(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058032
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】安全装置及び自動倉庫
(51)【国際特許分類】
B65G 1/00 20060101AFI20240418BHJP
【FI】
B65G1/00 511A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022165139
(22)【出願日】2022-10-14
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】清水 真二
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022AA15
3F022FF01
3F022MM52
3F022NN55
(57)【要約】
【課題】昇降装置を、降下抑止部の状態に応じて、より適切に制御できるようにすることを目的とする。
【解決手段】安全装置70は、昇降経路に沿って昇降台32を昇降させる昇降装置30のための装置である。安全装置70は、前記昇降経路において前記昇降台32の昇降を妨げない第1状態S1と、前記昇降経路において前記昇降台32の昇降を妨げる第2状態S2との切り替えが可能であり、前記第2状態S2において前記昇降台32の降下を抑制する降下抑止部71と、前記降下抑止部71の状態を把握する状態把握部78と、前記昇降装置30を制御する制御部90と、を備える。前記制御部90は、前記降下抑止部71が前記第2状態にあることを前記状態把握部78が把握した場合に、前記昇降装置30を停止維持状態にする。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降経路に沿って昇降台を昇降させる昇降装置のための安全装置であって、
前記昇降経路において前記昇降台の昇降を妨げない第1状態と、前記昇降経路において前記昇降台の昇降を妨げる第2状態との切り替えが可能であり、前記第2状態において前記昇降台の降下を抑制する降下抑止部と、
前記降下抑止部の状態を把握する状態把握部と、
前記昇降装置を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記降下抑止部が前記第2状態にあることを前記状態把握部が把握した場合に、前記昇降装置を停止維持状態にする、安全装置。
【請求項2】
請求項1に記載の安全装置であって、
前記降下抑止部を前記第2状態に維持する第2状態維持部をさらに備える、安全装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の安全装置であって、
前記降下抑止部は、前記昇降装置に対して着脱可能な部材であり、
前記昇降装置から外された前記降下抑止部を保管する保管部をさらに備え、
前記状態把握部は、前記降下抑止部が前記保管部に保管されている場合に前記第1状態にあると把握し、前記降下抑止部が前記保管部に保管されていない場合に前記第2状態にあると把握する、安全装置。
【請求項4】
請求項3に記載の安全装置であって、
前記降下抑止部は、前記第2状態において、前記昇降台の昇降方向に交差する方向に沿って延びる杆状部材である、安全装置。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載の安全装置であって、
前記状態把握部は、前記降下抑止部の状態を検出するセンサを含む、安全装置。
【請求項6】
請求項1又は請求項2に記載の安全装置であって、
前記降下抑止部を前記第1状態に維持する第1状態維持部をさらに備える、安全装置。
【請求項7】
請求項1又は請求項2に記載の安全装置と、
前記降下抑止部が設けられる昇降装置と、
物の保管棚と、
複数の水平搬送体と、を備える、自動倉庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、安全装置及び自動倉庫に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、格納棚と、入庫用仮置き棚と、入庫用昇降機構部と、出庫用仮置き棚と、出庫用昇降機構部と、移載台車とを備える自動倉庫を開示している。入庫用コンベアで搬送された物品は、入庫用昇降機構部から入庫用仮置き棚及び移載台車を経由して格納棚に入庫され、格納保管される。また、格納棚に格納保管された物品は、移載台車から出庫用仮置き棚及び出庫用昇降機構部を経由して、出庫用コンベアに出庫される。入庫用昇降機構部及び出庫用昇降機構部において、物品は、昇降移載部上に載置された状態で、昇降される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
昇降装置のメンテナンス時などに昇降装置に降下抑止部が設けられることがある。例えば、降下抑止部は、昇降台の昇降経路上に位置するように設けられて昇降台の降下移動を規制する。この場合、降下抑止部は、昇降装置の運転再開前に昇降経路上から外される必要がある。昇降装置が、降下抑止部の状態に応じて、より適切に制御されることが要請される。
【0005】
そこで、本開示は、昇降装置を、降下抑止部の状態に応じて、より適切に制御できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、安全装置は、昇降経路に沿って昇降台を昇降させる昇降装置のための安全装置であって、前記昇降経路において前記昇降台の昇降を妨げない第1状態と、前記昇降経路において前記昇降台の昇降を妨げる第2状態との切り替えが可能であり、前記第2状態において前記昇降台の降下を抑制する降下抑止部と、前記降下抑止部の状態を把握する状態把握部と、前記昇降装置を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記降下抑止部が前記第2状態にあることを前記状態把握部が把握した場合に、前記昇降装置を停止維持状態にする。
【発明の効果】
【0007】
この安全装置によると、昇降装置を、降下抑止部の状態に応じて、より適切に制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係る自動倉庫を示す概略側面図である。
【
図3】自動倉庫の入庫側の構成部分を示す概略正面図である。
【
図4】自動倉庫の入庫側の構成部分を示す概略側面図である。
【
図5】自動倉庫の入庫側の構成部分を示す概略平面図である。
【
図10】制御回路部のうち安全装置にかかる部分の概略回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態に係る安全装置及びこれを備える自動倉庫について説明する。
【0010】
<自動倉庫について>
自動倉庫の全体構成について説明する。
図1は自動倉庫20を示す概略側面図であり、
図2は自動倉庫20を示す概略平面図である。
【0011】
自動倉庫20は、入庫用コンベア16と、出庫用コンベア18と、昇降装置30と、水平搬送体40と、保管棚50と、移載装置60と、安全装置70とを備える。
【0012】
入庫用コンベア16は、保管棚50の外側位置から保管棚50に近づく位置に向けて物10を搬送する外側搬送装置の一例である。出庫用コンベア18は、保管棚50に近い位置から保管棚50からより離れた外側位置に向けて物10を搬送する外側搬送装置の一例である。入庫用コンベア16及び出庫用コンベア18は、例えば、ローラコンベア又はベルトコンベアである。
【0013】
保管棚50は、水平搬送体40の走行路48の少なくとも一方側に設けられる。ここでは、走行路48の両側に一対の保管棚50が設けられる。保管棚50は、上下方向において間隔をあけて支持された複数段の棚52を有する。それぞれの段の棚52が物10を支持して保管することができる。各段における棚52においても、複数の物10を支持することができる。このため、保管棚50全体として見ると、複数の物10が上下左右に配列した状態で格納される。保管棚50において、物10が格納される空間が格納空間である。このため、保管棚50には、走行路48を走行する水平搬送体40の移動方向に沿って並ぶ複数の格納空間が形成される。各格納空間は仕切無く連続していてもよいし、仕切られていてもよい。
【0014】
走行路48は、保管棚50の延在方向に沿って、ここでは、一対の保管棚50の間で、その間の延在方向に沿って設けられている。走行路48は、保管棚50の延在方向に沿い、かつ、移載装置60迄延在している。走行路48は、上下の複数の棚段のそれぞれに対応して設けられている。各走行路48は、例えば、一対のレールを備えた構成であってもよい。レールは、保管棚50の横フレームを兼ねていてもよいし、保管棚50とは別体として構成されていてもよい。
【0015】
水平搬送体40は、ピッカー又はドーリーとも呼ばれる装置であり、上記走行路48を往復走行可能に構成されている。水平搬送体40には、保管棚50及び移載装置60に対して物10を出し入れする物出し入れ機構42が設けられている。物出し入れ機構42は、保管棚50及び移載装置60に対して出退可能な一対のアーム43を有しており、当該一対のアーム43の先端に設けられた爪44によって物10を水平搬送体40と保管棚50若しくは移載装置60との間で移動させる(
図3参照)。保管棚50に対しては、走行路48側から物10が出し入れされる。走行路48を走行する水平搬送体40は、一対の保管棚50の両方に対して物10を出し入れすることができる。水平搬送体40は、保管棚50に対し物10を入庫又は出庫するための装置の一例である。
【0016】
本実施形態では、複数の走行路48及び複数の水平搬送体40が、上下の各棚段に対応して設けられている例で説明するが、これは必須ではない。例えば、上下の複数の棚段に共通する1つの走行路が設けられ、当該走行路を移載台車が走行してもよい。この場合、移載台車に昇降機構を設けて、上下の複数の棚に対して格納物を出し入れできるようにするとよい。また、1つの走行路に対して複数の移載台車が走行してもよい。
【0017】
保管棚50の延在方向の一部には昇降装置30及び移載装置60が設けられる。本実施形態では、一対の保管棚50のそれぞれの一端部に入庫用の移載装置60、入庫用の昇降装置30及び入庫用コンベア16が設けられる。また、一対の保管棚50のそれぞれの他端部に出庫用の移載装置60、出庫用の昇降装置30及び出庫用コンベア18が設けられる。一対の保管棚50の長手方向中間部に、移載装置、昇降装置及び入出庫用コンベアが設けられてもよい。移載装置、昇降装置及びコンベアは、入庫用と出庫用とに分けられている必要は無く、入出庫兼用とされてもよい。
【0018】
移載装置60は、仮置き棚とも呼ばれる部分であり、昇降装置30と水平搬送体40との間で物を中継する装置である。移載装置60は、複数の棚段それぞれに対応する複数の支持台62を備える。複数の支持台62は、保管棚50の隣の位置で、対応する棚52と同じ高さ位置に設けられる。支持台62は、例えば、ローラ62aを有するローラコンベアである。ローラ62aに内蔵されたモータを回転駆動することによって、物10を搬送方向に沿って移動させることができる。支持台62上の物10は、別途設けられたシリンダ等のアクチュエータによって駆動されるプッシャによって搬送方向に沿って押されて移動してもよい。各棚段に対応して設けられた水平搬送体40が、当該棚段において、支持台62及び棚52に対して物10を移載することができる。
【0019】
昇降装置30は、水平搬送体40、又は、外側搬送装置である入庫用コンベア16若しくは出庫用コンベア18に対して直接又は間接的に物10を渡す又は受取る昇降装置である。本実施形態では、入庫用の昇降装置30は、入庫用コンベア16から直接物10を受取る。入庫用コンベア16は、物10を、入庫用の移載装置60を介して間接的に水平搬送体40に渡す。また、出庫用の昇降装置30は、出庫用の移載装置60を介して間接的に水平搬送体40から物を受取る。出庫用の昇降装置30は、出庫用コンベア18に直接物を渡す。昇降装置30は、移載装置60に対して直接物10を渡したり、受取ったりしてもよい。
【0020】
上記昇降装置30は物10を昇降させる装置であり、リザーバとも呼ばれる装置である。昇降装置30は、物10を支持した状態で昇降する昇降台32を備える。昇降台32は、例えば、ローラ33aを有するローラコンベアである。複数のローラ33aは、例えば、枠部によって並列配置された状態で回転可能に支持される。ローラ33aに内蔵されたモータを回転駆動することによって、物10を搬送方向に沿って移動させることができる。昇降台32上の物10は、別途設けられたシリンダ等のアクチュエータによって駆動されるプッシャによって搬送方向に沿って押されて移動してもよい。昇降台32はローラ33aを支持するフレーム32fを有する。フレーム32fは、柱31に沿って昇降可能に支持される。昇降台32は、昇降駆動機構34によって昇降駆動される。昇降駆動機構34は、例えば、駆動源34aと、循環回転体34bとを有している。駆動源34aは、例えば、電気的に駆動制御されるモータである。循環回転体34bは、チェーン又は循環ベルトであり、柱31の上下に回転可能に支持されたスプロケット又はプーリーに巻掛けられている。そして、駆動源34aを回転させることで、循環回転体34bが循環回転され、これにより、当該循環回転体34bに連結された昇降台32が昇降する。駆動源34aの動作に連動して昇降台32が昇降駆動されることで、昇降台32が、移載装置60の隣の位置で、複数の支持台62のそれぞれに対応する位置に昇降移動される。昇降台32がいずれかの支持台62に対応する高さに位置することで、物10が昇降台32と支持台62との間で水平移動して移載されることができる。また、昇降台32が、入庫用コンベア16若しくは出庫用コンベア18のうち保管棚50に近い端部の隣の位置で、当該入庫用コンベア16若しくは出庫用コンベア18のそれぞれに対応する位置に昇降移動される。昇降台32が入庫用コンベア16若しくは出庫用コンベア18に対応する高さに位置することで、物10が昇降台32と入庫用コンベア16若しくは出庫用コンベア18との間で水平移動して移載されることができる。
【0021】
制御部90は、入庫用コンベア16及び出庫用コンベア18の搬送動作、昇降装置30の昇降動作、移載動作、移載装置60における移載動作、水平搬送体40の走行動作、物10の出入動作を制御する。この自動倉庫20においては、制御部90による制御下、物10の入庫、及び、出庫がなされる。
【0022】
制御部90は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ、記憶部等を含むコンピュータを備える。記憶部は、フラッシュメモリ或はハードディスク装置等の不揮発性の記憶装置によって構成されている。プロセッサは、記憶部に予め格納されたプログラムに従って処理を行うことで、自動倉庫20の入出庫に係る動作を制御する。自動倉庫20の入出庫に係る動作の一例が、物10を、出庫用コンベア18から昇降装置30、移載装置60及び水平搬送体40を経て保管棚50に移載する入庫動作である。また、自動倉庫20の入出庫に係る動作の他の一例が、物10を、保管棚50から水平搬送体40、移載装置60及び昇降装置30を経て出庫用コンベア18に移載する出庫動作である。プロセッサは、単コアプロセッサであってもよいし、マルチコアプロセッサであってもよい。制御部90による処理は、単一のコンピュータによって行われてもよいし、互いに連結する複数のコンピュータによって行われてもよい。
【0023】
制御部90と、昇降装置30、移載装置60及び水平搬送体40とは、通信可能に接続されている。制御部90による制御下、昇降装置30における昇降動作及び移載動作、移載装置60における移載動作、水平搬送体40における走行及び物10の出し入れ制御がなされる。例えば、制御部90は、昇降装置30に関して、昇降駆動機構34を駆動制御することによって昇降台32の昇降タイミング及び昇降速度を制御し、ローラに内蔵された駆動部を駆動制御することによって昇降台32上における物10の搬送タイミング等を制御することができる。
【0024】
入庫される物10に着目すると、
図3に示すように、入庫用コンベア16等によって入庫される物10が昇降装置30に移載される。すると、昇降装置30は、当該物10を、その物10が格納される棚段に対応する位置に昇降移動させる。この後、昇降台32に支持された物10が移載装置60に移載される。移載装置60によって支持された物10は、水平搬送体40に移載される。水平搬送体40は、物10を支持した状態で走行路48を走行し、保管棚50における物10の格納予定位置に向けて移動する。水平搬送体40が格納予定位置に達すると、物10が水平搬送体40から保管棚50に移載され、当該物10が保管棚50に格納される。昇降装置30によって物10が格納予定となる棚段の位置に昇降された後、水平搬送体40が当該物10を取込むまで、物10が移載装置60に一時的に支持される。このため、昇降装置30及び水平搬送体40の待機時間を減らすことができ、物10の入庫が効率的に行われる。
【0025】
出庫される物10に着目すると、当該物10の格納位置に対応する棚段の水平搬送体40が、当該物10の格納位置に対応する位置に走行移動する。この後、水平搬送体40が保管棚50から物10を取込む。物10を取込んだ水平搬送体40は、出庫用の移載装置60に向けて移動し、物10を移載装置60に移載する。出庫用の昇降装置30は、昇降台32を、当該出庫される物10に対応する棚段の位置に昇降移動させる。そして、当該棚段において移載装置60上の物10が昇降台32に移載される。出庫用の昇降装置30は、昇降台32を出庫に適した位置、例えば、出庫用コンベア18の高さ位置に移動させる。この後、物10が当該出庫用コンベア18に移載される。物10は、出庫用コンベア18によって外部に出庫される。水平搬送体40が出庫用の移載装置60に向けて移動した後、昇降台32が出庫のための高さ位置に移動するまで、物10が移載装置60に一時的に支持され得る。このため、出庫に際しても、昇降装置30及び水平搬送体40の待機時間を減らすことができ、物10の出庫が効率的に行われる。
【0026】
なお、本自動倉庫20においては、物10が入庫される際に、当該物10の特定情報(物の識別符号又は識別名称)と格納位置とを対応付けたデータベースが生成、更新される。物10が入庫される際、当該データベースを参照することで、保管棚50における空き位置が特定され、当該空き位置のうちの1つが格納予定位置として選ばれる。また、物10が出庫される際には、データベースを参照することで、当該物10の格納位置が特定される。データベースは、上記制御部90における記憶部に格納されてもよいし、他の記憶部に格納されてもよい。
【0027】
昇降装置30は、作業者Wによるメンテナンス作業を受けることがある。メンテナンス作業の一つとして、昇降台32が上方に位置する状態で、昇降台32よりも下方部分に対する作業が想定される。例えば、駆動源34aが柱31の下部に配置される場合に、昇降台32が上方に位置する状態での駆動源34aに対する作業が想定される。係るメンテナンス作業を受ける昇降装置30が、より適切に運用されるために、安全装置70が設けられる。
【0028】
<安全装置について>
図3は、自動倉庫20の入庫側の構成部分を示す概略正面図である。
図4は、自動倉庫20の入庫側の構成部分を示す概略側面図である。
図5は、自動倉庫20の入庫側の構成部分を示す概略平面図である。
図6は、昇降台32及び降下抑止部71を示す側面図である。
図7は、昇降台32及び降下抑止部71を示す正面図である。
図8は、保管部74及び降下抑止部71を示す平面図である。
図9は、
図8のIX-IX線に沿った断面図である。
【0029】
安全装置70は、昇降装置30のための安全装置であり、昇降装置30において昇降台32の降下を抑制する。安全装置70は、降下抑止部71と状態把握部78と制御部90とを備える。降下抑止部71は、第1状態S1と第2状態S2との切り替えが可能である。第1状態S1は、昇降経路において昇降台32の昇降を妨げない状態である。第2状態S2は、昇降経路において昇降台32の昇降を妨げる状態である。降下抑止部71は、第2状態S2において昇降台32の降下を抑制する。例えば、昇降装置30の通常運転時に降下抑止部71が第1状態S1とされ、昇降装置30のメンテナンス時に降下抑止部71が第2状態S2とされる。降下抑止部71が第2状態S2となることで、昇降台32の万一の降下が抑制される。
【0030】
降下抑止部71が昇降台32と接触できる位置にあるときに、昇降台32が降下して降下抑止部71と接触すると、昇降台32又は降下抑止部71が損傷する恐れがある。これを抑制するため、状態把握部78及び制御部90は、昇降台32と降下抑止部71とがなるべく接触しないように構成されている。状態把握部78は、降下抑止部71の状態を把握する。制御部90は、昇降装置30を制御する。制御部90は、降下抑止部71が第2状態S2にあることを状態把握部78が把握した場合に、昇降装置30を停止維持状態にする。従って、降下抑止部71が昇降台32と接触できる位置にあるとき、昇降装置30が停止維持状態とされることによって、昇降台32と降下抑止部71との接触がより確実に抑制される。以下、安全装置70における各部について、より具体的に説明する。
【0031】
<降下抑止部>
ここでは降下抑止部71は、昇降装置30に対して着脱可能な部材である。昇降装置30に対する降下抑止部71の着脱操作が、降下抑止部71における第1状態S1及び第2状態S2の切り替え操作と関係する。降下抑止部71において、昇降装置30に対して外された状態が第1状態S1であり、昇降装置30に対して装着された状態が第2状態S2である。
【0032】
ここでは、降下抑止部71を第1状態S1及び第2状態S2に切り替えるための装置(降下抑止部71を昇降装置30に対して着脱するための装置)は設けられておらず、第1状態S1及び第2状態S2の切り替え(昇降装置30に対する降下抑止部71の着脱)は作業者Wが行う。降下抑止部71を第1状態S1及び第2状態S2に切り替えるための装置(降下抑止部71を昇降装置30に対して着脱するための装置)が設けられていてもよい。
【0033】
降下抑止部71として、杆状部材71が設けられている。杆状部材71は、第2状態S2において、昇降台32の昇降方向に交差する方向(ここでは複数のローラ33aが並ぶ方向)に沿って延びる。杆状部材71は、本体部72と鍔部73とを有する。本体部72は、例えば、バー又はパイプなどの長尺な部材である。鍔部73は本体部72の外周部に設けられる。鍔部73は本体部72の長手方向に沿って一方端部に寄った位置に部分的に設けられる。本体部72のうち鍔部73よりも長手方向に沿った一方端部側の部分は、作業者Wが杆状部材71を着脱する際、本体部72を把持するための把持部とされる。
【0034】
図6に示すように、杆状部材71は、柱31に形成された貫通孔31hに杆状部材71の本体部72が挿し込まれることによって、第2状態S2とされる。鍔部73は柱31のうち貫通孔31hの周縁部に引っ掛かり、杆状部材71の抜けを抑制する。柱31のうち貫通孔31hが形成された部分は、降下抑止部71を第2状態S2に維持する第2状態維持部76の一例である。また、柱31のうち貫通孔31hが形成された部分は、降下抑止部71を受ける受部とみなすことができる。このように安全装置70は、第2状態維持部76をさらに備えてもよい。
【0035】
安全装置70は、昇降装置30から外された降下抑止部71を保管する保管部74をさらに備える。保管部74は、杆状部材71の本体部72を挿入可能な鞘状に形成される。杆状部材71の本体部72は、保管部74における長手方向一端部の開口から保管部74内に挿入される。杆状部材71の鍔部73が、保管部74の一端部の開口周縁部に引っ掛かることによって、杆状部材71の抜けが抑制され、杆状部材71が保管部74に保管された状態となる。ここでは、保管部74は、降下抑止部71を第1状態S1に維持する第1状態維持部74として機能する。このように安全装置70は、第1状態維持部74をさらに備えてもよい。
【0036】
図9に示すように、保管部74は、鉛直方向に延びるように支持される。杆状部材71の本体部72は、保管部74における鉛直方向上方の開口から挿入される。鍔部73が保管部74の上端部の開口周縁に引っ掛かることによって、杆状部材71が保管部74に保管された状態となる。もっとも保管部74は、水平方向に延びるように支持されていてもよい。
【0037】
<状態把握部>
状態把握部78は、降下抑止部71が第1状態S1にあるか、又は、第2状態S2にあるかを把握する。ここでは、状態把握部78は、降下抑止部71が保管部74に保管されている場合に第1状態S1にあると把握し、降下抑止部71が保管部74に保管されていない場合に第2状態S2にあると把握する。つまり、状態把握部78は、降下抑止部71が保管部74から持ち出されている状態を第2状態S2にあると把握する。従って、状態把握部78は、降下抑止部71が昇降装置30に装着された状態のほか、降下抑止部71が保管部74にある状態と昇降装置30に装着された状態との間の移行中の状態も、第2状態S2にあると把握する。これにより、降下抑止部71の装着途中の段階も、昇降装置30がより確実に停止維持状態となる。
【0038】
状態把握部78は、降下抑止部71の状態を検出するセンサ79を含む。センサ79は、降下抑止部71が保管部74にあるかどうか、又は、保管部74における降下抑止部71の位置を検出する。ここでは、センサ79として、リミットスイッチ79が設けられている。センサ79は、光電スイッチ又は近接スイッチなどであってもよい。
【0039】
リミットスイッチ79は、アクチュエータ部分80とスイッチ部分81とを有する。
図9に示す例では、アクチュエータ部分80は、ローラレバータイプとされている。アクチュエータ部分80は、ローラレバー以外のプランジャタイプ又はヒンジレバータイプなどであってもよい。杆状部材71が保管部74内を移動することによって、アクチュエータ部分80が回転する。例えば、スイッチ部分81はa接点(常開接点)とされ、杆状部材71が保管部74内に配置されることによるアクチュエータ部分80の回転によって、スイッチ部分81が閉じるように構成されていてもよい。例えば、スイッチ部分81は、リミットスイッチ79における筐体内部に配置されていてもよい。スイッチ部分81は配線82と接続される。配線82は外部の制御回路部品と接続される。
【0040】
ここではリミットスイッチ79はセンサ保持部83に保持されている。
図8に示すように、筒状のセンサ保持部83の内部にリミットスイッチ79のスイッチ部分81及びアクチュエータ部分80の基端部が収められていてもよい。この場合、
図9に示すように、保管部74及びセンサ保持部83の周壁のうち保管部74内の空間とセンサ保持部83内の空間とを仕切る部分には、アクチュエータ部分80を通すための窓部75、84が形成されているとよい。センサ保持部83は保管部74と一体とされていてもよい。センサ保持部83がボルトBなどによって保管部74の固定対象(例えば、後述する安全柵85)に固定されていてもよい。
【0041】
アクチュエータ部分80の基端部は保管部74の外側に位置する。杆状部材71が保管部74にない状態(
図9の実線に示す状態)で、アクチュエータ部分80の先端は、窓部75、84を通じて、保管部74における杆状部材71の移動経路上に突出する。このとき、スイッチ部分81は開状態となっている。杆状部材71が保管部74に挿入されると、杆状部材71がアクチュエータ部分80の先端と接触してアクチュエータ部分80を回転させる。杆状部材71が保管部74に保管された状態(
図9の二点鎖線に示す状態)では、アクチュエータ部分80の回転量は所定の回転量以上となっており、スイッチ部分81が閉状態となっている。杆状部材71が保管部74から抜かれると、アクチュエータ部分80の先端が杆状部材71と接触する状態が解消されて、アクチュエータ部分80が回転し、スイッチ部分81が開状態となる。
【0042】
安全装置70は、昇降装置30を囲う安全柵85をさらに備える。保管部74は、安全柵85の内部に配置される。これにより、降下抑止部71が安全柵85の外に持ち出されることを抑制できる。安全柵85の内部とは、安全柵85の内向き面であってもよいし、安全柵85の内側において安全柵85と離れた位置であってもよい。ここでは、保管部74は安全柵85の内向き面に配置される。例えば、安全柵85は、2つの昇降装置30に対応する2つのコンベア16の間に扉86を有する。保管部74は安全柵85のうち扉86の側方であって、一方のコンベア16の上方に配置される。
【0043】
ここでは、昇降装置30の配置される床から保管部74の上部開口までの高さは、作業者W(一般的な成人)の身長よりも高い位置にある。例えば、昇降装置30の下部に駆動源34aを収める筐体35が有り、作業者Wは筐体35に乗った状態で保管部74の上部開口にアクセスすることができる。保管部74の上部開口が高い位置にあることによって、必要時以外に杆状部材71が取り出されることを抑制できる。もっとも、昇降装置30の配置される床から保管部74の上部開口までの高さは、作業者W(一般的な成人)の身長と同じかそれよりも低い位置にあってもよい。
【0044】
安全柵85の扉86には、インターロック87が設けられる。制御部90は、インターロック87が開いている場合に昇降装置30を停止維持状態にする。作業者Wは安全柵85のインターロック87を開けてから安全柵85の内部の保管部74にアクセスする。この際、制御部90は、安全柵85のインターロック87が開いている場合に昇降装置30を停止維持状態にする。このため、作業者Wが安全柵85の内部の保管部74にアクセスする前に、昇降装置30を停止維持状態にすることができる。これにより、昇降装置30を、降下抑止部71の装着状態に応じて、より適切に制御できる。インターロック87の構成は特に限定されるものではなく、適宜設定可能である。以下では、インターロック87がリミットスイッチを含むものとして説明される。インターロック87は、リミットスイッチ以外の部材によって構成されていてもよい。例えば、インターロック87は、回路を短絡させる部品を含んでいてもよい。
【0045】
<制御部>
ここでは、制御部90は、降下抑止部71が第2状態S2にあるときに、昇降装置30を停止維持状態にし、降下抑止部71が第2状態S2にないときに、昇降装置30の停止維持状態を解除する。このため、昇降装置30の電源をオンにするには、降下抑止部71が第2状態S2にないことが必要となる。これによって、降下抑止部71が装着されたまま昇降装置30の運転が再開されることを抑制できる。なお、停止維持状態にする前に昇降台32が動いている場合、制御部90は、昇降台32を停止させてもよい。この場合、制御部90は、昇降台32の速度、停止位置などを制御してもよい。
【0046】
ここでは、制御部90は、安全装置70にかかる制御回路部92を有する。
図10は、制御回路部92のうち安全装置70にかかる部分の概略回路図である。リミットスイッチ79は制御回路部92に組込まれる。制御部90は、制御回路部92によって、降下抑止部71が第2状態S2にあるときに、昇降装置30を停止維持状態にし、降下抑止部71が第2状態S2にないときに、昇降装置30の停止維持状態を解除する。
【0047】
図10において、電源回路は、昇降装置30の駆動源34aなどの自動倉庫20の駆動部の電源を制御する回路であり、例えば、モータをオンオフする電磁接触器又は電磁開閉器などを含む。スイッチSWは、作業者Wが電源回路のオンオフを操作するためのスイッチである。リミットスイッチLS1は、保管部74におけるリミットスイッチ79である。リミットスイッチLS2は、インターロック87におけるリミットスイッチである。リレーRY1、RY2は、有接点リレーである。リレーRY1のコイル部は、リミットスイッチLS1と接続されている。リレーRY2のコイル部は、リミットスイッチLS2と接続されている。リレーRY1、RY2の接点部は、電源回路と直列に接続されている。
【0048】
リミットスイッチLS1において、保管部74に杆状部材71が保管されていない状態が開状態であり、保管部74に杆状部材71が保管されている状態が閉状態である。リミットスイッチLS1が開状態から閉状態となることによって、リレーRY1のコイル部が励磁され、リレーRY1の接点部が閉じる。リミットスイッチLS1が閉状態から開状態となることによって、リレーRY1のコイル部が消磁され、リレーRY1の接点部が開く。
【0049】
リミットスイッチLS2において、安全柵85の扉86が開いている状態が開状態であり、安全柵85の扉86が閉じている状態が閉状態である。リミットスイッチLS2が開状態から閉状態となることによって、リレーRY2のコイル部が励磁され、リレーRY2の接点部が閉じる。リミットスイッチLS2が閉状態から開状態となることによって、リレーRY2のコイル部が消磁され、リレーRY2の接点部が開く。
【0050】
自動倉庫20の駆動部の電源がオフの状態で、リミットスイッチLS1及びリミットスイッチLS2のいずれかが開状態であると、スイッチSWを操作しても自動倉庫20の駆動部の電源がオンとならない。また、自動倉庫20の駆動部の電源がオフの状態で、リミットスイッチLS1及びリミットスイッチLS2がいずれも閉状態で、スイッチSWをオンにしたときに自動倉庫20の駆動部の電源がオンとなる。また、自動倉庫20の駆動部の電源がオンの状態で、リミットスイッチLS1及びリミットスイッチLS2のいずれかが開状態となることで、自動倉庫20の駆動部の電源がオフとなる。
【0051】
つまり、自動倉庫20の駆動部の電源がオフの状態で、保管部74に杆状部材71が保管されていなかったり、安全柵85のインターロック87が開いていたりすると、自動倉庫20の駆動部の電源をオンにすることができない。自動倉庫20の駆動部の電源がオフの状態では、保管部74に杆状部材71が保管され、かつ、安全柵85のインターロック87が閉じている状態で、自動倉庫20の駆動部の電源をオンにすることができる。また、自動倉庫20の駆動部の電源がオンの状態では、安全柵85のインターロック87を開けるか、保管部74から杆状部材71を取り出すかすることによって、自動倉庫20の駆動部の電源がオフとなる。このように、安全装置70は、多重のインターロックとして機能する。
【0052】
ここでは、
図10に示す制御回路部92における各要素は、ハードウェアとして設けられている。
図10に示す制御回路部92における各要素の少なくとも一部は、上記ハードウェアとは別のハードウェアで実現されてもよい。また、
図10に示す制御回路部92における各要素の一部の機能は、ハードウェアとソフトウエアとの組み合わせによって実現されていてもよい。例えば、リレーRY1、RY2として、有接点リレーの代わりに、半導体リレーなどの無接点リレーが設けられてもよい。また例えば、状態把握部78のセンサ79として、上記リミットスイッチ79に代えて、スイッチと一体型でないセンサが設けられてもよい。係るセンサは、光電センサ又は近接センサなどであってもよいし、画像センサなどであってもよい。この場合、センサの検知結果に基づいて、スイッチを開閉するかを判定する判定部が、制御部90のコンピュータなどにプログラムとして設けられてもよい。また例えば、リレーRY1、RY2に代えて、PLC(Programmable Logic Controller)が設けられてもよい。PLCは、入力信号として状態把握部78のセンサ79に係る信号と、安全柵85のインターロック87に係る信号とを得て、電源回路のオンオフを制御してもよい。この場合、PLCは、上記判定部の機能を有しているとみなすこともできる。
【0053】
<昇降装置のメンテナンスについて>
作業者Wが昇降装置30のメンテナンスを行う場合について考える。
【0054】
作業者Wは、安全柵85の外側から安全柵85の扉86を開けて、安全柵85の内部に入る。このとき、安全柵85のインターロック87にかかるリミットスイッチLS2が閉状態から開状態となることによって、リレーRY2の接点部が開く。これにより、仮に昇降装置30の駆動源34aを含む自動倉庫20の駆動部がオンであった場合でも、自動倉庫20の駆動部がオフとされる。
【0055】
次に作業者Wは、保管部74から杆状部材71を取り出して、柱31にセットする。このとき、保管部74にかかるリミットスイッチLS1が閉状態から開状態となることによって、リレーRY1の接点部が開く。これにより、昇降装置30の駆動源34aを含む自動倉庫20の駆動部をオンにすることができず、駆動源34aが停止維持状態とされる。この状態で、作業者Wが昇降装置30をメンテナンスすることによって、より安全にメンテナンスを行うことができる。
【0056】
作業者Wは、メンテナンスが終了したら、杆状部材71を柱31から取り外して、保管部74に戻す。このとき、保管部74にかかるリミットスイッチLS1が開状態から閉状態となることによって、リレーRY1の接点部が閉じる。
【0057】
次に作業者Wは、安全柵85から外側に出て、インターロック87をセットする。このとき、安全柵85のインターロック87にかかるリミットスイッチLS2が開状態から閉状態となることによって、リレーRY2の接点部が閉じる。これにより、昇降装置30の駆動源34aを含む自動倉庫20の駆動部をオンにすることが可能な状態となる。
【0058】
仮に、作業者Wが杆状部材71を柱31から取り外し忘れた場合、保管部74にかかるリミットスイッチLS1が開状態から閉状態とならないことによって、リレーRY1の接点部が開いたままとなる。この場合、昇降装置30の駆動源34aを含む自動倉庫20の駆動部をオンにすることができなくなる。これにより、作業者Wが杆状部材71を柱31から取り外し忘れたまま、昇降装置30が作動することが抑制される。
【0059】
<効果等>
以上のように構成された安全装置70によると、制御部90は、降下抑止部71が第2状態S2にある場合に昇降装置30を停止維持状態にする。このため、降下抑止部71が第2状態S2にあるときに昇降台32が昇降することをより確実に抑制できる。これにより、昇降装置30を、降下抑止部71の状態に応じて、より適切に制御できる。
【0060】
また、安全装置70は、降下抑止部71を第2状態S2に維持する第2状態維持部76をさらに備える。これにより、降下抑止部71が意図せずに第2状態S2でなくなることを抑制できる。
【0061】
また、状態把握部78は、降下抑止部71が保管部74に保管されている場合に第1状態S1にあると把握し、降下抑止部71が保管部74に保管されていない場合に第2状態S2にあると把握する。これにより、状態把握部78は、降下抑止部71の状態を簡易に把握できる。
【0062】
また、降下抑止部71は、第2状態S2において、昇降台32の昇降方向に交差する方向に沿って延びる杆状部材71である。これにより、作業者Wが降下抑止部71を昇降装置30に着脱させやすい。
【0063】
また、状態把握部78は、降下抑止部71の状態を検出するセンサ79を含む。これにより、状態把握部78は、降下抑止部71の状態を把握しやすくなる。
【0064】
また、安全装置70は、降下抑止部71を第1状態S1に維持する第1状態維持部74をさらに備える。これにより、降下抑止部71は第1状態S1に維持されやすくなる。
【0065】
また以上のように構成された安全装置70を備える自動倉庫20によると、自動倉庫20における昇降装置30を、降下抑止部71の状態に応じて、より適切に制御できる。
【0066】
<変形例>
これまで、安全装置70が降下抑止部71を第2状態S2に維持する第2状態維持部76をさらに備えるものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。安全装置70は第2状態維持部76を備えていなくてもよい。
【0067】
またこれまで、降下抑止部71は昇降装置30に対して着脱可能な部材であり、安全装置70は昇降装置30から外された降下抑止部71を保管する保管部74をさらに備え、状態把握部78は降下抑止部71が保管部74に保管されている場合に第1状態S1にあると把握し、降下抑止部71が保管部74に保管されていない場合に第2状態S2にあると把握するものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。例えば、降下抑止部71は、昇降装置30に備え付けられた部材であってもよい。降下抑止部71が昇降装置30に装着された状態で、降下抑止部71における第1状態S1及び第2状態S2の切り替えが可能とされてもよい。この場合の降下抑止部71は、例えば、昇降経路から退避した位置と、昇降経路上に突出する位置との間で往復移動する部材などであってもよい。また例えば、安全装置70は保管部74を備えていなくてもよい。また例えば、状態把握部78は、杆状部材71が柱31部の貫通孔31hに差し込まれている状態を第2状態S2であると把握し、杆状部材71が柱31部の貫通孔31hに差し込まれていない状態を第1状態S1であると把握してもよい。
【0068】
またこれまで、降下抑止部71は、第2状態S2において、昇降台32の昇降方向に交差する方向に沿って延びる杆状部材71であるものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。降下抑止部71は、昇降台32の降下を抑制できるものであれば、如何なる形状であってもよく、例えば、板状部材などであってもよい。また、降下抑止部71は、昇降台32の降下を抑制できるものであれば、第2状態S2の姿勢は如何なる姿勢であってもよく、第2状態S2において、昇降台32の昇降方向に平行な方向に沿って延びてもよい。
【0069】
またこれまで、状態把握部78は、降下抑止部71の状態を検出するセンサ79を含むものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。例えば、降下抑止部71が昇降経路から退避した位置と、昇降経路上に突出する位置との間で往復移動する部材であり、安全装置70が降下抑止部71を往復移動させる駆動部を備える場合に、状態把握部78は駆動部の信号に基づいて降下抑止部71の状態を把握してもよい。
【0070】
またこれまで、安全装置70は降下抑止部71を第1状態S1に維持する第1状態維持部74をさらに備えるものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。安全装置70は第1状態維持部74を備えていなくてもよい。また、降下抑止部71が、昇降装置30に装着された状態で第1状態S1及び第2状態S2の切り替えが行われる部材の場合、第1状態維持部74は、降下抑止部71を昇降経路から外れた退避位置にロックさせるように構成されてもよい。
【0071】
なお、上記実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせることができる。
【0072】
本明細書及び図面は、下記の各態様を開示する。
【0073】
第1の態様は、昇降経路に沿って昇降台を昇降させる昇降装置のための安全装置であって、前記昇降経路において前記昇降台の昇降を妨げない第1状態と、前記昇降経路において前記昇降台の昇降を妨げる第2状態との切り替えが可能であり、前記第2状態において前記昇降台の降下を抑制する降下抑止部と、前記降下抑止部の状態を把握する状態把握部と、前記昇降装置を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記降下抑止部が前記第2状態にあることを前記状態把握部が把握した場合に、前記昇降装置を停止維持状態にする、安全装置である。
【0074】
この安全装置によると、制御部は、降下抑止部が第2状態にある場合に昇降装置を停止維持状態にする。このため、降下抑止部が第2状態にあるときに昇降台が昇降することをより確実に抑制できる。これにより、昇降装置を、降下抑止部の装着状態に応じて、より適切に制御できる。
【0075】
第2の態様は、第1の態様に係る安全装置であって、前記降下抑止部を前記第2状態に維持する第2状態維持部をさらに備える、安全装置である。これにより、降下抑止部が意図せずに第2状態でなくなることを抑制できる。
【0076】
第3の態様は、第1又は第2の態様に係る安全装置であって、前記降下抑止部は、前記昇降装置に対して着脱可能な部材であり、前記昇降装置から外された前記降下抑止部を保管する保管部をさらに備え、前記状態把握部は、前記降下抑止部が前記保管部に保管されている場合に前記第1状態にあると把握し、前記降下抑止部が前記保管部に保管されていない場合に前記第2状態にあると把握する、安全装置である。これにより、状態把握部は、降下抑止部の状態を簡易に把握できる。
【0077】
第4の態様は、第3の態様に係る安全装置であって、前記降下抑止部は、前記第2状態において、前記昇降台の昇降方向に交差する方向に沿って延びる杆状部材である、安全装置である。これにより、作業者が降下抑止部を昇降装置に着脱させやすい。
【0078】
第5の態様は、第1から第4のいずれか1つの態様に係る安全装置であって、前記状態把握部は、前記降下抑止部の状態を検出するセンサを含む、安全装置である。これにより、状態把握部は、降下抑止部の状態を把握しやすくなる。
【0079】
第6の態様は、第1から第5のいずれか1つの態様に係る安全装置であって、前記降下抑止部を前記第1状態に維持する第1状態維持部をさらに備える、安全装置である。これにより、降下抑止部は第1状態に維持されやすくなる。
【0080】
第7の態様は、第1から第6のいずれか1つの態様に係る安全装置と、前記降下抑止部が設けられる昇降装置と、物の保管棚と、複数の水平搬送体と、を備える、自動倉庫である。
【0081】
この自動倉庫によると、自動倉庫における昇降装置を、降下抑止部の状態に応じて、より適切に制御できる。
【0082】
上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【符号の説明】
【0083】
10 物
16 入庫用コンベア
20 自動倉庫
30 昇降装置
31 柱
31h 貫通孔
32 昇降台
34 昇降駆動機構
34a 駆動源
34b 循環回転体
40 水平搬送体
50 保管棚
52 棚
60 移載装置
62 支持台
70 安全装置
71 杆状部材(降下抑止部)
74 保管部(第1状態維持部)
76 第2状態維持部
78 状態把握部
79 リミットスイッチ(センサ)
83 センサ保持部
90 制御部
92 制御回路部