(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057812
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】物品管理システム、物品管理サーバ、プログラム、および物品管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/087 20230101AFI20240418BHJP
B65G 1/137 20060101ALI20240418BHJP
G16Y 40/10 20200101ALI20240418BHJP
G16Y 40/30 20200101ALI20240418BHJP
G16Y 20/10 20200101ALI20240418BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20240418BHJP
【FI】
G06Q10/08 330
B65G1/137 A
G16Y40/10
G16Y40/30
G16Y20/10
G16Y20/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022164728
(22)【出願日】2022-10-13
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年4月19日~同年4月21日に、出願人の取引先を対象とした内覧会にて展示
(71)【出願人】
【識別番号】000134707
【氏名又は名称】株式会社ナカヨ
(74)【代理人】
【識別番号】100104570
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 光弘
(72)【発明者】
【氏名】小倉 陽介
(72)【発明者】
【氏名】檜山 薫
(72)【発明者】
【氏名】夏海 剛
(72)【発明者】
【氏名】窪田 雅幸
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 泰弘
【テーマコード(参考)】
3F522
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
3F522BB01
3F522EE19
3F522FF37
3F522GG22
3F522GG23
3F522GG25
3F522LL36
5L010AA16
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】より低コストで利便性の高い物品管理技術を提供する。
【解決手段】管理票2には、この管理票2が貼り付けられた棚卸対象物品7の管理番号が記載されている。撮影端末4は、カメラ機能により管理票2を撮影して、その画像情報を撮影日時および現在位置測定機能により得られた位置情報とともに棚卸管理サーバ1に送信する。管理端末3は、棚卸対象物品7各々の管理番号が記載された棚卸対象リストを棚卸管理サーバ1に送信する。棚卸管理サーバ1は、管理端末3から受信した棚卸対象リストに基づいて棚卸管理リストを作成する。また、画像解析サーバ5と連携して、撮影端末4から受信した画像情報から管理番号を認識し、この管理番号が棚卸管理リストに記載されているならば、この画像情報とともに撮影端末4から受信した撮影日時、位置情報を含む管理情報を、この管理番号に紐付けて棚卸管理リストに登録する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を管理する物品管理システムであって、
前記物品に貼り付けられた管理票と、カメラ機能および現在位置測定機能を有する撮影端末と、管理端末と、物品管理サーバと、を備え、
前記管理票には、当該管理票が貼り付けられた前記物品の管理番号が記載されており、
前記撮影端末は、
前記物品に貼り付けられた前記管理票を前記カメラ機能により撮影して、その画像情報を、撮影日時および前記現在位置測定機能により得られた位置情報とともに前記物品管理サーバに送信する撮影画像送信手段を有し、
前記管理端末は、
前記物品各々の管理番号が記載された対象物品リストを前記物品管理サーバに送信する対象物品リスト送信手段を有し、
前記物品管理サーバは、
前記管理端末から受信した前記対象物品リストに基づいて、前記物品毎に、前記管理番号に紐付けて管理情報を管理するための物品管理リストを作成する物品管理リスト作成手段と、
画像解析サーバと連携して、あるいは自身が備える画像解析機能を利用して、前記撮影端末から受信した画像情報に画像解析処理を実施して当該画像情報から前記管理番号を認識する管理番号認識手段と、
前記管理番号認識手段により前記画像情報から認識された管理番号が、前記物品管理リスト作成手段により作成された物品管理リストに含まれている場合に、当該画像情報とともに前記撮影端末から受信した撮影日時、位置情報を、当該管理番号に紐付けて当該物品管理リストに登録された管理情報に登録する物品管理リスト更新手段と、を有する
ことを特徴とする物品管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の物品管理システムであって、
前記物品管理サーバは、
前記撮影端末から受信した画像情報を記憶する画像情報記憶手段をさらに有し、
前記物品管理リスト更新手段は、
前記管理番号認識手段により画像情報から認識された管理番号が、前記物品管理リスト作成手段により作成された物品管理リストに含まれている場合に、当該管理番号に紐付けて当該物品管理リストに登録された管理情報に、前記画像情報記憶手段による当該画像情報の保存先を含める
ことを特徴とする物品管理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の物品管理システムであって、
前記撮影端末は、
前記物品管理サーバとの通信状態を監視する通信状態監視手段をさらに有し、
前記撮影画像送信手段は、
前記通信状態監視手段による監視結果が前記物品管理サーバと通信可能であることを示している場合に、前記画像情報を撮影日時および位置情報とともに前記物品管理サーバに送信する
ことを特徴とする物品管理システム。
【請求項4】
請求項2に記載の物品管理システムであって、
前記撮影端末は、
前記物品管理サーバとの通信状態を監視する通信状態監視手段をさらに有し、
前記撮影画像送信手段は、
前記通信状態監視手段による監視結果が前記物品管理サーバと通信可能であることを示している場合に、前記画像情報を撮影日時および位置情報とともに前記物品管理サーバに送信する
ことを特徴とする物品管理システム。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか一項に記載の物品管理システムであって、
前記物品管理サーバは、
前記物品管理リスト更新手段により更新された物品管理リストを前記管理端末に送信する物品管理リスト送信手段をさらに有する
ことを特徴とする物品管理システム。
【請求項6】
物品を管理する物品管理サーバであって、
管理端末から受信した、前記物品各々の管理番号が記載された対象物品リストに基づいて、前記物品毎に、前記管理番号に紐付けて管理情報を管理するための物品管理リストを作成する物品管理リスト作成手段と、
画像解析サーバと連携して、あるいは自身が備える画像解析機能を利用して、撮影端末から受信した、前記物品に貼り付けられ、当該物品の管理番号が記載された管理票の画像情報に画像解析処理を実施して、当該画像情報から前記管理番号を認識する管理番号認識手段と、
前記管理番号認識手段により前記画像情報から認識された管理番号が前記物品管理リスト作成手段により作成された物品管理リストに含まれている場合に、当該画像情報とともに前記撮影端末から受信した撮影日時、位置情報を、当該管理番号に紐付けて当該物品管理リストに登録された管理情報に登録する物品管理リスト更新手段と、を有する
ことを特徴とする物品管理サーバ。
【請求項7】
物品を管理する物品管理サーバとしてコンピュータを機能させるプログラムであって、
管理端末から受信した、前記物品各々の管理番号が記載された対象物品リストに基づいて、前記物品毎に、前記管理番号に紐付けて管理情報を管理するための物品管理リストを作成する物品管理リスト作成手段、
画像解析サーバと連携して、あるいは自身が備える画像解析機能を利用して、撮影端末から受信した、前記物品に貼り付けられ、当該物品の管理番号が記載された管理票の画像情報に画像解析処理を実施して、当該画像情報から前記管理番号を認識する管理番号認識手段、および
前記管理番号認識手段により前記画像情報から認識された管理番号が前記物品管理リスト作成手段により作成された物品管理リストに含まれている場合に、当該画像情報とともに前記撮影端末から受信した撮影日時、位置情報を、当該管理番号に紐付けて当該物品管理リストに登録された管理情報に登録する物品管理リスト更新手段として、コンピュータを機能させる
ことを特徴とするプログラム。
【請求項8】
物品に貼り付けられた管理票と、カメラ機能および現在位置測定機能を有する撮影端末と、管理端末と、物品管理サーバと、を備えた物品管理システムによる物品管理方法であって、
前記管理票には、当該管理票が貼り付けられた前記物品の管理番号が記載されており、
前記撮影端末は、
前記物品に貼り付けられた前記管理票を前記カメラ機能により撮影して、その画像情報を撮影日時および前記現在位置測定機能により得られた位置情報とともに前記物品管理サーバに送信し、
前記管理端末は、
前記物品各々の管理番号が記載された対象物品リストを前記物品管理サーバに送信し、
前記物品管理サーバは、
前記管理端末から受信した前記対象物品リストに基づいて、前記物品毎に、前記管理番号に紐付けて管理情報を管理するための物品管理リストを作成し、
画像解析サーバと連携して、あるいは自身が備える画像解析機能を利用して、前記撮影端末から受信した画像情報に画像解析処理を実施して、当該画像情報から前記管理番号を認識し、
前記画像情報から認識された管理番号が前記物品管理リストに含まれている場合に、当該画像情報とともに前記撮影端末から受信した撮影日時、位置情報を、当該管理番号に紐付けて当該物品管理リストに登録された管理情報に登録する
ことを特徴とする物品管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の所在地等を管理するための物品管理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、RFID(Radio Frequency Identification)タグを用いた物品管理システムが開示されている。
【0003】
この物品管理システムは、管理対象物品に貼り付けられたRFIDタグと、RFIDタグリーダライタ機能およびGPS(Global Positioning System)等の現在位置測定機能を備えた携帯電話機等の照合端末と、物品管理サーバと、を備えて構成される。RFIDタグには、管理対象物品の管理番号(物品ID)および位置情報が記憶されている。照合端末は、管理対象物品に貼り付けられたRFIDタグから管理番号および位置情報を読み取って、管理対象物品の位置情報を自端末の位置情報と比較する。そして、両者が不一致の場合、自端末に予め登録されている対象物品リストデータに管理対象物品の管理番号が掲載されているならば、RFIDタグに記憶されている位置情報を自端末の位置情報に更新し、掲載されていないならば、管理対象物品の管理番号を伴う情報要求を物品管理サーバに送信して、物品管理サーバから管理対象物品の詳細情報を取得する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の物品管理システムでは、管理対象物品の一つ一つにRFIDタグを貼り付ける必要がある。また、RFIDタグを読み書きするために、RFIDタグリーダライタ機能を備えた携帯電話機等の特殊な携帯端末が必要となる。このため、コストが嵩む。さらに、RFIDタグのみでは、このRFIDタグに記憶されている管理番号を目視できず不便である。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、より低コストで利便性の高い物品管理技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の物品管理システムでは、物品に貼り付けられた管理票と、カメラ機能およびGPS等の現在位置測定機能を備えたスマートホン、タブレットPC(Personal Computer)等の撮影端末と、管理端末と、物品管理サーバと、を備えて構成される。管理票には、この管理票が貼り付けられた物品の管理番号が記載されている。撮影端末は、物品に貼り付けられた管理票をカメラ機能により撮影して、その画像情報を撮影日時および現在位置測定機能により得られた位置情報とともに物品管理サーバに送信する。管理端末は、物品各々の管理番号が記載された対象物品リストを物品管理サーバに送信する。物品管理サーバは、管理端末から受信した対象物品リストに基づいて、物品毎に、管理番号に紐付けて管理情報を管理するための物品管理リストを作成する。また、物品管理サーバは、画像解析サーバと連携して、あるいは自身が備える画像解析機能を利用して、撮影端末から受信した画像情報に画像解析処理を実施してこの画像情報から管理番号を認識する。そして、認識した管理番号が物品管理リストに記載されているならば、この画像情報とともに撮影端末から受信した撮影日時、位置情報を、この管理番号に紐付けて物品管理リストに登録された管理情報に登録する。
【0008】
例えば、本発明は、物品を管理する物品管理システムであって、
前記物品に貼り付けられた管理票と、カメラ機能および現在位置測定機能を有する撮影端末と、管理端末と、物品管理サーバと、を備え、
前記管理票には、当該管理票が貼り付けられた前記物品の管理番号が記載されており、
前記撮影端末は、
前記物品に貼り付けられた前記管理票を前記カメラ機能により撮影して、その画像情報を、撮影日時および前記現在位置測定機能により得られた位置情報とともに前記物品管理サーバに送信する撮影画像送信手段を有し、
前記管理端末は、
前記物品各々の管理番号が記載された対象物品リストを前記物品管理サーバに送信する対象物品リスト送信手段を有し、
前記物品管理サーバは、
前記管理端末から受信した前記対象物品リストに基づいて、前記物品毎に、前記管理番号に紐付けて管理情報を管理するための物品管理リストを作成する物品管理リスト作成手段と、
画像解析サーバと連携して、あるいは自身が備える画像解析機能を利用して、前記撮影端末から受信した画像情報に画像解析処理を実施して当該画像情報から前記管理番号を認識する管理番号認識手段と、
前記管理番号認識手段により前記画像情報から認識された管理番号が、前記物品管理リスト作成手段により作成された物品管理リストに含まれている場合に、当該画像情報とともに前記撮影端末から受信した撮影日時、位置情報を、当該管理番号に紐付けて当該物品管理リストに登録された管理情報に登録する物品管理リスト更新手段と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、管理番号が記載された管理票を物品に貼り付けるので、物品にRFIDタグを貼り付ける場合に比べてコストを抑制することができる。また、RFIDタグを使用しないので、RFIDタグリーダライタ機能を備えた特殊な携帯端末を必要とせず、カメラ機能およびGPS等の現在位置測定機能を備えたスマートホン、タブレットPC等の一般的な携帯端末を撮影端末として使用することができる。さらに、管理番号が記載された管理票を用いるので、物品の管理番号を目視で確認することができる。このように、本発明によれば、より低コストで利便性の高い物品管理技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の一実施の形態に係る棚卸管理システムの概略構成図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施の形態に係る棚卸管理システムの動作例を示すシーケンス図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施の形態に係る棚卸管理システムの動作例を示すシーケンス図であり、
図2の続きである。
【
図4】
図4は、棚卸管理サーバ1の概略機能構成図である。
【
図5】
図5は、画像情報記憶部101の登録内容例を模式的に表した図である。
【
図6】
図6は、棚卸管理リスト記憶部102の登録内容例を模式的に表した図である。
【
図7】
図7は、棚卸管理サーバ1の動作を説明するためのフロー図である。
【
図8】
図8は、棚卸管理サーバ1の動作を説明するためのフロー図であり、
図7の続きである。
【
図9】
図9は、管理端末3の概略機能構成図である。
【
図10】
図10は、管理端末3の動作を説明するためのブロー図である。
【
図12】
図12は、撮影端末4の動作を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の一実施の形態について説明する。
【0012】
図1は、本実施の形態に係る棚卸管理システムの概略構成図である。
【0013】
図示するように、本実施の形態に係る棚卸管理システムは、複数の棚卸対象物品7-1~7-n(以下、単に棚卸対象物品7とも呼ぶ)のそれぞれに貼り付けられた複数の管理票2-1~2-n(以下、単に管理票2とも呼ぶ)と、カメラ機能およびGPS等の現在位置測定機能を有するスマートホン等の撮影端末4と、管理端末3と、棚卸対象物品7の物品名、位置情報等を管理する棚卸管理サーバ1と、を備えて構成される。
【0014】
管理票2には、これが貼り付けられている棚卸対象物品7の識別情報である管理番号が印刷されている。棚卸管理サーバ1は、LAN(Local Area Network)91、ゲートウェイ92、およびWAN(Wide Area Network)90を介して画像解析サーバ5および地図提供サーバ6に接続されている。管理端末3は、LAN91を介して棚卸管理サーバ1に接続されている。そして、撮影端末4は、アクセスポイント93およびLAN91を介して棚卸管理サーバ1に接続されている。
【0015】
図2および
図3は、本実施の形態に係る棚卸管理システムの動作例を示すシーケンス図である。
【0016】
まず、管理端末3は、棚卸対象物品7の指定(本実施形態では、棚卸対象物品7毎に管理番号および物品名の指定)を伴う棚卸対象指定操作をユーザから受け付けると(S100)、この棚卸対象指定操作で受け付けた棚卸対象物品各々の管理番号および物品名が記述された棚卸対象リストを作成し、この棚卸対象リストを棚卸管理サーバ1に送信する(S101)。
【0017】
棚卸管理サーバ1は、管理端末3から棚卸対象リストを受信すると、この棚卸対象リストに基づいて、棚卸対象物品7毎に、物品名を含む管理情報を管理番号に紐付けて管理するための棚卸管理リストを作成して保存する(S102)。
【0018】
また、撮影端末4は、棚卸対象物品7に貼り付けられた管理票2を被写体とする撮影操作をユーザから受け付けると(S103)、カメラ機能によりこの管理票2を撮影する(S104)。そして、撮影した管理票2の画像情報を、撮影日時および現在位置測定機能により得られた位置情報とともに棚卸管理サーバ1に送信する(S105)。これを受けて、棚卸管理サーバ1は、画像情報をその撮影日時および位置情報とともに保存する(S106)。このS103~S106の処理は、撮影端末4が、棚卸対象物品7に貼り付けられた管理票2を被写体とする撮影操作をユーザから受け付ける度に実施される。
【0019】
つぎに、管理端末3は、ユーザから照合依頼操作を受け付けると(S107)、棚卸管理サーバ1に照合要求を送信する(S108)。これを受けて、棚卸管理サーバ1は、保存している管理票2の画像情報のなかから未照合の画像情報を照合対象画像情報として特定し(S109)、照合対象画像情報を伴う画像解析要求を画像解析サーバ5に送信する(S110)。
【0020】
画像解析サーバ5は、棚卸管理サーバ1から画像解析要求を受信すると、この画像解析要求に付加されている照合対象画像情報に対して画像解析処理(文字認識処理)を実施して、この照合対象画像情報により特定される管理票2に印刷されている管理番号を認識する(S111)。そして、認識した管理番号を棚卸管理サーバ1に送信する(S112)。
【0021】
つぎに、棚卸管理サーバ1は、画像解析サーバ5から管理番号を受信すると、この管理番号を棚卸管理リストと照合して、この管理番号が棚卸管理リストに掲載されているか否かを判断する(S113)。ここでは、画像解析サーバ5から受信した管理番号が棚卸管理リストに掲載されているものとする。この場合、棚卸管理サーバ1は、保存されている照合対象画像情報に撮影日時とともに付加されている位置情報を伴う地図情報要求を地図提供サーバ6に送信する(S114)。
【0022】
地図提供サーバ6は、棚卸管理サーバ1から地図情報要求を受信すると、この地図情報要求に付加されている位置情報により特定される地点を含む地図情報を検索する(S115)。そして、検索した地図情報へのアクセス先(URL:Uniform Resource Locator)を棚卸管理サーバ1に送信する(S116)。
【0023】
つぎに、棚卸管理サーバ1は、画像解析サーバ5から受信した管理番号に紐付けられて棚卸管理リストに登録されている管理情報に、照合対象画像情報とともに保存されている撮影日時および位置情報と、照合対象画像情報の保存先と、地図提供サーバ6から受信した地図情報へのアクセス先と、を追加して、棚卸管理リストを更新する(S117)。このS109~S117の処理は、棚卸管理サーバ1に保存されている管理票2の画像情報がすべて照合済みとなるまで繰り返される。
【0024】
その後、管理端末3は、ユーザから照合結果取得操作を受け付けると(S118)、棚卸管理サーバ1に照合結果要求を送信する(S119)。これを受けて、棚卸管理サーバ1は、棚卸管理リストを管理端末3に送信する(S120)。そして、管理端末3は、棚卸管理サーバ1から受信した棚卸管理リストを表示する(S121)。
【0025】
つぎに、本実施の形態に係る棚卸管理システムを構成する棚卸管理サーバ1、管理端末3、および撮影端末4の詳細を説明する。
【0026】
なお、画像解析サーバ5および地図提供サーバ6には、既存のWebサービスサーバを利用することができるので、その詳細な説明を省略する。
【0027】
まず、棚卸管理サーバ1について説明する。
【0028】
【0029】
図示するように、棚卸管理サーバ1は、ネットワークインターフェース部100と、画像情報記憶部101と、棚卸管理リスト記憶部102と、棚卸対象リスト受信部103と、棚卸管理リスト作成部104と、画像情報受信部105と、照合要求受信部106と、照合対象画像情報特定部107と、管理番号認識部108と、地図情報取得部109と、棚卸管理リスト更新部110と、棚卸管理リスト送信部111と、を有する。
【0030】
ネットワークインターフェース部100は、LAN91に接続するためのインターフェースである。
【0031】
画像情報記憶部101には、撮影端末4に撮影された管理票2の画像情報が記憶される。
【0032】
図5は、画像情報記憶部101の登録内容例を模式的に表した図である。
【0033】
図示するように、画像情報記憶部101には、撮影端末4に撮影された管理票2の画像情報毎に画像情報のレコード1010が記憶される。画像情報のレコード1010は、画像情報の識別情報である画像IDが登録されたフィールド1011と、管理票2の画像情報が登録されたフィールド1012と、画像情報の撮影日時が登録されたフィールド1013と、画像情報の撮影場所を示す位置情報が登録されたフィールド1014と、照合状況(「照合済」か「未照合」か)を登録するフィールド1015と、を有する。
【0034】
棚卸管理リスト記憶部102には棚卸管理リストが記憶される。
【0035】
図6は、棚卸管理リスト記憶部102の登録内容例を模式的に表した図である。
【0036】
図示するように、棚卸管理リスト記憶部102に記憶される棚卸管理リストには、管理端末3から受信した棚卸対象リストに掲載されている棚卸対象物品7毎に管理情報のレコード1020が記憶される。管理情報のレコード1020は、棚卸対象物品7の管理番号が登録されたフィールド1021と、棚卸対象物品7の物品名が登録されたフィールド1022と、照合状況(「照合済」か「未照合」か)が登録されたフィールド1023と、管理票2の撮影日時が登録されたフィールド1024と、棚卸対象物品7の位置情報が登録されたフィールド1025と、棚卸対象物品7の位置情報により特定される地点を含む地図情報のアクセス先が登録されたフィールド1026と、管理票2の画像情報の保存先が登録されたフィールド1027と、を有する。なお、フィールド1024~1027には、フィールド1023に照合状況「照合済」が登録されている場合に上記情報が登録される。
【0037】
棚卸対象リスト受信部103は、ネットワークインターフェース部100を介して管理端末3から、棚卸対象物品7毎に管理番号および物品名が記述された棚卸対象リストを受信する。
【0038】
棚卸管理リスト作成部104は、棚卸対象リスト受信部103が受信した棚卸対象リストに基づき、棚卸対象指定操作で指定された棚卸対象物品7毎に管理情報を生成し、これらの管理情報を含む棚卸管理リストを作成する。管理情報のレコード1020のフィールド1021、1022には、棚卸対象リストに記述されている管理番号、物品名、フィールド1023には照合状況「未照合」、フィールド1024~1027にはヌルデータ(空欄)が登録される。そして、作成した棚卸管理リストを棚卸管理リスト記憶部102に保存する。
【0039】
画像情報受信部105は、ネットワークインターフェース部100を介して撮影端末4から画像情報を撮影日および位置情報とともに受信する。そして、画像情報記憶部101に画像情報のレコード1010を追加して、フィールド1011にユニークな画像ID、フィールド1012~1014に画像情報、撮影日、および位置情報、フィールド1015に照合状況「未照合」を登録する。
【0040】
照合要求受信部106は、ネットワークインターフェース部100を介して管理端末3から照合要求を受信する。
【0041】
照合対象画像情報特定部107は、照合要求受信部106が管理端末3から照合要求を受信した場合に、画像情報記憶部101から、フィールド1015に照合状況「未照合」が登録された画像情報のレコード1010を照合対象画像情報として特定する。そして、照合対象画像情報を棚卸管理リスト更新部110に渡すとともに、画像情報記憶部101に記憶されている照合対象画像情報のレコード1010のフィールド1015の照合状況を「未照合」から「照合済」に更新する。
【0042】
管理番号認識部108は、ネットワークインターフェース部100を介して画像解析サーバ5に、棚卸管理リスト更新部110から受け取った画像情報を伴う画像解析要求を送信して、この画像情報についての画像解析結果(文字認識結果:管理票2に印刷された管理番号)を画像解析サーバ5から取得する。そして、取得した管理番号を棚卸管理リスト更新部110に渡す。
【0043】
地図情報取得部109は、ネットワークインターフェース部100を介して地図提供サーバ6に、棚卸管理リスト更新部110から受け取った位置情報を伴う地図情報要求を送信して、この位置情報により特定される地点を含む地図情報のアクセス先を地図提供サーバ6から取得する。そして、取得した地図情報のアクセス先を棚卸管理リスト更新部110に渡す。
【0044】
棚卸管理リスト更新部110は、照合対象画像情報特定部107から受け取った照合対象画像情報に含まれる画像情報を管理番号認識部108に渡して、管理番号認識部108から管理番号を取得する。そして、取得した管理番号を、棚卸管理リスト記憶部102に記憶されている棚卸管理リストに含まれる各管理情報のフィールド1021の管理番号と照合する。一致する管理番号が棚卸管理リストのいずれかの管理情報に含まれている場合に、照合対象画像情報に含まれる位置情報を地図情報取得部109に通知して、地図情報取得部109から地図情報のアクセス先を取得する。そして、棚卸管理リスト記憶部102に記憶される棚卸管理リストにおいて、管理番号認識部108より受け取った管理番号を含む管理情報のレコード1020に、照合対象画像情報に含まれる撮影日時および位置情報と、地図情報取得部109から取得した地図情報のアクセス先と、画像情報記憶部101における照合対象画像情報の保存先(例えば照合対象画像情報に含まれている画像ID)と、を登録する。また、この管理情報のレコード1020のフィールド1023に登録されている照合状況を「未照合」から「照合済」に更新する。
【0045】
棚卸管理リスト送信部111は、ネットワークインターフェース部100を介して管理端末3から受信した照合結果要求に従い、棚卸管理リスト記憶部102に記憶されている棚卸管理リストを管理端末3に送信する。
【0046】
棚卸管理サーバ1の上記構成の機能構成は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積ロジックICによりハード的に実現されるものでもよいし、あるいはDSP(Digital Signal Processor)などの計算機によりソフトウエア的に実現されるものでもよい。または、CPU、メモリ、HDD、DVD-ROM等の補助記憶装置、および、モデム、NIC(Network Interface Card)等の通信インターフェースを備えたPC等の汎用コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することによりプロセスとして実現されるものでもよい。
【0047】
図7および
図8は、棚卸管理サーバ1の動作を説明するためのフロー図である。
【0048】
まず、棚卸対象リスト受信部103は、ネットワークインターフェース部100を介して管理端末3から棚卸対象リストを受信すると(S200でYES)、この棚卸対象リストを棚卸管理リスト作成部104に渡す。これを受けて、棚卸管理リスト作成部104は、棚卸対象リストに掲載されている棚卸対象物品7毎に管理情報のレコード1020を生成する。この管理情報のレコード1020のフィールド1021、1022には、棚卸対象リストに記述されている管理番号、物品名が登録され、フィールド1023には照合状況「未照合」、フィールド1024~1027にはヌルデータ(空欄)が登録される。そして、生成した管理情報のレコード1020を含む棚卸管理リストを生成し、この棚卸管理リストを棚卸管理リスト記憶部102に保存する(S201)。
【0049】
つぎに、画像情報受信部105は、ネットワークインターフェース部100を介して撮影端末4から画像情報を撮影日時および位置情報とともに受信すると(S202でYES)、画像情報記憶部101に画像情報のレコード1010を追加して、このレコード1010のフィールド1012~1014に画像情報、撮影日および位置情報、フィールド1015に照合状況「未照合」を登録する(S203)。その後、画像情報受信部105は、照合要求受信部106がネットワークインターフェース部100を介して管理端末3から照合要求を受信するまで(S204でNO)、撮影端末4から画像情報を撮影日時および位置情報とともに受信する度に(S202でYES)、画像情報の登録処理(S203)を繰り返す。
【0050】
つぎに、照合要求受信部106は、ネットワークインターフェース部100を介して管理端末3から照合要求を受信すると(S204でYES)、照合対象画像情報特定部107に照合対象画像情報の特定を指示する。これを受けて、照合対象画像情報特定部107は、画像情報記憶部101から、フィールド1015に照合状況「未照合」が登録されているレコード1010を一つ抽出し、これを照合対象画像情報として特定するとともに、このレコード1010のフィールド1015に登録されている照合状況を「未照合」から「照合済」に更新する(S205)。それから、照合要求受信部106は、照合対象画像情報(ただし、フィールド1015は省略してもよい)を棚卸管理リスト更新部110に渡す。
【0051】
これを受けて、棚卸管理リスト更新部110は、照合対象画像情報のフィールド1012に登録された画像情報を管理番号認識部108に渡す。管理番号認識部108は、ネットワークインターフェース部100を介して画像解析サーバ5に、この画像情報を伴う画像解析要求を送信して、画像解析サーバ5から画像解析結果(文字認識結果:管理票2に印刷された管理番号)を取得する(S206)。そして、取得した管理番号を棚卸管理リスト更新部110に渡す。
【0052】
つぎに、棚卸管理リスト更新部110は、管理番号認識部108から受け取った管理番号を、棚卸管理リスト記憶部102に記憶されている棚卸管理リストの各管理情報のレコード1020のフィールド1021の管理番号と照合する(S207)。そして、一致する管理番号が棚卸管理リストのいずれかの管理情報のレコード1020に含まれている場合(S208でYES)、照合対象画像情報のフィールド1014に登録された位置情報を地図情報取得部109に渡す。地図情報取得部109は、ネットワークインターフェース部100を介して地図提供サーバ6に、この位置情報を伴う地図情報要求を送信して、この位置情報により特定される地点を含む地図情報のアクセス先を地図提供サーバ6から取得する(S209)。そして、取得した地図情報のアクセス先を棚卸管理リスト更新部110に渡す。
【0053】
つぎに、棚卸管理リスト更新部110は、棚卸管理リスト記憶部102に記憶されている棚卸管理リストに含まれる管理情報のレコード1020のうち、管理番号認識部108より受け取った管理番号がフィールド1021に登録された管理情報のレコード1020のフィールド1024、1025、1026、1027に、それぞれ、照合対象画像情報のフィールド1013、1014に登録された撮影日時、位置情報、地図情報取得部109から取得した地図情報のアクセス先、照合対象画像情報の保存先を登録する。また、この管理情報のレコード1020のフィールド1023に登録されている照合状況を「照合済」に更新する。これにより、棚卸管理リスト記憶部102に記憶されている棚卸管理リストを更新する(S210)。
【0054】
その後、棚卸管理リスト更新部110は、照合対象画像情報特定部107に照合対象画像情報の特定を指示する。これを受けて、照合対象画像情報特定部107は、画像情報記憶部101から未照合の画像情報のレコード1010を検索する(S211)。具体的には、画像情報記憶部101から、フィールド1015に照合状況「未照合」が登録されている画像情報のレコード1010を検索する。そして、未照合の画像情報のレコード1010があるならば(S211でYES)、S205に戻り、照合対象画像情報を新たに特定するとともに、照合対象画像情報のフィールド1015に登録されている照合状況を「未照合」から「照合済」に更新する。
【0055】
一方、すべての画像情報のレコード1010が照合済ならば(S211でNO)、棚卸管理リスト送信部111は、ネットワークインターフェース部100を介して管理端末3から照合結果要求を受信するのを待つ(S212)。そして、棚卸管理リスト送信部111は、管理端末3から照合結果要求を受信したならば(S212でYES)、ネットワークインターフェース部100を介して管理端末3に、棚卸管理リスト記憶部102に記憶されている棚卸管理リストを送信する(S213)。
【0056】
つぎに、管理端末3について説明する。
【0057】
【0058】
図示するように、管理端末3は、ネットワークインターフェース部300と、マンマシンインターフェース部301と、棚卸対象リスト送信部302と、照合要求送信部303と、棚卸管理リスト取得部304と、を備えている。
【0059】
ネットワークインターフェース部300は、LAN91に接続するためのインターフェースである。
【0060】
マンマシンインターフェース部301は、ユーザから各種操作を受け付けたり、ユーザに情報を表示したりするためのインターフェースである。
【0061】
棚卸対象リスト送信部302は、マンマシンインターフェース部301を介してユーザから受け付けた棚卸対象指定操作に従い、この棚卸対象指定操作で受け付けた棚卸対象物品各々の管理番号および物品名が記述された棚卸対象リストを作成する。そして、ネットワークインターフェース部300を介して棚卸管理サーバ1に棚卸管理リストを送信する。
【0062】
照合要求送信部303は、マンマシンインターフェース部301を介してユーザから受け付けた照合依頼操作に従い、ネットワークインターフェース部300を介して棚卸管理サーバ1に照合要求を送信する。
【0063】
棚卸管理リスト取得部304は、マンマシンインターフェース部301を介してユーザから受け付けた照合結果取得操作に従い、ネットワークインターフェース部300を介して棚卸管理サーバ1に照合結果要求を送信する。そして、棚卸管理サーバ1から棚卸管理リストを受信してマンマシンインターフェース部301に表示する。
【0064】
管理端末3の上記機能構成は、棚卸管理サーバ1と同様に、ASIC、FPGAなどの集積ロジックICによりハード的に実現されるものでもよいし、あるいはDSPなどの計算機によりソフトウエア的に実現されるものでもよい。または、CPU、メモリ、HDD、DVD-ROM等の補助記憶装置、および、モデム、NIC等の通信インターフェースを備えたPC等の汎用コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することによりプロセスとして実現されるものでもよい。
【0065】
図10は、管理端末3の動作を説明するためのフロー図である。
【0066】
まず、棚卸対象リスト送信部302は、マンマシンインターフェース部301を介してユーザから受け付けた棚卸対象指定操作を受け付けると(S300でYES)、この棚卸対象指定操作で受け付けた棚卸対象物品各々の管理番号および物品名が記述された棚卸対象リストを作成する。そして、ネットワークインターフェース部300を介して棚卸管理サーバ1に棚卸管理リストを送信する(S301)。
【0067】
つぎに、照合要求送信部303は、マンマシンインターフェース部301を介してユーザから照合依頼操作を受け付けると(S302でYES)、ネットワークインターフェース部300を介して棚卸管理サーバ1に照合要求を送信する(S303)。
【0068】
それから、棚卸管理リスト取得部304は、マンマシンインターフェース部301を介してユーザから照合結果取得操作を受け付けると(S304でYES)、ネットワークインターフェース部300を介して棚卸管理サーバ1に照合結果要求を送信する(S305)。そして、棚卸管理サーバ1から棚卸管理リストを受信してマンマシンインターフェース部301に表示する(S306)。
【0069】
つぎに、撮影端末4について説明する。
【0070】
【0071】
図示するように、撮影端末4は、無線ネットワークインターフェース部400と、マンマシンインターフェース部401と、撮影処理部402と、位置情報測定部403と、画像情報送信部404と、通信状態監視部405と、を備えている。
【0072】
無線ネットワークインターフェース部400は、アクセスポイント93に無線接続するためのインターフェースである。
【0073】
マンマシンインターフェース部401は、ユーザから各種操作を受け付けたり、ユーザに情報を表示したりするためのインターフェースである。
【0074】
撮影処理部402は、マンマシンインターフェース部401を介してユーザより受け付けた撮影操作に従い、内蔵または外付のカメラを用いて被写体を撮影する。
【0075】
位置情報測定部403は、GPSと連携して自撮影端末4の位置情報を測定する。
【0076】
画像情報送信部404は、無線ネットワークインターフェース部400を介して棚卸管理サーバ1に、撮影処理部402により撮影された画像情報およびその撮影日時を、位置情報測定部403により測定された位置情報とともに送信する。
【0077】
通信状態監視部405は、無線ネットワークインターフェース部400におけるアクセスポイント93との無線接続状態を監視する。
【0078】
撮影端末4の上記機能構成は、棚卸管理サーバ1、管理端末3と同様に、ASIC、FPGAなどの集積ロジックICによりハード的に実現されるものでもよいし、あるいはDSPなどの計算機によりソフトウエア的に実現されるものでもよい。または、CPU、メモリ、フラッシュメモリ等の補助記憶装置、および、無線LANアダプタ等の無線インターフェースを備えたスマートホン、タブレットPC等の携帯型コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することによりプロセスとして実現されるものでもよい。
【0079】
図12は、撮影端末4の動作を説明するためのフロー図である。
【0080】
まず、撮影処理部402は、内蔵または外付のカメラが、棚卸対象物品7に貼り付けられた管理票2に向けられた状態で、マンマシンインターフェース部401を介してユーザから撮影操作を受け付けると(S400でYES)、被写体である管理票2を撮影する(S401)。そして、管理票2の画像情報をその撮影日時とともに画像情報送信部404に渡す。これを受けて、画像情報送信部404は、位置情報測定部403から自撮影端末4の位置情報を取得する(S402)。
【0081】
それから、画像情報送信部404は、無線ネットワークインターフェース部400におけるアクセスポイント93との無線接続状態の監視結果を通信状態監視部405から取得して、その無線接続状態を確認する(S403)。そして、無線接続状態が良好であり、棚卸管理サーバ1に情報を送信可能であるならば(S404でYES)、無線ネットワークインターフェース部400およびアクセスポイント93を介して棚卸管理サーバ1に、画像情報を撮影日時および位置情報とともに送信する(S405)。一方、無線接続状態が不良であり、棚卸管理サーバ1に情報を送信困難であるならば(S404でNO)、S403に戻り、無線接続状態が良好となり、棚卸管理サーバ1に情報を送信可能となるまで待つ。
【0082】
以上、本発明の一実施の形態について説明した。
【0083】
本実施の形態では、管理番号が記載された管理票2を棚卸対象物品7に貼り付けるので、棚卸対象物品7にRFIDタグを貼り付ける場合に比べてコストを抑制することができる。また、RFIDタグを使用しないので、RFIDタグリーダライタ機能を備えた特殊な携帯端末を必要とせず、カメラ機能およびGPS等の現在位置測定機能を備えたスマートホン等の一般的な携帯端末を撮影端末4として使用することができる。さらに、管理番号が記載された管理票2を用いるので、棚卸対象物品7の管理番号を目視で確認することができる。このように、本実施の形態によれば、より低コストで利便性の高い棚卸管理技術を提供することができる。
【0084】
また、本実施の形態では、棚卸管理リスト記憶部102に記憶されている棚卸管理リストにおいて、棚卸対象物品7の管理情報のレコード1020に、管理番号と、この管理番号を文字認識した管理票2の画像情報の保存先と、が含まれている。したがって、本実施の形態によれば、表示された棚卸管理リストにおいて、いずれかの棚卸対象物品7の位置情報が、その棚卸対象物品7の本来あるべき場所を示していない場合等、棚卸管理リストのいずれかの管理情報のレコード1020に含まれている管理番号と位置情報との整合性に疑義が生じた場合に、この管理情報のレコード1020に含まれる画像情報の保存先から管理票2の画像情報を取得して、管理票2の画像情報に含まれる管理番号画像を参照することにより、管理番号の文字認識結果の正確性を確認することができ、利便性が向上する。
【0085】
また、本実施の形態では、棚卸管理リスト記憶部102に記憶されている棚卸管理リストにおいて、棚卸対象物品7の管理情報のレコード1020に、棚卸対象物品7の位置情報により特定される地点を含む地図情報のアクセス先が含まれている。したがって、本実施の形態によれば、地図情報のアクセス先にアクセスすることにより、棚卸対象物品7の所在地を地図上から把握することが可能となり、利便性がさらに向上する。
【0086】
また、本実施の形態において、撮影端末4は、アクセスポイント93との無線接続状態を監視し、それが良好であり、棚卸管理サーバ1に情報を送信可能である場合に、管理票2の画像情報をその撮影日時および位置情報とともに棚卸管理サーバ1に送信し、アクセスポイント93との無線接続状態が不良であり、棚卸管理サーバ1に情報を送信困難である場合は、アクセスポイント93との無線接続状態が良好となって、棚卸管理サーバ1に情報を送信可能となるまで、管理票2の画像情報等の棚卸管理サーバ1への送信を待機する。このため、画像情報等を確実に棚卸管理サーバ1へ送信することが可能となり、信頼性が向上する。
【0087】
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0088】
例えば、上記の実施の形態において、棚卸管理サーバ1は、画像解析サーバ5に画像解析要求を送信して、画像解析サーバ5から画像解析結果(文字認識結果)である管理番号を取得している。しかし、本発明はこれに限定されず、棚卸管理サーバ1に画像解析処理部を内蔵してもよい。この場合、棚卸管理サーバ1において、管理番号認識部108は、棚卸管理リスト更新部110から受け取った画像情報を画像解析処理部に渡して、この画像情報の画像解析処理を画像解析処理部に行わせ、画像解析処理部から、画像解析結果(文字認識結果)である管理番号を取得する。
【0089】
また、上記の実施の形態において、管理端末3の機能を撮影端末4に持たせるようにしてもよい。このようにすることで、ユーザは、棚卸対象物品7に貼り付けられた管理票2の撮影現場で照合依頼操作および照合結果取得操作を行うことができる。これにより、棚卸対象物品7に貼り付けられた管理票2と、照合結果である棚卸管理リストと、を対比しながら確認することが可能となり、利便性がさらに向上する。
【0090】
また、本実施の形態において、撮影端末4は、アクセスポイント93との無線接続状態が不良であり、棚卸管理サーバ1に情報を送信困難である場合、その無線接続状態が良好となって、棚卸管理サーバ1に情報を送信可能となるまで、管理票2の画像情報等の棚卸管理サーバ1への送信を待機している。しかし、本発明はこれに限定されない。撮影端末4が携帯電話網を利用できる状態にあるならば、アクセスポイント93との無線接続状態が良好となるのを待たずに、携帯電話網経由で棚卸管理サーバ1に管理票2の画像情報等を送信するようにしてもよい。
【0091】
また、上記の実施の形態において、管理端末3は、ユーザから受け付けた棚卸対象指定操作に従い、棚卸対象物品各々の管理番号および物品名が記述された棚卸対象リストを作成している。しかし、本発明はこれに限定されない。例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ等に棚卸対象リストが予め格納されている場合には、ユーザから受け付けた棚卸対象指定操作に従い、USBメモリ等から棚卸対象リストを取得するようにしてもよい。
【0092】
また、上記の実施の形態では、棚卸対象物品を管理する棚卸管理システムを例にとり説明した。しかし、本発明はこれに限定されない。本発明は、資産となる物品等を管理する物品管理システムに広く適用できる。
【符号の説明】
【0093】
1:棚卸管理サーバ 2、2-1~2-n:管理票
3:管理端末 4:撮影端末 5:画像解析サーバ
6:地図提供サーバ 7-1~7-n:棚卸対象物品
90:WAN 91:LAN 92:ゲートウェイ
93:アクセスポイント 100:ネットワークインターフェース部
101:画像情報記憶部 102:棚卸管理リスト記憶部
103:棚卸対象リスト受信部 104:棚卸管理リスト作成部
105:画像情報受信部 106:照合要求受信部
107:照合対象画像情報特定部 108:管理番号認識部
109:地図情報取得部 110:棚卸管理リスト更新部
111:棚卸管理リスト送信部 300:ネットワークインターフェース部
301:マンマシンインターフェース部 302:棚卸対象リスト送信部
303:照合要求送信部 304:棚卸管理リスト取得部
400:無線ネットワークインターフェース部
401:マンマシンインターフェース部 402:撮影処理部
403:位置情報測定部 404:画像情報送信部
405:通信状態監視部