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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057954
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】水中生物採集器
(51)【国際特許分類】
   A01K 79/00 20060101AFI20240418BHJP
【FI】
A01K79/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022164967
(22)【出願日】2022-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】719007682
【氏名又は名称】高神 高則
(74)【代理人】
【識別番号】100097065
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 雅栄
(72)【発明者】
【氏名】高神 高則
【テーマコード(参考)】
2B105
【Fターム(参考)】
2B105AD01
2B105AD04
2B105AG30
(57)【要約】
【課題】下部を水没させて水面1に配置するだけで、自動的に多量の水中生物5を短時間で捕集し採集できる極めて画期的な水中生物採集器を提供すること。
【解決手段】下部を水没状態にして容体2を水面1に浮遊配置させると、容体2内底部に突設した中空状の前記膨出部4の侵入部9から水中生物5がこの容体2内に侵入し、またこの水中生物5はこの侵入部9から容体2外へ戻り脱出しにくく、ゆえに多量の水中生物5がこの容体2内に留まり捕集され、またこの容体2を上昇させれば水は排出されて多量の水中生物5が採集される水中生物採集器。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水面に配置させる容体の下部に、外部から水が浸入しこの容体の下部が水没状態となる通水孔が設けられていて、この容体を水面から上昇させることで前記通水孔を介して前記容体内の水が排水される構成とされていて、
前記容体内に、前記通水孔として機能しこの容体外と連通する中空状の膨出部が膨出状態に設けられていて、
この中空状の膨出部には、前記容体外の水中生物がこの容体内に侵入する際の侵入口部と、侵入路部と、この侵入路部の出口となる侵入出口部と、からなる侵入部が設けられていて、
この侵入部の前記侵入口部、前記侵入路部および前記侵入出口部は、水中生物が前記容体内に侵入できる入口径、路径および出口径に設定されていて、且つ水中生物の移動特性に基づき前記容体外に戻り脱出しにくい前記出口径もしくは路径もしくは入口径に設定、または路長もしくは出口となる前記侵入出口部の水面に対する位置に設定されていて、
下部を水没状態にして前記容体を水面に配置させると、中空状の前記膨出部に設けられている前記侵入部の前記侵入口部、前記侵入路部および前記侵入出口部から前記容体2外の水中生物がこの容体内に侵入し、この水中生物はこの侵入出口部から前記容体外へ戻り脱出しにくく多量の水中生物がこの容体内に留まり捕集されるとともに、この容体を上昇させた際、前記通水孔である前記膨出部の前記侵入部またはその他にも通水孔が設けられている場合はその通水孔からも水は排出されて多量の水中生物が採集される構成とされていることを特徴とする水中生物採集器。
【請求項2】
水面に配置させる容体の下部に、外部から水が浸入しこの容体の下部が水没状態となる通水孔が設けられていて、この容体を水面から上昇させることで前記通水孔を介して前記容体内の水が排水される構成とされていて、
前記容体内の底部に、前記通水孔として機能しこの容体外と連通する管状の膨出部が上方に膨出状態に突設されていて、
この中空状の膨出部には、前記容体外の水中生物がこの容体内に侵入できる口径および路径であって、この水中生物が侵入する際の侵入口となる侵入口部と、侵入路部と、この侵入路部の出口となる侵入出口部と、からなる侵入部として設けられていて、
前記容体の底部に、前記侵入口部となる前記水中生物の侵入用開口部が設けられていて、この侵入用開口部と連通状態に管状で中空状の前記膨出部が上方に向けて突設されていて、この膨出部の中空部が前記侵入路部とされていて、この膨出部の上部開口部が前記侵入出口部とされていて、
下部を水没状態にして前記容体を水面に配置させると、前記侵入部として設けられている中空状の前記膨出部の前記侵入口部、前記侵入路部および前記侵入出口部から前記容体外の水中生物がこの容体内に侵入し、この水中生物はこの侵入出口部から容体外へ戻り脱出しにくく多量の水中生物がこの容体内に留まり捕集されるとともに、この容体を上昇させた際、前記通水孔である前記膨出部の前記侵入部またはその他にも通水孔が設けられている場合はその通水孔からも水は排出されて多量の水中生物が採集される構成とされていることを特徴とする水中生物採集器。
【請求項3】
前記容体を水面に置くと前記通水孔から水がこの容体内に侵入して、下部を水没状態にして水面に浮遊配置されることとなる容体形状および容体材質に設定、もしくは前記通水孔の大きさ、数および形成位置に設定されている、または浮き部が備えられている構成であることを特徴とする請求項1記載の水中生物採集器。
【請求項4】
前記容体の底部に前記侵入口部として設けられている前記侵入用開口部に、連設状態に管状の前記膨出部が上方に突設されていて、この管状の膨出部が前記通水孔としても前記水中生物の侵入路としても機能する前記侵入部として構成されていて、この侵入部である前記膨出部の周面にも前記通水孔が設けられている構成であることを特徴とする請求項2記載の水中生物採集器。
【請求項5】
前記容体は、上部側の直径が下部側の直径より大きい上部開口型の半球状またはボウル状の容器であって、この容体の底部に前記水中生物が通れる大きさの侵入用開口部が前記侵入口部として設けられているとともに、前記水中生物が通れる内径の管状の前記膨出部が、前記侵入路部として、前記侵入用開口部と連通状態に上方に突設状態に設けられていて、この管状の膨出部の上部開口部が前記水中生物が通れる大きさの前記侵入出口部として設けられていて、この管状の膨出部が前記侵入部に構成されていて、
この侵入部である前記膨出部の上部開口部である前記侵入出口部が、前記容体の上部開口部の高さより低い位置に設定されている構成であることを特徴とする請求項1記載の水中生物採集器。
【請求項6】
前記容体の上部開口部に、蓋部が開閉自在または着脱自在に設けられている構成であることを特徴とする請求項1記載の水中生物採集器。
【請求項7】
管状の前記膨出部の上部開口部である前記侵入部の前記侵入出口部を覆うキャップ部が開閉自在または着脱自在に設けられている構成であることを特徴とする請求項1記載の水中生物採集器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メダカなどの魚類、サカマキガイなどの貝類(スネール)などの水中生物を多量に捕集し採集することができる水中生物採集器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
たとえば、池や水槽で生育しているメダカやスネールを網で掬い取ることは容易ではない。特にメダカなどは小さくまた貴重で高価な魚であり、これをできるだけ傷つけることなく簡単にして多量に捕集することは非常に困難である。そのため、たとえば水槽を掃除したいときにメダカを捕集し別の水槽に退避させる作業は、非常にやっかいであった。
【0003】
一方、サカマキガイなどの貝類(スネール)などはすぐに多量に繁殖してしまうため、これを一挙に捕集し駆除したいが、これも簡単にして多量に捕集することは非常に困難で、またこれまで様々な捕集器具が開発されてきてはいるが、いずれも多量に捕集できず簡単に駆除できないため、魚の水槽飼育においてかなり深刻な問題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、このような技術課題を見出し、これを解決し従来にない優れた商品を創出するもので、たとえば単に下部を水没させて水面に配置するだけで、自動的に多量の水中生物を短時間で捕集し採集できる極めて画期的な水中生物採集器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0006】
本発明は、水面1に配置させる容体2の下部に、外部から水が浸入しこの容体2の下部が水没状態となる通水孔3が設けられていて、この容体2を水面1から上昇させることで前記通水孔3を介して前記容体2内の水が排水される構成とされていて、前記容体2内に、前記通水孔3として機能しこの容体2外と連通する中空状の膨出部4が膨出状態に設けられていて、この中空状の膨出部4には、前記容体2外の水中生物5がこの容体2内に侵入する際の侵入口部6と、侵入路部7と、この侵入路部7の出口となる侵入出口部8と、からなる侵入部9が設けられていて、この侵入部9の前記侵入口部6、前記侵入路部7および前記侵入出口部8は、水中生物5が前記容体2内に侵入できる入口径、路径および出口径に設定されていて、且つ水中生物5の移動特性に基づき前記容体2外に戻り脱出しにくい前記出口径もしくは路径もしくは入口径に設定、または路長もしくは出口となる前記侵入出口部8の水面1に対する位置に設定されていて、下部を水没状態にして前記容体2を水面1に配置させると、中空状の前記膨出部4に設けられている前記侵入部9の前記侵入口部6、前記侵入路部7および前記侵入出口部8から前記容体2外の水中生物5がこの容体2内に侵入し、この水中生物5はこの侵入出口部8から前記容体2外へ戻り脱出しにくく多量の水中生物5がこの容体2内に留まり捕集されるとともに、この容体2を上昇させた際、前記通水孔3である前記膨出部4の前記侵入部9またはその他にも通水孔3が設けられている場合はその通水孔3からも水は排出されて多量の水中生物5が採集される構成とされていることを特徴とする水中生物採集器に係るものである。
【0007】
また水面1に配置させる容体2の下部に、外部から水が浸入しこの容体2の下部が水没状態となる通水孔3が設けられていて、この容体2を水面1から上昇させることで前記通水孔3を介して前記容体2内の水が排水される構成とされていて、前記容体2内の底部に、前記通水孔3として機能しこの容体2外と連通する管状の膨出部4が上方に膨出状態に突設されていて、この中空状の膨出部4には、前記容体2外の水中生物5がこの容体2内に侵入できる口径および路径であって、この水中生物5が侵入する際の侵入口となる侵入口部6と、侵入路部7と、この侵入路部7の出口となる侵入出口部8と、からなる侵入部9として設けられていて、前記容体2の底部に、前記侵入口部6となる前記水中生物5の侵入用開口部が設けられていて、この侵入用開口部と連通状態に管状で中空状の前記膨出部4が上方に向けて突設されていて、この膨出部4の中空部が前記侵入路部7とされていて、この膨出部4の上部開口部が前記侵入出口部8とされていて、下部を水没状態にして前記容体2を水面1に配置させると、前記侵入部9として設けられている中空状の前記膨出部4の前記侵入口部6、前記侵入路部7および前記侵入出口部8から前記容体2外の水中生物5がこの容体2内に侵入し、この水中生物5はこの侵入出口部8から容体2外へ戻り脱出しにくく多量の水中生物5がこの容体2内に留まり捕集されるとともに、この容体2を上昇させた際、前記通水孔3である前記膨出部4の前記侵入部9またはその他にも通水孔3が設けられている場合はその通水孔3からも水は排出されて多量の水中生物5が採集される構成とされていることを特徴とする水中生物採集器に係るものである。
【0008】
また前記容体2を水面1に置くと前記通水孔3から水がこの容体2内に侵入して、下部を水没状態にして水面1に浮遊配置されることとなる容体2形状および容体2材質に設定、もしくは前記通水孔3の大きさ、数および形成位置に設定されている、または浮き部11が備えられている構成であることを特徴とする請求項1記載の水中生物採集器に係るものである。
【0009】
また前記容体2の底部に前記侵入口部6として設けられている前記侵入用開口部に、連設状態に管状の前記膨出部4が上方に突設されていて、この管状の膨出部4が前記通水孔3としても前記水中生物5の侵入路としても機能する前記侵入部9として構成されていて、この侵入部9である前記膨出部4の周面にも前記通水孔3が設けられている構成であることを特徴とする請求項2記載の水中生物採集器に係るものである。
【0010】
また前記容体2は、上部側の直径が下部側の直径より大きい上部開口型の半球状またはボウル状の容器であって、この容体2の底部に前記水中生物5が通れる大きさの侵入用開口部が前記侵入口部6として設けられているとともに、前記水中生物5が通れる内径の管状の前記膨出部4が、前記侵入路部7として、前記侵入用開口部6と連通状態に上方に突設状態に設けられていて、この管状の膨出部4の上部開口部が前記水中生物5が通れる大きさの前記侵入出口部8として設けられていて、この管状の膨出部4が前記侵入部9に構成されていて、この侵入部9である前記膨出部4の上部開口部である前記侵入出口部8が、前記容体2の上部開口部の高さより低い位置に設定されている構成であることを特徴とする請求項1記載の水中生物採集器に係るものである。
【0011】
また前記容体2の上部開口部に、蓋部10が開閉自在または着脱自在に設けられている構成であることを特徴とする請求項1記載の水中生物採集器に係るものである。
【0012】
また管状の前記膨出部4の上部開口部である前記侵入部9の前記侵入出口部8を覆うキャップ部12が開閉自在または着脱自在に設けられている構成であることを特徴とする請求項1記載の水中生物採集器に係るものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明は上述のように構成したから、たとえば単に下部を水没させて水面に配置するだけで、自動的に多量の水中生物を短時間で捕集し採集できる極めて画期的な水中生物採集器となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施例1の説明斜視図である。
図2】実施例1の説明正断面図である。
図3】実施例1の説明平面図である。
図4】実施例1の使用状態を示す説明正面図である。
図5】実施例2の説明分解斜視図である。
図6】実施例2の説明分解正面図である。
図7】実施例2の説明平面図である。
図8】実施例2の使用状態を示す説明正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0016】
たとえば容体2を水面に置くと通水孔3として機能する中空の膨出部4(水中生物5の侵入路となる侵入部9)から、またはさらに容体2に通水孔3を設けた構成の場合はその通水孔3からも容体2内に水が侵入することで、自動的に下部が水没した状態となり、またたとえばこの容体2の形状や材質、もしくは通水孔3の大きさや数や形成位置の設定、または容体2の上部に備えた浮き部11によって、この下部水没状態の容体2は水面1に浮遊配置保持されることとなる。
【0017】
そして、この容体2の膨出部4に設けられている前記侵入部9の侵入口部6、侵入路部7および侵入出口部8(水中生物侵入路兼通水孔3)から、容体2外の水中生物5(たとえばメダカなどの小さな魚やサカマキガイなどのスネール)がこの容体2内に次々と侵入してくることとなる。
【0018】
えさを用いなくてもよいが、容体2内の水面1にその水中生物5が好きな寄せえさをまけば、さらにこのえさを求めてあるいはその水中生物5の習性(移動特性)により、短時間で多量の水中生物5が容体2内に次々と侵入してくることとなる。
【0019】
しかもこの膨出部4の侵入部9の侵入口部6、侵入路部7および侵入出口部8は、水中生物5が前記容体2内に侵入できる入口径、路径および出口径に設定され、且つたとえば水中生物5が水の中で少なくとも30度以上下方に向けた急激下方移動することが困難であることや水面1に向かって泳ぐなどの様々な移動特性(習性)に基づき、前記容体2外に戻り脱出しにくい前記出口径もしくは路径もしくは入口径、または前記侵入部9の路長もしくは出口となる前記侵入出口部8の水面1に対する位置に設定されているから、一旦容体2内に次々と侵入したこの水中生物5はこの侵入部9から戻り脱出しにくく、多量の水中生物5がこの容体2内に留まり捕集されることとなる。
【0020】
そしてさらに、この容体2を上昇させることで(たとえば水面1から容体2を持ち上げることで)、前記通水孔3として機能する侵入部9またはこの他に通水孔3を設けた場合はその通水孔3からも水は排出され多量の水中生物5を傷つけることなく容易に採集できることとなる。
【実施例0021】
本発明の具体的な実施例1について図面に基づいて説明する。
【0022】
本実施例は、網を用いず貴重で価値のあるメダカを傷つけることなく容易にして短時間で多量に捕集し採集することができる採集器に構成した実施例で、上部が大きく開口しているボウル状の非透明な容体2の底部に、メダカ侵入路としての侵入部9を構成する管状の膨出部4を突設し、水面1に置くだけでこの侵入部9が通水孔3としても機能してこの侵入部9から水が容体2内に侵入して下部が水没する構成としている。
【0023】
さらに本実施例では、この容体2を水面1に置くことで通水孔3である管状の膨出部4から水が侵入して下部が自動的に水没するが、完全には沈まず下部が水没しても上部は水面1にやや出ていて浮遊配置されるように、この容体2上部にこのような適度な浮力を生じさせるリング状の浮き部11を周設した構成としている。
【0024】
すなわち、この容体2の形状やこの浮き部11の位置や大きさによる浮力調整によって容体2の浮遊位置を調整して、容体2を水面1上に置くだけで前述のように自動的に下部が水没状態となり、且つ水面1が容体2の上部開口部(容体2の上縁)よりやや低い位置となるように設定した構成としている。
【0025】
もちろん、このように浮き部11を設けずに、容体2自体で適度な浮力が生じるように構成してもよいし、この容体2を上部から所定浮遊位置に吊り下げ保持できる構成としてもよい。
【0026】
また本実施例では、この容体2内の底部に上方に膨出する中空状すなわち円管状(円筒状)の膨出部4を、容体2内外が連通するように設け、これを水中生物侵入路となる侵入部9とした構成としている。
【0027】
すなわち本実施例のこの中空状の膨出部4には、容体2外の水中生物5がこの容体2内に侵入する際の侵入口部6(底部開口部)と、侵入路部7(管状中空部)と、この侵入路部7の出口となる侵入出口部8(上部開口部)と、からなる侵入部9(管状の水中生物侵入路)を設けた構成としている。
【0028】
具体的には、容体2内の底部中央に、円管状で中空状の前記膨出部4を上方に向けて突設した構成とし、この膨出部4の底部に前記侵入口部6(底部開口部)を設け、この膨出部4の中空部を前記侵入路部7とし、この侵入路部7の上部開口部を前記侵入出口部8とし、これを容体2の上縁よりも低い位置となるように前記膨出部4の突出長を設定して、この管状の膨出部4を前記侵入部9(管状の水中生物侵入路)とした構成としている。
【0029】
言い換えると、本実施例では容体2の底部に前記侵入口部6として設けた底部開口部に、連設状態に円管状(円筒状)の前記膨出部4を突設し、この膨出部4が水中生物侵入路としての前記侵入部9となり、且つ前記通水孔3として機能する構成としている。
【0030】
そしてさらに本実施例では、この円管状の膨出部4の周面にも水中生物5(本実施例では、メダカ)は出入りできない大きさの小さな通水孔3を多数設けた構成としている。
【0031】
すなわちこの水中生物5(本実施例では、メダカ)が出入りできない大きさとした通水孔3は、この容体2内に立設した円管状の膨出部4(侵入部9)だけとしても良いが、本実施例ではさらにこの膨出部4の周壁部に多数設けて、この通水孔3を設けた高さまで水が排出できるように構成している。
【0032】
またこの通水孔3は、さらに容体2の底部や下部周辺に多数設けてもよいし、また容体2をザルのように構成して多数の通水孔3を所定範囲に無数に設けた構成としてもよい。この場合容体2内の多量な魚がこの通水孔3を通して見えたり、えさが見えたり、いわばえさの匂いなどを感じることで、その侵入できない大きさの通水孔3から侵入しようと戸惑うことになってしまい、容体2の下方のメダカが前記侵入部9の下部の侵入口部6からズムーズにして次々と瞬時に容体2内に侵入しない傾向となってしまうため、水排出用のこの通水孔3は、この侵入口部6以外の容体2下部には多数設けないことが好ましい。
【0033】
また本実施例では、この侵入部9の前記侵入口部6、前記侵入路部7および前記侵入出口部8は、水中生物5(本実施例では、メダカ)が前記容体2内に侵入できる入口径、路径および出口径に設定し、且つ水中生物5(本実施例では、メダカ)が水の中で少なくとも30度以上下方に向けた急激下方移動することが困難であることや水面1に向かって泳ぐなどの移動特性(習性)に基づき、一旦容体2内に侵入した水中生物5(本実施例では、メダカ)が前記容体2外に戻り脱出しにくい前記出口径もしくは前記路径もしくは前記入口径に設定、または路長もしくは出口となる前記侵入出口部8の水面1に対する位置に設定している。
【0034】
したがって、本実施例では、単に容体2を水面1に置くだけで、通水孔3である侵入部9から容体2内に水が侵入して、自動的に容体2の下部が水没状態となり、またこの容体2に設けた浮き部11により自動的に適正な水面浮遊位置に保持されることとなる。
【0035】
そして、この容体2の膨出部4の前記侵入部9の前記侵入口部6、前記侵入路部7および前記侵入出口部8から、前記容体2外の水中生物5がこの容体2内に次々と侵入し、たとえば容体2内の水面1に寄せえさをまけば、さらにこのえさを求めて一層短時間で多量の水中生物5が容体2内に次々と侵入し捕集されることとなる。
【0036】
すなわち、水中生物5の移動特性に基づき前記容体2外に戻り脱出しにくい前記出口径もしくは路径もしくは入口径に設定、または路長もしくは出口となる前記侵入出口部8の水面1に対する位置に設定しているから、一旦容体2内に次々と侵入したこの水中生物5はこの侵入部9から戻り脱出しにくく、多量の水中生物5がこの容体2内に留まり捕集されることとなる。そしてさらに、単にこの容体2を水面1から持ち上げることで、前記通水孔3から水は排出され多量の水中生物5を傷つけることなく容易に採集できることとなる。
【0037】
このように、単に水面1に容体2を置くだけで、メダカが短時間に多量に捕集できるが、これは水中のメダカが水面に向けてあるいは水面からの光を求めて泳ぐ習性や群れている音につられもしくは群れて外的から身を守ろうとする習性などから、容体2の下方のメダカが前記侵入部9を泳ぎ上り容体2内に次々と侵入してくからである。
【0038】
そしてたとえばメダカの全長がおよそ3cmであるとしてこの侵入部9の入口径、路径および出口径が侵入しやすいようにたとえば2倍の6cm径としても、たとえばこの侵入部9の路長(膨出部4の突出長)を容体2の深さの3/5としてその出口(侵入出口部8)の高さを水面1近くにすることで、水中生物5(本実施例では、メダカ)が水の中で少なくとも30度以上下方に向けた急激下方移動することが困難であることなどの移動特性(習性)や、一旦容体2内に侵入したメダカは横方向へ泳ぎ容体2内面に沿って泳ぐ習性や、群れでいたがる習性などから、所定高さで水面1に近い高さの侵入出口部8から再び侵入路部7内に戻り侵入して侵入部9を下方に泳いで戻り脱出することができるメダカはほぼいなく、短時間で多量のメダカが捕集できることとなる。
【0039】
なお、静止することが得意で狭い筒でも静止・下降を少しずつ繰り返すことができる魚は、入ってきた管状の侵入部9の上端の侵入出口部8から戻り下降して容体2外に戻り脱出することができるが、そうでない魚(メダカなどの多くの魚)は、身体を下方に傾けて狭い口径や路径の管状の侵入部9を下方に泳いで戻り脱出することはできない。またさらに本実施例では、この戻り入口となる侵入部9の侵入出口部8は、容体2の底部よりかなり高く水面1寄りに位置しているため、長時間が経ってもこの構造にあっては、戻り脱出できない。なお、本実施例のよる実験においても、一旦容体2に侵入したメダカは、長時間経ってもそのほとんどは戻り脱出できずまた水槽のほぼすべてのメダカが容体2内に侵入し捕集されることが確認されている。
【0040】
また前記容体2の上部開口部に、蓋部10を開閉自在または着脱自在に設けて、鳥などの外敵からメダカを守るようにしてもよい。
【0041】
また管状の前記膨出部4の上部開口部である前記侵入部9の前記侵入出口部8を覆うキャップ部12(アダプター)を開閉自在または着脱自在に設けて、容体2を持ち上げ水が抜ける際に、メダカが少しでもこの水の排水につられて戻り出るのを防止できるようにしてもよい。
【0042】
また本実施例について、さらに詳述する。
【0043】
たとえば魚を掬うたも網は、掬う対象魚に合わせてサイズの大きなものから、小さなものまで販売されているが、たも網で魚を追っても、魚の動きが速く、魚を採集できないことが多い。またたも網で魚を一回で掬わないと、魚が警戒心を持ちパニックを起こし逃げ惑うため、たも網の枠や水中壁面に魚をぶつかってしまい、魚の鱗が取れたり、口が欠けたり、顎が折れたりすることがある。中にはダメージが大きく死んでしまう魚もいる。したがって、たも網では一挙に多量の魚を採集できず、また魚を傷つけずに採集することも難しい。
【0044】
またたも網で採集するには、魚とのタイミングを合わせて、たも網を入れなければならず、たも網の扱いに慣れている魚養殖場の人でも、魚を採集しにくい。
【0045】
このように魚採集には、たも網に代わる簡単にして多量に採集できる魚採集方法がないのが現状であった。
【0046】
本実施例では、少ない寄せエサでも、魚の習性を利用して、魚を傷つけずに、誰でも簡単に、自動的に魚が採れる魚採集器を提供できることとなる。
【0047】
さらに説明すると、魚はエサを求めているときでなく何か気になるものや威嚇する際にも口を使う習性がある。人間でいうと、ボールを急に投げられたとき手が反応するのと同じで、魚も口を使って反射的に噛みついてくる。この反射がリアクションバイトと呼ばれるが、魚は落ちてくるものに、反射的に口を使い捕食するので、エサが落ちていくことで、よりエサに反応しやすい。そのため、エサを落とし込み、よりエサに反応しやすくするため、侵入用開口部(侵入口部6)を底部に配している。
【0048】
容体2内にエサをまくとエサが水に溶けだす。エサが容体2内に充満すると容体2内の水中に溶け出したエサの匂いを含む水は、侵入用開口部より水中に落ちていき、拡散しやすい。そのため、魚は、匂いを察知しやすくなり、魚は容体2の底部下方周辺に集まりやすく、侵入用開口部へ誘導されやすい。エサの匂いを下に落とし込み魚を集めやすくするため、この侵入用開口部を底部に配している。
【0049】
以上のように侵入用開口部を底部にするとで、魚の反射(リアクションバイト)、臭い、視覚が働きやすくなり、魚がエサに反応しやすくなる。そのため魚を容体2に集めやすい。
【0050】
容体2を水に浮かせ、容体2内に寄せエサをまくと、エサを見つけた魚は、底部の侵入用開口部、すなわち侵入部9の侵入口部6から、頭を上に体を傾けながら、侵入路部7を通り、侵入出口部8から容体2内に入る。この容体2内に入った魚は少量のエサを食べる。
【0051】
魚は、多くのエサを独占しようと縄張りを主張して、他の魚に体当たりをして縄張りから追い出そうとする習性があるが、容体2内が小さな空間であるため、エサを独占しようとして縄張り争いが起きやすく小競り合いをする魚が出てくる。この容体2内で小競り合いをする魚の行動が、容体2外の魚が容体2内にエサがあると一層感じさせやすく、容体2外の魚を容体2内に誘導させやすくする。
【0052】
また容体2内では、エサは無くなっていくが、水中に溶けたエサの匂いは残っているから、このエサの匂いを頼りにさらに魚は容体2内に入っていく。このようにして魚の数が多くなり、魚が多く動くことで水面1上より入る光が揺らぎ見え、泳ぐ音が大きくなると、水の揺らぎとこの音を感じた容体2外の魚は、容体2内にエサを食べている魚がいると錯覚する。すると、容体2内にもはやエサが無いにもかかわらず、エサを求めてさらに魚が入っていく。このようにして短時間で多量の魚が入っていくこととなる。
【0053】
一方、魚は容体2内に入ると、エサがないことと、多くの魚で窮屈になっているので容体2外へ出ようとするが、容体2の形状が、上部開口型の底部に、魚が通れる大きさの管状の前記侵入部9が設けられている構成であるから、一旦、容体2内に入ると前述したように出にくく、容体2内の魚の群れは増えていく。
【0054】
すなわち、一旦入った魚は、容体2内面に沿って外へ出ようとするが、魚の頭が容体2内面にあたり、上下左右に動いていく。すると魚の動きは、容体2内面に沿って泳ぐ動きになり、出られずにパニック状態となり、暴れ、水しぶきが立つ。この水しぶきになる動きは、水面1が波立つので、光が乱反射し、音は反響して容体2下方に届く。
【0055】
このような状況になると魚は、多くの魚が多くのエサを捕食しているナブラ状態と勘違いして、エサが無いにも関わらず、本来は入りづらく出にくい管状の侵入部9ではあるがこの侵入部9を通って容体2内に入っていく。このように魚が容体2内に入っていくと、さらに水しぶきが立ち、ナブラ状態が大きくなる。
【0056】
また、このように容体2内でナブラ状態が起きるので、魚は一斉に浮上し、容体2内へ向かっていく。そのため、魚は加速度的に容体2内に入り込んで行く。この時、容体2外の水面付近にいる魚も、容体2の形状に沿ったように底部の侵入用開口部へ急降下する。
【0057】
また魚は外敵から身を守るため群れでいる習性がある。そのため、たとえエサを食べる気のない魚が容体2外にいたとしても、魚は単独でいると、外敵から群れでいるよりも捕食される可能性が高くなるから、外敵から身を守るため、容体2内の魚の群れの中に入っていく。
【0058】
以上から、ほとんどの魚は、容体2内に入り、容体2外にいる魚はほとんどいなくなる。
【0059】
このようにして、わずか5分程度で、とめどもなく魚が容体2内に入ってきて捕集されることになるが、容体2内の魚は逃げようと泳ぎ回り、どんどんストレスがかかる。よって、魚にストレスがかかりすぎないように、ある程度捕集したところで(本実施例の容器の容量は、仮に700mlであるとした場合には、魚のサイズが約2cm前後のものは100匹程度、サイズが約3cm前後のものは50匹程度を目安として)引き上げ採集し次の場所へ移す。
【0060】
また本実施例では、容体2は上部開口型であるから、魚が容体2内に入ったとき、自然界と同じ条件の水中・水面ができている。そのため、魚の泳ぎが自然になり、魚は警戒心を持ちにくい。よって、魚の本来の習性を活かしやすく、魚を集めやすい。また水面1を直視できるため、魚の数と様子が分かりやすく、次の場所に移すタイミングが取りやすい。
【0061】
魚を移す前に、侵入部9の上部にキャップ部12(差し込み嵌合タイプのアダプター)を取り付ける。このアダプターには、魚が出られない小さい穴(通水孔3)が設けられていて、このアダプターで侵入部9上部の侵入出口部8を塞ぐので、魚は容体2から逃げる場所がなくなり、容体2外に出て行くことができない。よって次の場所へ移す際に、一層魚をこぼれ落としにくい。
【0062】
また魚を移す時は、前述したように水面1より容体2を持ち上げる。すると、侵入部9から水が抜けていき、容体2内の水位は下がり、この捕集済みの容体2をそのまま次の場所へ移動させ、次の場所へ流し込む。
【0063】
以上のように、魚の習性を利用して少ないエサで自動的に魚が採れるため、たも網で採集するような素早い動きもなくなり、誰にでも簡単に魚が採集でき、また、一回で魚が大量に掬えることになり、魚を傷つけにくい。
【実施例0064】
本実施例では、前述した実施例1のように、水槽の清掃時にメダカを一時退避させるためや、メダカを捕集し観賞したりメダカ選別のために捕集したり、また池でメダカを捕集するための採集器として、容易にして多量にしかも傷つけることなく捕集・採集することができる採集器に構成した実施例ではなく、たとえば水槽内で多量発生するまたは多量に繁殖するおそれのある害貝であるサカマキガイやモノアラガイなどの貝類(スネール)を、同様にして容易に且つ短時間で多量に捕集することができる構成とした実施例2である。
【0065】
具体的には、この実施例2では、実施例1の構成に加えて、メダカと異なり容体2を伝って容体2外へ脱出することも防止するため、容体2の上部開口部に、蓋部10を開閉自在または着脱自在に設けた構成としている。
【0066】
また本実施例では、前記中空状の膨出部4には、前記容体2外の水中生物5(本実施例では、スネール)がこの容体2内に侵入する際の侵入口部6(底部開口部)と、侵入路部7(管状中空部)とこの侵入路部7の出口となる侵入出口部8(上部開口部)とからなる侵入部9(管状のスネール侵入路)を設けた構成としている。
【0067】
具体的には、実施例1と同様に、前記容体2の底部に、管状で中空状の前記膨出部4を上方に向けて突設した構成とし、この膨出部4の底部に前記侵入口部6(底部開口部)を設け、この膨出部4の中空部を前記侵入路部7とし、この膨出部4の上部の前記容体2の上縁よりも低い位置に前記侵入出口部8(上部開口部)を設けて、この膨出部4を前記侵入部9(管状のスネール侵入路)とした構成としている。
【0068】
言い換えると、本実施例では前記容体2の底部に前記侵入口部6として設けた底部開口部(侵入用開口部)に、連設状態に管状(円筒状)の前記膨出部4を突設し、前記通水孔3として前記侵入口部6および前記侵入出口部8が機能する構成とし、これらの口径をメダカなどの小さな魚が侵入できない大きさであってスネールなら侵入できる大きさに設定し、さらに前記膨出部4の周面にもメダカなどの小さな魚は出入りできない通水孔3を設けた構成としている。
【0069】
さらに説明すると、本実施例では、この侵入部9の前記侵入口部6、前記侵入路部7および前記侵入出口部8は、水中生物5(本実施例では、スネール)が前記容体2内に侵入できる入口径、路径および出口径に設定し、且つ水中生物5(本実施例では、スネール)がその移動特性に基づき前記容体2外に戻り脱出しにくい前記出口径もしくは前記路径もしくは前記入口径に設定、または路長もしくは出口となる前記侵入出口部8の水面1に対する位置に設定している。すなわちスネールが通れるに十分な口径や路径としつつも水槽内の魚が通れない小さい径に設定している。
【0070】
また本実施例では、スネールが水面1を這うように泳げることから、この出口となる前記侵入出口部8を水面1すれすれとなるように設定することで、スネール以外の魚がさらに侵入しにくいように構成してもよい。
【0071】
また本実施例では、前記実施例1の差し込み嵌合タイプの前記キャップ部12(アダプター)に、魚は通れないがスネールは通れる大きさの侵入用孔を設けて、これを本実施例での侵入出口部8とすることで、実施例1の構成の採集器がスネール捕集用の採集器となるように構成している。
【0072】
本実施例では、このように実施例1と同様に構成することで、単に容体2を水面1に置くだけで、通水孔3である侵入部9から容体2内に自動的に水が侵入して、自動的に容体2の下部が水没状態となり、またこの容体2に設けた浮き部11により自動的に適正な水面浮遊位置に保持されることとなる。
【0073】
そして、本実施例では実施例1と同様に、この容体2の膨出部4の前記侵入部9の前記侵入口部6、前記侵入路部7および前記侵入出口部8から、前記容体2外の水中生物5(本実施例ではサカマキガイなどのスネール)がこの容体2内に次々と侵入し、たとえば容体2内の水面1に寄せえさをまいたり、えさを収めそのエキスだけが容体2内に流出する餌籠(ストレーナー)を吊るしたり置いたりすれば、さらにこのえさを求めて一層短時間で多量の水中生物5(本実施例ではサカマキガイなどのスネール)が容体2内に次々と侵入し捕集されることとなる。
【0074】
このように、単に水面1に容体2を置くだけで、サカマキガイなどのスネールが短時間で多量に捕集できる。これは水中のサカマキガイなどのスネールが水面に向かって泳ぐ習性などがあることから、容体2の底下方のサカマキガイなどのスネールが前記侵入部9を泳ぎ上り容体2内に次々と侵入してくからである。
【0075】
そしてたとえば一旦容体2内に侵入したサカマキガイなどのスネールは横方向へ泳ぎ容体2内面に沿って泳ぎ留まる習性があることなどから、所定高さで水面1に近い高さの侵入出口部8からさらに侵入路部7内に戻り脱出するサカマキガイなどのスネールは皆無であることから、長時間が経ってもこの構造にあってはほとんど戻り脱出できず多量のサカマキガイなどのスネールが捕集されることとなる。本実施例を用いた実験により長時間経過してもほとんど戻り脱出せず多量のサカマキガイなどのスネールが捕集されることが確認されている。
【0076】
また前記容体2の上部開口部に、蓋部10を開閉自在または着脱自在に設けて、容体2の上部開口部から逃げ出ることも防止している。
【0077】
また本実施例について、さらに詳述する。
【0078】
スネールは、観賞魚用水槽にたとえば水草や石に付着していて意図せず混入することがあるが、適度な数のスネールであれば魚の食べ残しや排泄物、水草の枯葉や藻類などを食べてくれる掃除屋や分解者として水質の急激な悪化を防いでくれたり、水作りや景観つくりの手助けをしてくれたりするため、その駆除についてさほど問題とはされない。
【0079】
しかし、問題なのは大繁殖した場合で、大繁殖すると水槽内のバランスを崩す原因になることがある。個体数が増えすぎると摂食量が増えるため、排泄物も増えて水質悪化に繋がる。食べるものがなくなってくると大量に死滅したり、水草がある場合は水草を食べ始めたりして水質や景観のバランスが崩れる。また多数のスネールそのものが水槽の景観を損ねる。また、スネールは最初目についたときには数少ない個体数だったのに、少し放置していたら急増して手に負えなくなるということもしばしば起こる。
【0080】
このようなスネールとして扱われる主な種類は、サカマキガイ、モノアラガイ、カワコザラガイの3種類である。
【0081】
水草にはスネールと卵塊とが付着していることが多く、貝にばかり注意している場合には見逃してしまうことがある。また魚にも稀にスネールが付着していることがある。
【0082】
このようなスネール駆除方法として、一匹ずつ手作業で駆除することは地道で根気が必要な作業である上、隠れているスネールを見逃してしまうことがあるため、効率の悪い方法である。また、手で取ろうとしてもスネールは、身を縮めてはりつてしまい取りづらい。壁面に沿ってスネールを効率的に採取する方法もあるが、低床や水草についたスネールは採集することができない。
【0083】
また薬品で駆除することは手軽で早く、より確実な方法であり、製品によってはメダカやエビなどに無害なものもあり、効率よく駆除することができるが、上記薬品を使用し死んだ貝は腐敗してしまうため、すぐに取り出す必要がある。そのため、貝の死骸を一匹ずつ手で取るか水槽リセットになる。また、コケをよく食べ水質浄化能力の高いヒメタニシをタンクメイトとして入れている場合も多いが、ヒメタニシも駆除してしまうことになる問題もある。
【0084】
また、駆除用品にはスネールを誘引して滞在させ水槽から引き上げて駆除するものがある。ただ、多量の採集できないため何度もセットしてスネールの引き上げを繰り返す必要があり、手間がかかる。
【0085】
また最終手段は水槽のリセットである。全飼育用品を水道水でしっかり洗って天日干しで完全に乾燥させてから水槽を立ち上げ直す。洗って干す作業に時間と手間がかかるうえに水槽の立ち上げにも時間と手間が必要となるが、最も確実に駆除する方法である。水槽を多く持っている飼育者は、一つの水槽に時間と手間がかけられないという問題があった。
【0086】
これまで、上記のように、スネール駆除には、いろいろな方法があるが、観賞魚飼育や水生植物の育成では、コケをよく食べ水質浄化能力のあるヒメタニシやコケを好んで食べるイシマキガイ、カバクチカノコガイなどの益貝や魚が水中に混在しており、サカマキガイ、モノアラガイだけを選び、駆除することが難しかった。そのため従来の方法では、効率的にサカマキガイ、モノアラガイを駆除することは難しく、簡単な方法がないという問題があった。
【0087】
本実施例では、サカマキガイ、モノアラガイの習性を用いて、このサカマキガイ、モノアラガイを効率的で簡単に、一度で多量に駆除できる採集器を提供するものである。
【0088】
さらに説明すると貝類(スネール)は、水中を這って移動する種類と水中を浮上して水面1を這うことができる種類がいる。ヒメタニシ、石巻貝、カバクチカノコガイなどは、水中の側面や水草の上を這って移動する。これに対してサカマキガイ、モノアラガイは、水中の側面や水草の上を這って移動する上に、水中を浮上することができ、水面を腹側に這って泳ぐことができる。このサカマキガイ、モノアラガイの水中を浮上することができ、水面を腹側に這って泳ぐ習性を用いて、サカマキガイ、モノアラガイの駆除を行うものである。
【0089】
すなわち、本実施例では、容体2を水面1に浮かべ、容体2に水が侵入したことを確認し、前記侵入部9の上部開口部の侵入出口部8にキャップ部12(アダプター)を取り付ける。
【0090】
このアダプターには、サカマキガイ、モノアラガイの通り穴をあけこれを侵入出口部8とする構成としている。サカマキガイガイ、モノアラガイは、管状の侵入部9の上下左右と天井を這うことができるので、侵入部9のアダプター(天井面裏側)を這いながらこの中央の前記通り穴(侵入出口部8)に到達して容体2内に入ることができる。
【0091】
ストレーナー(餌籠)に、観賞魚用のエサやフルーツを砕いたものなどサカマキガイやモノアラガイのエサとなり匂いでも誘引できるものを入れ、これを容体2内の侵入部9の外側下部に置き、蓋部10で容体2の上部開口部を閉塞する。少し時間が経つと、水に入れたストレーナーからは、水に溶けたエサの匂いがジワリと出て、侵入部9の底部の侵入用開口部(侵入口部6)から外へ落ちていく。サカマキガイ、モノアラガイは、このエサの匂いを嗅ぎつけ、浮上し、容体2にはりつく。そして、匂いのする侵入用開口部へ這いながら向かい、これを通り、侵入部9を通って上部のアダプターの侵入出口部8から容体2内に到達する。エサの匂いをたぐり、容体2内をうろうろとしているうちにエサの入ったストレーナーにたどり着く。
【0092】
サカマキガイ、モノアラガイがストレーナーにたどり着くと、エサを食べようとするが、エサはストレーナーに入っているので、ストレーナーの網目より少しだけはみ出しているエサの分しか食べることができない。そのため、ストレーナーは、ほとんどエサの匂いを放つだけの役割をする。容体2外へ漏れ出している匂いは、次第に周囲に拡散していき次々とサカマキガイ、モノアラガイは、これを嗅ぎつけ、匂いのする容体2内に入っていく。このようにして次第にサカマキガイ、モノアラガイが容体2内に捕集される。
【0093】
サカマキガイ、モノアラガイは、匂いを嗅ぎ終わったあとにストレーナーから離れようとするが、一旦、容体2に入ると、容体2内の上からも下からも出て行けず、水面1に近く中央にある狭い管状の上端の出口(侵入出口部8)を見つけることも、たとえ見つけてもそこから下降する習性になく、一度入ってきたらほとんどが出られないこととなる。
【0094】
このように一旦容体2内に侵入したサカマキガイ、モノアラガイは、なかなか管状の侵入部9の上部の通り穴(侵入出口部8)から戻り下降脱出することができずにいて、さらに容体2外のサカマキガイ、モノアラガイがその穴から次々と容体2内に侵入してくるので、侵入してくるサカマキガイ、モノアラガイにはじかれ、侵入部9の上部の穴から一層出ていけないこととなる。
【0095】
また容体2内に入ったサカマキガイ、モノアラガイは、上へ上へと向かう習性がある。水面から出て、壁にはりつくこともあり、上へと向かい逃げようとする。そのためサカマキガイ、モノアラガイは蓋部10の内側外郭へたまっていき、とどまるので、一度入ったサカマキガイ、モノアラガイは、逃げ口の管状の侵入部9の上部の穴より遠ざかり、さらに逃げにくくなる。
【0096】
このようにして容体2内がサカマキガイ、モノアラガイでいっぱいになったら、蓋部10を外し、水を出し、駆除する。サカマキガイ、モノアラガイは容体2内にはりついているので、床にコンコンと叩いて落とすか、ホースを使い水流で落とす。また、バケツに水を張り、強めにゆすいでも落ちやすい。面倒であれば、容体2ごとそのまま天日干ししてもよい。
【0097】
以上のようにサカマキガイ、モノアラガイが採集される。本実施例の容器の容量は、700mlであり、管状の侵入部9(底部径4cm×高さcm×3.14=37.68ml)を差し引くと、少なくとも、約660ml以上のサカマキガイ、モノアラガイが採集できる計算になり、一度に沢山のサカマキガイ、モノアラガイが採集できる。
【0098】
なお、水中を這うヒメタニシなどの貝は、水中を浮上できないので、容体2を下部水没状態で浮かせることで、ヒメタニシなどの貝は、容体2にたどり着くことができない。そのため、ヒメタニシなどの貝を採集せずにすむ。よって、水中を浮上し、水面を這うことのできるサカマキガイ、モノアラガイだけを採集できる。水中には、スネールとヒメタニシなどの益貝、他にも魚が混在しており、サカマキガイ、モノアラガイだけを選び、駆除することが難しかったが、この方法をとることで、ヒメタニシなどの益貝と魚の侵入を防ぐことができる。
【0099】
また、魚は垂直に泳ぎにくいことを利用して、このスネールだけが侵入するように侵入部9を設計している。さらにこの侵入部9の上端の侵入出口部8(これを塞ぐアダプターの通り穴)を水面すれすれとなるようにすることで、さらに魚の侵入を防げる。
【0100】
以上がサカマキガイ、モノアラガイの駆除方法であるが、エサを入れるストレーナーを加える以外は、貝の駆除に係る構成と動作は、前述したとおり魚採集器と同じものである。
【0101】
尚、本発明は、実施例1、2に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成やその用途や商品設定は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0102】
1 水面
2 容体
3 通水孔
4 膨出部
5 水中生物
6 侵入口部
7 侵入路部
8 侵入出口部
9 侵入部
10 蓋部
11 浮き部
12 キャップ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-01-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手で持って水面に置くことができる大きさで且つ手で傾けることで収納している水または採集した水中生物を注ぎ出すことができる上部開口型容器形状に構成されている容体の下部に、外部から水が浸入しこの容体の下部が水没状態となる通水孔が設けられていて、この容体を手で持ち上げて水面から上昇させることで前記通水孔を介して前記容体内の水が排水される構成とされていて、
前記容体内に、前記通水孔として機能しこの容体外と連通する中空状の膨出部が膨出状態に設けられていて、
この中空状の膨出部、前記容体外の水中生物がこの容体内に侵入する際の侵入口部と、前記水中生物が侵入する侵入路部と、この侵入路部の出口となる侵入出口部と、からなる侵入部に構成されていて、
この侵入部である中空状の膨出部の前記侵入口部、前記侵入路部および前記侵入出口部は、水中生物が前記容体内に侵入できる入口径、路径および出口径に設定されていて、且つ水中生物の移動特性に基づき前記容体外に戻り脱出しにくい前記出口径もしくは路径もしくは入口径に設定、または路長もしくは出口となる前記侵入出口部の水面に対する位置に設定されていて、
下部を水没状態にして前記容体を水面に配置させると、中空状の前記膨出部に設けられている前記侵入部の前記侵入口部、前記侵入路部および前記侵入出口部から前記容外の水中生物がこの容体内に侵入し、この水中生物はこの侵入出口部から前記容体外へ戻り脱出しにくく多量の水中生物がこの容体内に留まり捕集されるとともに、この容体を上昇させた際、前記通水孔である前記侵入部またはその他にも前記通水孔が設けられている場合はその通水孔からも水は排出されて多量の水中生物が採集される構成とされていることを特徴とする水中生物採集器。
【請求項2】
手で持って手で水面に置くことができる大きさで且つ手で傾けることで収納している水または採集した水中生物を注ぎ出すことができる上部開口型容器形状に構成されている容体の下部に、外部から水が浸入しこの容体の下部が水没状態となる通水孔が設けられていて、この容体を手で持ち上げて水面から上昇させることで前記通水孔を介して前記容体内の水が排水される構成とされていて、
前記容体内の底部に、前記通水孔として機能しこの容体外と連通する管状の膨出部が上方に膨出状態に突設されていて、
この中空状の膨出部、前記容体外の水中生物がこの容体内に侵入できる口径および路径であって、この水中生物が侵入する際の侵入口となる侵入口部と、侵入路部と、この侵入路部の出口となる侵入出口部と、からなる侵入部に構成されていて、
前記容体の底部に、前記侵入口部となる前記水中生物の侵入用開口部が設けられていて、この侵入用開口部と連通状態に管状で中空状の前記膨出部が上方に向けて突設されていて、この膨出部の中空部が前記侵入路部とされていて、この膨出部の上部開口部が前記侵入出口部とされていて、
下部を水没状態にして前記容体を水面に配置させると、前記侵入部に構成されている中空状の前記膨出部の前記侵入口部、前記侵入路部および前記侵入出口部から前記容体外の水中生物がこの容体内に侵入し、この水中生物はこの侵入出口部から容体外へ戻り脱出しにくく多量の水中生物がこの容体内に留まり捕集されるとともに、この容体を上昇させた際、前記通水孔である前記侵入部またはその他にも前記通水孔が設けられている場合はその通水孔からも水は排出されて多量の水中生物が採集される構成とされていることを特徴とする水中生物採集器。
【請求項3】
前記容体を水面に置くと前記通水孔から水がこの容体内に侵入して、下部を水没状態にして水面に浮遊配置されることとなる容体形状および容体材質に設定、もしくは前記通水孔の大きさ、数および形成位置に設定されている構成、または浮き部が備えられている構成であることを特徴とする請求項1記載の水中生物採集器。
【請求項4】
前記容体の底部に前記侵入口部として設けられている前記侵入用開口部に、連設状態に管状の前記膨出部が上方に突設されていて、この管状の膨出部が前記通水孔として構成されているとともに、前記水中生物の侵入路とし機能する前記侵入部として構成されていて、この侵入部である前記膨出部の周面にも前記通水孔が設けられている構成であることを特徴とする請求項2記載の水中生物採集器。
【請求項5】
前記容体は、上部側の直径が下部側の直径より大きい上部開口型の半球状またはボウル状の容器であって、この容体の底部に前記水中生物が通れる大きさの侵入用開口部が前記侵入口部として設けられているとともに、前記水中生物が通れる内径の管状の前記膨出部が、前記侵入路部として、前記侵入用開口部と連通状態に上方に突設状態に設けられていて、この管状の膨出部の上部開口部が前記水中生物が通れる大きさの前記侵入出口部として設けられていて、この管状の膨出部が前記侵入部に構成されていて、
この侵入部である前記膨出部の上部開口部である前記侵入出口部が、前記容体の上部開口部の高さより低い位置に設定されている構成であることを特徴とする請求項1記載の水中生物採集器。
【請求項6】
前記容体の上部開口部に、蓋部が開閉自在または着脱自在に設けられている構成であることを特徴とする請求項1記載の水中生物採集器。
【請求項7】
管状の前記膨出部の上部開口部である前記侵入部の前記侵入出口部を覆うキャップ部が開閉自在または着脱自在に設けられている構成であることを特徴とする請求項1記載の水中生物採集器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明は、手で持って水面1に置くことができる大きさで且つ手で傾けることで収納している水または採集した水中生物を注ぎ出すことができる上部開口型容器形状に構成されている容体2の下部に、外部から水が浸入しこの容体2の下部が水没状態となる通水孔3が設けられていて、この容体2を手で持ち上げて水面1から上昇させることで前記通水孔3を介して前記容体2内の水が排水される構成とされていて、前記容体2内に、前記通水孔3として機能しこの容体2外と連通する中空状の膨出部4が膨出状態に設けられていて、この中空状の膨出部4、前記容体2外の水中生物5がこの容体2内に侵入する際の侵入口部6と、前記水中生物が侵入する侵入路部7と、この侵入路部7の出口となる侵入出口部8と、からなる侵入部9に構成されていて、この侵入部9である中空状の膨出部4の前記侵入口部6、前記侵入路部7および前記侵入出口部8は、水中生物5が前記容体2内に侵入できる入口径、路径および出口径に設定されていて、且つ水中生物5の移動特性に基づき前記容体2外に戻り脱出しにくい前記出口径もしくは路径もしくは入口径に設定、または路長もしくは出口となる前記侵入出口部8の水面1に対する位置に設定されていて、下部を水没状態にして前記容体2を水面1に配置させると、中空状の前記膨出部4に設けられている前記侵入部9の前記侵入口部6、前記侵入路部7および前記侵入出口部8から前記容体2外の水中生物5がこの容体2内に侵入し、この水中生物5はこの侵入出口部8から前記容体2外へ戻り脱出しにくく多量の水中生物5がこの容体2内に留まり捕集されるとともに、この容体2を上昇させた際、前記通水孔3である前記侵入部9またはその他にも前記通水孔3が設けられている場合はその通水孔3からも水は排出されて多量の水中生物5が採集される構成とされていることを特徴とする水中生物採集器に係るものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
また手で持って水面1に置くことができる大きさで且つ手で傾けることで収納している水または採集した水中生物を注ぎ出すことができる上部開口型容器形状に構成されている容体2の下部に、外部から水が浸入しこの容体2の下部が水没状態となる通水孔3が設けられていて、この容体2を水面1から手で持ち上げて上昇させることで前記通水孔3を介して前記容体2内の水が排水される構成とされていて、前記容体2内の底部に、前記通水孔3として機能しこの容体2外と連通する管状の膨出部4が上方に膨出状態に突設されていて、この中空状の膨出部4には、前記容体2外の水中生物5がこの容体2内に侵入できる口径および路径であって、この水中生物5が侵入する際の侵入口となる侵入口部6と、侵入路部7と、この侵入路部7の出口となる侵入出口部8と、からなる侵入部9に構成されていて、前記容体2の底部に、前記侵入口部6となる前記水中生物5の侵入用開口部が設けられていて、この侵入用開口部と連通状態に管状で中空状の前記膨出部4が上方に向けて突設されていて、この膨出部4の中空部が前記侵入路部7とされていて、この膨出部4の上部開口部が前記侵入出口部8とされていて、下部を水没状態にして前記容体2を水面1に配置させると、前記侵入部9に構成されている中空状の前記膨出部4の前記侵入口部6、前記侵入路部7および前記侵入出口部8から前記容体2外の水中生物5がこの容体2内に侵入し、この水中生物5はこの侵入出口部8から容体2外へ戻り脱出しにくく多量の水中生物5がこの容体2内に留まり捕集されるとともに、この容体2を上昇させた際、前記通水孔3である前記侵入部9またはその他にも前記通水孔3が設けられている場合はその通水孔3からも水は排出されて多量の水中生物5が採集される構成とされていることを特徴とする水中生物採集器に係るものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
また前記容体2を水面1に置くと前記通水孔3から水がこの容体2内に侵入して、下部を水没状態にして水面1に浮遊配置されることとなる容体2形状および容体2材質に設定、もしくは前記通水孔3の大きさ、数および形成位置に設定されている構成、または浮き部11が備えられている構成であることを特徴とする請求項1記載の水中生物採集器に係るものである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
また前記容体2の底部に前記侵入口部6として設けられている前記侵入用開口部に、連設状態に管状の前記膨出部4が上方に突設されていて、この管状の膨出部4が前記通水孔3として構成されているとともに、前記水中生物5の侵入路とし機能する前記侵入部9として構成されていて、この侵入部9である前記膨出部4の周面にも前記通水孔3が設けられている構成であることを特徴とする請求項2記載の水中生物採集器に係るものである。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0090
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0090】
このアダプターには、サカマキガイ、モノアラガイの通り穴をあけこれを侵入出口部8とする構成としている。サカマキガイ、モノアラガイは、管状の侵入部9の上下左右と天井を這うことができるので、侵入部9のアダプター(天井面裏側)を這いながらこの中央の前記通り穴(侵入出口部8)に到達して容体2内に入ることができる。