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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057787
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】検査ソケットおよび検査装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 1/067 20060101AFI20240418BHJP
   G01R 31/26 20200101ALI20240418BHJP
【FI】
G01R1/067 C
G01R31/26 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022164684
(22)【出願日】2022-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(74)【代理人】
【識別番号】100172236
【弁理士】
【氏名又は名称】岩木 宣憲
(72)【発明者】
【氏名】笹野 直哉
(72)【発明者】
【氏名】酒井 貴浩
(72)【発明者】
【氏名】小野山 太治
【テーマコード(参考)】
2G003
2G011
【Fターム(参考)】
2G003AA06
2G003AG01
2G003AG03
2G003AG12
2G003AH08
2G011AA03
2G011AA15
2G011AA16
2G011AB01
2G011AB04
2G011AB07
2G011AC14
2G011AE00
(57)【要約】
【課題】接触信頼性の高い検査ソケットおよび検査装置を提供すること。
【解決手段】検査ソケットが、少なくとも1つの板状のプローブピンと、ハウジングと、導通部材とを備える。プローブピンは、第1方向の一方に設けられた第1端部と第1方向の他方に設けられた第2端部とを有する。ハウジングは、第1端部が外部に露出した状態でプローブピンを内部に収容する。導通部材は、ハウジングの第1方向において第1端部よりも第2端部に近い部分に設けられ、第2端部に電気的に接続されている。ハウジングが、第1方向に交差する第2方向に沿って延びており、プローブピンが、第2方向が厚さ方向となるようにハウジングの内部に収容されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向の一方に設けられた第1端部と、前記第1方向の他方に設けられた第2端部とを有する少なくとも1つの板状のプローブピンと、
前記第1端部が外部に露出した状態で前記プローブピンを内部に収容するハウジングと、
前記ハウジングの前記第1方向において前記第1端部よりも前記第2端部に近い部分に設けられ、前記第2端部に電気的に接続された導通部材と
を備え、
前記ハウジングが、前記第1方向に交差する第2方向に沿って延びており、
前記プローブピンが、前記第2方向が厚さ方向となるように前記ハウジングの内部に収容され、
前記プローブピンの前記第1端部が、前記第1方向において、前記第2方向に沿って延びる細長い電極を含む検査対象物の前記電極に対向し、前記電極に交差した状態で接触可能に構成されている、検査ソケット。
【請求項2】
前記第2方向に沿って間隔を空けて位置する複数の前記プローブピンを備える、請求項1に記載の検査ソケット。
【請求項3】
複数の前記プローブピンが、第1プローブピンと、前記第1プローブピンとは異なる第2プローブピンとを含む、請求項2に記載の検査ソケット。
【請求項4】
複数の前記プローブピンが、第1プローブピンと、第2プローブピンとを含み、
前記導通部材が、
前記第1プローブピンと電気的に接触する第1部材と、
前記第1部材に対して前記第1方向および前記第2方向に交差する第3方向に間隔を空けて位置して前記第1部材とは電気的に独立していると共に、前記第2プローブピンと電気的に接触する第2部材と
を含み、
前記第1部材が、
前記第2方向に沿って延びる第1本体部と、
前記第1本体部から前記第3方向でかつ前記第2部材に接近する方向に延びて、前記第1プローブピンの前記第2端部に電気的に接触する第1突出部と
を有し、
前記第2部材が、
前記第2方向に沿って延びる第2本体部と、
前記第2本体部から前記第3方向でかつ前記第1部材に接近する方向に延びて、前記第2プローブピンの前記第2端部に電気的に接触する第2突出部と
を有する、請求項2に記載の検査ソケット。
【請求項5】
前記第1プローブピンの数が、前記第2プローブピンの数よりも多く、
前記第1突出部の数が、前記第2突出部の数よりも多い、請求項3または4に記載の検査ソケット。
【請求項6】
前記ハウジングが、内部に収容された前記プローブピンを外部から視認可能な窓部を有している、請求項1~4のいずれかに記載の検査ソケット。
【請求項7】
少なくとも1つの請求項1~4のいずれかに記載の検査ソケットを備える、検査装置。
【請求項8】
前記プローブピンの前記第1方向および前記第2方向に交差する第3方向の寸法が、前記電極の前記第3方向の寸法よりも大きい、請求項7に記載の検査装置。
【請求項9】
前記プローブピンの前記第1端部が、前記電極に接触可能な平面を有している、請求項7に記載の検査装置。
【請求項10】
前記検査対象物が、前記第1方向および前記第2方向に交差する第3方向に間隔を空けて配置された複数の前記電極を含み、
前記検査ソケットの前記第3方向の寸法が、隣り合う電極間の距離よりも小さい、請求項7に記載の検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、検査ソケットおよび検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、太陽電池電極用検査装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-071989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、特許文献1の検査装置を含む検査装置では、円筒形状のスプリングプローブ(いわゆるポゴピン)が用いられる。しかし、通常、ポゴピンは、太陽電池の幅の狭い電極に適した形状の先端を有しておらず、検査時に接触不良を起こす場合がある。
【0005】
本開示は、接触信頼性の高い検査ソケットおよび検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様の検査ソケットは、
第1方向の一方に設けられた第1端部と、前記第1方向の他方に設けられた第2端部とを有する少なくとも1つの板状のプローブピンと、
前記第1端部が外部に露出した状態で前記プローブピンを内部に収容するハウジングと、
前記ハウジングの前記第1方向において前記第1端部よりも前記第2端部に近い部分に設けられ、前記第2端部に電気的に接続された導通部材と
を備え、
前記ハウジングが、前記第1方向に交差する第2方向に沿って延びており、
前記プローブピンが、前記第2方向が厚さ方向となるように前記ハウジングの内部に収容され、
前記プローブピンの前記第1端部が、前記第1方向において、前記第2方向に沿って延びる細長い電極を含む検査対象物の前記電極に対向し、前記電極に交差した状態で接触可能に構成されている。
【0007】
本開示の一態様の検査装置は、
少なくとも1つの前記態様の検査ソケットを備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、接触信頼性の高い検査ソケットおよび検査装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の一実施状態の検査装置を示す斜視図。
図2図1の検査装置の拡大正面図。
図3図2のIII-III線に沿った断面図。
図4】本開示の一実施形態の検査ソケットを示す斜視図。
図5図4のV-V線に沿った断面図。
図6図4の検査ソケットのプローブピンを示す斜視図。
図7】押え部材を取り除いた状態の図4の検査ソケットを示す拡大斜視図。
図8図4の検査ソケットの第1の変形例を示す断面図。
図9】押え部材を取り除いた状態の図8の検査ソケットを示す拡大斜視図。
図10図4の検査ソケットの第2の変形例のプローブピンを示す斜視図。
図11図4の検査ソケットの第2の変形例を示す拡大上面図。
図12図4の検査ソケットの第3の変形例のプローブピンを示す拡大平面図。
図13図4の検査ソケットの第4の変形例のプローブピンを示す拡大平面図。
図14図4の検査ソケットの第5の変形例を示す拡大正面。
図15図4の検査ソケットの第6の変形例の導通部材を示す底面図。
図16図4の検査ソケットの第6の変形例の導通部材を示す上面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の一例を添付図面に従って説明する。以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、本開示の適用物、または、本開示の用途を制限することを意図するものではない。図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは必ずしも合致していない。
【0011】
本開示の一実施形態の検査装置1は、図1に示すように、少なくとも1つの検査ソケット10を備える。検査装置1は、図2および図3に示すように、後述する検査ソケット10のプローブピン20の第1端部21が、第1方向(例えば、Z方向)において、検査対象物(例えば、ソーラーパネル)の100の細長い電極110に対向し、電極110に交差(例えば、直交)した状態で接触可能に構成されている。電極110は、例えば、第1方向Zに交差する第2方向(例えば、X方向)に沿って延びている。
【0012】
本実施形態では、検査対象物100は、第1方向Zおよび第2方向Xに交差する第3方向(例えば、Y方向)に間隔を空けて、例えば、等間隔で配置された複数の電極110を有し、検査装置1は、複数の電極110と同じ数の複数の検査ソケット10を備えている。複数の検査ソケット10は、各検査ソケット10のプローブピン20の第1端部21が各電極110に接触できるように、第3方向Yに間隔を空けて、例えば、等間隔で配置されている。検査装置1は、全ての検査ソケット10が、検査対象物100に向かってZ方向に沿って同時に移動可能に構成されている。
【0013】
検査装置1は、次に示すように構成してもよい。
・プローブピン20の第3方向Yの寸法W1は、電極110の第3方向Yの寸法W2よりも大きい。
・検査ソケット10の第3方向Yの寸法W3が、隣り合う電極110間の直線距離W4よりも小さい。
【0014】
検査ソケット10は、図4および図5に示すように、少なくとも1つの板状のプローブピン20と、プローブピン20を内部に収容するハウジング30と、導通部材40とを備える。本実施形態では、検査ソケット10は、第2方向Xに間隔を空けて位置する複数のプローブピン20を備えている。複数のプローブピン20は、第1プローブピン120と、第2プローブピン220とを含む。第1プローブピン120は、例えば、フォースピンであり、第2プローブピン220は、例えば、センスピンである。各プローブピン20は、単一の部品で形成されている。
【0015】
プローブピン20は、図6に示すように、第1方向Zの一方に設けられた第1端部21と、第1方向Zの他方に設けられた第2端部22とを有している。本実施形態では、プローブピン20は、第1端部21を有する第1接触部201と、第2端部22を有する第2接触部202と、第1接触部201および第2接触部202の間に位置する弾性部203とを含む。第1接触部201および第2接触部202は、第1方向Zに沿って延びる仮想直線L1に位置し、弾性部203により接続されている。
【0016】
第1接触部201は、第1方向Zに沿って延びる略矩形板状を有している。第1接触部201の第1方向Zにおいて第2接触部202よりも遠い端が第1端部21を構成している。一例として、第1端部21の電極110に接触可能な面は湾曲している。第1接触部201の第1方向Zにおいて第2接触部202に近い端には、弾性部203が第3方向Yから接続されている。
【0017】
第2接触部202は、第1方向Zに沿って延びる略矩形板状を有している。第2接触部202の第1方向Zの長さは、第1接触部201よりも小さくなっている。第2接触部202の第1方向Zにおいて第1接触部201よりも遠い端が第2端部22を構成している。第2接触部202の第1方向Zにおいて第1接触部201に近い端には、弾性部203が第3方向Yから接続されている。
【0018】
弾性部203は、相互に隙間205を空けて配置された複数の部材204を含む。各部材204は、複数の第1部分206と、複数の第2部分207とを有する。各第1部分206は、第1方向Zに沿って間隔を空けて配置され、各々が第3方向Yに沿って直線的に延びている。各第2部分207は、第1方向Zに沿って延びる略半円弧形状を有し、両端が隣り合う第1部分206の端部にそれぞれ接続されている。各部材204の第1方向Zの両端に位置する第1部分206が、それぞれ第1接触部201および第2接触部202に対して、第3方向Yの同じ側から接続されている。全ての第1部分206および第2部分207は、第1接触部201の側面208に対して同じ側に位置している。側面208は、第1接触部201の第3方向Yに交差する一対の側面のうち、各部材204の第1部分206が接続されている側面と反対側の側面である。
【0019】
ハウジング30は、図4に示すように、第2方向Xに沿って延びており、図5に示すように、第1端部21が外部に露出した状態でプローブピン20を内部に収容可能に構成されている。本実施形態では、ハウジング30は、プローブピン20が収容される第1ハウジング31と、第1ハウジング31を収容して保持可能な第2ハウジング32とを含む。
【0020】
第1ハウジング31は、図5に示すように、断面略T字形状を有している。第1ハウジング31は、1つのプローブピン20を第1端部21が外部に露出した状態で収容可能なスリット状の第1収容部33を複数有している。第1ハウジング31には、プローブピン20の数以上の第1収容部33が設けられている。プローブピン20は、第2方向Xがその厚さ方向となるように、第1収容部33に収容されている。複数の第1収容部33は、収容されたプローブピン20の第1端部21が、第2方向Xに沿って一列に並ぶように、第2方向Xに沿って配置されている(図3参照)。
【0021】
第2ハウジング32は、図4に示すように、略直方体形状を有している。第2ハウジング32は、図5に示すように、第1ハウジング31を収容して保持可能な第2収容部34と、後述する押え部材50をハウジング30に固定するための締結部材60を収容可能な複数の穴部35とを有している。第2収容部34は、第2ハウジング32を第1方向Zに貫通しており、第1方向Zにおいてプローブピン20の第1端部21に近い底面321に開口する開口部341よりも、第2端部22に近い上面322に開口する開口部342の方が大きくなっている。一例として、第2収容部34に収容された第1ハウジング31は、その第1方向Zの一端311が開口部341から第2ハウジング32の外部に僅かに突出している。複数の穴部35は、第2ハウジング32の上面322に設けられている。第2収容部34に収容された第1ハウジング31は、例えば、位置決めピン61により第2ハウジング32に対して位置決めされている(図7参照)。
【0022】
図4に示すように、ハウジング30の第2方向Xの両端には、ベース部材36が取り付けられている。各ベース部材36は、第2ハウジング32の上面322から第1方向Zに沿って延びている。
【0023】
導通部材40は、図5に示すように、ハウジング30の第1方向Zにおいてプローブピン20の第1端部21よりも第2端部22に近い部分に設けられ、第2端部22に電気的に接続されている。本実施形態では、導通部材40は、電気的に独立している2つの導電性のシート(以下、第1部材41および第2部材42という。)を含む。第1部材41は、第1プローブピン120と電気的に接触し、第2部材42は、第2プローブピン220と電気的に接触する。第1部材41および第2部材42は、例えば、銅を含む。
【0024】
第1部材41は、図7に示すように、第2方向Xに沿って延びる第1本体部43と、第1突出部44とを有している。第1突出部44は、第1本体部43から第3方向Yでかつ第2部材42に接近する方向に延びて、図5に示すように、第1プローブピン120の第2端部22に接触する。図7では、押え部材50を省略している。
【0025】
第2部材42は、図7に示すように、第1部材41に対して第3方向Yに間隔を空けて位置している。第2部材42は、第2方向Zに沿って延びる第2本体部45と、第2突出部46とを有している。第2突出部46は、第2本体部45から第3方向Yでかつ第1部材41に接近する方向に延びて、図5に示すように、第2プローブピン220の第2端部22に電気的に接触する。
【0026】
図5に示すように、導通部材40は、ハウジング30および押え部材50の間に位置し、押え部材50によりハウジング30に固定されている。図4に示すように、導通部材40の第2方向Xの両端には、それぞれ端子70が接続される接続部47が設けられている。接続部47の一方は、第1部材41に電気的に接続され、接続部47の他方は、第2部材42に電気的に接続されている。
【0027】
検査ソケット10は、次のような効果を発揮できる。
【0028】
検査ソケット10が、少なくとも1つの板状のプローブピン20と、ハウジング30と、導通部材40とを備える。プローブピン20は、第1方向の一方に設けられた第1端部21と第1方向の他方に設けられた第2端部22とを有する。ハウジング30は、第1端部21が外部に露出した状態でプローブピン20を内部に収容する。導通部材40は、ハウジング30の第1方向において第1端部21よりも第2端部22に近い部分に設けられ、第2端部22に電気的に接続されている。ハウジング30が、第1方向に交差する第2方向に沿って延びており、プローブピン20が、第2方向が厚さ方向となるようにハウジング30の内部に収容されている。プローブピン20の第1端部21が、第1方向において、第2方向に沿って延びる細長い電極110を含む検査対象物100の電極110に対向し、電極110に交差した状態で接触可能に構成されている。このような構成により、幅の狭い電極110に対して、プローブピン20をより確実に接触させることができるので、接触不良の発生を低減させることができる。その結果、接触信頼性の高い検査ソケット10を実現できる。
【0029】
ポゴピンは、通常、複数の部品で構成されているため、ポゴピンを用いた検査ソケットでは、電流特性が安定しない。また、例えば、ソーラーパネルの機能を検査する場合、検査対象のソーラーパネル全面に光を照射する必要がある。このため、ソーラーパネルに照射する光をなるべく遮らないサイズにするべく、ソーラーパネルの検査に用いる検査用ソケットを小型化または薄型化したいという要望がある。この要望を満たすためには、検査ソケット内に収容されるプローブピンも小型化する必要があるが、プローブピンを小型化すると高電流を流す導通経路が細くなり、導通時にプローブピンが発熱するため、検査ソケットの放熱性を高めたいという要望がある。検査ソケット10では、単一の部品である板状のプローブピン20を用いているため、電流特性を安定させて、検査において測定値を安定化させることができる。また、板状のプローブピン20は、ポゴピンよりも空気に接する面積を大きくすることができるため、検査ソケット10の放熱性を高めて、プローブピン20の抵抗値の上昇を抑えることができる。
【0030】
検査ソケット10は、次に示す複数の構成のいずれか1つまたは複数の構成を任意に採用できる。つまり、次に示す複数の構成のいずれか1つまたは複数の構成は、前述の実施形態に含まれていた場合は任意に削除でき、前述の実施形態に含まれていない場合は任意に付加することができる。このような構成を採用することにより、接触信頼性の高い検査ソケット10をより確実に実現できる。
【0031】
検査ソケット10が、第2方向に沿って間隔を空けて位置する複数のプローブピン20を備える。
【0032】
複数のプローブピン20が、第1プローブピン120と、第2プローブピン220とを含む。導通部材40が、第1プローブピン120と電気的に接触する第1部材41と、第1部材41に対して第3方向に間隔を空けて位置して第1部材41とは電気的に独立していると共に、第2プローブピン220と電気的に接触する第2部材42とを含む。第1部材41が、第2方向に沿って延びる第1本体部43と、第1本体部43から第3方向でかつ第2部材42に接近する方向に延びて、第1プローブピン120の第2端部22に電気的に接触する第1突出部44とを有する。第2部材42が、第2方向に沿って延びる第2本体部45と、第2本体部45から第3方向でかつ第1部材41に接近する方向に延びて、第2プローブピン220の第2端部22に電気的に接触する第2突出部46とを有する。
【0033】
検査装置1は、次のような効果を発揮できる。
【0034】
検査装置1が、検査ソケット10を備える。検査ソケット10により、接触信頼性の高い検査装置1を実現できる。
【0035】
検査装置1は、次に示す複数の構成のいずれか1つまたは複数の構成を任意に採用できる。つまり、次に示す複数の構成のいずれか1つまたは複数の構成は、前述の実施形態に含まれていた場合は任意に削除でき、前述の実施形態に含まれていない場合は任意に付加することができる。このような構成を採用することにより、接触信頼性の高い検査装置1をより確実に実現できる。
【0036】
プローブピン20の第3方向の寸法W1が、電極110の第3方向の寸法W2よりも大きい。
【0037】
検査ソケット10の第3方向の寸法W3が、隣り合う電極110間の距離W4よりも小さい。
【0038】
検査装置1および検査ソケット10は、次のように構成することもできる。
【0039】
検査ソケット10のプローブピン20は、1つであってもよいし、3以上であってもよい。ハウジング30が複数の第1ハウジング31を含み、各第1ハウジング31に複数のプローブピン20が収容された検査ソケット10を図8および図9に示す。図9では、押え部材50を省略している。
【0040】
図8および図9の検査ソケット10では、複数のプローブピン20が、4つの第1プローブピン120と、2つの第2プローブピン220とを含み、第2方向Xに沿って、2つの第1プローブピン120、2つの第2プローブピン220および2つの第1プローブピン120の順に並んで配置されている。図9に示すように、導通部材40は、2つの第1突出部44と、1つの第2突出部46とを有している。第1突出部44および第2突出部46は、第2方向Xに沿って間隔を空けて配置されており、2つの第1突出部44の間に第2突出部46が位置している。図8に示すように、各第1突出部44には、2つの第1プローブピン120が接触し、第2突出部46には、2つの第2プローブピン220が接触している。つまり、第1プローブピン120の数が、第2プローブピン220の数よりも多く、第1突出部44の数が、第2突出部46の数よりも多くなるように、検査ソケット10を構成してもよい。
【0041】
第1プローブピン120および第2プローブピン220は、同じ構成であってもよいし、異なる構成であってもよい。例えば、図10に示すプローブピン20を第1プローブピン120として用い、図6のプローブピン20を第2プローブピン220として用いてもよい。図10のプローブピン20は、第2接触部202が仮想直線L1上に位置しておらず、仮想直線L1に対して第3方向Yに間隔を空けて配置された仮想直線L1に平行な仮想直線L2上に位置している。図10のプローブピン20は、図6のプローブピン20よりも、弾性部203の各部材204における第1部分206および第2部分207の数が少なくなっている。
【0042】
図10に示すプローブピン20を第1プローブピン120として用い、図6のプローブピン20を第2プローブピン220として用いたとする。この場合、例えば、図11に示すように、第2突出部46の形状を第2プローブピン220の第2端部22の位置に合わせて変更してもよい。逆に、図6のプローブピン20を第1プローブピン120として用い、図10のプローブピン20を第2プローブピン220として用いた場合は、例えば、第1突出部44の形状を第1プローブピン120の位置に合わせて変更してもよい。つまり、第1突出部44および第2突出部46の数および形状は、検査ソケット10の設計等に応じて変更できる。図11の検査ソケット10では、4つの第1プローブピン120の第2端部22が、第2方向Xに沿って延びる仮想直線L3上に位置し、2つの第2プローブピン220の第2端部22が、仮想直線L3に対して第3方向Yに間隔を空けて配置された仮想直線L3に平行な仮想直線L4上に位置している。
【0043】
プローブピン20は、板状で、第1端部21および第2端部22を有していればよい。例えば、図12に示すように、プローブピン20の第1端部21が、電極110に接触可能な平面211を有していてもよい。図13に示すように、プローブピン20の第2端部22が、2つの突起221を有していてもよい。図13のプローブピン20は、第3方向Yの両端にそれぞれ位置する2つの第2接触部202を含み、各第2接触部202に1つの突起221が設けられている。
【0044】
ハウジング30は、図14に示すように、内部に収容されたプローブピン10をハウジング10の外部から視認可能な窓部301を有していてもよい。窓部301を設けることにより、第1ハウジング31を第2ハウジング32から取り外さなくても、収容されているプローブピン20の状態を確認できると共に、検査ソケット10の放熱性を高めることができる。
【0045】
導通部材40は、シートに限らず、例えば、基板(以下、第3部材48という。)であってもよい。第3部材48は、例えば、図15および図16に示すように、電極パターンが形成された第1方向Zに交差する一対の面481、482を有している。第3部材48の面481は、ハウジング30に対向する面であり、第3部材48の面482は、押え部材50に対向する面である。電極パターンは、第1プローブピン120に電気的に接続される第1電極パターン483と、第2プローブピン220に電気的に接続される第2電極パターン484とを含む。
【0046】
以上、図面を参照して本開示における種々の実施形態を詳細に説明したが、最後に、本開示の種々の態様について説明する。なお、以下の説明では、一例として、参照符号も添えて記載する。
【0047】
本開示の第1態様の検査ソケット10は、
第1方向の一方に設けられた第1端部21と、前記第1方向の他方に設けられた第2端部22とを有する少なくとも1つの板状のプローブピン20と、
前記第1端部21が外部に露出した状態で前記プローブピン20を内部に収容するハウジング30と、
前記ハウジング30の前記第1方向において前記第1端部21よりも前記第2端部22に近い部分に設けられ、前記第2端部22に電気的に接続された導通部材40と
を備え、
前記ハウジング30が、前記第2方向に沿って延びており、
前記プローブピン20が、前記第1方向に交差する第2方向が厚さ方向となるように前記ハウジング30の内部に収容され、
前記プローブピン20の前記第1端部21が、前記第1方向において、前記第2方向に沿って延びる細長い電極を含む検査対象物の前記電極に対向し、前記電極に交差した状態で接触可能に構成されている。
【0048】
本開示の第2態様の検査ソケット10は、第1態様の検査ソケット10において、
前記第2方向に沿って間隔を空けて位置する複数の前記プローブピン20を備える。
【0049】
本開示の第3態様の検査ソケット10は、第2態様の検査ソケット10において、
複数の前記プローブピン20が、第1プローブピン120と、前記第1プローブピン120とは異なる第2プローブピン220とを含む。
【0050】
本開示の第4態様の検査ソケット10は、第2態様の検査ソケット10において、
複数の前記プローブピン20が、第1プローブピン120と、第2プローブピン220とを含み、
前記導通部材40が、
前記第1プローブピン120と電気的に接触する第1部材41と、
前記第1部材41に対して前記第1方向および前記第2方向に交差する第3方向に間隔を空けて位置して前記第1部材41とは電気的に独立していると共に、前記第2プローブピン220と電気的に接触する第2部材42と
を含み、
前記第1部材41が、
前記第2方向に沿って延びる第1本体部43と、
前記第1本体部43から前記第3方向でかつ前記第2部材42に接近する方向に延びて、前記第1プローブピン120の前記第2端部22に電気的に接触する第1突出部44と
を有し、
前記第2部材42が、
前記第2方向に沿って延びる第2本体部45と、
前記第2本体部45から前記第3方向でかつ前記第1部材41に接近する方向に延びて、前記第2プローブピン220の前記第2端部22に電気的に接触する第2突出部46と
を有する。
【0051】
本開示の第5態様の検査ソケット10は、第3態様または第4態様の検査ソケット10において、
前記第1プローブピン120の数が、前記第2プローブピン220の数よりも多く、
前記第1突出部44の数が、前記第2突出部46の数よりも多い。
【0052】
本開示の第6態様の検査ソケット10は、第1態様~第5態様のいずれかの検査ソケット10において、
前記ハウジング30が、内部に収容された前記プローブピン20を外部から視認可能な窓部301を有している。
【0053】
本開示の第7態様の検査装置1は、
少なくとも1つの第1態様~第6態様のいずれかの検査ソケット10を備える。
【0054】
本開示の第8態様の検査装置1は、第7態様の検査装置1において、
前記プローブピン20の前記第1方向および前記第2方向に交差する第3方向の寸法が、前記電極の前記第3方向の寸法よりも大きい。
【0055】
本開示の第9態様の検査装置1は、第7態様または第8態様の検査装置1において、
前記プローブピン20の前記第1端部21が、前記電極に接触可能な平面211を有している。
【0056】
本開示の第10態様の検査装置1は、第7態様~第9態様のいずれかの検査装置1において、
前記検査対象物が、前記第1方向および前記第2方向に交差する第3方向に間隔を空けて配置された複数の前記電極を含み、
前記検査ソケット10の前記第3方向の寸法が、隣り合う電極間の距離よりも小さい。
【0057】
前述の様々な実施形態または変形例のうちの任意の実施形態または変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。また、実施形態同士の組み合わせまたは実施例同士の組み合わせまたは実施形態と実施例との組み合わせが可能であると共に、異なる実施形態または実施例の中の特徴同士の組み合わせも可能である。
【0058】
本開示は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本開示の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本開示の検査ソケットは、例えば、ソーラーパネルの検査に用いる検査装置に適用できる。
【0060】
本開示の検査装置は、例えば、ソーラーパネルの検査装置として適用できる。
【符号の説明】
【0061】
1 検査装置
10 検査ソケット
10 プローブピン
21 第1端部
22 第2端部
30 ハウジング
31 第1ハウジング
32 第2ハウジング
33 第1収容部
34 第2収容部
35 穴部
36 ベース部材
40 導通部材
41 第1部材
42 第2部材
43 第1本体部
44 第1突出部
45 第2本体部
46 第2突出部
47 接続部
48 第3部材
50 押え部材
60 締結部材
61 位置決めピン
70 端子
100 検査対象物
110 電極
120 第1プローブピン
201 第1接触部
202 第2接触部
203 弾性部
204 部材
205 隙間
206 第1部分
207 第2部分
208 側面
211 平面
220 第2プローブピン
221 突起
301 窓部
321 底面
322 上面
341、342 開口部
481、482 面
483 第1電極パターン
484 第2電極パターン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16