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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057948
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】災害警報システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 27/00 20060101AFI20240418BHJP
   G08B 5/00 20060101ALI20240418BHJP
   H04H 20/59 20080101ALI20240418BHJP
【FI】
G08B27/00 A
G08B5/00 C
H04H20/59
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022164956
(22)【出願日】2022-10-13
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】397038509
【氏名又は名称】表示灯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121142
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 恭一
(74)【代理人】
【識別番号】100124420
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 清隆
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 光義
【テーマコード(参考)】
5C083
5C087
【Fターム(参考)】
5C083AA02
5C083CC25
5C083DD20
5C083JJ24
5C083JJ46
5C087AA02
5C087AA05
5C087AA11
5C087AA19
5C087AA31
5C087DD02
5C087DD49
5C087EE15
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF16
5C087GG08
5C087GG66
5C087GG70
5C087GG82
5C087GG84
(57)【要約】
【課題】警報装置の全体的な起動時間を減らし、迅速な避難誘導を行うとともに、複数の警報装置の起動時間のずれを抑制する災害警報システムを提供する。
【解決手段】災害警報システム1は、複数の避難誘導看板柱2と、避難誘導看板柱2の動作を管理するセンターサーバ3とを有する。また、作業者が、操作端末11を用いて、災害警報システム1の操作を行い、ステータス10を適宜変更する。そして、避難誘導看板柱2は、所定のタイミング毎に、制御部5の通信部23によって、センターサーバ3へアクセスして、ステータス10を受信し、受信したステータス10に応じた動作を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
災害発生時に、複数の避難誘導看板柱と、複数の前記避難誘導看板柱を管理するセンターサーバによって、被災者を避難誘導する災害警報システムであって、
各前記避難誘導看板柱は、音及び光の少なくとも一方によって前記災害の発生を報知する警報装置と、前記避難誘導看板柱の制御を行う制御部とを備え、
各前記制御部は、自身が属する前記避難誘導看板柱に係る前記警報装置を制御可能であるとともに、前記センターサーバと通信可能であって、
各前記制御部は、所定のタイミング毎に前記センターサーバへアクセスする通信である所定通信を同期された状態で行うとともに、前記センターサーバによって管理されている自身に対応したステータスを読み取り、
各前記ステータスは、対応する前記警報装置の動作を決定する警報ステータスを含み、
各前記警報ステータスは、対応する前記警報装置について、停止又は起動を任意に設定可能であって、
災害発生時には、前記警報ステータスが起動に設定されることで、各前記制御部が、前記所定通信によって、前記ステータスを受信し、前記警報ステータスが起動である際に、前記警報装置を報知動作させることを特徴とする災害警報システム。
【請求項2】
災害発生時に、センターサーバと通信可能である避難誘導看板柱によって、被災者を避難誘導する災害警報システムであって、
前記避難誘導看板柱は、音及び光の少なくとも一方によって前記災害の発生を報知する警報装置と、前記避難誘導看板柱の制御を行う制御部とを備え、
前記制御部は、自身が属する前記避難誘導看板柱に係る前記警報装置を制御可能であるとともに、前記制御部の動作指示を行う前記センターサーバと通信可能であって、
前記制御部は、所定のタイミング毎に前記センターサーバへアクセスする通信である所定通信を同期された状態で行うとともに、前記センターサーバによって管理されている自身に対応したステータスを受信し、
前記ステータスは、対応する前記警報装置の動作を決定する警報ステータスを含み、
前記警報ステータスは、対応する前記警報装置について、停止又は起動を任意に設定可能であって、
災害発生時には、前記警報ステータスが起動に設定されることで、前記制御部が、前記所定通信によって、前記ステータスを受信し、前記警報ステータスが起動である際に、前記警報装置を報知動作させることを特徴とする災害警報システム。
【請求項3】
前記避難誘導看板柱は、被災者に対して避難場所及び対応可能な災害を表示する表示板を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の災害警報システム。
【請求項4】
平常時及び災害終了時には、前記警報ステータスが停止に設定されることで、前記制御部が、前記所定通信によって、前記ステータスを受信し、前記警報ステータスが停止である際に、前記警報装置を停止することを特徴とする請求項1又は2に記載の災害警報システム。
【請求項5】
前記警報装置は、音を報知し、
前記制御部は、前記警報装置の報知動作時に再生するメッセージを保存する記憶部を備えて、
前記メッセージは、前記制御部によって、前記メッセージ毎にメッセージ識別情報が振り分けられ管理されて、
前記ステータスは、前記メッセージ識別情報を更に含み、
前記制御部は、前記所定通信によって、前記ステータスを受信することで、前記警報ステータスを取得するとともに、前記メッセージ識別情報を取得して、
さらに、前記警報ステータスが起動である際に、前記制御部が、前記警報装置を報知動作させて、前記メッセージ識別情報に対応する前記メッセージを再生することを特徴とする請求項1又は2に記載の災害警報システム。
【請求項6】
前記メッセージは、前記センターサーバとの通信によって、追加、変更、及び削除の少なくとも何れかが可能であることを特徴とする請求項5に記載の災害警報システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記所定通信の所定のタイミングを計る時計を備えて、
前記時計は、インターネットを介したNTPサーバとの通信、及び前記センターサーバとのアクセスの少なくとも一方によって、正確な時刻に同期されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の災害警報システム。
【請求項8】
前記時計は、電源断となって電力が供給されなくなった際に、予備として代わりに電力を供給する電池を備えていることを特徴とする請求項7に記載の災害警報システム。
【請求項9】
前記センターサーバは、複数の前記制御部を任意のグループに分けて管理して、
前記警報ステータスを前記グループ毎に、一斉に変更することを特徴とする請求項1に記載の災害警報システム。
【請求項10】
前記制御部は、停電等によって電力が供給されなくなった際に、予備として代わりに電力を供給する予備電源部を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の災害警報システム。
【請求項11】
前記制御部が、特定のタイミング毎に、前記センターサーバへ自身の動作状況の通知をおこなって、
前記動作状況の通知の有無によって、前記センターサーバが、前記制御部の故障状態を判断することを特徴とする請求項1に記載の災害警報システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は災害時に、警報装置を備えた避難誘導看板柱によって、避難者への避難誘導を行う災害警報システムに関する。
【背景技術】
【0002】
警報装置へ順次信号等を送信して、警報装置を作動させる災害警報システムが従来知られている。例えば、特許文献1に記載の災害警報システムは、連絡本部側に設置される無線電話送信機を備えた警報送信装置と、避難場所側に設置され、それぞれ電話番号が異なる無線電話受信機を有する複数の警報受信装置とを備える。そして、警報送信装置は、無線電話網を利用して、災害の発生した地域の避難場所側にある警報受信装置を個別に発呼して、各避難場所に応じた通報メッセージを送信する。さらに、警報受信装置は、無線電話受信機で受信した通報メッセージを電光掲示板に表示する手段を備えるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-288132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した災害警報システムでは、複数の警報受信装置へ夫々個別に、通報メッセージを発呼する必要が生じるため、全体として起動に時間を要し、特に起動順が後の警報受信装置において、避難誘導が遅れる問題があった。また、多数の警報受信装置の起動時間のずれが発生する問題もあった。
【0005】
そこで、本発明はこのような問題に鑑み、警報装置の全体的な起動時間を減らし、迅速な避難誘導を行うとともに、複数の警報装置の起動時間のずれを抑制する災害警報システムを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明に係る災害警報システムは、災害発生時に、複数の避難誘導看板柱と、複数の避難誘導看板柱を管理するセンターサーバによって、被災者を避難誘導する災害警報システムであって、各避難誘導看板柱は、音及び光の少なくとも一方によって災害の発生を報知する警報装置と、避難誘導看板柱の制御を行う制御部とを備え、各制御部は、自身が属する避難誘導看板柱に係る警報装置を制御可能であるとともに、センターサーバと通信可能であって、各制御部は、所定のタイミング毎にセンターサーバへアクセスする通信である所定通信を同期された状態で行うとともに、センターサーバによって管理されている自身に対応したステータスを読み取り、各ステータスは、対応する警報装置の動作を決定する警報ステータスを含み、各警報ステータスは、対応する警報装置について、停止又は起動を任意に設定可能であって、災害発生時には、警報ステータスが起動に設定されることで、各制御部が、所定通信によって、ステータスを受信し、警報ステータスが起動である際に、警報装置を報知動作させることを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に記載の発明に係る災害警報システムは、災害発生時に、センターサーバと通信可能である避難誘導看板柱によって、被災者を避難誘導する災害警報システムであって、避難誘導看板柱は、音及び光の少なくとも一方によって災害の発生を報知する警報装置と、避難誘導看板柱の制御を行う制御部とを備え、制御部は、自身が属する避難誘導看板柱に係る警報装置を制御可能であるとともに、制御部の動作指示を行うセンターサーバと通信可能であって、制御部は、所定のタイミング毎にセンターサーバへアクセスする通信である所定通信を同期された状態で行うとともに、センターサーバによって管理されている自身に対応したステータスを受信し、ステータスは、対応する警報装置の動作を決定する警報ステータスを含み、警報ステータスは、対応する警報装置について、停止又は起動を任意に設定可能であって、災害発生時には、警報ステータスが起動に設定されることで、制御部が、所定通信によって、ステータスを受信し、警報ステータスが起動である際に、警報装置を報知動作させることを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の災害警報システムにおいて、避難誘導看板柱は、被災者に対して避難場所及び対応可能な災害を表示する表示板を備えていることを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の災害警報システムにおいて、平常時及び災害終了時には、警報ステータスが停止に設定されることで、制御部が、所定通信によって、ステータスを受信し、警報ステータスが停止である際に、警報装置を停止することを特徴とする。
【0010】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1又は2に記載の災害警報システムにおいて、警報装置は、音を報知し、制御部は、警報装置の報知動作時に再生するメッセージを保存する記憶部を備えて、メッセージは、制御部によって、メッセージ毎にメッセージ識別情報が振り分けられ管理されて、ステータスは、メッセージ識別情報を更に含み、制御部は、所定通信によって、ステータスを受信することで、警報ステータスを取得するとともに、メッセージ識別情報を取得して、さらに、警報ステータスが起動である際に、制御部が、警報装置を報知動作させて、メッセージ識別情報に対応するメッセージを再生することを特徴とする。
【0011】
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の災害警報システムにおいて、メッセージは、センターサーバとの通信によって、追加、変更、及び削除の少なくとも何れかが可能であることを特徴とする。
【0012】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1又は2に記載の災害警報システムにおいて、制御部は、所定通信の所定のタイミングを計る時計を備えて、時計は、インターネットを介したNTPサーバとの通信、及びセンターサーバとのアクセスの少なくとも一方によって、正確な時刻に同期されていることを特徴とする。
【0013】
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の災害警報システムにおいて、時計は、電源断となって電力が供給されなくなった際に、予備として代わりに電力を供給する電池を備えていることを特徴とする。
【0014】
また、請求項9に記載の発明は、請求項1に記載の災害警報システムにおいて、センターサーバは、複数の制御部を任意のグループに分けて管理して、警報ステータスをグループ毎に、一斉に変更することを特徴とする。
【0015】
また、請求項10に記載の発明は、請求項1又は2に記載の災害警報システムにおいて、制御部は、停電等によって電力が供給されなくなった際に、予備として代わりに電力を供給する予備電源部を備えていることを特徴とする。
【0016】
また、請求項11に記載の発明は、請求項1に記載の災害警報システムにおいて、制御部が、特定のタイミング毎に、センターサーバへ自身の動作状況の通知をおこなって、動作状況の通知の有無によって、センターサーバが、制御部の故障状態を判断することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、複数の制御部夫々が、内蔵されており時間が合わせられている時計に合わせて、同時刻にセンターサーバへアクセスし、自身のステータスを受信して、警報装置の報知動作を行うか否かを判断する構成である。したがって、センターサーバ上の、各制御部のステータス(警報ステータス)を変更するのみの操作で、制御部による警報装置の報知動作を行わせることができる。よって、複数の制御部夫々に順次起動指示を通信する際に発生する通信時間が必要がない。そのため、より迅速に複数の警報装置の動作を行うことが可能である。また、複数の制御部は、夫々同じ時間にセンターサーバ3へアクセスし、警報ステータス12を受信して、警報装置を動作させるため、互いの動作のずれが抑制され、各警報装置による報知動作の音声の干渉を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係る災害警報システムのブロック図である。
図2】避難誘導看板柱の外観を示す正面図である。
図3】避難誘導看板柱の外観を示す上部拡大側面図である。
図4】センターサーバにおいて管理されるステータスを説明するブロック図である。
図5】制御部における制御基板の論理的構成を説明するブロック図である。
図6】制御部の記憶部に保存されるメッセージデータベースを説明するブロック図である。
図7】災害警報システムの災害発生時から終了時までの動作についての流れを示す流れ図である。
図8】災害発生時における制御部の動作手順を示すフローチャート図である。
図9】各制御部が故障を管理する流れを示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
(災害警報システム1の概要)
図1は、本発明に係る災害警報システム1のブロック図である。
本発明における災害警報システム1は、避難誘導対象となる地域内で、数百メートル程度毎に配置される複数の避難誘導看板柱2と、避難誘導看板柱2の動作を管理するセンターサーバ3とを有する。また、作業者(例えば役所の災害担当者)が、登録されているコンピュータ、スマートフォン、及びタブレットの少なくとも何れかの電子機器を操作端末11として用いて、災害警報システム1の操作を行う。複数の避難誘導看板柱2のうち互いに隣接するものの間の距離は、50メートル以上2000メートル以下であることが好ましく、100メートル以上1000メートル以下であることがより好ましい。
【0021】
なお、災害警報システム1は、複数の避難誘導看板柱2とセンターサーバ3とから構成されても良い。また、災害警報システム1は、センターサーバ3と通信可能な避難誘導看板柱2から構成されても良い。
【0022】
図2及び図3は、避難誘導看板柱2の外観を示す説明図であって、図2は正面図、図3は避難誘導看板柱2の上部構造を示す拡大側面図である。
避難誘導看板柱2は、図2に示すように、支柱30を含み、支柱30上部に避難所の場所及び対応可能な災害の種類を示す表示板4と、表示板4上側に配置された警報装置7とが設けられている。また、支柱30の中位置に、避難誘導看板柱2の制御を行う制御部5が設けられている。さらに、支柱30の中位置には、第1の補助表示板6a及び第2の補助表示板6bが設けられている。
【0023】
また、制御部5は、制御基板27と、ハウジング20とを有する。また、第1の補助表示板6aは、避難誘導看板柱2の設置箇所における想定浸水深、及び過去の実績浸水深の少なくとも一方の高さを示す矢印形状である。第2の補助表示板6bは、避難誘導看板柱2の設置箇所における海抜、想定浸水深、及び過去の実績浸水深の少なくとも何れかを示す。警報装置7は、スピーカ8とランプ9とを有する。スピーカ8は、スピーカ本体8aと、スピーカフード8bとを有する。ランプ9は、ランプ本体9aと、ランプフード9bとを有する。ランプ本体9aとして、例えば工場などで危険を知らせるために使用されるフラッシュライトが使用される。
【0024】
また、避難誘導看板柱2において、表示板4は、豪雪地帯での設置を想定し、雪の付着を抑制するために10度から20度程度の俯角を持つ。
【0025】
センターサーバ3は、IoTサーバであって、クラウド形式によるサーバ、もしくは物理コンピュータによるサーバである。センターサーバ3は、サーバCPU40と、サーバCPU40に制御されるサーバ記憶手段42と、サーバCPU40に制御されるサーバ通信手段44とを有する。そして、センターサーバ3は、複数の避難誘導看板柱2,2・・夫々に備えられている制御部5の管理を行う。
【0026】
即ち、センターサーバ3は、複数の制御部5,5・・夫々に対応する個別のステータス10の管理を行っている。各ステータス10は、サーバ記憶手段42に記憶されている。図4は、センターサーバ3において管理される1つのステータス10を説明するブロック図である。各ステータス10は、互いに同じ構成であり、以下特に断りのない限り1つのステータス10について代表して説明される。ステータス10は、対応する警報装置7を動作させるか否かを決定する警報ステータス12を含む。また、ステータス10は、スピーカ8によって報知するメッセージ50の内容毎に決定されたメッセージ識別情報13を含む。メッセージ識別情報13は、ここでは順に数字で符号付けられる番号である。なお、メッセージ識別情報は数字あるいは番号以外であっても良い。
【0027】
警報ステータス12は、起動か停止のどちらかに設定されている。警報ステータス12は、平常時には、停止に設定されている。そして、災害発生時に、操作端末11の操作によって、避難誘導させたい区域に対応する制御部5に係る各警報ステータス12が停止から起動へと一斉に変更され、又、必要に応じて、メッセージ識別情報13が操作に応じた番号に対応される。続いて、下記に説明する各制御部5の動作によって、警報ステータス12が起動であることを読み取った各制御部5が、警報装置7を作動させる。
【0028】
警報ステータス12及びメッセージ識別情報13の変更は、同時に行うことも可能である。また、メッセージ識別情報13のみの変更を行うことが可能である。
【0029】
さらに、ステータス10は、制御部5の故障の有無を管理する故障タイマー14と、故障タイマー14が満了した際に増加する故障カウント15と、制御部5が故障しているかどうかを示す健康状態16とを含む。下記に説明する制御部5の動作状況の通知に連動する故障タイマー14と故障カウント15とによって、制御部5の故障の有無を確認する。また、センターサーバ3によって、制御部5が故障と判断される場合には、該当する制御部5の健康状態16が故障に変更される。
【0030】
また、センターサーバ3において、複数のステータス10,10・・を任意のグループに分けて、管理することができる。加えて、センターサーバ3のサーバ記憶手段42は、ステータス10のグループ分けを、複数パターン保存することができる。そして、センターサーバ3は、作業者による操作端末11の操作によって、ステータス10をグループ毎に一括で変更することが可能である。
【0031】
操作端末11は、作業者が操作することによって、センターサーバ3上の各制御部5のステータス10を変更し、各制御部5に警報装置7の報知動作を行わせるためのものである。そして、作業者は、操作端末11によって、センターサーバ3へと接続可能であり、表示される操作画面を操作することでセンターサーバ3への各種指示を実行可能である。
【0032】
具体的には、作業者は、操作端末11によって、個別のステータス10を確認することができる。
また、作業者は、操作端末11によって、各警報ステータス12及び各メッセージ識別情報13を変更することができる。各警報ステータス12及び各メッセージ識別情報13の変更は、予め決められる動作を行うようにしても良いし、作業者が自ら設定することも可能である。また、全ての警報ステータス12及びメッセージ識別情報13を一括に変更することが可能である。また、各警報ステータス12及び各メッセージ識別情報13を、区域等のグループ毎に変更することが可能である。さらに、特定の1つの警報ステータス12及びメッセージ識別情報13を変更することが可能である。そして、各警報ステータス12、又は各メッセージ識別情報13のいずれか一方の変更を行うことが可能である。
【0033】
また、各制御部5のグループ分けは、作業者が操作端末11によって、任意に決めることができる。加えて、操作端末11の操作によって、下記に説明する制御部5の所定通信のタイミングを変更することができる。また、避難誘導看板柱2のセンターサーバ3への登録、及び解除を任意に行うことができる。
【0034】
図5は、制御部5における制御基板27の論理的構成を説明するブロック図である。
制御部5は、ハウジング20と、その内部に納められた制御基板27とを含む。制御基板27は、制御部5及び警報装置7の動作を制御するCPU21と、商用携帯電話ネットワークへの接続手段(例えばSIMカード付通信装置)が搭載された通信部23と、音声メッセージ等を記憶する記憶部24と、制御部5への電力を供給する電源部25と、予備電源部26とが設けられている。そして、制御部5とセンターサーバ3とは、通信部23を介して、双方向に通信可能となっている。なお、避難誘導看板柱2の制御と通信とは別のハードウェアに分けられていても良い。
【0035】
CPU21は、センターサーバ3から受信した自身に対応するステータス10の確認を行い、ステータス10の状態に応じて、警報ステータス12及びメッセージ識別情報13に対応した警報装置7の動作を行う。また、CPU21は、時計22を内蔵しており、インターネットを介したNTPサーバ(Network Time Protocol サーバ)との通信、及びセンターサーバ3とのアクセス(センターサーバ3の時刻との同期)の少なくとも一方によって、正確な時刻に同期される。また、時計22は、予期しない電源断によって電力が供給されなくなった際に、予備として代わりに電力を供給する電池46を備えている。
【0036】
図6は、制御部5の記憶部24に保存されるメッセージデータベース52を説明するブロック図である。
記憶部24には、警報装置7による報知動作の際に、スピーカ8から流すためのメッセージ50が保存されている。メッセージ50は、複数保存することが可能であり、CPU21によって、メッセージ識別情報13との紐付け及び管理がされている。即ち、記憶部24には、メッセージ識別情報13とメッセージ50とが対応付けられたメッセージデータベース52が記憶されている。加えて、メッセージ50は、センターサーバ3とのデータ通信によって、記憶部24へ新たに保存したり書き換えたりすることも可能である。
【0037】
センターサーバ3によって記憶部24へメッセージ50を保存する具体的な方法を説明する。センターサーバ3は、サーバ通信手段44によって、新しいメッセージ50のデータと、該メッセージ50に対応するメッセージ識別情報13とを制御部5の通信部23へ送信する。そして、CPU21は、記憶部24へメッセージ50及びメッセージ識別情報13を保存する。その際に、CPU21は、メッセージ識別情報13が同じ既存のメッセージ50があった場合には、新しいメッセージ50を上書き保存する。
【0038】
電源部25は、電線から電力を引き込む形でも良いし、ソーラーパネルなどから得られる電力を得る形にしても良いし、これらを組み合わせた形にしても良い。また、予備電源部26は、電源部25による電力の供給が止まった際(停電時)に、予備として代わりに電力を供給するバッテリーである。予備電源部26のバッテリーは、非停電時に電源部25によって充電される。
【0039】
制御部5は、通信部23によって、所定のタイミング毎の通信、即ち所定通信を行い、センターサーバ3へアクセスして、自身のステータス10(警報ステータス12及びメッセージ識別情報13)の送信を要求する。所定のタイミングは、ここでは、CPU21に内蔵されている時計22が所定時刻(例えば毎時0分、10分、20分、30分、40分、50分)となったタイミングである。センターサーバ3は、すぐにステータス10を制御部5へ送信する。そして、受信したステータス10の警報ステータス12に基づき、CPU21は、警報装置7を動作させるか否かを判断する。所定のタイミングは特定の条件毎に変更するようにしても良い(例えば午前は毎時15分毎、午後は毎時5分毎)。また、所定のタイミングは、部分的に又は全体的に不規則なもの(例えば毎時0分、15分、20分、50分)であっても良い。
【0040】
災害警報システム1において、複数の制御部5,5・・は、夫々所定通信を行い、センターサーバ3へとアクセスし、複数の制御部5,5・・夫々に対応する警報ステータス12及びメッセージ識別情報13を含むステータス10を取得し、記憶部24に記憶する。以下、ステータス10の送信要求及び返信の受信は、ステータス10の「検知」と適宜呼ばれる。そして、各制御部5は、記憶した警報ステータス12及びメッセージ識別情報13に対応する動作を行う。ここで、複数の制御部5,5・・は、夫々のCPU21に内蔵する他の時計22と時間を合わせられた時計22によって、所定通信において、同じ時間にセンターサーバ3へアクセスする。したがって、警報装置7の動作も同じ時間に行われる。特定のタイミングは、所定通信に係る所定のタイミングと同様の変更例を適宜有する。
【0041】
また、制御部5は、特定のタイミング毎にセンターサーバ3へ自機の動作状況を通知する。該特定のタイミングは、警報ステータス12及びメッセージ識別情報13を含むステータス10の確認と同様のタイミング(所定通信のタイミング)でも良いし、別途設定されるタイミングでも良い。センターサーバ3は、制御部5から動作状況が通知されると、通信があった制御部5に対応する故障タイマー14、及び故障カウント15をリセットする。また、故障タイマー14は、制御部5からの動作状況が通知されてからの経過時間を計測するものであって、制御部5からの動作状況を通知するタイミング、即ち特定のタイミングを過ぎると満了する。
【0042】
(災害時における災害警報システム1の動作)
以下、本発明の実施形態に係る災害警報システム1の災害発生時から終了時までの動作についての流れを図7に示す流れ図に沿って説明する。また、図7において、Sはステップを示す。
【0043】
地震、津波などの災害が起きた際に、作業者による操作端末11の操作によって、地域全体あるいは所定の区域内の避難誘導看板柱2に属する制御部5の警報ステータス12の起動への変更が指令されるとともに、メッセージ識別情報13が災害の種類に合うものとなるように調整指令される(S100)。なお、メッセージ識別情報13が既に災害の種類に合っている場合、メッセージ識別情報13の指令は省略されても良い。
【0044】
次に、センターサーバ3は、操作端末11からの指令に対応する警報ステータス12を停止から起動に変更するとともに、メッセージ識別情報13を調整する(S101)。
【0045】
次に、各制御部5が所定通信を行い、センターサーバ3へアクセスして、自身のステータス10を検知する(S102)。その際に、各制御部5は、CPU21によって、ステータス10の警報ステータス12及びメッセージ識別情報13を記憶部24に記憶する。
【0046】
そして、各ステップS102によって、記憶部24に記憶した警報ステータス12が起動となっている制御部5は、メッセージ識別情報13に対応する警報装置7の報知動作を行う(S103)。具体的には、警報装置7は、ステップS102によって、記憶部24に記憶したメッセージ識別情報13に対応するメッセージ50をスピーカ8から再生するとともに、ランプ9を点灯させて、報知動作を行う。その際に、警報装置7は、予め決められた再生時間を超過するか、警報ステータス12が停止に変更されているかを確認するまで、報知動作を続ける。各ステップS103は、互いに同期された時計22を用いた所定通信により、同期された状態で実行される。
【0047】
なお、ランプ9の点灯の態様は、メッセージ識別情報13に応じて変化しても良いし、メッセージ識別情報13にかかわらず一定であっても良いし、メッセージデータベース52と同様のランプ点灯態様データが設けられて、メッセージ50と同様に制御されても良い。
【0048】
次に、災害が収束して、警報動作が必要なくなった際には、作業者による操作端末11の操作によって、警報ステータス12の停止への変更が指令される(S104)。
【0049】
次に、センターサーバ3は、操作端末11からの指令に対応する制御部5の警報ステータス12を起動から停止に変更する(S105)。各制御部5に対応する警報ステータス12を変更する際には、一括で変更しても良いし、グループ毎に変更しても良いし、また、個別に変更しても良い。
【0050】
ここで、災害警報時においても、各制御部5は、平常時と同様に所定のタイミングで所定通信を行う。そして、各制御部5は、センターサーバ3にアクセスして、自身のステータス10を検知し、警報ステータス12及びメッセージ識別情報13を記憶部24に記憶する(S106)。なお、災害時においての所定のタイミングは、平常時のものとは異なるタイミングでも良い。例えば、災害時においての所定のタイミングを平常時よりも短い間隔にすることがあげられる。
【0051】
次に、各ステップ106によって、記憶したステータス10の警報ステータス12が停止であることを確認した制御部5は、警報装置7を停止させて平常時へと移行する(S107)。各ステップS107は、互いに同期された時計22を用いた所定通信により、同期された状態で実行される。
【0052】
続いて、各制御部5の、センターサーバ3から自身のステータス10の取得、及び災害時の具体的な動作について、図8に示すフローチャートに沿って説明する。また、図8において、Sはステップを示す。
【0053】
まず、制御部5は、所定タイミング毎に、センターサーバ3へアクセスする所定通信を行う。そして、制御部5は、センターサーバ3へアクセスして、自身のステータス10を検知する(S110)。制御部5は、検知したステータス10(警報ステータス12及びメッセージ識別情報13)を、CPU21による警報装置7の動作判断において用いるために記憶部24に記憶する。
【0054】
次に、制御部5は、得られた警報ステータス12が停止か否かをCPU21によって確認する(S111)。警報ステータス12が停止である場合、制御部5は、ステップS110に戻り、所定のタイミング毎の所定通信を繰り返す。
【0055】
そして、警報ステータス12が起動である場合、制御部5は、警報装置7を動作させる(S112)。この際に、CPU21は、ステップS110によって、記憶したメッセージ識別情報13に対応するメッセージデータベース52上のメッセージ50を警報装置7のスピーカ8で再生させるとともに、警報装置7のランプ9を点灯させることで、報知動作を行う。
【0056】
続いて、制御部5がセンターサーバ3への所定通信を再度行い、自身のステータス10を検知する(S113)。制御部5は、警報装置7によって報知動作を行っている際にも、平常時と同様に所定のタイミングで所定通信を行う。なお、災害時においての所定のタイミングは、平常時のものとは異なるタイミングでも良い。
【0057】
次に、制御部5は、CPU21によって、警報ステータス12が停止か否かを確認する(S114)。警報ステータス12が停止である場合、制御部5は、CPU21によって、警報装置7の報知動作を終了し平常時へ移行する(S116)。
【0058】
また、警報ステータス12が、停止ではなく起動のままであった場合には、警報装置7のスピーカ8によるメッセージ50の再生時間が、予め決められた閾値(例えば5時間)を越えたか否かを判断する(S115)。
【0059】
メッセージ50の再生時間が閾値を超えていない場合、制御部5は、ステップS113に戻り、続いてステップS114へと再度進む。そして、ステップS113~S115を繰り返す。そして、ステップS113において、警報ステータス12が停止であると確認した場合、もしくは、ステップS114において、メッセージ50の再生時間の閾値を越えた場合、警報装置7の報知動作を終了させて、平常時へ移行する(S116)。
【0060】
また、通信不良などにより、制御部5は、センターサーバ3へアクセスできなくなった場合においても、ステップS113~S115を繰り返し行う。そして、制御部5は、メッセージ50の再生時間が閾値を超えた時点で警報装置7の報知動作を終了させ、平常時へ移行する。
【0061】
上記構成によれば、複数の制御部5,5・・夫々が、内蔵されており時間が合わせられている時計22に合わせて、同時刻にセンターサーバ3へアクセスし、自身のステータス10を受信して、警報装置7の報知動作を行うか否かを判断する構成である。したがって、センターサーバ3上の、各制御部5のステータス10(警報ステータス12)を変更するのみの操作で、制御部5による警報装置7の報知動作を行わせることができる。よって、複数の制御部5,5・・夫々に起動指示を順次通信する際に発生する通信時間が必要がない。そのため、より迅速に複数の警報装置7の動作を行うことが可能である。
【0062】
また、複数の制御部5,5・・は、夫々同じ時間にセンターサーバ3へアクセスし、警報ステータス12を受信して、警報装置7を動作させるため、互いの動作のずれが抑制され、各警報装置7による報知動作の音声の干渉を減少させることができる。
【0063】
また、数百メートル毎に設置されている避難誘導看板柱2が、制御部5の記憶部24に予め記憶されているメッセージ50を用いて報知する構成であるため、防災行政無線のように広域な放送波で一斉に音声を送信する方法とは違い、作業者が無線従事者資格等の特別な資格を保有する必要がなく、且つ特別な操作台も必要がない。
【0064】
また、警報装置7による報知動作の際に、スピーカ8から流すためのメッセージ50を制御部5に送信するのではなく、予めメッセージ50を制御部5の記憶部24に保存する構成であるため、災害時における通信用のネットワークの輻輳、及び通信規制の影響を最小限にすることができる。
【0065】
(災害警報システム1における制御部5の故障管理)
以下、本発明の災害警報システム1において、各制御部5の故障を管理する流れを図9の流れ図に沿って説明する。図9において、Sはステップを示す。
【0066】
制御部5が故障等により、センターサーバ3へのアクセスができなくなると、センターサーバ3へ制御部5の動作状況が特定タイミングにおいて通知されなくなる(S120)。
【0067】
そして、センターサーバ3上の、通知がなかった制御部5のステータス10の故障タイマー14はリセットされず、故障タイマー14が満了する(S121)。
【0068】
故障タイマー14が満了すると、当該制御部5のステータス10の故障カウント15が1増加されるとともに、故障タイマー14がリセットされる(S122)。
【0069】
そして、故障カウント15が閾値(例えば10)を超えたかどうかを判断する(S123)。この際に、故障カウント15が閾値を超えていない場合は、ステップS121~S123の動作が繰り返される。
【0070】
そして、故障カウント15が増加し、ステップS123において、閾値を超えると、制御部5が故障状態であると判定する(S124)。この際に、サーバCPU40は、故障した制御部5に対応するステータス10の健康状態16を故障へと変更する。
【0071】
次に、操作端末11において、制御部5が故障している旨と、どの制御部5が故障しているかの旨とを通知する(S125)。
【0072】
また、制御部5の一時的な不具合などによって、動作状況の通知が行われなかった場合において、ステップS122における故障カウント15が閾値を超える前に、制御部5による動作状況の通知が再開された場合には、故障カウント15はリセットされ、平常時に戻る。
【0073】
この構成によれば、複数の制御部5,5・・夫々の個別のステータス10において、健康状態16の管理を行うため、故障が発生した制御部5を確実に且つ的確に把握することが可能である。
【0074】
(本発明の変更例)
なお、本発明に係る災害警報システムは、上記実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、災害警報システムの全体的な構成は勿論、避難誘導看板柱、及びセンターサーバに係る構成等についても必要に応じて適宜変更することができる。
【0075】
上記実施形態において、センターサーバから、制御部へ通信して、警報装置を動作させる構成を採用しても良い。その際に、制御部へ通信するサーバを物理及び仮想問わず複数用意することで、警報装置の起動を分散して平行に行うことができ、警報装置の前提的な起動時間を短縮することができる。また、センターサーバが単一か複数かにかかわらず、センターサーバから制御部への通信を一斉通信に適したプロトコル(例えばMQTT)を利用することによって、警報装置の全体的な起動時間を短縮するとともに、警報装置間の動作のずれが抑制され、各警報装置による報知動作の音声の干渉を減少させることができる。
【0076】
また、制御部がセンターサーバへアクセスする際に、センターサーバによって管理されている自身が属する警報装置のグループを参照するための、参照先ステータスを取得する構成としても良い。この構成において、サーバ記憶手段には、各制御部のステータスに代えて、あるいは各制御部のステータスと共に、参照先ステータスに対応したグループのステータスであるグループステータスが記憶されている。グループステータスは、警報ステータス及びメッセージ識別情報を含む。そして、制御部は、取得した参照先ステータスに対応付けられたグループステータスを取得する様に構成され、警報ステータス及びメッセージ識別情報を取得し動作を行う。また、参照先ステータス及びグループステータスは、作業者による操作端末の操作によって任意に変更可能であって、それに伴って警報装置のグループ分けを管理することができる。
【0077】
また、作業者の操作端末によって、制御部の警報ステータスを変更させることで、災害警報を行っているところ、緊急地震速報などの緊急放送をセンターサーバによって受け取るとともに、警報ステータスを変更する構成としても良い。また、制御部によって、緊急放送を受け取る構成を採用し、緊急放送を受け取るとともに、災害警報を行う構成としても良い。その際に、報知するメッセージは予め保存されているメッセージを流す構成としても良いし、緊急放送を放送する構成としても良い。
【0078】
また、スピーカ及びランプの何れかの動作時に、正常に動作するか否かを判定する機能及びそれを通知する機能を設けても良い。
また、平常時においても、スピーカ及びランプが正常に動作するか否かを確認するために、定期的にスピーカ及びランプを作動させる時報機能を設けても良い。
また、避難誘導看板柱への興味を高めるために、ランダムに特別な音声メッセージを再生する機能を設けても良い。
また、予備電源部のバッテリーの性能劣化が生じているか否かを定期的にセンターサーバから指示を出すことで計測できる機構を有しても良い。
【0079】
また、低温対策として、制御部のハウジング等にヒータを設置しても良い。例えば、ヒータとして、サーモスタット付き電気ヒータが用いられる。
また、高温対策として、制御部のハウジングを、直射日光から遮る二重構造としたり、クーラーなどの冷却機構を組み込んだりしても良い。
【0080】
また、制御部の通信部において、有線通信、無線LAN、LPWA、ローカル5G等の他の通信方法を採用しても良い。
また、制御部の故障を把握する際に、直近の通知から経過した時間を故障タイマーで計測し、故障の判断の基準としても良い。
また、制御部の故障を把握する際に、制御部がセンターサーバへ自身の動作状況を通知を行う構成ではなく、センターサーバが制御部へ通信し、制御部へ応答させて、制御部の応答の有無によって制御部の故障の判断を行う構成としても良い。
【0081】
また、避難誘導看板柱の表示板において、夜間の視認性向上のために、蓄光材料でもって表示を書いても良い。
【0082】
また、ステータスは、ランプの点灯動作(例えば、点滅、常時点灯の切り替え)を指令するランプステータスを備えても良い。
また、制御部の動作を指示する情報(警報ステータス及びメッセージ識別情報)と、制御部の故障を管理する情報(故障タイマー、故障カウント、及び健康状態)とは、夫々別のステータスとして管理されても良い。
【0083】
また、警報装置は、スピーカ又はランプの一方のみ備えていても良い。
また、制御部は、スピーカの報知態様及びランプの点灯態様のうち何れか一方のみを制御しても良い。
【0084】
また、操作端末は、作業者が操作する際に、ログインIDとパスワードの認証が必要な構成にしても良い。
また、上記ログインIDとパスワードの認証に代えて、あるいはこの認証と共に、メール、スマートフォンアプリ、ショートメッセージサービス(SMS)等を用いたワンタイムパスワードを用いても良い。
【符号の説明】
【0085】
1・・災害警報システム、2・・避難誘導看板柱、3・・センターサーバ、4・・表示板、5・・制御部、6・・補助表示板、6a・・第1の補助表示板、6b・・第2の補助表示板、7・・警報装置、8・・スピーカ、8a・・スピーカ本体、8b・・スピーカフード、9・・ランプ、9a・・ランプ本体、9b・・ランプフード、10・・ステータス、11・・操作端末、12・・警報ステータス、13・・メッセージ識別情報、14・・故障タイマー、15・・故障カウント、16・・健康状態、20・・ハウジング、21・・CPU、22・・時計、23・・サーバ通信部、24・・記憶部、25・・電源部、26・・予備電源部、27・・制御基板、30・・支柱、40・・サーバCPU、42・・サーバ記憶手段、44・・サーバ通信手段、46・・電池、50・・メッセージ、52・・メッセージデータベース。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9