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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057896
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】切粉濾過装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 33/06 20060101AFI20240418BHJP
   B01D 24/46 20060101ALI20240418BHJP
   B01D 35/02 20060101ALI20240418BHJP
   B23Q 11/00 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
B01D33/06 A
B01D33/36
B01D35/02 E
B23Q11/00 U
B23Q11/00 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022164874
(22)【出願日】2022-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】592213132
【氏名又は名称】榎本ビーエー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】榎本 尚浩
【テーマコード(参考)】
3C011
4D116
【Fターム(参考)】
3C011BB29
3C011BB31
4D116BB12
4D116BB14
4D116BC01
4D116BC42
4D116BC48
4D116BC62
4D116BC67
4D116DD01
4D116DD05
4D116EE03
4D116EE12
4D116FF12B
4D116FF13B
4D116KK01
4D116KK02
4D116QA05C
4D116QA05G
4D116QA46C
4D116QA46G
4D116QA51C
4D116QA51G
4D116QB03
4D116QB13
4D116RR04
4D116RR12
4D116TT03
4D116TT07
4D116VV01
(57)【要約】
【課題】濾過ドラムの内部におけるノズルの位置を調整できる切粉濾過装置を提供すること。
【解決手段】切粉濾過装置において、第1支持軸910は、第1壁271に沿って延びるとともに第1壁271に対してボルト97により取り付けられるフランジ壁部911を有している。第1壁271には、ボルト97の軸部97bが挿通されるとともに第1支持軸910の軸線m1を中心とする仮想円Vcに沿って円弧状に延びる第1挿通孔271bが形成され、フランジ壁部911には、ボルト97の軸部97bが螺合される第2挿通孔911aが形成されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切粉を含む切削油が貯留される貯留槽と、
前記貯留槽の中の前記切粉を収集する無端状のスクレーパベルトと、
前記貯留槽に収容され、前記スクレーパベルトの周回に伴い回転する濾過ドラムと、
前記貯留槽の壁部に取り付けられ、前記濾過ドラムを回転自在に支持する支持軸と、
前記濾過ドラムの内部で前記支持軸に固定され、前記濾過ドラムに空気を噴射するノズルと、
前記支持軸に形成され、前記ノズルに空気を供給する供給路と、を備える切粉濾過装置であって、
前記支持軸は、前記壁部に沿って延びるとともに前記壁部に対してボルトにより取り付けられるフランジ壁部を有し、
前記壁部及び前記フランジ壁部の一方を第1壁部とするとともに他方を第2壁部とすると、前記第1壁部は、前記貯留槽の外側に位置する前記ボルトの頭部が接触しており、前記第2壁部は、前記ボルトの頭部とともに前記第1壁部を挟み込んでおり、
前記第1壁部には、前記ボルトの軸部が挿通されるとともに前記支持軸の軸線を中心とする仮想円に沿って円弧状に延びる第1挿通孔が形成され、
前記第2壁部には、前記軸部が螺合される第2挿通孔が形成されていることを特徴とする切粉濾過装置。
【請求項2】
前記支持軸は、当該支持軸の軸線を中心として当該支持軸を回転させるときに操作される回転操作部を有している、請求項1に記載の切粉濾過装置。
【請求項3】
前記第1壁部は、前記貯留槽の前記壁部であり、
前記第2壁部は、前記フランジ壁部であり、
前記回転操作部は、前記フランジ壁部から前記壁部を貫通するように延びるとともに、前記供給路の一部を形成するように前記支持軸の軸線を中心とした筒状をなしている、請求項2に記載の切粉濾過装置。
【請求項4】
前記回転操作部は、二面幅を形成する一対の平面を有している、請求項3に記載の切粉濾過装置。
【請求項5】
前記供給路における空気の入口を区画する面は、互いに平行に延びる前記回転操作部としての一対の平行面を少なくとも含み、
前記一対の平行面は、前記入口に挿入可能である挿入部材における二面幅を形成する一対の平面に沿うように形成されている、請求項2に記載の切粉濾過装置。
【請求項6】
前記仮想円が延びる方向における前記第1挿通孔の長さは、前記軸部が前記第1挿通孔の端に到達するまで前記支持軸を回転させたときに前記ノズルにおける空気の噴射口が前記貯留槽に貯留された前記切削油に接触しない大きさである、請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の切粉濾過装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切粉濾過装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、切粉を濾過する切粉濾過装置が記載されている。
上記の切粉濾過装置は、貯留槽と、無端状のスクレーパベルトと、濾過ドラムと、ノズルと、を備えている。貯留槽には、切粉を含む切削油が貯留される。スクレーパベルトは、貯留槽の中の切粉を収集する。濾過ドラムは、貯留槽に収容されている。濾過ドラムは、スクレーパベルトの周回に伴い回転する。濾過ドラムは、回転軸により貯留槽の壁部に回転自在に支持されている。ノズルは、濾過ドラムの内部に配置されている。ノズルは、濾過ドラムに空気を噴射する。濾過ドラムの内部には、回転軸を通じてエアーを送るパイプが配置される。ノズルは、当該パイプに配置されている。濾過ドラムに付着した切粉は、ノズルから噴射された空気により濾過ドラムの外側に向けて吹き飛ばされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-142751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、濾過ドラムの内部にノズルを配置した際にノズルの位置が濾過ドラムの周方向にずれる場合があるため、濾過ドラムの内部に位置するノズルの位置を調整したいとの要望がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題点を解決するための切粉濾過装置は、切粉を含む切削油が貯留される貯留槽と、前記貯留槽の中の前記切粉を収集する無端状のスクレーパベルトと、前記貯留槽に収容され、前記スクレーパベルトの周回に伴い回転する濾過ドラムと、前記貯留槽の壁部に取り付けられ、前記濾過ドラムを回転自在に支持する支持軸と、前記濾過ドラムの内部で前記支持軸に固定され、前記濾過ドラムに空気を噴射するノズルと、前記支持軸に形成され、前記ノズルに空気を供給する供給路と、を備える切粉濾過装置であって、前記支持軸は、前記壁部に沿って延びるとともに前記壁部に対してボルトにより取り付けられるフランジ壁部を有し、前記壁部及び前記フランジ壁部の一方を第1壁部とするとともに他方を第2壁部とすると、前記第1壁部は、前記貯留槽の外側に位置する前記ボルトの頭部が接触しており、前記第2壁部は、前記ボルトの頭部とともに前記第1壁部を挟み込んでおり、前記第1壁部には、前記ボルトの軸部が挿通されるとともに前記支持軸の軸線を中心とする仮想円に沿って円弧状に延びる第1挿通孔が形成され、前記第2壁部には、前記軸部が螺合される第2挿通孔が形成されていることを要旨とする。
【0006】
上記の切粉濾過装置において、前記支持軸は、当該支持軸の軸線を中心として当該支持軸を回転させるときに操作される回転操作部を有しているとよい。
上記の切粉濾過装置において、前記第1壁部は、前記貯留槽の前記壁部であり、前記第2壁部は、前記フランジ壁部であり、前記回転操作部は、前記フランジ壁部から前記壁部を貫通するように延びるとともに、前記供給路の一部を形成するように前記支持軸の軸線を中心とした筒状をなしているとよい。
【0007】
上記の切粉濾過装置において、前記回転操作部は、二面幅を形成する一対の平面を有しているとよい。
上記の切粉濾過装置において、前記供給路における空気の入口を区画する面は、互いに平行に延びる前記回転操作部としての一対の平行面を少なくとも含み、前記一対の平行面は、前記入口に挿入可能である挿入部材における二面幅を形成する一対の平面に沿うように形成されているとよい。
【0008】
上記の切粉濾過装置において、前記仮想円が延びる方向における前記第1挿通孔の長さは、前記軸部が前記第1挿通孔の端に到達するまで前記支持軸を回転させたときに前記ノズルにおける空気の噴射口に前記貯留槽に貯留された前記切削油に接触しない大きさであるとよい。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、濾過ドラムの内部におけるノズルの位置を調整できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】切粉濾過装置の第1実施形態を示した斜視図である。
図2図1の2-2線で切断したときの断面図である。
図3】切粉濾過装置の断面図である。
図4】突出軸部及び第1壁を第1支持軸の軸方向で正面視したときの図である。
図5】切粉濾過装置の第2実施形態における突出軸部及び第1壁を第1支持軸の軸方向で正面視したときの図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1実施形態]
以下、切粉濾過装置を具体化した第1実施形態を図1図4にしたがって説明する。本実施形態の切粉濾過装置は、工作機械から排出された切削油に含まれる切粉を濾過する装置である。
【0012】
<切粉濾過装置>
図1に示すように、切粉濾過装置10は、1次貯留槽20と、2次貯留槽30と、濾過ドラム40と、を備えている。
【0013】
1次貯留槽20及び2次貯留槽30は、一方向へ長手が延びるとともに、一方向に直交する他方向へ短手が延びる長箱状である。1次貯留槽20の一部は、2次貯留槽30に収容されている。1次貯留槽20及び2次貯留槽30は、上方に開口している。1次貯留槽20及び2次貯留槽30は、共通する底55を有している。底55は、板状である。1次貯留槽20は、開口部21と、蓋部22と、を有している。開口部21及び蓋部22は、1次貯留槽20の上方に位置している。1次貯留槽20の開口部21は、上方に向けて開口している。蓋部22は、1次貯留槽20の長手方向において開口部21と隣り合うように設けられている。蓋部22は、1次貯留槽20の長手方向において開口部21から離れるほど上方に向けて延びている。
【0014】
図1及び図2に示すように、1次貯留槽20は、傾斜壁23と、延設壁24と、端壁25と、を有している。傾斜壁23及び延設壁24は、蓋部22の下方に設けられている。傾斜壁23は、底55から2次貯留槽30よりも上方まで延びている。延設壁24は、傾斜壁23と連続している。延設壁24は、傾斜壁23における底55とは反対側の端から水平方向に延びている。延設壁24は、1次貯留槽20の長手方向において傾斜壁23から2次貯留槽30の外側まで延びている。なお、延設壁24は、水平方向に延びていなくてもよい。延設壁24は、少なくとも2次貯留槽30の外側に延びていればよい。
【0015】
図2に示すように、端壁25は、延設壁24の端と、蓋部22の端とに連続している。延設壁24には、排出部26が設けられている。排出部26は、延設壁24を貫通している。排出部26は、下方に開口している。排出部26の直下には、回収箱100が配置されている。
【0016】
図1に示すように、1次貯留槽20は、一対の側壁27を有している。一対の側壁27は、1次貯留槽20の短手方向に位置している。一対の側壁27は、1次貯留槽20の壁部である。一対の側壁27は、底55から上方に向けて延びている。一対の側壁27は、開口部21の一部を形成している。一対の側壁27は、蓋部22、傾斜壁23、延設壁24、及び端壁25に連続している。
【0017】
一対の側壁27の一方を第1壁271とし、他方を第2壁272とする。第1壁271には、連通口28が形成されている。連通口28は、第1壁271を貫通している。連通口28は、蓋部22の下方に位置している。連通口28は、1次貯留槽20の短手方向において2次貯留槽30を区画する壁部の一部に対向している。
【0018】
図1及び図2に示すように、1次貯留槽20において、蓋部22、傾斜壁23、延設壁24、端壁25、及び一対の側壁27により囲まれた部位を収容部29とする。1次貯留槽20は、収容部29と、収容部29内に連通した排出部26と、を有している。濾過ドラム40は、1次貯留槽20に収容されている。濾過ドラム40は、底55の上方であって且つ傾斜壁23に隣り合うように設けられている。濾過ドラム40は、収容部29の下方に配置されている。
【0019】
<1次コンベア及び1次コンベア収容部>
切粉濾過装置10は、1次コンベア60と、1次コンベア収容部70と、を備えている。1次コンベア収容部70は、1次コンベア60を収容する部位である。1次コンベア収容部70の一部は、1次貯留槽20に収容されている。
【0020】
1次コンベア収容部70は、第1収容部位71と、第2収容部位72と、第3収容部位73と、排出部位74と、を有している。第1収容部位71は、1次貯留槽20の開口部21の内部に収容されている。第1収容部位71と第1壁271とは、1次貯留槽20の短手方向において離れている。第1収容部位71は、1次貯留槽20の第2壁272を共用している。第1収容部位71は、開口部21の一部が上方に開口されるように開口部21に収容されている。
【0021】
第1収容部位71には、第1開口部711が形成されている。第1開口部711は、上方に開口している。第1収容部位71には、第2開口部712が形成されている。第2開口部712は、第1収容部位71における第1壁271に対向する位置に形成されている。第2開口部712は、第1収容部位71の内部と1次貯留槽20の内部とを連通している。
【0022】
第2収容部位72は、1次貯留槽20の長手方向において第1収容部位71から離れるほど上方に延びている。第2収容部位72は、1次貯留槽20の蓋部22の上方に位置している。第3収容部位73は、第2収容部位72の上端部から水平方向に延びている。第3収容部位73は、1次貯留槽20の長手方向において2次貯留槽30の外側まで延びている。第3収容部位73は、水平方向に延びていなくてもよい。第3収容部位73は、少なくとも2次貯留槽30の外側に延びていればよい。
【0023】
図2に示すように、排出部位74は、第3収容部位73から下方に突出している。排出部位74は、1次貯留槽20の長手方向において端壁25に隣り合っている。排出部位74には、第3開口部713が形成されている。第3開口部713は、排出部位74の下方に設けられている。第3開口部713は、排出部位74内に連通している。第3開口部713の直下には、回収箱100が配置されている。
【0024】
1次コンベア60は、固定支持軸61と、被動スプロケットホイール62と、可動支持軸63と、駆動スプロケットホイール64と、無端状の第1ベルト65と、を含んでいる。第1ベルト65は、例えばヒンジベルトである。固定支持軸61は、第1収容部位71の内部に設けられている。固定支持軸61は、第1収容部位71に固定されている。被動スプロケットホイール62は、固定支持軸61に回転可能に支持されている。可動支持軸63は、第3収容部位73に回転可能に支持されている。駆動スプロケットホイール64は、可動支持軸63に一体回転可能に支持されている。第1ベルト65は、駆動スプロケットホイール64と被動スプロケットホイール62に掛け渡されている。1次コンベア60は、図示しない駆動機構を有している。当該駆動機構により可動支持軸63は、回転する。可動支持軸63が回転することにより駆動スプロケットホイール64が回転するため、第1ベルト65が駆動スプロケットホイール64と被動スプロケットホイール62との間を周回する。第1ベルト65の周回に伴い、被動スプロケットホイール62が固定支持軸61に対して回転する。第1ベルト65の上段部65aは、被動スプロケットホイール62から駆動スプロケットホイール64に向けて移動する。第1ベルト65の下段部65bは、駆動スプロケットホイール64から被動スプロケットホイール62に向けて移動する。第1ベルト65の長手方向は、1次貯留槽20の長手方向に一致している。第1ベルト65の幅方向は、1次貯留槽20の短手方向に一致している。
【0025】
<2次コンベア>
切粉濾過装置10は、2次コンベア80を備えている。2次コンベア80は、1次貯留槽20に収容されている。2次コンベア80は、固定支持軸81と、被動スプロケットホイール82と、可動支持軸83と、駆動スプロケットホイール84と、無端状の第2ベルト85と、を含んでいる。固定支持軸81は、第1収容部位71の下方に配置されている。固定支持軸81は、1次貯留槽20に固定されている。被動スプロケットホイール82は、固定支持軸81に回転可能に支持されている。可動支持軸83は、1次貯留槽20の収容部29内に配置されている。可動支持軸83は、蓋部22と延設壁24との間に配置されている。可動支持軸83は、収容部29に対して回転可能に支持されている。第2ベルト85は、駆動スプロケットホイール84と被動スプロケットホイール82とに掛け渡されている。第2ベルト85には、複数のスクレーパ86が取り付けられている。第2ベルト85は、スクレーパベルトである。第2ベルト85の長手方向は、第1ベルト65の長手方向と一致している。第2ベルト85の長手方向は、1次貯留槽20の長手方向と一致している。第2ベルト85の幅方向は、第1ベルト65の幅方向と一致している。第2ベルト85の幅方向は、1次貯留槽20の短手方向と一致している。
【0026】
第2ベルト85の上段部85aと、第2ベルト85の下段部85bとの間には、濾過ドラム40が配置されている。第2ベルト85の上段部85aは、濾過ドラム40の上方を通過している。第2ベルト85の上段部85aは、収容部29の内部を通過している。第2ベルト85の下段部85bは、濾過ドラム40の下方を通過している。第2ベルト85の下段部85bは、1次貯留槽20の底55、傾斜壁23、延設壁24に沿って延びている。第2ベルト85の下段部85bは、収容部29内を通過している。
【0027】
2次コンベア80は、図示しない駆動機構を有している。当該駆動機構により可動支持軸83は、回転する。可動支持軸83が回転することにより駆動スプロケットホイール84が回転するため、第2ベルト85が駆動スプロケットホイール84と被動スプロケットホイール82との間を周回する。第2ベルト85の周回に伴い、被動スプロケットホイール82が固定支持軸81に対して回転する。第2ベルト85の上段部85aは、駆動スプロケットホイール84から被動スプロケットホイール82に向けて移動する。第2ベルト85の下段部85bは、被動スプロケットホイール82から駆動スプロケットホイール84に向けて移動する。第2ベルト85は、濾過ドラム40の周囲を周回する。濾過ドラム40は、第2ベルト85の周回に伴い回転する。なお、図2に記載の濾過ドラム40は、説明の便宜上、配置位置のみを二点鎖線を用いて簡易的に記載している。
【0028】
<切粉の濾過>
図1及び図2に示すように、第1収容部位71の第1開口部711には、切粉Chを含む切削油Lである混濁切削油Lmixが投入される。混濁切削油Lmixは、工作機械から排出される。
【0029】
混濁切削油Lmixに含まれる比較的大きな切粉Chは、1次コンベア60の第1ベルト65の上段部65aに捕捉される。上段部65aに捕捉された切粉Chは、第1ベルト65により搬送される。第1ベルト65により搬送された切粉Chは、第3開口部713から回収箱100に排出される。1次コンベア60により混濁切削油Lmixから比較的大きな切粉Chが分離される。
【0030】
第1ベルト65により捕捉しきれなかった切粉Chを含む切削油Lである1次切削油L1は、上段部65aより下方へ排出された後、第1収容部位71の第2開口部712から排出される。1次切削油L1は、1次貯留槽20に貯留される。1次貯留槽20は、切粉Chを含む切削油Lが貯留される貯留槽である。
【0031】
図2に示すように、1次切削油L1に含まれる切粉Chは、1次貯留槽20の底55に到達する。第2ベルト85の周回に伴い、スクレーパ86は、1次貯留槽20の底55に到達した切粉Chを収集する。第2ベルト85は、1次貯留槽20の中の切粉Chを収集する。収容部29内を第2ベルト85の下段部85bが通過することにより、スクレーパ86が収集した切粉Chは、排出部26から排出される。排出部26は、切粉Chを収容部29内から排出する。排出部26から排出された切粉Chは、回収箱100に排出される。
【0032】
1次切削油L1に含まれる切粉Chは、濾過ドラム40により濾過される。濾過ドラム40は、1次切削油L1から切粉Chを濾過する。濾過ドラム40の内部には、濾過ドラム40により1次切削油L1から切粉Chを濾過した2次切削油L2が進入する。2次切削油L2は、濾過ドラム40を通過した比較的に小さい切粉Chを含む切削油Lである。
【0033】
図1に示すように、2次切削油L2は、連通口28から2次貯留槽30に排出される。連通口28は、2次切削油L2を2次貯留槽30に排出するための孔である。2次貯留槽30には、2次切削油L2が貯留される。
【0034】
<支持軸及び濾過ドラム>
図3に示すように、切粉濾過装置10は、2つの支持軸90を備えている。2つの支持軸90のそれぞれを第1支持軸910及び第2支持軸920とする。第1支持軸910は、フランジ壁部911と、支持軸部912と、突出軸部913と、を有している。フランジ壁部911は、円板状である。支持軸部912は、円柱状である。支持軸部912の軸線とフランジ壁部911の軸線とは一致している。突出軸部913は、柱状である。突出軸部913は、フランジ壁部911から支持軸部912とは反対側に向けて延びている。突出軸部913の軸線とフランジ壁部911の軸線とは一致している。突出軸部913の軸線と支持軸部912の軸線とは一致している。フランジ壁部911、支持軸部912、及び突出軸部913の各々の軸線を第1支持軸910の軸線m1とする。第1支持軸910の軸線m1が延びる方向は、第1支持軸910の軸方向である。
【0035】
第1支持軸910には、貫通孔95が形成されている。貫通孔95は、第1支持軸910の軸線m1上に位置している。貫通孔95は、第1支持軸910の軸方向に延びている。突出軸部913は、貫通孔95の一部を形成するように第1支持軸910の軸線m1を中心とした筒状をなしている。
【0036】
フランジ壁部911は、1次貯留槽20の第1壁271に沿って延びている。フランジ壁部911は、第1壁271のうち1次貯留槽20の内側に位置する面に沿って延びている。フランジ壁部911は、1次貯留槽20の第1壁271に取り付けられる。フランジ壁部911は、複数のボルト97により第1壁271に取り付けられている。第1支持軸910は、第1壁271に沿って延びるとともに第1壁271に対してボルト97により取り付けられるフランジ壁部911を有している。
【0037】
各ボルト97の頭部97aは、第1壁271のうちフランジ壁部911とは反対側の面に接触している。各ボルト97の軸部97bは、第1壁271を貫通している。各ボルト97の軸部97bは、フランジ壁部911に螺合されている。第1壁271及びフランジ壁部911の一方を第1壁部W1とするとともに他方を第2壁部W2とする。本実施形態において、第1壁部W1は、第1壁271であり、第2壁部W2は、フランジ壁部911である。第1壁部W1は、1次貯留槽20の外側に位置するボルト97の頭部97aが接触している。第2壁部W2は、ボルト97の頭部97aとともに第1壁部W1を挟み込んでいる。
【0038】
支持軸部912は、フランジ壁部911から1次貯留槽20の内側に向けて延びている。突出軸部913は、1次貯留槽20の第1壁271を貫通している。突出軸部913は、フランジ壁部911から第1壁271を貫通するように延びている。第1壁271には、突出軸部913が貫通する貫通孔271aが形成されている。貫通孔271aは、フランジ壁部911により閉塞されている。
【0039】
図4に示すように、第1壁271の貫通孔271aは、連通口28よりも上方に位置している。フランジ壁部911の外径は、連通口28を閉塞しない大きさである。突出軸部913は、一対の平面913aを有している。一対の平面913aは、突出軸部913における径方向の外面の一部である。一対の平面913aは、平行である。つまり、突出軸部913は、二面幅を形成する一対の平面913aを有している。
【0040】
図3に示すように、第2支持軸920は、フランジ壁部921と、支持軸部922とを有している。フランジ壁部921は、円板状である。支持軸部922は、円柱状である。支持軸部922の軸線とフランジ壁部921の軸線とは一致している。フランジ壁部921及び支持軸部922の各々の軸線を第2支持軸920の軸線m2とする。第2支持軸920の軸線m2が延びる方向は、第2支持軸920の軸方向である。第2支持軸920の軸線m2は、第1支持軸910の軸線m1と一致している。
【0041】
フランジ壁部921は、1次貯留槽20の第2壁272に沿って延びている。フランジ壁部921は、第2壁272のうち1次貯留槽20の外側に位置する面に沿って延びている。フランジ壁部921は、1次貯留槽20の第2壁272に取り付けられる。フランジ壁部921は、複数のボルト97により第2壁272に取り付けられている。第2支持軸920は、第2壁272に沿って延びるとともに第2壁272に対してボルト97により取り付けられるフランジ壁部921を有している。
【0042】
各ボルト97の頭部97aは、フランジ壁部921のうち第2壁272とは反対側の面に接触している。各ボルト97の軸部97bは、フランジ壁部921を貫通している。各ボルト97の軸部97bは、第2壁272に螺合されている。
【0043】
支持軸部922は、フランジ壁部921から1次貯留槽20の内側に向けて延びている。支持軸部922は、1次貯留槽20の第2壁272を貫通している。支持軸部922は、フランジ壁部911から第2壁272を貫通するように延びている。第2壁272には、支持軸部922が貫通する貫通孔272aが形成されている。貫通孔272aは、フランジ壁部921により閉塞されている。
【0044】
濾過ドラム40は、筒状のフィルタ部材である。濾過ドラム40は、一対の端板41と、複数のメッシュ42と、を有している。一対の端板41は、濾過ドラム40における軸方向の両端に位置している。一対の端板41は、円板状である。全てのメッシュ42は、濾過ドラム40の外周に配置されている。各メッシュ42は、網目状のフィルタである。
【0045】
一対の端板41は、中央に貫通孔41aを有している。一方の端板41の貫通孔41aには、第1支持軸910の支持軸部912が挿通されており、他方の端板41の貫通孔41aには、第2支持軸920の支持軸部922が挿通されている。支持軸部912の先端及び支持軸部922の先端は、濾過ドラム40の内部に位置している。
【0046】
一対の端板41は、複数の連通孔41bを有している。全ての連通孔41bは、端板41を貫通している。全ての連通孔41bは、貫通孔41aを中心として端板41の周方向に間隔を空けて配置されている。
【0047】
第1支持軸910の支持軸部912と一方の端板41との間には、例えばボールブッシュ96が設けられている。第2支持軸920の支持軸部922と他方の端板41との間には、例えばボールブッシュ96が設けられている。各支持軸90は、濾過ドラム40を回転自在に支持している。
【0048】
一方の端板41と第1壁271との間、及び他方の端板41と第2壁272との間には、シール部50が設けられている。各シール部50は、例えば環状のVリングである。各シール部50は、各端板41における全ての連通孔41bよりも径方向の外側に位置している。各シール部50は、メッシュ42により切粉Chを濾過した2次切削油L2が連通孔41bを通過した後、1次貯留槽20に貯留された1次切削油L1と混ざらないようにするために、濾過ドラム40の内部と1次貯留槽20の内部とをシールする。よって、濾過ドラム40の内部と1次貯留槽20の内部とは、メッシュ42を介してのみ連通する。濾過ドラム40のメッシュ42により切粉Chが濾過された2次切削油L2は、一方の端板41の連通孔41bを通過した後、図1に記載の連通口28を通過して2次貯留槽30に排出される。
【0049】
<ノズル>
切粉濾過装置10は、濾過ドラム40に空気を噴射するノズル200を備えている。ノズル200は、接続管201と、噴射管202と、を有している。接続管201は、第1支持軸910の支持軸部912に固定されている。ノズル200は、濾過ドラム40の内部で支持軸90に固定されている。第1支持軸910に形成された貫通孔95は、ノズル200の接続管201に連通している。貫通孔95は、ノズル200に空気を供給する供給路である。切粉濾過装置10は、ノズル200に空気を供給する供給路としての貫通孔95を備えている。なお、突出軸部913には、貫通孔95に圧縮された空気を供給するための供給経路300が接続される。供給経路300は、例えば、柔軟性を有するホースである。供給経路300を通過する圧縮された空気の供給源は、例えば、切粉濾過装置10を配置する工場や施設に配備されたコンプレッサであるとよい。
【0050】
接続管201は、第1部位201aと、第2部位201bと、を有している。第1部位201aは、支持軸部912から第1支持軸910の軸方向に延びている。第2部位201bは、第1部位201aから少なくとも上方に向けて延びている。本実施形態では、第2部位201bは、第1部位201aから斜め上方に延びている。なお、第2部位201bは、第1部位201aから上方に延びていてもよい。
【0051】
噴射管202は、第2部位201bに接続されている。噴射管202は、濾過ドラム40の軸方向に延びている。噴射管202は、複数の噴射口202aを有している。全ての噴射口202aは、メッシュ42に対向している。第1支持軸910の貫通孔95を介して接続管201に供給された圧縮された空気は、各噴射口202aから噴射される。これにより、メッシュ42に捕捉された切粉Chが吹き飛ばされる。濾過ドラム40の回転に伴い、噴射口202aから噴射された空気が各メッシュ42に順番に吹き付けられる。その結果、濾過ドラム40の周方向の全周が洗浄される。
【0052】
<ノズルの位置調整について>
図4に示すように、第1壁271には、4つの第1挿通孔271bが形成されている。第1壁部W1には、4つの第1挿通孔271bが形成されている。4つの第1挿通孔271bは、貫通孔271aの周囲に形成されている。各第1挿通孔271bは、第1壁部W1を貫通している。各第1挿通孔271bは、第1支持軸910の軸線m1を中心とする仮想円Vcに沿って円弧状に延びている。第1支持軸910の径方向における各第1挿通孔271bの幅は、ボルト97の軸部97bの外径よりも若干大きい。各第1挿通孔271bは、ボルト97の軸部97bが挿通可能である。第1支持軸910の径方向における各第1挿通孔271bの幅は、ボルト97の頭部97aの外径よりも小さい。各第1挿通孔271bの大きさは、ボルト97の軸部97bが挿通されたとしても、頭部97aが第1挿通孔271bに挿入されるといったことがない大きさである。
【0053】
フランジ壁部911には、4つの第2挿通孔911aが形成されている。第2壁部W2には、4つの第2挿通孔911aが形成されている。各第2挿通孔911aは、第1支持軸910の軸方向において、各第1挿通孔271bに対向している。各第2挿通孔911aは、雌ねじ孔である。本実施形態では、ボルト97は、4つ採用されている。各ボルト97の軸部97bは、各第1挿通孔271bに挿通された状態で各第2挿通孔911aに螺合される。全てのボルト97の頭部97aが第1壁271に押し付けられた状態となるように、各ボルト97の軸部97bを各第2挿通孔911aに螺合すると、第1壁271が、フランジ壁部911とボルト97の頭部97aとに挟まれた状態となる。全てのボルト97の頭部97aが第1壁271に押し付けられた状態となるように、各ボルト97の軸部97bを各第2挿通孔911aに螺合すると、第1壁部W1が第2壁部W2とボルト97の頭部97aとに挟まれた状態となる。つまり、フランジ壁部911が第1壁271に対してボルト97により取り付けられる。すると、例えば作業者が突出軸部913を把持するとともに第1支持軸910の軸線m1を中心として回転させようとしても、各第1挿通孔271b内における各ボルト97の軸部97bの移動が規制される。
【0054】
各ボルト97による第1壁271とフランジ壁部911との締結力を緩和した状態を想定する。この状態は、フランジ壁部911が第1壁271に取り付けられた状態から各ボルト97を回転させることにより形成される。また、この状態は、各ボルト97の頭部97aを第1壁271に押し付けた力を弱めた状態である。この状態で、例えば作業者が突出軸部913を把持するとともに第1支持軸910の軸線m1を中心として回転させると、各ボルト97は各第2挿通孔911aに螺合された状態で、第1支持軸910が回転する。このため、各ボルト97の軸部97bは、第1支持軸910の回転に伴い各第1挿通孔271b内を移動する。さらに、ノズル200の噴射管202の位置は、作業者が突出軸部913を回転させた方向に移動する。つまり、各ボルト97による第1壁271とフランジ壁部911との締結力を緩和した状態であれば、突出軸部913を回転させることにより濾過ドラム40の内部のノズル200の位置を調整可能となる。突出軸部913は、第1支持軸910の軸線m1を中心として第1支持軸910を回転させるときに操作される回転操作部である。
【0055】
<第1挿通孔の長さ>
1次貯留槽20に1次切削油L1が貯留されている状態において、濾過ドラム40の内部における2次切削油L2の液面と、1次貯留槽20の1次切削油L1の液面とは同じである。本実施形態では、ノズル200の位置を調整したときに噴射管202が濾過ドラム40の2次切削油L2の液面に接触しないようになっている。これは、仮想円Vcが延びる方向における各第1挿通孔271bの長さLthによって実現されている。
【0056】
各第1挿通孔271bの長さLthは、各ボルト97の軸部97bが各第1挿通孔271bの端に到達するまで第1支持軸910を回転させたときにノズル200の噴射口202aが1次貯留槽20に貯留された切削油Lに接触しない大きさである。なお、長さLthは、ノズル200の位置を調整する前に接続管201の第2部位201bが少なくとも上方に延び、且つ各ボルト97の軸部97bが各第1挿通孔271bの中央に位置していることを前提として設定される。また、1次貯留槽20に貯留される切削油Lの液面の高さは、混濁切削油Lmixの投入量や、第2開口部712から1次貯留槽20に排出される1次切削油L1の流量等によって変化する。よって、長さLthは、1次貯留槽20に貯留された切削油Lが想定される最大値であるときを前提として設定される。
【0057】
[本実施形態の作用及び効果]
本実施形態の作用及び効果を説明する。
(1-1)各ボルト97による1次貯留槽20の第1壁271と第1支持軸910のフランジ壁部911との締結力を緩和した状態で第1支持軸910の軸線m1を中心としてフランジ壁部911を回転させると、各ボルト97が各第2挿通孔911aの位置から移動しない一方で、各ボルト97の軸部97bが円弧状の各第1挿通孔271bの内側を移動する。つまり、円弧状の第1挿通孔271bが第1壁271に形成されているため、第1支持軸910は、各ボルト97の軸部97bが各第2挿通孔911aに挿通された状態で回転できる。その結果、第1支持軸910に固定されたノズル200の位置も濾過ドラム40の周方向において変化できる。よって、濾過ドラム40の内部のノズル200の位置を調整できる。
【0058】
(1-2)第1支持軸910は、フランジ壁部911から突出する突出軸部913を備えている。濾過ドラム40の内部のノズル200の位置を調整するにあたり、フランジ壁部911を直接回転させるときと比較して、突出軸部913によりフランジ壁部911を回転させやすくすることができる。
【0059】
(1-3)各ボルト97による第1壁271とフランジ壁部911との締結力を緩和した状態で突出軸部913を回転させることによりフランジ壁部911を回転させることができる。つまり、突出軸部913を回転させることにより濾過ドラム40の内部のノズル200の位置を調整できる。よって、突出軸部913により1次貯留槽20の外部から第1支持軸910を回転させやすくできるため、濾過ドラム40の内部のノズル200の位置を調整しやすくなる。
【0060】
(1-4)突出軸部913は、一対の平面913aを有している。このため、濾過ドラム40の内部のノズル200の位置を調整するために突出軸部913を把持しやすくなる。
【0061】
(1-5)第1挿通孔271bの長さLthの設定により、濾過ドラム40の内部におけるノズル200の位置を調整するとき、フランジ壁部911を回転させると、ノズル200の噴射口202aが1次貯留槽20に貯留された切削油Lに接触する前に、第1挿通孔271bの端にボルト97の軸部97bが干渉する。よって、ノズル200の位置の調整に伴い、ノズル200の噴射口202aが切削油Lに埋もれることが抑制される。したがって、ノズル200から濾過ドラム40に噴射される空気が切削油Lにより阻害されることが防止される。
【0062】
[第2実施形態]
以下、切粉濾過装置を具体化した第2実施形態を図5にしたがって説明する。本実施形態における第1実施形態との主な相違点は、回転操作部の構成が変更された点である。本実施形態では、当該相違点について詳しく説明する。第1実施形態と同じ構成については、同じ符号を付すとともに詳細な構成の説明を割愛する。
【0063】
<回転操作部>
図5に示すように、突出軸部913の一対の平面913aを省略し、且つ突出軸部913を円筒状に形成している。そして、貫通孔95における空気の入口Inを区画する面は、第1支持軸910の軸方向で見たときに六角形状である。貫通孔95における空気の入口Inを区画する内面は、互いに平行に延びる3組の一対の平行面95aにより形成されている。貫通孔95における空気の入口Inを区画する面は、一対の平行面95aを少なくとも含む。
【0064】
貫通孔95の入口Inには、六角棒状の挿入部材98が挿入可能である。挿入部材98は、二面幅を形成する一対の平面98aを3組有している。一対の平行面95aは、一対の平面98aに沿うように形成されている。
【0065】
各ボルト97による第1壁271とフランジ壁部911との締結力を緩和した状態で、例えば作業者が貫通孔95の入口Inに挿入部材98を挿入するとともに第1支持軸910の軸線m1を中心として挿入部材98を回転させると、挿入部材98の平面98aと平行面95aとが接触して、第1支持軸910を回転させることができる。すると、各ボルト97は各第2挿通孔911aに螺合された状態で、フランジ壁部911が回転する。各ボルト97による第1壁271とフランジ壁部911との締結力を緩和した状態であれば、挿入部材98を回転させることにより濾過ドラム40の内部のノズル200の位置を調整可能となる。一対の平行面95aは、フランジ壁部911を第1支持軸910の軸線m1を中心として回転させるときに操作される回転操作部である。
【0066】
<本実施形態の作用及び効果>
本実施形態では、第1実施形態の(1-1)及び(1-5)と同じ作用及び効果を奏するとともに、以下の作用及び効果を得ることができる。
【0067】
(2-1)貫通孔95の入口Inにおける一対の平行面95aにより、貫通孔95に挿入した挿入部材98を回転させることで第1支持軸910を回転させることができる。濾過ドラム40の内部のノズル200の位置を調整するにあたり、フランジ壁部911を直接回転させることにより第1支持軸910を回転させるときと比較して、第1支持軸910を回転させやすくすることができる。
【0068】
[変更例]
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施できる。上記各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施できる。
【0069】
○ 第2実施形態において、第1支持軸910は、フランジ壁部911と、支持軸部912とを有しており、突出軸部913を省略してもよい。この場合、貫通孔95の入口Inは、フランジ壁部911に形成される。
【0070】
○ 第2実施形態において、貫通孔95の入口Inは、六角形状であったがこれに限らない。貫通孔95の入口Inは、一対の平行面95aが少なくとも1組存在していれば、どのように形状を変更してもよい。
【0071】
○ 第1実施形態において、突出軸部913は、第1支持軸910の軸方向で正面視したときに六角形状をなしていてもよい。突出軸部913は、二面幅を形成する一対の平面913aを3組有していてもよい。また、突出軸部913は、第1支持軸910の軸方向で正面視したときに四角形状をなしていてもよい。突出軸部913は、二面幅を形成する一対の平面913aを2組有していてもよい。要するに、突出軸部913は、二面幅を形成する一対の平面913aを少なくとも有していればよい。
【0072】
○ 第1実施形態において、突出軸部913は、一対の平面913aを省略してもよい。
○ 第1実施形態において、回転操作部として突出軸部913を採用していたが、これに限らない。例えば、第1支持軸910は、フランジ壁部911と、支持軸部912と、突出軸部913に代替して偏心軸部と、を有していてもよい。この場合、貫通孔95は、フランジ壁部911及び支持軸部912に形成される。そして、偏心軸部は、フランジ壁部911における第1支持軸910の軸線m1から偏心した位置から第1壁271を貫通するように延びていてもよい。このように変更することにより、濾過ドラム40の内部でノズル200の位置を調整する際に、偏心軸部を第1支持軸910の軸線m1を中心とした周方向に移動させる。つまり、偏心軸部は、フランジ壁部911を回転させるハンドルのように操作される回転操作部である。
【0073】
○ 上記各実施形態において、回転操作部の構成は、適宜変更してもよい。回転操作部は、濾過ドラム40の内部でノズル200の位置を調整する際に、フランジ壁部911を間接的に回転させることができればどのような構成を採用してもよい。
【0074】
○ 上記各実施形態において、第1壁271が第1壁部W1であり、フランジ壁部911が第2壁部W2であったが、これに限らない。第1壁271が第2壁部W2であり、フランジ壁部911が第1壁部W1であってもよい。このように変更する場合、フランジ壁部911が第1壁271よりも外側に位置するため、例えば突出軸部913を省略してもよい。そして、濾過ドラム40の内部のノズル200の位置を調整する場合、フランジ壁部911を直接回転させればよい。
【0075】
○ 上記各実施形態において、フランジ壁部911は、円板状に限らない。フランジ壁部911の形状は、適宜変更してもよい。
○ 上記各実施形態において、第1挿通孔271bの長さLthは、適宜変更してもよい。
【0076】
○ 上記各実施形態において、第1挿通孔271bの数、第2挿通孔911aの数、及びボルト97の数は、適宜変更してもよい。
○ 上記各実施形態において、第2支持軸920は、第1支持軸910と同じ構成を採用してもよい。そして、上述した変更例を第2支持軸920にも適用してもよい。第2支持軸920を第1支持軸910と同じ構成とする場合、例えばノズル200の接続管201の第1部位201aを1つ追加して第2支持軸920に固定するとよい。そして、空気の供給経路300を第2支持軸920にも接続するとよい。このように変更することにより、第2支持軸920を回転させても、濾過ドラム40の内部のノズル200の位置を調整できる。
【0077】
また、第2支持軸920を第1支持軸910と同じ構成とする場合、例えば、ノズル200を1つ追加してもよい。つまり、濾過ドラム40の内部に、第1支持軸910に固定されるノズル200と、第2支持軸920に固定されるノズル200とが配置されてもよい。このように変更する場合、2つのノズル200は、濾過ドラム40の内部で互いに干渉しないようにサイズを適宜変更するとよい。
【0078】
○ 上記各実施形態において、1次貯留槽20の一部は、2次貯留槽30に収容されていなくてもよい。1次貯留槽20と2次貯留槽30とは、分離していてもよい。この場合、濾過ドラム40により1次切削油L1から切粉Chを濾過した2次切削油L2は、1次貯留槽20と2次貯留槽30とを接続する新たな流路により2次貯留槽30に排出されてもよい。
【0079】
○ 上記各実施形態において、1次コンベア収容部70の一部は、1次貯留槽20に収容されていなくてもよい。1次コンベア収容部70と1次貯留槽20は、分離していてもよい。この場合、1次コンベア収容部70から排出される1次切削油L1は、1次コンベア収容部70と1次貯留槽20とを接続する新たな流路により1次貯留槽20に排出されてもよい。なお、1次コンベア収容部70及び1次コンベア60は省略してもよい。
【符号の説明】
【0080】
10…切粉濾過装置、20…貯留槽としての1次貯留槽、40…濾過ドラム、85…スクレーパベルトとしての第2ベルト、90…支持軸、95…供給路としての貫通孔、95a…回転操作部としての一対の平行面、97…ボルト、97a…ボルトの頭部、97b…ボルトの軸部、98…挿入部材、98a…挿入部材の一対の平面、200…ノズル、202a…噴射口、271…貯留槽の壁部としての第1壁、271b…第1挿通孔、910…支持軸としての第1支持軸9101…フランジ壁部、911a…第2挿通孔、913…回転操作部としての突出軸部、913a…一対の平面、L…切削油、Ch…切粉、m1…第1支持軸の軸線、W1…第1壁部、W2…第2壁部、In…貫通孔の入口、Vc…仮想円、Lth…第1挿通孔の長さ。
図1
図2
図3
図4
図5