施形態に係る送信装置に含まれるミラーの配置例を示す概念図である。
図17】第4の実施形態に係る送信装置に含まれるミラーの配置例を示す概念図である。
図18】第4の実施形態に係る送信装置から投射される投射光の投射例を示す概念図である。
図19】第4の実施形態に係る送信装置から投射される投射光の投射例を示す概念図である。
図20】第4の実施形態に係る送信装置から投射される投射光の投射例を示す概念図である。
図21】第5の実施形態に係る通信装置の構成の一例を示す概念図である。
図22】第5の実施形態に係る通信装置に含まれる受信装置の構成の一例を示す概念図である。
図23】第5の実施形態の適用例に係る通信装置の構成の一例を示す概念図である。
図24】第5の実施形態の適用例に係る通信装置を含む通信システムの一例を示す概念図である。
図25】第6の実施形態に係る送信器の構成の一例を示す概念図である。
図26】各実施形態に係る制御や処理を実行するハードウェア構成の一例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい限定がされているが、発明の範囲を以下に限定するものではない。なお、以下の実施形態の説明に用いる全図においては、特に理由がない限り、同様箇所には同一符号を付す。また、以下の実施形態において、同様の構成・動作に関しては繰り返しの説明を省略する場合がある。
【0011】
以下の実施形態の説明に用いる全図において、図面中の矢印の向きは、一例を示すものであり、光や信号の向きを限定するものではない。図面中の光の軌跡を示す線は、概念的なものであり、実際の光の進行方向や状態を正確に表すものではない。例えば、図面においては、空気と物質との界面における屈折や反射、拡散などによる光の進行方向や状態の変化を省略したり、光束を一本の線で表現したりすることもある。また、光の経路の一例を図示したり、構成が込み合ったりする等の理由により、断面にハッチングを施さない場合がある。
【0012】
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態に係る送信装置について図面を参照しながら説明する。本実施形態の送信装置は、光ファイバなどの媒体を用いずに、空間を伝播する光信号(以下、空間光信号)を送受信し合う光空間通信に用いられる。本実施形態の送信装置は、空間を伝搬する光を送光する用途であれば、光空間通信以外の用途に用いられてもよい。なお、本実施形態の説明で用いられる図面は、概念的なものであり、実際の構造を正確に描写したものではない。
【0013】
(構成)
図1は、本実施形態に係る送信装置10の構成の一例を示す概念図である。送信装置10は、光源11、空間光変調器12、第1ミラー15、第2ミラー16、および制御部18を備える。光源11、空間光変調器12、第1ミラー15、および第2ミラー16は、送信器100を構成する。図1は、送信装置10の内部構成を横方向から見た概念図である。図1は、概念的なものであり、各構成要素の形状や、構成要素間の位置関係、光の進行などを正確に表したものではない。
【0014】
光源11は、制御部18の制御に応じて、照明光101を出射する。照明光101は、2つのビームによって構成される。光源11は、照明光101を出射する出射面を有する。光源11の出射面は、空間光変調器12の変調部120に向けられる。
【0015】
図2は、光源11の構成の一例を示す概念図である。図2は、照明光101の進行方向に対して垂直上方の視座から、光源11の内部を見た図である。光源11は、出射器111-1、出射器111-2、光学系112-1、光学系112-2を含む。出射器111-1は、光学系112-1に対応付けられる。出射器111-2は、光学系112-2に対応付けられる。出射器111-1および出射器111-2から出射された光に由来する2つのビーム(空間光信号)は、同一の通信対象に向けて送信される。そのため、出射器111-1および出射器111-2から出射された光は、変調が同じである。
【0016】
光源11に含まれる出射器111-1~2は、制御部18の制御に応じて、所定の波長帯のレーザ光を出射する。出射器111-1~2から出射されるレーザ光の波長は、特に限定されない。レーザ光の波長は、用途に応じて選定されればよい。例えば、出射器111-1~2は、可視や赤外の波長帯のレーザ光を出射する。例えば、800~1000ナノメートル(nm)の近赤外線であれば、可視光と比べてレーザクラスをあげられるので、可視光よりも感度を向上できる。例えば、1.55マイクロメートル(μm)の波長帯の赤外線ならば、800~1000nmの近赤外線よりも、高出力のレーザ光源を用いることができる。1.55μmの波長帯の赤外線を出射するレーザ光源としては、アルミニウムガリウムヒ素リン(AlGaAsP)系レーザ光源や、インジウムガリウムヒ素(InGaAs)系レーザ光源などを用いることができる。レーザ光の波長が長い方が、回折角を大きくでき、高いエネルギーに設定できる。
【0017】
例えば、光源11に含まれる出射器111-1~2は、面発光型レーザによって実現される。面発光型レーザの一例として、VCSEL(Vertical-Cavity Surface-Emitting Laser)があげられる。VCSEL型レーザは、円形広放射のレーザ光を出射する。また、面発光型レーザの一例として、PCSEL(Photonic Crystal Surface Emitting Laser)があげられる。PCSEL型レーザは、円形狭放射のレーザ光を出射する。VCSEL型レーザと比べて、PCSEL型レーザは、均一なレーザ光を出射する。
【0018】
例えば、光源11に含まれる出射器111-1~2は、ファイバアレイ型レーザによって実現される。ファイバアレイ型レーザは、レーザ光源と出射部(光学系)が、光導波路(光ファイバ)によって接続される。レーザ光源から出射されたレーザ光は、導波路を通じて、出射部から出射される。ファイバアレイ型レーザを用いれば、レーザ光源と出射部とを異なる位置に配置できる。そのため、ファイバアレイ型レーザを用いれば、出射器111-1~2を空間光変調器12から離れた位置に配置できるため、光の出射部分と空間光変調器12とを近接させても、熱的な干渉が起こりにくい。
【0019】
光学系112-1は、出射器111-1に対応付けて配置される。光学系112-2は、出射器111-2に対応付けて配置される。光学系112-1は、出射器111-1から出射されたレーザ光を、照明光101-1に変換する。光学系112-2は、出射器111-2から出射されたレーザ光を、照明光101-2に変換する。変換後の照明光101-1~2は、光源11から出射される。照明光101-1~2は、空間光変調器12の変調部120に向けて進行する。
【0020】
空間光変調器12は、2次元の位相変調器である。空間光変調器12は、照射された光を変調する変調部120を有する。本実施形態の空間光変調器12は、反射型の変調部120を有する。変調部120には、出射器111-1~2から出射された照明光101-1~2が照射される。図1の例では、空間光変調器12の後段に、第1ミラー15および第2ミラー16が配置される。
【0021】
変調部120の変調領域には、制御部18の制御に応じて、投射光105によって表示される像に応じたパターン(位相画像)が設定される。変調部120に入射した照明光101-1~2は、変調領域に設定されたパターン(位相画像)に応じて変調される。照明光101-1~2は、変調領域で変調光102に変調される。変調光102には、照明光101-1に由来する変調光102と、照明光101-2に由来する変調光102とを含む。
【0022】
変調部120の変調領域は、複数の領域に分割される(タイリング)。例えば、変調領域は、所望のアスペクト比の領域(タイル)に分割される。変調領域に設定された複数のタイルの各々には、位相画像が割り当てられる。複数のタイルの各々は、複数の画素によって構成される。各々のタイルには、投射される画像に対応する位相画像が設定される。変調領域に割り当てられた各々のタイルには、位相画像がタイリングされる。例えば、各々のタイルには、投射光によって表示される像に応じて、予め生成された位相画像が設定される。変調領域に設定されるタイルが多いほど、鮮明な画像を表示させることができる。一方、タイルが多いほど、各タイルの画素数が低下すると解像度が低下する。そのため、変調領域に設定されるタイルの大きさや数は、用途に応じて設定される。
【0023】
複数のタイルに位相画像が設定された状態で、変調部120に照明光101が照射されると、各タイルの位相画像に対応する画像を形成する変調光102が出射される。変調光102は、投射光105または投射光106として投射される光(所望光を含む。変調光102は、第1ミラー15の反射面150または第2ミラー16の反射面160に向けて進行する。また、変調光102は、0次光L0などの不要な光成分も含む。0次光L0は、第1ミラー15と第2ミラー16の間の領域(不感領域)に向けて進行する。
【0024】
例えば、空間光変調器12は、強誘電性液晶やホモジーニアス液晶、垂直配向液晶などを用いた空間光変調器によって実現される。例えば、空間光変調器12は、LCOS(Liquid Crystal on Silicon)によって実現できる。また、空間光変調器12は、MEMS(Micro Electro Mechanical System)によって実現されてもよい。位相変調型の空間光変調器12では、投射光105を投射する箇所を順次切り替えるように動作させることによって、エネルギーを像の部分に集中することができる。そのため、位相変調型の空間光変調器12を用いる場合、光源11の出力が同じであれば、その他の方式と比べて画像を明るく表示させることができる。
【0025】
図3は、第1ミラー15と第2ミラー16の位置関係を示す概念図である。図3は、第1ミラー15および第2ミラー16を反射面側から見た概念図である。第1ミラー15は、反射面150を有する。第2ミラー16は、反射面160を有する。図3には、第1ミラー15の上方に、第2ミラー16が配置される例をあげる。第1ミラー15の下方に、第2ミラー16が配置されてもよい。図3には、第1ミラー15および第2ミラー16の周辺に、変調光102が反射されない領域(不感領域ZD)を示す。第1ミラー15と第2ミラー16の周辺の領域に関しては、図示されていない領域も、不感領域ZDに含まれる。
【0026】
図3には、0次光L0、所望光LA、所望光LB、ゴースト像GA、およびゴースト像GBが照射される位置の一例を示す。0次光L0は、変調光102に含まれる0次の回折光である。所望光LAおよび所望光LBは、変調光102に含まれる1次の回折光である。所望光LAおよび所望光LBは、投射対象の光である。ゴースト像GAは、0次光L0を中心として、所望光LAに対して点対称の位置に表れる光である。ゴースト像GBは、0次光L0を中心として、所望光LBに対して点対称の位置に表れる光である。ゴースト像GAおよびゴースト像GBは、不要な光成分(不要光)である。なお、図3には図示していないが、変調光102には、2次以上の回折光(高次光)が含まれる。高次光は、図3に示す領域から外れた不感領域ZDに照射される。
【0027】
図3において、所望光LAは、第2ミラー16の反射面160に照射される。反射面160に照射された所望光LAは、反射面160の曲率に応じた投射角で投射される。所望光LBは、第1ミラー15の反射面150に照射される。反射面150に照射された所望光LBは、反射面150の曲率に応じた投射角で投射される。0次光L0は、反射面160の近傍の不感領域ZDに照射される。所望光LAのゴースト像GAと、所望光LBのゴースト像GBとは、不感領域ZDに照射される。
【0028】
所望光Lのゴースト像Gは、0次光L0を中心として、所望光Lの点対称の位置に表れる。第1ミラー15および第2ミラー16は、ゴースト像Gが表示される領域を避けて配置される。このような配置によって、0次光L0、ゴースト像GA、およびゴースト像GBは、反射面150および反射面160には照射されない。また、変調光102に含まれる高次光は、図3に示す領域から外れた不感領域ZDに照射される。そのため、0次光L0、ゴースト像GA、ゴースト像GB、および高次光は、外部に投射されない。
【0029】
図4は、第1ミラー15と第2ミラー16の位置関係を示す概念図である。図4は、第1ミラー15および第2ミラー16を上方の視座から見た断面図である。図4の紙面内において、第1ミラー15の反射面150および第2ミラー16の反射面160は、右方に向けられる。図4には、第1ミラー15の前方に、第2ミラー16が配置される例をあげる。第1ミラー15の後方に、第2ミラー16が配置されてもよい。
【0030】
第1ミラー15は、曲面状の反射面150を有する曲面ミラーである。第1ミラー15の凸面が、反射面150である。反射面150は、投射光105の投射角に応じた曲率を有する。反射面150は、水平面内において、投射光105の水平面内における投射角に応じた曲率(第1の曲率)を有する。投射光105は、水平面内において、反射面150の曲率(第1の曲率)に応じて、扇状に拡がる。反射面150は、鉛直面内において、投射光105の鉛直面内における投射角に応じた曲率(第2の曲率)を有する。投射光105は、鉛直面内において、反射面150の曲率(第2の曲率)に応じて拡がる。投射光105は、垂直面内において、長方形の帯状に投影される。第1ミラー15は、空間光変調器12の変調部120に反射面150を向けて、配置される。第1ミラー15は、空間光変調器12の変調部で変調された変調光102の光路(第1光路)に配置される。第1ミラー15は、変調光102に含まれる不要な光成分(不要光)が照射される位置を避けて配置される。反射面150には、変調光102のうち、投射対象の光(所望光)が照射される。反射面150に照射された変調光102は、その反射面150で反射される。反射面150で反射された所望光は、投射光105として投射される。投射光105は、反射面150の曲率に応じた拡大率で、拡大される。
【0031】
第2ミラー16は、曲面状の反射面160を有する曲面ミラーである。第2ミラー16の凸面が、反射面である。反射面160は、投射光106の投射角に応じた曲率を有する。反射面160の曲率は、第1ミラー15の反射面150の曲率と同様である。第2ミラー16は、空間光変調器12の変調部120に反射面160を向けて、配置される。第2ミラー16は、変調部120で変調された変調光102の光路(第2光路)に配置される。第2ミラー16は、変調光102に含まれる不要光が照射される位置を避けて配置される。反射面160には、変調光102のうち所望光が照射される。反射面160に照射された変調光102は、その反射面160で反射される。反射面160で反射された所望光は、投射光106として投射される。投射光106は、反射面160の曲率に応じた拡大率で、拡大される。
【0032】
反射面150および反射面160の曲率は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。例えば、反射面150の曲率と比べて、反射面160の曲率が小さくてもよい。例えば、反射面150の曲率と比べて、反射面160の曲率が大きくてもよい。
【0033】
反射面150および反射面160は、曲面状の部分を含めば、その形状に限定を加えない。例えば、反射面150および反射面160は、円柱の側面の形状を有する。例えば、反射面150および反射面160は、自由曲面や球面でもよい。例えば、反射面150および反射面160は、複数の曲面を組み合わせた形状であってもよい。例えば、反射面150および反射面160は、曲面と平面を組み合わせた形状であってもよい。
【0034】
投射光105~106は、送信装置10の筐体に開けられたスリット(図示しない)を介して、空間光信号として送信される。投射光105~106は、送信装置10から離れるにつれて、拡がっていく。通信対象に到達する距離では、投射光105~106の投射範囲はほぼ同じである。例えば、第1ミラー15や第2ミラー16の後段に、レンズ(図示しない)が配置されてもよい。その場合、レンズは、第1ミラー15および第2ミラー16によって反射された投射光105~106が、同じ通信対象に向けて進行するという条件を満たす。レンズは、投射光105~106の広がりを制限したり、投射光105~106の広がりを拡大したりするために配置される。レンズの構造や形状は、用途に応じて決められればよい。
【0035】
制御部18(制御手段)は、光源11および空間光変調器12を制御する。例えば、制御部18は、プロセッサとメモリを含むマイクロコンピュータによって実現される。制御部18は、空間光変調器12の変調部120に設定されたタイリングのアスペクト比に合わせて、投射される画像に対応する位相画像を変調部120に設定する。制御部18は、空間光変調器12の変調部120に設定された変調領域に、投射される画像に対応する位相画像を設定する。例えば、制御部18は、画像表示や通信、測距など、用途に応じた画像に対応する位相画像を変調部120に設定する。投射される画像の位相画像は、記憶部(図示しない)に予め記憶させておけばよい。投射される画像の形状や大きさには、特に限定を加えない。
【0036】
制御部18は、変調部120に照射される照明光101の位相と、その変調部120で反射される変調光102の位相との差分を決定づけるパラメータが変化するように、空間光変調器12を制御する。例えば、パラメータは、屈折率や光路長などの光学的特性に関する値である。例えば、制御部18は、空間光変調器12の変調部120に印加する電圧を変化させることによって、変調部120の屈折率を調節する。位相変調型の空間光変調器12の変調部120に照射された照明光101の位相分布は、変調部120の光学的特性に応じて変調される。なお、制御部18による空間光変調器12の駆動方法は、空間光変調器12の変調方式に応じて決定される。
【0037】
制御部18は、表示される画像に対応する位相画像が空間光変調器12の変調部120に設定された状態で、光源11を駆動させる。その結果、変調部120に位相画像が設定された状態で、光源11から出射された照明光101が変調部120に照射される。変調部120に照射された照明光101は、変調部120において変調される。変調部120において変調された変調光102は、第1ミラー15および第2ミラー16に向けて出射される。
【0038】
また、制御部18は、通信対象(図示しない)との間の通信のために、光源11から出射される照明光101を変調させる。通信において、制御部18は、通信用の位相画像を空間光変調器12の変調部120に設定した状態で、光源11から照明光101を出射させるタイミングを制御する。そのような制御によって、照明光101が変調される。通信における照明光101の変調パターンは、任意に設定される。例えば、制御部18とは別に、通信用の構成(通信部)が追加されてもよい。その場合、制御部18は、通信部によって設定された条件に応じて、光源11および空間光変調器12を制御するように構成されればよい。
【0039】
図5は、比較例の通信装置Tから送信された空間光信号に対する降雨の影響について説明するための概念図である。通信装置Tは、通信装置Rに向けて、単一の投射光からなる空間光信号を投射する。通信装置Tから送信直後の空間光信号のビーム径は、2~7mm(ミリメートル)である。通信装置Tと通信装置Rとの距離が100m(メートル)程度の場合、通信装置Tから送信された空間光信号のビーム径は、通信装置Rに到達する段階において65~70mm程度に拡がる。この場合、通信装置Tと通信装置Rの中間位置において、空間光信号のビーム径は30~35mm程度である。一般に、雨滴の大きさは、0.1~8mm程度である。そのため、空間光信号のビーム径が2~7mmである送信直後の空間光信号は、雨滴によって遮断される可能性がある。それに対し、通信装置Tと通信装置Rの中間位置以降では、ビーム径が30mmを越える太さであるため、一部の光が遮断されたとしても、残りの光が通信装置Rまで到達できる。
【0040】
図6は、本実施形態の送信装置10から送信された空間光信号に対する降雨の影響について説明するための概念図である。図6の例では、通信装置Rに向けて、送信装置10から空間光信号(投射光)を送信する。図6の例の場合、送信装置10は、2つのビーム(マルチビーム)からなる空間光信号を送信する。送信装置10から送信直後の空間光信号は、1つのビームが雨滴で遮断されても、もう一方のビームが遮断されずに進行できる。また、送信装置10から十分に離れた地点においては、空間光信号のビーム径が太くなるため、一部の光が遮断されたとしても、残りの光が通信装置Rまで到達できる。本実施形態では、送信装置10の近傍ではマルチビームであり、送信装置10から離れた位置ではビーム径が大きくなるため、雨滴の影響が及びにくい。空間光信号の遮断は、雨滴のみならず、雪や霰、雹などの天候にも左右される。本実施形態によれば、降雨に限らず、天候の影響を受けにくく、継続的な光空間通信を実現できる。
【0041】
図7は、本実施形態に係る送信装置10の制御部18による制御例について説明するためのグラフである。図7のグラフは、晴天や曇天などの天候の場合における送信装置10の制御例を示す。降雨時等の天候でなければ、マルチビームを形成する必要はない。図7の例は、2つの出射器111-1~2を交互に駆動させる制御パターンを示す。
【0042】
図7のグラフは、駆動時間に応じた出射器111-1~2の出力の推移を示す。駆動時間の経過に応じた温度上昇によって、出射器111-1~2の出力が低下していく。そのため、図7の例では、出力の低下に応じて、使用される出射器111-1~2を切り替える。
【0043】
図7の例では、時刻0~t1の時間帯においては、出射器111-1が使用される。駆動時間の経過に連れて、出射器111-1の出力が低下していく(実線)。時刻t1において、出射器111-1の出力が閾値に到達する。この時点で、出射器111-1が停止され、出射器111-2が駆動される。その結果、光源11の全体の出力が回復する。時刻t1~t2の時間帯においては、出射器111-2が使用される。駆動時間の経過に連れて、出射器111-2の出力が低下していく(実線)。それに対し、出射器111-1の出力は回復していく(破線)。時刻t2において、出射器111-2の出力が閾値に到達すると、出射器111-2が停止され、出射器111-1が駆動される。時刻t2~t3の時間帯においては、出射器111-1が使用される。駆動時間の経過に連れて、出射器111-1の出力が低下していく(実線)。それに対し、出射器111-2の出力が回復していく(破線)。時刻t3以降も、同様の制御パターンで光源11を制御すればよい。
【0044】
図7の制御例のように、2つの出射器111-1~2を交互に駆動させれば、温度上昇によって出力が低下した出射器111を停止させて、その出射器111の温度を低下させることで、出力の回復が見込める。出射器111の数は、2つに限定されず、3つ以上であってもよい。図7の制御例によれば、光源11に含まれる複数の出射器111を順番に使用することによって、出射器111の温度上昇による出力低下を抑圧できる。すなわち、図7の制御例によれば、光源11に含まれる複数の出射器111を、互いに独立したタイミングで駆動させることによって、出射器111の温度上昇による出力低下を抑圧できる。なお、異なる通信対象との間で通信し合う場合は、複数の出射器111を通信対象ごとのチャンネルに割り当ててもよい。
【0045】
以上のように、本実施形態に係る送信装置は、光源、空間光変調器、第1ミラー、第2ミラー、および制御部を備える。光源は、第1出射器および第2出射器を有する。空間光変調器は、光源から出射された光を変調する変調部を有する。第1ミラーは、凸状の曲面の反射面を有する。第1ミラーは、変調部で変調された変調光の第1光路に配置される。第1ミラーは、第1投射方向に反射面を向けて配置される。第1ミラーの反射面は、第1投射方向に向けて、変調光を反射する。第2ミラーは、凸状の曲面の反射面を有する。第2ミラーは、変調部で変調された変調光の第2光路に配置される。第2ミラーは、第1投射方向に反射面を向けて配置される。第2ミラーの反射面は、第1投射方向に向けて、変調光を反射する。制御部は、空間光通信に用いられる位相画像を、送信器に含まれる空間光変調器の変調部に設定する。制御部は、変調部に光が照射されるように、送信器に含まれる光源を制御する。
【0046】
本実施形態では、2つの出射器から出射された光に由来する照明光を、2つの反射面で反射させることによって、空間光信号(投射光)のビームを2つに分離する。本実施形態によれば、2つのビームによって構成されたマルチビームが、空間光信号(投射光)として送信される。そのため、本実施形態によれば、降雨における雨滴によって1つのビームが遮断されたとしても、もう1つのビームが通信対象に到達する可能性が高くなる。本実施形態によれば、空間光信号(投射光)を2つのマルチビームにすることによって、天候の影響を受けにくく、継続的な光空間通信を実現できる。
【0047】
本実施形態の一態様において、第1ミラーおよび第2ミラーは、変調光に含まれる所望光のゴースト像が照射される位置と、変調光に含まれる0次光が照射される位置とを避けて配置される。本態様によれば、第1ミラーおよび第2ミラーの反射面にゴースト像や0次光などの不要光が照射されないため、第1投射方向に投射される投射光(空間光信号)から不要光を排除できる。
【0048】
本実施形態の一態様において、制御部は、光源に含まれる複数の出射器を、互いに独立したタイミングで駆動させる。本態様によれば、光源に含まれる複数の出射器を交互に用いることによって、長時間の駆動による光源の出力低下を低減できる。
【0049】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る送信装置について図面を参照しながら説明する。本実施形態の送信装置は、第1ミラーおよび第2ミラーに加えて、第3ミラーを備える。この点において、本実施形態は、第1の実施形態とは異なる。
【0050】
(構成)
図8は、本実施形態に係る送信装置20の構成の一例を示す概念図である。送信装置20は、光源21、空間光変調器22、第1ミラー25、第2ミラー26、第3ミラー27、および制御部28を備える。光源21、空間光変調器22、第1ミラー25、第2ミラー26、および第3ミラー27は、送信器200を構成する。図8は、送信装置20の内部構成を横方向から見た概念図である。図8は、概念的なものであり、各構成要素の形状や、構成要素間の位置関係、光の進行などを正確に表したものではない。
【0051】
光源21は、光空間通信に用いられる照明光201を出射する。光源21は、照明光201を出射する出射面を有する。光源21の出射面は、空間光変調器22に向けられる。光源21は、制御部28の制御に応じて、空間光変調器22の変調部220に向けて照明光201を出射する。照明光201は、3つのビーム(照明光201-1~3)によって構成される。
【0052】
図9は、光源21の構成の一例を示す概念図である。図9は、照明光201の進行方向に対して垂直上方の視座から、光源21の内部を見た図である。光源21は、出射器211-1、出射器211-2、出射器211-3、光学系212-1、光学系212-2、光学系212-3を含む。出射器211-1~3は、第1の実施形態の出射器111-1~2と同様の構成である。出射器211-1は、光学系212-1に対応付けられる。出射器211-2は、光学系212-2に対応付けられる。出射器211-3は、光学系212-3に対応付けられる。出射器211-1、出射器211-2、および出射器211-3から出射された光に由来する3つのビーム(空間光信号)は、同一の通信対象に向けて送信される。そのため、出射器211-1、出射器211-2、および出射器211-3から出射された光は、変調が同じである。
【0053】
出射器211-1~3は、制御部28の制御に応じて、所定の波長帯のレーザ光を出射する。光学系212-1は、出射器211-1に対応付けて配置される。光学系212-2は、出射器211-2に対応付けて配置される。光学系212-3は、出射器211-3に対応付けて配置される。光学系212-1は、出射器211-1から出射されたレーザ光を、照明光201-1に変換する。光学系212-2は、出射器211-2から出射されたレーザ光を、照明光201-2に変換する。光学系212-3は、出射器211-3から出射されたレーザ光を、照明光201-3に変換する。変換後の照明光201-1~2は、光源21から出射される。照明光201-1~3は、空間光変調器22の変調部220に向けて進行する。
【0054】
空間光変調器22は、第1の実施形態の空間光変調器12と同様の構成である。空間光変調器22は、照射された照明光201を変調する変調部220を有する。本実施形態の空間光変調器22は、反射型の変調部220を有する。変調部220には、少なくとも一つの変調領域が設定される。変調領域が設定された変調部220には、光源から出射された照明光201が照射される。
【0055】
変調部220に設定された変調領域には、制御部28の制御に応じて、投射光205~207によって表示される像に応じたパターン(位相画像)が設定される。変調部220に設定された変調領域に入射した照明光201は、変調領域に設定されたパターン(位相画像)に応じて変調される。変調領域で変調された変調光202は、投射光205、投射光206、または投射光207として投射される光(所望光)を含む。変調光202は、第1ミラー25の反射面250、第2ミラー26の反射面260、または第3ミラー27の反射面270に向けて進行する。また、変調光202は、0次光L0などの不要な光成分も含む。0次光L0は、第1ミラー25と第2ミラー26の間の領域(不感領域)に向けて進行する。
【0056】
図10は、第1ミラー25、第2ミラー26、および第3ミラー27の位置関係を示す概念図である。図10は、第1ミラー25、第2ミラー26、および第3ミラー27を反射面側から見た概念図である。第1ミラー25は、反射面250を有する。第2ミラー26は、反射面260を有する。第3ミラー27は、反射面270を有する。図10には、第1ミラー25の上方に、第2ミラー26および第3ミラー27が配置される例をあげる。第1ミラー25、第2ミラー26、および第3ミラー27の位置は、任意に入れ替えられてもよい。図10には、第1ミラー25、第2ミラー26、および第3ミラー27の周辺に、変調光202が反射されない領域(不感領域ZD)を図示する。第1ミラー25、第2ミラー26、および第3ミラー27の周辺の領域に関して、不感領域ZDとして図示されていない領域も、不感領域ZDに含まれる。
【0057】
図10には、0次光L0、所望光LA、所望光LB、所望光LC、ゴースト像GA、ゴースト像GB、およびゴースト像GCが照射される位置の一例を示す。0次光L0は、変調光202に含まれる0次の回折光である。所望光LA、所望光LB、および所望光LCは、変調光202に含まれる1次の回折光である。所望光LA、所望光LB、および所望光LCは、投射対象の光である。ゴースト像GAは、0次光L0を中心として、所望光LAに対して点対称の位置に表れる光である。ゴースト像GBは、0次光L0を中心として、所望光LBに対して点対称の位置に表れる光である。ゴースト像GCは、0次光L0を中心として、所望光LCに対して点対称の位置に表れる光である。ゴースト像GA、ゴースト像GB、およびゴースト像GCは、不要な光成分である。図10には図示していないが、変調光202には、2次以上の回折光(高次光)が含まれる。
【0058】
図10において、所望光LAは、第2ミラー26の反射面260に照射される。反射面260に照射された所望光LAは、反射面260の曲率に応じた投射角で投射される。所望光LBは、第1ミラー25の反射面250に照射される。反射面250に照射された所望光LBは、反射面250の曲率に応じた投射角で投射される。所望光LCは、第3ミラー27の反射面270に照射される。反射面270に照射された所望光LCは、反射面270の曲率に応じた投射角で投射される。0次光L0は、第2ミラー26の近傍の不感領域ZDに照射される。所望光LAのゴースト像GA、所望光LBのゴースト像GB、および所望光LCのゴースト像GCは、不感領域ZDに照射される。
【0059】
所望光Lのゴースト像Gは、0次光L0を中心として、所望光Lの点対称の位置に表れる。第1ミラー25、第2ミラー26、および第3ミラーは、ゴースト像Gが表示される領域を避けて配置される。このような配置によって、0次光L0、ゴースト像GA、ゴースト像GB、およびゴースト像GCは、反射面250、反射面260、0および反射面270には照射されない。また、変調光202に含まれる高次光は、図10に示す領域から外れた不感領域ZDに照射される。そのため、0次光L0、ゴースト像GA、ゴースト像GB、ゴースト像GC、および高次光は、外部に投射されない。
【0060】
図11は、第1ミラー25、第2ミラー26、および第3ミラー27の位置関係を示す概念図である。図11は、第1ミラー25、第2ミラー26、および第3ミラー27を上方の視座から見た断面図である。図11の紙面内において、第1ミラー25の反射面250、第2ミラー26の反射面260、および第3ミラー27の反射面270は、右方に向けられる。図10には、第1ミラー25の前方に第2ミラー26が配置され、第2ミラー26の前方に第3ミラー27が配置される例をあげる。第1ミラー25、第2ミラー26、および第3ミラー27が配置される順番は、任意に設定できる。例えば、第1ミラー25の後方に第2ミラー26が配置され、第2ミラー26の後方に第3ミラー27が配置されてもよい。
【0061】
第1ミラー25は、第1の実施形態の第1ミラー15と同様の構成である。第1ミラー25は、曲面状の反射面250を有する。第1ミラー25の凸面が、反射面250である。反射面250は、投射光205の投射角に応じた曲率を有する。第1ミラー25は、空間光変調器22の変調部220に反射面250を向けて、配置される。第1ミラー25は、変調部220で変調された変調光202の光路(第1光路)に配置される。第1ミラー25は、変調光202に含まれる不要な光成分(不要光)が照射される位置を避けて配置される。反射面250には、変調光202のうち、投射対象の光(所望光)が照射される。反射面250に照射された変調光202は、その反射面250で反射される。反射面250で反射された所望光は、投射光205として投射される。投射光205は、反射面250の曲率に応じた拡大率で、拡大される。
【0062】
第2ミラー26は、第1の実施形態の第2ミラー16と同様の構成である。第2ミラー26は、曲面状の反射面260を有する曲面ミラーである。第2ミラー26の凸面が、反射面260である。反射面260は、投射光206の投射角に応じた曲率を有する。第2ミラー26は、空間光変調器22の変調部220に反射面260を向けて、配置される。第2ミラー26は、変調部220で変調された変調光202の光路(第2光路)に配置される。第2ミラー26は、変調光202に含まれる不要光が照射される位置を避けて配置される。反射面260には、変調光202のうち所望光が照射される。反射面260に照射された変調光202は、その反射面260で反射される。反射面260で反射された所望光は、その反射面260の曲率に応じた拡大率で拡大されて、投射光206として投射される。
【0063】
第3ミラー27は、曲面状の反射面270を有する曲面ミラーである。第3ミラー27の凸面が、反射面270である。反射面270は、投射光207の投射角に応じた曲率を有する。第3ミラー27は、空間光変調器22の変調部220に反射面270を向けて、配置される。第3ミラー27は、変調部220で変調された変調光202の光路(第3光路)に配置される。第3ミラー27は、変調光202に含まれる不要光が照射される位置を避けて配置される。反射面270には、変調光202のうち所望光が照射される。反射面270に照射された変調光202は、その反射面270で反射される。反射面270で反射された所望光は、その反射面270の曲率に応じた拡大率で拡大されて、投射光207として投射される。
【0064】
投射光205~207は、送信装置20の筐体に開けられたスリット(図示しない)を介して、空間光信号として送信される。投射光205~207は、送信装置20から離れるにつれて、拡がっていく。通信対象に到達する距離では、投射光205~207の投射範囲はほぼ同じである。例えば、第1ミラー25や第2ミラー26、第3ミラー27の後段に、レンズ(図示しない)が配置されてもよい。レンズは、投射光205~207の広がりを制限したり、投射光205~207の広がりを拡大したりするために配置される。レンズの構造や形状は、用途に応じて決められればよい。
【0065】
制御部28は、第1の実施形態の制御部18と同様の構成である。制御部28は、光源21および空間光変調器22を制御する。例えば、制御部28は、プロセッサとメモリを含むマイクロコンピュータによって実現される。制御部28は、空間光変調器22の変調部220に設定されたタイリングのアスペクト比に合わせて、投射される画像に対応する位相画像を変調部220に設定する。制御部28は、空間光変調器22の変調部220に設定された変調領域に、投射される画像に対応する位相画像を設定する。
【0066】
制御部28は、表示される画像に対応する位相画像が変調部220に設定された状態で、光源21を駆動させる。その結果、空間光変調器22の変調部220に位相画像が設定されたタイミングに合わせて、光源21から出射された照明光201が空間光変調器22の変調部220に照射される。空間光変調器22の変調部220に照射された照明光201は、空間光変調器22の変調部220において変調される。変調部220において変調された変調光202は、第1ミラー25、第2ミラー26、および第3ミラー27に向けて出射される。
【0067】
また、制御部28は、通信対象(図示しない)との間の通信のために、光源21から出射される照明光201を変調させる。通信において、制御部28は、通信用の位相画像を空間光変調器22の変調部220に設定した状態で、光源21から照明光201を出射させるタイミングを制御する。そのような制御によって、照明光201が変調される。通信における照明光201の変調パターンは、任意に設定される。例えば、制御部28とは別に、通信用の構成(通信部)が追加されてもよい。その場合、制御部28は、通信部によって設定された条件に応じて、光源21および空間光変調器22を制御するように構成されればよい。
【0068】
本実施形態の送信装置20は、光源21に含まれる3つの出射器211-1~3から出射された光に基づく空間光信号(投射光205~207)を送信する。第1の実施形態と比べて、本実施形態の方が、空間光信号のビームの数が多い。そのため、第1の実施形態と比べて、本実施形態の方が、送信装置20から送信直後の空間光信号が雨滴などの影響を受けにくい。
【0069】
以上のように、本実施形態に係る送信装置は、光源、空間光変調器、第1ミラー、第2ミラー、第3ミラー、および制御部を備える。光源は、第1出射器、第2出射器、および第3出射器を有する。空間光変調器は、光源から出射された光を変調する変調部を有する。第1ミラーは、凸状の曲面の反射面を有する。第1ミラーは、変調部で変調された変調光の第1光路に配置される。第1ミラーは、第1投射方向に反射面を向けて配置される。第1ミラーの反射面は、第1投射方向に向けて、変調光を反射する。第2ミラーは、凸状の曲面の反射面を有する。第2ミラーは、変調部で変調された変調光の第2光路に配置される。第2ミラーは、第1投射方向に反射面を向けて配置される。第2ミラーの反射面は、第1投射方向に向けて、変調光を反射する。第3ミラーは、凸状の曲面の反射面を有する。第3ミラーは、変調部で変調された変調光の第3光路に配置される。第3ミラーは、第1投射方向に反射面を向けて配置される。第3ミラーの反射面は、第1投射方向に向けて、変調光を反射する。制御部は、空間光通信に用いられる位相画像を、送信器に含まれる空間光変調器の変調部に設定する。制御部は、変調部に光が照射されるように、送信器に含まれる光源を制御する。
【0070】
本実施形態では、3つの出射器から出射された光に由来する照明光を、3つの反射面で反射させることによって、空間光信号(投射光)のビームを3つに分離する。本実施形態によれば、3つのビームによって構成されたマルチビームが、空間光信号(投射光)として送信される。本実施形態によれば、空間光信号(投射光)を3つのマルチビームにすることによって、第1の実施形態よりも、天候の影響を受けにくく、継続的な光空間通信を実現できる。
【0071】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係る送信装置について図面を参照しながら説明する。本実施形態の送信装置の第1ミラーは、2つの曲面が組み合わされたミラーを2つ備える。本実施形態のミラーは、第2の実施形態に適用されてもよい。
【0072】
(構成)
図12は、本実施形態に係る送信装置30の構成の一例を示す概念図である。送信装置30は、光源31、空間光変調器32、第1ミラー35、第2ミラー36、および制御部38を備える。光源31、空間光変調器32、第1ミラー35、および第2ミラー36は、送信器300を構成する。図12は、送信装置30の内部構成を横方向から見た概念図である。図12は、概念的なものであり、各構成要素の形状や、構成要素間の位置関係、光の進行などを正確に表したものではない。
【0073】
光源31は、4つの出射器(第1出射器、第2出射器、第3出射器、第4出射器)を有する。4つの出射器の各々には、光学系が1つずつ配置される。すなわち、光源31は、出射器と光学系を4組有する。例えば、光源31は、4つの出射器が1列に並べられた構造を有する。例えば、光源31は、4つの出射器が2行2列に配列された構造を有する。光源31の構造の詳細については省略する。光源31は、照明光301を出射する出射面を有する。光源31の出射面は、空間光変調器32に向けられる。光源31は、制御部38の制御に応じて、空間光変調器22の変調部320に向けて、照明光301を出射する。照明光301は、4つのビームによって構成される。
【0074】
空間光変調器32は、第1の実施形態の空間光変調器12と同様の構成である。空間光変調器32は、照射された光を変調する変調部320を有する。本実施形態の空間光変調器32は、反射型の変調部320を有する。変調部320の変調領域には、光源31から出射された照明光301が照射される。
【0075】
変調部320に設定された変調領域には、制御部38の制御に応じて、投射光305~306によって表示される像に応じたパターン(位相画像)が設定される。変調領域は、反射面ごとに設定されてもよいし、複数の反射面に共通であってもよい。変調領域に入射した照明光301は、変調領域に設定されたパターン(位相画像)に応じて変調される。変調領域で変調された変調光302は、投射光305または投射光306として投射される光(所望光)を含む。また、変調光302は、0次光L0などの不要な光成分も含む。0次光L0は、第1ミラー35と第2ミラー36の間の領域(不感領域)に向けて進行する。変調領域で変調された変調光302は、後段に配置された第1ミラー35および第2ミラー36に向けて進行する。図12の例では、空間光変調器32の後段に、第1ミラー35および第2ミラー36が配置される。後述するように、第1ミラー35および第2ミラー36は、2つの反射面を有する。
【0076】
図13は、第1ミラー35と第2ミラー36の位置関係を示す概念図である。図13は、第1ミラー35および第2ミラー36を反射面側から見た概念図である。第1ミラー35の反射面350は、反射面351および反射面352によって構成される。反射面351および反射面352の各々は、凸状の反射面である。第2ミラー36の反射面360は、反射面361および反射面362を有する。反射面361および反射面362の各々は、凸状の反射面である。図13には、第1ミラー35の上方に、第2ミラー36が配置される例をあげる。第1ミラー35と第2ミラー36の位置は、任意に入れ替えられてもよい。図13には、第1ミラー35および第2ミラー36の周辺に、変調光302が反射されない領域(不感領域ZD)を図示する。第1ミラー35および第2ミラー36の周辺の領域に関して、不感領域ZDとして図示されていない領域も、不感領域ZDに含まれる。
【0077】
図13には、0次光L0、所望光LA、所望光LB、所望光LC、所望光LD、ゴースト像GA、ゴースト像GB、ゴースト像GC、およびゴースト像GDが照射される位置の一例を示す。0次光L0は、変調光302に含まれる0次の回折光である。所望光LA、所望光LB、所望光LC、および所望光LDは、変調光302に含まれる1次の回折光である。所望光LA、所望光LB、所望光LC、および所望光LDは、投射対象の光である。ゴースト像GAは、0次光L0を中心として、所望光LAに対して点対称の位置に表れる光である。ゴースト像GBは、0次光L0を中心として、所望光LBに対して点対称の位置に表れる光である。ゴースト像GCは、0次光L0を中心として、所望光LCに対して点対称の位置に表れる光である。ゴースト像GDは、0次光L0を中心として、所望光LDに対して点対称の位置に表れる光である。ゴースト像GA、ゴースト像GB、ゴースト像GC、およびゴースト像GDは、不要な光成分である。なお、図13には図示していないが、変調光302には、2次以上の回折光(高次光)が含まれる。
【0078】
図13において、所望光LAは、第2ミラー36の反射面362に照射される。反射面362に照射された所望光LAは、反射面362の曲率に応じた投射角で投射される。所望光LBは、第2ミラー36の反射面361に照射される。反射面361に照射された所望光LBは、反射面361の曲率に応じた投射角で投射される。所望光LCは、第1ミラー35の反射面352に照射される。反射面352に照射された所望光LCは、反射面352の曲率に応じた投射角で投射される。所望光LDは、第1ミラー35の反射面351に照射される。反射面351に照射された所望光LDは、反射面351に対する入射角度に応じた投射角で投射される。0次光L0は、第2ミラー36の近傍の不感領域ZDに照射される。所望光LAのゴースト像GA、所望光LBのゴースト像GB、所望光LCのゴースト像GC、および所望光LDのゴースト像GDは、不感領域ZDに照射される。
【0079】
所望光Lのゴースト像Gは、0次光L0を中心として、所望光Lの点対称の位置に表れる。そのため、第1ミラー35および第2ミラー36は、ゴースト像Gが表示される領域を避けて配置される。このような構成によって、0次光L0、ゴースト像GA、ゴースト像GB、ゴースト像GC、およびゴースト像GDは、反射面351、反射面352、反射面361、および反射面362には照射されない。また、変調光302に含まれる高次光は、図13に示す領域から外れた不感領域に照射される。そのため、0次光L0、ゴースト像GA、ゴースト像GB、ゴースト像GC、ゴースト像GD、および高次光は、外部に投射されない。
【0080】
図14は、第1ミラー35と第2ミラー36の位置関係を示す概念図である。図14は、第1ミラー35および第2ミラー36を上方の視座から見た断面図である。図14の紙面内において、第1ミラー35の反射面350(反射面351、反射面352)は、右方に向けられる。同様に、第2ミラー36の反射面360(反射面361、反射面362)は、右方に向けられる。
【0081】
第1ミラー35は、曲面状の反射面350を有する曲面ミラーである。反射面350は、2つの反射面(反射面351、反射面352)によって構成される。第1ミラー35の2つの凸面が、反射面351および反射面352である。反射面351および反射面352は、投射光305の投射角に応じた曲率を有する。
【0082】
第1ミラー35は、空間光変調器32の変調部320に反射面350(反射面351、反射面352)を向けて、配置される。第1ミラー35は、変調部320に設定された変調領域で変調された変調光302の光路(第1光路)に配置される。第1ミラー35は、変調光302に含まれる不要光が照射される位置を避けて配置される。反射面350(反射面351、反射面352)には、変調光302のうち所望光が照射される。反射面350に照射された変調光302は、反射面351または反射面352で反射される。反射面350で反射された所望光は、投射光305として投射される。投射光305は、反射面350(反射面351、反射面352)の曲率に応じた拡大率で、拡大される。
【0083】
第2ミラー36は、曲面状の反射面360を有する曲面ミラーである。反射面360は、2つの反射面(反射面361、反射面362)によって構成される。第2ミラー36の2つの凸面が、反射面361および反射面362である。反射面361および反射面362は、投射光306の投射角に応じた曲率を有する。
【0084】
第2ミラー36は、空間光変調器32の変調部320に反射面360(反射面361、反射面362)を向けて、配置される。第2ミラー36は、変調部320に設定された変調領域で変調された変調光302の光路(第2光路)に配置される。第2ミラー36は、変調光302に含まれる不要光が照射される位置を避けて配置される。反射面360(反射面361、反射面362)には、変調光302のうち所望光が照射される。反射面360に照射された変調光302は、反射面361または反射面362で反射される。反射面360で反射された所望光は、投射光306として投射される。投射光306は、反射面360(反射面361、反射面362)の曲率に応じた拡大率で、拡大される。
【0085】
反射面351、反射面352、反射面361、および反射面362は、曲面状の部分を含めば、その形状に限定を加えない。例えば、反射面351、反射面352、反射面361、および反射面362は、円柱の側面の形状を有する。例えば、反射面351、反射面352、反射面361、および反射面362は、自由曲面や球面でもよい。例えば、反射面351、反射面352、反射面361、および反射面362は、複数の曲面を組み合わせた形状であってもよい。例えば、反射面351、反射面352、反射面361、および反射面362は、曲面と平面を組み合わせた形状であってもよい。
【0086】
投射光305および投射光306は、送信装置30の筐体に開けられたスリット(図示しない)を介して、空間光信号として送信される。投射光305および投射光306は、送信装置30から離れるにつれて、拡がっていく。通信対象に到達する距離では、投射光305~306の投射範囲はほぼ同じである。例えば、第1ミラー35や第2ミラー36の後段に、投射光305や投射光306の広がりを制限したり、投射光305や投射光306の広がりを拡大したりするためのレンズ(図示しない)が配置されてもよい。
【0087】
制御部38は、第1の実施形態の制御部18と同様の構成である。制御部38は、光源31および空間光変調器32を制御する。例えば、制御部38は、プロセッサとメモリを含むマイクロコンピュータによって実現される。制御部38は、空間光変調器32の変調部320に設定されたタイリングのアスペクト比に合わせて、投射される画像に対応する位相画像を変調部320に設定する。制御部38は、空間光変調器32の変調部320に設定された変調領域に、投射される画像に対応する位相画像を設定する。例えば、制御部38は、画像表示や通信、測距など、用途に応じた画像に対応する位相画像を変調部320に設定する。投射される画像の位相画像は、記憶部(図示しない)に予め記憶させておけばよい。投射される画像の形状や大きさには、特に限定を加えない。
【0088】
制御部38は、表示される画像に対応する位相画像が変調部320に設定された状態で、光源31を駆動させる。その結果、空間光変調器32の変調部320に位相画像が設定されたタイミングに合わせて、光源31から出射された照明光301が空間光変調器32の変調部320に照射される。空間光変調器32の変調部320に照射された照明光301は、空間光変調器32の変調部320において変調される。変調部320において変調された変調光302は、第1ミラー35および第2ミラー36に向けて出射される。
【0089】
また、制御部38は、通信対象(図示しない)との間の通信のために、光源31から出射される照明光301を変調させる。通信において、制御部38は、通信用の位相画像を空間光変調器32の変調部320に設定した状態で、光源31から照明光301を出射させるタイミングを制御する。そのような制御によって、照明光301が変調される。通信における照明光301の変調パターンは、任意に設定される。例えば、制御部38とは別に、通信用の構成(通信部)が追加されてもよい。その場合、制御部38は、通信部によって設定された条件に応じて、光源31および空間光変調器32を制御するように構成されればよい。
【0090】
以上のように、本実施形態に係る送信装置は、光源、空間光変調器、第1ミラー、第2ミラー、および制御部を備える。光源は、第1出射器、第2出射器、第3出射器、および第4出射器を有する。空間光変調器は、光源から出射された光を変調する変調部を有する。第1ミラーは、凸状の曲面の反射面を2つ有する。第1ミラーは、変調部で変調された変調光の第1光路に配置される。第1ミラーは、2つの反射面を第1投射方向に向けて配置される。第2ミラーは、凸状の曲面の反射面を2つ有する。第2ミラーは、変調部で変調された変調光の第2光路に配置される。第2ミラーは、2つの反射面を第1投射方向に向けて配置される。第1出射器、第2出射器、第3出射器、および第4出射器から出射された光に由来する変調光は、第1ミラーおよび第2ミラーが有する4つの反射面のうちいずれかに照射される。第1ミラーの2つの反射面は、第1投射方向に向けて、変調光を反射する。第2ミラーの2つの反射面は、第1投射方向に向けて、変調光を反射する。制御部は、空間光通信に用いられる位相画像を、送信器に含まれる空間光変調器の変調部に設定する。制御部は、変調部に光が照射されるように、送信器に含まれる光源を制御する。
【0091】
本実施形態では、4つの出射器から出射された光に由来する照明光を、4つの反射面で反射させることによって、空間光信号(投射光)のビームを4つに分離する。本実施形態によれば、4つのビームによって構成されたマルチビームが、空間光信号(投射光)として送信される。本実施形態によれば、空間光信号(投射光)を4つのマルチビームにすることによって、第1~第2の実施形態よりも、天候の影響を受けにくく、継続的な光空間通信を実現できる。
【0092】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態に係る送信装置について図面を参照しながら説明する。本実施形態の送信装置は、第1の実施形態の光源が第3の実施形態の光源によって置換された例である。
【0093】
(構成)
図15は、本実施形態に係る送信装置40の構成の一例を示す概念図である。送信装置40は、光源41、空間光変調器42、第1ミラー45、第2ミラー46、および制御部48を備える。光源41、空間光変調器42、第1ミラー45、および第2ミラー46は、送信器400を構成する。図15は、送信装置40の内部構成を横方向から見た概念図である。図15は、概念的なものであり、各構成要素の形状や、構成要素間の位置関係、光の進行などを正確に表したものではない。
【0094】
光源41は、第3の実施形態の光源31と同様の構成である。光源41は、4つの出射器(第1出射器、第2出射器、第3出射器、第4出射器)を有する。4つの出射器の各々には、光学系が1つずつ配置される。すなわち、光源41は、出射器と光学系を4組有する。光源41は、照明光401を出射する出射面を有する。光源41の出射面は、空間光変調器42に向けられる。光源41は、制御部48の制御に応じて、空間光変調器42の変調部420に向けて、照明光401を出射する。照明光401は、4つのビームによって構成される。
【0095】
空間光変調器42は、第1の実施形態の空間光変調器12と同様の構成である。空間光変調器42は、照射された光を変調する変調部420を有する。本実施形態の空間光変調器42は、反射型の変調部420を有する。変調部420の変調領域には、光源41から出射された照明光401が照射される。
【0096】
変調部420に設定された変調領域には、制御部48の制御に応じて、投射光405~406によって表示される像に応じたパターン(位相画像)が設定される。変調領域は、反射面ごとに設定されてもよいし、複数の反射面に共通であってもよい。変調領域に入射した照明光401は、変調領域に設定されたパターン(位相画像)に応じて変調される。変調領域で変調された変調光402は、投射光405または投射光406として投射される光(所望光)を含む。また、変調光402は、0次光L0などの不要な光成分も含む。0次光L0は、第1ミラー45と第2ミラー46の間の領域(不感領域)に向けて進行する。変調領域で変調された変調光402は、後段に配置された第1ミラー45または第2ミラー46に向けて進行する。後述するように、第1ミラー45および第2ミラー46は、2つの反射面を有する。
【0097】
図16は、第1ミラー45と第2ミラー46の位置関係を示す概念図である。図16は、第1ミラー45および第2ミラー46を反射面側から見た概念図である。第1ミラー45の反射面450および第2ミラー46の反射面460は、凸状の反射面である。図16には、第1ミラー45および第2ミラー46の周辺に、変調光402が反射されない領域(不感領域ZD)を図示する。
【0098】
図16には、0次光L0、所望光LA、所望光LB、所望光LC、所望光LD、ゴースト像GA、ゴースト像GB、ゴースト像GC、およびゴースト像GDが照射される位置の一例を示す。0次光L0は、変調光402に含まれる0次の回折光である。所望光LAおよび所望光LBは、変調光402に含まれる1次の回折光である。所望光LA、所望光LB、所望光LC、および所望光LDは、投射対象の光である。ゴースト像GAは、0次光L0を中心として、所望光LAに対して点対称の位置に表れる光である。ゴースト像GBは、0次光L0を中心として、所望光LBに対して点対称の位置に表れる光である。ゴースト像GCは、0次光L0を中心として、所望光LCに対して点対称の位置に表れる光である。ゴースト像GDは、0次光L0を中心として、所望光LDに対して点対称の位置に表れる光である。ゴースト像GA、ゴースト像GB、ゴースト像GC、およびゴースト像GDは、不要な光成分である。なお、図16には図示していないが、変調光402には、2次以上の回折光(高次光)が含まれる。
【0099】
図16において、所望光LAは、第2ミラー46の反射面460に照射される。反射面460に照射された所望光LAは、反射面460の曲率に応じた投射角で投射される。所望光LBは、第1ミラー45の反射面450に照射される。反射面450に照射された所望光LBは、反射面450の曲率に応じた投射角で投射される。所望光LCは、第1ミラー45の反射面450に照射される。反射面450に照射された所望光LCは、反射面450の曲率に応じた投射角で投射される。所望光LDは、第2ミラー46の反射面460に照射される。反射面460に照射された所望光LDは、反射面460に対する入射角度に応じた投射角で投射される。0次光L0は、第2ミラー46の近傍の不感領域ZDに照射される。所望光LAのゴースト像GA、所望光LBのゴースト像GB、所望光LCのゴースト像GC、および所望光LDのゴースト像GDは、不感領域ZDに照射される。
【0100】
所望光Lのゴースト像Gは、0次光L0を中心として、所望光Lの点対称の位置に表れる。そのため、第1ミラー45および第2ミラー46は、ゴースト像Gが表示される領域を避けて配置される。このような構成によって、0次光L0、ゴースト像GA、ゴースト像GB、ゴースト像GC、およびゴースト像GDは、反射面450および反射面460には照射されない。また、変調光402に含まれる高次光は、図16に示す領域から外れた不感領域に照射される。そのため、0次光L0、ゴースト像GA、ゴースト像GB、ゴースト像GC、ゴースト像GD、および高次光は、外部に投射されない。
【0101】
図17は、第1ミラー45と第2ミラー46の位置関係を示す概念図である。図17は、第1ミラー45および第2ミラー46を上方の視座から見た断面図である。図17の紙面内において、第1ミラー45の反射面450は、右方に向けられる。同様に、第2ミラー46の反射面460は、右方に向けられる。
【0102】
第1ミラー45は、曲面状の反射面450を有する曲面ミラーである。第1ミラー45の凹面が、反射面450である。反射面450は、投射光405の投射角に応じた曲率を有する。反射面450は、曲面状の部分を含めば、その形状に限定を加えない。例えば、反射面450は、円柱の側面の形状を有する。例えば、反射面450は、自由曲面や球面でもよい。例えば、反射面450は、複数の曲面を組み合わせた形状であってもよい。例えば、反射面450は、曲面と平面を組み合わせた形状であってもよい。
【0103】
第1ミラー45は、空間光変調器42の変調部420に反射面450を向けて、配置される。第1ミラー45は、変調部420で変調された変調光402の光路(第1光路)に配置される。第1ミラー45は、変調光402に含まれる不要な光成分(不要光)が照射される位置を避けて配置される。反射面450には、変調光402のうち、投射対象の光(所望光)が照射される。反射面450に照射された変調光402は、その反射面450で反射される。反射面450で反射された所望光は、投射光405として投射される。
【0104】
第2ミラー46は、曲面状の反射面460を有する曲面ミラーである。第2ミラー46の凸面が、反射面460である。反射面460は、投射光406の投射角に応じた曲率を有する。反射面460は、曲面状の部分を含めば、その形状に限定を加えない。例えば、反射面460は、円柱の側面の形状を有する。例えば、反射面460は、自由曲面や球面でもよい。例えば、反射面460は、複数の曲面を組み合わせた形状であってもよい。例えば、反射面460は、曲面と平面を組み合わせた形状であってもよい。
【0105】
第2ミラー46は、空間光変調器42の変調部420に反射面460を向けて、配置される。第2ミラー46は、対応付けられた変調領域で変調された変調光402の光路(第2光路)に配置される。第2ミラー46は、変調光402に含まれる不要な光成分(不要光)が照射される位置を避けて配置される。反射面460には、変調光402のうち、投射対象の光(所望光)が照射される。反射面460に照射された変調光402は、その反射面460で反射される。反射面460で反射された所望光は、その反射面460の曲率に応じた拡大率で拡大されて、投射光406として投射される。
【0106】
投射光405および投射光406は、送信装置40の筐体に開けられたスリット(図示しない)を介して、空間光信号として送信される。投射光405および投射光406は、送信装置40から離れるにつれて、拡がっていく。通信対象に到達する距離では、投射光405~406の投射範囲はほぼ同じである。例えば、第1ミラー45や第2ミラー46の後段に、投射光405~406の広がりを制限したり、投射光405~406の広がりを拡大したりするためのレンズ(図示しない)が配置されてもよい。
【0107】
制御部48は、第1の実施形態の制御部18と同様の構成である。制御部48は、光源41および空間光変調器42を制御する。例えば、制御部48は、プロセッサとメモリを含むマイクロコンピュータによって実現される。制御部48は、空間光変調器42の変調部420に設定されたタイリングのアスペクト比に合わせて、投射される画像に対応する位相画像を変調部420に設定する。制御部48は、空間光変調器42の変調部420に設定された変調領域に、投射される画像に対応する位相画像を設定する。例えば、制御部48は、画像表示や通信、測距など、用途に応じた画像に対応する位相画像を変調部420に設定する。投射される画像の位相画像は、記憶部(図示しない)に予め記憶させておけばよい。投射される画像の形状や大きさには、特に限定を加えない。
【0108】
制御部48は、表示される画像に対応する位相画像が変調部420に設定された状態で、光源41を駆動させる。その結果、空間光変調器42の変調部420に位相画像が設定されたタイミングに合わせて、光源41から出射された照明光401が空間光変調器42の変調部420に照射される。空間光変調器42の変調部420に照射された照明光401は、空間光変調器42の変調部420において変調される。変調部420において変調された変調光402は、第1ミラー45および第2ミラー46に向けて出射される。
【0109】
また、制御部48は、通信対象(図示しない)との間の通信のために、光源41から出射される照明光401を変調させる。通信において、制御部48は、通信用の位相画像を空間光変調器42の変調部420に設定した状態で、光源41から照明光401を出射させるタイミングを制御する。そのような制御によって、照明光401が変調される。通信における照明光401の変調パターンは、任意に設定される。例えば、制御部48とは別に、通信用の構成(通信部)が追加されてもよい。その場合、制御部48は、通信部によって設定された条件に応じて、光源41および空間光変調器42を制御するように構成されればよい。
【0110】
本実施形態では、4つの出射器から出射された照明光に由来する照明光を、2つの反射面で反射させることによって、空間光信号(投射光)のビームを4つに分離する。その結果、本実施形態によれば、4つのビームによって構成されたマルチビームが、空間光信号(投射光)として送信される。本実施形態によれば、空間光信号(投射光)を4つのマルチビームにすることによって、第1~第2の実施形態よりも、雨滴などの天候の影響を受けにくくなる。
【0111】
図18図20は、送信装置40から送信される空間光信号のイメージを示す概念図である。図18図20の例は、空間光信号を構成するビームの割り振り方のバリエーションを示す。図18図20の例は、第3の実施形態の送信装置30から送信される空間光信号にも適用できる。
【0112】
図18は、空間光信号を構成する4つのビームを、1つのチャンネル(CH1)で送信する例である。図18の例では、4つのビームによって構成される空間光信号を用いて、単一の通信対象との間で通信し合う。図18の例によれば、4つのビームからなるマルチビームによって構成される空間光信号を用いることで、2~3つのビームからなるマルチビームを用いる第1~第2の実施形態と比較して、雨滴等の影響による通信の遮断をより低減できる。
【0113】
図19は、空間光信号を構成する4つのビームを、2つのチャンネル(CH1、CH2)で送信する例である。図19は、縦方向に並んだ2つのビームを組み合わせて、1つのチャンネルとする例である。図19の例では、4つのビームによって構成される空間光信号を用いて、2つの通信対象との間で通信し合う。図19の例によれば、2つのビームからなるマルチビームによって構成される空間光信号を、2つの通信対象に向けて独立して送信できる。
【0114】
図20は、空間光信号を構成する4つのビームを、2つのチャンネル(CH1、CH2)で送信する例である。図20は、斜向かいの位置関係にある2つのビームを襷掛けで組み合わせて、1つのチャンネルとする例である。図20の例では、4つのビームによって構成される空間光信号を用いて、2つの通信対象との間で通信し合う。図20の例によれば、襷掛けで組み合わされた2つのビームからなるマルチビームによって構成される空間光信号を、2つの通信対象に向けて独立して送信できる。
【0115】
以上のように、本実施形態に係る送信装置は、光源、空間光変調器、第1ミラー、第2ミラー、および制御部を備える。光源は、第1出射器、第2出射器、第3出射器、および第4出射器を有する。空間光変調器は、光源から出射された光を変調する変調部を有する。第1ミラーは、凸状の曲面の反射面を有する。第1ミラーは、変調部で変調された変調光の第1光路に配置される。第1ミラーは、第1投射方向に反射面を向けて配置される。第2ミラーは、凸状の曲面の反射面を有する。第2ミラーは、変調部で変調された変調光の第2光路に配置される。第2ミラーは、第1投射方向に反射面を向けて配置される。第1出射器、第2出射器、第3出射器、および第4出射器から出射された光に由来する変調光は、第1ミラーおよび第2ミラーの各々が有する反射面のうちいずれかに照射される。第1ミラーの2つの反射面は、第1投射方向に向けて、変調光を反射する。第2ミラーの2つの反射面は、第1投射方向に向けて、変調光を反射する。制御部は、空間光通信に用いられる位相画像を、送信器に含まれる空間光変調器の変調部に設定する。制御部は、変調部に光が照射されるように、送信器に含まれる光源を制御する。
【0116】
本実施形態では、4つの出射器から出射された光に由来する照明光を、2つの反射面で反射させることによって、空間光信号(投射光)のビームを4つに分離する。本実施形態によれば、4つのビームによって構成されたマルチビームが、空間光信号(投射光)として送信される。本実施形態によれば、空間光信号(投射光)を4つのマルチビームにすることによって、第1~第2の実施形態よりも、天候の影響を受けにくく、継続的な光空間通信を実現できる。また、本実施形態によれば、第3の実施形態と比べて、ミラーの構造が簡易になる。
【0117】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態に係る通信装置について図面を参照しながら説明する。本実施形態の通信装置は、受信装置と送信装置とを組み合わせた構成である。送信装置は、第1~第4のうちいずれかの実施形態の構成である。受信装置は、空間光信号を受信する。以下においては、ボールレンズを含む受光機能を備えた受信装置の例をあげる。なお、本実施形態の通信装置は、ボールレンズを含まない受光機能を含む受信装置を備えてもよい。
【0118】
図21は、本実施形態に係る通信装置50の構成の一例を示す概念図である。通信装置50は、送信装置51、通信制御装置55、および受信装置57を備える。通信装置50は、外部の通信対象と空間光信号を送受信し合う。そのため、通信装置50には、空間光信号を送受信するための開口や窓が形成される。
【0119】
送信装置51は、第1~第4に係る実施形態の送信装置のうちいずれかである。送信装置51は、通信制御装置55から制御信号を取得する。送信装置51は、制御信号に応じた空間光信号を投射する。送信装置51から投射された空間光信号は、その空間光信号の送信先の通信対象(図示しない)によって受光される。
【0120】
通信制御装置55は、受信装置57から出力された信号を取得する。通信制御装置55は、取得した信号に応じた処理を実行する。通信制御装置55が実行する処理については、特に限定を加えない。通信制御装置55は、実行した処理に応じた光信号を送信するための制御信号を、送信装置51に出力する。例えば、通信制御装置55は、受信装置57が受信した信号に含まれる情報に応じて、予め決められた条件に基づく処理を実行する。例えば、通信制御装置55は、受信装置57が受信した信号に含まれる情報に応じて、通信装置50の管理者によって指定された処理を実行する。
【0121】
受信装置57は、通信対象(図示しない)から送信された空間光信号を受信する。受信装置57は、受信した空間光信号を電気信号に変換する。受信装置57は、変換後の電気信号を通信制御装置55に出力する。例えば、受信装置57は、ボールレンズを含む受光機能を備える。また、受信装置57は、ボールレンズを含まない受光機能を有してもよい。
【0122】
〔受信装置〕
次に、受信装置57の構成について図面を参照しながら説明する。図22は、受信装置57の構成の一例について説明するための概念図である。受信装置57は、ボールレンズ571、受光素子573、および受信回路575を備える。図22は、受信装置57の内部構成を横方向から見た側面図である。受信回路575の位置については、特に限定を加えない。受信回路575は、受信装置57の内部に配置されてもよいし、受信装置57の外部に配置されてもよい。また、受信回路575の機能を通信制御装置55に含めてもよい。
【0123】
ボールレンズ571は、球形のレンズである。ボールレンズ571は、通信対象から送信された空間光信号を集光する光学素子である。ボールレンズ571は、任意の角度から見て、球形である。ボールレンズ571の一部は、受信装置57の筐体に開けられた開口から突出する。ボールレンズ571は、入射された空間光信号を集光する。開口から突出したボールレンズ571に入射した空間光信号が集光される。空間光信号を集光できさえすれば、ボールレンズ571の一部は、開口から突出していなくてもよい。
【0124】
ボールレンズ571によって集光された空間光信号に由来する光(光信号)は、そのボールレンズ571の集光領域に向けて集光される。ボールレンズ571は、球形であるため、任意の方向から到来する空間光信号を集光する。すなわち、ボールレンズ571は、任意の方向から到来する空間光信号に対して、同様の集光性能を示す。ボールレンズ571に入射した光は、ボールレンズ571の内部に進入する際に屈折される。また、ボールレンズ571の内部を進行する光は、ボールレンズ571の外部に出射する際に、再度屈折される。ボールレンズ571から出射される光の大部分は、集光領域に集光される。
【0125】
例えば、ボールレンズ571は、ガラスや結晶、樹脂などの材料で構成できる。可視領域の空間光信号を受光する場合、ボールレンズ571は、可視領域の光を透過/屈折するガラスや結晶、樹脂などの材料によって実現できる。例えば、ボールレンズ571は、クラウンガラスやフリントガラスなどの光学ガラスによって実現できる。例えば、ボールレンズ571は、BK(Boron Kron)などのクラウンガラスによって実現できる。例えば、ボールレンズ571は、LaSF(Lanthanum Schwerflint)などのフリントガラスによって実現できる。例えば、ボールレンズ571には、石英ガラスが適用できる。例えば、ボールレンズ571には、サファイア等の結晶が適用できる。例えば、ボールレンズ571には、アクリル等の透明樹脂が適用できる。
【0126】
空間光信号が近赤外領域の光(以下、近赤外線)である場合、ボールレンズ571には、近赤外線を透過する材料が用いられる。例えば、1.5マイクロメートル(μm)程度の近赤外領域の空間光信号を受光する場合、ボールレンズ571には、ガラスや結晶、樹脂などに加えて、シリコンなどの材料を適用できる。空間光信号が赤外領域の光(以下、赤外線)である場合、ボールレンズ571には、赤外線を透過する材料が用いられる。例えば、空間光信号が赤外線である場合、ボールレンズ571には、シリコンやゲルマニウム、カルコゲナイド系の材料を適用できる。空間光信号の波長領域の光を透過/屈折できれば、ボールレンズ571の材質には限定を加えない。ボールレンズ571の材質は、求められる屈折率や用途に応じて、適宜選択されればよい。
【0127】
ボールレンズ571は、受光素子573の配置された領域に向けて空間光信号を集光できれば、その他の集光器によって代替されてもよい。例えば、ボールレンズ571は、入射した空間光信号を、受光素子573の受光部に向けて導光する光線制御素子であってもよい。例えば、ボールレンズ571は、レンズや光線制御素子を組み合わせた構成であってもよい。例えば、ボールレンズ571によって集光される光信号を、受光素子573の受光部に向けて導光する機構が、追加されてもよい。
【0128】
受光素子573は、ボールレンズ571の後段に配置される。受光素子573は、ボールレンズ571の集光領域に配置される。受光素子573は、ボールレンズ571によって集光された光信号を受光する受光部を有する。ボールレンズ571によって集光された光信号は、受光素子573の受光部で受光される。受光素子573は、受光された光信号を電気信号(以下、信号)に変換する。受光素子573は、変換後の信号を、受信回路575に出力する。図22には、受光素子573が単一の例を示す。例えば、ボールレンズ571の集光領域に、複数の受光素子573が配置されてもよい。例えば、ボールレンズ571の集光領域に、複数の受光素子573がアレイ化された受光素子アレイが配置されてもよい。
【0129】
受光素子573は、受信対象である空間光信号の波長領域の光を受光する。例えば、受光素子573は、可視領域の光に感度を有する。例えば、受光素子573は、赤外領域の光に感度を有する。受光素子573は、例えば1.5μm(マイクロメートル)帯の波長の光に感度を有する。なお、受光素子573が感度を有する光の波長帯は、1.5μm帯に限定されない。受光素子573が受光する光の波長帯は、受信対象の空間光信号の波長に合わせて、任意に設定できる。受光素子573が受光する光の波長帯は、例えば0.8μm帯や、1.55μm帯、2.2μm帯に設定されてもよい。また、受光素子573が受光する光の波長帯は、例えば0.8~1μm帯であってもよい。波長帯が短い方が、大気中の水分による吸収が小さいので、降雨時における光空間通信には有利である。また、受光素子573は、強烈な太陽光で飽和してしまうと、空間光信号に由来する光信号を読み取ることができない。そのため、受光素子573よりも前段に、空間光信号の波長帯の光を選択的に通過させる色フィルタが設置されてもよい。
【0130】
例えば、受光素子573は、フォトダイオードやフォトトランジスタなどの素子によって実現できる。例えば、受光素子573は、アバランシェフォトダイオードによって実現される。アバランシェフォトダイオードによって実現された受光素子573は、高速通信に対応できる。なお、受光素子573は、光信号を電気信号に変換できさえすれば、フォトダイオードやフォトトランジスタ、アバランシェフォトダイオード以外の素子によって実現されてもよい。通信速度を向上させるために、受光素子573の受光部は、できるだけ小さい方が好ましい。例えば、受光素子573の受光部は、一辺が5mm(ミリメートル)程度の正方形の受光面を有する。例えば、受光素子573の受光部は、直径0.1~0.3mm程度の円形の受光面を有する。受光素子573の受光部の大きさや形状は、空間光信号の波長帯や通信速度などに応じて選定されればよい。
【0131】
例えば、受光素子573の前段に、偏光フィルタ(図示しない)が配置されてもよい。偏光フィルタは、受光素子573の受光部に対応付けて配置される。例えば、偏光フィルタは、受光素子573の受光部に、重ねて配置される。例えば、偏光フィルタは、受信対象の空間光信号の偏光状態に応じて選択されてもよい。例えば、受信対象の空間光信号が直線偏光の場合、偏光フィルタは1/2波長板を含む。例えば、受信対象の空間光信号が円偏光の場合、偏光フィルタは1/4波長板を含む。偏光フィルタの偏光特性に応じて、その偏光フィルタを通過した光信号の偏光状態が変換される。
【0132】
受信回路575は、受光素子573から出力された信号を取得する。受信回路575は、受光素子573からの信号を増幅する。受信回路575は、増幅された信号をデコードする。受信回路575によってデコードされた信号は、任意の用途に使用される。受信回路575によってデコードされた信号の使用については、特に限定を加えない。
【0133】
〔通信装置〕
図23は、通信装置50の一例(通信装置500)を示す概念図である。通信装置500は、送信器510、受信器570、および通信制御装置(図示しない)を備える。図23では、受信回路や通信制御装置を省略する。受信回路や通信制御装置は、通信装置500の内部に配置される。通信装置500は、円筒状の外形を有する送信器510および受信器570を組み合わせた構成を有する。
【0134】
受信器570は、ボールレンズ571、受光器572、カラーフィルタ576、および支持部材577を含む。ボールレンズ571は、上下に配置された一対の支持部材577によって、上下の部分を挟持される。ボールレンズ571の上下は、空間光信号の送受信に用いられないため、支持部材577で挟持されやすいように、平面状に加工されてもよい。受光器572は、受信対象の空間光信号を受信できるように、ボールレンズ571の集光領域に合わせて配置される。受光器572は、複数の受光素子が環状に配列された受光素子アレイを有する。複数の受光素子は、ボールレンズ571の集光領域に配置される。複数の受光素子は、ボールレンズ571に受光部を向けて配置される。複数の受光素子は、導線578によって、制御装置(図示しない)や送信器510に接続される。
【0135】
円筒状の受信器570の側面には、カラーフィルタ576が配置される。カラーフィルタ576は、不要な光を除去し、通信に用いられる空間光信号を選択的に透過する。円筒状の受信器570の上下面には、一対の支持部材577が配置される。一対の支持部材577は、ボールレンズ571の上下を挟持する。ボールレンズ571の周囲には、環状に形成された受光器572が配置される。受光器572は、ボールレンズ571に受光部を向けた複数の受光素子を含む。カラーフィルタ576を介してボールレンズ571に入射した空間光信号は、ボールレンズ571によって、受光器572に向けて集光される。受光器572に集光された光信号は、いずれかの受光素子の受光部に向けて導光される。受光素子の受光部に到達した光信号は、その受光素子によって受光される。通信制御装置(図示しない)は、受光器572に含まれる受光素子よって受光された光信号をデコードする。通信制御装置は、デコードされた光信号に応じて、送信器510から空間光信号を送信させる。
【0136】
送信器510は、第1~第4に係る実施形態の送信装置のうちいずれかによって構成される。送信器510は、円筒状の筐体の内部に収納される。円筒状の筐体には、送信器510による空間光信号の送信方向に合わせて開口されたスリットが形成される。例えば、送信器510が360度の方向に空間光信号を送信できる場合、送信器510の筐体の側面には、空間光信号の送信方向に合わせて、スリットが形成される。
【0137】
〔適用例〕
次に、本実施形態の適用例について図面を参照しながら説明する。以下の適用例では、複数の通信装置500が、空間光信号を送受信する例をあげる。図24は、本適用について説明するための概念図である。本適用例では、街中に配置された電柱や街灯などの柱の上部(柱上空間)に、複数の通信装置500が配置された通信ネットワークの一例(通信システム)をあげる。
【0138】
柱上空間には障害物が少ない。そのため、柱上空間は、通信装置500を設置するのに適している。また、同程度の高さに通信装置500を設置すれば、空間光信号の到来方向が水平方向に限定される。そのため、受信器570を構成する受光器の受光面積を小さくして、装置を簡略化できる。空間光信号を送受信し合う通信装置500のペアは、少なくとも一方の通信装置500が、他方の通信装置500から送信された空間光信号を受光するように配置される。通信装置500のペアは、空間光信号を互いに送受信するように配置されてもよい。複数の通信装置500で空間光信号の通信ネットワークが構成される場合、中間に位置する通信装置500は、他の通信装置500から送信された空間光信号を、別の通信装置500に中継するように配置されてもよい。
【0139】
本適用例によれば、柱上空間に配置された複数の通信装置500の間で、空間光信号を用いた通信が可能になる。例えば、通信装置500の間における通信に応じて、自動車や家屋などに設置された無線装置や基地局と通信装置500との間で、無線通信による通信が行われてもよい。例えば、柱に設置された通信ケーブル等を介して、通信装置500がインターネットに接続されてもよい。
【0140】
以上のように、本実施形態の通信装置は、受信装置、送信装置、および通信制御装置を備える。送信装置は、第1~第4の実施形態に係る送信装置(送信器)のうち少なくともいずれかである。受信装置は、他の通信装置からの空間光信号を受信する。通信制御装置は、受信装置によって受信された他の通信装置からの空間光信号に基づく信号を取得する。通信制御装置は、取得した信号に応じた処理を実行する。通信制御装置は、実行した処理に応じた空間光信号を送信装置に送信させる。
【0141】
本実施形態の通信装置が備える送信装置は、複数の出射器から出射された光に由来する照明光を、複数の反射面で反射させることによって、空間光信号(投射光)のビームを複数に分離する。本実施形態によれば、複数のビームによって構成されたマルチビームが、空間光信号(投射光)として送信される。そのため、本実施形態によれば、降雨における雨滴によって1つのビームが遮断されたとしても、他のビームが通信対象に到達する可能性が高くなる。本実施形態によれば、空間光信号(投射光)をマルチビームにすることによって、天候の影響を受けにくく、継続的な光空間通信を実現できる。
【0142】
本実施形態の一態様の通信システムは、上記の通信装置を複数備える。通信システムにおいて、複数の通信装置は、空間光信号を互いに送受信し合うように配置される。本態様によれば、空間光信号を送受信する通信ネットワークを実現できる。
【0143】
(第6の実施形態)
次に、第6の実施形態に係る送信装置について図面を参照しながら説明する。本実施形態の送信装置は、第1~第4に係る実施形態の送信装置に含まれる送信器が簡略化された構成である。図25は、本実施形態に係る送信器600の構成の一例を示す概念図である。図25は、送信器600の内部構成を横方向から見た側面図である。送信器600は、光源61、空間光変調器62、第1ミラー65、および第2ミラー66を備える。光源61、空間光変調器62、第1ミラー65、および第2ミラー66の形状や位置関係は、概念的なものであって、正確に描写したものではない。
【0144】
光源61は、第1出射器および第2出射器を有する。空間光変調器62は、光源61から出射された光601を変調する変調部620を有する。第1ミラー65は、変調部620で変調された変調光602の第1光路に配置される。第1ミラー65は、第1投射方向に向けて、変調光602を反射する。第1ミラー65によって反射された変調光602は、投射光605として投射される。第2ミラー66は、変調部620で変調された変調光602の第2光路に配置される。第2ミラー66は、第1投射方向に向けて、変調光602を反射する。第2ミラー66によって反射された変調光602は、投射光606として投射される。
【0145】
以上のように、本実施形態においては、2つの出射器から出射された光に由来する2つのビームによって構成される投射光(空間光信号)を、同じ第1投射方向に向けて投射する。本実施形態によれば、降雨の影響で、空間光信号に含まれる2つのビームのうち一つが遮蔽されても、もう一つのビームが通信対象に到達する可能性が高くなる。すなわち、本実施形態によれば、天候の影響を受けにくく、継続的な光空間通信を実現できる。
【0146】
(ハードウェア)
ここで、本開示の各実施形態に係る制御や処理を実行するハードウェア構成について、図26の情報処理装置90(コンピュータ)を一例としてあげて説明する。なお、図26の情報処理装置90は、各実施形態の制御や処理を実行するための構成例であって、本開示の範囲を限定するものではない。
【0147】
図26のように、情報処理装置90は、プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、入出力インターフェース95、および通信インターフェース96を備える。図26においては、インターフェースをI/F(Interface)と略記する。プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、入出力インターフェース95、および通信インターフェース96は、バス98を介して、互いにデータ通信可能に接続される。また、プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、および入出力インターフェース95は、通信インターフェース96を介して、インターネットやイントラネットなどのネットワークに接続される。
【0148】
プロセッサ91は、補助記憶装置93等に格納されたプログラム(命令)を、主記憶装置92に展開する。例えば、プログラムは、各実施形態の制御や処理を実行するためのソフトウェアプログラムである。プロセッサ91は、主記憶装置92に展開されたプログラムを実行する。プロセッサ91は、プログラムを実行することによって、各実施形態に係る制御や処理を実行する。
【0149】
主記憶装置92は、プログラムが展開される領域を有する。主記憶装置92には、プロセッサ91によって、補助記憶装置93等に格納されたプログラムが展開される。主記憶装置92は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性メモリによって実現される。また、主記憶装置92として、MRAM(Magneto resistive Random Access Memory)などの不揮発性メモリが構成/追加されてもよい。
【0150】
補助記憶装置93は、プログラムなどの種々のデータを記憶する。補助記憶装置93は、ハードディスクやフラッシュメモリなどのローカルディスクによって実現される。なお、種々のデータを主記憶装置92に記憶させる構成とし、補助記憶装置93を省略することも可能である。
【0151】
入出力インターフェース95は、規格や仕様に基づいて、情報処理装置90と周辺機器とを接続するためのインターフェースである。通信インターフェース96は、規格や仕様に基づいて、インターネットやイントラネットなどのネットワークを通じて、外部のシステムや装置に接続するためのインターフェースである。外部機器と接続されるインターフェースとして、入出力インターフェース95と通信インターフェース96とが共通化されてもよい。
【0152】
情報処理装置90には、必要に応じて、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力機器が接続されてもよい。それらの入力機器は、情報や設定の入力に使用される。入力機器としてタッチパネルが用いられる場合、タッチパネルの機能を有する画面がインターフェースになる。プロセッサ91と入力機器とは、入出力インターフェース95を介して接続される。
【0153】
情報処理装置90には、情報を表示するための表示機器が備え付けられてもよい。表示機器が備え付けられる場合、情報処理装置90には、表示機器の表示を制御するための表示制御装置(図示しない)が備えられる。情報処理装置90と表示機器は、入出力インターフェース95を介して接続される。
【0154】
情報処理装置90には、ドライブ装置が備え付けられてもよい。ドライブ装置は、プロセッサ91と記録媒体(プログラム記録媒体)との間で、記録媒体に格納されたデータやプログラムの読み込みや、情報処理装置90の処理結果の記録媒体への書き込みを仲介する。情報処理装置90とドライブ装置は、入出力インターフェース95を介して接続される。
【0155】
以上が、本発明の各実施形態に係る制御や処理を可能とするためのハードウェア構成の一例である。図26のハードウェア構成は、各実施形態に係る制御や処理を実行するためのハードウェア構成の一例であって、本発明の範囲を限定するものではない。各実施形態に係る制御や処理をコンピュータに実行させるプログラムも本発明の範囲に含まれる。
【0156】
各実施形態に係るプログラムを記録したプログラム記録媒体も、本発明の範囲に含まれる。記録媒体は、例えば、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などの光学記録媒体で実現できる。記録媒体は、USB(Universal Serial Bus)メモリやSD(Secure Digital)カードなどの半導体記録媒体によって実現されてもよい。また、記録媒体は、フレキシブルディスクなどの磁気記録媒体、その他の記録媒体によって実現されてもよい。プロセッサが実行するプログラムが記録媒体に記録されている場合、その記録媒体はプログラム記録媒体に相当する。
【0157】
各実施形態の構成要素は、任意に組み合わせられてもよい。各実施形態の構成要素は、ソフトウェアによって実現されてもよい。各実施形態の構成要素は、回路によって実現されてもよい。
【0158】
以上、実施形態を参照して本発明を説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0159】
10、20、30、40 送信装置
11、21、31、41、61 光源
12、22、32、42、62 空間光変調器
15、25、35、45、65 第1ミラー
16、26、36、46、66 第2ミラー
18、28、38、48 制御部
27 第3ミラー
50、500 通信装置
51 送信装置
55 通信制御装置
57 受信装置
100、200、300、400、600 送信器
510 送信器
570 受信器
571 ボールレンズ
572 受光器
573 受光素子
575 受信回路
576 カラーフィルタ
577 支持部材
578 導線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26