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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057963
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】生地
(51)【国際特許分類】
   B32B 5/24 20060101AFI20240418BHJP
   A41D 31/14 20190101ALI20240418BHJP
   A41D 31/02 20190101ALI20240418BHJP
   A41D 31/04 20190101ALI20240418BHJP
【FI】
B32B5/24 101
A41D31/14
A41D31/02 Z
A41D31/04 G
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022164985
(22)【出願日】2022-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】515199389
【氏名又は名称】株式会社エー・ディー・ピー
(74)【代理人】
【識別番号】110002435
【氏名又は名称】弁理士法人井上国際特許商標事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077919
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100153899
【弁理士】
【氏名又は名称】相原 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100172638
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 隆治
(74)【代理人】
【識別番号】100159363
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 淳子
(72)【発明者】
【氏名】三ッ井 清明
【テーマコード(参考)】
4F100
【Fターム(参考)】
4F100AK41C
4F100BA04
4F100BA07
4F100DC16C
4F100DG07D
4F100DG11A
4F100DG12C
4F100EC08C
4F100EC08D
4F100GB72
4F100HB00B
4F100HB00D
4F100HB31B
4F100JN01
(57)【要約】
【課題】プリントが施された部分の通気性や柔軟性を確保すると共に、新たなデザイン表現を可能とする生地を提供する。
【解決手段】Tシャツ1は、カラー画像がプリントされたメッシュシート4がシャツ本体2に縫い合わされることによって構成され、メッシュシート4は、多数のメッシュ穴5が等間隔に形成されたメッシュ生地であって、ポリエステル糸等の縫着用の3によって、メッシュシート4の任意の部分がシャツ本体2に縫着されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意のデザインのプリントが施された部分を有する生地であって、
前記プリントが施された部分は、前記デザインがプリントされ、前記生地に縫着されたメッシュシートと、前記メッシュシートと積層状に重なっている前記生地の部分とであることを特徴とする生地。
【請求項2】
前記メッシュシートを介して、前記メッシュシートと重なっている前記生地の部分が視認可能であることを特徴とする請求項1に記載の生地。
【請求項3】
前記メッシュシートは、任意の部分が縫着用の糸によって前記生地に縫着されていることを特徴とする請求項2に記載の生地。
【請求項4】
前記縫着用の糸による前記生地への前記メッシュシートの縫着部は、模様を形成していることを特徴とする請求項3に記載の生地。
【請求項5】
前記模様は、前記デザインの形態に沿ったものであることを特徴とする請求項4に記載の生地。
【請求項6】
請求項1から5の何れか一項に記載の生地を用いた衣料。
【請求項7】
請求項1から5の何れか一項に記載の生地を用いたバッグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絵柄や識別用のプリントが施された生地に係り、プリントが施された部分の通気性や柔軟性を確保すると共に、新たなデザイン表現を可能とする生地に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、Tシャツやスポーツウェア等の各種の衣料において、絵柄や識別用(例えば、スポーツ選手のゼッケン)のプリントを施すことがある。Tシャツ等に絵柄をプリントする場合、カラー画像等のプリント層と熱溶着剤層とを積層してなる熱転写シートを用い、加熱プレス機やアイロン等の加熱手段によって衣類の生地にプリント層を熱溶着する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、スポーツ衣料の通気性を保つべく、メッシュ素材からなるマーク(ゼッケン等)の裏面に繊維状のホットメルト接着剤を設けるとともに、マークを取り付ける縁取りシートの裏面にホットメルトフィルムを貼着し、加熱手段によって衣類の生地にマークを熱溶着した後、縫製によって生地にマークを一体化させる技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-11054号公報
【特許文献2】実用新案登録第3154293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の衣料においては、プリント層が溶着した部位で生地の通気性が低下するとともに、生地の柔軟性が低下することによってごわごわ感が生じ、着心地が悪くなるという問題があった。一方、特許文献2の衣料においては、ホットメルト接着剤やホットメルトフィルムが溶着した部位で生地の通気性が低下するとともに、特許文献1と同様に生地の柔軟性の低下によって着心地が悪くなるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであり、プリントが施された部分の通気性や柔軟性を確保すると共に、新たなデザイン表現を可能とする生地を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の生地は、
任意のデザインのプリントが施された部分を有する生地であって、
前記プリントが施された部分は、前記デザインがプリントされ、前記生地に縫着されたメッシュシートと、前記メッシュシートと積層状に重なっている前記生地の部分とであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、プリントが施された部分の通気性や柔軟性を確保すると共に、新たなデザイン表現を可能とする生地を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施形態に係る生地を用いた衣料の正面図である。
図2】第1の実施形態に係るメッシュシートの正面図である。
図3】第1の実施形態の作用を示す拡大断面図である。
図4】第2の実施形態に係るシャツ本体の要部の正面図である。
図5】第2の実施形態に係るTシャツの要部の正面図であり、シャツ本体にメッシュシートを重ね合わせている途中の状態を示している。
図6】第2の実施形態に係るTシャツの要部の正面図であり、シャツ本体にメッシュシートが重ね合わされた状態を示している。
図7】第3の実施形態の第1実施例に係るTシャツの要部の正面図である。
図8】第3の実施形態の第2実施例に係るTシャツの要部の正面図である。
図9】第3の実施形態の第3実施例に係るTシャツの要部の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の第1の実施形態に係る生地を図1図3を用いて詳細に説明する。本実施形態に係る生地は、Tシャツに用いた場合を例として説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る生地を用いた衣料であるTシャツ1は、綿を素材とする単色(図示例では白)のシャツ本体2と、シャツ本体2の前面に縫着されたメッシュシート4とからなる。メッシュシート4は、図2に示すように、多数のメッシュ穴5が等間隔に形成されたポリエステルメッシュ等の生地であって、矩形、具体的には縦長の長方形を呈している。なお、メッシュシート4の形状は矩形に限定されず、他の任意の形状とすることができる。また、シャツ本体2は、任意の色或いは絵柄のものを用いることができる。
【0010】
図1に示すように、メッシュシート4には、全面に任意のデザインがプリントされている。本実施形態においては、人物の写真のカラー画像がプリントされている。メッシュシート4へのカラー画像のプリントは、インクジェットプリント、シルクスクリーンプリント等、従来公知の手法を用いることができる。なお、メッシュシート4にプリントされるデザインは、メッシュシート4の全面であっても良いし、一部であっても良い。
【0011】
本実施形態のTシャツ1は、カラー画像がプリントされたメッシュシート4がシャツ本体2の前面に縫い合わされることによって構成されている。具体的には、図1に示すように、メッシュシート4は、ポリエステル糸等の縫着用の糸3によって、長方形の縁部すなわち4つの辺部が、シャツ本体2の前面の胸部から腹部に亘る部分に縫着されている。詳細には、メッシュシート4は、縁部がシャツ本体2に固定され、他の部分はシャツ本体2に対して非固定である。したがって、メッシュシート4は、縫着用の糸3によってシャツ本体2に固定されている部分以外の部分は、シャツ本体2との間に空間が形成され、シャツ本体2に対して流動的となっている。具合的には、メッシュシート4は、Tシャツ1の状態によって、シャツ本体2に対して、部分的に接触したり非接触状態となったりする。また、非接触状態においては、シャツ本体2との間の空間が大きくなったり小さくなったりする。なお、縫着用の糸3の種類や材質は限定されない。また、縫着用の糸3によるメッシュシート4のシャツ本体2への縫着は、手縫いで行っても良いし、ミシン或いは刺繍機等の機械を用いて行っても良い。
【0012】
Tシャツ1において、メッシュシート4とシャツ本体2とが重なって積層状態となっている部分が、プリントが施された部分である。なお、本実施形態においてはメッシュシート4の縁部をシャツ本体2に縫着しているが、縁部に限定されず、メッシュシート4の任意の部分をシャツ本体2に縫着することができる。
【0013】
このように、本実施形態のTシャツ1は、熱溶着剤を用いずに、メッシュシート4の縁部をシャツ本体2に縫い合わせることによってシャツ本体2に一体化している。したがって本実施形態のTシャツ1は、シャツ本体2に熱転写シートによってカラー画像をプリントしたり、シャツ本体2にメッシュシート4を熱溶着したりする従来品に比べ、シャツ本体2の生地の柔軟性が損なわれることがない。したがってTシャツ1は、プリントが施された部分がごわごわすることがなく、シャツ本体2の生地本来の着心地を維持することができる。
【0014】
また、熱溶着剤を用いていないため、Tシャツ1は、プリントが施された部分がシャツ本体2の生地が有する通気性を損なうことなく、そのまま維持することができる。更に、メッシュシート4自体も多数のメッシュ穴5によって良好な通気性を有しているので、図3に矢印で示すように、Tシャツ1を着用した人物の体Bが発汗した場合、汗の蒸気がシャツ本体2からメッシュ穴5を介して外部に放出され、シャツ本体2の内側が蒸れることがなく、上述した柔軟性と相俟って優れた着心地を実現することができる。
【0015】
また、Tシャツ1のプリントが施された部分は、シャツ本体2とメッシュシート4とが積層状に重なっているので、メッシュシート4の多数のメッシュ穴5を介してシャツ本体2の生地が視認可能となっている。このとき、多数のメッシュ穴5を介して視認されるシャツ本体2の生地の色は、シャツ本体2の元の色とは異なる印象として視認される。また、メッシュシート4にプリントされたデザインは、シャツ本体2を背景として視認されるため、元のデザインとは異なる印象で視認される。更に、上述したように、メッシュシート4はシャツ本体2に対して流動的であるため、Tシャツ1の動きや見る角度によって、メッシュシート4のデザインおよびメッシュシート4を介したシャツ本体2の色彩等の見え方が、思いもよらない変化をする。このように、本実施形態によれば、デザインがプリントされたメッシュシート4を利用して複数のデザインをレイヤー化、すなわち階層可することで、新たなデザイン表現を可能としている。
【0016】
このように、本実施形態によれば、プリントが施された部分の通気性や柔軟性を確保できると共に、新たなデザイン表現を可能とする生地、および当該生地を用いた衣料を提供することができる。
また、本実施形態によれば、図1に示すように、シャツ本体2の多くの部分をプリントが施された部分としても、当該プリントが施された部分の通気性や柔軟性を確保することができる。言い換えると、プリントが施された部分を大きくしても、シャツ本体2の生地本来の通気性や柔軟性が損なわれることがない。
【0017】
また、本実施形態のTシャツ1は、メッシュシート4がポリエステルを素材とするものとすれば、軽量かつ速乾性に優れるとともに端処理も不要となり、生産性の向上に貢献することができる。
【0018】
なお、本実施形態のTシャツ1は、シャツ本体2を白の単色としているが、これに限定されず、任意の色或いは絵柄のものを用いることができる。また、シャツ本体2の素材は、綿に限定されず、他の素材を用いることができる。メッシュシート4についても素材は限定されず、ポリエステル等の化学繊維や綿等、様々な素材を用いることができる。また、メッシュシート4をシャツ本体2の他の部分、例えば後面や袖に縫着しても良い。或いは、複数のメッシュシート4をシャツ本体2の複数の箇所に縫着しても良い。
【0019】
次に本発明の第2の実施形態について説明する。
本実施形態に係る生地は、第1の実施形態と同様に、Tシャツに用いた場合を例として説明する。
図4は、第2の実施形態に係るシャツ本体の要部の正面図である。
図5は、第2の実施形態に係るTシャツの要部の正面図であり、シャツ本体にメッシュシートを重ね合わせている途中の状態を示している。
図6は、第2の実施形態に係るTシャツの要部の正面図であり、シャツ本体にメッシュシートが重ね合わされた状態を示している。
【0020】
本実施形態に係るTシャツ21は、第1の実施形態と同様に、任意のデザインがプリントされたメッシュシート24がシャツ本体22の前面に縫い合わされることによって構成されている。本実施形態においては、図4に示すように、シャツ本体22に任意のデザインがプリントされている。シャツ本体22へのデザインのプリントは、インクジェットプリント、シルクスクリーンプリント等、従来公知の手法を用いることができる。
【0021】
本実施形態においては、シャツ本体22のデザインと、メッシュシート24のデザインとが積層状に重なり、独特の視覚的効果を発揮している。具体的には、図4に示すように、シャツ本体22には4つの頭蓋骨のデザインが施されている。また、シャツ本体22に縫い合わされるメッシュシート24には、図6に示すように、4つの人物の顔のデザインが施されている。シャツ本体22にメッシュシート24を縫い付ける際、図5に示すように、シャツ本体22の4つの頭蓋骨のデザインとメッシュシート24の4つの人物の顔のデザインとがそれぞれ積層状に重なるように、シャツ本体22にメッシュシート24を重ねてゆく。そして図6に示すように、シャツ本体22の4つの頭蓋骨のデザインとメッシュシート24の4つの人物の顔のデザインとが全て重なった状態において、縫着用の糸3(図1参照)によって、メッシュシート24の縁部或いは任意の部分がシャツ本体22に縫着される。
【0022】
このような構成により、本実施形態のTシャツ21は、メッシュシート24の多数のメッシュ穴5(図2参照)を介してシャツ本体22のデザインが視認され、或いは、メッシュシート24のデザインがシャツ本体22のデザインを背景として視認されるため、シャツ本体22の頭蓋骨のデザインとメッシュシート24の人物の顔のデザインとが融合し、独特の視覚的効果を発揮している。更に、メッシュシート24はシャツ本体22に対して流動的に縫着されているので、これらのデザインの見え方が、思いもよらない変化をする。これにより、Tシャツ21は、シャツ本体22が無地の場合よりも、より特徴的な視覚的効果を発揮し、デザイン性に富んだ構成となっている。他の効果は第1の実施形態と同様である。
【0023】
次に本発明の第3の実施形態について説明する。
本実施形態に係る生地は、第1および第2の実施形態と同様に、Tシャツに用いた場合を例として説明する。
【0024】
図7は、第3の実施形態の第1実施例に係るTシャツの要部の正面図である。
本実施例に係るTシャツ31は、第1および第2の実施形態と同様に、任意のデザインがプリントされたメッシュシート34がシャツ本体32の前面に縫い合わされることによって構成されている。
【0025】
本実施例においては、メッシュシート34のシャツ本体32への縫い合わせ部自体にデザイン性を持たせている。具体的には、メッシュシート34には、人物の上半身と複数の文字と複数の雫形状とが組み合されたデザインがプリントされている。本実施例における縫着用の糸33によるメッシュシート34のシャツ本体32への縫着部は、メッシュシート34の縁部に沿った部分と、メッシュシート34にプリントされたデザインの一部の形態に沿った部分である。ここでメッシュシート34にプリントされたデザインの一部の形態に沿った部分は、本実施例においては、一部の雫の形状に沿った部分、および人物の肩のラインに沿った部分である。
【0026】
このように、メッシュシート34をシャツ本体32に縫い合わせる部分を、メッシュシート34にプリントされたデザインの形態に合わせることにより、縫着用の糸33によって模様が形成される。そして縫着用の糸33によって形成された模様をTシャツ31のデザインとしている。また、縫着用の糸33は任意の色とすることができる。これにより更に縫い合わせ部のデザイン性を向上させることができる。
このように本実施例は、メッシュシート34の縫着部に縫着用の糸33によってデザイン性を付加することにより、単なる縫製、すなわちメッシュシート34がシャツ本体32に単に縫い合わされているということに、新たな価値を付加し、これにより新たな効果を発揮している。更に、縫着用の糸33による縫着部のデザインは、従来の刺繍の要素を取り入れつつ従来の刺繍とは異なる効果を発揮している。すなわち、従来の刺繍は、シャツ本体32に刺繍用の糸によってデザインを表現するものであるが、本実施例は、メッシュシート34のデザインの形態に沿って縫着用の糸33によってデザインが形成されるので、従来の刺繍と同様に糸によってデザインを形成しつつ、当該デザインはメッシュシート34のデザインと融合し、独特の視覚的効果を発揮するものである。
他の効果は第1および第2の実施形態と同様である。
【0027】
図8は、第3の実施形態の第2実施例に係るTシャツの要部の正面図である。
本実施例に係るTシャツ41は、第1および第2の実施形態と同様に、任意のデザインがプリントされたメッシュシート44がシャツ本体42の前面に縫い合わされることによって構成されている。
【0028】
本実施例においては、メッシュシート44には、人物の顔と複数の文字とが組み合されたデザインがプリントされている。本実施例においては、メッシュシート44は、左側縁部および右側縁部が縫着用の糸43によってシャツ本体42に縫い合わされている。そして縫い合わせ部は、それぞれジグザグ模様を形成している。
【0029】
このように、本実施例においては、メッシュシート44をシャツ本体42に縫い合わせている縫着用の糸43によってジグザグ模様が形成され、これをTシャツ41のデザインとしている。これにより、上記第1実施例と同様に、縫い合わせ部のデザイン性を向上させることができる。他の効果は第1および第2の実施形態と同様である。
【0030】
図9は、第3の実施形態の第3実施例に係るTシャツの要部の正面図である。
本実施例に係るTシャツ51は、第1および第2の実施形態と同様に、任意のデザインがプリントされたメッシュシート54がシャツ本体52の前面に縫い合わされることによって構成されている。
【0031】
本実施例においては、メッシュシート54には、皿に盛られた料理と複数の文字列とが組み合されたデザインがプリントされている。本実施例においては、メッシュシート54は、上側縁部および下側縁部が縫着用の糸53によってシャツ本体52に縫い合わされている。そして縫い合わせ部はそれぞれ、文字列のデザインの形態に沿った曲線模様を形成している。
【0032】
このように、本実施例においては、メッシュシート54をシャツ本体52に縫い合わせている縫着用の糸53によって、文字列のデザインの形態に沿った曲線模様が形成され、これをTシャツ51のデザインとしている。これにより、上記第1および第2実施例と同様に、縫い合わせ部のデザイン性を向上させることができる。他の効果は第1および第2の実施形態と同様である。
【0033】
以上で具体的な実施形態および実施例の説明を終えるが、本発明の態様はこれに限られるものではなく、主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上記の各実施形態は本発明をTシャツに適用したものであるが、他種の衣料、例えば、競技ウエア等にも適用可能である。また、プリントとしてカラー画像以外のもの、例えばゼッケン等を採用しても良いし、メッシュシートの素材としてポリアミド樹脂等のポリエステル以外のものを採用しても良い。また、メッシュシートの形状を、円形等の矩形以外の形状としても良い。その他、衣料の具体的形状等についても、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
さらに、本発明の生地を用いて他の布製品、例えばトートバッグ等のバッグを構成することもできる。
このように、本発明の生地は、絵柄や識別用のプリントが施された衣類、バッグ等の布製品に効果的に利用することができる。
【符号の説明】
【0034】
1、21、31、41、51 Tシャツ
2、22、32、42、52 シャツ本体
3、33、43、53 縫着用の糸
4、24、34、44、54 メッシュシート
5 メッシュ穴
B 体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9