(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024005779
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 13/12 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
G09F13/12
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022106147
(22)【出願日】2022-06-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-12-11
(71)【出願人】
【識別番号】522264032
【氏名又は名称】株式会社タイペックス
(74)【代理人】
【識別番号】100133411
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 龍郎
(74)【代理人】
【識別番号】100067677
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 彰司
(72)【発明者】
【氏名】笠原 圭子
【テーマコード(参考)】
5C096
【Fターム(参考)】
5C096AA12
5C096AA27
5C096BA01
5C096BA03
5C096CB01
5C096FA01
(57)【要約】
【課題】昼間と夜間とで別の内容の表示が可能であり、コストも抑制でき、故障の心配もなく、表示内容の変更も容易な表示装置を提供する。
【解決手段】透明プレート2と、該透明プレート2の前面に配設されるシースルーフィルム3と、前記透明プレート2の後面に配設される光透過フィルム4と、前記透明プレート2の背後から前記光透過フィルム4に光を当てる光源5と、を備え、前記シースルーフィルム3はメッシュ状であり且つ後面が暗色であり、前記シースルーフィルム3の前面が第一の表示面6とされ、前記光透過フィルム4の前面又は後面が第二の表示面7とされる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明プレートと、該透明プレートの前面に配設されるシースルーフィルムと、前記透明プレートの後面に配設される光透過フィルムと、前記透明プレートの背後から前記光透過フィルムに光を当てる光源と、を備え、前記シースルーフィルムはメッシュ状であり且つ後面が暗色であり、前記シースルーフィルムの前面が第一の表示面とされ、前記光透過フィルムの前面又は後面が第二の表示面とされる、表示装置。
【請求項2】
前記シースルーフィルムと前記光透過フィルムの少なくともいずれかが交換可能とされている、請求項1に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告用として用いて好適な表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
広告用の一般的な電飾看板は、半透明(乳白色)のアクリル板の前面に光透過フィルムが配設され、アクリル板の背後に光源が配設された構成である。光透過フィルムには広告のための表示が印刷される。この電飾看板は、昼間は内部の光源に関係なく、太陽光によって光透過フィルム上の広告表示が前方から視認される。一方、薄暮時や夜間には光源が点灯され、アクリル板の背後から照射される光源の光で光透過フィルム上の広告表示が前方から視認される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、前記従来の電飾看板は、昼間も夜間も同一の広告が表示されるものであるため、多種多様な広告への対応性が悪いほか、広告に接した看者の関心を引く誘引性に欠ける等の問題がある。そこで、昼間と夜間とで別の内容の広告が表示できれば好適である。
【0004】
そのような表示を可能にする方法として、LEDビジョン(表示面が動く看板)の利用が考えられるが、その場合、コスト高となることが避けられない。そこで、さらに、コストを抑制でき、故障しにくく、広告内容の交換も容易な解決手段が求められる。
【0005】
本発明は、前記のような事情に鑑みてなされたもので、昼間と夜間とで別の内容の表示が可能であり、コストも抑制でき、故障の心配もなく、表示内容の変更も容易な表示装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明に係る表示装置は、透明プレートと、該透明プレートの前面に配設されるシースルーフィルムと、前記透明プレートの後面に配設される光透過フィルムと、前記透明プレートの背後から前記光透過フィルムに光を当てる光源と、を備え、前記シースルーフィルムはメッシュ状であり且つ後面が暗色であり、前記シースルーフィルムの前面が第一の表示面とされ、前記光透過フィルムの前面又は後面が第二の表示面とされることを特徴とする。
【0007】
本発明の表示装置によれば、第一の表示面と第二の表示面に互いに異なる表示をしておくことで、昼間と夜間とで異なる表示が視認できる。このため、多種多様な表示への対応性と表示の誘引性の向上に貢献できる。
【0008】
すなわち、昼間は、太陽光によって、シースルーフィルムの第一の表示面上の表示が前方から視認される。シースルーフィルムの後面は暗色であるため、シースルーフィルムの背後に位置する光透過フィルムの第二の表示面上の表示が昼間に視認されてしまうことはない。一方、夜間には光源が点灯され、透明プレートの背後から照射される光源の光で、光透過フィルムの第二の表示面上の表示のみが前方から視認される。
【0009】
夜間に光透過フィルムの第二の表示面上の表示のみが視認される理由は、次の通りである。夜間には太陽光がないため、シースルーフィルムの第一の表示面上の表示は視認されない。一方、夜間の光源の光は、光透過フィルムと透明プレートとを透過し、さらに、メッシュ状のシースルーフィルムを通過する。これにより、光透過フィルムの第二の表示面上の表示が前方から視認される。シースルーフィルムの後面は暗色であるため、夜間の光源の光によってシースルーフィルムの第一の表示面上の表示が前方から視認されてしまうことはない。
【0010】
本発明の表示装置は、シースルーフィルムと光透過フィルムという二種のフィルムのそれぞれを広告等の表示面(第一の表示面、第二の表示面)とし、光学的特性に基づいて昼間と夜間とでそれぞれ別の広告等の表示が視認されるようにしたものであり、複雑・高価な機械的・電気的構成を必要としない。このため故障の心配がなく、ローコストで大きな表示効果が得られる。
【0011】
実施の一形態として、前記シースルーフィルムと前記光透過フィルムの少なくともいずれかが交換可能とされる態様としてもよい(請求項2)。この場合、シースルーフィルムと光透過フィルムの少なくともいずれかを別の表示が施されたものに交換するだけで表示内容が変更できるので、表示内容の変更が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施の一形態に係る表示装置の縦断側面図である。
【
図2】
図1中のシースルーフィルムの後面(裏面)の一部の拡大図である。
【
図3】
図1の表示装置の夜間の状態を示す縦断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0014】
図1に示すように、本発明の実施の一形態に係る表示装置1は、透明プレート2と、この透明プレート2の前面に配設されるシースルーフィルム3と、透明プレート2の後面に配設される光透過フィルム4と、透明プレート2の背後から光透過フィルム4に光を当てる光源5と、を備える。シースルーフィルム3はメッシュ状であり且つ後面が暗色である。そして、シースルーフィルム3の前面が第一の表示面6とされ、光透過フィルム4の前面又は後面が第二の表示面7とされる。第一の表示面6と第二の表示面7には、互いに異なる広告等の表示8,9が施される。
【0015】
以下、表示装置1の各構成要素について詳述する。本明細書において、「前」と「後」は、
図1に示した方向性によるものとする。
【0016】
透明プレート2は、透明なプラスチック又はガラスのプレートである。透明プレート2は、起立状態でシースルーフィルム3と光透過フィルム4とを共に支持するためのものである。透明プレート2は、表示装置1を構成する筐体10の前部開口を閉じるように、筐体10に固定される。
【0017】
シースルーフィルム3は、透明プレート2の前面に接着等の適宜の方法で固着される。シースルーフィルム3はメッシュ状のプラスチック製フィルムである。すなわち、
図2に拡大して示すように、シースルーフィルム3には無数の微小な孔11が開いている。シースルーフィルム3の一方の面は暗色であり、この暗色の面(
図1において後面)が透明プレート2の前面に固着される。暗色の代表例は黒であるが、黒色には限定されず、暗紫色や暗藍色等、後述する作用効果が奏される暗色であればよい。暗色の中でも特に、濃暗色が好ましい。
【0018】
一方、シースルーフィルム3の他方の面(
図1において前面)は第一の表示面6であり、この第一の表示面6に広告等のための第一の表示8が印刷等によって施される。シースルーフィルム3は、第一の表示面6に広告等の第一の表示8が施された状態で、暗色の面が透明プレート2の前面に固着される。固着の方法は、透明プレート2からシースルーフィルム3が容易に剥離できる態様とするのが好ましい。シースルーフィルム3を交換可能とすることで、広告等の表示の内容を容易に変更できるからである。
【0019】
光透過フィルム4は、透明プレート2の後面に接着等の適宜の方法で固着される。光透過フィルム4はプラスチック製フィルムである。光透過フィルム4の表面と裏面のいずれか一方が第二の表示面7であり、この第二の表示面7に広告等のための第二の表示9が印刷等によって施される。光透過性フィルム4は、第二の表示面7に広告等の第二の表示9が施された状態で、透明プレート2の後面に固着される。固着の方法は、透明プレート2から光透過フィルム4が容易に剥離できる態様とするのが好ましい。光透過フィルム4を交換可能とすることで、広告等の表示の内容を容易に変更できるからである。光透過フィルム4に施される第二の表示9は、シースルーフィルム3の前面に施される第一の表示8とは異なる表示とされる。
【0020】
図1の例では、光透過フィルム4を透明プレート2に固着した状態において、光透過フィルム4の後面が第二の表示面7とされ、この第二の表示面7に広告等の第二の表示9が印刷されている。このため、
図1の例では、第二の表示9を第二の表示面7に左右反転状態で表示しておく必要がある。これにより、表示装置1の前方から観察した際に、第二の表示面7上の第二の表示9が正しい向きの表示として視認される。光透過フィルム4を透明プレート2に固着した状態において、
図1の例とは逆に、光透過フィルム4の前面が第二の表示面7とされる場合には、広告等を左右反転状態にしておく必要はない。
【0021】
光源5は、筐体10内に配設され、透明プレート2の背後から光透過フィルム4に光を当てる。光源5は、夜間にのみ光を発すればよい。夜間のみの発光は、人為的なオンオフ操作で行っても良いし、明暗を検知するセンサやタイマー等の適宜の検出器を用いて自動制御で行っても良い。
【0022】
以上のように構成される本実施の一形態の表示装置1によれば、第一の表示面6と第二の表示面7に互いに異なる表示をしておくことで、昼間と夜間とで異なる表示8,9が視認できる。このため、多種多様な表示への対応性と表示の誘引性の向上に貢献できる。
【0023】
すなわち、
図1に示すように、昼間は、太陽光によって、シースルーフィルム3の前面(第一の表示面)6上の第一の表示8が前方から視認される。シースルーフィルム3の後面は暗色であるため、シースルーフィルム3の背後に位置する光透過フィルム4の第二の表示9が昼間に視認されてしまうことはない。一方、
図3に示すように、夜間には光源5が点灯され、透明プレート2の背後から照射される光源5の光で、光透過フィルム4の第二の表示9のみが前方から視認される。
【0024】
夜間に光透過フィルム4の第二の表示9のみが視認される理由は、次の通りである。夜間には太陽光がないため、シースルーフィルム3の第一の表示8は視認されない。一方、夜間の光源5の光は、光透過フィルム4と透明プレート2とを透過し、さらに、メッシュ状のシースルーフィルム3を通過する。これにより、光透過フィルム4の第二の表示9が前方から視認される。シースルーフィルム3の後面は暗色であるため、夜間の光源5の光によってシースルーフィルム3の第一の表示8が前方から視認されてしまうことはない。
【0025】
本実施の一形態の表示装置1は、シースルーフィルム3と光透過フィルム4という二種のフィルムのそれぞれを広告等の表示面(第一の表示面6、第二の表示面7)とし、光学的特性に基づいて昼間と夜間とでそれぞれ別の広告等表示が視認されるようにしたものであり、複雑・高価な機械的・電気的構成を必要としない。このため故障の心配がなく、ローコストで大きな表示効果が得られる利点がある。
【0026】
また、シースルーフィルム3と光透過フィルム4の少なくともいずれか(好ましくは双方)を交換可能とすることにより、シースルーフィルム3と光透過フィルム4の少なくともいずれか(好ましくは双方)を別の表示が施されたものに交換するだけで、表示内容が変更できる。このため、表示内容の変更が容易となる。
【0027】
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。また、上述の実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して適宜に組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0028】
2 透明プレート
3 シースルーフィルム
4 光透過フィルム
5 光源
6 第一の表示面
7 第二の表示面
8 第一の表示
9 第二の表示
【手続補正書】
【提出日】2023-04-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
透明プレートと、該透明プレートの前面に配設されるシースルーフィルムと、光透過フィルムと、該光透過フィルムに光を当てる光源と、を備え、前記シースルーフィルムはメッシュ状であり且つ後面が暗色であり、前記シースルーフィルムの前面が第一の表示面とされ、前記光透過フィルムの前面又は後面が第二の表示面とされ、前記光透過フィルムは前記透明プレートの後面に固着されており、前記光源は前記透明プレートの背後から前記光透過フィルムに光を当てるものである、表示装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明に係る表示装置は、透明プレートと、該透明プレートの前面に配設されるシースルーフィルムと、光透過フィルムと、該光透過フィルムに光を当てる光源と、を備え、前記シースルーフィルムはメッシュ状であり且つ後面が暗色であり、前記シースルーフィルムの前面が第一の表示面とされ、前記光透過フィルムの前面又は後面が第二の表示面とされ、前記光透過フィルムは前記透明プレートの後面に固着されており、前記光源は前記透明プレートの背後から前記光透過フィルムに光を当てるものであることを特徴とする。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明プレート(半透明のものを除く)と、該透明プレートの前面に配設されるシースルーフィルムと、光透過フィルムと、該光透過フィルムに光を当てる光源と、を備え、前記シースルーフィルムはメッシュ状であり且つ後面が暗色であり、前記シースルーフィルムの前面が第一の表示面とされ、前記光透過フィルムの前面又は後面が第二の表示面とされ、前記光透過フィルムは前記透明プレートの後面に固着されており、前記光源は前記透明プレートの背後から前記光透過フィルムに光を当てるものであり、昼間は太陽光によって前記第一の表示面上の表示のみが前方から視認可能である一方、夜間には光源が点灯されて前記第二の表示面上の表示のみが前方から視認可能である、表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置において、夜間にのみ前記光源を点灯させる、表示装置の使用方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明に係る表示装置は、透明プレート(半透明のものを除く)と、該透明プレートの前面に配設されるシースルーフィルムと、光透過フィルムと、該光透過フィルムに光を当てる光源と、を備え、前記シースルーフィルムはメッシュ状であり且つ後面が暗色であり、前記シースルーフィルムの前面が第一の表示面とされ、前記光透過フィルムの前面又は後面が第二の表示面とされ、前記光透過フィルムは前記透明プレートの後面に固着されており、前記光源は前記透明プレートの背後から前記光透過フィルムに光を当てるものであり、昼間は太陽光によって前記第一の表示面上の表示のみが前方から視認可能である一方、夜間には前記光源が点灯されて前記第二の表示面上の表示のみが前方から視認可能であることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
実施の一形態として、前記表示装置において、夜間にのみ前記光源を点灯させる、表示装置の使用方法としてもよい(請求項2)。