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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057903
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】銀行相続手続支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/02 20230101AFI20240418BHJP
【FI】
G06Q40/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022164883
(22)【出願日】2022-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】500113567
【氏名又は名称】株式会社伊予銀行
(71)【出願人】
【識別番号】516172237
【氏名又は名称】アクセンチュア グローバル ソリューションズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098545
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100189717
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 貴章
(72)【発明者】
【氏名】森貞 優子
(72)【発明者】
【氏名】大石 晃裕
(72)【発明者】
【氏名】粟倉 万統
(72)【発明者】
【氏名】眞壁 伸治
(72)【発明者】
【氏名】公文 貴之
(72)【発明者】
【氏名】▲黒▼川 史雄
(72)【発明者】
【氏名】成尾 明久
【テーマコード(参考)】
5L040
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB13
5L055BB13
(57)【要約】
【課題】ビデオ通話によって銀行での相続手続を行うことができる銀行相続手続支援方法を提供すること。
【解決手段】ビデオ通話ステップでの適用者でなければ、被相続人口座情報入力ステップ、口座凍結処理ステップ、戸籍謄本撮影ステップ、手続者確認情報撮影ステップを行うことなく、手続者に対して、被相続人との続柄と、遺言書及び遺産分割協議書の存在の有無とによって店舗手続で必要となる書類の案内を行い、ビデオ通話ステップでは、続柄と被相続人名義の全ての口座の合算金額とによって、手続者が簡素化手続者に該当するか判定し、遺言書・遺産分割協議書作成確認ステップで遺言書及び遺産分割協議書が存在せず、相続人同意確認ステップにおける同意、紛議確認ステップで紛議が生じていないこと、自己責任同意確認ステップで同意が確認でき、簡素化手続者に該当すると判定された場合には、ビデオ通話ステップによって相続手続きを完結させる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手続者が操作する顧客端末を用いて、ビデオ通話によって銀行での相続手続を行う銀行相続手続支援方法であって、
前記顧客端末を用いて前記ビデオ通話手続を行うビデオ通話ステップと、
前記顧客端末を用いて前記ビデオ通話手続を行う前に行う事前情報入力ステップと
を有し、
コンピュータは、
前記事前情報入力ステップでは、
前記手続者と被相続人との続柄を入力させる続柄入力ステップと、
遺言書及び遺産分割協議書の存在の有無を入力させる遺言書・遺産分割協議書情報入力ステップと、
被相続人口座情報を入力させる被相続人口座情報入力ステップと、
前記被相続人の死亡年月日を入力させる被相続人死亡日入力ステップと、
前記被相続人口座情報入力ステップで入力された前記被相続人口座情報を基に、前記被相続人名義の他の口座を抽出し、前記被相続人名義の前記口座を凍結する口座凍結処理ステップと、
前記手続者と前記被相続人との関係を確認できる戸籍謄本を撮影させる戸籍謄本撮影ステップと、
前記手続者を確認できる情報を撮影させる手続者確認情報撮影ステップと
を有し、
前記ビデオ通話ステップでは、
前記遺言書及び前記遺産分割協議書の作成の有無を確認する遺言書・遺産分割協議書作成確認ステップと、
前記被相続人の相続預金全ての払戻を前記手続者が受け取ることについて相続人全員が同意しているかを確認する相続人同意確認ステップと、
前記被相続人の相続資産の取扱について前記相続人の間で紛議が生じていないかを確認する紛議確認ステップと、
前記相続預金の仮払いや法定相続分の払戻の申出があった場合には前記手続者が責任を持って対応し解決することに同意するかを確認する自己責任同意確認ステップと、
前記口座凍結処理ステップで抽出された被相続人名義の前記口座を表示して追加口座があれば追加口座情報を前記手続者に提供させる追加口座処理ステップと、
家系図作成のために家系図情報を入力させる家系図作成ステップと
を有し、
前記事前情報入力ステップでは、
前記続柄入力ステップで入力された前記被相続人との前記続柄と、前記遺言書・遺産分割協議書情報入力ステップで入力された前記遺言書及び前記遺産分割協議書の前記存在の有無とによって前記ビデオ通話ステップでの適用者か否かを判断し、前記ビデオ通話ステップでの前記適用者でなければ、前記被相続人口座情報入力ステップ、前記口座凍結処理ステップ、前記戸籍謄本撮影ステップ、及び前記手続者確認情報撮影ステップを行うことなく、前記手続者に対して、前記被相続人との前記続柄と、前記遺言書・遺産分割協議書情報入力ステップで入力された前記遺言書及び前記遺産分割協議書の前記存在の有無とによって店舗手続で必要となる書類の案内を行い、
前記ビデオ通話ステップでは、
前記続柄と前記被相続人名義の全ての前記口座の合算金額とによって、前記手続者が簡素化手続者に該当するか否かを判定し、
前記遺言書・遺産分割協議書作成確認ステップで前記遺言書及び前記遺産分割協議書が存在せず、前記相続人同意確認ステップにおける同意が確認でき、前記紛議確認ステップで前記紛議が生じていないことが確認でき、前記自己責任同意確認ステップで同意が確認できており、前記簡素化手続者に該当すると判定された場合には、前記ビデオ通話ステップによって前記相続手続きを完結させる
ことを特徴とする銀行相続手続支援方法。
【請求項2】
前記続柄が配偶者であり、前記合算金額が設定金額以下の場合には、前記手続者を前記簡素化手続者であると判定し、前記家系図作成ステップを行うことなく、前記ビデオ通話ステップによって前記相続手続きを完結させる
ことを特徴とする請求項1に記載の銀行相続手続支援方法。
【請求項3】
前記続柄が配偶者の場合には第1設定金額とし、前記続柄が子の場合には第2設定金額とし、
前記第1設定金額を前記第2設定金額よりも高い金額とし、
前記続柄が前記配偶者であれば、前記合算金額が前記第1設定金額以下の場合には、前記手続者を前記簡素化手続者であると判定し、
前記続柄が前記子であれば、前記合算金額が前記第2設定金額以下の場合には、前記手続者を前記簡素化手続者であると判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の銀行相続手続支援方法。
【請求項4】
前記続柄によって設定金額を異ならせ、前記合算金額が前記設定金額以下の場合には、前記手続者を前記簡素化手続者であると判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の銀行相続手続支援方法。
【請求項5】
前記家系図作成ステップでは、
法定相続人の順位が高い順に、存在の有無を入力させ、
前記存在有りの前記法定相続人に対しては、健在、前記被相続人の前に死亡、及び前記被相続人より後に死亡のいずれかを選択させ、
前記手続者が配偶者又は子のいずれかであれば、父、母、祖父母、兄弟姉妹、甥姪については入力を不要とし、
前記子の欄に入力され、前記被相続人の前に死亡が選択されると、代襲相続人を入力するフォームが表示される
ことを特徴とする請求項1に記載の銀行相続手続支援方法。
【請求項6】
前記配偶者、全ての前記子、前記父、前記母、及び全ての前記祖父母について、前記被相続人の前に死亡が選択されると、前記兄弟姉妹を入力するフォームが表示される
ことを特徴とする請求項5に記載の銀行相続手続支援方法。
【請求項7】
前記家系図作成ステップでは、
一部の入力が行われることで、前記入力の段階での家系図を表示できる
ことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の銀行相続手続支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手続者が操作する顧客端末を用いて、ビデオ通話によって銀行での相続手続を行う銀行相続手続支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、死因贈与契約による承継機能付き口座および承継手続きを管理する銀行システムが開示されている。
特許文献2から特許文献5では、相続手続き業務を支援するための家系図作成方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-140321号公報
【特許文献2】特開2015-132882号公報
【特許文献3】特開2016-115022号公報
【特許文献4】特開2017-111769号公報
【特許文献5】特開2019-121145号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年では端末を用いたビデオ通話機能が広く普及していることから、銀行手続においても、銀行窓口ではなく、端末を用いた手続が望まれる。
特に、銀行での相続手続きは、状況によっては提出しなければならない書類が多く手続きが煩雑であるが、所定の条件を満たす場合には、簡素化できる場合もある。
【0005】
本発明は、ビデオ通話によって銀行での相続手続を行うことができる銀行相続手続支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の本発明の銀行相続手続支援方法は、手続者が操作する顧客端末Aを用いて、ビデオ通話によって銀行での相続手続を行う銀行相続手続支援方法であって、前記顧客端末Aを用いて前記ビデオ通話手続を行うビデオ通話ステップと、前記顧客端末Aを用いて前記ビデオ通話手続を行う前に行う事前情報入力ステップとを有し、コンピュータBは、前記事前情報入力ステップでは、前記手続者と被相続人との続柄を入力させる続柄入力ステップと、遺言書及び遺産分割協議書の存在の有無を入力させる遺言書・遺産分割協議書情報入力ステップと、被相続人口座情報を入力させる被相続人口座情報入力ステップと、前記被相続人の死亡年月日を入力させる被相続人死亡日入力ステップと、前記被相続人口座情報入力ステップで入力された前記被相続人口座情報を基に、前記被相続人名義の他の口座を抽出し、前記被相続人名義の前記口座を凍結する口座凍結処理ステップと、前記手続者と前記被相続人との関係を確認できる戸籍謄本を撮影させる戸籍謄本撮影ステップと、前記手続者を確認できる情報を撮影させる手続者確認情報撮影ステップとを有し、前記ビデオ通話ステップでは、前記遺言書及び前記遺産分割協議書の作成の有無を確認する遺言書・遺産分割協議書作成確認ステップと、前記被相続人の相続預金全ての払戻を前記手続者が受け取ることについて相続人全員が同意しているかを確認する相続人同意確認ステップと、前記被相続人の相続資産の取扱について前記相続人の間で紛議が生じていないかを確認する紛議確認ステップと、前記相続預金の仮払いや法定相続分の払戻の申出があった場合には前記手続者が責任を持って対応し解決することに同意するかを確認する自己責任同意確認ステップと、前記口座凍結処理ステップで抽出された被相続人名義の前記口座を表示して追加口座があれば追加口座情報を前記手続者に提供させる追加口座処理ステップと、家系図作成のために家系図情報を入力させる家系図作成ステップとを有し、前記事前情報入力ステップでは、前記続柄入力ステップで入力された前記被相続人との前記続柄と、前記遺言書・遺産分割協議書情報入力ステップで入力された前記遺言書及び前記遺産分割協議書の前記存在の有無とによって前記ビデオ通話ステップでの適用者か否かを判断し、前記ビデオ通話ステップでの前記適用者でなければ、前記被相続人口座情報入力ステップ、前記口座凍結処理ステップ、前記戸籍謄本撮影ステップ、及び前記手続者確認情報撮影ステップを行うことなく、前記手続者に対して、前記被相続人との前記続柄と、前記遺言書・遺産分割協議書情報入力ステップで入力された前記遺言書及び前記遺産分割協議書の前記存在の有無とによって店舗手続で必要となる書類の案内を行い、前記ビデオ通話ステップでは、前記続柄と前記被相続人名義の全ての前記口座の合算金額とによって、前記手続者が簡素化手続者に該当するか否かを判定し、前記遺言書・遺産分割協議書作成確認ステップで前記遺言書及び前記遺産分割協議書が存在せず、前記相続人同意確認ステップにおける同意が確認でき、前記紛議確認ステップで前記紛議が生じていないことが確認でき、前記自己責任同意確認ステップで同意が確認できており、前記簡素化手続者に該当すると判定された場合には、前記ビデオ通話ステップによって前記相続手続きを完結させることを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の銀行相続手続支援方法において、前記続柄が配偶者であり、前記合算金額が設定金額以下の場合には、前記手続者を前記簡素化手続者であると判定し、前記家系図作成ステップを行うことなく、前記ビデオ通話ステップによって前記相続手続きを完結させることを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1に記載の銀行相続手続支援方法において、前記続柄が配偶者の場合には第1設定金額とし、前記続柄が子の場合には第2設定金額とし、前記第1設定金額を前記第2設定金額よりも高い金額とし、前記続柄が前記配偶者であれば、前記合算金額が前記第1設定金額以下の場合には、前記手続者を前記簡素化手続者であると判定し、前記続柄が前記子であれば、前記合算金額が前記第2設定金額以下の場合には、前記手続者を前記簡素化手続者であると判定することを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項1に記載の銀行相続手続支援方法において、前記続柄によって設定金額を異ならせ、前記合算金額が前記設定金額以下の場合には、前記手続者を前記簡素化手続者であると判定することを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項1に記載の銀行相続手続支援方法において、前記家系図作成ステップでは、法定相続人の順位が高い順に、存在の有無を入力させ、前記存在有りの前記法定相続人に対しては、健在、前記被相続人の前に死亡、及び前記被相続人より後に死亡のいずれかを選択させ、前記手続者が配偶者又は子のいずれかであれば、父、母、祖父母、兄弟姉妹、甥姪については入力を不要とし、前記子の欄に入力され、前記被相続人の前に死亡が選択されると、代襲相続人を入力するフォームが表示されることを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項5に記載の銀行相続手続支援方法において、前記配偶者、全ての前記子、前記父、前記母、及び全ての前記祖父母について、前記被相続人の前に死亡が選択されると、前記兄弟姉妹を入力するフォームが表示されることを特徴とする。
請求項7記載の本発明は、請求項5又は請求項6に記載の銀行相続手続支援方法において、前記家系図作成ステップでは、一部の入力が行われることで、前記入力の段階での家系図を表示できることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、事前情報入力ステップにおいては手続者がビデオ通話ステップでの適用者か否かを判断することで、店舗手続によることなく、ビデオ通話による相続手続を多くして手続者の負担を軽減し、ビデオ通話ステップにおいては手続者が簡素化手続者に該当するか否かを判定し、簡素化手続者に該当すると判定された場合には、ビデオ通話ステップによって相続手続きを完結させることで、更に手続者の負担を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施例による銀行相続手続支援方法における事前情報入力ステップを示すフローチャート
図2】同銀行相続手続支援方法におけるビデオ通話ステップを示すフローチャート
図3】被相続人口座情報の提供を促す説明画面
図4】被相続人のキャッシュカードから被相続人口座情報を提供する画面
図5】被相続人の死亡年月日を入力させる画面
図6】戸籍謄本の撮影を促す説明画面
図7】戸籍謄本を撮影する画面
図8】手続者確認書類の読取を促す説明画面
図9】手続者確認書類の読取手順の画面
図10】手続者確認書類の撮影を促す説明画面
図11】手続者確認書類の撮影手順の画面
図12】顔認証による撮影を促す説明画面
図13】手続者の顔を撮影する画面
図14】ビデオ通話手続の適用者として手続者情報が登録されたことを示す画面
図15】ビデオ通話希望日時の入力画面
図16】ビデオ通話開始案内を示す画面
図17】ビデオ通話開始画面
図18】暗証番号入力画面
図19】手続者情報確認画面
図20】被相続人情報確認画面
図21】被相続人死亡日確認画面
図22】遺言書・遺産分割協議書作成確認画面
図23】相続人同意確認画面
図24】紛議確認画面
図25】自己責任同意確認画面
図26】被相続人名義の口座を表示する画面
図27】家系図作成ステップを示す画面
図28】家系図作成ステップを示す画面面
図29】家系図作成ステップを示す画面
図30】家系図を示す画面
図31】家系図を示す画面
図32】家系図を示す画面
図33】家系図を示す画面
図34】家系図を示す画面
図35】ビデオ通話による手続終了画面
図36】簡素化手続者として相続手続が完結した場合の画面
図37】追加書類の提出が必要な場合の画面
図38】店舗手続が必要な場合の画面
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の第1の実施の形態による銀行相続手続支援方法は、顧客端末を用いてビデオ通話手続を行うビデオ通話ステップと、顧客端末を用いてビデオ通話手続を行う前に行う事前情報入力ステップとを有し、コンピュータは、事前情報入力ステップでは、手続者と被相続人との続柄を入力させる続柄入力ステップと、遺言書及び遺産分割協議書の存在の有無を入力させる遺言書・遺産分割協議書情報入力ステップと、被相続人口座情報を入力させる被相続人口座情報入力ステップと、被相続人の死亡年月日を入力させる被相続人死亡日入力ステップと、被相続人口座情報入力ステップで入力された被相続人口座情報を基に、被相続人名義の他の口座を抽出し、被相続人名義の口座を凍結する口座凍結処理ステップと、手続者と被相続人との関係を確認できる戸籍謄本を撮影させる戸籍謄本撮影ステップと、手続者を確認できる情報を撮影させる手続者確認情報撮影ステップとを有し、ビデオ通話ステップでは、遺言書及び遺産分割協議書の作成の有無を確認する遺言書・遺産分割協議書作成確認ステップと、被相続人の相続預金全ての払戻を手続者が受け取ることについて相続人全員が同意しているかを確認する相続人同意確認ステップと、被相続人の相続資産の取扱について相続人の間で紛議が生じていないかを確認する紛議確認ステップと、相続預金の仮払いや法定相続分の払戻の申出があった場合には手続者が責任を持って対応し解決することに同意するかを確認する自己責任同意確認ステップと、口座凍結処理ステップで抽出された被相続人名義の口座を表示して追加口座があれば追加口座情報を手続者に提供させる追加口座処理ステップと、家系図作成のために家系図情報を入力させる家系図作成ステップとを有し、事前情報入力ステップでは、続柄入力ステップで入力された手続者と被相続人との続柄と、遺言書・遺産分割協議書情報入力ステップで入力された遺言書及び遺産分割協議書の存在の有無とによってビデオ通話ステップでの適用者か否かを判断し、ビデオ通話ステップでの適用者でなければ、被相続人口座情報入力ステップ、口座凍結処理ステップ、戸籍謄本撮影ステップ、及び手続者確認情報撮影ステップを行うことなく、手続者に対して、被相続人との続柄と、遺言書・遺産分割協議書情報入力ステップで入力された遺言書及び遺産分割協議書の存在の有無とによって店舗手続で必要となる書類の案内を行い、ビデオ通話ステップでは、続柄と被相続人名義の全ての口座の合算金額とによって、手続者が簡素化手続者に該当するか否かを判定し、遺言書・遺産分割協議書作成確認ステップで遺言書及び遺産分割協議書が存在せず、相続人同意確認ステップにおける同意が確認でき、紛議確認ステップで紛議が生じていないことが確認でき、自己責任同意確認ステップで同意が確認できており、簡素化手続者に該当すると判定された場合には、ビデオ通話ステップによって相続手続きを完結させるものである。
本実施の形態によれば、事前情報入力ステップにおいては手続者がビデオ通話ステップでの適用者か否かを判断することで、店舗手続によることなく、ビデオ通話による相続手続を多くして手続者の負担を軽減し、ビデオ通話ステップにおいては手続者が簡素化手続者に該当するか否かを判定し、簡素化手続者に該当すると判定された場合には、ビデオ通話ステップによって相続手続きを完結させることで、更に手続者の負担を軽減できる。
【0010】
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態による銀行相続手続支援方法において、続柄が配偶者であり、合算金額が設定金額以下の場合には、手続者を簡素化手続者であると判定し、家系図作成ステップを行うことなく、ビデオ通話ステップによって相続手続きを完結させるものである。
本実施の形態によれば、配偶者であり合算金額が設定金額以下の場合には、簡素化手続者として、ビデオ通話ステップによって相続手続きを完結させることで、手続者の負担を軽減できる。
【0011】
本発明の第3の実施の形態は、第1の実施の形態による銀行相続手続支援方法において、続柄が配偶者の場合には第1設定金額とし、続柄が子の場合には第2設定金額とし、第1設定金額を第2設定金額よりも高い金額とし、続柄が配偶者であれば、合算金額が第1設定金額以下の場合には、手続者を簡素化手続者であると判定し、続柄が子であれば、合算金額が第2設定金額以下の場合には、手続者を簡素化手続者であると判定するものである。
本実施の形態によれば、続柄によって簡素化手続者の判定基準を変更することで、簡易手続者の対象を拡大することができる。
【0012】
本発明の第4の実施の形態は、第1の実施の形態による銀行相続手続支援方法において、続柄によって設定金額を異ならせ、合算金額が設定金額以下の場合には、手続者を簡素化手続者であると判定するものである。
本実施の形態によれば、続柄によって簡素化手続者の判定基準を変更することで、簡易手続者の対象を拡大することができる。
【0013】
本発明の第5の実施の形態は、第1の実施の形態による銀行相続手続支援方法において、家系図作成ステップでは、法定相続人の順位が高い順に、存在の有無を入力させ、存在有りの法定相続人に対しては、健在、被相続人の前に死亡、及び被相続人より後に死亡のいずれかを選択させ、手続者が配偶者又は子のいずれかであれば、父、母、祖父母、兄弟姉妹、甥姪については入力を不要とし、子の欄に入力され、被相続人の前に死亡が選択されると、代襲相続人を入力するフォームが表示されるものである。
本実施の形態によれば、手続者の負担を軽減でき、銀行における相続手続きに必要となる書類を特定できるに十分な情報を得ることができる。
【0014】
本発明の第6の実施の形態は、第5の実施の形態による銀行相続手続支援方法において、配偶者、全ての子、父、母、及び全ての祖父母について、被相続人の前に死亡が選択されると、兄弟姉妹を入力するフォームが表示されるものである。
本実施の形態によれば、不要な入力を行なうことがなく、手続者の負担を軽減できる。
【0015】
本発明の第7の実施の形態は、第5又は第6の実施の形態による銀行相続手続支援方法において、家系図作成ステップでは、一部の入力が行われることで、入力の段階での家系図を表示できるものである。
本実施の形態によれば、入力途中でも家系図で確認を行え、入力作業をサポートすることができる。
【実施例0016】
以下本発明の一実施例による銀行相続手続支援方法について説明する。
図1は本実施例による銀行相続手続支援方法における事前情報入力ステップを示すフローチャート、図2は同銀行相続手続支援方法におけるビデオ通話ステップを示すフローチャートであり、図3から図34は、それぞれの手続きにおける画面イメージを示している。
手続者が操作する顧客端末Aと、コンピュータBとはインターネットなどの通信回線によって接続される。
手続者は、あらかじめ本実施例による銀行相続手続支援方法を行うためのアプリケーションソフトウェアを顧客端末Aにダウンロードしておく。
【0017】
図1及び図3から図15を用いて、顧客端末Aを用いてビデオ通話手続を行う前に行う事前情報入力ステップについて説明する。
【0018】
手続者は、顧客端末Aを操作し、アプリケーションソフトウェアを起動し(S1)、手続メニューから、相続手続を選択する(S2)。
事前情報入力ステップでは、手続者と被相続人との続柄を入力させる続柄入力ステップ(S3)と、遺言書及び遺産分割協議書の存在の有無を入力させる遺言書・遺産分割協議書情報入力ステップ(S4)とを有する。
コンピュータBは、続柄入力ステップ(S3)で入力された手続者と被相続人との続柄と、遺言書・遺産分割協議書情報入力ステップ(S4)で入力された遺言書及び遺産分割協議書の存在の有無とによってビデオ通話ステップでの適用者か否かを判断する(S5)。
S5では、ビデオ通話ステップでの適用者を、例えば手続者と被相続人との続柄が法定相続人であることを条件とする。法定相続人の中でも、配偶者及び子に限って適用者とすることでもよい。又は法定相続人からの委任者を適用者に含めてもよい。
S5では、遺言書及び遺産分割協議書の少なくともいずれかが存在する場合には手続者を適用者から除外する。
S5においてビデオ通話ステップでの適用者でないと判断されると、ビデオ通話による手続きではなく店舗手続が必要である旨と、相続手続きに必要な書類情報を記載した案内文を選択して(S6)、顧客端末Aで表示する(S7)。
【0019】
案内文は、例えば、遺言書が存在する場合において、遺言執行者が定められている場合には、公正証書遺言又は自筆証書遺言、被相続人の通帳及び証書、遺言執行者が自署・捺印した相続手続依頼書、遺言執行者の印鑑証明書、及び被相続人が死亡し除籍されている戸籍謄本が必要である旨の案内文となり、遺言執行者が定められていない場合には、公正証書遺言又は自筆証書遺言、被相続人の通帳及び証書、受遺者が自署・捺印した相続手続依頼書、受遺者の印鑑証明書、及び被相続人が死亡し除籍されている戸籍謄本が必要である旨の案内文となる。
また、遺産分割協議書が存在する場合において、遺産分割協議書で預金相続する人(特定相続人)が確認できる場合には、遺産分割協議書、被相続人の通帳及び証書、特定相続人が自署・捺印した相続手続依頼書、特定相続人の印鑑証明書、被相続人が生まれてから死亡までの戸籍謄本、及び法定相続人の現在の戸籍謄本が必要である旨の案内文となり、遺産分割協議書で預金相続する人(特定相続人)が特定できない場合には、遺産分割協議書、被相続人の通帳及び証書、相続人全員が自署・捺印した相続手続依頼書、相続人全員の印鑑証明書、被相続人が生まれてから死亡までの戸籍謄本、及び法定相続人の現在の戸籍謄本が必要である旨の案内文となる。
また、遺言書及び遺産分割協議書の両方が存在する場合においては、公正証書遺言又は自筆証書遺言、遺産分割協議書、被相続人の通帳及び証書、及び被相続人が生まれてから死亡までの戸籍謄本が必要である旨の案内文となる。
【0020】
S5においてビデオ通話ステップでの適用者でないと判断されると、手続者は店舗での手続を行う必要がある。
【0021】
コンピュータBは、S5においてビデオ通話ステップでの適用者であると判断すると、手続者に対してビデオ通話手続に必要な事前情報を要求する(S8)。
S8における事前情報の要求は、例えば被相続人のキャッシュカード、証書、又は通帳を撮像させることで行わせる。
図3は被相続人口座情報の提供を促す説明画面、図4は被相続人のキャッシュカードから被相続人口座情報を提供する画面、図5は被相続人の死亡年月日を入力させる画面である。
図4に示すように、被相続人口座情報入力ステップ(S9)では、キャッシュカードを撮像することで被相続人口座情報を入力させる。
図5に示すように、被相続人死亡日入力ステップ(S10)では、テンキー操作によって被相続人の死亡年月日を入力させる。なお、戸籍謄本撮影ステップ(S15)における戸籍謄本の撮影が行われる場合には、戸籍謄本の撮影で得られる被相続人の死亡年月日を用いることで、被相続人死亡日入力ステップ(S10)としてもよい。
【0022】
S9による被相続人口座情報が入力され、S10による被相続人の死亡年月日が入力されると、コンピュータBは、入力された被相続人口座情報を基に、被相続人名義の他の口座を抽出し(S11)、被相続人名義の口座を凍結する(口座凍結処理ステップ(S12))。被相続人名義の他の口座の抽出は、休眠口座(不動口座)を含めて行われる。
簡素化手続者仮判定ステップ(S13)では、続柄と被相続人名義の全ての口座の合算金額とによって、手続者が簡素化手続者に該当するか否かを判定する。
【0023】
例えば、続柄が配偶者である場合には、被相続人名義の全ての口座の合算金額が500万円以下であれば手続者を簡素化手続者に該当すると判定し、続柄が子である場合には、被相続人名義の全ての口座の合算金額が300万円以下であれば手続者を簡素化手続者に該当すると判定する。
なお、コンピュータBは、入力された被相続人口座情報を基に、投資信託・公共債、貸金庫、融資などの取引の有無情報を取得し、これらの取引がある場合には、簡素化手続者から除外する。
簡素化手続者仮判定ステップ(S13)での判定結果は、簡素化候補者としてデータベースに登録する(S14)。
【0024】
図6は戸籍謄本の撮影を促す説明画面、図7は戸籍謄本を撮影する画面である。
図6及び図7に示すように、戸籍謄本撮影ステップ(S15)では、手続者と被相続人との関係を確認できる戸籍謄本を撮影させる。
【0025】
図8は手続者確認書類の読取を促す説明画面、図9は手続者確認書類の読取手順の画面、図10は手続者確認書類の撮影を促す説明画面、図11は手続者確認書類の撮影手順の画面である。
図8から図11に示すように、手続者確認情報撮影ステップ(S16)では、手続者確認書類を読み取らせるとともに撮影させる。
図9から図11では、手続者確認書類として運転免許証を用いた場合を示しているが、図8に示すように、マイナンバーカードを用いることもできる。
【0026】
図12は顔認証による撮影を促す説明画面、図13は手続者の顔を撮影する画面である。
図12及び図13に示すように、手続者顔撮影ステップ(S17)では、手続者の顔を撮影させ、コンピュータBでは撮影された手続者の顔認証を行う(S18)。
手続者確認情報撮影ステップ(S16)によって手続者が特定され、又は手続者の顔認証を行う(S18)ことで、手続者の口座を入金口座として手続者情報に合わせて登録することもできる(S19)。
【0027】
図14はビデオ通話手続の適用者として手続者情報が登録されたことを示す画面であり、S19による手続者情報登録が行われたことを示している。
図14に示すように、S15における戸籍謄本の撮影は、ビデオ通話手続の所定期間前までに行うことができる。
【0028】
図15はビデオ通話希望日時の入力画面であり、ビデオ通話希望日時を入力することで(S20)、ビデオ通話の予約受付が完了する(S21)。
【0029】
本実施例によれば、ビデオ通話ステップでの適用者でなければ、被相続人口座情報入力ステップ(S9)、口座凍結処理ステップ(S12)、戸籍謄本撮影ステップ(S15)、及び手続者確認情報撮影ステップ(S16)を行うことなく、手続者に対して、被相続人との続柄と、遺言書・遺産分割協議書情報入力ステップ(S4)で入力された遺言書及び遺産分割協議書の存在の有無とによって店舗手続で必要となる書類の案内が行われる。
【0030】
図2及び図16から図38を用いて、顧客端末Aを用いてビデオ通話手続を行うビデオ通話ステップについて説明する。
【0031】
図16はビデオ通話開始案内を示す画面であり、ビデオ通話開始案内ステップ(S31)では、顧客端末Aに対してオンライン手続可能になったことを通知する。
【0032】
図17はビデオ通話開始画面であり、ビデオ通話開始入力を行なうことでビデオ通話が開始される(S32)。
【0033】
図18は暗証番号入力画面であり、暗証番号を入力する(S33)ことで、コンピュータBでは手続者の認証を行う(S34)。
【0034】
図19は手続者情報確認画面であり、コンピュータBは手続者に関して、氏名、生年月日、住所、連絡先、及び被相続人との続柄を表示し(S35)、手続者は確認を行う(S36)。
【0035】
図20は被相続人情報確認画面であり、コンピュータBは被相続人に関して、氏名、及び生年月日を表示し(S37)、手続者は確認を行う(S38)。
【0036】
図21は被相続人死亡日確認画面であり、コンピュータBは被相続人の死亡年月日を表示し(S39)、手続者は確認を行う(S40)。
【0037】
図22は遺言書・遺産分割協議書作成確認画面であり、遺言書・遺産分割協議書作成確認ステップ(S41)では、遺言書及び遺産分割協議書の作成の有無を確認する。
【0038】
図23は相続人同意確認画面であり、相続人同意確認ステップ(S42)では、被相続人の相続預金全ての払戻を手続者が受け取ることについて相続人全員が同意しているかを確認する。
【0039】
図24は紛議確認画面であり、紛議確認ステップ(S43)では、被相続人の相続資産の取扱について相続人の間で紛議が生じていないかを確認する。
【0040】
図25は自己責任同意確認画面であり、自己責任同意確認ステップ(S44)では、相続預金の仮払いや法定相続分の払戻の申出があった場合には手続者が責任を持って対応し解決することに同意するかを確認する。
【0041】
遺言書・遺産分割協議書作成確認ステップ(S41)で、遺言書・遺産分割協議書の作成が有り(S41でNo)、相続人同意確認ステップ(S42)で、相続人全員が同意していない場合(S42でNo)、紛議確認ステップ(S43)で、紛議が生じている場合(S43でNo)、自己責任同意確認ステップ(S44)で、同意しない場合(S44でNo)、のいずれかに該当する場合には、簡素化対象から除外する処理を行う(S45)。
【0042】
遺言書・遺産分割協議書作成確認ステップ(S41)で、遺言書・遺産分割協議書の作成が無く(S41でYes)、相続人同意確認ステップ(S42)で、相続人全員が同意している場合(S42でYes)、紛議確認ステップ(S43)で、紛議が生じていない場合(S43でYes)、自己責任同意確認ステップ(S44)で、同意する場合(S44でYes)、の全てに該当する場合には、簡素化対象候補を維持する。
【0043】
図26は被相続人名義の口座を表示する画面であり、口座凍結処理ステップ(S12)で抽出された被相続人名義の全ての口座を表示する(S46)。
追加口座がある場合には(S47でYes)、該当するキャッシュカードや通帳を撮影する(S48)。
コンピュータBは、S48で撮影された追加口座情報を基に被相続人の口座を確認するとともに、更に他の追加口座の有無を確認する(S49)。例えば、追加口座情報が被相続人の旧姓である場合には、旧姓を基に他の追加口座の有無を確認する。なお、追加口座の有無の確認は休眠口座(不動口座)を含めて行われる。
追加口座がある場合には、口座の追加処理を行う(S50)。S46からS50が追加口座処理ステップである。
簡素化手続者判定ステップ(S51)では、続柄と被相続人名義の全ての口座の合算金額とによって、手続者が簡素化手続者に該当するか否かを判定する。
例えば、続柄が配偶者である場合には、被相続人名義の全ての口座の合算金額が500万円以下であれば手続者を簡素化手続者に該当すると判定し、続柄が子である場合には、被相続人名義の全ての口座の合算金額が300万円以下であれば手続者を簡素化手続者に該当すると判定する。
なお、コンピュータBは、S45による簡素化対象から除外する処理が行われた手続者、及び投資信託・公共債、貸金庫、融資などの取引がある場合には、簡素化手続者から除外される。
簡素化手続者判定ステップ(S51)での判定結果は、簡素化手続者としてデータベースに登録する。
【0044】
家系図作成ステップ(S52)では、家系図作成のために家系図情報を入力させ(S53)、家系図を作成する。
なお、S14又はS51によって判定された簡素化手続者、又は簡素化手続者の中の一部の条件を満たす手続者は、家系図不要と判断し(S58でYes)、家系図作成ステップ(S52)を省略することができる。家系図は、その後の手続に必要となる書類を判断するために必要としている。簡素化手続者は、ビデオ通話ステップによって相続手続きが完結し、ビデオ通話ステップの後に提出が必要な書類が存在しないため家系図を必要としない。また、紛議の可能性が極めて低いことから、家系図作成ステップ(S52)を省略できる簡素化手続者を、被相続人名義の全ての口座の合算金額が500万円以下である配偶者に限ってもよい。
【0045】
図27から図29は家系図作成ステップを示す画面である。
【0046】
図27に示すように、配偶者、子、父、及び母、の順に、法定相続人の順位が高い順に、存在の有無を入力させる。手続者が配偶者又は子のいずれかであれば、父、母、祖父母、兄弟姉妹、甥姪については入力を不要としている。
【0047】
また、図28に示すように、存在有りの法定相続人に対しては、健在、被相続人の前に死亡、及び被相続人より後に死亡のいずれかを選択させる。
また、図28に示すように、子の欄に入力され、被相続人の前に死亡が選択されると、代襲相続人を入力するフォーム(孫欄)が表示される。
【0048】
また、図29に示すように、配偶者、全ての子、父、母、及び全ての祖父母について、被相続人の前に死亡が選択されると、兄弟姉妹を入力するフォームが表示される。
【0049】
本実施例によれば、手続者の負担を軽減でき、銀行における相続手続きに必要となる書類を特定できるに十分な情報を得ることができる。また、兄弟姉妹を入力するフォームは、配偶者、全ての子、父、母、及び全ての祖父母について、被相続人の前に死亡が選択されると、表示されることで、不要な入力を行なうことがなく、手続者の負担を軽減できる。
【0050】
図30から図34は家系図を示す画面である。
【0051】
図30から図34に示す家系図は、家系図作成ステップ(S52)における一部の入力が行われることで、入力の段階での家系図を表示できる。従って、入力途中でも家系図で確認を行え、入力作業をサポートすることができる。
図30から図34に示すように、法定相続人については、健在か死亡かを区分して表示するとともに、入力不要と未入力とを区分して表示している。
【0052】
家系図作成ステップ(S52)の後に、コンピュータBは手続者に関して、入金口座を表示し(S54)、手続者は確認を行う(S55)。
図35はビデオ通話による手続終了画面、図36は簡素化手続者として相続手続が完結した場合の画面、図37は追加書類の提出が必要な場合の画面、図38は店舗手続が必要な場合の画面である。
コンピュータBは手続者に関して、申込内容を表示し(S56)、手続者は確認を行う(S57)ことでビデオ通話手続が終了する。
【0053】
本実施例によれば、遺言書・遺産分割協議書作成確認ステップ(S41)で遺言書及び遺産分割協議書が存在せず、相続人同意確認ステップ(S42)における同意が確認でき、紛議確認ステップ(S43)で紛議が生じていないことが確認でき、自己責任同意確認ステップ(S44)で同意が確認できており、手続者が簡素化手続者に該当すると判定された場合には、ビデオ通話ステップによって相続手続きを完結させることができる。
そして、事前情報入力ステップにおいてはビデオ通話ステップでの適用者か否かを判断することで、店舗手続によることなく、ビデオ通話による相続手続を多くして手続者の負担を軽減し、ビデオ通話ステップにおいては手続者が簡素化手続者に該当するか否かを判定し、簡素化手続者に該当すると判定された場合には、ビデオ通話ステップによって相続手続きを完結させることで、更に手続者の負担を軽減できる。
また、続柄が配偶者であり、合算金額が設定金額以下の場合には、簡素化手続者であると判定し、家系図作成ステップ(S52)を行うことなく、ビデオ通話ステップによって相続手続きを完結させることで、手続者の負担を軽減できる。
また、続柄が配偶者の場合には第1設定金額とし、続柄が子の場合には第2設定金額とし、第1設定金額を第2設定金額よりも高い金額とし、続柄が配偶者であれば、合算金額が第1設定金額以下の場合には、簡素化手続者であると判定し、続柄が子であれば、合算金額が第2設定金額以下の場合には、簡素化手続者であると判定することで、簡易手続者の対象を拡大することができる。
このように、続柄によって設定金額を異ならせ、合算金額が設定金額以下の場合には、簡素化手続者であると判定し、続柄によって簡素化手続者の判定基準を変更することで、簡易手続者の対象を拡大することができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明によれば、手続者が操作する顧客端末を用いて、ビデオ通話によって銀行での相続手続を行うことができる。
【符号の説明】
【0055】
A 顧客端末
B コンピュータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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