(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058001
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】ブラケット
(51)【国際特許分類】
B60R 11/02 20060101AFI20240418BHJP
【FI】
B60R11/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022165074
(22)【出願日】2022-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100147
【弁理士】
【氏名又は名称】山野 宏
(72)【発明者】
【氏名】山澤 達也
(72)【発明者】
【氏名】安原 朝陽
(72)【発明者】
【氏名】折橋 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】浅山 寛
(72)【発明者】
【氏名】加門 達也
【テーマコード(参考)】
3D020
【Fターム(参考)】
3D020BA20
3D020BC02
3D020BD01
3D020BD02
(57)【要約】
【課題】ベース部材の車両のガラスからの脱落を防止できるブラケットを提供する。
【解決手段】車両のガラスに車載機器を取り付けるベース部材からはみ出して前記ガラスに向き合う第一部と、前記ベース部材に重なるように配置されて前記第一部につながっている第二部と、を備え、前記第一部は、前記ガラスに接着される接着部を有し、前記第二部は、前記ベース部材に係合される係合部を有する、ブラケット。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のガラスに車載機器を取り付けるベース部材からはみ出して前記ガラスに向き合う第一部と、
前記ベース部材に重なるように配置されて前記第一部につながっている第二部と、を備え、
前記第一部は、前記ガラスに接着される接着部を有し、
前記第二部は、前記ベース部材に係合される係合部を有する、
ブラケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラケットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には車載機器の取付装置が開示されている。車載機器の取付装置は、ベース部材と車載機器と保持ブラケットとカバーとを備える。ベース部材は、フロントガラスとも呼ばれるウインドシールドの内面の上部の中央に接着剤および両面テープによって接着されている。車載機器は、前方の先行車両などの障害物との距離などを測定するカメラである。保持ブラケットは、カメラを保持する。カメラは保持ブラケットに着脱自在に取り付けられている。保持ブラケットは、ベース部材に着脱自在に取り付けられている。保持ブラケットがベース部材へ取り付けられていることによって、保持ブラケットに保持されたカメラもベース部材に取り付けられている。カバーは、ベース部材とカメラと保持ブラケットとのアセンブリを車内から覆っている。カバーは、ベース部材に着脱自在に取り付けられている。特許文献2には、特許文献1と同様の技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-187988号公報
【特許文献2】特開2016-203772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
何かの拍子に乗員によってカバーが押された際、或いは、カメラの補修のためにカバーがベース部材から取り外されたり保持ブラケットとカメラとのサブアセンブリがベース部材から取り外されたりした際などに、ベース部材には予期せぬ大きな荷重が作用するおそれがある。ベース部材に予期せぬ大きな荷重が作用すると、ベース部材をウインドシールドに接着している接着剤または両面テープが剥がれるおそれも想定される。仮に接着剤および両面テープが剥がれれば、ベース部材がウインドシールドから脱落する。
【0005】
本発明の目的の一つは、ベース部材の車両のガラスからの脱落を防止できるブラケットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るブラケットは、
車両のガラスに車載機器を取り付けるベース部材からはみ出して前記ガラスに向き合う第一部と、
前記ベース部材に重なるように配置されて前記第一部につながっている第二部と、を備え、
前記第一部は、前記ガラスに接着される接着部を有し、
前記第二部は、前記ベース部材に係合される係合部を有する。
【発明の効果】
【0007】
上記ブラケットは、例えば車両の製造時に車載機器の取付構造に組み込まれたり、既存車両の車載機器の取付構造に別途付加されたりすれば、ベース部材のガラスからの脱落を防止する効果を高められる。そのため、上記ブラケットは、上述したようにベース部材に予期せぬ大きな荷重が作用しても、ベース部材の脱落を防止できる車載機器の取付構造を構築できる。また、例えば既存車両の車載機器の取付構造に上記ブラケットが備わっておらず、上述したようにベース部材に予期せぬ大きな荷重が作用してベース部材がガラスから脱落したとしても、ベース部材のガラスへの再接着時に上記ブラケットを追加すれば、上記ブラケットによってベース部材の再脱落を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態のブラケットが設けられる車載機器を覆うカバーを示す概略正面図である。
【
図2】
図2は、実施形態のブラケットが設けられる車載機器を示す概略正面図である。
【
図3】
図3は、実施形態のブラケットがベース部材に装着された状態を示す概略斜視図である。
【
図4】
図4は、実施形態のブラケットが装着されるベース部材を示す概略斜視図である。
【
図5】
図5は、実施形態のブラケットが装着されるベース部材を示す概略側面図である。
【
図6】
図6は、実施形態のブラケットに備わる第一ブラケット片を示す概略斜視図である。
【
図7】
図7は、実施形態のブラケットに備わる第二ブラケット片を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明のブラケットの実施形態を
図1から
図7を参照しつつ以下に説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。図中の「UP」は車両の上方、「LWR」は下方、「LH」は左方、「RH」は右方を示す。以下の説明の「上」、「下」、「左」、および「右」のそれぞれは、車両の「上方」、「下方」、「左方」、および「右方」のそれぞれに対応している。
【0010】
実施形態のブラケット1は、詳しくは後述するものの、ベース部材5が車両のガラス110から脱落することを防止する。ブラケット1とベース部材5とは、車載機器の取付構造を構成する。車載機器の取付構造は、ブラケット1とベース部材5とに加えて、例えば後述する車載機器6、保持部材7、およびカバー8を備える。車載機器の取付構造は、更に、後述する補強ブラケット9を備えていてもよい。以下の説明は、ベース部材5、車載機器6、保持部材7、カバー8、実施形態のブラケット1、補強ブラケット9の順に行う。
【0011】
〔ベース部材〕
図2に示されるように、ベース部材5は車両のガラス110に車載機器6を取り付ける。
図2に示される例では、車両のガラス110はウインドシールド111である。ウインドシールド111の内面には、例えば黒色のセラミックがコーティングされたセラミックライン120が設けられている。セラミックライン120は、ウインドシールド111の中央の上部に設けられる取付領域121を有する。取付領域121は下底が上底よりも短い台形状に構成されている。ベース部材5は、取付領域121に固定されている。
図2に示される例では、ベース部材5は、本体部51と二つの側壁部52とを有する。ベース部材5は、本体部51と二つの側壁部52とが一体の樹脂成形体である。
【0012】
本体部51は、接着剤または両面テープによって取付領域121に接着されている。本体部51は、ウインドシールド111の内面に沿った板状に構成されている。図示が省略されているものの、本体部51には後述するカメラ60の図示が省略されたレンズを露出させる開口部が設けられている。
【0013】
各側壁部52は、車載機器6と保持部材7とのサブアセンブリと
図1に示されるカバー8とがそれぞれ着脱自在に取り付けられている。各側壁部52は、
図2に示されるように本体部51の左側縁と右側縁の両端部を除く領域に上下に延びるように設けられている。つまり、本体部51は、各側壁部52よりも上方に位置する上部と下方に位置する下部とを有している。各側壁部52は、本体部51から車内側に向かって突出している。各側壁部52の内側面および
図3に示される外側面52eには、例えば図示が省略された凹部が設けられている。各側壁部52の内側面の上記凹部には、図示が省略された保持部材7の第二爪部が引っ掛けられている。各側壁部52の外側面52eの上記凹部には、図示が省略されたカバー8の爪部が引っ掛けられている。
【0014】
各側壁部52は厚肉部53を有する。各厚肉部53は、各側壁部52の下端に設けられている。各厚肉部53の外側面52eには、
図4と
図5とに示される孔部53hが設けられている。孔部53hには、
図3に示されるように、後述するブラケット1の係合部22aが嵌められている。各側壁部52は後述するように保持部材7によって車載機器6が取り付けられるため高い剛性が求められる。各側壁部52の剛性を高めるために、各側壁部52には厚肉部53が設けられている。樹脂成形体であるベース部材5の製造過程で厚肉部53などにヒケ(sink mark)が形成されるおそれがある。ヒケはベース部材5の寸法精度を低下させるおそれがある。寸法精度の低いベース部材5は、保持部材7またはカバー8とベース部材5との組み付け精度を低下させる。ヒケが形成されないように、各側壁部52には例えば上記凹部と孔部53hとが形成されている。このように設計上の理由によって設けられた孔部53hを利用して、後述する本実施形態のブラケット1の係合部22aをベース部材5に係合することができる。
【0015】
孔部53hは、ヒケを防止するために設けられた孔部ではなく、係合部22aが係合されるために設けられた孔部であってもよい。その場合、係合部22aの形状および寸法は、ヒケを防止するための孔部の形状および寸法に対応させる必要がない。そのため、孔部53hと係合部22aの形状および寸法の選択肢が多い。各側壁部52には、孔部53hとは別にヒケを防止する孔部が設けられていてもよい。
【0016】
〔車載機器〕
車載機器6は、
図2に示される例ではカメラ60である。カメラ60は、例えば前方の先行車両などの障害物との距離などを測定する。カメラ60は公知のカメラである。車載機器6は、保持部材7の内部に着脱自在に取り付けられている。車載機器6は、例えば図示が省略されている凹部を有する。車載機器6の上記凹部には、図示が省略された保持部材7の第一爪部が引っ掛けられている。
図2に示される例とは異なり、車載機器6は、例えば、レーザレーダ、ミリ波レーダ、超音波センサ、ETC(Electronic Toll Collection System)車載器、GPS(Global Positioning System)、湿度センサでもよい。
【0017】
〔保持部材〕
保持部材7は、車載機器6を保持する。保持部材7は公知の保持部材である。車載機器6を保持している保持部材7は、二つの側壁部52の間に配置されている。保持部材7は、二つの側壁部52に着脱自在に取り付けられている。保持部材7は、例えば図示が省略されている第一爪部と第二爪部とを有する。上記第一爪部は、車載機器6の上記凹部に引っ掛けられている。上記第二爪部は、各側壁部52の内側面の上記凹部に引っ掛けられている。上記第一爪部が車載機器6の上記凹部に引っ掛けられていることで、車載機器6が保持部材7に固定されている。上記第二爪部が各側壁部52の内側面の上記凹部に引っ掛けられていることで、保持部材7がベース部材5に固定されている。保持部材7がベース部材5に固定されていることで、保持部材7に固定されている車載機器6がベース部材5に固定されている。
【0018】
〔カバー〕
図1に示されるカバー8は、
図2に示されるベース部材5と車載機器6と保持部材7とブラケット1と補強部材とのアセンブリを車内から覆っている。
図2では、説明の便宜上、カバー8で囲まれる領域が破線で示されている。
図1に示されるカバー8は、
図2の破線で示されるように、上記アセンブリの外側を囲むように配置されている。
図1に示されるカバー8は、
図2に示される二つの側壁部52に着脱自在に取り付けられている。カバー8は、例えば図示が省略された爪部を有する。カバー8の上記爪部は、各側壁部52の外側面52eの上記凹部に引っ掛けられている。カバー8の上記爪部が各側壁部52の外側面52eの上記凹部に引っ掛けられていることで、カバー8がベース部材5に固定されている。
【0019】
車載機器6と保持部材7との固定方法、保持部材7とベース部材5との固定方法、およびカバー8とベース部材5との固定方法は、着脱自在であれば上述したような爪部を凹部に引っ掛ける構成に限定されない。
【0020】
《実施形態》
〔ブラケット〕
図2、
図3、
図6、および
図7に示される実施形態のブラケット1は、上述したようにベース部材5のウインドシールド111からの脱落を防止する。実施形態のブラケット1の特徴の一つは、
図3、
図6に示される特定の第一部21および第二部22を有する点にある。
【0021】
ブラケット1の数は特に限定されない。ブラケット1の数は単数でも複数でもよい。本実施形態のブラケット1の数は、
図2に示されるように、第一ブラケット1aと第二ブラケット1bの二個である。第一ブラケット1aと第二ブラケット1bとは、左右対称に構成されていて、配置される位置が異なる点を除き、同様の構成を備える。以下の説明は、代表して
図2の左側の第一ブラケット1aについて行う。
図2の右側の第二ブラケット1bの説明は省略する。
【0022】
本実施形態の第一ブラケット1aは複数のブラケット片で構成されている。具体的には、第一ブラケット1aは第一ブラケット片2と第二ブラケット片3とで構成されている。第一ブラケット片2と第二ブラケット片3の少なくとも一方が特定の第一部21および第二部22を有している。本実施形態では、第一ブラケット片2が第一部21および第二部22を有し、第二ブラケット片3は第一部21および第二部22を有していない。本実施形態とは異なり、第一ブラケット片2と第二ブラケット片3の両方が第一部21および第二部22を有していてもよい。本実施形態とは異なり、第一ブラケット1aは単一の部材で構成されていてもよい。本実施形態の第二ブラケット片3は必須の構成ではなく、第一ブラケット1aは第二ブラケット片3を備えることなく第一ブラケット片2のみを備えていてもよい。
【0023】
[第一ブラケット片]
(第一部)
第一部21は、
図2と
図3に示されるように、ベース部材5の外縁からはみ出している。第一部21は、
図2に示されるように、取付領域121に向き合っている。第一部21の形状は、
図3と
図6とに示されるように板状である。本実施形態の第一部21は、
図2に示されるように、取付領域121のうち厚肉部53とカバー8との間の領域に設けられている。第一部21は、図示が省略された接着剤または両面テープによって取付領域121に接着された接着部21aを有する。接着部21aはベース部材5の外縁からはみ出した上記領域に接着されているため、接着面積を大きくすることができるので、第一ブラケット片2によるベース部材5の脱落を防止する効果が高くなり易い。接着部21aと取付領域121とを接着する接着剤または両面テープは、本体部51と取付領域121とを接着する接着剤または両面テープと同じでもよいし異っていてもよい。例えば、接着部21aと取付領域121とを接着する接着剤または両面テープは、本体部51と取付領域121とを接着する接着剤または両面テープよりも接着力、耐候性、耐熱性、耐水性、耐振動性、および耐荷重性の少なくとも一つが高い接着剤または両面テープで構成することができる。その場合、第一ブラケット片2によるベース部材5の脱落を防止する効果が高くなり易い。
【0024】
(第二部)
第二部22は、
図3に示されるように、ベース部材5の車内側に重なるように配置されている。第二部22は、
図6に示されるように、第一部21につながっている。第二部22は、ベース部材5に係合する係合部22aを有する。係合部22aは、ベース部材5に接着されていない。係合部22aは、ベース部材5のウインドシールド111から離れる方向への移動を規制する構成であれば特に限定されない。スペースの関係上、取付領域121と接着される第一部21の接着部21aの面積が十分に採れない場合であっても、係合部22aを有することで、第一ブラケット片2とベース部材5とを互いに結合できる。そのため、第一ブラケット片2によるベース部材5の脱落を防止する効果が高くなり易い。本実施形態の係合部22aの形状はブロック状である。本実施形態の係合部22aは、
図3に示されるように、第一部21から側壁部52に向かって突出するように設けられている。本実施形態の係合部22aは、孔部53hに嵌まり込んでいる。本実施形態とは異なり、係合部22aは、図示が省略されているものの、ベース部材5に別途設けられたリブを挟む構成であってもよいし、ベース部材5に別途設けられた爪部に引っ掛かる構成でもよい。本実施形態とは異なり、第二部22は、図示が省略されているものの、ベース部材5に接着される領域を更に有していてもよい。
【0025】
第一ブラケット片2の取り付け手順は次の通りである。第二部22の係合部22aが孔部53hにはめ込まれる。次に、第一部21の接着部21aが取付領域121に接着される。係合部22aの孔部53hへのはめ込みは、接着部21aと取付領域121とが接触しないように行われる。そのため、接着部21aが取付領域121に接着された後、孔部53hと係合部22aとの間には隙間が形成される。
【0026】
[第二ブラケット片]
本実施形態の第二ブラケット片3は、
図3と
図7とに示されるように、くさび部31と接着部32と連結部33とを有する。くさび部31と接着部32と連結部33とは一連に構成されている。本実施形態の第二ブラケット片3の形状は複数の屈曲部を有する板状である。
【0027】
くさび部31は、上記隙間を埋めるように孔部53hと係合部22aとの間に配置されている。くさび部31は、接着部21aが取付領域121に接着された後に上記隙間に差し込まれる。くさび部31によって孔部53hの内部での係合部22aのガタツキが抑制される。そのため、第一ブラケット片2によるベース部材5の脱落を防止する効果が高くなり易い。くさび部31は、ベース部材5および第一ブラケット片2に接着されていない。くさび部31の厚さは、一様であってもよいし、先端側に向かって薄くなっていてもよい。接着部32は、
図3に示されるように側壁部52の外側面52eうち孔部53hよりも側壁部52の下端に近い位置に図示が省略された接着剤または両面テープによって接着されている。第二ブラケット片3の接着部32と外側面52eとを接着する接着剤または両面テープは、第一ブラケット片2の接着部21aと取付領域121とを接着する接着剤または両面テープと同じでもよいし異なっていてもよい。接着部32は、第一ブラケット片2に接着されていない。連結部33は、くさび部31と接着部32とをつないでいる。連結部33は、ベース部材5および第一ブラケット片2に対して接着されていない。
【0028】
〔補強ブラケット〕
図2に示される補強ブラケット9は、実施形態のブラケット1と同様、ベース部材5のウインドシールド111からの脱落を防止する。補強ブラケット9の数は特に限定されない。補強ブラケット9の数は単数でも複数でもよい。
図2に示される例の補強ブラケット9の数は、第一補強ブラケット9aと第二補強ブラケット9bと第三補強ブラケット9cの三個である。第一補強ブラケット9a、第二補強ブラケット9b、および第三補強ブラケット9cはいずれも、第一接着部91と第二接着部92とを有する。第一接着部91と第二接着部92とは一連に構成されている。
【0029】
第一接着部91は、ベース部材5の外縁からはみ出す取付領域121に図示が省略された接着剤または両面テープによって接着されている。第二接着部92は、ベース部材5の車内側に重なっていてベース部材5に図示が省略された接着剤または両面テープによって接着されている。第一接着部91と第二接着部92とは段差状に構成されている。
図2に示される例では、第一接着部91と第二接着部92との間の段差は本体部51の厚さに対応している。第一接着部91と取付領域121とを接着する接着剤または両面テープと、第二接着部92とベース部材5とを接着する接着剤または両面テープとは、互いに同じ接着剤または両面テープでもよいし、異なる接着剤または両面テープでもよい。第一接着部91と取付領域121とを接着する接着剤または両面テープと、第二接着部92とベース部材5とを接着する接着剤または両面テープとは、第一ブラケット片2の接着部21aと取付領域121とを接着する接着剤または両面テープと同じでもよいし異なっていてもよい。
【0030】
第一補強ブラケット9aと第二補強ブラケット9bとはL字状の板片で構成されている。第一補強ブラケット9aの第二接着部92は、本体部51の左上の角部に接着されている。第一補強ブラケット9aの第一接着部91は、取付領域121のうち本体部51の左上の角部とカバー8との間の領域に本体部51の左上の角部を囲むように接着されている。第二補強ブラケット9bの第二接着部92は、本体部51の右上の角部に接着されている。第二補強ブラケット9bの第一接着部91は、取付領域121のうち本体部51の右上の角部とカバー8との間の領域に本体部51の右上の角部を囲むように設けられている。第三補強ブラケット9cは、矩形状の板片で構成されている。第三補強ブラケット9cの第二接着部92は、本体部51の上記上部の中央部に接着されている。第三補強ブラケット9cの第一接着部91は、取付領域121のうち本体部51の上記中央部とカバー8との間の領域に接着されている。各第一接着部91がベース部材5の外縁からはみ出した領域に接着されているため、接着面積を大きくすることができるので、補強ブラケット9によるベース部材5の脱落を防止する効果が高くなり易い。
【0031】
本発明は、これらの例示に限定されず、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0032】
1 ブラケット
1a 第一ブラケット
1b 第二ブラケット
2 第一ブラケット片
21 第一部
21a 接着部
22 第二部
22a 係合部
3 第二ブラケット片
31 くさび部
32 接着部
33 連結部
5 ベース部材
51 本体部
52 側壁部
52e 外側面
53 厚肉部
53h 孔部
6 車載機器
60 カメラ
7 保持部材
8 カバー
9 補強ブラケット
9a 第一補強ブラケット
9b 第二補強ブラケット
9c 第三補強ブラケット
91 第一接着部
92 第二接着部
110 ガラス
111 ウインドシールド
120 セラミックライン
121 取付領域