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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057813
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】ポーチ
(51)【国際特許分類】
   A45C 11/00 20060101AFI20240418BHJP
   A45C 13/36 20060101ALI20240418BHJP
   A45C 13/10 20060101ALN20240418BHJP
【FI】
A45C11/00 X
A45C11/00 A
A45C13/36 Z
A45C13/10 J
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022164729
(22)【出願日】2022-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】加藤 大地
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045BA00
3B045CB04
3B045CB05
3B045CE09
3B045EB11
3B045FA01
3B045FC04
3B045HA04
3B045HB04
(57)【要約】
【課題】シート状の基材を容易に収容することができ、ICタグを保護することができるポーチが、提供される。また、携帯性を向上することができるポーチが、提供される。
【解決手段】ポーチ1は、ICタグ102を有するシート状の基材100を収容するために用いられる。ポーチ1は、収容部2と、プレート部3と、を備える。収容部2は、基材100を収容する。収容部2は折り畳み可能に構成される。プレート部3は、ICタグ102に対向するように収容部2に設けられる。プレート部3の曲げ剛性は、収容部2の曲げ剛性より高い。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ICタグを有するシート状の基材を収容するために用いられるポーチであって、
前記基材を収容し、折り畳み可能に構成される収容部と、
前記ICタグに対向するように前記収容部に設けられ、前記収容部よりも曲げ剛性が高いプレート部と、
を備えるポーチ。
【請求項2】
前記収容部は、第1シート部と、前記第1シート部に対向して配置される第2シート部と、を有し、
前記第1シート部の第1外縁及び前記第2シート部の第2外縁を互いに部分的に固着することによって、前記基材の収容空間が形成され、
前記第1シート部の第1外縁の非固着部及び前記第2シート部の第2外縁の非固着部が、前記基材の挿入口を形成する、
請求項1に記載のポーチ。
【請求項3】
前記第1シート部及び前記第2シート部のそれぞれは、矩形状に形成され、
前記第1シート部の3辺を形成する第1外縁及び前記第2シート部の3辺を形成する第2外縁を互いに固着することによって、前記収容空間が形成され、
前記第1シート部の非固着の第1外縁及び前記第2シート部の非固着の第2外縁が、前記挿入口を形成する、
請求項2に記載のポーチ。
【請求項4】
前記第1シート部は、1対の第1短辺と、1対の第1長辺と、を有し、
前記第2シート部は、前記1対の第1短辺と各別に対向する1対の第2短辺と、前記1対の第1長辺と各別に対向する1対の第2長辺と、を有し、
前記第1シート部の前記非固着の辺は、前記1対の第1短辺のいずれか一方であり、
前記第2シート部の前記非固着の辺は、前記1対の第2短辺のいずれか一方である、
請求項3に記載のポーチ。
【請求項5】
前記プレート部は、第1プレート部を含み、
前記第1プレート部は、前記1対の第1短辺のいずれか他方側において、前記第1シート部に設けられる、
請求項4に記載のポーチ。
【請求項6】
前記第1プレート部は、前記第1シート部の外面に設けられる、
請求項5に記載のポーチ。
【請求項7】
前記プレート部は、第2プレート部をさらに含み、
前記第2プレート部は、前記1対の第2短辺のいずれか他方側において、前記第2シート部に設けられる、
請求項5又は6に記載のポーチ。
【請求項8】
前記第2プレート部は、前記第2シート部の外面に設けられる、
請求項7に記載のポーチ。
【請求項9】
前記収容部には、前記基材の挿入口が形成され、
前記収容部は、前記挿入口を開閉するためのファスナ部、を有する、
請求項1に記載のポーチ。
【請求項10】
前記ファスナ部は、前記収容部に設けられる雌型の係合部と、前記収容部に設けられ前記雌型の係合部と対向して配置され前記雌型の係合部に嵌合される雄型の係合部と、を有する、
請求項9に記載のポーチ。
【請求項11】
前記収容部は、ショアA硬度50以上且つショアA硬度100未満の硬度を有する材料によって形成される、
請求項1に記載のポーチ。
【請求項12】
前記収容部は、ポリ塩化ビニルを含む樹脂によって形成される、
請求項11に記載のポーチ。
【請求項13】
前記プレート部は、ショアD硬度65以上且つショアD硬度85未満の硬度を有する材料によって形成される、
請求項1に記載のポーチ。
【請求項14】
前記プレート部は、ポリ塩化ビニルを含む樹脂によって形成される、
請求項13に記載のポーチ。
【請求項15】
前記収容部は、矩形状に形成され、
前記収容部の短辺の長さは、90mm以上且つ150mm未満であり、
前記収容部の長辺の長さは、160mm以上且つ250mm未満である、
請求項1に記載のポーチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポーチに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ポーチ、例えばICカード用ケースが、開示されている。このICカード用ケースには、ICカードが収容される。ICカードは、カード本体と、カード本体の上面に設けられるICモジュールと、を有する。
【0003】
ICカード用ケースは、2枚の硬質な合成樹脂板によって形成される。2枚の硬質な合成樹脂板は、互いに対向して配置され、3方が熱圧着によって互いに固定される。2枚の硬質な合成樹脂板の一方には、カード本体を挿入するための挿入口が、設けられる。2枚の硬質な合成樹脂板の内面には、矩形状の保護枠がICモジュールを取り囲むように設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8-156472号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のICカード用ケースは、2枚の硬質な合成樹脂板によって形成されるハードケースである。このタイプのICカード用ケースでは、カード本体が柔軟なシート状である場合、カード本体を硬質なICカード用ケースに挿入することが難しい。特に、カード本体のサイズが大きくなればなるほど、カード本体をICカード用ケースに挿入することが難しい。また、硬質なICカード用ケースは屈曲させることを意図していないため、ICカード用ケースの携帯性が低下するという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、シート状の基材を容易に収容することができ、ICタグを保護することができるポーチを、提供することにある。また、本発明の目的は、携帯性を向上することができるポーチを、提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係るポーチは、ICタグを有するシート状の基材を収容するために用いられる。ポーチは、収容部と、プレート部と、を備える。収容部は、基材を収容する。収容部は折り畳み可能に構成される。プレート部は、ICタグに対向するように収容部に設けられる。プレート部の曲げ剛性は、収容部の曲げ剛性より高い。
【0008】
本態様に係るポーチでは、プレート部の曲げ剛性は収容部の曲げ剛性より高い。言い換えると、収容部の曲げ剛性はプレート部の曲げ剛性より低い。この構成によって、本ポーチでは、シート状の基材を収容部に容易に収容することができ、ICタグをプレート部によって保護することができる。また、シート状の基材を収容部に収容した状態で収容部を折り畳むことによって、ポーチの携帯性を向上することができる。
【0009】
収容部は、第1シート部と、第1シート部に対向して配置される第2シート部と、を有する。第1シート部の第1外縁及び第2シート部の第2外縁を互いに部分的に固着することによって、基材の収容空間が形成される。第1シート部の第1外縁の非固着部及び第2シート部の第2外縁の非固着部が、基材の挿入口を形成する。この構成では、シート状の基材を、挿入口から収容部の内部に容易に挿入することができる。
【0010】
第1シート部及び第2シート部のそれぞれは、矩形状に形成される。第1シート部の3辺を形成する第1外縁及び第2シート部の3辺を形成する第2外縁を互いに固着することによって、収容空間が形成される。第1シート部の非固着の第1外縁及び第2シート部の非固着の第2外縁が、挿入口を形成する。この構成では、シート状の基材を、矩形状の収容部に設けられる挿入口から、収容部の内部に容易に挿入することができる。
【0011】
第1シート部は、1対の第1短辺と、1対の第1長辺と、を有する。第2シート部は、1対の第1短辺と各別に対向する1対の第2短辺と、1対の第1長辺と各別に対向する1対の第2長辺と、を有する。第1シート部の非固着の辺は、1対の第1短辺のいずれか一方である。第2シート部の非固着の辺は、1対の第2短辺のいずれか一方である。この構成では、シート状の基材を、矩形状の収容部の短辺に設けられる挿入口から、収容部の内部に容易に挿入することができる。
【0012】
プレート部は、第1プレート部を含む。第1プレート部は、1対の第1短辺のいずれか他方側において、第1シート部に設けられる。この構成では、第1プレート部が、挿入口とは反対側において、第1シート部に設けられる。この第1プレート部によってICタグを保護することができる。
【0013】
第1プレート部は、第1シート部の外面に設けられる。この構成では、シート状の基材を第1シート部の内面に沿って配置した状態で、第1プレート部によってICタグを好適に保護することができる。また、第1プレート部を第1シート部に容易に取り付けることができる。
【0014】
プレート部は、第2プレート部をさらに含む。第2プレート部は、1対の第2短辺のいずれか他方側において、第2シート部に設けられる。この構成では、第2プレート部が、挿入口とは反対側において、第2シート部に設けられる。この第2プレート部によってICタグを好適に保護することができる。
【0015】
第2プレート部は、第2シート部の外面に設けられる。この構成では、シート状の基材を第2シート部の内面に沿って配置した状態で、第2プレート部によってICタグを保護することができる。また、第2プレート部を第2シート部に容易に取り付けることができる。
【0016】
収容部には、基材の挿入口が形成される。収容部は、挿入口を開閉するためのファスナ部、を有する。この構成では、ファスナ部によって収容部の内部への水及び異物の購入を防ぐことができる。
【0017】
ファスナ部は、収容部に設けられる雌型の係合部と、収容部に設けられ雌型の係合部と対向して配置され雌型の係合部に嵌合される雄型の係合部と、を有する。この構成では、ファスナ部を容易に開閉することができる。
【0018】
収容部は、ショアA硬度50以上且つショアA硬度100未満の硬度を有する材料によって形成される。この構成によって、収容部を容易に折り畳むことができるので、ポーチの携帯性を向上することができる。
【0019】
収容部は、ポリ塩化ビニルを含む樹脂によって形成される。この構成によって、収容部の防水性を向上することができる。
【0020】
プレート部は、ショアD硬度65以上且つショアD硬度85未満の硬度を有する材料によって形成される。この構成によって、ICタグを好適に保護することができる。
【0021】
プレート部は、ポリ塩化ビニルを含む樹脂によって形成される。この構成によって、プレート部の軽量化を図ることができる。
【0022】
収容部は、矩形状に形成される。収容部の短辺の長さは、90mm以上且つ150mm未満である。収容部の長辺の長さは、160mm以上且つ250mm未満である。この構成では、収容部を容易に折り畳むことができるので、ポーチの携帯性を向上することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、ポーチにおいて、シート状の基材を容易に収容することができ、ICタグを保護することができ、携帯性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】ポーチの正面図である。
図2】車検証の正面図である。
図3図1の切断戦IIIにおける断面図である。
図4】ファスナ部を部分的に拡大した断面図である。
図5】プレート部を部分的に拡大した断面図である。
図6】変形例1におけるプレート部を部分的に拡大した断面図である。
図7】変形例2におけるポーチの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して実施形態に係るポーチ1について説明する。図1に示すポーチ1は、シート状の基材を収容するために用いられる。本実施形態では、基材がモータサイクル用の車検証100である場合の例を用いて、ポーチ1の説明が行われる。なお、基材はモータサイクル用の車検証100とは異なるものであってもよい。
【0026】
図2に示すように、車検証100は、車検シート101と、ICタグ102と、を有する。車検シート101は、シート状に形成される。例えば、車検シート101は、紙のような折り畳み可能な材料によって、シート状に形成される。車検シート101の材料は、折り畳み可能な材料であれば、紙とは異なる材料であってもよい。
【0027】
車検シート101は、後述する収容部2に収容可能な大きさであれば、どのような大きさであってもよい。本実施形態では、車検シート101の短辺101aの長さが105mmであり、車検シート101の長辺101bの長さが178mmである場合の例を用いて、ポーチ1の説明が行われる。
【0028】
ICタグ102は、車検シート101に設けられる。例えば、ICタグ102は、車検シート101に貼り付けられる。具体的には、ICタグ102は、車検シート101の表面および車検シート101の裏面のいずれか一方に貼り付けられる。
【0029】
本実施形態では、ICタグ102は、車検シート101の1対の短辺101aのいずれか一方の側において、車検シート101の表面に貼り付けられる。なお、ICタグ102は、車検シート101の表面および車検シート101の裏面の両方に貼り付けられてもよい。
【0030】
図1に示すように、ポーチ1は、収容部2と、プレート部3と、を備える。収容部2は、車検証100を収容する。収容部2には、車検証100の挿入口4が形成される。収容部2は折り畳み可能に構成される。
【0031】
例えば、収容部2は、ショアA硬度50以上且つショアA硬度100未満の硬度を有する材料によって形成される。具体的には、収容部2は、ポリ塩化ビニルを含む樹脂によって形成される。本実施形態では、収容部2は、ポリ塩化ビニルによってフィルム状に形成される。収容部2の材料は、折り畳み可能な材料であれば、ポリ塩化ビニルとは異なる材料であってもよい。
【0032】
図1に示すように、収容部2は、矩形状に形成される。収容部2の短辺の長さは、90mm以上且つ150mm未満であることが好ましい。収容部2の長辺の長さは、160mm以上且つ250mm未満であることが好ましい。本実施形態では、収容部2の短辺の長さは120mmであり、収容部2の長辺の長さは200mmである。
【0033】
収容部2は、長手方向において使用者が所望する位置で、折り畳まれる。例えば、収容部2は、長手方向における長辺の中央部で折り畳まれることが好ましい。なお、収容部2に車検証100の挿入口4を形成することができれば、収容部2の形状は、矩形とは異なる形状であってもよい。
【0034】
図1及び図3に示すように、収容部2は、第1シート部5と、第1シート部5に対向して配置される第2シート部6と、を有する。第1シート部5の第1外縁51及び第2シート部6の第2外縁61を互いに部分的に固着することによって、車検証100の収容空間Sが形成される。第2シート部6の構成は、第1シート部5の構成と実質的に同じであるので、図1では第2シート部6の符号が括弧内に示される。
【0035】
図1に示すように、本実施形態では、第1シート部5及び第2シート部6のそれぞれは、矩形状に形成される。第1シート部5及び第2シート部6のそれぞれの材料及び寸法は、上記の収容部2の寸法と同じである。第1シート部5及び第2シート部6のそれぞれは、0.1mm以上且つ1.0mm未満の厚みによって形成されることが好ましい。本実施形態では、第1シート部5及び第2シート部6のそれぞれは、0.3mmの厚みによって形成される。
【0036】
図1に示すように、第1シート部5は、1対の第1短辺5aと、1対の第1長辺5bと、を有する。1対の第1短辺5a及び1対の第1長辺5bは、第1シート部5の第1外縁51によって形成される。第2シート部6は、1対の第2短辺6aと、1対の第2短辺6aと各別に対向する1対の第2長辺6bと、を有する。1対の第2短辺6a及び1対の第2長辺6bは、第2シート部6の第2外縁61によって形成される。
【0037】
図1に示すように、第1シート部5の3辺を形成する第1外縁51及び第2シート部6の3辺を形成する第2外縁61を互いに固着することによって、収容空間Sが形成される。第1シート部5の3辺は、1対の第1長辺5bと、1対の第1短辺5aの一方5a1と、を含む。第2シート部6の3辺は、1対の第2長辺6bと、1対の第2短辺6aの一方6a1と、を含む。
【0038】
例えば、第1シート部5における1対の第1長辺5bを形成する第1外縁51と、第2シート部6における1対の第2長辺6bを形成する第2外縁61とが、互いに固着される。第1シート部5における第1短辺5a1形成する第1外縁51と、第2シート部6における1対の第2短辺6a1を形成する第2外縁61とが、互いに固着される。
【0039】
これにより、図1及び図2に示すように、第1シート部5及び第2シート部6の間には、車検証100の収容空間Sが形成される。第1シート部5及び第2シート部6の間隔、例えば、車検証100の収容空間Sの間隔は、車検証100が収容空間Sに挿入されていない状態において、0mm以上且つ3mm未満であることが好ましい。
【0040】
本実施形態では、第1シート部5及び第2シート部6の間隔は、0mmである。この場合、挿入口4を開口し、第1シート部5及び第2シート部6を変形させることによって、収容空間Sが第1シート部5及び第2シート部6の間に形成される。この状態において、車検証100が収容空間Sに挿入される。車検証100が収容空間Sに挿入された状態では、収容空間Sの間隔は3mm以上になってもよい。
【0041】
図1及び図3に示すように、第1シート部5の第1外縁51の非固着部51a及び第2シート部6の第2外縁61の非固着部61aが、車検証100の挿入口4を形成する。第1シート部5の第1外縁51の非固着部51aは、1対の第1短辺5aの他方5a2を形成する。第2シート部6の第2外縁61の非固着部61aは、1対の第2短辺6aの他方6a2を形成する。
【0042】
図1図3、及び図4に示すように、収容部2は、車検証100の挿入口4を開閉するためのファスナ部7、をさらに有する。ファスナ部7は、車検証100の挿入口4に設けられる。ファスナ部7は、第1シート部5の第1外縁51の非固着部51aと、第2シート部6の第2外縁61の非固着部61aとに、設けられる。
【0043】
図4に示すように、ファスナ部7は、雌型の係合部7aと、雄型の係合部7bと、を有する。雌型の係合部7aは、収容部2に設けられる。例えば、雌型の係合部7aは、第2シート部6の非固着部61aに設けられる。雌型の係合部7aは、凹状に形成される。
【0044】
雄型の係合部7bは、収容部2に設けられる。例えば、雄型の係合部7bは、第1シート部5の非固着部51aに設けられる。雄型の係合部7bは、雌型の係合部7aと対向して配置される。雄型の係合部7bは、凸状に形成される。雄型の係合部7bは、雌型の係合部7aに嵌合される。
【0045】
雄型の係合部7bを雌型の係合部7aに弾性的に係合させることによって、車検証100の挿入口4が閉じられる。雄型の係合部7b及び雌型の係合部7aの弾性係合を解除することによって、車検証100の挿入口4が開放される。
【0046】
図1及び図5に示すように、プレート部3は、ICタグ102に対向するように収容部2に設けられる。プレート部3の曲げ剛性は、収容部2の曲げ剛性より高い。言い換えると、収容部2の曲げ剛性は、プレート部3の曲げ剛性より低い。
【0047】
図5に示すように、プレート部3は、第1プレート部8と、第2プレート部9と、を有する。例えば、第1プレート部8及び第2プレート部9のそれぞれは、ショアD硬度65以上且つショアD硬度85未満の硬度を有する材料によって形成される。具体的には、第1プレート部8及び第2プレート部9のそれぞれは、ポリ塩化ビニルを含む樹脂によって形成される。
【0048】
本実施形態では、第1プレート部8及び第2プレート部9のそれぞれは、硬質なプラスチックによって、板状に形成される。第1プレート部8及び第2プレート部9のそれぞれの材料は、収容部2の曲げ剛性より高くできる材料であれば、硬質なプラスチックとは異なる材料であってもよい。例えば、第1プレート部8及び第2プレート部9のそれぞれは、アクリル樹脂や塩化ビニル樹脂等の材料によって、板状に形成されてもよい。
【0049】
図1に示すように、第1プレート部8及び第2プレート部9のそれぞれは、矩形状に形成される。第2プレート部9の構成は、第1プレート部8の構成と実質的に同じであるので、図1では第2プレート部9の符号が括弧内に示される。
【0050】
第1プレート部8の短辺の長さ及び第2プレート部9の短辺の長さは、25mm以上且つ60mm未満であることが好ましい。第1プレート部8の長辺の長さ及び第2プレート部9の長辺の長さは、60mm以上且つ105mm未満であることが好ましい。
【0051】
本実施形態では、第1プレート部8の短辺の長さ及び第2プレート部9の短辺の長さは40mmである。第1プレート部8の長辺の長さ及び第2プレート部9の長辺の長さは、100mmである。なお、第1プレート部8の形状及び第2プレート部9の形状は、矩形とは異なる形状であってもよい。
【0052】
第1プレート部8及び第2プレート部9のそれぞれは、0.3mm以上且つ2.0mm未満の厚みによって形成されることが好ましい。本実施形態では、第1プレート部8及び第2プレート部9プレート部3のそれぞれは、0.8mmの厚みによって形成される。
【0053】
図5に示すように、第1プレート部8は、第1シート部5に設けられる。例えば、第1プレート部8は、第1短辺5a1側において、第1シート部5に設けられる。具体的には、第1プレート部8は、車検証100の挿入口4とは反対側において、第1シート部5に設けられる。
【0054】
第1プレート部8は、第1シート部5の外面に設けられる。本実施形態では、収容部2は、第1カバー部10を有する。第1カバー部10は、第1プレート部8を覆う。この状態において、第1カバー部10の外縁が第1シート部5の外面に固着される。
【0055】
図5に示すように、第2プレート部9は、第2シート部6に設けられる。第2プレート部9は、第2短辺6a1側において、第2シート部6に設けられる。例えば、第2プレート部9は、車検証100の挿入口4とは反対側において、第2シート部6に設けられる。
【0056】
第2プレート部9は、第2シート部6の外面に設けられる。本実施形態では、収容部2は、第2カバー部11をさらに有する。第2カバー部11は、第2プレート部9を覆う。この状態において、第2カバー部11の外縁は第2シート部6の外面に固着される。
【0057】
上記の構成を有するポーチ1では、収容部2の曲げ剛性はプレート部3の曲げ剛性より低い。この構成では、収容部2はフィルム状に形成されるので、シート状の車検シート101を収容部2に容易に収容することができる。また、ICタグ102をプレート部3(第1プレート部8及び第2プレート部9)によって保護することができる。さらに、収容部2を折り畳むことができるので、ポーチ1の携帯性を向上することができる。
【0058】
また、ポーチ1では、車検証100の挿入口4が、第1シート部5の第1外縁51の非固着部(第1短辺5a2)及び第2シート部6の第2外縁61の非固着部(第2短辺6a2)によって形成される。この構成によって、シート状の車検証100を、挿入口4から収容部2の内部に容易に挿入することができる。
【0059】
また、ポーチ1では、プレート部3(第1プレート部8及び第2プレート部9)が、収容部2(第1シート部5及び第2シート部6)の外面に設けられるので、シート状の車検証100を収容部2に配置した状態で、プレート部3によってICタグ102を好適に保護することができる。また、ポーチ1では、プレート部3を収容部2に容易に取り付けることができる。
【0060】
また、ポーチ1では、収容部2がファスナ部7(雌型の係合部7a及び雄型の係合部7b)を有するので、ファスナ部7によって収容部2の内部への水及び異物の購入を防ぐことができる。また、ポーチ1では、ファスナ部7を容易に開閉することができる。
【0061】
また、ポーチ1では、収容部2が、ショアA硬度50以上且つショアA硬度100未満の硬度を有する材料によって形成されるので、収容部2を容易に折り畳むことができる。この構成によって、ポーチ1の携帯性を向上することができる。また、収容部2が、ポリ塩化ビニルを含む樹脂によって形成されるので、収容部2の防水性を向上することができる。
【0062】
また、ポーチ1では、プレート部3が、ショアD硬度65以上且つショアD硬度85未満の硬度を有する材料によって、形成されるので、ICタグ102を好適に保護することができる。また、プレート部3が、ポリ塩化ビニルを含む樹脂によって形成されるので、プレート部3の軽量化を図ることができる。
【0063】
また、ポーチ1では、収容部2が矩形状に形成された場合、使用者が所望する長手方向の位置で収容部2を折り畳むことができるので、ポーチ1の携帯性を向上することができる。
【0064】
(変形例)
(1)前記実施形態では、プレート部3が、第1プレート部8及び第2プレート部9を有する場合の例が、示された。図6に示すように、プレート部3は、第1プレート部8及び第2プレート部9のいずれか一方だけを有していてもよい。図6では、ICタグ102に近い第1プレート部8だけが、第1シート部5に設けられている。
【0065】
(2)前記実施形態では、プレート部3(第1プレート部8及び第2プレート部9)が、挿入口4とは反対側において、収容部2(第1シート部5及び第2シート部6)に設けられる場合の例が、示された。
【0066】
図7に示すように、ポーチ201が構成されてもよい。ポーチ201では、プレート部3(第1プレート部8及び第2プレート部9)が挿入口4側に設けられる。この場合、ICタグ102は、第1プレート部8及び第2プレート部9の間に配置される。
【0067】
(他の実施形態)
(A)前記実施形態では、第1プレート部8及び第2プレート部9が、第1カバー部10及び第2カバー部11を介して、第1シート部5及び第2シート部6に各別に設けられる場合の例が、示された。第1プレート部8及び第2プレート部9は、第1カバー部10及び第2カバー部11を用いることなく、第1シート部5及び第2シート部6に直接的に貼り付けられてもよい。
【0068】
(B)前記実施形態では、ファスナ部7が収容部2の第1短辺5a2及び第2短辺6a2に設けられる場合の例が、示された。ファスナ部7は、収容部2の第1長辺5b及び第2長辺6bに設けられてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、ICタグ102を有するシート状の基材を収容するために用いられるポーチに対して、利用可能である。
【符号の説明】
【0070】
1 ポーチ
2 収容部
3 プレート部
4 挿入口
5 第1シート部
5a 第1短辺
5b 第1長辺
6 第2シート部
6a 第2短辺
6b 第2長辺
7 ファスナ部
7a 雌型の係合部
7b 雄型の係合部
8 第1プレート部
9 第2プレート部
100 車検証
102 ICタグ
S 収容空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-01-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ICタグを有するシート状の基材を収容するために用いられるポーチであって、
前記基材を収容し、折り畳み可能に構成される収容部と、
前記ICタグに対向し前記ICタグを覆うように前記収容部に設けられ、前記収容部よりも曲げ剛性が高いプレート部と、
を備えるポーチ。
【請求項2】
前記収容部は、第1シート部と、前記第1シート部に対向して配置される第2シート部と、を有し、
前記第1シート部の第1外縁及び前記第2シート部の第2外縁を互いに部分的に固着することによって、前記基材の収容空間が形成され、
前記第1シート部の第1外縁の非固着部及び前記第2シート部の第2外縁の非固着部が、前記基材の挿入口を形成する、
請求項1に記載のポーチ。
【請求項3】
前記第1シート部及び前記第2シート部のそれぞれは、矩形状に形成され、
前記第1シート部の3辺を形成する第1外縁及び前記第2シート部の3辺を形成する第2外縁を互いに固着することによって、前記収容空間が形成され、
前記第1シート部の非固着の第1外縁及び前記第2シート部の非固着の第2外縁が、前記挿入口を形成する、
請求項2に記載のポーチ。
【請求項4】
前記第1シート部は、1対の第1短辺と、1対の第1長辺と、を有し、
前記第2シート部は、前記1対の第1短辺と各別に対向する1対の第2短辺と、前記1対の第1長辺と各別に対向する1対の第2長辺と、を有し、
前記第1シート部の前記非固着の辺は、前記1対の第1短辺のいずれか一方であり、
前記第2シート部の前記非固着の辺は、前記1対の第2短辺のいずれか一方である、
請求項3に記載のポーチ。
【請求項5】
前記プレート部は、第1プレート部を含み、
前記第1プレート部は、前記1対の第1短辺のいずれか他方側において、前記第1シート部に設けられる、
請求項4に記載のポーチ。
【請求項6】
前記第1プレート部は、前記第1シート部の外面に設けられる、
請求項5に記載のポーチ。
【請求項7】
前記プレート部は、第2プレート部をさらに含み、
前記第2プレート部は、前記1対の第2短辺のいずれか他方側において、前記第2シート部に設けられる、
請求項5又は6に記載のポーチ。
【請求項8】
前記第2プレート部は、前記第2シート部の外面に設けられる、
請求項7に記載のポーチ。
【請求項9】
前記収容部には、前記基材の挿入口が形成され、
前記収容部は、前記挿入口を開閉するためのファスナ部、を有する、
請求項1に記載のポーチ。
【請求項10】
前記ファスナ部は、前記収容部に設けられる雌型の係合部と、前記収容部に設けられ前記雌型の係合部と対向して配置され前記雌型の係合部に嵌合される雄型の係合部と、を有する、
請求項9に記載のポーチ。
【請求項11】
前記収容部は、ショアA硬度50以上且つショアA硬度100未満の硬度を有する材料によって形成される、
請求項1に記載のポーチ。
【請求項12】
前記収容部は、ポリ塩化ビニルを含む樹脂によって形成される、
請求項11に記載のポーチ。
【請求項13】
前記プレート部は、ショアD硬度65以上且つショアD硬度85未満の硬度を有する材料によって形成される、
請求項1に記載のポーチ。
【請求項14】
前記プレート部は、ポリ塩化ビニルを含む樹脂によって形成される、
請求項13に記載のポーチ。
【請求項15】
前記収容部は、矩形状に形成され、
前記収容部の短辺の長さは、90mm以上且つ150mm未満であり、
前記収容部の長辺の長さは、160mm以上且つ250mm未満である、
請求項1に記載のポーチ。