IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オムロン株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058058
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】表示システム
(51)【国際特許分類】
   B60K 35/00 20240101AFI20240418BHJP
   B60K 20/02 20060101ALI20240418BHJP
   B60S 1/08 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
B60K35/00 Z
B60K20/02 Z
B60S1/08 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022165179
(22)【出願日】2022-10-14
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155712
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 尚
(72)【発明者】
【氏名】篠原 正幸
(72)【発明者】
【氏名】岡安 裕
(72)【発明者】
【氏名】倉田 剛大
(72)【発明者】
【氏名】森 裕都
(72)【発明者】
【氏名】三品 匡央
(72)【発明者】
【氏名】北村 智和
【テーマコード(参考)】
3D040
3D225
3D344
【Fターム(参考)】
3D040AA10
3D040AA33
3D040AA40
3D040AC04
3D040AC36
3D225AA01
3D225AB01
3D225AC01
3D225AD02
3D225AD03
3D225AG77
3D344AA21
3D344AA26
3D344AD01
3D344AD05
3D344AD13
(57)【要約】
【課題】車両の搭乗者の認識性が高い表示システムを実現する。
【解決手段】表示システム(1A)は、複数のモードを有する車両の運転装置において選択されているモードを示す画像を表示する画像表示部(10)を備える。画像表示部(10)は、前記複数のモードのそれぞれを示す画像の全てを表示するとともに、選択されているモードを示す画像を、選択されていないモードを示す画像とは、色、輝度、文字の書式、および大きさのうちの少なくとも1つが異なるように表示する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の内部に設置される表示システムであって、
複数のモードを有する前記車両の運転装置において選択されているモードを示す画像を表示する画像表示部を備え、
前記画像表示部は、
前記複数のモードのそれぞれを示す画像の全てを表示するとともに、
選択されているモードを示す画像を、選択されていないモードを示す画像とは、色、輝度、文字の書式、および大きさのうちの少なくとも1つが異なるように表示する、表示システム。
【請求項2】
前記画像表示部は、選択されている前記モードに応じて、複数のモード表示画像を切り替えて表示し、
前記モード表示画像は、選択されているモードを示す前記画像と、選択されていないモードを示す前記画像とを含んでいる、請求項1に記載の表示システム。
【請求項3】
複数のモードのそれぞれを示す前記画像は、前記モードを示す文字を含んでおり、
前記画像表示部は、選択されているモードを示す前記画像に含まれる前記文字を、選択されていないモードを示す画像に含まれる前記文字よりも大きく表示する、請求項1に記載の表示システム。
【請求項4】
前記複数のモードのそれぞれを示す画像は、前記モードを示す文字を含んでおり、
前記画像表示部は、選択されているモードを示す前記画像に含まれる前記文字を白抜き文字として表示する、請求項1に記載の表示システム。
【請求項5】
前記画像表示部は、前記選択されているモードを示す画像として、前記選択されているモードを示す、文字および絵柄を含む画像を表示する、請求項1に記載の表示システム。
【請求項6】
前記複数のモードのそれぞれを示す画像は、前記モードを示す文字を含んでおり、
前記画像表示部は、選択されているモードを示す前記画像に含まれる前記文字を所定の図形で囲んで表示する、請求項1に記載の表示システム。
【請求項7】
前記運転装置は、前記車両のエンジンの変速機であり、
前記画像表示部は、前記変速機のモードを制御するシフトレバーに設けられている、請求項1に記載の表示システム。
【請求項8】
前記画像表示部は、選択されているモードにおける前記画像として、前記車両の動作方向を示すアニメーション表示を含む画像を表示する、請求項7に記載の表示システム。
【請求項9】
前記運転装置は、前記車両のワイパーであり、
前記画像表示部は、前記ワイパーの動作モードを制御するワイパースイッチに設けられている、請求項1に記載の表示システム。
【請求項10】
車両の内部に設置される表示システムであって、
複数のモードを有する前記車両の運転装置において選択されているモードを示す画像を表示する画像表示部を備え、
前記画像表示部は、
選択されているモードにおける前記車両の動作方向を示すアニメーション表示を行う、表示システム。
【請求項11】
前記運転装置は、前記車両のエンジンの変速機であり、
前記画像表示部は、前記変速機のモードを制御するシフトレバーに設けられている、請求項10に記載の表示システム。
【請求項12】
前記画像表示部は、複数の光源からの光の照射を切り替えることによって表示画像を切り替える表示切替装置であって、
前記表示切替装置は、
複数のレンズが配列されたレンズアレイと、
複数の前記光源から照射された光のそれぞれが、前記レンズアレイのそれぞれの前記レンズによって集光される光が通る領域を含んで配置される複数の画素領域を含む表示部と、を備え、
前記画素領域のそれぞれにおける透過率が所定の静止図柄に対応して設定される、請求項1または10に記載の表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の内部に設置される表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両の内部に設定され、例えば変速機などの複数のモードを有する車両の運転装置において選択されているモードを示すシステムが従来技術として知られている。例えば、特許文献1には、変速機の動作モードを選択するシフトレバーのレンジ位置を光源により照明する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-125149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の記載の技術では、選択されているレンジ位置が照明されるだけであり、選択されているモードがより目立つような表示やデザイン性に優れた表示が求められている。
【0005】
本発明の一態様は、車両の搭乗者の認識性が高い表示システムを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る表示システムは、車両の内部に設置される表示システムであって、複数のモードを有する前記車両の運転装置において選択されているモードを示す画像を表示する画像表示部を備え、前記画像表示部は、前記複数のモードのそれぞれを示す画像の全てを表示するとともに、選択されているモードを示す画像を、選択されていないモードを示す画像とは、色、輝度、文字の書式、および大きさのうちの少なくとも1つが異なるように表示する。
【0007】
当該構成によれば、選択されているモードがより目立つ表示を行うことができる。
【0008】
上記表示システムにおいて、前記画像表示部は、選択されている前記モードに応じて、複数のモード表示画像を切り替えて表示し、前記モード表示画像は、選択されているモードを示す前記画像と、選択されていないモードを示す前記画像とを含んでいる。当該構成によれば、選択されているモードに応じて、選択されているモードを示す画像を変更するだけでなく、選択されていないモードを示す画像も表示状態を変更することができる。よって、モード表示画像全体によって、選択されているモードの画像を目立たせるようなデザインとすることが可能となる。
【0009】
上記表示システムにおいて、複数のモードのそれぞれを示す前記画像は、前記モードを示す文字を含んでおり、前記画像表示部は、選択されているモードを示す前記画像に含まれる前記文字を、選択されていないモードを示す画像に含まれる前記文字よりも大きく表示する構成であってもよい。
【0010】
上記表示システムにおいて、前記複数のモードのそれぞれを示す画像は、前記モードを示す文字を含んでおり、前記画像表示部は、選択されているモードを示す前記画像に含ま
れる前記文字を白抜き文字として表示する構成であってもよい。
【0011】
上記表示システムにおいて、前記画像表示部は、前記選択されているモードを示す画像として、前記選択されているモードを示す、文字および絵柄を含む画像を表示する構成であってもよい。
【0012】
上記表示システムにおいて、前記複数のモードのそれぞれを示す画像は、前記モードを示す文字を含んでおり、前記画像表示部は、選択されているモードを示す前記画像に含まれる前記文字を所定の図形で囲んで表示する構成であってもよい。
【0013】
上記表示システムにおいて、前記運転装置は、前記車両のエンジンの変速機であり、前記画像表示部は、前記変速機のモードを制御するシフトレバーに設けられている構成であってもよい。上記の構成によれば、シフトレバーにおいて表示が行われることにより、シフト操作時での目視確認時にモードを認識しやすくすることができる。また、選択されているモードがわかりやすく表示されるので、操作性が向上する。また、選択されているモードの視認性がよい状態で表示することができるので、シフトレバーのような狭い場所でも、十分に視認性の高い表示が可能となる。
【0014】
上記表示システムにおいて、前記画像表示部は、選択されているモードにおける前記画像として、前記車両の動作方向を示すアニメーション表示を含む画像を表示する構成であってもよい。上記の構成によれば、車両の運転手は、シフトレバーで選択したモードでは、車両がどの方向に進行するかを直感的に理解できる。
【0015】
上記表示システムにおいて、前記運転装置は、前記車両のワイパーであり、前記画像表示部は、前記ワイパーの動作モードを制御するワイパースイッチに設けられている構成であってもよい。上記の構成によれば、ワイパースイッチにおいて表示が行われることにより、ワイパースイッチの操作時での目視確認時にモードを認識しやすくすることができる。また、選択されているモードがわかりやすく表示されるので、操作性が向上する。また、選択されているモードの視認性がよい状態で表示することができるので、ワイパースイッチのような狭い場所でも、十分に視認性の高い表示が可能となる。
【0016】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る表示システムは、車両の内部に設置される表示システムであって、複数のモードを有する前記車両の運転装置において選択されているモードを示す画像を表示する画像表示部を備え、前記画像表示部は、選択されているモードにおける前記車両の動作方向を示すアニメーション表示を行う。
【0017】
上記の構成によれば、これにより、車両の運転手に対して、選択した車両のモードにおける車両の進行方向を直感的に理解させることができる。
【0018】
上記表示システムにおいて、前記運転装置は、前記車両のエンジンの変速機であり、前記画像表示部は、前記変速機のモードを制御するシフトレバーに設けられている構成であってもよい。上記の構成によれば、シフトレバーにおいて表示が行われることにより、シフト操作時での目視確認時に車両の動作方向を認識しやすくすることができる。また、選択されているモードがわかりやすく表示されるので、操作性が向上する。また、選択されているモードの視認性がよい状態で表示することができるので、シフトレバーのような狭い場所でも、十分に視認性の高い表示が可能となる。
【0019】
上記表示システムにおいて、前記画像表示部は、複数の光源からの光の照射を切り替えることによって表示画像を切り替える表示切替装置であって、前記表示切替装置は、複数のレンズが配列されたレンズアレイと、複数の前記光源から照射された光のそれぞれが、
前記レンズアレイのそれぞれの前記レンズによって集光される光が通る領域を含んで配置される複数の画素領域を含む表示部と、を備え、前記画素領域のそれぞれにおける透過率が所定の静止図柄に対応して設定される構成であってもよい。
【0020】
当該構成により、液晶ディスプレイなどの複雑かつ高価な表示装置を用いることなく、選択されているモードを示す画像の表示を行うことができる。これにより、低コストの画像表示部を実現することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の一態様によれば、車両の搭乗者の認識性が高い表示システムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態1に係る表示システムのブロック図である。
図2】上記表示システムが備えるシフトレバーの周辺を示す図である。
図3】車両の運転手がシフトレバーを「P」に移動させた場合における、画像表示部が表示する画像を示す図である
図4】車両の運転手がシフトレバーを「R」に移動させた場合における、画像表示部が表示する画像を示す図である。
図5】車両の運転手がシフトレバーを「N」に移動させた場合における、画像表示部が表示する画像を示す図である。
図6】車両の運転手がシフトレバーを「D」に移動させた場合における、画像表示部が表示する画像を示す図である
図7】上記画像表示部の基本構成を示す模式図である。
図8】符号801、符号802および符号803に示す図は、それぞれ図7における上記画像表示部が備えるレンズアレイの構成例を示す図である。
図9】上記レンズアレイによる集光の状態の例を示す図である。
図10】符号1001、符号1002、符号1003および符号1004に示す図は、それぞれ上記画像表示部が備える表示部の切替表示例を示す図である。
図11】上記表示部、上記レンズアレイを構成するレンズおよび光源の対応関係を示す図である。
図12】実施形態1の表示システムの変形例としての表示システムにおいて、画像表示部が表示する画像を示す図である。
図13】実施形態1の表示システムの変形例としての表示システムにおいて、画像表示部が表示する画像の更なる他の表示例を示す図である。
図14】実施形態1の表示システムの変形例としての表示システムにおいて、画像表示部が表示する画像の更なる他の表示例を示す図である。
図15】実施形態1の表示システムの変形例としての表示システムのブロック図である。
図16】上記表示システムが備えるワイパースイッチを示す図である。
図17】車両の運転手がワイパースイッチを「OFF」に移動させた場合における、画像表示部が表示する画像を示す図である。
図18】車両の運転手がワイパースイッチを「INT」に移動させた場合における、画像表示部が表示する画像を示す図である。
図19】車両の運転手がワイパースイッチを「LO」に移動させた場合における、画像表示部が表示する画像を示す図である。
図20】車両の運転手がワイパースイッチを「HI」に移動させた場合における、画像表示部が表示する画像を示す図である。
図21】実施形態1の表示システムの変形例としての表示システムのブロック図である。
図22】上記表示システムにおいて、画像表示部が表示する画像を示す図である。
図23】画像表示部が表示する画像の更なる他の表示例を示す図である。
図24】実施形態1の表示システムの変形例としての表示システムが備えるシフトレバーを示す図である。
図25】上面に変速機のモードを示す画像が印字された、従来のシフトレバーの一例を示す図である。
図26】上記表示システムにおいて、画像表示部が表示する画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
〔実施形態1〕
以下、本開示の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。
【0024】
本開示の表示システムは、車両(例えば、車など)の内部に設置される表示システムであって、車両の搭乗者に、車両が備える運転装置のモード(状態)を示す画像を表示する画像表示部を備えるシステムである。本実施形態では、本開示の表示システムの一態様としての表示システム1Aについて説明する。
【0025】
§1 適用例
まず、図1図3を用いて、表示システム1Aが適用される場面の一例について説明する。図1は、表示システム1Aのブロック図である。図2は、表示システム1Aが備えるシフトレバー50の周辺を示す図である。図1および図2に示すように、表示システム1Aは、シフトレバー50と、画像表示部10と、制御部60とを備えている。
【0026】
表示システム1Aでは、画像表示部10によって、運転手によるシフトレバー50の操作に応じた画像を表示する。図3は、画像表示部10が表示する、例示的な表示画像を示す図である。図3は、車両の運転手がシフトレバー50を「P(パーキング)」に移動させた場合における、画像表示部10が表示する画像P1を示す図である。表示システム1Aでは、例えば運転手がシフトレバー50を「P」に移動させた場合、制御部60は、図3に示すように、(1)車両のエンジンの変速機のモードのそれぞれを示す、「P」、「R(リバース)」、「N(ニュートラル)」および「D(ドライブ)」を示す文字の全てを表示するとともに、(2)文字「P」を他の文字よりも大きく表示するように、画像表示部10に画像を表示させる。すなわち、画像表示部10は、選択されているモードである「P」が他の文字よりも目立つように画像の表示を行う。これにより、シフトレバー50により選択されているモードが「P」であることを、運転手が容易に確認できるようになっている。
【0027】
§2 構成例
次の表示システム1Aの構成の詳細について説明する。上記のように、表示システム1Aは、シフトレバー50と、画像表示部10と、制御部60とを備えている。
【0028】
シフトレバー50は、車両のエンジンの変速機が備える複数のモードから所望のモードを選択するために運転手により操作される操作部である。本実施形態では、簡略化のため、変速機は、「P」、「R」、「N」および「D」の4つのモードを有するものとして説明するが、上記の4つの他にも「2(セカンド)」、「L(ロー)」、「B(ブレーキ)」などの他のモードを備えていてもよい。
【0029】
画像表示部10は、図2に示すように、シフトレバー50の近傍であって、車両の運転手が確認できる位置に設置されている。画像表示部10は、運転手が選択した変速機のモードに応じた画像を表示する。図4は、車両の運転手がシフトレバー50を「R」に移動
させた場合における、画像表示部10が表示する画像P2を示す図である。図5は、車両の運転手がシフトレバー50を「N」に移動させた場合における、画像表示部10が表示する画像P3を示す図である。図6は、車両の運転手がシフトレバー50を「D」に移動させた場合における、画像表示部10が表示する画像P4を示す図である。図3図6に示すように、画像表示部10は、運転手によるシフトレバー50の操作に応じて、(1)車両のエンジンの変速機のモードのそれぞれを示す文字の全てを表示するとともに、(2)運転手が選択した変速機のモードを示す文字を、他の文字よりも大きく表示する。これにより、運転手が選択した変速機のモード、換言すれば、シフトレバー50により選択されているモードがどのモードであるかを、運転手が容易に確認できるようになっている。
【0030】
画像表示部10は、以下に詳述する表示切替装置によって実現されてもよい。
【0031】
(画像表示部の基本構成)
図7は、本実施形態に係る画像表示部10の基本構成を示す模式図である。図7に示すように、画像表示部10は、図面における上から下の順に、光吸収部材2と、光拡散部材3と、表示集光部46と、複数の光源7と、複数の光源7が取り付けられる基板8とを備える。
【0032】
光吸収部材2と、光拡散部材3と、表示部45と、レンズアレイ6とは、筐体9により支持される。さらに、複数の光源7が取付けられた基板8に筐体9を取付けることにより画像表示部10の基本構成がなされる。また、画像表示部10は、光吸収部材2の上方に損傷防止用の保護層を備えてもよい。上述の各部材のサイズは、画像表示部10が画像を表示する領域の大きさに応じて適宜設計され得る。
【0033】
光吸収部材2は、光を吸収する部材であり、光拡散部材3は、光を拡散する部材である。すなわち、光吸収部材2と、光拡散部材3とを調光部材と総称することができる。当該調光部材の構成例としては、例えばスモーク、ハーフミラー、偏光板、カラー板、拡散板、表示画像を表示する部材、拡散板と組み合わせて拡散機能をもったスモークなどが挙げられる。
【0034】
表示集光部46は、表示部45とマイクロレンズアレイ(以下、レンズアレイと略称する)6とを備えている。表示部45は、画像層4と、マトリクス層5とからなり、表示すべき画像(表示画像)Pを表示する。マトリクス層5は、例えば画素領域45a(開口、以下同様)と、画素領域45a以外の領域である画素周囲領域45b(マスク、以下同様)とを備える。画像層4と、マトリクス層5とは接合されている。なお、ここでいう「画素周囲領域45b」とは、画素領域45aのそれぞれの周囲にあって、透過率が一定である領域を指す。また、画素周囲領域45bは光源側からの光、すなわち、レンズアレイ6が配置されている側からの光を遮光する。
【0035】
図7に示すように、表示部45の下方に設けられたレンズアレイ6は、基板8に取付けられた複数の光源7が射出する光を集光する。レンズアレイ6は、複数のレンズが配列されて構成される。
【0036】
表示部45は、複数の光源7の位置から出射された光のそれぞれが、レンズアレイ6のそれぞれの前記レンズによって集光される光が通る領域を含んで配置される画素領域45aを複数備え、画素領域45aのそれぞれにおける透過率が所定の静止図柄に対応して設定されている。
【0037】
複数の光源7は、例えば、RGBLEDであってもよい。
【0038】
以上のような構成を有することにより、画像表示部10は、複数の光源7からの光の照射を切り替えることによって表示画像を切り替えることができる。なお、光源7の発光・消灯の切替は、図1に示すように、発光制御部11によって行われる。
【0039】
(レンズアレイの構成例)
図8の符号801、符号802および符号803に示す図は、それぞれ図7におけるレンズアレイ6の構成例を示す図である。具体的には、図8の符号801に示す図に示すように、レンズアレイ6は、複数のレンズが二次元マトリックス状に配列されて構成される。
【0040】
図8の符号802は、レンズアレイ6の一部を拡大して示す斜視図であり、図8の符号803に示す図は、レンズアレイ6の一部を拡大して示す部分断面図である。
【0041】
図9は、レンズアレイ6による集光の状態の例を示す図である。図9より、光源の位置を変えることにより集光箇所を変化させることができることが理解され得る。
【0042】
図10の符号1001、符号1002、符号1003および符号1004に示す図は、それぞれ表示部45の切替表示例を示す図である。図10の符号1001に示す図は、表示部45(画像層4)に表示される表示例であり、符号1002に示す図は表示される図柄の例示であり、符号1003に示す図は符号1001に示す図のA部の拡大図であり、符号1004に示す図は符号1003に示す図のB部の拡大図である。
【0043】
図10に示す表示例では、例えば同一の画像層に画像P5(例示では平仮名「き」)と、画像P6(例示では図柄「△」)と、画像P7(例示では大文字のアルファベット「G」)と、画像P8(例示では数字「6」)とを切替えて表示することができる。
【0044】
図10の符号1004に示すように、一例として、表示部45全体を、1つの区域に最大4つの画素領域45aを含むように複数の区域(複数の画素)に区切って表示を切り替えることが可能である。また、図10の符号1004に示すように、表示部45の画素領域45a以外の領域は画素周囲領域45bとなっている。
【0045】
図11は、表示部45、レンズアレイ6を構成するレンズおよび光源7の対応関係を示す図である。図11において、2つの画素が例示され、前記各光源からの光はレンズアレイ6に集光されてそれぞれ対応する画素領域45aから出射する。表示部45の各画素は、それぞれ画素領域45aと、画素周囲領域45bに分割されている。
【0046】
画像表示部10として上述のような表示切替装置を用いることにより、液晶ディスプレイなどの複雑かつ高価な表示装置を用いることなく、選択されているモードを示す画像の表示を行うことができる。これにより、低コストの画像表示部10を実現することができる。
【0047】
本実施形態における画像表示部10は、(1)光源7aから光を照射することにより、図3に示す画像P1を表示し、(2)光源7bから光を照射することにより、図4に示す画像P2を表示し、(3)光源7cから光を照射することにより、図5に示す画像P3を表示し(4)光源7dから光を照射することにより、図6に示す画像P4を表示する。すなわち、画像表示部10は、シフトレバー50により選択されている変速機のモードに応じた、複数の画像P1~P4(モード表示画像)を切り替えて表示可能となっており、照射する光源7a~7dを切り替える事により、複数の画像P1~P4を切り替えて表示できるようになっている。
【0048】
なお、本実施形態では、画像表示部10によって4つの画像P1~P4を切り替える態様について説明したが、本開示の画像表示部10は、表示したい画像の個数に合わせて、表示部45の区切り数、および、光源の個数を適宜調整することにより、5つ以上の画像を切り替えて表示させることができる。
【0049】
制御部60は、画像表示部10の動作を制御する。具体的には、制御部60は、シフトレバー50の位置を示す情報を取得し、画像表示部10に対して取得したシフトレバー50の位置に対応する画像を表示するように指示を出す。一例として、制御部60は、取得したシフトレバー50の位置が「D」であった場合、画像表示部10(より正確には、発光制御部11)に対して図6に示す画像P4を表示するように指示を出す。発光制御部11は、制御部60から指示を受け取ると、光源7dのみを発光するように光源7a~7dを制御する。これにより、画像表示部10は、図6に示す画像P4を表示する。すなわち、画像表示部10は、選択されているモードである「D」が他の文字よりも目立つように画像の表示を行う。その結果、シフトレバー50により選択されているモードが「P」であることを、運転手が容易に確認できる。すなわち、本実施形態の表示システム1Aは、車両の搭乗者の認識性が高い表示システムとなっている。
【0050】
本実施形態における表示システム1Aでは、シフトレバー50により選択されているモードに応じて、選択されているモードを示す画像と、選択されていないモードを示す画像とを含む、複数の画像P1~P4を切り替えて表示する。これにより、選択されているモードに応じて、選択されているモードを示す画像を変更するだけでなく、選択されていないモードを示す画像も表示状態を変更することができる。よって、画像P1~P4全体によって、選択されているモードの画像を目立たせるようなデザインとすることが可能となる。
【0051】
本発明の一態様の表示システム1Aでは、画像P1~P4ごとに画像の色を変えてもよい。これにより、選択されているモードの画像だけでなく、選択されていないモードの画像も色が変わるので、画像P1~P4全体の色によるモードの視認性を上げることができる。
【0052】
また、本発明の一態様の表示システム1Aでは、画像P1~P4ごとに、選択されているモードの画像および選択されていないモードの画像の表示位置を変更してもよい。例えば、選択されているモードの画像と選択されていないモードの画像との間隔を広げて、選択されていないモードの画像同士の間隔を狭くしてもよい。これにより、より選択されているモードの画像を目立たせることができる。
【0053】
§3 変形例
以上、本発明の実施の形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。例えば、以下のような変更が可能である。なお、以下では、上記実施形態と同様の構成要素に関しては同様の符号を用い、上記実施形態と同様の点については、適宜説明を省略した。以下の変形例は適宜組み合わせ可能である。
【0054】
<3.1>
実施形態1における表示システム1Aでは、シフトレバー50によって選択されているモードに対応する文字の大きさを、選択されていないモードに対応する文字よりも大きくすることにより、シフトレバー50により選択されているモードがどのモードであるかについての運転手の認識性を向上させていたが、本開示の表示システムはこれに限られない。
【0055】
本開示の一態様の表示システム1Aでは、運転手が選択した変速機のモードを示す文字の書式を変えて表示する(例えば、運転手が選択した変速機のモードを示す文字を白抜き文字として表示する)ことにより、シフトレバー50により選択されているモードがどのモードであるかについての運転手の認識性を向上させてもよい。図12は、画像表示部10が表示する画像の他の表示例を示す図である。図12に示すように、例えば運転手がシフトレバー50を「R」に移動させた場合、画像表示部10は、(1)車両のエンジンの変速機のモードのそれぞれを示す、「P」、「R」、「N」および「D」を示す文字の全てを表示するとともに、(2)文字「R」を白抜き文字として表示してもよい。
【0056】
また、本開示の一態様の表示システム1Aでは、運転手が選択した変速機のモードを示す画像として、文字および絵柄を含む画像を表示することにより、シフトレバー50により選択されているモードがどのモードであるかについての運転手の認識性を向上させてもよい。図13は、画像表示部10が表示する画像の他の表示例を示す図である。図13に示すように、例えば運転手がシフトレバー50を「P」に移動させた場合、画像表示部10は、(1)車両のエンジンの変速機のモードのそれぞれを示す、「P」、「R」、「N」および「D」を示す文字の全てを表示するとともに、(2)文字Pが表示される領域の周辺の領域に、駐車を示す絵柄(ピクトグラム)を表示してもよい。
【0057】
また、本開示の一態様の表示システム1Aでは、運転手が選択した変速機のモードを示す文字を所定の図形で囲んで表示することにより、シフトレバー50により選択されているモードがどのモードであるかについての運転手の認識性を向上させてもよい。図14は、画像表示部10が表示する画像の他の表示例を示す図である。図14に示すように、例えば運転手がシフトレバー50を「R」に移動させた場合、画像表示部10は、(1)車両のエンジンの変速機のモードのそれぞれを示す、「P」、「R」、「N」および「D」を示す文字の全てを表示するとともに、(2)文字「R」を所定の図形(図14に示す例では円)で囲んで表示してもよい。
【0058】
また、本開示の一態様の表示システム1Aでは、シフトレバー50によって選択されているモードに対応する文字の色を、選択されていないモードに対応する文字の色と異ならせて表示させることにより、シフトレバー50により選択されているモードがどのモードであるかについての運転手の認識性を向上させてよい。
【0059】
また、本開示の一態様の表示システム1Aでは、シフトレバー50によって選択されているモードに対応する画像の輝度と、選択されていないモードに対応する画像の輝度とが異なるように表示させることにより、シフトレバー50により選択されているモードがどのモードであるかについての運転手の認識性を向上させてよい。例えば、本開示の一態様の表示システム1Aでは、画像表示部10は、シフトレバー50によって選択されているモードに対応する画像の輝度を、選択されていないモードに対応する画像の輝度よりも大きくなるように、画像を表示してもよい。
【0060】
<3.2>
実施形態1では、車両が備える運転装置としての変速機のモードを示す画像を表示する表示システム1Aについて説明したが、本開示の表示システムは、その他の運転装置に対して適用することができる。本変形例では、車両が備える運転装置としてのワイパーについて適用する態様について説明する。
【0061】
図15は、本変形例に係る表示システム1Bのブロック図である。図16は、表示システム1Bが備えるワイパースイッチ70を示す図である。図15および図16に示すように、表示システム1Bは、ワイパースイッチ70と、画像表示部10と、制御部80とを備えている。
【0062】
ワイパースイッチ70は、運転手に対して車両のハンドルの裏側に設けられており、車両のワイパーの複数の動作モードから所望の動作モードを選択するために運転手により操作される操作部であり、ワイパーの動作を制御する機能を有している。図16は、ワイパースイッチ70を示す図である。図16に示すように、ワイパースイッチ70は、車両のフロントガラスに対して設けられたワイパー(以下では単にワイパーと称する)の複数の動作のうち、運転手により選択された動作モードを示す領域Dを有している。本変形例における表示システム1Bは、領域Dにおいて、画像表示部10が運転手によるワイパースイッチ70の操作に応じた画像を表示する。
【0063】
画像表示部10は、図16に示すように、ワイパースイッチ70に設置されている。画像表示部10は、運転手が選択したワイパーの動作モードに応じた画像を表示する。図17は、車両の運転手がワイパースイッチ70を「OFF(停止)」に移動させた場合における、画像表示部10が表示する画像P9を示す図である。図18は、車両の運転手がワイパースイッチ70を「INT(間欠動作モード)」に移動させた場合における、画像表示部10が表示する画像P10を示す図である。図19は、車両の運転手がワイパースイッチ70を「LO(低速動作モード)」に移動させた場合における、画像表示部10が表示する画像P11を示す図である。図20は、車両の運転手がワイパースイッチ70を「HI(高速動作モード)」に移動させた場合における、画像表示部10が表示する画像P11を示す図である。図17図20に示すように、本変形例では、画像表示部10は、(1)車両のワイパーの動作モードのそれぞれを示す文字の全てを表示するとともに、(2)運転手が選択したワイパーの動作モードを示す文字を、他の文字よりも大きく表示する。これにより、運転手が選択した変速機のモード、換言すれば、ワイパースイッチ70により選択されているモードがどのモードであるかを、運転手が容易に確認できるようになっている。
【0064】
本実施形態における画像表示部10は、(1)光源7aから光を照射することにより、図17に示す画像P9を表示し、(2)光源7bから光を照射することにより、図18に示す画像P10を表示し、(3)光源7cから光を照射することにより、図19に示す画像P11を表示し(4)光源7dから光を照射することにより、図20に示す画像P12を表示する。すなわち、画像表示部10は、他のモードを示す文字とは文字の大きさが大きい文字を含む、複数の画像P9~P12を表示可能となっており、照射する光源7a~7dを切り替える事により、複数の画像P9~P12を切り替えて表示できるようになっている。
【0065】
制御部80は、画像表示部10の動作を制御する。具体的には、制御部80は、ワイパースイッチ70の位置を示す情報を取得し、画像表示部10に対して取得したワイパースイッチ70の位置に対応する画像を表示するように指示を出す。一例として、制御部80は、取得したワイパースイッチ70の位置が「LO」であった場合、画像表示部10(より正確には、発光制御部11)に対して図19に示す画像P11を表示するように指示を出す。発光制御部11は、制御部80から指示を受け取ると、光源7cのみを発光するように光源7a~7dを制御する。これにより、画像表示部10は、図19に示す画像P11を表示する。その結果、ワイパースイッチ70により選択されているモードが「LO」であることを、運転手が容易に確認できる。すなわち、本実施形態の表示システム1Bは、車両の搭乗者の認識性が高い表示システムとなっている。
【0066】
<3.3>
従来では、運転手が選択した変速機のモードに応じた画像を表示するために文字だけを表示していた。この場合、選択したモードにおける車両の進行方向を運転手が直感的に理解しにくいという課題がある。本変形例では、モードにおける車両の進行方向を運転手が
直感的に理解しやすい画像を表示できる表示システムについて説明する。
【0067】
図21は、本変形例に係る表示システム1Cのブロック図である。図21に示すように、表示システム1Cは、実施形態1における画像表示部10に代えて画像表示部10Aを備えている。画像表示部10Aは、複数の光源7を備えており、それぞれの光源を発光させることにより、互いに異なる画像を表示する。
【0068】
本実施形態における表示システム1Cでは、シフトレバー50によって運転手が選択した変速機のモードが、「R」または「D」であった場合に画像表示部によって表示される画像が実施形態1における画像と異なっている。
【0069】
本変形例における画像表示部10Aは、複数の光源7のうち1つの光源7を発光させることにより、図22に示す画像P13~P16、および、図23に示す画像P17~P20をそれぞれ表示可能となっている。画像P13は、文字「D」の画像である。画像P14は、車両の前方方向を向いた矢印の前方の半分のみの画像である。画像P15は、車両の前方方向を向いた矢印の画像である。画像P16は、矩形の画像である。画像P17は、文字「R」の画像である。画像P18は、車両の後方方向を向いた矢印の前方の半分のみの画像である。画像P19は、車両の後方方向を向いた矢印の画像である。画像P20は、矩形の画像である。
【0070】
表示システム1Cでは、運転手がシフトレバー50を「D」に移動させた場合、画像表示部10Aの発光制御部11は、画像P13に対応する光源7、画像P14に対応する光源7、画像P15に対応する光源7、および、画像P16に対応する光源7をこの順に順次点灯させる。これにより、画像表示部10Aには、画像P13、画像P14、画像P15および画像P16が順次表示される。これにより、画像表示部10Aには、矢印が車両の前方に向かって移動しているように画像が表示される。これにより、車両の運転手に対して、シフトレバー50で選択したモードでは、車両が前方方向に進行することを直感的に理解させることができる。
【0071】
また、表示システム1Cでは、運転手がシフトレバー50を「R」に移動させた場合、画像表示部10Aの発光制御部11は、画像P17に対応する光源7、画像P18に対応する光源7、画像P19に対応する光源7、および、画像P20に対応する光源7をこの順に順次点灯させる。これにより、画像表示部10Aには、画像P17、画像P18、画像P19および画像P20が順次表示される。これにより、画像表示部10Aには、矢印が車両の後方に向かって移動しているように画像が表示される。これにより、車両の運転手に対して、シフトレバー50で選択したモードでは、車両が後方方向に進行することを直感的に理解させることができる。
【0072】
このように、表示システム1Cでは、画像表示部10Aは、選択されているモードにおける車両の進行方向を示すアニメーション表示を行う。これにより、車両の運転手は、シフトレバー50で選択したモードでは、車両が前方方向および後方方向のいずれに進行するかを直感的に理解できるようになっている。すなわち、本実施形態の表示システム1Cは、車両の搭乗者の認識性が高い表示システムとなっている。
【0073】
<3.4>
実施形態1における表示システム1Aでは、画像表示部10がシフトレバー50の近傍に設置されていたが、本発明の表示システムはこれに限られない。本変形例では、画像表示部10がシフトレバーの内部に設けられ、画像表示部10によってシフトレバーの上面に画像を表示する構成について説明する。
【0074】
図24は、本変形例における表示システム1Dが備えるシフトレバー90を示す図である。図24に示すように、表示システム1Dでは、画像表示部10は、シフトレバー90、より詳細には、シフトレバー90のノブ90aに設置されている。画像表示部10は、光が出射される面がシフトレバー90の上面になるようにシフトレバー90の内部に設置されており、シフトレバー90の上面に画像を表示する。
【0075】
図25は、上面に変速機のモードを示す画像が印字された、従来のシフトレバーの一例を示す図である。従来のシフトレバーでは上面に画像が印字されているため、運転手がシフトレバーを操作しても画像は当然ながら変化しない。そのため、運転手は、シフトレバーを見たときに、シフトレバーにより選択されているどのモードであるのか認識することができなかった。これに対して、表示システム1Dでは、シフトレバーを見たときに、シフトレバーにより選択されているモードがどのモードであるのか認識できるようになっている。
【0076】
本変形例における画像表示部10は、複数の光源7を備えており、それぞれの光源を発光させることにより、互いに異なる画像を表示する。本変形例における画像表示部10Aは、複数の光源7のうち1つの光源7を発光させることにより、図26に示す画像P21~P28をそれぞれ表示可能となっている。画像P21は、各文字が同じ大きさで表示されている画像である。画像P22は、文字「R」が他の文字よりも大きく表示されている画像である。画像P23は、文字「N」が他の文字よりも大きく表示されている画像である。画像P24は、文字「D」が他の文字よりも大きく表示されている画像である。画像P25は、文字「B」が他の文字よりも大きく表示されている画像である。画像P26は、シフトレバー90をニュートラルポジション(丸の図形で示される位置)から右側に移動させたときに次のシフトレバーの移動により選択される変速機のモードを示す画像である。画像P27は、文字「R」の画像である。画像P28は、文字「D」の画像である。
【0077】
<表示例1>
表示システム1Dでは、運転手によるシフトレバー90の操作により変速機のいずれかのモードが選択された場合、画像表示部10により画像P22~P25のうち選択されたモードに対応する画像表示してもよい。すなわち、表示システム1Dでは、運転手によるシフトレバー90の操作により変速機のいずれかのモードが選択された場合、(1)車両のエンジンの変速機のモードのそれぞれを示す文字の全てを表示するとともに、(2)運転手が選択した変速機のモードを示す文字を、他の文字よりも大きく表示してもよい。
【0078】
例えば、運転手がシフトレバー90の操作により変速機のモードとして「D」を選択した場合、画像表示部10は、文字「D」が他の文字よりも大きく表示されている画像P24を表示する。その結果、シフトレバー90により選択されているモードが「D」であることを、運転手が容易に確認できる。
【0079】
また、表示システムIDでは、運転手がシフトレバー90の操作により変速機のモードとして「D」を選択した場合、(1)車両のエンジンの変速機のモードのそれぞれを示す文字の全てを表示するとともに、(2)上記<3.3>において図22を用いて説明したアニメーション表示を行ってもよい。
【0080】
<表示例2>
表示システム1Dでは、運転手がシフトレバー90をニュートラルポジションから右側に移動させた場合、画像表示部10により画像P26を表示してもよい。これにより、シフトレバー90の次の操作方向によって選択される変速機のモードを運転手に表示することができる。これにより、運転手がシフトレバー90を誤操作する可能性を低減することができる。
【0081】
<表示例3>
表示システム1Dでは、運転手によるシフトレバー90の操作により変速機のいずれかのモードが選択された場合、画像表示部10により画像P21と選択されたモードを示す文字のみの画像とを交互に表示してもよい。
【0082】
例えば、運転手がシフトレバー90の操作により変速機のモードとして「D」を選択した場合、画像表示部10は、画像P21と画像P28とを交互に表示してもよい。これにより、シフトレバー90により選択されているモードが「D」であることを、運転手が容易に確認できる。
【0083】
ここで、本変形例における表示システム1Dでは、画像表示部10が光源7から照射された光を用いて画像の表示を行っている。そのため、従来のように印字された画像に比べて夜間などの周囲が暗い状況においても、運転手が画像を認識試薬なっている。また、シフトレバー90の上面が光るため、運転手がシフトレバー90のノブの位置を把握しやくなっている。
【0084】
§4 適用例
これまで説明した形態は、本発明の表示システムを、シフトレバーまたはワイパースイッチに適用するものであったが、本発明の表示システムは、車両のその他の運転装置に対して適用することができる。
【0085】
例えば、本発明の表示システムは、ダイヤル式で変速機の動作モードを選択するシステムに適用することができる。
【0086】
また、本発明の表示システムは、ハンドル(ステアリング)に設けられるスイッチ(ステアリングスイッチとも呼称される)に適用することができる。
【0087】
また、本発明の表示システムは、後部座席用の操作パネルに適用することができる。当該操作パネルは、例えば、車両の空調の制御、オーディオの動作の選択を行えるものであってもよい。これにより、後部座席の搭乗者が車両の運転装置の一部の制御を行うことができる。
【0088】
また、本発明の表示システムは、エンジンの電源のオン・オフを制御するいわゆるプッシュスタートスイッチに対して適用することができる。この場合、エンジンの電源がオフであり、かつ、運転手が車両のブレーキをかけている場合と、エンジンの電源がオフであり、かつ、運転手が車両のブレーキをかけていない場合とで表示する画像の色を変えてもよい。
【0089】
また、本発明の表示システムは、インストルメントパネルに対して適用することができる。例えば、インストルメントパネルに表示されるウィンカーまたはアラート表示に対して本発明の表示システムを適用してもよい。
【0090】
また、本発明の表示システムは、車両のヘッドライトの動作を制御するライトスイッチに対して適用することができる。
【0091】
また、本発明の表示システムは、車両のヒーターの動作を制御するヒーターコントロールスイッチに対して適用することができる。
【0092】
また、本発明の表示システムは、福祉車両に対して適用することができる。ここで、福
祉車両として、例えば、人が座った状態の車椅子を搬送する福祉車両が知られている。このような福祉車両では、遮光調製スイッチなどの車椅子を車両内に移動させるためのスイッチ、セーフティベルトスイッチ、車椅子を固定するための固定装置スイッチなど多くのスイッチが存在する。また、スイッチによっては、「引く」、「押す」、「長押し」などの複数の操作を必要とする。そのため、福祉車両の各スイッチをどのように操作すればよいかが分からなくなるという問題がある。このような福祉車両の各スイッチに対して本発明の表示システムを適用することにより、福祉車両の操作者に対して現在選択しているモードがどのようなモードであるかを認識させやすくなり、誤動作が生じる虞を低減することができる。
【0093】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0094】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る表示システムは、車両の内部に設置される表示システムであって、複数のモードを有する前記車両の運転装置において選択されているモードを示す画像を表示する画像表示部を備え、前記画像表示部は、前記複数のモードのそれぞれを示す画像の全てを表示するとともに、選択されているモードを示す画像を、選択されていないモードを示す画像とは、色、輝度、文字の書式、および大きさのうちの少なくとも1つが異なるように表示する。
【0095】
本発明の態様2に係る基板は、上記の態様1において、前記画像表示部は、選択されている前記モードに応じて、複数のモード表示画像を切り替えて表示し、前記モード表示画像は、選択されているモードを示す前記画像と、選択されていないモードを示す前記画像とを含んでいる構成であってもよい。
【0096】
本発明の態様3に係る基板は、上記の態様1または2において、複数のモードのそれぞれを示す前記画像は、前記モードを示す文字を含んでおり、前記画像表示部は、選択されているモードを示す前記画像に含まれる前記文字を、選択されていないモードを示す画像に含まれる前記文字よりも大きく表示する構成であってもよい。
【0097】
本発明の態様4に係る基板は、上記の態様1~3のいずれかにおいて、前記複数のモードのそれぞれを示す画像は、前記モードを示す文字を含んでおり、
前記画像表示部は、選択されているモードを示す前記画像に含まれる前記文字を白抜き文字として表示する構成であってもよい。
【0098】
本発明の態様5に係る基板は、上記の態様1~4のいずれかにおいて、前記画像表示部は、前記選択されているモードを示す画像として、前記選択されているモードを示す、文字および絵柄を含む画像を表示する構成であってもよい。
【0099】
本発明の態様6に係る基板は、上記の態様1~5のいずれかにおいて、前記複数のモードのそれぞれを示す画像は、前記モードを示す文字を含んでおり、
前記画像表示部は、選択されているモードを示す前記画像に含まれる前記文字を所定の図形で囲んで表示する構成であってもよい。
【0100】
本発明の態様7に係る基板は、上記の態様1~6のいずれかにおいて、前記運転装置は、前記車両のエンジンの変速機であり、前記画像表示部は、前記変速機のモードを制御するシフトレバーに設けられている構成であってもよい。
【0101】
本発明の態様8に係る基板は、上記の態様1~7のいずれかにおいて、前記画像表示部は、選択されているモードにおける前記画像として、前記車両の動作方向を示すアニメーション表示を含む画像を表示する構成であってもよい。
【0102】
本発明の態様9に係る基板は、上記の態様1~6のいずれかにおいて、前記運転装置は、前記車両のワイパーであり、前記画像表示部は、前記ワイパーの動作モードを制御するワイパースイッチに設けられている構成であってもよい。
【0103】
本発明の態様10に係る表示システムは、車両の内部に設置される表示システムであって、複数のモードを有する前記車両の運転装置において選択されているモードを示す画像を表示する画像表示部を備え、前記画像表示部は、選択されているモードにおける前記車両の動作方向を示すアニメーション表示を行う。
【0104】
本発明の態様11に係る基板は、上記の態様10において、前記運転装置は、前記車両のエンジンの変速機であり、前記画像表示部は、前記変速機のモードを制御するシフトレバーに設けられている構成であってもよい。
【0105】
本発明の態様12に係る基板は、上記の態様1~11のいずれかにおいて、前記画像表示部は、複数の光源からの光の照射を切り替えることによって表示画像を切り替える表示切替装置であって、前記表示切替装置は、複数のレンズが配列されたレンズアレイと、複数の前記光源から照射された光のそれぞれが、前記レンズアレイのそれぞれの前記レンズによって集光される光が通る領域を含んで配置される複数の画素領域を含む表示部と、を備え、前記画素領域のそれぞれにおける透過率が所定の静止図柄に対応して設定される構成であってもよい。
【符号の説明】
【0106】
1A、1B、1C、1D 表示システム
6 レンズアレイ
7、7a、7b、7c、7d 光源
10、10A 画像表示部
45 表示部
45a 画素領域
45b 画素周囲領域
50、90 シフトレバー
70 ワイパースイッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26