(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057999
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】管理装置、管理方法および管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/14 20060101AFI20240418BHJP
G08G 1/017 20060101ALI20240418BHJP
G07B 15/00 20110101ALI20240418BHJP
【FI】
G08G1/14 A
G08G1/017
G07B15/00 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022165070
(22)【出願日】2022-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】000166247
【氏名又は名称】古野電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前田 健吾
【テーマコード(参考)】
3E127
5H181
【Fターム(参考)】
3E127AA18
3E127CA23
3E127CA41
3E127FA20
5H181AA01
5H181AA05
5H181AA06
5H181AA07
5H181BB04
5H181CC04
5H181DD10
(57)【要約】
【課題】記憶部の記憶容量を抑えつつ、通過車両の判別を容易にする画像を保存することができる管理装置、管理方法および管理プログラムを提案すること。
【解決手段】管理装置は、取得部と、検出部と、関連付け部と、記憶部と、保存部とを備える。取得部は、所定位置を通過する車両に搭載された車載器から送信される識別情報を取得する。検出部は、撮像部により車両を撮像した車両画像に基づいて車両の車両番号を検出する。関連付け部は、期間の長さが予め定められた関連付け期間であって、車両番号の検出時刻を含む期間である関連付け期間において取得された識別情報を車両番号に関連付ける。記憶部は、所定期間に撮像された複数の車両画像を一時的に記憶する。保存部は、記憶部に記憶された複数の車両画像のうち、関連付け期間に基づいた指定時刻に撮像された車両画像を、確認用画像として保存する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定位置を通過する車両に搭載された車載器から送信される識別情報を取得する取得部と、
撮像部により前記車両を撮像した車両画像に基づいて前記車両の車両番号を検出する検出部と、
期間の長さが予め定められた関連付け期間であって、前記車両番号の検出時刻を含む期間である関連付け期間において取得された前記識別情報を前記車両番号に関連付ける関連付け部と、
所定期間に撮像された複数の前記車両画像を一時的に記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記複数の車両画像のうち、前記関連付け期間に基づいた指定時刻に撮像された前記車両画像を、確認用画像として保存する保存部と
を備える管理装置。
【請求項2】
前記保存部は、
前記記憶部に記憶された前記複数の車両画像のうち、前記関連付け期間に基づいた指定時刻に撮像された前記車両画像を、前記記憶部から退避させて前記確認用画像として保存する
請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記関連付け期間は、
前記車両番号の検出後の期間である検出後期間を含み、
前記保存部は、
前記識別情報を取得した取得時刻から前記検出後期間遡った前記指定時刻の前記車両画像を前記確認用画像として保存する
請求項1または請求項2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記保存部は、
前記識別情報を最初に取得した前記取得時刻から前記検出後期間遡った前記指定時刻の前記車両画像を前記確認用画像として保存する
請求項3に記載の管理装置。
【請求項5】
前記関連付け期間は、
前記車両番号の検出前の期間である検出前期間を含み、
前記保存部は、
前記識別情報を取得した取得時刻から前記検出前期間経過した前記指定時刻の前記車両画像を前記確認用画像として保存する
請求項1または請求項2に記載の管理装置。
【請求項6】
前記保存部は、
前記識別情報を最後に取得した前記取得時刻から前記検出前期間経過した前記指定時刻の前記車両画像を前記確認用画像として保存する
請求項5に記載の管理装置。
【請求項7】
前記保存部は、
前記指定時刻の前記車両画像と、前記識別情報を最初に取得した取得時刻に撮像された前記車両画像とを前記確認用画像として保存する
請求項1または請求項2に記載の管理装置。
【請求項8】
前記保存部は、
前記指定時刻の前記車両画像と、前記識別情報を最後に取得した取得時刻に撮像された前記車両画像とを前記確認用画像として保存する
請求項1または請求項2に記載の管理装置。
【請求項9】
前記所定位置を前記車両が通過した場合に通過履歴を生成する生成部をさらに備え、
前記保存部は、
前記確認用画像に前記通過履歴を紐づけて保存する
請求項1または請求項2に記載の管理装置。
【請求項10】
ユーザが扱う端末装置に前記確認用画像を表示する表示処理部をさらに備える
請求項1または請求項2に記載の管理装置。
【請求項11】
前記確認用画像に基づいて前記関連付け部の関連付けに関する評価を行う評価部をさらに備える
請求項1または請求項2に記載の管理装置。
【請求項12】
前記評価部は、
前記確認用画像に基づいて検出した前記車両番号と、前記関連付け部が関連付けた前記車両番号とが一致する場合に、前記関連付け部による関連付けが正しいと評価する
請求項11に記載の管理装置。
【請求項13】
前記評価部は、
前記確認用画像における前記車両の有無を検出し、検出結果に基づいて前記関連付け期間の設定値に関する評価を行う
請求項11に記載の管理装置。
【請求項14】
前記評価部による評価結果に基づいて、前記関連付け期間の設定値の改善案を提案する提案部をさらに備える
請求項11に記載の管理装置。
【請求項15】
前記検出部は、
前記指定時刻を含む所定期間においては、前記所定期間外の期間に比べて前記車両番号の検出処理の頻度を高める
請求項1または請求項2に記載の管理装置。
【請求項16】
前記取得部は、
前記所定位置における前記車両の通過を検知するセンサから前記所定位置を前記車両が通過したことを示す通過情報をさらに取得し、
前記保存部は、
前記通過情報の取得時刻を基準とする前記関連付け期間に基づいた指定時刻に撮像された前記車両画像を前記確認用画像として保存する
請求項1または請求項2に記載の管理装置。
【請求項17】
コンピュータによって実行される管理方法であって、
所定位置を通過する車両に搭載された車載器から送信される識別情報を取得し、
撮像部により前記車両を撮像した車両画像に基づいて前記車両の車両番号を検出し、
期間の長さが予め定められた関連付け期間であって、前記車両番号の検出時刻を含む期間である関連付け期間において取得された前記識別情報を前記車両番号に関連付け、
所定期間に撮像された複数の前記車両画像を一時的に記憶部に記憶し、
前記記憶部に記憶された前記複数の車両画像のうち、前記関連付け期間に基づいた指定時刻に撮像された前記車両画像を、確認用画像として保存する
管理方法。
【請求項18】
コンピュータに実行させる管理プログラムであって、
所定位置を通過する車両に搭載された車載器から送信される識別情報を取得し、
撮像部により前記車両を撮像した車両画像に基づいて前記車両の車両番号を検出し、
期間の長さが予め定められた関連付け期間であって、前記車両番号の検出時刻を含む期間である関連付け期間において取得された前記識別情報を前記車両番号に関連付け、
所定期間に撮像された複数の前記車両画像を一時的に記憶部に記憶し、
前記記憶部に記憶された前記複数の車両画像のうち、前記関連付け期間に基づいた指定時刻に撮像された前記車両画像を、確認用画像として保存する
管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、管理装置、管理方法および管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、駐車場等の出入口を通過する車両を検出することで、駐車場の入退を管理する管理装置がある。この種の技術には、例えば、ETC(Electronic Toll Collection System)における課金に失敗した場合に、撮像した車両の画像と、ETC車載器の情報とを紐付けて記憶する技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、記憶部の記憶容量を抑えつつ、通過車両の判別を容易にする画像を保存する点で更なる改善の余地があった。
【0005】
そこで、本開示では、記憶部の記憶容量を抑えつつ、通過車両の判別を容易にする画像を保存することができる管理装置、管理方法および管理プログラムを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本開示に係る管理装置は、取得部と、検出部と、関連付け部と、記憶部と、保存部とを備える。前記取得部は、所定位置を通過する車両に搭載された車載器から送信される識別情報を取得する。前記検出部は、撮像部により前記車両を撮像した車両画像に基づいて前記車両の車両番号を検出する。前記関連付け部は、期間の長さが予め定められた関連付け期間であって、前記車両番号の検出時刻を含む期間である関連付け期間において取得された前記識別情報を前記車両番号に関連付ける。前記記憶部は、所定期間に撮像された複数の前記車両画像を一時的に記憶する。前記保存部は、前記記憶部に記憶された前記複数の車両画像のうち、前記関連付け期間に基づいた指定時刻に撮像された前記車両画像を、確認用画像として保存する。
【0007】
これにより、管理装置は、記憶部の記憶容量を抑えつつ、通過車両の判別を容易にする画像を保存することができる。
【0008】
また、本開示に係る前記保存部は、前記記憶部に記憶された前記複数の車両画像のうち、前記関連付け期間に基づいた指定時刻に撮像された前記車両画像を、前記記憶部から退避させて前記確認用画像として保存する。
【0009】
これにより、管理装置は、記憶部の記憶容量を抑えつつ、通過車両の判別を容易にする画像を保存することができる。
【0010】
また、本開示に係る前記関連付け期間は、前記車両番号の検出後の期間である検出後期間を含む。前記保存部は、前記識別情報を取得した取得時刻から前記検出後期間遡った前記指定時刻の前記車両画像を前記確認用画像として保存する。
【0011】
これにより、管理装置は、通過車両が所定位置を通過する前の確認用画像を保存することができる。
【0012】
また、本開示に係る前記保存部は、前記識別情報を最初に取得した前記取得時刻から前記検出後期間遡った前記指定時刻の前記車両画像を前記確認用画像として保存する。
【0013】
これにより、管理装置は、通過車両が所定位置を通過する前の確認用画像を保存することができる。
【0014】
また、本開示に係る前記関連付け期間は、前記車両番号の検出前の期間である検出前期間を含む。前記保存部は、前記識別情報を取得した取得時刻から前記検出前期間経過した前記指定時刻の前記車両画像を前記確認用画像として保存する。
【0015】
これにより、管理装置は、通過車両が所定位置を通過した後の確認用画像を保存することができる。
【0016】
また、本開示に係る前記保存部は、前記識別情報を最後に取得した前記取得時刻から前記検出前期間経過した前記指定時刻の前記車両画像を前記確認用画像として保存する。
【0017】
これにより、管理装置は、通過車両が所定位置を通過した後の確認用画像を保存することができる。
【0018】
また、本開示に係る前記保存部は、前記指定時刻の前記車両画像と、前記識別情報を最初に取得した取得時刻に撮像された前記車両画像とを前記確認用画像として保存する。
【0019】
これにより、管理装置は、通過車両から識別情報を最初に取得した際の確認用画像を保存することができる。
【0020】
また、本開示に係る前記保存部は、前記指定時刻の前記車両画像と、前記識別情報を最後に取得した取得時刻に撮像された前記車両画像とを前記確認用画像として保存する。
【0021】
これにより、管理装置は、通過車両から識別情報を最後に取得した際の確認用画像を保存することができる。
【0022】
また、本開示に係る管理装置は、生成部をさらに備える。前記生成部は、前記所定位置を前記車両が通過した場合に通過履歴を生成する。前記保存部は、前記確認用画像に前記通過履歴を紐づけて保存する。
【0023】
これにより、管理装置は、確認用画像と通過履歴とを紐付けて保存することができる。
【0024】
また、本開示に係る管理装置は、表示処理部をさらに備える。前記表示処理部は、ユーザが扱う端末装置に前記確認用画像を表示する。
【0025】
これにより、管理装置は、管理者等のユーザに対して確認用画像を表示することで、ユーザが車両の画像を容易に確認することができる。
【0026】
また、本開示に係る管理装置は、評価部をさらに備える。前記評価部は、前記確認用画像に基づいて前記関連付け部の関連付けに関する評価を行う。
【0027】
これにより、管理装置は、識別情報と車両番号との関連付けの妥当性を評価することができる。
【0028】
また、本開示に係る前記評価部は、前記確認用画像に基づいて検出した前記車両番号と、前記関連付け部が関連付けた前記車両番号とが一致する場合に、前記関連付け部による関連付けが正しいと評価する。
【0029】
これにより、管理装置は、識別情報と車両番号との関連付けの妥当性を評価することができる。
【0030】
また、本開示に係る前記評価部は、前記確認用画像における前記車両の有無を検出し、検出結果に基づいて前記関連付け期間の設定値に関する評価を行う。
【0031】
これにより、管理装置は、関連付き期間の設定値に関する妥当性を評価することができる。
【0032】
また、本開示に係る管理装置は、提案部をさらに備える。前記提案部は、前記評価部による評価結果に基づいて、前記関連付け期間の設定値の改善案を提案する。
【0033】
これにより、管理装置は、管理者等のユーザが関連付け期間の設定値の改善を容易に行うことができる。
【0034】
また、本開示に係る前記検出部は、前記指定時刻を含む所定期間においては、前記所定期間外の期間に比べて前記車両番号の検出処理の頻度を高める。
【0035】
これにより、管理装置は、車両番号の検知精度を高めることができる。
【0036】
また、本開示に係る前記取得部は、前記所定位置における前記車両の通過を検知するセンサから前記所定位置を前記車両が通過したことを示す通過情報をさらに取得する。前記保存部は、前記通過情報の取得時刻を基準とする前記関連付け期間に基づいた指定時刻に撮像された前記車両画像を前記確認用画像として保存する。
【0037】
これにより、管理装置は、通過車両の判別を容易にする画像を精度良く保存することができる。
【0038】
また、本開示に係る管理方法は、コンピュータによって実行される管理方法であって、所定位置を通過する車両に搭載された車載器から送信される識別情報を取得し、撮像部により前記車両を撮像した車両画像に基づいて前記車両の車両番号を検出し、期間の長さが予め定められた関連付け期間であって、前記車両番号の検出時刻を含む期間である関連付け期間において取得された前記識別情報を前記車両番号に関連付け、所定期間に撮像された複数の前記車両画像を一時的に記憶部に記憶し、前記記憶部に記憶された前記複数の車両画像のうち、前記関連付け期間に基づいた指定時刻に撮像された前記車両画像を、確認用画像として保存する。
【0039】
これにより、管理方法は、記憶部の記憶容量を抑えつつ、通過車両の判別を容易にする画像を保存することができる。
【0040】
また、本開示に係る管理プログラムは、コンピュータに実行させる管理プログラムであって、所定位置を通過する車両に搭載された車載器から送信される識別情報を取得し、撮像部により前記車両を撮像した車両画像に基づいて前記車両の車両番号を検出し、期間の長さが予め定められた関連付け期間であって、前記車両番号の検出時刻を含む期間である関連付け期間において取得された前記識別情報を前記車両番号に関連付け、所定期間に撮像された複数の前記車両画像を一時的に記憶部に記憶し、前記記憶部に記憶された前記複数の車両画像のうち、前記関連付け期間に基づいた指定時刻に撮像された前記車両画像を、確認用画像として保存する。
【0041】
これにより、管理プログラムは、記憶部の記憶容量を抑えつつ、通過車両の判別を容易にする画像を保存することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1A】実施形態に係る管理方法の概要を示す図である。
【
図1B】実施形態に係る管理方法の概要を示す図である。
【
図2】実施形態に係る管理装置の構成例を示す機能ブロック図である。
【
図5】検出可能範囲が通信可能範囲の外部に位置する場合の関連付け期間を説明する図である。
【
図6】検出可能範囲が通信可能範囲の外部に位置する場合の関連付け期間を説明する図である。
【
図7】表示処理部により表示される画面例を示す図である。
【
図8】実施形態に係る管理装置が実行する全体処理の手順を示すフローチャートである。
【
図9】実施形態に係る管理装置が実行する確認用画像の保存処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下に、本開示の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の各実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0044】
まず、
図1Aおよび
図1Bを用いて、実施形態に係る管理方法の概要について説明する。
図1Aおよび
図1Bは、実施形態に係る管理方法の概要を示す図である。
図1Aでは、管理方法を実行する管理装置を含んだ入退管理システムの構成例を示している。
【0045】
図1Aに示すように、入退管理システムSは、車両が入場可能な領域Rに設けられる。車両は、例えば、自動車や、バス、トラック、二輪車等の各種車両である。領域Rは、領域R内を車両が移動可能な領域であり、例えば、駐車場や、会社の敷地等である。また、領域Rには、出入口110が設けられ、車両は、出入口110を通過することで、領域Rへの入場や、領域Rからの退場を行う。
【0046】
なお、
図1Aでは、出入口110は、領域Rに入場する車両と、領域Rから退場する車両とが共有して使用する道路である場合を例に挙げたが、入口と出口とが別々に設けられてもよい。また、出入口110には、車両が入退場する際に開閉する入退ゲートが設けられてもよい。
【0047】
実施形態に係る入退管理システムSは、出入口110を通過する車両から取得される情報に基づいて、車両の領域Rにおける入退場を管理する。特に、本開示では、出入口110を通過する車両を撮像した車両画像の中から、領域Rの管理者等が事後的に車両を確認するのに適した確認用画像を選択して保存する。
【0048】
ここで、入退管理システムSの構成について説明する。
図1Aに示すように、入退管理システムSは、管理装置1と、路側機10と、取得装置11と、撮像装置12と、サーバ装置200とを含む。
【0049】
取得装置11は、例えば、出入口110の上方に配置され、通信アンテナの通信可能範囲に位置する車両に搭載された車載器と通信を行い、車載器の識別情報を取得する。具体的には、取得装置11は、車両が通信可能範囲に位置する期間に、所定間隔で複数回に亘って識別情報を取得する。
【0050】
車載器は、例えば、ETC(Electronic Toll Collection System)機器であり、識別情報としてWCN(Wireless Call Number)を取得装置11へ送信する。取得装置11は、車載器から取得した識別情報を路側機10へ送信する。
【0051】
なお、
図1Aに示す例では、取得装置11は、出入口110の入口側に配置され、領域Rに入場する車両と通信を行う例を示しているが、出入口110の出口側に配置され、領域Rから退場する車両と通信を行ってもよい。
【0052】
撮像装置12は、出入口110の周辺を撮像範囲とするカメラである。例えば、撮像装置12は、路側機10に対して所定の高さ位置に配置される。所定の高さ位置は、例えば、車両のナンバープレート(車両番号の一例)の高さ位置に対応した高さ位置である。つまり、撮像装置12は、車両のナンバープレートを含む領域を撮像する。撮像装置12は、撮像した車両画像を路側機10へ送信する。
【0053】
なお、
図1Aに示す例では、撮像装置12は、出入口110の入口側に配置され、領域Rに入場する車両を撮像する例を示しているが、出入口110の出口側に配置され、領域Rから退場する車両を撮像してもよい。
【0054】
路側機10は、出入口110の側方に配置されるポール状の機器である。路側機10は、管理装置1と通信可能に接続され、取得装置11から取得した識別情報と、撮像装置12から取得した車両画像とを管理装置1へ送信する。
【0055】
サーバ装置200は、管理装置1と無線または有線により通信可能に接続されるサーバ装置である。サーバ装置200は、管理装置1から取得した車両情報を車両情報DB210に登録して記憶する。また、サーバ装置200は、管理装置1から取得した確認用画像を確認用画像DB220に登録して記憶する。なお、車両情報DB210および確認用画像DB220の詳細については、
図3および
図4で後述する。
【0056】
管理装置1は、入退管理システムSを管理する管理者が扱う端末装置である。例えば、管理装置1は、スマートフォン、デスクトップ型PC、ノート型PC、タブレット型PC等の任意のタイプの端末装置を用いることができる。
【0057】
管理装置1は、路側機10から識別情報および車両画像を取得する。具体的には、管理装置1は、撮像装置12が所定の間隔で連続して撮像した車両画像を取得し、記憶部3に車両画像情報31として一時的に記憶する。また、管理装置1は、取得した車両画像に基づいて、車両のナンバープレートの番号(車両番号の一例)を検出する。
【0058】
また、管理装置1は、取得した識別情報と、車両番号とを関連付ける関連付け処理と、記憶部3に記憶された車両画像のうち、一部の車両画像を記憶部3からサーバ装置200に退避させて確認用画像として保存する保存処理とを行う。
【0059】
ここで、
図1Bを用いて、関連付け処理および保存処理の詳細について説明する。
【0060】
図1Bでは、取得装置11の通信可能範囲11Rと、撮像装置12の撮像範囲12R2とを示している。また、
図1Bでは、撮像範囲12R2のうち、車両番号の検出可能範囲12R1を示している。つまり、管理装置1は、検出可能範囲12R1に存在する車両の車両画像であれば、車両番号の検出が可能となる。
【0061】
また、
図1Bにおいて、時刻t1は、取得装置11が識別情報を最初に取得した取得時刻である。また、時刻t2は、管理装置1が車両番号を検出した検出時刻であり、車両番号の検出に用いた車両画像の撮像時刻である。また、時刻t3は、取得装置11が識別情報を最後に取得した取得時刻である。つまり、取得装置11は、時刻t1から時刻t3の期間において所定の間隔で複数回に亘って識別情報を取得する。
【0062】
ここで、まず、管理装置1が行う関連付け処理について説明する。管理装置1は、時刻t2において検出した車両番号と、時刻t1から時刻t3の間で取得された識別情報との関連付けを行う。
【0063】
具体的には、管理装置1は、車両番号の検出時刻t2を含む期間である関連付け期間Dにおいて取得された識別情報を車両番号に関連付ける。つまり、管理装置1は、検出した車両番号に対応する車両と、同一である可能性が高い関連付け期間Dに取得した識別情報を関連付ける。
図1Bに示すように、関連付け期間Dは、車両番号の検出前の期間である検出前期間d1と、車両番号の検出後の期間である検出後期間d2とにより構成される。
【0064】
検出前期間d1および検出後期間d2は、通信可能範囲11Rと、検出可能範囲12R1との位置関係に基づいて、期間の長さが予め定められている。つまり、関連付け期間Dは、期間の長さが予め定められている。なお、検出前期間d1および検出後期間d2の詳細な設定方法については、
図5および
図6で後述する。
【0065】
次に、管理装置1が行う保存処理について説明する。なお、
図1Bにおいて、撮像装置12は、少なくとも時刻taから時刻tbの期間において車両画像を所定の間隔で複数回に亘って撮像していることとする。
【0066】
管理装置1は、記憶部3に記憶された複数の車両画像(例えば、時刻taから時刻tbの期間に撮像された車両画像)のうち、関連付け期間Dに基づいた指定時刻に撮像された車両画像を、記憶部3から退避させて確認用画像としてサーバ装置200に記憶する。
【0067】
具体的には、管理装置1は、識別情報を取得した取得時刻から検出前期間d1経過した指定時刻tbの車両画像を確認用画像として保存する。
図1Bでは、管理装置1は、識別情報を最後に取得した取得時刻t3から検出前期間d1経過した指定時刻tbの車両画像を確認用画像として保存する。また、管理装置1は、識別情報を最後に取得した取得時刻t3に撮像された車両画像を確認用画像として保存する。
【0068】
このように、識別情報を最後に取得した取得時刻t3の車両画像や、取得時刻t3から検出前期間d1経過した指定時刻tbの車両画像を確認用画像として保存することで、検出可能範囲12R1を通過後の車両、すなわち、車両の後端部を主に含んだ車両画像を確認用画像として保存することができる。なお、指定時刻tbの基準となる取得時刻は、取得時刻t3に限定されるものではなく、取得時刻t1から取得時刻t3の間の任意の取得時刻を採用可能であるが、車両の後端部を主に含んだ車両画像を確認用画像として保存したいため、時刻t2から時刻t3の間の取得時刻であることが好ましい。
【0069】
また、管理装置1は、識別情報を取得した取得時刻から検出後期間d2遡った指定時刻taの車両画像を確認用画像として保存する。
図1Bでは、管理装置1は、識別情報を最初に取得した取得時刻t1から検出後期間d2遡った指定時刻taの車両画像を確認用画像として保存する。また、管理装置1は、識別情報を最初に取得した取得時刻t1に撮像された車両画像を確認用画像として保存する。
【0070】
このように、識別情報を最初に取得した取得時刻t1の車両画像や、取得時刻t1から検出後期間d2遡った指定時刻taの車両画像を確認用画像として保存することで、検出可能範囲12R1に到達する前の車両、すなわち、車両の前端部を主に含んだ車両画像を確認用画像として保存することができる。なお、指定時刻taの基準となる取得時刻は、取得時刻t1に限定されるものではなく、取得時刻t1から取得時刻t3の間の任意の取得時刻を採用可能であるが、車両の前端部を主に含んだ車両画像を確認用画像として保存したいため、時刻t1から時刻t2の間の取得時刻であることが好ましい。
【0071】
上述したように、管理装置1は、関連付け期間に基づいた指定時刻に撮像された車両画像を確認用画像として保存することで、通過車両の判別を容易にする画像を保存することができる。すなわち、仮に、管理装置1が車両番号の検出に失敗して識別情報との関連付けが行えなかった場合であっても、管理者が事後的に確認用画像により通過車両を判別することができる。また、管理装置1は、確認用画像の保存後に記憶部3に記憶された車両画像を削除して記憶部3を解放することで、記憶部3の記憶容量が圧迫されることを抑えることができる。このように、実施形態に係る管理装置1によれば、記憶部3の記憶容量を抑えつつ、通過車両の判別を容易にする画像(確認用画像)を保存することができる。
【0072】
次に、
図2を用いて、実施形態に係る管理装置1の構成例について説明する。
図2は、実施形態に係る管理装置1の構成例を示す機能ブロック図である。なお、
図2のブロック図では、本実施形態の特徴を説明するために必要な構成要素のみを機能ブロックで表しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
【0073】
換言すれば、
図2のブロック図に図示される各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。例えば、各機能ブロックの分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することが可能である。
【0074】
図2に示すように、管理装置1は、制御部2と、記憶部3と、表示部4とを備える。制御部2は、取得部21と、検出部22と、関連付け部23と、生成部24と、保存部25と、表示処理部26と、評価部27と、提案部28とを有する。
【0075】
表示部4は、例えば、液晶ディスプレイ等の表示装置である。
図2では、表示部4は、管理装置1に設けられる例を示しているが、管理装置1と無線または有線により外部接続されてもよい。
【0076】
ここで、管理装置1は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。
【0077】
コンピュータのCPUは、例えば、ROMに記憶された受信プログラムを読み出して実行することによって、制御部2の取得部21、検出部22、関連付け部23、生成部24、保存部25、表示処理部26、評価部27および提案部28として機能する。
【0078】
また、制御部2の取得部21、検出部22、関連付け部23、生成部24、保存部25、表示処理部26、評価部27および提案部28の少なくともいずれか一部または全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成することもできる。
【0079】
また、記憶部3は、例えば、半導体素子メモリや、ハードディスクドライブといった記憶デバイスで構成される記憶部である。かかる記憶部3には、車両画像情報31や、各種プログラム(管理プログラム等)や、制御部2の処理に必要な各種情報が記憶される。
【0080】
次に、
図3および
図4を用いて、サーバ装置200に記憶される車両情報DB210および確認用画像DB220について説明する。
図3は、車両情報DB210の一例を示す図である。
図4は、確認用画像DB220の一例を示す図である。なお、本開示では、車両情報DB210および確認用画像DB220は、サーバ装置200に記憶される例を示したが、管理装置1に記憶されてもよい。また、車両情報DB210および確認用画像DB220は、管理装置1およびサーバ装置200に分けて記憶されてもよい。
【0081】
図3に示すように、車両情報DB210は、「車両ID」と、「登録車番」と、「識別情報」とを含む。「車両ID」は、車両を識別する識別情報である。「登録車番」は、事前に登録された車両の車両番号である。「識別情報」は、車載器の識別情報である。
【0082】
例えば、車両ID「C1」で識別される車両は、登録車番「福岡,500,は,12-34」と、識別情報「AAA」とが関連付けられたことを示している。
【0083】
次に、
図4に示すように、確認用画像DB220は、「通過車両ID」と、「時刻」と、「入退場」と、「確認用画像」とを含む。「通過車両ID」は、領域Rに入場または退場した車両を識別する識別情報である。「時刻」は、領域Rに入場または退場した時刻である。「入退場」は、車両が領域Rに入場したか、領域Rから退場したかを示す情報である。「確認用画像」は、確認用画像の情報であり、管理装置1の保存部25によって記憶される。
【0084】
次に、
図2に戻って、制御部2の各機能(取得部21、検出部22、関連付け部23、生成部24、保存部25、表示処理部26、評価部27および提案部28)について詳細に説明する。
【0085】
取得部21は、各種情報を取得する。例えば、取得部21は、取得装置11が取得した識別情報を路側機10から取得する。具体的には、取得部21は、取得装置11が通信可能範囲において複数回に亘って取得した識別情報を取得時刻が紐付けられた状態で取得する。取得時刻と識別情報との紐付けは、路側機10で行われてよく、取得装置11で行われてもよい。
【0086】
また、取得部21は、撮像装置12が撮像した車両画像を路側機10から取得する。具体的には、取得部21は、取得装置11が識別情報を取得している期間(
図1Bにおける時刻t1から時刻t3の期間)に基づく所定期間に亘って複数回撮像された車両画像を撮像時刻が紐付けられた状態で取得する。なお、上記の所定期間は、例えば、識別情報を最初に取得した取得時刻から所定時間(例えば、検出後期間)遡った時刻から、識別情報を最後に取得した取得時刻から所定時間(例えば、検出前期間)経過した時刻までの期間である。
【0087】
取得部21は、取得した所定期間の車両画像を車両画像情報31として記憶部3に一時的に記憶する。なお、記憶部3に一時的に記憶された車両画像は、後述する保存部25によって保存処理が完了した後に削除される。
【0088】
検出部22は、取得部21が取得した車両画像に基づいて、車両の車両番号を検出する。具体的には、検出部22は、画像解析により、ナンバープレートに示されたナンバー情報を車両番号として検出する。ナンバー情報は、地名、分類番号、ひらがな、および、一連指定番号等の項目を含む情報である。なお、検出部22は、ナンバー情報のうち、一部の項目(例えば、一連指定番号)のみを車両番号として検出してもよい。
【0089】
なお、検出部22は、後述する確認用画像として保存される指定時刻を含む所定期間においては、かかる所定期間外の期間に比べて車両番号の検出処理の頻度を高めてもよい。具体的には、検出部22は、識別情報を最初に取得した取得時刻から検出後期間遡った指定時刻を起点とし、識別情報を最後に取得した取得時刻から検出前期間経過した指定時刻を終点とする所定期間では、車両画像に車両が映っている可能性が高いため、車両番号の検出頻度を高める。例えば、
図1Bを参照した場合、所定期間は、指定時刻taから指定時刻tbまでの期間である。これにより、車両番号の検出精度を高めることができる。
【0090】
関連付け部23は、取得部21が取得した識別情報と、検出部22が検出した車両番号とを関連付ける。具体的には、関連付け部23は、車両番号の検出時刻を含む期間である関連付け期間において取得された識別情報を車両番号に関連付ける。
【0091】
関連付け部23は、関連付けた識別情報および車両番号(登録車番)を示す車両情報を、サーバ装置200の車両情報DB210に登録する。
【0092】
なお、関連付け部23は、検出部22が車両番号の検出に失敗した場合には、関連付け処理を行わずに、識別情報のみを車両情報DB210に登録する。
【0093】
生成部24は、領域Rの出入口110を車両が通過した場合に通過履歴を生成する。具体的には、生成部24は、識別情報を最後に取得した取得時刻から所定時間経過した後に、車両が出入口110を通過したと判定して、通過履歴を生成する。通過履歴は、例えば、通過時刻や、通過種別(入場もしくは退場)を含む。生成部24は、生成した通過履歴を保存部25へ出力する。
【0094】
保存部25は、記憶部3に一時的に記憶された複数の車両画像のうち、所定の条件を満たす車両画像を、記憶部3から退避させて確認用画像としてサーバ装置200に保存する。
【0095】
例えば、保存部25は、検出部22によって車両番号が検出された際に用いられた車両画像を確認用画像として保存する。また、保存部25は、識別情報を最初に取得した取得時刻に撮像された車両画像を確認用画像として保存する。また、保存部25は、識別情報を最後に取得した取得時刻に撮像された車両画像を確認用画像として保存する。
【0096】
保存部25は、関連付け期間に基づいた指摘時刻に撮像された車両画像を確認用画像として保存する。そして、保存部25は、車両番号が検出された際に用いられた車両画像、識別情報を最初に取得した取得時刻に撮像された車両画像、識別情報を最後に取得した取得時刻に撮像された車両画像、および、関連付け期間に基づいた指摘時刻に撮像された車両画像を含む確認用画像に、生成部24が生成した通過履歴を紐付けて確認用画像DB220に登録する。
【0097】
ここで、関連付け期間は、取得装置11の通信可能範囲と、撮像装置12における車両番号の検出可能範囲との位置関係に基づいて、期間の長さが予め定められる。例えば、
図1Bで示したように、検出可能範囲12R1が通信可能範囲11Rの内部に位置する場合、関連付け期間は、車両番号の検出前の期間である検出前期間と、車両番号の検出後の期間である検出後期間とを含んで構成される。
【0098】
例えば、通信可能範囲11Rの内部において、検出可能範囲12R1が下流寄りに位置する場合、検出前期間が検出後期間よりも長い関連付け期間を設定する。これは、下流寄りにより位置する検出可能範囲12R1で車両番号を検出した場合、検出後期間において車両が通信可能範囲11Rから出てしまうことで、有効な(同一車両の可能性高い)識別情報を取得できず、車両番号と識別情報とを関連付けできなるためである。つまり、検出前期間が検出後期間よりも長い関連付け期間を設定することで、車両番号と識別情報との関連付けの精度を高めることができる。
【0099】
また、通信可能範囲11Rの内部において、検出可能範囲12R1が上流寄りに位置する場合、検出後期間が検出前期間よりも長い関連付け期間を設定する。これは、上流寄りにより位置する検出可能範囲12R1で車両番号を検出した場合、検出前期間では車両が通信可能範囲11Rに到達していない可能性があり、有効な(同一車両の可能性高い)識別情報を取得できず、車両番号と識別情報とを関連付けできなくなるためである。つまり、検出後期間が検出前期間よりも長い関連付け期間を設定することで、車両番号と識別情報との関連付けの精度を高めることができる。
【0100】
次に、検出可能範囲12R1が通信可能範囲11Rの外部に位置する場合の関連付け期間について、
図5および
図6を用いて説明する。
図5および
図6は、検出可能範囲12R1が通信可能範囲11Rの外部に位置する場合の関連付け期間を説明する図である。
図5では、通信可能範囲11Rの外部において、検出可能範囲12R1が上流に位置する場合を示し、
図6では、通信可能範囲11Rの外部において、検出可能範囲12R1が下流に位置する場合を示す。
【0101】
図5および
図6に示すように、検出可能範囲12R1が通信可能範囲11Rの外部に位置する場合、関連付け期間は、検出前期間d1もしくは検出後期間d2のいずれかのみを含む。
【0102】
具体的には、
図5に示すように、通信可能範囲11Rの外部において、検出可能範囲12R1が上流に位置する場合、検出後期間d2のみを含む関連付け期間Dを設定する。これは、取得装置11によって識別情報が最初に取得される取得時刻t2が車両番号の検出時刻t1よりも後の時刻になるためである。この場合の、検出後期間d2の長さは、検出可能範囲12R1と通信可能範囲11Rとの間の距離により決定され、例えば、かかる距離が長い程、期間の長さを長くする。
【0103】
そして、保存部25は、かかる場合、識別情報が最初に取得される取得時刻t2から検出後期間d2遡った時刻taの車両画像を確認用画像として保存する。これにより、検出可能範囲12R1の周辺に車両が位置する場合の確認用画像を保存することができる。
【0104】
次に、
図6に示すように、通信可能範囲11Rの外部において、検出可能範囲12R1が下流に位置する場合、検出前期間d1のみを含む関連付け期間Dを設定する。これは、取得装置11によって識別情報が最後に取得される取得時刻t2が車両番号の検出時刻t3よりも前の時刻になるためである。この場合の、検出前期間d1の長さは、検出可能範囲12R1と通信可能範囲11Rとの間の距離により決定され、例えば、かかる距離が長い程、期間の長さを長くする。
【0105】
そして、保存部25は、かかる場合、識別情報が最後に取得される取得時刻t2から検出前期間d1経過した時刻tbの車両画像を確認用画像として保存する。これにより、検出可能範囲12R1の周辺に車両が位置する場合の確認用画像を保存することができる。
【0106】
このように、検出可能範囲12R1が通信可能範囲11Rの外部に位置する場合、検出前期間d1もしくは検出後期間d2のいずれかのみに基づく指定時刻ta,tbの車両画像を確認用画像として保存することで、サーバ装置200の記憶容量を節約することができる。
【0107】
なお、
図5および
図6では、検出可能範囲12R1の全体が通信可能範囲11Rの外部に位置する場合を示したが、検出可能範囲12R1の少なくとも一部の範囲が通信可能範囲11Rの外部に位置する場合であっても、
図5および
図6と同様の処理を行ってもよい。
【0108】
そして、保存部25は、確認用画像の保存が完了した場合、記憶部3に記憶された車両画像を削除することで、記憶部3を解放する。
【0109】
表示処理部26は、ユーザが扱う端末装置に確認用画像を表示する処理を行う。例えば、表示処理部26は、管理者が扱う端末装置である管理装置1の表示部4に確認用画像を表示する。確認用画像の表示は、例えば、ユーザから表示要求を受け付けた場合に行われる。表示要求は、例えば、通過時刻(通過時間帯)の指定や、通過種別(入場または退場)の指定を含む。
【0110】
ここで、
図7を用いて、表示処理部26が表示する画面例について説明する。
図7は、表示処理部26により表示される画面例を示す図である。なお、
図7において、「車番検出時」とは、車両番号の検出時刻であり、「取得開始時刻」とは、識別情報を最初に取得した取得時刻であり、「取得終了時刻」とは、識別情報を最後に取得した取得時刻である。
【0111】
図7に示すように、表示処理部26は、通過履歴と、かかる通過履歴に紐づいた複数の確認用画像とを画面に表示する。
図7に示す例では、車番検出時の車両画像と、取得開始時刻から検出後時間遡った指定時刻(取得開始時刻-検出後時間)の車両画像と、取得開始時刻の車両画像と、取得終了時刻の車両画像と、取得終了時刻から検出前時間経過した指定時刻(取得終了時刻+検出前時間)の車両画像とを1つの画面に並べて表示した例を示している。
【0112】
評価部27は、保存部25によって保存された確認用画像に基づいて、関連付け部23が関連付けに関する評価を行う。例えば、評価部27は、関連付け部23による識別情報および車両番号の関連付けが正しいか否かを評価する。
【0113】
具体的には、まず、評価部27は、確認用画像を画像解析して確認用画像に映る車両の車両番号を検出する。そして、評価部27は、確認用画像に基づいて検出した車両番号と、関連付け部23が関連付けた車両番号とが一致するか否かを判定する。
【0114】
評価部27は、確認用画像に基づいて検出した車両番号と、関連付け部23が関連付けた車両番号とが一致する場合、関連付け部23による関連付けが正しいと評価する。また、評価部27は、確認用画像に基づいて検出した車両番号と、関連付け部23が関連付けた車両番号とが一致しない場合、関連付け部23による関連付けが間違いであると評価する。
【0115】
また、評価部27は、確認用画像における車両の有無を検出し、検出結果に基づいて関連付け期間の設定値(期間の長さ)に関する評価を行う。例えば、評価部27は、確認用画像に車両が映っていない場合や、確認用画像に映る車両の領域サイズが極端に小さい(所定の閾値未満)場合には、関連付け期間の設定値が適切ではないと評価する。
【0116】
具体的には、評価部27は、識別情報の取得開始時刻から検出後時間を遡った指定時刻の確認用画像に車両が映っていない場合や、確認用画像に映る車両の前端部の領域サイズが極端に小さい(所定の閾値未満)場合には、関連付け期間に含まれる検出後期間の長さが適切ではないと評価する。
【0117】
また、評価部27は、識別情報の取得終了時刻から検出前期間経過した指定時刻の確認用画像に車両が映っていない場合や、確認用画像に映る車両の後端部の領域サイズが極端に小さい(所定の閾値未満)場合には、関連付け期間に含まれる検出前期間の長さが適切ではないと評価する。
【0118】
そして、評価部27は、上記した各種評価結果を提案部28へ通知する。
【0119】
提案部28は、評価部27による評価結果に基づいて、関連付け処理に関する改善案を提案する。例えば、提案部28は、関付け処理における関連付け期間の設定値の改善案を提案する。例えば、提案部28は、関連付け部23による関連付けが間違いであると評価された場合、すなわち、検出部22が検出した車両番号に対して間違った識別情報が関連付けられた場合、識別情報を関連付けるための関連付け期間が間違いであることを通知するとともに、かかる関連付け期間を変更することを改善案として提案する。
【0120】
また、提案部28は、関連付け期間を変更することを改善案として提案する際、関連付け期間の適切な設定値を算出し、算出した設定値を改善案として提案してもよい。例えば、提案部28は、関連付け処理の対象車両の前に出入口110を通過した車両から取得した識別情報を特定し、特定した識別情報が対象車両において関連付けられた識別情報と一致する場合に、関連付け期間に含まれる検出後期間を短くすることを提案する。これは、検出後期間が長すぎることが原因で、一台前に通過した車両から取得した識別情報が対象車両の車両番号と誤って関連付けられてしまっているためである。
【0121】
また、提案部28は、関連付け処理の対象車両の後に出入口110を通過した車両から取得した識別情報を特定し、特定した識別情報が対象車両において関連付けられた識別情報と一致する場合に、関連付け期間に含まれる検出前期間を短くすることを提案する。これは、検出前期間が長すぎることが原因で、一台後に通過した車両から取得した識別情報が対象車両の車両番号と誤って関連付けられてしまっているためである。
【0122】
また、提案部28は、関連付け部23による関連付けが間違いであると評価された場合、確認用画像に基づいて検出した車両番号と、関連付け部23が関連付けた車両番号とを管理者へ通知し、車両情報DB210に登録された登録車番を変更する改善案を提案してもよい。かかる場合、提案部28は、管理者が登録車番が間違いであることを確認するための参考として、車両番号を検出した確認用画像と、関連付け部23が関連付けた車両番号を検出した車両画像とを表示してもよい。
【0123】
あるいは、提案部28は、関連付け部23による関連付けが間違いであると評価した場合、車両情報DB210に登録された登録車番を、確認用画像に基づいて検出した車両番号に自動で変更する処理を行ってもよい。
【0124】
次に、
図8および
図9を用いて、実施形態に係る管理装置1が実行する処理の手順について説明する。
図8は、実施形態に係る管理装置1が実行する全体処理の手順を示すフローチャートである。
図9は、実施形態に係る管理装置1が実行する確認用画像の保存処理の手順を示すフローチャートである。
【0125】
まず、
図8を用いて、全体処理の手順について説明する。
図8に示すように、まず、管理装置1は、取得装置11が取得した識別情報を路側機10から取得する(ステップS101)。
【0126】
つづいて、制御部2は、撮像装置12が撮像した車両画像を路側機10から取得する(ステップS102)。
【0127】
つづいて、制御部2は、取得した所定期間の車両画像を車両画像情報31として記憶部3に一時的に記憶する(ステップS103)。
【0128】
つづいて、制御部2は、取得した車両画像に基づいて車両の車両番号の検出に成功したか否かを判定する(ステップS104)。
【0129】
制御部2は、車両番号の検出に成功した場合(ステップS104:Yes)、車両番号の検出時刻を含む期間である関連付け期間において取得された識別情報を車両番号に関連付ける関連付け処理を行う(ステップS105)。
【0130】
つづいて、制御部2は、記憶部3に記憶された複数の車両画像のうち、関連付け期間に基づいた指定時刻に撮像された車両画像を、記憶部3から退避させて確認用画像としてサーバ装置200に保存する保存処理を行い(ステップS106)、処理を終了する。
【0131】
まず、
図9を用いて、確認用画像の保存処理の手順について説明する。
図9に示すように、まず、制御部2は、識別情報の取得開始時刻の車両画像を記憶部3から退避させて確認用画像として保存する(ステップS201)。
【0132】
つづいて、制御部2は、識別情報の取得開始時刻から検出後期間遡った指定時刻の車両画像を記憶部3から退避させて確認用画像として保存する(ステップS202)。
【0133】
つづいて、制御部2は、識別情報の取得終了時刻の車両画像を記憶部3から退避させて確認用画像として保存する(ステップS203)。
【0134】
つづいて、制御部2は、識別情報の取得終了時刻から検出前期間経過した指定時刻の車両画像を記憶部3から退避させて確認用画像として保存する(ステップS204)。
【0135】
つづいて、制御部2は、記憶部3に記憶された車両画像情報31を削除することで、記憶部3を解放し(ステップS205)、処理を終了する。
【0136】
以上説明したように、本開示の一実施形態によれば、管理装置1は、取得部21と、検出部22と、関連付け部23と、記憶部3と、保存部25とを備える。取得部21は、所定位置を通過する車両に搭載された車載器から送信される識別情報を取得する。検出部22は、撮像部(撮像装置12)により車両を撮像した車両画像に基づいて車両の車両番号を検出する。関連付け部23は、期間の長さが予め定められた関連付け期間であって、車両番号の検出時刻を含む期間である関連付け期間において取得された識別情報を車両番号に関連付ける。記憶部3は、所定期間に撮像された複数の車両画像を一時的に記憶する。保存部25は、記憶部3に記憶された複数の車両画像のうち、関連付け期間に基づいた指定時刻に撮像された車両画像を、確認用画像として保存する。これにより、管理装置1は、通過車両の判別を容易にする画像を保存することができる。
【0137】
なお、上述した実施形態では、識別情報の取得時刻を基準にした指定時刻の車両画像を確認用画像として保存する例を示したが、指定時刻の基準は識別情報の取得時刻ではなくてもよい。例えば、出入口110における車両の通過を検知するセンサの検知時刻を基準としてもよい。
【0138】
例えば、管理装置1は、レーザやレーダ、赤外線等といった通過を検知するセンサから出入口110を通過したことを示す通過情報を取得する。そして、管理装置1は、通過情報の取得時刻(センサにより車両の検知時刻)を基準とする関連付け期間に基づいた指定時刻に撮像された車両画像を確認用画像として保存する。より具体的には、管理装置1は、かかる検知時刻から検出後期間遡った指定時刻や、検知時刻から検出前期間経過した指定時刻の車両画像を確認用画像として保存する。これにより、通過車両の判別を容易にする画像を精度良く保存することができる。
【0139】
なお、上述した実施形態では、保存部25は、記憶部3に記憶された複数の車両画像のうち、関連付け期間に基づいた指定時刻に撮像された車両画像を、記憶部3から退避させて確認用画像として保存する例を示したが、記憶部3から退避させることなく確認用画像として保存するようにしてもよい。例えば、記憶部3からデータコピーをして確認用画像として保存したり、あるいは記憶部3において消去不能な態様で確認用画像として保存したり、あるいはその他公知のやり方で確認用画像として保存することもできる。
【0140】
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0141】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【0142】
また、本発明は上記実施形態に係る限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。例えば、処理内容を矛盾させない領域で上述の実施形態を適宜組み合わせて得られる形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上述の実施形態のフローチャート及びシーケンス図に示された各ステップは、適宜順序を変更することが可能である。
【符号の説明】
【0143】
1 管理装置
2 制御部
3 記憶部
4 表示部
10 路側機
11 取得装置
11R 通信可能範囲
12 撮像装置
12R1 検出可能範囲
12R2 撮像範囲
21 取得部
22 検出部
23 関連付け部
24 生成部
25 保存部
26 表示処理部
27 評価部
28 提案部
31 車両画像情報
110 出入口
200 サーバ装置
210 車両情報DB
220 確認用画像DB
S 入退管理システム