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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057871
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】開閉体用ガイドレールの構造
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/58 20060101AFI20240418BHJP
【FI】
E06B9/58 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022164843
(22)【出願日】2022-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067323
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 教光
(74)【代理人】
【識別番号】100124268
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 典行
(72)【発明者】
【氏名】津田 真伸
(72)【発明者】
【氏名】田村 淑佳
(72)【発明者】
【氏名】井部 弘美
(72)【発明者】
【氏名】重村 正和
【テーマコード(参考)】
2E042
【Fターム(参考)】
2E042AA01
2E042CA01
2E042CB01
2E042CB02
2E042CC03
2E042DA01
2E042DB01
(57)【要約】
【課題】高強度の耐風構造を良好な施工性で実現でき、しかも、防火設備としての対応を可能とすることができる開閉体用ガイドレールの構造を提供する。
【解決手段】開口部13を有する構造物の一方の壁面23に固定され、開口部13で壁面23と平行な方向に移動される開閉体17をガイドする開閉体用ガイドレール49の構造であって、耐火材で形成されて壁面23に固定される取付枠51と、取付枠51に一側面が着脱自在に固定されて覆われ、開閉体に設けられる耐風フック59が係止する抜止レール部61を有するガイドレール53と、耐火材で形成されて取付枠51と反対側となるガイドレール53の他側面に着脱自在に固定されて他側面を覆うとともに、開閉体を開閉駆動させる開閉機35に、内方の空間63に挿通される信号伝達部材を介して接続され床面21から所定高さ位置で開口部13に臨む信号発生機器が取り付けられる収容枠55と、を備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する構造物の屋内または屋外の一方の壁面に固定され、前記開口部で前記壁面と平行な方向に移動される開閉体をガイドする開閉体用ガイドレールの構造であって、
耐火材で形成されて前記壁面に固定される取付枠と、
前記取付枠に一側面が着脱自在に固定されて覆われ、前記開閉体に設けられる耐風フックが係止する抜止レール部を有するガイドレールと、
耐火材で形成されて前記取付枠と反対側となる前記ガイドレールの他側面に着脱自在に固定されて前記他側面を覆うとともに、前記開閉体を開閉駆動させる開閉機に、内方の空間に挿通される信号伝達部材を介して接続され床面から所定高さ位置で前記開口部に臨む信号発生機器が取り付けられる収容枠と、
を備えることを特徴とする開閉体用ガイドレールの構造。
【請求項2】
前記収容枠が、前記ガイドレールの他側面に固定され、前記ガイドレールに沿う内方の空間を前記ガイドレールと反対側の収容部側面に設けられた溝開口によって開放させる収容部と、前記溝開口を覆って前記収容部に着脱自在に固定されるカバーと、で構成され、
前記収容部は、前記開口部に臨む収容部前片の一部に、凹状に奥まって前記信号発生機器が取り付けられる段落とし部が形成され、
前記カバーは、前記溝開口に内側から係止する爪部をカバー奥片に備えるとともに、前記収容部前片に固定手段で締結されて折曲先端が前記段落とし部に係合するL字曲げ部をカバー前片に備えることを特徴とする請求項1に記載の開閉体用ガイドレールの構造。
【請求項3】
前記ガイドレールが、アルミ製の前記抜止レール部と、前記抜止レール部に対し固定手段によって一体に固定される耐火材で形成されるガイドレール本体と、で構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の開閉体用ガイドレールの構造。
【請求項4】
前記取付枠が、前記壁面に固定される固定枠部と、前記ガイドレールの前記一側面に固定される支持枠部と、で構成され、
前記支持枠部は、前記壁面に固定された前記固定枠部の固定枠部奥片に対し、前記開口部と反対側の支持枠部奥片に形成された爪片が掛け止めされるとともに、前記開口部に臨む支持枠部前片が固定手段により前記固定枠部の固定枠部前片に固定されることを特徴とする請求項1または2に記載の開閉体用ガイドレールの構造。
【請求項5】
前記取付枠が、前記壁面に固定される固定枠部と、前記ガイドレールの前記一側面に固定される支持枠部と、で構成され、
前記支持枠部は、前記壁面に固定された前記固定枠部の固定枠部奥片に対し、前記開口部と反対側の支持枠部奥片に形成された爪片が掛け止めされるとともに、前記開口部に臨む支持枠部前片が固定手段により前記固定枠部の固定枠部前片に固定されることを特徴とする請求項3に記載の開閉体用ガイドレールの構造。
【請求項6】
前記固定枠部奥片は、前記固定枠部の固定枠部後片に対して離間するとともに、前記固定枠部後片と平行な突片状に形成され、
前記支持枠部の支持枠部奥片は、前記支持枠部前片と平行に折曲形成され、
前記爪片は、前記支持枠部奥片と直交して折曲形成されて、
前記支持枠部奥片と前記固定枠部奥片とが重合されて、前記爪片が前記固定枠部奥片に掛かり前記爪片の先端が前記固定枠部後片に向いた状態で、前記固定枠部に対して前記支持枠部が固定されることを特徴とする請求項4に記載の開閉体用ガイドレールの構造。
【請求項7】
前記固定枠部奥片は、前記固定枠部の固定枠部後片に対して離間するとともに、前記固定枠部後片と平行な突片状に形成され、
前記支持枠部の支持枠部奥片は、前記支持枠部前片と平行に折曲形成され、
前記爪片は、前記支持枠部奥片と直交して折曲形成されて、
前記支持枠部奥片と前記固定枠部奥片とが重合されて、前記爪片が前記固定枠部奥片に掛かり前記爪片の先端が前記固定枠部後片に向いた状態で、前記固定枠部に対して前記支持枠部が固定されることを特徴とする請求項5に記載の開閉体用ガイドレールの構造。
【請求項8】
前記ガイドレールは、ガイドレール本体と、該ガイドレール本体と別体の抜止レール部とで構成され、前記抜止レール部には一側にのみ固定鍔部が設けられ、該固定鍔部が前記ガイドレール本体の一側の内面に固定されることを特徴とする請求項1または2に記載の開閉体用ガイドレールの構造。
【請求項9】
前記ガイドレールは、ガイドレール本体と、該ガイドレール本体と別体の抜止レール部とで構成され、前記抜止レール部には一側にのみ固定鍔部が設けられ、該固定鍔部が前記ガイドレール本体の一側の内面に固定されることを特徴とする請求項3に記載の開閉体用ガイドレールの構造。
【請求項10】
前記ガイドレールは、ガイドレール本体と、該ガイドレール本体と別体の抜止レール部とで構成され、前記抜止レール部には一側にのみ固定鍔部が設けられ、該固定鍔部が前記ガイドレール本体の一側の内面に固定されることを特徴とする請求項4に記載の開閉体用ガイドレールの構造。
【請求項11】
前記ガイドレールは、ガイドレール本体と、該ガイドレール本体と別体の抜止レール部とで構成され、前記抜止レール部には一側にのみ固定鍔部が設けられ、該固定鍔部が前記ガイドレール本体の一側の内面に固定されることを特徴とする請求項5に記載の開閉体用ガイドレールの構造。
【請求項12】
前記ガイドレールは、ガイドレール本体と、該ガイドレール本体と別体の抜止レール部とで構成され、前記抜止レール部には一側にのみ固定鍔部が設けられ、該固定鍔部が前記ガイドレール本体の一側の内面に固定されることを特徴とする請求項6に記載の開閉体用ガイドレールの構造。
【請求項13】
前記ガイドレールは、ガイドレール本体と、該ガイドレール本体と別体の抜止レール部とで構成され、前記抜止レール部には一側にのみ固定鍔部が設けられ、該固定鍔部が前記ガイドレール本体の一側の内面に固定されることを特徴とする請求項7に記載の開閉体用ガイドレールの構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉体用ガイドレールの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅など構造物の開口部に対し、開口部の開口面と平行な方向に移動される開閉体であるシャッターカーテンをガイドするガイドレール構造であって、シャッターカーテンの両縁部の少なくとも一方の縁部をガイドするガイドレールが、構造物に固定され着脱用開口部によって開放される遊嵌収容部を有する外レールと、開閉体の縁部をガイドするガイド溝を有し外レールの着脱用開口部に対して開口部の開口面と平行な方向から脱着自在に取り付けられて遊嵌収容部に収容される内レールと、からなることを特徴とする開閉装置のガイドレール構造が開示されている(特許文献1参照)。
【0003】
また、カーテン部を案内するガイド部と、ガイド部を支持して建物躯体に固定される枠部と、を有するシャッター用ガイドレールであって、ガイド部の外表面を覆うとともに、ガイド部と枠部との少なくとも出隅部を覆う外側補強材と、枠部の内側に配設される内側補強材と、を具備し、内側補強材と外側補強材とで、ガイド部の一部または枠部の一部の少なくとも一方を挟み、これらを貫通する固定手段にて固定することを特徴とするシャッター用ガイドレールの防火構造が開示されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-213167号公報
【特許文献2】特開2013-64311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のガイドレールの構造では、高い耐風強度を実現しているものの耐火性能については考慮されてない欠点を有する。また、特許文献2では、耐風性能に耐火性能を付与した構造であるが、構造が複雑となって、施工時の組み付けや、部品交換時の分解が煩雑となるなど、施工性が低下する問題がある。また、施工性が悪く、組付け時における部材同士の取り合い精度が低いと、見栄えも低下させることになる。
【0006】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、高強度の耐風構造を良好な施工性で実現でき、しかも、防火設備としての対応を可能とすることができる開閉体用ガイドレールの構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本発明の請求項1記載の開閉体用ガイドレールの構造は、開口部13を有する構造物の屋内または屋外の一方の壁面23に固定され、前記開口部13で前記壁面23と平行な方向に移動される開閉体17をガイドする開閉体用ガイドレールの構造であって、耐火材で形成されて前記壁面23に固定される取付枠51と、
前記取付枠51に一側面が着脱自在に固定されて覆われ、前記開閉体17に設けられる耐風フック59が係止する抜止レール部61を有するガイドレール53と、
耐火材で形成されて前記取付枠51と反対側となる前記ガイドレール53の他側面に着脱自在に固定されて前記他側面を覆うとともに、前記開閉体17を開閉駆動させる開閉機35に、内方の空間63に挿通される信号伝達部材を介して接続され床面21から所定高さ位置で前記開口部13に臨む信号発生機器が取り付けられる収容枠55と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
この開閉体用ガイドレールの構造では、開閉体17をガイドする開閉体用ガイドレール49が、開口部13を有する構造物の屋内または屋外の一方の壁面23に固定される。一方の壁面23は、例えば、屋内の壁面23である。
ガイドレール53は、開閉体17の耐風フック59が係止する抜止レール部61を有する。抜止レール部61を有したガイドレール53は、壁面23に対向する一側面が、取付枠51によって壁面23に固定される。一方、ガイドレール53は、取付枠51と反対側となる他側面に、収容枠55が固定される。すなわち、開閉体用ガイドレール49は、構造物における壁面23から、取付枠51、ガイドレール53、収容枠55の順で組み付けられた構造体となる。これにより、抜止レール部61を有するガイドレール53が、耐火性能を有する取付枠51と収容枠55とによって、壁厚方向で挟まれた状態で覆われることになる。
これにより、開閉体用ガイドレールの構造は、抜止レール部61を有したガイドレール53が、取付枠51によって壁面23に固定されるので、抜止レール部61に、開閉体17の耐風フック59を係止させて、開閉体17の両側縁を高強度でしっかり抜け止めできる。
また、開閉体用ガイドレールの構造は、構造物の壁面23に予め固定した取付枠51に対し、抜止レール部61を有したガイドレール53の一側面を、着脱自在な構造で組み付けることができるので、施工時にはガイドレール53を取付枠51に仮装着して本固定できる。交換時等には、取付枠51に対するガイドレール53の固定を解除した後に、取付枠51からガイドレール53を脱着することができる。これにより、構造物に対する溶接やはつり作業を不要にして、良好な施工性で、組立・分解・交換を可能とすることができる。
そして、ガイドレール53を挟む取付枠51および収容枠55は、ともに耐火材(例えばスチール)で形成されるので、これらに非耐火材(例えばアルミ)を用いた構成に比べ、抜止レール部61への火災時の火炎などの影響を抑制することができる。すなわち、開閉体用ガイドレール49は、火炎に曝された際の強度(耐火強度)を高めることができる。
さらに、ガイドレール53の他側面を覆って固定される収容枠55は、内方の空間63が信号伝達部材の挿通スペースに利用できるので、開口部13に臨む収容枠55の面(収容部前片73)に取り付けた信号発生機器を、収容枠55の空間63を利用して、開閉機35に容易な施工で接続することができる。
【0009】
本発明の請求項2記載の開閉体用ガイドレールの構造は、請求項1に記載の開閉体用ガイドレールの構造であって、
前記収容枠55が、前記ガイドレール53の他側面に固定され、前記ガイドレール53に沿う内方の空間63を前記ガイドレール53と反対側の収容部側面に設けられた溝開口71によって開放させる収容部65と、前記溝開口71を覆って前記収容部65に着脱自在に固定されるカバー67と、で構成され、
前記収容部65は、前記開口部13に臨む収容部前片73の一部に、凹状に奥まって前記信号発生機器が取り付けられる段落とし部75が形成され、
前記カバー67は、前記溝開口71に内側から係止する爪部79をカバー奥片81に備えるとともに、前記収容部前片73に固定手段57で締結されて折曲先端が前記段落とし部75に係合するL字曲げ部83をカバー前片85に備えることを特徴とする。
【0010】
この開閉体用ガイドレールの構造では、収容枠55が、耐火材で形成される収容部65およびカバー67からなる。収容部65は、ガイドレール53の他側面に固定され、ガイドレール53に沿う内方の空間63をガイドレール53と反対側の収容部側面に設けた溝開口71によって開放する。すなわち、収容部65は、ガイドレール53に固定された後に、カバー67が固定されて、カバー67によって溝開口71が覆われる。ガイドレール53に対する収容部65の固定は、溝開口71を通して固定手段69により行うことができる。
開閉体用ガイドレール49は、耐火材で形成される収容部65およびカバー67からなる収容枠55が、ガイドレール53に取り付けられることで、他側面が耐火材で覆われる。これにより、高い耐火性能が得られる。また、収容枠55は、内方に空間63が設けられるので、火災時の火炎などに対する遮熱性能も高めることができる。
収容部65は、開口部13に臨む収容部前片73の一部に、凹状に奥まって信号発生機器が取り付けられる段落とし部75が形成される。段落とし部75は、収容部前片73を空間63に向かって階段状に折り曲げることで、収容部前片73よりも凹んだ状態となる。つまり、段落とし部75は、ガイドレール53と収容部前片73との間で、ガイドレール53に沿って凹んだ縦方向の溝となる。収容部65は、この段落とし部75の溝底面に形成した切欠部77に信号発生機器の一部分が挿入されて取り付けられる。
開閉体用ガイドレールの構造は、収容部65に段落とし部75を形成し、段落とし部75のみに切欠部77を形成すればよいので、カバー67に形成した切欠部と位置合わせする必要がなくなる。これにより、位置合わせが簡単となり、取り付けが容易に可能となる。また、位置ずれがなくなり、信号発生機器を正確に取り付けできるので、意匠性を損ねる虞もなくなる。さらに、段落とし部75の溝底面に切欠部77が設けられるので、取付部分の仕舞い構造が目立たなく、また、カバー67の部材としてのスチール鋼板の小口も露出しない構造になり、これによっても良好な意匠性が得られるようになる。
そして、カバー67は、カバー奥片81に備えた爪部79を、溝開口71の内側から収容部奥片119に係止するとともに、カバー前片85の折曲先端に設けたL字曲げ部83を段落とし部75に引っかけた状態で、カバー前片85を収容部前片73に固定手段57で締結するので、締結箇所を少なくして、容易な施工で、しっかりと収容部65に固定することができる。
【0011】
本発明の請求項3記載の開閉体用ガイドレールの構造は、請求項1または2に記載の開閉体用ガイドレールの構造であって、
前記ガイドレール53が、アルミ製の前記抜止レール部61と、前記抜止レール部61に対し固定手段69によって一体に固定される耐火材で形成されるガイドレール本体87と、で構成されることを特徴とする。
【0012】
この開閉体用ガイドレールの構造では、ガイドレール53が、抜止レール部61と、ガイドレール本体87と、からなる。抜止レール部61とガイドレール本体87とは、固定手段69によって一体に固定される。抜止レール部61は、アルミ製の押出成形材であり、開口部13の高さとほぼ同寸法の長尺部材となる。これにより、複雑な断面形状を精密に連続成形できる。抜止レール部61は、アルミ押出成形材であることにより、長手方向に直交方向の断面形状が、耐風フック59と係合する所望の複雑な形状でかつ高精度に製作可能となる。また、複雑な断面形状が可能となることにより、スチールの折曲成形では得られない構造的(形状的)な強度を、スチール製よりも軽量で得ることができる。なお、構造的な強度を軽量で得る一例として、例えば直交する板片の板厚みを変えることなく、入隅を成形材で埋める構造等を挙げることができる。
一方、ガイドレール本体87は、抜止レール部61を、外側から覆うようにして抜止レール部61と一体となる。開閉体用ガイドレール49は、このガイドレール本体87が、取付枠51に固定されることで、抜止レール部61が、ガイドレール本体87、取付枠51を介して壁面23に支持されることになる。開閉体用ガイドレール49は、高精度、高強度に成形された抜止レール部61が、ガイドレール本体87に収容され、覆われた状態で、開閉体17の耐風フック59をガイドすることになる。
これにより、開閉体用ガイドレール49は、ガイドレール全体がスチール製である場合に比べ、高強度でスムースな開閉体17の開閉動作を実現させることができるとともに、ガイドレール全体がアルミ製である場合に比べ、耐火性能を高めることができる。
【0013】
本発明の請求項4記載の開閉体用ガイドレールの構造は、請求項1または2に記載の開閉体用ガイドレールの構造であって、
前記取付枠51が、前記壁面23に固定される固定枠部99と、前記ガイドレール53の前記一側面に固定される支持枠部101と、で構成され、
前記支持枠部101は、前記壁面23に固定された前記固定枠部99の固定枠部奥片103に対し、前記開口部13と反対側の支持枠部奥片105に形成された爪片107が掛け止めされるとともに、前記開口部13に臨む支持枠部前片109が固定手段57により前記固定枠部99の固定枠部前片111に固定されることを特徴とする。
【0014】
この開閉体用ガイドレールの構造では、取付枠51が、壁面23に固定される固定枠部99と、ガイドレール53の一側面に固定される支持枠部101と、で構成される。すなわち、取付枠51は、壁面23とガイドレール53との間に介在して、ガイドレール53を壁面23に支持する。この取付枠51を介して壁面23に支持されたガイドレール53の他側面には、上述の収容枠55が固定される。つまり、開閉体用ガイドレールの構造は、壁面23から、取付枠51、ガイドレール53、収容枠55の順で配置され、ガイドレール53が、耐火材で形成される取付枠51と収容枠55とに挟まれて覆われた状態で壁面23に取り付けられる。
固定枠部99と支持枠部101とからなる取付枠51は、先ず、固定枠部99が壁面23に固定される。一方、支持枠部101は、予めガイドレール53の一側面に固定しておく。つまり、支持枠部101は、ガイドレール53と一体となって、ガイドレール53を固定枠部99へ連結固定するための連結用部材となる。
このように、固定枠部99を壁面23に固定し、支持枠部101をガイドレール53に固定した開閉体用ガイドレールの構造は、ガイドレール53に固定された支持枠部101を、固定枠部99に係合することで仮支持される。この係合は、固定枠部99の固定枠部奥片103に対し、支持枠部奥片105に形成された爪片107を掛け止めすることにより行われる。爪片107を固定枠部奥片103に掛け止めした支持枠部101は、開口部13に臨む支持枠部前片109を、固定手段57により固定枠部99の固定枠部前片111に固定する。
これにより、ガイドレール53は、壁面23に固定した固定枠部99に、ガイドレール53に固定した支持枠部101を固定することで、固定枠部99と、支持枠部101と、で構成される取付枠51を介して壁面23に容易に、かつ、しっかりと固定される。
【0015】
本発明の請求項5記載の開閉体用ガイドレールの構造は、請求項3に記載の開閉体用ガイドレールの構造であって、
前記取付枠51が、前記壁面23に固定される固定枠部99と、前記ガイドレール53の前記一側面に固定される支持枠部101と、で構成され、
前記支持枠部101は、前記壁面23に固定された前記固定枠部99の固定枠部奥片103に対し、前記開口部13と反対側の支持枠部奥片105に形成された爪片107が掛け止めされるとともに、前記開口部13に臨む支持枠部前片109が固定手段57により前記固定枠部99の固定枠部前片111に固定されることを特徴とする。
【0016】
この開閉体用ガイドレールの構造では、作用が請求項4で記載した作用と同じである。
【0017】
本発明の請求項6記載の開閉体用ガイドレールの構造は、請求項4に記載の開閉体用ガイドレールの構造であって、
前記固定枠部奥片103は、前記固定枠部99の固定枠部後片112に対して離間するとともに、前記固定枠部後片112と平行な突片状に形成され、
前記支持枠部101の支持枠部奥片105は、前記支持枠部前片109と平行に折曲形成され、
前記爪片107は、前記支持枠部奥片105と直交して折曲形成されて、
前記支持枠部奥片105と前記固定枠部奥片103とが重合されて、前記爪片107が前記固定枠部奥片105に掛かり前記爪片107の先端が前記固定枠部後片112に向いた状態で、前記固定枠部99に対して前記支持枠部101が固定されることを特徴とする。
【0018】
この開閉体用ガイドレールの構造では、支持枠部奥片105と爪片107からなる直角部分によって、支持枠部101を固定枠部99に組み付ける方向を、開口部13側から行うことができ、前記壁面23に入隅を有した場合であっても、この入隅に沿って取付枠51を組み付けられ、ガイドレール53を施工することができる。
【0019】
本発明の請求項7記載の開閉体用ガイドレールの構造は、請求項5に記載の開閉体用ガイドレールの構造であって、
前記固定枠部奥片103は、前記固定枠部99の固定枠部後片112に対して離間するとともに、前記固定枠部後片112と平行な突片状に形成され、
前記支持枠部101の支持枠部奥片105は、前記支持枠部前片109と平行に折曲形成され、
前記爪片107は、前記支持枠部奥片105と直交して折曲形成されて、
前記支持枠部奥片105と前記固定枠部奥片103とが重合されて、前記爪片107が前記固定枠部奥片105に掛かり前記爪片107の先端が前記固定枠部後片112に向いた状態で、前記固定枠部99に対して前記支持枠部101が固定されることを特徴とする。
【0020】
この開閉体用ガイドレールの構造では、作用が請求項6で記載した作用と同じである。
【0021】
本発明の請求項8記載の開閉体用ガイドレールの構造は、請求項1または2に記載の開閉体用ガイドレールの構造であって、
前記ガイドレール53は、ガイドレール本体87と、該ガイドレール本体87と別体の抜止レール部117とで構成され、前記抜止レール部117には一側にのみ固定鍔部115が設けられ、該固定鍔部115が前記ガイドレール本体87の一側の内面に固定されることを特徴とする。
【0022】
この開閉体用ガイドレールの構造では、抜止レール部117が、スリット97を挟む片側に、壁面23と平行な固定鍔部115を有する。固定鍔部115は、例えば収容部側のみに設けられるが、逆に支持枠部側のみに設けられてもよい。固定鍔部115は、固定鍔部115とガイドレール本体87と収容部65とを貫通するリベット69により固定される。
これにより、ガイドレール本体87のガイド開口部89を拡開するような風圧がシャッターカーテン17に加わった際、抜止レール部117の片側の固定鍔部115のみがガイドレール本体87に固定されているので、抜止レール部117のスリット97が拡開する開口部89に連れて開くことがなく、耐風フック59を抜けにくくすることができる。
【0023】
本発明の請求項9記載の開閉体用ガイドレールの構造は、請求項3に記載の開閉体用ガイドレールの構造であって、
前記ガイドレール53は、ガイドレール本体87と、該ガイドレール本体87と別体の抜止レール部117とで構成され、前記抜止レール部117には一側にのみ固定鍔部115が設けられ、該固定鍔部115が前記ガイドレール本体87の一側の内面に固定されることを特徴とする。
【0024】
この開閉体用ガイドレールの構造では、作用が請求項8で記載した作用と同じである。
【0025】
本発明の請求項10記載の開閉体用ガイドレールの構造は、請求項4に記載の開閉体用ガイドレールの構造であって、
前記ガイドレール53は、ガイドレール本体87と、該ガイドレール本体87と別体の抜止レール部117とで構成され、前記抜止レール部117には一側にのみ固定鍔部115が設けられ、該固定鍔部115が前記ガイドレール本体87の一側の内面に固定されることを特徴とする。
【0026】
この開閉体用ガイドレールの構造では、作用が請求項8で記載した作用と同じである。
【0027】
本発明の請求項11記載の開閉体用ガイドレールの構造は、請求項5に記載の開閉体用ガイドレールの構造であって、
前記ガイドレール53は、ガイドレール本体87と、該ガイドレール本体87と別体の抜止レール部117とで構成され、前記抜止レール部117には一側にのみ固定鍔部115が設けられ、該固定鍔部115が前記ガイドレール本体87の一側の内面に固定されることを特徴とする。
【0028】
この開閉体用ガイドレールの構造では、作用が請求項8で記載した作用と同じである。
【0029】
本発明の請求項12記載の開閉体用ガイドレールの構造は、請求項6に記載の開閉体用ガイドレールの構造であって、
前記ガイドレール53は、ガイドレール本体87と、該ガイドレール本体87と別体の抜止レール部117とで構成され、前記抜止レール部117には一側にのみ固定鍔部115が設けられ、該固定鍔部115が前記ガイドレール本体87の一側の内面に固定されることを特徴とする。
【0030】
この開閉体用ガイドレールの構造では、作用が請求項8で記載した作用と同じである。
【0031】
本発明の請求項13記載の開閉体用ガイドレールの構造は、請求項7に記載の開閉体用ガイドレールの構造であって、
前記ガイドレール53は、ガイドレール本体87と、該ガイドレール本体87と別体の抜止レール部117とで構成され、前記抜止レール部117には一側にのみ固定鍔部115が設けられ、該固定鍔部115が前記ガイドレール本体87の一側の内面に固定されることを特徴とする。
【0032】
この開閉体用ガイドレールの構造では、作用が請求項8で記載した作用と同じである。
【発明の効果】
【0033】
本発明に係る請求項1記載の開閉体用ガイドレールの構造によれば、高強度の耐風構造を良好な施工性で実現でき、しかも、耐火材にて構成したことで防火設備としての対応を可能とすることができる。
【0034】
本発明に係る請求項2記載の開閉体用ガイドレールの構造によれば、ガイドレールの他側面が、耐火材よりなる収容部とカバーとからなる収容枠により覆われるので、抜止レール部を有するガイドレールを耐火材で覆って耐火性能を高めることができるとともに、収容部の空間を利用して信号伝達部材を挿通し、収容枠に対する信号発生機器の取り付けを容易にすることができる。また、段落とし部によって、カバーの端縁部分が溝底に向く取付構造となって露出しない構造になり、これによって良好な意匠性が得られる。
【0035】
本発明に係る請求項3記載の開閉体用ガイドレールの構造によれば、アルミ製の抜止レール部を、耐火材で形成されるガイドレール本体によって覆ってガイドレールを構成することができるので、ガイドレールの耐火性能を高めながら、アルミ製押出成形材の有する高精度かつ高強度な耐風性能をともに発揮させることができる。
【0036】
本発明に係る請求項4記載の開閉体用ガイドレールの構造によれば、アルミ製の抜止レール部を備えたガイドレールの壁面に対向する一側面を覆う取付枠が、この壁面に固定される耐火材の固定枠部と、ガイドレールの一側面に固定されて、この固定枠部に固定される耐火材の支持枠部と、からなり、固定枠部に対して支持枠部は、支持枠部奥片の爪片を、固定枠部奥片に掛け止めし、支持枠部前片を固定枠部前片に固定手段で締結できるので、耐火性能を担保しながらガイドレールを覆った状態で壁面に容易に取り付けることができる。
【0037】
本発明に係る請求項5記載の開閉体用ガイドレールの構造によれば、請求項4で記載した効果と同じ効果が得られる。
【0038】
本発明に係る請求項6記載の開閉体用ガイドレールの構造によれば、支持枠部奥片と爪片からなる直角部分によって、支持枠部を固定枠部に組み付ける方向を、開口部側から行うことができ、前記壁面に入隅を有した場合であっても、この入隅に沿って取付枠を組み付けられ、ガイドレールを施工することができ、すなわち施工性の向上となる。
【0039】
本発明に係る請求項7記載の開閉体用ガイドレールの構造によれば、請求項6で記載した効果と同じ効果が得られる。
【0040】
本発明に係る請求項8記載の開閉体用ガイドレールの構造によれば、ガイドレール本体のガイド開口部を拡開するような風圧が開閉体に加わった際、抜止レール部の片側の固定鍔部のみがガイドレール本体に固定されているので、抜止レール部のスリットが拡開する開口部に連れて開くことがなく、耐風フックを抜けにくくすることができる。
【0041】
本発明に係る請求項9記載の開閉体用ガイドレールの構造によれば、請求項8で記載した効果と同じ効果が得られる。
【0042】
本発明に係る請求項10記載の開閉体用ガイドレールの構造によれば、請求項8で記載した効果と同じ効果が得られる。
【0043】
本発明に係る請求項11記載の開閉体用ガイドレールの構造によれば、請求項8で記載した効果と同じ効果が得られる。
【0044】
本発明に係る請求項12記載の開閉体用ガイドレールの構造によれば、請求項8で記載した効果と同じ効果が得られる。
【0045】
本発明に係る請求項13記載の開閉体用ガイドレールの構造によれば、請求項8で記載した効果と同じ効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】本実施形態に係る開閉体用ガイドレールの構造を備えたシャッター装置の正面図である。
図2】開閉体用ガイドレールの分解斜視図である。
図3】開閉体用ガイドレールの平断面図である。
図4図3に示した開閉体用ガイドレールの分解平面図である。
図5】変形例1に係る開閉体用ガイドレールの構造の平断面図である。
図6】変形例2に係る開閉体用ガイドレールの構造の平断面図である。
図7】変形例1、変形例2に係る開閉体用ガイドレールの構造のさらなる変形例3を(a)(b)に表した平断面図である。
図8】第2実施形態に係る開閉体用ガイドレールの構造の平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る開閉体用ガイドレールの構造を備えたシャッター装置11の正面図である。
本実施形態に係る開閉体用ガイドレールの構造は、開閉体17を用いて構造物の開口部13を開閉するシャッター装置11、例えばガレージに設置されるシャッター装置11などに好適に用いることができる。開閉体は、スチール製のスラット15を複数連結した一般的なシャッターカーテン17の他、パネル材やパイプを連結したカーテン、樹脂製シート状のカーテンとすることもできる。シャッターカーテン17は、座板19が床面21に着座することにより開口部13を閉鎖する。
【0048】
シャッター装置11は、開口部13を有する構造物の屋内または屋外の一方の壁面23(図3参照)に固定される。本実施形態において、シャッター装置11は、住宅や住宅に並設されるガレージなど構造物の屋内の壁面23に取り付けられる例として説明する。シャッター装置11は、開口部13上方の壁面23に固定される左右一対のブラケット25に、シャッター収納部27が掛け渡されるように組み付けられる。シャッター収納部27には、ブラケット25に支持される一方の軸29に対して回転自在となってシャッターカーテン17を巻装する巻取シャフト31と、巻取シャフト31の他方の軸首33を回転して巻取シャフト31を正逆回転する開閉機35と、開閉機35を駆動制御する制御部37が収容される。開閉機35は、制御部37が接続されるとともに、後述する信号伝達部材によって信号発生機器と接続される。
【0049】
信号発生機器と信号伝達部材は、開閉体用ガイドレールの構造を構成する後述の収容枠に設けられる。信号発生機器には、開閉機35に手動による手動切替信号を送る手動切換え装置39と、制御部37に電気的な開閉体停止信号を送る障害物感知センサー41とが含まれる。信号伝達部材には、手動切換え装置39から開閉機35へ手動切替信号を伝達するワイヤ43と、障害物感知センサー41から制御部37へ電気的な開閉体停止信号を伝達する信号用電線45とが含まれる。
【0050】
開閉機35は、ギヤ機構により電動モータの回転数、トルクを調整して、巻取シャフト31を駆動する。電動モータの回転は、チェーンおよびスプロケットを介して巻取シャフト31に伝達される。開閉機35には、操作部47が引張操作されることにより電動モータと巻取シャフト31との間の動力伝達経路を切断してシャッターカーテン17を手動で開閉可能とする信号発生機器(手動切換え装置39)が、信号伝達部材(ワイヤ43)によって接続される。動力伝達経路の切断機構は、クラッチ機構等により構成される。
【0051】
制御部37は、CPUを備えた電子回路である。制御部37には、例えば開口部13に臨む位置に設けられた信号発生機器(障害物感知センサー41)と信号伝達部材(信号用電線45)によって接続される。障害物感知センサー41は、シャッターカーテン17の移動方向に存在する障害物を非接触感知する例えば、光電管センサーや光電変換素子センサー等である。制御部37は、障害物感知センサー41や、図示しない操作スイッチ等からの信号を処理し、その処理結果に応じて開閉機35を制御する。
【0052】
図2は、開閉体用ガイドレール49の分解斜視図である。
本実施形態に係る開閉体用ガイドレールの構造は、開口部13で壁面23と平行な方向に移動されるシャッターカーテン17をガイドする開閉体用ガイドレール49を備える。
【0053】
開閉体用ガイドレール49は、取付枠51と、ガイドレール53と、収容枠55とに大別される。
【0054】
取付枠51は、スチールなどの耐火材で形成されて、固定手段である固定ビス57(図3参照)により壁面23に固定される。
【0055】
ガイドレール53は、取付枠51に一側面が着脱自在に固定されて覆われる。ガイドレール53は、シャッターカーテン17に設けられる耐風フック59(図3参照)が係止する抜止レール部61を有する。
【0056】
収容枠55は、スチールなどの耐火材で形成されて取付枠51と反対側となるガイドレール53の他側面に着脱自在に固定されて他側面を覆う。また、収容枠55には、シャッターカーテン17を開閉駆動させる開閉機35に、内方の空間63に挿通されるワイヤ43を介して接続され、床面21から所定高さ位置で開口部13に臨む手動切換え装置39が取り付けられる。また、収容枠55には、手動切換え装置39の他に、信号用電線45によって制御部37に接続される障害物感知センサー41(図1参照)が床面21から所定高さ位置で取り付けられる。なお、このセンサー41は、後述する収容部前片73に配設される。
【0057】
図3は、開閉体用ガイドレール49の平断面図である。
本実施形態において、収容枠55は、収容部65と、カバー67と、で構成される。収容部65は、ガイドレール53の他側面に固定手段であるリベット69により固定される。収容部65は、ガイドレール53に沿う内方の空間63をガイドレール53と反対側の収容部側面に設けた溝開口71(図2参照)によって開放させる。カバー67は、溝開口71を覆って収容部65に着脱自在に固定される。
【0058】
図4は、図3に示した開閉体用ガイドレール49の分解平面図である。
収容部65は、開口部13に臨む収容部前片73の一部に、凹状に奥まって信号発生機器(手動切換え装置39)が取り付けられる段落とし部75が形成される。段落とし部75には、手動切換え装置39の一部分を挿入して取り付けるための切欠部77(図2参照)が形成されている。開閉体用ガイドレールの構造では、手動切換え装置39の取付部分を段落とし部75とすることで、収容部65とカバー67とを重ねずに収容部65にのみ手動切換え装置39を取り付けることができ、すなわちカバー67に切欠などの加工が不要となる。
【0059】
カバー67は、溝開口71に内側から係止する爪部79(図2参照)をカバー奥片81に備える。爪部79は、鋭角で折り曲げ形成される。爪部79の折り曲げ角度は、例えば20~80°、好ましくは60°である。カバー67は、爪部79がこの角度を有することで、取り付けが行いやすく、脱落が起きにくい。また、カバー67は、爪部79が鋭角に傾斜していることで、ガタの発生が生じにくくもなる。カバー67は、収容部前片73に固定ビス57により締結されて、折曲先端が段落とし部75に係合するL字曲げ部83(図2参照)をカバー前片85に備える。カバー67は、L字曲げ部83を備えることで、端縁を段落とし部75に掛け入れて溝底に向かわせ露出させないようにできる。これにより、板金材端縁を見栄えよく仕舞うことが可能となっている。
【0060】
開閉体用ガイドレール49は、ガイドレール53が、アルミ製の抜止レール部61と、抜止レール部61に対しリベット69により一体に固定されるスチールなどの耐火材で形成されたガイドレール本体87と、で構成される。ガイドレール本体87は、シャッターカーテン17の側縁部を、厚み方向で挟んで挿入する上下方向に延在するガイド開口部89を有して断面視略コ字形状に形成される。ガイドレール本体87は、ガイド開口部89を挟む対向部に、シャッターカーテン17の衝接を緩和するための樹脂製の緩衝部材91が取り付けられる。
【0061】
ガイドレール本体87は、長手方向の一端から抜止レール部61が内側に挿入される。ガイドレール本体87に挿入された抜止レール部61は、両側から壁面23に垂直な方向に突出する一対の固定鍔部93が、ガイドレール本体87のガイド開口部89と反対側の背板部95に、リベット69により固定される。ガイドレール本体87に固定された抜止レール部61は、ガイド開口部89から挿入されたシャッターカーテン17の側縁部に取り付けられている耐風フック59の括れ部が、一対の引掛部の間に形成されるスリット97に係合して抜け止めされる。
【0062】
また、開閉体用ガイドレール49は、取付枠51が、壁面23に固定ビス57により固定される固定枠部99と、ガイドレール53の一側面にリベット69により固定される支持枠部101と、で構成される。支持枠部101は、壁面23に固定された固定枠部99の固定枠部奥片103に対し、開口部13と反対側の支持枠部奥片105に形成された爪片107が掛け止めされる。具体的には、固定枠部奥片103は、固定枠部99の固定枠部後片112に対して離間するとともに、固定枠部後片112と平行な突片状に形成される。支持枠部101の支持枠部奥片105は、支持枠部前片109と平行に折曲形成されている。爪片107は、支持枠部奥片105と直交して折曲形成されている。そして、支持枠部奥片105と固定枠部奥片103とが重合されて、爪片107が固定枠部奥片105に掛かり、爪片107の先端が固定枠部後片112に向いた状態で、固定枠部99に対して支持枠部101が固定される。また、支持枠部101は、開口部13に臨む支持枠部前片109が固定ビス57により固定枠部99の固定枠部前片111に固定される。支持枠部奥片105と爪片107からなる直角部分は、固定枠部99が壁面23や入隅に沿って固定されている状態で、支持枠部101を組み付ける際に、固定枠部奥片105へ開口部13側から進入させるように施工でき、開口部13の内側の壁面23や、この壁面23に沿う入隅部分に対して干渉されることなく、固定の方向が開口部13側からだけで良く、施工性が向上する。
【0063】
次に、上述した構成の変形例1を説明する。
【0064】
図5は、変形例1に係る開閉体用ガイドレールの構造の平断面図である。
変形例1に係る開閉体用ガイドレールの構造は、抜止レール部113が、スリット97を挟む両側に、壁面23と平行な一対の固定鍔部115を有する。一方の固定鍔部115は、固定鍔部115とガイドレール本体87と支持枠部101とを貫通するリベット69により固定される。他方の固定鍔部115は、固定鍔部115とガイドレール本体87と収容部65とを貫通するリベット69により固定される。
【0065】
この変形例1に係る開閉体用ガイドレールの構造によれば、抜止レール部113と、ガイドレール本体87と、支持枠部101と、収容部65との4部材を、共締めして一体的に固定できる。また、ガイドレール本体87のシャッターカーテン17を挟む2つの面を支持枠部101と収容部65とに固定するので、シャッターカーテン17に荷重がかかった際のガイドレール本体87の開きを抑制することができる。さらに、固定鍔部115を留めるリベット69が背板部95よりも外側に露出しないため、ガイドレール49として意匠性を低下させることがない。
【0066】
次に、上述した構成の変形例2を説明する。
【0067】
図6は、変形例2に係る開閉体用ガイドレールの構造の平断面図である。
変形例2に係る開閉体用ガイドレールの構造は、抜止レール部117が、スリット97を挟む片側に、壁面23と平行な固定鍔部115を有する。固定鍔部115は、例えば収容部側のみに設けられるが、逆に支持枠部側のみに設けられてもよい。つまり、固定鍔部115は、片側のみに設けられていればよい。固定鍔部115は、固定鍔部115とガイドレール本体87と収容部65とを貫通するリベット69により固定される。
【0068】
この変形例2に係る開閉体用ガイドレールの構造によれば、ガイドレール本体87のガイド開口部89を拡開するような風圧がシャッターカーテン17に加わった際、抜止レール部117の片側の固定鍔部115のみがガイドレール本体87に固定されているので、抜止レール部117のスリット97が拡開する開口部89に連れて開くことがなく、耐風フック59を抜けにくくすることができる。
【0069】
次に、上述した構成の変形例3を説明する。
【0070】
図7(a)(b)は、変形例1、変形例2に係る開閉体用ガイドレールの構造のさらなる変形例3を表す平断面図である。
変形例3に係る開閉体用ガイドレールの構造は、段落とし部75を設けない構成としている。この場合、手動切換え装置39が収容部65とカバー67とに形成した切欠部77に取り付けられることになるが、手動切換え装置39と固定ビス57とを縦に直線状に配置して、段落とし部75を設けない分、開閉体用ガイドレール49の厚み(壁面23に垂直方向の距離)を小さく抑えることができる。このため、開閉体用ガイドレール49をスリム化、コンパクト化することができる。
【0071】
次に、上記した第1実施形態の構成における作用を説明する。
【0072】
本実施形態に係る開閉体用ガイドレールの構造では、シャッターカーテン17をガイドする開閉体用ガイドレール49が、開口部13を有する構造物の屋内または屋外の一方の壁面23に固定される。一方の壁面23は、屋内の壁面23であることが好ましい。この場合、構造物の壁が、屋外から屋内への延焼を遅延させる障壁となり得る。
【0073】
ガイドレール53は、シャッターカーテン17の耐風フック59が係止する抜止レール部61を有する。ガイドレール53は、抜止レール部61がガイドレール53の一部分として一体的に形成されても、別体で形成されたものが一体的に固定されたものであってもよい。
【0074】
抜止レール部61を有したガイドレール53は、壁面23に対向する一側面が、取付枠51によって壁面23に固定される。一方、ガイドレール53は、取付枠51と反対側となる他側面に、収容枠55が固定される。すなわち、開閉体用ガイドレール49は、構造物における屋内の壁面23から、取付枠51、ガイドレール53、収容枠55の順で組み付けられた構造体となる。これにより、抜止レール部61を有するガイドレール53は、耐火性能を有する取付枠51と収容枠55とによって、壁厚方向で挟まれた状態で覆われることになる。
【0075】
開閉体用ガイドレールの構造は、抜止レール部61を有したガイドレール53が、取付枠51によって壁面23に固定されるので、抜止レール部61に、シャッターカーテン17の耐風フック59を係止させて、シャッターカーテン17の両側縁を高強度でしっかり抜け止めできる。
【0076】
また、開閉体用ガイドレールの構造は、構造物の壁面23に予め固定した取付枠51に対し、抜止レール部61を有したガイドレール53の一側面を、着脱自在な構造で組み付けることができるので、施工時にはガイドレール53を取付枠51に仮装着して本固定できる。交換時等には、取付枠51に対するガイドレール53の固定を解除した後に、取付枠51からガイドレール53を脱着することができる。これにより、開閉体用ガイドレールの構造は、構造物に対する溶接やはつり作業を不要にして、良好な施工性で、組立・分解・交換を可能とすることができる。
【0077】
そして、ガイドレール53を挟む取付枠51および収容枠55は、ともにスチールなどの耐火材で形成されるので、これらにアルミなどの非耐火材を用いた構成に比べ、抜止レール部61への火災時の火炎などの影響を抑制することができる。すなわち、開閉体用ガイドレール49は、火炎に曝された際の強度(耐火強度)を高めることができる。
【0078】
さらに、ガイドレール53の他側面を覆って固定される収容枠55は、内方の空間63が信号伝達部材の挿通スペースに利用できるので、開口部13に臨む収容枠55の面、すなわち収容部前片73に取り付けた信号発生機器を、収容枠55の空間63を利用して、開閉機35に容易な施工で接続することができる。
【0079】
また、この開閉体用ガイドレールの構造では、収容枠55が、スチールなどの耐火材で形成される収容部65およびカバー67からなる。収容部65は、ガイドレール53の他側面に固定され、ガイドレール53に沿う内方の空間63をガイドレール53と反対側の収容部側面に設けた溝開口71(図2参照)によって開放する。すなわち、収容部65は、ガイドレール53に固定された後に、カバー67が固定されて、カバー67によって溝開口71が覆われる。ガイドレール53に対する収容部65の固定は、溝開口71を通してリベット69により行うことができる。
【0080】
開閉体用ガイドレール49は、耐火材で形成される収容部65およびカバー67からなる収容枠55が、ガイドレール53に取り付けられることで、他側面が耐火材で覆われることになる。これにより、高い耐火性能が得られる。また、収容枠55は、内方で上下方向に延在する空間63が設けられるので、火災時の火炎などに対する遮熱性能も高めることができる。
【0081】
収容部65は、開口部13に臨む収容部前片73(図2参照)の一部に、凹状に奥まって信号発生機器が取り付けられる段落とし部75(図2参照)が形成される。段落とし部75は、収容部前片73を空間63に向かって階段状に折り曲げることで、収容部前片73よりも凹んだ状態となる。つまり、段落とし部75は、ガイドレール53と収容部前片73との間で、ガイドレール53に沿って凹んだ縦方向の溝となる。収容部65は、この段落とし部75の溝底面に形成した切欠部77(図2参照)に信号発生機器の一部分が挿入されて取り付けられる。
【0082】
ところで、信号発生機器は、部品の加工および取り合いに精度が要求されるため、アルミ製のガイドレール53で対応するのが一般的である。スチールレールで対応しようとした場合、信号発生機器を取り付けるための切欠部を、収容部65とカバー67との双方に施す必要があるが、それぞれが別加工であることで、双方の切欠部の位置合わせが難しく、位置が合わない場合は信号発生機器が取り付けられない可能性が生じる。この場合、外殻となるカバー67に信号発生機器を取り付ける構成とすることも可能であるが、施工性が悪く、意匠性も悪化する虞がある。
【0083】
これに対し、開閉体用ガイドレールの構造は、収容部65に段落とし部75を形成し、段落とし部75のみに切欠部77を形成すればよいので、カバー67に形成した切欠部と位置合わせする必要がなくなる。これにより、カバー67の取り付けが容易に可能となる。また、位置ずれがなくなり、信号発生機器は正確に取り付けられるので、信号発生機機の動作不良などの発生の虞がなく、意匠性を損ねる虞もなくなる。さらに、段落とし部75の溝底面に切欠部77が設けられるので、取付部分の仕舞い構造が目立たなく、他に切欠加工などが不要となって、これによっても良好な意匠性が得られるようになる。
【0084】
そして、カバー67は、カバー奥片81に備えた爪部79(図2参照)を、溝開口71の内側から収容部奥片119(図2参照)に係止するとともに、カバー前片85の折曲先端に設けたL字曲げ部83を段落とし部75に引っかけた状態で、カバー前片85を収容部前片73に固定ビス57で締結するので、締結箇所を少なくして、容易な施工で、しっかりと収容部65に固定することができる。
【0085】
その結果、ガイドレール53の屋内に臨む他側面が、耐火材よりなる収容部65とカバー67とからなる収容枠55により覆われるので、抜止レール部61を有するガイドレール53を屋内から耐火材で覆って耐火性能を高めることができるとともに、収容部65の空間63を利用して信号伝達部材を挿通し、収容枠55に対する信号発生機器の取り付けを容易にすることができる。
【0086】
また、この開閉体用ガイドレールの構造では、ガイドレール53が、抜止レール部61と、ガイドレール本体87と、からなる。抜止レール部61とガイドレール本体87とは、リベット69によって一体に固定される。抜止レール部61は、アルミ製の押出成形材であり、開口部13の高さとほぼ同寸法の長尺部材となる。押出成形では、複雑な断面形状を精密に連続成形できる。抜止レール部61は、アルミ押出成形材であることにより、長手方向に直交方向の断面形状が、耐風フック59と係合する所望の複雑な形状でかつ高精度に製作可能となる。また、複雑な断面形状が可能となることにより、スチールの折曲成形では得られない構造的(形状的)な強度を、スチール製よりも軽量で得ることができる。なお、構造的な強度を軽量で得る一例として、例えば直交する板片の板厚みを変えることなく、入隅を成形材で埋める構造(形状)等を挙げることができる。
【0087】
一方、ガイドレール本体87は、抜止レール部61を、外側から覆うようにして抜止レール部61と一体となる。開閉体用ガイドレール49は、このガイドレール本体87が、取付枠51に固定されることで、抜止レール部61が、ガイドレール本体87、取付枠51を介して壁面23に支持されることになる。開閉体用ガイドレール49は、高精度、高強度に成形された抜止レール部61が、ガイドレール本体87に収容されて覆われた状態で、耐風フック59をガイドすることになる。
【0088】
これにより、開閉体用ガイドレール49は、ガイドレール全体がスチール製である場合に比べ、高強度でスムースなシャッターカーテン17の開閉動作を実現させることができるとともに、ガイドレール全体がアルミ製である場合に比べ、耐火性能を高めることができる。
【0089】
その結果、アルミ製の抜止レール部61を、スチールなどの耐火材で形成されるガイドレール本体87によって覆ってガイドレール53を構成することができるので、ガイドレール53の耐火性能を高めながら、アルミ製押出成形材の有する高精度かつ高強度な耐風性能をともに発揮させることができる。
【0090】
また、この開閉体用ガイドレールの構造では、取付枠51が、壁面23に固定される固定枠部99と、ガイドレール53の一側面に固定される支持枠部101と、で構成される。すなわち、取付枠51は、壁面23とガイドレール53との間に介在して、ガイドレール53を壁面23に支持する。この取付枠51を介して壁面23に支持されたガイドレール53の他側面には、上述の収容枠55が固定される。つまり、開閉体用ガイドレールの構造は、壁面23から、取付枠51、ガイドレール53、収容枠55の順で配置され、ガイドレール53が、耐火材で形成される取付枠51と収容枠55とに挟まれて覆われた状態で壁面23に取り付けられる。
【0091】
固定枠部99と支持枠部101とからなる取付枠51は、先ず、固定枠部99が壁面23に固定される。一方、支持枠部101は、予めガイドレール53の一側面に固定しておく。つまり、支持枠部101は、ガイドレール53と一体となって、ガイドレール53を固定枠部99へ連結固定するための連結用部材となる。
【0092】
このように、固定枠部99を壁面23に固定し、支持枠部101をガイドレール53に固定した開閉体用ガイドレールの構造は、ガイドレール53に固定された支持枠部101を、固定枠部99に係合することで仮支持される。この係合は、固定枠部99の固定枠部奥片103に対し、支持枠部奥片105に形成された爪片107を掛け止めすることにより行われる。爪片107を固定枠部奥片103に掛け止めした支持枠部101は、開口部13に臨む支持枠部前片109を、固定ビス57により固定枠部99の固定枠部前片111に固定する。
【0093】
これにより、ガイドレール53は、壁面23に固定した固定枠部99に、ガイドレール53に固定した支持枠部101を固定することで、固定枠部99と支持枠部101と、で構成される取付枠51を介して壁面23に容易に、かつ、しっかりと固定される。
【0094】
なお、ガイドレール53は、支持枠部前片109を固定枠部99に固定している固定ビス57を締結解除すれば、固定枠部奥片103に対し、支持枠部奥片105の爪片107が掛け止め解除でき、固定枠部99から簡単に脱着が可能となる。すなわち、消耗品や破損部品の交換などメンテナンスを容易に行うことができる。
【0095】
その結果、開閉体用ガイドレールの構造は、アルミ製の抜止レール部61を備えたガイドレール53の壁面23に対向する一側面を覆う取付枠51が、屋内の壁面23に固定される耐火材の固定枠部99と、ガイドレール53の一側面に固定されて、この固定枠部99に固定される耐火材の支持枠部101と、からなり、固定枠部99に対して支持枠部101が、支持枠部奥片105の爪片107を、固定枠部奥片103に掛け止めし、支持枠部前片109を固定枠部前片111に固定ビス57で締結できるので、耐火性能を担保しながらガイドレール53を覆った状態で壁面23に容易に取り付けることができる。
【0096】
次に、第2実施形態について説明する。
【0097】
図8は、第2実施形態に係る開閉体用ガイドレールの構造の平断面図である。なお、第2実施形態において図1図7に示した部材・部位と同等の部材・部位には同一の符号を付し重複する説明は省略する。
第2実施形態に係る開閉体用ガイドレールの構造は、耐火材で形成されて壁面23に固定される取付枠51と、取付枠51に一側面が着脱自在に固定されて覆われ、シャッターカーテン17に設けられる耐風フック59が係止する抜止レール部61を有するガイドレール53と、耐火材で形成されて取付枠51と反対側となるガイドレール53の他側面に着脱自在に固定されて他側面を覆うとともに、シャッターカーテン17を開閉駆動させる開閉機35に、内方の空間63に挿通される信号伝達部材を介して接続され床面21から所定高さ位置で開口部13に臨む信号発生機器が取り付けられる収容枠55と、により構成される。
【0098】
第2実施形態に係る開閉体用ガイドレール121は、取付枠51と、収容枠55と、ガイドレール53とが単体で形成される。すなわち、取付枠51と収容枠55とにはスチールなどの耐火材が用いられ、ガイドレール53にはアルミなどの非耐火材が用いられる。ガイドレール53は、ガイド開口部89を挟む両側に、壁面23に垂直方向の一対の固定鍔部123を有する。ガイドレール53は、一対の固定鍔部123が取付枠51の取付枠前片125に固定ビス57により締結され、他方の固定鍔部123が収容枠55の収容枠前片127に固定ビス57により締結される。また、ガイドレール53の背板部95は、スチールなどの耐火材からなるL字曲げレール材129によって覆われる。L字曲げレール材129は、リベット69によりガイドレール53の背板部95に固定され、収容枠側のL字曲げ部131がクランク形に折り曲げられた支持枠奥片133に係合する。
【0099】
この第2実施形態に係る開閉体用ガイドレールの構造によれば、ガイドレール53の背板部95に耐火材からなるL字曲げレール材129を設けることで、アルミ部分の露出を防ぎ、防火設備への対応が見込める。また、第1実施形態で用いた支持枠部101や収容部65を必要としないので、より簡単な構造、施工で信号発生機器や信号伝達部材を設けることができ、部材数も削減できる。
【0100】
従って、本実施形態に係る開閉体用ガイドレールの構造によれば、高強度の耐風構造を良好な施工性で実現でき、しかも、防火設備としての対応を可能とすることができる。
【符号の説明】
【0101】
13…開口部
17…開閉体(シャッターカーテン)
21…床面
23…壁面
35…開閉機
39…信号発生機器(手動切換え装置)
41…信号発生機器(障害物感知センサー)
43…信号伝達部材(ワイヤ)
45…信号伝達部材(信号用電線)
49…開閉体用ガイドレール
51…取付枠
53…ガイドレール
55…収容枠
57…固定手段(固定ビス)
59…耐風フック
61…抜止レール部
63…空間
65…収容部
67…カバー
69…固定手段(リベット)
71…溝開口
73…収容部前片
75…段落とし部
79…爪部
81…カバー奥片
83…L字曲げ部
85…カバー前片
87…ガイドレール本体
99…固定枠部
101…支持枠部
103…固定枠部奥片
105…支持枠部奥片
107…爪片
109…支持枠部前片
111…固定枠部前片
112…固定枠部後片
113…抜止レール部
117…抜止レール部
121…開閉体用ガイドレール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8