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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057892
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】金属箔付き樹脂シート
(51)【国際特許分類】
   B32B 15/08 20060101AFI20240418BHJP
   B32B 15/092 20060101ALI20240418BHJP
   H05K 1/03 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
B32B15/08 N
B32B15/092
H05K1/03 630H
H05K1/03 610L
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022164870
(22)【出願日】2022-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】000000066
【氏名又は名称】味の素株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】仲野 暦
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 真俊
【テーマコード(参考)】
4F100
【Fターム(参考)】
4F100AA00A
4F100AA20B
4F100AB17A
4F100AB33A
4F100AH06B
4F100AK01B
4F100AK42C
4F100AK53B
4F100BA03
4F100BA07
4F100CA23B
4F100EJ67B
4F100EJ91C
4F100EJ94
4F100GB43
4F100JG04B
4F100JK07A
4F100JL14C
4F100YY00B
(57)【要約】
【課題】ロール形成性に優れる金属箔付き樹脂シート等の提供。
【解決手段】金属箔、樹脂組成物層、及び保護フィルムがこの順で積層してなる、金属箔付き樹脂シートであって、金属箔の厚みをa(μm)とし、金属箔の23℃における弾性率をA(GPa)とし、樹脂組成物層の厚みをb(μm)とし、樹脂組成物層の23℃における弾性率をB(GPa)とし、保護フィルムの厚みをc(μm)とし、保護フィルムの23℃における弾性率をC(GPa)としたとき、下記式(1)及び(2)をすべて満たす、金属箔付き樹脂シート。
0.2≦(b×B)/(a×A)≦8・・・(1)
3≦(c×C)/(a×A)≦30・・・(2)
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属箔、樹脂組成物層、及び保護フィルムがこの順で積層してなる、金属箔付き樹脂シートであって、
金属箔の厚みをa(μm)とし、金属箔の23℃における弾性率をA(GPa)とし、
樹脂組成物層の厚みをb(μm)とし、樹脂組成物層の23℃における弾性率をB(GPa)とし、
保護フィルムの厚みをc(μm)とし、保護フィルムの23℃における弾性率をC(GPa)としたとき、下記式(1)及び(2)をすべて満たす、金属箔付き樹脂シート。
0.2≦(c×C)/(b×B)≦8・・・(1)
3≦(a×A)/(b×B)≦30・・・(2)
【請求項2】
樹脂組成物層が、(A)無機充填材を含有する、請求項1に記載の金属箔付き樹脂シート。
【請求項3】
(A)成分の含有量が、樹脂組成物層中の不揮発成分を100質量%とした場合、55質量%以上85質量%以下である、請求項2に記載の金属箔付き樹脂シート。
【請求項4】
樹脂組成物層が、(B)エポキシ樹脂を含む、請求項1に記載の金属箔付き樹脂シート。
【請求項5】
樹脂組成物層が、液状樹脂を含有する、請求項1に記載の金属箔付き樹脂シート。
【請求項6】
液状樹脂の含有量が、樹脂組成物層中の不揮発成分を100質量%とした場合、5質量%以上25質量%以下である、請求項5に記載の金属箔付き樹脂シート。
【請求項7】
金属箔の厚みをa(μm)とし、樹脂組成物層の厚みをb(μm)としたとき、a/bが、0.1以上2以下である、請求項1に記載の金属箔付き樹脂シート。
【請求項8】
樹脂組成物層の厚みをb(μm)とし、保護フィルムの厚みをc(μm)としたとき、c/bが、0.3以上4以下である、請求項1に記載の金属箔付き樹脂シート。
【請求項9】
金属箔が、銅箔である、請求項1に記載の金属箔付き樹脂シート。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の金属箔付き樹脂シートがロール状に巻き取られたロール状金属箔付き樹脂シート。
【請求項11】
巻き径が、6cm以上である、請求項10に記載のロール状金属箔付き樹脂シート。
【請求項12】
請求項1~9のいずれか1項に記載の金属箔付き樹脂シートの樹脂組成物層の硬化物により形成された絶縁層、及び請求項1~9のいずれか1項に記載の金属箔付き樹脂シートの金属箔より形成された導体層を含む、回路基板。
【請求項13】
請求項12に記載の回路基板を含む、半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属箔付き樹脂シートに関する。さらには、本発明は、金属箔付き樹脂シートを用いて製造される回路基板及び当該回路基板を備える半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
各種電子機器に広く使用されているプリント配線板等の回路基板は、電子機器の小型化、高機能化のために、層の薄型化や回路の微細配線化が求められている。回路基板の製造技術としては、絶縁層と導体層(配線層)を交互に積み重ねるビルドアップ方式による製造方法が知られている。ビルドアップ方式による製造方法においては、一般に、絶縁層は樹脂シートにおける樹脂組成物層を熱硬化させて形成され、導体層はセミアディティブ法(SAP)、モディファイドセミアディティブ法(MSAP)、サブトラクティブ法等の技術により形成される。
【0003】
近年、絶縁層上に導体層を形成する方法として、金属箔付き樹脂シートを用いて金属箔を導体層として用いる方法が提案されている。(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-43685号公報
【特許文献2】特開2010-161497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
金属箔付き樹脂シートは枚葉のシートとして用いられているが、絶縁層及び導体層を効率よく形成するには、金属箔付き樹脂シートをロール状に巻き取ったロール状の金属箔付き樹脂シート用いて連続的に絶縁層及び導体層を形成する方法が考えられる。
【0006】
しかし、金属箔付き樹脂シートをロール状にすると、ロール状にする際にかかる応力により金属箔付き樹脂シートが折れたり、割れ、欠けが発生したりする、即ちロール形成性が劣ることがあった。
【0007】
本発明は、前記の課題に鑑みて創案されたもので、ロール形成性に優れる金属箔付き樹脂シート;当該金属箔付き樹脂シートをロール状に巻き取ったロール状金属箔付き樹脂シート;当該金属箔付き樹脂シートを用いて製造される回路基板;及び当該回路基板を備える半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らが鋭意検討した結果、金属箔、樹脂組成物層、及び保護フィルムがこの順で積層してなる、金属箔付き樹脂シートであって、所定の関係を満たすように各層の厚み及び樹脂組成物層を硬化させる前の各層の弾性率を調整することで、金属箔付き樹脂シートをロール状にしても該シートが折れたり、割れ、欠けの発生が抑制可能になることを見出すことで本発明を完成させるに至った。
【0009】
すなわち、本発明は以下の内容を含む。
[1] 金属箔、樹脂組成物層、及び保護フィルムがこの順で積層してなる、金属箔付き樹脂シートであって、
金属箔の厚みをa(μm)とし、金属箔の23℃における弾性率をA(GPa)とし、
樹脂組成物層の厚みをb(μm)とし、樹脂組成物層の23℃における弾性率をB(GPa)とし、
保護フィルムの厚みをc(μm)とし、保護フィルムの23℃における弾性率をC(GPa)としたとき、下記式(1)及び(2)をすべて満たす、金属箔付き樹脂シート。
0.2≦(c×C)/(b×B)≦8・・・(1)
3≦(a×A)/(b×B)≦30・・・(2)
[2] 樹脂組成物層が、(A)無機充填材を含有する、[1]に記載の金属箔付き樹脂シート。
[3] (A)成分の含有量が、樹脂組成物層中の不揮発成分を100質量%とした場合、55質量%以上85質量%以下である、[2]に記載の金属箔付き樹脂シート。
[4] 樹脂組成物層が、(B)エポキシ樹脂を含む、[1]~[3]のいずれかに記載の金属箔付き樹脂シート。
[5] 樹脂組成物層が、液状樹脂を含有する、[1]~[4]のいずれかに記載の金属箔付き樹脂シート。
[6] 液状樹脂の含有量が、樹脂組成物層中の不揮発成分を100質量%とした場合、5質量%以上25質量%以下である、[5]に記載の金属箔付き樹脂シート。
[7] 金属箔の厚みをa(μm)とし、樹脂組成物層の厚みをb(μm)としたとき、a/bが、0.1以上2以下である、[1]~[6]のいずれかに記載の金属箔付き樹脂シート。
[8] 樹脂組成物層の厚みをb(μm)とし、保護フィルムの厚みをc(μm)としたとき、c/bが、0.3以上4以下である、[1]~[7]のいずれかに記載の金属箔付き樹脂シート。
[9] 金属箔が、銅箔である、[1]~[8]のいずれかに記載の金属箔付き樹脂シート。
[10] [1]~[9]のいずれかに記載の金属箔付き樹脂シートがロール状に巻き取られたロール状金属箔付き樹脂シート。
[11] 巻き径が、6cm以上である、[10]に記載のロール状金属箔付き樹脂シート。
[12] [1]~[9]のいずれかに記載の金属箔付き樹脂シートの樹脂組成物層の硬化物により形成された絶縁層、及び[1]~[9]のいずれかに記載の金属箔付き樹脂シートの金属箔より形成された導体層を含む、回路基板。
[13] [12]に記載の回路基板を含む、半導体装置。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ロール形成性に優れる金属箔付き樹脂シート;当該金属箔付き樹脂シートをロール状に巻き取ったロール状金属箔付き樹脂シート;当該金属箔付き樹脂シートを用いて製造される回路基板及び当該回路基板を備える半導体装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態及び例示物を示して、本発明について詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に挙げる実施形態及び例示物に限定されるものでは無く、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
【0012】
[金属箔付き樹脂シート]
本発明の金属箔付き樹脂シートは、金属箔、樹脂組成物層、及び保護フィルムがこの順で積層してなり、金属箔の厚みをa(μm)、金属箔の23℃における弾性率をA(GPa)とし、樹脂組成物層の厚みをb(μm)とし、樹脂組成物層の23℃における弾性率をB(GPa)とし、保護フィルムの厚みをc(μm)とし、保護フィルムの23℃における弾性率をC(GPa)としたとき、下記式(1)及び(2)をすべて満たす。このような金属箔付き樹脂シートを用いることによって、ロール形成性に優れる金属箔付き樹脂シートを提供可能になる。なお、樹脂組成物層の23℃における弾性率Bは、樹脂組成物層を硬化させる前の弾性率である。
0.2≦(b×B)/(a×A)≦8・・・(1)
3≦(c×C)/(a×A)≦30・・・(2)
【0013】
式(1)で表されるパラメータの「(b×B)/(a×A)」の範囲は、0.2以上であり、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.8以上、さらに好ましくは1以上である。上限は8以下であり、好ましくは7以下、より好ましくは6以下、さらに好ましくは5以下、3以下、2以下である。
【0014】
式(2)で表されるパラメータの「(c×C)/(a×A)」の範囲は、3以上であり、好ましくは4以上、より好ましくは5以上、さらに好ましくは5.5以上である。上限は30以下であり、好ましくは28以下、より好ましくは20以下、さらに好ましくは10以下、8以下、7以下である。
【0015】
パラメータ「(b×B)/(a×A)」及び「(c×C)/(a×A)」が斯かる範囲内にある場合に、ロール形成性に優れるようになる。また、通常、金属箔付き樹脂シートは、破断点強度及びガラス転移温度(Tg)が高く、線熱膨張係数(CTE)が低く、ラミネート性及び剥離性にも優れる硬化物を得ることもできる。
【0016】
一般に、硬化前の樹脂組成物層の弾性率が高いと、その樹脂組成物層は脆くなる傾向にある。このため、金属箔付き樹脂シートをロール状にするにあたって応力の影響を受けやすく、ロール形成性が劣る傾向にある。また、硬化前の樹脂組成物層の弾性率が低いと、線熱膨張係数が高くなりすぎたり、絶縁信頼性が劣ったりする傾向にある。また、硬化前の樹脂組成物層の弾性率が低いと、保護フィルムとの粘着性が高くなる傾向があり、保護フィルムの剥離性が悪くなる傾向にある。これに対し、「(b×B)/(a×A)」及び「(c×C)/(a×A)」が斯かる範囲にある場合、前記のような不具合が抑制されるとともに、ロール形成性に優れる金属箔付き樹脂シートを提供可能になる。
【0017】
金属箔の弾性率Aとしては、本発明の効果を顕著に得る観点から、好ましくは30GPa以上、より好ましくは50GPa以上、さらに好ましくは60GPa以上であり、好ましくは150GPa以下、より好ましくは120GPa以下、さらに好ましくは100GPa以下である。金属箔の弾性率は、ロール状の金属箔付き樹脂シートのMD方向の弾性率であり、この弾性率は後述する実施例に記載の方法にて測定することができる。MD方向とは、ロール状の金属箔付き樹脂シートの長手方向に対応する。金属箔が複層構造の場合、各層の合計弾性率が上記範囲内であることが好ましい。
【0018】
樹脂組成物層の硬化前の弾性率Bとしては、本発明の効果を顕著に得る観点から、好ましくは1GPa以上、より好ましくは1.5GPa以上、さらに好ましくは2GPa以上であり、好ましくは10GPa以下、より好ましくは8GPa以下、さらに好ましくは5GPa以下である。樹脂組成物層の弾性率は、後述する実施例に記載の方法にて測定することができる。
【0019】
保護フィルムの弾性率Cとしては、本発明の効果を顕著に得る観点から、好ましくは1GPa以上、より好ましくは3GPa以上、さらに好ましくは5GPa以上であり、好ましくは20GPa以下、より好ましくは15GPa以下、さらに好ましくは10GPa以下である。保護フィルムの弾性率は、ロール状の金属箔付き樹脂シートのMD方向の弾性率であり、この弾性率は後述する実施例に記載の方法にて測定することができる。保護フィルムが複層構造の場合、各層の合計弾性率が上記範囲内であることが好ましい。
【0020】
金属箔の厚みaとしては、本発明の効果を顕著に得る観点から、好ましくは1μm以上、より好ましくは5μm以上、さらに好ましくは10μm以上であり、好ましくは30μm以下、より好ましくは25μm以下、さらに好ましくは20μm以下である。金属箔の厚みは、後述する実施例に記載の方法にて測定することができる。金属箔が複層構造の場合、金属箔全体の厚さが斯かる範囲であることが好ましい。
【0021】
樹脂組成物層の厚みbとしては、本発明の効果を顕著に得る観点から、好ましくは5μm以上、より好ましくは8μm以上、さらに好ましくは10μm以上、20μm以上、30μm以上であり、好ましくは60μm以下、より好ましくは55μm以下、さらに好ましくは50μm以下である。樹脂組成物層の厚みは、後述する実施例に記載の方法にて測定することができる。
【0022】
保護フィルムの厚みcとしては、本発明の効果を顕著に得る観点から、好ましくは3μm以上、より好ましくは5μm以上、さらに好ましくは10μm以上であり、好ましくは55μm以下、より好ましくは50μm以下、さらに好ましくは40μm以下である。保護フィルムの厚みは、後述する実施例に記載の方法にて測定することができる。保護フィルムが離型層を有する場合、保護フィルム全体の厚さが斯かる範囲であることが好ましい。
【0023】
金属箔の厚みaと、金属箔の弾性率Aとの積(a×A)としては、本発明の効果を顕著に得る観点から、好ましくは100以上、より好ましくは500以上、さらに好ましくは1000以上であり、好ましくは2000以下、より好ましくは1500以下、さらに好ましくは1200以下である。
【0024】
樹脂組成物層の厚みbと、樹脂組成物層の硬化物の弾性率Bとの積(b×B)としては、本発明の効果を顕著に得る観点から、好ましくは10以上、より好ましくは20以上、さらに好ましくは30以上、50以上、100以上であり、好ましくは350以下、より好ましくは300以下、さらに好ましくは250以下である。
【0025】
保護フィルムの厚みcと、保護フィルムの弾性率Cとの積(c×C)としては、本発明の効果を顕著に得る観点から、好ましくは100以上、より好ましくは150以上、さらに好ましくは230以上であり、好ましくは350以下、より好ましくは300以下、さらに好ましくは250以下である。
【0026】
金属箔の厚みaと、樹脂組成物層の厚みbとの比(a/b)としては、本発明の効果を顕著に得る観点から、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、さらに好ましくは0.3以上であり、好ましくは4以下、より好ましくは2以下、さらに好ましくは1以下である。
【0027】
樹脂組成物層の厚みbと、保護フィルムの厚みcとの比(c/b)としては、本発明の効果を顕著に得る観点から、好ましくは0.3以上、より好ましくは0.5以上、さらに好ましくは0.8以上であり、好ましくは10以下、より好ましくは5以下、さらに好ましくは3以下である。
【0028】
<金属箔>
本発明の金属箔付き樹脂シートは金属箔を有する。回路基板の導体層は金属箔から形成してもよい。
【0029】
金属箔としては、例えば、銅箔、アルミニウム箔等が挙げられ、銅箔が好ましい。銅箔としては、銅の単金属からなる箔を用いてもよく、銅と他の金属(例えば、スズ、クロム、銀、マグネシウム、ニッケル、ジルコニウム、ケイ素、チタン等)との合金からなる箔を用いてもよい。
【0030】
金属箔は、単層構造であっても、異なる種類の金属もしくは合金からなる単金属層又は合金層が2層以上積層した複層構造であってもよい。複層構造の金属箔としては、例えば、キャリア金属箔と、該キャリア金属箔と接合する極薄金属箔とを含む金属箔が挙げられる。斯かる複層構造の金属箔は、キャリア金属箔と極薄金属箔との間に、キャリア金属箔から極薄金属箔を剥離可能とする剥離層を含んでもよい。剥離層は、キャリア金属箔から極薄金属箔を剥離できれば特に限定されず、例えば、Cr、Ni、Co、Fe、Mo、Ti、W、Pからなる群から選択される元素の合金層;有機被膜等が挙げられる。なお、複層構造の金属箔を用いる場合、樹脂組成物層は、極薄金属箔上に設けられる。
【0031】
金属箔の厚みは上記したとおりである。金属箔が、キャリア金属箔と、該キャリア金属箔と接合する極薄金属箔とを含む複層構造の場合、金属箔全体の厚さが斯かる範囲であることが好ましく、そのうち極薄金属箔の厚さは、例えば、0.1μm以上10μm以下の範囲であってよい。
【0032】
金属箔の樹脂組成物層と接合する面の算術平均粗さ(Ra)としては、樹脂組成物層との密着性を向上させる観点から、好ましくは100nm以上、好ましくは200nm以上、より好ましくは300nm以上、さらに好ましくは400nm以上である。上限は特に限定されないが、好ましくは1000nm以下、より好ましくは900nm以下、さらに好ましくは800nm以下である。算術平均粗さ(Ra)は、ISO 25178に準拠して測定された値であり、非接触型表面粗さ計を用いて測定することができる。非接触型表面粗さ計としては、例えば、ビーコインスツルメンツ社製の「WYKO NT3300」が挙げられる。
【0033】
金属箔は市販品を用いてもよい。金属箔の市販品としては、例えば、三井金属鉱業社製「マイクロシンMT18Ex」、JX金属社製「HA-V2」、「マイクロシンMT18FL」、「3EC-III」、「3EC-M3-VLP」、「3EC-M2S-VLP」、JX金属鉱業社製「JDLC」、「JTCSLC」、「HA-V2」、「HA」、「HG」、福田金属箔粉工業社製「CF-TX4-SV」、「V9」、「HD」、「FLEQ HD」、「FUTF」、「RCF-T4X」、「RCF-T5B」等が挙げられる。
【0034】
<樹脂組成物層>
金属箔付き樹脂シートは樹脂組成物層を有する。樹脂組成物層は熱硬化する機能を有する。
【0035】
樹脂組成物層に含まれる成分は、その硬化物が十分な硬度を有し、線熱膨張係数が低く絶縁性を有するものが好ましい。このような樹脂組成物層に含まれる成分としては、(A)無機充填材が挙げられる。また、樹脂組成物層は、必要に応じて(B)エポキシ樹脂、(C)硬化剤、(D)硬化促進剤、(E)熱可塑性樹脂、(F)有機充填材、及び(G)その他の添加剤を含んでいてもよい。
【0036】
-(A)無機充填材-
樹脂組成物層は、(A)成分として無機充填材を含有していてもよい。(A)成分を含有する樹脂組成物層を用いることにより、線熱膨張係数が低い硬化物を得ることができる。
【0037】
(A)無機充填材は、粒子の状態で樹脂組成物層に含まれる。(A)無機充填材の材料としては、無機化合物を用いる。(A)無機充填材の材料としては、例えば、シリカ、アルミナ、ガラス、コーディエライト、シリコン酸化物、硫酸バリウム、炭酸バリウム、タルク、クレー、雲母粉、酸化亜鉛、ハイドロタルサイト、ベーマイト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化マンガン、ホウ酸アルミニウム、炭酸ストロンチウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、酸化チタン、酸化ジルコニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、及びリン酸タングステン酸ジルコニウム等が挙げられる。これらの中でも、シリカが特に好適である。シリカとしては、例えば、無定形シリカ、溶融シリカ、結晶シリカ、合成シリカ、中空シリカ等が挙げられる。また、シリカとしては球形シリカが好ましい。(A)無機充填材は、1種類単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
【0038】
(A)無機充填材の市販品としては、例えば、日鉄ケミカル&マテリアル社製の「SP60-05」、「SP507-05」;アドマテックス社製の「YC100C」、「YA050C」、「YA050C-MJE」、「YA010C」、「SC2500SQ」、「SO-C4」、「SO-C2」、「SO-C1」;デンカ社製の「UFP-30」、「DAW-03」、「FB-105FD」;トクヤマ社製の「シルフィルNSS-3N」、「シルフィルNSS-4N」、「シルフィルNSS-5N」;太平洋セメント社製の「セルフィアーズ」「MGH-005」;日揮触媒化成社製の「エスフェリーク」、「BA-1」などが挙げられる。
【0039】
(A)無機充填材の平均粒径は、特に限定されるものではないが、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下、さらに好ましくは3μm以下、さらにより好ましくは2μm以下、特に好ましくは1.5μm以下である。(A)無機充填材の平均粒径の下限は、特に限定されるものではないが、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.05μm以上、さらに好ましくは0.1μm以上、特に好ましくは0.2μm以上である。(A)無機充填材の平均粒径は、ミー(Mie)散乱理論に基づくレーザー回折・散乱法により測定することができる。具体的には、レーザー回折散乱式粒径分布測定装置により、無機充填材の粒径分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定することができる。測定サンプルは、無機充填材100mg、メチルエチルケトン10gをバイアル瓶に秤取り、超音波にて10分間分散させたものを使用することができる。測定サンプルを、レーザー回折式粒径分布測定装置を使用して、使用光源波長を青色及び赤色とし、フローセル方式で無機充填材の体積基準の粒径分布を測定し、得られた粒径分布からメディアン径として平均粒径を算出した。レーザー回折式粒径分布測定装置としては、例えば堀場製作所社製「LA-960」等が挙げられる。
【0040】
(A)無機充填材の比表面積は、特に限定されるものではないが、好ましくは0.1m/g以上、より好ましくは0.5m/g以上、さらに好ましくは1m/g以上、特に好ましくは3m/g以上である。(A)無機充填材の比表面積の上限は、特に限定されるものではないが、好ましくは100m/g以下、より好ましくは70m/g以下、さらに好ましくは50m/g以下、さらにより好ましくは30m/g以下、特に好ましくは10m/g以下である。無機充填材の比表面積は、BET法に従って、比表面積測定装置(マウンテック社製Macsorb HM-1210)を使用して試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて比表面積を算出することで得られる。
【0041】
(A)無機充填材は、耐湿性及び分散性を高める観点から、表面処理剤で処理されていることが好ましい。表面処理剤としては、例えば、フッ素含有シランカップリング剤、アミノシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、メルカプトシラン系カップリング剤、シラン系カップリング剤、アルコキシシラン、オルガノシラザン化合物、チタネート系カップリング剤等が挙げられる。また、表面処理剤は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を任意に組み合わせて用いてもよい。
【0042】
表面処理剤の市販品としては、例えば、信越化学工業社製「KBM403」(3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM803」(3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「KBE903」(3-アミノプロピルトリエトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM573」(N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「SZ-31」(ヘキサメチルジシラザン)、信越化学工業社製「KBM103」(フェニルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM-4803」(長鎖エポキシ型シランカップリング剤)、信越化学工業社製「KBM-7103」(3,3,3-トリフルオロプロピルトリメトキシシラン)等が挙げられる。
【0043】
表面処理剤による表面処理の程度は、無機充填材の分散性向上の観点から、所定の範囲に収まることが好ましい。具体的には、無機充填材100質量%は、0.2質量%~5質量%の表面処理剤で表面処理されていることが好ましく、0.2質量%~3質量%で表面処理されていることがより好ましく、0.3質量%~2質量%で表面処理されていることがさらに好ましい。
【0044】
表面処理剤による表面処理の程度は、無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量によって評価することができる。無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量は、無機充填材の分散性向上の観点から、0.02mg/m以上が好ましく、0.1mg/m以上がより好ましく、0.2mg/m以上がさらに好ましい。一方、樹脂組成物層の溶融粘度やシート形態での溶融粘度の上昇を防止する観点から、1.0mg/m以下が好ましく、0.8mg/m以下がより好ましく、0.5mg/m以下がさらに好ましい。
【0045】
(A)無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量は、表面処理後の無機充填材を溶剤(例えば、メチルエチルケトン(MEK))により洗浄処理した後に測定することができる。具体的には、溶剤として十分な量のMEKを表面処理剤で表面処理された無機充填材に加えて、25℃で5分間超音波洗浄する。上澄液を除去し、固形分を乾燥させた後、カーボン分析計を用いて無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量を測定することができる。カーボン分析計としては、堀場製作所社製「EMIA-320V」等を使用することができる。
【0046】
(A)無機充填材の含有量は、線熱膨張係数が低い硬化物を得る観点から、樹脂組成物層中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは55質量%以上であり、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは65質量%以上である。上限は好ましくは85質量%以下であり、より好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは75質量%以下である。
【0047】
なお、本発明において、樹脂組成物層中の各成分の含有量は、別途明示のない限り、樹脂組成物層中の不揮発成分を100質量%としたときの値であり、不揮発成分とは、樹脂組成物層中の溶剤を除く不揮発成分全体を意味する。
【0048】
-(B)エポキシ樹脂-
樹脂組成物層は、(A)成分に組み合わせて、(B)エポキシ樹脂を含んでいてもよい。(B)エポキシ樹脂は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
【0049】
(B)エポキシ樹脂としては、例えば、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、tert-ブチル-カテコール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルシクロヘキサン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、ビシクロヘキシル型エポキシ樹脂等の脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、シクロヘキサン型エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、トリメチロール型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、フェノールフタルイミジン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0050】
樹脂組成物層は、(B)成分として、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を含むことが好ましい。本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、(B)エポキシ樹脂100質量%に対して、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂の割合は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、特に好ましくは70質量%以上である。
【0051】
エポキシ樹脂には、温度20℃で液状のエポキシ樹脂(以下「液状エポキシ樹脂」ということがある。)と、温度20℃で固体状のエポキシ樹脂(以下「固体状エポキシ樹脂」ということがある。)とがある。樹脂組成物層は、(B)成分として、液状エポキシ樹脂のみを含んでいてもよく、固体状エポキシ樹脂のみを含んでいてもよく、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを組み合わせて含むことが好ましい。
【0052】
液状エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する液状エポキシ樹脂が好ましい。
【0053】
液状エポキシ樹脂としては、ビシクロヘキシル型エポキシ樹脂等の脂環式エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、シクロヘキサン型エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、及びブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、グリシジルシクロヘキサン型エポキシ樹脂、フェノールフタルイミジン型エポキシ樹脂が好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂がより好ましく、ビシクロヘキシル型エポキシ樹脂がさらに好ましい。
【0054】
(B)成分としての液状エポキシ樹脂の具体例としては、ダイセル社製の「セロキサイド8010」(ビシクロヘキシル型エポキシ樹脂);DIC社製の「HP4032」、「HP4032D」、「HP4032SS」(ナフタレン型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「828US」、「jER828EL」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、「jER807」(ビスフェノールF型エポキシ樹脂)、「jER152」(フェノールノボラック型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「JER-630」、「JER-630LSD」、ADEKA社製の「ED-523T」(グリシロール型エポキシ樹脂(アデカグリシロール))、「EP-3980S」(グリシジルアミン型エポキシ樹脂)、「EP-4088S」(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂);新日鉄住金化学社製の「ZX1059」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合品);ナガセケムテックス社製の「EX-721」(グリシジルエステル型エポキシ樹脂);ダイセル社製の「セロキサイド2021P」(エステル骨格を有する脂環式エポキシ樹脂)、「PB-3600」(ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂);新日鉄化学社製の「ZX1658」、「ZX1658GS」(液状1,4-グリシジルシクロヘキサン)等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0055】
固体状エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する固体状エポキシ樹脂が好ましく、1分子中に3個以上のエポキシ基を有する固体状エポキシ樹脂がより好ましく、1分子中に3個以上のエポキシ基を有する芳香族系の固体状エポキシ樹脂がより好ましい。
【0056】
固体状エポキシ樹脂としては、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂が好ましく、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂がより好ましい。
【0057】
固体状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC社製の「HP4032H」(ナフタレン型エポキシ樹脂)、「HP-4700」、「HP-4710」(ナフタレン型4官能エポキシ樹脂)、「N-690」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、「N-695」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、「HP-7200」、「HP-7200HH」、「HP-7200H」(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂)、「EXA-7311」、「EXA-7311-G3」、「EXA-7311-G4」、「EXA-7311-G4S」、「HP6000」、「HP6000L」(ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂);日本化薬社製の「EPPN-502H」(トリスフェノール型エポキシ樹脂)、「NC7000L」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂)、「NC3000H」、「NC3000」、「NC3000L」、「NC3100」(ビフェニル型エポキシ樹脂);日鉄ケミカル&マテリアル社製の「ESN475V」(ナフタレン型エポキシ樹脂)、「ESN485」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YL6121」(ビフェニル型エポキシ樹脂)、「YX4000H」、「YX4000HK」(ビキシレノール型エポキシ樹脂)、「YX8800」(アントラセン型エポキシ樹脂);大阪ガスケミカル社製の「PG-100」、「CG-500」、三菱ケミカル社製の「YL7760」(ビスフェノールAF型エポキシ樹脂)、「YL7800」(フルオレン型エポキシ樹脂)、「jER1010」(固体状ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、「jER1031S」(テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂);日本化薬社製の「WHR-991S」(フェノールフタルイミジン型エポキシ樹脂)等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0058】
(B)成分としては、本発明の効果を顕著に得る観点から、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを組み合わせて用いることが好ましい。この場合、それらの量比(液状エポキシ樹脂:固体状エポキシ樹脂)は、質量比で、好ましくは1:0.1~1:20、より好ましくは1:0.15~1:10、特に好ましくは1:0.2~1:5である。液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂との量比が斯かる範囲にあることにより、本発明の所望の効果を顕著に得ることができる。
【0059】
(B)成分のエポキシ当量は、好ましくは50g/eq.~5000g/eq.、より好ましくは50g/eq.~3000g/eq.、さらに好ましくは80g/eq.~2000g/eq.、さらにより好ましくは110g/eq.~1000g/eq.である。この範囲となることで、樹脂組成物層の硬化物の架橋密度が十分な硬化体をもたらすことができる。エポキシ当量は、1当量のエポキシ基を含むエポキシ樹脂の質量である。このエポキシ当量は、JIS K7236に従って測定することができる。
【0060】
(B)成分の重量平均分子量(Mw)は、本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、好ましくは100~5000、より好ましくは150~3000、さらに好ましくは200~1500である。エポキシ樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量である。
【0061】
(B)成分の含有量は、良好な機械強度、絶縁信頼性を示す硬化物を得る観点から、樹脂組成物層中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは2質量%以上、より好ましくは6質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上である。エポキシ樹脂の含有量の上限は、本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、好ましくは35質量%以下、より好ましくは25質量%以下、特に好ましくは20質量%以下である。
【0062】
(B)成分としての液状エポキシ樹脂の含有量は、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物層中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上である。液状エポキシ樹脂の含有量の上限は、本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、特に好ましくは8質量%以下である。
【0063】
(B)成分としての固体状エポキシ樹脂の含有量は、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物層中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上である。固体状エポキシ樹脂の含有量の上限は、本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、特に好ましくは12質量%以下である。
【0064】
-(C)硬化剤-
樹脂組成物層は、(A)成分に組み合わせて、(C)硬化剤を含んでいてもよい。(C)成分は、(B)成分に該当するものは除かれる。(C)硬化剤としては、(B)成分と反応して樹脂組成物層を硬化させる機能を有する化合物を用いることができ、例えば、カルボジイミド系硬化剤、活性エステル系硬化剤、フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、ベンゾオキサジン系硬化剤、シアネートエステル系硬化剤などが挙げられる。中でも、絶縁信頼性を向上させる観点から、(C)硬化剤は、フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、活性エステル系硬化剤、及びシアネートエステル系硬化剤のいずれか1種以上を含むことが好ましい。(C)硬化剤は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
【0065】
フェノール系硬化剤及びナフトール系硬化剤としては、耐熱性及び耐水性の観点から、ノボラック構造を有するフェノール系硬化剤、又はノボラック構造を有するナフトール系硬化剤が好ましい。また、導体層との密着性の観点から、含窒素フェノール系硬化剤が好ましく、トリアジン骨格含有フェノール系硬化剤がより好ましい。
【0066】
フェノール系硬化剤及びナフトール系硬化剤の具体例としては、例えば、明和化成社製の「MEH-7700」、「MEH-7810」、「MEH-7851」、日本化薬社製の「NHN」、「CBN」、「GPH」、新日鉄住金化学社製の「SN170」、「SN180」、「SN190」、「SN475」、「SN485」、「SN495」、「SN-495V」、「SN375」、「SN395」、DIC社製の「TD-2090」、「LA-7052」、「LA-7054」、「LA-1356」、「LA3018-50P」、「EXB-9500」、「KA-1163」等が挙げられる。
【0067】
ベンゾオキサジン系硬化剤の具体例としては、昭和高分子社製の「HFB2006M」、四国化成工業社製の「P-d」、「F-a」が挙げられる。
【0068】
シアネートエステル系硬化剤としては、例えば、ビスフェノールAジシアネート、ポリフェノールシアネート、オリゴ(3-メチレン-1,5-フェニレンシアネート)、4,4’-メチレンビス(2,6-ジメチルフェニルシアネート)、4,4’-エチリデンジフェニルジシアネート、ヘキサフルオロビスフェノールAジシアネート、2,2-ビス(4-シアネート)フェニルプロパン、1,1-ビス(4-シアネートフェニルメタン)、ビス(4-シアネート-3,5-ジメチルフェニル)メタン、1,3-ビス(4-シアネートフェニル-1-(メチルエチリデン))ベンゼン、ビス(4-シアネートフェニル)チオエーテル、及びビス(4-シアネートフェニル)エーテル等の2官能シアネート樹脂、フェノールノボラック及びクレゾールノボラック等から誘導される多官能シアネート樹脂、これらシアネート樹脂が一部トリアジン化したプレポリマーなどが挙げられる。シアネートエステル系硬化剤の具体例としては、ロンザジャパン社製の「PT30」及び「PT60」(フェノールノボラック型多官能シアネートエステル樹脂)、「ULL-950S」(多官能シアネートエステル樹脂)、「BA230」、「BA230S75」(ビスフェノールAジシアネートの一部又は全部がトリアジン化され三量体となったプレポリマー)等が挙げられる。
【0069】
カルボジイミド系硬化剤は、1分子中にカルボジイミド基(-N=C=N-)を1個以上有する化合物であり、カルボジイミド系硬化剤は、1分子中にカルボジイミド基を2個以上有する化合物が好ましい。
【0070】
カルボジイミド系硬化剤の具体例としては、市販のカルボジイミド系硬化剤としては、例えば、日清紡ケミカル社製のカルボジライトV-03(カルボジイミド基当量:216、V-05(カルボジイミド基当量:262)、V-07(カルボジイミド基当量:200);V-09(カルボジイミド基当量:200);ラインケミー社製のスタバクゾールP(カルボジイミド基当量:302)が挙げられる。
【0071】
活性エステル系硬化剤としては、特に制限はないが、一般にフェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N-ヒドロキシアミンエステル類、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等の、反応活性の高いエステル基を1分子中に2個以上有する化合物が好ましく用いられる。当該活性エステル系硬化剤は、カルボン酸化合物及び/又はチオカルボン酸化合物とヒドロキシ化合物及び/又はチオール化合物との縮合反応によって得られるものが好ましい。特に耐熱性向上の観点から、カルボン酸化合物とヒドロキシ化合物とから得られる活性エステル系硬化剤が好ましく、カルボン酸化合物とフェノール化合物及び/又はナフトール化合物とから得られる活性エステル系硬化剤がより好ましい。カルボン酸化合物としては、例えば安息香酸、酢酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸等が挙げられる。フェノール化合物又はナフトール化合物としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールフタリン、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、カテコール、α-ナフトール、β-ナフトール、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエン型ジフェノール化合物、フェノールノボラック等が挙げられる。ここで、「ジシクロペンタジエン型ジフェノール化合物」とは、ジシクロペンタジエン1分子にフェノール2分子が縮合して得られるジフェノール化合物をいう。
【0072】
具体的には、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物、ナフタレン構造を含む活性エステル化合物、フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル化合物、フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル化合物が好ましく、中でもナフタレン構造を含む活性エステル化合物、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物がより好ましい。「ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造」とは、フェニレン-ジシクロペンチレン-フェニレンからなる2価の構造単位を表す。
【0073】
活性エステル系硬化剤の市販品としては、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物として、「EXB―9451」、「EXB―9460」、「EXB―9460S」、「HPC-8000-65T」、「HPC-8000H-65TM」、「HPC-8000L-65TM」(DIC社製)、ナフタレン構造を含む活性エステル化合物として、「EXB―9416-70BK」、「EXB-8100L-65T」、「EXB-8150-65T」、「EXB-8150L-65T」、「HPC-8150-60T」、「HPC-8150-62T」、「HP-B-8151-62T」(DIC社製)、フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル化合物として「DC808」(三菱ケミカル社製)、フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル化合物として「YLH1026」(三菱ケミカル社製)、フェノールノボラックのアセチル化物である活性エステル系硬化剤として「DC808」(三菱ケミカル社製)、フェノールノボラックのベンゾイル化物である活性エステル系硬化剤として「YLH1026」(三菱ケミカル社製)、「YLH1030」(三菱ケミカル社製)、「YLH1048」(三菱ケミカル社製)、スチリル基を含む活性エステル化合物として「PC1300-02-65MA」(エア・ウォーター社製)等が挙げられる。
【0074】
(B)エポキシ樹脂と(C)成分との量比は、[(B)エポキシ樹脂のエポキシ基の合計数]:[(C)成分の活性基の合計数]の比率で、1:0.01~1:5の範囲が好ましく、1:0.3~1:3がより好ましく、1:0.5~1:2がさらに好ましい。ここで、「エポキシ樹脂のエポキシ基数」とは、樹脂組成物層中に存在するエポキシ樹脂の不揮発成分の質量をエポキシ当量で除した値を全て合計した値である。また、「(C)成分の活性基数」とは、樹脂組成物層中に存在する(C)成分の不揮発成分の質量を活性基当量で除した値を全て合計した値である。(C)成分として、エポキシ樹脂との量比をかかる範囲内とすることにより、本発明の効果を顕著に得ることができる。
【0075】
(C)成分の含有量は、本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物層中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。上限は、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下である。
【0076】
-(D)硬化促進剤-
樹脂組成物層は、(D)成分として、(D)硬化促進剤を含んでいてもよい。この(D)成分としての(D)硬化促進剤には、上述した(B)~(C)成分に該当するものは含めない。(D)硬化促進剤は、(B)成分におけるエポキシ樹脂の硬化を促進させる硬化触媒としての機能を有する。
【0077】
(D)硬化促進剤としては、エポキシ樹脂の硬化を促進させる化合物を用いることができる。このような(D)硬化促進剤としては、例えば、リン系硬化促進剤、ウレア系硬化促進剤、グアニジン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、金属系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤等が挙げられる。(D)硬化促進剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0078】
リン系硬化促進剤としては、例えば、テトラブチルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムアセテート、テトラブチルホスホニウムデカノエート、テトラブチルホスホニウムラウレート、ビス(テトラブチルホスホニウム)ピロメリテート、テトラブチルホスホニウムハイドロジェンヘキサヒドロフタレート、テトラブチルホスホニウム2,6-ビス[(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)メチル]-4-メチルフェノラート、ジ-tert-ブチルジメチルホスホニウムテトラフェニルボレート等の脂肪族ホスホニウム塩;メチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、プロピルトリフェニルホスホニウムブロマイド、ブチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、p-トリルトリフェニルホスホニウムテトラ-p-トリルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラp-トリルボレート、トリフェニルエチルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリス(3-メチルフェニル)エチルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリス(2-メトキシフェニル)エチルホスホニウムテトラフェニルボレート、(4-メチルフェニル)トリフェニルホスホニウムチオシアネート、テトラフェニルホスホニウムチオシアネート、ブチルトリフェニルホスホニウムチオシアネート等の芳香族ホスホニウム塩;トリフェニルホスフィン・トリフェニルボラン等の芳香族ホスフィン・ボラン複合体;トリフェニルホスフィン・p-ベンゾキノン付加反応物等の芳香族ホスフィン・キノン付加反応物;トリブチルホスフィン、トリ-tert-ブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、ジ-tert-ブチル(2-ブテニル)ホスフィン、ジ-tert-ブチル(3-メチル-2-ブテニル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン等の脂肪族ホスフィン;ジブチルフェニルホスフィン、ジ-tert-ブチルフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、エチルジフェニルホスフィン、ブチルジフェニルホスフィン、ジフェニルシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ-o-トリルホスフィン、トリ-m-トリルホスフィン、トリ-p-トリルホスフィン、トリス(4-エチルフェニル)ホスフィン、トリス(4-プロピルフェニル)ホスフィン、トリス(4-イソプロピルフェニル)ホスフィン、トリス(4-ブチルフェニル)ホスフィン、トリス(4-tert-ブチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,4-ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,5-ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,6-ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,4,6-トリメチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,6-ジメチル-4-エトキシフェニル)ホスフィン、トリス(2-メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(4-メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(4-エトキシフェニル)ホスフィン、トリス(4-tert-ブトキシフェニル)ホスフィン、ジフェニル-2-ピリジルホスフィン、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)アセチレン、2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)ジフェニルエーテル等の芳香族ホスフィン等が挙げられる。
【0079】
ウレア系硬化促進剤としては、例えば、1,1-ジメチル尿素;1,1,3-トリメチル尿素、3-エチル-1,1-ジメチル尿素、3-シクロヘキシル-1,1-ジメチル尿素、3-シクロオクチル-1,1-ジメチル尿素等の脂肪族ジメチルウレア;3-フェニル-1,1-ジメチル尿素、3-(4-クロロフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(3,4-ジクロロフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(3-クロロ-4-メチルフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(2-メチルフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(4-メチルフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(3,4-ジメチルフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(4-イソプロピルフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(4-メトキシフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(4-ニトロフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-[4-(4-メトキシフェノキシ)フェニル]-1,1-ジメチル尿素、3-[4-(4-クロロフェノキシ)フェニル]-1,1-ジメチル尿素、3-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,1-ジメチル尿素、N,N-(1,4-フェニレン)ビス(N’,N’-ジメチル尿素)、N,N-(4-メチル-1,3-フェニレン)ビス(N’,N’-ジメチル尿素)〔トルエンビスジメチルウレア〕等の芳香族ジメチルウレア等が挙げられる。
【0080】
グアニジン系硬化促進剤としては、例えば、ジシアンジアミド、1-メチルグアニジン、1-エチルグアニジン、1-シクロヘキシルグアニジン、1-フェニルグアニジン、1-(o-トリル)グアニジン、ジメチルグアニジン、ジフェニルグアニジン、トリメチルグアニジン、テトラメチルグアニジン、ペンタメチルグアニジン、1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、7-メチル-1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、1-メチルビグアニド、1-エチルビグアニド、1-n-ブチルビグアニド、1-n-オクタデシルビグアニド、1,1-ジメチルビグアニド、1,1-ジエチルビグアニド、1-シクロヘキシルビグアニド、1-アリルビグアニド、1-フェニルビグアニド、1-(o-トリル)ビグアニド等が挙げられる。
【0081】
イミダゾール系硬化促進剤としては、例えば、2-メチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-ウンデシルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-エチル-4’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物、2-フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ベンズイミダゾール、1-ドデシル-2-メチル-3-ベンジルイミダゾリウムクロライド、2-メチルイミダゾリン、2-フェニルイミダゾリン等のイミダゾール化合物及びイミダゾール化合物とエポキシ樹脂とのアダクト体が挙げられる。イミダゾール系硬化促進剤の市販品としては、例えば、四国化成工業社製の「1B2PZ」、「2E4MZ」、「2MZA-PW」、「2MZ-OK」、「2MA-OK」、「2MA-OK-PW」、「2PHZ」、「2PHZ-PW」、「Cl1Z」、「Cl1Z-CN」、「Cl1Z-CNS」、「C11Z-A」;三菱ケミカル社製の「P200-H50」等が挙げられる。
【0082】
金属系硬化促進剤としては、例えば、コバルト、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、マンガン、スズ等の金属の、有機金属錯体又は有機金属塩が挙げられる。有機金属錯体の具体例としては、コバルト(II)アセチルアセトナート、コバルト(III)アセチルアセトナート等の有機コバルト錯体、銅(II)アセチルアセトナート等の有機銅錯体、亜鉛(II)アセチルアセトナート等の有機亜鉛錯体、鉄(III)アセチルアセトナート等の有機鉄錯体、ニッケル(II)アセチルアセトナート等の有機ニッケル錯体、マンガン(II)アセチルアセトナート等の有機マンガン錯体等が挙げられる。有機金属塩としては、例えば、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸スズ、ステアリン酸亜鉛等が挙げられる。
【0083】
アミン系硬化促進剤としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン等のトリアルキルアミン、4-ジメチルアミノピリジン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6,-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)-ウンデセン等が挙げられる。アミン系硬化促進剤としては、市販品を用いてもよく、例えば、味の素ファインテクノ社製の「MY-25」等が挙げられる。
【0084】
(D)硬化促進剤の含有量は、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物層中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上であり、好ましくは1.5質量%以下、より好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以下である。
【0085】
-(E)熱可塑性樹脂-
樹脂組成物層は、(E)熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。この(E)成分としての(E)熱可塑性樹脂には、上述した(B)~(D)成分に該当するものは含めない。
【0086】
(E)熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。(E)熱可塑性樹脂は、1種類単独で用いてもよく、又は2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0087】
フェノキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA骨格、ビスフェノールF骨格、ビスフェノールS骨格、ビスフェノールアセトフェノン骨格、ノボラック骨格、ビフェニル骨格、フルオレン骨格、ジシクロペンタジエン骨格、ノルボルネン骨格、ナフタレン骨格、アントラセン骨格、アダマンタン骨格、テルペン骨格、及びトリメチルシクロヘキサン骨格からなる群から選択される1種類以上の骨格を有するフェノキシ樹脂が挙げられる。フェノキシ樹脂の末端は、フェノール性水酸基、エポキシ基等のいずれの官能基でもよい。フェノキシ樹脂の具体例としては、三菱ケミカル社製の「1256」及び「4250」(いずれもビスフェノールA骨格含有フェノキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YX8100」(ビスフェノールS骨格含有フェノキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YX6954」(ビスフェノールアセトフェノン骨格含有フェノキシ樹脂);新日鉄住金化学社製の「FX280」及び「FX293」;三菱ケミカル社製の「YL7500BH30」、「YX6954BH30」、「YX7553」、「YX7553BH30」、「YL7769BH30」、「YL6794」、「YL7213」、「YL7290」、「YL7482」及び「YL7891BH30」;等が挙げられる。
【0088】
ポリイミド樹脂の具体例としては、荒川化学工業社製の「PIAD100H」、信越化学工業社製「SLK-6100」、新日本理化社製の「リカコートSN20」及び「リカコートPN20」等が挙げられる。
【0089】
ポリビニルアセタール樹脂としては、例えば、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂が挙げられ、ポリビニルブチラール樹脂が好ましい。ポリビニルアセタール樹脂の具体例としては、電気化学工業社製の「電化ブチラール4000-2」、「電化ブチラール5000-A」、「電化ブチラール6000-C」、「電化ブチラール6000-EP」;積水化学工業社製のエスレックBHシリーズ、BXシリーズ(例えばBX-5Z)、KSシリーズ(例えばKS-1)、BLシリーズ、BMシリーズ;等が挙げられる。
【0090】
ポリオレフィン樹脂としては、例えば低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-アクリル酸メチル共重合体等のエチレン系共重合樹脂;ポリプロピレン、エチレン-プロピレンブロック共重合体等のポリオレフィン系重合体等が挙げられる。
【0091】
ポリブタジエン樹脂としては、例えば、水素化ポリブタジエン骨格含有樹脂、ヒドロキシ基含有ポリブタジエン樹脂、フェノール性水酸基含有ポリブタジエン樹脂、カルボキシ基含有ポリブタジエン樹脂、酸無水物基含有ポリブタジエン樹脂、エポキシ基含有ポリブタジエン樹脂、イソシアネート基含有ポリブタジエン樹脂、ウレタン基含有ポリブタジエン樹脂、ポリフェニレンエーテル-ポリブタジエン樹脂等が挙げられる。
【0092】
ポリアミドイミド樹脂の具体例としては、東洋紡社製の「バイロマックスHR11NN」及び「バイロマックスHR16NN」が挙げられる。ポリアミドイミド樹脂の具体例としてはまた、日立化成社製の「KS9100」、「KS9300」(ポリシロキサン骨格含有ポリアミドイミド)等の変性ポリアミドイミドが挙げられる。
【0093】
ポリエーテルスルホン樹脂の具体例としては、住友化学社製の「PES5003P」等が挙げられる。
【0094】
ポリスルホン樹脂の具体例としては、ソルベイアドバンストポリマーズ社製のポリスルホン「P1700」、「P3500」等が挙げられる。
【0095】
ポリフェニレンエーテル樹脂の具体例としては、SABIC製「NORYL SA90」等が挙げられる。ポリエーテルイミド樹脂の具体例としては、GE社製の「ウルテム」等が挙げられる。
【0096】
ポリカーボネート樹脂としては、例えば、ヒドロキシ基含有カーボネート樹脂、フェノール性水酸基含有カーボネート樹脂、カルボキシ基含有カーボネート樹脂、酸無水物基含有カーボネート樹脂、イソシアネート基含有カーボネート樹脂、ウレタン基含有カーボネート樹脂等が挙げられる。ポリカーボネート樹脂の具体例としては、三菱瓦斯化学社製の「FPC0220」、旭化成ケミカルズ社製の「T6002」、「T6001」(ポリカーボネートジオール)、クラレ社製の「C-1090」、「C-2090」、「C-3090」(ポリカーボネートジオール)等が挙げられる。ポリエーテルエーテルケトン樹脂の具体例としては、住友化学社製の「スミプロイK」等が挙げられる。
【0097】
ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンナフタレート樹脂、ポリシクロヘキサンジメチルテレフタレート樹脂等が挙げられる。
【0098】
(E)熱可塑性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは5,000より大きく、より好ましくは8,000以上、さらに好ましくは10,000以上、特に好ましくは20,000以上であり、好ましくは100,000以下、より好ましくは70,000以下、さらに好ましくは60,000以下、特に好ましくは50,000以下である。
【0099】
(E)熱可塑性樹脂の含有量は、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物層中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、特に好ましくは0.3質量%以上であり、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、特に好ましくは2質量%以下である。
【0100】
-(F)有機充填材-
樹脂組成物層は、(F)成分として、(F)有機充填材を含んでいてもよい。この(F)成分としての(F)有機充填材には、上述した(A)~(E)成分に該当するものは含めない。有機充填材としては、プリント配線板の絶縁層を形成するに際し使用し得る任意の有機充填材を使用してよく、例えば、ゴム粒子、ポリアミド微粒子、シリコーン粒子等が挙げられる。
【0101】
ゴム粒子としては、市販品を用いてもよく、例えば、ダウ・ケミカル日本社製の「EXL2655」、アイカ工業社製の「AC3401N」、「AC3816N」等が挙げられる。
【0102】
(F)有機充填材の含有量は、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上であり、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下、さらに好ましくは1.5質量%以下である。
【0103】
-(G)その他の添加剤-
樹脂組成物層は、任意の不揮発成分として、(G)その他の添加剤を含んでいてもよい。(G)任意の添加剤としては、例えば、有機充填材;重合開始剤;有機銅化合物、有機亜鉛化合物、有機コバルト化合物等の有機金属化合物;フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アイオディングリーン、ジアゾイエロー、クリスタルバイオレット、酸化チタン、カーボンブラック等の着色剤;ハイドロキノン、カテコール、ピロガロール、フェノチアジン等の重合禁止剤;シリコーン系レベリング剤、アクリルポリマー系レベリング剤等のレベリング剤;ベントン、モンモリロナイト等の増粘剤;シリコーン系消泡剤、アクリル系消泡剤、フッ素系消泡剤、ビニル樹脂系消泡剤等の消泡剤;ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤等の紫外線吸収剤;尿素シラン等の接着性向上剤;トリアゾール系密着性付与剤、テトラゾール系密着性付与剤、トリアジン系密着性付与剤等の密着性付与剤;ヒンダードフェノール系酸化防止剤等の酸化防止剤;スチルベン誘導体等の蛍光増白剤;フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等の界面活性剤;リン系難燃剤(例えばリン酸エステル化合物、ホスファゼン化合物、ホスフィン酸化合物、赤リン)、窒素系難燃剤(例えば硫酸メラミン)、ハロゲン系難燃剤、無機系難燃剤(例えば三酸化アンチモン)等の難燃剤;リン酸エステル系分散剤、ポリオキシアルキレン系分散剤、アセチレン系分散剤、シリコーン系分散剤、アニオン性分散剤、カチオン性分散剤等の分散剤;ボレート系安定剤、チタネート系安定剤、アルミネート系安定剤、ジルコネート系安定剤、イソシアネート系安定剤、カルボン酸系安定剤、カルボン酸無水物系安定剤等の安定剤;第三級アミン類等の光重合開始助剤;ピラリゾン類、アントラセン類、クマリン類、キサントン類、チオキサントン類等の光増感剤;が挙げられる。(G)任意の添加剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0104】
樹脂組成物層は、揮発成分としての溶剤を含んでいてもよい。有機溶剤等の溶剤の量は、樹脂組成物層の弾性率を調整する観点から少ないことが好ましい。樹脂組成物層中の溶剤の量(残留溶剤量)は、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは2.5質量%以下、さらにより好ましくは2質量%以下、特に好ましくは1質量%以下である。下限は特に制限はないが、0.0001質量%以上等とし得る。残留溶剤量は、後述する実施例に記載の方法にて測定することができる。
【0105】
溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン等のケトン類、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、エチルジグリコールアセテート等のエステル類、オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素類、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
【0106】
樹脂組成物層は、本発明の効果を顕著に得る観点から、液状樹脂を含むことが好ましい。液状樹脂とは、(B)~(G)成分のうち、温度20℃で液状の樹脂をいう。液状樹脂としては、液状エポキシ樹脂が好ましい。
【0107】
液状樹脂の含有量としては、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物層中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上である。液状樹脂の含有量の上限は、本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、特に好ましくは8質量%以下である。
【0108】
<保護フィルム>
金属箔付き樹脂シートは、保護フィルムを含む。保護フィルムを金属箔付き樹脂シートに積層することにより、樹脂組成物層の表面へのゴミ等の付着やキズを抑制することができる。
【0109】
保護フィルムとしては、例えば、プラスチック材料からなるフィルム、金属箔、離型紙が挙げられ、プラスチック材料からなるフィルム、金属箔が好ましい。
【0110】
保護フィルムとしてプラスチック材料からなるフィルムを使用する場合、プラスチック材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート(以下「PEN」と略称することがある。)等のポリエステル、ポリカーボネート(以下「PC」と略称することがある。)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル、環状ポリオレフィン、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエーテルサルファイド(PES)、ポリエーテルケトン、ポリイミド等が挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好ましく、安価なポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
【0111】
保護フィルムとして金属箔を使用する場合、金属箔としては、例えば、銅箔、アルミニウム箔等が挙げられ、銅箔が好ましい。銅箔としては、銅の単金属からなる箔を用いてもよく、銅と他の金属(例えば、スズ、クロム、銀、マグネシウム、ニッケル、ジルコニウム、ケイ素、チタン等)との合金からなる箔を用いてもよい。
【0112】
保護フィルムは、樹脂組成物層と接合する面にマット処理、コロナ処理、帯電防止処理を施してあってもよい。
【0113】
また、保護フィルムとしては、樹脂組成物層と接合する面に離型層を有する離型層付き保護フィルムを使用してもよい。離型層付き保護フィルムの離型層に使用する離型剤としては、例えば、アルキド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、及びシリコーン樹脂からなる群から選択される1種以上の離型剤が挙げられる。離型層付き保護フィルムは、市販品を用いてもよく、例えば、アルキド樹脂系離型剤を主成分とする離型層を有するPETフィルムである、リンテック社製の「SK-1」、「AL-5」、「AL-7」、東レ社製の「ルミラーT60」、「ルミラーR80」、「ルミラー」、帝人社製の「ピューレックス」、ユニチカ社製の「ユニピール」等が挙げられる。
【0114】
保護フィルムの厚みは上記したとおりである。保護フィルムが、離型層付き保護フィルム等の複層構造である場合、保護フィルム全体の厚さが斯かる範囲であることが好ましい。
【0115】
<金属箔付き樹脂シートの製造方法、及びロール状の金属箔付き樹脂シートの製造方法>
金属箔付き樹脂シートの製造方法は、例えば、樹脂組成物層に含まれる成分を溶剤に溶解した樹脂ワニスを調製し、この樹脂ワニスを、ダイコーター等を用いて保護フィルム上に塗布し、更に乾燥させて、保護フィルム上に樹脂組成物層を形成させる。次いで、樹脂組成物層の表面に、ロールラミネーター等を用いて金属箔を貼り合わせることで金属箔付き樹脂シートを製造することができる。溶剤については上述したものを用いることができる。
【0116】
乾燥は、加熱、熱風吹きつけ等の公知の方法により実施してよい。乾燥条件は特に限定されないが、樹脂組成物層中の有機溶剤の含有量が10質量%以下、好ましくは5質量%以下となるように乾燥させる。樹脂ワニス中の溶剤の沸点によっても異なるが、例えば30質量%~60質量%の溶剤を含む樹脂ワニスを用いる場合、50℃~150℃で3分間~10分間乾燥させることにより、樹脂組成物層を形成することができる。
【0117】
なお、金属箔付き樹脂シートは、金属箔上に樹脂ワニスを塗布し、更に乾燥させて樹脂組成物層を形成させることにより製造してもよい。
【0118】
金属箔付き樹脂シートは、ロール状に巻き取ることで、ロール状の金属箔付き樹脂シートを製造することができる。金属箔付き樹脂シートは、金属箔が外側、保護フィルムが内側となるように巻き取ることが好ましい。
【0119】
ロール状の金属箔付き樹脂シートの巻き径は、本発明の効果を顕著に得る観点から、好ましくは5cm以上、より好ましくは6cm以上、さらに好ましくは7cm以上であり、好ましくは20cm以下、より好ましくは16cm以下、さらに好ましくは12cm以下である。巻き径を斯かる範囲内となるように金属箔付き樹脂シートをロール状に巻き取っても、本発明の金属箔付き樹脂シートは、式(1)及び式(2)を満たすので、各層にかかる応力の増大を抑制することができる。ロール状の金属箔付き樹脂シートの巻き径とは、巻き芯の直径を表す。
【0120】
<金属箔付き樹脂シートの物性等>
本発明の金属箔付き樹脂シートは、各層の弾性率及び厚みが式(1)及び式(2)を満たすので、ロール状の金属箔付き樹脂シートが製造可能という特性を示す。よって、本発明の金属箔付き樹脂シートは、ロール形成性に優れる。金属箔付き樹脂シートを40cm×40cmに切り出し、25℃、巻取り張力0.2kgf/cm、巻取り速度5m/分で直径6cmの円柱に巻き付けた際に、金属箔付き樹脂シートに折れ又は割れが発生していない。ロール形成性の評価は、後述する実施例に記載の方法にて測定することができる。
【0121】
本発明の金属箔付き樹脂シートは、通常、樹脂組成物層の硬化物の線熱膨張係数(CTE)が低いという特性を示す。よって、前記硬化物は、線熱膨張係数が低い絶縁層をもたらす。線熱膨張係数は、好ましくは40ppm/℃以下、より好ましくは35ppm/℃以下、より好ましくは30ppm/℃以下である。下限は特に限定されないが、1ppm/℃以上等とし得る。線熱膨張係数の測定は、後述する実施例に記載の方法に従って測定することができる。
【0122】
本発明の金属箔付き樹脂シートは、通常、樹脂組成物層の硬化物のガラス転移温度(Tg)が高いという特性を示す。よって、ガラス転移温度が高い絶縁層をもたらす。樹脂組成物層の硬化物のガラス転移温度は、好ましくは140℃以上、より好ましくは145℃以上、さらに好ましくは150℃以上である。上限値は、特に制限されないが、例えば、300℃以下等とし得る。ガラス転移温度(Tg)の測定は、後述する実施例に記載の方法によって測定することができる。
【0123】
本発明の金属箔付き樹脂シートは、通常、樹脂組成物層の硬化物の破断点強度が高いという特性を示す。よって、破断点強度が高い絶縁層をもたらす。破断点強度は、好ましくは50MPa以上、より好ましくは80MPa以上、さらに好ましくは100MPa以上である。上限値は、特に制限されないが、例えば、300MPa以下等とし得る。破断点強度の測定は、後述する実施例に記載の方法にて測定することができる。
【0124】
本発明の金属箔付き樹脂シートは、通常、保護フィルムを剥離した金属箔付き樹脂シートを内層基板と接合させても、金属箔に皺が生じないという特性を示す。よって、本発明の金属箔付き樹脂シートは、ラミネート性に優れる。例えば、金属箔付き樹脂シートの保護フィルムを剥離し、真空ラミネーターを用いて樹脂組成物層が下地処理内層基板と接するようにラミネートする。このラミネートした下地処理内層基板上の金属箔は、通常、皺が生じていない。ラミネート性の評価は、後述する実施例に記載の方法にて測定することができる。
【0125】
本発明の金属箔付き樹脂シートは、通常、樹脂組成物層の一部が保護フィルムとともに剥離されてしまうことが抑制されるという特性を示す。よって、本発明の金属箔付き樹脂シートは、剥離性に優れる。例えば、保護フィルムを剥離した金属箔付き樹脂シートの樹脂組成物層の面を目視すると、樹脂組成物層の一部が保護フィルムと共に剥離されておらず、金属箔が露出していない。剥離性の評価は、後述する実施例に記載の方法にて測定することができる。
【0126】
本発明の金属箔付き樹脂シートは、ロール形成性に優れるとともに、破断点強度及びガラス転移温度が高く、線熱膨張係数が低い絶縁層をもたらすことができる。したがって、本発明の金属箔付き樹脂シートは、回路基板の製造において、絶縁層と導体層の両層を形成するための樹脂シート(絶縁層及び導体層形成用)として好適に使用することができ、回路基板の製造において、真空ホットプレス処理を用いて絶縁層と導体層の両層を形成するための樹脂シート(真空ホットプレス処理を用いた絶縁層及び導体層形成用)として好適に使用することができ、プリント配線板の製造において、絶縁層と導体層の両層を形成するための樹脂シート(絶縁層及び導体層形成用)として好適に使用することができ、プリント配線板の製造において、真空ホットプレス処理を用いて絶縁層と導体層の両層を形成するための樹脂シート(真空ホットプレス処理を用いた絶縁層及び導体層形成用)として好適に使用することができる。
【0127】
[回路基板]
本発明の回路基板は、本発明の金属箔付き樹脂シートを用いて製造することができる。すなわち、本発明の金属箔付き樹脂シートの樹脂組成物層の硬化物からなる絶縁層、及び金属箔より形成された導体層を含む回路基板が提供可能である。
【0128】
回路基板の一実施形態としてプリント配線板がある。プリント配線板は、本発明の金属箔付き樹脂シートの樹脂組成物層の硬化物からなる絶縁層、及び金属箔より形成された導体層を含む。
【0129】
プリント配線板は、例えば、上述の金属箔付き樹脂シート又はロール状金属箔付き樹脂シートを用いて、下記(I)及び(II)の工程を含む方法により製造することができる。
(I)内層基板上に、金属箔付き樹脂シートにおける樹脂組成物層を真空ホットプレス処理にて積層させる工程
(II)樹脂組成物層を熱硬化して絶縁層を形成する工程
【0130】
工程(I)で用いる「内層基板」とは、プリント配線板の基板となる部材であって、例えば、ガラスエポキシ基板、金属基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、BTレジン基板、熱硬化型ポリフェニレンエーテル基板等が挙げられる。また、該基板は、その片面又は両面に導体層を有していてもよく、この導体層はパターン加工されていてもよい。基板の片面または両面に導体層(回路)が形成された内層基板は「内層回路基板」ということがある。またプリント配線板を製造する際に、さらに絶縁層及び/又は導体層が形成されるべき中間製造物も本発明でいう「内層基板」に含まれる。プリント配線板が部品内蔵回路板である場合、部品を内蔵した内層基板を使用し得る。
【0131】
内層基板と金属箔付き樹脂シートの積層は、保護フィルムを剥離した後、真空ホットプレス処理により、金属箔付き樹脂シートの樹脂組成物層が内層基板と接合するように積層する。
【0132】
はじめに、金属箔付き樹脂シートの保護フィルムを剥離し、金属箔付き樹脂シートの樹脂組成物層と内層基板とが接合するように、内層基板及び保護フィルムを剥離した金属箔付き樹脂シートを真空ホットプレス装置にセットする。次いで、減圧条件下で内層基板と樹脂組成物層とを加熱圧着する真空ホットプレス処理を行う。
【0133】
内層基板及び保護フィルムを剥離した金属箔付き樹脂シートは、クッション紙、ステンレス板(SUS板)等の金属板、離型フィルムなどを介して真空ホットプレス装置にセットしてもよい。
【0134】
真空ホットプレス処理は、加熱されたSUS板等の金属板によって、内層基板及び保護フィルムを剥離した金属箔付き樹脂シートをその両面側から押圧する従来公知の真空ホットプレス装置を用いて実施することができる。市販の真空ホットプレス装置としては、例えば、北川精機社製の「VH1-1603」等が挙げられる。
【0135】
真空ホットプレス処理は、1回のみ実施してもよく、2回以上繰り返して実施してもよい。2回以上繰り返して実施する場合、圧着圧力、加熱温度、プレス時間等は同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0136】
真空ホットプレス処理において、圧着圧力(押圧力)は、好ましくは5kgf/cm以上、より好ましくは10kgf/cm以上、さらに好ましくは15kgf/cm以上であり、好ましくは50kgf/cm以下、より好ましくは35kgf/cm以下、さらに好ましくは25kgf/cm以下である。
【0137】
真空ホットプレス処理において、雰囲気の圧力、すなわち、処理対象の積層構造が格納されるチャンバ内の減圧時の圧力(減圧度)は、好ましくは3×10-2MPa以下、より好ましくは1×10-2MPa以下である。下限は特に制限はないが、1×10-10MPa以上等とし得る。
【0138】
真空ホットプレス処理において、加熱温度は、樹脂組成物層の組成によっても異なるが、好ましくは80℃以上、より好ましくは90℃以上、さらに好ましくは100℃以上である。加熱温度の上限は特に限定されないが、通常、300℃以下などとし得る。なお、真空ホットプレス処理における加熱により、樹脂組成物層を熱硬化させて絶縁層を形成してもよい。
【0139】
真空ホットプレス処理において、プレス時間は、好ましくは5分以上、より好ましくは10分以上、さらに好ましくは15分以上である。上限は特に限定されないが、好ましくは300分以下、より好ましくは200分以下、さらに好ましくは150分以下である。
【0140】
内層基板上に、保護フィルムを剥離した金属箔付き樹脂シートを真空プレス処理にて積層させた後、工程(II)において、樹脂組成物層を熱硬化して絶縁層を形成する。樹脂組成物層を熱硬化する方法としては、例えば、真空ホットプレス処理にてプレス処理を行う場合、プレス時の熱を用いて樹脂組成物層を熱硬化させて絶縁層を形成する方法が挙げられる。
【0141】
樹脂組成物層の熱硬化条件は特に限定されず、プリント配線板の絶縁層を形成するに際して通常採用される条件を使用してよい。
【0142】
例えば、樹脂組成物層の熱硬化条件は、樹脂組成物層の種類等によっても異なるが、硬化温度は好ましくは120℃~240℃、より好ましくは150℃~220℃、さらに好ましくは170℃~210℃である。硬化時間は好ましくは5分間~120分間、より好ましくは10分間~100分間、さらに好ましくは15分間~100分間とすることができる。
【0143】
樹脂組成物層を熱硬化させる前に、樹脂組成物層を硬化温度よりも低い温度にて予備加熱してもよい。例えば、樹脂組成物層を熱硬化させるのに先立ち、50℃以上120℃未満(好ましくは60℃以上115℃以下、より好ましくは70℃以上110℃以下)の温度にて、樹脂組成物層を5分間以上(好ましくは5分間~150分間、より好ましくは15分間~120分間、さらに好ましくは15分間~100分間)予備加熱してもよい。
【0144】
本発明で用いる金属箔付き樹脂シートは、金属箔を含むので、工程(III)として、サブトラクティブ法又はモディファイドセミアディティブ法により導体層(回路)を形成する工程を含んでいてもよい。
【0145】
工程(III)においては、金属箔付き樹脂シートにおける金属箔を利用して、サブトラクティブ法又はモディファイドセミアディティブ法により導体層を形成することができる。
【0146】
サブトラクティブ法においては、金属箔の不要部分(非回路形成部)をエッチング等によって選択的に除去して、回路を形成する。サブトラクティブ法による回路形成は公知の手順に従って実施してよい。例えば、サブトラクティブ法による回路形成は、i)金属箔の表面(すなわち、樹脂組成物層と接合している面とは反対側の面)にエッチングレジストを設けること、ii)エッチングレジストを露光、現像して配線パターンを形成すること、iii)露出した金属箔部分をエッチングして除去すること、iv)エッチングレジストを除去すること、を含む方法により実施することができる。
【0147】
モディファイドセミアディティブ法においては、金属箔の非回路形成部をめっきレジストにより保護し、電解めっきにより回路形成部に銅等の金属を厚付けした後、めっきレジストを除去し、回路形成部以外の金属箔をエッチングで除去して、回路を形成する。モディファイドセミアディティブ法による回路形成は公知の手順に従って実施してよい。例えば、モディファイドセミアディティブ法による回路形成は、i)金属箔の表面(すなわち、樹脂組成物層と接合している面とは反対側の面)にめっきレジストを設けること、ii)めっきレジストを露光、現像して配線パターンを形成すること、iii)めっきレジストを介して電解めっきすること、iv)めっきレジストを除去すること、v)回路形成部以外の金属箔をエッチングして除去すること、を含む方法により実施することができる。なお、金属箔が厚い場合には、上記i)の前に、金属箔が所望の厚さ(通常5μm以下、4μm以下、又は3μm以下)となるようにエッチング等により金属箔全面を薄化してもよい。
【0148】
プリント配線板を製造するに際しては、(IV)穴あけする工程、(V)絶縁層を粗化処理する工程をさらに実施してもよい。これらの工程(IV)乃至工程(V)は、プリント配線板の製造に用いられる、当業者に公知の各種方法に従って実施してよい。また、必要に応じて、工程(I)~工程(V)の絶縁層及び導体層の形成を繰り返して実施し、多層配線板を形成してもよい。
【0149】
[半導体装置]
本発明の半導体装置は、本発明の回路基板、又はプリント配線板を含む。本発明の半導体装置は、本発明の回路基板、又はプリント配線板を用いて製造することができる。
【0150】
半導体装置としては、電気製品(例えば、コンピューター、携帯電話、デジタルカメラ及びテレビ等)及び乗物(例えば、自動二輪車、自動車、電車、船舶及び航空機等)等に供される各種半導体装置が挙げられる。
【0151】
本発明の半導体装置は、プリント配線板の導通箇所に、部品(半導体チップ)を実装することにより製造することができる。「導通箇所」とは、「プリント配線板における電気信号を伝える箇所」であって、その場所は表面であっても、埋め込まれた箇所であってもいずれでも構わない。また、半導体チップは半導体を材料とする電気回路素子であれば特に限定されない。
【0152】
半導体装置を製造する際の半導体チップの実装方法は、半導体チップが有効に機能しさえすれば、特に限定されないが、具体的には、ワイヤボンディング実装方法、フリップチップ実装方法、バンプなしビルドアップ層(BBUL)による実装方法、異方性導電フィルム(ACF)による実装方法、非導電性フィルム(NCF)による実装方法、等が挙げられる。ここで、「バンプなしビルドアップ層(BBUL)による実装方法」とは、「半導体チップをプリント配線板の凹部に直接埋め込み、半導体チップとプリント配線板上の配線とを接続させる実装方法」のことである。
【実施例0153】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下において、「部」及び「%」は、別途明示のない限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。
【0154】
<配合例1> 樹脂ワニス1の調製
ビフェニル型エポキシ樹脂(日本化薬社製「NC3000L」、エポキシ当量約269g/eq.)20部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製「828EL」、エポキシ当量約180g/eq.)15部、ビシクロヘキシル型エポキシ樹脂(ダイセル社製「セロキサイド8010」、エポキシ当量約97g/eq.)5部にメチルエチルケトン(MEK)40部を加え、攪拌しながら加熱溶解させた。これを室温にまで冷却し、エポキシ樹脂溶解組成物を調製した。このエポキシ樹脂溶解組成物にトリアジン骨格含有フェノール系硬化剤(DIC社製「LA-3018-50P」、活性基当量約151g/eq.不揮発成分率50%の2-メトキシプロパノール溶液)10部、活性エステル化合物(DIC社製「HPC-8000-65T」、活性エステル基当量約223g/eq.、不揮発成分率65%のトルエン溶液)50部、シランカップリング剤(信越化学工業社製「KBM-573」)で表面処理された球形シリカ(アドマテックス社製「SO-C2」、平均粒径0.5μm)180部、アミン系硬化促進剤(4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)、固形分5質量%のMEK溶液)4部、イミダゾール系硬化促進剤(四国化成社製「1B2PZ」、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、固形分10質量%のMEK溶液)5部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニス1を調製した。
【0155】
<配合例2> 樹脂ワニス2の調製
配合例1において、
1)ビフェニル型エポキシ樹脂(日本化薬社製「NC3000L」、エポキシ当量約269g/eq.)の量を20部から10部に変え、
2)さらに、ビキシレノール型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製「YX4000HK」)10部を用いた。
以上の事項以外は配合例1と同様にして樹脂ワニス2を作製した。
【0156】
<配合例3> 樹脂ワニス3の調製
配合例1において、
1)ビフェニル型エポキシ樹脂(日本化薬社製「NC3000L」、エポキシ当量約269g/eq.)の量を20部から10部に変え、
2)さらにナフタレン型エポキシ樹脂(DIC社製「HP4032SS」)10部を用いた。
以上の事項以外は配合例1と同様にして樹脂ワニス3を作製した。
【0157】
<配合例4> 樹脂ワニス4の調製
配合例1において、
1)ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製「828EL」、エポキシ当量約180g/eq.)の量を15部から20部に変え、
2)ビシクロヘキシル型エポキシ樹脂(ダイセル社製「セロキサイド8010」、エポキシ当量約97g/eq.)を用いなかった。
以上の事項以外は配合例1と同様にして樹脂ワニス4を作製した。
【0158】
<配合例5> 樹脂ワニス5の調製
配合例1において、
1)トリアジン骨格含有フェノール系硬化剤(DIC社製「LA-3018-50P」、活性基当量約151g/eq.不揮発成分率50%の2-メトキシプロパノール溶液)の量を10部から75部に変え、
2)活性エステル化合物(DIC社製「HPC-8000-65T」、活性エステル基当量約223g/eq.、不揮発成分率65%のトルエン溶液)を用いなかった。
以上の事項以外は配合例1と同様にして樹脂ワニス5を作製した。
【0159】
<配合例6> 樹脂ワニス6の調製
配合例1において、
さらにフェノキシ樹脂(三菱ケミカル社製「YX7553BH30」、不揮発分30質量%のMEKとシクロヘキサノンの1:1溶液)17部を用いた。
以上の事項以外は配合例1と同様にして樹脂ワニス6を作製した。
【0160】
<配合例7> 樹脂ワニス7の調製
配合例1において、
さらにポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業社製「KS-1」、固形分20質量%のトルエン溶液)25部を用いた。
以上の事項以外は配合例1と同様にして樹脂ワニス7を作製した。
【0161】
<配合例8> 樹脂ワニス8の調製
配合例1において、
ポリイミド樹脂(荒川化学工業社製「PIAD100H」、不揮発分30質量%のシクロヘキサノンとメチルシクロヘキサン混合溶液)17部を用いた。
以上の事項以外は配合例1と同様にして樹脂ワニス8を作製した。
【0162】
<配合例9> 樹脂ワニス9の調製
配合例1において、
さらにカルボジイミド樹脂(日清紡ケミカル社製「V-03」、活性基当量約216g/eq.、不揮発分50質量%のトルエン溶液)10部を用いた。
以上の事項以外は配合例1と同様にして樹脂ワニス9を作製した。
【0163】
<配合例10> 樹脂ワニス10の調製
配合例1において、
さらに有機充填剤(ゴム粒子、アイカ工業社製「スタフィロイドAC3816N」)2部を用いた。
以上の事項以外は配合例1と同様にして樹脂ワニス10を作製した。
【0164】
<配合例11> 樹脂ワニス11の調製
配合例1において、
シランカップリング剤(信越化学工業社製「KBM-573」)で表面処理された球形シリカ(アドマテックス社製「SO-C2」、平均粒径0.5μm)の量を180部から220部に変えた。
以上の事項以外は配合例1と同様にして樹脂ワニス11を作製した。
【0165】
<配合例12> 樹脂ワニス12の調製
配合例1において、
1)ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製「828EL」、エポキシ当量約180g/eq.)の量を15部から10部に変え、
2)シランカップリング剤(信越化学工業社製「KBM-573」)で表面処理された球形シリカ(アドマテックス社製「SO-C2」、平均粒径0.5μm)の量を180部から100部に変えた。
以上の事項以外は配合例1と同様にして樹脂ワニス12を作製した。
【0166】
<配合例13> 樹脂ワニス13の調製
配合例1において、
1)ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製「828EL」、エポキシ当量約180g/eq.)の量を15部から20部に変え、
2)シランカップリング剤(信越化学工業社製「KBM-573」)で表面処理された球形シリカ(アドマテックス社製「SO-C2」、平均粒径0.5μm)の量を180部から370部に変えた。
以上の事項以外は配合例1と同様にして、樹脂ワニス13を作製した。
【0167】
<配合例14> 樹脂ワニス14の調製
配合例1において、
1)ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製「828EL」、エポキシ当量約180g/eq.)の量を15部から5部に変え、
2)ビシクロヘキシル型エポキシ樹脂(ダイセル社製「セロキサイド8010」、エポキシ当量約97g/eq.)の量を5部から2部に変え、
3)シランカップリング剤(信越化学工業社製「KBM-573」)で表面処理された球形シリカ(アドマテックス社製「SO-C2」、平均粒径0.5μm)の量を180部から40部に変えた。
以上の事項以外は配合例1と同様にして樹脂ワニス14を作製した。
【0168】
<配合例15> 樹脂ワニス15の調製
配合例1において、
1)ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製「828EL」、エポキシ当量約180g/eq.)の量を15部から25部に変え、
2)ビシクロヘキシル型エポキシ樹脂(ダイセル社製「セロキサイド8010」、エポキシ当量約97g/eq.)の量を5部から10部に変えた。
3)ビフェニル型エポキシ樹脂(日本化薬社製「NC3000L」、エポキシ当量約269g/eq.)の量を20部から5部に変えた。
以上の事項以外は配合例1と同様にして樹脂ワニス15を作製した。
【0169】
<配合例16> 樹脂ワニス16の調製
配合例1において、
1)ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製「828EL」、エポキシ当量約180g/eq.)の量を15部から4部に変え、
2)ビフェニル型エポキシ樹脂(日本化薬社製「NC3000L」、エポキシ当量約269g/eq.)の量を20部から30部に変えた。
以上の事項以外は配合例1と同様にして樹脂ワニス16を作製した。
【0170】
<実施例1>
配合例1で得られた樹脂ワニス1を、保護フィルム1である離型処理付きポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製「ルミラーR80、厚さ38μm)の離型面上に樹脂組成物層の厚みが40μmとなるようにダイコーターにて塗布し、残留溶剤量(残留溶剤量の測定方法は後述する。)が1.8%となるように80~120℃(平均100℃)で6分間乾燥し、保護フィルム付きシート得た。続いて樹脂組成物層の表面に金属箔1であるキャリア銅箔及び極薄銅箔を備えるキャリア付き銅箔(三井金属鉱業社製「マイクロシンMT18Ex」、厚さ3μmの極薄銅箔/厚さ18μmのキャリア銅箔)の極薄銅箔が樹脂組成物層と接するように、金属箔1をロールラミネーター(大成ラミネーター社製、「FIRST LAMINATOR VA-770H」)を用い、ロール加圧力0.25MPa、送り速度0.3m/min、ロール温度90℃で貼り合わせ、金属箔付き樹脂シート1を得た。
【0171】
<実施例2>
実施例1において、樹脂ワニス1を樹脂ワニス2に変えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして金属箔付き樹脂シート2を得た。
【0172】
<実施例3>
実施例1において、樹脂ワニス1を樹脂ワニス3に変えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして金属箔付き樹脂シート3を得た。
【0173】
<実施例4>
実施例1において、樹脂ワニス1を樹脂ワニス4に変えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして金属箔付き樹脂シート4を得た。
【0174】
<実施例5>
実施例1において、樹脂ワニス1を樹脂ワニス5に変えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして金属箔付き樹脂シート5を得た。
【0175】
<実施例6>
実施例1において、樹脂ワニス1を樹脂ワニス6に変えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして金属箔付き樹脂シート6を得た。
【0176】
<実施例7>
実施例1において、樹脂ワニス1を樹脂ワニス7に変えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして金属箔付き樹脂シート7を得た。
【0177】
<実施例8>
実施例1において、樹脂ワニス1を樹脂ワニス8に変えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして金属箔付き樹脂シート8を得た。
【0178】
<実施例9>
実施例1において、樹脂ワニス1を樹脂ワニス9に変えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして金属箔付き樹脂シート9を得た。
【0179】
<実施例10>
実施例1において、樹脂ワニス1を樹脂ワニス10に変えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして金属箔付き樹脂シート10を得た。
【0180】
<実施例11>
実施例1において、樹脂ワニス1を樹脂ワニス11に変えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして金属箔付き樹脂シート11を得た。
【0181】
<実施例12>
実施例1において、樹脂ワニス1を樹脂ワニス12に変えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして金属箔付き樹脂シート12を得た。
【0182】
<実施例13>
実施例1において、樹脂組成物層の厚みを40μmから10μmに変えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして金属箔付き樹脂シート13を得た。
【0183】
<実施例14>
実施例1において、保護フィルム1である離型処理付きポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製「ルミラーR80」、厚さ38μm)を、保護フィルム2である離型処理付きポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製「ルミラー」、厚さ12μm)に変えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして金属箔付き樹脂シート14を得た。
【0184】
<実施例15>
実施例1において、金属箔1であるキャリア銅箔及び極薄銅箔を備えるキャリア付き銅箔(三井金属鉱業社製「マイクロシンMT18Ex」、厚さ3μmの極薄銅箔/厚さ18μmのキャリア銅箔)を、金属箔2である銅箔(JX金属社製「HA-V2」、厚さ6μm)に変えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして金属箔付き樹脂シート15を得た。
【0185】
<比較例1>
実施例1において、樹脂ワニス1を樹脂ワニス13に変えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして金属箔付き樹脂シート16を得た。
【0186】
<比較例2>
実施例1において、樹脂ワニス1を樹脂ワニス14に変えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして金属箔付き樹脂シート17を得た。
【0187】
<比較例3>
実施例1において、樹脂ワニス1を樹脂ワニス15に変えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして金属箔付き樹脂シート18を得た。
【0188】
<比較例4>
実施例1において、樹脂ワニス1を樹脂ワニス16に変えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして金属箔付き樹脂シート19を得た。
【0189】
<比較例5>
実施例1において、保護フィルム1である離型処理付きポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製「ルミラーR80、厚さ38μm)を、保護フィルム3である離型処理付きポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製「ルミラー」、厚さ2μm)に変えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして金属箔付き樹脂シート20を得た。
【0190】
<比較例6>
実施例1において、保護フィルム1であるである離型処理付きポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製「ルミラーR80、厚さ38μm)を、保護フィルム4である離型処理付きポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製「ルミラー」、厚さ250μm)に変えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして金属箔付き樹脂シート21を得た。
【0191】
<比較例7>
実施例1において、金属箔付き樹脂シート1の厚さ18μmのキャリア銅箔を剥離し、金属箔の厚さを3μmとした。この金属箔を金属箔3という。以上の事項以外は実施例1と同様にして金属箔付き樹脂シート22を得た。
【0192】
<比較例8>
実施例1において、金属箔1であるキャリア銅箔及び極薄銅箔を備えるキャリア付き銅箔(三井金属鉱業社製「マイクロシンMT18Ex」、厚さ3μmの極薄銅箔/厚さ18μmのキャリア銅箔)を、金属箔4である銅箔(JX金属社製「HA-V2」、厚さ150μm)に変えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして金属箔付き樹脂シート23を得た。
【0193】
<厚みの測定>
金属箔付き樹脂シート1~23における各層の厚みは、接触式膜厚計(ミツトヨ社製、MCD-25MJ)を用いて測定した。なお、樹脂組成物層の厚みは、金属箔を貼り合わせる前に前記接触式膜厚計を用いて測定した。
【0194】
<金属箔及び保護フィルムの弾性率の測定>
金属箔及び保護フィルムをダンベル状1号形に切り出し、試験片を得た。該試験片を、オリエンテック社製引張試験機「RTC-1250A」を用いて引張強度測定を行い、弾性率を求めた(測定温度は23℃)。測定は、JIS K7127に準拠して実施した。測定はMD方向について3回行い、その平均値を算出した(単位:GPa)。
【0195】
<樹脂組成物層の弾性率の測定>
配合例1~16で得られた樹脂ワニス1~16を、支持体である離型処理付きポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製「ルミラーR80、厚さ38μm)の離型面上に樹脂組成物層の厚みが40μmとなるようにダイコーターにて塗布し、残留溶剤量が2.0質量%となるように80~120℃(平均100℃)で乾燥した。支持体を剥離した後、同じ樹脂組成物層を4枚重ね合わせ、厚み160μmの樹脂組成物層の積層体を得、ダンベル状1号形に切り出して試験片を得た。該試験片を、オリエンテック社製引張試験機「RTC-1250A」を用いて引張強度測定を行い、弾性率を求めた。測定は、JIS K7127に準拠して実施した。測定は3回行い、その平均値を算出した(単位:GPa)。
【0196】
<樹脂組成物層中の残留溶剤量の測定>
1)保護フィルムの質量測定
金属箔付き樹脂シート1~23を製造する際に得た、金属箔を貼り合わせる前の保護フィルム付きシートを用意した。次に、保護フィルムを10cm×10cmに切り出し、電子天秤で重量を測定した。測定は3サンプルについて行い、その平均値を保護フィルムの質量とした。
【0197】
2)残留溶剤量の測定
各保護フィルム付きシートを10cm×10cmに切り出し、電子天秤を用い初期質量を測定した。次いで、保護フィルム付きシートを金網に載せ、予め130℃に設定されたオーブンで15分加熱した後、デシケーター内に移して30分間静置し、室温まで冷却した。その後、電子天秤を用い、保護フィルム付きシートの乾燥質量を測定した。初期質量、乾燥質量共に測定は3サンプルについて行い、その平均値を採用し、下記式を用いて樹脂組成物層中に含まれる溶剤の量(残留溶剤量)を算出した。
残留溶剤量(質量%)=100×(保護フィルム付きシートの初期質量-保護フィルム付きシートの乾燥質量)/(保護フィルム付きシートの初期質量-保護フィルムの質量)
【0198】
【表1】
【0199】
【表2】
*表1、2中、(A)成分及び液状樹脂の含有量は、樹脂組成物層中の不揮発成分を100質量%とした場合の含有量を表す。
【0200】
<ガラス転移温度、線熱膨張係数、及び破断点強度の測定>
-評価用硬化物の作製-
金属箔付き樹脂シート1~23の保護フィルムを剥離し、真空ラミネーターを用いて、銅箔(三井金属鉱業社製「マイクロシンMT18Ex」)と樹脂組成物層とが接合するようにラミネートした。ラミネートした樹脂シートを真空ホットプレス機(北川精機社製、VH1-1603)を用いて、プレス時の真空度を1×10-3MPa以下、圧力条件を20kgf/cmとし、加熱条件として1段階目のプレスは、温度が100℃、時間30分、2段階目のプレスは、温度が190℃、時間は120分で樹脂組成物層を熱硬化させ、積層体を得た。積層体を塩化鉄(II)水溶液(鶴見曹達社製、ボーメ度40)中に浸漬させ、金属箔及び銅箔を除去することによりシート状の硬化物を得た。得られたシート状の硬化物を「評価用硬化物」と称する。
【0201】
-ガラス転移温度及び線熱膨張係数の測定-
評価用硬化物を、幅約5mm、長さ約15mmの試験片に切断し、熱機械分析装置(リガク社製「Thermo Plus TMA8310」)を使用して、引張加重法にて熱機械分析を行った。詳細には、試験片を前記熱機械分析装置に装着した後、荷重1g、昇温速度5℃/分の測定条件にて連続して2回測定した。そして2回目の測定において、ガラス転移温度(Tg;℃)と、25℃から150℃までの範囲における平均線熱膨張係数(CTE;ppm/℃)を算出した。
【0202】
-破断点強度の測定-
評価用硬化物を、ダンベル状1号形に切り出し、試験片を得た。該試験片を、オリエンテック社製引張試験機「RTC-1250A」を用いて引張強度測定を行い、評価用硬化物の破断点強度を求めた。測定は、JIS K7127に準拠して実施した。この操作を3回行いその平均値を算出した(単位:GPa)。
【0203】
<ロール形成性の評価>
金属箔付き樹脂シート1~23を40cm×40cmに切り出し、25℃、巻取り張力0.2kgf/cm、巻取り速度5m/分で直径6cmの円柱に巻き付けた際に、金属箔付き樹脂シート1~23に折れ又は割れの有無を目視観察により判定し、以下の基準で評価した。
〇:金属箔付き樹脂シートに折れ又は割れが発生していない。
×:金属箔付き樹脂シートに折れ又は割れが発生した。
【0204】
<保護フィルムの剥離性の評価>
金属箔付き樹脂シート1~23から保護フィルムが剥離した。保護フィルムを剥離した金属箔付き樹脂シートの樹脂組成物層の面を目視にて判定し、以下の基準で評価した。
〇:樹脂組成物層の一部が保護フィルムと共に剥離されておらず、金属箔が露出していない。
×:樹脂組成物層の一部が保護フィルムと共に剥離されて金属箔が露出した。
【0205】
<ラミネート性の評価>
金属箔付き樹脂シート1~23より保護フィルムを剥離し、真空ラミネーターを用いて、樹脂組成物層が下地処理内層基板と接するように、下地処理内層基板にラミネートして評価用基板を得た。この評価用基板を目視にて判定し、以下の基準で評価した。
〇:評価用基板上の金属箔に皺が生じていない。
×:評価用基板上の金属箔に皺が生じている。
【0206】
【表3】
【0207】
【表4】