(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057890
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】生物検出装置及び生物検出システム
(51)【国際特許分類】
A01M 29/10 20110101AFI20240418BHJP
A01M 29/16 20110101ALI20240418BHJP
【FI】
A01M29/10
A01M29/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022164867
(22)【出願日】2022-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】515020533
【氏名又は名称】カミエンス・テクノロジー株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】519157705
【氏名又は名称】Zero To Infinity株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099634
【弁理士】
【氏名又は名称】平井 安雄
(72)【発明者】
【氏名】川瀬 英路
(72)【発明者】
【氏名】林 大三
(72)【発明者】
【氏名】佐川 亜希
【テーマコード(参考)】
2B121
【Fターム(参考)】
2B121AA01
2B121DA20
2B121DA37
2B121DA38
2B121DA58
2B121EA21
2B121FA13
2B121FA14
(57)【要約】
【課題】コンパクトで簡素化された装置構成であるにも関わらず、撮像される生物の種別をリアルタイムで正確に特定することが可能な生物検出装置及び生物検出システムを提供する。
【解決手段】撮像対象となる生物に向けて近赤外線を照射する近赤外LED11と、近赤外LED11が照射した近赤外線の反射光線、及び可視光の反射光線を受光して撮像するカメラ12と、生物が放出する遠赤外線を撮像するサーマルセンサ13と、カメラ12が撮像した画像情報、及びサーマルセンサ13で撮像した温度情報に基づいて生物の種別を特定する生物特定部144とを備え、生物特定部144が、画像情報81のうち温度情報82で得られる所定の熱領域に相当する領域を画像処理を行う処理対象領域として抽出し、当該処理対象領域に対して画像処理により生物の種別を特定するものである。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像対象となる生物に向けて近赤外線を照射する近赤外線照射手段と、
前記近赤外線照射手段が照射した近赤外線の反射光線、及び可視光の反射光線を受光して撮像する撮像手段と、
前記生物が放出する遠赤外線を撮像するサーマルセンサと、
前記撮像手段が撮像した画像情報、及び前記サーマルセンサで撮像した温度情報に基づいて前記生物の種別を特定する種別特定手段とを備え、
前記種別特定手段が、前記画像情報のうち前記温度情報で得られる所定の熱領域に相当する領域を画像処理を行う処理対象領域として抽出し、当該処理対象領域に対して画像処理により前記生物の種別を特定することを特徴とする生物検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の生物検出装置において、
少なくとも前記サーマルセンサを有する一又は複数のサブ検出装置で取得された温度情報を取得する取得手段と、
前記温度情報に基づいて前記生物の侵入経路及び/又は侵入位置を特定する経路特定手段とを備え、
前記サブ検出装置が、前記生物検出装置及び他のサブ検出装置とは異なる位置に配置されると共に、それぞれが異なる方向から検出対象領域で検知した温度情報を取得することを特徴とする生物検出装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の生物検出装置において、
前記種別特定手段が種別を特定した前記生物に対してレーザー光を照射するレーザー発振器と、
前記生物に対して音を出力するスピーカーとを備えることを特徴とする生物検出装置。
【請求項4】
請求項3に記載の生物検出装置において、
前記種別特定手段が特定した前記生物の種別に応じて、前記レーザー光の波長及び照射方向を制御すると共に、前記スピーカーが出力する音の周波数及び出力方向を制御する出力制御手段を備えることを特徴とする生物検出装置。
【請求項5】
請求項3に記載の生物検出装置において、
前記画像処理により前記生物の頭部の位置を推定する部位推定手段を備え、
推定された前記生物の頭部位置に向けて前記レーザー光が照射されるように前記レーザー光の照射方向を制御する出力制御手段を備えることを特徴とする生物検出装置。
【請求項6】
請求項3に記載の生物検出装置において、
前記画像処理により前記生物の目の位置を推定する部位推定手段を備え、
推定された前記生物の目の位置に向けて前記レーザー光が照射されるように前記レーザー光の照射方向を制御する出力制御手段を備えることを特徴とする生物検出装置。
【請求項7】
請求項6に記載の生物検出装置において、
前記出力制御手段が、前記生物の動きを所定時間静止する音を出力するように前記スピーカーを制御し、前記生物の動きが静止した間に前記レーザー光が前記生物の目の位置を照射するように前記レーザー光の照射方向を制御することを特徴とする生物検出装置。
【請求項8】
撮像対象となる生物に向けて近赤外線を照射する近赤外線照射手段と、
前記近赤外線照射手段が照射した近赤外線の反射光線、及び可視光の反射光線を受光して撮像する撮像手段と、
前記撮像対象が放出する遠赤外線を撮像するサーマルセンサと、
前記撮像手段が撮像した画像情報、及び前記サーマルセンサで撮像した温度情報に基づいて前記生物の種別を特定する種別特定手段と、を有するメイン検出装置と、
少なくとも前記サーマルセンサを有する一又は複数のサブ検出装置と、
前記メイン検出装置及び前記サブ検出装置が取得した情報を管理する管理装置とを備える生物検出システムであって、
前記メイン検出装置の前記種別特定手段は、前記画像情報のうち前記温度情報で得られる所定の熱領域に相当する領域を画像処理を行う処理対象領域として抽出し、当該処理対象領域に対して画像処理により前記生物の種別を特定し、
前記管理装置は、特定された前記生物の種別が警戒が必要となる危険生物である場合に少なくとも利用者に対して前記危険生物が検出された旨の情報を配信することを特徴とする生物検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のセンサ情報から生物の種別を特定する生物検出装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の環境破壊や異常気象などの影響で害獣による被害が拡大している。このような害獣対策に関する技術として、例えば特許文献1ないし5に示す技術が開示されている。
【0003】
特許文献1に示す技術は、監視領域内へ害獣が侵入する予定地点を監視する害獣検出部と、害獣検出部により検出された予定地点に対応して駆動し、高輝度の閃光を一定間隔で点滅発光する発光装置と、ソーラーパネルの発電を発光装置に給電して発光装置を駆動する制御部とからなり、制御部は、閃光の点滅間隔と、点滅を継続する時間を制御し、閃光は、高輝度のレイザーダイオードまたはLEDからなっており、点滅間隔が1秒以下に設定されているものである。
【0004】
特許文献2に示す技術は、サーバと、サーバと通信可能に接続された端末装置と、を含む情報処理システムであって、端末装置は、第1の撮像画像を取得することと、サーバから撃退パターンリストを受信することと、第1の撮像画像から特定の動物を検出すると、撃退パターンリストに基づいて撃退パターンを実行して、動物の撃退を試みることと、撃退を試みた後に第2の撮像画像を取得することと、第2の撮像画像から、動物が留まっていると判定した場合、撃退パターンの構成を変更することと、構成が変更された後の撃退パターンを実行して動物の撃退を再度試みることと、を実行するものである。
【0005】
特許文献3に示す技術は、害獣撃退装置が、害獣を検知するセンサと、害獣に対して猛獣(敵対動物)が投影されるスクリーンと、害獣に対して音声を発するスピーカと、センサによって害獣が検出されたときに、スクリーンに背面側から猛獣を投影するとともに、スピーカから音声を発するようにされた、プロジェクタと、を備えているものである。
【0006】
特許文献4に示す技術は、野生害獣の撃退装置が、直方体状の筐体の各側面に野生害獣を検出する赤外線センサと、複数個の高輝度な緑色のLED、もしくは複数個の緑色LEDと赤色LEDと青色LEDが接続配置された発光器とを備え、さらに、発光器に給電する電源部、発光器を点滅発光させる駆動部、誤信号判断手段、逆位相発生手段、通電時間制御手段や昼夜切替手段を有する制御部を備え、野生害獣を全方位方向で検出して、全方位方向に点滅発光ができるものである。
【0007】
特許文献5に示す技術は、赤外線センサーと24時間タイマーで人、鳥獣類を感知して、センサーとタイマーからの信号を制御装置で増幅して、騒音発生装置、警報ブザー、赤色回転灯や、赤色フラッシュライト等を作動させて園外に撃退させるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実用新案登録第3197542号公報
【特許文献2】特開2022-115679号公報
【特許文献3】特開2022-59156号公報
【特許文献4】実用新案登録第3235856号公報
【特許文献5】実用新案登録第3236031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のように害獣の撃退・駆除に関して様々な技術が開発されているが、害獣対策を行う上で極めて重要なのが事前の調査である。すなわち、どういった害獣がどこから来てどこに向かうかといった情報、何頭の群れで動いているかといった情報、季節や天気や時間帯に応じてどのような害獣が来るかといった情報が非常に重要であり、これらの情報に基づいて最適な対策を行うのが効果的となる。
【0010】
また、場合によっては、熊など人に危害が加わる可能性があるような危険生物が出没することもあり、そのような場合には自治体や近隣住民に直ちにその旨が通知されることが望ましい。
【0011】
特許文献1~5に示す技術は、上記のような事前調査を行うには不十分な技術であるという問題がある。特に害獣の種別を特定することについて記載されているものもあるが、具体的な特定方法は示されておらず技術として不十分である。
【0012】
このような問題に対して、近年極めて進化しているAI技術を用いて害獣の種別を特定することが考えられるが、画像処理を行うのに処理の負荷が大きくなると共に、処理時間も要するため、リアルタイムに害獣の種別を特定するには電源を大型化したり処理能力を高くするといった設備投資が必要になってしまう。そのため、結果的にコストが高くなってしまうという問題がある。
【0013】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、コンパクトで簡素化された装置構成であるにも関わらず、撮像される生物の種別をリアルタイムで正確に特定することが可能な生物検出装置及び生物検出システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る生物検出装置は、撮像対象となる生物に向けて近赤外線を照射する近赤外線照射手段と、前記近赤外線照射手段が照射した近赤外線の反射光線、及び可視光の反射光線を受光して撮像する撮像手段と、前記撮像対象が放出する遠赤外線を撮像するサーマルセンサと、前記撮像手段が撮像した画像情報、及び前記サーマルセンサで撮像した温度情報に基づいて前記生物の種別を特定する種別特定手段とを備え、前記種別特定手段が、前記画像情報のうち前記温度情報で得られる所定の熱領域に相当する領域を画像処理を行う処理対象領域として抽出し、当該処理対象領域に対して画像処理により前記生物の種別を特定するものである。
【0015】
このように、本発明に係る生物検出装置においては、撮像対象となる生物に向けて照射した近赤外線の反射光線、及び可視光の反射光線を受光して撮像する撮像手段と、生物が放出する遠赤外線を撮像するサーマルセンサと、撮像手段が撮像した画像情報、及びサーマルセンサで撮像した温度情報に基づいて生物の種別を特定する種別特定手段とを備え、前記画像情報のうち前記温度情報で得られる所定の熱領域に相当する領域を画像処理を行う処理対象領域として抽出し、当該処理対象領域に対して画像処理により前記生物の種別を特定するため、昼間の可視光又は夜間の近赤外光で撮像される撮像画像に対して、生物の熱分布が撮像された熱領域についてのみ画像処理による生物の特定を行うこととなり、撮像画像全体に対して画像処理を行う場合に比べて処理の負荷を格段に低減することができ、リソースを抑えることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】第1の実施形態に係る生物検出システムのシステム構成図である。
【
図2】第1の実施形態に係る生物検出装置のハードウェア構成図である。
【
図3】第1の実施形態に係る生物検出装置における制御部の構成を示す機能ブロック図である。
【
図4】第1の実施形態に係る生物検出装置においてサーマルセンサを利用して画像処理を行う場合の具体例を示す図である。
【
図5】第1の実施形態に係る生物検出装置において生物の移動経路を特定する場合の具体例を示す図である。
【
図6】第1の実施形態に係る生物検出装置の動作を示すフローチャートである。
【
図7】第2の実施形態に係る生物検出装置の構成を示す機能ブロック図である。
【
図8】第2の実施形態に係る生物検出装置において生物の部位を推定する場合の処理を示す図である。
【
図9】第2の実施形態に係る生物検出装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(本発明の第1の実施形態)
本実施形態に係る生物検出装置及び当該生物検出装置を用いた生物検出システムについて、
図1ないし
図6を用いて説明する。本実施形態に係る生物検出装置及び生物検出システムは、生物の温度分布を利用することで、その種別をリアルタイムに特定する場合の画像処理の負荷を低減すると共に、特定された生物に適した対処を実現できるものである。なお、以下の実施形態においては、主に害獣の調査及び撃退・忌避を行うための生物検出装置及び生物検出システムについて説明するが、害獣対策以外にも自然界におけるあらゆる生物の生態調査や解明などに利用することが可能である。
【0018】
図1は、本実施形態に係る生物検出システムのシステム構成図である。生物検出システム1は、撮像対象領域に入った生物を撮像し、その種別を特定する処理等を行う生物検出装置10と、当該生物検出装置10とは異なる位置に設置され、当該生物検出装置10とは異なる方向から撮像対象領域に入った生物の撮像を少なくとも行う一又は複数のサブ検出装置20と、撮像対象領域に入った生物が害獣である場合に当該害獣に対してレーザー光を照射するレーザー発振器30と、撮像対象領域に入った生物が害獣である場合に当該害獣に対して音を発するスピーカー40と、少なくとも生物検出装置10に電力を供給する電源50と、生物検出装置10との間でインターネット等の通信を介して情報の送受信を行うと共に、生物検出装置10で得られた生物に関する情報等を管理する管理装置60と、システムの利用者が所有し、生物検出装置10と直接又は管理装置60との間で情報の送受信を行う端末装置70とを備える。
【0019】
生物検出装置10及びサブ検出装置20は、撮像対象領域を常時撮像する。サブ検出装置20が何かしらの生物を検知した場合は、生物検出装置10にその検知情報が送信される。生物検出装置10は、当該生物検出装置10で何かしらの生物を検知した場合、又はサブ検出装置20から検知情報が送信された場合に、検知された生物の種別をリアルタイムに特定する。その結果、検知された生物が害獣である場合は、レーザー発振器30及びスピーカー40を駆動させてレーザー光と音で害獣を撃退する。生物検出装置10やサブ検出装置20は、撮像対象領域を常時撮像することから電力の供給を受ける必要があり、太陽光などの自然エネルギーを電力に変換する電源50からの電力供給を受ける。また、生物検出装置10は、上記のような害獣の撃退を行うと共に、害獣かどうかに関わらず検知された生物に関する検知情報を管理装置60に送信する。
【0020】
管理装置60は、生物検出装置10から送信される検知情報を管理し、今後の害獣対策や生物の生態調査などの分析に利用する。管理装置60は、必要に応じて検知情報や分析情報を利用者の端末装置70に送信することで、利用者と情報共有が可能となる。また、生物検出装置10が特定した生物が、人に危害を及ぼす可能性があるような危険生物である場合は、管理装置60に予め登録されている連絡先に対して当該危険生物が出現した旨の情報をメールやSNSなどで配信する処理を行う。また、もし管理装置60と端末装置70との間の通信(例えば、Wi-Fi、LTE等のモバイル通信)が不能になったような場合であっても、生物検出装置10と端末装置70との間で直接通信(例えば、電話回線を利用したSMSや衛星回線を用いた通信)を行うようにすることで、危険生物等の存在を報知するようにしてもよい。
【0021】
生物検出装置10の構成について詳細に説明する。
図2は、本実施形態に係る生物検出装置のハードウェア構成図である。
図2において、生物検出装置10は、撮像対象領域に侵入する生物に対して近赤外線を照射する近赤外LED11と、昼間の時間帯においては撮像対象領域に侵入した生物を可視光線で撮像する(通常撮像モード)と共に、夜間の時間帯においては近赤外LED11で照射した近赤外線が撮像対象領域に侵入した生物で反射する近赤外光線で撮像を行う(夜間撮像モード)カメラ12と、撮像対象領域に侵入した生物が放出する遠赤外線を検知して撮像するサーマルセンサ13と、検知された生物の種別特定処理、各センサの動作制御、レーザー発振器30やスピーカー40の駆動制御などを行う制御部14と、外部機器との入出力を行うための入出力インターフェース15と、外部機器と有線又は無線で通信を行うための通信インターフェース16とを備える。
【0022】
カメラ12は、生物を撮像する画像センサであり、太陽光などの可視光を光源とする通常撮像モードでの撮像や、近赤外LED11を光源とする近赤外光線による夜間撮像モードでの撮像を行う。通常撮像モードで撮像を行う場合は近赤外光線をカットするフィルタを通しており、夜間撮像モードで撮像を行う場合は近赤外光線をカットするフィルタを外すことで撮像を行う。
【0023】
サーマルセンサ13は、遠赤外線を検知してその強さに応じて温度を検知するものである。一般的には遠赤外線が強いほど温度が高くて赤く表示され、遠赤外線が弱いほど温度が低くて青く表示される。すなわち、撮像対象領域に生物が侵入した場合には、その生物の体温の温度分布を検知することができる。
【0024】
制御部14は、CPU、MPU、MCUなどの演算処理装置で構成されており、生物検出装置10全体を制御する。この制御部14の処理については詳細を後述する。入出力インターフェース15は、レーザー発振器30やスピーカー40や電源50などの外部機器との接続を行うインターフェースである。通信インターフェース16は、サブ検出装置20や管理装置60との間で通信を行うためのインターフェースであり、例えばWi-Fi、Blue tooth(登録商標)、LTEなどの無線通信を行うことが可能となっている。
【0025】
図3は、本実施形態に係る生物検出装置10における制御部14の構成を示す機能ブロック図である。制御部14は、カメラ12により通常撮像モード又は夜間撮像モードで撮像された画像情報81、及びサーマルセンサ13で撮像された温度情報82を取得する情報取得部141と、取得した温度情報82に基づいて、生物の温度分布が検出された領域を画像処理を行う対象となる処理対象領域として抽出する処理対象領域抽出部142と、画像情報81のうち、抽出された処理対象領域に対応する領域に対して画像処理を行うことで生物の輪郭を特定し、生物の領域だけを抽出する生物抽出部143と、抽出された生物の領域の画像情報81から当該生物の種別を特定する生物特定部144と、種別が特定された生物について、予め生物の種別ごとに撃退に適したレーザー光の波長や音の周波数が登録されている対処情報記憶部146の情報から、特定された生物に適正な対処情報を特定する対処特定部145と、生物抽出部143で抽出された生物の位置、移動方向、体の向き、生物検出装置10やサブ検出装置20に撮像されたタイミング等に基づいて、検知された生物の移動経路を特定する経路特定部147と、生物特定部144が特定した生物の種別やその他当該生物に関する生物情報83、対処特定部145が特定した対処情報84、経路特定部147が特定した移動経路に関する経路情報85などの情報を出力する出力制御部148とを備える。
【0026】
ここでまず、処理対象領域抽出部142、生物抽出部143及び生物特定部144の処理について、具体的に説明する。
図4は、本実施形態に係る生物検出装置においてサーマルセンサ13を利用して画像処理を行う場合の具体例を示す図である。
図4(A)に示すように、サーマルセンサ13で生物を撮像することで、ある程度決まった範囲の生物の体温を検知することが可能となる。つまり、生物が存在している領域を検知することが可能となる。
【0027】
一方で、
図4(B)に示すように、カメラ12により通常撮像モード又は夜間撮像モードで生物が撮像される。サーマルセンサ13で撮像された
図4(A)の体温領域とカメラ12で撮像された
図4(B)の画像情報とを重ね合わせることで、
図4(C)に示すように、生物の領域を含む処理対象領域を特定することができる。そして、
図4(D)に示すように、
図4(C)で特定された処理対象領域に相当する
図4(B)の画像情報が抽出される。
図4(D)の処理対象領域となる画像情報に対して画像処理を行うことで、
図4(E)に示すような生物の輪郭、すなわち生物の領域のみを特定し、生物画像を抽出することが可能となる。生物の領域のみの生物画像が抽出されると、AIやパターン認識などの技術を用いることで生物の種別が特定される。
【0028】
このようにサーマルセンサ13で撮像された温度情報82を活用することで、画像処理による演算装置への負荷が低減される。すなわち、このような方法に因らなければ、カメラ12で撮像された画像情報81の全体に対して、例えばAIなどで生物を認識し、その上で画像処理の対象となる領域を抽出する必要があるが、上記方法を用いることでサーマルセンサ13の所定の温度領域を検出するだけで済むため、処理を格段に軽くすることができる。
【0029】
次に、経路特定部147の処理について具体的に説明する。
図5は、本実施形態に係る生物検出装置において生物の移動経路を特定する場合の具体例を示す図である。情報取得部141は、生物検出装置10で検知される画像情報81及び温度情報82に加えて、サブ検出装置20で検知される情報も併せて取得する。
【0030】
ここで、サブ検出装置20については、
図2及び
図3に示した生物検出装置10と全く同じ構成であってもよいし、生物検出装置10の一部のみ有する構成であってもよい。ここでは、少なくともサーマルセンサ13を有する構成であるとし、サーマルセンサ13により生物が撮像された場合に、当該撮像された温度情報82が生物検出装置10に送信されるものとする。
【0031】
図5においては、撮像対象領域Dの左上隅に東側を撮像する第1サブ検出装置20aが設置され、撮像対象領域Dの右上隅に南側を撮像する第2サブ検出装置20bが設置され、撮像対象領域Dの右下隅に西側を撮像する第3サブ検出装置20cが設置されている。撮像対象領域Dの左下隅には北東方向(撮像対象領域Dの中心方向)を撮像する生物検出装置10が設置されている。
【0032】
このような状態で、例えば経路(1)のような移動をする生物が現れた場合、画像情報81及び温度情報82を解析することで、その経路(1)を特定することが可能となる。具体的には、生物を検知したタイミング、生物の温度分布の位置及びサイズの変化を解析すれば経路(1)を特定することができる。経路(1)の場合は、まず生物検出装置10が遠方に(温度分布としては小さく)生物の存在を検知し、次第に温度分布を大きくしつつ右方向に移動する。撮像対象領域Dに侵入するタイミングで新たに第1サブ検出装置20aが生物の存在を検知する。撮像対象領域D内では、生物検出装置10及び第1サブ検出装置20aがいずれも右方向に移動する生物を検知する。そして、撮像対象領域Dから退散するタイミングで新たに第2サブ検出装置20bが生物の存在を検知する。退散後は生物検出装置10及び第1サブ検出装置20aにより遠ざかる生物(温度分布としては次第に小さくなる)が検知される。これらの情報から生物の移動経路(1)を特定することが可能となる。
【0033】
経路2の場合は、まず第3サブ検出装置20cが遠方に(温度分布としては小さく)生物の存在を検知し、次第に温度分布が大きくなる。撮像対象領域Dに侵入するタイミングについては、
図5の場合は正確に特定できないものの、新たに生物検出装置10が生物の存在を検知することで、撮像対象領域Dに侵入したことを検知することができる。撮像対象領域D内では、生物検出装置10、第1サブ検出装置20a及び第3サブ検出装置20cが移動する生物を検知する。そして、撮像対象領域Dからの退散については、生物検出装置10、第1サブ検出装置20a及び第3サブ検出装置20cの検知から特定することができ、退散後は生物検出装置10により遠ざかる生物(温度分布としては次第に小さくなる)が検知される。これらの情報から生物の移動経路(2)を特定することが可能となる。
【0034】
なお、上記説明においては、生物の温度情報82に基づいて移動経路を特定しているが、これに画像情報81を加えることでより厳密な移動経路や方向を特定することが可能となる。
【0035】
このように、少なくともサーマルセンサ13を有する一又は複数のサブ検出装置20で取得された温度情報82を取得し、当該温度情報82に基づいて生物の侵入経路及び/又は侵入位置を特定し、生物検出装置10及びサブ検出装置20が、それぞれ異なる位置に配置されると共に、それぞれが異なる方向から撮像対象領域Dで検知した温度情報82を取得するため、生物を検知したタイミング、生物の温度分布の位置及びサイズの変化を解析することで、生物の移動経路を特定することができる。生物の移動経路、特に時間帯、季節、天気などの環境の違いに応じた移動経路が特定されることで、害獣の侵入経路や自然界における生物の生態調査などに役立てることができる。
【0036】
対処特定部145は、生物特定部144で検知された生物の種別が特定された結果に基づいて、対処情報記憶部146から、特定された種別の生物に適した対処方法を抽出して特定する。対処情報記憶部146には、例えば害獣であるイノシシ、熊、猿などが嫌う音の周波数に関する情報、レーザー光の波長に関する情報、レーザー光の点滅速度に関する情報、レーザー光や音の出力方向、出力強度などが予め登録されており、生物特定部144で特定された種別に応じて、対処特定部145が、対応するこれらの音やレーザー光のパラメーターに関する情報を特定する。
【0037】
なお、対処情報記憶部146には、害獣への対処情報以外にもカラスなどの鳥類への対処情報や、害獣ではない生物への対処情報(例えば撮像だけ行い対処は何もしない等)が含まれてもよい。
【0038】
出力制御部148は、生物特定部144で特定された生物に関する情報、経路特定部147で特定された経路情報を管理装置60に送信する。また、対処特定部145で特定された対処情報に応じたレーザー発振器30の制御信号やスピーカー40の制御信号をそれぞれの装置に出力する処理を行う。レーザー発振器30やスピーカー40は、出力制御部148から送信された制御信号に基づいて駆動し、害獣の撃退等の対処を実行する。
【0039】
管理装置60は、出力制御部148から送信された生物に関する情報や経路情報を利用者の端末装置70に送信したり、これらの情報を管理装置60に格納しておくことで、端末装置70からのアクセスによりいつでも参照できるように管理する。また、管理装置60は、生物に関する情報が所定の条件を満たす場合(例えば、人に危害を加える可能性がある狂暴な生物が検知された場合、危険な生物が撮像対象領域から人里の方向に向かって退散した場合等)には、予め設定された連絡先(例えば、自治体、警察署、消防署、猟友会、近隣住民等)にその旨の情報をメールやSNSなどで発信する。この所定の条件については、例えば特定された種別が害獣や危険生物であると判断される場合や、大型の生物である場合などが含まれる。
【0040】
以下、生物検出装置10の動作について説明する。
図6は、本実施形態に係る生物検出装置の動作を示すフローチャートである。まず、情報取得部141が、生物検出装置10やサブ検出装置20で撮像された画像情報81を取得すると共に(S1)、温度情報82を取得する(S2)。処理対象領域抽出部142が、温度情報82で撮像された生物の温度分布に基づいて、画像処理の対象となる処理対象領域を抽出する(S3)。生物抽出部143が、処理対象領域に対して画像処理により生物の輪郭を特定し、生物の領域のみを抽出する(S4)。生物特定部144は、抽出された生物の領域から、AIや画像認識などの技術を用いて生物の種別を特定する(S5)。生物特定部144は、特定された生物が害獣のように対処が必要な生物であるかどうかを判定し(S6)、対処が必要である場合は、対処特定部145が対処情報記憶部146から特定された生物に適した対処情報を抽出して特定する(S7)。出力制御部148は、対処情報となる制御信号をレーザー発振器30やスピーカー40に出力する(S8)。S6で対処が必要でない場合は、必要に応じて経路特定部147が、検知された生物の移動経路を特定する(S9)。出力制御部148は、生物特定部144が特定した生物に関する情報や、必要に応じて経路特定部147が特定した生物の移動経路に関する情報を管理装置60に送信し(S10)、S1の処理に戻って同様の処理を繰り返して行う。
【0041】
このように、本実施形態に係る生物検出装置においては、サーマルセンサ13で撮像された温度情報82を活用することで、画像処理による演算装置への負荷が低減され、装置のコンパクト化、省電力化、低コスト化を実現することができる。
【0042】
また、少なくともサーマルセンサ13を有する一又は複数のサブ検出装置20で取得された温度情報82を取得し、当該温度情報82に基づいて生物の侵入経路及び/又は侵入位置を特定し、生物検出装置10及びサブ検出装置20が、それぞれ異なる位置に配置されると共に、それぞれが異なる方向から撮像対象領域Dで検知した温度情報82を取得するため、生物を検知したタイミング、生物の温度分布の位置及びサイズの変化を解析することで、生物の移動経路を特定することができ、害獣の侵入経路や自然界における生物の生態調査などに役立てることができる。
【0043】
さらに、種別が特定された生物が害獣である場合に、当該生物の種別に応じて適正な波長及び照射方向でレーザー光を照射し、また適正な周波数及び出力方向で音を出力するため、害獣を確実に撃退することができる。
【0044】
さらにまた、管理装置60は、特定された生物の種別が警戒が必要となる危険生物である場合に、利用者、自治体等の予め登録された連絡先に対して危険生物が検知された旨の情報を配信するため、住民などに対していち早く情報を開示し、安全性を確保することができる。
【0045】
なお、スピーカー40が出力する音は、超音波であったり害獣が苦手とする音(例えば同種の生物が危険察知した際に発する声や音)であることが望ましい。また、夜間に大きな音を出力するのが難しい環境にある場合は、スピーカー40に指向性を持たせ、害獣に対してピンポイントに音が出力されるようにしてもよい。
【0046】
(本発明の第2の実施形態)
本実施形態に係る生物検出装置及び生物検出システムについて、
図7ないし
図9を用いて説明する。本実施形態に係る生物検出装置及び生物検出システムは、検知された生物が害獣である場合にレーザー光を用いて撃退するが、より確実に撃退が成功するようにレーザー光の照射方向や角度を制御するものである。なお、本実施形態において前記第1の実施形態と重複する説明は省略する。
【0047】
図7は、本実施形態に係る生物検出装置の構成を示す機能ブロック図である。
図7において、前記第1の実施形態における
図3の場合と異なるのは、生物特定部144が特定した生物の情報に基づいて、検知された生物の姿勢や部位の位置を推定する部位推定部149を備え、対処特定部145は、推定された所定部位の位置に対してレーザー光線が照射されるようにレーザー発振器30を制御する制御信号を演算し、出力制御部148に渡すことである。
【0048】
部位推定部149は、通常撮像モードで撮像された画像情報81に基づいて生物特定部144が生物の種別を特定した場合は、特定された生物の情報と姿勢認識の手法を用いることで、特定された生物の頭部及び/又は目の位置を演算により推定する。また、夜間撮像モードで撮像された画像情報81に基づいて生物特定部144が生物の種別を特定した場合は、通常撮像モードの場合と同様に姿勢認識の手法を用いて生物の頭部及び/又は目の位置を演算により推定してもよいし、特段強調して光っている点の位置を目の位置として推定してもよい。
【0049】
図8は、本実施形態に係る生物検出装置において生物の部位を推定する場合の処理を示す図である。
図8(A)は、生物特定部144でイノシシが特定された場合の姿勢認識を行った状態を示しており、
図8(B)は、夜間撮像モードでイノシシが撮像された場合の画像情報81を示している。
【0050】
図8(A)の場合、生物の種別が特定されることで姿勢認識を行うことが可能となる。姿勢認識の技術については、公知の技術であるため詳細な説明は省略する。このような姿勢認識により、イノシシの全体像を把握することが可能となり、画像情報81の中で頭部や目がどの位置にあるかを演算により推定することができる。
図8(B)の場合、動物の目が光りを反射しやすことから、目が光りの点として強調されて撮像される。すなわち、特定された生物の種別、サイズ、光の点の距離や位置から、それが目であることを推定することができる。両目の位置が推定されると、頭部の位置も演算により推定することが可能となる。
【0051】
図8に示すように、検知された生物の頭部及び/又は目の位置が推定されると、対処特定部145が、頭部や目の位置にレーザー光を照射するためのレーザー発振器30の方向や角度を演算で求め、制御信号を生成する。また、ここで生成される制御信号は、目の位置をピンポイントに照射するだけではなく、その周辺も含めて複数本のレーザー光線又は複数回のレーザー光線の発振を行うように生成されてもよい。すなわち、害獣を撃退する場合には、レーザー光線が害獣の目に照射されることが最も効果的であるが、上記推定処理の誤差やレーザー発振器30の制御誤差などを考慮して、推定された目の周辺領域を含めてレーザー光線が照射されることが望ましい。頭部の位置のみが推定された場合であっても、推定された頭部の位置近傍の領域に多数のレーザー光線が照射されることで、害獣の目にピンポイントにレーザー光線が照射される可能性が上がり、害獣の撃退を確実なものにすることができる。
【0052】
なお、本実施形態においては、より確実に害獣の目の位置にレーザー光を照射するために、スピーカー40の音を利用するようにしてもよい。すなわち、一瞬でも害獣の動きを停止することが可能な音をスピーカー40から出力し、害獣の動きが停止した瞬間にその目の位置を上記演算により推定し、レーザー光を照射するようにしてもよい。また、害獣の向きがレーザー光の照射が難しい方向を向いている場合には、音でおびき寄せることでレーザー光を照射しやすい方向に害獣を方向転換させるようにしてもよい。すなわち、目が正面にある害獣の場合は、レーザー発振器30がレーザー光を発振する方向から害獣が興味を示すような音を出力し、目が側面にある害獣の場合は、レーザー発振器30がレーザーを発振する方向に対して90度の方向から害獣が興味を示すような音を出力することで害獣をおびき寄せる。こうすることで、より確実に害獣の目にレーザー光を照射することが可能となる。
【0053】
また、害獣の動きを音で停止する場合には、対処特定部145が害獣の動きに応じて音の種別を任意に選択できるようにしてもよい。すなわち、害獣は最初は大きい音などに反応して一瞬静止したり、驚いて忌避する効果があるが、数回同じ音を出力すると慣れにより効果がなくなってしまう。そのため、音による効果が小さいと判断される場合には、音の種類や音量を変更する。例えば、当初は大きい音を出力することで害獣の動きを静止させるが、害獣がそれに慣れたと判断される場合は、同種の生物の鳴き声など害獣の気を引くような音に変更することで、引き続き害獣の動きを停止させることが可能となる。
【0054】
さらに、
図8(A)に示すような姿勢認識については、前記第1の実施形態において説明した生物特定部144の処理に利用することが可能である。例えば、
図8(A)に示すような姿勢状態を学習することで、姿勢状態(例えば、手足の長さ、首の長さ、頭や手足の位置関係等)に基づいて種別の特定が可能になる。種別の特定以外にも、姿勢認識に基づいた生物の行動を特定することで、例えば生物の生態(リーダーとその他の区別、家族関係、性別、感情、発情状態(予兆を含む)等)を分析するようにしてもよい。
【0055】
以下、本実施形態に係る生物検出装置10の動作について説明する。
図9は、本実施形態に係る生物検出装置の動作を示すフローチャートである。
図9において、前記第1の実施形態における
図6の処理を異なるのは、S6で対処が必要であると判断された場合に、部位推定部149が、特定された生物の頭部及び/又は目の位置を推定する(S6-1)処理が挿入されることである。そして、対処特定部145が対処情報記憶部146から特定された生物に適した対処情報を抽出して特定する際に、推定された頭部及び/又は目の位置にレーザー光が照射されるように対処情報を生成する。このとき、上述したように、レーザー光を照射する範囲、発振する本数や回数なども含めた適正な対処情報が生成されることが望ましい。また、上述したように、音で生物の動きを停止させる場合には、レーザー発振器30の動作とスピーカー40の動作とを連動させる必要があるため、それぞれの動作のタイミングも含めた制御信号が生成されることが望ましい。なお、その他の処理については、
図6の場合と同様である。
【0056】
このように、本実施形態に係る生物検出装置においては、画像処理により生物の頭部及び/又は目の位置を推定する部位推定部149を備え、推定された生物の頭部及び/又は目の位置に向けてレーザー光が照射されるようにレーザー光の照射方向を制御するため、特定された生物が害獣である場合は、レーザー光を害獣の目に高確率で照射することが可能となり、害獣を確実に忌避させることができる。
【0057】
また、生物の動きを所定時間静止する音を出力するようにスピーカー40を制御し、生物の動きが静止した間にレーザー光が生物の目の位置を照射するようにレーザー光の照射方向を制御するため、生物が害獣である場合には、確実に目の位置にレーザー光を照射することができる。
【符号の説明】
【0058】
1 生物検出システム
10 生物検出装置
11 近赤外線LED
12 カメラ
13 サーマルセンサ
14 制御部
15 入出力インターフェース
16 通信インターフェース
20 サブ検出装置
30 レーザー発振器
40 スピーカー
50 電源
60 管理装置
70 端末装置
81 画像情報
82 温度情報
83 生物情報
84 対処情報
85 経路情報
141 情報取得部
142 処理対象領域抽出部
143 生物抽出部
144 生物特定部
145 対処特定部
146 対処情報記憶部
147 経路特定部
148 出力制御部
149 部位推定部