(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057876
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】感冒症状の予防及び/又は改善用経口組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 35/748 20150101AFI20240418BHJP
A23L 33/10 20160101ALI20240418BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20240418BHJP
A61P 11/02 20060101ALI20240418BHJP
A61P 11/04 20060101ALI20240418BHJP
A61P 11/14 20060101ALI20240418BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20240418BHJP
A61P 21/00 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
A61K35/748
A23L33/10
A61P29/00
A61P11/02
A61P11/04
A61P11/14
A61P19/02
A61P21/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022164851
(22)【出願日】2022-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】506141225
【氏名又は名称】株式会社ユーグレナ
(74)【代理人】
【識別番号】100088580
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 敦
(74)【代理人】
【識別番号】100195453
【弁理士】
【氏名又は名称】福士 智恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100205501
【弁理士】
【氏名又は名称】角渕 由英
(72)【発明者】
【氏名】中島 綾香
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 健吾
【テーマコード(参考)】
4B018
4C087
【Fターム(参考)】
4B018LB01
4B018LB08
4B018LB09
4B018LB10
4B018LE02
4B018LE03
4B018LE05
4B018MD04
4B018MD05
4B018MD10
4B018MD34
4B018MD89
4B018MD90
4B018ME14
4B018MF01
4B018MF04
4B018MF12
4B018MF14
4C087AA01
4C087AA02
4C087BB01
4C087MA52
4C087NA14
4C087ZA07
4C087ZA08
4C087ZA34
4C087ZA59
4C087ZA62
4C087ZA94
4C087ZA96
4C087ZB11
(57)【要約】
【課題】感冒症状の予防及び/又は改善用経口組成物を提供する。
【解決手段】ユーグレナ藻体を含有する感冒症状の予防及び/又は改善用経口組成物である。このとき、感冒症状は、全身倦怠感、寒気、熱っぽさ、疲労、くしゃみ、鼻汁、鼻閉、のどの痛み、せき、関節痛、筋肉痛、頭痛からなる群より選択される少なくとも1種であると好適である。また、経口組成物が、食品、飲料、医薬品であると好適である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーグレナ藻体を含有する感冒症状の予防及び/又は改善用経口組成物。
【請求項2】
前記感冒症状は、全身倦怠感、寒気、熱っぽさ、疲労、くしゃみ、鼻汁、鼻閉、のどの痛み、せき、関節痛、筋肉痛、頭痛からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1に記載の感冒症状の予防及び/又は改善用経口組成物。
【請求項3】
鼻の不快感の軽減、鼻みずの軽減、鼻づまりの軽減、鼻の痒みの軽減、鼻のむずむず感の軽減、喉の不快感の軽減、のどの腫れの軽減、のどの赤味の軽減、のどのイガイガの軽減、声がれの軽減、たんの軽減、悪寒の軽減、ゾクゾク感の軽減、グズグズ感の軽減、ほてり感の軽減、ぼーっと感の軽減、めまいの軽減、ぐったり感の軽減、無気力感の軽減、体のだるさの軽減からなる群より選択される少なくとも1種のために用いられる請求項1に記載の感冒症状の予防及び/又は改善用経口組成物。
【請求項4】
前記ユーグレナ藻体が1日あたり500mg以上で5週間以上継続して摂取される請求項1乃至3のいずれか一項に記載の感冒症状の予防及び/又は改善用経口組成物。
【請求項5】
食品である請求項4に記載の感冒症状の予防及び/又は改善用経口組成物。
【請求項6】
飲料である請求項4に記載の感冒症状の予防及び/又は改善用経口組成物。
【請求項7】
医薬品である請求項4に記載の感冒症状の予防及び/又は改善用経口組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感冒症状の予防及び/又は改善用経口組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
風邪は、最もありふれた疾患である。風邪などに罹患した際に生じる全身倦怠感や寒気等の感冒症状が生活上、問題となる。対症療法薬として、感冒症状を緩和する効果を出すように設計された感冒薬が開発され、OTC医薬品として販売されている。例えば、特許文献1には、イブプロフェンなどの解熱鎮痛薬を含有する感冒薬組成物が記載されている。
【0003】
ユーグレナは、微細藻類に分類される単細胞の微生物である。植物と動物両方の性質を兼ね備えていることから、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、脂肪酸等多様な栄養素を含んでいる。2005年に食用の大量培養技術が確立されて以降、今日に至るまで栄養補助食品やサプリメントとして活用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
感冒症状を予防及び改善することが求められている。本発明の目的は、感冒症状の予防及び/又は改善用経口組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題は、ユーグレナ藻体物質を含有する感冒症状の予防及び/又は改善用経口組成物により解決される。
このとき、前記感冒症状は、全身倦怠感、寒気、熱っぽさ、疲労、くしゃみ、鼻汁、鼻閉、のどの痛み、せき、関節痛、筋肉痛、頭痛からなる群より選択される少なくとも1種であるとよい。
このとき、鼻の不快感の軽減、鼻みずの軽減、鼻づまりの軽減、鼻の痒みの軽減、鼻のむずむず感の軽減、喉の不快感の軽減、のどの腫れの軽減、のどの赤味の軽減、のどのイガイガの軽減、声がれの軽減、たんの軽減、悪寒の軽減、ゾクゾク感の軽減、グズグズ感の軽減、ほてり感の軽減、ぼーっと感の軽減、めまいの軽減、ぐったり感の軽減、無気力感の軽減、体のだるさの軽減からなる群より選択される少なくとも1種のために用いられるとよい。
このとき、前記ユーグレナ藻体が1日あたり500mg以上で5週間以上継続して摂取されるとよい。
このとき、前記経口組成物が食品であるとよい。
このとき、前記経口組成物が飲料であるとよい。
このとき、前記経口組成物が医薬品であるとよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、感冒症状の予防及び/又は改善用経口組成物を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】8週間の感冒症状累積日数平均値を示すグラフである。
【
図2A】全期間(8週間)における熱っぽさの重症度の平均値を示すグラフである。
【
図2B】後期(後半4週間、期間V~VIII)における疲労の重症度の平均値を示すグラフである。
【
図2C】後期(後半4週間、期間V~VIII)における鼻閉の重症度の平均値を示すグラフである。
【
図2D】後期(後半4週間、期間V~VIII)におけるのどの痛みの重症度の平均値を示すグラフである。
【
図2E】後期(後半4週間、期間V~VIII)における筋肉痛の重症度の平均値を示すグラフである。
【
図3A】感冒症状の累積日数の推移を示すグラフである。
【
図3B】疲労の累積日数の推移を示すグラフである。
【
図4A】各週の疲労の累積日数の合計値を示すグラフである。
【
図4B】各週のくしゃみの累積日数の合計値を示すグラフである。
【
図4C】各週の鼻汁の累積日数の合計値を示すグラフである。
【
図4D】各週の鼻閉の累積日数の合計値を示すグラフである。
【
図4E】各週ののどの痛みの累積日数の合計値を示すグラフである。
【
図4F】各週のせきの累積日数の合計値を示すグラフである。
【
図4G】各週の筋肉痛の累積日数の合計値を示すグラフである。
【
図5A】全期間(8週間)における疲労の各回答の累積値割合を示す図である。
【
図5B】全期間(8週間)におけるくしゃみの各回答の累積値割合を示す図である。
【
図5C】全期間(8週間)における鼻閉の各回答の累積値割合を示す図である。
【
図5D】全期間(8週間)におけるせきの各回答の累積値割合を示す図である。ある。
【
図5E】全期間(8週間)における筋肉痛の各回答の累積値割合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について
図1乃至
図5Eを参照して説明する。本実施形態は、ユーグレナ由来物質を含有する感冒症状の予防及び/又は改善用経口組成物、感冒症状の予防及び/又は治療剤に関するものである。
【0010】
<感冒症状の予防及び/又は治療剤>
本実施形態に係る感冒症状の予防及び/又は治療剤は、ユーグレナ由来物質を有効成分として含有し、感冒症状を予防及び/又は治療するために用いられるものである。
【0011】
「感冒症状」とは、全身倦怠感、寒気、熱っぽさ、疲労、くしゃみ、鼻汁、鼻閉、のどの痛み、せき、関節痛、筋肉痛、頭痛からなる群より選択される少なくとも1種である。「感冒症状の予防及び/又は治療」とは、感冒症状を予防、治療、緩和、改善することを含む概念である。
【0012】
本実施形態に係る感冒症状の予防及び/又は治療剤は、鼻の不快感の軽減、鼻みずの軽減、鼻づまりの軽減、鼻の痒みの軽減、鼻のむずむず感の軽減、喉の不快感の軽減、のどの腫れの軽減、のどの赤味の軽減、のどのイガイガの軽減、声がれの軽減、たんの軽減、悪寒の軽減、ゾクゾク感の軽減、グズグズ感の軽減、ほてり感の軽減、ぼーっと感の軽減、めまいの軽減、ぐったり感の軽減、無気力感の軽減、体のだるさの軽減からなる群より選択される少なくとも1種のために用いることができる。
【0013】
<ユーグレナ由来物質>
本実施形態において、ユーグレナ由来物質とは、ユーグレナの乾燥藻体、ユーグレナ抽出物、ユーグレナ生細胞のほか、ユーグレナ細胞から抽出されたパラミロン、パラミロン粉末や、パラミロンの加工品等が含まれる。
【0014】
<ユーグレナ>
本実施形態において、「ユーグレナ」とは、分類学上、ユーグレナ属(Euglena)に分類される微生物、その変種、その変異種及びユーグレナ科(Euglenaceae)の近縁種を含む。ここで、ユーグレナ属(Euglena)とは、真核生物のうち、エクスカバータ、ユーグレノゾア門、ユーグレナ藻綱、ユーグレナ目、ユーグレナ科に属する生物の一群である。
【0015】
ユーグレナ属に含まれる種として、具体的には、Euglena chadefaudii、Euglena deses、Euglena gracilis、Euglena granulata、Euglena mutabilis、Euglena proxima、Euglena spirogyra、Euglena viridisなどが挙げられる。ユーグレナとして、ユーグレナ・グラシリス(E. gracilis),特に、ユーグレナ・グラシリス(E. gracilis)Z株を用いることができるが、そのほか、ユーグレナ・グラシリス(E. gracilis)Z株の変異株SM-ZK株(葉緑体欠損株)や変種のE. gracilis var. bacillaris、これらの種の葉緑体の変異株等の遺伝子変異株、Astasia longa等のその他のユーグレナ類であってもよい。
【0016】
ユーグレナ属は、池や沼などの淡水中に広く分布しており、これらから分離して使用しても良く、また、既に単離されている任意のユーグレナ属を使用してもよい。ユーグレナ属は、その全ての変異株を包含する。また、これらの変異株の中には、遺伝的方法、たとえば組換え、形質導入、形質転換等により得られたものも含有される。
【0017】
(ユーグレナ藻体)
本実施形態では、ユーグレナとしてユーグレナ藻体を用いることが可能である。ユーグレナ藻体として、遠心分離,濾過又は沈降等によって分離したユーグレナ生細胞をそのまま用いることができる。ユーグレナ生細胞は、培養槽から収穫後そのままの状態で使用することもできるが、水若しくは生理食塩水で洗浄するのが好ましい。また、ユーグレナ藻体が水などの液体に分散した分散液の状態で用いてもよい。本実施形態において、ユーグレナ生細胞を凍結乾燥処理やスプレー乾燥処理して得たユーグレナの乾燥藻体(ユーグレナ粉末)をユーグレナ藻体として用いると好適である。
【0018】
更に、ユーグレナ生細胞を超音波照射処理や、ホモゲナイズ等の機械処理を行うことにより得た藻体の機械的処理物をユーグレナ藻体として用いてもよい。また、機械的処理物に乾燥処理を施した機械的処理物乾燥物をユーグレナ藻体として用いてもよい。さらに、ユーグレナ藻体を、例えば無極性溶媒により脱脂処理を施した脱脂ユーグレナ粉末を用いることも可能である。
【0019】
(ユーグレナ抽出物)
本実施形態では、ユーグレナとしてユーグレナ抽出物(ユーグレナエキス)を用いることも可能であり、特にユーグレナ水性溶媒抽出物を用いると好適である。本実施形態において、「ユーグレナ水性溶媒抽出物」とは、水性溶媒を用いてユーグレナから抽出される抽出物を意味し、特に、水性溶媒として水やアルコール類、グリコール類を用い、5℃~600℃で、数秒~数十時間抽出したユーグレナの水抽出物、熱水抽出物、アルコール抽出物、グリコール抽出物を用いることが好ましい。抽出に使用する水は、必ずしも蒸留水や、純水、又は超純水である必要はなく、例えば、水道水や不純物を含むものであってもよいが、活性成分の抽出を妨げる成分を含まない水が好ましい。
【0020】
本実施形態において、「水抽出物」とは、0~50℃(0℃を除く。)の水による抽出物を意味する。ここで、「水」とは、0~50℃(0℃を除く。)の水を意味する。水の温度は、活性成分に影響を与えずに、活性成分を十分に抽出できる範囲内であれば特に限定されるものではないが、好ましくは1~40℃、より好ましくは5~35℃、特に好ましくは10~30℃である。
【0021】
本実施形態において、「熱水抽出物」とは、50℃よりも高い温度の水による抽出物を意味し、「温水抽出物」とも呼ぶことができる。ここで、「熱水」とは、50℃よりも高温の水を意味し、「熱湯」も含む概念であり、沸騰状態にある水も含まれる。また、液体状態の熱水に限定されることなく、気体状態及び超臨界状態の熱水も含まれる。熱水の温度は、活性成分に影響を与えずに、活性成分を十分に抽出できる範囲内であれば特に限定されるものではないが、好ましくは50℃より高く120℃以下、より好ましくは50℃より高く100℃以下である。
【0022】
抽出に使用する水のpHは、活性成分に影響を与えずに、活性成分を十分抽出できる範囲内であれば特に限定されるものではないが、好ましくはpH4~10、より好ましくはpH5~9、特に好ましくはpH6~8であるとよい。
【0023】
なお、本実施形態では、水性溶媒として、活性成分に影響を与えずに、活性成分を十分抽出できるものであって、通常、抽出に用いることができる溶媒を1種または2種以上選択して用いてもよい。例えば、水、アルコール類、グリコール類などを挙げることができるが、これに限定されるものではない。アルコール類としては、エタノール、メタノール、n-プロパノール、イソプロパノール等が挙げられる。グリコール類としては、ブチレングリコール(BG)及びプロピレングリコール等が挙げられる。その他の水性溶媒としては、アセトン等が挙げられる。これらの溶媒は単独或いは水溶液として用いても良く、任意の2種または3種以上の混合溶媒として用いてもよい。
【0024】
抽出に用いる水性溶媒の温度は、例えば、0℃以上であり、活性成分に影響を与えないのであれば特に限定されることはない。沸騰状態又は超臨界状態にある水性溶媒を使用することもできるが、5℃~600℃の水性溶媒を使用するのが好ましく、10℃~200℃の水性溶媒を使用するのがより好ましい。したがって、抽出用の水性溶媒とは、沸騰状態や超臨界状態にある水性溶媒も含むものである。抽出に使用する水性溶媒の量は、ユーグレナ中に含まれる水溶性活性成分を十分に溶解することができる量であることが好ましい。
【0025】
抽出方法も特に限定されず、例えば、以下に示す方法により抽出を行うことができるが、これに限定されることなく、通常の抽出方法を自由に選択して用いることができる。例えば、ユーグレナの藻体乾燥粉末を水性溶媒に所定時間浸漬した後に遠心分離又は濾過する方法、ユーグレナの藻体乾燥粉末を水性溶媒に加えて震盪して均一に分散させた後に遠心分離又は濾過する方法、などが挙げられる。また、抽出を促進するために、ユーグレナを添加後の水性溶媒を加熱することも可能である。
【0026】
ユーグレナの水抽出は、以下に示すような通常の方法で行うことができるが、これに限定されるものではない。例えば、ユーグレナ組織及び水を容器に入れ、適宜攪拌又は震盪しながら所定時間静置し、得られた抽出液は、そのまま水抽出物として使用可能である。また、例えば、そのような抽出液を遠心して得られる上清を水抽出物として使用することもできる。また、そのような抽出液又は上清を濃縮、乾燥して水分を除去し、これを水抽出物として使用することもできる。水抽出は、抽出効率を上げて抽出時間を短縮するために、水に、少量、例えば、10質量%以下のアルコール、好ましくはエタノールを添加して行ってもよい。水抽出を行う場合の抽出時間は、活性成分が抽出される時間であれば特に限定されず、数秒~数十時間の範囲で、抽出の温度に応じて適宜設定することができる。
【0027】
熱水による抽出は、以下に示すような、通常用いられている方法で行なうことができるが、これに限定されるものではない。ユーグレナを、通常用いられる抽出器に水とともに導入した後に、加熱することで抽出を行う。沸騰水または超臨界状態にある水を使用して抽出する場合には、水の蒸気圧に耐え得る抽出器を使用する必要がある。抽出時の圧力は1~5000気圧に設定することができ、60~400気圧に設定するのが好ましい。
【0028】
高温高圧下で抽出を行なう場合には、抽出時間が長過ぎると活性成分が分解したり、化学反応を起こすことがある。従って、高温高圧下で抽出を行なうときには、抽出時間を短時間、例えば、3分以内とするのが好ましく、1分以内とするのがより好ましく、30秒以内とすることが特に好ましい。
【0029】
抽出したユーグレナ抽出物は、そのままでも本実施形態に係る感冒症状の予防及び/又は治療剤の有効成分として用いることができるが、当該抽出物を更に、適当な分離手段(例えば、分配抽出、ゲル濾過法、シリカゲルクロマトグラフィー、逆相若しくは順相の高速液体クロマトグラフィーなど)により活性の高い画分を分画して用いることも可能である。また、ユーグレナ抽出物やその画分を、濃縮、乾燥して水性溶媒を除去し、これを水性溶媒抽出物として使用することもできる。
【0030】
(加水分解ユーグレナエキス)
ユーグレナ抽出物として、ユーグレナ属に属する藻類の細胞を蛋白質酵素分解して抽出される水溶性成分、具体的には、ユーグレナ粉末(ユーグレナ藻体)を酵素で加水分解抽出した加水分解ユーグレナエキスを用いても良い。加水分解ユーグレナエキスは、特開2010-90065号記載の方法に従い、調製することが可能である。
【0031】
以下、加水分解ユーグレナエキスの調製方法について説明をする。ユーグレナの乾燥体(重量)に対し、好ましくは100倍量(重量)の精製水を加え、加圧加熱処理を行う。その後、蛋白質分解酵素を添加し藻体を処理する。処理終了後、例えば90℃で失活し、遠心分離または濾過することにより、残渣と水溶性成分を分離する。
【0032】
具体的には、加圧加熱処理条件は、オートクレーブを用いて100~150℃、大気圧~0.255MPa、1分~30分の加熱加圧処理であることが好ましく、例えば、0.1~0.14MPa、121℃で10分間の加熱加圧処理をするとよい。蛋白質分解酵素としては、例えばペプシン、パンクレアチン、パパインなど一般的に用いられるプロテアーゼ活性を有する酵素を単独または併用すればよい特に、ポリペプチド鎖の途中のペプチド結合を加水分解し、幾つかのペプチドに分解するためにエンド型ペプチダーゼを採用することが好ましい。
【0033】
市販の蛋白質分解酵素としては、ヤクルト薬品工業社製のパンチダーゼMP、アロアーゼAP-10なども採用できる。酵素の添加濃度、反応液のpHや反応温度、その他の条件等は、各酵素剤にとって最適な条件を選択すればよい。
【0034】
このようにして得られた水溶性成分は、そのまま用いることもできるが、本発明の効果を失わない範囲内で分画、脱臭,脱色,濃縮等の精製操作を加えて用いることもできる。
【0035】
<パラミロン>
「パラミロン(paramylon)」とは、約700個のグルコースがβ-1,3-結合により重合した高分子体(β-1,3-グルカン)で多孔質であり、ユーグレナ属が含有する貯蔵多糖である。パラミロン粒子は、扁平な回転楕円体粒子であり、β-1,3-グルカン鎖がらせん状に絡まりあって形成されている。
【0036】
パラミロンは、すべての種,変種のユーグレナ細胞内に顆粒として存在し、その個数,形状,粒子の均一性は、種により特徴がある。パラミロンは、グルコースのみからなり、E. gracilis Zの野生株と葉緑体欠損株SM-ZKから得られたパラミロンの平均重合度は、グルコース単位で約700である。パラミロンは、水,熱水には不溶性であるが、希アルカリ,濃い酸,ジメチルスルホキシド,ホルムアルデヒド,ギ酸に溶ける。パラミロンの平均密度は、E. gracilis Zでは1.53、E. gracilis var. bacillaris SM-L1では1.63である。
【0037】
パラミロンは、粉末図形法を用いたX線解析によれば、3本の直鎖状β-1,3-グルカンが右巻きの縄のようにねじれあったゆるやかならせん構造をとっている。このグルカン分子がいくつか集まってパラミロン顆粒を形成する。パラミロン顆粒は結晶構造部分が非常に多く約90%を占め、多糖類の中で最も結晶構造率の高い化合物である。なお、パラミロン((株)ユーグレナ製)の粒度分布は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置で測定したときのメジアン径が、1.5~2.5μmである。
【0038】
パラミロン粒子は、培養されたユーグレナ細胞から任意の適切な方法で単離及び微粒子状に精製され、通常、粉末体として提供されている。例えば、パラミロン粒子は、(1)任意の適切な培地中でのユーグレナ細胞の培養、(2)当該培地からのユーグレナ細胞の分離、(3)分離されたユーグレナ細胞からのパラミロンの単離、(4)単離されたパラミロンの精製、および必要に応じて(5)冷却及びその後の凍結乾燥によって得ることができる。パラミロンの単離は、例えば、大部分が生物分解される種類の非イオン性又は陰イオン性の界面活性剤を用いて行われる。パラミロンの精製は、実質的には単離と同時に行われる。
【0039】
(パラミロンの加工品)
パラミロンの加工品としては、公知の種々の方法によりパラミロンを化学的又は物理的に処理して得た水溶性パラミロン、硫酸化パラミロン等や、パラミロン誘導体も含まれる。
【0040】
パラミロンの加工品としては、例えば、アモルファスパラミロンやエマルジョンパラミロンが挙げられる。アモルファスパラミロンとは、ユーグレナ由来の結晶性パラミロンをアモルファス化した物質である。アモルファスパラミロンは、ユーグレナから公知の方法で生成された結晶性のパラミロンに対する相対結晶度が、1~20%である。但し、この相対結晶度は、特開2011-184592号記載の方法により求めたものである。
【0041】
つまり、アモルファスパラミロン及びパラミロンを、それぞれ、粉砕機(Retsh社製ボールミルMM400)にて、振動数20回/秒で5分間粉砕後、X線回折装置(スペクトリス社製H‘PertPRO)を用い、管電圧45KV、管電流40mAにて、2θが5°乃至30°の範囲でスキャンを行い、パラミロンとアモルファスパラミロンの2θ=20°の付近の回折ピークPc,Paを得る。このPc,Paの値を用い、アモルファスパラミロンの相対結晶度を、アモルファスパラミロンの相対結晶度=Pa/Pc×100(%)により算出する。
【0042】
アモルファスパラミロンは、特開2011-184592号記載の方法に従い、結晶性のパラミロン粉末を、アルカリ処理した後に酸で中和し、その後洗浄、水分除去工程を経て、乾燥を行うことにより調製される。パラミロンの加工品としては、そのほか、公知の種々の方法によりパラミロンを化学的又は物理的に処理して得た水溶性パラミロン、硫酸化パラミロン等や、パラミロン誘導体も含まれる。
【0043】
「エマルジョンパラミロン」とは、その加工方法及び物性が乳化物に類似していることから、エマルジョンパラミロンとも呼ばれる物質であって、特開2016-199650号記載の方法に従い、パラミロンに水を加えて得た流体を超高圧で細孔ノズルから噴出させて被衝突物に衝突させる衝突処理を行うことにより得られ、4倍以上の水と結合して膨潤した加工パラミロンである。
【0044】
エマルジョンパラミロンは、粉体等の固体に水溶性溶媒を加えたスラリーを、細孔ノズルから超高圧で噴出させて被衝突物に衝突させる公知の物性改質装置(例えば、特開2011-88108号公報、特開平6-47264号公報記載の装置)で、噴出時のノズル圧力245MPaで、1回以上衝突処理を行うことにより得ることができる。
【0045】
エマルジョンパラミロンは、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置で粒度を測定したときのメジアン径が、パラミロンの5倍以上であり、7μm以上であって、光学電子顕微鏡により、粒子が、隣接する粒子と付着していることが観察され、パラミロンに対して4倍以上の水と結合して膨潤している。
【0046】
原料パラミロンと水を混合したスラリーは、さらさらした流体であるが、エマルジョンパラミロンは、パラミロンが水分子中に分散して、粘度が増加して粘性を有し、触ったときに手に付着するような粘着性と、弾力性を有し、糊のような触感を備えている。なお、その処理方法と物性から、得られた加工パラミロンを本明細書においてエマルジョンパラミロンと呼んでいるが、エマルジョン化しているか否かは不明であり、パラミロンが水と結合して膨潤している状態である。
【0047】
<用途>
本実施形態に係る感冒症状の予防及び/又は治療剤は、経口組成物、例えば、健康食品等の食品組成物又は医薬品組成物として構成され、感冒症状を予防及び/又は治療するために、予防的及び/又は治療的に使用・摂取・投与される。ユーグレナ由来物質は、食品としても摂取可能で副作用がないため、継続的に使用・摂取・投与可能である。
【0048】
(食品組成物)
本実施形態の感冒症状の予防及び/又は治療剤は、食品の分野では、感冒症状の予防作用及び/又は治療作用を有効に発揮できる有効な量のユーグレナ由来物質を食品素材として、各種食品に配合することにより、当該作用を有する食品組成物を提供することができる。すなわち、本発明は、食品の分野において、抗老化用等と表示された食品の食品組成物を提供することができる。当該食品組成物としては、一般の食品のほか、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品、病院患者用食品、サプリメント等が挙げられる。また、食品添加物として用いることもできる。
【0049】
当該食品組成物としては、例えば、調味料、畜肉加工品、農産加工品、飲料(乳酸菌飲料、清涼飲料、アルコール飲料、炭酸飲料、乳飲料、果汁飲料、茶、コーヒー、栄養ドリンク等)、粉末飲料(粉末ジュース、粉末スープ等)、濃縮飲料、菓子類(キャンディ(のど飴)、クッキー、ビスケット、ガム、グミ、チュアブル、タブレット剤、チョコレート等)、パン、シリアル等が挙げられる。また、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品等の場合、カプセル、トローチ、シロップ、顆粒、粉末等の形状であっても良い。
【0050】
ここで特定保健用食品とは、生理学的機能等に影響を与える保健機能成分を含む食品であって、消費者庁長官の許可を得て特定の保健の用途に適する旨を表示可能なものである。本発明においては、抗老化に関する特定の保健用途を表示して販売される食品となる。
【0051】
また栄養機能食品とは、栄養成分(ビタミン、ミネラル)の補給のために利用される食品であって、栄養成分の機能を表示するものである。栄養機能食品として販売するためには、一日当たりの摂取目安量に含まれる栄養成分量が定められた上限値、下限値の範囲内にある必要があり、栄養機能表示だけでなく注意喚起表示等もする必要がある。
【0052】
また機能性表示食品とは、事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品である。販売前に安全性及び機能性の根拠に関する情報などが消費者庁長官へ届け出られたものである。
【0053】
本実施形態に係る食品組成物には、ユーグレナ由来物質に加え、通常食品組成物に用いることができる成分を、1種または2種以上自由に選択して配合することが可能である。例えば、各種調味料、保存剤、乳化剤、安定剤、香料、着色剤、防腐剤、pH調整剤などの、食品分野で通常使用し得る全ての添加剤を含有させることができる。
【0054】
(医薬品組成物)
本実施形態の感冒症状の予防及び/又は治療剤は、医薬の分野では、感冒症状の予防作用及び/又は治療作用を有効に発揮できる量のユーグレナ由来物質と共に、薬学的に許容される担体や添加剤を配合することにより、当該作用を有する医薬品組成物が提供される。当該医薬品組成物は、医薬品であっても医薬部外品であってもよい。
【0055】
当該医薬品組成物は、内用的(特に経口的)に適用されることが好適であるが、外用的に適用されても良い。従って、当該医薬品組成物は、内服剤、静脈注射、皮下注射、皮内注射、筋肉注射及び/又は腹腔内注射等の注射剤、経粘膜適用剤、経皮適用剤等の製剤形態で使用することができる。当該医薬品組成物の剤型としては、適用の形態により、適当に設定できるが、例えば、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、粉末剤、散剤などの固形製剤、液剤、懸濁剤などの液状製剤、軟膏剤、またはゲル剤等の半固形剤が挙げられる。
【0056】
本実施形態に係る医薬品組成物には、薬学的に許容される添加剤を1種または2種以上自由に選択して含有させることができる。例えば、本実施形態に係る医薬品組成物を経口剤に適用させる場合、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、保存剤、着色剤、矯味剤、香料、安定化剤、防腐剤、酸化防止剤等の、医薬製剤の分野で通常使用し得る全ての添加剤を含有させることができる。また、ドラックデリバリーシステム(DDS)を利用して、徐放性製剤等にすることもできる。
【0057】
<用法・用量>
本実施形態の感冒症状の予防及び/又は治療剤、感冒症状の予防及び/又は改善用食品組成物の用法としては、例えば、カプセル剤、粉末剤、錠剤、顆粒、液剤又はシロップ等によって経口投与すると良い。本実施形態の感冒症状の予防及び/又は治療剤、感冒症状の予防及び/又は改善用食品組成物の投与量や投与形態は、対象、病態やその進行状況、その他の条件によって適宜選択すればよい。
【0058】
例えば、ヒト(成人)を対象に感冒症状の予防作用及び/又は治療作用を得ることを目的として経口投与する場合には、一般に、ユーグレナ由来物質として、例えば、ユーグレナを乾燥重量で1日当たり10~5000mg、好ましくは500~5000mg、さらに好ましくは1000~5000mg程度の用量で投与するとよい。
【0059】
投与(服用)の頻度は、好ましくは1週間に数回、2日に1回、1日1回、またはそれ以上であり、より好ましくは1日2回以上であり、さらに好ましくは1日3回であり、これを、好ましくは朝、昼、晩、具体的には毎食後(朝食後、昼食後、夕食後)に投与する。
【0060】
投与(服用)の期間は、長期的または持続的に服用することが望ましく、例えば5週間以上、好ましくは8週間以上である。
【0061】
例えば、ユーグレナ由来物質として、ユーグレナ藻体が1日あたり500mg以上で5週間以上継続して摂取されると好適である。
【実施例0062】
以下、具体的実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0063】
<試験食品組成物について>
実施例1(被験食品群)及び比較例1(プラセボ群)の試験食品組成物の組成を以下の表1及び表2に示す。ユーグレナとして、ユーグレナ・グラシリス粉末(ユーグレナ藻体、(株)ユーグレナ製)を用いた。
【0064】
【0065】
【0066】
試験食品組成物の剤形はハードカプセルであり、包装はアルミパウチ包であった。包装開封後は、冷蔵庫に保管した。
【0067】
<試験:ユーグレナの摂取が感冒症状の発生に及ぼす影響>
20代~80代の男女を対象にして、8週間ユーグレナ1,000mg/日含有カプセル(被験食品群)又はプラセボカプセル(プラセボ群)の摂取を継続し、毎日の感冒症状の有無を記録した。
【0068】
試験参加に同意した356例のうち、適格基準を満たした220例を本試験に組入れ、被験食品群とプラセボ群に110例ずつ割り付けた。全員が割り付けられた介入の提供を受けたが、摂取8週間後検査に来院しなかった症例が7例(プラセボ群に3例、被験食品群に4例)確認された。FASおよびSAFでは、いずれも割り付け後に介入を一度も受けていない症例7例(プラセボ群に3例、被験食品群に4例)が除外された。よって、解析データセットの症例数はいずれも213例(プラセボ群に107例、被験食品群に106例)であった。
【0069】
試験は二重盲検法で行った。感冒症状は、1.「全身倦怠感」、2.「寒気」、3.「熱っぽさ」、4.「疲労」、5.「くしゃみ」、6.「鼻汁」、7.「鼻閉」、8.「のどの痛み」、9.「せき」、10.「関節痛」、11.「筋肉痛」、12.「頭痛」について、1~5の5段階で回答し(1.「全くない」、2.「ほとんどない」、3.「少しだけある」、4.「多少はある」、5.「ひどい」)、3~5のいずれかを回答した場合を発症ありと判定し、摂取期間中における各症状の累積発症日数および最大持続日数を記録した。
【0070】
また、全身倦怠感、寒気、熱っぽさ、疲労、くしゃみ、鼻汁、鼻閉、のどの痛み、せき、関節痛、筋肉痛、頭痛のいずれかが1つ以上あった場合を感冒症状、1と回答した日の2日目以降に1、2以外の回答をした日を当該症状または感冒症状の発症日(摂取開始1日目または2日目に1、2以外の回答を行った場合は、当該日も発症日に含む)と定義し、感冒症状の累積日数および最大持続日数、重症度、症例数、発症日の累積日数等を記録した。
【0071】
集計は摂取開始日から摂取7日目までを期間I、8日目から14日目を期間II、以降1週間おきに期間を定め、最後の1週間(摂取50日目から摂取56日目)を期間VIIIとする。
【0072】
摂取開始前5日間において、2群間の感冒症状の累積日数や重症度には群間の差異はなかった。
【0073】
<結果>
図1に示されるように、8週間における感冒症状累積日数(平均)について、ユーグレナ摂取群でプラセボ摂取群と比較して有意に少なくなった。
【0074】
図3Aに示されるように、5週目~8週目における感冒症状累積日数(平均)について、ユーグレナ摂取群でプラセボ摂取群と比較して有意に少なくなった。より詳細には、
図2A~2Eに示されるように、ユーグレナ摂取群でプラセボ摂取群と比較して、全期間(8週間)の熱っぽさ、疲労の重症度平均値が有意に低くなり、後期(後半4週間)の鼻閉、のどの痛み、筋肉痛の重症度平均値が有意に低くなった。
【0075】
ユーグレナ摂取群では、感冒症状の中でも、とくに熱っぽさ、疲労の重症度が減った。また、ユーグレナ摂取群では、後期(後半4週間、5週目~8週目)においては、鼻閉、のどの痛み、筋肉痛の重症度が減った。また、ユーグレナ摂取群では、後期における疲労の累積日数(平均)が有意に少なくなった(
図3B)。
【0076】
図4A~4Gに示されるように、8週間における感冒症状、その中でも疲労、くしゃみ、鼻汁、鼻閉、のどの痛み、せき、筋肉痛の累積日数がユーグレナ摂取群でプラセボ摂取群と比較して有意に少なくなった。
【0077】
図5A~5Eに示されるように、疲労、くしゃみ、鼻閉、せき、筋肉痛に関して、1.「全くない」と回答した被験者の8週間の累積数が有意に増加し、2.「ほとんどない」、3.「少しだけある」、4.「多少はある」、5.「ひどい」と回答した被験者の累積数が有意に減少した。
【0078】
(試験参加者ごとの感冒症状の累積日数・最大持続日数・重症度・発症回数)
累積日数・最大持続日数・重症度・発症回数において、有意差が認められた項目の、期間、MeanとSD、群間差とその95%CI-、95%CI+、有意確率を示した。
【0079】
(1)感冒症状の累積日数
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、全期間(プラセボ群:21.3±19.2日、被験食品群:15.9±17.5日、群間差:-5.4日[-10.4、-0.5]、P=0.032)、後期(プラセボ群:11.0±10.4日、被験食品群:7.7±9.3日、群間差:-3.3日[-6.0、-0.7]、P=0.015)であった。
【0080】
(2)疲労の累積日数
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、後期(プラセボ群:6.8±8.8日、被験食品群:4.5±7.5日、群間差:-2.3日[-4.5、-0.1]、P=0.042)であった。
【0081】
(3)熱っぽさの重症度
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、全期間 (プラセボ群:1.1±0.3、被験食品群:1.0±0.2、群間差:-0.1[-0.2、0.0]、P=0.040)であった。
【0082】
(4)疲労の重症度
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、後期(プラセボ群:1.8±0.9、被験食品群:1.5±0.7、群間差:-0.3[-0.5、-0.1]、P=0.007)であった。
【0083】
(5)鼻閉の重症度
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、後期(プラセボ群:1.3±0.6、被験食品群:1.1±0.4、群間差:-0.1[-0.3、0.0]、P=0.029)であった。
【0084】
(6)のどの痛みの重症度
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、後期(プラセボ群:1.2±0.5、被験食品群:1.1±0.3、群間差:-0.1[-0.2、0.0]、P=0.023)であった。
【0085】
(7)筋肉痛の重症度
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、後期(プラセボ群:1.2±0.5、被験食品群:1.1±0.4、群間差:-0.1[-0.3、0.0]、P=0.036)であった。
【0086】
(8)のどの痛みの発症回数
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、全期間(プラセボ群:2.0±2.7回、被験食品群:1.0±2.2回、群間差:-0.9回[-1.6、-0.3]、P=0.007)、前期(プラセボ群:1.1±1.7回、被験食品群:0.6±1.3回、群間差:-0.5回[-0.9、-0.1]、P=0.013)、後期(プラセボ群:0.8±1.3回、被験食品群:0.4±1.0回、群間差:-0.4回[-0.7、-0.1]、P=0.015)であった。
【0087】
(9)関節痛の発症回数
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、全期間(プラセボ群:1.5±2.5回、被験食品群:0.9±1.7回、群間差:-0.6回[-1.2、-0.1]、P=0.028)、後期(プラセボ群:0.7±1.4回、被験食品群:0.4±1.0回、群間差:-0.3回[-0.7、0.0]、P=0.040)であった。
【0088】
(10)筋肉痛の発症回数
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、全期間(プラセボ群:2.0±2.4回、被験食品群:1.3±2.2回、群間差:-0.7回[-1.3、0.0]、P=0.036)であった。
【0089】
(各感冒症状を発症した症例数)
感冒症状を発症した症例数において、有意差が認められた項目の、期間、発症率、群間差とその95%CI-、95%CI+、有意確率を示した。
【0090】
(1)疲労を発症した症例数
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、後期(プラセボ群:66.4%、被験食品群:51.9%、群間差:-14.5%[-27.7、-1.3]、P=0.037)であった。
【0091】
(2)鼻閉を発症した症例数
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、後期(プラセボ群:23.4%、被験食品群:12.3%、群間差:-11.1%[-21.4、-0.8]、P=0.048)であった。
【0092】
(3)筋肉痛を発症した症例数
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、後期(プラセボ群:29.0%、被験食品群:15.1%、群間差:-13.9%[-25.0、-2.7]、P=0.020)であった。
【0093】
(4)頭痛を発症した症例数
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、後期(プラセボ群:43.0%、被験食品群:28.3%、群間差:-14.7%[-27.6、-1.8]、P=0.032)であった。
【0094】
(群ごとの感冒症状の累積日数・各回答(重症度)の割合)
累積日数、各回答の割合において、有意差が認められた項目のみ、期間、該当率、群間差とその95%CI-、95%CI+、有意確率を示した。
【0095】
(1)感冒症状の累積日数
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、全期間(プラセボ群:38.0%、被験食品群:28.3%、群間差:-9.7%[-11.4、-8.0]、P<0.001)、前期(プラセボ群:36.9%、被験食品群:29.3%、群間差:-7.5%[-9.9、-5.1]、P<0.001)、後期(プラセボ群:39.2%、被験食品群:27.3%、群間差:-11.9%[-14.3、-9.5]、P<0.001)であった。
【0096】
(2)全身倦怠感の累積日数
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、後期(プラセボ群:11.3%、被験食品群:8.5%、群間差:-2.8%[-4.3、-1.3]、P<0.001)であった。
【0097】
(3)寒気の累積日数
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、後期(プラセボ群:1.7%、被験食品群:0.9%、群間差:-0.8%[-1.4、-0.2]、P=0.006)であった。
【0098】
(4)疲労の累積日数
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、全期間(プラセボ群:22.8%、被験食品群:17.5%、群間差:-5.4%[-6.8、-3.9]、P<0.001)、前期(プラセボ群:21.5%、被験食品群:18.9%、群間差:-2.6%[-4.6、-0.6]、P=0.013)、後期(プラセボ群:24.1%、被験食品群:16.0%、群間差:-8.2%[-10.2、-6.1]、P<0.001)であった。
【0099】
(5)くしゃみの累積日数
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、全期間(プラセボ群:7.7%、被験食品群:6.2%、群間差:-1.5%[-2.4、-0.6]、P=0.001)、前期(プラセボ群:6.8%、被験食品群:5.2%、群間差:-1.6%[-2.8、-0.4]、P=0.009)であった。
【0100】
(6)鼻汁の累積日数
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、全期間(プラセボ群:11.7%、被験食品群:9.0%、群間差:-2.7%[-3.7、-1.6]、P<0.001)、前期(プラセボ群:10.3%、被験食品群:8.6%、群間差:-1.8%[-3.2、-0.3]、P=0.021)、後期(プラセボ群:13.0%、被験食品群:9.5%、群間差:-3.5%[-5.2、-1.9]、P<0.001)であった。
【0101】
(7)鼻閉の累積日数
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、全期間(プラセボ群:5.3%、被験食品群:3.3%、群間差:-2.0%[-2.7、-1.3]、P<0.001)、後期(プラセボ群:6.4%、被験食品群:3.2%、群間差:-3.2%[-4.3、-2.2]、P<0.001)であった。
【0102】
(8)のどの痛みの累積日数
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、全期間(プラセボ群:4.2%、被験食品群:3.3%、群間差:-0.9%[-1.5、-0.2]、P=0.016)、後期(プラセボ群:4.0%、被験食品群:2.2%、群間差:-1.8%[-2.7、-0.9]、P<0.001)であった。
【0103】
(9)せきの累積日数
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、全期間(プラセボ群:4.5%、被験食品群:2.5%、群間差:-2.0%[-2.7、-1.3]、P<0.001)、前期(プラセボ群:4.4%、被験食品群:2.6%、群間差:-1.8%[-2.7、-0.8]、P<0.001)、後期(プラセボ群:4.6%、被験食品群:2.4%、群間差:-2.2%[-3.1、-1.3]、P<0.001)であった。
【0104】
(10)筋肉痛の累積日数
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、全期間(プラセボ群:5.2%、被験食品群:3.3%、群間差:-2.0%[-2.7、-1.2]、P<0.001)、後期(プラセボ群:5.7%、被験食品群:2.7%、群間差:-3.1%[-4.1、-2.1]、P<0.001)であった。
【0105】
(11)全身倦怠感の重症度1の割合
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも高値を示した期間は、後期(プラセボ群:66.4%、被験食品群:69.0%、群間差:2.6%[0.2、5.0]、P=0.033)であった。
【0106】
(12)全身倦怠感の重症度4の割合
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、後期(プラセボ群:2.2%、被験食品群:1.2%、群間差:-1.0%[-1.7、-0.3]、P=0.004)であり、高値を示した期間は、前期(プラセボ群:2.1%、被験食品群:2.9%、群間差:0.8%[0.0、1.6]、P=0.045)であった。
【0107】
(13)全身倦怠感の重症度5の割合
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、全期間(プラセボ群:0.7%、被験食品群:0.3%、群間差:-0.4%[-0.7、-0.2]、P=0.002)、後期(プラセボ群:1.1%、被験食品群:0.4%、群間差:-0.7%[-1.2、-0.3]、P=0.001)であった。
【0108】
(14)寒気の重症度1の割合
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも高値を示した期間は、全期間(プラセボ群:85.4%、被験食品群:89.2%、群間差:3.7%[2.5、4.9]、P<0.001)、前期(プラセボ群:84.2%、被験食品群:86.7%、群間差:2.5%[0.7、4.3]、P=0.007)、後期(プラセボ群:86.7%、被験食品群:91.6%、群間差:4.9%[3.3、6.5]、P<0.001)であった。
【0109】
(15)寒気の重症度2の割合
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、全期間(プラセボ群:12.5%、被験食品群:9.0%、群間差:-3.5%[-4.6、-2.4]、P<0.001)、前期(プラセボ群:13.5%、被験食品群:10.8%、群間差:-2.7%[-4.3、-1.0]、P=0.002)、後期(プラセボ群:11.6%、被験食品群:7.2%、群間差:-4.3%[-5.8、-2.9]、P<0.001)であった。
【0110】
(16)寒気の重症度4の割合
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、後期(プラセボ群:0.5%、被験食品群:0.1%、群間差:-0.4%[-0.7、-0.1]、P=0.019)であった。
【0111】
(17)熱っぽさの重症度1の割合
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも高値を示した期間は、全期間(プラセボ群:86.7%、被験食品群:92.8%、群間差:6.1%[5.0、7.2]、P<0.001)、前期(プラセボ群:86.3%、被験食品群:92.1%、群間差:5.8%[4.2、7.3]、P<0.001)、後期(プラセボ群:87.0%、被験食品群:93.5%、群間差:6.4%[4.9、8.0]、P<0.001)であった。
【0112】
(18)熱っぽさの重症度2の割合
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、全期間(プラセボ群:11.8%、被験食品群:5.5%、群間差:-6.2%[-7.2、-5.2]、P<0.001)、前期(プラセボ群:12.4%、被験食品群:6.1%、群間差:-6.4%[-7.8、-4.9]、P<0.001)、後期(プラセボ群:11.1%、被験食品群:5.0%、群間差:-6.1%[-7.5、-4.7]、P<0.001)であった。
【0113】
(19)熱っぽさの重症度4の割合
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも高値を示した期間は、前期(プラセボ群:0.0%、被験食品群:0.5%、群間差:0.4%[0.2、0.7]、P<0.001)であった。
【0114】
(20)熱っぽさの重症度5の割合
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも高値を示した期間は、全期間(プラセボ群:0.0%、被験食品群:0.2%、群間差:0.1%[0.0、0.2]、P=0.038)、前期(プラセボ群:0.0%、被験食品群:0.2%、群間差:0.2%[0.0、0.4]、P=0.015)であった。
【0115】
(21)疲労の重症度1の割合
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも高値を示した期間は、全期間(プラセボ群:46.3%、被験食品群:57.3%、群間差:11.0%[9.2、12.8]、P<0.001)、前期(プラセボ群:47.0%、被験食品群:54.6%、群間差:7.6%[5.1、10.2]、P<0.001)、後期(プラセボ群:45.6%、被験食品群:60.0%、群間差:14.3%[11.8、16.9]、P<0.001)であった。
【0116】
(22)疲労の重症度2の割合
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、全期間(プラセボ群:30.9%、被験食品群:25.1%、群間差:-5.7%[-7.3、-4.1]、P<0.001)、前期(プラセボ群:31.5%、被験食品群:26.4%、群間差:-5.0%[-7.3、-2.7]、P<0.001)、後期(プラセボ群:30.2%、被験食品群:23.8%、群間差:-6.4%[-8.7、-4.2]、P<0.001)であった。
【0117】
(23)疲労の重症度3の割合
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、全期間(プラセボ群:16.4%、被験食品群:12.9%、群間差:-3.5%[-4.8、-2.2]、P<0.001)、前期(プラセボ群:16.2%、被験食品群:13.3%、群間差:-2.8%[-4.6、-1.0]、P=0.002)、後期(プラセボ群:16.7%、被験食品群:12.4%、群間差:-4.2%[-6.0、-2.4]、P<0.001)であった。
【0118】
(24)疲労の重症度4の割合
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、全期間(プラセボ群:5.1%、被験食品群:3.9%、群間差:-1.2%[-1.9、-0.5]、P=0.002)、後期(プラセボ群:5.7%、被験食品群:3.1%、群間差:-2.6%[-3.6、-1.5]、P<0.001)であった。
【0119】
(25)疲労の重症度5の割合
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、全期間(プラセボ群:1.3%、被験食品群:0.7%、群間差:-0.7%[-1.0、-0.3]、P<0.001)、後期(プラセボ群:1.8%、被験食品群:0.4%、群間差:-1.4%[-1.9、-0.8]、P<0.001)であった。
【0120】
(26)くしゃみの重症度1の割合
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも高値を示した期間は、全期間(プラセボ群:74.7%、被験食品群:79.4%、群間差:4.7%[3.2、6.2]、P<0.001)、前期(プラセボ群:75.6%、被験食品群:80.2%、群間差:4.6%[2.5、6.7]、P<0.001)、後期(プラセボ群:73.8%、被験食品群:78.6%、群間差:4.8%[2.7、7.0]、P<0.001)であった。
【0121】
(27)くしゃみの重症度2の割合
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、全期間(プラセボ群:17.6%、被験食品群:14.3%、群間差:-3.3%[-4.7、-2.0]、P<0.001)、前期(プラセボ群:17.7%、被験食品群:14.7%、群間差:-3.0%[-4.8、-1.1]、P=0.002)、後期(プラセボ群:17.6%、被験食品群:13.9%、群間差:-3.7%[-5.6、-1.9]、P<0.001)であった。
【0122】
(28)くしゃみの重症度3の割合
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、全期間(プラセボ群:6.1%、被験食品群:5.2%、群間差:-0.9%[-1.7、-0.1]、P=0.040)、前期(プラセボ群:5.5%、被験食品群:4.3%、群間差:-1.2%[-2.3、-0.1]、P=0.035)であった。
【0123】
(29)くしゃみの重症度4の割合
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、全期間(プラセボ群:1.1%、被験食品群:0.7%、群間差:-0.4%[-0.7、-0.1]、P=0.018)、前期(プラセボ群:1.0%、被験食品群:0.4%、群間差:-0.6%[-1.0、-0.2]、P=0.006)であった。
【0124】
(30)くしゃみの重症度5の割合
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、後期(プラセボ群:0.6%、被験食品群:0.0%、群間差:-0.6%[-0.9、-0.3]、P<0.001)であった。
【0125】
(31)鼻汁の重症度1の割合
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも高値を示した期間は、全期間(プラセボ群:69.2%、被験食品群:75.3%、群間差:6.1%[4.5、7.7]、P<0.001)、前期(プラセボ群:69.4%、被験食品群:75.9%、群間差:6.6%[4.3、8.8]、P<0.001)、後期(プラセボ群:69.1%、被験食品群:74.7%、群間差:5.6%[3.4、7.9]、P<0.001)であった。
【0126】
(32)鼻汁の重症度2の割合
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、全期間(プラセボ群:19.1%、被験食品群:15.5%、群間差:-3.6%[-4.9、-2.2]、P<0.001)、前期(プラセボ群:20.3%、被験食品群:15.5%、群間差:-4.8%[-6.8、-2.9]、P<0.001)、後期(プラセボ群:17.9%、被験食品群:15.6%、群間差:-2.3%[-4.2、-0.4]、P=0.017)であった。
【0127】
(33)鼻汁の重症度3の割合
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、全期間(プラセボ群:8.7%、被験食品群:7.0%、群間差:-1.7%[-2.7、-0.7]、P<0.001)、前期(プラセボ群:7.8%、被験食品群:6.2%、群間差:-1.6%[-2.9、-0.4]、P=0.013)、後期(プラセボ群:9.6%、被験食品群:7.9%、群間差:-1.8%[-3.2、-0.3]、P=0.017)であった。
【0128】
(34)鼻汁の重症度4の割合
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、全期間(プラセボ群:2.5%、被験食品群:1.1%、群間差:-1.4%[-1.8、-0.9]、P<0.001)、後期(プラセボ群:2.8%、被験食品群:0.7%、群間差:-2.1%[-2.7、-1.4]、P<0.001)であった。
【0129】
(35)鼻汁の重症度5の割合
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも高値を示した期間は、全期間(プラセボ群:0.5%、被験食品群:0.9%、群間差:0.4%[0.1、0.7]、P=0.007)、前期(プラセボ群:0.3%、被験食品群:0.9%、群間差:0.5%[0.1、0.9]、P=0.007)であった。
【0130】
(36)鼻閉の重症度1の割合
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、全期間(プラセボ群:80.3%、被験食品群:86.9%、群間差:6.6%[5.3、7.9]、P<0.001)、前期(プラセボ群:81.6%、被験食品群:86.0%、群間差:4.4%[2.5、6.3]、P<0.001)、後期(プラセボ群:79.1%、被験食品群:87.8%、群間差:8.8%[6.9、10.7]、P<0.001)であった。
【0131】
(37)鼻閉の重症度2の割合
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、全期間(プラセボ群:14.4%、被験食品群:9.7%、群間差:-4.7%[-5.9、-3.5]、P<0.001)、前期(プラセボ群:14.3%、被験食品群:10.6%、群間差:-3.7%[-5.3、-2.0]、P<0.001)、後期(プラセボ群:14.5%、被験食品群:8.8%、群間差:-5.8%[-7.4、-4.1]、P<0.001)であった。
【0132】
(38)鼻閉の重症度3の割合
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、全期間(プラセボ群:3.9%、被験食品群:2.5%、群間差:-1.4%[-2.0、-0.8]、P<0.001)、後期(プラセボ群:4.7%、被験食品群:2.3%、群間差:-2.4%[-3.3、-1.4]、P<0.001)であった。
【0133】
(39)鼻閉の重症度4の割合
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、後期(プラセボ群:1.5%、被験食品群:0.8%、群間差:-0.7%[-1.2、-0.1]、P=0.022)であった。
【0134】
(40)鼻閉の重症度5の割合
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、全期間(プラセボ群:0.3%、被験食品群:0.0%、群間差:-0.3%[-0.4、-0.1]、P<0.001)、前期(プラセボ群:0.3%、被験食品群:0.0%、群間差:-0.3%[-0.5、-0.1]、P=0.004)、後期(プラセボ群:0.2%、被験食品群:0.0%、群間差:-0.2%[-0.4、0.0]、P=0.031)であった。
【0135】
(41)のどの痛みの重症度1の割合
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも高値を示した期間は、全期間(プラセボ群:81.6%、被験食品群:90.3%、群間差:8.7%[7.4、9.9]、P<0.001)、前期(プラセボ群:81.4%、被験食品群:88.4%、群間差:7.0%[5.1、8.8]、P<0.001)、後期(プラセボ群:81.9%、被験食品群:92.2%、群間差:10.3%[8.6、12.0]、P<0.001)であった。
【0136】
(42)のどの痛みの重症度2の割合
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、全期間(プラセボ群:14.2%、被験食品群:6.3%、群間差:-7.9%[-9.0、-6.8]、P<0.001)、前期(プラセボ群:14.3%、被験食品群:7.2%、群間差:-7.1%[-8.6、-5.5]、P<0.001)、後期(プラセボ群:14.1%、被験食品群:5.4%、群間差:-8.8%[-10.3、-7.3]、P<0.001)であった。
【0137】
(43)のどの痛みの重症度3の割合
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、後期(プラセボ群:2.8%、被験食品群:1.9%、群間差:-0.9%[-1.7、-0.1]、P=0.027)であった。
【0138】
(44)のどの痛みの重症度4の割合
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、全期間(プラセボ群:1.0%、被験食品群:0.5%、群間差:-0.4%[-0.7、-0.1]、P=0.008)、後期(プラセボ群:1.0%、被験食品群:0.3%、群間差:-0.7%[-1.1、-0.3]、P<0.001)であった。
【0139】
(45)のどの痛みの重症度5の割合
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、後期(プラセボ群:0.2%、被験食品群:0.0%、群間差:-0.2%[-0.4、0.0]、P=0.031)であった。
【0140】
(46)せきの重症度1の割合
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも高値を示した期間は、全期間(プラセボ群:82.7%、被験食品群:88.8%、群間差:6.1%[4.8、7.3]、P<0.001)、前期(プラセボ群:82.6%、被験食品群:88.2%、群間差:5.6%[3.8、7.4]、P<0.001)、後期(プラセボ群:82.8%、被験食品群:89.4%、群間差:6.6%[4.9、8.4]、P<0.001)であった。
【0141】
(47)せきの重症度2の割合
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、全期間(プラセボ群:12.8%、被験食品群:8.6%、群間差:-4.2%[-5.3、-3.1]、P<0.001)、前期(プラセボ群:13.0%、被験食品群:9.2%、群間差:-3.8%[-5.4、-2.2]、P<0.001)、後期(プラセボ群:12.6%、被験食品群:8.0%、群間差:-4.6%[-6.2、-3.1]、P<0.001)であった。
【0142】
(48)せきの重症度3の割合
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、全期間(プラセボ群:3.1%、被験食品群:2.0%、群間差:-1.1%[-1.7、-0.5]、P<0.001)、前期(プラセボ群:3.2%、被験食品群:1.8%、群間差:-1.4%[-2.2、-0.6]、P<0.001)、後期(プラセボ群:3.0%、被験食品群:2.2%、群間差:-0.8%[-1.7、0.0]、P=0.043)であった。
【0143】
(49)せきの重症度4の割合
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも低値を示した期間は、全期間(プラセボ群:1.3%、被験食品群:0.4%、群間差:-0.9%[-1.2、-0.6]、P<0.001)、前期(プラセボ群:1.1%、被験食品群:0.6%、群間差:-0.5%[-1.0、-0.1]、P=0.032)、後期(プラセボ群:1.5%、被験食品群:0.2%、群間差:-1.3%[-1.8、-0.8]、P<0.001)であった。
【0144】
(50)関節痛の重症度1の割合
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群よりも高値を示した期間は、全期間(プラセボ群:80.3%、被験食品群:87.7%、群間差:7.4%[6.0、8.7]、P<0.001)、前期(プラセボ群:81.7%、被験食品群:86.7%、群間差:5.0%[3.2、6.9]、P<0.001)、後期(プラセボ群:79.0%、被験食品群:88.7%、群間差:9.7%[7.8、11.6]、P<0.001)であった。
【0145】
(51)関節痛の重症度2の割合
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群より低値を示した期間は、全期間(プラセボ群:16.2%、被験食品群:8.7%、群間差:-7.5%[-8.7、-6.3]、P<0.001)、前期(プラセボ群:14.8%、被験食品群:9.6%、群間差:-5.2%[-6.8、-3.5]、P<0.001)、後期(プラセボ群:17.7%、被験食品群:7.8%、群間差:-9.8%[-11.5、-8.1]、P<0.001)であった。
【0146】
(52)関節痛の重症度3の割合
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群より低値を示した期間は、全期間(プラセボ群:3.0%、被験食品群:2.1%、群間差:-0.9%[-1.5、-0.4]、P=0.002)、前期(プラセボ群:3.2%、被験食品群:2.1%、群間差:-1.1%[-1.9、-0.3]、P=0.008)であった。
【0147】
(53)関節痛の重症度4の割合
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群より高値を示した期間は、全期間(プラセボ群:0.4%、被験食品群:1.4%、群間差:1.0%[0.7、1.3]、P<0.001)、前期(プラセボ群:0.3%、被験食品群:1.6%、群間差:1.3%[0.8、1.8]、P<0.001)、後期(プラセボ群:0.5%、被験食品群:1.2%、群間差:0.7%[0.3、1.2]、P=0.002)であった。
【0148】
(54)筋肉痛の重症度1の割合
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群より高値を示した期間は、全期間(プラセボ群:79.0%、被験食品群:87.0%、群間差:8.1%[6.7、9.4]、P<0.001)、前期(プラセボ群:79.3%、被験食品群:85.6%、群間差:6.3%[4.4、8.3]、P<0.001)、後期(プラセボ群:78.6%、被験食品群:88.4%、群間差:9.8%[7.9、11.7]、P<0.001)であった。
【0149】
(55)筋肉痛の重症度2の割合
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群より低値を示した期間は、全期間(プラセボ群:15.8%、被験食品群:9.6%、群間差:-6.2%[-7.4、-5.0]、P<0.001)、前期(プラセボ群:16.0%、被験食品群:10.5%、群間差:-5.5%[-7.2、-3.8]、P<0.001)、後期(プラセボ群:15.7%、被験食品群:8.7%、群間差:-7.0%[-8.6、-5.3]、P<0.001)であった。
【0150】
(56)筋肉痛の重症度3の割合
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群より低値を示した期間は、全期間(プラセボ群:3.8%、被験食品群:2.5%、群間差:-1.3%[-2.0、-0.7]、P<0.001)、後期(プラセボ群:3.9%、被験食品群:2.0%、群間差:-1.9%[-2.8、-1.1]、P<0.001)であった。
【0151】
(57)筋肉痛の重症度4の割合
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群より低値を示した期間は、全期間(プラセボ群:1.1%、被験食品群:0.6%、群間差:-0.5%[-0.8、-0.1]、P=0.007)、後期(プラセボ群:1.4%、被験食品群:0.5%、群間差:-0.9%[-1.4、-0.4]、P<0.001)であった。
【0152】
(58)頭痛の重症度1の割合
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群より高値を示した期間は、全期間(プラセボ群:78.9%、被験食品群:85.3%、群間差:6.4%[5.0、7.8]、P<0.001)、前期(プラセボ群:79.4%、被験食品群:83.9%、群間差:4.4%[2.5、6.4]、P<0.001)、後期(プラセボ群:78.3%、被験食品群:86.7%、群間差:8.4%[6.5、10.4]、P<0.001)であった。
【0153】
(59)頭痛の重症度2の割合
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群より低値を示した期間は、全期間(プラセボ群:15.7%、被験食品群:9.8%、群間差:-5.8%[-7.0、-4.7]、P<0.001)、前期(プラセボ群:15.4%、被験食品群:11.2%、群間差:-4.1%[-5.9、-2.4]、P<0.001)、後期(プラセボ群:16.0%、被験食品群:8.5%、群間差:-7.6%[-9.2、-5.9]、P<0.001)であった。
【0154】
(60)頭痛の重症度3の割合
有意差が認められた期間のうち、被験食品群でプラセボ群より低値を示した期間は、全期間(プラセボ群:4.4%、被験食品群:3.5%、群間差:-1.0%[-1.7、-0.3]、P=0.007)、後期(プラセボ群:4.5%、被験食品群:3.1%、群間差:-1.3%[-2.3、-0.4]、P=0.008)であった。
【0155】
<試験のまとめ>
以上の結果から、ユーグレナを経口摂取することで、感冒症状を抑えることができることが示された。
【0156】
本試験の主要アウトカムである全期間における試験参加者ごとの感冒症状の累積日数の平均値と標準偏差は被験食品群が15.9±17.5日、プラセボ群21.3±19.2日であった。群間差とその95%信頼区間は、-5.4日[-10.4、-0.5]であり、感冒症状の累積日数は被験食品群がプラセボ群よりも有意に少なかった。
【0157】
また、後期における疲労の累積日数においても被験食品群はプラセボ群と比較して有意に少なかった。その他の症状における累積日数においても被験食品群の方がプラセボ群よりも少なくなる兆候が散見された。
【0158】
さらに、群ごとの感冒症状の累積日数を確認したところ、被験食品群における感冒症状の累積日数はプラセボ群と比較して、全期間、前期、後期で有意に少なく、全身倦怠感、寒気、疲労、くしゃみ、鼻汁、鼻閉、のどの痛み、せき、筋肉痛の各症状における累積日数においても、被験食品群は有意に少なかった。