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特開2024-57957情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057957
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/418 20060101AFI20240418BHJP
   G06Q 50/04 20120101ALI20240418BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
G06Q50/04
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022164975
(22)【出願日】2022-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】515185898
【氏名又は名称】株式会社スカイディスク
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100220663
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々田 洋一
(72)【発明者】
【氏名】小林 裕
(72)【発明者】
【氏名】井ノ上 大誉
【テーマコード(参考)】
3C100
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
3C100AA22
3C100AA38
3C100AA43
3C100BB05
3C100BB13
3C100BB14
3C100CC02
5L049AA09
5L049CC04
5L050CC04
(57)【要約】
【課題】製品の工程表を作成する技術を改善する。
【解決手段】情報処理装置10は、対象製品の製品名と、該対象製品を生産する工程ごとに、工程名、工程を割付け可能な設備及びスタッフ、並びに作業時間を含む工程情報と、の入力を受付ける入力部11と、入力部11を介して入力された情報に基づいて、対象製品の工程表を作成する制御部14と、作成された工程表を記憶する記憶部13と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品の工程表を作成する情報処理装置であって、
対象製品の製品名と、該対象製品を生産する工程ごとに、工程名、工程を割付け可能な設備及びスタッフ、並びに作業時間を含む工程情報と、の入力を受付ける入力部と、
前記入力部を介して入力された情報に基づいて、前記対象製品の工程表を作成する制御部と、
作成された前記工程表を記憶する記憶部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記入力部は、前記対象製品を生産する工程ごとに、工程情報の入力欄を有する工程ブロックを含む画面を表示し、前記対象製品を生産する工程を追加するユーザ操作を検出した場合、前記画面上に新規の工程ブロックを追加し、前記対象製品を生産する工程を削除するユーザ操作を検出した場合、削除する工程に対応する工程ブロックを前記画面から削除する、情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記画面において、前記対象製品を生産する各工程に対応する工程ブロックは有向グラフのノードとして表示される、情報処理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記工程表は、直接編集可能なCSVファイルとして記憶される、情報処理装置。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の情報処理装置であって、
前記入力部は、1つ以上の対象製品の生産条件を含む受注情報を更に取得し、
前記制御部は、前記受注情報に示される対象製品ごとに、前記対象製品の工程表を前記記憶部から抽出し、抽出された1つ以上の工程表に基づいて、前記1つ以上の対象製品全ての生産条件を満たすように、前記1つ以上の対象製品の生産計画を決定する、情報処理装置。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の情報処理装置であって、
前記工程情報は、非稼働時間を跨いで、作業を継続するのか否かの選択を含む、情報処理装置。
【請求項7】
製品の工程表を作成する情報処理方法であって、
対象製品の製品名と、該対象製品を生産する工程ごとに、工程名、工程を割付け可能な設備及びスタッフ、並びに作業時間を含む工程情報と、の入力を受付けることと、
入力された情報に基づいて、前記対象製品の工程表を作成することと、
作成された前記工程表を記憶することと、
を実行する、情報処理方法。
【請求項8】
製品の工程表を作成する情報処理装置に、
対象製品の製品名と、該対象製品を生産する工程ごとに、工程名、工程を割付け可能な設備及びスタッフ、並びに作業時間を含む工程情報と、の入力を受付けることと、
入力された情報に基づいて、前記対象製品の工程表を作成することと、
作成された前記工程表を記憶することと、
を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、生産スケジューラを用いて、製品の生産スケジュールの立案に用いられる工程表を作成する技術が知られている。例えば、非特許文献1には、理論的に最短の製造リードタイムで、製品の生産スケジュールを作成する、生産スケジューラが開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】「生産スケジューラとは」、[online]、[2022年9月22日検索]、インターネット<URL:https://www.asprova.jp/products/overview.html>
【0004】
しかし、生産スケジューラに生産スケジュールを自動立案させるためには、受注データはもちろんのこと、設備、スタッフ、工程、又は製品等のマスターデータ、及びそれらを関連付ける様々な関連データを、生産スケジューラの指定する形式に整理し、整合性を担保した上で入力する必要があった。また、入力データを削除・変更する際にも、関連データとの整合性を考慮した上で、個別に設定する必要があった。
【0005】
非特許文献1に開示された生産スケジューラによる入力画面は、Excelの表形式を有し、データを直接入力するか、又はExcelのように、コピー&ペースト機能によりデータを入力する。しかし、専用のフォーマットに基づいて、複数のデータを個別に設定する必要があり、修正が難しく、又は設定後に工程全体が把握できない等の課題があった。
【0006】
また、DX(Digital Transformation)が進んでいない現場、或いは異なる定義によりデジタル化されたデータが既に存在する現場では、生産スケジューラの導入のハードルは高かった。DXとは、企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術とを活用して、顧客及び社会のニーズを基に、製品、サービス、或いはビジネスモデルを変革するとともに、業務そのもの、組織、プロセス、或いは企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること、をいう。
【0007】
しかし、仮にDXが進んでおらず、手書きでの生産指示を行っている場合であっても、「ある製品を生産するための工程の連なり」は、生産指示そのものであり、いずれの現場においても言語化が可能である。この点に着目し、「ある製品を、どのような工程で製造するか」、「それぞれの工程の使用時間がどのくらいか」、或いは「どのような生産資源(設備及びスタッフ)で対応可能か」といった工程情報を、汎用性のあるユーザーインターフェースで、設定可能な情報処理装置が必要とされていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、製品の工程表を作成する技術に改善の余地があった。
【0009】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、製品の工程表を作成する技術を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一実施形態に係る情報処理装置は、製品の工程表を作成する情報処理装置であって、対象製品の製品名と、該対象製品を生産する工程ごとに、工程名、工程を割付け可能な設備及びスタッフ、並びに作業時間を含む工程情報と、の入力を受付ける入力部と、前記入力部を介して入力された情報に基づいて、前記対象製品の工程表を作成する制御部と、作成された前記工程表を記憶する記憶部と、を備える。
【0011】
本開示の一実施形態に係る情報処理方法は、製品の工程表を作成する情報処理方法であって、対象製品の製品名と、該対象製品を生産する工程ごとに、工程名、工程を割付け可能な設備及びスタッフ、並びに作業時間を含む工程情報と、の入力を受付けることと、入力された情報に基づいて、前記対象製品の工程表を作成することと、作成された前記工程表を記憶することと、を実行する。
【0012】
本開示の一実施形態に係るプログラムは、製品の工程表を作成する情報処理装置に、 対象製品の製品名と、該対象製品を生産する工程ごとに、工程名、工程を割付け可能な設備及びスタッフ、並びに作業時間を含む工程情報と、の入力を受付けることと、入力された情報に基づいて、前記対象製品の工程表を作成することと、作成された前記工程表を記憶することと、を実行させる。
【発明の効果】
【0013】
本開示の一実施形態によれば、製品の工程表を作成する技術が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本開示の一実施形態に係る情報処理システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
図2】製品の工程表を作成する情報処理方法を説明するフローである。
図3】工程情報の入力欄を有する工程ブロックの一例を示す図である。
図4】工程ブロックを含む画面の一例を示す図である。
図5】製品の生産計画を決定する情報処理方法を説明するフローである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の実施形態について説明する。
【0016】
(実施形態の概要)
図1を参照して、本開示の実施形態に係る情報処理システム1の概要について説明する。情報処理システム1は、ネットワーク2と通信可能に接続される少なくとも1台の情報処理装置10(10A,10B,10C・・・10N)を備える。
【0017】
情報処理装置10は、例えばサーバ装置、又は汎用のパーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)等である。情報処理装置10は、例えば、インターネット及びイントラネット(組織内ネットワーク)等を含むネットワーク2と相互に通信可能に接続される。また、図1に示すように、情報処理装置10が複数台(例えば、3台)設置されている場合、情報処理装置10A,10B,10Cは、それぞれ相互にネットワーク2と通信可能に接続される。
【0018】
まず、本実施形態の概要について説明し、詳細については後述する。情報処理装置10は、汎用性のあるユーザーインターフェースを介して、対象製品の製品名と、該対象製品を生産する工程ごとに、工程名、工程を割付け可能な設備及びスタッフ、並びに作業時間を含む工程情報と、の入力を受付ける。そして、情報処理装置10は、入力された工程情報に基づいて、対象製品の工程表を作成する。
【0019】
このように、本実施形態によれば、情報処理装置10は、汎用性のあるユーザーインターフェースを介して、ユーザから対象製品の製品名と、対象製品を生産する工程ごとの工程情報との入力を受付けると、工程表を作成する。このため、情報処理的記述を要する専用のフォーマットに基づいて、複数のデータを個別に設定する専門的な知識を有しないユーザであっても、情報処理装置10の要求に従って所定の工程情報を入力すれば、工程表を作成する機能を利用することができる。したがって、ユーザが当該機能を利用する蓋然性が向上する点で、製品の工程表を作成する技術が改善される。
【0020】
次に、情報処理システム1の各構成について詳細に説明する。
【0021】
(情報処理装置の構成)
図1に示すように、情報処理装置10は、入力部11と、通信部12と、記憶部13と、制御部14と、を備える。
【0022】
入力部11は、情報の入力欄を有する画面を表示する。例えば、入力部11は、LCD又は有機ELディスプレイ等の入力用インタフェースを備え、画面に表示された入力欄への情報入力を受付ける。入力部11が備える入力用インタフェースは、ユーザ操作を検出するタッチスクリーンであってもよいし、キーボードからの文字入力及びマウスによるクリックを受付けるディスプレイであってもよい。ただし、入力部11が受付ける情報入力の方法は、これに限定されない。
【0023】
通信部12は、ネットワーク2に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば移動体通信規格、有線LAN(Local Area Network)規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限られず、任意の通信規格に対応してもよい。
【0024】
記憶部13は、1つ以上のメモリを含む。記憶部13に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部13は、情報処理装置10の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部13は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及びデータベース(例えば、後述する生産資源マスターが保存されるデータベース)等を記憶してもよい。記憶部13に記憶された情報は、例えば通信部12を介してネットワーク2から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0025】
制御部14は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。制御部14は、情報処理装置10全体の動作を制御する。
【0026】
(情報処理装置の動作フロー)
図2を参照して、本実施形態に係る情報処理装置10が製品の工程表を作成する動作について説明する。
【0027】
ステップS101:情報処理装置10の入力部11は、対象製品の製品名の入力を受付ける。
【0028】
図3は、工程情報の入力欄を有する工程ブロックpbの一例を示す図である。図4は、工程ブロックpbを含む画面の一例を示す図である。工程ブロックpbとは、対象製品を生産する工程を、工程ごとに1つのブロックとして表現したものである。図3において、工程名の入力欄から事後作業の入力欄までの領域が工程ごとの工程ブロックpbにあたる。以降、図3及び4を参照しながら、情報処理装置10の動作のフローを説明する。以下のステップS102~S105は、工程ごとの工程ブロックpbの作成を行うステップであり、所定の入力欄に工程情報の入力を受付ける。
【0029】
ステップS102:情報処理装置10の入力部11は、対象製品を生産する工程ごとに、工程名の入力を受付ける。
【0030】
入力部11は、対象製品の製品名の入力を受付けると、対象製品を生産する工程ごとに、工程情報の入力欄を有する工程ブロックpbを含む画面を表示する。当該画面において、対象製品を生産する各工程に対応する工程ブロックpbは、有向グラフのノード(頂点)として表示される。有向グラフとは、ノード(頂点)と向きを有する辺Edとからなる図形のことをいう。例えば、工程αの工程ブロックpb(ノードにあたる)の作成を完了すると、生産工程順に、次の工程βの工程ブロックpb(ノードにあたる)の作成に向かう。入力部11は、図3及び図4に表示される入力欄に、「工程名」の入力を受付ける。工程情報とは、対象製品を生産する工程ごとの工程名、工程を割付け可能な設備及びスタッフ、並びに作業時間を含む情報をいう。以下、説明の便宜上、工程名を工程αとして説明する。
【0031】
ステップS103:情報処理装置10の入力部11は、対象製品を生産する工程ごとに、工程を割付け可能な設備の入力を受付ける。
【0032】
情報処理装置10の記憶部13は、データベースにあらかじめ、受注する対象製品ごとに、製品と、当該製品を生産する工程を割付可能な設備及びスタッフ(作業者)と、を生産資源マスターとして登録しているものとする。記憶部13のデータベースに記憶された生産資源マスターの情報は、例えば通信部12を介してネットワーク2から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0033】
入力部11は、図3における「工程名」の下に表示される「設備に割付ける」の入力欄に、チェックが検出され、設備名(例えば、A,B,C,D,E)のうちの1つ以上が入力されると、工程αを割付可能な設備として、設備A,B,C,D,又はEのうちの1つ以上を受付ける。
【0034】
ステップS104:情報処理装置10の入力部11は、対象製品を生産する工程ごとに、工程を割付け可能なスタッフの入力を受付ける。
【0035】
図3で「設備名」の下に表示される表は、工程αを割付可能な設備と、各設備を操作可能なスタッフ(例えば、製造現場の作業員)との対応関係を示す。例えば、鈴木さんは設備Bを操作可能であり、佐藤さんは設備C,D,及びEを操作可能であり、石井さんは設備Bを操作可能であり、上田さんは設備Aを操作可能である。
【0036】
入力部11は、図3で「設備名」の下に表示される「スタッフに割付ける」の入力欄に、チェックが検出され、上記設備名のそれぞれを操作することができるスタッフ(例えば、鈴木さん,佐藤さん,石井さん,上田さん,阿部さん)のうちの1人以上が入力されると、工程αを割付可能なスタッフとして、上記設備名と組合せて、鈴木さん,佐藤さん,石井さん,上田さん,又は阿部さんのうちの1人以上を受付ける。
【0037】
ステップS105:情報処理装置10の入力部11は、対象製品を生産する工程ごとに、作業時間の入力を受付ける。
【0038】
図3及び図4に示すように、対象製品を生産する同一の工程内の作業には、事前作業と、本作業と、事後作業とを設定することができる。本作業は、対象製品を生産するために必須の作業である。事前作業は、対象製品の生産を開始する前に行われる任意の作業であり、設備の清掃、各工程で使用する部材或いは金型の出庫(払出し)などが含まれる。事後作業は、対象製品の生産を終了した後に行われる任意の作業であり、設備の清掃、或いは金型の倉庫への保管などが含まれる。本ステップでは、事前作業、本作業、及び事後作業ごとに、図3及び図4に表示される「作業時間の計算方法」の入力欄に、作業時間を設定する。なお、事前作業及び事後作業は、必要に応じ追加設定することができる。なお、「固定」の入力欄は、例えば、設備の清掃等、対象製品の数量に関わりなく、作業時間が一定である場合に、「固定」をプルダウンメニューから選択する。
【0039】
また、工程情報は、非稼働時間を跨いで、作業を継続するのか否かの選択を含む。図3及び図4に示すように、事前作業、本作業、及び事後作業の詳細設定には、「非稼働時間を跨ぐ」のか否かをチェックする入力欄がある。非稼働時間とは、工場が稼働していない時間である。「非稼働時間を跨ぐ」をチェックすると、複数の時間帯の合計で作業時間を確保することを許容する。この場合、結果として、作業が非稼働時間に一旦中断されて翌日再開される、といったことが起こり得る。一方、「非稼働時間を跨ぐ」をチェックしないと、1つのまとまった時間帯で作業時間を確保する。
【0040】
ステップS106:情報処理装置10の入力部11は、対象製品を生産する工程の追加を受付ける。工程を追加する場合、ステップS102へ戻り、追加しない場合、ステップS107へ進む。
【0041】
入力部11は、対象製品の工程を追加するユーザ操作を検出した場合、画面上で新規の工程ブロックpbを追加する。図3及び図4に示す「+工程を追加」が選択されると、対象製品を生産するために必要な工程ブロックpbが、工程の順番に追加で表示される。工程を追加する場合、入力部11は、ステップS102~S105への入力を更に受付ける。
【0042】
ステップS107:情報処理装置10の入力部11は、対象製品を生産する工程の削除を受付ける。工程を削除する場合にはS108へ進み、工程を削除しない場合にはステップS109へ進む。
【0043】
入力部11は、対象製品の工程を削除するユーザ操作を検出した場合、削除する工程に対応する工程ブロックpbを画面から削除する。
【0044】
ステップS108:情報処理装置10の入力部11は、工程ブロックpbの削除を行う。
【0045】
入力部11は、図3及び図4に示す「この工程を削除」が選択されると、削除の対象となる工程の工程ブロックpbを削除する。
【0046】
尚、入力部11は、各工程ブロックの順番及び配置を変更可能としてもよい。工程の変更が必要となった場合に、各工程ブロックの順番等を変更することにより、柔軟な工程表の作成が可能となる。
【0047】
ステップS109:情報処理装置10の制御部14は、入力部11を介して入力された情報に基づいて、対象製品の工程表を作成する。
【0048】
制御部は、入力が受付けられた1つ以上の工程ブロックpbを直列に連結して、対象製品の工程表を作成する。かかる構成を採用するユーザーインターフェースを備える入力部11を介して、ユーザは、普段作成している工程表を画面上に落とし込んでいくことが可能となる。
【0049】
ステップS110:情報処理装置10の記憶部13は、作成された工程表を記憶する。
【0050】
工程表は、直接編集可能なCSVファイルとして記憶される。CSV(comma-separated values)ファイルとは、テキストデータをいくつかのフィールドに分け、区切り文字であるカンマ「,」で区切ったデータ形式のファイルである。拡張子は「.csv」であり、様々なソフトで開くことができるのが大きな特徴である。
【0051】
工程表中の工程のCSVファイルは、工程名、工程のID、製品(製品マスター上のID)、工程の順番、事前作業の処理時間計算方法、事前作業の時間(秒)、事前作業で非稼働時間を跨ぐのか否かの選択、本作業の処理時間計算方法、本作業の時間(秒)、本作業で非稼働時間を跨ぐのか否かの選択、事後作業の処理時間計算方法、事後作業の時間(秒)、事後作業で非稼働時間を跨ぐのか否かの選択、及び割付対象(設備、スタッフ)等のデータを保持する。また、工程表中のスタッフと設備の組合せのCSVファイルは、スタッフ(スタッフマスターのID)、設備(設備マスターのID)、及び工程(工程のID)等のデータを保持する。
【0052】
次に、図5を参照して、本実施形態に係る情報処理装置10が製品の生産計画を決定する動作について説明する。
【0053】
ステップS201:情報処理装置10の入力部11は、1つ以上の対象製品の生産条件を含む受注情報を更に取得する。
【0054】
入力部11は、ユーザからの受注情報の入力を受付ける。生産条件とは、受注情報に示される製品ごとの数量及び納期等をいう。
【0055】
ステップS202:情報処理装置10の制御部14は、受注情報に示される対象製品ごとに、対象製品の工程表を記憶部13から抽出する。
【0056】
対象製品の工程表は、上述したように、対象製品ごとに記憶部13にCSVファイルとして記憶(登録)されており、登録されている工程表の中から、1つ以上の対象製品を生産するための1つ以上の工程表が抽出される。
【0057】
ステップS203:情報処理装置10の制御部14は、受注情報に示される対象製品が全てであるかを確認する。
【0058】
受注情報は、1つ以上の対象製品を含んでいるため、工程表が抽出されていない対象製品があるか否かが確認される。
【0059】
ステップS204:情報処理装置10の制御部14は、抽出された1つ以上の工程表に基づいて、1つ以上の対象製品の生産計画を立案する。
【0060】
制御部14は、1つ以上の対象製品の生産計画の立案にあたり、(i)各対象製品の生産条件(数量及び納期)と、(ii)同一時間帯に1つの設備又は1人の作業員を2つ以上の工程に割付けないという割付条件と、(iii)「非稼働時間を跨ぐ」にチェックがついていない工程については1つのまとまった時間帯で作業時間を確保するという継続条件と、を含むという制約条件を設定してもよい。
【0061】
ステップS205:情報処理装置10の制御部14は、1つ以上の対象製品全ての生産条件を満たすかを確認する。
【0062】
具体的には、制御部14は、受注情報に示される全ての対象製品の生産条件(数量及び納期)が満たされているかを確認する。全ての対象製品の生産条件が満たされているときは、ステップS206へ進み、少なくとも1つの製品の生産条件が満たされていない場合、ステップS204へ戻り、作成された生産計画を修正する。具体的には、入力部11は、納期の変更、工程の変更及び再設定の入力を受付け、制御部14は、もう一度全ての対象製品の生産計画を立案する。
【0063】
ステップS206:情報処理装置10の制御部14は、1つ以上の対象製品の生産計画を決定する。
【0064】
制御部14は、全ての対象製品の生産条件が満たされていることを確認したときは、対象製品の生産計画の決定フローを終了する。
【0065】
以上述べたように、本実施形態に係る情報処理装置10は、汎用性のあるユーザーインターフェースを介して、対象製品の製品名と、該対象製品を生産する工程ごとに、工程名、工程を割付け可能な設備及びスタッフ、並びに作業時間を含む工程情報と、の入力を受付ける。そして、情報処理装置10は、入力された工程情報に基づいて、対象製品の工程表を作成する。
【0066】
かかる構成によれば、情報処理装置10は、汎用性のあるユーザーインターフェースを介して、ユーザから対象製品の製品名と、対象製品を生産する工程ごとの工程情報との入力を受付けると、工程表を作成する。このため、情報処理的な記述を要する専用のフォーマットに基づいて、複数のデータを個別に設定する専門的な知識を有しないユーザであっても、情報処理装置10の要求に従って所定の工程情報を入力すれば、工程表を作成する機能を利用することができる。したがって、ユーザが当該機能を利用する蓋然性が向上する点で、製品の工程表を作成する技術が改善される。
【0067】
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行ってもよいことに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0068】
例えば、上述した実施形態において、情報処理装置10の構成及び動作を、互いに通信可能な複数のコンピュータに分散させた実施形態も可能である。
【0069】
上述した実施形態において、1つ以上の工程ブロックpbを直列に連結した工程表の作成を行う情報処理装置10について説明してきたが、情報処理装置10は、1つ以上の工程ブロックpbを並列的に実行可能に追加・配置することができる形式で情報の入力を受付けて、工程表を作成してもよい。1つ以上の工程ブロックpbを並列的に実行可能にすることにより、異なる対象製品に共通する工程がある場合、柔軟な工程表の作成が可能となる。
【0070】
上述した実施形態において、同一の工程内では、事前作業、本作業、及び事後作業のすべてにおいて同一の生産資源(スタッフ)を設定してもよいし、同一の工程内の作業ごとに異なるスタッフを選択できるように設定してもよい。同一の工程内の作業において、本作業はスタッフの専門性が要求されるが、一方の事前作業及び事後作業は、例えば清掃作業等、スタッフの専門性が必ずしも要求されない場合があるからである。
【0071】
上述した実施形態において、工程に割付ける生産資源は、設備及びスタッフであるとして説明してきたが、各顧客に特有の条件により、金型等の設備及びスタッフ以外の生産資源を割付可能な対象として設定してもよい。設備及びスタッフ以外の生産資源を割付可能にすることにより、多くの顧客に特有な事例に柔軟に対応することが可能となる。
【0072】
上述した実施形態において、事前作業、本作業、及び事後作業の詳細設定には、「非稼働時間を跨ぐ」のか否かを設定する入力欄を設けたが、これに限定されない。各作業の詳細設定には、様々な顧客に特有の条件を複数設定できる入力欄を設けてもよい。「非稼働時間を跨ぐ」以外の詳細設定を可能とすることにより、多くの顧客に特有な事例に柔軟に対応することが可能となる。
【符号の説明】
【0073】
1 情報処理システム
2 ネットワーク
10,10A,10B,10C 情報処理装置
11 入力部
12 通信部
13 記憶部
14 制御部
図1
図2
図3
図4
図5