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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057844
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】搬送台車
(51)【国際特許分類】
   B61D 47/00 20060101AFI20240418BHJP
   B62B 5/00 20060101ALI20240418BHJP
   B61B 13/00 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
B61D47/00 A
B62B5/00 C
B61B13/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022164793
(22)【出願日】2022-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】302060926
【氏名又は名称】株式会社フジタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】森山 湧志
(72)【発明者】
【氏名】関原 弦
(72)【発明者】
【氏名】沖田 欣文
【テーマコード(参考)】
3D050
3D101
【Fターム(参考)】
3D050AA01
3D050BB02
3D050DD03
3D050EE08
3D050EE15
3D050KK02
3D101BB34
3D101BB43
(57)【要約】
【課題】自動搬送車の走行パターンの選択肢が増え、また、自動搬送車による効率的な搬送を選択できるようになる搬送台車を課題とする。
【解決手段】搬送台車は、荷台と、荷台に取り付けられたキャスターと、を備え、荷台の下方に潜り込み荷台に当接する昇降テーブルを備えた自動搬送車によって搬送される搬送台車であって、搬送台車は、荷台の底面に下方に突出するように設けられた第1ガイドプレート、第2ガイドプレート、第3ガイドプレート、および第4ガイドプレートを備え、第1ガイドプレート乃至第4ガイドプレートの少なくとも一は、荷台の内側へ開くことが可能な構造を有する、ことを特徴とする搬送台車。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷台と、前記荷台に取り付けられたキャスターと、を備え、前記荷台の下方に潜り込み前記荷台に当接する昇降テーブルを備えた自動搬送車によって搬送される搬送台車であって、
前記搬送台車は、前記荷台の底面に下方に突出するように設けられた第1ガイドプレート、第2ガイドプレート、第3ガイドプレート、および第4ガイドプレートを備え、
第1ガイドプレートは、前記第2ガイドプレートに正対して配置され、
第3ガイドプレートは、前記第4ガイドプレートに正対して配置され、
前記第1ガイドプレートおよび第2ガイドプレートは、前記荷台の長辺に対して平行に配置され、
前記第3ガイドプレートおよび第4ガイドプレートは、前記荷台の短辺に対して平行に配置され、
前記第1ガイドプレートおよび第2ガイドプレート、並びに、前記第3ガイドプレートおよび前記第4ガイドプレートは、前記昇降テーブルを挟むことが可能なように離隔され、
前記第1ガイドプレートの中心と前記第2ガイドプレートの中心とを結ぶ仮想的な第1中心線と前記第3ガイドプレートの中心と前記第4ガイドプレートの中心とを結ぶ仮想的な第2中心線とは、直交し、
前記第1ガイドプレート乃至前記第4ガイドプレートの少なくとも一は、前記荷台の内側へ開くことが可能な構造を有する、
ことを特徴とする搬送台車。
【請求項2】
前記第1ガイドプレート乃至前記第4ガイドプレートの少なくとも一は、前記荷台の底面に固定される固定プレートと、前記固定プレートに連結される可動プレートと、前記固定プレートの内側端部を中心として前記可動プレートを回動可能に連結する連結部と、を含み、
前記可動プレートが前記荷台の内側へ開くように変位する、請求項1に記載の搬送台車。
【請求項3】
前記第1ガイドプレート乃至前記第4ガイドプレートのうち2つ以上は、前記荷台の底面に固定される固定プレートと、前記固定プレートに連結される可動プレートと、前記固定プレートの内側端部を中心として前記可動プレートを回動可能に連結する連結部と、を含み、
前記可動プレートが前記荷台の内側へ開くように変位する、請求項1に記載の搬送台車。
【請求項4】
前記固定プレートの下側端面と、前記可動プレートの上側端面と、が当接するように設けられている、請求項3に記載の搬送台車。
【請求項5】
前記第1ガイドプレート乃至前記第4ガイドプレートのうち、前記荷台の内側へ開くことが可能な構造を有するガイドプレートがある側が、前記自動搬送車の進入及び退出経路とされている、請求項1に記載の搬送台車。
【請求項6】
前記第1ガイドプレート乃至前記第4ガイドプレートは、前記昇降テーブルを前記荷台の中心方向へガイドする、請求項1に記載の搬送台車。
【請求項7】
前記第1ガイドプレート乃至前記第4ガイドプレートの少なくとも一は、自動搬送車が下に潜り込むとき昇降テーブルと当接する位置にあり、
自動搬送車に対してストッパとして機能する、請求項1に記載の搬送台車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一実施形態は、建設現場の資材の搬送において利用される搬送台車の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動搬送車(AGV:Automatic Guided Vehicle)の技術開発が進み、様々な場面で自動搬送車が導入され始めている。例えば、倉庫内で商品や資材を搬送するために自動搬送車が導入されている。自動搬送車を使用することによって、作業員が倉庫内を移動して商品や資材を搬送する手間が省け、倉庫での作業効率が向上し、作業に要するコストを削減することができる。このような自動搬送車の一つとして、搬送台車の下方に入り込み、搬送台車を持ち上げて搬送可能な自動搬送車が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-160564号公報
【特許文献2】特開2014-162399号公報
【特許文献3】特開2021-66414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これまで、自動搬送車の荷台の下方に潜り込みができる方向は、荷台の決まった一方向からであり、自動搬送車を設置するのにその決まった一方向から進入させていた。また、自動搬送車を荷台の二方向から潜り込みができても、自動搬送車と搬送台車との連結のための位置精度が低く、それらの連結が難しいという課題がある。
【0005】
本発明の一実施形態は上記問題に鑑み、自動搬送車が荷台の下方に複数の方向から潜り込み可能な搬送台車を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係る搬送台車は、荷台と、荷台に取り付けられたキャスターと、を備え、荷台の下方に潜り込み荷台に当接する昇降テーブルを備えた自動搬送車によって搬送される搬送台車であって、搬送台車は、荷台の底面に下方に突出するように設けられた第1ガイドプレート、第2ガイドプレート、第3ガイドプレート、および第4ガイドプレートを備え、第1ガイドプレートは、第2ガイドプレートに正対して配置され、第3ガイドプレートは、第4ガイドプレートに正対して配置され、第1ガイドプレートおよび第2ガイドプレートは、荷台の長辺に対して平行に配置され、第3ガイドプレートおよび第4ガイドプレートは、荷台の短辺に対して平行に配置され、第1ガイドプレートおよび第2ガイドプレート、並びに、第3ガイドプレートおよび第4ガイドプレートは、昇降テーブルを挟むことが可能なように離隔され、第1ガイドプレートの中心と第2ガイドプレートの中心とを結ぶ仮想的な第1中心線と第3ガイドプレートの中心と第4ガイドプレートの中心とを結ぶ仮想的な第2中心線とは、直交し、第1ガイドプレート乃至第4ガイドプレートの少なくとも一は、荷台の内側へ開くことが可能な構造を有する。
【0007】
第1ガイドプレート乃至第4ガイドプレートの少なくとも一は、荷台の底面に固定される固定プレートと、固定プレートに連結される可動プレートと、固定プレートの内側端部を中心として可動プレートを回動可能に連結する連結部と、を含み、可動プレートが前記荷台の内側へ開くように変位してもよい。
【0008】
第1ガイドプレート乃至第4ガイドプレートのうち2つ以上は、荷台の底面に固定される固定プレートと、固定プレートに連結される可動プレートと、固定プレートの内側端部を中心として可動プレートを回動可能に連結する連結部と、を含み、可動プレートが荷台の内側へ開くように変位してもよい。
【0009】
固定プレートの下側端面と、可動プレートの上側端面と、が当接するように設けられてもよい。
【0010】
第1ガイドプレート乃至第4ガイドプレートの中で荷台の内側へ開くことが可能な構造を有するガイドプレートがある側が、自動搬送車の進入及び退出経路とされていてもよい。
【0011】
第1ガイドプレート乃至第4ガイドプレートの少なくとも一は、昇降テーブルを荷台の中心方向へガイドしてもよい。
【0012】
第1ガイドプレート乃至第4ガイドプレートの少なくとも一は、自動搬送車が下に潜り込むとき昇降テーブルと当接する位置にあり、自動搬送車に対してストッパとして機能してもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一実施形態によれば、自動搬送車が荷台の下方に複数の方向から潜り込み可能な搬送台車を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係る搬送台車と、搬送台車を搬送する自動搬送車の構成を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る搬送台車の構成を示す図である。
図3】本発明の一実施形態に係る搬送台車のガイドプレートの構成を示す図である。
図4】本発明の一実施形態に係る搬送台車を搬送する自動搬送車の構成を示す図である。
図5】本発明の一実施形態に係る搬送台車の荷台の下方に設けられるガイドプレートを説明する図である。
図6】本発明の一実施形態に係る搬送台車の荷台の下方に設けられるガイドプレートを説明する図である。
図7】本発明の一実施形態に係る搬送台車の荷台の下方に設けられるガイドプレートを説明する図である。
図8】本発明の一実施形態に係る搬送台車の荷台の下方に設けられるガイドプレートを説明する図である
図9】本発明の一実施形態に係る搬送台車の荷台の下方に設けられるガイドプレートを説明する図である。
図10】本発明の一実施形態に係る搬送台車から自動搬送車が離脱する動作を説明する図である。
図11】本発明の一実施形態に係る搬送台車の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の各実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、実施形態はあくまで一例にすぎず、当業者が、発明の主旨を保ちつつ適宜変更することによって容易に想到し得るものについても、当然に本発明の範囲に含有される。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合がある。しかし、図示された形状はあくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
【0016】
本発明細書において、説明の便宜上、「上」、「上方」、または「上部」もしくは「下」、「下方」、または「下部」という語句を用いて説明するが、各構成の上下関係を説明しているに過ぎない。例えば、構造物(例えば、台車または自動搬送車など)の構成の位置関係を説明する場合、構造物の通常使用する態様を基準とし、構造物が設置される面側(例えば、床面側)を「下」、「下方」、または「下部」とすることがある。
【0017】
本明細書において、各構成に付記される「第1」、「第2」、または「第3」などの文字は、各構成を区別するために用いられる便宜的な標識であり、特段の説明がない限り、それ以上の意味を有さない。
【0018】
本明細書および図面において、同一または類似する複数の構成を総じて表記する際には同一の符号を用い、これら複数の構成のそれぞれを区別して表記する際には、大文字または小文字のアルファベットを添えて表記する場合がある。また、一つの構成のうちの複数の部分を区別して表記する際には、ハイフンと数字を用いる場合がある。
【0019】
本明細書において、「自動搬送車」とは、搬送台車を指示された所定の場所まで搬送する自動走行の可能な車両をいう。
【0020】
本明細書において、「搬送台車」とは、荷台に資材などを積載可能な車両をいう。
【0021】
本明細書において、「自動走行」とは、プログラムに基づく指示による走行だけでなく、自動搬送車が具備する制御装置による自律走行を含む。自律走行には、自動搬送車が所定の経路に沿って目的地に向かう走行だけでなく、目標物を追従した走行も含まれる。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係る搬送台車と、搬送台車を搬送する自動搬送車200の構成を示す図である。具体的には、図1は、搬送台車の下に自動搬送車200が潜り込んだ状態を示す側面図である。
【0023】
図1に示すように、搬送台車100は、荷台110、キャスター120、ガイドプレート131-1、ガイドプレート131-2、ガイドプレート131-3、およびガイドプレート131-4(図示されず)を含む。自動搬送車200は、本体210、クローラー220、昇降テーブル231、および昇降可動部232を含む。搬送台車100は荷台110の上に資材等の荷物を載置することができ、自動搬送車200は、搬送台車100の下に潜り込んで所定の場所に搬送する機能を有する。搬送台車100と自動搬送車200が連係することにより、資材等の荷物をある地点から他の地点へ運ぶことが可能となり、本明細書ではこのような機能を発現する構成を自動搬送システムと呼ぶ。
【0024】
自動搬送車200は、搬送台車100の荷台110の下方に潜り込む。自動搬送車200は、少なくとも2方向から搬送台車100の荷台110の下に潜り込むことできる。別言すれば、搬送台車100は、自動搬送車200が潜り込むことのできる経路を少なくとも2つ備えている。搬送台車100の荷台110の底面には、ガイドプレート131-1、ガイドプレート131-2、ガイドプレート131-3、およびガイドプレート131-4(図示されず)が昇降テーブル231の位置を荷台110の中心になるようにガイドする。搬送台車100の下に潜り込むと、昇降テーブル231が上昇し、荷台110の底面に当接する。荷台110と昇降テーブル231とが当接することにより、搬送台車100と自動搬送車200とが連結される。これにより、自動搬送車200は、搬送台車100を搬送することができる。
【0025】
図2(A)および図2(B)本発明の一実施形態に係る搬送台車100の構成を示す図である。具体的には、図2(A)は搬送台車100の側面図を示し、図2(B)は、搬送台車100の底面図を示す。
【0026】
図2(A)および図2(B)に示すように、搬送台車100は、複数のキャスター120、ガイドプレート131-1、ガイドプレート131-2、ガイドプレート131-3、ガイドプレート131-4を有する。複数のキャスター120は荷台110に取り付けられる。複数のキャスター120は、荷台110の底面に設けられる。ガイドプレート131-1、ガイドプレート131-2、ガイドプレート131-3、ガイドプレート131-4は、荷台110の底面から突出するように設けられる。荷台110の形状は、平面視において、長辺および短辺を有する矩形である。このとき、複数のキャスター120は、それぞれ、荷台110の4つの角部に配置される。
【0027】
キャスター120は、車輪部と旋回部を含む。車輪部は、車輪軸を通して回転可能に支持部に取り付けられる。旋回部は支持部を回転自在となるように支持し、それにより車輪の向く方向が自由に変化する。搬送台車100がこのようなキャスター120を備えることにより、自動搬送車200は搬送台車100の進行方向を自由に制御することができる。なお、搬送台車100が静止しているときに、不用意に動かないように、キャスター120にはストッパが設けられていることが好ましい。
【0028】
キャスター120の荷台110への取り付け位置に限定はないが、ガイドプレート131-1~131-4と干渉しない位置に取り付けられることが好ましい。また、キャスター120は、荷台110を水平に安定した状態で支持することができるように設けられることが好ましい。荷台110が平面視で矩形である場合、キャスター120は各角部に合わせて4箇所に設けられることが好ましい。また、荷台110の平面視における形状が円形などの異形の場合でも、バランスがとれるように少なくとも4箇所に離隔して取り付けられることが好ましい。
【0029】
ガイドプレート131-1~132-4は、キャスター120のそれぞれが回動する動作領域と重ならないように配置される。図2(B)に示すように、荷台110が平面視で長方形である場合、ガイドプレート131-1およびガイドプレート131-2は荷台110の短辺に沿うように配置され、ガイドプレート131-3およびガイドプレート131-4は荷台110の長辺に沿うように配置される。ガイドプレート131-1およびガイドプレート131-2は板状の部材であり、その一辺が荷台110の短辺に対して平行になるように配置される。また、ガイドプレート131-3およびガイドプレート131-4も全体形状としては板状の部材であり、その一辺が荷台110の長辺に対して平行になるように配置される。ガイドプレート131-1は、ガイドプレート131-2に正対して配置され、ガイドプレート131-3は、ガイドプレート131-4に正対して配置される。ガイドプレート131-1およびガイドプレート131-2は、昇降テーブルを挟むことが可能なように離隔され、ガイドプレート131-3およびガイドプレート131-4も、昇降テーブル231を挟むことが可能なように離隔される。このようにガイドプレート131-1、ガイドプレート131-2、ガイドプレート131-3およびガイドプレート131-4を配置することにより、これらガイドプレートは自動搬送車200の旋回動作において、昇降テーブル231をガイドすることができる。
【0030】
ガイドプレート131-1およびガイドプレート131-2に対し、ガイドプレート131-3およびガイドプレート131-4は90度回転して配置される。すなわち、図2(B)に示すように、ガイドプレート131-1およびガイドプレート131-2がこれらの中心を結ぶ仮想的なA1-A2中心線上に配置され、ガイドプレート131-3およびガイドプレート131-4がこれらの中心を結ぶB1-B2中心線上に配置されるとき、A1-A2線に対してB1-B2線は直交する関係を有する。換言すると、正対して配置されるガイドプレート131-3およびガイドプレート131-4の組は、正対して配置されるガイドプレート131-1およびガイドプレート131-2の組に対して、荷台110の中心を回転中心として90度回転して配置される。なお、ガイドプレート131-1の内側面からガイドプレート131-2の内側面までの離隔と、ガイドプレート131-3の内側面からガイドプレート131-4の内側面までの距離は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。正対するガイドプレート同士の間隔は、自動搬送車200の昇降テーブル231の形状に合わせて適宜設定される。
【0031】
図3(A)および図3(B)は、本発明の一実施形態に係る搬送台車100に設けられるガイドプレートを説明する図である。図3(A)は、図2(B)に示すA1-A2線で切断された搬送台車100の断面図を示す。図3(B)は、図3(A)に示す破線で囲む領域を拡大して示した図である。
【0032】
図3(A)に示すように、ガイドプレート131-3およびガイドプレート131-4は、全体形状が板状の形状を有する部材である。
【0033】
図3(A)は、ガイドプレート131-3およびガイドプレート131-4が、固定プレート132a1および可動プレート132a2を含んで構成されることを示す。固定プレート132a1は、荷台110に固定され、可動プレート132a2は連結部132bによって固定プレート132a1に取り付けられる。このとき、固定プレート132a1と可動プレート132a2とは、双方の内側面が面一となるように連結される。なお、内側面とは、ガイドプレート131-3およびガイドプレート131-4を荷台110に取り付けたとき、荷台110の内側を向く面をいう。
【0034】
なお、図3(A)は、ガイドプレート131-3およびガイドプレート131-4の両方が、固定プレート132a1および可動プレート132a2から構成される例を示すが、このような構成は一方のガイドプレートに対してのみ適用されてもよい。例えば、ガイドプレート131-3が固定プレート132a1および可動プレート132a2から構成され、ガイドプレート131-4が可動部を有しない単板で構成されてもよい。
【0035】
固定プレート132a1は、荷台110の底面から下方に向けて立つように設けられる。固定プレート132a1の荷台110への取り付け構造に限定はなく、接着剤で取り付けられてもよいし、ネジ止めなどの固定手段によって取り付けられてもよい。また、固定プレート132a1は、図示されないが、L字型の側面形状を有し、L字に屈曲した先端が外側に向くようにして荷台110に取り付けられてもよい。固定プレート132a1は、一端が固定端となり、離れた他端が自由端となるように荷台110に取り付けられる。
【0036】
可動プレート132a2は、固定プレート132a1に連結される。上述したように、可動プレート132a2は、固定プレート132a1と、内側面が面一となるように取り付けられる。可動プレート132a2は、固定プレート132a1への取り付け部分を中心に回動するように設けられる。この場合、可動プレート132a2の回動中心を、固定プレート132a1の内側面の下端部と、可動プレート132a2の内側面の上端部とが近接する部分に位置させることで、可動プレート132a2の回動範囲を制限することができる。すなわち、可動プレート132a2の回動範囲を、荷台110の内側方向にのみ制限することができる。ガイドプレート131-3およびまたはガイドプレート131-4は、このような構成を有することで、荷台110の外側から外力が作用したときに、可動プレート132a2が内側に開く、または内側に倒れ込むように変位させることができる。
【0037】
固定プレート132a1と可動プレート132a2の連結には、連結部132bが用いられる。具体的には、固定プレート132a1と可動プレート132a2との間には、図3(B)に示すように、連結部132bが設けられる。
【0038】
連結部132bは、固定プレート132a1および可動プレート132a2の荷台110の内側に向く面(内側面)に設けられる。換言すると、連結部132bは、固定プレート132a1および可動プレート132a2の荷台110の外側端部に向く面と反対の面に設けられる。連結部132bをこのように設けることで、連結部132bを支点として荷台110の内側方向に可動プレート132a2を回動させることができる。このような可動プレート132a2の動きによって、ガイドプレート131-3、ガイドプレート131-4は、荷台110の外側から内側に向く外力が作用したときに、可動プレート132a2の部分が内側へ開くように動くことができる。また、ガイドプレート131-3、ガイドプレート131-4は、荷台110の内側から外側に向けて外力が作用したときに、可動プレート132a2の部分が外側へ開かないようにすることができる。
【0039】
なお、ガイドプレートが荷台110の内側へ開くとは、荷台110の中心方向へ開くことを示す。また、ガイドプレート131-3、131-4が閉じているとき(外力が作用しないとき)、固定プレート132a1と可動プレート132a2は、1つの平板を構成するように縦方向に並んでいることが好ましい。このような状態を維持するために、連結部132bには弾性部材が設けられ、その弾性力によって可動プレート132a2が閉じた状態を維持できるようにされていてもよい。
【0040】
連結部132bは、固定プレート132a1および可動プレート132a2の内側面から突出しないように設けられていてもよい。具体的には、可動プレート132a2が内側に開かない状態(閉じた状態)では、固定プレート132a1と可動プレート132a2が1枚の平板な板とみなすことができるように、連結部132bによって突起部が形成されない構造を有していてもよい。このような構成は、固定プレート132a1および可動プレート132a2にザグリ(凹溝)を設け、この部分に連結部132bが埋め込まれるようにすることで実現することができる。このような構造で連結部132bを設けることで、連結部132bの内側面が固定プレート132a1および可動プレート132a2の内側面より突出することがなく、後述する円形状の昇降テーブル231が昇降するときの突出した連結部132bによる阻害を抑制することができる。
【0041】
連結部132bは、固定プレート132a1に固定される第1固定部132b1および可動プレート132a2に固定される第2固定部132b2を有する。連結部132bは、上述したように、固定プレート132a1および可動プレート132a2に埋め込むように設けることができる。第1固定部132b1および第2固定部132b2の固定方法は、ネジ止め、接着剤等の固定手段を用いて固定されればよい。
【0042】
第1固定部132b1と第2固定部132b2とは、連結軸132b3で連結される。連結軸132b3は、図3(B)に示すように、断面視において第1固定部132b1と第2固定部132b2との間に位置し、第1固定部132b1および第2固定部132b2に設けられた挿通孔に通される。第1固定部132b1および第2固定部132b2に設けられる挿通孔は、外側に突出しないので、連結軸132b3が第1固定部132b1および第2固定部132b2の内側面より突出することがない。したがって、第1固定部132b1と第2固定部132b2が、固定プレート132a1および可動プレート132a2に設けられたザグリ(凹溝)に設けられることで、連結軸132b3も外側に突出することがない。詳細は後述するが、ガイドプレート131-3およびガイドプレート131-4がこのような構成を有することで、自動搬送車200の昇降テーブル231が昇降するときに、連結部132bが突出することによる障害が無いようにすることができる。
【0043】
第1固定部132b1、第2固定部132b2、および連結軸132b3を備えた部品として、蝶番を用いることができる。その中で、連結軸132b3が外側に突出しない蝶番として、例えば、ドロップ蝶番やミシン蝶番などを用いることができる。また、図3(B)に示すように、第1固定部132b1と第2固定部132b2が重なるように旋回角度180度である蝶番を連結部132bに用いることが好ましい。旋回角度180度の連結部132bを用いることで、後述する昇降テーブル231とガイドプレート131-3との距離d1を、ガイドプレート131-3の厚さt1とすることができる。
【0044】
連結軸132b3は、第1固定部132b1と第2固定部132b2とを連結し、第1固定部132b1の第2固定部132b2との連結に寄与する内側端部を中心に第2固定部132b2を回転可能にする。したがって、図3(B)に示すように、連結部132bは、第1固定部132b1が固定される固定プレート132a1の内側端部を中心に第2固定部132b2が固定される可動プレート132a2を回転可能にする。このように、連結部132bが可動プレート132a2を回転可能にすることで、可動プレート132a2は、荷台110の内側へ開き、荷台110の略垂直方向から変位することができる。可動プレート132a2は、固定プレート132a1および可動プレート132a2の内側面に連結部132bが設けられており、また固定プレート132a1および可動プレート132a2は当接しているため、荷台110の外側へは十分に開かない。
【0045】
可動プレート132a2が荷台110の内側へ開くように変位することで、自動搬送車200が荷台110の下方に潜り込む際に自動搬送車200の昇降テーブル231が可動プレート132a2を押し開けて、荷台110の中心に進行することができる。また、自動搬送車200の昇降テーブル231がガイドプレート131-3に正対して配置されるガイドプレート131-4の可動プレート132a2に向かって進行しても、ガイドプレート131-4の可動プレート132a2は荷台110の内側にしか開かないため、自動搬送車200は、昇降テーブル231がガイドプレート131-4の可動プレート132a2に接触することで止まる。したがって、自動搬送車200を所定の位置で止めることができる。
【0046】
なお、以下では、説明の便宜上、ガイドプレート131-1およびガイドプレート131-2ならびにガイドプレート131-3およびガイドプレート131-4に内接する円の内側の領域を、ガイドプレート内領域という場合がある。自動搬送車200の昇降テーブル231がガイドプレート内領域に位置するとき、自動搬送車200は、搬送台車100を持ち上げて搬送することができ、または旋回することができる。そのため、自動搬送車200の昇降テーブル231がガイドプレート内領域に位置するとき、搬送台車100と自動搬送車200とが係合しているという場合がある。
【0047】
図4は、本発明の一実施形態に係る搬送台車を搬送する自動搬送車200の構成を示す模式図である。具体的には、図4(A)は、昇降テーブル231が下降した状態にある自動搬送車200の斜視図であり、図4(B)は、昇降テーブル231が上昇した状態にある自動搬送車200の斜視図である。
【0048】
図4(A)および図4(B)に示すように、本体210の側面に一対のクローラー220が設置されている。自動搬送車200は、一対のクローラー220が回転することによって移動する。一対のクローラー220を同じ方向に回転させると、自動搬送車200は、前進または後退、さらに信地旋回することができる。なお、信地旋回とは、一対のクローラー220を異なる方向に回転させることでその位置で旋回することができる。したがって、自動搬送車200が資材を搬送する場合、搬送経路を直角に曲がれるため、限られた搬送経路を有効に設定することができる。ここでは、自動搬送車200にクローラー220を用いて移動する例を示したが、クローラー220の代わりにタイヤを用いることもできる。
【0049】
自動搬送車200の本体210の上には、図4(A)に示すように、昇降テーブル231が設置されている。昇降テーブル231は、図4(B)に示すように、本体210の上面に設置された昇降可動部232によって、昇降することができる。搬送台車100の荷台110の下方に潜り込んだ自動搬送車200は、昇降テーブル231を上昇させて、搬送台車100を持ち上げることができる。また、自動搬送車200は、自動搬送車200が搬送台車100を持ち上げた状態で、一対のクローラー220を駆動し、搬送台車100を搬送することができる。
【0050】
上記では、自動搬送車200が昇降テーブル231で搬送台車100を持ち上げた状態で搬送台車100を搬送する例を挙げたが、搬送台車100を持ち上げずに搬送台車100を搬送してもよい。例えば、自動搬送車200が昇降テーブル231で搬送台車100を下から支えて、搬送台車100に備えられたキャスターを用いて搬送台車100を搬送することができる。
【0051】
昇降テーブル231の高さは、例えば、昇降テーブル231の降りている状態(昇降可動部232が伸びていない状態)を0mmとすると、昇った状態(昇降可動部232が一番伸びだ状態)が100mmであり、ガイドプレート131-3に当たる状態が12mmとすることができる。
【0052】
昇降テーブル231は、略円形状を有する。昇降テーブル231の円形状の大きさは、ガイドプレート131-3とガイドプレート131-4との間の距離より小さい。また、ガイドプレート131-1およびガイドプレート131-2に連結部132bと同様のものを設けた場合、昇降テーブル231の円形状の大きさは、ガイドプレート131-1とガイドプレート131-2との間の距離より小さい。なお、昇降テーブル231の形状は、略正八角形等も含まれる。
【0053】
また、昇降テーブル231の円形状の大きさは、ガイドプレート131-1の平板部材131-1aに内接する円の大きさよりも大きい。ガイドプレート内領域において、昇降テーブル231は、荷台110の底面と接し、搬送台車100を搬送することができる。
【0054】
続いて、図5図8を参照して、自動搬送車200の動作について説明する。なお、図5および図7には、説明の便宜上、搬送台車100の構成の一部および自動搬送車200の構成の一部のみが示されている。
【0055】
図5図7は、搬送台車100の下方に自動搬送車200が潜り込む動作(すなわち、係合動作)を説明する模式図である。可動プレート132a2が荷台110の内側に開き、自動搬送車200が荷台110の長辺側から荷台110の下方に潜り込めるように、高さh1の可動プレート132a2を搬送台車100に設ける。自動搬送車200の昇降テーブル231は、その上面の高さを可動プレート132a2の固定プレート132a1と当接する上側端面からその反対の下側端面までの高さh1内に設定する(図5(B)参照)。
【0056】
昇降テーブル231の上面の高さが設定されると、昇降テーブル231が荷台110の下方へそのまま潜り込めるように、ガイドプレート131-3は荷台110の内側に開く。ガイドプレート131-3の可動プレート132a2は、荷台110の長辺側から進入してくる昇降テーブル231に押され、荷台110の内側方向に開き、自動搬送車200の昇降テーブル231を荷台110の下方に潜り込ませる(図6(A)および(B)参照)。これにより、ガイドプレート131-1乃至ガイドプレート131-4のうち、ガイドプレート131-3がある側が、自動搬送車200の進入経路となる。昇降テーブル231の上面の高さが固定プレート132a1にかかるように設定された場合、固定プレート132a1は荷台110に固定されているため、固定プレート132a1は、昇降テーブル231の固定プレート132a1より内側への進入を阻み、また、可動プレート132a2が荷台110の内側に開かず、昇降テーブル231を荷台110の下方に潜り込むませることができない。
【0057】
自動搬送車200が荷台110の中心に向かって進むと、ガイドプレート131-1およびガイドプレート131-2は、自動搬送車200の昇降テーブル231を荷台110の中心にガイドし、ガイドプレート131-3に対向するガイドプレート131-4の可動プレート132a2と接触させ、自動搬送車200を停止させる(図7(A)および(B)参照)。自動搬送車200を荷台110の長辺側から荷台110の下方に潜り込ます前に、昇降テーブル231の上面の高さを可動プレート132a2の長手の範囲h1内に設定していたため、ガイドプレート131-4の可動プレート132a2は昇降テーブル231と接触し、自動搬送車200をガイドプレート131-3とガイドプレート131-4の間におけるガイドプレート131-4の荷台110の内側に停止させることができる。上述したように、ガイドプレート131-4は荷台110の内側に開き、荷台110外側には開かないため、自動搬送車200を停止させることができる。
【0058】
昇降テーブル231の上面の高さを可動プレート132a2より下に設定していた場合、ガイドプレート131-1およびガイドプレート131-2は、昇降テーブル231と接触しないため、昇降テーブル231をガイドしない。また、昇降テーブル231が荷台110の中心に向かって進んだとしても、ガイドプレート131-4の可動プレート132a2は昇降テーブル231と接触しないため、自動搬送車200をガイドプレート131-4の荷台110の内側に停止させることはできない。
【0059】
ガイドプレート131-1およびガイドプレート131-2ならびにガイドプレート131-3およびガイドプレート131-4は、昇降テーブル231の位置設定をすることができる。昇降テーブル231の形状が円形状、例えば、真円や楕円、である場合、ガイドプレート131-1およびガイドプレート131-2ならびにガイドプレート131-3およびガイドプレート131-4は、自動搬送車200を荷台110の中心近くへ容易にガイドすることができる。また、昇降テーブル231の形状が円形状であるため、自動搬送車200の荷台110の下への潜り込み位置が最大で昇降テーブル231の半径分一致しなくとも、自動搬送車200を荷台110の中心近くへガイドすることができる。したがって、そのガイドにより、自動搬送車200と荷台110とが係合する位置に自動搬送車200をガイドすることができる。
【0060】
このように、荷台110の内側に開く連結部132bをガイドプレート131-3およびガイドプレート131-4に用いることで、ガイドプレート131-3およびガイドプレート131-4のどちらからも昇降テーブル231を精度よく荷台110下方に潜り込ませることができる。さらに、昇降テーブル231のガイドプレート131-4への接触によって所定の位置に配置できることは、物理的な制約で実施することができ、センサでは観測できない外部要因による影響が強く受けるオドメトリなどの自己位置推定法等を用いる方法に比べ、高い位置精度を保証することができる。
【0061】
次に、自動搬送車200が停止すると、昇降テーブル231がガイドプレート131-4の可動プレート132a2に沿って上昇させ旋回動作の準備に入る(図8(B)参照)。このとき、ガイドプレート131-4に凹凸のない連結部132bを用いると、自動搬送車200の停止した位置で昇降テーブル231を上昇下降の両方を行うことができる。また、ガイドプレート131-4に凹凸のある連結部132bを用いた場合は、昇降テーブル231を上昇させる前に、ガイドプレート131-3側に昇降テーブル231を移動させ、上昇させる。このとき、昇降テーブル231とガイドプレート131-3との距離d1は、少なくともガイドプレート131-3の厚さt1以上、またはガイドプレート131-3の可動プレート132a2が回転できる距離r1以上(図8(B)の破線矢印を参照)を取ればよい。ただし、距離d1は、昇降テーブル231が上昇し、荷台110を持ち上げた時にバランスを崩さない程度までの距離とする。
【0062】
図9(A)および図9(B)は、搬送台車100の荷台110の下方での自動搬送車200の旋回動作を説明する模式図である。
【0063】
自動搬送車200の旋回動作においては、昇降テーブル231を、係合動作の位置よりも上昇させる。すなわち、昇降テーブル231の側面が、ガイドプレート131-1およびガイドプレート131-2だけでなく、ガイドプレート131-3およびガイドプレート131-4と対向するように、昇降テーブル231を上昇させる。これにより、昇降テーブル231の位置は、ガイドプレート内領域において固定される。この状態において自動搬送車200が旋回動作を行うと、昇降テーブル231がガイドプレート131-1およびガイドプレート131-2ならびにガイドプレート131-3およびガイドプレート131-4によってガイドされるため、自動搬送車200の位置がずれることはない。そのため、自動搬送車200の旋回動作を安定させることができる。
【0064】
図9(B)は、昇降テーブル231とガイドプレート131-3との距離d1がガイドプレート131-3の厚さt1である場合を示す。固定プレート132a1と昇降テーブル231との距離d1が少なくともガイドプレート131-3厚さt1であれば、昇降テーブル231が昇降した時に、昇降テーブル231が可動プレート132a2を押し上げて図9(B)に示す位置に折りたたむことができ、可動プレート132a2が昇降テーブル231の昇降を阻害することがない。さらに、この状態において自動搬送車200が旋回動作を行っても、旋回動作を阻害することがない。したがって、固定プレート132a1と昇降テーブル231との距離d1が少なくともガイドプレート131-3厚さt1以上あることが好ましい。
【0065】
図10は、自動搬送車200が荷台110の下からの離脱を説明する模式図である。図10に示すように、上昇した昇降テーブル231が下降し、荷台110の下より荷台110の長辺方向に離脱する。昇降テーブル231は、可動プレート132a2より下方に下降させることで、荷台110の長辺の方向のどちらにでも抜けることができる。これにより、荷台110の長辺の方向が自動搬送車200の退出経路とされる。図10では、ガイドプレート131-3またはガイドプレート131-4がある側が、自動搬送車200の退出経路とされる。
【0066】
以上説明したように、本発明の一実施形態に係る搬送台車100は、荷台110の底面に配置されたガイドプレート131-3およびガイドプレート131-4は、荷台110の内側へ開くことができ、ガイドプレート131-3およびガイドプレート131-4が設置された複数の方向から自動搬送車200を荷台110の下方へ滑り込ませかつ容易に離脱することができる。
【0067】
また、荷台110の内側へ開くことができるガイドプレート131-3およびガイドプレート131-4を設けることにより、自動搬送車200の荷台110の下方への進入経路および退出経路を容易に確保することができる。
【0068】
また、本発明の一実施形態に係る搬送台車100は、ガイドプレート131-3およびガイドプレート131-4が荷台110の外側へ開かないため、荷台110の下へ潜り込んだ自動搬送車200をガイドプレート131-3またはガイドプレート131-4が接触し、所定の位置で停止させることができる。
【0069】
さらに、本発明の一実施形態に係る搬送台車100は、ガイドプレート131-3またはガイドプレート131-4を荷台110の内側へ開くために設ける連結部132bが外側に突出しない蝶番を用いる。それにより、ガイドプレート131-3またはガイドプレート131-4に接触することで停止した昇降テーブル231は、位置調整なしに上昇させることができる。
【0070】
本発明の一実施形態に係る搬送台車100は、自動搬送車200が荷台110の下方へ複数の方向から滑り込みができるため、自動搬送車200の走行パターンの選択肢を増やすことができ、効率的な搬送を選択できるようになる。また、自動搬送車200が荷台110の下へ潜り込むと、ガイドプレート131-3またはガイドプレート131-4の接触により上記ガイドプレート領域内の所定の位置に止まることができるため、自動搬送車200の位置精度を高く保証することができる。
【0071】
以下では、上述した実施形態に係る搬送台車100のいくつかの変形例について説明する。ただし、搬送台車100は、以下の変形例に限定されるものではない。また、以下では、変形例の構成が上述した構成と同様であるとき、変形例の構成の説明を省略する場合がある。
【0072】
<変形例1>
図11を参照し、ガイドプレート131-1およびガイドプレート131-2にも連結部132bと同様の連結部をつけた搬送台車100の説明をする。
【0073】
図11は、本発明の一実施形態に係る搬送台車100Aの構成を示す模式図である。図11に示すように、搬送台車100Aの荷台110の底面には、ガイドプレート131-1、ガイドプレート131-2、ガイドプレート131-3およびガイドプレート131-4が配置されている。ガイドプレート131-1およびガイドプレート131-2には連結部132bと同様の連結部が設けられている。また、搬送台車100Aの荷台110の底面に設置されるキャスター120の間隔d1、間隔d2は、昇降テーブル231の直径φ1より大きく、図示していないが自動搬送車200の横幅よりも大きい。
【0074】
ガイドプレート131-1およびガイドプレート131-2は、荷台110の内側へ開くことができ、キャスター120の間隔d2も昇降テーブル231の直径φ1より大きく、図示していないが自動搬送車200の横幅よりも大きいため、図11に示す実践矢印の方向の4方向から自動搬送車200を荷台110の下方へ潜り込ませることができる。
【0075】
本発明の実施形態として上述した各実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。また、各実施形態を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除、または設計変更を行ったものは本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0076】
上述した各実施形態によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、または当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0077】
100:搬送台車、110:荷台、120:キャスター、131-1:ガイドプレート、131-2:ガイドプレート、131-3:ガイドプレート、131-4:ガイドプレート、131-1a:平板部材、131-2a:平板部材、132a1:固定プレート、132a2:可動プレート、132b:連結部、132b1:第1固定部、132b2:第2固定部、132b3:連結軸、200:自動搬送車、210:本体、220:クローラー、231:昇降テーブル、232:昇降可動部
図1
図2
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図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11