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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057944
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】空気入りタイヤ
(51)【国際特許分類】
   B60C 13/00 20060101AFI20240418BHJP
【FI】
B60C13/00 D
B60C13/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022164952
(22)【出願日】2022-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104134
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156225
【弁理士】
【氏名又は名称】浦 重剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168549
【弁理士】
【氏名又は名称】苗村 潤
(74)【代理人】
【識別番号】100200403
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 幸信
(74)【代理人】
【識別番号】100206586
【弁理士】
【氏名又は名称】市田 哲
(72)【発明者】
【氏名】石田 直輝
【テーマコード(参考)】
3D131
【Fターム(参考)】
3D131BB01
3D131BB03
3D131BB06
3D131BC47
3D131GA01
3D131GA03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】バルジ、デント、ベア等の凹凸を目立たなくして、サイドウォール部の外観を向上する。
【解決手段】サイドウォール部3に凹凸領域10が形成された空気入りタイヤである。凹凸領域10は、複数の基準面部11と、複数の第1凸面部12と、複数の第1凹面部13とを含む。サイドウォール部3の正面視において、第1凸面部12及び第1凹面部13は、四辺形状である。タイヤ周方向で隣接する第1凸面部12及び第1凹面部13の各ペアP1の間の第1区画領域K1の一部が基準面部11で形成されている。タイヤ半径方向で隣接する第1凸面部12及び第1凹面部13の各ペアP2の間の第2区画領域K2の一部が基準面部11で形成されている。第1区画領域K1と第2区画領域K2との間の交差部Kcは、第2面部14で形成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気入りタイヤであって、
トレッド部と、前記トレッド部からタイヤ半径方向内側に延びる一対のサイドウォール部とを含み、
前記一対のサイドウォール部の少なくとも一方の外表面には、凹凸領域が形成されており、
前記凹凸領域は、複数の基準面部と、前記基準面部よりもタイヤ軸方向の外側に突出する複数の第1凸面部と、前記基準面部よりもタイヤ軸方向の内側に凹む複数の第1凹面部とを含み、
前記サイドウォール部の正面視において、前記複数の第1凸面部、及び、前記複数の第1凹面部は、それぞれ、四辺形状であり、
前記複数の第1凸面部及び前記複数の第1凹面部は、タイヤ周方向及びタイヤ半径方向に交互に繰り返して配置されており、
タイヤ周方向で隣接する前記第1凸面部及び前記第1凹面部の各ペアの間には、タイヤ半径方向に延びる第1区画領域が形成されており、
タイヤ半径方向で隣接する前記第1凸面部及び前記第1凹面部の各ペアの間には、タイヤ周方向に延びる第2区画領域が形成されており、
前記第1区画領域の一部が前記基準面部で形成されており、
前記第2区画領域の一部が前記基準面部で形成されており、
前記第1区画領域と前記第2区画領域との間の交差部は、前記基準面部、前記第1凸面部及び前記第1凹面部とは、タイヤ軸方向で異なる位置に外表面を有する第2面部で形成されている、
空気入りタイヤ。
【請求項2】
前記第2面部は、前記第1凸面部よりもタイヤ軸方向外側に突出する第2凸面部を含む、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
【請求項3】
前記第2面部は、前記第1凹面部よりもタイヤ軸方向内側に凹む第2凹面部を含む、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
【請求項4】
前記第2面部は、前記第1凸面部よりもタイヤ軸方向外側に突出する第2凸面部と、前記第1凹面部よりもタイヤ軸方向内側に凹む第2凹面部とを含み、これらがタイヤ周方向及びタイヤ半径方向に交互に形成されている、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
【請求項5】
前記サイドウォール部の正面視において、前記第2面部は、前記交差部からタイヤ半径方向及びタイヤ周方向に延びる十字状に形成されている、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
【請求項6】
前記第1凸面部の外表面は、前記基準面部の外表面に対して、タイヤ軸方向外側に0.2~0.6mm突出しており、
前記第1凹面部の外表面は、前記基準面部の外表面に対して、タイヤ軸方向内側に0.2~0.6mm凹んでおり、
前記第2凸面部の外表面は、前記基準面部の外表面に対して、タイヤ軸方向外側に0.4~1.0mm突出しており、
前記第2凹面部の外表面は、前記基準面部の外表面に対して、タイヤ軸方向内側に0.4~1.0mm凹んでいる、請求項4に記載の空気入りタイヤ。
【請求項7】
前記第2凸面部の前記外表面は、前記第1凸面部の前記外表面に対して、タイヤ軸方向外側に0.2mm以上突出しており、
前記第2凹面部の前記外表面は、前記第1凹面部の前記外表面に対して、タイヤ軸方向内側に0.2mm以上凹んでいる、請求項4又は6に記載の空気入りタイヤ。
【請求項8】
前記第1区画領域のタイヤ周方向の長さは、前記第1凸面部のタイヤ周方向の長さの30%以下である、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
【請求項9】
前記第2区画領域のタイヤ半径方向の長さは、前記第1凸面部のタイヤ半径方向の長さの30%以下である、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
【請求項10】
前記第1凹面部又は前記第2凹面部の少なくとも一方の少なくとも一つの前記外表面には、複数の微小突起が形成されている、請求項4に記載の空気入りタイヤ。
【請求項11】
前記複数の微小突起のタイヤ軸方向の突出端は、前記基準面部よりもタイヤ軸方向の内側に位置する、請求項10に記載の空気入りタイヤ。
【請求項12】
前記第2凸面部の一つの面積及び前記第2凹面部の一つの面積は、前記複数の第1凸面部のそれぞれの面積及び前記複数の第1凹面部のそれぞれの面積よりも小さく、かつ、前記複数の基準面部のそれぞれの面積よりも大きい、請求項4に記載の空気入りタイヤ。
【請求項13】
前記サイドウォール部の正面視において、前記複数の第1凸面部及び前記複数の第1凹面部は、それぞれ、正方形状に形成されている、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
【請求項14】
前記第2区画領域に形成された前記基準面部のタイヤ周方向の長さは、タイヤ半径方向で隣接する前記第1凸面部及び前記第1凹面部のタイヤ周方向の長さよりも小さい、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
【請求項15】
前記第1区画領域に形成された前記基準面部のタイヤ半径方向の長さは、タイヤ周方向で隣接する前記第1凸面部及び前記第1凹面部のタイヤ半径方向の長さよりも小さい、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気入りタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、サイドウォール部の表面にタイヤ半径方向に延びる複数の条溝と、隣合う前記条溝間に形成されるリッジとを含むセレーション模様を具えた空気入りタイヤが記載されている。前記条溝の溝深さは、タイヤ半径方向外側にいくにつれて、小さくなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-54301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
タイヤのサイドウォール部の外表面には、バルジ、デント、ベア等の凹凸が形成される場合がある。これらの凹凸は、タイヤ本来の走行性能に影響を及ぼすものではないものの、サイドウォール部の外観を悪化させる傾向がある。
【0005】
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、バルジ、デント、ベア等の凹凸を目立たなくして、サイドウォール部の外観を向上させることができる空気入りタイヤを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、空気入りタイヤであって、トレッド部と、前記トレッド部からタイヤ半径方向内側に延びる一対のサイドウォール部とを含み、前記一対のサイドウォール部の少なくとも一方の外表面には、凹凸領域が形成されており、前記凹凸領域は、複数の基準面部と、前記基準面部よりもタイヤ軸方向の外側に突出する複数の第1凸面部と、前記基準面部よりもタイヤ軸方向の内側に凹む複数の第1凹面部とを含み、前記サイドウォール部の正面視において、前記複数の第1凸面部、及び、前記複数の第1凹面部は、それぞれ、四辺形状であり、前記複数の第1凸面部及び前記複数の第1凹面部は、タイヤ周方向及びタイヤ半径方向に交互に繰り返して配置されており、タイヤ周方向で隣接する前記第1凸面部及び前記第1凹面部の各ペアの間には、タイヤ半径方向に延びる第1区画領域が形成されており、タイヤ半径方向で隣接する前記第1凸面部及び前記第1凹面部の各ペアの間には、タイヤ周方向に延びる第2区画領域が形成されており、前記第1区画領域の一部が前記基準面部で形成されており、前記第2区画領域の一部が前記基準面部で形成されており、前記第1区画領域と前記第2区画領域との間の交差部は、前記基準面部、前記第1凸面部及び前記第1凹面部とは、タイヤ軸方向で異なる位置に外表面を有する第2面部で形成されている、空気入りタイヤである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の空気入りタイヤは、上記の構成を採用することで、バルジ、デント、ベア等の凹凸を目立たなくして、サイドウォール部の外観を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の空気入りタイヤの一実施例を示す部分側面図である。
図2】本実施形態のサイドウォール部の拡大正面図である。
図3】(A)は、図2のA-A線断面図、(B)は、図2のC-C線断面図、(C)は、図2のE-E線断面図である。
図4図2の凹凸領域の拡大図である。
図5図2の凹凸領域の部分斜視図である。
図6】(A)は、他の実施形態の凹凸領域の正面図、(B)は、(A)のG-G断面図である。
図7】実施形態の空気入りタイヤの部分側面図である。
図8】(A)は、さらに他の実施形態の凹凸領域の正面図、(B)は、(A)のH-H断面図である。
図9】さらに他の実施形態の凹凸領域の正面図である。
図10】さらに他の実施形態の凹凸領域の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本発明の空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」という場合がある)1の一実施形態を示す部分側面図である。図1には、好ましい態様として、乗用車用の空気入りタイヤ1が示される。但し、本発明は、例えば、自動二輪車用や重荷重用のタイヤ1に採用されても良い。
【0010】
本明細書では、特に断りがない限り、タイヤ1の各部の寸法等は、正規状態で測定されたものである。「正規状態」とは、タイヤ1が正規リム(図示省略)にリム組みされかつ正規内圧が充填され、しかも、無負荷の状態である。
【0011】
「正規リム」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めているリムであり、例えばJATMAであれば "標準リム" 、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば"Measuring Rim" である。
【0012】
「正規内圧」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば "最高空気圧" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" である。
【0013】
本実施形態のタイヤ1は、トレッド部2と、トレッド部2からタイヤ半径方向内側に延びる一対のサイドウォール部3とを含んでいる。図1には、一方のサイドウォール部3が示されている。
【0014】
一対のサイドウォール部3の少なくとも一方の外表面3aには、凹凸領域10が形成されている。凹凸領域10は、例えば、一対のサイドウォール部3の両方に形成されている。凹凸領域10は、本実施形態では、タイヤ周方向で途切れるように形成されている。凹凸領域10は、例えば、タイヤ周方向で連続するように形成されていても良い。また、凹凸領域10は、例えば、タイヤ最大幅位置Mを挟んでタイヤ半径方向の内外に延びるように形成されている。凹凸領域10は、タイヤ最大幅位置Mからタイヤ半径方向の外側に配された外側部分10Aと、外側部分10Aのタイヤ半径方向の内側に配された内側部分10Bとを含んでいる。内側部分10Bのタイヤ半径方向の長さLBは、外側部分10Aのタイヤ半径方向の長さLAよりも小さいのが望ましい。凹凸領域10は、例えば、ビードベースラインBLから、トレッド端TeとビードベースラインBLとの間のタイヤ半径方向の長さLpの20%~100%の範囲に配されるのが望ましい。このような位置は、目視確認されやすい位置である。ビードベースラインBLは、前記正規リムのリム径(JATMA等参照)を規定する線である。
【0015】
図2は、図1のサイドウォール部3を正面から見た凹凸領域10の拡大図である。図3(A)は、図2のA-A線断面図、図3(B)は、図2のC-C線断面図、及び、図3(C)は、図2のE-E線断面図である。なお、本実施形態では、図2のA-A線断面形状は、図2のB-B線断面形状と同じであり、図2のC-C線断面形状は、図2のD-D線断面形状と同じであり、図2のE-E線断面形状は、図2のF-F線断面形状と同じである。図2及び図3に示されるように、凹凸領域10は、複数の基準面部11と、基準面部11よりもタイヤ軸方向の外側に突出する複数の第1凸面部12と、基準面部11よりもタイヤ軸方向の内側に凹む複数の第1凹面部13とを含んでいる。図2では、タイヤ半径方向が符号rの矢印の方向(図では、上下方向)で示されており、タイヤ周方向が符号fの矢印の方向(図では、左右方向)で示されている。なお、タイヤ半径方向は、タイヤ回転軸(図示省略)を中心として放射方向に延びているが、図2では、便宜上、図の上下方向と平行なものとして示されている。また、タイヤ周方向は円弧状に延びるものであるが、図2では、便宜上、直線状で示されている。
【0016】
基準面部11は、タイヤ軸方向の外側を向く外表面11aを有している。第1凸面部12は、タイヤ軸方向の外側を向く外表面12aを有している。第1凹面部13は、タイヤ軸方向の外側を向く外表面13aを有している。第1凸面部12及び第1凹面部13のそれぞれは、例えば、各外表面12a、13aのそれぞれに繋がってタイヤ軸方向に延びる軸方向面20を、さらに有している。
【0017】
タイヤ周方向で隣接する第1凸面部12及び第1凹面部13の各ペアP1の間には、タイヤ半径方向に延びる第1区画領域K1が形成されている。また、タイヤ半径方向で隣接する第1凸面部12及び第1凹面部13の各ペアP2の間には、タイヤ周方向に延びる第2区画領域K2が形成されている。
【0018】
そして、第1区画領域K1の一部が基準面部11で形成されている。また、第2区画領域K2の一部が基準面部11で形成されている。さらに、第1区画領域K1と第2区画領域K2との間の交差部Kcは、第2面部14で形成されている。第2面部14は、基準面部11、第1凸面部12及び第1凹面部13とは、タイヤ軸方向で異なる位置に外表面14aを有する。このように、凹凸領域10は、タイヤ軸方向で異なる少なくとも4つの位置に外表面11a、12a、13a及び14aが形成されるので、少なくとも4つの明度を生じる。換言すると、凹凸領域10は、基準面部11と、基準面部11とは突出高さ又は深さの異なる少なくとも3つの面部を有することで、少なくとも4つの明度を生じる。第2面部14は、例えば、外表面14aに繋がってタイヤ軸方向に延びる軸方向面20を、さらに有している。
【0019】
また、サイドウォール部3の正面視において、複数の第1凸面部12、及び、複数の第1凹面部13は、それぞれ、四辺形状である。前記「四辺形状」は、第1凸面部12の外表面12aの形状(外表面12aと軸方向面20とが交差する4本のエッジe)、又は、第1凹面部13の外表面13aの形状(外表面13aと軸方向面20とが交差する4本のエッジe)で特定される。エッジeは、サイドウォール部3の正面視において、直線に延びるものは勿論、タイヤ製造上の精度誤差によって、大きな曲率半径で円弧状(曲線)に延びる態様を含む。また、エッジeとエッジeとが、小さな曲率半径で円弧状に繋がる態様も含む。
【0020】
さらに、複数の第1凸面部12及び複数の第1凹面部13は、タイヤ周方向及びタイヤ半径方向に交互に繰り返して配置されている。これにより、サイドウォール部3の正面視において、複数の第1凸面部12と複数の第1凹面部13とが、例えば、格子状を形成する。したがって、凹凸領域10は、例えば、カフェウォール錯視を引き起こし、凹凸領域10に形成されたバルジ、デント、ベア等を目立たなくして、サイドウォール部3の外観性能(以下、単に「外観性能」という)を向上させる。本明細書では、バルジ、デント、ベア等を目立たなくする効果を「否目立ち効果」という場合がある。
【0021】
基準面部11(の外表面11a)は、タイヤ子午線断面(図示省略)において、タイヤ断面幅(JATMA参照)を特定するサイドウォール部3の外表面3aに繋がって滑らかに延びる面3Aと一致する。
【0022】
サイドウォール部3の正面視において、複数の基準面部11は、四辺形状、本実施形態では、長方形状に形成されている。前記「長方形状」は、外表面11aが長方形である態様は勿論、タイヤ製造上の精度誤差により、外表面11aの外縁が大きな曲率半径で円弧状(曲線)に延びる態様、又は、外縁の折れ曲がり部が小さな曲率半径の円弧状に形成される態様を含む。
【0023】
サイドウォール部3の正面視において、複数の第1凸面部12及び複数の第1凹面部13は、それぞれ、正方形状に形成されている。これにより、複数の第1凸面部12と複数の第1凹面部13とが、例えば、正方形状の格子状を形成する。このため、凹凸領域10は、カフェウォール錯視をさらに引き起こし、否目立ち効果を高めて外観性能を向上する。前記「正方形状」は、「四辺形状」と同様に、外表面12a、13a(4本のエッジe)が正方形である態様は勿論、タイヤ製造上の精度誤差により、エッジeが大きな曲率半径で円弧状に延びる態様や、エッジeとエッジeとが小さな曲率半径で円弧状に繋がる態様を含む。
【0024】
図4は、図2の凹凸領域10の拡大図である。図5は、凹凸領域10の部分斜視図である。図4又は図5に示されるように、タイヤ周方向に並ぶ第1凸面部12の外表面12a及び第1凹面部13の外表面13aは、例えば、同じ形状で形成されている。タイヤ周方向に並ぶ第1凸面部12の外表面12a及び第1凹面部13の外表面13aは、例えば、同じ面積で形成されている。タイヤ周方向に並ぶ第1凸面部12及び第1凹面部13のタイヤ半径方向の長さh1、h2は、同じとされている。タイヤ周方向に並ぶ第1凸面部12及び第1凹面部13は、それぞれ、タイヤ半径方向に位置ずれすることなく、タイヤ半径方向の同じ位置に形成されている。これにより、カフェウォール錯視が一層引き起こされる。
【0025】
同様の観点より、タイヤ半径方向に並ぶ第1凸面部12の外表面12a及び第1凹面部13の外表面13aは、同じ形状で形成されているのが望ましい。タイヤ半径方向に並ぶ第1凸面部12の外表面12a及び第1凹面部13の外表面13aは、例えば、同じ面積で形成されている。タイヤ半径方向に並ぶ第1凸面部12及び第1凹面部13のタイヤ周方向の長さt1、t2は、同じとされている。タイヤ半径方向に並ぶ第1凸面部12及び第1凹面部13は、それぞれ、タイヤ周方向に位置ずれすることなく、タイヤ周方向の同じ位置に形成されているのが望ましい。なお、サイドウォール部3では、タイヤ回転軸(図示省略)を中心とする円周は、タイヤ半径方向の外側ほど大きくなる。このため、タイヤ半径方向に並ぶ第1凸面部12の外表面12a及び第1凹面部13の外表面13aのタイヤ周方向の長さt1、t2は、タイヤ半径方向の外側に位置する外表面12a、13aほど大きくなっても良い。
【0026】
第1凸面部12のタイヤ半径方向の長さh1、及び、第1凹面部13のタイヤ半径方向の長さh2は、例えば、2.0mm以上が望ましく、3.0mm以上がさらに望ましく、15.0mm以下が望ましく、10.0mm以下がさらに望ましい。第1凸面部12のタイヤ周方向の長さt1、及び、第1凹面部13のタイヤ周方向の長さt2は、例えば、2.0mm以上が望ましく、3.0mm以上がさらに望ましく、15.0mm以下が望ましく、10.0mm以下がさらに望ましい。
【0027】
凹凸領域10において、第1区画領域K1は、タイヤ周方向に複数設けられている。第2区画領域K2は、タイヤ半径方向に複数設けられている。これにより、交差部Kcは、タイヤ周方向及びタイヤ半径方向に並べられている。また、第2面部14は、タイヤ周方向及びタイヤ半径方向に並べられている。
【0028】
第1区画領域K1は、本実施形態では、凹凸領域10をタイヤ半径方向に縦断して延びている。第2区画領域K2は、本実施形態では、凹凸領域10をタイヤ周方向に横断して延びている。第1区画領域K1は、例えば、タイヤ周方向の長さt3がタイヤ半径方向の内外に亘って同じで形成されている。なお、第1区画領域K1は、タイヤ周方向の長さt3がタイヤ半径方向の内側に向かって連続して小さくなっても良い(図示省略)。第2区画領域K2は、例えば、タイヤ半径方向の長さh3がタイヤ周方向に沿って同じで形成されている。
【0029】
第1区画領域K1のタイヤ周方向の長さt3は、第1凸面部12のタイヤ周方向の長さt1の5%以上が望ましく、10%以上がさらに望ましく、30%以下が望ましく、25%以下がさらに望ましい。第1区画領域K1のタイヤ周方向の長さt3が第1凸面部12のタイヤ周方向の長さt1の5%以上であるので、基準面部11や第2面部14による明度を認識し易くなる。第1区画領域K1のタイヤ周方向の長さt3が第1凸面部12のタイヤ周方向の長さt1の30%以下であるので、カフェウォール錯視による格子枠の傾きが維持され、否目立ち効果が発揮される。上述の作用を効果的に発揮させるために、第2区画領域K2のタイヤ半径方向の長さh3は、第1凸面部12のタイヤ半径方向の長さh1の5%以上が望ましく、10%以上がさらに望ましく、30%以下が望ましく、25%以下がさらに望ましい。
【0030】
第2面部14は、第1凸面部12よりもタイヤ軸方向外側に突出する第2凸面部15を含んでいる。また、第2面部14は、第1凹面部13よりもタイヤ軸方向内側に凹む第2凹面部16を含んでいる。第2凸面部15及び第2凹面部16は、それぞれ、タイヤ軸方向の外側を向く外表面15a、16aと、外表面15a、16aのそれぞれに繋がってタイヤ軸方向に延びる軸方向面20とを含んでいる。これにより、本実施形態の凹凸領域10は、タイヤ軸方向で異なる5つの位置に外表面11a~13a、15a、16aが形成されるので、少なくとも5つの明度を生じる。なお、第2面部14は、第2凸面部15又は第2凹面部16のいずれか一方のみで形成されても良い。本実施形態では、明度の高い順に、第2凸面部15、第1凸面部12、基準面部11、第1凹面部13及び第2凹面部16が並べられる。図2図4では、便宜上、外表面11a~13a、15a、16aが、明度の高い順により薄い色で示される。
【0031】
サイドウォール部3の正面視において、第2面部14は、本実施形態では、交差部Kcからタイヤ半径方向及びタイヤ周方向に延びる十字状に形成されている。これにより、第2面部14の面積が大きく確保されるので、明度の特に高い部分となる第2凸面部15、及び、明度の特に低い部分となる第2凹面部16が明瞭となり、カフェウォール錯視が高められ外観性能が向上する。第2面部14は、十字状に形成されるものに限定されるものではなく、例えば、サイドウォール部3の正面視において、円形状、楕円形状や多角形状であってもよい。前記「十字状」は、前記「長方形状」と同じように特定される。
【0032】
本実施形態の凹凸領域10は、第2凸面部15及び第2凹面部16が、タイヤ周方向及びタイヤ半径方向に交互に形成されている。これにより、凹凸領域10の明暗のコントラストがより明瞭になりカフェウォール錯視が一層効果的に生じる。
【0033】
図2及び図3(A)~図3(C)に示されるように、本実施形態の凹凸領域10は、第1部分21と第2部分22と第3部分23とを含んでいる。本実施形態の第1部分21では、第1凹面部13、基準面部11、第1凸面部12及び基準面部11が、タイヤ半径方向及びタイヤ周方向に繰り返される。本実施形態の第2部分22では、第1凸面部12、第2凸面部15、第1凹面部13及び第2凹面部16が、タイヤ半径方向及びタイヤ周方向に繰り返される。本実施形態の第3部分23では、基準面部11、第2凹面部16、基準面部11及び第2凸面部15が、タイヤ半径方向及びタイヤ周方向に繰り返される。
【0034】
第1凸面部12の外表面12aは、基準面部11の外表面11aに対して、タイヤ軸方向外側に0.2mm以上で突出するのが望ましく、0.3mm以上で突出するのがより望ましく、0.6mm以下で突出するのが望ましく、0.5mm以下で突出するのがより望ましい。また、第1凹面部13の外表面13aは、基準面部11の外表面11aに対して、タイヤ軸方向内側に0.2mm以上で凹むのが望ましく、0.3mm以上で凹むのがより望ましく、0.6mm以下で凹むのが望ましく、0.5mm以下で凹むのがより望ましい。さらに、第2凸面部15の外表面15aは、基準面部11の外表面11aに対して、タイヤ軸方向外側に0.4mm以上で突出するのが望ましく、0.6mm以上で突出するのがより望ましく、1.0mm以下で突出するのが望ましく、0.8mm以下で突出するのがより望ましい。また、第2凹面部16の外表面16aは、基準面部11の外表面11aに対して、タイヤ軸方向内側に0.4mm以上で凹むのが望ましく、0.6mm以上で凹むのがより望ましく、1.0mm以下で凹むのが望ましく、0.8mm以下で凹むのがより望ましい。これにより、基準面部11、第1凸面部12、第1凹面部13、第2凸面部15及び第2凹面部16による明度のコントラストが高められるので、より一層、外観性能が向上する。また、第1凸面部12の外表面12a、第2凸面部15の外表面15aが過度にタイヤ軸方向の外側に位置すると、タイヤ1を製造するための金型(図示省略)を掘る作業が多くなり、金型加工性が悪化するおそれがある。第1凹面部13の外表面13a、第2凹面部16の外表面16aが過度にタイヤ軸方向の内側に位置すると、タイヤ1を掘る作業が多くなり、タイヤ加工性が悪化するおそれがある。
【0035】
上述の作用を効果的に発揮させるために、第2凸面部15の外表面15aは、第1凸面部12の外表面12aに対して、タイヤ軸方向外側に0.2mm以上で突出しているのが望ましく、0.3mm以上で突出しているのがより望ましい。第2凹面部16の外表面16aは、第1凹面部13の外表面13aに対して、タイヤ軸方向内側に0.2mm以上で凹んでいるのが望ましく、0.3mm以上で凹んでいるのがより望ましい。
【0036】
第2凸面部15の一つの面積A4、及び、第2凹面部16の一つの面積A5は、複数の第1凸面部12のそれぞれの面積A2、及び、複数の第1凹面部13のそれぞれの面積A3よりも小さいのが望ましい。また、第2凸面部15の一つの面積A4、及び、第2凹面部16の一つの面積A5は、複数の基準面部11のそれぞれの面積A1よりも大きいのが望ましい。第2凸面部15は、明度が最も高い部分である。第2凹面部16は、明度が最も低い部分である。このため、第2凸面部15の面積A4、及び、第2凹面部16の面積A5を基準面部11の面積A1よりも大きくすることで、凹凸領域10のコントラストを大きくすることができる。また、第2凸面部15の面積A4、及び、第2凹面部16の面積A5が、第1凸面部12の面積A2、及び、第1凹面部13の面積A3よりも小さくなることで、第1凸面部12及び第1凹面部13による格子状に見える効果が高く維持される。これにより、カフェウォール錯視が効果的に発揮されるので、目立たなくなる効果が高く確保される。
【0037】
各面積A1~A5は、基準面部11と同じタイヤ軸方向の高さ位置での面積である。各面積A1~A5には、軸方向面20の面積は含まれない。図5には、基準面部11の面積A1、第1凸面部12の面積A2、及び、第1凹面部13の面積A3が例示される。
【0038】
図4に示されるように、第2区画領域K2に形成された基準面部11のタイヤ周方向の長さt4は、タイヤ半径方向で隣接する第1凸面部12及び第1凹面部13のタイヤ周方向の長さt1、t2よりも小さいのが望ましい。これにより、第1凸面部12及び第1凹面部13による格子状が目立つことになるので、カフェウォール錯視の作用が大きく期待できる。同様の観点より、第1区画領域K1に形成された基準面部11のタイヤ半径方向の長さh4は、タイヤ周方向で隣接する第1凸面部12及び第1凹面部13のタイヤ半径方向の長さh1、h2よりも小さいのが望ましい。
【0039】
特に限定されるものではないが、第2区画領域K2に形成された基準面部11のタイヤ周方向の長さt4は、1.5mm以上が望ましく、2.0mm以上がさらに望ましく、8.0mm以下が望ましく、7.5mm以下がさらに望ましい。第1区画領域K1に形成された基準面部11のタイヤ半径方向の長さh4は、1.5mm以上が望ましく、2.0mm以上がさらに望ましく、8.0mm以下が望ましく、7.5mm以下がさらに望ましい。
【0040】
図6(A)は、他の実施形態の凹凸領域10の拡大正面図、図6(B)は、図6(A)のG-G線断面図である。本実施形態の構成と同じ構成には、同じ符号が付されてその説明が省略される場合がある。図6に示されるように、複数の第1凹面部13又は複数の第2凹面部16の少なくとも一方の少なくとも一つの外表面13a、16aには、各外表面から隆起する複数の微小突起25が形成されている。この実施形態では、微小突起25は、第1凹面部13の外表面13a及び第2凹面部16の外表面16aのそれぞれに設けられている。微小突起25は、第1凹面部13及び第2凹面部16の明度をさらに低くして、第1凸面部12や第2凸面部15とのコントラストを高めて、否目立ち効果を向上する。
【0041】
複数の微小突起25のタイヤ軸方向の突出端25eは、基準面部11(外表面11a)よりもタイヤ軸方向の内側に位置するのが望ましい。突出端25eが基準面部11よりもタイヤ軸方向の外側に位置すると、微小突起25の突出端25eに照射された光が反射して、第1凹面部13又は第2凹面部16の明度を高めて、凹凸領域10のコントラストを小さくし、カフェウォール錯視の効果が低減するおそれがある。特に限定されるものではないが、第1凹面部13の微小突起25の突出端25eは、基準面部11よりも0.1mm以上で凹んでいるのが望ましく、0.2mm以上で凹んでいるのがより望ましい。第2凹面部16の微小突起25の突出端25eは、第1凹面部13の外表面13aよりも0.1mm以上で凹んでいるのが望ましく、0.2mm以上で凹んでいるのがより望ましい。
【0042】
図6に示されるように、この実施形態の微小突起25は、外表面13a、16a上を線状に延びる線状突起26として形成されている。線状突起26は、例えば、同じピッチで設けられている。線状突起26は、長手方向の両端が外表面13a、16aの端まで延びても良いし、長手方向の両端が外表面13a、16aの端まで延びずに外表面13a、16a上で途切れても良い。
【0043】
線状突起26の長手方向は、特に限定されるものではなく、タイヤ周方向、タイヤ半径方向、タイヤ半径方向に対して傾斜するいずれの方向にも延びることができる。図7は、この実施形態のタイヤ1の部分側面図及びその拡大図である。図7に示されるように、全ての線状突起26の長手方向は、タイヤ回転軸(図示省略)を通るタイヤ半径方向線nに対して同じ向きに揃えられるのが望ましい。このような態様では、光の反射の向きが同じになり、第1凹面部13内の明度の差を無くす(小さくする)ことができる。図7に示される線状突起26は、例えば、タイヤ半径方向線nに対して直交する向きに延びている。
【0044】
図8(A)は、さらに他の実施形態の凹凸領域10の拡大正面図、図8(B)は、図8(A)のH-H線断面図である。本実施形態の構成と同じ構成には、同じ符号が付されてその説明が省略される場合がある。図8に示されるように、第1凹面部13の外表面13aに複数の微小突起25が設けられている。微小突起25は、この実施形態では、タイヤ軸方向の外側に凸で円錐形状の円錐状突起27として構成されている。
【0045】
複数の円錐状突起27は、例えば、同じ大きさ、かつ、同じ形状で構成されている。この実施形態の円錐状突起27は、頂部27aが丸められている。円錐状突起27は、線状突起26に比して、第1凹面部13当たりの合計の表面積を大きくするので、照射された光をより吸収し、第1凹面部13をさら暗く見せて否目立ち効果を高める。
【0046】
円錐状突起27の直径D1は、例えば、0.2~0.6mmであり、望ましくは0.3~0.5mmである。なお、直径D1は、円錐状突起27の根本部分の直径を意味する。外表面13aの1mm2当たりの円錐状突起27の平均個数は、例えば、2~8個である。但し、円錐状突起27の形状は、このような態様に限定されるものではない。
【0047】
図8(C)は、他の実施形態の円錐状突起27の拡大断面図である。図8(C)に占めされるように、この実施形態では、円錐状突起27の頂部27aに微小な凹部27bが形成されている。このような凹部27bを有する円錐状突起27は、光を様々な方向へ分散して反射させ、第1凹面部13の黒色度を高めて明度を低くすることができる。円錐状突起27は、例えば、第2凹面部16の外表面16aに設けられても良い。微小突起25の形状は、線状突起26や円錐状突起27に限定されるものではなく、種々の形状で形成される。
【0048】
図9は、さらに他の実施形態の凹凸領域10の正面図である。図9は、サイドウォール部3を正面から見た図である。本実施形態の構成と同じ構成には、同じ符号さ付されてその説明が省略される場合がある。図9に示されるように、この実施形態では、複数の第1区画領域K1が、タイヤ周方向に対して傾斜して配置され、かつ、複数の第2区画領域K2が、第1区画領域K1と逆向きに傾斜して配置されている。この実施形態では、第1凸面部12及び第1凹面部13は、菱形状に形成されている。このような実施形態の凹凸領域10においても、否目立ち効果が発揮され、外観性能は向上する。
【0049】
図10は、さらに他の実施形態の凹凸領域10の正面図である。図10は、サイドウォール部3を正面から見た図である。本実施形態の構成と同じ構成には、同じ符号さ付されてその説明が省略される場合がある。図10に示されるように、この実施形態では、複数の第1区画領域K1が、タイヤ周方向に対して傾斜して配置され、かつ、複数の第2区画領域K2が、タイヤ周方向に延びるように配置されている。この実施形態では、第1凸面部12及び第1凹面部13は、菱形形状を含む平行四辺形状に形成されている。このような実施形態の凹凸領域10においても、否目立ち効果が発揮され、外観性能は向上する。
【0050】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
【0051】
[付記]
本発明は以下の態様を含む。
【0052】
[本発明1]
空気入りタイヤであって、
トレッド部と、前記トレッド部からタイヤ半径方向内側に延びる一対のサイドウォール部とを含み、
前記一対のサイドウォール部の少なくとも一方の外表面には、凹凸領域が形成されており、
前記凹凸領域は、複数の基準面部と、前記基準面部よりもタイヤ軸方向の外側に突出する複数の第1凸面部と、前記基準面部よりもタイヤ軸方向の内側に凹む複数の第1凹面部とを含み、
前記サイドウォール部の正面視において、前記複数の第1凸面部、及び、前記複数の第1凹面部は、それぞれ、四辺形状であり、
前記複数の第1凸面部及び前記複数の第1凹面部は、タイヤ周方向及びタイヤ半径方向に交互に繰り返して配置されており、
タイヤ周方向で隣接する前記第1凸面部及び前記第1凹面部の各ペアの間には、タイヤ半径方向に延びる第1区画領域が形成されており、
タイヤ半径方向で隣接する前記第1凸面部及び前記第1凹面部の各ペアの間には、タイヤ周方向に延びる第2区画領域が形成されており、
前記第1区画領域の一部が前記基準面部で形成されており、
前記第2区画領域の一部が前記基準面部で形成されており、
前記第1区画領域と前記第2区画領域との間の交差部は、前記基準面部、前記第1凸面部及び前記第1凹面部とは、タイヤ軸方向で異なる位置に外表面を有する第2面部で形成されている、
空気入りタイヤ。
[本発明2]
前記第2面部は、前記第1凸面部よりもタイヤ軸方向外側に突出する第2凸面部を含む、本発明1に記載の空気入りタイヤ。
[本発明3]
前記第2面部は、前記第1凹面部よりもタイヤ軸方向内側に凹む第2凹面部を含む、本発明1又は2に記載の空気入りタイヤ。
[本発明4]
前記第2面部は、前記第1凸面部よりもタイヤ軸方向外側に突出する第2凸面部と、前記第1凹面部よりもタイヤ軸方向内側に凹む第2凹面部とを含み、これらがタイヤ周方向及びタイヤ半径方向に交互に形成されている、本発明1に記載の空気入りタイヤ。
[本発明5]
前記サイドウォール部の正面視において、前記第2面部は、前記交差部からタイヤ半径方向及びタイヤ周方向に延びる十字状に形成されている、本発明1又は2に記載の空気入りタイヤ。
[本発明6]
前記第1凸面部の外表面は、前記基準面部の外表面に対して、タイヤ軸方向外側に0.2~0.6mm突出しており、
前記第1凹面部の外表面は、前記基準面部の外表面に対して、タイヤ軸方向内側に0.2~0.6mm凹んでおり、
前記第2凸面部の外表面は、前記基準面部の外表面に対して、タイヤ軸方向外側に0.4~1.0mm突出しており、
前記第2凹面部の外表面は、前記基準面部の外表面に対して、タイヤ軸方向内側に0.4~1.0mm凹んでいる、本発明4に記載の空気入りタイヤ。
[本発明7]
前記第2凸面部の前記外表面は、前記第1凸面部の前記外表面に対して、タイヤ軸方向外側に0.2mm以上突出しており、
前記第2凹面部の前記外表面は、前記第1凹面部の前記外表面に対して、タイヤ軸方向内側に0.2mm以上凹んでいる、本発明4又は6に記載の空気入りタイヤ。
[本発明8]
前記第1区画領域のタイヤ周方向の長さは、前記第1凸面部のタイヤ周方向の長さの30%以下である、本発明1又は2に記載の空気入りタイヤ。
[本発明9]
前記第2区画領域のタイヤ半径方向の長さは、前記第1凸面部のタイヤ半径方向の長さの30%以下である、本発明1又は2に記載の空気入りタイヤ。
[本発明10]
前記複数の第1凹面部又は前記複数の第2凹面部の少なくとも一方の少なくとも一つの前記外表面には、複数の微小突起が形成されている、本発明4に記載の空気入りタイヤ。
[本発明11]
前記複数の微小突起のタイヤ軸方向の突出端は、前記基準面部よりもタイヤ軸方向の内側に位置する、本発明10に記載の空気入りタイヤ。
[本発明12]
前記第2凸面部の一つの面積及び前記第2凹面部の一つの面積は、前記複数の第1凸面部のそれぞれの面積及び前記複数の第1凹面部のそれぞれの面積よりも小さく、かつ、前記複数の基準面部のそれぞれの面積よりも大きい、本発明4に記載の空気入りタイヤ。
[本発明13]
前記サイドウォール部の正面視において、前記複数の第1凸面部及び前記複数の第1凹面部は、それぞれ、正方形状に形成されている、本発明1又は2に記載の空気入りタイヤ。
[本発明14]
前記第2区画領域に形成された前記基準面部のタイヤ周方向の長さは、タイヤ半径方向で隣接する前記第1凸面部及び前記第1凹面部のタイヤ周方向の長さよりも小さい、本発明1又は2に記載の空気入りタイヤ。
[本発明15]
前記第1区画領域に形成された前記基準面部のタイヤ半径方向の長さは、タイヤ周方向で隣接する前記第1凸面部及び前記第1凹面部のタイヤ半径方向の長さよりも小さい、本発明1又は2に記載の空気入りタイヤ。
【符号の説明】
【0053】
1 空気入りタイヤ
3 サイドウォール部
10 凹凸領域
11 基準面部
12 第1凸面部
13 第1凹面部
14 第2面部
K1 第1区画領域
K2 第2区画領域
Kc 交差部
P1 ペア
P2 ペア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10