(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058030
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】キャットタワー
(51)【国際特許分類】
A01K 15/02 20060101AFI20240418BHJP
【FI】
A01K15/02 D
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022165136
(22)【出願日】2022-10-14
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】521295114
【氏名又は名称】MWPO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122312
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 正優
(72)【発明者】
【氏名】キョウ ホンショウ
(57)【要約】
【課題】 猫の動きの反動等を受けても天井面への押付力を維持して、転倒を回避できるキャットタワーを提供する。
【解決手段】 キャットタワー1は、床面と天井面の間に配置され、床面から鉛直方向に延在する支柱と、支柱の上端に立設するネジ軸と、ネジ軸の先端に支承されつつ、天井面に密着する押当部と、ネジ軸に螺合して押当部に対向する押付力調整部と、ネジ軸が挿通して押当部と押付力調整部間で圧縮される押付力調整部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面と天井面の間に配置されるキャットタワーであって、
床面から鉛直方向に延在する支柱と、
前記支柱の上端に立設するネジ軸と、
前記ネジ軸の先端に支承されつつ、天井面に密着する押当部と、
前記ネジ軸に螺合して前記押当部に対向する押付力調整部と、
前記ネジ軸が挿通して前記押当部と前記押付力調整部との間で圧縮される圧縮バネと、
を有する支柱ユニットを備えるキャットタワー。
【請求項2】
前記押当部は、下面中央に開口して前記ネジ軸の先端部を収容する収容穴を有し、
前記収容穴の内径が前記ネジ軸の直径よりも大きく形成される、請求項1に記載のキャットタワー。
【請求項3】
前記押付力調整部は、
前記ネジ軸に螺合するナットと、
前記ネジ軸が挿通して前記ナットに密着する円盤と、
を備える、請求項1に記載のキャットタワー。
【請求項4】
複数の前記支柱ユニットと、
前記支柱ユニットの前記支柱どうしの間に水平に架け渡される架橋板と、
を備える、請求項1に記載のキャットタワー。
【請求項5】
前記架橋板は、前記支柱の鉛直方向の中間よりも上側に配置される、請求項4に記載のキャットタワー。
【請求項6】
前記架橋板を複数枚備える、
前記架橋板どうしの鉛直方向における距離は、前記支柱どうしの距離よりも大きく設定される、請求項4に記載のキャットタワー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャットタワーに関する。
【背景技術】
【0002】
キャットタワーは、室内用の猫の遊具であり、高さや素材、構造は多種多様である。数段程度の階層構造になっているものが多く、猫が隠れることのできる箱型のスペースが備えられているものもある。
多くの猫は、自分の縄張りを見渡すのに十分な高さがあるものを好むとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
キャットタワーには、その支柱が床から天井まで延びるものがある。猫がキャットタワーに勢いよく飛び乗ったり飛び降りたりしても、キャットタワーが大きく傾いたり倒れたりしないようにする必要がある。そこで、いわゆる突っ張り棒(伸縮棒)のように、キャットタワーの支柱を床面と天井面にそれぞれ押し付けて固定するものが多い。
しかし、突っ張り棒方式のキャットタワーでは、猫の動きの反動等により支柱の上端が横滑りして、天井面への押付力が急激に低下する。これにより、キャットタワーが倒れやすくなってしまうという課題がある。
【0005】
本発明は、猫の動きの反動等を受けても天井面への押付力を維持して、転倒を回避できるキャットタワーを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施態様に係るキャットタワーは、床面と天井面の間に配置されるキャットタワーであって、床面から鉛直方向に延在する支柱と、前記支柱の上端に立設するネジ軸と、前記ネジ軸の先端に支承されつつ、天井面に密着する押当部と、前記ネジ軸に螺合して前記押当部に対向する押付力調整部と、前記ネジ軸が挿通して前記押当部と前記押付力調整部との間で圧縮される圧縮バネと、を有する支柱ユニットを備えることを特徴とする。
【0007】
前記押当部は、下面中央に開口して前記ネジ軸の先端部を収容する収容穴を有し、前記収容穴の内径が前記ネジ軸の直径よりも大きく形成されることを特徴とする。
【0008】
前記押付力調整部は、前記ネジ軸に螺合するナットと、前記ネジ軸が挿通して前記ナットに密着する円盤と、を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の実施態様に係るキャットタワーは、複数の前記支柱ユニットと、前記支柱ユニットの支柱どうしの間に水平に架け渡される架橋板と、を備えることを特徴とする。
前記架橋板は、前記支柱の鉛直方向の中間よりも上側に配置される、ことを特徴とする。
前記架橋板を複数枚備える、前記架橋板どうしの鉛直方向における距離は、前記支柱どうしの距離よりも大きく設定される、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明のキャットタワーは、猫の動きの反動等を受けても天井面への押付力を維持して、転倒を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図3】支柱ユニット5の上端部を示す斜視図である。
【
図4】支柱ユニット5の上端部を示す縦断面図である。
【
図5】ネジ軸14に支承さえる押当板15を示す図である(正常時)。
【
図6】ネジ軸14に支承さえる押当板15を示す図である(横滑り後)。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態のキャットタワー1について、図面を参照して説明する。
図1は、キャットタワー1を示す斜視図である。
図2は、キャットタワー1を示す正面図である。
図3は、支柱ユニット5の上端部を示す斜視図である。
図4は、支柱ユニット5の上端部を示す縦断面図である。
【0013】
キャットタワー1は、床面Fと天井面Cの間に配置される愛玩動物飼育観賞用品である。つまり、キャットタワー1は、室内用の猫の遊具である。
【0014】
キャットタワー1は、2つの支柱ユニット5、この2つの支柱ユニット5の間に架け渡される2つの架橋板6、6つの階層板7を備える。
支柱ユニット5は、床面Fと天井面Cにそれぞれ密着するように配置される。架橋板6は、略楕円形の平板であり、鉛直方向の2か所において水平に配置される。架橋板6は、2つの支柱ユニット5の間に橋をかけるように配置される。
階層板7は、扇形や円形等の部材であって、鉛直方向の複数において左右方向に水平に突出するように配置される。
【0015】
支柱ユニット5は、床面側から順に、ベース11、支柱12、ガード板13を有する。
ベース11は、床面Fに密着する平板形の部材であり、底面に滑り止め(付図示)が配置される。
支柱12は、床面Fの上面に立設して鉛直方向に延在する円柱部材である。支柱12の外周面には、猫が爪研ぎを行うための麻紐が隙間なく巻き付けられる。
ガード板13は、支柱12の上端に配置された円形平板であり、麻紐の上端が解けないようにガードする。ガード板13と天井面Cの間には、例えば10~15cm程度の隙間(空間)が設けられる。
【0016】
また、支柱ユニット5は、ガード板13と天井面Cの間に、以下の部材を有する。すなわち、支柱ユニット5は、ネジ軸14、押当板15、圧縮バネ16、押付力調整部20を有する。
ネジ軸14は、支柱12(ガード板13)の上端面の中央に立設して鉛直方向に延在する細長い棒状部材である。この棒状部材の外周面にネジが切られている。ネジ軸14は、天井面Cまであと約3cm程度の位置まで延びる。
ネジ軸14の基端には、ネジ軸14の緩み止めとしてナット17が螺合され、ナット17はガード板13を下方に向けて押し付ける。
【0017】
押当板(押当部)15は、ネジ軸14の上端に支承されつつ、天井面Cに密着する円盤形の部材である。押当板15の厚みは、約2cmmである。
押当板15の下面中央には、ネジ軸14の上端部を収容する収容穴15aが開口する。この収容穴15aの深さは、例えば10mm~15mmである。また、この収容穴15aは、その内径がネジ軸14の直径よりも大きく形成される。例えば、ネジ軸14の外径が6mmのとき、収容穴15aの内径が8mm~9mmである。
押当板15の収容穴15aにネジ軸14を収容することにより、押当板15がネジ軸14の上端に支承される。ネジ軸14は、その先端部が収容穴15aに収容された状態で押当板15に支持されるので、ネジ軸14が押当板15に対して垂直になったり、傾斜したりすることができる(
図5、
図6参照)。
【0018】
押付力調整部20は、ネジ軸14に螺合して押当板15に対向する部材である。
圧縮バネ16は、コイルバネであり、その中心にネジ軸14が挿通される。そして、圧縮バネ16は、押当板15と押付力調整部20との間に配置されて圧縮される。
【0019】
押付力調整部20は、ナット21と円盤22からなる。
ナット21は、ネジ軸14に下側に螺合する。円盤22は、圧縮バネ16の外径よりも大きな直径を有する円形の板材である。円盤22は、その中央に貫通穴22bを有し、この貫通穴22bにネジ軸14が挿通され、ナット21の上面に密着配置される。そして、円盤22の上面には、圧縮バネ16の下端が密着する。
ナット21を回転させて、ネジ軸14に沿って上方に移動させると、円盤22と押当板15の間に配置された圧縮バネ16が徐々に収縮する。圧縮バネ16を収縮させることにより、押当板15の天井面Cへの押付力が増大する。
逆に、ナット21をネジ軸14に沿って下方に移動させると、圧縮バネ16が徐々に伸長する。圧縮バネ16を伸長させることにより、押当板15の天井面Cへの押付力が減少する。
このように、押付力調整部20のナット21を回転させて上下(鉛直)方向に移動させることにより、押当板15の天井面Cへの押付力を調整できる。つまり、押付力調整部20の調整により、支柱ユニット5を床面Fと天井面Cの間に良好に配置することができる。
【0020】
図5は、ネジ軸14に支承さえる押当板15を示す図である(正常時)。
図6は、ネジ軸14に支承さえる押当板15を示す図である(横滑り後)。
キャットタワー1には、猫が勢いよく飛び乗ったり飛び降りたりする。このとき、猫の動きの反動等により支柱ユニット5の上端に配置した押当板15が横滑りすることがある。
しかし、キャットタワー1では、押当板15が支柱12から延在するネジ軸14に支承されているので、押当板15は天井面Cに密着しつづける。
図5に示す状態(正常時)から、
図6に示す状態(横滑り後)になっても、押当板15は天井面Cに密着する。
しかも、押当板15は、圧縮バネ16により天井面Cに向けて押し付けられている。押当板15が横滑りしても、押当板15と押付力調整部20との距離は殆ど変化しない。このため、押当板15の天井面Cへの押付力(押圧力)が維持される(
図6参照)。
したがって、天井面Cへの押付力が急激に低下して、キャットタワー1が倒れやすくなることが防止される。
【0021】
また、キャットタワー1は、複数の支柱ユニット5と、支柱ユニット5の支柱12どうしの間に架け渡される架橋板6を備える。このため、猫の動きの反動等は、架橋板6を介して2つの支柱ユニット5(支柱12)に分散して伝達される。
したがって、キャットタワー1では、押当板15の横方向への滑りが少なくなり、押当板15の天井面Cへの押付力が急激に低下することを防止できる。よって、キャットタワー1が倒れやすくなることが効果的に防止できる。
【0022】
また、キャットタワー1では、架橋板6が2つの支柱12の鉛直方向の中間よりも上側に配置される。架橋板6を支柱12の上側に配置することにより、猫の動きの反動等を、押当板15に近い位置で分散できる。これにより、押当板15の横方向への滑りをより少なくすることができる。よって、キャットタワー1が倒れやすくなることが効果的に防止できる。
【0023】
さらに、架橋板6を2枚(複数枚)備え、架橋板6どうしの鉛直方向における距離Hを支柱12どうしの距離Lよりも大きく設定している。これにより、猫の動きの反動等を受けても、2つの支柱12の姿勢がねじれづらくなる。つまり、猫の動きの反動等が2つの支柱12に確実に分散して伝達される。これにより、押当板15の横方向への滑りをより少なくすることができる。よって、キャットタワー1が倒れやすくなることが効果的に防止できる。
【0024】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。実施形態で挙げた具体的な形状や構成等は一例にすぎず、適宜変更が可能である。
【0025】
架橋板6は、2枚の場合に限らず、3枚以上であってもよい。
複数枚の架橋板6を備えるとき、これら架橋板6の配置位置は、その半数以上が支柱12の鉛直方向の中間よりも上側であることが好ましい。
複数枚の架橋板6を備えるとき、各架橋板6は同一形状に限らず、異なる形状であってもよい。
【0026】
支柱ユニット5は、1つでもよく、また3つ以上であってもよい。
キャットタワー1が複数の支柱12を有するとき、全ての支柱12が支柱ユニット5を構成する必要はない。つまり、天井面Cに密着しない(押当板15を有しない)支柱12があってもよい。
【符号の説明】
【0027】
1 キャットタワー
5 支柱ユニット
6 架橋板
7 階層板
11 ベース
12 支柱
13 ガード板
14 ネジ軸
15 押当板(押当部)
15a 収容穴
16 圧縮バネ
17 ナット
20 押付力調整部
21 ナット
22 円盤
22b 貫通穴
F 床面
C 天井面
H 距離(鉛直方向)
L 距離(水平方向)