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特開2024-57848カメラシステム、カメラユニットの制御方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057848
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】カメラシステム、カメラユニットの制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/222 20060101AFI20240418BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20240418BHJP
   G03B 17/56 20210101ALI20240418BHJP
   B25J 13/08 20060101ALI20240418BHJP
   H04N 23/66 20230101ALI20240418BHJP
   H04N 23/90 20230101ALI20240418BHJP
【FI】
H04N5/222 100
G03B15/00 U
G03B15/00 P
G03B17/56 Z
B25J13/08 A
H04N23/66
H04N23/90
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022164802
(22)【出願日】2022-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】000209751
【氏名又は名称】池上通信機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】稲越 隆久
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 雄己
(72)【発明者】
【氏名】中村 空広
【テーマコード(参考)】
2H105
3C707
5C122
【Fターム(参考)】
2H105AA14
2H105EE05
2H105EE33
3C707BS12
3C707KS17
3C707KS20
3C707LT11
5C122EA42
5C122EA63
5C122EA66
5C122EA67
5C122GD01
5C122GD04
5C122HA13
5C122HA35
5C122HA88
5C122HB01
5C122HB10
(57)【要約】
【課題】複数のカメラユニットを含むカメラシステムにおいて、カメラユニットの撮影環境に応じた同期制御を可能にする。
【解決手段】一実施形態において、操作端末によって複数のカメラユニットを同期制御するカメラシステムは、複数のカメラユニットのそれぞれの基準姿勢を取得する取得部と、複数のカメラユニットのうちの基準カメラユニットの基準姿勢に対して、その他のカメラユニットの基準姿勢の差分を算出する算出部と、基準カメラユニットに対して、指示された動作に対応する制御量の制御信号を送信するとともに、その他のカメラユニットに対して、基準姿勢の差分をオフセットした制御量の制御信号を送信する制御部とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作端末によって複数のカメラユニットを同期制御するカメラシステムであって、
前記複数のカメラユニットのそれぞれの基準姿勢を取得する取得部と、
前記複数のカメラユニットのうちの基準カメラユニットの前記基準姿勢に対して、その他のカメラユニットの前記基準姿勢の差分を算出する算出部と、
前記基準カメラユニットに対して、指示された動作に対応する制御量の制御信号を送信するとともに、前記その他のカメラユニットに対して、前記基準姿勢の前記差分をオフセットした制御量の制御信号を送信する制御部と
を備えたカメラシステム。
【請求項2】
前記基準姿勢は、前記複数のカメラユニットのそれぞれのカメラ座標によって表されることを特徴とする、請求項1に記載のカメラシステム。
【請求項3】
前記カメラ座標は、パラメータTCP(Tool Center Point)を利用して算出されることを特徴とする、請求項2に記載のカメラシステム。
【請求項4】
前記複数のカメラユニットはそれぞれ、ロボットアームを備え、
前記複数のカメラユニットの制御量は、前記基準姿勢に応じた前記ロボットアームの可動範囲に基づいて設定されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のカメラシステム。
【請求項5】
前記基準カメラユニットはスタジオに設置され、前記その他のカメラユニットのうちの一つは、ロケ地に設置されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のカメラシステム。
【請求項6】
操作端末によって複数のカメラユニットを同期制御するカメラシステムにおける、カメラユニットの制御方法であって、
前記複数のカメラユニットのそれぞれの基準姿勢を取得するステップと、
前記複数のカメラユニットのうちの基準カメラユニットの前記基準姿勢に対して、その他のカメラユニットの前記基準姿勢の差分を算出するステップと、
前記基準カメラユニットに対して、指示された動作に対応する制御量の制御信号を送信するとともに、前記その他のカメラユニットに対して、前記基準姿勢の前記差分をオフセットした制御量の制御信号を送信するステップと
を含む方法。
【請求項7】
コンピュータに、請求項6に記載の方法を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、カメラシステム、カメラユニットの制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のカメラユニットによって異なる場所で撮影された映像を合成するカメラシステムにおいて、複数のカメラユニットをオペレータの単一操作により同期制御することで、違和感の無い映像を合成することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-297283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、それぞれ異なる場所に設置されたカメラユニットを同期制御する場合、各カメラユニットの撮影環境、具体的には、各カメラユニットと被写体との位置関係が異なるため、所望の映像を撮影できるように一方のカメラユニットを制御したとしても、もう一方のカメラユニットによる映像が被写体を大きく外してしまう可能性があった。例えば、図11に示すように、スタジオに設置された第1のカメラユニット1101の被写体に対する位置と比較して、ロケ地に設置された第2のカメラユニット1102の被写体に対する位置が低い場合、これらのカメラユニットを同期制御したとしても、被写体1111に対する第1のカメラユニット1101の画角に対して、被写体1112に対する第2のカメラユニット1102の画角が変わってしまい、第1のカメラユニット1101が被写体1111の上半身を撮影しているが、第2のカメラユニット1102は被写体1112の下半身を撮影するようなことになってしまう。
【0005】
本開示の1つの観点によれば、本開示の目的は、複数のカメラユニットを含むカメラシステムにおいて、カメラユニットの撮影環境に応じた同期制御を可能にするカメラシステム、カメラユニットの制御方法、及び制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、操作端末によって複数のカメラユニットを同期制御するカメラシステムは、前記複数のカメラユニットのそれぞれの基準姿勢を取得する取得部と、前記複数のカメラユニットのうちの基準カメラユニットの前記基準姿勢に対して、その他のカメラユニットの前記基準姿勢の差分を算出する算出部と、前記基準カメラユニットに対して、指示された動作に対応する制御量の制御信号を送信するとともに、前記その他のカメラユニットに対して、前記基準姿勢の前記差分をオフセットした制御量の制御信号を送信する制御部とを備える。
【0007】
また、本開示の一態様によれば、操作端末によって複数のカメラユニットを同期制御するカメラシステムにおける、カメラユニットの制御方法は、前記複数のカメラユニットのそれぞれの基準姿勢を取得するステップと、前記複数のカメラユニットのうちの基準カメラユニットの前記基準姿勢に対して、その他のカメラユニットの前記基準姿勢の差分を算出するステップと、前記基準カメラユニットに対して、指示された動作に対応する制御量の制御信号を送信するとともに、前記その他のカメラユニットに対して、前記基準姿勢の前記差分をオフセットした制御量の制御信号を送信するステップとを含む。
【0008】
また、本開示の一態様によれば、プログラムは、コンピュータに上記方法を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、複数のカメラユニットを含むカメラシステムにおいて、カメラユニットの撮影環境に応じた同期制御を可能にするカメラシステム、カメラユニットの制御方法、及び制御プログラムを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態に係るカメラシステムのブロック構成図である。
図2】一実施形態に係るカメラユニットのブロック構成図である。
図3】一実施形態に係るカメラユニットの構成例を模式的に示した図である
図4】一実施形態に係るカメラユニットの構成例を模式的に示した図である
図5】一実施形態に係る操作端末の機能ブロック図である。
図6】一実施形態に係るカメラユニットの同期制御を説明する図である。
図7】一実施形態に係るTCP(Tool Center Point)を説明する図である。
図8】一実施形態に係るカメラユニットの可動範囲を考慮した制御を説明する図である。
図9】一実施形態に係るカメラユニットの制御方法のフローチャートである。
図10】一実施形態に係る操作端末のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図11】従来のカメラシステムの課題を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の実施形態について説明する。なお、本明細書及び図面において実質的に同一の機能を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する場合がある。
【0012】
[1.カメラシステム]
図1は、一実施形態に係るカメラシステムのブロック図である。
【0013】
カメラシステム101は、操作端末110と、第1のカメラユニット111と、第2のカメラユニット112とを含む。ここでは説明を簡単にするために、カメラシステム101が2つのカメラユニットを含むものとして説明するが、カメラユニットの数は限定されるものではなく、3つ以上のカメラユニットを含んでもよい。
【0014】
操作端末110は、オペレータの入力に応じて、第1のカメラユニット111、及び第2のカメラユニット112の動作を制御する。操作端末110は、PC(Personal Computer)またはタブレット端末であってもよく、操作端末110にインストールされたアプリケーションが実行されることで、カメラユニットの動作の制御を実施してもよい。図1の例では、操作端末110は、第1のカメラユニット111と同じくスタジオ、またはスタジオのコントロールルーム等に配置されている。なお、操作端末110は、PCまたはタブレット端末に限定されるものではない。
【0015】
第1のカメラユニット111は、スタジオ内に配置され、主に放送用の映像を撮影することができる。また、第1のカメラユニット111は、その先端にカメラが取り付けられたロボットアームを有し、ロボットアームの遠隔操作による撮影が可能である。
【0016】
第2のカメラユニット112は、ロケ地に配置され、主に放送用の映像を撮影する。また、第2のカメラユニット112も、第1のカメラユニット111と同様に、その先端にカメラが取り付けられたロボットアームを有し、ロボットアームの遠隔操作による撮影が可能である。
【0017】
映像合成装置113は、第1のカメラユニット111によって撮影されたスタジオ映像と、第2のカメラユニット112によって撮影されたロケ地映像とを受信し、スタジオ映像及びロケ地映像を合成した合成映像を生成することが可能である。
【0018】
以下では、図1のシステム構成を例に、カメラシステム101の各構成要素について説明を進めるが、本実施形態に係るカメラシステムのシステム構成は、図1の例に限定されるものではない。
【0019】
[2.カメラユニット]
図2は、一実施形態に係るカメラユニットのブロック構成図である。図2のカメラユニット120は、上述した第1のカメラユニット111及び第2のカメラユニット112とすることができる。
【0020】
カメラユニット120は、カメラ121と、モーションユニット122と、コントロールボックス125とを有し、モーションユニット122は、ロボットアーム123と、ベース124とを含む。
【0021】
カメラ121は、レンズや光学フィルタなどの光学素子、CCD(Charge-Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)などの撮像素子、及びDSP(Digital Signal Processor)、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphic Processing Unit)などのプロセッサを備える。
【0022】
また、カメラ121は、有線又は無線のネットワーク或いは専用の通信回線を通じて操作端末110及び映像合成装置113と通信するための通信インターフェースを備えている。カメラ121から出力される映像は、通信インターフェースを介して映像合成装置113に伝送される。また、カメラ121は、マイクを備えてもよい。
【0023】
モーションユニット122は、カメラユニット120の位置(以下、ロケーション)、並びに、カメラ121の位置(以下、ポジション)及び姿勢(以下、パン・チルト)を変化させる。ロケーションは固定されていてもよいし、ポジション及び姿勢の変化範囲に制約があってもよい。
【0024】
ここで、図3を参照しながら、モーションユニット122についてより具体的に説明する。図3は、一実施形態に係るカメラユニットの構成例を模式的に示した図である。図3のカメラユニット120では、ロボットアーム123及びベース124を用いてモーションユニット122が構成されている。
【0025】
ロボットアーム123は、6軸のロボットアームであり、アームの先端が届く範囲でカメラ121の位置を空間内の任意の位置に移動することができる。また、ロボットアーム123は、各関節部の回動によりカメラ121の向きをパン方向及びチルト方向に傾けることができる。ベース124は、車輪やモータなどの移動機構(非図示)を有し、自走により移動することができる。このように、モーションユニット122は、ロケーション、並びに、ポジション及びパン・チルトを自由に制御できる。
【0026】
また、例えばロケ地では、図4に示すように、ベース124として三脚を用いてロボットアーム123を支持してもよい。
【0027】
再び、図2を参照する。モーションユニット122は、コントロールボックス125に接続され、コントロールボックス125を介して操作端末110から受信した制御信号に応じて、ロボットアーム123及びベース124を動かす。図示しないが、コントロールボックス125は、操作端末110と通信するための通信インターフェース、カメラユニット120の制御を行うプロセッサ、及びカメラユニット120の駆動用電源を備えてもよい。
【0028】
コントロールボックス125は、ロボットアーム123が有する各関節の動き(各軸の回転角)を制御して、ロボットアーム123を適切な形状に変形させ、カメラ121のポジション及び姿勢を動かす。
【0029】
[3.操作端末]
図5は、一実施形態に係る操作端末の機能ブロック図である。操作端末110は、ホーム姿勢取得部131と、差分算出部133と、制御部135とを有する。
【0030】
ホーム姿勢取得部131は、オペレータによって入力された各カメラユニットのホーム姿勢を取得する。ホーム姿勢には、ロケーション、並びに、ポジション及び姿勢を含んでよい。なお、ホーム姿勢のことを基準姿勢ともいい、ホーム姿勢取得部を基準姿勢取得部ともいう。
【0031】
差分算出部133は、基準となるカメラユニットのホーム姿勢に対して、その他のカメラユニットのホーム姿勢の差分を算出する。この例では、第1のカメラユニット111のホーム姿勢に対する第2のカメラユニット112のホーム姿勢の差分を算出する。
【0032】
制御部135は、カメラユニット120の動作を制御する。例えば、制御部135は、カメラ121による撮像動作の制御、ロボットアーム123によるポジション及びパン・チルトの制御、及び、ベース124によるロケーションの制御を実行する。
【0033】
また、制御部135は、オペレータからの入力を受け取ると、基準となる第1のカメラユニット111に対して制御信号を送信するとともに、第2のカメラユニット112には、算出された差分に応じた制御信号を送信する。
【0034】
このように、操作端末110は、複数のカメラユニットのホーム姿勢の差分に応じた制御信号を送信して、各カメラユニットの同期制御を行うことができ、各カメラユニットの撮影環境に応じた同期制御を可能にする。
【0035】
(カメラユニットの同期制御)
ここで、図6を参照して、本実施形態におけるカメラユニットの同期制御についてより具体的に説明する。図6は、一実施形態に係るカメラユニットの同期制御を説明する図である。
【0036】
図6(a)では、スタジオに設置された第1のカメラユニット111と、ロケ地に設置された第2のカメラユニット112とが、ホーム姿勢の状態にある。ホーム姿勢の状態にある第1のカメラユニット111のカメラ座標Pshは、(xsh,ysh,zsh,Rxsh,Rysh,Rzsh)である。また、ホーム姿勢の状態にある第2のカメラユニット112のカメラ座標Prhは、z座標が+dであるため(設置位置が低いため)、Psh+(0,0,0+d,0,0,0)=Psh+Pdである。このように、第1のカメラユニット111と第2のカメラユニット112とでは、撮影環境、具体的には、カメラユニットと被写体との位置関係が異なる。
【0037】
図6(b)は、第1のカメラユニット111と第2のカメラユニット112が、ホーム姿勢から動いた状態を示す。第1のカメラユニット111は、オペレータの指示に応じてそのまま制御されるが、第2のカメラユニット112は、ホーム姿勢の差分をオフセットして制御される。オペレータの指示に応じて動いた第1のカメラユニット111のカメラ座標Psが、Psh+Px=Ps+(0,0,0-x,0,0,0)である場合、第2のカメラユニット112のカメラ座標Prは、ホーム差分Pd=Prh-Pshを用いて、カメラ座標Pr=Ps+Pd+Px=Ps+(0,0,d-x,0,0,0)となる。このように、本実施形態では、カメラの空間座標のオフセットを用いて、カメラユニットの撮影環境に応じた同期制御を可能にする。
【0038】
(カメラ座標の算出)
図7は、一実施形態に係るTCP(Tool Center Point)を説明する図である。本実施形態では、カメラ座標の算出には、カメラユニットのロボットが持つパラメータTCP701を利用する。TCP701は、ロボットのツール(本実施形態では、カメラ)を動かす際の中心点として事前に設定する値である。ロボットは都度、そのTCP位置が自分でわかるため、これをカメラ座標として用いる。そして、各ロボットの基準姿勢におけるTCP位置の差を差分dとする。
【0039】
第1のカメラユニット111及び第2のカメラユニット112のカメラ座標Pは、以下のように表される。
【0040】
・カメラ座標P=TCPの座標(X,Y,Z,Rx,Ry,Rz)
・スタジオ(第1のカメラユニット111)の基準姿勢におけるTCP座標
Psh=TCP(xsh,ysh,zsh,Rxsh,Rysh,Rzsh
・ロケ地(第2のカメラユニット112)の基準姿勢におけるTCP座標
Prh=TCP(xrh,yrh,zrh,Rxrh,Ryrh,Rzrh
・差分d
d=Pd=Psh-Prh
【0041】
(可動範囲を考慮した制御)
図8は、一実施形態に係るカメラユニットの可動範囲を考慮した制御を説明する図である。図8(a)に示されるように、各カメラユニットの可動範囲は、その基準姿勢によって異なる。すなわち、矢印で示されるように、各カメラユニットは、その基準姿勢によってその後にとれる姿勢の移動量が各可動方向で変わる。そのため、本実施形態では、図8(b)に示されるように、各カメラユニットが共通して動ける範囲を可動範囲として設定する。すなわち、カメラユニットの各可動方向の可動範囲を、狭い可動範囲に合わせる。そうすることで、各カメラユニットで同じ動きができるようにする。
【0042】
[4.カメラシステムの制御方法]
次に、本実施形態に係るカメラシステムの制御方法ついて説明する。図9は、一実施形態に係るカメラユニットの制御方法のフローチャートである。
【0043】
ステップS901において、操作端末110は、オペレータによって設定された複数のカメラユニットの基準姿勢(ホーム姿勢)を取得する。本実施形態では、カメラユニットを動作させる前に、オペレータによって操作端末110に各カメラユニットの基準姿勢が入力される
【0044】
ステップS902において、操作端末110は、カメラユニットの基準姿勢の差分を算出する。ここでは、基準となるカメラユニット(以下、基準カメラユニットという)が設定され、そのカメラユニットの基準姿勢に対して、その他のカメラユニットの基準姿勢の差分が算出される。本実施形態では、基準カメラユニットは第1のカメラユニット111であってよく、その他のカメラユニットのうちの一つは、第2のカメラユニット112であってよい。
【0045】
ステップS903において、オペレータによって基準カメラユニットの動作が指示されると、操作端末110は、基準カメラユニットに対して当該動作に対応する制御量の制御信号を送信するとともに、その他のカメラに対しては、基準姿勢の差分をオフセットした制御量の制御信号を送信する。
【0046】
このように、本実施形態によると、各カメラユニットの基準姿勢の差分に応じた制御量の制御信号を送信することにより、各カメラユニットの撮影環境に応じた同期制御が可能になる。
【0047】
[7.ハードウェア]
図10は、一実施形態に係る操作端末のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【0048】
操作端末110が有する機能は、例えば、図10に示すハードウェア資源を用いて実現することが可能である。つまり、操作端末110が有する機能は、コンピュータプログラムを用いて図10に示すハードウェアを制御することにより実現される。
【0049】
図10に示すように、このハードウェアは、主に、プロセッサ1001、メモリ1002、記憶装置1003、通信I/F1005、入力装置1006、表示装置1007を有する。これらは、バス1010を介して通信可能に接続されている。
【0050】
プロセッサ1001は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPU(Graphic Processing Unit)などであってよい。
【0051】
メモリ1002は、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)などであってよい。記憶装置1003は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなどであってよい。
【0052】
通信インターフェース(I/F)1005は、有線または無線ネットワークに接続し、データを送受信するためのインターフェースであり、他のコンピュータまたはカメラユニットとの通信を可能にする。
【0053】
入力装置1006は、キーボード、マウス、表示装置1007を兼ねるタッチパネルディスプレイなどであってよい。
【0054】
表示装置1007は、LCD(Liquid Crystal Display)、ELD(Electro-Luminescence Display)などのディスプレイデバイスであってよい。
【0055】
プロセッサ1001は、記憶装置1003に格納されたプログラムを読み出してメモリ1002に格納し、メモリ1002から読み出したプログラムに従って操作端末110の動作を制御してよい。操作端末110の動作を制御するプログラムは、メモリ1002に予め格納されてもよいし、通信I/F1005を介してネットワークからダウンロードされてもよい。
【0056】
以上、添付図面を参照しながら本開示の実施形態について説明したが、本開示は係る例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範囲内において、各種の変更例又は応用例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属する。
【符号の説明】
【0057】
101 カメラシステム
110 操作端末
111 第1のカメラユニット
112 第2のカメラユニット
113 映像合成装置
120 カメラユニット
121 カメラ
122 モーションユニット
123 ロボットアーム
124 ベース
125 コントロールボックス
131 ホーム姿勢取得部
133 差分算出部
135 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11