(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058016
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】災害に対する対処情報を送信するシステムなど
(51)【国際特許分類】
G08B 27/00 20060101AFI20240418BHJP
G08B 31/00 20060101ALI20240418BHJP
G08B 21/10 20060101ALI20240418BHJP
G08B 25/10 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
G08B27/00 C
G08B31/00 B
G08B21/10
G08B27/00 A
G08B25/10 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022165097
(22)【出願日】2022-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】520323089
【氏名又は名称】株式会社ビットピープス
(74)【代理人】
【識別番号】100183564
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 伸也
(72)【発明者】
【氏名】如南 友博
【テーマコード(参考)】
5C086
5C087
【Fターム(参考)】
5C086AA11
5C086AA13
5C086AA15
5C086AA22
5C086FA18
5C087AA02
5C087AA19
5C087BB18
5C087BB73
5C087DD02
5C087DD04
5C087EE05
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF23
5C087GG08
5C087GG70
5C087GG84
(57)【要約】 (修正有)
【課題】災害時において、ユーザに具体的な内容を与える災害対処情報送信システムなどを提供する。
【解決手段】災害対処情報送信システム1は、サーバ2と通信可能に接続される複数のユーザ端末3とからなり、ユーザ端末3を介してユーザ10に災害に対する対処に関する対処情報5aを伝達するシステムであって、前記災害に関する災害状況情報4aに対応する対処情報5aが予め設定されており、サーバ2が、災害状況情報4aに対応する対処情報5aをユーザ端末3に送信する送信手段5を備えており、ユーザ端末3が、対処情報5aの受信により、対処情報5aを出力する出力手段6を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバと通信可能に接続される複数のユーザ端末とからなり、前記ユーザ端末を介してユーザに災害に対する対処に関する対処情報を伝達する対処情報送信システムであって、
前記災害に関する災害状況情報に対応する前記対処情報が予め設定されており、
前記サーバが、前記災害情報に対応する前記対処情報を前記ユーザ端末に送信する送信手段を備えており、
前記ユーザ端末が、前記対処情報の受信により、前記対処情報を出力する出力手段を備えている、対処情報送信システム。
【請求項2】
前記ユーザに属性情報が予め設定されており、
前記対処情報が、前記属性情報及び前記災害状況情報に対応するように予め設定されており、
前記送信手段により、前記属性情報及び前記災害状況情報に対応する前記対処情報が送信されるものである、請求項1記載の対処情報送信システム。
【請求項3】
前記サーバは、前記ユーザ端末から送信される位置情報を所定時間毎に取得する位置情報取得手段を備えている、請求項2記載の対処情報送信システム。
【請求項4】
前記サーバは、前記ユーザ端末に、前記ユーザと異なるユーザ端末の位置情報又は属性情報を含む他人情報を送信する他人送信手段を備えており、
前記ユーザ端末は、前記他人情報を表示部に表示する表示手段を備えている、請求項3記載の対処情報送信システム。
【請求項5】
前記サーバは、前記ユーザ端末から送信される位置情報を取得する位置情報取得手段と、所定の条件を満たす前記ユーザ端末に、前記ユーザと異なるユーザ端末の位置情報を含む他人情報を送信する他人送信手段を備えており、
前記ユーザ端末は、前記他人情報を表示する他人表示手段を備えている、請求項1記載の対処情報送信システム。
【請求項6】
通信可能に接続される複数のユーザ端末を介してユーザに災害に対する対処に関する対処情報を伝達する対処情報送信システムに用いるサーバであって、
前記災害に関する災害状況情報に対応する前記対処情報が予め設定されると共に、前記災害情報に対応する前記対処情報を前記ユーザ端末に送信する送信手段を備えている、サーバ。
【請求項7】
前記ユーザに属性情報が予め設定されており、
前記対処情報が、前記属性情報及び前記災害状況情報に対応するように予め設定されており、
前記送信手段により、前記属性情報及び前記災害状況情報に対応する前記対処情報が送信されるものである、請求項6記載のサーバ。
【請求項8】
通信可能に接続される複数のユーザ端末を介してユーザに災害に対する対処に関する対処情報を伝達する対処情報送信システムに用いるサーバプログラムであって、
コンピュータに、
前記災害に関する災害状況情報に対応する前記対処情報が予め設定されると共に、前記災害情報に対応する前記対処情報を前記ユーザ端末に送信させる、サーバプログラム。
【請求項9】
サーバと通信可能に接続され、ユーザに災害に対する対処に関する対処情報を伝達する対処情報送信システムのユーザ端末であって、
前記災害に関する災害状況情報に対応する前記対処情報が予め設定されると共に、前記サーバからの前記災害情報に対応する前記対処情報の受信により、前記対処情報の音声を出力する出力手段を備えている、ユーザ端末。
【請求項10】
前記ユーザに属性情報が予め設定されており、
前記対処情報が、前記属性情報及び前記災害状況情報に対応するように予め設定されており、
前記サーバから送信される前記属性情報及び前記災害状況情報に対応する前記対処情報を受信するものである、請求項9記載のユーザ端末。
【請求項11】
サーバと通信可能に接続され、ユーザに災害に対する対処に関する対処情報を伝達する対処情報送信システムのユーザ端末プログラムであって、
コンピュータに、
前記災害に関する災害状況情報に対応する前記対処情報が予め設定されると共に、前記サーバからの前記災害情報に対応する前記対処情報の受信により、前記対処情報の音声を出力させる、ユーザ端末プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、災害に対する対処情報を送信するシステムなどに関する。さらに詳しくは、ユーザ端末に災害に対する対処情報を送信するシステムなどに関する。
【背景技術】
【0002】
災害が発生した場合に、放送区域に設置したスピーカから音声警報による非常放送が行われることがある。
【0003】
特許文献1には、非常放送装置に文字変換部を設け、非常放送の音声信号から文字を認識して非常放送文字情報に変換し、当該変換した非常放送文字情報を無線送信部および有線送信部により放送区域へ送信する非常放送設備が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、災害の発生時に警告したり、注意を促したりするめの放送・案内等は、比較的に大きな集団の全体に対して発せられるため、内容の具体性に欠ける傾向にある。また切迫感に欠けたり、個々の事情により把握が難しかったりする傾向にある。
【0006】
そこで本発明は、災害時において、ユーザに具体的な内容を与える災害対処情報送信システムなどを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の災害対処情報送信システムは、サーバと通信可能に接続される複数のユーザ端末とからなり、前記ユーザ端末を介してユーザに災害に対する対処に関する対処情報を伝達する対処情報送信システムであって、前記災害に関する災害状況情報に対応する前記対処情報が予め設定されており、前記サーバが、前記災害情報に対応する前記対処情報を前記ユーザ端末に送信する送信手段を備えており、前記ユーザ端末が、前記対処情報の受信により、前記対処情報を出力する出力手段を備えていることを特徴としている。
【0008】
・「送信手段」とは、実施形態ではS2、S3(
図3参照)が対応する。
・「出力手段」とは、実施形態ではS4(
図3参照)が対応する。
・「災害」とは、洪水、火災、地震、津波などであり、さらに不審者の侵入などの事情を含んでもよい。前記事情は、例えば、マニュアルなどで予め取り決めた規則で定めたものでもよい。
・「対処情報」とは、災害の発生又はその恐れが生じた際に、ユーザが受け取る具体的な対処に関する情報である。例えば、待機する、逃げる、助ける、探す、呼ぶ、消火する、準備する、などであり、災害に対応してユーザに促すべき行動を含む情報であればよい。さらに具体的に、例えば、時間、場所、対象物(人)、目的などを含むようにしてもよい。例えば、家で待機しろ、すぐに公園に逃げろ、動けない人を助けろ、近隣の老人を探せ、懐中電灯を準備しろ、水を蓄えろ、ヘルメットをかぶれ、などである。
・「災害状況情報」とは、災害時に官公庁から発せられる情報・警戒レベルの情報、火災報知器の作動、警報装置の作動により火災報知器などの情報取得装置から送信される信号・情報、水位、降雨量、風速、温度、湿度、震度などを計測する計測器からの信号・情報及びそれらに換算できる情報を含む概念である。
【0009】
(2)このような災害対処情報送信システムは、前記ユーザに属性情報が予め設定されており、前記対処情報が、前記属性情報及び前記災害状況情報に対応するように予め設定されており、前記送信手段により、前記属性情報及び前記災害状況情報に対応する前記対処情報が送信されるものであるのが好ましい。
【0010】
・「属性情報」とは、ユーザの属性に関する情報であり、例えば災害に対処する際に考慮すべき情報であり、それに換算できる情報を含む概念である。例えばユーザの年齢や疾患などに関連するユーザについての情報、同居人の情報や家族構成などのユーザに関連する人物の情報、ユーザが住んでいる地域の地形・位置、さらにはユーザの住んでいる建物などの災害に対する危険性についての情報、さらには避難経路、避難場所に関する情報であり、それらに換算できる情報を含む概念である。
【0011】
(3)また前記サーバは、前記ユーザ端末から送信される位置情報を所定時間毎に取得する位置情報取得手段を備えているのが好ましい。
【0012】
・「位置情報取得手段」とは、実施形態ではR1(
図7参照)が対応する。
・「位置情報」とは、経度・緯度からなる情報、予め定められた基準となる位置に対する方向・距離からなる情報、それらの情報にさらに高度を含んだ情報及びそれらに換算できる情報を含む概念である。
【0013】
(4)また前記サーバは、前記ユーザ端末に、前記ユーザと異なるユーザ端末の位置情報又は属性情報を含む他人情報を送信する他人送信手段を備えており、前記ユーザ端末は、前記他人情報を表示する他人表示手段を備えているのが好ましい。
・「他人送信手段」とは、実施形態ではR2、R3(
図7参照)が対応する。
・「他人表示手段」とは、実施形態ではR4(
図7参照)が対応する。
・「他人情報」とは、特定のユーザ端末以外のユーザ端末(他人のユーザ端末)の位置情報及び/又は他人の属性情報の一部又は全部を含むものであり、それらに換算できる情報を含む概念である。
【0014】
(5)また前記サーバは、前記ユーザ端末から送信される位置情報を取得する位置情報取得手段と、所定の条件を満たす前記ユーザ端末に、前記ユーザと異なるユーザ端末の位置情報を含む他人情報を送信する他人送信手段を備えており、前記ユーザ端末は、前記他人情報を表示する他人表示手段を備えているのが好ましい。
【0015】
(6)本発明のサーバは、通信可能に接続される複数のユーザ端末を介してユーザに災害に対する対処に関する対処情報を伝達する対処情報送信システムに用いるサーバであって、前記災害に関する災害状況情報に対応する前記対処情報が予め設定されると共に、前記災害情報に対応する前記対処情報を前記ユーザ端末に送信する送信手段を備えていることを特徴としている。
【0016】
(7)このようなサーバは、前記ユーザに属性情報が予め設定されており、前記対処情報が、前記属性情報及び前記災害状況情報に対応するように予め設定されており、前記送信手段により、前記属性情報及び前記災害状況情報に対応する前記対処情報が送信されるものであるのが好ましい。
【0017】
(8)本発明のサーバプログラムは、通信可能に接続される複数のユーザ端末を介してユーザに災害に対する対処に関する対処情報を伝達する対処情報送信システムに用いるサーバプログラムであって、コンピュータに、前記災害に関する災害状況情報に対応する前記対処情報が予め設定されると共に、前記災害情報に対応する前記対処情報を前記ユーザ端末に送信させることを特徴としている。
【0018】
(9)本発明のユーザ端末は、サーバと通信可能に接続され、ユーザに災害に対する対処に関する対処情報を伝達する対処情報送信システムのユーザ端末であって、前記災害に関する災害状況情報に対応する前記対処情報が予め設定されると共に、前記サーバからの前記災害情報に対応する前記対処情報の受信により、前記対処情報の音声を出力する出力手段を備えていることを特徴としている。
【0019】
(10)このようなユーザ端末は、前記ユーザに属性情報が予め設定されており、前記対処情報が、前記属性情報及び前記災害状況情報に対応するように予め設定されており、前記サーバから送信される前記属性情報及び前記災害状況情報に対応する前記対処情報を受信するものであるのが好ましい。
【0020】
(11)本発明のユーザ端末プログラムは、サーバと通信可能に接続され、ユーザに災害に対する対処に関する対処情報を伝達する対処情報送信システムのユーザ端末プログラムであって、コンピュータに、前記災害に関する災害状況情報に対応する前記対処情報が予め設定されると共に、前記サーバからの前記災害情報に対応する前記対処情報の受信により、前記対処情報の音声を出力させことを特徴としている。
【発明の効果】
【0021】
本発明の災害対処情報送信システムなどは、災害に応じた具体的な対処についての情報をユーザに与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】災害対処情報送信システムの機能ブロック図である。
【
図2】
図2aはサーバのハードウェア構成の一例を示す概略図、
図2bはユーザ端末ハのードウェア構成の一例を示す概略図である。
【
図3】災害対処情報送信システムの動作の一例を示す概略フローである。
【
図4】対処情報DBのデータ構造の一例を示す概略図である。
【
図5】属性情報テーブルのデータ構造の一例を示す概略図である。
【
図6】位置情報テーブルのデータ構造の一例を示す概略図である。
【
図7】他の実施形態に係る災害対処情報送信システムの動作の一例を示す概略フローである。
【
図8】他の実施形態に係る災害対処情報送信システムの機能ブロック図である。
【
図9】他の実施形態に係る災害対処情報送信システムの動作の一例を示す概略フローである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[1.概略説明]
(災害対処情報送信システム1)
まず
図1を用いて災害対処情報送信システムの概略を説明する。
図1に示す災害対処情報送信システム1は、刻々と変化する災害状況において、その状況の変化に対応する災害に対処する情報(対処情報)をユーザ10に伝達するものである。
例えば、災害対処情報送信システム1は、台風の接近と共に大雨注意報が発令されると「避難の用意をしてください」とユーザ10へ伝達し、その後、雨が強くなり河川の水位が上昇すると「避難を開始してください」と伝達し、そして大雨警報が発令されると「すぐに避難してください」と伝達する、というものである。
【0024】
ここで災害の状況に関する情報(災害状況情報4a)は、情報取得装置4から発信され、例えば官公庁、地方自治体、役場、公民館などの所定の範囲を管轄する部門13で取得される。本実施形態では、対処情報5aは、管理部門13の管理者11によりチェックされた後に、ユーザ10の端末3に送信される。
【0025】
(ユーザ10、管理者11)
ユーザ10は、災害対処情報送信システム1に予め登録しており、ユーザ端末3を保持している。
管理者11は、ユーザ10に送信すべき対処情報5aを確認し、送信の許可を出す者である。なお管理者11の確認を経由しないで送信してもよい。
【0026】
(情報取得装置4)
本実施形態では、災害対処情報送信システム1を起動するトリガーとなるものとして、情報取得装置4から得られる災害状況情報4aを利用している。情報取得装置4は、例えば、官公庁、自治体、メディア、地域から発せられる避難情報及び警戒レベルの情報を受信する機器や、建物内に設置された火災受信機、河川に設置された水位計、地震計、降雨量計、カメラ映像などの情報を受信する装置、侵入者を検知する警報装置などに取り付けられる機器又は内蔵される機構である。
情報取得装置4は、災害状況情報4aをサーバ2に送信する。本実施形態では、例えば、災害時に官公庁等や計測器等から発せられる情報の受信、火災報知器の作動、警報装置の作動により、情報取得装置4はサーバ2に災害状況情報4aを送信する。
なお情報取得装置4を経由しないで、サーバ2が、例えば、官公庁、自治体、メディア、地域から発せられる避難情報及び警戒レベルの情報(災害状況情報4a)を受信するようにしてもよい。
【0027】
(管理部門13)
管理部門13は、例えば、災害対処情報送信システム1を導入している所定の地域、市町村単位での範囲、1つ以上の施設などを監理する部門が相当し、これらに限定されない。前記施設としては、例えば、マンション、ビル、学校、病院、空港、港、ホール、野球場、サッカー場、野外コンサート会場、高齢者施設、宿泊施設などの施設などである。
【0028】
(通信網など)
サーバ2、ユーザ端末4及び管理部門13は、インターネットまたはイントラネット(通信網)を介して通信可能に接続されている。通信網は、インターネットに接続されている。通信網は、イントラネット、有線・無線通信による通信網を含む。無線通信としては、例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、LPWA(Low Power Wide Area)などである。LPWAとしては、LTE(登録商標)や、ライセンスが不要な周波数帯を用いてもよい。
【0029】
[2.詳細説明]
(対処情報送信システム1)
対処情報送信システム1は、サーバ2と通信可能に接続される複数のユーザ端末3とからなる。
本実施形態では、サーバ2に災害に関する災害状況情報4aに対応する対処情報5a及びユーザ10の属性情報12が予め設定されている。
サーバ2は、送信手段5と、他人送信手段7とを主に備えている。さらに本実施形態では、サーバ2は位置情報取得手段8を備えている。
ユーザ端末3は、出力手段6と、表示手段9とを備えている。
【0030】
(サーバ2、送信手段5、他人送信手段7、管理者11)
サーバ4は、本実施形態においては、例えばパソコン(パーソナルコンピュータ)である。管理者11は管理部門13を管理しているものである。
本実施形態では、送信手段5は、災害状況情報4aを受信すると、災害状況情報4a及び属性情報12に対応する対処情報5aを選択する。選択された対処情報5aは、管理者11により確認された後に、ユーザ端末3に送信する。管理者11による確認は、送信の許可や、送信すべき対処情報4aの修正などを含む。
また他人送信手段7は、他人の属性情報12及び/又は他人に出されている対処情報5aを含む他人情報7aをユーザ端末3に送信する。
位置情報取得手段8は、ユーザ端末3から送信される位置情報8aを取得する。
【0031】
(ユーザ端末3、出力手段6、他人表示手段9)
ユーザ端末3は、本実施形態においては、例えばスマートフォンである。なおユーザ端末3として、タブレットPC、パソコン(パーソナルコンピュータ)などを用いてもよい。
出力手段6は、対処情報5aの受信により、対処情報5aを表示部3a又はスピーカ3bにより出力する。
他人表示手段9は、サーバ2から他人情報5aを取得すると表示部3a及び/又はスピーカで他人情報7aを表示等する。
【0032】
(表示部3a、スピーカ3b)
表示部3aとしては、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)、有機EL(EL:Electroluminescence)などの画像を表示する装置が用いられる。またスピーカ3bは従来公知のものが採用されている。
【0033】
[3.ハードウェア構成]
次に
図2a及び
図2b用いて、サーバ2及びユーザ端末3のそれぞれのハードウェア構成を説明する。
【0034】
(サーバ2のハードウェア構成)
次いで、サーバ2のハードウェア構成を説明する。
図2aに示すように、本実施形態のサーバ2では、例えば、コンピュータを用いている。サーバ2はCPU30を備えたものである。そのCPU30には、メモリ(以下、記憶部という。)31と、記憶デバイス32などを接続/読み込むための接続ポート33と、ネットワークを介して外部と通信するための通信回路34とがバスライン35を介して接続されている。記憶部31には、対処情報データベース(以下、対処情報DBという。)14、対処情報送信システム1を処理するためのサーバプログラム36が記憶されている。またブラウザプログラム37、さらにはOS38(オペレーティングシステム)が記憶されていてもよい。さらに属性情報データベース(以下、属性情報DBという。)15及び/又は位置情報データベース(以下、位置情報DBという。)16が記憶されていてもよい。
【0035】
(ユーザ端末3のハードウェア構成)
ユーザ端末3のハードウェア構成は、前述のサーバ2のハードウェア構成とほぼ同じであるので、同じ部分には同じ符号を付して、その説明を省略する。本実施形態のユーザ端末3では、例えばスマートフォンを用いている。
そのコンピュータの記憶部31には、対処情報送信システム1を処理するためのユーザ端末プログラム39が記憶されている。さらにブラウザプログラム37、さらにはOS38(オペレーティングシステム)が記憶されていてもよい。
【0036】
本実施形態では、サーバプログラム36及びユーザ端末プログラム39は、それぞれOS38およびブラウザプログラム37の機能を利用して協働して動作する。なおサーバプログラム36及びユーザ端末プログラム39として、それぞれブラウザプログラム37、OS38を利用せず、単独で動作するようにしてもよい。
【0037】
上述したサーバ2及びユーザ端末3のハードウェア構成では、
図1に示す機能を、例えば、CPU30とユーザ端末プログラム36及びサーバプログラム39とを用いて実現するようにしているが、その一部または全部をマイコンなどの論理回路、あるいは、PLC(プログラマブルロジックコントローラ)を用いてシーケンス制御してもよい。
【0038】
[4.対処情報送信システム1の動作]
(対処情報送信システム1の動作)
次いで、
図3を用いて対処情報送信システム1の動作を説明する。
図3にはサーバ2で用いられるサーバプログラム36およびユーザ端末3で用いられるユーザ端末プログラム39の処理の一実施形態を示すフローチャートを示している。
【0039】
(S0)災害の発生を含む状況が生じたことにより、情報取得装置4(
図1参照)を介して災害状況情報4aがサーバ2に送信される。
【0040】
(S1)サーバ2のCPU30は、情報取得装置4(
図1参照)から発信された災害状況情報4aを取得する。なお災害状況情報4aの全部又は一部について、情報取得装置4を介さずに、サーバ2で受信してもよい。
【0041】
(S2)災害状況情報4aを取得すると、対処情報DB14(
図2a参照))に基づいて、属性情報12及び属性情報12に対応する対処情報5aを選択する。その際に管理者11が入力した情報を送信すべき情報(対処情報5a又は属性情報12)に付加するようにしてもよい。
なお管理者11が、災害状況情報4aに対応した対処情報5a又は属性情報12と対処情報5aの組をサーバ2に入力するようにしてもよい。
【0042】
(対処情報DB14のデータ構造)
図4に対処情報DB14のデータ構造を示す。このデータ構造では、災害状況情報4aの種別毎に、属性情報12に対応する対処情報5aが定められている。例えば、図では災害状況情報4aとして大雨警報であり、属性情報12として「危険地域に住んでいる」であり、対処情報5aとして「体育館に避難してください。」である。一方で、属性情報12として「避難困難者である」なら、対処情報5aとして「助けを待ってください。」である。
【0043】
次いで、選択された属性情報DB15に基づいて、対応するユーザ10の識別番号を選択し、選択されたユーザ10に対応する対処情報5aを選択する。
【0044】
(属性情報DB15のデータ構造)
次いで
図5に属性情報DB15のデータ構造を示す。図に示している属性情報DB15において、例えば、符号15aはユーザ10の識別番号、符号15bはユーザ10の氏名、符号15cはユーザの住所、符号15dは避難するのが難しい者であるかどうか、符号15e~15gはユーザの住所が危険地域であるかどうかである。危険地域とは、例えば、官公庁・民間の機関などにより、氾濫、土石流、高潮など自然災害の恐れがある地域である。符号15eは氾濫、符号15fは土石流、符号15gは高潮の危険性のある地域をそれぞれ示している。表中の○印は該当することを示している。これらの属性情報12の各項目は、予めユーザによって登録されている。これらの各項目は、これらに限られず、追加することもできる。
【0045】
また図示していないが、避難経路、避難場所、さらには医師、看護師、技術者、警察官、水泳インストラクター、心理カウンセラーなどの技術、職業、資格を登録してもよい。
【0046】
(S3)
図3に戻って、選択された対処情報DB14及び属性情報DB15に基づいて、送信すべきユーザ10の識別番号に対応する対処情報5aを送信する。ユーザ端末3のユーザプログラム39は対処情報5aの受信をトリガーとして起動するようにしてもよい。
なお対処情報5aとは別個のサーバ2から送信される起動用の情報の受信をトリガーとしてユーザプログラム39を起動するようにしてもよい。
【0047】
(S4)ユーザ端末3のスピーカ3bから対処情報5aを音声として出力する。なお表示部3aにテキスト情報として表示してもよいし、音声出力と共にテキスト情報を表示するようにしてもよい。
【0048】
[5.他の実施形態]
次に対処情報送信システム1の他の実施形態を説明する。以下に説明する他の実施形態及び変形例は、前述した対処情報送信システム1とほぼ同様であるので、同じ部分には同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0049】
(対処情報送信システム1の変形例)
対処情報送信システム1の変形例を説明する。上述した実施形態では、属性情報DB15に基づいて対処情報5aをユーザ端末3に送信しているが、変形例では属性情報DB15を用いない。変形例では、災害状況情報4aに対応した対処情報5aを登録されたユーザ端末3に送信している。刻々と変化する気象状況、河川の水位、風向き、道路の寸断などの災害状況情報4aに応じて、逐次的に対処情報5aをユーザ10に届けることができる。
【0050】
(第2実施形態)
次に対処情報送信システム1の他の実施形態を説明する。第2実施形態にかかる対処情報送信システム1aでは、サーバ2はユーザ端末3の位置情報8aを取得する位置情報取得手段8を備えている。位置情報8aはユーザ10毎にサーバ2の記憶部31に記憶されている。この実施形態では、位置情報8aは所定時間毎にユーザ端末3からサーバ2に送信されている。
本実施形態では、例えば、ユーザ端末3に内蔵されている位置情報8aを取得する機能を用いている。例えばGPSセンサを用いている。なお、他の位置を測定するシステムを用いてもよい。
【0051】
(位置情報DB16)
次いで、
図6に位置情報DB16のデータ構造を示す。図に示している位置情報DB16において、例えば、符号16aは位置情報、符号16bは避難状況を示している。例えば、図中の避難状況について、識別番号10001のユーザ10は避難場所Aに避難完了しており、識別番号12345のユーザ10は移動中(避難中)であり、識別番号12222のユーザ10は移動していない(未避難)ことを示している。
【0052】
位置情報8aを所定時間毎に取得することで、ユーザ端末3の移動状態を把握してユーザ10の避難状況を推定することができる。
また多数のユーザ10の所定時間毎の位置情報から、避難完了、避難中、未避難であるかといった多数のユーザ10の全体の避難状況を把握することができる。
さらにユーザ10の避難の方向を把握できる。そして間違った方向に避難するユーザを把握することができる。
さらにユーザ10がどの避難所に集中しようとしているのかなどを把握することができる。
さらに例えば、前述の実施形態に位置情報8aを加味することで、避難完了、避難中、未避難のそれぞれのユーザ10に対し、異なる種類の対処情報5aをそれぞれ送信することができる。例えば、避難完了のユーザ10には「その場で待機してください」、避難中のユーザ10には「山側に避難してください」、避難中のユーザ10には「直ぐに避難してください」などである。
【0053】
自身の位置情報8aをサーバ2に送信することの許可・不許可を選択できるようにしてもよい。なお初期設定で登録しておいてもよい。不許可を設定している場合は、例えばユーザ端末3が対処情報5aを受信した際又は位置情報8aを送信する前に、表示部3aに送信の許可/不許可のボタンを表示するようにしてもよい。
【0054】
(第3実施形態)
次に対処情報送信システム1のさらに他の実施形態を説明する。第3実施形態にかかる対処情報送信システム1bでは、サーバ2は他人情報7aを送信する他人送信手段7を備えており、ユーザ端末3は受信した他人情報7aを表示部3aに表示する他人表示手段9をさらに備えている。
【0055】
図7を用いて第3実施形態にかかるシステム1cの処理を説明する。
図7にはサーバプログラム36a及びユーザ端末プログラム39aの処理の一実施形態を示すフローチャートを示している。
【0056】
(R1)ユーザ端末3は位置情報8aを取得する。本実施形態では、例えば、ユーザ端末3に内蔵されている位置情報8aを取得する機能を用いている。
【0057】
(R2)所定の条件に基づいて表示すべき他のユーザ10を抽出する。
例えば、サーバ2が取得する位置情報8aに基づいて、自身の居る場所から所定の範囲又は予め登録された避難経路の近傍の他のユーザ10の位置情報8a及び/又は氏名・住所(位置情報)・避難困難者などの属性情報12からなる他人情報7aを抽出する。なお全ての他のユーザ10の他人情報7aを抽出してもよい。
【0058】
(R3)抽出した他人情報7aをユーザ端末3に送信する。その際に管理者11が入力した情報を他人情報7aに付加するようにしてもよい。
なお管理者11が、送信すべき属性情報12を他人情報7aとしてサーバ2に入力するようにしてもよい。
【0059】
(R4)ユーザ端末3は他人情報7aを表示部3aに表示する。
【0060】
他人情報7aを取得したユーザ10は、他のユーザ10の避難状況を把握することができる。このため他のユーザ10の避難状況を把握し、自分の避難が遅れていることなどを把握することができる。また避難困難者、未だ避難できていない者を把握できるので、それらの者を救助することを促すことができる。さらに地域の住民が相互に助け合うのを容易にすることができる。
【0061】
本実施形態では、他人情報7aとして公開する項目は初期設定で登録している。未登録な項目については、ユーザ端末3を操作することにより設定できる。
【0062】
<第4実施形態>
(対処情報送信システム1c)
次に
図8を対処情報送信システム1のさらに他の実施形態を説明する。第4実施形態にかかる対処情報送信システム1cは、ユーザ10による操作に基づいて避難場所(図示せず)にユーザ10が避難したことを確認するものである。
【0063】
対処情報送信システム1cは、発信装置17から避難場所の予め設定された避難範囲に信号17aを発信する。ユーザ11が避難範囲に入ると、ユーザ端末3が信号17aを受信する。信号17aの受信によりユーザ端末3は、ユーザ10に操作させるための表示画面18を表示部3aに表示する。ユーザ10が表示画面18を操作すると、操作したこと又は操作によりユーザ10を特定する特定情報20aがサーバ2に送信される。これにより避難場所にユーザ10が避難したことが確認される。
【0064】
「特定情報」とは、予めユーザ端末に登録されており、ユーザ10を特定するための情報である。例えば、識別番号15a(
図6参照)、氏名、住所、電話番号などの人物を識別し、特定できる情報で、それらに紐付いた情報を含み、それらに換算できる情報を含む概念である。
【0065】
(避難場所)
避難場所としては、近隣の公園、体育館、学校の校庭、高台、津波避難タワー、津波避難ビルなどでもよい。また建物の外の敷地内、建物の屋上、建物内の広い空間のある部屋でもよい。避難場所は予め設定されていてもよい。避難場所は1か所に限られず、複数個所でもよい。
【0066】
(避難範囲)
ユーザ端末3は、避難範囲内に移動すると、信号17aを受信可能となる。例えば、避難範囲の外のユーザ端末は、発信装置17から距離が離れており信号17aを受信することができない。
また避難範囲は、避難場所の全体又は大よその範囲と同じであるのが好ましい。避難場所の外側が避難範囲に入らないように設定するのが好ましい。
なお発信装置17から遠い場所だと、信号17aの受信可能な外縁が不安定な場合がある。このため、例えば、電波強度が所定の値以上である範囲を避難範囲としてもよい。例えば電波強度が所定の値以上の信号17aの受信により、ユーザ端末3はサーバ2に特定情報20aを送信するようにしてもよい。
【0067】
(複数の避難範囲)
1つの避難場所に複数の避難範囲を設定する際には、例えば、複数の発信装置17を用いて対応する。このとき、それぞれの発信装置17における避難範囲を同じ範囲として扱い、識別しない。なお識別してもよい。
【0068】
(サーバ2、ユーザ端末3)
サーバ2は、特定情報20aに基づいて、ユーザ10の避難状況を確認するための確認手段21を備えている。
ユーザ端末3は、信号17aの受信に基づいて、避難すべきユーザ10が操作するための所定の表示画面18を表示部3aに表示する確認表示手段19と、ユーザ10を特定するための特定情報20aを送信する確認送信手段20とを備えている。
【0069】
(発信装置17、発信部17b)
発信装置17は、信号17aを発信するための発信部17bを備えた装置である。発信部17bは、本実施形態では、災害状況情報4aを取得すると、避難場所で信号17aを発信する。例えば、発信装置17は、災害状況情報4aを取得するまでは待機状態であり、低電力で作動している。
なお災害状況情報4aの取得にかかわらず、信号17aを常時発信していてもよい。この場合、発信装置17は、災害状況情報4aを取得するための通信機能を備えていなくてもよい。
【0070】
(信号17a)
信号17aは電波であり、前述した通信網による通信規格を用いている。ライセンスが不要な周波数帯を用いてもよい。本実施形態では、避難範囲を識別すべく、信号17aは発信装置17の識別IDの情報を含む信号とされている。識別IDの情報を含む信号とする代わりに、避難範囲毎に異なる周波数としてもよい。なお避難範囲を識別しない場合は、識別のための情報を含まなくてもよい。
【0071】
(確認表示手段19、確認送信手段20)
確認表示手段19は信号17aの受信に基づいて、避難すべきユーザ10が操作するための所定の表示画面18を表示部3aに表示する。なお信号17aの電波強度が所定の値以上である場合に、ユーザ端末3が避難範囲内にあるとして、表示画面18を表示してもよい。
確認送信手段20は、ユーザ10の操作に基づいてユーザ10を特定する特定情報20aを送信する。
【0072】
(確認手段21)
確認手段21は、本実施形態では、取得した特定情報20aに基づいて、ユーザ10の避難状況を確認できるようにデータベース(位置情報DB16:
図6参照)に、複数のユーザ10の特定情報20aを記憶する。本実施形態では、例えば、位置情報DB16を介して、ユーザ10が2か所の避難場所A、Bのどちらに居るのかを確認できる。
【0073】
(避難完了の確認方法22)
次いで、
図9を用いて対処情報送信システム1cによる避難完了の確認方法22を説明する。
図9にはサーバプログラム36b及びユーザ端末プログラム39bの処理の一実施形態を示すフローチャートを示している。
【0074】
(T0)発信装置17は情報取得装置4(
図8参照)からの災害状況情報4aを取得する。
【0075】
(T1)発信装置17は災害状況情報4aの取得に基づいて、避難範囲に信号17aを発信する。本実施形態では、2つの避難場所A、Bを区別するために、それぞれで発信される信号17a、17aは異なる識別IDの情報を含んでいる。
【0076】
(T2)避難範囲内のユーザ端末3は、信号17aの受信に基づき、ユーザ10が操作するための表示画面18を表示部3aに表示する。表示画面18はユーザ10が表示部3aにタッチ(接触)して操作するための画面である。本実施形態では、例えば、表示部3aに「避難完了OK」と表示されている。避難が完了している場合、ユーザ10はOKと表示された画面部をタッチ操作する。確認表示手段19は工程T2に対応する。
【0077】
(T3)ユーザ10が表示画面18を介して操作すると、サーバ2に特定情報20aが送信される。特定情報20aは、避難場所の識別IDを含んでいる。なお特定情報20aとして、送信した時間の情報を含んでもよい。確認送信手段20は工程T3に対応する。
【0078】
(T4)サーバ2は特定情報20aを記憶部31の位置情報DB16(
図6参照)に記憶する。位置情報DB16は、例えば、管理者11(
図1参照)のユーザ端末3を介して、インターネット上で確認することができる。確認手段21は工程T4に対応する。
【0079】
(T5)なおT2、T3を経由しないで、ユーザ端末3が信号17aの受信に基づき特定情報20aをサーバ2に送信するようにしてもよい。
【0080】
管理者13は、自身のユーザ端末3から位置情報DB16にアクセスし、他のユーザ11の避難状況を確認できる。
【0081】
[6.その他]
前述の実施形態は、それぞれを適宜に組み合わせて用いることができる。
情報取得装置4をサーバ2と一体に設けてもよい。
対処情報DB14及び属性情報DB15をユーザ端末3に設けてもよい。その場合、サーバ2又は情報取得装置4を介さないで災害受信情報4aをユーザ端末3が取得するようにしてもよい。
生命の危機やその恐れがあるなどの緊急度が高い場合に、サーバ2側の操作で他人情報7aを他のユーザ10に公開できるようにしてもよい。
サーバ2の記憶部31は、通信可能に接続されている他のサーバなどに設けてもよい。
ユーザ端末3に加速度を測定する機器が設けられている場合は、加速度の検出値をサーバ2に送信することで、ユーザ10が避難(移動)していることが把握できる。災害状況情報4aの取得後に加速度の検出値が得られなかった場合は、ユーザ10が自宅などにユーザ端末3を忘れている又はまだ自宅に残っていることが予想される。一方で、災害状況情報4aの取得後に加速度の検出値が得られている場合は、避難中であることが予想される。
特定情報20aとしてサーバ4に送信される情報は、予め登録するようにしてもよい。
【0082】
(避難経路の途中の途中範囲)
建物内、津波避難タワー・ビル、公園、高台など、予め設定された避難場所(到達すべき避難範囲)まで距離がある場合や、避難場所(到達すべき避難範囲)までの経路が複雑な場合、避難範囲として、避難範囲に至る避難経路の途中に途中の避難範囲(以下途中範囲という。)を設定してもよい。途中範囲を設置することで、ユーザ10がどこまで避難できたかを把握できる。なお途中範囲を複数設けて、それぞれの途中範囲において異なる識別番号を発信装置17から発信するようにしてもよい。例えば、1つの避難経路上に途中範囲を2以上設けることで、ユーザ10の避難の進捗の程度を把握できる。
【0083】
[7.まとめ]
(1、6、8、9、11)災害対処情報送信システム1は、サーバ2と通信可能に接続される複数のユーザ端末3とからなり、ユーザ端末3を介してユーザ10に災害に対する対処に関する対処情報5aを伝達する対処情報送信システムであって、前記災害に関する災害状況情報4aに対応する対処情報5aが予め設定されており、サーバ2が、災害状況情報4aに対応する対処情報5aをユーザ端末3に送信する送信手段5を備えており、ユーザ端末3が、対処情報5aの受信により、対処情報5aを出力する出力手段6を備えていることを特徴としている。
刻々と変化する災害状況において、その状況の変化に対応する災害に対する対処5aをユーザ10に伝達するので、ユーザ10は適切な行動をとることができる。例えば、台風の接近と共に大雨注意報が発令されると「避難の用意をしてください」とユーザ10に伝達し、その後、雨が強くなり河川の水位が上昇すると「避難を開始してください」と伝達し、そして大雨警報が発令されると「すぐに避難してください」と伝達する、というものである。
【0084】
(2、7、10)このような災害対処情報送信システム1aは、ユーザ10に属性情報12が予め設定されており、対処情報5aが、属性情報12及び災害状況情報4aに対応するように予め設定されており、送信手段5により、属性情報12及び災害状況情報4aに対応する対処情報5aが送信されるものであるので、ユーザ10の属性に対応した対処情報5aを送信することができる。
【0085】
(3)またサーバ10は、ユーザ端末3から送信される位置情報8aを取得する位置情報取得手段8を備えているので、位置情報8aを所定時間毎に取得することで、ユーザ端末3の移動状態を把握してユーザ10の避難状況16bを推定することができる。
例えば、避難完了・避難中・未避難といったユーザ10の避難状況を把握することができる。またユーザ10の避難の方向を把握できる。間違った方向に避難するユーザ10を把握することができる。その際に、ユーザ10に正しい方向を対処情報5aとして送信することができる。さらにユーザ10が集中している場所、例えばどの避難所が混雑しているのかなどを把握することができる。さらに避難状況16bを把握できるので、避難完了、避難中、未避難のそれぞれのユーザ10に対応した対処情報5aを送信することができる。例えば、避難完了のユーザ10には「その場で待機してください」、避難中のユーザ10には「山側に避難してください」、未避難のユーザ10には「直ぐに避難してください」などである。
【0086】
(4)またサーバ2は、所定の条件を満たすユーザ端末3に、ユーザ10と異なるユーザ端末3の位置情報8a又は属性情報20を含む他人情報7aを送信する他人送信手段7を備えており、ユーザ端末3は、他人情報7aを表示する他人表示手段9を備えているので、他のユーザ10の避難状況16bを把握することができる。このため他のユーザ10の避難状況16bを把握し、自分の避難が遅れていることなどを把握することができる。また避難困難者、未だ避難できていない者を把握できるので、それらの者を救助することを促すことができる。そしてユーザ10同士が助け合うのを補助することができる。
【0087】
(5)またサーバ2は、ユーザ端末3から送信される位置情報8aを取得する位置情報取得手段8と、所定の条件を満たすユーザ端末3に、ユーザ10と異なるユーザ端末3の位置情報8aを含む他人情報7aを送信する他人送信手段7を備えており、ユーザ端末3は、他人情報7aを表示する他人表示手段9を備えているので、他のユーザ10の避難状況16bを把握することができる。このため他のユーザ10の避難状況16bを把握し、自分の避難が遅れていることなどを把握することができる。
【0088】
[8.その他のまとめ]
(1)災害対処情報送信システム1cは、予め設定された避難範囲に特定の信号を発信する発信装置17と、信号17aの受信に基づいて、避難すべきユーザ10を特定する特定情報20aを送信する確認送信手段20を備えるユーザ端末3と、特定情報20aに基づいて、ユーザ10の避難状況を確認するための確認手段21を備えるサーバ2とからなることを特徴としている。
ユーザ10が避難範囲まで避難すると、ユーザ端末3からユーザ10を特定する特定情報20aがサーバ2に送信されるので、ユーザ10の避難状況を記録してまとめたり、ユーザ10の避難状況の確認又は把握したりするのが容易である。
【0089】
(2)このような災害対処情報送信システム1cは、ユーザ端末3が、信号17aの受信により、ユーザ10が操作するための所定の表示画面18を表示部3aに表示する確認表示手段19をさらに備えており、確認送信手段20は、操作により特定情報20aを送信するものであるので、ユーザ10の操作により特定情報20aが送信されるので、ユーザ10の安否確認が一層確実である。
【0090】
(3)また避難範囲が複数設けられている場合は、離れた避難場所におけるユーザ10の避難状況を一括して収集・把握することができる。
【0091】
(4)また避難範囲として、到達すべき避難範囲と、前記到達すべき避難範囲に至る経路中に設けられる途中範囲とが設定されているので、ユーザ10が到達すべき避難範囲に向かっているのかを把握できる。
【0092】
(5)また、発信装置17が、災害状況情報4aの取得により信号17aを発信する場合は、平時は待機状態であるから消費電力を抑えることができる。また簡易な構成で、災害の発生で作動するシステムを構築できる。
【0093】
(6)また確認送信手段20が、信号17aの取得に基づいて、特定情報20aを送信する場合は、簡易な構成で、災害の発生で作動するシステムを構築できる。また発信装置17に通信機能が不要である。
【0094】
(7)ユーザ端末3は、避難が必要な事情が発生すると、予め設定された1つ以上の避難範囲に発信される特定の信号17aの受信に基づいて、避難すべきユーザ10を特定する特定情報20aをサーバ2に送信する確認送信手段20を備えていることを特徴としている。災害の発生により作動し、避難範囲まで避難すると特定情報20aをサーバ2に送信するので、簡易な構成でユーザ10の避難状況等が記録・確認できる。
【0095】
(8)ユーザ端末プログラム39bは、コンピュータに、避難が必要な事情が発生すると予め設定された1つ以上の避難範囲に発信される特定の信号20aの受信に基づいて、避難すべきユーザ10を特定する特定情報20aをサーバ2に送信させることを特徴としている。
災害の発生により作動し、避難範囲まで避難すると特定情報20aをサーバ2に送信するので、簡易な構成でユーザ10の避難状況等が記録・確認できる。
【符号の説明】
【0096】
1 災害対処情報送信システム1
1a 第2実施形態
1b 第3実施形態
1c 第4実施形態
2 サーバ
2a 発信手段
3 ユーザ端末
3a 表示部
3b スピーカ
4 情報取得装置
4a 災害状況情報
5 送信手段
5a 対処情報
6 出力手段
7 他人送信手段
7a 他人情報
8 位置取得手段
8a 位置情報
9 他人表示手段
10 ユーザ
11 管理者
12 属性情報
13 管理部門
14 対処情報データベース(対処情報DB)
15 属性情報データベース(属性情報DB)
15a 識別番号
15b 氏名
15c 住所
15d 避難困難者
15e 危険地域(氾濫)
15f 危険地域(土石流)
15g 危険地域(高潮)
16 位置情報データベース(位置情報DB)
16a 位置情報
16b 避難状況
17 発信装置
17a 信号
17b 発信部
18 表示画面
19 確認表示手段
20 確認送信手段
20a 特定情報
21 確認手段
22 避難完了の確認方法
30 CPU
31 メモリ
32 記録デバイス
33 接続ポート
34 通信回路
35 バスライン
36 サーバのためのプログラム
36a サーバのためのプログラム
36b サーバのためのプログラム
37 ブラウザプログラム
38 OS
39 ユーザ端末のためのプログラム
39a ユーザ端末のためのプログラム
39b ユーザ端末のためのプログラム